(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
フォトレジストパターンのパターンを、フォトレジストマスクの下にある1以上の層に転写することをさらに含み、このパターン転写がエッチングプロセスによって行われ、当該方法が現像剤適用とエッチングプロセスとの間に現像後すすぎを含まない、請求項1に記載の方法。
第一のパターン様露光の後で、現像剤を適用する前に、フォトレジスト組成物層の化学線への第二のパターン様露光を行うことをさらに含み、第二のパターン様露光のパターンが第一のパターン様露光のパターンとは異なる、請求項1に記載の方法。
【背景技術】
【0002】
半導体製造産業においては、フォトレジスト材料は、半導体基体上に配置された1以上の下地層、例えば、金属、半導体および誘電層に、並びに、基体自体に像を転写するために使用される。半導体デバイスの集積密度を増大させ、ナノメートル(nm)範囲の寸法を有する構造の形成を可能にするために、高解像能を有するフォトレジストおよびフォトリソグラフィ加工ツールが開発されてきており、かつ継続して開発されている。
【0003】
半導体デバイスにおいてnmスケールのフィーチャーサイズを達成するための1つのアプローチは、化学増幅型フォトレジストの露光中に、短い波長、例えば、193nm以下の光を使用することである。液浸リソグラフィは、像形成装置、例えば、KrFまたはArF光源を有するスキャナーのレンズの開口数(NA)を効果的に増大させる。これは、像形成装置の表面と、半導体ウェハの上面との間に相対的に高い屈折率の流体(すなわち、液浸流体)を使用することにより達成される。液浸流体は、空気または不活性ガス媒体を用いて起こるであろうよりも、より多量の光がレジスト層に焦点を結ぶのを可能にする。液浸流体として水を使用する場合には、最大開口数は、例えば、1.2から1.35に増大させられうる。開口数のこのような増大に関して、単一の露光プロセスにおいて40nmハーフピッチ解像度を達成することができ、これにより改良されたデザイン縮小を可能にする。しかし、この標準的な液浸リソグラフィプロセスは、一般的には、より大きな解像度、例えば、32nmおよび22nmのハーフピッチノードを必要とするデバイスの製造に適していない。
【0004】
より大きな解像度を達成し、かつ既存の製造ツールの能力を向上させるための努力において、二重パターニング(ピッチスプリッティングとも称される)のような最先端のパターニング技術が提案されてきた。しかし、様々な二重パターニング技術は、例えば、以下の1以上をはじめとする欠点に悩まされている:フォトリソグラフィ処理モジュールとエッチング処理モジュールとの間を往復するウェハの輸送、並びにエッチングおよびレジスト除去プロセス自体に起因する増大した汚染および欠陥;処理工程数の増大に起因する生産スループットの低下;並びに、過度に高いレジスト硬化温度によるレジストパターン変形。
【0005】
微細なリソグラフィパターンを得るための別のパターニング技術は、従来のポジ型化学増幅型フォトレジストのネガ現像を伴う。このようなレジストは典型的には酸不安定(acid−labile)基を有する樹脂および光酸発生剤を使用する。化学線への露光は酸発生剤に酸を形成させ、露光後ベーキング中にこの酸は樹脂中の酸不安定基の切断を引き起こす。このことはレジストの露光領域と未露光領域との間の溶解度特性の違いを作り出す。テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)のような水性アルカリ現像剤を使用する従来の現像プロセスにおいては、レジストの露光領域は現像剤に可溶性であり、基体表面から除かれるが、一方で現像剤に不溶性である未露光領域は現像後も残存してポジ型像を形成する。ネガ現像においては、特定の有機溶媒中での現像によって従来のポジ型レジストからネガ型像が得られうる。このようなプロセスはグッドオール(Goodall)らへの米国特許第6,790,579号に記載されている。この文献は酸発生開始剤およびポリマー骨格に沿って繰り返す酸不安定ペンダント基を含む多環式ポリマーを含むフォトレジスト組成物を開示する。露光領域はアルカリ性現像剤で選択的に除去されることができ、あるいは未露光領域はネガ現像に好適な非極性溶媒での処理によって選択的に除去されうる。
