特許第5795501号(P5795501)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許5795501-カレンダー用ストラップ 図000002
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5795501
(24)【登録日】2015年8月21日
(45)【発行日】2015年10月14日
(54)【発明の名称】カレンダー用ストラップ
(51)【国際特許分類】
   B42D 5/04 20060101AFI20150928BHJP
【FI】
   B42D5/04 G
【請求項の数】2
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2011-135769(P2011-135769)
(22)【出願日】2011年6月17日
(65)【公開番号】特開2013-1018(P2013-1018A)
(43)【公開日】2013年1月7日
【審査請求日】2014年6月17日
(73)【特許権者】
【識別番号】314008666
【氏名又は名称】山下 ひろみ
(74)【代理人】
【識別番号】100083792
【弁理士】
【氏名又は名称】羽村 行弘
(72)【発明者】
【氏名】峰嵜 進
【審査官】 槙 俊秋
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−113975(JP,A)
【文献】 特開2003−036024(JP,A)
【文献】 特開2005−296369(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3040227(JP,U)
【文献】 特開2004−284159(JP,A)
【文献】 特開2012−157609(JP,A)
【文献】 特開2001−314306(JP,A)
【文献】 特開2003−239914(JP,A)
【文献】 実開昭59−148629(JP,U)
【文献】 登録実用新案第3088719(JP,U)
【文献】 登録実用新案第3083752(JP,U)
【文献】 特開2001−340631(JP,A)
【文献】 紐の掛け方,チントコタ日記,2011年 1月13日,URL,http://blog.goo.ne.jp/chinchincotacota/e/fed94fdb73553dc6d0b9dac42bc5da8d
【文献】 Cat Calendar チントコタ カレンダー,ガチャ萬商會 gachamanshokai,2011年 2月18日,URL,http://gachaman.exblog.jp/15936798
【文献】 手作りカレンダーと初映画,トックンの雑記帳,2011年 1月 6日,URL,http://studiotoku.exblog.jp/12646525/
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B42D 1/00−25/485
G09F 1/00− 7/22
G09F 15/00−27/00
G09D 1/00− 3/12
A45C 1/00−15/08
A47G 29/00−29/30
A47G 1/00− 1/24
A47F 5/00− 8/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
カレンダーの頁ごとに設けられ、必要な頁を表面にしても吊り位置において重なる吊り穴より大きな面積をもつ標識板を設け、該標識板に柔軟にして丈夫な環状紐体を結合し、該環状紐体の一部を直線状に硬くしたことを特徴とするカレンダー用ストラップ。
【請求項2】
前記標識板が、少なくとも一面に個人名又は会社名を記載したものであることを特徴とする請求項1に記載のカレンダー用ストラップ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、必要な頁(ダイヤリーや写真)を表面にして壁等に刺したピンはそのまま(抜いたり刺したりすることなく)吊り下げて飾ることのできるカレンダー用ストラップに関するものである。
【背景技術】
【0002】
事務室や居室等の壁面に掛けるカレンダーには、1枚物ものもあるが、月捲りのものが多い。月捲りカレンダーは個人的な予定や営業におけるスケジュールの書き込みや確認がし易いものである。この月捲りカレンダーには大きく分けて3種類ある。第1は、各頁の一端縁の両サイドをコイル体で捲り易く結束し、中央に両縁をコイル体に係止させた吊り具を取り付けたもの(特開2000−108548)で、中央に取り付けた吊り具で、壁に刺したピンに引っ掛けて使用し、過ぎた月を捲って裏側に隠し必要な月を表面に顕わせるようにしていた。また、第2は、各頁の一端縁を溝状に曲げた金属板で銜え込ませ、曲げ部にフックが立ち上げられるようにしたもの(特開2003−211869)で、壁に刺したピンに、立ち上げたフックを引っ掛け、過ぎた月の頁を金属板の端に沿って破いて(はぎ取る)、取り除き必要な月を表面に顕わすようにしていた。さらに、第3は、中綴じにし、頁ごとに設けた穴が必要な頁を表面にさせたときに吊り位置で重なり、該穴を壁に刺したピンに掛けて使用できるようにしたもの(特開平9−136494)で、この場合にはコイル体や吊り具が不要であるし、銜え込ませる金属板を用いないので、製作コストを低く抑えられる利点があった。
