(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記塗布ローラーの内側が、パーソナルケア組成物を受け取るように構成され、前記塗布表面は、前記パーソナルケア組成物が有孔表面を通じて流れるのを可能にするように構成される前記有孔表面である、請求項1に記載の化粧用アプリケータ。
抵抗セレクタを含み、前記塗布ローラーは、前記抵抗セレクタを異なる位置に移動させることによって、異なる回転抵抗に調節するように構成される、請求項12に記載の化粧用アプリケータ。
【発明を実施するための形態】
【0008】
定義
「研削材」は、ユーザの皮膚にわたって移動するとき、粗さの触覚的知覚を提供する物品又は表面を意味する。あるいは、「平滑」は、皮膚をこするとき、粗さを実質的に全く知覚させない物品又は表面を意味する。
【0009】
「作動可能」とは、アクチュエータの操作によって、構成要素又は物品が機械的作用若しくは機械的な動きをする能力を意味する。
【0010】
「圧縮可能」及びその変形は、塗布表面との関連で使用される場合、材料、構成要素、又は物品に、「圧縮力」(すなわち、物品又は材料を圧縮された形状に付勢する傾向の力)を適用する時、又は「膨張力」(すなわち、物品又は材料を膨張した形状に付勢する傾向の力)を除去する時に、材料又は物品をその意図された使用に適しない状況にする、破裂、破壊、又は他の望ましくない影響を有することなく、体積を減少させる能力を意味する。反対に、「膨張可能」及びその変形は、塗布表面との関連で使用される場合、膨張力の適用時又は圧縮力の除去時に、その意図される使用に材料又は物品を不適切にする破裂、破損、又は他の望ましくない影響を有することなく、体積が減少する材料、構成要素、又は物品の力を意味する。
【0011】
「化粧品組成物」又は「メークアップ」は、皮膚又は毛髪に、具体的には消費者の顔の皮膚又は毛髪に塗布され、皮膚又は毛髪の審美的外観を改善することを意図する組成物を意味する。「液体メークアップ」又は「液体化粧品組成物」は、際立った流れ易さ、ほとんどない又は全くない分散傾向、及び比較的高い非圧縮性を呈するメークアップ又は化粧品組成物である。
【0012】
「配置される」とは、1つの要素が、別の要素の特定の場所に位置付けされることを意味する。
【0013】
「弾性」及びその変形は、材料が、所与の負荷において、破裂又は破損がない状態で少なくとも50%伸張し、負荷が取り除かれると、弾性材料又は構成要素が少なくとも80%の回復を示す(すなわち、20%未満のひずみを有する)材料の性能を意味する。例えば、初期長が100mmの弾性材料は少なくとも150mm(50%伸張)まで伸長でき、力が取り除かれると長さ110mm(すなわち、10mm、つまり10%のひずみ)に後退することができる。
【0014】
「ファンデーション」は、皮膚の凹凸、皮膚の欠陥、皮膚の染み、及び/又は皮膚の色調の変動(これは日焼け止及び刺激防止)を被覆するために、皮膚に塗布することを意図する化粧品組成物を意味する。
【0015】
「接合された」は、要素を他の要素に直接固着することにより、要素を別の要素に直接固定する構成、及び要素を中間部材に固着し、これが次に他の要素に固着されることにより、要素が別の要素に間接的に固定される構成を意味する。
【0016】
「機械的に結合している」は、要素が直接又は間接的に他の要素に機械的に固定されることによる構成を意味する。例えば、第1の要素は、溶接、ろう付け、はんだ付け、接合、折り畳み、圧縮、圧締め、スナップ嵌め、焼き嵌め、冷やし嵌め、保持リング、ねじ付き締結具、ピン、リベット、カラー、締め具、ギア、シャフト、チェーン、ばね、ピストン、カム、これらの組み合わせなどを介して第2の要素に結合される。他の例では、第1の要素は、第1の要素を中間部材に機械的に固定することによって(この中間部材次に第2の要素に機械的に固定される)、第2の要素に間接的に固定され得る。
【0017】
「パーソナルケア組成物」は、例えば、皮膚、毛髪、及び/又は歯など身体表面に塗布され、身体表面の状態(例えば、健康及び/又は外観)を調整ことを意図する組成物を意味する(これは日焼け止めを含む)。
【0018】
「柔軟な」は、自由に又は破壊することなく繰り返し曲げるのに十分柔軟な物品又は材料を意味する。
【0019】
「弾性の」は、力によって変形された後に、その最初の形状に戻る傾向を有する物品又は材料を意味する。
【0020】
分かりやすくするために、以下の説明の一部は、液体メークアップ組成物、具体的には液体ファンデーション、及び皮膚(具体的には顔の皮膚)へのかかる組成物の塗布に関して例示され得る。しかしながら、本明細書に引用されている1つ又は2つ以上の具体的な実施例が、かかる例示の実施形態を参照し得るが、本明細書に説明する化粧品アプリケータは、かかる組成物及び/又は塗布に限定されないということが理解される。
【0021】
標的表面に少なくとも1つのパーソナルケア組成物を送達することができるアプリケータは、パーソナルケア組成物を保管する(及び/又は混合する)並びに分配する一方で、逆流を制御することによってリザーバ間の異種混合を回避するリザーバを含み得る。2つ又は3つ以上の異なるパーソナル組成物が望ましい実施形態では、アプリケータは、第1のパーソナルケア組成物(例えば、顔の皮膚を洗浄するためのクリーニング組成物)を保管及び分配するための第1のリザーバと、第2のパーソナルケア組成物(例えば、液体ファンデーション若しくはコンシーラ、又はスキンケア製剤)を保管及び分配する第2のリザーバと、を含み得る。これらの2つの化学物質は、混合されたとき反応性であり得、これらのリザーバからの計量混合並びに分配後に、第3の化学物質を皮膚又は処置表面に送達する。特定の実施形態では(例えば、とりわけ脱毛)、アプリケータは、後で塗布される第2の又は任意の他のパーソナルケア組成物の塗布に先だって、クリーニング流体又は残骸を除去するためのコレクタを含んでもよい。代表的なクリーニング組成物には、メークアップリムーバ、液体石鹸、ボディ石鹸、ハンドソープ、顔用クレンザー、収れん剤などが挙げられるが、これらに限定されない。代表的なメークアップ組成物には、化粧用ファンデーション、顔用及び身体用コンシーラ、口紅、リップステイン、トップコート、グロス、アイシャドーなどが挙げられるが、これらに限定されない。特定の実施形態では、アプリケータは、別個の部分に分割された単一のリザーバを含んでもよく、これによって2つ又は3つ以上のパーソナルケア組成物は互いに別個に保管され得る。特定の実施形態では、パーソナルケア組成物は、それらが互いに内部混合しないように選択され、及び/又は内部混合しないように構成されてもよい(例えば、相及び/又は粘度の差、親水性組成物及び疎水性組成物における差、あるいはpHの差によって)。かかる実施形態では、2つ又は3つ以上のパーソナルケア組成物は、単一の分割されていないリザーバに保管され得るが、別々に分配され得る。様々な実施形態では、2つ又は3つ以上のケア組成物は、温度変化(熱又は冷却を生じさせる)を作るため、気体を発生させるため(例えば、発泡)、粘度変化を生じさせるため、又は材料(例えば、フィルム)を作製するためのものであってもよい。パーソナルケア組成物は、作動式送達システムによって、リザーバから、アプリケータの皮膚と接触する部分まで選択的に付勢され、標的皮膚表面へと塗布される。この作動式送達システムは以下に詳細に説明する。
【0022】
