(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記コネクタを貫流する流体の少なくとも一部の方向を概して縦方向からより横方向に変えるように構成された分流加減器をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の医療用コネクタ。
前記動的レギュレータは、当該医療用コネクタの前記近位端への、または、からの医療機器の接続または切断と関係なく、屈曲するか、または移動して内部容積を第1の内部容積から第2の内部容積に減らすように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の医療用コネクタ。
前記第1の弁部材の近位端面は、閉じた状態で前記ハウジングの前記近位端に隣接し、無菌性を維持するためにスワビングを促進することを特徴とする請求項1に記載の医療用コネクタ。
前記コネクタは、前記コネクタの前記近位端への医療機器の接続の際と切断の際の両方で負の流れを実質的に防止することを特徴とする請求項1に記載の医療用コネクタ。
【発明を実施するための形態】
【0009】
そこで、以下の詳細な説明は、開示のいくつかの特定の実施形態を対象とする。この説明では、説明および図面の全体を通して類似の部分は類似の番号を指示されている図面を参照する。
【0010】
本明細書で説明されている実施形態のいくつかの態様では、本明細書で説明されているコネクタの1つまたは複数の端部部分を閉鎖するためのさまざまな手段が示される。これらの閉鎖機構は、閉鎖機構または弁が閉鎖位置にあるときに流体がコネクタの端部部分を通過するのを実質的に防止し、および/または実質的に阻害する機能を果たしうる。コネクタが無針注射器または他の医療用コネクタと係合しているときなど、閉鎖機構が開放位置にある場合に、流体をコネクタの1つまたは複数の端部部分に通すことができる。本明細書では、「閉鎖された」または「封止された」およびその変種などの用語は、流体の流れに対する障害または障壁を指しているものとして理解すべきである。これらの用語は、すべての環境で完全な流体閉鎖部を形成する特定の構造または構成を必要とするように理解すべきではない。
【0011】
本明細書に説明されている実施形態のいくつかの態様では、コネクタの内側の流体の流れを制御するためのさまざまな手段が示される。これらの流体制御弁または機構は、コネクタから外へ出る、またはコネクタの中に入る潜在的に望ましくない流体の移動の制御を円滑に行えるようにすることができる。例えば、コネクタ内への負の流れまたは流体進入を防止、または抑制、または減じることが望ましい場合がある。本明細書で使用されているような、負の流れ(negative flow)、逆行流(retrograde flow)、逆流(backflow)、進入流(ingress flow)、および関連する用語は、医療用コネクタの分野における慣例的な意味に従って使用される。いくつかの場合には、これらの用語は、コネクタ内の流体空間の内部体積の増大または実効的な増大による、または流体の外部引き込みまたは除去(コネクタ内にすでに挿入されている医療器具の一部の撤去などで)による、または患者の咳によって、もしくは患者の血圧の増大によって、もしくは流体供給源の乱れ(例えば、IV袋内の流体量が減少するか、もしくは「干上がる」)によって引き起こされるような一般的な逆行方向の外部流体圧力源によるコネクタ内への流体の流れを指す。負の流れは、一般的には、流体の意図された流れから一般的に反対の、または流体の意図された流れに対向する方向に生じる。
【0012】
本明細書で使用されているような、「中性(neutral)」、「中性変位(neutral displacement)」、「中性流(neutral flow)」、および関連する用語もまた、医療用コネクタの分野における慣例的な意味に従って使用される。いくつかの場合において、これらの用語は、特定のコネクタまたは弁が使用されることが意図されている大半の臨床的状況において負の流れを一般的には示さない、または患者に危害を及ぼす恐れもしくは負の流れによるコネクタ、弁、またはカテーテルを置き換える必要がある可能性が極めて低い特定のコネクタまたは弁が使用されることが意図されている大半の臨床的状況において十分に低いレベルで負の流れを一般的に示す医療用コネクタまたは弁を指す。また、中性コネクタまたは弁は、一般的に、コネクタまたは弁の近位端に別の医療器具を接続もしくは切断した後にコネクタまたは弁の遠位端から自動的に発せられる流体の臨床的に有意な正の流れを示さない。本明細書で開示されているいくつかの実施形態では、コネクタまたは弁は、中性であるか、または中性流をもたらすものとすることができる。
【0013】
負の流れの発生源は多数ある。これらは、注射器などの医療器具が、コネクタの第1の端部もしくは雌端部とも本明細書では称せられる近位端から取り外されたときに生じる負の流れを含む。注射器が取り外されると、コネクタの内側の流体保持空間が増大しうる。その流体空間が患者の流体ラインカテーテル(fluid line catheter)と連通している場合、コネクタの内側の流体空間が増大すると、カテーテルからの流体が、本明細書ではコネクタの第2の端部もしくは雄端部とも称される遠位端部からコネクタ内に引き込まれうる。これは、そのような負の流れがこれにより患者からの血液をカテーテルラインの対向端内に引き込みうるという点で不都合であると思われる。ライン路内のこのような血液は、ライン内で凝固したり、または他の何らかの形でラインを塞いだりすることがあり、場合によっては、カテーテルライン、コネクタ、および他の医療器具の早めの交換および再挿入を必要とする。
【0014】
負の流れも、コネクタの近位側に結合されている器具から送られるものとしてよい。このタイプの負の流れの例は、ポンプ機または手動注射器によって引き超されうる。例えば、コネクタに接続されている医療器具が注射器である場合、これは、一般的に、ユーザーもしくは機械によって押されるように構成されたプランジャアームに接続されたプランジャヘッドを備える。注射器内の流体が追い出されるときに、プランジャは注射器の内部キャビティの端部に押し付けられうる。プランジャアームにかかる圧力が解放された後、圧迫されているプランジャヘッドは、一般的に、キャビティの端部から離れる近位方向にわずかにリバウンドするかまたは膨張し、コネクタも同様である。これにより、キャビティの端部とプランジャヘッドの遠位表面との間に小さな空隙が形成されうる。注射器および患者を接続するカテーテルと連通する流体がまだあるため、この空隙は、コネクタから引き出された流体で満たされ、次いで、カテーテルからコネクタに流体を引き込むことができる。この流体引き戻しは、凝固を生じさせるか、または何らかの形でラインを塞ぐ可能性もある。
【0015】
負の流れは、カテーテルを通して流体を注入するために使用されるIV袋が干上がったり、または患者の血圧が変化したり、または患者が動いたりしたときなど、使用中に他の形で発生しうる。負の流れは、流体の流れの勢いによっても発生しうる。注射器または機械によって流体がコネクタ内に注入されうる。ユーザーもしくは機械が、プランジャヘッドを圧して注射器の内部キャビティの端部へ届かせることによって可能な限り大量の流体をコネクタ外に追いやる。プランジャにかかる圧力が解放される前でも、コネクタに入る負の流れがある程度発生しうる。流体分子は、分子間力によって結合され、勢いを持つ。最終量の流体が供給源から排出されると、これにより、流体がコネクタから押し出され、したがってカテーテルから押し出される。力が流体を遠位方向に押すと、カテーテルの端部のところの流体は、カテーテルから出続け、その一方で、カテーテルの端部からのさらなる流体はカテーテル内に残る。カテーテルの端部とカテーテルの流体カラムの端部は血液で満たされ、凝固を生じる可能性がある。
【0016】
本発明のいくつかの実施形態は、一般的に、負の流れのいくつかの、または全部の発生源の影響を排除するか、または弱めるか、または最小にするか、または制御することができる。本明細書で開示されている実施形態のうちのいくつかの機能は、負の流れの単一の発生源(例えば、注射器のリバウンド)に関連して説明されているけれども、負の流れの多くの発生源は、類似の、もしくは同一の方法で排除するか、または弱めるか、または最小にするか、または制御することができる。
【0017】
図1は、本明細書で開示されている無針コネクタのいくつかの実施形態に含まれうるさまざまな異なるコンポーネントおよびその構成の例を示している。
図1は、使用することができる可能なすべての組み合わせおよび/またはコンポーネントを例示するものと解釈すべきである。いくつかの実施形態は、近位端、近位閉鎖システム、内部閉鎖システム、および遠位端を備えることができ、これらは
図1の左側の第1の一連のボックスによって例示されているように互いに直列に配置される。いくつかの実施形態は、近位端、近位閉鎖システム、容積調整器、内部閉鎖システム、および遠位端を備えることができ、これらは
図1の第2の一連のボックスによって例示されているように互いに直列に配置される。いくつかの実施形態は、近位端、近位閉鎖システム、内部閉鎖システム、容積調整器、および遠位端を備えることができ、これらは
図1の第3の一連のボックスによって例示されているように互いに直列に配置される。いくつかの実施形態は、近位端、近位閉鎖システム、容積調整器、および遠位端を備えることができ、これらは
図1の第4の一連のボックスによって例示されているように互いに直列に配置される。いくつかの実施形態は、近位端、近位閉鎖システム、複合内部閉鎖システムおよび容積調整器、および遠位端を備えることができ、これらは
図1の第5の一連のボックスによって例示されているように互いに直列に配置される。これらのコンポーネントはどれも、いくつかの実施形態では省くことができ、コンポーネントを互いに直列に配置されている例示されているコンポーネントの間に入れることができる。
【0018】
他の多くの組み合わせおよび他のタイプのコンポーネントを、
図1に例示されている構成に代えて、またはそれに加えて使用することができる。例えば、いくつかの実施形態では、近位端、複合近位閉鎖システムおよび容積調整器および/または複合近位閉鎖システムおよび内部閉鎖システム、ならびに遠位端を備えることができる。いくつかの実施形態では、
図1に例示されているコンポーネントが複数セットありうる。例えば、一対の容積調整器を内部閉鎖システムの両側に設けることができる。いくつかの実施形態では、遠位端に閉鎖システムを備えることができる。本明細書で例示されている、または説明されているコンポーネント、特徴、またはステップは、いくつかの実施形態では省くことができる。どのコンポーネント、特徴、またはステップも、本質的または不可欠というものではない。
【0019】
近位閉鎖システムのいくつかの例が例示されており、これらはシール部材26および支持部材28(例えば、
図3を参照)、シール部材26’(例えば、
図21を参照)、シール部材26’’(例えば、
図23を参照)、シール部材326(例えば、
図34を参照)、キャップ491(例えば、
図38を参照)、およびシール部材2126、2226、2326、2426、2526、2626、2726、2826、2926、および3026(例えば、
図79、81、83、85、86B、87B、88B、89B、90B、および91Bを参照)を備える。他のタイプの近位閉鎖システムも使用することができる。それぞれの実施形態の近位閉鎖システムは、適切な修正(必要ならば)とともに他の実施形態のシステムと入れ換えることができる。近位閉鎖システムは、いくつかの実施形態から省くことができる。
【0020】
容積調整器のいくつかの例が例示されており、これらはレギュレータ30、330、630、1030、1130、1230、1430、1530、1730、1930、2130、2230、2330、2430、2530、2630、2730、2830、2930、3030(例えば、
図10〜12、34、43〜44、51〜53、59〜60、63、67〜68、74、79、81、83、85、86B、87B、88B、89B、90B、91Bを参照)、バルーン部材1830(例えば、
図72を参照)、および袋部材2030(例えば、
図75〜77を参照)を備える。本明細書で例示され、および/または説明されている他のものを含む、他のタイプの容積調整器も使用できる。それぞれの実施形態の容積調整器は、適切な修正(必要ならば)とともに他の実施形態のシステムと入れ換えることができる。容積調整器は、いくつかの実施形態から省くことができる。
【0021】
内部閉鎖システムのいくつかの例が例示されており、これらは弁部材108、308、408、730、1008、1108、1208、1330、1408、1508、1708(例えば、
図10〜12、34、40、46、47、51〜53、57、59、60、63、67、68を参照)、および
図79、81、83、85、86B、87B、88B、89B、90B、および91Bに例示されている類似の弁部材を備える。本明細書で例示され、および/または説明されている他のものを含む、他のタイプの内部閉鎖システムも使用できる。それぞれの実施形態の内部閉鎖システムは、適切な修正(必要ならば)とともに他の実施形態のシステムと入れ換えることができる。内部閉鎖システムは、いくつかの実施形態から省くことができる。
【0022】
図2Aおよび2Bは、弁もしくは無針コネクタ20の一実施形態の斜視図である。
図3および4は、
図2Aに示されているコネクタ20の実施形態の分解図である。
図4Aは、
図2Aに示されているコネクタ20の分解断面図である。
図2A〜4Aを参照すると、無針コネクタ20のいくつかの実施形態は、とりわけ、本体部材22、ベース部材24、シール部材26、支持部材28、およびレギュレータ30を備えることができることがわかる。
【0023】
例示されている実施形態では、本体部材22およびベース部材24を一緒に組み立てて、シール部材26(本明細書では第1の弁部材とも称する)、支持部材28、およびレギュレータ30(本明細書では第2の弁部材とも称する)を実質的に取り囲むハウジングを形成することができる。本体部材22およびベース部材24を、接着剤、プラスチックもしくは超音波溶接、スナップ嵌め、締まり嵌め、または圧入嵌めの特徴により、または他の好適な機能もしくは方法を使用することによって連結することができる。いくつかの実施形態では、本体部材22およびベース部材24は、実質的に三角形の形状をとる超音波溶接を使用して連結することができるが、他の形状も適している場合がある。
【0024】
本体部材22、ベース部材24、支持部材28、およびコネクタ20の他のコンポーネントもしくは特徴を任意の数の好適な材料で製作することができる。例えば、本体部材22、ベース部材24、支持部材28、またはコネクタ20の他の好適なコンポーネントもしくは特徴は、ポリカーボネート、ガラス充填GE Valox 420、ポリプロピレン、または他のポリマー材料などの比較的剛性度の高い材料で製作することができる。本体部材22、ベース部材24、支持部材28、およびコネクタ20の他の好適なコンポーネントもしくは特徴は、Bayer Makrolonなどの疎水性材料、または他の類似の、もしくは好適な材料で製作することもできる。コネクタ20または本明細書で開示されている他のコネクタの1つまたは複数のコンポーネントは、コンポーネントマトリクスの一部として、コンポーネントコーティングなどの適切な形態の、または他の好適な様式の、抗菌剤を備えることができる。いくつかの実施形態では、抗菌剤は、使用時に、または時間の経過とともに、コンポーネントの1つまたは複数から滲出または浸出脱離しうる。いくつかの実施形態では、抗菌剤は銀イオンを含むことができる。
【0025】
上述のように、支持部材28は、本体部材22またはベース部材24を形成するために使用できる同じタイプの剛体材料から形成されうる。例えば、いくつかの実施形態では、支持部材28は、半剛体の、または本体部材22、ベース部材24、またはコネクタ20の他のコンポーネントに使用される材料に比べてなおいっそう柔軟な材料から形成することができる。いくつかの実施形態では、支持部材28(および本明細書で開示されている他のコネクタの支持部材の他の実施形態)は、ベース部材24(または本明細書で開示されている他のベース部材の他の実施形態)と一体形成されうるか、またはベース部材とは別々に形成され、その後ベース部材と連結されうる。
【0026】
いくつかの実施形態では、本体部材22は、一般的にコネクタ20の長手方向にそって延在し中のシール部材26の移動を円滑にする1つまたは複数の陥凹部もしくは溝41を備えることができる。このような溝41は、シール部材26が折り畳まれて収まる領域を形成し、ハウジング内を移動するときにシール部材との接触する表面積を減らすことができる。
【0027】
図5および6は、
図2Aに示されているコネクタ20内のシール部材26の実施形態の斜視図である。
図1〜6を参照すると、シール部材26は、シール部材26の近位端部分34が本体部材22の近位端部分162内に形成された開口部36によって封止状態で受け入れ可能なように構成されうることがわかる。いくつかの実施形態では、例示されている実施形態のように、シール部材26の近位端部分34は本体部材22の開口部36の内面と接触してそれとシールを形成するように構成されている中に形成されたリップ部分38(環状突起部であってよい)を有することができる。シール部材26の遠位端53は、開口部54を備えることができる。いくつかの実施形態では、支持部材28は、開口部54内に収容することができる。いくつかの実施形態では、遠位端53は、シール部材26の周りに、または実質的にその周りに延在する外向きに広がるフランジ56をさらに備える。フランジ56を使用すると、いくつかの実施形態では、本体部材22の内部キャビティ内にシール部材26を配置しやすくなる。
【0028】
「近位」という用語は、本明細書では、本体部材22の端部のところの、または端部の近くのコネクタ20の端部を表すために使用される。「遠位」という用語は、コネクタの対向端、例えば、ベース部材24の端部のところの、または端部の近くのコネクタ20の端部を表すために使用される。例示されている実施形態では、近位端は、雌端部として構成され、遠位端は、雄端部として構成される。コネクタ20の端部部分、取付具、または他の態様は、標準的な医療用コネクタもしくは器具を受け入れるように構成され、またANSI(ワシントンD.C.所在の米国規格協会)または他の適応可能な標準に適合するように構成されうる。「医療器具」という用語は、本明細書では、本明細書で開示されているコネクタの実施形態と接続されるか、または連結されうる医療分野において一般に使用されている医療デバイスを表すために使用される。企図されている医療器具の例として、限定はしないが、管、ルアー、導管、注射器、静脈内デバイス(末梢静脈ラインと中心静脈ラインの両方)、閉鎖可能な雄ルアーコネクタ(両方とも注射器または独立したコネクタと一体形成される)、ポンプ、ピギーバックライン、および医療用弁もしくはコネクタと接続して使用されうる他のコンポーネントが挙げられる。
【0029】
シール部材26、シール部材26の近位端部分34、およびリップ部分38は、一体形成されうるか、または別々に形成されて、接着剤もしくは好適な材料もしくは方法を用いて接着または他の何らかの方法で連結されうる。いくつかの実施形態では、シール部材26または本明細書で開示されているシールもしくはシール部材の他の実施形態、ならびにそのコンポーネントもしくは特徴のうちのどれかを、シリコーン系の変形可能な材料、ゴム、または他の好適な材料を含む、多くのさまざまな好適な材料から製作することができる。シリコーン系の変形可能な材料は、プラスチックおよびその他の剛性度の高いポリマー材料を有する流体密閉鎖部を形成するもののうちの1つである。
【0030】
シール部材26または本明細書で開示されている他のシール部材は、1つ、または2つ、またはそれ以上の異なる材料で形成することができる。いくつかの実施形態では、シール部材26の異なる部分を異なる材料から形成することができる。例えば、シール部材26は、シール部材26を閉鎖位置に付勢するために望ましい復元力の一部または全部を発生するようにその中にバネを形成することができる(図示せず)。バネは、鋼鉄などの金属、プラスチック、または他の好適な剛性のある、もしくはしなりやすい材料から形成することができ、シリコーンゴムまたは他のしなりやすい封止材料でバネを封入するようにシール部材26の芯を形成することができる。いくつかの実施形態では、シール部材26は、弾力的な、または弾性的な材料から製作することができる。また、例えば、シール部材26は、弾力的な主本体部分および別に形成された弾力的な近位端部分を備えることができる。別々の断片が、例えば第1の端部が近位端部分に付着するように構成され第2の端部が主本体部分に付着するように構成されているガイド部材に結合することなどによって互いに係合するように構成されうる。ガイド部材は、主本体部分および近位端部分のいずれかまたは両方で使用される材料より剛性度の高い材料から製造することができる。
【0031】
シール部材26は、軸力がシール部材26の近位端部分34にそれぞれ印加され、また取り除かれるときにシール部材26の弾力的な圧縮および膨張を行いやすくするように構成された一般的にアコーディオン形、一般的に波形、または一般的に起伏のある輪郭形状を有する先細の弾力的な本体部分50を有することができる。いくつかの実施形態では、本体部分50は、一緒に一体形成された、または別々に形成され、接合された一連の一般的に円形の、もしくはOリング形状の構造、または圧縮と膨張の方向を一般的に横切る向きの1つまたは複数の溝構造を備えることができる。これらの構造および輪郭は、直径または断面形状および/またはサイズが変化しうる。いくつかの実施形態では、これらの構造または輪郭は、シール部材26の長手方向軸に実質的に垂直な方向に一般的に内向きと外向きで交互に延在しうる(例えば、
図3〜6に示されているように)。構造または輪郭は、螺旋構成などの多くの構成で形成されうる。
【0032】
いくつかの実施形態では、本体部分50の内面は、本体部分50の内面も本明細書の別のところで説明している構造または輪郭を有することができるように本体部分50の外面とおおよそ一致しうる。いくつかの実施形態では、本体部分50の内面は、本体部分50の外面の対応する部分が半径方向外向きに延在するときに一般的に半径方向内向きに延在し、本体部分50の内面は、外面の対応する部分が半径方向内向きに延在するときに一般的に半径方向外向きに延在しうる。したがって、本体部分50は一連の隆起を備えることができ、本体部分50の壁の厚さは、例えば
図4Aに示されているように、厚い領域と薄い領域との間で交互に変化する。いくつかの実施形態では、本体部分50の内面は、本体部分50の外面の対応する部分が半径方向内向きに延在するときに一般的に半径方向内向きに延在し、本体部分50の内面は、外面の対応する部分が半径方向外向きに延在するときに一般的に半径方向外向きに延在しうる。したがって、本体部分50は、一連の湾曲したセグメントを備え、本体部分50の壁はより均一な厚さを有する。いくつかの実施形態では、本体部分50の内面は、比較的滑らかな、または平坦な表面輪郭を有することができる。
【0033】
本体部分50は、その長さにそって一般的に一貫した断面形状もしくはサイズを有するか、または本体部分50の断面形状もしくはサイズは、その長さの少なくとも一部にそって変化しうる。いくつかの実施形態では、本体部分50の内側の形状は、支持部材28の細長い部分62の外面とほぼ一致するものとしてよい。いくつかの実施形態では、本体部分50は、一般的に円錐である形状を有する下側セクション50aと一般的に円筒である形状を有する上側セクション50bとを備える。多くの変更形態が可能である。
【0034】
シール部材26は、
図5に例示されているように、本体部分50が初期位置もしくは膨張位置へ付勢されるように構成されうる。軸力がシール部材26に加えられると、近位端部分34および/または本体部分50が第2の位置へ圧縮され、したがって軸にそって引っ込み、シール部材26の全長が縮みうる。軸力がシール部材26から取り除かれると、近位端部分34および/または本体部分50は付勢の結果、再び伸長し、シール部材26が初期状態または弛緩状態に戻りうる。シール部材26は、第1の位置または閉鎖位置でその弛緩状態に戻りうるけれども、例えば、近位端部分34のリップ38がある程度の軸力の下で本体部材22の1つ複数の内面と係合するなど、シール部材26はこの状態ではあるレベルの圧縮下に置かれたままとなりうる。
【0035】
シール部材26は、シール部材26の近位端部分34が本体部材22内に形成された開口部36によって受け入れられるように構成することができる。いくつかの実施形態では、例示されている実施形態のように、シール部材26の近位端部分34は本体部材22の開口部36の内面と接触し、それと、微粒子または流体がコネクタ内に進入することに対して一般的に抵抗するシールを形成するように構成されている中に形成されたリップ部分38(環状突起部であってよい)を有することができる。
図3に示されているように、本体部材22の近位端162は、シール部材26の近位端部分34の周りを空気または流体が流れるのを可能にするように構成された1つまたは複数の溝または陥凹部39を備えることができる。
【0036】
それに加えて、
図5に示されているように、スリットまたは開口部52をシール部材26の近位端部分34内に形成することができる。シール部材26は、スリット52が閉鎖位置へ付勢されるように構成することができ、これにより、液体がシール部材26内に形成されたスリット52を貫流することが実質的に防止または抑止される。それに加えて、いくつかの実施形態では、以下でさらに詳しく説明するように、スリット52は、シール部材26を支持部材28を越えて遠位方向に引っ込めることによって開くことができ、これにより、支持部材28の近位端部分の少なくとも一部がスリット52を突き抜け、通過する。いくつかの実施形態では、スリット52は、支持部材28がその中を突き抜けることなく開くように構成されうる。
【0037】
図7および8は、
図2Aに示されているコネクタ20の実施形態の支持部材26の実施形態の斜視図である。
図9は、支持部材28の軸中心線を通して切り取った
図7に示されている支持部材28の実施形態の断面図である。
図7〜9を参照すると、すべてではなく一部の実施形態において、支持部材28は、ベース部分60、ベース部分60から近位方向に突き出る細長い部分62、およびベース部分60から遠位方向に突き出る遠位部分64を備えることができることがわかる。いくつかの実施形態では、例示されている支持部材28のこれらのコンポーネントのうちの1つまたは複数は、省くことができるか、または異なるコンポーネントと置き換えることができる。例えば、支持部材は、細長い部分62を含んでいる必要はない。いくつかの実施形態では、支持部材は実質的にさらに短いものであってもよく、この場合、シールの近位端に延入し、貫通し、および/またはその近くに延在するということがない。コネクタ20のいくつかの実施形態では、支持部材が全くない。シール部材は、シール部材がより小さな直径のハウジングによって強制的に閉じる自然に開いている位置にされるとき、またはシール部材がハウジングなどの近位領域に付着されているときなどにおいて、突き抜ける支持部材なしで、または支持部材を全く使用せずに、開くように構成することができる。レギュレータも、ハウジング内に固定され、位置決めされうるが、これは支持材なしで機能しうる。例えば、いくつかの実施形態では、レギュレータ30はシール部材に付着し、および/または別の構造から吊り下げることができるか、またはレギュレータ30は、
図13に例示されている遠位部分64または内部支持材を必要とすることなく、付着せず、自由に動くようにすることができる。
【0038】
いくつかの実施形態では、例示されている支持部材28の1つまたは複数のコンポーネントを別々に形成し、接着剤、超音波溶接、スナップ嵌め、または他の方法により互いに付着させることができる。例えば、細長い部分62およびベース部分60を別々に形成して、例えば、超音波溶接によって付着させることができる。いくつかの実施形態では、支持部材全体28をワンピースユニットとして一体形成することができる。いくつかの実施形態では、流体は、シール部材または他の流体流動障害物の中、または外のいずれかにおける、キャビティの遠位端のところに、もしくはその近くに位置する孔など、コネクタ20のキャビティ内の1つまたは複数の孔を通って流れうる。単一の部材として示されているけれども、いくつかの実施形態では、支持部材28のコンポーネントは、別々に形成することができる。例えば、細長い部分62はベース部材および遠位部分64と別に形成することができ、細長い部分62および/または他の部分は、使用中にコネクタ内を移動するように構成することができる。
【0039】
いくつかの実施形態では、遠位部分64は、一般的に円筒形の外面64aを備えることができる。遠位部分64の長手方向の長さは、例示されているように、細長い部分62の長手方向の長さより実質的に短いものとすることができる。一般的に遠位部分64を横切る横断面距離は、レギュレータを一般的に横切る横断面距離より小さいものとすることができる(例えば、
