(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0001】
本発明は無線通信に関する。
【0002】
第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)は、スペクトル効率の改善とより高速なユーザエクスペリエンス(ユーザ体験)を提供するために、新しい技術、新しいネットワークアーキテクチャ、新しい設定、ならびに新しいアプリケーションおよびサービスを無線ネットワークにもたらす、ロング・ターム・エボリューション(LTE;次世代データ通信規格)のプログラムを着手している。
【0003】
図1に、従来技術による拡張汎用移動通信システム(UMTS)の地上無線アクセスネットワーク(E−UTRAN)100の概要を示す。
図1に示すように、E−UTRAN100は3つのeNodeB(eNB)102を含んでいるが、任意の数のeNBをE−UTRAN100に含ませることができる。eNB102は、X2インタフェース108で相互に接続されている。eNB102は、S1インタフェース106により拡張パケットコア(EPC)104にも接続されており、EPC104は、モビリティ管理エンティティ(MME)108およびサービングゲートウェイ(S−GW)110を含んでいる。
【0004】
図2に、従来技術によるLTEユーザプレーンのプロトコルスタック200を示す。プロトコルスタック200は、無線送受信ユニット(WTRU)210に置かれ、パケットデータ制御プロトコル層(PDCP)202、無線リンク制御層(RLC)204、メディアアクセス制御層(MAC)206、および物理層(PHY)208を含む。プロトコルスタック200は、eNB(図示せず)内にあっても良い。
【0005】
図3に、
図2のWTRU210のLTE制御プレーンのプロトコルスタック300を示す。制御プレーンプロトコルスタック300は、非アクセス階層(NAS)302および無線リソース制御(RRC)304を含む。制御プレーンプロトコルスタック300には、PDCP306、RLC308、およびMAC310も含まれ、これらは共にレイヤ2のサブレイヤ312を形成する。
【0006】
無線リンク、すなわちWTRUとeNB間のリンクの誤動作(malfunction;機能不良とも称する)および機能不全(dysfunction;機能障害とも称する)は、例えば、遮蔽、フェーディング、干渉、または移動性に起因する他の事故等の様々な理由で発生する可能性がある。無線リンクまたはWTRUの回復手順をタイミングよく開始するためには、無線リンク障害(RLF)の迅速な検出が重要である。通例、RLFの検出は、イベントフィルタリングと結合した物理層エンティティで行われるダウンリンク信号の測定を含み、それにより、WTRUは、問題が検出された後に次の動作としての一連の処置を決定することができる。
【0007】
ダウンリンクの測定を行いながら、WTRUの物理層(PHY)エンティティ(レイヤ1)は、「同期外れ(out−of−synch)」または「同期成立(in−synch)」の測定結果をRRCエンティティに知らせるように構成することができる。WTRUは、同期外れ結果の回数(個数)を計数するように構成されている。同期外れ結果の回数は、例えばカウンタN310等のカウンタで計数することができる。RRCエンティティが同期外れ結果を特定回数だけ数えると、WTRU内のRRCエンティティはタイマを開始するように構成される。例えば、WTRUは、T310タイマと称されるタイマを開始することができる。T310タイマが別の理由で停止される前に満了した場合には、WTRUは、RLFが発生したと判断するように構成されている。
【0008】
図4に、従来技術による間欠受信(DRX;不連続受信とも称する)のサイクル400を示す。LTE準拠のWTRUおよびeNBには、節電の目的、特にWTRUのバッテリを節減するために、接続状態DRXが導入された。接続状態DRXモードにある時に、WTRUは、ある時間にわたって「シャットダウン」して、使用電力を少なくすることができる。
図4に示すように、DRXサイクル(402、404、406)中、WTRUは、オン期間(on−duration;ON区間とも称する)(408、410、412)中において送信および受信することができ、スリープ期間(sleep duration;スリープ区間、休止期間、休眠期間とも称する)(414、416、418)中では送信も受信も行わない。eNBはWTRUのDRXサイクルと同期することができるため、WTRUがスリープ期間内にある間は送信を行わず、また通信を受信することも期待されていない。
