(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5795512
(24)【登録日】2015年8月21日
(45)【発行日】2015年10月14日
(54)【発明の名称】パテ用容器内蓋
(51)【国際特許分類】
B65D 51/24 20060101AFI20150928BHJP
B65D 43/02 20060101ALI20150928BHJP
【FI】
B65D51/24 Z
B65D43/02 Z
【請求項の数】3
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2011-198698(P2011-198698)
(22)【出願日】2011年9月12日
(65)【公開番号】特開2013-60205(P2013-60205A)
(43)【公開日】2013年4月4日
【審査請求日】2014年6月11日
(73)【特許権者】
【識別番号】591012738
【氏名又は名称】ヤヨイ化学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100101432
【弁理士】
【氏名又は名称】花村 太
(72)【発明者】
【氏名】佐野 源蔵
(72)【発明者】
【氏名】宮木 完志
(72)【発明者】
【氏名】練合 克己
(72)【発明者】
【氏名】新川 俊樹
【審査官】
谿花 正由輝
(56)【参考文献】
【文献】
特公昭42−002318(JP,B1)
【文献】
特開2005−133675(JP,A)
【文献】
特開平09−165058(JP,A)
【文献】
実開昭63−116649(JP,U)
【文献】
特開2002−053154(JP,A)
【文献】
特開昭59−221246(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 51/24
B65D 43/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
高粘度のパテを収容する上部が解放可能なパテ用容器の内壁に遊嵌可能な断面形状の全部又は一部からなりパテ表面上に接触する底面部と、この底面部の全周縁部から上方に立ち上がった側壁部とを備えたパテ用容器内蓋であり、
前記内蓋がポリプロピレン製であり、
底面部と側壁部とで囲まれた器部内にヘラを載置させるヘラ載置部を備え、
前記内蓋をパテ用容器内からつまみ上げるためのつまみ部が前記側壁部の上縁部に設置され、
前記つまみ部の中央部に指を挿入できる指入れ孔が開閉可能に形成されていることを特徴とするパテ用容器内蓋。
【請求項2】
前記ヘラ載置部が、前記底面部に形成された前記ヘラの外形と一致する凹部であることを特徴とする請求項1に記載のパテ用容器内蓋。
【請求項3】
前記側壁部の上縁にパテ用容器の内壁に当接する薄膜が形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のパテ用容器内蓋。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば内装用のパテ等の高粘度の液体を収容保存するパテ用容器の内蓋の構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
壁紙施工用内装下地基材として、石膏ボード、合板が使用されている。壁紙施工前に、各々の下地基材を平滑にするためにパテ施工が行われている(例えば、特許文献1参照)。パテ施工は、下地基材のジョイント部のみではなく、下地基材を軽量鉄骨や木軸に固定するためのビス、釘頭の不陸調整にも使用されている。
【0003】