アプリケータは、パーソナルケア/化粧品組成物を、リザーバからユーザの皮膚まで移送する、皮膚と接触する構成要素を含む。特定の実施形態では、皮膚に接触する構成要素は、回転可能なアプリケーションローラーとして構成されてもよく、これはパーソナルケア組成物をローラーから皮膚まで移送するのに適したアプリケーション表面を含む。塗布ローラーは、ローラーが適切に回転できるように、シリンダーの端部の一方又は両方がアプリケータの他の部分(例えば、アプリケータヘッド又は本体)に、機械的接合及び/又は接着結合された標準シリンダーの形状をとってもよい。標的表面に、パーソナルケア組成物を効率良く、かつ均一に塗布するために、塗布ローラーを適切に寸法決めすることは重要であり得る。例えば、組成物をユーザの顔又は他の身体表面(例えば、腕、脚、腹部など)に塗布するように構成されたシリンダーローラーは、5〜30mm(例えば、10〜20mm、又は12〜18mm)の長さ、及び5〜15mmの直径を有してもよい。この実施例では、直径5mmのシリンダーローラーは、0.1〜0.3mg/mm
2の組成物を送達するように構成されてもよく、一方、直径30mmのローラーは、360°の回転毎に2.7〜8.1mg/mm
2の組成物を標的表面に送達するように構成されてもよい。この方法において、一般的なユーザは、パーソナルケア組成物を均一に塗布することができる。当然ながら、回転可能な塗布ローラーは、塗布ローラーが所望の方式でパーソナルケア組成物を送達することができる限り、所望のとおり任意の適した形状(例えば、球状、円錐、円錐台形、多葉)で構成されてもよいということが理解される。特定の実施形態では、皮膚に接触する構成要素は、例えば一般的に既知の有孔箔表面などの非回転塗布表面を含んでもよい。有孔箔表面は、米国特許第4,896,420号、同第6,082,005号、同第5,685,077号、同第4,922,608号、同第4,866,843号、同第4,233,733号、及び同第4,151,645号に説明されているもののような電気カミソリで用いるのに一般的に既知である。
【0023】
特定の実施形態では、本アプリケータは、ユーザによる2つ又は3つ以上の異なる機能を実施するために、選択的に操作されてもよい。例えばアプリケータは、ユーザが低抵抗操作モードと高抵抗操作モードとを切り替えることができる機能的なセレクタ(例えば、スイッチ、ボタン、レバー、トリガなど)を含むことができる。このセレクタモードは、処置領域に様々な量の製品を提供し、又は様々な研削量をもたらすことができる。2つの製品が分配されるとき、機能制御を使用して、処置表面を事前調整し、化学物質の浸透を増加させる、又は処置表面との化学結合増加させる若しくは減少させてもよい。機能セレクタは、アプリケータを所望の操作モードに維持するための連続作動(例えば、「押してそのままにする」)、及び/又は「1回の」作動(例えば、「スイッチを入れる」)を要求するように構成されてもよい。特定の実施形態では、機能セレクタは、ユーザによって押されたとき、又は握られたときに、回転可能なローラーにブレーキをかけるボタン若しくはレバーの形態であってもよい。あるいは、又はそれに加えて、ユーザが機能セレクタを作動することによって、ブレーキ又は他の抵抗力をローラーから除去又は解除し、妨げられていない回転を可能にしてもよい。
【0024】
理論によって制限されるものではないが、ローラーの回転の自由度によって、パーソナルケア組成物の堆積形状、堆積膜の均質性、及び塗布された製品の量を(これら全ては、組成物が皮膚上で平滑及び/又は均一に現れるかどうかに影響を与える)制御することができるということが考えられる。低抵抗操作モードでは、塗布表面が皮膚上を比較的平滑に及び/又は楽に滑るとユーザが認識するように、塗布表面は、抵抗がほとんどなく、又は抵抗が全くない標的表面にわたって移動することが可能であり得る。ローラーの塗布表面において認められた摩擦力は、高抵抗操作モードよりは低くあるべきであるが、パーソナルケア組成物を標的表面に所望のとおり送達するのに十分である。特定の実施形態では、低抵抗操作モードは、自由に回転できるようにされている回転可能なローラーを含み得る。低抵抗操作モードでは、アプリケータは化粧用ファンデーション又はコンシーラなどの化粧品組成物又はパーソナルケア組成物を塗布するのに使用されてもよい。
【0025】
高抵抗操作モードでは、ユーザは、低抵抗操作モードと比較して、塗布表面が研削性であり、及び/又は皮膚にわたって移動させるのが難しいと感じる。特定の実施形態では、高抵抗操作モードは、他の自由に回転するローラーに抵抗力をかけるために使用されるブレーキ又は他の同様な構成要素を含んでもよい。ブレーキ又は他の同様な装置は、標的表面にわたってローラーが平滑に回転する(すなわち、更にフル回転する)のを妨げる、又は更に防止することができる。高抵抗操作モードでは、アプリケータは、製品の擦り込みを高めるより大きな力を有する洗浄ツール又は配合物の塗布として使用されてもよい。例えば、ローラーは、任意の洗浄組成物と対で、ユーザの皮膚を洗浄する、及び/又は剥離してもよい。高抵抗操作モードにおける、ローラーの減少された回転力、又は更にはローラーの回転不能は、ローラーの塗布表面において認められる摩擦力の増加を生じさせ、これによって改善された洗浄及び剥離の利点をもたらす。比較的大きな側壁を備えるローラーを提供することは(例えば、特定のローラー直径を選択することによって)、引きずり及び研削を増加させるための手段も提供することができる。
【0026】
アプリケータが、低抵抗操作モード及び高抵抗操作モードにおいて、所定の割合の摩擦力を有するように構成することが望ましい場合がある。2つの操作モードの対比をユーザに効果的に知らせるため、及び、各操作モードが、選択した機能に特に適しているということのユーザの認識を高めるために、この割合は重要であり得る。
【0027】
ユーザの皮膚にわたってアプリケータが移動する際の、研削する感覚及び平滑な感覚の両方をもたらすことができる塗布表面用材料を、アプリケータの(例えば、低抵抗操作モード又は高抵抗操作モード)構成によって、選択することが重要である。この動作は、皮膚の再配置/皮膚の張りを長期間にわたって固定又は保持することができる化学物質の送達のための前処理として、皮膚を引っ張る又は伸張させるのに使用されてもよい。また塗布表面を、液体パーソナルケア組成物を受容し保持し、更にこの組成物を意図された標的の皮膚表面に移送するのに十分な毛細管圧勾配を提供する材料から形成するということも重要である。例として、塗布表面は、空洞を備える圧縮可能な表面であってもよい。塗布ローラーを、表面形状及び/又は標的表面の輪郭によって、ローラーの形状が調節され得るような、膨張/圧縮可能及び/又は弾性材料から形成することが望ましい場合がある。かかる表面は、前処理で又はその場の処理で研削材として作用する比較的研磨性の粒子を備えてもよい。比較的研削性な表面は、表面を伸張させるか、又は圧縮させることによって変更されてもよい。この用途の塗布表面に適した材料の非制限的な例には、スパンデックスのような布材料、及びポリウレタン、メラミン、セルロース、PVC、ポリスチレン、ポリエステル、ポリウレタン、シリコーン、ゴム、ネオプレン、シリコーンゴム、ポリイミド、ポリエチレンの発泡材料が挙げられる。様々な実施形態では、塗布表面は、リザーバの容積の変化と共に、形状及び/又は硬度を変化させるゲルリザーバも含んでもよい。特定の実施形態では、塗布表面は、顔用アプリケータには厚さ1.5cm〜2.5cm、又は身体用アプリケータには2.5cm超の、連続気泡発泡体の基材及び/又は独立気泡発泡体の基材から形成することができる。特定の実施形態では、塗布表面は、様々な吸収度及び抵抗を提供するために、共に積層されているか又は溶接されている、様々な材料の複合体であってもよい。特定の実施形態では、塗布表面は0.5mm〜3mmの厚さを有するスリーブ(例えば、ナイロン)であってもよく、これは中実又は波状のフレーム若しくは類似の下部構造の上に配置される。塗布表面は、1回又は2回以上の使用の後、廃棄されるか、又は交換されてもよい。
【0028】