【0006】
ネガ現像のために現在提案されている現像剤は酢酸n−ブチル(NBA)である。しかし、この物質の使用は様々な理由のために望ましくない。安全性の観点から、NBAは22℃の比較的低い引火点を有し、かつ溶媒蒸気−空気混合物を発火させる電気もしくは静電スパークを生じさせうる動作する機械部品および電気部品をこの処理装置が典型的に有するので、火災や爆発の危険をもたらしうるという点でNBAは問題がある。さらに、NBAを使用する場合の露光寛容度は比較的低く、それにより望まれる処理ウィンドウよりも小さいものしか提供しないことが見いだされてきた。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明は、添付の図面を参照して説明され、図中の同様の参照番号は同様の特徴物を示す。
本発明は、ここで、本発明に従ったネガ現像によってフォトリソグラフィパターンを形成するための第1の典型的なプロセスフローを示す
図1A−Eを参照して説明される。
図1Aは様々な層およびフィーチャを含むことができる基体100の断面を示す。基体は半導体、例えば、シリコン、または化合物半導体(例えば、III−V、もしくはII−VI)、ガラス、石英、セラミック、銅などの材料からなることができる。典型的には、基体は単結晶シリコンのような半導体ウェハ、または化合物半導体ウェハであり、基体表面上に形成された1以上の層およびパターン形成されたフィーチャを有することができる。パターン形成される1以上の層102は基体100上に提供されうる。場合によっては、例えば、基体材料に溝を形成することが望まれる場合には、下地ベース基体材料自体がパターン形成されることができる。ベース基体材料自体をパターン形成する場合には、そのパターンは基体の層に形成されるとみなされるものとする。
【0012】
この層は、例えば、1以上の導電層、例えば、アルミニウム、銅、モリブデン、タンタル、チタン、タングステン、これらの金属の合金、窒化物もしくはケイ化物、ドープト非晶質ケイ素、またはドープトポリシリコンの層、1以上の誘電層、例えば、酸化ケイ素、窒化ケイ素、酸窒化ケイ素、または金属酸化物の層、半導体層、例えば、単結晶シリコン、並びにこれらの組み合わせを含むことができる。エッチングされる層は様々な技術、例えば、プラズマエンハンスCVD、低圧CVDもしくはエピタキシャル成長のような化学蒸着(CVD)、スパッタリングもしくは蒸発のような物理蒸着(PVD)、または電気めっきによって形成されうる。エッチングされる1以上の層102の具体的な厚みは、材料および形成される具体的なデバイスに応じて変動するであろう。
【0013】
エッチングされる具体的な層、膜厚、並びに使用されるフォトリソグラフィ材料およびプロセスに応じて、層102上にハードマスク層104および/またはボトム反射防止塗膜(BARC)106を配置し、その上にフォトレジスト層108がコーティングされるのが望ましい場合がある。例えば、非常に薄いレジスト層で、エッチングされる層がかなりのエッチング深さを必要とするか、および/または具体的なエッチング剤が低いレジスト選択性を有する場合には、ハードマスク層104の使用が望まれる場合がある。ハードマスク層が使用される場合には、形成されるレジストパターンはハードマスク層に転写されることができ、ハードマスク層は、次に、下地層102をエッチングするためのマスクとして使用されうる。好適なハードマスク材料および形成方法は当該技術分野において知られている。典型的な物質には、例えば、タングステン、チタン、窒化チタン、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、酸窒化アルミニウム、酸化ハフニウム、無定形炭素、酸窒化ケイ素および窒化ケイ素が挙げられる。ハードマスク層104は単一層、または異なる物質の複数の層を含むことができる。ハードマスク層は、例えば、化学もしくは物理蒸着技術によって形成されうる。