図12を参照)。それに加えて、いくつかの実施形態では、開口部66を部材28の少なくとも一部を通して軸方向に形成することができる。例示されている実施形態では、支持部材28を一般的に軸方向に貫通する流体通路69と流体で連通することができる。流体通路は、細長い部分62の近位端内に形成された1つまたは複数の横方向もしくは半径方向の開口部68が開口部66と連通するように遠位部分64、ベース部分60、および細長い部分62の実質的部分を貫通することができる。
【0040】
図7〜9に例示されているように、細長い部分62は、先細の外面70および近位先端部分72を有することができる。近位先端部分72は、一般的に先細の(または一般的に円錐形の)外面を有するか、または一般的に円筒形とすることができる。細長い部分62は、近位先端部分が支持部材28のベース部分60の断面積より著しく小さい断面積を備えるように構成されうる。いくつかの実施形態では、近位先端部分72は、シール部材26の近位端部分34が支持部材28からの著しい引きずりもしくは抵抗を受けることなく支持部材28の近位先端部分72に関して(例えば、圧縮位置から膨張もしくは初期位置へ)引っ込めることができるように構成されうる。いくつかの実施形態では、近位先端部分72は、シール部材26内に形成されたスリット52を突き抜けるように構成された鋭利な、または丸みのある先端74を有する。いくつかの実施形態では、先端74は、先端部分72、および細長い部分62の残りの部分と一体形成される。いくつかの実施形態では、細長い部分62の近位端は、その近位先端に位置する孔を備え、通路69は、開口部66から先端のところの開口部まで延在しうる。
【0041】
ベース部分60は、支持部材28の遠位端と連携して環状流路82を形成する外側環状壁78を有することができる。流路82は、シール部材26の遠位端部分56の一部を受け入れるように構成されうる。いくつかの実施形態では、ベース部分60は、支持部材28のベース部分60に関して遠位端部分56を固定し、遠位端部分56がベース部分60に関して変位軸方向に並進するのを防止するように構成されうる。それに加えて、流路82は、支持部材28のベース部分60に関して遠位端部分56を固定し、遠位端部分56がベース部分60に関して半径方向に並進するのを防止するように構成されうる。シール部材26は、シール部材26の遠位端部分56を支持部材28のベース部分60に接着するか、または他の何らかの方法で固定して、またはそのようなことをせずに、支持部材28とともに組み立てることができる。実際、いくつかの実施形態では、シール部材26の遠位端は、本体部材22の内部キャビティ内で「浮動」状態であり、シール部材26が閉鎖位置から開放位置へ移動すると軸方向に並進しうる。
【0042】
支持部材28の遠位部分64は、遠位部分64を通して横方向にまたは半径方向に形成された1つまたは複数の開口部86を有することができる。例示されている実施形態では、2つの開口部86が遠位部分64内に形成され、その長軸が一般的にコネクタの軸にそって延在する一般的に矩形のスロットとして構成される。しかし、いくつかの実施形態では、ただ1つの開口部、または3つ、4つ、もしくはそれ以上の数の開口部を遠位部分64内に形成し、スロットもしくは他の形状の孔として形成することができる。いくつかの実施形態では、1つまたは複数の開口部86は、例示されているように、遠位部分64の長手方向長さの少なくとも大部分にそって延在しうる。この1つまたは複数の開口部86は、支持部材28内に形成された軸開口部66と連通するように形成されうる。
【0043】
一般的に環状のキャビティまたは空間88は、支持部材28の遠位部分64内に形成されうる。環状キャビティ88は、遠位部分64上に形成された2つの環状突起部90、92の間に形成されうる。以下でさらに詳しく説明するように、キャビティ88は、支持部材28内に形成された開口部66、68を貫流する流体で満たすことができる。環状突起部94も支持部材28の遠位端部分のところに形成することができ、これにより、流路96を環状突起部90、94の間に形成することができる。
【0044】
図10および11は、
図2Aに示されているコネクタ20のレギュレータ30の実施形態の斜視図である。
図12は、レギュレータ30の軸中心線を通して切り取った、
図10に示されているレギュレータ30の一実施形態の断面図である。
図10〜12に例示されているように、レギュレータ30は、本体部分100および近位端部分102を有することができる。いくつかの実施形態では、例示されている実施形態のように、本体部分100は、一般的に円筒形の形状とすることができ、近位端部分102は、環状隆起部分またはリップ103およびそれを貫通する開口部104を有することができる。いくつかの実施形態では、例示されているように、コネクタは、コネクタ20を通って流れ、および/またはコネクタ20内を流れる流体流を制御することができる、シール部材26およびレギュレータ30などの、複数の弁構造を備える。
【0045】
レギュレータ30または本明細書で開示されているレギュレータ、弁、または弁部材の他の実施形態、ならびにそのコンポーネントもしくは特徴のうちのどれかを、シリコーン系の変形可能な材料、ゴム、または他の好適な材料を含む、多くのさまざまな材料から製作することができる。シリコーン系の変形可能な材料は、プラスチックおよびその他の剛性度の高いポリマー材料または金属材料を有する流体密閉鎖部を形成するもののうちの1つである。いくつかの実施形態では、レギュレータ30は、柔軟性、弾性、および/または弾力性を有するものとしてよい。いくつかの実施態様では、レギュレータ30は、シール部材26と同じ材料で作ることができる。例示されている例に示されているように、レギュレータ30の可変容積もしくは動的レギュレータ部分は、非常に薄く、極めて柔軟であり、および/または伸展性を有する1つまたは複数の側壁を有することができ、これは、いくつかの実施形態では、シール部材26の側壁の少なくとも一部の、または実質的に全部の側壁より実質的に薄く、流体の圧力変化に対するレギュレータ30の応答性を高めることができる。
【0046】
それに加えて、レギュレータ30は、中に形成された1つまたは複数の開口もしくはスリット110を有する遠位端部分108のところに弁部材を備えることができ、2つのスリット110は例示的な実施形態において示されている。いくつかの実施形態では、例示されている実施形態のように、端部分108は、一般的に弓形の、一般的にドーム形の、または一般的に球形の弁部材を備えることができる。遠位端部分108は、遠位端部分108が閉鎖位置へ付勢されるように構成されうる(例えば、スリット110が閉鎖構成へ付勢されるように)。したがって、いくつかの実施形態では、遠位端部分108は、レギュレータ30の内側の流体とレギュレータ30の外面上に作用する流体との間の圧力差の大きさが所定のレベルより低いときに(例えば、端部分108の内面108aにかかる圧力と端部分108の外面108bにかかる圧力との間差が所定のレベルより低い場合に)一般的に閉鎖されるように構成されうる。
【0047】
例示されているように、遠位端部分108上の弁部材の形状のおかげで、弁部材の遠位側にかかる流体圧力が特定のレベルまで上昇するときに弁部材をよりきつく閉じることができる。この流体圧力抵抗レベルを超えると、弁部材が座屈するか、または他の何らかの形で内向きに(例えば、近位方向に)移動し、逆行流を許すことになりうる。弁部材は、この流体抵抗レベルが注射器のリバウンド、近位端ルアーの引き込み、および/または外部から誘発される負の流れ(例えば、患者が咳き込む、くしゃみをする、動く、よび血圧が上昇する、またはIV袋の流体が減少する)によって通常発生する圧力差より高いが、コネクタ20の近位端から流体を意図的に引き込むことによって通常発生する圧力差より低くなるように(例えば、適切な形状の選択、位置決め、および材料の使用によって)構成されうる。いくつかの実施形態では、例示されているように、弁部材は、クラッキング圧より低い圧力差で弁部材を通る負の流れの力の連通を回避もしくは低減するために圧力差がクラッキング圧に向かって上昇または増大するときに同じ初期形状を本質的に保持するように構成されうる。
【0048】
いくつかの実施形態では、逆行流または負の流れは、IV袋内の流体のレベル減少、および/または患者もしくは介護人が流体ラインを乱暴に押す、かつ/または他の方法で動かすなどの外部効果(ときにはコネクタ20の上流に生じる)によって引き起こされうる。IV袋内の流体が低いレベルまで減少するか、干上がる(または、IV袋が患者と比較して低すぎる位置にある)と、IV袋によってすでに供給されている頭部圧力も減少する。いくつかの状況において、頭部圧力がこのように減少すると、患者が動き回り、周期的な負の流れを生じさせるときにコネクタから上流と下流にある流体のカラムの「スロッシング」つまり交互運動に対して流体ラインが脆弱な物になる可能性がある。いくつかの実施形態では、レギュレータの遠位端108の弁部材などの内部もしくは遠位弁部材は、IV袋内の先細りするレベルの流体からの上流頭部圧力がスロッシングもしくは交互流体運動が他の何らかの形で開始しうる閾値レベルを下回るときに閉じるように構成することができる。
【0049】
いくつかの実施形態では、弁部材は、第1の方向に印加される特定の閾値より高い流体力の影響下で第1の方向に(例えば、近位−遠位方向に)開き、所望の閾値より高い流体圧力が第2の方向に(例えば、遠位−近位方向に)印加されるまでその方向に流体流に対して開いたままになるように構成された双安定弁とすることができ、これにより弁が開き、第2の方向の流れに対して開いたままとなる。双安定弁は、第1の方向の所望の閾値より高い力の印加後に第2の方向の流れから第1の方向に再びスイッチバックすることができる。
【0050】
いくつかの実施形態では、スリット110の1つまたは複数は、開口部104の幅(
図12において「WO」で表されている)と長さがほぼ等しいものとしてよい幅(
図12において「WS」で表されている)を有することができる。いくつかの実施形態では、例示されている実施形態のように、スリット110の1つまたは複数のスリットの幅WSは、開口部104の幅WOより小さいものとしてよい。いくつかの実施形態では、例示されているように、幅WS、つまり容積可変チャンバーを横切る横断面の幅は、容積可変チャンバーの長手方向の長さよりも実質的に小さいか、またはレギュレータ30全体の長手方向の長さより実質的に小さいものとすることができる。いくつかの実施形態では、例示されているように、遠位端部分108のところの弁部材の領域の少なくとも一部上のレギュレータ30の壁の厚さは、容積可変チャンバーまたは本体部分100内のレギュレータ30の壁の厚さより実質的に大きく、これにより、本体部分100の柔軟性および伸展性を高め、弁部材による逆流への抵抗を高めることができる。いくつかの実施形態では、例示されているように、遠位端部108のところの弁部材の長手方向の長さは、レギュレータ30の本体部分100内の容積可変チャンバーの長手方向の長さより実質的に短いものとすることができる(両方ともこれらの部分が接続されるか、分離されている実施形態におけるもの)。
【0051】
いくつかの実施形態では、レギュレータ30は、レギュレータ30の内側とレギュレータ30の外面との間の圧力差が第1の大きさに達したときにレギュレータ30の遠位端部分108が開いて流体を、レギュレータ30を通して第1の方向(例えば、
図10の矢印A1で表されている、近位端102から閉鎖部端部もしくは遠位端108への方向)に流せるように構成されうる。同様に、レギュレータ30は、レギュレータ30の内側とレギュレータ30の外面との間の圧力差が第2の大きさに達したときにレギュレータ30の遠位端部分108が開いて流体を、レギュレータ30を通して第2の方向(例えば、
図10の矢印A2で表されている、閉鎖部端部もしくは遠位端108から近位端102への方向)に流せるように構成されうる。
【0052】
内部または遠位閉鎖システム内の弁部材は、多数の異なる形状および構成をとりうる。例えば、いくつかの実施形態では、弁部材および関係する取付け具および位置決め構造は、開示しているすべてに関して(引用部分も含めて)参照により本明細書に組み込まれている米国特許出願公開第2010/0049157A1号の少なくとも
図50〜56および段落309〜325内に例示され、説明されている弁2200、2250と同じであるか、または類似のものであるものとすることができる。
【0053】
いくつかの実施形態では、圧力差の第1の大きさは、圧力差の第2の大きさにほぼ等しいものとすることができる。いくつかの実施形態では、例示されている実施形態のように、圧力差の第1の大きさは、レギュレータ30が第1の方向A1に比べて、第2の方向A2における流体の流れに至るまでの開放に対し大きな抵抗を有するように圧力差の第2の大きさより小さいものとすることができる。言い換えると、レギュレータ30は、端部分108が付勢され第2の方向A2に比べて低い大きさの圧力差で第1の方向A1へ流れが端部分108内を通ることができるように構成されうる。この配置構成において、レギュレータ30は、圧力差の大きさがスリット110を開くのに必要な閾値を超えるまでレギュレータ30の下流からの逆流(例えば、方向A2の流れ)を阻止することができる。
【0054】
例えば、制限することなく、
図10〜12に例示されているレギュレータ30の実施形態は、レギュレータ30の遠位端部分108の球体の形状が第1の方向(矢印A1で表されている)で端部分108にもたらす剛性が第2の方向(矢印A2で表されている)に比べて小さくなるように構成されうる。この構成では、スリット110をA2方向に開かせるためにレギュレータの閉鎖端部または遠位端部分108をA2方向に偏向させるのに、スリット110をA1方向に開かせるためにレギュレータの遠位端部分108をA1方向に偏向させるのに必要な力に比べてより大きな力が必要になる可能性がある。
【0055】
いくつかの実施形態では、レギュレータ30の遠位端部分108がA1方向に開くためには、レギュレータ30の内面108aに作用する流体(液体もしくは気体)の圧力は、レギュレータ30の外面108bに作用する流体(液体もしくは気体)の圧力よりも約0.5気圧大きいものとしてよい。いくつかの実施形態では、レギュレータ30の閉鎖部端部または遠位端部分108がA1方向に開き流体をA1方向に流すことができるために、レギュレータ30の内面108aに作用する流体の圧力は、レギュレータ30の外面108bに作用する流体の圧力よりも、約0.1気圧から約1.0気圧までの範囲、または約0.2気圧から約0.8気圧までの範囲、または約0.4気圧から0.6気圧までの範囲だけ大きいものとしてよい。
【0056】
いくつかの実施形態では、レギュレータ30の遠位端部分108がA2方向に開くためには、レギュレータ30の外面108bに作用する流体の圧力は、レギュレータ30の内面108aに作用する流体の圧力よりも約1気圧大きいものとしてよい。いくつかの実施形態では、レギュレータ30の遠位端部分108がA2方向に開き流体をA2方向に流すことができるために、レギュレータ30の外面108bに作用する流体の圧力は、レギュレータ30の内面108aに作用する流体の圧力よりも、約0.5気圧から約1.5気圧までの範囲、または約0.7気圧から約1.3気圧までの範囲、または約0.9気圧から1.1気圧までの範囲だけ大きいものとしてよい。
【0057】
いくつかの実施形態では、A2方向にレギュレータ30の遠位端部部分108を開くのに必要な圧力差の大きさは、A1方向にレギュレータ30の遠位端部分108を開くのに必要な圧力の少なくともおおよそ2倍である。いくつかの実施形態では、A2方向にレギュレータ30の遠位端部部分108を開くのに必要な圧力差の大きさは、A1方向の場合よりも実質的に大きい、例えば、A1方向にレギュレータ30の遠位端部分108を開くのに必要な圧力より少なくとも約40%大きい。本明細書に例示されているもののうちのいくつかを含む、いくつかの実施形態では、A2方向にレギュレータ30の遠位端部部分108を開くのに必要な圧力差の大きさは、遠位端部分を開くのに必要なA1方向の圧力の約2倍または3倍未満である。いくつかの実施形態では、レギュレータ30は、標準的な注射器15がコネクタの近位端に付着し、注射器の柄が流体移動のために通常印加される大きさの力で送られるときに流体をA1方向に流すことを許すが、レギュレータ30は、実質的にそれより大きい引き込み力が注射器の柄に印加されるときに流体をA2方向に流すことを許す。
【0058】
いくつかの実施形態では、レギュレータ30の遠位端部分108の少なくとも一部は、一般的に球体の形状ではなく、実質的に平坦なものとすることができる。いくつかの実施形態では、A1方向でレギュレータ30を開放するのに必要な圧力差の大きさは、A2方向でレギュレータ30を開放するのに必要な圧力差の大きさと同じであるか、または類似している。いくつかの実施形態では、レギュレータ30の、遠位端部分108などの流れ阻害部分は、遠位端部分108の近位もしくは遠位表面のいずれか上に、厚みが増しているか、または凹みのある部分を備えることができ、これは、A1またはA2のいずれかの方向にレギュレータ30を開放するのに必要な圧力差の大きさを、その配置に応じて、上げ下げする働きをしうる。したがって、いくつかの実施形態では、レギュレータ30は、遠位端部分が球体の形状ではなく実質的に平坦である場合であっても、A1方向に比べてA2方向において抵抗を高くするなど、一方の方向の流体流に対する抵抗を他方の方向の流体流に対する抵抗より大きくすることができる。
【0059】
いくつかの実施形態では、レギュレータ30の遠位端部分108は、近位方向で内向きに屈曲してから、スリット110が割れて開き、A2(近位)方向に流体を流すことができる。いくつかの状況において、この事前開放運動の結果として、コネクタ20の遠位端内への流体の逆流が生じる可能性があるため、レギュレータ30のこの事前開放運動を低減するか、またはなくすことが有益であると思われる。いくつかの実施形態では、流体がA2方向に流体が流れるように開放する前にレギュレータ30が移動する量を減らすか、または最小にするように、レギュレータの遠位端部分108の球体の形状を構成することができる。いくつかの実施形態では、レギュレータ30は、レギュレータ30が流体流に関して開く前に約0.10ml以下などの少量の流体を変位させることができるように構成されうる。
【0060】
それに加えて、
図12を参照すると、レギュレータ30は、本体部分100の内面100a上に形成された内側環状突起部112をさらに備えることができることがわかる。いくつかの実施形態では、内側環状突起部112は、支持部材28の環状突起部90、94の間に形成された流路96内に受け入れられるように構成することができる。この配置構成では、内側環状突起部112は、支持部材28に関して望ましい軸方向位置にレギュレータ30を固定もしくは支持するために使用することができ、これにより、レギュレータ30が支持部材28に関して軸方向に並進するのを防止もしくは抑止することができる。いくつかの実施形態では、レギュレータ30は、コネクタ20の遠位領域内のキャビティ内に位置決めされ、支持部材28の遠位端64などの内部コンポーネントを全体として、または完全に囲む。
【0061】
図12を参照すると、いくつかの実施形態では、環状突起部112は、開口部104の幅WOのほぼ半分の幅など、幅WOより小さい、その間の幅(
図12では「WP」で表されている)を有することができることがわかる。例示されているように、レギュレータ30の内側は、第1の断面積(例えば、近位領域内の)、第2の断面積(例えば、中間領域内の)、および第3の断面積(例えば、遠位領域内の)を含むことができ、第2の断面積は、第1および第3の断面積のそれぞれより小さい。また、第1の領域もしくは近位領域の内側容積は、第2の領域もしくは遠位領域の内部容積より実質的に大きいものとすることができる。いくつかの実施形態では、例示されている実施形態のように、幅WPは、突起部112によって画定され、これは、開口部104の幅WOの少なくとも約1/4もしくは1/2とすることができる。レギュレータ30に関する追加の特徴については、
図13〜16を参照しつつ以下で説明する。
【0062】
図13は、第1の位置または閉鎖位置(例えば、シール部材26が注射器120上のルアーなどの、ルアーの挿入によって接触され開かれる前の)にあるシール部材26を示す、
図2Aに示されているコネクタ20の実施形態の断面図である。
図14は、第2の位置または開放位置(例えば、シール部材26が注射器120上のルアーなどの、ルアーの挿入によって接触され開かれる前の)にあるシール部材26を示す、
図2Aに示されているコネクタ20の実施形態の断面図である。閉鎖位置と開放位置との間で進む際に、シール部材26を移動するように構成することができる。いくつかの実施形態では、例示されているように、シール部材26は、開放位置で圧縮され、閉鎖位置で初期位置まで拡張するか、または戻ることが許されうる。いくつかの実施形態では、シール部材26は、閉鎖位置に比べて、開放位置において小さい長手方向の長さを有する。多くの異なる方法でコネクタ内の流体通路を開閉するために他の多くのタイプのシール部材を使用することができる。シール部材267は、近位端表面46の端から端まで消毒効果のある拭き取りを行えるようにするためにシール部材26の近位端表面46がコネクタ20の近位端開口部と一般的に同一平面になるか、または一般的に平らになるようにコネクタ20内に位置決めすることができる。
【0063】
図13〜16(および本開示の別のところ)に例示されている注射器120は、コネクタ20とともに使用することができるあるタイプの医療器具の一例である。しかし、コネクタ20は、さまざまな種類の医療器具とともに使用するように構成することができ、例示されている注射器120の例とともに使用することには限定されない。注射器120は、医療分野で使用される好適な、もしくは共通の医療用注射器とすることができる。例示されているように、注射器120は、中に開口部124を画成する円筒形本体部分122、本体部分122から突き出ている中空カニューレ、および本体部分122内に形成された開口部124内に受け入れられ、軸方向に並進するように構成されたプランジャ128を有することができる。プランジャ128は、プランジャ128の端部上に支持される弾性もしくはゴム製シール129を有することができる。このような医療用注射器を使って一般になされているように、流体は、プランジャ128を本体部分122の底面130の方へ推し進め、それによって流体を中空カニューレ126を通して出すことによって注射器120から追い出すことができる。このようにして、流体は、プランジャ128のゴム製シール129が注射器120の底面130に達するまで注射器120から典型的には追い出される。
【0064】
図15は、流体を患者の腕の血流中に注入するために使用される
図2Aに例示されているコネクタ20の実施形態を示す概略図である。コネクタ20(または本明細書で開示されているコネクタの他の実施形態)は、さまざまな種類の医療用途に合わせて構成することができ、これは、
図15に例示されている使用に限定されることを意図していない。
図15に例示されているように、コネクタ20は、導管の他の端部が患者の血流と連通している導管132と連結することができる。この構成では、注射器120をコネクタ20内に挿入して、コネクタ20のシール部材26を開くことができる。シール部材26が開放位置にある場合、
図14に例示されているように、注射器120からの流体はコネクタ20および導管132を通して患者の血管系内に移送されうる。
【0065】
注射器120内に保持されている流体の全部を、または実質的に全部を患者の血管系内に注入するために、介護人もしくは自動化された機械が典型的には注射器120のプランジャ128、または他の機構を本体部材122内の奥まで押し込むと、プランジャ128およびゴム製シール129が注射器120の底面130に突き当たり、これにより典型的には弾力的なシール129が圧縮され一般的に剛性度の高いプランジャ128と注射器の底面130との間に入る。これが生じると、典型的にはゴムまたは他の弾力的な材料から作られているプランジャ128の端部上のシール129は、介護人によってプランジャ128に加えられていた力が取り除かれるとリバウンドしうる。
【0066】
従来のシステム(例えば、注射器のリバウンドの効果を相殺するように構成されたコネクタ20を有しないシステム)では、プランジャ128およびシール129が注射器120の底面130からリバウンドして離れると、真空もしくは吸引源が注射器120内に形成されうる。いくつかの場合において、注射器120内のプランジャ128のリバウンド効果は、導管132内から、さらには患者自身の血管系内から流体を注射器120の方へ引き戻すことができる十分な大きさであるものとしていよい。例えば、注射器のリバウンドは、注射器およびコネクタ内の圧力を下げることができる、約1気圧までの真空を発生することができる。それに加えて、いくつかの場合には、コネクタから注射器もしくは他の医療器具を取り外すと、コネクタ内に真空もしくは吸引源が発生しうる。本明細書で使用されているように、「逆流」という用語は、患者の血管系から導管132および/または導管132と流体的に連通している他のコンポーネント内への血液および/または他の流体の偶発的なまたは有害な流れを説明するために、文脈によっては、「負の流れ」と入れ換えて使用される。
【0067】
コネクタ20は、対処しないと注射器120のリバウンド効果、コネクタから医療器具(注射器120のルアーなど)の少なくとも一部を取り外すこと、IV袋の干上がりなどのさまざまな事象の結果として生じるおそれのある逆流、逆行流、負の流れ、進入流、または他の圧力差を防止するか、または実質的に防止するか、または弱めるか、または阻止するように構成されうる逆流抵抗モジュールを備えることができる。いくつかの実施形態では、逆流現象は、折り畳むか、または容積を移動するか、または他の何らかの方法により容積を減らして注射器のリバウンドまたはさまざまな他の効果によって発生する真空効果を相殺するように構成されている容積可変内部チャンバー、容積調整器、動的容積調整器、または動的レギュレータなどのレギュレータ、および/または特定の圧力差閾値を超えるまで少なくとも一方の方向に流体が流れるのを防止するように構成されている弁部材を有するようにコネクタ20の逆流抵抗モジュールを構成することによって防止されうるか、または実質的に防止されうるか、または弱められうるか、または阻止されうる。いくつかの実施形態では、例示されているように、レギュレータは、膨張させて容積を増やすか、または容積を移動するか、または他の何らかの方法で容積を増大して圧力差を相殺するように構成することもできる。いくつかの実施形態では、例えば、レギュレータ30は、ダイアフラムに似た機能を発揮するように構成されうる。特に、レギュレータ30は、コネクタ20の内側の流体経路と流体的に連通している内面を持つ弾力性のある、柔軟な、または弾性的な壁を備えることができ、このような壁は吸引または他の流体力に応じて座屈するか、または内向きに屈曲するか、または他の何らかの形で移動してレギュレータ30内の空間の容積を減らすか、または他の何らかの方法で変化させ、したがって、レギュレータ30内に収容される気体、液体、または他の流体の全部または一部が注射器120または他の医療器具に流れ込むか、または流れ出て真空効果を相殺できるように構成される。例示されているように、レギュレータ30は、弁を通る流体経路の一部を形成することができる(例えば、流体はレギュレータ30の第1の端部内に入り、レギュレータ30の第2の端部から出ることができる)。レギュレータ30の移動する1つまたは複数の壁は、多くの異なる構成をとりうる。例えば、1つまたは複数の壁は、弾力的であるか(例示されているように)、または剛性のあるものであってよく、および/または1つまたは複数の壁は、屈曲できるか、または曲げることができるか(例示されているように)、または摺動する、回転するといったことなどが可能である。いくつかの実施形態では、容積の所望の動的変化は、流れ経路内の一般的に剛性のある、および/または一般的にチューブ状の構造と異なる内部容積との相互作用によって生じうる。例えば、このような構造は、互いに関して一般的に同軸上で伸縮するように摺動して流体量の変化を引き起こすように構成されうる。
【0068】
いくつかの実施形態では、逆流抵抗モジュールは、近位方向の流体流に抵抗するように構成された弁を備えることもできる。弁は、近位方向の流体流を弱めるか、または実質的に完全に防止する逆止弁または一方向弁とすることができ、コネクタ20は、医療用弁内に一般的に存在するほとんどの流体圧力の下で一方向コネクタとすることができる。いくつかの実施形態では、弁は、十分な力が印加される場合に近位方向の流体流を許すように構成することができ、コネクタ20は二方向コネクタとすることができる。いくつかの実施形態では、弁は、容積可変チャンバーの下流、または遠位に位置決めすることができる。いくつかの実施形態では、例えば、レギュレータ30の遠位端部分108およびその中に形成された1つまたは複数のスリット110は、本明細書の別のところでさらに詳しく説明されているように、近位方向の流体流に抵抗するように構成することができる。
【0069】
いくつかの実施形態では、弁は、近位方向の流体流に対して弁を開くために必要な力が容積可変チャンバーの容積を第1の容積から第2の容積へ減らすために必要な力より大きくなるように構成することができる。例えば、圧力差が意図せずに生じた場合(例えば、注射器のリバウンド効果によって)、容積可変チャンバーが収縮して圧力差を相殺することができ、その間、弁を閉じたままにできる。したがって、いくつかの実施形態では、注射器のリバウンドまたは他の効果によって引き起こされた圧力差は、弁の遠位側に、またはコネクタ20の遠位端に伝達されることも連通することもなく、流体の逆流が防止される。
【0070】
いくつかの実施形態では、容積可変チャンバーの容積を第2の容積以上にさらに減らすために必要な力は、近位方向の流体流に対して弁を開くのに必要な力よりも大きい。したがって、圧力差を意図的に発生させる場合(例えば、開業医が注射器のプランジャ128を引き込んで流体を注射器120内に引き込むことによって)、容積可変チャンバーは第2の容積に縮み、その後、弁が開き、流体を近位方向に流すことができる。したがって、いくつかの実施形態では、十分な力が印加される場合、逆流抵抗モジュールをオーバーライドすることができる。
【0071】
例示されている実施形態では、逆流抵抗モジュールは、限定はしないが、レギュレータ30、支持部材28の遠位部分64、ベース部材24の内面、ベース部材内に形成された1つまたは複数の開口部140などの、コネクタ20のさまざまなコンポーネントを備えることができる。他の多くの変更形態が可能である。例えば、いくつかの実施形態では、レギュレータ30それ自体、または独立した流れ阻害部分108単独が、逆流抵抗モジュールとすることができる。
【0072】
図13を参照するとレギュレータ30が、5支持部材28の遠位部分64の上に位置決めすることができ、これにより、支持部材28の遠位部分64上の2つの環状突起部90、92の間に形成される環状キャビティ88を封止することができることがわかる。この構成では、環状キャビティ88は、環状突起部90、92、支持部材28の遠位端部分64の外面64a、およびレギュレータ30の容積調整器もしくは本体部分100の内面100aによって封止するように接合されうる。以下でさらに詳しく説明するように、レギュレータ30の容積調整器もしくは本体部分100は、キャビティ88内のガスもしくは流体の一部が注射器120内に引き込まれうるときに注射器120内のプランジャ128のリバウンドに応答して、または望ましくないレベルの負圧を他の何らかの形で誘発しうるさまざまな他の効果に応答して、座屈するか、屈曲するか、または何らかの方法で移動するように構成されうる。レギュレータまたは容積調整器は、コネクタ内で他の多くの方法により位置決めし、および/または配向することができる。例えば、いくつかの実施形態では、レギュレータまたは容積調整器は、支持部材28の細長い部分62の内側に位置決めされうるか、またはその一体化された部分もしくは単一の部分として構造化されうる。いくつかの実施形態では、細長い部分62の側部の少なくとも一部は、コネクタ内の容積の変化を引き起こすように柔軟であるか、または他の何らかの形で移動可能であるものとしてよい。このようにして、コネクタの全長は、本明細書で例示されている実施形態のいくつかと比べて縮小することができる。
【0073】
支持部材28の遠位端部分64を通して1つまたは複数の開口部86を形成し、これによりキャビティ88と支持部材28内の開口部66との間に流体を流すことができる例示されている実施形態では、2つの開口部86は、支持部材28の遠位端部分64を貫通するように形成される。支持部材28の部分64に開口部86を適当な数だけ、または望む数だけ形成することができ、これによりキャビティ88と支持部材28内に形成された開口部66との間に流体を流すことができる例示されている実施形態では、開口部86は、一般的に、スロットの形状をとるが、他の実施形態では、開口部86は、好適な任意の断面形状および/またはサイズを有することができる。例えば、いくつかの実施形態では、開口部は、一般的に円形の断面を有することができる。
【0074】
それに加えて、
図3、4および13を参照すると、コネクタ20は、レギュレータ30がベース部材24内に形成されたキャビティ138などのコネクタ内の第2のキャビティ内に位置決めされるように構成されうることがわかる。いくつかの実施形態では、初期位置にあるレギュレータ30は、レギュレータ30の本体部分100の外面100bとキャビティ138の内面138aとの間にもしあるとすればごくわずかな空隙があるようにベース部材24内に形成されたキャビティ138内にぴったりと収容できる。
【0075】
図3および13に例示されているように、1つまたは複数の開口部140を、ベース部材24を貫通するように形成し、大気とレギュレータ30の本体部分100の外面100bとの間に気道を設けることができる。コネクタ20は、本体部材22が1つまたは複数の開口部140を通る空気の流れを著しく制限しないように構成することができる。1つの開口部140が例示されているけれども、適当な個数の開口部140をベース部材24内に形成することができる。以下でさらに詳しく説明するように、この1つまたは複数の開口部140は、空気がレギュレータ30の外面100bとキャビティ138の内面138aとの間の空間内に自由に流れ込めるように構成することができる。いくつかの実施形態では、空気は、本体部第122とベース部材124との間の界面の少なくとも一部(例えば、環状突起部182と環状流路180の下の界面の部分)の間を移動して孔140に到達することができる。いくつかの実施形態では、本体部材122は、空気をベース部材124内の孔に到達させることができる孔(図示せず)を備えることができる。いくつかの実施形態では、ベース部材内の孔140は、本体部材122によって覆われず、コネクタ20の外部へ直接開くように位置決めすることができる。いくつかの実施形態では、空気は、本体部材122の少なくとも一部を通して浸出し孔140に到達することができる。いくつかの実施形態では、ベース部材124は、孔140なしで形成することができるが、空気がベース部材124の少なくとも一部を通して浸出しレギュレータ30の外面100bとキャビティ138の内面138aとの間の空間に到達することができるように構成されうる。
【0076】
レギュレータ30および/またはベース部材24は、開口部140を貫流する空気がレギュレータ30の外面100bの周りを流れ、ベース部材24内に形成されているキャビティ138内に流れ込むことができないようにコネクタ20を封止する構成をとることができる。例えば、突起部90は、レギュレータ30の弾力性のある壁およびキャビティ138の内壁138aと連携し、突起部90と92との間にある内壁表面138aと外面100bとの間に実際に含まれる孔140を通してコネクタ20内に移動する空気を保持する気密シールを形成するように構成されうる。以下でさらに詳しく説明するように、開口部140は、レギュレータ30が本明細書で説明されているような注射器のリバウンド効果もしくは他の逆行流誘発効果に応答して実質的に自由に内向きに変形できるように空気をレギュレータ30の本体部分100の外面100bに流して当てられる構成をとりうる。
【0077】
次に、
図3、4および13を参照しつつ、本体部材22およびベース部材24の追加の特徴について説明する。組み立て済みの構成において、シール部材26は、細長い部分62がシール部材26内に形成された開口部54内に受け入れられるように支持部材28によって支持されうる。それに加えて、レギュレータ30は、支持部材28の遠位端部分64がレギュレータ30内に形成された開口部104内に受け入れられるように支持部材28によって支持されうる。そこで、シール部材26、支持部材28、およびレギュレータ30を1つに組み立てて、本体部材22およびベース部材24内で支持することができる。本体部材22およびベース部材24を1つに連結して、シール部材26、支持部材28、および内部キャビティ61内のレギュレータ30を実質的に封入する剛性のあるハウジングを構成することができる。
【0078】
ベース部材24は、そこから突き出る雄先端突起部142を有することができ、この雄先端突起部142はベース部分24の内側に形成されたチャンバー138と流体的に連通しうるそこを通る開口部144を画成する。いくつかの実施形態では、例示されているように、雄先端突起部142は、弁の開放位置と閉鎖位置の両方において流体的に連通するように実質的に開いているものとしてよい。それに加えて、シュラウド146は、シュラウド146の内面146a上に形成されたコネクタ20と雌ネジ150のグリップ力を高めるように設計された突起部またはその上の他の特徴(図示せず)を備えることができる。ベース部材24は、手術者が掴む牽引領域を設けるためにベース部材24の周りに、または実質的にその周りに延在する円周上のスロットもしくは溝145を備えることができる。このような溝では、ベース部材24のその領域内の壁の厚さをより均一にして、製造効率を高めることもできる。ベース部材24は、医療用コネクタのANSI標準に準拠するように構成することができる。
【0079】
本体部材22は、本体部材22の近位端部分162に隣接する本体部材22の外面22aの周りに形成された環状の頂上部つまり突起部160を有することができる。近位端部分162は、滑らかで一般的に円筒状であるか、またはコネクタ20を他の好適な医療器具と螺合して連結されうるように形成された雄ネジもしくはネジ特徴部163を有することができる。突起部160は、注射器がコネクタ内に限度を超えて挿入されるのを防止するか、または阻止するためにルアーロック式注射器上に備えることができるネジ山の付いたカラーまたはシュラウド(図示せず)と係合するように構成することができる。それに加えて、
図14を参照すると、本体部材22の内面22bは、一般的に滑らかなものとしてよいことがわかる(
図13、14に例示されているように)。いくつかの実施形態では、本体部材22の内面22bは、直線状に配置された頂上部もしくは流路、または他のそのような特徴を備えることができる。頂上部によって形成された流路もしくは陥凹部は、シール部材26が開かれたときにシール部材26が圧縮され、外向きに膨張してそのような頂上部もしくは流路に当たるとシール部材26の部分を受け入れるように構成されうる。それに加えて、そのような頂上部は、コネクタのハウジング内を移動するときにシール部材と接触している表面領域の量を減らしうる。
【0080】
図3および4に例示されているように、ベース部材24は、ベース部材24の近位端部分170の外面の周りに位置決めされた1つまたは複数の突起部172を有する近位端部分170を備えることができる。それに加えて、本体部材22は、本体部材22全体を貫通する開口部176を持つ遠位端部分174、および遠位端部分174内に形成された1つまたは複数の流路もしくは切欠178を備えることができる。1つまたは複数の流路もしくは切欠178は、ベース部材24の近位端部分170上に形成された1つまたは複数の突起部172を受け入れるように構成することができる。突起部172および切欠178は、本体部材22がベース部材24に関して回転するのを実質的に防止し、それにより本体部材22とベース部材24との間のより確実な連結を形成するように構成することができる。
【0081】
それに加えて、本体部材22は、ベース部材24の近位端部部分170上に形成された環状突起部182を受け入れるように構成された、遠位端部分174内に形成された環状流路180を備えることができる環状流路および環状突起部182は、本体部材22とベース部材24との間をスナップ嵌めで接続するように構成されうる。この構成では、本体部材22がベース部材24と連結されたときに(
図13に例示されているように)、環状流路180および環状突起部182は、本体部材22とベース部材24との接続が外れるのを実質的に防ぐ。これらのコンポーネントを取り付ける他の多くの構造および方法も使用することができる。
【0082】
次に、コネクタ20の一例の動作について説明する。
図13は、シール部材26が閉鎖位置にあるときの(例えば、注射器もしくは他の医療器具がコネクタ20と連結される前の)コネクタ20を備えるコンポーネントの位置を例示している。この構成では、シール部材26は、
図13に例示されているように、閉鎖位置に付勢されうる。それに加えて、レギュレータ30内に形成されたスリット110は、
図13に例示されているように、閉鎖位置に付勢されうる。
【0083】
図14は、コネクタ20と連結されている注射器120の挿入に応答して開放位置にあるシール部材26を例示している。
図14に例示されているように、注射器120もしくは他の医療器具のルアーまたはカニューレ126は、シール部材26が本体部材22内で圧縮するか、または他の何らかの方法で移動するためにシール部材26の付勢に打ち勝つ十分な力で、
図14の矢印A4により表されている方向に押されシール部材26に当たる。シール部材26が本体部材22内に圧縮され、シール部材26の端面46が支持部材28内に形成された開口部68を通る十分な距離をとれた場合、開口部66および/または通路69は注射器120の内側と流体的に連通する。カニューレ126がシール部材26の端面46に加える力は、カニューレ126とシール部材26の端面46との間に実質的に流体密封するシールを形成する十分な力とすることができ、したがって注射器120がこの方法でコネクタ20と連結されたときに注射器120内の流体の全部、または実質的に全部が開口部68内に流し込まれる。
【0084】
したがって、シール部材26が、
図14に例示されているように、開放位置にある場合、注射器120のプランジャ128を押し下げて流体をコネクタ20内に押し込むことができる。
図14の流れの矢印は、いくつかの実施形態では、流体が注射器120から強制的に出されたときに、流体が、支持部材28内に形成された1つまたは複数の開口部68内に流れ込み、通路69を通り、支持部材28内に形成された開口部66を通って流れうることを例示している。いくつかの実施形態では、流体の一部は、支持部材28内に形成された1つまたは複数の開口部86を通り、支持部材28とレギュレータ30との間に形成されたチャンバー88内に流れ込むことができる。それに加えて、注射器120内のプランジャ128に加えられる圧力が、圧力差の閾値を超えてレギュレータ30内に形成された1つまたは複数のスリット110を開くに十分な大きさである場合、流体は、ベース部材24内に形成された開口部144を通り、もしあればベース部材24と連結された別の医療器具内にも流れ込む。例示されているように、
図14に例示されている段階におけるレギュレータ30内の容積容量は、
図13に例示されている段階における容積容量とほぼ同じであるものとしてよい。説明されているように、注射器120もしくは他の医療器具がコネクタ20から取り外される場合、コネクタ20は、シール部材26内の付勢力によりシール部材26が閉鎖位置に戻るように構成することができる。
【0085】
図16は、開放位置にあるシール部材26および注射器120の底面130に当たるように圧縮された注射器120のプランジャ128を示す、
図2Aに示されているコネクタ20の実施形態の断面図である。
図16に例示されているように、注射器120内の流体を患者に投与する開業医または介護人は、典型的には、プランジャ128を注射器の底面130に当たるまで押下し、流体の実質的に全部を注射器からコネクタ内に追い出し、プランジャ128の端部上の弾性シール129が実質的に剛体のプランジャ128と注射器の実質的に剛体の底面130との間で圧縮されるようにする。例示されているように、
図16に例示されている段階におけるレギュレータ30内の容積容量は、
図13および14に例示されている段階における容積容量とほぼ同じであるものとしてよい。
【0086】
この位置において、注射器120からさらに流体が押し出されることのないようにプランジャ128が注射器120に関して完全に押し下げられたときに、注射器120内の流体流、したがってコネクタ20は停止する。コネクタ20を通って流れる流体がない状態で、コネクタ20内の流体とコネクタ20の外部の流体との間の(例えば、コネクタ20の遠位端と流体的に連通するカテーテル内の)流体の圧力差は、レギュレータ30内の1つまたは複数のスリット110を開くか、または開いた状態を保つのに必要な閾値より低くなり、その1つまたは複数のスリット110は、圧力差が1つまたは複数のスリット110を開くのに必要な閾値を再び超えるまで、レギュレータ30内をさらに流体が通過しないように閉じる。
【0087】
図17は、注射器120のプランジャ128が注射器120の底面130からリバウンドして離れた後の、開放位置にあるシール部材26、および注射器120を示す、
図2Aに示されているコネクタ20の実施形態の断面図である。プランジャ128の端部のゴム製シール129が押下され注射器120の底面130に当たり、流体の実質的に全部が注射器120から追い出され、介護人がプランジャ128を解放した後、プランジャ128の端部上の弾性シール129により、典型的には、プランジャ128が注射器の底面130からリバウンドして離れるか(例示されているように)、または上方に膨張する。これが生じた場合、シール129と注射器120の底面130との間に空間の容積が形成され、これにより、注射器120内に真空が発生する。
【0088】
図17を参照すると、コネクタ20は、コネクタ20の内側の流体とコネクタ20の外側の流体との圧力差がレギュレータ30内に形成された1つまたは複数のスリット110を開くのに必要な圧力差の閾値より小さくなるように注射器のリバウンド効果を補償する構成をとることができることがわかる。
【0089】
例えば、プランジャ128が注射器120の底面130から遠ざかるか、または矢印A5によって表される方向に膨張した後(例えば、プランジャ128がリバウンドした後)、コネクタ20は、注射器120内に生じる真空を補償することができる。
図17に例示されているように、レギュレータ30は、注射器120内に生じた真空に応答してレギュレータ30の容積調整器または本体部分100が内向きに偏向して1つまたは複数のチャンバー88内に入り、チャンバー88の容積を減らし、したがってコネクタ20内の空間の容積を減らすように構成されうる。例示されているように、
図17に例示されている段階におけるレギュレータ30内の容積容量は、
図13、14、および16に例示されている段階におけるレギュレータ30内の容積容量より(例えば、プランジャ128のリバウンドの結果として注射器120内に再入したほぼ流体の量だけ)小さいものとしてよい。
【0090】
いくつかの実施形態では、例示されているように、動的レギュレータ、容積可変チャンバー、または容積調整器などのレギュレータは、移動して、対処しなければ負の流れ、または逆行流を生じることになる真空もしくは圧力差に関して大きさまたはサイズが実質的に同じである、および/または実質的に同時に発生する容積の対応するかつ反対向きの変化を誘発することによって真空もしくは圧力差を小さくするか、または一般的に排除するか、または一般的に無効にすることができる。いくつかの実施形態では、例示されているように、レギュレータ30は、複数の異なる容積調整(例えば、臨床的に関連する範囲内で連続的に変化させることができる容積調整)を行ってレギュレータが負の流れもしくは逆行流を発生することになる真空もしくは圧力差の大きさを他の何らかの形で変化させうる複数の異なる効果に応答することができるように構成されうる。レギュレータ30の容積調整を自動的にかつ弁の他のコンポーネントの運動と独立して実行することを可能にできるか、またはレギュレータ30の容積調整をそのように構成することができる。例えば、例示されているように、
図16および17に例示されている段階の間のレギュレータ30の容積変化は、必ずしも、コネクタ20が閉鎖位置と開放位置との間で移動していることに依存すること、またはそれを必要とすることはなく、むしろ、近位閉鎖システム(例えば、支持部材28に関するシール26)の位置は、これらの段階において本質的に同じであるものとしてよい。例示されているように、いくつかの実施形態では、シール部材26は、開放位置と閉鎖位置のいずれか、または両方においてレギュレータ30から相隔てて並び、切り離されうる。
【0091】
レギュレータ30がその容積を変化させると、チャンバー88の容積の変化によって変位するチャンバー88内のその容積分の流体(気体もしくは液体)がコネクタ20に取り付けられている注射器120または他の医療器具内に流れ込むことができる。いくつかの実施形態では、レギュレータ30の閉鎖端部分108は、レギュレータ30がコネクタ20内の流体容積容量を調整している間に閉鎖状態を保つことができる。いくつかの実施態様では、レギュレータ30の本体部分100は、シール部材26の移動との関係に移動するように構成されうる。例えば
図16および17に示されているように、レギュレータ30の本体部分100は、シール部材26が実質的に折り畳まれた構成のままである間に内向きに偏向することができる。いくつかの実施形態では、シール部材26およびレギュレータ30は、一体の、もしくは単一のコンポーネントに組み合わせることができ、および/またはシール部材26は、レギュレータ30の特徴の一部もしくは全部を備えるように適宜構成することができる。
【0092】
いくつかの実施形態では、例示されているように、レギュレータ30は、コネクタ20を通る流体流軸と一般的に平行である方向に有意な量の一般的な膨張もしくは収縮を(または膨張もしくは収縮を全く)生じずに、コネクタ20を通る流体流軸を一般的に横切る方向に、もっぱら膨張および収縮するか、他の何らかの形で移動することができる。いくつかの実施形態では、例示されているように、レギュレータ30の容積可変部分もしくは本体部分100の直径および/または断面積は、初期位置における近位端と遠位端との間で一般的に一定であるものとすることができる。
【0093】
したがって、コネクタ20および特にレギュレータ30は、注射器120がリバウンドしたときに、コネクタ20内の流体とコネクタ20の外側の流体との間の圧力差が、シール部材26が閉じる前であってもコネクタ20内の容積を減らすことによってレギュレータ30内の1つまたは複数のスリット110を開くために必要な圧力差の閾値より低い値に動的に維持されるように構成することができ、これにより注射器内の真空吸引もしくは逆行流体流を軽減することができる。それに加えて、いくつかの実施形態では、レギュレータ30の端部分108は、1つまたは複数のスリット110が開くことなくわずかに内向きに偏向し、注射器のリバウンドによって生じる真空を考慮するように構成することができる。
【0094】
いくつかの実施形態では、コネクタ20およびレギュレータ30は、レギュレータ30が開くことなく注射器120内の少なくとも約1気圧の真空度を補償するように構成されうる。いくつかの実施形態では、コネクタ20およびレギュレータ30は、レギュレータ30が開くことなく注射器120内の約0.5気圧から約3気圧までの範囲、または約1気圧から約2気圧までの範囲の真空度を補償するように構成されうる。
【0095】
所望の量の流体が注射器120または他の医療器具から分注された後、注射器120もしくは他の医療器具は、コネクタ20から取り外すことができる。注射器120もしくは他の医療器具がコネクタ20から取り外される場合、コネクタ20は、シール部材26内の付勢力によりシール部材26が閉鎖位置に戻るように構成することができる。シール部材26のこのように可逆性により、コネクタ20は、2つの流体ラインの間を流体的に連通するコネクタ弁としてとりわけ魅力的なものとなっている。コネクタ20は封止して閉鎖し、殺菌することができるため、さまざまな注射器もしくは医療器具をコネクタ20と何回も容易に連結することができ、しかもコネクタ20が患者の血管系と連通しているのを外す必要がない。
【0096】
注射器120などの医療器具のルアーの取り外しも、コネクタ20内への逆流もしくは負の流れを引き起こしうる。
図17Aに示されているように、レギュレータ30は、この負の流れも阻止または防止するように構成することができる。図示されているように、レギュレータ30は、
図17に示されている注射器のリバウンド効果の後であっても内向きの屈曲もしくは他の移動が生じたときにそれに対応できるサイズとすることができる。したがって、レギュレータ30の側壁100は、注射器120がコネクタ20から取り外されると内向きの折り畳みを続け、スリット110を、したがってレギュレータ30を開くのに必要なクラッキング圧より小さい圧力差を維持する。例示されているように、
図17に例示されている段階におけるレギュレータ30内の容積容量は、
図13、14、16、および17Aに例示されている段階におけるレギュレータ30内の容積容量より小さいものとすることができる。レギュレータ30は閉じられたままなので、コネクタ20の遠位端内に流体は本質的に引き込まれず、コネクタの遠位端に取り付けられているカテーテルもしくは他の医療器具内に流体は本質的に引き込まれず、したがって、負の流れは本質的に発生しない。いくつかの実施形態では、レギュレータ30内の可変容積は、少なくとも約0.01mlおよび/または約0.10ml以下の変化を示しうるけれども、多くの実施形態において、容積は、コネクタ内の構成(例えば、デッドスペースの量)によってはこの範囲を外れる量の変化を示す場合もある。いくつかの実施形態では、容積可変チャンバーの可変容積は、少なくとも約0.02cc、および/または約0.06cc以下である。いくつかの実施形態では、容積可変チャンバーの可変容積は、約0.04ccである。
【0097】
いくつかの実施形態では、
図17および17Aに例示されているように、レギュレータ30が移動して圧力または流体量の変化を補償するかまたは応答した後でも、ある程度の量の流体が、支持部材28の遠位部分64の外面とレギュレータ30の本体部分100の容積調整器の内面との間の流体キャビティ88を含む、レギュレータ30内にそのまま残りうる。
【0098】
いくつかの実施形態では、
図17Aに例示されているように、レギュレータ30の容積調整は、弁の他のコンポーネント(近位閉鎖システムなど)の移動と無関係に行わせることが可能である。例えば、
図17Aおよび17Bに例示されている段階の間のレギュレータ30の容積変化は、必ずしも、コネクタ20が閉鎖位置と開放位置との間で移動していることに依存すること、またはそれを必要とすることはなく、むしろ、レギュレータ30内の容積の変化が生じるのは、レギュレータ30が流体を通して伝えられる圧力差に自動的に応答するからであって、必ずしも、レギュレータがコネクタ20内の他のコンポーネントに機械的にまたは直接的にリンクされているからではない。いくつかの実施形態では、レギュレータ30と、近位閉鎖システムを含む他のコンポーネントとの間に直接的な、または機械的な接続がありうる。
【0099】
いくつかの実施形態(図示せず)では、レギュレータ30は、本明細書の別のところで説明されている柔軟な、弾力性のある本体部分100の代わりに、剛性のあるチャンバーを備えるように構成することができる。例えば、レギュレータ30は、端部内に1つまたは複数のスリットもしくは開口部を画成する弾力的な端部分を有するように構成することができ、これはレギュレータ30に類似しているが、注射器のリバウンドまたは他の逆行誘発事象に応答して座屈するか、または内向きに偏向するように構成されていない本体部分を有する。むしろ、いくつかの実施形態では、レギュレータ(図示せず)は、ベース部材24内に形成されたチャンバー138内で軸方向に摺動するが、バネ部材によって支持部材から離れる方向に付勢されるように構成することも可能である。これらの実施形態および他の実施形態では、遠位端部分64なしで支持部材を形成することができる。このような構成では、注射器内に真空が形成される場合に、レギュレータは、付勢力に対抗して注射器に向かって摺動し、これによりコネクタ内の容積を減らし、レギュレータ内の1つまたは複数のスリットが開くのを防ぐように構成することができる。いくつかの実施形態では、レギュレータ30の容積可変キャビティもしくは動的容積調整器は、一般的には弾力的でなく、また一般的には伸縮自在でないグニャグニャした袋または他のグニャグニャした流体容器を備えることができる。容器は、非常に柔らかいポリエチレンまたは他の材料から作ることができ、必ずしも容器の壁の伸びを引き起こすことなく充填することによって流体の進入および/または排出を選択的に許すように構成することができる。
【0100】
いくつかの実施形態(図示せず)では、レギュレータは、開口部66および支持部材28の遠位端部分64内に延入する通路69の内面の少なくとも一部の中に一列に並ぶか、または一般的に位置決めされるように支持部材28の遠位端部分64内に形成された開口部66の内面に隣接する位置に、または開口部66と流体的に連通する内部開口部を有する別の部材の内面に隣接する位置に配置されうる。例えば、いくつかの実施形態では、レギュレータは、中空の円筒部材の内面の一部を覆うことができ、その円筒部材を通る開口部は、開口部66と連通している。いくつかの実施形態では、レギュレータの少なくとも一部(例えば、中間部分)は、注射器からの真空、注射器または他の医療器具のコネクタからの切り離し、または他の状況に応答して内向きに座屈するか、または他の何らかの形で移動することが許されるように制約されていないものとしてよい。支持部材28の遠位端部分64内に形成された開口部66のサイズまたは直径は、その内面に隣接して位置決めされているレギュレータを収容するように増やすことができる。上述のように、いくつかの実施形態(図示せず)では、レギュレータは、内向きに座屈して内部容積、したがってコネクタ内の内圧を減らし、注射器のリバウンドもしくは医療器具の切り離しによって生じる真空を補償するように構成された円筒形側壁を備えることができる。本明細書で説明されている他の実施形態と同様に、コネクタは、開口部66およびコネクタを通過する流体から封止されている空気入口を中に有することができるが、これにより、レギュレータは軸方向に自由に摺動するか、または内向きに座屈するか、もしくは折り畳むことができる。注射器120のルアー先端126などの医療器具が、流体の導入の後の閉鎖状態(例えば、
図17Aに例示されている状態)においてコネクタ20の近位端内に再挿入された場合、コネクタ20内の流体量は再び変化しうる。この状況では、コネクタ20内の流体量が増大し、したがって、強制的に側壁を外向きに膨張させるか、または他の何らかの形で移動することによってレギュレータ30内の可変容積が増大しうる。レギュレータ30は、したがって、この容積差を吸収できるので、弁部材138は再挿入時に閉じられたままであり、ルアー先端126の最挿入後に患者に向かう流体流を、実質的に、または完全に排除できる。いくつかの場合において、対処しなければ医療器具の再挿入によって引き起こされる流体の正の流れは望ましいものではなく、新生児の患者など、血液容量が比較的小さい患者に対しては特に、回避されうる。医療器具の再挿入後、コネクタ20は、
図16および17に例示されているものと似た状態など、
図17Aに例示されているのとは異なる可変内部容積を持つ1つまたは複数の状態に進むことができる。
【0101】
いくつかの実施形態では、
図13〜17Aに例示されているように、レギュレータ30の遠位端部分108上の弁部材は、一般的に、内部的にまたは外部的に発生するさまざまな形態の負の流れもしくは流体進入を防止することができる。レギュレータ30の本体部100の容積を動的に調整することにより、流体量が引き出されるか、または変化した場合でも遠位端部分108上の弁部材を閉鎖したままにでき、また近位方向の流体流に対する実質的に低い閾値を可能にするように構成されている遠位端部分108上で弁部材を使用することが可能になる。いくつかの実施形態では、例示されているように、近位から遠位への方向の流体流に対して弁部材を開くのに必要な圧力差の閾値は、遠位から近位への方向の流体流に対して弁部材を開くのに必要な圧力差の閾値より実質的に低い。また、遠位端部分108上の弁部材は、コネクタ20の遠位側上の外部源によって引き起こされる負の流れもしくは逆行流を一般的に防ぐように構成されるうる。
【0102】
図18および19は、
図2Aに示されているコネクタ20または本明細書で開示されている他の任意のコネクタとともに使用することができる支持部材28’の別の実施形態の斜視図である。
図20は、支持部材28’の軸中心線を通して切り取った
図18に示されている支持部材28’の実施形態の断面図である。いくつかの実施形態では、支持部材28’は、支持部材28の特徴または他の詳細または構成のどれかを有することができる。それに加えて、支持部材28’は、本体部材22、ベース部材24、シール部材26、またはレギュレータ30とともに動作するように構成されうる。したがって、いくつかの実施形態では、支持部材28’は、支持部材28と入れ換えることができる。
図18〜20に例示されている支持部材28’の多くの特徴は、支持部材28の対応する特徴と同じであるか、または類似しているものとしてよい。
【0103】
図18〜20に例示されているように、支持部材28’の遠位部分64’は、遠位部分64’を通して横方向にまたは半径方向に形成された1つまたは複数の開口部86’を有することができる。例示されている実施形態では、2つの開口部86’は、遠位端部分64’内に形成される。しかし、いくつかの実施形態では、ただ1つの開口部、または3つ、4つ、もしくはそれ以上の数の開口部を遠位部分64’内に形成することができる。開口部86’は、支持部材28’内に形成された軸開口部66’および流体通路69’と連通するように形成されうる。支持部材28と同様に、開口部66’は、支持部材28の近位先端部分62’内に形成された1つまたは複数の開口部68’と連通するものとしてよい。
【0104】
それに加えて、支持部材28’は、支持部材28’の遠位端部分64’内に形成された1つまたは複数の陥凹部87’を有することができ、1つまたは複数の陥凹部87’は、遠位端部分64’内に形成された1つまたは複数の開口部86’と流体的に連通するように形成される。1つまたは複数の滑らかな輪郭を持つ陥凹部87’は、支持部材28のキャビティ88に類似の様式で支持部材28’内に形成された開口部66’、86’を貫流する流体で充填されうる1つまたは複数の一般的に丸形の、一般的に放物線形状のキャビティ88’を備えることができる。支持部材28と同様に、支持部材28’の遠位端部分64’は、レギュレータ30内に形成された開口部104内に受け入れられ、したがってコネクタ20を参照しつつ説明されているのと同様の方法でレギュレータ30を支持するように構成されうる。
【0105】
支持部材28’は、支持部材28と比較して同じ機能または類似の機能を持つものとしてよい。特に、注射器のリバウンド、または他の力によって、注射器内に真空が発生した場合、レギュレータ30の本体部分100は、注射器120内に発生した真空に応答して内向きに偏向しキャビティ88’内に入る可能性がある。これにより、チャンバー88’の容積が低減し、したがってコネクタ20内の空間の容積が低減しうる。これが発生すると、1つまたは複数のチャンバー88’の容積の変化によって変位する1つまたは複数のチャンバー88’内のその容積分の流体(気体もしくは液体)が注射器120内に流れ込み、これにより、本明細書で説明されているように注射器内の真空の効果が緩和されうる。
【0106】
図21および22は、
図2Aに示されているコネクタ20または本明細書で開示されている他の任意のコネクタとともに使用することができるシール部材26’の別の実施形態の斜視図である。いくつかの実施形態では、シール部材26’は、シール部材26または本明細書で説明されている他のシール部材の特徴または他の詳細または構成のどれかを有することができる。シール部材26’は、本体部材22、ベース部材24、支持部材28、またはレギュレータ30とともに動作するように構成されうる。したがって、いくつかの実施形態では、シール部材26’は、シール部材26と入れ換えることができる。いくつかの実施形態では、本体部材22の内壁構造(限定はしないが内側隣接表面164を含む)は、シール部材26’の異なる構成を収容するようにわずかに修正することができる。例えば、
図27〜32例示されている本体部材の内側隣接表面264は、水平面から一般的に浅い角度(例えば、約45°未満)で配向することができる。
【0107】
シール部材26’は、近位面44’を有する環状カラー部分42’を備えることができる。いくつかの実施形態では、以下でさらに詳しく説明するように、カラー部分42’は、本体部材22(環状突起部、1つまたは複数のタブ、または他の突き出ている特徴とすることができる)の内面と相互作用し、近位方向のシール部材26’の近位端部分34’の軸方向移動を制限するように構成されうる。いくつかの実施形態では、本体部材22およびシール部材26’は、シール部材26’が閉鎖位置にあるときにシール部材26’の端面46’(平面であってよい)が本体部材22の端面48と隣接するか、またはほぼ同一の平面上にあるように構成されうる。本体部材22に関するシール部材26’の第1の位置または閉鎖位置は、
図2Aに例示されている。近位表面の近似的な位置合わせにより、コネクタ20のシール部材および他のコンポーネントの清掃および殺菌をより簡単に行うことができる。したがって、シール部材26’および本体部材22は、シール部材26’が閉鎖位置にあるときに端面46’が本体部材22の端面48と一般的に矛盾なく揃えられるように構成することができる。
【0108】
シール部材26と同様に、シール部材26’は、軸力がシール部材26’の近位端部分34’にそれぞれ印加され、また取り除かれるときにシール部材26’の弾力的な圧縮および膨張を可能にするように構成された前記の形状を有する弾力的な本体部分50’を有することができる。いくつかの実施形態では、本体部分50’は、一緒に一体形成された、または別々に形成されて一緒に接合された一連のOリング形状の構造を備えることができる。これらのOリングは、直径または断面形状および/またはサイズが変化しうる。
【0109】
いくつかの実施形態では、本体部分50’の内面は、本体部分50’の外面とほぼ一致するものとすることができる。いくつかの実施形態では、本体部分50’の内面は、比較的滑らかな、または平坦な表面輪郭を有することができる。本体部分50’は、その長さにそって一般的に一貫した断面形状もしくはサイズを有するか、または本体部分50’の断面形状もしくはサイズは、その長さの少なくとも一部にそって変化しうる。いくつかの実施形態では、本体部分50’の内側の形状は、支持部材28の細長い部分62の外面とほぼ一致するものとしてよい。シール部材26’は、シール部材26と同様に、第1の位置から第2の位置へ移動することができる。閉鎖位置では、シール部材26’は、例えば、カラー部分42’の近位面44’が本体部材22の1つまたは複数の内面と係合する場合など、何らかの追加の圧縮レベルの下に置くことができる。
【0110】
本体部材22は、シール部材26’上に形成された対応する環状カラー部分42’と相互作用するように構成されうる内側隣接表面164を備えることができる。本体部材22およびシール部材26’上にそれぞれ形成された隣接表面164および環状カラー部分42’は、近位方向(例えば、
図14に示されている矢印A3によって表される方向)の本体部材22に関するシール部材26’の運動を制限するように構成されうる。いくつかの実施形態では、本体部材22’およびシール部材26’上にそれぞれ形成された隣接表面164および環状カラー部分42’は、シール部材26’の端面46’が本体部材22の端面48に隣接するか、ほぼ同一の平面上に置くことができる近似的な位置でシール部材26’を停止させるように構成することができる。シール部材26’の端面46’が、これにより、本体部材22の端面48を通り過ぎて突き出るか、または一貫した仕方で、例えば、さまざまな弁の活性化時に端面48を超える一貫した距離まで端面48を超えて突き出るのを防ぐことができる。
【0111】
シール部材26’は、シール部材26’の近位端部分34’が本体部材22内に形成された開口部36によって封止しつつ受け入れられるように構成することができる。いくつかの実施形態では、例示されている実施形態のように、シール部材26’の近位端部分34’は本体部材22の開口部36の内面と接触してそれとシールを形成するように構成されている中に形成されたリップ部分38’(環状突起部であってよい)を有することができる。
【0112】
シール部材26’、シール部材26’の近位端部分34’、およびリップ部分38’は、一体形成されうるか、または別々に形成されて、接着剤もしくは好適な材料もしくは方法を用いて接着または他の何らかの方法で連結されうる。いくつかの実施形態では、シール部材26’または本明細書で開示されているシールもしくはシール部材の他の実施形態、ならびにそのコンポーネントもしくは特徴のうちのどれかを、シリコーン系の変形可能な材料、ゴム、または他の好適な材料を含む、多くのさまざまな好適な材料から製作することができる。シリコーン系の変形可能な材料は、プラスチックおよびその他の剛性度の高いポリマー材料を有する流体密閉鎖部を形成するもののうちの1つである。
【0113】
シール部材26と同様に、シール部材26’は、本体部分50’が膨張位置もしくは初期位置へ付勢されるように構成されうる。軸力がシール部材26’に加えられると、本体部分50は圧縮され、したがって軸にそって引っ込み、シール部材26’の全長が縮みうる。軸力がシール部材26’から取り除かれると、本体部分50’は付勢の結果、伸長し、シール部材26’が初期状態または弛緩状態に戻りうる。
【0114】
それに加えて、
図21に示されているように、スリットまたは開口部52’をシール部材26’の近位端部分34’内に形成することができる。シール部材26は、スリット52’が閉鎖位置へ付勢されるように構成することができ、これにより、液体がシール部材26’内に形成されたスリット52’または開口部54’を貫流することが実質的に防止または抑止される。それに加えて、以下でさらに詳しく説明するように、いくつかの実施形態では、スリット52’は、シール部材26’を支持部材28を越えて遠位方向に引っ込めることによって開くことができ、これにより、支持部材28の近位端部分の少なくとも一部がスリット52’を突き抜け、通過する。
【0115】
図23、24は、
図2Aに示されているコネクタ20または本明細書で開示されている他の任意のコネクタとともに使用することができるシール部材26’’の別の実施形態の斜視図である。いくつかの実施形態では、シール部材26’’は、シール部材26または他のシール部材の特徴または他の詳細または構成のどれかを有することができる。シール部材26’’は、本体部材22、ベース部材24、支持部材28、またはレギュレータ30とともに動作するように構成されうる。さらに、これから説明するように、シール部材26’’は、本体部材22、ベース部材24、細長い部分62(例示せず)を有していない支持部材28、およびレギュレータ30とともに動作するように構成されうる。特に、シール部材26’’は、支持部材28の細長い部分62を使用せずに開閉するように構成することができるため、コネクタ20のいくつかの実施形態では(例示せず)では、シール部材26’’は、細長い部分62を備えることなく動作することが可能である。
【0116】
したがって、いくつかの実施形態では、シール部材26’’は、シール部材26またはシール部材26’と入れ換えることができる。いくつかの実施形態では、限定はしないが内側隣接表面164を含む、本体部材22の内壁構造は、シール部材26’’の異なる構成を収容するようにわずかに修正する必要がある場合がある。
図23に例示されているシール部材26’’の多くの特徴は、シール部材26の対応する特徴と同じであるか、または類似しているものとしてよい。
【0117】
図23に例示されているように、シール部材26’’は、シール部材26’’の近位端部分34’’が本体部材22内に形成された開口部36によって受け入れられるように構成することができる。シール部材26’’は、近位端部分34’’および/またはシール部材26’’の端面46’’が一般的に卵形もしくは楕円形の形状をとるように構成することができる。いくつかの実施形態では、シール部材26’’の端面46’’は、第1の長さまたは寸法(
図23において長さD1で表される)および第2の長さまたは寸法(
図23において長さD2で表される)を有することができ、第2の長さD2は第1の長さD1より小さい。いくつかの実施形態では、長さD1は、長さD2より少なくとも約1/4または少なくとも約1/3大きいものとすることができる。上述のように、いくつかの実施形態では、近位端部分34’’の断面の形状は、シール部材26’’の端面46’’の形状に類似するものとすることができる。
【0118】
それに加えて、
図23に示されているように、スリットまたは開口部52’’をシール部材26’’の近位端部分34’’内に形成することができる。シール部材26’’は、シール部材26’’が弛緩状態にあるときに開口部52’’が開放位置(例示されているように)へ付勢されるように構成することができ、これにより、液体は開口部52’’、したがってシール部材26’’内に形成された開口部54’’を貫流することができる。開口部52’’は、限定はしないが、
図23に示されている力F1およびF2などの一般的に相互に対向する力が、シール部材26’’の近位端部分34’’に印加される場合、開口部52’’は、封止しつつ閉鎖され、これにより、その中を通る流体の流れが実質的に阻害または防止される。
【0119】
したがって、本体部材22内の開口部36は、シール部材26’’の近位端部分34’’が本体部材22の開口部36内に挿入されると、実質的に剛性のある遠景の開口部36が力を開口部52’’を閉じることができるシール部材26’’の近位端部分34’’に加え、開口部52’’を通る流体の流れを実質的に阻止するような実質的に円形の断面を有するように構成することができる。本体部材22は、シール部材26’’の近位端部分34’’が圧縮され、したがって、開口部36から(注射器または他の医療器具の挿入などによって)引っ込められ離されると、シール部材26’’の近位端部分34’’が本体部材22の開口部36によってもはや抑制されないように構成することもでき、これにより、近位端部分34’’の付勢により開口部52’’が開き、流体をそこに通すことができる。
【0120】
したがって、この構成では、コネクタは、支持部材28の細長い部分62を使用することなく望み通りに動作しうる。しかし、いくつかの実施形態では、シール部材26’’は、細長い部分62を有する支持部材28と一緒に使用することができ、スリットまたは開口部52’’は、シール部材26’’を支持部材28を越えて遠位方向に引っ込めることによって開くこともでき、これにより、支持部材28の近位端部分の少なくとも一部がスリット52’’を突き抜け、通過する。いくつかの実施形態では、シール部材の他の実施形態と同様に、シール部材26の近位端部分34’’は、本体部材22の開口部36の内面と接触してそれとシールを形成するように構成されているその上に形成されたリップ部分38’’(環状突起部であってよい)を有することができる。
【0121】
シール部材26’’、シール部材26’’の近位端部分34’’、およびリップ部分38’’は、一体形成されうるか、または別々に形成されて、接着剤もしくは好適な材料もしくは方法を用いて接着または他の何らかの方法で連結されうる。いくつかの実施形態では、シール部材26’’または本明細書で開示されているシールもしくはシール部材の他の実施形態、ならびにそのコンポーネントもしくは特徴のうちのどれかを、シリコーン系の変形可能な材料、ゴム、または他の好適な材料を含む、多くのさまざまな好適な材料から製作することができる。シリコーン系の変形可能な材料は、プラスチックおよびその他の剛性度の高いポリマー材料を有する流体密閉鎖部を形成するもののうちの1つである。
【0122】
シール部材26’’は、軸力がシール部材26’’の近位端部分34’’に印加されたときにシール部材26’’の弾力的な圧縮および膨張を可能にするように構成された複数のアコーディオン状の構造を有する弾力的な本体部分50’’を有することができる。本体部分50’’は、その長さ全体(例示されているような)にわたって一般的に一貫した断面形状を有するか、またはシール部材26’と同様に、本体部分50’’の断面形状は、その長さ(例示せず)の一部にそって変化しうる。いくつかの実施形態では、本体部分50’’の内側の形状は支持部材28の細長い部分62の外面と、そのような細長い部分62が存在する場合にほぼ一致するものとしてよい。
【0123】
シール部材26と同様に、シール部材26’’は、本体部分50’’が膨張位置もしくは初期位置へ付勢されるように構成されうる。軸力がシール部材26’’に加えられると、本体部分50’’は圧縮され、したがって軸にそって引っ込み、シール部材26’’の全長が縮みうる。軸力がシール部材26’’から取り除かれると、本体部分50’’は付勢の結果、伸長し、シール部材26’’がその弛緩状態に戻りうる。
【0124】
図25Aおよび25Bは、
図2Aに示されているコネクタまたは本明細書で開示されている他の任意のコネクタとともに使用することができるシール部材26’’’の別の実施形態の斜視図である。いくつかの実施形態では、シール部材26’’’は、シール部材26または本明細書で説明されている他のシール部材の特徴または他の詳細または構成のどれかを有することができる。シール部材26’’’は、本体部材22、ベース部材24、支持部材28、またはレギュレータ30とともに動作するように構成されうる。したがって、いくつかの実施形態では、シール部材26’’’は、シール部材26と入れ換えることができる。
図25Aおよび25Bに例示されているシール部材26’’’の多くの特徴は、シール部材26の対応する特徴と同じであるか、または類似しているものとしてよい。
【0125】
シール部材26’’’は、シール部材26’’’の近位端部分34’’’が本体部材22内に形成された開口部36によって封止しつつ受け入れられるように構成することができる。近位端部分34’’’は、一般的に円形であり、一般的に滑らかな側壁を持つものとしてよい。いくつかの実施形態では、例示されている実施形態のように、シール部材26の近位端部分34’’’は本体部材22の開口部36の内面と接触してそれとシールを形成するように構成されている中に形成されたリップ部分38’’’(環状突起部であってよい)を有することができる。
【0126】
シール部材26は、近位面44’’’を有する環状カラー部分42’’’も備えることができる。いくつかの実施形態では、カラー部分42’’’は、本体部材22(環状突起部、1つまたは複数のタブ、または他の突き出ている特徴とすることができる)の内面と相互作用し、近位方向のシール部材26’’’の近位端部分34’’’の軸方向移動を制限するように構成されうる。いくつかの実施形態では、本体部材22’’’およびシール部材26’’’は、シール部材26’’’が閉鎖位置にあるときにシール部材26’’’の端面46’’’(平面であってよい)が本体部材22の端面48’’’と隣接するか、またはほぼ同一の平面上にあるように構成されうる。近似的な位置合わせにより、コネクタ20のシール部材および他のコンポーネントの清掃および殺菌をより簡単に行うことができる。したがって、シール部材26’’’および本体部材22は、シール部材26’’’が閉鎖位置にあるときに端面46’’’が本体部材22の端面48と一般的に矛盾なく揃えられるように構成することができる。
【0127】
シール部材26’’’、シール部材26’’’の近位端部分34’’’、およびリップ部分38’’’は、一体形成されうるか、または別々に形成されて、接着剤もしくは好適な材料もしくは方法を用いて接着または他の何らかの方法で連結されうる。いくつかの実施形態では、シール部材26’’’または本明細書で開示されているシールもしくはシール部材の他の実施形態、ならびにそのコンポーネントもしくは特徴のうちのどれかを、シリコーン系の変形可能な材料、ゴム、または他の好適な材料を含む、多くのさまざまな好適な材料から製作することができる。シリコーン系の変形可能な材料は、プラスチックおよびその他の剛性度の高いポリマー材料を有する流体密閉鎖部を形成するもののうちの1つである。
【0128】
シール部材26’’’は、軸力がシール部材26’’’の近位端部分34にそれぞれ印加され、また取り除かれるときにシール部材26’’’の弾力的な圧縮および膨張を可能にするように構成された他のシール実施形態において説明されているような輪郭を有する弾力的な本体部分50’’’を有することができる。いくつかの実施形態では、本体部分50’’’の内面は、本体部分50’’’の外面とほぼ一致するものとすることができる。いくつかの実施形態では、本体部分50’’’の内面は、比較的滑らかな、または平坦な表面輪郭を有することができる。いくつかの実施形態では、本体部分50’’’は、その長さにそって一般的に一貫した断面形状もしくはサイズを有するか、または本体部分50’’’の断面形状もしくはサイズは、その長さの少なくとも一部にそって変化しうる。いくつかの実施形態では、本体部分50’’’の内側の形状は、支持部材28の細長い部分62の外面とほぼ一致するものとしてよい。
【0129】
シール部材26と同様に、シール部材26’’’は、本体部分50’’’が膨張位置もしくは初期位置へ付勢されるように構成されうる。軸力がシール部材26’’’に加えられると、本体部分50’’’は圧縮され、したがって軸にそって引っ込み、シール部材26’’’の全長が縮みうる。軸力がシール部材26’’’から取り除かれると、本体部分50’’’は付勢の結果、伸長し、シール部材26’’’がその弛緩状態に戻りうる。
【0130】
それに加えて、
図25Aに示されているように、スリットまたは開口部52’’’をシール部材26’’’の近位端部分34’’’内に形成することができる。シール部材26は、スリット52’’’が閉鎖位置へ付勢されるように構成することができ、これにより、液体がシール部材26’’’内に形成されたスリット52’’’または開口部54’’’を貫流することが実質的に防止または抑止される。それに加えて、以下でさらに詳しく説明するように、スリット52’’’は、シール部材26’’’を支持部材28を越えて遠位方向に引っ込めることによって開くことができ、これにより、支持部材28の近位端部分の少なくとも一部がスリット52’’’を突き抜け、通過する。
【0131】
図26Aは、
図2Aに示されているコネクタ20または本明細書で開示されている他の任意のコネクタとともに使用することができる支持部材28’’’’の別の実施形態の斜視図である。
図26Bは、支持部材28’’’’の軸中心線を通して切り取った
図26Aに示されている支持部材28’’’’の実施形態の断面図である。
図26Cは、支持部材28’’’’を備えるコネクタ20の断面図である。いくつかの実施形態では、支持部材28’’’’は、支持部材28の特徴または他の詳細または構成のどれかを有することができる。それに加えて、支持部材28’’’’は、本体部材22、ベース部材24、シール部材26、レギュレータ30、および明細書で説明されているコンポーネントとともに動作するように構成されうる。したがって、いくつかの実施形態では、支持部材28’’’’は、支持部材28と入れ換えることができる。
図26A〜26Bに例示されている支持部材28’’’’の多くの特徴は、支持部材28の対応する特徴と同じであるか、または類似しているものとしてよい。
【0132】
図26A〜26Cに例示されているように、支持部材28’’’’は、流体通路69’’’’から流れ出る流体の少なくとも一部を支持部材28’’’’の遠位部分64’’’’内に形成された開口部86’’’’に通し、支持部材28’’’’とレギュレータ30の本体部分100との間に形成された1つまたは複数のチャンバー88’’’’内に迂回させるように構成された分流加減器65’’’’を備えることができる。
【0133】
いくつかの実施形態では、分流加減器は、ボール65’’’’とすることができる。ボール65’’’’は、ナイロンなどの一般的に剛性のある材料、または半剛性の、もしくは柔軟な材料から形成することができる。いくつかの実施形態では、
図26Bに示されているように、ボール65’’’’は、開口部86’’’’の一部がボール65’’’’の近位に配置され、開口部86’’’’の一部がボール65’’’’の遠位に配置されるような、流体通路69’’’’における位置に留めることができる。いくつかの実施形態では、ボール65’’’’は、支持部材28’’’’の残り部分と別に形成することができ(
図26Aに示されているように)、例えば、開口部66’’’’を通して流体通路内に挿入することができる。いくつかの実施形態では、ボール65’’’’は、ボール65’’’’が挿入されたときに開口部66’’’’の壁と流体通路69’’’’の壁が少しだけ外向きに一時的に屈曲するように支持部材28’’’’の遠位端部分64’’’’より剛性のある材料から形成することができる。いくつかの実施形態では、ボール65’’’’は、ボールが開口部66’’’’を通して挿入され、流体通路69’’’’を通るときにボール65’’’’が圧縮され変形するように支持部材28’’’’の遠位端部分64’’’’より剛性の低い材料から形成することができる。いくつかの実施形態では、開口部66’’’’の壁および流体通路69’’’’の壁は、ボールが挿入時に圧縮と変形を同時に行っているときに膨張することができる。いくつかの実施形態では、ボール65’’’’は、支持部材28’’’’の残り部分と同じ材料(例えば、ポリカーボネート)から形成することができる。
【0134】
いくつかの実施形態では、ボール65’’’’は、流体通路69’’’’より大きい直径を有することができ、これにより、ボール65’’’’は、流体通路69’’’’の壁がボール65’’’’の外面を圧迫することによって生じる摩擦によって動作中に適所に固定されうる。選択された材料に応じて、ボール65’’’’、および/または流体通路69’’’’の壁は、圧縮されるか、または曲げられるか、またはボール65’’’’を適所に保持する摩擦嵌めを維持するように他の何らかの形で構成されうる。いくつかの実施形態では、流体通路69’’’’は、ボール65’’’’を受け入れるように構成された溝67’’’’を備えることができる。溝67’’’’は、例えば、ボール65’’’’の表面の少なくとも一部に類似した形状をとることができ、またボール65’’’’の直径に等しいか、わずかに小さい直径を有することができる。ボール65’’’’は、溝67’’’’内に「スナップ嵌め」する位置に挿入された後一般的に適所に保持されうる。分流加減器65’’’’は、流体流およびその中の随伴する乱流の急激に変化する角度シフトおよび/または輸送流体(特に血球)への損傷を実質的に回避するか、または低減するように構成された滑らかな、丸い、湾曲した、および/または徐々に変化する形状を有することができる。
【0135】
図26Cからわかるように、動作中に、流体は、コネクタ20の本体部分22の近位端162に接続された注射器もしくは他の医療器具から細長い部分62’’’’内の1つまたは複数の開口部68’’’’を介して支持部材28’’’’の流体通路69’’’’内に流れ込むことができる。流体は遠位に流れ分流加減器(例えば、ボール65’’’’)に到達するまで流体通路69’’’’を通ることができる。分流加減器により、流体は流体通路69’’’’から流れ出して、開口部86’’’’を介して1つまたは複数のチャンバー88’’’’内に流れ込むようにできる。流体は、分流加減器の遠位の位置で開口部86’’’’を介して流体通路69’’’’に再入することができる。次いで、流体は、開口部66’’’’を介して支持部材28’’’’から、レギュレータ30のスリット110を通り、ベース部材24の遠位端から流れ出る。そこで、分流加減器は、支持部材28’’’’の内側で他の何らかの形で発生し、1つまたは複数のチャンバー88’’’’を通る側方流体流を増大しうる近位端と遠位端との間の流体の実質的に直線状の、または層流の流路を遮断することができ、これにより1つは複数のチャンバー88’’’’内の流体のよどみを防止または低減することができる。いくつかの実施形態では、1つまたは複数のチャンバー88’’’’を通る増大した流体流は、凝固(血液がコネクタ20を通して運ばれる場合)、細菌増殖、またはコネクタ20内で流体がよどんだときに結果として生じうる他の悪影響のリスクを防ぐか、または低減することができる。支持部材28’’’’とのコネクタ20の動作はコネクタ20の近位端から遠位端へ流れる流体に関して説明されているけれども、流体がコネクタ20の遠位端から近位端へ引き込まれる場合(例えば、患者から注射器120に血液を引き込む場合)に、分流加減器によって流体を1つまたは複数のチャンバー88’’’’内に迂回させて、中の流体流を増やすこともできる。分流加減器は、支持部材が存在していない場合など、支持部材と無関係に使用することもでき、その場合、いくつかの実施形態は、ハウジングまたは別の構造に取り付けられているか、またはその中で移動するように構成されている分流加減器を備えることができる。
【0136】
分流加減器は、実質的に球体の形状を有するボール65’’’’であるものとして
図26A〜26Cに示されているけれども、他のさまざまな形状の分流加減器を流体経路69’’’’内に挿入し、流体を実質的に平坦な板、角錐、ひし形、または涙滴形の挿入部などの1つまたは複数のチャンバー88’’’’内に導くことができることは理解されるであろう。多くの変更形態が可能である。
【0137】
図26Dは、支持部材28’’’’’の別の実施形態の断面図である。いくつかの実施形態では、支持部材28’’’’’は、支持部材28の特徴または他の詳細または構成のどれかを有することができる。それに加えて、支持部材28’’’’’は、本体部材22、ベース部材24、シール部材26、またはレギュレータ30とともに、これらのコンポーネントにほとんどまたは一切修正を加えることなく、動作するように構成されうる。したがって、いくつかの実施形態では、支持部材28’’’’’は、支持部材28と、コネクタ20を備える他のコンポーネントにほとんどまたは一切修正を加えることなく、入れ換えることができる。
図26Dに例示されている支持部材28’’’’’の多くの特徴は、支持部材28の対応する特徴と同じであるか、または類似しているものとしてよい。
【0138】
いくつかの実施形態では、支持部材28’’’’’は、支持部材28’’’’’の一部として一体形成された分流加減器65’’’’’を備えることができる。いくつかの実施形態では、分流加減器65’’’’’は、支持部材28’’’’’の遠位部分64’’’’’の一部として射出成形することができる。分流加減器65’’’’’は、開口部86’’’’’の一部が分流加減器65’’’’’の近位に位置決めされ、開口部86’’’’’の一部が分流加減器65’’’’’の遠位に位置決めされるように流体通路69’’’’’内に位置決めすることができる。したがって、分流加減器65’’’’’は、ボール65’’’’’と同様の動作をし、流体通路69’’’’’であれば流体を出し、1つまたは複数のチャンバー88’’’’’内に導き、次いで、開口部86’’’’’を介して1つまたは複数のチャンバー88’’’’’から流体通路69’’’’’内に戻すことができる。いくつかの実施形態では、例示されているように、分流加減器は、その近位端および/または遠位端(最初に、流れの方向に応じて、流れる流体と接触する)では、その中間領域に比べて狭く、これにより、流れる流体の少なくとも一部の方向を一般的に垂直の流れ方向から増大する側方流の方向に徐々に変化させることがしやすくなる。分流加減器65’’’’’によって引き起こされる1つまたは複数のチャンバー88’’’’’を通る流体の増大する流れは、1つまたは複数のチャンバー88’’’’’内の流体のよどみを防ぐことができる。いくつかの実施形態では、分流加減器65’’’’’は、急転回なく流体の流れを分割するように丸い隅を持つ実質的にひし形の部分品とすることができる。
【0139】
図27および28は、弁もしくは無針コネクタ220の別の実施形態の斜視図である。
図29および30は、
図27に示されているコネクタ220の実施形態の分解図である。いくつかの実施形態では、コネクタ220は、限定はしないがコネクタ20を含む、本明細書で説明されている他のコネクタの特徴または他の詳細または構成のどれかを有することができる。
【0140】
コネクタ220のいくつかの実施形態は、標的患者母集団に投与される流体の標準ボーラスの容積範囲に比べてコネクタ220内のデッドスペース容積がごくわずかであるように形成することができる。したがって、コネクタ220内に入る流体の量は、コネクタ220から出る流体の量に実質的に等しいものとしてよい。さらに、コネクタ220の相当する流体量の合計は、非常に小さく、弁を注射器などの医療器具と流体的に連通させるためにシステム内を貫流する流体の量は、極めてゼロに近いか、またはゼロであるものとしてよい。
図1〜6に例示されている実施形態などの、内部弁機構を備える実施形態であっても、弁機構は、デッドスペースを減らしつつ負の流れの補償効果が得られるように構成することができる。
【0141】
これから説明するように、本体部材222およびベース部材224を連結して1つにし、シール部材226を実質的に封入する剛性のあるハウジングを形成することができる。本体部材222およびベース部材224は、限定はしないが、本体部材22をベース部材24と連結するための本明細書の別のところで説明されている特徴を含む、好適な方法または特徴を利用して1つに連結されうる。
【0142】
図27〜30を参照すると、いくつかの実施形態では、コネクタ220は、本体部材222、ベース部材224、およびシール部材226を備えることができることがわかる。いくつかの実施形態では、本体部材222およびシール部材226は、本体部材22およびシール部材26または本明細書で説明されている他の本体部材もしくはシール部材の実施形態と同じであるか、または類似のものであってよい。例示されているように、シール部材226は、シール部材226の近位端部分234が本体部材222内に形成された開口部236によって封止しつつ受け入れられるように構成することができる。いくつかの実施形態では、例示されている実施形態のように、シール部材226の近位端部分234は本体部材222の開口部236の内面と接触してそれとシールを形成するように構成されている中に形成されたリップ部分238(環状突起部であってよい)を有することができる。
【0143】
シール部材226は、シール部材26’のカラー部分42’と比較して類似の構成である、環状カラー部分242も備えることができる。いくつかの実施形態では、カラー部分242は、本体部材222(環状突起部、1つまたは複数のタブ、または他の突き出ている特徴とすることができる)の内面と相互作用し、近位方向のシール部材226の近位端部分234の軸方向移動を制限するように構成されうる。いくつかの実施形態では、本体部材222およびシール部材226は、シール部材226が閉鎖位置にあるときにシール部材226の端面246(平面であってよい)が本体部材222の端面248と隣接するか、またはほぼ同一の平面上にあるように構成されうる。シール部材226の閉鎖位置は、
図27に例示されている。したがって、シール部材226および本体部材222は、シール部材226が本明細書の他の実施形態に関連して説明されているように閉鎖位置にあるときに端面246が本体部材222の端面248と一般的に矛盾なく揃えられるように構成することができる。
【0144】
シール部材226は、軸力がシール部材226の近位端部分234に印加されたときにシール部材226の弾力的な圧縮および膨張を可能にするように構成された複数のアコーディオン状の構造を有する弾力的な本体部分250を有することができる。本体部分250は、その長さ全体(例示されているような)にわたって一般的に一貫した断面形状を有するか、またはシール部材26の本体部分50’などの場合に、本体部分250の断面形状は、その長さの少なくとも一部にそって変化しうる。シール部材226は、本明細書で開示されている任意の他のシール部材の特徴、サイズ、または他の構成明細のどれかを有することができる。
【0145】
それに加えて、
図29に示されているように、スリットまたは開口部252をシール部材226の近位端部分234内に形成することができる。シール部材226は、スリット252が閉鎖位置へ付勢されるように構成することができ、これにより、液体がシール部材226内に形成されたスリット252または開口部254を貫流することが実質的に防止または抑止される。開口部254は、細長い部分262がその中に受け入れられるように構成することができる。それに加えて、以下でさらに詳しく説明するように、スリット252は、シール部材226を細長い部分262を越えて遠位方向に引っ込めることによって開くことができ、これにより、細長い部分262の近位端部分の少なくとも一部がスリット252を突き抜け、通過する。
【0146】
図29を参照すると、細長い部分262は、ベース部材224から突き出ることがわかる。いくつかの実施形態では、細長い部分262は、限定はしないが細長い部分62を含む、本明細書で説明されている他の細長い部分と同じ特徴または構成を有することができる。例示されているように、細長い部分262は、そこを貫通する1つまたは複数の開口部268を有することができる。それに加えて、細長い部分262は、先細の(または円筒形の)外面270および近位先端部分272を有することができる。近位先端部分272は、先細の外面を有するか、または一般的に円筒形とすることができる。
【0147】
近位先端部分272は、いくつかの実施形態におけるシール部材226の近位端部分234が細長い部分262からの著しい引きずりもしくは抵抗を受けることなく細長い部分262の近位先端部分272に関して引っ込めることができるように構成されうる。いくつかの実施形態では、近位先端部分272は、シール部材226内に形成されたスリット252を突き抜けるように構成された鋭利な、または丸みのある先端274を有することができる。
【0148】
ベース部材224は、そこから突き出る雄先端突起部241を有することができ、この雄先端突起部241は細長い部分262および細長い部分262内に形成された1つまたは複数の開口部268を通って軸方向に延在する通路269と流体的に連通しうるそこを通る開口部237を画成する。それに加えて、シュラウド243は、シュラウド243の内面146a上に形成されたコネクタ220と雌ネジ247のグリップ力を高めるように設計された突起部または他の特徴を有する。ベース部材224は、医療用コネクタのANSI標準に準拠するように構成することができる。
【0149】
図31は、シール部材226が注射器120と接触し注射器120によって開かれた後の第1の位置または閉鎖位置にあるシール部材226を示す、
図27に示されているコネクタ220の実施形態の断面図である。
図32は、シール部材226が注射器120と接触し注射器120によって開かれる前の第2の位置または開放位置にあるシール部材226を示す、
図27に示されているコネクタ220の実施形態の断面図である。
【0150】
図31および32(および本開示の別のところ)に例示されている注射器120は、コネクタ220とともに使用することができるあるタイプの医療器具の一例である。しかし、コネクタ220は、さまざまな種類の医療器具とともに使用するように構成することができ、注射器120とともに使用することには限定されない。注射器120は、医療分野で使用される好適な、もしくは共通の注射器とすることができる。
【0151】
図31を参照すると、本体部材222は、本体部材222の近位端部分263に隣接する本体部材222の外面222aの周りに形成された環状の頂上部つまり突起部260を有することができることがわかる。近位端部分263は、滑らかで一般的に円筒状であるか、またはコネクタ220を他の好適な医療器具と螺合して連結されうるように形成された雄ネジもしくはネジ特徴部を有することができる。本体部材222の内面222bは、一般的に滑らかなものとしてよい(
図31および32に例示されているように)。いくつかの実施形態では、本体部材222の内面222bは、一般的に軸方向に配向され、一般的に直線状に配置された頂上部もしくは流路、またはシール部材226が開かれたときにシール部材226がそのような頂上部もしくは流路に対して圧縮され外向きに膨張するときにシール部材226の一部分を受け入れるように構成された他のそのような特徴を備えることができる。
【0152】
それに加えて、本体部材222は、シール部材226上に形成された対応する環状カラー部分242と相互作用するように構成されうる内側隣接表面264を備えることができる。本体部材222およびシール部材226上にそれぞれ形成された隣接表面264および環状カラー部分242は、近位方向(例えば、
図32に示されている矢印A6によって表される方向)の本体部材222に関するシール部材226の運動を制限するように構成されうる。いくつかの実施形態では、本体部材222およびシール部材226上にそれぞれ形成された隣接表面264および環状カラー部分242は、シール部材226の端面246が本体部材222の端面248に一般的に隣接するか、ほぼ同一の平面上に置くことができる近似的な位置でシール部材226を停止させるように構成することができ、これにより、シール部材226の端面246が本体部材222の端面248のところの、またはその近くの領域などのある特定の地点を越えて突き出ないようにできる。
【0153】
ベース部材24と同様に、
図29および30に例示されているように、ベース部材224は、ベース部材224の近位端部分267の外面の周りに位置決めされた1つまたは複数の突起部271を有する近位端部分267を備えることができる。それに加えて、本体部材222は、本体部部材222全体を貫通する開口部277を画成する遠位端部分275、および本体部材222の遠位端部分275内に形成された1つまたは複数の流路もしくは切欠279を備えることができる。1つまたは複数の流路もしくは切欠275は、ベース部材224の近位端部分267上に形成された1つまたは複数の突起部271を受け入れるように構成することができる。突起部271および切欠275は、本体部材222がベース部材224に関して回転するのを実質的に防止し、それにより本体部材222とベース部材224との間のより確実な連結を形成するように構成することができる。
【0154】
図31および32に示されているように、シール部材226の本体部分250は、ベース部材224内に延入しうる。弾力的なシール部材を第1の位置または閉鎖位置へリバウンドさせる力は、材料の弾力性、シール部材壁の形状、およびシール部材の長さを含む、多数の要因によって決定される。いくつかの実施形態では、本明細書で開示されているいくつかの他のシール部材と比較してシール部材226の本体部分250の長さを増やすことで、注射器もしくは他の医療器具を引き出した後にシール部材226が第1の位置に戻る力を弱くし、医療器具の切断と接続を容易にすることができる。いくつかの実施形態では、弛緩状態の本体部分250の長さは、シール部材226の近位部分234(環状突起部を含む)の長さの約1から約4倍までの範囲である。いくつかの実施形態では、本体部分250の長さは、シール部材226の近位部分234の長さの約1.5から約3倍までの範囲である。いくつかの実施形態では、本体部分250の長さは、シール部材226の近位部分234の長さの少なくとも約2.5である。
【0155】
次に、コネクタ220の動作について説明する。
図31は、シール部材226が閉鎖位置にあるときの(例えば、注射器もしくは他の医療器具がコネクタ220と連結される前の)コネクタ220を備えるコンポーネントの位置を例示している。この構成では、シール部材226は、
図31に例示されているように、閉鎖位置に付勢されうる。
【0156】
図32は、コネクタ220と連結されている注射器120の挿入に応答して開放位置にあるシール部材226を例示している。
図32に例示されているように、注射器120のカニューレ126は、シール部材226が本体部材222内で圧縮するためにシール部材226の付勢に打ち勝つ十分な力で、
図32の矢印A7により表されている方向に押されシール部材226に当たる。シール部材226が本体部材222内に圧縮され、シール部材226の端面246が支持部材228内に形成された開口部268を通る十分な距離をとれた場合、通路269は注射器120の内側と流体的に連通する。カニューレ126がシール部材226の端面246に加える力は、カニューレ126とシール部材226の端面246との間に実質的に流体密封するシールを形成する十分な力とすることができ、したがって注射器120がコネクタ220とそのように連結されたときに注射器120内の、および/または注射器120から出る流体の全部、または実質的に全部が通路269内に流し込まれる。
【0157】
したがって、シール部材226が、
図32に例示されているように、開放位置にある場合、注射器120のプランジャ128を押し下げて流体をコネクタ220内に押し込むことができる。
図32の流れの矢印は、流体が注射器120から強制的に出されたときに、流体が、支持部材228内に形成された1つまたは複数の開口部268内に流れ込み、支持部材228内に形成された通路269を通り、ベース部材224内に形成された開口部237を通り、ベース部材224に他の医療器具がもし連結されていればその医療器具内に流れ込みうることを例示している。説明されているように、注射器120もしくは他の医療器具がコネクタ220から取り外される場合、コネクタ220は、シール部材226内の付勢力によりシール部材226が閉鎖位置に戻るように構成することができる。
【0158】
例示されている実施形態では、コネクタ220は、逆流防止モジュールを備えていないが、コネクタ220は、コネクタ20に関する逆流抵抗モジュールと同じであるか、または類似のものとすることができる、逆流抵抗モジュールを備えるように構成されうる。例えば、コネクタ220は、容量可変チャンバーおよび流体の逆流に抵抗するように構成された弁を備えることができる。いくつかの実施形態では、逆流抵抗モジュールは、レギュレータ30に似たレギュレータを備えることができる。
【0159】
図33は、別の弁または無針コネクタ320の遠位分解図である。
図34は、コネクタ320の軸中心線にそって切り取った、
図33に示されているコネクタ320の分解断面図である。いくつかの実施形態では、コネクタ320は、限定はしないがコネクタ20を含む、本明細書で説明されている他のコネクタの特徴または他の詳細または構成のどれかを有することができる。
【0160】
図33および34を参照すると、いくつかの実施形態では、コネクタ320は、本体部材322、ベース部材324、シール部材326、支持部材328、およびレギュレータ330を備えることができ、これらは本体部材22、ベース部材24、シール部材26、支持部材28、およびレギュレータ30と同じであるか、または類似のものであるか、または本明細書で説明されているそのようなコンポーネントのうちの他のどれかのコンポーネントとすることができることがわかる。本体部材322およびベース部材324を1つに結合して、シール部材326、支持部材328、およびレギュレータ30を一般的に封入する剛性のあるハウジングを形成することができる。本体部材322は、接着剤、スナップ嵌め、超音波溶接、または限定はしないが、本明細書で説明されている方法および特徴を含む他の好適な方法もしくは特徴を使用してベース部材324に結合することができる。
【0161】
例示されている実施形態では、シール326は、その近位端領域334が本体部材322内に形成された開口部336によって受け入れられるように構成することができる。近位端領域334と開口部336とをぴったり合わせることで、実質的に流体密封するシールを形成することができる。いくつかの実施形態では、シール部材326の近位端部分334は本体部材322の開口部336の内面と接触してそれとシールを形成するように構成されている中に形成されたリップ部分338(環状突起部であってよい)を有することができる。
【0162】
シール部材326は、シール部材26’のカラー部分42’と類似のものであってよい、環状カラー部分342も有することができる。いくつかの実施形態では、カラー部分342は、近位端部分334から遠位に相隔てて並べられ、近位端部分334の他の部分またはシール部材326の他の部分より直径が大きいものとすることができる。カラー部分342は、本体部材322(環状突起部、1つまたは複数のタブ、または他の突き出ている特徴とすることができる)の内面と相互作用し、近位方向のシール部材326の近位端部分334の軸方向移動を制限するように構成されうる。いくつかの実施形態では、カラー部分342の縦厚さは、カラー部分342の曲がりまたは捻れを小さくするために、例示されているように、他の付近の、もしくは隣接する領域内のシール部材326の壁の厚さと、少なくとも同じ大きさであるか、または実質的に大きいものとすることができる。いくつかの実施形態では、本体部材322およびシール部材326は、シール部材326が閉鎖位置にあるときにシール部材326の端面346(平面であってよい)が本体部材322の端面348と隣接するか、またはほぼ同一の平面上にあるように構成されうる。したがって、シール部材326および本体部材322は、シール部材326が閉鎖位置にあるときに端面346が本体部材322の端面348と一般的に矛盾なく揃えられるように構成することができる。
【0163】
シール部材326は、軸力がシール部材326の近位端部分334に印加されたときにシール部材326の弾力的な圧縮および膨張を可能にするように構成された1つまたは複数の弾力的な折り畳めるセクション349によって隔てられた複数の堅いセグメント、領域、またはOリング351を有する弾力的な本体部分350を有することができる。本体部分350は、その長さ全体にわたって一般的に一貫した断面形状を有するか、または本体部分350の断面は、その長さの少なくとも一部にそって変化しうる(例示されているように)。いくつかの実施形態では、例示されているように、シール部材326の近位領域は、下方もしくは遠位の方向で半径方向内向きに一般的に先細になっている近位端領域334、および下方もしくは遠位の方向で半径方向外向きに一般的に先細であるものとしてよいシール部材326の遠位領域を備えることができる。シール部材326は、本明細書で開示されている任意の他のシール部材の特徴、サイズ、または他の構成明細のどれかを有することができる。
【0164】
シール部材326は、
図35では開放(例えば、圧縮)位置にあるように例示されている。開放および/または閉鎖状態において、シール部材326は、付近のより堅い領域の壁の厚さの約1/3または約1/4未満の壁を持つ折り畳める領域を有することができる。折り畳めるセクション349は、シール部材326が圧縮されたときに支持部材328の細長い部分362から半径方向外向きに座屈して離れるように構成されうる。折り畳めるセクション349は、シール部材326が折り畳まれた、または開放された状態にある場合、および/またはシール部材326が閉鎖状態から解放状態に進むにつれ細長い部分362から水平方向に相隔てて並び、および/または細長い部分362と摺動接触しないように一般的に他の何らかの形で構成されうる。いくつかの実施形態では、より堅い領域、セグメント、またはOリング351の少なくとも1つ、いくつか、またはすべてが、シール部材326が軸方向に摺動するときに細長い部分362と接触するように構成される。いくつかの実施形態では、シール部材326が開放または圧縮状態にある場合、および/または閉鎖状態から解放状態に進行するにつれ、シール部材326の内面の表面積の実質的に半分未満が細長い部分362と接触する。いくつかの実施態様では、カラー部分342の内面(例えば、シールの内側)は、シール部材326が圧縮されると半径方向外向きに弓なりに曲がるように構成されうる。いくつかの実施形態では、シール部材326の近位部分334は、1つまたは複数のOリング351および/または1つまたは複数の折り畳めるセクション349も備えることができる。いくつかの実施形態では、Oリング351は、シール部材326が閉鎖位置にあるときに折り畳めるセクション349および/またはカラー部分342の内面が細長い部分362に接触しないように半径方向内向きに突き出すことができる。シール部材326は、
図34では、例えば閉鎖状態にあるように示されている。
【0165】
開放位置では、
図35に例示されているように、シール部材326は、近位端部分346の表面積に比べて広い断面積(例えば、外周によって画定される)を有する近位側部上の(例えば、もし存在すればカラー342と近位端表面346との間の)少なくとも1つの半径方向外向きに延在する部分349を備えることができる。シール部材326は、カラー342および/または近位端部分346の表面積に比べて広い断面積を有する遠位側部上の(例えば、もし存在すればカラー342と遠位端部分との間の)少なくとも第1の半径方向外向きに延在する部分353を備えることができる。シール部材326は、シール部材326の折り畳める壁の付近の、または近接する部分の断面積に比べて広い断面積を有し、遠位側部上の第1の半径方向外向きに延在する部分353に比べて狭い断面積を有する遠位側部上の少なくとも第2の半径方向外向きに延在する部分355を備えることができる。いくつかの実施形態では、シール部材326は、シール部材326の内面の多くが細長い部分362と接触しないため、比較的少ない摩擦抵抗で細長い支持部材上を軸方向に自由に摺動することができる。そこで、シール部材326がはまり込んでしまうか、または開放(例えば、圧縮)状態からゆっくり遠ざかる可能性を低くするようにシール部材326を構成することができる。
【0166】
シール部材326は、他のさまざまな方法で構成することができる。例えば、例示されている実施形態では、シール部材326は、Oリングなどの複数の(例えば、4つの)堅い領域またはセグメント、および複数の(例えば、3つの)折り畳めるセクション349を備えるが、堅い領域、セグメント、またはOリング351、および/または折り畳めるセクション349はいくつでも使用できる。また、いくつかの実施形態では、折り畳めるセクション349は、折り畳めるセクション349の一部が細長い部分362と接触し、その一方でシール部材326の内面の他の部分が細長い部分362との非接触を維持されるように半径方向内向きに折り畳むように構成されうる。
【0167】
スリットまたは開口部352をシール部材326の近位端部分334内に形成することができる。シール部材326は、スリット352が閉鎖位置へ付勢されるように構成することができ、これにより、液体がシール部材326内に形成されたスリット352または開口部354を貫流することが実質的に防止または抑止される。開口部354は、細長い部分362がその中に受け入れられるように構成することができる。スリット352は、シール部材326を細長い部分362を越えて遠位方向に引っ込めることによって開くことができ、これにより、細長い部分362の近位端部分の少なくとも一部がスリット352を突き抜け、通過する。
【0168】
支持部材328は、支持部材28と同じか、または類似のものであってよく、例えば、ベース部分360から近位方向に突き出ている細長い部分362、およびベース部分360から遠位方向に突き出ている遠位部分364の突起部を備えることができる。遠位部分364は、遠位部分364、ベース部分360、および細長い部分360の少なくとも一部を通して軸方向に延在する流体通路369と流体的に連通することができる開口部366を備えることができる。細長い部分362は、流体通路369および開口部366と流体的に連通する1つまたは複数の開口部368を備えることができる。遠位部分364は、流体通路369と流体的に連通する1つまたは複数の開口部386を備えることができる。支持部材328は、本明細書で開示されている任意の他の支持部材の特徴、サイズ、または他の構成明細のどれかを有することができる。
【0169】
レギュレータ330は、レギュレータ30と同じか、または類似のものであってよく、例えば、円筒形の本体部分300、環状隆起近位部分302、および遠位端部分308を備えることができる。遠位端部分308は、実質的にドーム形状であるか、または半球形状であるものとしてよい。遠位端部分308は、そこを形成された1つまたは複数のスリット310を有することができる。いくつかの実施形態では、スリット310は、閉鎖状態に付勢されうるが、本明細書の別のところで説明されているように、十分な圧力差が印加されれば開いて流体をレギュレータ330に貫流させることができる。
【0170】
ベース部材324は、そこから突き出る雄先端突起部341を有することができ、この雄先端突起部341は支持部材328および細長い部分362内に形成された1つまたは複数の開口部368を通って軸方向に延在する通路369と流体的に連通しうるそこを通る開口部337を画成する。ベース部材324は、その内面上に形成された雌ネジを有するシュラウド343も備えることができる。ベース部材は、ベース部材324の近位端部分367の外面の周りに位置決めされた1つまたは複数の突起部371を備えることができる。それに加えて、本体部材322は、その遠位端部分375内に形成された1つまたは複数の流路または切欠377を有することができる。1つまたは複数の流路もしくは切欠377は、本体部材322がベース部材324に関して回転するのを実質的に防止するために1つまたは複数の突起部371を受け入れるように構成されうる。それに加えて、本体部材322は、ベース部材324の近位端部分367上に形成された環状突起部381を受け入れ、本体部材322とベース部材324との間のスナップ嵌め方式の接続を行うように構成された環状流路383を備えることができる。
【0171】
本体部材322は、本体部材322の近位端部分363に隣接する本体部材322の外面の周りに形成された環状の頂上部つまり突起部359を有することができる。近位端部分363は、滑らかで一般的に円筒状であるか、またはコネクタ320を他の好適な医療器具と螺合して連結されうるように形成された雄ネジもしくはネジ特徴部を有することができる。それに加えて、本体部材322は、シール部材326上に形成された対応する環状カラー部分342と相互作用するように構成されうる内側隣接表面365を備えることができる。本体部材322およびシール部材326上にそれぞれ形成された隣接表面36および環状カラー部分342は、近位方向の本体部材322に関するシール部材326の運動を制限するように構成されうる。いくつかの実施形態では、本体部材322およびシール部材326上にそれぞれ形成された隣接表面364および環状カラー部分342は、シール部材326の端面346が本体部材322の端面348に一般的に隣接するか、ほぼ同一の平面上に置くことができる近似的な位置でシール部材326を停止させるように構成することができ、これにより、シール部材326の端面346が本体部材322の端面348のところの、またはその近くの領域などのある特定の地点を越えて突き出ないようにできるか、またはシール部材326の端面346が本体部材322の端面348を所定の量(例えば、少なくとも約1mm)以上に越えて突き出ないようにできる。
【0172】
図36および37は、弁もしくは無針コネクタ420の一実施形態の斜視図である。
図38および39は、コネクタ420の分解斜視図である。
図40は、コネクタ420の分解断面図である。いくつかの実施形態では、コネクタ420は、限定はしないがコネクタ20を含む、本明細書で説明されている他のコネクタの特徴または他の詳細または構成のどれかを有することができる。コネクタ420は、本明細書に例示されているように、他の使用も可能である場合があるけれども、患者流体ラインまたはカテーテルの2つの部分の間の流体流路内で中間コネクタとして使用するのに特に適していると思われる。
【0173】
図36〜40を参照すると、例示されている実施形態では、コネクタ420は、本体部材422、ベース部材424、支持部材428、およびレギュレータ330を備えることができ、これらはコネクタ20に関連して本体部材22、ベース部材24、支持部材28、およびレギュレータ30と同じであるか、または類似のものであってよいことがわかる。いくつかの実施形態では、コネクタ420は、逆流抵抗モジュールを備えることができるが、コネクタ20の他の特徴の一部を省くことができる。特に、例示されている実施形態は、シール部材なしで形成することができる。以下でさらに詳しく説明するように、いくつかの実施形態では、コネクタ420は、逆流防止機能をコネクタに付加するために逆流防止(例えば、コネクタ220の例示されている実施形態)機能を備えていないコネクタに取り付けるように構成することができる。いくつかの実施形態では、コネクタ420は、医療器具(例えば、注射器120)とともに直接使用するように構成されうる。
【0174】
本体部材422をベース部材424に結合して、支持部材428およびレギュレータ430を一般的に封入する剛性のあるハウジングを形成することができる。本体部材422は、接着剤、スナップ嵌め、超音波溶接、または限定はしないが、本明細書で説明されている方法および特徴を含む他の好適な方法もしくは特徴を使用してベース部材424に結合することができる。
【0175】
支持部材428は、本明細書で開示されている支持部材のどれかと同じか、または類似のものであってよく、例えば、ベース部分460、およびベース部分460から遠位方向に突き出ている遠位部分464を備えることができる。遠位部分464は、遠位部分364およびベース部分460を通して軸方向に延在する流体通路469と流体的に連通することができる開口部466を備えることができる。ベース部分460は、流体通路469および開口部466と流体的に連通する開口部468を備えることができる。遠位部分464は、流体通路469と流体的に連通する1つまたは複数の開口部486を備えることができる。いくつかの実施形態では、例示されているように、支持部材428は、細長い部分なしで形成することができる。
【0176】
レギュレータ430は、本明細書に開示されている他のレギュレータ、弁、または弁部材もしくはそのコンポーネントのどれかと同じであるか、または類似のものであってもよい。例えば、レギュレータ430は、円筒形の本体部分400、環状隆起近位部分402、および遠位端部分408を備えることができる。遠位端部分408は、実質的にドーム形状であるか、または半球形状であるものとしてよい。遠位端部分408は、そこを形成された1つまたは複数のスリット410を有することができる。いくつかの実施形態では、スリット410は、閉鎖状態に付勢されうるが、十分な圧力差が印加されれば開いて流体をレギュレータ430に貫流させることができる。
【0177】
ベース部材424は、そこから突き出る雄先端突起部441を有することができ、この雄先端突起部441は支持部分428を通って軸方向に延在する通路469と流体的に連通しうるそこを通る開口部437を画成する。ベース部材424は、その内面上に形成された雌ネジを有するシュラウド443も備えることができる。ベース部材424は、ベース部材424の近位端部分467の外面の周りに位置決めされた1つまたは複数の突起部471を備えることができる。それに加えて、本体部材422は、その遠位端部分475内に形成された1つまたは複数の流路または切欠477を有することができる。1つまたは複数の流路もしくは切欠477は、本体部材422がベース部材424に関して回転するのを実質的に防止するために1つまたは複数の突起部471を受け入れるように構成されうる。それに加えて、本体部材422は、ベース部材424の近位端部分467上に形成された環状突起部481を受け入れ、本体部材422とベース部材424との間のスナップ嵌め方式の接続を行うように構成された環状流路483を備えることができる。
【0178】
本体部材422は、滑らかで一般的に円筒状であるか、またはコネクタ420を例えば、逆流防止機能(例えば、コネクタ220の例示されている実施形態)を欠いているコネクタなどの他の好適な医療器具と螺合して連結されうるように形成された雄ネジもしくはネジ特徴部を有することができる近位端部分463を有することができる。開口部436を本体部材422の近位端部分463内に形成することができる。いくつかの実施形態では、コネクタ420は、開口部436を閉鎖するように構成されたシール部材なしで形成することができる。
【0179】
いくつかの実施形態では、コネクタ420はキャップ491も備えることができる。キャップは、閉じた雄突起部493、および閉じた雄突起部493を囲むシュラウド495を備えることができる。シュラウド495は、本体部材422の近位端部分463上の雄ネジと螺合するように構成された内面上に形成された雌ネジを有することができる。キャップ491は、キャップ491の固定または取り外しを容易に行えるように、シュラウド495の外面上に形成された把持特徴部497を備えることができる。多くの変更形態が可能である。例えば、いくつかの実施形態では、キャップ491は、閉じた雄突起部493なしで形成されうる。
【0180】
図41は、コネクタ420、および係合を外された構成の逆流防止機能520を持たないコネクタ520の断面図である。
図42は、コネクタ420、および係合された構成のコネクタ520の断面図である。次に、
図41および42を参照すると、キャップ491は、
図41に示されているように、本体部材422の近位端463に固定されたときに開口部436を封止するように構成されうることがわかる。いくつかの実施形態では、キャップのある部分(閉じた雄突起部493など、環状表面499が閉じた雄突起部493のベースを囲んでいる)は、本体部材422の端面448、または本体部材422の他の部分に当たって封止するように構成されたシール(例えば、Oリング)を備えることができる。いくつかの実施形態では、閉じた雄突起部493は、開口部436内に延入し、本体部材422の内面に当たって封止するように構成されうる。
【0181】
コネクタ520として、例えば、カリフォルニア州サンクレメンテ所在のICU Medical, Inc.社によって製造されたClave(登録商標)コネクタの一バージョンが挙げられる。このタイプのコネクタのさまざまな実施形態は、参照により本明細書に組み込まれている米国特許第5,685,866号「866特許」と称する)において説明されている。コネクタ520は、例えば、本体部材522、ベース部材524、およびシール部材526を備えることができる。本体部材522は、ベース部材524に結合され、ハウジングを形成することができる。ベース部材524は、雄先端突起部541および細長い部分562を備えることができる。流体通路569は、雄先端突起部541を通り、細長い部分562の少なくとも一部を通って、細長い部分562の近位端の近くに形成された1つまたは複数の孔568に延入しうる。本体部材522は、本体部材522およびベース部材524が互いに結合されたときに雄先端突起部を囲むように構成されたシュラウド543を備えることができる。シュラウドは、コネクタ420の近位端部分463上に形成された雄ネジと螺合するように構成された内面上に形成された雌ネジを有することができる。本体部材522は、コネクタ520が他の好適な医療器具(例えば、注射器)と螺合して連結されうるように雄ネジを備えることができる近位端563も具備することができる。
【0182】
シール部材526は、細長い部分562の少なくとも一部を囲むように位置決めされうる。シール部材526は、シール部材26または本明細書で説明されている他のシール部材と同じであるか、または類似のものであってよい。いくつかの実施形態では、シール部材562は、医療器具がコネクタ520の近位端563に取り付けられたときに弾力的に圧縮し、長い部分562上の1つまたは複数の孔568を露出させ、流体通路569と医療器具との間の流体接続を開くように構成することができる。
【0183】
いくつかの実施形態では、コネクタ520は逆流防止機能を備えておらず、そのため、コネクタ420を取り付けずにコネクタ520を使用した場合、コネクタ520は、注射器のリバウンド、医療器具の切断、または他の逆流誘発事象が発生すると、ある程度の流体逆流を受ける可能性がある。コネクタ420は、レギュレータ430、支持部材428などのコネクタ420のさまざまなコンポーネントからなるものとしてよい、逆流抵抗モジュールを備えることができる。ある種の状況下では、コネクタ420をコネクタ520に結合し(
図42に示されているように)、逆流防止機能をコネクタ520に付加することができる。そこで、コネクタ520がコネクタ422結合されると、逆流抵抗モジュールは、注射器のリバウンド、または他の逆流誘発事象が生じた場合に、コネクタ520からの流体逆流を防ぐために実質的に本明細書の別のところで説明されているように機能しうる。コネクタ520は、さまざまな他のコネクタタイプのどれでもよいことは理解されるであろう。したがって、コネクタ420は、さまざまな異なる特徴を備えるさまざまなコネクタタイプに逆流防止機能を付加するために使用することができる。
【0184】
ある種の状況下では、コネクタ420は、コネクタ520を使用する期間全体にわたってコネクタ520に結合したままにでき、そのため、いったん接続されると、コネクタ420および520を単一のコネクタとして取り扱うことができる。いくつかの実施形態では、コネクタ420は、パッケージするか、またはユーザーに販売する前に、コネクタ520に結合することができる。いくつかの実施形態では、コネクタ420は、パッケージするか、またはユーザーに販売する前に、(例えば、プラスチック溶接または同様の方法を使用して)コネクタ520に永久的に結合することができる。いくつかの実施形態では、コネクタ420はキャップ491なしで使用することができる。例えば、コネクタ420が、コネクタ520に事前に取り付けて販売される場合、キャップ491は使用されない。また、キャップ491を持たないコネクタ420を、コネクタ420をコネクタ520に接続する直前に開かれるように設計された無菌パッケージングで包装することができる。
【0185】
ある種の状況下では、注射器などの医療器具は、コネクタ420の近位端部分463に、コネクタ520を間に配置することなく、直接接続することができる。しかし、いくつかの実施形態では、コネクタ420は、医療器具が取り外されるたび毎に開口部436を再封止するための弾力的なシール部材(例えば、シール部材526)を備えていない。そのため、コネクタ520を取り付けずにコネクタ420を使用するのは、例えば、医療器具がコネクタ420に接続されるのが1回だけであるか、または比較的少ない回数であるという状況では有利であると思われる。いくつかの実施形態では、キャップ491は、医療器具が取り外された後に近位端部分463を封止するために使用することができる。いくつかの実施形態では、新鮮な、殺菌済みキャップを使用することができる。
【0186】
図43は、レギュレータ630の一実施形態の斜視図である。
図44は、レギュレータ630の軸中心線にそって切り取った、
図43に示されているレギュレータ630の断面図である。レギュレータ630は、例えば実質的に円筒形とすることができる、本体部分600を備えることができる。レギュレータ630の近位端部分602は、環状隆起リップ603およびそこを通る開口部604を備えることができる。遠位端部分608は、内側環状突起部612およびそこを通るように形成された開口部を備えることができる。いくつかの実施形態では、例示されているように、レギュレータ630は、閉鎖部分(レギュレータ30に関連する遠位端部分108およびスリット110など)なしで形成することができる。したがって、いくつかの実施形態では、流体通路は、レギュレータ630を通して常時開いている。
【0187】
図45は、
図43に示されているレギュレータ630を使用するように構成された弁または無針コネクタ620の断面図である。いくつかの実施形態では、コネクタ620は、本明細書で説明されている他のコネクタの特徴または他の詳細または構成のどれかを有することができる。いくつかの実施形態では、コネクタ620は、本体部材622、ベース部材624、シール部材626、支持部材628、およびレギュレータ630を備えることができ、これらは、例えば、コネクタ20に関連して本体部材22、ベース部材24、シール部材26、支持部材28、およびレギュレータ30と同じであるか、または類似のものであってよい。
【0188】
レギュレータ630は、支持部材628上の2つの環状突起部690、692の間の環状キャビティ688を画成する、支持部材628の遠位部分664の上に位置決めされうる。内側環状突起部612は、レギュレータ630を支持部材628に固定するために環状突起部690、694の間に形成された流路696内に受け入れることができる。いくつかの実施形態では、例示されているように、レギュレータは、弁の内側の流体経路の遠位端と常に流体的に連通している。
【0189】
レギュレータ630、または少なくともその一部は、限定はしないが、ゴム、シリコーン系の変形可能な材料、および同様のものを含むさまざまな好適な材料のうちの1つ、または組み合わせから形成することができ、これにより、レギュレータ630の本体部分600は内向きに偏向すると、環状キャビティ688の容積が減少し、注射器のリバウンドまたは他の逆流誘発事象が補償される。いくつかの実施形態では、レギュレータ630は、環状キャビティ688の容積を減らすためにレギュレータ630の本体部分600を内向きに偏向するのに必要な力が、患者から同様の量の流体をコネクタ620の方へ(例えば、重力に逆らって)引き寄せるのに必要な力よりも少なくなるように構成することができる。したがって、注射器のリバウンド、または他の逆流誘発事象が発生した場合、レギュレータ630の本体部分600が折り畳まれ、環状キャビティ688の容積が減少して流体を追い出し、これにより真空を補償し逆流を防止または遅らせることができる。
【0190】
図46は、弁部材730の一例の斜視図である。
図47は、
図46に示されている弁部材730の断面図である。弁部材730は、内側環状突起部712およびそこを通る開口部704を備える近位端部分702を具備することができる。弁部材730は、実質的にドーム形状または半球形状であってよい遠位端部分708も備え、また1つまたは複数のスリット710を備えることができる。レギュレータ30と同様に、弁部材730は、圧力閾値に達するまで閉鎖状態を保って、流体流に抵抗し、圧力閾値を超えたときに、弁部材730上のスリット710が開き、流体を貫流させることができる。いくつかの実施形態では、弁部材730は、第1の方向(例えば、A2方向)に弁部材730を開くのに必要な力が、第2の方向(例えば、A1方向)に必要な力よりも大きいように構成することができる。
【0191】
図48は、
図46に示されている弁部材730を使用するように構成された弁または無針コネクタ720の断面図である。いくつかの実施形態では、コネクタ720は、本明細書で説明されている他のコネクタの特徴または他の詳細または構成のどれかを有することができる。いくつかの実施形態では、コネクタ720は、本体部材722、ベース部材724、シール部材726、支持部材728、および弁部材730を備えることができ、これらは、例えば、コネクタ20に関連して本体部材22、ベース部材24、シール部材26、支持部材28、およびレギュレータ30と同じであるか、または類似のものであってよい。
【0192】
弁部材730は、弁部材730を支持部材728に固定するために内側環状突起部712が環状突起部790、794の間に形成された流路796内に受け入れられるように支持部材728の遠位部分764の上に位置決めされうる。
【0193】
いくつかの実施形態では、例示されているように、コネクタ720は、容積可変チャンバー(例えば、環状キャビティ88)なしで形成されうる。これらの実施形態では、注射器のリバウンド、または他の逆流誘発事象によって引き起こされる圧力を軽減するのに容積可変チャンバーが存在していないため、弁部材730は、より厳しく逆流に抵抗するように構成することができる。例えば、いくつかの実施形態では、弁部材730が開いて流体をA2方向に流せるためには、弁部材730の外面708bに作用する流体の圧力が、弁部材730の内面708aに作用する流体の圧力よりも約1.0気圧から約2.0気圧までの範囲の値だけ大きいものとしてよい。A2方向の流体流に対し弁部材を開くのに必要な圧力閾値を高くするために、弁部材730をさまざまな方法で修正することができる。例えば、逆流圧力閾値を調整するために、ドーム形遠位端部分708の曲率、または厚さ、または材料を修正することができる。また、逆流圧力閾値を調整するために、スリット710の数もしくは配向を修正することもできる。
【0194】
図49は、
図43に示されているレギュレータ630および
図46に示されている弁部材730の両方を使用するように構成された弁または無針コネクタ820の一実施形態の断面図を示している。いくつかの実施形態では、コネクタ820は、本明細書で説明されている他のコネクタの特徴または他の詳細または構成のどれかを有することができる。いくつかの実施形態では、コネクタ820は、本体部材822、ベース部材824、シール部材826、支持部材828、レギュレータ630、および弁部材730を備えることができ、これらは、例えば、コネクタ20に関連して本体部材22、ベース部材24、シール部材26、支持部材28、およびレギュレータ30と同じであるか、または類似のものであってよい。
【0195】
いくつかの実施形態では、支持部材828は、環状突起部890、894aの形成された第1の流路896aおよび環状突起部894a、894bの間に形成された第2の流路896bを備えることができる。組み立てるときに、レギュレータ630および弁部材730を支持部材828の遠位部分864の上に位置決めすることができる。レギュレータ630の内側環状突起部612は、流路896a内に受け入れることができ、弁部材730の内側環状突起部は、流路896b内に受け入れることができ、これにより、レギュレータ630および弁部材730が支持部材828に関して軸方向に移動するのを防ぐことができる。いくつかの実施形態では、コネクタ820は、容量可変チャンバーおよび逆流抵抗弁が別のレギュレータ630および弁部材730に備えられている点を除き、コネクタ20と同様に機能しうる。
【0196】
図50Aは、ベース部材924の断面図である。ベース部材924は、ベース部材24といくつかの点で類似するものとすることができる。ベース部材924は、ベース部分924内に形成されたキャビティ921と流体的に連通しうるそこを通る開口部937を備える雄先端突起部941を具備することができる。キャビティ921は、環状段部925と環状突起部927との間に環状陥凹部923を有することができる。ベース部材924の壁を貫通する孔929は、環状陥凹部923への接近手段となり、これにより、ベース部材924の外から入る空気は、孔929を通して環状陥凹部923内に流れ込み、また流出することができる。
【0197】
図50Bは、
図50Aに示されているベース部材924を使用する弁または無針コネクタ920の一実施形態の断面図を示している。いくつかの実施形態では、コネクタ920は、本明細書で説明されている他のコネクタの特徴または他の詳細または構成のどれかを有することができる。いくつかの実施形態では、コネクタ920は、本体部材922、ベース部材924、シール部材926、支持部材928、およびレギュレータ930を備えることができ、これらは、例えば、コネクタ20に関連して本体部材22、ベース部材24、シール部材26、支持部材28、およびレギュレータ30と同じであるか、または類似のものであってよい。
【0198】
コネクタ920のいくつかの実施形態では、容量可変チャンバーは、医療器具(例えば、注射器)からコネクタ920内に流体が注入されると膨張するように構成されうる。容量可変チャンバーは、自然な膨張していない容積に戻るか、またはその自然な容積より小さい容積に収縮して、注射器のリバウンド、または他の逆流誘発事象を補償するように構成することができる。
【0199】
レギュレータ930は、支持部材928上の2つの環状突起部990、992の間の環状キャビティ988を画成する、支持部材928の遠位部分964の上に位置決めされうる。レギュレータ930の内側環状突起部912は、レギュレータ930を支持部材928に固定するために環状突起部990、994の間に形成された流路996内に受け入れることができる。レギュレータ930の環状隆起部分903は、支持部材928のベース部分960とベース部材924の環状突起部927の頂部表面との間に固定され、これにより、環状陥凹部923の頂部を封止することができる。いくつかの実施形態では、環状突起部90は、レギュレータ930の壁を環状段部925の下のキャビティ921の内壁に押し付けて気密シールを形成することができる。そのため、孔929を通して環状陥凹部923内に入る空気が、コネクタ920の他の部分に移動する事態、または気泡として流体の流れの中に入る事態を防ぐことができるが、これらの事態はいずれも患者に対して重大な健康上のリスクをもたらしうるものである。
【0200】
いくつかの実施形態では、レギュレータ930の本体部分900は、外向きに屈曲して環状陥凹部923内に入るように構成され、これにより、医療器具(例えば、注射器)から流体をコネクタ920に注入するときなど、圧力が本体部分900の内面に加えられるときに、環状キャビティ988の容積を増大することができる。いくつかの実施形態では、環状キャビティ988の容積を膨張させるために必要な力は、レギュレータ930上のスリット910を開いて流体を遠位方向に流すのに必要な力より小さい。したがって、流体が医療器具(例えば、注射器)からコネクタ920内に注入されるときに、環状キャビティ988は、環状キャビティ988をさらに膨張させるために必要な力が遠位方向の流体流に対してレギュレータ930を開くのに必要な力より大きくなるまで膨張し、その時点で、レギュレータ930は開き、流体がコネクタ920の遠位端から押し出される。注射器のリバウンド、または他の逆流誘発事象が発生した場合、レギュレータ930の本体部分900は、その膨張していない位置に戻り、環状キャビティ988の容積を減らし、真空を補償し、逆流が発生するのを防止することができる。ある種の状況下では、レギュレータ930の本体部分900が内向きに屈曲して環状キャビティ988内に入ることによって環状キャビティ988の容積をその自然な膨張していない容積を超えて減らすことができ、それにより、追加の真空補償を行うことができる。いくつかの実施形態では、レギュレータ930の本体部分900は、本体部分900がその膨張状態において一定量のポテンシャルエネルギーを含むように膨張するとともに伸長することができる。いくつかの実施形態では、その一定量のポテンシャルエネルギーは、注射器のプランジャを引き上げるか、またはレギュレータ930内のスリットを開くなど、悪影響をもたらすほどには十分でない。
【0201】
いくつかの実施形態では、コネクタ920は、膨張していない状態のときに弁本体930の本体部分900が支持部材928の遠位部分964に実質的にぴったりくっつく位置に置かれるように構成することができる。この実施形態では、本体部分900が膨張していない状態にある場合には環状キャビティ988は存在しない。本体部分900は、流体がコネクタ920内に注入されると外向きに膨張し環状陥凹部923内に入ることができる。逆流を防ぐために、本体部分900は、膨張していない状態に戻るが、コネクタ920内の容積をさらに減らすために内向きに屈曲しない。いくつかの実施形態では、支持部材928の遠位部分964は、
図50Bに示されているものと比べて厚く、そのため、環状突起部990、992の間に環状キャビティ988は形成されず、レギュレータ930の本体部分900は、支持部材928の遠位部分996にぴったりくっついたままとすることができる。
【0202】
いくつかの実施形態では、ベース部材924は、孔929なしで形成することができ、環状陥凹部923には、空気もしくは他の何らかのガスなどの圧縮性流体を充填することができる。したがって、本体部分900が屈曲すると、圧縮性流体は、必要に応じて膨張もしくは圧縮し、環状陥凹部923の容積をしかるべく増減することができる。
【0203】
図51は、レギュレータ1030の一実施形態の斜視図である。レギュレータ1030は、レギュレータ30、または本明細書に開示されている他のレギュレータもしくは弁部材といくつかの点で類似するものとすることができる。いくつかの実施形態では、レギュレータ1030は、本体部分1000、近位端部分1002、および遠位端部分1008を備える。近位端部分1002は、環状隆起リップ1003およびそこを通る開口部1004を備えることができる。遠位端部分1008は、実質的にドーム形状であるか、または半球形状であるものとしてよく、その中を通る単一のスリット1010を備えることができる。この単一のスリット1010は、さまざまな異なるサイズに形成することができる。いくつかの実施形態では、単一のスリット1010の幅は、開口部1004の幅以下とすることができる。スリット1010は、レギュレータ1030の遠位端部分1008内に対称的にまたは非対称的に形成することができる。
【0204】
図52は、レギュレータ1130の一実施形態の斜視図である。レギュレータ1130は、レギュレータ30、または本明細書に開示されている他のレギュレータもしくは弁部材といくつかの点で類似するものとすることができる。いくつかの実施形態では、レギュレータ1130は、本体部分1100、近位端部分1102、および遠位端部分1108を備える。近位端部分1102は、環状隆起リップ1103およびそこを通る開口部1104を備えることができる。いくつかの実施形態では、遠位端部分1108は、実質的にドーム形状であるか、または実質的に半球形状であるものとしてよく、複数のスリット1110(例えば、例示されているように5つ)を備えることができる。スリット1110のそれぞれは、レギュレータ1130の遠位端部分1108上の中心点で合わさり、遠位端部分1108にそって半径方向外向きに延在しうる。いくつかの実施形態では、限定はしないが3つのスリット、6つのスリット、7つのスリットなど、異なる数のスリットを使用することができる。スリットの数は、レギュレータ1130の所望のクラッキング圧に応じて選択することができる。一般的に、スリットの数を増やすと、クラッキング圧は低くなり、レギュレータ1130は流体を中に通して流すうえで開きやすくなる。
【0205】
図53は、レギュレータ1230の一実施形態の斜視図である。
図54は、第1の平面上のレギュレータ1230の軸中心線にそって切り取ったレギュレータ1230の断面図である。
図55は、第1の平面に直交する第2の平面上のレギュレータの軸中心線にそって切り取ったレギュレータ1230の断面図である。レギュレータ1230は、レギュレータ30、または本明細書に開示されている他のレギュレータもしくは弁部材といくつかの点で類似するものとすることができる。いくつかの実施形態では、レギュレータ1230は、本体部分1200、近位端部分1202、および遠位端部分1208を備える。近位端部分1202は、環状隆起リップ1203およびそこを通る開口部1204を備えることができる。いくつかの実施形態では、遠位端部分1208は、実質的にドーム形状であるか、または半球形状であるものとしてよく、スリット1210を備えることができる。いくつかの実施形態では、クロスビーム1209(
図53において波線で示されている)がスリット1210のいずれかの側に形成され、スリット1210はそこを通過する。クロスビーム1209は、スリット1210の幅の少なくとも一部にわたってレギュレータの壁の厚さを増やす機能を持ち、これにより、レギュレータ1230を開くのに必要なクラッキング圧を増やすことができる。
【0206】
いくつかの実施形態では、クロスビーム1209は、レギュレータ1230の軸中心線上中心を置くことができる。
図54を参照すると、いくつかの実施形態では、クロスバー1209は、スリット1210によって画定される幅(
図54において「WS」で表されている)より小さい幅(
図54において「WB」で表されている)を有することができることがわかる。いくつかの実施形態では、クロスバーの幅WBは、スリット1210の幅WSの全長にわたって、またはスリット1210の幅WSを超えて延在することができる。いくつかの実施形態では、複数のクロスバーを使用して、レギュレータ1230に対する所望のクラッキング圧を達成することができる。
【0207】
図56は、一方向弁部材1330の斜視図である。いくつかの実施形態では、弁部材1330は、実質的に円板形状とすることができ、その一方の側部上に形成された流路1301を備えることができる。流路1301は、弁部材1330の中心を通過することができる。弁部材1330は、シリコーン系の変形可能な材料、ゴムなどの変形可能な弾力的材料から作製することができる。弁部材1330は、プラスチックまたは他の剛体材料に当たって流体密封シールを形成することができる材料から作製することができる。
【0208】
図57は、
図56に示されている弁部材1330を使用するように構成された弁または無針コネクタ1320の一実施形態の断面図である。いくつかの実施形態では、コネクタ1320は、本明細書で説明されている他のコネクタの特徴または他の詳細または構成のどれかを有することができる。いくつかの実施形態では、コネクタ1320は、本体部材1322、ベース部材1324、シール部材1326、支持部材1328、レギュレータ630、および弁部材1330を備えることができ、これらは、例えば、コネクタ20に関連して本体部材22、ベース部材24、シール部材26、支持部材28、およびレギュレータ30と同じであるか、または類似のものであってよい。
【0209】
ベース部材1324は、その中にキャビティ1329を備え、バー1319は、キャビティ1329の少なくとも一部にわたって延在しうる。弁部材1330は、バー1319が弁部材1330上の流路1301内に嵌合するようにバー1319上に位置決めすることができる。支持部材1328は、環状突起部1394の遠位表面が弁部材1330の近位表面と接触するように位置決めされうる。いくつかの実施形態では、支持部材1328は力を加えて、弁部材1330をわずかに屈曲させ、弁部材1330の弾力的な力が環状突起部1394の遠位表面に当たる環状シールを形成するようにする。
【0210】
図58は、流体がコネクタ1320に注入されている間の、開放構成の弁部材1330を有する、
図57に示されているコネクタ1320の断面図を示している。流体は、注射器120または他の医療器具からコネクタ1320内に注入することができる。流体は、支持部材1328内の流体通路1369を通って弁部材1330に移動することができる。流体通路1369内の圧力がキャビティ1321内の圧力より十分に高い場合、弁部材1330は屈曲して部材1328から遠ざかり、シールを破り、流体をキャビティ1321に流し込み、雄先端突起部1341を通してコネクタ1329から流し出すことができる。圧力が通常より下がると(例えば、流体が注入されなくなると)、弁部材1330は、その閉鎖位置に弾力的に戻り(
図57に示されているように)、支持部材1328に当たってシールを形成する。
【0211】
注射器のリバウンド、または他の逆流を誘発事象が発生した場合、圧力差により、弁部材1330は支持部材1328によりきつく押し付けられ、これにより逆流を防止することができる。いくつかの実施形態では、コネクタ1320は、レギュレータ630を備えることができる(
図43〜45に関連して説明されているように)。レギュレータ630は、内向きに屈曲して環状キャビティ1388の容積を減らし、注射器のリバウンドまたは他の逆流誘発事象によって引き起こされる圧力差を軽減するように構成されうる。いくつかの実施形態では、弁部材1330は、近位方向の流体流を実質的に防止する逆止弁または一方向弁であってもよい。したがって、いくつかの実施形態では、逆流を防止するために容積可変チャンバーを備えるレギュレータ630は不要である。しかし、
図57および58に示されている実施形態などのいくつかの実施形態では、容積可変チャンバーが容積を減らして、注射器のリバウンドまたは他の逆流誘発事象によって引き起こされる圧力を軽減することができるように、レギュレータ630を備えてもよい。
【0212】
逆流防止するために、さまざまな他の種類の逆止弁を使用することができる。例えば、
図59は、ダックビル逆止弁などの一般的に平坦な、先細の閉鎖弁を備えるレギュレータ1430の斜視図である。
図60は、
図59に示されているレギュレータ1430の断面図である。レギュレータ1430は、レギュレータ30、または本明細書に開示されている他のレギュレータもしくは弁部材と類似するものとすることができる。いくつかの実施形態では、レギュレータ1430は、本体部分1400、近位端部分1402、および遠位端部分1408を備えることができる。近位端部分1402は、環状隆起リップ1403およびそこを通る開口部1404を備えることができる。遠位端部分1408は、合わさって遠位端のすべてまたはほぼすべてを横切る一般的に横断する方向に延在する細長いスリット1410を形成する2つの弾力的な、一般的に平坦な、先細りの表面つまりくちばし1407a、1407bによって形成されたダックビル逆止弁1405を備えることができる。レギュレータ1430は、内側環状突起部1412も備えることができる。多くの変更形態が可能である。例えば、いくつかの実施形態では、レギュレータの逆止弁1405および本体部分1400は、別々に形成することができる。
【0213】
図61は、閉鎖構成のレギュレータ1430を備える弁または無針コネクタ1420の断面図である。
図62は、流体がコネクタ1420に注入されている間の、開放構成のレギュレータ1430を有する、コネクタ1420の断面図である。いくつかの実施形態では、コネクタ1420は、本明細書で説明されている他のコネクタの特徴または他の詳細または構成のどれかを有することができる。いくつかの実施形態では、コネクタ1420は、本体部材1422、ベース部材1424、シール部材1426、支持部材1428、およびレギュレータ1430を備えることができ、これらは、例えば、コネクタ20の本体部材22、ベース部材24、シール部材26、支持部材28、およびレギュレータ30と同じであるか、または類似のものであってよい。レギュレータ1430は、レギュレータ30と同様に、支持部材1428の遠位部分1464の上に位置決めすることができる。
【0214】
流体が医療器具(例えば、注射器120)からコネクタ1420内に注入されると、流体は、流体通路1469を通ってダックビル逆止弁1405に移動することができる。流体の流入によって引き起こされる圧力差により、ダックビル逆止弁1405のくちばし1407a、1407bは離れ、これにより、スリット1410が開き、流体がダックビル逆止弁1405を通り、雄先端突起部1441を通してコネクタ1420から流れ出るようにできる。
【0215】
注射器のリバウンド、または他の逆流を誘発事象が発生した場合、その結果生じる圧力差により、ダックビル逆止弁1405のくちばし1407a、1407bが互いによりきつく押し付け合い、これにより流体の逆流を防止することができる。いくつかの実施形態では、レギュレータ1430の本体部分1400は、内向きに屈曲してコネクタの容積を減らし、注射器のリバウンドまたは他の逆行誘発事象によって引き起こされる圧力の一部を軽減することができる。いくつかの実施形態では、ダックビル逆止弁1405は、遠位方向の流体の流れを実質的に防止するように構成されうる。したがって、いくつかの実施形態では、コネクタ1420は、ダックビル逆止弁1405を備えることができるが、容積可変チャンバーを備える本体部分1400を省くことができる。
【0216】
いくつかの実施形態では、逆流抵抗弁は、逆流全体を実質的に防止する逆止弁または一方向弁ではない。むしろ、逆流抵抗弁は、特定の圧力差閾値に達するまで逆流を防止し、閾値に達すると、逆流抵抗弁が開き、逆流を発生させることができる。いくつかの実施形態では、逆流抵抗弁は、圧力差閾値が注射器のリバウンドまたは医療器具の引き抜きによって引き起こされるような意図しない逆流を防ぐには十分高く、流体(例えば、血液)がコネクタを通して注射器内に引き込まれることが意図されているときなどに意図した逆流を生じさせるには十分低いように構成することができる。いくつかの実施形態では、レギュレータ30は、本明細書の別のところでさらに詳しく説明されているように、双方向逆流抵抗弁を備えることができる。他の双方向逆流抵抗弁も使用することができる。
【0217】
図63は、移動する壁部分を使用することで、流体流を制御し、および/または圧力差の効果を軽減するように機能しうるレギュレータ1530の一実施形態の斜視図である。いくつかの実施形態では、移動する壁部分は、例示されているように一般的に平坦であり、また一般的に水平であるものとしてよい。いくつかの実施形態では、レギュレータ1530は、以下でさらに詳しく説明されるように、双方向逆流抵抗弁として機能しうる。レギュレータ1530は、弾力的な本体部分1500、近位移動壁またはプラグ部分1508、および遠位コネクタ部分1502を備えることができる。遠位コネクタ部分1502は、貫通する孔1504を備えることができる。近位壁またはプラグ部分1508は、実質的に円板形状とすることができ、プラグ部分1508の周上に延在する環状の先細のまたは丸みのあるエッジ1510を備えることができる。いくつかの実施形態では、壁またはプラグ部分1508は、例示されているように、弾力性のある材料から作製することができ、いくつかの実施形態では、剛性のあるもの、または実質的に剛体とすることができる。弾力的な本体部分1500は、プラグ部分1508をコネクタ部分1502に接続することができる。いくつかの実施形態では、弾力的な本体部分1500は、圧縮を補助するために、一連の積み重ねられたOリングによって形成されるような、1つまたは複数の一般的に横断的な、または一般的に水平の溝を備えることができる。いくつかの実施形態では、弾力的な本体部分1500は、引き伸ばされたり圧縮されたりした後に弾力的な本体部分1500を元の状態に戻すバネもしくは他の要素を備えることができる。レギュレータ1530は、シリコーン系の変形可能な材料、ゴム、または他の好適な材料を含む、多くの異なる好適な材料から作製することができる。いくつかの実施形態では、レギュレータ1530、またはその一部分は、プラスチックまたは他の剛体材料に当たって流体密封シールを形成することができる材料から作製することができる。
【0218】
図64は、弛緩位置にあるレギュレータ1530を備える弁または無針コネクタ1520の断面図である。いくつかの実施形態では、コネクタ1520は、本明細書で説明されている他のコネクタの特徴または他の詳細または構成のどれかを有することができる。いくつかの実施形態では、コネクタ1520は、本体部材1522、ベース部材1524、シール部材1526、支持部材1528、レギュレータ630、およびレギュレータ1530を備えることができ、これらは、例えば、コネクタ20の本体部材22、ベース部材24、シール部材26、支持部材28、およびレギュレータ30と同じであるか、または類似のものであってよい。
【0219】
いくつかの実施形態では、ベース部材1524は、その中にキャビティ1521を備え、支持バー1519は、キャビティ1521内に、またはキャビティ1521を通って延在する。コネクタ部分1502は、レギュレータ1530を支持バー1519に固定するように構成され、支持バー1519はコネクタ部分1502内の開口部1504を貫通するものとしてよい。例えば、いくつかの実施形態では、ベース部材1524は、ベース部材1524の軸中心線で2つのピースに分割して製作することができる。レギュレータ1530は、ベース部材1524の片側のピースに取り付けられ、次いで、2つのベース部材のピースを、スナップ嵌め、プラスチック溶接、超音波溶接などを介して結合し、ベース部材1524を形成し、レギュレータ1530をそれに固定することができる。レギュレータ1530は、他のさまざまな方法でコネクタに固定することができる。例えば、いくつかの実施形態では、レギュレータ1530の一部をコネクタ1520の2つの他のコンポーネント(例えば、ベース部材1524および支持部材1528)の間に位置決めし、レギュレータ1530を適所に保持する摩擦嵌めまたは圧入を行うことができる。
【0220】
キャビティ1521は、下側先細表面1525および上側先細表面1527を有する環状頂上部1523を備えることができる。いくつかの実施形態では、上側先細表面1527と下側先細表面1525との間の表面は、実質的に円筒形であってよい。レギュレータ1530のプラグ部分1508は、弾力的な本体部分1500が弛緩状態または初期状態にある場合に環状頂上部1523に当たって封止されうる。いくつかの実施形態では、プラグ部分1508の環状先細エッジは、環状頂上部1523によってわずかに圧縮され、これにより、プラグ部分1508と頂上部1523との間に一般的に流体密封の環状シールが形成される。
【0221】
図65は、流体が遠位方向でコネクタ1520に注入されているときにレギュレータ1530が開放位置にあるコネクタ1520の断面図である。流体が医療器具(例えば、注射器120)からコネクタ1520に注入されると、流体がレギュレータ1530のプラグ部分1508の頂部表面と接触するまで流体は支持部材1528内に形成された流体通路1569を通り、キャビティ1521の上側部分内に移動することができる。この圧力差によって、弾力的な本体部分1500を圧縮し、プラグ部分1508が環状頂上部1523から係脱するまでプラグ部分1508を下げ、これにより環状シールを破り、流体をレギュレータ1530の周りに流し、コネクタ1520の雄先端突起部1541から流出させることができる。圧力が通常より下がると(例えば、流体がコネクタ1520内に注入されなくなると)、レギュレータ1530の弾力的な本体部分1500はその弛緩状態に戻り(
図64に示されている)、プラグ部分1508と環状頂上部1523との間の環状シールを再係合することができる。
【0222】
図66は、流体が近位方向でコネクタ1520に引き通されているときにレギュレータ630が開放位置にあるコネクタ1520の断面図である。注射器のリバウンドまたは他の逆流誘発事象が発生した場合、その結果生じる圧力差によって、レギュレータ630は折り畳まれ(
図66に示されているように)、これにより容積可変チャンバーの容積が減り、逆流誘発事象によって引き起こされる圧力が軽減されうる。いくつかの実施形態では、レギュレータ1530は、圧力変化に応答してその容積を変化させることによって弁機能と圧力補償機能の両方を実現するように、中空であるか、または他の何らかの形で十分に柔軟にすることができる。いくつかの実施形態では、レギュレータ630を折り畳むために必要な力は、レギュレータ1530の弾力的な本体部材1500を引き伸ばすために必要な力より小さい。したがって、レギュレータ1530のプラグ部分1508は、プラグ部分1508の遠位に配置されている流体が逆流誘発事象によって引き起こされる真空の影響を一般的には受けず、したがって一般的に完全に流体逆流を防止するようにレギュレータ630が折り畳まれるときに実質的に非変形のままであってよい。
【0223】
いくつかの実施形態では、レギュレータ630が折り畳まれた後に追加の圧力を印加することができる(例えば、注射器120のプランジャを故意に引き戻すことによって)。追加の圧力によって、レギュレータ1530の弾力的な本体部分1500は、プラグ部分1508が環状頂上部1523の上へ軸方向に摺動するように膨張させることができる。十分な圧力が印加された場合、プラグ部分1508は、環状頂上1523から係脱し、
図66に示されているように、流体をコネクタ1520を通して近位方向に流すことができる。いくつかの実施形態では、レギュレータ1530は、近位方向の流体流に対してレギュレータ1530を開くために弾力的な本体部分1500を十分に引き伸ばすのに必要な力が、遠位方向の流体流に対してレギュレータ1530を開くために弾力的な本体部分1500を十分に圧縮するのに必要な力より大きいように構成されうる。いくつかの実施形態では、弾力的な本体部分1500が弛緩状態にある場合、プラグ部分1508は、上側先細表面1527よりも下側先細表面1525に近い位置に配置される。
【0224】
いくつかの実施形態では、環状頂上5523の厚さ(例えば、垂直方向の)は、例示されている実施形態に比べて実質的に大きいものとしてよく、これにより流体流に対して弁を開く前にプラグ部分または壁1508をいずれかの方向により大きな距離の移動を行わせることができる。例えば、いくつかの実施形態では、環状頂上部1523または他の界面構造は、それにそって移動するプラグ部分または壁1508の厚さの少なくとも約2倍もしくは3倍とすることができる。環状頂上部1523または他の界面構造は、遠位方向および/または近位方向の壁もしくはプラグ部分の移動を制限する出っ張り、キャッチ、または他の阻害構造(図示せず)を備えることができる。いくつかの実施形態では、この配置構成は、一方向弁を形成しうる。
【0225】
図67は、レギュレータ1730の斜視図である。
図68は、レギュレータ1730の軸中心線にそって切り取った、
図67に示されているレギュレータ1730の断面図である。
図67および68を参照すると、レギュレータ1730は、本体部分1700、近位端部分1702、および遠位端部分1708を備えうることがわかる。近位端部分は、環状隆起リップ1703およびそこを通る開口部1704を備えることができる。遠位端部分1708は、陥凹中心部分1705および先細環状壁1706を備えることができる。先細環状壁を通して1つまたは複数の孔1710を形成することができる。レギュレータ1730は、内側環状突起部1712も備えることができる。レギュレータ1730は、シリコーン系の変形可能な材料、ゴム、または他の好適な材料を含む、多くの異なる好適な材料から作製することができる。いくつかの実施形態では、レギュレータ1730、またはその一部分は、プラスチックまたは他の剛体材料に当たって流体密封シールを形成することができる材料から作製することができる。
【0226】
図69は、
図67および68に示されている弁1730を備える弁または無針コネクタ1720の断面図である。レギュレータ1730は、
図69では初期または弛緩(閉鎖)状態にあるように示されている。いくつかの実施形態では、コネクタ1720は、本明細書で説明されている他のコネクタの特徴または他の詳細または構成のどれかを有することができる。いくつかの実施形態では、コネクタ1720は、本体部材1722、ベース部材1724、シール部材1726、支持部材1728、およびレギュレータ1730を備えることができ、これらは、例えば、コネクタ20の本体部材22、ベース部材24、シール部材26、支持部材28、およびレギュレータ30と同じであるか、または類似のものであってよい。
【0227】
レギュレータ1730は、支持部材1728上の2つの環状突起部1790、1792の間の環状キャビティ1788を画成する、支持部材1728の遠位部分1764の上に位置決めされうる。レギュレータ1730の内側環状突起部1712は、レギュレータ1730を支持部材1728に固定するために環状突起部1790、1794の間に形成された流路1796内に受け入れることができる。いくつかの実施態様では、支持部材1728の遠位部分1764は、レギュレータ1730の遠位端部分1708を受け入れるように構成されうる。支持部材1728は、先細環状壁1706を受け入れるように構成された遠位開口部1766の近くに先細内面1765を備え、レギュレータ1730の遠位端部分1708が弛緩位置にある場合にそれらの間に流体密封シールを形成することができる。レギュレータ1730が
図69に示されている弛緩位置にある場合、先細環状壁1706内に形成された孔1710は、流体が孔1765を貫流しないように支持部材1728の先細内面1765によって覆うことができる。
【0228】
図70は、流体が遠位方向でコネクタ1720に注入されているときにレギュレータ1530が開放位置にあるコネクタ1720の部分断面図である。流体が医療器具(例えば、注射器)からコネクタ1720に注入されると、流体がレギュレータ1730の陥凹中心部分1705の表面と接触するまで流体は支持部材1728内に形成された流体通路1769を通って移動することができる。この圧力差によって、レギュレータ1730の先細環状壁1706が支持部材1728の内側先細壁1765から係脱するまでレギュレータ1730の遠位端部分1708が支持部材1728から遠位方向に屈曲して離れ、これにより環状シールを破り、流体をレギュレータ1730内の孔1710に通して流し、コネクタ1720の雄先端突起部1741から流出させることができる。圧力が通常より下がると(例えば、流体がコネクタ1720内に注入されなくなると)、レギュレータ1730の弾力的な遠位端部分1708はその初期状態または弛緩状態に戻り(
図69に示されている)、先細環状壁1706が支持部材1728の内側先細表面1765と再係合してこれに当たって封止することができる。
【0229】
図71は、流体が近位方向でコネクタ1720に引き通されているときにレギュレータ1730が開放位置にあるコネクタ1720の部分断面図である。逆流誘発事象が発生した場合、その結果生じる圧力差によって、レギュレータ1730の本体部分1700は折り畳まれ(
図71に示されているように)、これにより環状キャビティ1788の容積が減り、注射器のリバウンドまたは別の逆流誘発事象によって引き起こされる圧力が軽減されうる。いくつかの実施形態では、レギュレータ1730の本体部分1700を折り畳むために必要な力は、レギュレータ1730の環状先細壁1706を引き伸ばすために必要な力より小さい。したがって、レギュレータ1730の陥凹中心部分1705は、レギュレータ1730の遠位に配置されている流体が注射器のリバウンドまたは他の逆行誘発事象によって引き起こされる真空の影響を一般的には受けず、したがって一般的に流体逆流を防止するようにレギュレータ1730の本体部分1700が折り畳まれるか、または他の何らかの形で容積を変化させるときに実質的に影響を受けることがない。
【0230】
いくつかの実施形態では、レギュレータ1730の本体部分1700が折り畳まれた後に追加の圧力を印加することができる(例えば、注射器120のプランジャを故意に引き戻すことによって)。追加の圧力差により、陥凹中心部分1705を近位に引き込み支持部材1728の流体通路1769内に入れ、先細環状壁1706が引き伸ばされるようにすることができる。十分な圧力が印加された場合、先細環状壁1706内に形成された孔1710が露出し、
図71に示されているように、流体をレギュレータ1730内の孔1710を通して近位方向に流すことができる。いくつかの実施形態では、レギュレータ1730は、孔1710を露出させ、流体を近位方向に流すために先細環状壁1706を十分に引き伸ばすのに必要な力が、先細環状壁1706を支持部材1728の内側先細壁1765から係脱し流体を遠位方向に流すために必要な力より大きいように構成されうる。
【0231】
図72は、弁または無針コネクタ1820の分解図である。いくつかの実施形態では、コネクタ1820は、本明細書で説明されている他のコネクタの特徴または他の詳細または構成のどれかを有することができる。いくつかの実施形態では、コネクタ1820は、本体部材1822、ベース部材1824、シール部材1826、支持部材1828、弁部材730、およびバルーン部材1830を備えることができ、これらは、例えば、コネクタ20の本体部材22、ベース部材24、シール部材26、支持部材28、およびレギュレータ30と同じであるか、または類似のものであってよい。
【0232】
いくつかの実施形態では、支持部材1828の遠位部分1864は、遠位開口部1866、流体通路1869、および細長い部分1862内に形成された1つまたは複数の孔1868と流体的に連通する内部キャビティ1865を備えることができる。いくつかの実施形態では、支持部材1828は、遠位部分を通して横方向にまたは半径方向に形成された1つまたは複数の開口部なしで形成することができる。いくつかの実施形態では、容積可変チャンバーを、支持部材の外側に形成された環状流路によってではなく、支持部材1865の内部キャビティ1865内に収納することができる。いくつかの実施形態では、バルーン部材1830などの、容積可変チャンバー1830を支持部材1828の内部キャビティ1865内に収納することができる。バルーン部材1830は、1つまたは複数のテザー1801、接着剤を使用するなど、さまざまな方法で支持部材1828に固定することができる。容積可変チャンバー1830は、多くの異なる形状をとり、多くの異なる場所に位置決めすることができる。いくつかの実施形態では、容積可変チャンバー1830は、内部キャビティ1865の1つまたは複数の内面と接触するか、または接するように位置決めされる(例えば、内部キャビティ1865の隅において)。バルーン部材1830には、空気もしくは他のガスなどの圧縮性/膨張性流体を充填することができる。バルーン部材1830は、内部キャビティ1865内に収納される流体の量が減らされたときに膨張し、これにより、逆流誘発事象によって引き起こされる圧力差を軽減することができる。
【0233】
いくつかの実施形態では、弁部材730は、
図48に関連して説明されているものと同様の方法で支持部材1828の遠位端部分1864の上に位置決めされうる。いくつかの実施形態では、バルーン部材1830をさらに膨張させるために必要な力はバルーン部材1830が膨張するにつれ増大する。したがって、十分な圧力が印加される場合(例えば、流体を注射器内に意図的に引き込んだとき)、ある時点において、バルーン部材1830をさらに膨張させるために必要な力は、近位方向の流体流に対して弁部材730を開くのに必要な力より大きい。この圧力閾値に達したときに、弁部材730上の1つまたは複数のスリット710が開いて、流体を近位方向に弁部材730に通して流すことができる。いくつかの実施形態では、バルーン部材1830は、圧力閾値で膨張した容積が流体の流れに干渉するほどには大きくないように構成することができる(例えば、キャビティ1865内への開口部を封止して閉じるか、またはキャビティ1865の一部を充填することによって)。いくつかの実施形態では、1つまたは複数のテザーは、膨張状態に入ったときでも流体流に干渉しない位置にバルーン部材1830を維持するように構成されうる。いくつかの実施形態では、バーまたは壁(図示せず)などの1つまたは複数の保持構造は、膨張状態に入ったときにバルーン部材1830が流体の流れに干渉しないように防止することができる。
【0234】
図73は、支持部材1928の斜視図である。
図74は、支持部材1928を備える弁または無針コネクタ1920の断面図である。いくつかの実施形態では、コネクタ1920は、本明細書で説明されている他のコネクタの特徴または他の詳細または構成のどれかを有することができる。いくつかの実施形態では、コネクタ1920は、本体部材1922、ベース部材1924、シール部材1926、支持部材1928、およびレギュレータ1930を備えることができ、これらは、例えば、コネクタ20の本体部材22、ベース部材24、シール部材26、支持部材28、およびレギュレータ30と同じであるか、または類似のものであってよい。
【0235】
いくつかの実施形態では、支持部材1928の遠位部分1964は、遠位開口部1966、流体通路1969、および細長い部分1962内に形成された1つまたは複数の孔1968と流体的に連通する内部キャビティ1965を備えることができる。支持部材1928は、その遠位部分1964を通して横方向にまたは半径方向に形成された1つまたは複数の開口部1986を備えることができる。
【0236】
いくつかの実施形態では、レギュレータ1930は、コネクタ20に関連して説明されているものと同様の方法で支持部材1928の遠位部分1964の上に位置決めされうる。いくつかの実施形態では、本体部分1900の少なくとも一部は、支持部材1928の遠位部分1964内に形成された開口部1968を通して引き伸ばされて膨張し、または他の何らかの形で移動し、内部キャビティ1965内に入るように構成されうる。逆流誘発事象が発生した場合、コネクタ1920の外から空気が入って孔1929を通り、これにより、レギュレータ1930の本体部分1900が膨張して内部キャビティ1965内に入り、これにより内部キャビティ1965の流体の量が減り、注射器のリバウンド、医療器具の引き抜き、または他の逆流誘発事象によって引き起こされる圧力差が軽減されうる。いくつかの実施形態では、本体部分1900を膨張させて内部キャビティ1965に入れるために必要な力は、近位方向の流体流に対してレギュレータ上の1つまたは複数のスリット1910を開くために必要な力より小さい。いくつかの実施形態では、コネクタ1920から流体を注射器内に意図的に引き込む場合など、追加の圧力が印加された場合に、レギュレータ1930上のスリット1910が開いて、流体を近位方向に流すことができる。
【0237】
いくつかの実施形態では、支持部材1928は、支持部材1928の遠位部分1964内の開口部1986をベース部材1924内の孔1929に位置合わせするためにベース部材1924内の切欠(図示せず)によって受け入れられるように構成された突起部1927もしくは他の特徴を備えることができる。いくつかの実施形態では、ベース部材1924は、開口部1986が孔1929と位置が合っていない場合でも開口部1986を通して膨張するレギュレータ1930の本体部分1900の領域に空気を届かせることができる孔1929と連通している環状空気流路(図示せず)を備えることができる。いくつかの実施形態では、支持部材1928は、レギュレータ1930の本体部分1900が膨張して複数の場所から内部キャビティ1965内に入るように複数の開口部1986を備えることができる。環状空気流路により、空気を単一の空気孔1929からそれぞれの膨張する場所に届かせることができるか、または複数の空気孔1929をベース部材1924内に形成することができる。
【0238】
図75は、支持部材2028の断面図である。
図76は、支持部材2028の一部の部分断面図である。
図75および76を参照すると、いくつかの実施形態では、支持部材2028の遠位部分2064は、遠位開口部2066、流体通路2069、および細長い部分2062内に形成された1つまたは複数の孔2068と流体的に連通する内部キャビティ2065を備えることができる。支持部材2028は、その遠位部分2064を通して横方向にまたは半径方向に形成された1つまたは複数の開口部2086を備えることができる。いくつかの実施形態では、袋部材2030などの膨らませることができる部材は、開口部2086内に位置決めすることができる。袋部材2030は、空気が袋2030の内部容積2006内に入らない限り空気が接続領域2002を超えて移動できないように中に形成されたシート部の開口部2086の壁とともに気密シールを形成する一般的に円形の接続領域2002を備えることができる。接続領域2002は、支持部材2028の外面および/または内面の開口部2086の壁に固定することができる。袋部材2030は、流体圧力差によってその形状および容積を変える前に、折り畳まれるか、または圧縮されるか、または平たくされるか、または他の何らかの方法で小さくされているものとしてよい。
【0239】
図76は、容積を小さくした状態の袋部材を示す支持部材2028の部分断面図である。逆流誘発事象が発生した場合、袋部材2030は、内部容積2006が外部からの空気で満たされるにつれ、膨らむか、膨張するか、または他の何らかの形で移動し、内部キャビティ2065内のその有効容積を増やすことができる。袋部材2030の内部容積2006の容積が増大するにつれ、支持部材2028の内部キャビティ2065内の流体の残りの量が減少し、これにより、逆流事象によって生じる圧力差が軽減される。いくつかの実施形態では、逆流抵抗弁(例えば、弁部材730)を支持部材2028の遠位端に結合して、袋部材2030によって形成される容積可変チャンバーと連携させ、本明細書の別のところで説明されているのと同様の方法で逆流を防止することができる。
【0240】
いくつかの実施形態では、袋部材2030は、実質的に膨張または引き伸ばしなし(または場合によっては、まったくなし)で袋部材2030を膨らませることを可能にするグニャグニャした材料(例えば、ポリエチレン)から作製されるか、または袋部材2030は、袋部材2030の膨張および収縮を行わせることを可能にする弾性材料(例えば、ゴムまたはシリコーン)から作製されうる。いくつかの実施形態では、袋部材2030は、比較的膨張性がないが、折り畳まれた袋部材2030を広げるには十分に柔軟な材料から作製されうる。いくつかの実施形態では、袋部材2030は、開口部2086それ自体の中ではなく、支持部材2028の内面または外面に固定することができる。
【0241】
いくつかの実施形態では、支持部材2028は、開口部2086の位置を空気孔に合わせるために別のコンポーネント(例えば、ベース部材)内の切欠によって受け入れられる突起部もしくは他の特徴(図示せず)を備えることができる。いくつかの実施形態では、環状空気流路は、コネクタ1920に関連して説明されているのと同様の方法で開口部2086と空気孔との間の流体的な連通をもたらしうる。
【0242】
多くの種類の無針コネクタが、本明細書で説明されているような逆流抵抗モジュールを備えることができる。例えば、
図78は、弁または無針コネクタ2120の側面図であり、これは、いくつかの点で、フロリダ州セントピーターズバーグ所在のHalkey−Roberts Corporation社から市販されている2452040xx Swabable Valveに類似のいくつかの特徴もしくは特性を有するものとしてよい。
図79は、
図78に示されているコネクタ2120の断面図である。コネクタ2120のいくつかの特徴および特性は、参照により本明細書に組み込まれている米国特許第6,651,956号において説明されている。いくつかの実施形態では、コネクタ2120は、本体部材2122、ベース部材2124、シール部材2126、支持部材2128、およびレギュレータ2130を備えることができる。いくつかの実施形態では、支持部材2128は、細長い部分なしで形成することができる。レギュレータ2130および支持部材2128、さらにはコネクタ2120の他のコンポーネントは、容積可変チャンバーおよび/または逆流抵抗弁を備える逆流抵抗モジュールを実現することができる。コネクタ2120の例示されている実施形態の逆流抵抗モジュールは、逆流防止のためコネクタ20に関連して本明細書で説明されているのと同様の方法で動作しうる。いくつかの実施形態では、コネクタ2120は、本明細書で開示されている他の逆流抵抗モジュールに類似のモジュールなど、他の逆流抵抗モジュールを備えることができる。
【0243】
図80は、弁または無針コネクタ2220の側面図であり、これは、いくつかの点で、B. Braun Medical, Inc.社から市販されているSafeSiteコネクタに類似のいくつかの特徴もしくは特性を有するものとしてよい。
図81は、コネクタ2220の断面図である。コネクタ2220のいくつかの特徴および特性は、参照により本明細書に組み込まれている米国特許第4,683,916号において説明されている。いくつかの実施形態では、コネクタ2220は、本体部材2222、ベース部材2224、円板弁2225、医療器具がコネクタ2220に取り付けられたときに円板弁2225を開くように構成されたアクチュエータ2226、支持部材2228、およびレギュレータ2230を備えることができる。いくつかの実施形態では、支持部材2228は、細長い部分なしで形成することができる。レギュレータ2230および支持部材2228、さらにはコネクタ2220の他のコンポーネントは、容積可変チャンバーおよび/または逆流抵抗弁を備える逆流抵抗モジュールを実現することができる。コネクタ2220の例示されている実施形態の逆流抵抗モジュールは、逆流防止のためコネクタ20に関連して本明細書で説明されているのと同様の方法で動作しうる。いくつかの実施形態では、コネクタ2220は、本明細書で開示されている他の逆流抵抗モジュールに類似のモジュールなど、他の逆流抵抗モジュールを備えることができる。
【0244】
コネクタ円板弁2225は、医療器具がコネクタ2220から取り外されるときに近位方向の流体流に対してコネクタを封止するように構成することができるけれども、円板弁2225が閉じる前に移動器具が引き抜かれると少量の逆流が発生することがある。また、注射器のリバウンドなどのいくつかの逆流発生源は、コネクタ2220が医療器具に取り付けられ、円板弁2225が開いているときに発生しうる。コネクタ2220の逆流抵抗モジュールは、これらの逆流誘発事象の効果を排除するか、または低減するように構成することができる。
【0245】
図82は、弁または無針コネクタ2320の側面図であり、これは、いくつかの点で、カリフォルニア州オンタリオ市所在のMedegen, Inc.社から市販されているMaxPlus コネクタに類似のいくつかの特徴もしくは特性を有するものとしてよい。
図83は、コネクタ2320の断面図である。コネクタ2320のいくつかの特徴および特性は、両方とも参照により本明細書に組み込まれている米国特許第5,782,816号および米国特許公開第2005/0059952号において説明されている。いくつかの実施形態では、コネクタ2320は、本体部材2322、ベース部材2324、弾力的なプラグシール部材2326、支持部材2328、およびレギュレータ2330を備えることができる。レギュレータ2330および支持部材2328、さらにはコネクタ2320の他のコンポーネントは、容積可変チャンバーおよび逆流抵抗弁を備える逆流抵抗モジュールを実現することができる。コネクタ2320の例示されている実施形態の逆流抵抗モジュールは、逆流防止のためコネクタ20に関連して本明細書で説明されているのと同様の方法で動作しうる。いくつかの実施形態では、コネクタ2320は、本明細書で開示されている他の逆流抵抗モジュールに類似のモジュールなど、他の逆流抵抗モジュールを備えることができる。
【0246】
いくつかの実施形態では、コネクタ2320は、医療器具がコネクタ2320から接続を外されるときに遠位方向に流体の正の流れを発生するように構成されうる。例えば、医用器具がコネクタ2320に接続されると、弾力的なプラグシール2326が折り畳まれ、コネクタ2320内の流体の量を増やすことができる。次いで、医療器具がその後、取り外されるときに、弾力的なプラグシール2326が膨張し、コネクタ2320内の流体の量を減らし、医療器具の取り外しによって引き起こされる圧力を軽減することができる。しかし、注射器のリバウンドなどのいくつかの逆流発生源は、コネクタ2320が医療器具に取り付けられ、弾力的なプラグ部材2326が圧縮状態に維持されるときに発生しうる。コネクタ2320の逆流抵抗モジュールは、弾力的なプラグシール2326では解決されない逆流誘発事象の効果を排除するか、または低減するように構成することができる。いくつかの実施形態では、少なくとも一部はレギュレータ2330によって形成される容積可変チャンバーは、弾力的なプラグシール2326の移動と無関係に容積を変えることができる。いくつかの実施形態では、医療器具がコネクタに取り付けられるときに、少なくとも一部はレギュレータ2330によって形成される容積可変チャンバーは、流体が弾力的なプラグシール2326の周りで増大した容積内に流れ込むときに容積を減らし、これにより、コネクタ2320の遠位端内に(例えば、カテーテルから)他の何らかの方法で引き込まれる流体の逆流を防止または抵抗することができる。少なくとも一部はレギュレータ2330によって形成される容積可変チャンバーは、逆流抵抗モジュールにおいてその後逆流誘発事象を取り扱う準備を行えるように遠位方向にコネクタ2320を通して流体が注入されるときに容積を増やすことができる。
【0247】
図84は、弁または無針コネクタ2420の側面図であり、これは、いくつかの点で、イリノイ州ディアフィールド所在のBaxter International, Inc.社から市販されているCLEARLINKコネクタに類似のいくつかの特徴もしくは特性を有するものとしてよい。
図85は、コネクタ2420の断面図である。コネクタ2420のいくつかの特徴および特性は、参照により本明細書に組み込まれている米国特許第6,585,229号において説明されている。いくつかの実施形態では、コネクタ2420は、本体部材2422、ベース部材2424、シール部材2426、シール部材2426内に摺動可能なように受け入れられるプラグ部材2425、支持部材2428、およびレギュレータ2430を備えることができる。レギュレータ2430および支持部材2428、さらにはコネクタ2420の他のコンポーネントは、容積可変チャンバーおよび/または逆流抵抗弁を備える逆流抵抗モジュールを実現することができる。コネクタ2420の例示されている実施形態の逆流抵抗モジュールは、逆流防止のためコネクタ20に関連して本明細書で説明されているのと同様の方法で動作しうる。いくつかの実施形態では、コネクタ2420は、本明細書で開示されている他の逆流抵抗モジュールに類似のモジュールなど、他の逆流抵抗モジュールを備えることができる。
【0248】
図86Aは、弁または無針コネクタ2520の側面図であり、これは、いくつかの点で、オハイオ州ダブリン所在のCardinal Health, Inc.社から市販されているSmartSiteコネクタに類似のいくつかの特徴もしくは特性を有するものとしてよい。
図86Bは、コネクタ2520の断面図である。コネクタ2520のいくつかの特徴および特性は、参照により本明細書に組み込まれている米国特許第5,676,346号において説明されている。いくつかの実施形態では、コネクタ2520は、本体部材2522、ベース部材2524、シール部材2526、支持部材2528、およびレギュレータ2530を備えることができる。いくつかの実施形態では、支持部材2528は、細長い部分を含まないが、その代わりに、実質的にさらに短く、シール部材2526の近位端を貫通しない近位へ延在する突起部2562を備える。レギュレータ2530および支持部材2528、さらにはコネクタ2520の他のコンポーネントは、容積可変チャンバーおよび/または逆流抵抗弁を備える逆流抵抗モジュールを実現することができる。コネクタ2520の例示されている実施形態の逆流抵抗モジュールは、逆流防止のためコネクタ20に関連して本明細書で説明されているのと同様の方法で動作しうる。いくつかの実施形態では、コネクタ2520は、本明細書で開示されている他の逆流抵抗モジュールに類似のモジュールなど、他の逆流抵抗モジュールを備えることができる。
【0249】
図87Aは、弁または無針コネクタ2620の側面図であり、これは、いくつかの点で、B. Braun Medical, Inc.社から市販されているUltraSiteコネクタに類似のいくつかの特徴もしくは特性を有するものとしてよい。
図87Bは、コネクタ2620の断面図である。コネクタ2620のいくつかの特徴および特性は、参照により本明細書に組み込まれている米国特許第5,439,451号において説明されている。いくつかの実施形態では、コネクタ2620は、本体部材2622、ベース部材2624、プラグ部材2625、弾力的なシール部材2626、支持部材2628、およびレギュレータ2630を備えることができる。レギュレータ2630および支持部材2628、さらにはコネクタ2620の他のコンポーネントは、容積可変チャンバーおよび逆流抵抗弁を備える逆流抵抗モジュールを実現することができる。コネクタ2620の例示されている実施形態の逆流抵抗モジュールは、逆流防止のためコネクタ20に関連して本明細書で説明されているのと同様の方法で動作しうる。いくつかの実施形態では、コネクタ2620は、本明細書で開示されている他の逆流抵抗モジュールに類似のモジュールなど、他の逆流抵抗モジュールを備えることができる。
【0250】
図88Aは、弁または無針コネクタ2720の側面図であり、これは、いくつかの点で、ニュージャージー州フランクリンレイクス所在のBecton, Dickinson and Company社から市販されているQ−Syteコネクタに類似のいくつかの特徴もしくは特性を有するものとしてよい。
図88Bは、コネクタ2720の断面図である。コネクタ2720のいくつかの特徴および特性は、参照により本明細書に組み込まれている米国特許第6,908,459号において説明されている。いくつかの実施形態では、コネクタ2720は、本体部材2722、ベース部材2724、シール部材2726、支持部材2728、およびレギュレータ2730を備えることができる。レギュレータ2730および支持部材2728、さらにはコネクタ2720の他のコンポーネントは、容積可変チャンバーおよび/または逆流抵抗弁を備える逆流抵抗モジュールを実現することができる。コネクタ2720の例示されている実施形態の逆流抵抗モジュールは、逆流防止のためコネクタ20に関連して本明細書で説明されているのと同様の方法で動作しうる。いくつかの実施形態では、コネクタ2720は、本明細書で開示されている他の逆流抵抗モジュールに類似のモジュールなど、他の逆流抵抗モジュールを備えることができる。
【0251】
図89Aは、弁または無針コネクタ2820の側面図であり、これは、いくつかの点で、ニュージャージー州フランクリンレイクス所在のBecton, Dickinson and Company社から市販されているPosiflowコネクタに類似のいくつかの特徴もしくは特性を有するものとしてよい。
図89Bは、コネクタ2820の断面図である。コネクタ2820のいくつかの特徴および特性は、参照により本明細書に組み込まれている米国特許第6,152,900号において説明されている。いくつかの実施形態では、コネクタ2820は、本体部材2822、ベース部材2824、シール部材2826、弾力的な部材2825、支持部材2828、およびレギュレータ2830を備えることができる。レギュレータ2830および支持部材2828、さらにはコネクタ2820の他のコンポーネントは、容積可変チャンバーおよび/または逆流抵抗弁を備える逆流抵抗モジュールを実現することができる。コネクタ2820の例示されている実施形態の逆流抵抗モジュールは、逆流防止のためコネクタ20に関連して本明細書で説明されているのと同様の方法で動作しうる。いくつかの実施形態では、コネクタ2820は、本明細書で開示されている他の逆流抵抗モジュールに類似のモジュールなど、他の逆流抵抗モジュールを備えることができる。
【0252】
いくつかの実施形態では、コネクタ2820は、医療器具がコネクタ2820から接続を外されるときに遠位方向に流体の正の流れを発生し、医療器具の取り外しによって引き起こされる圧力を軽減するように構成されうる。しかし、注射器のリバウンドなどのいくつかの逆流発生源は、コネクタ2820が医療器具に取り付けられるときに発生しうる。コネクタ2820の逆流抵抗モジュールは、他の方法で解決されない逆流誘発事象の効果を排除するか、または低減するように構成することができる。いくつかの実施形態では、少なくとも一部はレギュレータ2830によって形成される容積可変チャンバーは、医療器具の取り付けまたは取り外しによって引き起こされるシール部材2826および弾力的な部材2825の移動と無関係に容積を変えることができる。いくつかの実施形態では、医療器具がコネクタ2820に取り付けられるときに、少なくとも一部はレギュレータ2830によって形成される容積可変チャンバーは、流体が弾力的なシール部材2826内の増大した容積内に流れ込むときに容積を減らし、これにより、コネクタ2820の遠位端内に(例えば、カテーテルから)他の何らかの方法で引き込まれる流体の逆流を防止することができる。少なくとも一部はレギュレータ2830によって形成される容積可変チャンバーは、逆流抵抗モジュールにおいてその後逆流誘発事象を取り扱う準備を行えるように遠位方向にコネクタ2820を通して流体が注入されるときに容積を増やすことができる。
【0253】
図90Aは、弁または無針コネクタ2920の側面図であり、これは、いくつかの点で、カリフォルニア州サンクレメンテ所在のICU Medical, Inc.社から市販されているCLC2000コネクタに類似のいくつかの特徴もしくは特性を有するものとしてよい。
図90Bは、コネクタ2920の断面図である。コネクタ2920のいくつかの特徴および特性は、参照により本明細書に組み込まれている米国特許第6,245,048号において説明されている。いくつかの実施形態では、コネクタ2920は、本体部材2922、ベース部材2924、本体部材2922内に摺動可能なように位置決めされたピストン2926、支持部材2928、およびレギュレータ2930を備えることができる。レギュレータ2930および支持部材2928、さらにはコネクタ2920の他のコンポーネントは、容積可変チャンバーおよび逆流抵抗弁を備える逆流抵抗モジュールを実現することができる。コネクタ2920の例示されている実施形態の逆流抵抗モジュールは、逆流防止のためコネクタ20に関連して本明細書で説明されているのと同様の方法で動作しうる。いくつかの実施形態では、コネクタ2920は、本明細書で開示されている他の逆流抵抗モジュールに類似のモジュールなど、他の逆流抵抗モジュールを備えることができる。
【0254】
いくつかの実施形態では、コネクタ2920は、医療器具がコネクタ2920から接続を外されるときに遠位方向に流体の正の流れを発生するように構成されうる。ピストン1926は、医療器具が取り付けられるときに、プラグ1926の周りの流体の量が増大するように、コネクタ2920の本体部分1922を摺動して下るように構成されうる。次いで、医療器具が脱着されるときに、ピストン2926が本体部分1922を摺動して上り、ピストン2926の周りの流体の量を減らし、医療器具の取り外しによって引き起こされる圧力を軽減することができる。しかし、注射器のリバウンドなどのいくつかの逆流発生源は、コネクタ2920が医療器具に取り付けられるときに発生しうる。コネクタ2920の逆流抵抗モジュールは、ピストン2926では解決されない逆流誘発事象の効果を排除するか、または低減するように構成することができる。いくつかの実施形態では、少なくとも一部はレギュレータ2930によって形成される容積可変チャンバーは、医療器具の取り付けまたは取り外しによって引き起こされるピストン2926の移動と無関係に容積を変えることができる。いくつかの実施形態では、医療器具がコネクタ2920に取り付けられるときに、少なくとも一部はレギュレータ2930によって形成される容積可変チャンバーは、流体がピストン2926の周りの増大した容積内に流れ込むときに容積を減らし、これにより、コネクタ2920の遠位端内に(例えば、カテーテルから)他の何らかの方法で引き込まれる流体の逆流を防止することができる。少なくとも一部はレギュレータ2930によって形成される容積可変チャンバーは、逆流抵抗モジュールにおいてその後逆流誘発事象を取り扱う準備を行えるように遠位方向にコネクタ2920を通して流体が注入されるときに容積を増やすことができる。
【0255】
図91Aは、弁または無針コネクタ3020の側面図であり、これは、いくつかの点で、テネシー州フランクリン所在のRyMed Technologies, Inc.社から市販されているInVision−Plusコネクタに類似のいくつかの特徴もしくは特性を有するものとしてよい。
図91Bは、コネクタ3020の断面図である。コネクタ3020のいくつかの特徴および特性は、参照により本明細書に組み込まれている米国特許第6,994,315号において説明されている。いくつかの実施形態では、コネクタ3020は、本体部材3022、ベース部材3024、シール部材3026、ガイド部材3025、隔壁部材3027、支持部材3028、およびレギュレータ3030を備えることができる。レギュレータ3030および支持部材3028、さらにはコネクタ3020の他のコンポーネントは、容積可変チャンバーおよび/または逆流抵抗弁を備える逆流抵抗モジュールを実現することができる。コネクタ3020の例示されている実施形態の逆流抵抗モジュールは、逆流防止のためコネクタ20に関連して本明細書で説明されているのと同様の方法で動作しうる。いくつかの実施形態では、コネクタ3020は、本明細書で開示されている他の逆流抵抗モジュールに類似のモジュールなど、他の逆流抵抗モジュールを備えることができる。
【0256】
いくつかの実施形態では、シール部材3026は、一連のOリング、弓形セグメント、または弁部材3026を圧縮された後に非圧縮位置に弾力的に戻しやすくする他の構造を備えることができる。いくつかの実施形態では、Oリング、弓形セグメント、または他の構造を、端と端を接して連結することで、例えば
図91Bに示されているようなシール部材3026の本体を下る螺旋パターンを一般に形成することができる。
【0257】
図78〜91Bに示されている実施形態は、支持部材28およびレギュレータ30といくつかの点で類似している支持部材およびレギュレータにって構成される逆流抵抗モジュールを有するものとして例示されているけれども、本明細書で説明されているものを含む、
図81A〜91Bに示されているコネクタ内に、他の逆流抵抗モジュールを組み込むことができることは理解されるであろう。
【0258】
本明細書ではいくつかの具体的な例を取りあげたけれども、逆流抵抗モジュールは、本明細書において特に開示されているもの以外の種類の多くのコネクタに組み込まれうることも理解されるであろう。例えば、逆流抵抗モジュールは、y−siteコネクタ内に、またはIV袋もしくは他の薬品用容器を利用できるようにするコネクタ内に、またはカテーテルライン内に組み込むことができる。
【0259】
本文で明確には説明されていない、距離、構成要素の比率などの、図に示されおよび/または説明された実施形態の任意の特徴も本開示の一部分を形成することが意図される。それに加えて、これらの発明はさまざまな実施形態、特徴、態様、および例の文脈で開示されてきたが、本発明は具体的に開示された実施形態を超えて、その他の代替的実施形態および/または発明の用途、ならびにその明らかな修正形態および等価物に拡大することが、当業者によって理解されるであろう。したがって、開示された実施形態のさまざまな特徴および態様が、開示された発明のさまざまな形態を行うために、互いに結び付けられ、または代わりに用いられることができることを理解すべきである。したがって、本明細書に開示された本発明の範囲は、上記に説明した特定の開示された実施形態によって限定されるべきではないことが意図される。
【0260】
本発明は特定の好ましい実施形態および例の文脈で開示されてきたが、本発明は具体的に開示された実施形態を超えて、その他の代替的実施形態および/または発明の用途、ならびにその明らかな修正形態および等価物に拡大することが、当業者によって理解されるであろう。それに加えて、本発明の多くの変更形態が図示され詳細に説明されているが、他の修正形態も本発明の範囲内にあり、本開示に基づいて当業者には容易に理解されるであろう。また、これらの実施形態の具体的な特徴および態様のさまざまな組み合わせもしくは部分的組み合わせが実施され、本発明の範囲内に収まることも企図されている。したがって、開示された実施形態のさまざまな特徴および態様が、開示された発明のさまざまな形態を形成するために、互いに組み合わされ、または代わりに用いられることができることを理解すべきである。したがって、本明細書に開示された本発明の範囲は、上記に説明した特定の開示された実施形態によって限定されるべきではないことが意図される。