塗布表面が回転可能なローラーの形態である実施形態では、航空機の「偏ゆれ」軸を中心とした動作に似ている方法で可動する塗布ローラー、すなわち、枢動可能な塗布ローラーを構成することが望ましい場合があり、これによって塗布ローラーが、塗布表面と皮膚との接触を妨げることなく回転することができる。更には、又は別の方法としては、塗布ローラーは、塗布ローラーの動作が、「回転(roll)」軸を中心とした航空機の動作に似るように、長手方向の中心線を中心として少なくとも部分的に回転可能であってもよい。かかる実施形態では、シリンダー形状のローラーの端部は、互いに反対側に移動することができることによって(すなわち、一方の端部が上方に移動することができる一方で、他方は下方に移動する)、塗布ローラーが非平滑な表面に組成物をより均一に塗布できるようにする。
【0029】
本アプリケータは、リザーバから塗布表面に、1つ又は2つ以上のパーソナルケア組成物を移送するための作動式送達システムを含んでもよい。アプリケータが2つ以上のパーソナルケア組成物を含む場合、作動式送達システムは、ユーザが分配したい特定の組成物を、リザーバに保管された様々なパーソナルケア組成物から選択できるようにする、組成物選択機構を含んでもよい。作動式送達システムは、アプリケータ上に目立つように若しくは目立たないように配置された、例えばレバー、ボタン、スイッチ、又は他の別個の操作可能な構成要素などのアクチュエータを含み、これは作動時、アプリケータのリザーバからパーソナルケア組成物を排出する。また、この作動及び化学物質の送達は、処置領域に対してアプリケータを押しつけることによって、アプリケータの塗布表面全体を回転させることによって、及び/又は円を描くように押したり引いたりすることによって、並びに、これによって毛管現象を誘発することによって、誘発されてもよい(例えば、勾配のある発泡体アプリケ−タには)。更に、作動及び化学物質の送達は、容積流量ポンプ、歯車式ポンプ、及び/又は蠕動ポンプ機構(例えば、塗布の動作によって生じる)によってもたらされてもよい。あるいは、又はそれに加えて、パーソナルケア組成物は、アプリケータ本体及び/又はリザーバ自体に直接圧力を適用することによって、例えば、アプリケータ本体及び/又はリザーバを「搾りチューブ」として構成することによって排出されてもよい。実施形態の特に適した実施例では、リザーバからパーソナルケア組成物を排出するのに、エアレスポンプが使用されてもよい。エアレスポンプは、空気をポンプを通って逆流(すなわち、吸気)させることなく、リザーバから物質を本質的に単一方向で汲み上げるのに使用される。すなわち、製品がリザーバから汲み上げられると、汲み上げられた製品は、対応する空気の容積とポンプを通じて置き換わらない。エアレスポンプが、空気、他の言い方をすれば、リザーバから排出されたパーソナルケア組成物の容積と置き換えられる他の物質、の吸入を防止する、又は少なくとも低減するための、逆止弁などの一方向バルブと併用して使用されるのは珍しいことではない。隔膜ポンプ、ピストンポンプ、搾りチューブ、及び通気式ディップチューブポンプなどのエアレスポンプは一般的に、ユーザの手動による作動、及び/又は圧力を生じる貯蔵潜在的エネルギー(例えば、電池;ばね;又は弾性バンド、チューブ、若しくは他の弾性要素)に依存する。本明細書における使用に適したエアレスポンプの例は、米国特許第6,375,045号、同第6,332,561号、同第6,352,182号、同第6,499,898号、及び同第7,021,495号、並びにPCT公開第2009/028810号及び同第2009/054612号に開示される。また、送達システムとして層剥離パウチが使用されてもよい。
【0030】
特定の実施形態では、塗布表面はリザーバと直接流体連通してもよい。すなわち、パーソナルケア組成物は、リザーバから、アプリケータの塗布表面上に直接移送される。例示の直接的な送達システムは、Wilsonらによる2011年5月24日出願の米国特許出願第20110280647号に開示されている。また、この移送は、勾配のある発泡体、例えば2009年1月8日にGuayによって出願された米国特許出願公開第20090180826号に開示されているものなどを通じて達成することができる。追加として、又は別の方法としては、作動式送達システムは1つ又は2つ以上の中間送達要素を含んでもよく、この中間送達要素はそれぞれ、リザーバから、又は他の中間送達要素からパーソナルケア組成物を受け取り、その組成物を、塗布表面又は他の中間送達要素に移送するように構成される。例えば、アプリケータは、回転可能な塗布ローラーの表面に近接して位置付けられた第1の移送ローラー及び第2の移送ローラーを含んでもよい。第1のローラー及び第2のローラーは、他の移送ローラーの軸及び塗布ローラーの軸にほぼ平行な回転軸をそれぞれ備える、回転可能なシリンダーとして構成されてもよい。一方又は両方の移送ローラーの表面又はその一部は、皮膚と接触する部分の表面と、連続的又は断続的な物理的接触状態であってもよく、あるいは移送ローラーは、移送ローラーが塗布表面に全く接触しないが、塗布表面にパーソナルケア組成物の適した移送をもたらすように位置付けられてもよい。様々な実施形態では、移送ローラーはリザーバを含んでもよい。
【0031】
塗布ローラー及び/又は1つ又は2つ以上の移送ローラーは、パターン形成された表面を含んでもよい。パターンは、三次元構造など、1つ又は2つ以上の同一又は異なる表面形状によって形成されてもよい。表面形状は、同一又は異なる寸法、種類(例えば、凸部か凹部か開口)、又は形状(例えば、楕円形、円形、ひし形、正方形)であってもよい。表面形状は、使用者の皮膚へのパーソナルケア組成物の移送及び/又は塗布を容易にするように選択され得る。パターンは、不連続なドット、ライン、及び/若しくは形状;連続マトリックス;並びに/又はこれらの組み合わせの形態であってもよい。ローラー上の表面パターンは、パーソナルケア組成物が標的表面(例えば、皮膚又は他のローラー表面)上に適用されると、標的表面上に対応するパターンを生じさせる。特定の実施形態では、アプリケータは、製品の非連続的な膜をユーザの皮膚に送達するように構成されているパターン形成された塗布表面を備える塗布ローラーを含んでもよく、これにより自然な外観のカバー力になる。表面のパターンは、ローラーの表面全体に広がる孔(内側部分から外側部分まで)を提供することによってローラー上に形成され得る。別の方法としては又はこれに加えて、パターンは、ローラーの表面上に配置された凹部及び/又は凸部から形成され得る。特定の実施形態において、パーソナルケア組成物は、分配及び/又は塗布中に、パターンの孔を通って塗布表面上に流れることができる。特定の実施形態では、(例えば、表面パターンが凸部を含む場合)、この凸部領域は、ローラーの表面に近接して位置付けられた、例えば、トラフ又はトレイからパーソナルケア組成物を捕捉することができる。皮膚と接触する表面がその表面上に配置された凹部を含む実施形態では、パーソナルケア組成物は凹部内に堆積され、その後、ユーザの皮膚に移送され得る。代表的な表面パターン及びかかる表面パターンを含むローラーは、同時係属のWilsonらの2011年5月24日出願の米国特許出願第13/114257号、及びMcNeilらの2011年3月4日出願の米国特許出願第13/040287号に開示されている。一実施形態では、塗布表面が後退した形状に調整されている場合、塗布表面は、塗布表面の下面と接触する剛性材料によって形成された表面パターンを有してもよい。
【0032】