【0009】
3つのパラメータをWTRUおよびeNBが使用して、WTRUのDRXサイクルを定義することができる。DRXオン/オフ、DRX期間、および非DRXタイマは、WTRUのDRXサイクルを判定するためにネットワークコンポーネントが用いることができる、割り当てられた値であるとすることができる。
【0010】
LTE準拠のWTRUは、複数の状態で動作するように構成することもでき、各状態は、WTRUがどのように機能することができるかを全般的に定義している。RRC_connected状態は、WTRUが機能することが可能な、事前定義された状態のセットの1つである。RRC_connected状態にある時、WTRUは、DRXモードで動作するように構成することもできる。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下で言及する際、用語「無線送受信ユニット(WTRU)」は、これらに限定されないが、ユーザ機器(UE)、モバイル局、固定またはモバイル加入者ユニット、ページャ、セルラ電話、携帯情報端末(PDA)、コンピュータ、または無線環境で動作することが可能な任意の他種のユーザデバイスを含む。以下で言及する際、用語「基地局」は、これらに限定されないが、Node−B、サイトコントローラ、アクセスポイント(AP)、または無線環境で動作することが可能な任意の他種のインタフェースデバイスを含む。
【0017】
図5は、複数のWTRU510およびeNB520を含む無線通信システム500を示す図である。
図5に示すように、WTRU510はeNB520と通信状態にあり、eNB520は、
図1に示す要領で相互と通信状態にあることができる。
図5には3つのWTRU510および1つのeNB520を示すが、無線通信システム500には、無線デバイスと有線デバイスの任意の組み合わせが含まれてよいことに留意されたい。
【0018】
図6は、
図5の無線通信システム500のWTRU510およびeNB520の機能ブロック
図600である。
図6に示すように、WTRU510はeNB520と通信状態にある。WTRUは、DRXモードまたは非DRXモードで機能するように構成されている。WTRUは、RRC_connected状態またはRRC−Idle状態で機能することもできる。WTRUは、DRXモードおよび非DRXモードでRLF判定の方法を行うように構成することができる。
【0019】
典型的なWTRUに見られるコンポーネントに加えて、WTRU510は、プロセッサ615、受信機616、送信機617、およびアンテナ618を含む。プロセッサ615は、RRC_connected状態の判定およびDRXモードでのRLF判定のための方法を行うように構成されている。受信機616および送信機617は、プロセッサ615と通信状態にある。アンテナ618は、受信機616および送信機617の両方と通信状態にあって、無線データの送信および受信を容易にする。
【0020】
典型的な基地局に見られるコンポーネントに加えて、eNB520は、プロセッサ625、受信機626、送信機627、およびアンテナ628を含む。プロセッサ625は、RRC_connected状態の判定およびDRXモードでのRLF判定のための方法を行うように構成されている。受信機626および送信機627は、プロセッサ625と通信状態にある。アンテナ628は、受信機626および送信機627の両方と通信状態にあって、無線データの送信および受信を容易にする。
【0021】
図7は、一実施形態によるRLFを判定する方法700を示す図である。各DRXサイクル(702、704、706)は、オン期間(708、710、712)を含む。測定(714〜732)は、各オン期間(708、710、712)に行うことができる。各測定結果(714〜732)は、閾値QinおよびQoutと比較される。Qinは、同期成立動作の閾値であり、ダウンリンクの無線品質が同期外れの閾値(Qout)の時と比べて、大幅に高い確実性で受信できるレベルと定義される。Qoutは同期外れの閾値であり、ダウンリンクの無線リンクを確実に受信できないレベルと定義される。RLFの評価は、PHYエンティティによって受け取られ、上位層エンティティに送信されたQinおよびQoutの結果の回数に基づくことができる。