下地基材間の不陸調整には、塗布幅が広く、且つ薄塗りでも下地基材や壁紙に接着する接着強度が高いパテが必要である。一方、ビス、釘頭の不陸調整には、少ない塗布面積でよく、強力な付着強度の必要はない。通常、ビス、釘は下地基材の固定に数多く打ち込まれていることから、必要特性としてはヤセが極めて少なく、短時間で硬化する専用パテが望まれている。具体的には、ヤセと乾燥時間とを短縮すべく充填剤が多く含まれ、いつでも、直ぐに塗布できるよう予め練ってある水性系練りパテが好まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−40277号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前述の通り、ビス、釘頭用パテは塗布後の乾燥時間が短い練り状パテのため、充填した容器の密閉性が悪くなると、たちまち容器内表面から乾燥が始まり、硬化してしまう。また、容器内の中身表面と密閉した上蓋との間に空間があると、中身から蒸散した水蒸気が容器内に充満する。充満した水蒸気は気温の変化に伴い、結露し、パテ表面に滞る。パテの表面部分の水分量が違うため、乾燥時間が延長したり、あるいは付着強度の低下を発生させる等の課題があった。
【0006】
また、ビス、釘頭は塗布箇所は多いが、塗布量は極少量でよいので、必要に応じて少量ずつ、中身を容器から取り出せるヘラがあれば便利である。取り出しヘラは容器内に納まる程度の小さなサイズでよく、しかも付着したパテの洗浄が容易なプラスチック製が便利である。しかしながら、このような小さなプラスチック製ヘラは専用の保管箇所がないと、紛失し易いものであった。
【0007】
本発明は、水性のパテを収容するパテ用容器内で内部結露を防止しつつ、取り出し用のヘラを定位置に仮固定して保管することができるパテ用容器内蓋を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に記載された発明に係るパテ用容器内蓋は、高粘度のパテを収容する上部が解放可能なパテ用容器の内壁に遊嵌可能な断面形状の全部又は一部からなりパテ表面上に接触する底面部と、この底面部の全周縁部から上方に立ち上がった側壁部とを備えたパテ用容器内蓋であり、
前記内蓋が
ポリプロピレン製であり、
底面部と側壁部とで囲まれた器部内にヘラを載置させるヘラ載置部を備え
、
前記内蓋をパテ用容器内からつまみ上げるためのつまみ部が前記側壁部の上縁部に設置され、
前記つまみ部の中央部に指を挿入できる指入れ孔が開閉可能に形成されていることを特徴とするものである。
【0010】
請求項2に記載された発明に係るパテ用容器内蓋は、
請求項1に記載のヘラ載置部が、前記底面部に形成された前記ヘラの外形と一致する凹部であることを特徴とするものである。
【0011】
請求項3に記載された発明に係るパテ用容器内蓋は、
請求項1又は2に記載の側壁部の上縁にパテ用容器の内壁に当接する薄膜が形成されていることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明は、水性のパテを収容するパテ用容器内で内部結露を防止しつつ、取り出し用のヘラを定位置に仮固定して保管することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】パテ用容器内蓋の一実施例の構成を示す平面図である。
【
図7】
図1のA−A断面図であり、要部の拡大図を含む。
【
図9】パテ用容器内蓋の使用状態を示す説明図である。
【
図10】パテ用容器内蓋の別の使用状態を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明においては、高粘度のパテを収容する上部が解放可能なパテ用容器の内壁に遊嵌可能な断面形状の全部又は一部からなりパテ表面上に接触する底面部と、この底面部の全周縁部から上方に立ち上がった側壁部とを備えたパテ用容器内蓋であり、
前記内蓋がパテが付着し難い材料で構成され、底面部と側壁部とで囲まれた器部内にヘラを載置させるヘラ載置部を備え、
前記内蓋をパテ用容器内からつまみ上げるためのつまみ部が前記側壁部の上縁部に設置され、前記つまみ部の中央部に指を挿入できる指入れ孔が開閉可能に形成されている。これにより、水性のパテを収容するパテ用容器内で内部結露を防止しつつ、取り出し用のヘラを定位置に仮固定して保管することができる。
【0015】
本発明の内蓋は、パテ用容器のパテ表面上に接触させる。このため、パテの量に応じて、次第にパテ用容器の下方に位置が下がる。このため、好ましい態様としては、使用時に内蓋をパテ用容器の外に出すため、パテ用容器内からつまみ上げるためのつまみ部が側壁部の上縁部に設置されている。
【0016】
本発明の内蓋には、底面部と側壁部とで囲まれた器部内にヘラを載置させるヘラ載置部を備えている。このため、掻き取り用のヘラを容器内に保持することができ、作業性が向上する。好ましい態様としては、ヘラの外形と一致する凹部が底面部に形成されることにより、ヘラ自体を紛失することが少なくなる。
【0017】
また、本発明の内蓋としては、底面部とこの底面部の全周縁部から上方に立ち上がった側壁部とを備える。底面部としては、パテ用容器の内壁に遊嵌可能な断面形状の全部又は一部からなればよい。底面部がパテ表面と接触することにより、パテ表面からの水蒸気の発生を防止することにより、内部結露が防止される。従って、好ましくは底面部がパテ用容器の底面と合致することがパテ表面からの水蒸気の発生を防止する。
【0018】
しかしながら、パテ用容器等の容器の多くは底面よりも上方開放口の方が広くなっている。このため、内蓋の底面部を容器の底面に合致する形状としても、容器の上方では拡径しているため、内蓋周囲に形成される間隙から水蒸気が容器内部に至ることになる。このため好ましい態様としては、側壁部の上縁にパテ用容器の内壁に当接する薄膜が形成されている。
【0019】
本発明の内蓋としては、パテが付着し難い材料であればよく、好ましくはプラスチックで構成される。また、熱可塑性樹脂シートであれば成型が可能であるが、好ましくはポリプロピレン樹脂等の可撓性を有するものを用いることにより、真空成型等の加工性が良好である。
【実施例】
【0020】
図1はパテ用容器内蓋の一実施例の構成を示す平面図である。
図2は
図1の正面図である。
図3は
図1の背面図である。
図4は
図1の底面図である。
図5は
図1の右側面図である。
図6は
図1の左側面図である。
図7は
図1のA−A断面図であり、要部の拡大図を含む。
図8は
図1の斜視図である。
図9はパテ用容器内蓋の使用状態を示す説明図である。
図10はパテ用容器内蓋の別の使用状態を示す説明図である。
【0021】
図に示す通り、本実施例のパテ用容器内蓋10は熱可塑性樹脂であるポリプロピレン製であり、水性パテを収容するパテ用容器のパテ表面上に載置されるための底面部11と底面部11の周囲から立上った側壁部12から構成されている。
【0022】
底面部11は円周の全面にわたらず、側壁部12の一部を(
図1の3時部分に該当)内面側に移設させたような構成であり、側壁部12がC字状に対向するように配置されて、つまみ部13を構成している。つまみ部13の上面は覆われているが、その中央部に指を挿入できる指入れ孔14が開閉可能に形成されている。
【0023】
図9に示す通り、内蓋10の底面部11は、パテ用容器20のパテ21表面上に接触させる。このため、パテ21の量に応じて、次第にパテ用容器20の下方に位置が下がる。このため、パテを取り出す際には、内蓋10をパテ用容器20の外に出すため、つまみ部13及び指入れ孔14を用いて、パテ用容器20内からつまみ上げることができる。
【0024】
底面部11には、ヘラ30の外形と一致する凹部としてのヘラ載置部15を備えている。このため、取り出し用のヘラ30を保持することができ、作業性が向上し、ヘラ30自体を紛失することが少なくなる。
【0025】
図9に示す通り、パテ21液面の殆どが内蓋10の底面部11に接触するため、パテの水分が蒸発することが大部分押さえられることになるが、内蓋10の側壁部12の上縁及びつまみ部13の外周縁には、薄膜16が更に形成されている。この薄膜16によって、水性のパテ21を収容するパテ用容器20内で内部結露を防止することができる。これにより、パテ用容器20が底面よりも上方開放口の方が広くなっていても、内蓋10周囲に形成される間隙から水蒸気が容器20内部に至ることになる。
【0026】
この薄膜16は、内蓋10本体と同じ材質のポリプロピレン製であり、内蓋10の成形の際に材料を薄く延ばして形成される。尚、本実施例では内蓋本体と同じ材質のものとして成形と同時に形成したが、さらに可撓性の高いゴム状の材質のものを内蓋10本体の成形後に追加して取付けてもよい。
【符号の説明】
【0027】
10…パテ用容器内蓋、
11…底面部、
12…側壁部、
13…つまみ部、
14…指入れ孔、
15…ヘラ載置部、
16…薄膜、
20…パテ用容器、
21…パテ、
22…容器上蓋、
30…ヘラ、