アプリケータは、ユーザによって把持可能なハンドルを含んでもよい。ハンドルは、携帯用デバイス、特にパーソナルケア組成物を皮膚に塗布するのに使用されるものに用いる携帯用デバイスの使用に既知な、好適な人間工学及び/又は審美的形状を含んでもよい。ハンドルは、アプリケータのリザーバを収容する内部区画を含んでもよい。リザーバは、アプリケータ及び/又はハンドルとは別々に形成され、その後ハンドルの保管区間に配置される一体化された構成要素であってもよい。特定の実施形態では、リザーバは、取り外し可能、交換可能、及び/又は使い捨てであってもよい。例えば、ハンドルは、ユーザによって開けられ、保管区間及び内部に保管されているリザーバの一部又は全てにアクセスするためのドア又は類似の形状を含んでもよい。この方法では、例えばパーソナルケア組成物が使い切られた場合、又はユーザが異なるパーソナルケア組成物を所望する場合、リザーバを取り外す、又は交換することができる。これに加えて又はこの代わりに、1つ又は2つ以上のリザーバが、例えば、スナップ嵌め構成タイプでアプリケータ又はアプリケータ本体の外側表面上に配置されてもよい。実施形態の他の例では、ハンドルは、ユーザが取り外し可能なキャップ(例えば、ねじ付き、スクリューキャップ)をハンドルの端部上に含んでもよい。この例では、キャップが取り外されると、ユーザはリザーバを取り外す、及び/又は交換することができる。あるいは、ハンドル区画は、ユーザがアプリケータを破壊せずにはそれにアクセスできないように、恒久的に封止されてもよい。かかる実施形態では、アプリケータ全体が使い捨てであってもよく、又はハンドルのみが使い捨てであってもよい(すなわち、ハンドル全体は交換可能であってもよい)。特定の実施形態では、リザーバは、アプリケータ及び/又はハンドルの製造時にハンドル区画に形成された一体型形状であってもよい。一体型リザーバは、ハンドル区画の内側表面から延びる1つ又は2つ以上の壁部によって画定されてもよい。このハンドル区画は圧搾可能であるか、又は剛性であってもよい。
【0033】
特定の実施形態では、ハンドルの外側表面上に特定の機構、例えば機能セレクタ、組成物セレクタ、ポンプアクチュエータ、及び/又は選択された機能又は組成物をユーザが不注意に変更する、及び/又はパーソナルケア組成物を不注意に排出するのを防ぐ固定機構を位置付けるということが望ましい場合がある。ハンドルはまた、ユーザに、アプリケータの1つ又は2つ以上の機能に関する視覚的な指示、例えばその機能のアクセス方法又は使用方法を提供する表示部を含んでもよい。この視覚的指示は、音声であってもよく、又は音声でなくてもよい。
【0034】
様々な実施形態では、アプリケータは様々な柔らかさ/硬さを提供することができる。
図1に示されるように、アプリケータを幅広の形体から、より精密な、すなわち、より集中した形体へと変化させると、アプリケータ表面が次第に硬くなる。一般的に、アプリケータは、柔軟及び思い通りの形に変形可能なように作製されてもよく、アプリケータがより精密な形体に変化すると、アプリケータの表面は、より硬くなる。
【0035】
様々な実施形態において、アプリケータは、可変の表面粗さを提供してもよい(例えば、アプリケータの研削性を変更させる)。送達システムに取り付けられたアプリケータ表面は、表面に関連する研削要素を有してもよい。幅広の構成では、粒子は互いに密接し、実質的な剥離をもたらすが、目盛りを上げてアプリケータを指先様の構成へと変化させると、研削粒子は更に広がり、アプリケータ表面の研削性のレベルが減少する。更に、織物表面に、又は織物表面の下に取り付けられた指先様の研削表面は、平坦な安静位から伸張した形状まで表面が再度構成されるときに、再度位置決めされてもよい。これは、研削設定用でも及び非研削設定用でも可能である。
【0036】
様々な実施形態では、アプリケータは修正可能な表面パターンを提供することができる。アプリケータ表面は変更され、かつ伸張され得るため、アプリケータ表面上の三次元のパターンは、表面を平面から円錐様へと変更させることによって変更されてもよく、これは、このアプリケータヘッド上に存在する任意の三次元の構造間の距離を変更し、その結果、異なる堆積パターンとなる。
【0037】
様々な実施形態において、アプリケータは、皮膚に塗布される製品の厚さを変化可能にする三次元の表面構造の変形を提供し得る。三次元の輪郭が一般的な形状からより円錐様のアプリケータへ移動する間を通じて、皮膚上に堆積された膜の厚さもまた修正され得る。大容量のボディウォッシュ・ディスペンサとして使用するスクラブ動作を提供するために、典型的な織物表面及び弾性表面に加えて、剛毛の又は指状のゴム表面が追加されてもよい。
【0038】
様々な実施形態では、アプリケータは、塗布される表面に幅広及び限定された制御を用意するために、平坦から円錐へと「流れるように変形される」アプリケータ表面を提供し得る。
【0039】
様々な実施形態では、この機構は、流水式製品送達を可能にし、表面の浸漬又は再充填を回避するために、リザーバの上に配置されることを意図されている。アプリケータに、使用を中断させることなく、連続的して薬の再充填をしてもよい。結果として、リザーバは、アプリケータの経験を通じてこれまでずっと、片手で使用するアプリケータと併用されてきた。
【0040】
図1は、パーソナルケア組成物を、顔の皮膚などの皮膚に塗布するのに適したアプリケータ100の例示の実施形態を示す。アプリケータ100は、本体130に結合されたヘッド110と、長手方向の中心線Lを含む。
図1に示されているように、ヘッド110は、支持フレーム120に機械的に結合された、回転可能な塗布ローラー112の形態の塗布表面を含み得る。本明細書に開示の回転可能なローラーはそれぞれ、当業者によって理解されるように、回転軸の周囲で回転するように構成される。
図1に示されている支持フレーム120は、塗布ローラー112は回転可能である一方で、アーム116、118は回転可能ではないように、回転可能な塗布ローラー112の対向する側面に機械的に結合された2つの対向するアーム116、118を含む。固定された構成要素を回転する構成要素に機械的に結合するのに既知である、任意の適した手段を使用することができる。例えば、アーム116、118は、アプリケータローラー112における開口部を通じて、長さ方向に延びるシャフトに結合されてもよい。特定の実施形態では、塗布ローラー112は、一方又は両方の端部において、シャフト及びアプリケータローラー112に動作可能結合されている玉軸受アセンブリを含むことによって、回転の手段を提供している。
図1に示されるアプリケータ100は、アプリケータ100のヘッド110から離れる方向へと延び、細長い方向は長手方向中心線Lに平行であり、ユーザが把持するのに適しているハンドル132を含む。ハンドル132は、内部に保管空間134を含み、これは1つ又は2つ以上のリザーバ136、138を受取り、かつ保管するように構成されている。アプリケータ100は、1つ又は2つ以上の回転可能な移送ローラー140、142を含み得る。
図1に示されるように、移送ローラー140、142は、リザーバ136、138からパーソナルケア組成物を受取り、このパーソナルケア組成物を回転可能な塗布ローラー112に移送するように構成される。パーソナルケア組成物は、例えば適した移送チューブ146、148などを通じて、リザーバ136、138から移送され得る。これに加えて、又はこの代わりに、マニホールド150又は他の同様な機能が含まれ得るが、これは、流体の混合、又は移送ローラーの表面上のパーソナルケア組成物の更なる分配用の別個の材料の送達146、148のための複数流の流れ制御を提供するためである。
【0041】
上記のアプリケータ100は、皮膚に複数のパーソナルケア組成物を塗布するための、並びに複数の機能を実施するための、改善された装置を提供する。しかしながら、ヒトの顔など、一部の本体表面は平坦ではない。結果として、上記に例示した塗布ローラー112などの塗布表面は、皮膚に接触する塗布ローラー112の部分に沿って、不均一な圧力の分布を経験する場合がある。塗布ローラー112上の圧力の不均一は、皮膚へのパーソナルケア組成物の不均一な塗布となる恐れがある。更に、一部のユーザは、ユーザがアプリケータローラー112をユーザの顔又は他の身体領域にわたって移動させるとき、アプリケータに比較的均一な圧力を適用するのは難しいと気づく場合がある。この問題に対する解決策を提供するために、塗布ローラー112上への不均一な圧力を補うパーソナルケアアプリケータを提供することが望ましい場合がある。
【0042】