【0022】
図7に示すように、最初のオン期間708では、第1の測定714が同期成立(Qin)閾値をクリアし、一方、第2の測定718および第3の測定720は同期外れ(Qout)閾値に達しなかった。この結果、最初のDRXサイクル702は同期外れであると判定される。2番目のDRXサイクル704では、第2のオン期間710中に、第1の測定722、第2の測定724、および第3の測定726が各々同期外れであると判定される。3番目のDRXサイクル706では、第3のオン期間712中に、第1の測定728、第2の測定730、および第3の測定732が各々同期外れであると判定される。
【0023】
図7で、WTRUは、RRC_connected状態でDRXモードで動作している。RLF評価は、より長い継続的な期間にわたる測定結果を評価するのではなく、所定回数の連続したDRXオン期間(N
RLF-durations)の測定状態に基づくことができる。
図7に示すように、N
RLF-durationsは3に等しく、RLFの分析は、第1のDRXサイクル702の測定結果(同期外れ)、第2のDRXサイクル704の測定結果(同じく同期外れ)、および第3のDRXサイクル706の測定結果(同じく同期外れ)に依存することができる。
【0024】
N
RLF-durationsは、いくつかの基準に基づいて決定することができる。例えば、N
RLF-durationsは、WTRUにあらかじめ設定された、またはネットワークから通知される固定数とすることができる。N
RLF-durationsは、例えばN313等のカウンタの値、またはカウンタ値を整数Mで除した値としてもよく、Mは、タイマ値をオン期間で除した値である。N
RLF-durationsは、N
RLF-durations=(T310/オン持続期間)のように、WTRUによって算出される、タイマT310等のタイマの長さ、通知されたオン期間の長さの関数としても、または、DRXサイクル長、例えばメディアアクセス制御(MAC)DRXサイクル、長いDRXサイクル、および短いDRXサイクルの関数として、任意でオン期間タイマの長さを含めてもよい。
【0025】
オン期間タイマの長さは、ネットワークで設定してWTRUに送信することができる。オン期間タイマの長さは、WTRUで算出されてもよい。RLFの算出に使用されるDRXサイクル長と連続したオン期間の測定結果数は、反比例してよい。任意で、N
RLF-durationsは、(設定されたDRX長)/(設定可能な最も短いDRX長)に等しくすることができる。別の選択肢として、N
RLF-durationsは、DRX長/Wに等しくすることもでき、Wは、ネットワークで設定された、または事前に設定された整数である。
【0026】
再度
図7を参照すると、各DRXサイクルの各オン持続期間(708、710、712)に、WTRUの上位層エンティティは、測定されたRLF値を(PHY)エンティティから受け取ることができる。PHYエンティティは、DRXサイクル単位で、WTRUがネットワークと同期しているか、または同期外れの状態であるかを評価および判定することができる。PHYエンティティは次いで、測定データは渡さずに、MAC層エンティティ、無線リソース制御(RRC)層エンティティ、または無線リンク制御(RLC)層エンティティ等の上位層に、「同期成立」または「同期外れ」を示すメッセージを送ることができる。PHYエンティティは、当該測定期間にわたり同期成立の測定結果または同期外れの測定結果が過半数を占めるかどうかを判断することにより、同期成立状態または同期外れ状態を送信する。それぞれの測定結果が同数の場合は、最後に帰ってきた測定結果を使用して、上位層に同期外れ状態を渡すか、同期成立状態を渡すかを決定する。
【0027】
再度
図7を参照すると、PHYエンティティは、第1のDRXサイクル702については、2つの同期外れの測定結果(718、720)および1つのみの同期成立の測定結果(714)があるため、上位層には同期外れ状態を送信すべきであると判定することができる。同様に、第2のDRXサイクル704および第3のDRXサイクル706については、各サイクルのすべての測定結果が同期外れなので、PHYエンティティは、同期外れ状態の指示(インディケーション)を送信することになる。
【0028】
WTRUは、すべてのN
RLF-durationsのオン期間またはオン期間を含んでいるDRXサイクルの測定結果が同期外れである時にのみ、RLF状況が存在していると判断するように構成することができる。RRCは、T310タイマ等のタイマが満了し、WTRUが非DRXモードにある場合と同じように、DRXモードのWTRUを扱うように構成することができる。あたかも、T310タイマのようなタイマが満了したあとWTRUが非DRXモードにあった場合と同じように、RRCは、DRXモードのWTRUを取り扱うように構成することができる。
【0029】
WTRUがDRXモードの時には、DRX運用の性質のために、RLFの測定が不連続になる可能性がある。DRXモードのWTRUについて、PHY層エンティティは、WTRUが非DRXモードにある時と異なるQoutおよびQin閾値を暗黙的に使用するように構成することができる。例えば、WTRUがDRXモードにある場合、PHY層エンティティは、WTRUが非DRXモードで使用できる閾値にオフセットを適用することができる。このオフセットは、QoutおよびQinの閾値を下げることができる。より低いQout閾値は、DRXモードで同期外れ状態を宣言するために必要とされる測定値が非DRXモードよりも低いということを意味する。より低いQin閾値は、DRXモードでは非DRXモードよりも容易に同期成立の測定値に会えることを意味する。したがって、DRXモードでは、同期成立状態に達するための要件は、非DRXモードよりも緩い。
【0030】
WTRUは、DRXモード中、RLF状態の判定に別の調整を行なうことができる。DRXモード中、PHYエンティティは、オン期間が非DRXフィルタリングタイマより短い場合は、自身のフィルタリング時間を非DRXモードの時間からオン期間の長さ、または、それ以下まで減らすように構成することができる。例えば、非DRXのフィルタリング時間が200msの場合、DRXモードでは、WTRUは200msよりも短い時間を使用することができる。この調整は、ネットワークから信号通知されたか、または事前に定義された、オフセットに基づいて、または有理数もしくは数値により、WTRUによって行うことができる。DRXモードの短いフィルタリング時間は、WTRUが測定を行なって、サービングセルのダウンリンクの無線リンク品質を検査するのに十分な時間であるべきである。
【0031】
代替として、DRXモードにある間は、PHYエンティティは、すべての無線フレームを監視(モニタ)して、いくつか(m)のDRX期間にわたって測定された、オン期間の間のみのダウンリンクの無線品質を、閾値(QoutおよびQin)に照らして検査および測定するように構成してもよい。その数mは、ネットワークから通知されるパラメータ、またはチャネル条件に基づいてWTRUによって導出されるパラメータである。オン期間が1フレーム未満である場合は、WTRUは、そのオン期間の間だけにわたるリンク品質を評価するように構成することができる。
【0032】
別の実施形態では、各DRXサイクルのオン期間中に測定が行われる。WTRUは、各オン期間の境界を過ぎて、DRXサイクルのスリープ期間部分に入っても測定を続けるとしてよい。これは、1つのまたは事前に設定された少ない数の連続したQout測定結果が検出された時に発生する可能性がある。WTRUは、オン期間の間に行われたすべての測定の平均値が同期外れの閾値未満である場合には、設定数の連続したQinが測定されるか、またはRLFが宣言されるまで、スリープ期間中も測定を継続してよい。データ受信のDRXロジックは変更せずにおくことができる。
【0033】
WTRUは、設定個数の連続したQoutが検出されると、あたかもWTRUが非DRXモードで動作しているように、スリープ期間中にもRLF測定動作が継続するように構成することができる。したがって、WTRUがDRXモードであっても、例えばRLF回復タイマT310などのネットワーク設定時間を使用してRLF判定を計る非DRXのRLF検出基準を使用することができる。ただし、評価期間の長さ、例えば200msが完了する前または完了した時に、同期成立条件が満たされる場合、例えば設定個数の連続したQinが検出された場合は、DRXサイクルの時間の非アクティブ部分ではRLF測定を停止することができる。
【0034】