【0014】
ボトム反射防止塗膜106がなければ形成されるパターンの品質が悪影響を受けるであろう有意な量の入射放射線をフォトレジスト露光中に基体および/または下地層が反射する場合には、ボトム反射防止塗膜106が望まれる場合がある。このような塗膜は、焦点深度、露光寛容度、線幅均一性およびCD制御を向上させることができる。レジストが深紫外光(300nm以下)、例えば、KrFエキシマレーザー光(248nm)、ArFエキシマレーザー光(193nm)に曝露される場合に、反射防止塗膜は典型的に使用される。反射防止塗膜106は単一層または異なる複数の層を含むことができる。好適な反射防止材料および形成方法は当該技術分野において知られている。反射防止材料は市販されており、例えば、ロームアンドハースエレクトロニックマテリアルズLLC(米国、マサチューセッツ州、マルボロ)によって、AR商標をつけて、例えば、AR
商標40AおよびAR
商標124反射防止材として販売されている。
【0015】
フォトレジスト組成物は反射防止層106(存在する場合)上の基体上に適用されて、フォトレジスト層108を形成する。フォトレジスト組成物は酸により切断可能な基を含む樹脂と、光酸発生剤とを含む。フォトレジスト組成物は典型的には水性アルカリ現像剤中で現像される場合にはポジ型材料であるが、特定の有機現像剤中で現像される場合にはネガ型である。好適なフォトレジスト材料は当該技術分野において知られており、例えば、アクリラート、ノボラックおよびシリコン化学物質をベースにするものが挙げられる。好適なレジストは、例えば、米国特許出願公開第20090117489A1号、第20080193872A1号、第20060246373A1号、第20090117489A1号、第20090123869A1号および米国特許第7,332,616号に記載されている。好適な物質には、組成物の1以上の成分の酸不安定基の光酸促進脱保護反応を受けて、レジストの塗膜層の露光領域を未露光領域よりも水性現像剤に可溶性にする化学増幅フォトレジストが挙げられる。フォトレジスト樹脂の典型的な光酸不安定基には、エステルのカルキシル酸素に供給結合した第三級非環式アルキル炭素(例えば、t−ブチル)または第三級脂環式炭素(例えば、メチルアダマンチル)を含むエステル基が挙げられる。アセタール光酸不安定基も典型的である。
【0016】
第1の感光性組成物の樹脂は好ましくは、レジスト組成物に水性アルカリ現像可能性を付与する官能基を有する。例えば、典型的なものは、ヒドロキシルまたはカルボキシラートのような極性官能基を含む樹脂バインダーである。樹脂成分は、有機現像剤溶液中で未露光領域を現像可能にするのに充分な量で組成物中に使用される。樹脂成分は典型的には、レジストの全固形分の約70〜約97重量%を構成しうる。
【0017】
感光性組成物は、活性化放射線への露光の際に組成物の塗膜層に潜像を生じさせるのに充分な量で使用される光酸発生剤(PAG)をさらに含む。例えば、光酸発生剤はレジストの全固形分の約1〜20重量%の量で好適に存在しうる。好適なPAGは化学増幅型フォトレジストの技術分野において知られており、例えば、オニウム塩、例えば、トリフェニルスルホニウム塩、ニトロベンジル誘導体、スルホン酸エステル、ジアゾメタン誘導体、グリオキシム誘導体、N−ヒドロキシイミド化合物のスルホン酸エステル誘導体、およびハロゲン含有トリアジン化合物が挙げられる。
【0018】
フォトレジスト組成物は、他の追加塩基、特に、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド(TBAH)、またはテトラブチルアンモニウムラクタートをさらに含むことができ、これらは現像されたレジストレリーフ像の解像度を向上させうる。193nmで像形成されるレジストについては、典型的な追加塩基はヒンダードアミンであり、例えば、ジアザビシクロウンデセンまたはジアザビシクロノネンである。追加塩基は、比較的少量で、例えば、全固形分に対して約0.03〜5重量%で好適に使用される。