【特許文献1】特開2000−108548号公報
【特許文献2】特開2003−211869号公報
【特許文献3】特開平9−136494号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記第3の吊り位置で重なる穴を開けたカレンダー(以下、単に「穴あきカレンダー」という)は、ピンの頭部(把持部)が穴あきカレンダーの穴より径大であると、頁を捲って次の頁に変える毎に、壁からピンを抜いて過ぎた月を裏返して隠し、必要な月を表面に顕わしてピンを新たに刺し直さなくてはならず、その作業は至極面倒であったし、壁に無数の刺穴を作ってしまうという問題もあった。また、上記穴あきカレンダーに限らず、通常、カレンダーを顧客に配布する場合、カレンダーの一部に個人名又は会社名を記載して宣伝を兼ねるようにしていた。このため、個人名又は会社名を記入する分だけ、制作費が高くなるという問題もあった。
【0004】
本発明は、上記カレンダーの種々の問題点を解決したもので、その目的とするところは、特に、第3の穴あきカレンダーにおいて、頁を捲って必要な月を表面に顕したときに取付ピンを抜いたり新たに刺し込んだりする作業の面倒さをなくするとともに、壁に無数の刺穴を作ってしまうという問題もなくしたこと、及び、カレンダーの一部に個人名又は会社名を記載して顧客に対する宣伝のために大きな金額を使わなくても済むようにしたカレンダー用ストラップを提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するため、本発明のカレンダー用ストラップは、カレンダーの頁ごとに設けられ、必要な頁を表面にしても吊り位置において重なる吊り穴より大きな面積をもつ標識板を設け、該標識板に柔軟にして丈夫な環状紐体を結合し、該環状紐体の一部を直線状に硬くしたことを特徴とし、いったん壁に刺したピンはそのまま(抜いたり刺し直したりすることなく)、環状紐体をカレンダーの穴から抜いて必要な月を表面にして再び環状紐体をカレンダーの穴に通してピンに掛け直せるように構成した。
【0006】
また、請求項2に記載のカレンダー用ストラップは、前記標識板が、少なくとも一面に個人名又は会社名を記載したものであることを特徴とし、カレンダー自体に個人名又は会社名等の宣伝を記載しなくてもいいように構成した。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、カレンダーの頁ごとに設けられ、必要な頁を表面にさせたときに吊り位置において重なる吊り穴に通すための環状紐体と、該環状紐体に結合され、該吊り穴より大きな面積をもつ標識板とからなり、いったん壁に刺したピンはそのまま(抜いたり刺し直したりすることなく)、環状紐体をカレンダーの穴から抜いて必要な頁を表面にして再びカレンダーの吊り穴に通してピンに引っ掛けられるので、その作業の面倒さがないとともに、壁に無数の刺穴を作ってしまうこともない。また、吊り穴より大きな面積をもつ標識板には、カレンダーの一部を利用して顧客に対する宣伝と同じ個人名又は会社名や宣伝文句が記載できるので、宣伝のためにカレンダー自体に大きな金額を使わなくても済むなどの各種の優れた効果を奏するものである。
【0009】
また、請求項2の発明によれば、前記標識板の少なくとも一面に、個人名又は会社名を記載したもので、この限りにおいて、カレンダー自体に個人名又は会社名等の宣伝を記載しなくてもいいため、既製の安価な穴あきカレンダーを利用できる。したがって、カレンダーの配布費を低く抑えることができるという優れた効果を奏するものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
次に、本発明の実施の態様を添付図面に基づいて説明する。図1は本願ストラップの一例を示す斜視図、図2は標識板の穴と環状紐体との結合例を示す説明図で、(a)は板面に直交する穴に通した環状紐体、(b)は板面に並行する穴へ通した環状紐体、図3は本願ストラップによりカレンダーを吊った状態を示す斜視図である。
【0012】
本願ストラップ1は、図1の如く、環状紐体2と、該環状紐体2に結合された標識板3とからなる。前記環状紐体2は、カレンダーAの吊り位置にある吊り穴Bに表側から通して標識板3を当て、ピンDに吊り下げるものである。前記標識板3は、前記吊り穴Bより大きな面積をもつことから通り抜けない。なお、前記標識板3としては前記吊り穴Bより大きな面積を有する限り、大きさ・形状・デザインは自由に決定できる。
【0013】
前記カレンダーAは、図3に示す如く、中綴り部Cを中心に、その下頁A1を捲って上頁A2に移動させると、先に、下頁A1の表面にあったダイアリー(暦)は上頁A2の裏側に隠れ、表側に写真(絵画)が顕れる。このとき下頁A1の下縁部の中心にあった穴B1は、上頁A2の吊り位置にある穴Bにおいて重なると同時に、下頁A1に新たにダイアリー(暦)が顕れる。つまり、前記カレンダーAは、下頁A1を捲ることにより、新たな写真(絵画)と新たなダイアリーに置き換わることとなる。
【0014】
前記標識板3は、図1の如く、少なくとも、その表面4に、会社名(住所や電話番号を含む)5を記載するとともに、スローガン6などを記載する。なお、裏面は示してしないが、裏面にも社名や宣伝文句を記載してもよいことはもちろんである。すなわち、本願ストラップ1を利用する限り、顧客に対する宣伝は標識板3が兼ねるため、改めて会社名を入れた独自のカレンダーを製作しなくても済み、穴あきカレンダーとして売られている既製品がそのまま利用でき、その分、経費の節約が可能となる。
【0015】
前記標識板3は、木製でも、金属製でも、陶器製でも、プラスチック製でもその他でもよい。また、これら材質はともかく、社名などを直に印刷等してもよいが、扁平体(紙やプラスチックペーパーを含む)に印刷等し、あとから扁平体を貼り付けるようにすることもある。
【0016】
前記環状紐体2は、柔軟にして堅牢なものであれば、材質的には特に問わない。また、断面丸状や扁平状に編んだものでも、その他のものでもよい。該環状紐体2は前記カレンダーAの吊り穴Bに通し易くするために一部を硬くした軸部7を有しているとよい。この軸部7は、靴紐の端部に見られるように硬くなっていると、前記カレンダーの吊り穴に通し易い。また、軸部7の作成は、例えば、膠のような材料で固めても良いし、熱収縮チューブのような材料を嵌めて熱収縮させて固めることもよい。
【0017】
前記標識板3と環状紐体2との結合方法として、図1の如く、標識板3の上縁中央部に突起部3aを設けて穴3bをあけ、この穴3bに板面に直交するように紐体を前後方向に通した後、あとから環状にする。この場合には、標識板3の板面の向きと環状紐体2の輪の向きにねじれを生ずるが、カレンダーAを掛けるには支障にならない。図2(a)は、環状紐体2の一部にU字部2aを作って標識板3の穴3bに通し、その通したU字部2aに環状紐体2の他部を潜らせる結び方になっている。これは、標識板3の板面の向きと環状紐2の輪の向きが並行になる。図2(b)は、標識板3の裏面に把手状の突起3cを設け、その穴3dに紐体を左右方向に通して環状にした場合を示している。この場合も標識板3の板面の向きと環状紐2の輪の向きが並行になる。
【0018】
前記本願ストラップ1は、その標識板3をカレンガーAの表側に残して吊り穴Bに通した環状紐体2を、壁に刺したピンDに引っ掛けるように使用するが、このピンDは、本願ストラップ1と同一デザインとして一緒に構成させることも可能である。例えば、ピンDの頭部D1の端面を大きい面積にし、ここに社名やロゴマークを付すようにしてもよいからである。
【0019】
次に、本願ストラップ1の作用について説明する。まず、本願ストラップ1を構成する標識板3の中から、依頼会社の社名や宣伝文句などの記載内容の豊富さにしたがって標識板の形状・大きさ・デザイン等を選択させる。
【0020】
次いで、社名や宣伝文句など、依頼会社の要求に沿っているかを確認し、確認後、かかる標識板3に環状紐体2を結合して本願ストラップ1を完成させてその依頼会社に納入することとなる。
【0021】
その納入を受けた会社では、穴あきカレンダーとして売られている既製品を選んで、本願ストラップ1とともに、自社カレンダーとして顧客に配布する。このとき、頭部D1の端面に、社名やロゴマークを付したピンDを付属させて配布すれば完璧である。これにより、会社名や宣伝文句をカレンダー自体には記載しなくても済み、カレンダーを配布する会社にとっても経費の大幅な節減が可能となる。
【0022】
次いで、本願ストラップ1の配布を受けた顧客(個人や会社)は、カレンダーAの吊り位置にある吊り穴Bに表側から環状紐体2を通して標識板3を当て、予め、吊り位置を決め、その位置にロゴマーク入りのピンDを刺しておけばこれに吊り下げて使用される。カレンダー自体には、会社名や宣伝文句の記載はなくとも、その情報は、本願ストラップ1を構成する標識板3から充分に得られることとなる。
【0023】
かくして、いったん壁に刺したピンDはそのまま(抜いたり刺し直したりすることなく)、環状紐体2をカレンダーの穴から抜いて必要な頁を表面にして再びカレンダーの吊り穴に通してピンに引っ掛けられる。したがって、その作業には面倒さがないばかりでなく、壁に無数の刺穴を作ってしまうこともない。
【産業上の利用可能性】
【0024】
本願ストラップは、自社の名入りカレンダーを作って顧客に配布しようとする会社にとって経費の節減が可能であると同時に、これの配布を受けた者も、面倒さがないばかりでなく、壁に無数の刺穴を作ってしまうこともないもので、種々の会社や個人にも広く利用されることが可能なものである。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本願ストラップの一例を示す斜視図である。
図2】標識板の穴と環状紐体との結合例を示す説明図で、(a)は板面に直交する穴に通した環状紐体、(b)は板面に並行する穴へ通した環状紐体である。
図3】本願ストラップによりカレンダーを吊った状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0026】
1 本願ストラップ
2 環状紐体
3 標識板
4 表面
5 社名
6 スローガン
7 軸部
A カレンダー
B 吊り穴
B1 穴
C 中綴り部
D ピン
D1 頭部
図1
図2
図3