図8に、別の実施形態によるRLF検出の方法800を示す。第1のDRXサイクル802では、第1のオン期間810中に3回の測定(804、806、808)が行われる。第2のDRXサイクル812では、第2のオン期間820中に3回の測定(814、816、818)が行われ、第2のDRXサイクル812のスリープ期間828中に3回の測定(822、824、826)が行われる。ここでは、3回連続して同期外れの測定結果が検出されることが理由で発生する可能性があるとする。第3のDRXサイクル830では、第3のオン期間832中に3回の測定(834、836、838)が行われる。
【0035】
代替的実施形態では、WTRUがDRXモードにあり、特定個数の同期外れの測定結果が検出されると、WTRUは、回復のためのタイマを開始することができる。WTRUは、DRXサイクルのスリープ期間中にもRLF測定を続けることができる。回復測定の所要時間は、無線リンク回復のために必要とされる同期成立の測定結果の個数(回数)、または1回の同期成立測定の持続時間に比例することができる。所定個数のQout測定結果が検出されると、RLFの測定は回復期間中に入っても継続することができる。回復期間は、WTRUが、測定結果が改善しつつあるか、同期外れのままであるかを判定するために使用する期間である。回復期間中に測定結果が同期成立していると判定された場合、無線リンクはすでに改善している。同期成立していると判定されない場合は、WTRUは、RLFが発生したと判断することができる。
【0036】
代替として、測定は、タイマが満了するまで継続してもよい。これは、タイマの満了はRLFを意味するためである。例えば、スリープ期間中に行われた測定の回数(「回復測定」(Nr)と呼ぶ)は、各々期間Drを有し、測定と測定の間にはTrの間隔があり、Nr×Dr=K×(カウンタ値)×Tinsynch(式1)であり、Kは所定の定数であり、Tinsynchは同期成立測定の所要時間である。さらに、Tr=タイマ値/Nrである。TrがDr以下である場合、回復測定は継続的に行う。タイマ値は、上位層エンティティフィルタが、RLFが判定される前に、無線リンクの同期外れ状態をキャンセルするために、PHYエンティティからいくつか(カウンタ値)の連続した同期成立信号を受け取るために許される期間である。
【0037】
WTRUは、DRXモードにある間は同期外れカウンタを使用することができる。同期外れカウンタの値は、DRXモードで使用されるRLFタイマ、および各DRXサイクルにPHYエンティティから上位層エンティティに送られる同期成立の指示の数または同期外れの指示の数に依存することができる。例えば、DRXモードの同期外れカウンタは、((DRXモードタイマ値)/(DRXサイクル長))×(指示の数(Nsigns−Ll))に等しくすることができる。DRXモードタイマ値は、非DRXモードタイマの値にDRXサイクル長を足した値に等しくすることができる。
【0038】
Nsigns−L1は、オン期間タイマの値およびDRXサイクル長によって決定することができる。短いDRXサイクル長を有するWTRUの場合、Nsigns−L1は1に等しくすることができる。長いDRXサイクル長を有するWTRUの場合、Nsigns−L1は、長いサイクル長を短いサイクル長で除した値に等しくすることができる。DRXモードについて、同期成立カウンタは、同期外れタイマに定数を足した、または同期外れタイマから定数を引いた数に基づくことができる。
【0039】
WTRUがスリープ期間中に基準信号(RS)品質または物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)ブロックエラー率(BLER)を読み出し、それをDRXスリープ期間の前に行われたRS品質またはPDCCH BLERの測定値と比較する場合に、WTRUは、無線リンク品質およびDRXサイクルが、RLF検出時間に影響を及ぼさない可能性があると判定することができる。
【0040】
WTRUは、PDCCHを監視することができ、これは、セル無線ネットワーク一時的識別子(C−RNTI)、システム情報無線ネットワーク一時的識別子(SI−RNTI)、ページング無線ネットワーク一時的識別子(P−RNTI)、および、DRXサイクルのアクティブ期間中のすべての他の関連するRNTIを解読することを含む。監視は、WTRUが特定のDRXサイクルに同期外れの測定結果を検出した場合に起動することができる。RNTIの解読が成功した場合、PHYエンティティは、同期成立の指示を上位層エンティティに送信することができる。RNTIの解読が例えばCRC障害のために一定の試行回数にわたって失敗した場合、PHYエンティティは、同期外れの指示を上位層に送信することができる。