図2は、顔などの標的表面上に見出された様々な形状及び/又は曲線を補う、アプリケータ200の例示の実施形態を示す。アプリケータ200は、ヘッド210及び本体230を含む。アプリケータヘッド210は、支持フレーム220に機械的に結合された回転可能な塗布ローラー212を含む。回転可能な塗布ローラー212は、回転可能なローラー212内の開口部215を通じて長さ方向に延びるシャフト213を中心として回転する。シャフト213は、一体型シャフト213であってもよく、又は、一緒に結合された2つ又は3つ以上の別個の構成要素が結合してシャフト213を形成してもよい。特定の実施形態では、アプリケータ200は、塗布ローラー212、及び必要に応じてシャフト213の回転を促進するのに適した構成の、1つ又は2つ以上の玉軸受アセンブリを含んでもよい。
図2に示されるように、シャフト213は、支持フレームの対向するアーム216、218に結合されてもよい。特定の実施形態では、シャフト213は、一体型支持フレーム220の一部として形成されてもよい。アプリケータの本体230はハンドル232を含む。ハンドル232内には、1つ又は2つ以上のリザーバがあり、それぞれパーソナルケア組成物を収容する。パーソナルケア組成物は、例えばアプリケータ200のハンドル232上でアクチュエータ270を操作することによって、リザーバから外へ付勢される。パーソナルケア組成物は、移送ローラー240の表面に移送される。移送ローラー240は次いで、塗布ローラー212の表面に組成物を移送する(例えば、移送ローラー240の表面と塗布ローラー212の表面との間の毛細管圧の勾配によって)。アプリケータ200の本体230とヘッド210との間に、圧力分配器260が位置付けられている。圧力分配器260は、アプリケータローラー212又はアプリケータヘッド210全体が、半径方向R(すなわち、アプリケータ200の本体230に向かって、及びアプリケータ200の本体230から離れて)で移動するのを可能にすることによって、アプリケータローラー212を不均一な標的表面にわたって回転させたときに遭遇する不均一な圧力分配を補う。特定の実施形態では、圧力分配器260はベロー型ばねの形態であってもよく、これは、典型的にはヒトの顔又は他の身体表面にわたる塗布ローラーの回転に関連する圧力を補うように一定に選択された、所定のばね定数を有する。例えば、ばね定数は、0.19〜1.96N(20〜200gの力)をもたらすように構成されてもよい。圧力分配器260はベロー型ばねに限定されないが、適した弾性変形及び/又は抵抗をもたらすいかなる材料、例えば弾性的に膨張可能かつ圧縮可能な発泡体を含み得るということが理解される。
【0043】
これまで言及したように、ヒトの顔などの特定の身体表面は、様々な形状及び曲線を有し、これは全体に不均一な表面を作り出す傾向がある。例えば、頬が鼻にぶつかる顔の部分は、比較的狭い隙間を形成するが、頬自体は比較的広く、平坦な標的表面をもたらす傾向がある。鼻と上唇の間の顔の領域などの顔の他の領域、鼻と目の間の顔の領域、及び下唇と顎の間の領域は全て、それら自体の固有の地形的特徴を提供する。顔の「届きにくい」領域又は非平坦な領域に、パーソナルケア組成物、例えば、化粧品の塗布を試みた結果として、塗布された組成物は、望ましい効果(例えば、欠点を隠す)をもたらさない場合がある。したがって、ユーザがパーソナルケア組成物を、顔の様々な領域に均一に塗布することを可能にするアプリケータを提供することが望ましい場合がある。
【0044】
図3は、取り外し可能かつ再取り付け可能な4つの塗布ローラー312A、312B、312C、及び312Dの形態の、塗布表面を含む例示のアプリケータ300を示す。塗布ローラー312A〜Dは、1回に1つずつ支持フレーム320に交代で結合されてもよい。支持フレーム320は、例えば機械的な結合によって、又は一体型形状として、アプリケータ300の本体330に結合される。アプリケータ300は、リザーバからパーソナルケア組成物又は他の中間構成成分を受け取り、そのパーソナルケア組成物を塗布ローラー312に移送する、移送ローラー340を含んでもよい。様々な実施形態では、移送ローラー340は、パーソナルケア組成物が提供されるアプリケータローラーの一部を選択的に限定する遮蔽シースを含んでもよい。
【0045】
パーソナルケア組成物は、エアレスポンプによって1つ又は2つ以上のリザーバから付勢されてもよく、このエアレスポンプは、例えばアプリケータ300のハンドル332上に配置されたボタン370によって起動される。様々な塗布に対する要求に対処するための広範な塗布の構成を提供するために、取り外し可能かつ再取り付け可能なローラー312A〜Dは、例えばスナップ嵌めによって支持フレーム320に別々に結合されてもよい。したがって、取り外し可能かつ再取り付け可能なローラーの群において、ローラーは、本明細書に開示の、及び/又は当該技術分野で既知のいずれかの実施形態を含め、寸法(幅及び直径)、形状、塗布表面、及び/又は他の構造において互いに異なっていてもよい。
【0046】
例えば、第1の塗布表面の構成312Aは、シリンダー(すなわち、その直径よりも大きい長さを有する形状)に類似している塗布表面を提供し、これは本体の比較的大きな表面領域にわたって、パーソナルケア組成物を塗布するのにより適している。しかし、第1の構成312Aは、届きにくい領域にパーソナルケア組成物を塗布するのには適していない場合がある。対称的に、第4の塗布表面の構成312Dは、ディスク(すなわち、長さ方向においてその長さよりも実質的に大きい直径を有する形状、例えば10倍、20倍、100倍、又はそれ以上)に類似する塗布表面を提供する。ディスク形状の塗布表面312Dの比較的狭い縁部上にパーソナルケア組成物を配置することによって、パーソナルケア組成物は、ユーザの顔及び身体の届きにくい領域により容易に及び効果的に塗布され得る。特定の実施形態では、アプリケータ300は、パーソナルケア組成物を、最も届きやすい領域と最も届きにくい領域の間に属する、顔及び/又は身体の領域に塗布するために、第1の中間構成312B及び第2の中間構成312Cを含んでもよい。
【0047】
当然ながら、アプリケータ300は、様々な中間構成を含むということが理解され、この中間構成は、標的表面の特定の領域にパーソナルケア組成物を塗布するのに、より適した塗布表面をユーザに提供することができることが理解される。交換可能な塗布ローラー312A〜Dは再利用可能であってもよく、又は使い捨てであってもよく、あるいは、アプリケータ300と同じパッケージで市販されてもよく、又は所望により、別個に販売されてもよい。本明細書に開示の代表的な実施形態は、調節可能でない、交換可能なローラーに関するが、塗布ローラー312A〜Dが調節可能である実施形態もまた本明細書において想到されるということが理解される。例えば、交換可能な塗布ローラー312A〜Dは、以下において、より詳細に説明されている1つ又は2つ以上の調節可能な位置決めシステムと併せて使用されてもよい。
【0048】
様々な実施形態では、アプリケータ300は、2つ又は3つ以上の取り外し可能かつ再取り付け可能な移送ローラーの群、例えば340を含んでもよく、これは支持フレーム320に1回に1つずつ交互に結合され得る。取り外し可能かつ再取り付け可能な移送ローラーの群において、ローラーは、本明細書に開示の、及び/又は当該技術分野で既知のいずれかの実施形態を含め、寸法(幅及び直径)、形状、塗布表面、及び/又は他の構造において互いに異なっていてもよい。例として、複数の移送ローラーは、対応する使用のために、1つの塗布ローラーを備えてもよい。他の実施例として、1つの移送ローラーは、対応する使用のために1つの塗布ローラーを備えてもよく、複数対のそのような対応ローラーが提供されてもよい。更なる例として、1つの移送ローラーは、対応する使用のために、複数の塗布ローラーを備えてもよい。
【0049】
別の実施形態では、移送ローラー、支持フレーム、及び塗布ローラーは、取り外し可能かつ再取り付け可能なアプリケータヘッドとして互いに結合されてもよく、様々な塗布の要求のために様々なアプリケータヘッドの使用を可能にするために、複数の様々なアプリケータヘッドがアプリケータ300用に提供されてもよい。各アプリケータヘッドに関して、移送ローラー及び塗布ローラーは、様々な種類の塗布性能を提供するために、本明細書に開示のいずれかの実施形態から選択されてもよい。
【0050】
図4A及び4Bは、外部の調節可能な位置決めシステム490を含む、アプリケータ400の例示の実施形態を示し、これはユーザの操作により塗布ローラー412の設定を変更することができる。本明細書で使用するとき、調節可能な位置決めシステム490と併用して、用語「外部」は、調節可能な位置決めシステム490が、塗布ローラー412の外側全体に配置されているということを意味する。調節可能な位置決めシステムは、塗布ローラー412の、対向する端部に位置付けられた、2つ又は3つ以上の圧縮要素474,476を含み得る。所望により、一方又は両方の圧縮要素474、476は、塗布ローラー412に取り外し可能及び/又は再取り付け可能に結合され得る。圧縮要素474、476は、支持フレーム420を介して位置セレクタ475を位置付けるよう動作可能に結合される。位置セレクタ475は、ユーザが意図するように操作され、圧縮要素474、476は、それらがローラー412に圧縮力を適用するように、互いに向かって付勢される。塗布ローラー412が、柔軟な又は圧縮可能な材料から形成された場合、ローラー412の形状は、
図4Bに示されるように圧縮要素が互いに向かって移動するのに応じて変化する。特定の実施形態では、位置セレクタ475は、第1の位置及び第2の位置を有し、これはユーザが、
図4Aに示されるより広い塗布ローラー412と、
図4Bに示されるより狭い塗布ローラー412との間で自由に切り替えを選択することができる。勿論、位置決めシステム490は、3つ以上の異なる位置(例えば、3、4、5、又は任意数の、完全に伸長している位置と完全に圧縮している位置の間の中間位置)を提供するように構成され得るということが理解される。
【0051】
特定の実施形態では、位置決めシステム490は、折り曲げ部481、483それぞれから、圧縮要素474、476に向かって延びる第1の位置決めアーム部分477、479と、折り曲げ部481、483それぞれからアプリケータ400の本体430に向かって延びる第2の位置決めアーム部分482,484と、を含み得る。塗布ローラー412が完全に伸長したとき(すなわち完璧には圧縮されていないとき)、第1の位置決めアーム部分477,479が90°未満の角度を形成するように、第1の位置決めアーム位置477、479及び第2の位置決めアーム位置を配置するのが望ましい場合がある。しかしながら、90°以上の角度も本明細書で想到される。第2の位置決めアーム部分482,484は、第1のセレクタアーム488、及び第2のセレクタアーム489にそれぞれ結合され得る。位置セレクタ475は、第1のセレクタアーム488及び/又は第2のセレクタアーム489に機械的に結合されるか、又は一体型に形成されるボタン又はスイッチを含んでもよい。スイッチが、ユーザの意図によって第1の位置から第2の位置に移動されると、力はセレクタアーム488,489と、位置決めアームとに伝わり、これにより、圧縮要素474が圧縮されるべき塗布ローラー412に対し圧力をかける。
【0052】
柔軟な又は圧縮可能な材料は、適した調節可能な塗布ローラーを提供することができるが、ローラーの形状を、ローラーが特定の構成にあるときに安定化させるために、補強構造体をローラー内に含むことが望ましい場合がある。
図5A〜5Cは、塗布ローラー内部を通じて延びる複数のリブ523を含む、調節可能な塗布ローラー512の例示の実施形態を示す。リブ523は、塗布表面522の厚さに基本として所定の深さにおいて塗布表面522の下に位置付けられ、更なる安定性及び支持をもたらす。リブ523は、それらが適した安定性を提供し、調節可能な塗布ローラー512の圧縮及び/又は膨張に対し好ましくない干渉をすることがない限り、当該技術分野において既知の任意の好適な材料から形成されてもよい。
図5Bに示されるように、各リブ523は、第1のリブ部分526及び第2のリブ部分527を含んでもよく、これらの対向する端部は、圧縮要素574、576に結合される。第1のリブ部分526及び第2のリブ部分527は、長さが等しくてもよく、又は等しくなくてもよく、塗布ローラー512の長手方向中央において、又は中央付近において互いにヒンジで結合されてもよい。
図5Aに示されるように、塗布ローラー512が完全に伸長したとき(すなわち、圧縮力がかけられていない)、リブ523は、塗布ローラー512の長さ全体にわたって軸方向に延びてもよい。リブ523は剛性であってもよく、又は曲げやすい弾性であってもよい。様々な実施形態では、弾性リブの一部又は全ては、塗布ローラー512が最も広いロール面の幅まで調節されるときに、プリテンション加工されていてもよい。
【0053】
図5Bは、表面522を有さない、
図5Aの例示の調節可能な塗布ローラー512を示す。塗布ローラー512が、
図5Bに示されるように圧縮されると、リブ523は、ヒンジ524において放射状外向きに曲がり始める。柔軟な又は圧縮可能な材料がリブ523の上に配置され、表面522を形成する場合、柔軟な又は圧縮可能な表面522は、リブの新しい位置に適合し、形状が変化する。
図5Cは、
図5Bが更に圧縮されている状態の調節可能な塗布ローラー512を示す。
図5Cに示されるように、リブ523は、ヒンジ524において、放射状に外向きに曲がり続け、リブ上に柔軟な表面材料を配置することができる安定したフレームワークを提供する。様々な代替の実施形態では、リブ523は、弾性(resilient)材料又は弾性(elastic)材料から作製することができ、これはローラーの端部間でプリテンション加工されていてもよく、又はされていなくてもよい。
【0054】
従来の軽く叩くタイプ(dabbing)のアプリケータは、例えば、ヒトの顔又は身体のような、様々な異なる曲線及び形状を有する標的表面へ組成物を塗布するアプリケータに要求される程度には、交換可能でもなく、又は変形可能でもなかった。更に、軽く叩く及び拭き取り動作のみでは、皮膚の局所適用組成物に要求される最高の質感及び層状になった塗布を提供しないということがあった。したがって、身体の様々な曲線にパーソナルケア組成物を予想どおりに堆積することができるアプリケータを提供することが望ましい。
【0055】
図6A及び6Bは、回転可能な調節可能な塗布ローラー612を含むアプリケータ600の例示の実施形態を示す。塗布ローラー612は、矢印601によって示される方向に回転可能である。調節可能な塗布ローラー612は、ハンドル632を含んでもよく、これはユーザによって把持可能であり、パーソナルケア組成物を収容する1つ又は2つ以上のリザーバの受け取り及び保管に適している内部保管空間を含む。
図6Aに示されているように、塗布ローラー612は、パーソナルケア組成物を受け取り、かつ塗布するための比較的大きな表面622を提供する第1の構成を有し得る。対称的に、
図6Bは、塗布ローラー622が圧縮されている第2の構成の塗布ローラー612を示す。
図6Bのより小さな表面622は、届きにくい領域など、ユーザの顔の特定の部分にパーソナルケア組成物を塗布するのに好適であり得る。特定の実施形態では、アプリケータ600は、塗布ローラー612を回転させることができるシャフト608を含み得る。
【0056】
図7は、線7−7に沿った調節可能な塗布ローラー612の断面図を示す。
図7に示されるように、塗布ローラー612は、塗布表面622の下で軸方向に延びる1つ又は2つ以上のリブ623を含み得る。シャフト608は、アプリケータ600の本体630内で1つ又は2つ以上のリザーバと流体連通する中空のチューブとして構成されてもよい。1つ又は2つ以上のリザーバのそれぞれは、1つ又は2つ以上のパーソナルケア組成物(例えば、クリ−ナ及び/又はファンデーション)を収容することができる。中実のシャフトを含む実施形態も本明細書で想到され、塗布ローラー612の表面622にパーソナルケア組成物を送達する別の手段を含んでもよい(例えば、外部チューブ、移送ローラーなどの中間要素、パーソナルケア組成物と液体連通する吸い上げ材料、及び塗布ローラー612)。シャフト608は、チューブ様の構造として構成されたとき、1つ又は2つ以上の開口部611を含んでもよく、その内部を通じて液体パーソナルケア組成物が塗布表面622への移送用のチューブ様のシャフト608を出ることができる。特定の実施形態では、塗布ローラー612は、発泡体又は他の多孔性/可撓性表面材料など、パーソナルケア組成物の流れを可能にする、あるいはシャフトにおける開口部611から塗布表面622までパーソナルケア組成物を更に能動的に移送する(例えば、毛管現象を介して)材料から形成されてもよい。特定の実施形態では、液体パーソナルケア組成物は、本明細書で上記の1つ又は2つ以上のエアレスポンプなど、エアレスポンプによって、チューブ様のシャフト608を通じて付勢されてもよい。かかる実施例では、エアレスポンプは、アプリケータの本体630上に配置されたボタン670又はレバーを押す、又は押し込むことによって操作されてもよい。ポンプは手動で、又は電池で操作されてもよい。アプリケータ600は、
図7に示されているように、塗布ローラー612の対向する端部(例えば、上部及び下部)上に位置付けられている一対の圧縮要素674、676の対を含み得る。圧縮要素674、676の一方又は両方は可動であってもよい。特定の実施形態では、下部の圧縮要素674は、可動であってもよい一方で、上部の圧縮要素は単一箇所に固定される。例えば、下部の圧縮要素674は、シャフト608に沿って、上部の圧縮要素676に向かって移動してもよく、その一方で上部の圧縮要素676は、シャフト608に恒久的に結合されるか、又はこれと一体型の要素として形成される。一方又は両方の圧縮要素674、676は、例えば、アプリケータ600の本体630上に位置付けられた位置セレクタ675を操作することによって、互いに向けて移動されてもよい。特定の実施形態では、位置セレクタは、チャネル668に位置する摺動自在アーム又はボタン669の形態であってもよい。ユーザが、開始位置(すなわち、塗布ローラー612がほとんど圧縮されていない、又は全く圧縮されていない)から、第2の位置まで、チャネル668に沿ってアーム若しくはボタン669を摺動させる場合、一方又は両方の圧縮要素674、676は、塗布ローラー612に圧縮力を適用するように移動し、これによって形状変化を生じさせる。
【0057】
図8は、完全に圧縮された構成にある塗布ローラー612を備えるアプリケータ600を示す。圧縮された塗布ローラー612は、アーム又はボタン669を開始位置まで摺動させることによって非圧縮構成(部分的又は完全に)に戻すことができる。調節可能な塗布ローラー612は、任意数の中間構成(すなわち、完全に圧縮されている状態と全く圧縮されてない状態の間)を有してもよく、アーム又はボタン669はかかる中間構成に対応する複数の設定を有してもよい。
【0058】
図9Aは、内部の調節可能な位置決めシステムを含む、アプリケータ900の例示の実施形態を示し、これはユーザが塗布ローラー912の設定を変更することによって操作することができる。本明細書で調節可能な位置決めシステムと共に使用するとき、用語「内部」は、調節可能な位置決めシステムが、塗布ローラー912の内部に配置されているということを意味する。塗布ローラー912が柔軟な又は膨張可能な圧縮性材料から形成される場合、内部の位置決めシステムは、ユーザが位置決めシステムを意図するように操作するとき、ローラー912の形状を例えば
図9Aに示されているディスク形状から、
図9Bに示されているドーム形状まで(又は逆もまた同様)変更することができる。特定の実施形態では、内部の位置決めシステムは、アプリケータ900の外側部分上(例えば、アプリケータ900の本体930上)に配置された操作可能な位置セレクタ975を含み得る。位置セレクタ975は、第1の位置及び第2の位置を含んでもよく、これはユーザが第1の構成と第2の構成を切り替えることによって自由に選択され得る。第1の構成は、顔及び/又は身体の比較的広い領域にパーソナルケア組成物を塗布するのに好適であってもよく、一方、第2の構成は、届きにくい領域にパーソナルケア組成物を塗布するのにより適している。勿論、位置決めシステムは、3つ以上の異なる位置(例えば、3、4、5、又は任意数の、完全に伸長している位置と完全に圧縮している位置の間の中間位置)を提供するように構成され得るということが理解される。
【0059】
図10は、
図9Bのアプリケータ900の線10−10に沿った断面を示す。
図10に示されているように、アプリケータ900は内部の調節可能な位置決めシステム990を含む。内部の位置決めシステムは、1つ又は2つ以上の中間要素によって塗布ローラー912に機械的に結合されている位置セレクタ975を含み得る。
図10に示されるように、内部の位置決めシステム990は、本体930の中心部分から外に延びる、固定された、ねじ付きロッド980を含み得る。ねじ付きロッド980上に、可動位置決め要素960が位置付けされており、これはユーザが位置セレクタ975を操作することに応答して、ねじ付きロッド980を昇り降りする。可動の位置決め要素960は、ばね970(例えば、円錐の圧縮ばねなど)及び/又は他の弾性材料に結合され、これによって可動要素960がねじ付きロッド980を上方に移動するとき、塗布ローラー912及びばね970の両方は、位置決め要素960の方向に移動する。この実施例では、円錐のばねが使用され、これによって、このばねは、膨張した塗布ローラー912の円錐形状に類似の円錐形状内に延びる。膨張時に、ばね960は本明細書で上述のようにリブに類似の安定した支持構造を提供してもよい。更に、ばね980は、位置セレクタ975が解放されたときに、塗布ローラーが弛緩し、膨張していない構成に戻るのを助ける対向力を提供する。特定の実施形態では、塗布ローラー912が膨張していない構成に意図せず戻るのを防ぐ固定機能を提供するのが望ましい場合がある。
【0060】
図11は、
図9Aのアプリケータ900の線11−11に沿った断面図である。
図11に示されるように、アプリケータローラー912は膨張していない構成である。ばね980は、ばね980自体に入れ子になり、膨張していない構成において、安定した実質的に平坦な表面を提供するように選択されてもよい。
【0061】
図12は、製品収集システム750を含むアプリケータ700の例示の実施形態を示す。アプリケータ700は、例えば、ピストン773に機械的に結合された、アクチュエータ770を含むエアレスポンプによって分配され得る、パーソナルケア組成物を保管するためのリザーバ732を含む。リザーバ772が満杯であるとき、ピストン773は、リザーバ772の底部に位置付けられ、例えば分配開口部764などによって製品が分配されるにつれ、ピストン773は上方に移動し、リザーバ772の容積を減少させる。アプリケータはまた、アプリケータ表面及び/又は標的皮膚表面上に配置された過剰なパーソナルケア組成物を回収するための収集システム750を含んでもよい。収集システム750は、収集されたパーソナルケア組成物を保管するための、ピストン773の下に配置された収集リザーバ755を含む。製品がリザーバ772から分配されるにつれ、ピストン773は上方に移動し、収集リザーバ755の容積は増加し、これによって収集リザーバ755内が低圧、すなわち負圧状態(例えば、真空)になる。収集システム750は、アプリケータ表面(図示せず)及び/又は標的表面に近接して配置された収集ポート752を含む。収集ポート752は、導管753を介して収集リザーバ755と液体連通する。回収リザーバ755に生じた低圧、すなわち負圧は、収集ポート752に伝わり、これによって収集ポート752に近接するパーソナルケア組成物は吸引され、導管753を介して収集リザーバ755に移送される。特定の実施形態では、収集システム750は、パーソナルケア組成物を収集ポート752に向けて移動させるよう機能する、収集バー751又は同様の機能を含んでもよい。例えば、収集バー751は、後退可能なプラスチック片の形態であってもよい。
【0062】
収集バー751は、様々な位置まで調節可能であり、身体表面に沿って覆われ得る様々な関わり合い(engagement)を可能する。様々な実施形態では、収集バーはばね懸架式であってもよい。収集バー751は、様々な伸長長さに直線的に調節可能であり(751L)、ユーザの身体表面との様々な関わり合いを可能にする。収集バー751は、ユーザが伸長長さを調節するときに押す、戻り止め751Tを有する。収集バー751は、様々な伸長長さごとの定位置に固定するように構成されてもよい。収集バー751はまた、装置の本体から突出しないように完全に後退可能であってもよい。収集バー751は、枢動点751Pの周囲で枢動751Rを行い、様々な角度に調製し、ユーザの身体表面との様々な関わり合いを可能にするように構成される。様々な実施形態では、枢動可能な収集バーは、様々な枢動位置ごとの定位置に固定するように構成され得る。収集バー751はまた、化粧用装置700の本体の外側の周囲における様々な位置に調節可能である(751A)。
【0063】
様々な実施形態では、収集バーの遠位端は、
図12の要素756で総称的に示されている収集バーの端部要素と共に構成されてもよい。
図12は、第1の例示の収集バー端部要素756Aを示し、これは、高堆積及び低堆積の領域を塗布するか、除去するための歯が付いたアプリケータである。
図12はまた、第2の例示の収集バー端部要素756Bを示し、これは毛を剃毛するためのかみそりである。
図12は、第3の例示の収集バー端部要素756Cを更に示し、これは皮膚を研削するための研磨要素である。更に、収集バー要素はまた、櫛、剛毛ブラシ、非平滑化表面、及び布地材料であってもよい。収集バー端部要素は、組成物を塗布するため及び/又は身体表面を機械的に処置するために、様々な他の形態をとってもよい(本明細書に開示の任意の要素の組み合わせを含む)。収集バー端部要素756は、収集バー751の遠位端に近接して配置されている枢動点756Pの周囲で、枢動756Rを行うように構成される。様々な実施形態では、枢動可能な収集バー端部要素は、様々な枢動位置ごとの定位置に固定するように構成され得る。
【0064】
収集バー端部要素は、アプリケータの任意の部分上に任意の有用な向きで配置されてもよい。収集バーは、アプリケータの頂面、底面、又は側面のいずれかに配置されてもよい。更に、アプリケータは、本明細書に記載のいずれかの方式で構成された2つ以上の収集バーを含んでもよい。
【0065】
パーソナルケア組成物
特定の実施形態では、本アプリケータ内のパーソナルケア組成物、化粧用ファンデーション、又はコンシーラを提供することが望ましいことがある。化粧用ファンデーション及びコンシーラの好適な例は、2010年7月23日のHodgsonらにより出願された同時係属の米国仮特許出願第61/367230号に開示されている。代表的なファンデーション及び/又はコンシーラには、1つ又は2つ以上の被膜形成ポリマー、日焼け止め活性物質、可塑化溶媒、粒子、オイル、乳化剤、エラストマー、顔料、並びに化粧用ファンデーション及びコンシーラに一般的に組み込まれる成分が挙げられ、これらを以下に詳細に説明する。
【0066】
被膜形成ポリマー
本明細書に使用する好適な被膜形成ポリマーは、皮膚上に薄いエラストマーフィルムを形成することができる。18℃〜38℃(例えば、室温〜身体温度)のガラス転移温度(Tg)を有する、ファンデーション又はコンシーラを仕上げるために、被膜形成ポリマーを選択してもよい。「ガラス転移温度」又は「Tg」は一般的に、可塑剤がない場合にポリマーが軟化する、すなわち脆性から塑性に転移する温度を指す。これは塗布及び装着時の可撓性ポリマーを提供する。Tgが高すぎる場合、ファンデーションは塗布しづらく、剥がれる場合がある。Tgが低すぎる場合、ファンデーションは粘着性が低く(及びおそらくより凝集性である)、塗布時に「球状になりやすくなる」傾向にある。本明細書に用いるのに好適なポリマーは、熱硬化性ではなく、熱可塑性であり得る。更に、取り扱うのに十分流動的であり、分散相又は内相として最終エマルション組成物にある程度混ぜ合わされるのに十分流動的である水相を提供するようにポリマーを選択する必要がある。被膜形成ポリマーの非限定的な例には、スルホポリエステル樹脂、例えばAQスルホポリエステル樹脂(例えば、Eastman Chemicalsから入手可能なAQ29D、AQ35S、AQ38D、AQ38S、AQ48S、及びAQ55S);Air Productsから入手可能なVinex樹脂、例えばVinex 2034、Vinex 2144、及びVinex 2019;Azko Nobelから入手可能なDermacryl(登録商標)樹脂などの水分散性アクリル樹脂;Guangzhou Tinci Materials Technology Co.,Ltd.及びNalco Companyから入手可能なものなどのポリクオタニウム;ポリウレタン(例えば、Bayer Materials Sciences CoからのBaycusan(登録商標)C1000シリーズ)、BASFから入手可能なLuviskol(登録商標)K17、K30及びK90を含むポリビニルピロリドン(polyvinlypyrrolidone)(「PVP」);PVP/VA S−630及びW−735を含むPVP水溶性コポリマー、並びにPVP/ジメチルアミノエチルメタクリレートコポリマー(例えば、ISPから入手可能なコポリマー845及びコポリマー937)が挙げられる。特に適したポリマーにはAQ38S及びPVPが挙げられる。典型的には、ポリマーは化粧品組成物の重量を基本として0.5重量%〜10重量%のレベルで、例えば1重量%〜8重量%で存在する。
【0067】
日焼け止め活性物質
日焼け止め活性物質は、太陽の紫外線(UV)放射線の少なくとも一部を吸収又は反射する成分又は組成物であり、一般に皮膚の局所的適用組成物に組み込まれる。日焼け止め活性物質は、有機又は無機であってよい。有機日焼け止め活性物質は、親水性有機日焼け止め活性物質、疎水性有機日焼け止め活性物質、及びこれらの混合物であってよい。特に適した日焼け止め活性物質は、組成物の重量を基本として、0.1重量%〜16重量%、0.2重量%〜12重量%、又は更には0.5重量%〜8重量%で存在するUV吸収有機日焼け止め活性物質である。例示の日焼け止め活性物質は、Wenning及びMc Ewen編、CTFA International Cosmetic Ingredient Dictionary and Handbook,7
th edition volume 2,pp.1672(The Cosmetic,Toiletry,and Fragrance Association,Inc.,Washington,D.C.1997)に説明されている。
【0068】
無機日焼け止め活性物質の非限定的な例には、二酸化チタン及び酸化亜鉛粒子が挙げられる。かかる金属酸化物粒子は、100nm以下の平均一次粒径を有してもよい。これらの粒子は、日焼け止め等級の二酸化チタン、日焼け止め等級の酸化亜鉛、及びこれらの混合物から選択され得る。これらの粒子は、従来の処理を用いて表面処理及び/又はコーティングされてもよい。市販の日焼け止め剤金属酸化物粒子の例としては、Kemira Corp.からのM262、Ishihara Corp.からのTTO S−3及びTTO S−4が挙げられる。組成物は、全組成物の0.05重量%〜15重量%、0.5重量%〜10重量%、又は更には1重量%〜5重量%の日焼け止め級の金属酸化物粒子を含んでもよい。
【0069】
疎水性有機日焼け止め活性物質の適した例には、シンナメート誘導体(例えば、メトキシケイ皮酸エチルