特許第5795596号(P5795596)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニーの特許一覧

特許5795596基材上に不均一なコーティングを生成するための方法及び装置
<>
  • 特許5795596-基材上に不均一なコーティングを生成するための方法及び装置 図000002
  • 特許5795596-基材上に不均一なコーティングを生成するための方法及び装置 図000003
  • 特許5795596-基材上に不均一なコーティングを生成するための方法及び装置 図000004
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5795596
(24)【登録日】2015年8月21日
(45)【発行日】2015年10月14日
(54)【発明の名称】基材上に不均一なコーティングを生成するための方法及び装置
(51)【国際特許分類】
   B05C 1/12 20060101AFI20150928BHJP
   B05C 5/00 20060101ALI20150928BHJP
【FI】
   B05C1/12
   B05C5/00 Z
【請求項の数】1
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2012-546022(P2012-546022)
(86)(22)【出願日】2010年12月13日
(65)【公表番号】特表2013-514884(P2013-514884A)
(43)【公表日】2013年5月2日
(86)【国際出願番号】US2010060071
(87)【国際公開番号】WO2011087657
(87)【国際公開日】20110721
【審査請求日】2013年10月31日
(31)【優先権主張番号】61/289,174
(32)【優先日】2009年12月22日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】505005049
【氏名又は名称】スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100102819
【弁理士】
【氏名又は名称】島田 哲郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100157211
【弁理士】
【氏名又は名称】前島 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100112357
【弁理士】
【氏名又は名称】廣瀬 繁樹
(74)【代理人】
【識別番号】100159684
【弁理士】
【氏名又は名称】田原 正宏
(72)【発明者】
【氏名】ゲイリー ダブリュ.メイヤー
【審査官】 細井 龍史
(56)【参考文献】
【文献】 特開平04−027462(JP,A)
【文献】 特開平07−156525(JP,A)
【文献】 米国特許第6217940(US,B1)
【文献】 米国特許第5944898(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B05C 1/00−1/16
B05C 5/00−5/04
B05D 1/00−7/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のコーティングロールと、
前記第1のコーティングロール上に第1のコーティングを塗布するための第1のコーティングアプリケータと、
前記第1のコーティングロールと送給ニップを形成する第2のコーティングロールと、
前記第1のコーティングの上に第2のコーティングを塗布するための第2のコーティングアプリケータであって、第2のコーティングが供給される少なくとも1つの針管を有し、該針管は、前記第1のコーティングロールと前記第2のコーティングロールとの間、または、前記第2のコーティングロールと、該第2のコーティングロールと送給ニップを形成する第3のコーティングロールとの間の前記送給ニップに、前記第2のコーティングを衝突させるように配置される、第2のコーティングアプリケータと、を備える、コーティング装置。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
基材を様々なコーティング化合物でコーティングするために、ロールコータが一般的に使用される。ロールコータは、硬いコーティングロールを使用することによって非常に均一な全面コーティングを適用すること、又は溝付きのコーティングロールを使用することによって不連続なストライプ状のコーティングを適用することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0002】
発明者は、用途によっては、基材上の全面の均一なコーティングと、均一なコーティングの上に重ねられた、複数個のストライプ等の不均一なコーティングとを有することが望ましいことを見つけ出した。そのようなコーティングプロファイルは、接着剤により貼付け可能な、位置付けし直し可能な書き込みメモの製造中に、水性の低粘着裏糊コーティングを適用する際に有用である可能性がある。個々の位置付けし直し可能なメモは、メモの上部にしか粘着部分を有さないため、剥離又は低粘着コーティングは、この別個の領域にのみ必要とされる。これは、ストライプコーティング適用方法が、コーティング材料及び費用を節約するのに好適であり得ることを示唆する。
【0003】
しかしながら、低粘着コーティングは、位置付けし直し可能なメモの書き込み表面上に存在する。ストライプコーティングは、書き込み表面の一部分のみがコーティングされているため、位置付けし直し可能なメモの色によって、視覚的に検出可能である場合がある。あるいは、ストライプコーティングによって、不均一な書き込み表面が作り出される可能性がある。紙へのインク受理は、低粘着コーティングの存在又は不在によって影響を受ける場合がある。したがって、ストライプコーティングは、位置付けし直し可能なメモを使用する際に消費者にとって許容不可能である可能性がある。これは、低粘着コーティングとしての機能を果たすのに十分な厚さの全面コーティングが必要とされることを示唆する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
コーティング材料費用を節約するために、確実に、視覚的及び書き込み差異が明白ではないようにするために、位置付けし直し可能なメモの1つの表面を全面低粘着コーティングでコーティングし、それぞれの位置付けし直し可能なメモの、メモの積み重ねからの取り外し可能性を確保するために、適切な剥離コーティングが必要とされる領域内を、ストライプコーティングでコーティングすることが望まれ得る。したがって、均一なより薄い第1のコーティング重量、及びその薄いコーティングの上のストライプの第2のコーティングを有する、不均一なコーティングが望ましい。これは、表面全体の上に均一なより厚いコーティングを適用することと比較して、材料費用を削減する。
【0005】
発明者は、そのようなコーティングは、従来のロールコータを修正することによって、1工程で適用することができることを見つけ出した。以前は、上述される不均一なコーティングは、ロールコータにおいて、最初に、コータ内の硬いロールを用いて均一なコーティング層を適用し、次に、硬いロールを溝付きのロールと交換し、基材に2回目のコータを通過させることによって、均一な層の上にストライプパターンコーティングを適用する、2工程プロセスを必要としてきた。2工程プロセスを1工程プロセスと置換することは、位置付けし直し可能なメモを作製するための工場費用を大幅に削減する。
【0006】
発明者は、従来のロールコータは、コーティングロールの面にわたり、ロールコータの別個の位置にコーティング流体を供給する1つ以上の針管を追加することによって修正できることを見つけ出した。針管は、上流のコーティング液溜から、コーティングロールの表面上に既に存在する均一なコーティング層の上に重ねられた、コーティング材料の局所的帯をコーティングロールの上に供給し、均一なコーティング層の上にストライプパターンを作り出す。コータ内のコーティングロールの相対速度を変化させることによって、ストライプの幅もまた、制御することができ、それによって、位置付けし直し可能なメモ上に存在する粘着帯の幅に基づき、その幅を必要とされる幅に変化させる。あるいは、又はロール速度を変化させることと組み合わせて、ストライプ幅もまた、針管へのコーティング材料の流量を変化させることによって変化させることができる。
【0007】
したがって、一実施形態では、本発明は、コーティングロールの面上に第1のコーティングを均一に適用する工程と、第1のコーティングの上に、1つ以上の別個のストライプで第2のコーティングを適用する工程と、基材上に第1のコーティング及び第2のコーティングを転写する工程とを含む、ロールコータを用いて基材をコーティングする方法に属する。
【0008】
別の実施形態では、本発明は、コーティングロールと、コーティングロール上に第1のコーティングを適用するための第1のコーティングアプリケータと、第1のコーティングの上に第2のコーティングを適用するための少なくとも1つの針管を備える第2のコーティングアプリケータとを含む、コーティング装置に属する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
当業者は、本説明はあくまで例示的な実施形態の説明であって、本開示のより広範な観点を制限することを意図するものでなく、それらのより広範な観点が例示的な構築に具現化されていることを理解するであろう。
図1】基材をコーティングするための装置の斜視図。
図2図1の装置によって、片側上を粘着ストライプでコーティングされ、反対側上を不均一な低粘着コーティングでコーティングされた基材の機械方向の端面図。
図3】針管アセンブリの断面図。
【0010】
明細書及び図中で繰り返し使用される参照記号は、本開示の同じ又は類似の特徴又は要素を表すことを意図する。
【0011】
定義
本明細書で使用されているように、「含む」、「有する」、及び「包含する」という単語の形態は、法律的に同意義でありかつ制約されない。それゆえ、列挙されている要素、機能、工程又は制限に加えて、列挙されていない付加的な要素、機能、工程又は制限が存在し得る。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1を参照すると、ロールコータ10が示されている。図示されるロールコータは、5本ロールコータを含むが、ロールコータ内のアプリケータロールの面にコーティング溶液の別個の(discreet)帯を適用する方法は、逆転ロールコータ、2本ロールコータ、3本ロールコータ、及び4本ロールコータ等の他のロールコータに適用可能である。
【0013】
図示されるロールコータは、第1のコーティング供給14を有する、第1のコーティングアプリケータ12を含む。第1のコーティングアプリケータ12は、W0ロールの面16上に実質的に均一な第1のコーティング15を適用し、5本ロールコータ内のW0ロールとW00ロールとの間のニップ18内に配置されるコーティング液溜17を含む。第1のコーティング供給14は、第1のコーティングタンク20と、第1のコーティングポンプ22と、第1のコーティングをコーティング液溜に供給する導管とを含む。密閉供給又はチャンバドクターブレードアプリケータ、ドクターブレード及びドクターブレードの背後のコーティング液溜、長い溝付きノズル、コーティングパンへのコーティングロールのディッピング、及びファウンテンコータ等、実質的に均一な第1のコーティング15をコーティングロールの面16上に適用する、他の第1のコーティングアプリケータ12を使用することができる。
【0014】
均一な第1のコーティング15をW0ロールの面16上に適用した後、第2のコーティングアプリケータ26によって、第2のコーティング24が1つ以上の別個の帯でコーティングロール上に適用される。第2のコーティングアプリケータ26は、第2のコーティング供給30に流体接続される、W0ロールの面に沿った所定の機械横断位置に位置する、1つ以上の針管28を含む。第2のコーティング供給30は、第2のコーティングタンク32と、第2のコーティングポンプ34と、第2のコーティングタンク32から第2のコーティング24を引き出し、針管28が流体接続される多岐管36に供給する、導管とを含むことができる。W00ロールの反対のW0ロールで挟持された溝付きのコーティングロール等、第1のコーティング15の適用の後に、第2のコーティング24の別個の帯をロールの面上に適用する、他の第2のコーティングアプリケータ26を使用することができる。
【0015】
ここで、図3を参照すると、カップラー40に圧入された針管28を含む針管アセンブリ38が、断面で示されている。カップラー40は、典型的に、ナイロン又はステンレス鋼若しくは真鍮等の金属から作製される。カップラー40は、ねじ付き円筒形本体44を伴う六角形のヘッド42と、円筒形本体44を貫通してドリル開けされたクリアランス穴とを有する。六角形のヘッド42に軽圧入穴がドリル開けされ、次いで、適切な直径及び長さの針管28が六角形のヘッド42に圧入される。次いで、針管28が取り付けられたカップラー40を、多岐管36内のねじ付き穴にねじ込むことができる。カップラー40は、プラスチックから作製することができ、多岐管36内でより低い運転圧力が使用されるため、典型的に、いったん針管アセンブリ38が多岐管36上に締結されると、漏れを防止するためのガスケット又は封止材は、必要とされない。針管は、必要に応じて、急速着脱カップラー、ツイストロックカップラー、及び差し込みカップラー等の他の種類のカップラーと共に使用することができる。空気ライン又は水力ラインを機械装置に供給する際に使用するための、そのようなカップラーが既知である。
【0016】
望ましくは、針管28は、医療用注射器を作製するために製造される、ステンレス鋼皮下注射針管から作製される。他の管材料を使用することができ、針管の断面を、円形、正方形、三角形、又は他の幾何学的形状にすることができる。一実施形態では、針管の断面は、円形である。針管の内径及び針管の長さは、適用される第2のコーティング24の流量、第2のコーティングの粘度、及び第2のコーティング供給30の所望の運転圧力に基づいて選択することができる。典型的に、針管の内径は、約40ミル〜約70ミル(1.02mm〜1.78mm)等、約10ミル〜約100ミル(0.25mm〜2.54mm)である。針管の内径の選択は、適用される第2のコーティングの量及びその粘度より重要な要因である。多岐管に接続される全ての針管が、同一の内径を有する必要はなく、そのため、様々な機械方向横断位置に、より多い、又はより少ない第2のコーティングを追加することが可能である。
【0017】
針管28の長さは、所望の量の第2のコーティングを供給するために必要とされる多岐管圧力を変化させるように調節することができる。典型的に、針管の長さは、約3”〜約7”(7.6〜17.8cm)等、約2”〜約8”(5.1〜20.3cm)である。針管内に第2のコーティング24の層流を生成するのに、及びスプレーノズルによって生成され得るようなスプレー又は液滴とは対照的に、針管の出口から最小限に分岐する、第2のコーティングのストリームを生成するのに十分な長さが望ましい。ストリームは、コーティング用途の必要に応じて、連続的又は断続的(パルス状)にすることができる。
【0018】
第2のコーティングを2つのコーティングロール間のニップに向けるために、第2のコーティングをコーティングロールの面上に適用するのとは対照的に、より長い針管が必要とされる可能性がある。一般的に、針管は、他の圧力を使用することができるが、約5psi〜約20psi(34.5〜137.9キロパスカル)の圧力で、針管から第2のコーティングストリームを提供するように寸法決定される。それぞれの針管によって分注される第2のコーティングの量における、向上された機械横断方向の均一性は、針管の長さが増加され、第2のコーティング供給圧力が増加されるにつれて現れる。
【0019】
針管は、第2のコーティングストリームをコーティングロールの面上に衝突させるように定置することができる。典型的に、そのような衝突は、ロールの表面の、第2のコーティングストリームの衝突の点の接線に対して90度未満の角度で生じ得る。一般的に、針管の長手方向軸とロールの表面の、衝突の点の接線との間の衝突角度は、約0度〜約60度である。
【0020】
あるいは、針管は、第2のコーティングストリームを、図1に示されるW0ロールとW1ロールとの間の送給ニップ46、又はコーティング液溜17の上方のW1ロールとW2ロールとの間の送給ニップ等、コーティングロールと別のコーティングロールとの間のニップに衝突させるように定置することができる。針管からの第2のコーティングストリームを送給ニップに向けることによって、第2のコーティングの、コーティングロールの面上への改善された定着が生じる。
【0021】
更に、送給ニップを形成するコーティングロールの相対速度を変化させることによって、基材に適用される第2のコーティング幅を変化させることが可能である。広くは、第2のコーティング幅を増加させるためには、W1ロールの速度は、W0ロールの速度に対して低下されるべきである。第2のコーティング幅を減少させるためには、W1ロールの速度は、W0ロールの速度に対して増加されるべきである。ロールコータ内の下流のロールの速度の遅延は、第2のコーティングの取り出し速度を低下させ、第2のコーティングを送給ニップで広げる傾向がある。逆に、ロールコータ内の下流のロールの速度の増加は、第2のコーティングの取り出し速度を増加させる傾向があり、送給ニップでのその広がりを低減する。針管から基材に適用される個々のストリップが相互に結合し、連続する第2のコーティングを基材上に提供するような程度に、W0ロールを減速させることが可能である。
【0022】
あるいは、又はコーティングロール速度を変化させることと組み合わせて、第2のコーティング幅もまた、針管に供給される第2のコーティング溶液の量を変化させることによって変化させることができる。より多い第2のコーティング溶液の針管への供給は、第2のコーティング幅を増加させ、一方、より少ない第2のコーティング溶液の針管への供給は、第2のコーティング幅を減少させる。
【0023】
第1のコーティングアプリケータ12及び第2のコーティングアプリケータ26は、同一のコーティング溶液又は異なるコーティング溶液をロールコータ内のロールに適用することができる。幾つかの実施形態では、同一のコーティング材料を適用することができ、基材上に定置される第1のコーティング15の量は、ロールコータの従来の方法で調節することができ、基材上に定置される第2のコーティング24の量は、多岐管36内の圧力及び針管28の寸法を変化させることによって、変更することができる。あるいは、第1のコーティングアプリケータ12及び第2のコーティングアプリケータ26によって、異なる固体パーセントではあるが、同一の活性成分を有する、同様のコーティング材料を適用することができる。例えば、基材全体の上に低坪量の第1のコーティング15を提供するために、第1のコーティング供給14によって、低固体パーセントの第1のコーティングを供給することができ、高坪量の第2のコーティング24をストライプパターンで提供するために、第2のコーティング供給30によって、高固体パーセントの第2のコーティングを供給することができる。
【0024】
ここで、図2を参照すると、基材の両方の主表面に適用されたコーティングを有する基材46が図示されている。基材の第1の主表面48上には、複数個の粘着ストライプ50が存在する。粘着ストライプは、完成した位置付けし直し可能なメモの上縁部が基材から切断される、基材の幅に沿った位置に位置することができる。第2の主表面52上には、不均一なコーティング、典型的に、メルカプト官能シリコーン等の低粘着コーティングが存在する。第1のコーティング15を含む不均一なコーティングが、第2の主表面52の実質的に全体に均一に適用され、第1のコーティングの上に、不均一な第2のコーティング24がストライプで適用される。第2のコーティングは、針管28によって、第1の主表面48上に、粘着ストライプ50とは略反対のストライプで、基材46に適用される。一般的に、第2のコーティング24の幅は、粘着ストライプ50の幅よりわずかに大きく、これは、前述されるように、送給ニップでのコーティングロールの相対速度によって制御することができる。
【実施例】
【0025】
本開示の目的及び利点を以下の非限定的な実施例で更に例示する。これらの実施例において列挙されるその特定の材料及び量、並びに他の条件及び詳細は、本開示を過度に制限しないと解釈されるべきである。特に記載のない限り、実施例及び本明細書の残りの部分における全ての部、パーセント、及び比率等は、重量による。
【0026】
基材コーティングは、図3に図示される、紙基材の第2の主表面上に不均一な低粘着裏側(LAB)コーティングを有する、コーティングされた基材を生成するように、1工程ロールコーティング方法を実演する図1と同様の5本ロールコータ上で実施された。このコーティング材料のストライプは、多くの場合、より暗い色の紙で可視であるため、ブドウ色の紙基材が、不均一なLABコーティングでコーティングされた。紙の第1の主表面に、約0.75gsf(7.4mN)の粘着コーティング重量が、ストリップ状のパターンで適用された。接着剤は、Kestiらの名称が「Composite Pressure Sensitive Adhesive Microspheres」の米国特許第5,824,748号に記載されるポリマー微粒子の境界内で完全に混合される、2つ以上の不水溶性のポリマーを含む、合成感圧微小球粘着剤を含んだ。
【0027】
LABコーティングは、日本のShin−Etsu Corporationから市販される、製品番号KF2001のメルカプト官能シリコーンの水溶液中に20%の固体を含んだ。第2の主表面上では、ストリップ状の領域に約0.020gsf(0.20mN)のLABコーティングが適用され、ストライプのない領域に、約0.010gsf(0.10mN)がコーティングされた。このコーティングプロファイルを達成するために、5本ロールコータを、W0をおよそ5%のウェブ速度で、及びW1をおよそ70〜80%のウェブ速度で運転した。W0ロール速度を変化させることで、第1のコーティングのLABコーティング重量を調節することが可能であり、一方、第2のコーティングストライプ内のLABコーティング重量は、LAB流量(針管にポンプ供給する速度)及びLABストライプの幅によって調節される。W1ロール速度を調節することで、図2に示されるように、粘着ストライプ幅よりわずかに大きいLABコーティングストライプ幅を達成するために、針管によって適用されるLABコーティングを適切に拡散することが可能となる。
【0028】
コーティングされた紙基材は、従来の加工方法を使用して、位置付けし直し可能なメモに加工された。LABコーティングが位置付けし直し可能なメモの書き込み表面全体を被覆したため、不均一なLABコーティングパターンは、位置付けし直し可能なメモの書き込み表面上に可視のストライプを生成しなかったことが留意された。また、位置付けし直し可能なメモは、メモの積み重ねから分離可能であり、過度に共に貼り合わさることなく、それらの意図される目的に使用可能であったことも留意された。また、書き込みが、低及び高LABコーティング重量を有する書き込み表面上の領域間で、いかようにも異なるように見えないことを確認するために、様々なペンを用いて、位置付けし直し可能なメモの書き込み能力も試験された。書き込み能力における差は観測されなかった。本発明の方法及び装置によって生成される、コーティングされた基材についての更なる情報は、2009年12月22日に出願された、名称が「Adhesive Sheet With Differentially Thick Release Coating」であり、代理人整理番号第65793US002号を有する、米国仮特許出願第61/289186号に含まれる。
【0029】
当業者は、より具体的に添付の「特許請求の範囲」に記載した本開示の趣旨及び範囲から逸脱せずに、本開示への他の修正及び変更を行うことが可能である。様々な実施形態の態様は、様々な実施形態の他の態様と全体的に、若しくは一部的に互換可能、又は結合され得るということが理解される。特許状への上記の出願の中で引用されている全ての参照、特許、又は特許出願は、全体として一貫した方法で参照することにより本明細書に組み込まれる。これらの組み込まれた参照と本明細書との間に部分的に不一致又は矛盾がある場合、先行する記述の情報が優先するものとする。当業者が請求項の開示を実行することを可能にするために与えられた先行する記述は、本請求項及びそれと等しい全てのものによって定義される本開示の範囲を限定するものと解釈されるべきではない。
図1
図2
図3