【0041】
図9に、さらに別の実施形態によるRLF検出の方法900を示す。ステップ902で、無線リンクステータスカウンタが、RADIO_LINK_TIMEOUTのようなパラメータの値に設定される。このパラメータは事前に定義することができ、WTRUがRLFを判定するために必要とされる同期外れ信号の数に関係付けられる。ステップ904で、上位層エンティティフィルタが無線リンク監視指標を受け取り、ステップ906で表1の値に従って無線リンクステータスカウンタが更新される。各DRXサイクルで行われるステップ908で、WTRUは、無線リンクステータスカウンタを読み出す。無線リンクステータスカウンタがゼロに等しくない場合、プロセスはステップ902に進む。無線リンクステータスカウンタがゼロに等しい場合は、ステップ910で、WTRUはRLFが発生していると判定することができるし、またはWTRUが回復タイマを開始することができる。
【0043】
表1は、より大きな重みもしくは小さな重みを測定結果に与えることにより、またはより大きな重みもしくは小さな重みをDPCCH監視符号に与えることにより、変更を加えることができる。さらに、WTRUが、一定した推定PDCCH BLERを得るために、PDCCH BLERは、最も短いPDCCHフォーマットまたは最大の集約レベルに基づくことができる。
【0044】
無線リンク回復のために、すなわち(N<N
RLF-durations)個の同期外れのインスタンス(事例)が報告された時、WTRUは、N
RLF-durations個またはN
RLF-durationsよりもわずかに小さい数の同期成立事例をリンク回復のために要求することができる。
【0046】
1.無線送受信ユニット(WTRU)における無線リンク障害(RLF)のための方法であって、間欠受信(DRX)オン期間中に一連の無線リンク測定を行うステップと、一連の無線リンク測定の各々を閾値と比較するステップと、一連の無線リンク測定が同期外れ状態を示すものであるかどうかを判断するステップとを含む方法。
【0047】
2.タイマを開始するステップと、DRXスリープ期間中に一連の無線リンク測定を継続するステップとをさらに含む実施形態1の方法。
【0048】
3.タイマが満了したと判定するステップと、一連の無線リンク測定を停止するステップとをさらに含む実施形態1の方法。
【0049】
4.一連の無線リンク測定について、測定の回数を決定するステップをさらに含む実施形態1から3のいずれか1つの方法。
【0050】
5.測定の所要時間、同期成立測定の所要時間、カウンタ値、および定数に基づいて、スリープ期間中の測定の回数を決定するステップをさらに含む実施形態4の方法。
【0051】
6.WTRUが基準信号品質を判定して無線リンク障害を判断するステップをさらに含む実施形態1から5のいずれか1つの方法。
【0052】
7.WTRUがダウンリンクチャネルのブロックエラー率を判定して無線リンク障害を判断するステップをさらに含む実施形態1から6のいずれか1つの方法。
【0053】
8.WTRUが無線ネットワーク一時的識別子(RNTI)を解読するステップをさらに含む実施形態1から7のいずれか1つの方法。
【0054】
9.無線送受信ユニット(WTRU)において無線リンク障害を検出する方法であって、ステータスカウンタをある値に設定するステップと、無線リンク監視指標を受信するステップと、参照表から取得した値に基づいてステータスカウンタを更新するステップと、カウンタ値がゼロに等しいかどうかを判断するステップと、無線リンク障害が発生したかどうかを判断するステップとを含む方法。
【0055】
10.参照表は、無線リンクの測定およびダウンリンク制御チャネルの監視に基づく値を含む実施形態9の方法。
【0056】
11.無線リンク障害を判断するように構成された無線送受信ユニット(WTRU)であって、間欠受信(DRX)オン期間中に一連の無線リンク測定を行うように構成された測定ユニットと、測定ユニットに電気的に結合されたプロセッサであって、一連の無線リンク測定各々を閾値と比較し、一連の無線リンク測定が同期外れ状態を示すものであるかどうかを判断するように構成されたプロセッサとを備えるWTRU。
【0057】
12.タイマをさらに備え、プロセッサはさらにタイマを開始するように構成され、測定ユニットはさらに、DRXスリープ期間中に一連の無線リンク測定を継続するように構成される実施形態11のWTRU。
【0058】
13.プロセッサはさらに、タイマが満了したかどうかを判定し、一連の無線リンク測定を停止するように構成される実施形態12のWTRU。
【0059】
14.プロセッサはさらに、一連の無線リンク測定について、測定の回数を決定するように構成される実施形態11から13のいずれか1つのWTRU。
【0060】
15.プロセッサはさらに、測定の所要時間、同期成立測定の所要時間、カウンタ値、および定数に基づいて、スリープ期間中の測定の回数を決定するように構成される実施形態14のWTRU。
【0061】
16.プロセッサはさらに、基準信号品質を判定して無線リンク障害を判断するように構成される実施形態11から15のいずれか1つのWTRU。
【0062】
17.WTRUがダウンリンクチャネルのブロックエラー率を判定して無線リンク障害を判断するステップをさらに含む実施形態11から16のいずれか1つのWTRU。
【0063】
18.WTRUが無線ネットワーク一時的識別子(RNTI)を解読するステップをさらに含む実施形態17のWTRU。
【0064】
19.無線リンク障害を検出するように構成された無線送受信ユニット(WTRU)であって、ステータスカウンタをある値に設定し、無線リンク監視指標を受信し、参照表から取得した値に基づいてステータスカウンタを更新し、カウンタ値がゼロに等しいかどうかを判定し、無線リンク障害が発生したかどうかを判断するように構成されたプロセッサを備えるWTRU。
【0065】
20.参照表は、無線リンクの測定およびダウンリンク制御チャネルの監視に基づく値を含む実施形態19のWTRU。
【0066】
特徴および要素について上記で特定の組み合わせで説明したが、各特徴または要素は、他の特徴および要素を用いずに単独で使用することができ、または、他の特徴および要素との各種組み合わせで、もしくは他の特徴および要素を用いない各種組み合わせで使用することができる。本明細書に提供される方法またはフローチャートは、汎用コンピュータまたはプロセッサによる実行のためにコンピュータ可読記憶媒体に組み込まれた、コンピュータプログラム、ソフトウェア、またはファームウェアとして実装することができる。コンピュータ可読記憶媒体の例には、読み取り専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、レジスタ、キャッシュメモリ、半導体メモリデバイス、内部ハードディスクや取り外し可能ディスク等の磁気媒体、光磁気媒体、およびCD−ROMディスクやデジタル多用途ディスク(DVD)等の光学媒体が含まれる。
【0067】
適切なプロセッサは、例として、汎用プロセッサ、特殊目的プロセッサ、従来型プロセッサ、DSP(デジタル信号プロセッサ)、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと関連する1つまたは複数のマイクロプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、ASIC(特定用途集積回路)、FPGA(フィールドプログラム可能ゲートアレイ)回路、ならびに他の種のIC(集積回路)および/または状態機械を含む。
【0068】
ソフトウェアと関連したプロセッサを使用して、WTRU(無線送受信ユニット)、UE(ユーザ機器)、端末、基地局、RNC(無線ネットワークコントローラ)、または任意のホストコンピュータで使用するための無線周波トランシーバを実装することができる。WTRUは、ハードウェアおよび/またはソフトウェアとして実装されたモジュールと共に使用することができ、それらのモジュールは、カメラ、ビデオカメラモジュール、テレビ電話、スピーカ電話、振動デバイス、スピーカ、マイクロフォン、テレビジョントランシーバ、ハンドフリーヘッドセット、キーボード、Bluetooth(登録商標)モジュール、FM(周波数変調)無線ユニット、LCD(液晶ディスプレイ)表示デバイス、OLED(有機発光ダイオード)表示デバイス、デジタル音楽プレーヤ、メディアプレーヤ、ビデオゲームプレーヤモジュール、インターネットブラウザ、および/または任意のWLAN(無線ローカルエリアネットワーク)、もしくはUWB(超広帯域)モジュール等である。