【0019】
本発明の方法において使用されるフォトレジストは界面活性剤を含むこともできる。典型的な界面活性剤は両親媒性を示し、このことは、その界面活性剤が同時に親水性および疎水性の双方であり得ることを意味する。両親媒性界面活性剤は、水に強い親和性を有する単一または複数の親水性頭部基と、親有機物性で水をはじく長い疎水性尾部とを有する。好適な界面活性剤はイオン性(すなわち、アニオン性、カチオン性)もしくは非イオン性であることができる。界面活性剤のさらなる例には、シリコーン界面活性剤、ポリ(アルキレンオキシド)界面活性剤、およびフッ素化合物界面活性剤が挙げられる。水溶液に使用するのに好適な非イオン性界面活性剤には、これらに限定されないが、オクチルおよびノニルフェノールエトキシラート、例えば、トライトン(TRITON
登録商標)X−114、X−100、X−45、X−15、並びに分岐第二級アルコールエトキシラート、例えば、テルジトール(TERGITOL
商標)TMN−6(ザダウケミカルカンパニー、ミッドランド、ミシガン州、米国)が挙げられる。さらなる典型的な界面活性剤には、アルコール(第一級および第二級)エトキシラート、アミンエトキシラート、グルコシド、グルカミン、ポリエチレングリコール、ポリ(エチレングリコール−コ−プロピレングリコール)、またはニュージャージー州グレンロックのManufacturers Confectioners Publishing Co.(マニュファクチャーズコンフェクショナーズパブリッシングカンパニー)によって出版された、2000年北米版、McCutcheon’s Emulsifiers and Detergents(マッカチオンの乳化剤および洗剤)に開示される他の界面活性剤が挙げられる。
【0020】
下記式の界面活性剤のような、アセチレン系ジオール誘導体である非イオン性界面活性剤も好適であり得る:
【化1】
これらの式中、R
1およびR
4は3から10の炭素原子を有する線状または分岐アルキル鎖であり;R
2およびR
3はHまたはアルキル鎖であり、好適には1〜5の炭素原子を有し;m、n、pおよびqは0〜20の範囲の数である。このような界面活性剤はアレンタウン、ペンシルベニア州のエアプロダクツアンドケミカルズインコーポレーティド(Air Products and Chemicals,Inc.)から、商品名サーフィノール(SURFYNOL
登録商標)およびダイノール(DYNOL
登録商標)で商業的に入手可能である。
【0021】
追加の好適な界面活性剤には、他のポリマー化合物、たとえば、トリブロックEO−PO−EOコポリマー、プルロニック(PLURONIC
登録商標)25R2、L121、L123、L31、L81、L101およびP123(BASF,Inc.)が挙げられる。
【0022】
フォトレジストは追加の任意物質も含みうる。例えば、他の任意の添加剤には、抗ストリエーション剤(anti−striation agent)、可塑剤および速度向上剤が挙げられる。比較的高濃度で、例えば、レジストの乾燥成分の合計重量を基準にして約0.1〜10重量%の量で存在しうる充填剤および染料を除いて、このような任意の添加剤は、典型的には、フォトレジスト組成物中に低濃度で存在する。
【0023】
本発明において有用なフォトレジストは、概して、既知の手順に従って製造される。例えば、レジストは、好適な溶媒、例えば、グリコールエーテル、例えば、2−メトキシエチルエーテル(ジグライム)、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル;プロピレングリコールモノメチルエーテルアセタート;ラクタート、例えば、乳酸エチルまたは乳酸メチル;プロピオナート、特にプロピオン酸メチル、プロピオン酸エチルおよびエチルエトキシプロピオナート;セロソルブエステル、例えば、メチルセロソルブアセタート;芳香族炭化水素、例えばトルエンもしくはキシレン;またはケトン、例えば、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンおよび2−ヘプタノン中でフォトレジストの成分を溶解することによりコーティング組成物として製造されうる。典型的には、フォトレジストの固形分含有量は、フォトレジスト組成物の全重量を基準にして約2〜25重量%で変化する。このような溶媒の混合物も好適である。
【0024】
本発明の方法は様々な像形成波長、例えば、特にサブ−400nm、サブ−300nmまたはサブ−200nmの露光波長を有する放射線(I線(365nm)、248nm、および193nmが典型的な露光波長である)、並びにEUV(13.5nm)および157nmと共に使用されうる。典型的な形態においては、フォトレジストはサブ−200nmの波長、例えば、193nmと共に使用され、像形成されるのが好適である。このような波長においては、液浸リソグラフィの使用が典型的であるが、非液浸プロセスが使用されても良い。液浸リソグラフィにおいては、約1〜約2の屈折率を有する流体(すなわち、液浸流体)が露光ツールとフォトレジスト層との間に露光中に維持される。トップコート層は典型的には、フォトレジスト層上に配置され、液浸流体とフォトレジスト層とが直接接触するのを妨げ、フォトレジストの成分が液浸流体中に浸出するのを回避する。
【0025】
フォトレジスト組成物はスピンコーティング、ディッピング、ローラーコーティングまたは他の従来のコーティング技術によって基体に適用されうる。もちろん、スピンコーティングが典型的である。スピンコーティングのためには、コーティング溶液の固形分量は、使用される具体的なコーティング装置、溶液の粘度、コーティングツールの速度および回転させる時間量に基づいて、所望の膜厚をもたらすように調節されうる。フォトレジスト層108の典型的な厚みは約500〜1500Åである。次に、フォトレジスト層はソフトベークされることができ、層中の溶媒含有量を最小限にすることができ、それにより、粘着性でない塗膜を形成し、基体への層の接着を向上させることができる。ソフトベークはホットプレート上でまたはオーブン中で行われることができ、ホットプレートが典型的である。ソフトベーク温度および時間は、例えば、フォトレジストの具体的な材料および厚みに応じて変動しうる。典型的なソフトベークは90〜150℃の温度で、30〜90秒の時間で行われる。
【0026】
フォトレジスト層108は液浸リソグラフィーツール、例えば、193nm液浸スキャナを用いて露光されるものである場合には、トップコート層(示されていない)はフォトレジスト層108上に配置されうる。このようなトップコート層の使用は液浸流体と下地フォトレジスト層との間のバリアとして機能しうる。この方法において、おそらく、光学レンズの汚染、並びに液浸流体の実効屈折率および透過特性の変化をもたらす感光性組成物の成分の液浸流体への浸出は、最小限にされうるかまたは回避されうる。好適なトップコート組成物は市販されており、例えば、オプティコート(OPTICOAT
商標)トップコート材料、例えばOC
商標2000(ロームアンドハースエレクトロニックマテリアルズ)が挙げられ、そして他には当該技術分野において知られており、例えば、米国特許出願公開第2006/0246373A1号、および米国仮特許出願第12/655,598号(出願日2009年12月31日)に記載されるものが挙げられる。このような組成物は、フォトレジスト組成物について上述されたようなあらゆる好適な方法によってフォトレジスト層上に適用されることができ、スピンコーティングが典型的である。トップコート層の厚みは典型的にはλ/4n(または、その奇数倍)であり、式中λは露光放射線の波長であり、nはトップコート層の屈折率である。トップコート層が存在する場合には、トップコート適用前よりも、トップコート層組成物が適用された後でフォトレジスト層108がソフトベークされうる。この方法において、双方の層からの溶媒が一回の熱処理工程で除かれうる。
【0027】
フォトレジスト層108は、次いで、第1のフォトマスク112を通った活性化放射線110に露光されて、露光領域と未露光領域との間の溶解度差を作り出す。フォトマスクは、その後の現像工程で残るフォトレジスト層の領域および除去されるフォトレジスト層の領域にそれぞれ対応する、光学的に透明な領域113および光学的に不透明な領域114を有する。露光エネルギーは、露光ツールおよび感光性組成物の成分に応じて、典型的には約20〜80mJ/cm
2である。本明細書において、フォトレジスト組成物を活性化する放射線でフォトレジスト組成物を露光することについての言及は、その放射線がフォトレジスト組成物中に潜像を形成することができることを示す。フォトレジスト組成物は典型的には、短い露光波長、特に、サブ400nm、サブ300nmまたはサブ200nmの露光波長で光活性化され、EUV(13.5nm)および157nmだけでなく、I線(365nm)、248nmおよび193nmが典型的な露光波長である。
【0028】
図1Bに示されるように、露光されたレジスト層は未露光領域108aおよび露光領域108bを作り出す。フォトレジスト層108の露光に続いて、この層の軟化点を超える温度で露光後ベーク(PEB)が典型的に行われる。PEBは、例えば、ホットプレート上でまたはオーブン中で行われることができる。PEBの条件は、例えば、フォトレジスト層の具体的な材料および厚みに応じて変化しうる。PEBは、典型的には、約80〜150℃の温度で、約30〜90秒の時間で行われる。
【0029】
露光されたフォトレジスト層は次いで現像されて、未露光領域108aを除去し、露光領域108
bを残して、
図1Cに示されるようなレジストパターンを形成する。現像剤は2−ヘプタノン、5−メチル−2−ヘキサノン、またはこれらの組み合わせを含む。2−ヘプタノンおよび5−メチル−2−ヘキサノンは、それぞれ39℃および40℃と比較的高い引火点を有し、それにより、酢酸n−ブチルのような物質の可燃性に関連する問題を回避する。現像剤は2−ヘプタノンもしくは5−メチル−2−ヘキサノン、またはこのいずれかもしくは双方の物質と他の現像剤および/または添加剤との組み合わせの形態をとることができる。2−ヘプタノンもしくは5−メチル−2−ヘキサノンは実質的に純粋な物質として、例えば、現像剤の全重量を基準にして95重量%超、98重量%超、または99重量%超の量で存在することができる。2−ヘプタノンおよび/または5−メチル−2−ヘキサノンが他の現像剤溶媒と組み合わせて使用される場合には、溶媒の沸点は好ましくは同様である。好適な追加の溶媒には、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、乳酸エチル、エチル3−エトキシプロピオナート、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンまたはフォトレジスト組成物に使用される溶媒が挙げられる。2−ヘプタノンおよび/または5−メチル−2−ヘキサノンは合計量で、現像剤の全重量を基準にして典型的には50重量%〜100重量%、より典型的には80重量%〜100重量%で現像剤中に存在する。
【0030】
現像剤材料は任意成分の添加剤、例えば、フォトレジストに関して上述したような界面活性剤を含むことができる。この任意成分の添加剤は典型的には、低濃度で、例えば、現像剤の全重量を基準にして約0.01〜5重量%の量で存在するであろう。
【0031】
現像剤は既知の技術、例えば、スピンコーティングまたはパドルコーティングによって基体に適用されうる。現像時間はフォトレジストの未露光領域を除去するのに有効な期間であり、5〜30秒の時間が典型的であり、典型的には室温で行われる。
【0032】
好ましくは、現像プロセスは現像後の清浄化すすぎを使用することなく行われうる。これに関しては、現像プロセスが残留物非含有のウェハ表面をもたらすことができ、このような追加のすすぎ工程を不要にすることができたことが見いだされた。
【0033】
BARC層106は存在する場合には、レジストパターン108bをエッチングマスクとして使用して選択的にエッチングされて、
図1Dに示されるように下地ハードマスク層104を露出させる。次いで、ハードマスク層は再びレジストパターン108bをエッチングマスクとして使用して選択的にエッチングされて、パターン形成されたBARC106’およびパターン形成されたハードマスク層104’を生じさせる。BARC層およびハードマスク層をエッチングするのに好適なエッチング技術および化学物質は当該技術分野において知られており、例えば、これら層の具体的な材料に応じて決定されるであろう。反応性イオンエッチングのようなドライエッチングプロセスが典型的である。次いで、レジストパターン108bおよびパターン形成されたBARC層106’は、既知の技術、例えば、酸素プラズマアッシングを用いて基体から除去される。
【0034】
ハードマスクパターン104’をエッチングマスクとして用いて、1以上の層102が選択的にエッチングされる。下地層102をエッチングするのに好適なエッチング技術および化学物質は当該技術分野において知られており、ドライエッチングプロセス、例えば、反応性イオンエッチングが典型的である。パターン形成されたハードマスク層104’は、次いで、既知の技術、例えば、ドライエッチングプロセス、例えば、反応性イオンエッチングを用いて基体表面から除去されうる。得られる基体は、
図1Eに示されるようにエッチングされたフィーチャ102’のパターンである。別の典型的な方法においては、ハードマスク層104を使用することなく、レジストパターン108bを直接使用して、層102をパターン形成することが望まれる場合がある。直接パターン形成することが使用されうるかどうかは、使用される物質、レジスト選択性、レジストパターン厚みおよびパターン寸法のような要因によって決定されるであろう。
【0035】
本発明のさらなる典型的な形態が
図2A〜Fを参照して説明され、
図2A〜Fは二重露光フォトリソグラフィ方法を使用するコンタクトホールを形成するプロセスフローを示す。この方法は
図1を参照して説明される技術のバリエーションであるが、第1の露光とは異なるパターンのフォトレジスト層の追加の露光を使用する。他に示される場合を除いて、
図1に関する上記記載は
図2のプロセスフローにも適用可能である。
【0036】
図2Aに示されるように、第1の露光工程において、フォトレジスト層108はフォトマスク112を通った化学線に露光される。示されるフォトマスク112はマスクの不透明領域114を形成する一連の平行ラインを含む。第1の露光の後で、
図2Bに示されるようなフォトマスク116を通してフォトレジスト層108の第2の露光が行われる。第2のフォトマスク116は第1のフォトマスクのラインに対して垂直方向の一連のラインを含む。このパターンは単に第1のフォトマスクを90°回転することにより作られうる。得られるフォトレジスト層は、
図2Cに示されるように、未露光領域108a、1回露光された領域108b、および2回露光された領域108cを含む。
【0037】
第2の露光の後で、フォトレジスト層は典型的には80〜150℃の温度で、30〜90秒の時間で露光後ベークされる。次いで、上述の現像剤を用いてフォトレジスト層が現像されて、未露光領域108aを除去し、1回および2回露光された領域108b、108cを残して、
図2Dに示されるようなレジストパターンを形成する。
【0038】
得られる構造体は、次いで、
図1を参照して上述のように、
図2Eおよび2Fに示されるようにパターン形成される。得られる構造体は
図2Fに示されるようなエッチングされたフィーチャ120のパターンである。この方法は、電子デバイスの製造におけるコンタクトホールの形成に特に好適である。
【実施例】
【0039】
比較例
テルクリーントラックリシウス(TEL CLEAN TRACK
商標LITHIUS
商標)i+コーター上で、300mmシリコンウェハがAR
商標40A反射防止材(ロームアンドハースエレクトロニックマテリアルズ)でスピンコートされて、第1ボトム反射防止塗膜(BARC)を形成した。このウェハは215℃で60秒間ベークされて、75nmの第1のBARC膜厚を生じさせた。次いで、AR
商標124反射防止材(ロームアンドハースエレクトロニックマテリアルズ)を用いてこの第1のBARC上に第2のBARC層がコーティングされ、205℃で60秒間ベークされて、23nmのトップBARC層を生じさせた。この二重BARC上にEPIC
商標2389フォトレジスト(ロームアンドハースエレクトロニックマテリアルズ)がコーティングされ、そしてコーター上で100℃で60秒間ソフトベークされて、110Åのレジスト膜厚を提供した。このレジスト層は、次いで、OC
商標2000トップコート材料(ロームアンドハースエレクトロニックマテリアルズ)でコーティングされ、そして60nmの目標サイズで110nmピッチの83nmマスクCD(臨界寸法)を有する6%減衰−相シフトポストマスクを通して、開口数1.20で、22.5〜61.5mJ/cm
2、増分1.3mJ/cm
2の様々な露光線量での輪帯照明条件(0.96アウターシグマ(outer sigma)/0.69インナーシグマ(inner sigma)、XY−偏光)下で、ASML TWINSCAN
商標XT:(エイエスエムエル ツインスキャン エックスティー)1900i液浸スキャナーを用いて露光された。次いで、ウェハは100℃で60秒間露光後ベーク(PEB)された。像形成されたレジスト層は次いで、酢酸n−ブチル現像剤を用いて25秒間現像された。ウェハは1−ヘキサノール(シグマアルドリッチ)で15秒間すすがれた。得られる理論的な構造は
図3に認められることができ、この
図3においてはdはコンタクトホール直径であり、pはコンタクトホールピッチである。
【0040】
次いで、トップダウン像が
図4に示されるように製造され、日立CG4000SEM(日立ハイテクノロジーズアメリカインコーポレーティド)で各露光線量/ダイについてのCDが測定された。60nmの目標CDを提供する露光線量は36.80mJ/cm
2であった。この目標CD条件においては、様々なサイズのコンタクトホールおよび欠失したホールパターンが観察された。目標CDを満たすダイのCD均一性(3σ)がSEMによって、ダイの中の約170のコンタクトホールCD測定値に基づいて8.35と計算された。プロセスウィンドウの指標であって、現像されるフォトレジストが過剰露光または不充分露光されうるが依然として許容可能な結果を達成する程度として定義される露光寛容度が計算された。この目的のために、目標CDから±10%の変動を可能にする露光エネルギーの範囲が、以下の式に従った計算のために使用された:
EL=100(ED
lower−ED
upper)/ED
目標
式中、ELは露光寛容度であり、ED
lowerはCD下限(−10%)での露光線量であり、ED
upperはCD上限(+10%)での露光線量であり、ED
目標は目標CDでの露光線量である。計算された露光寛容度は13%であった。これらの結果および他のデータ並びに観察結果が以下の表1に提供される。
【0041】
実施例1
酢酸n−ブチル現像剤を5−メチル−2−ヘキサノンに代えることを除き、比較例1の手順が繰り返された。60nm(測定値61.25nm)の標的CDを提供する露光線量は39.40mJ/cm
2であった。この条件で、均一なサイズおよび形状のコンタクトホールの正確なパターニングが生じた。得られた露光寛容度は15%であり、CD均一性(3σ)は7.22であった。
【0042】
酢酸n−ブチル現像剤を2−ヘプタノンに代えることを除き、比較例1の手順が繰り返された。現像後目視検査はウェハの表面上に残留物がないことを示した。60nm(測定値60.73nm)の標的CDを提供する露光線量は51.10mJ/cm
2であった。この条件で、均一なサイズおよび形状のコンタクトホールの正確なパターニングが生じた。得られた露光寛容度は32%であり、CD均一性(3σ)は7.07であった。
【0043】
【表1】
*米国全国防火協会(the National Fire Protection Association)によって維持される安全標準。健康、可燃性および反応性のいずれも、0(危険性なし;通常の物質)〜4(重度の危険性)のスケールで評定される。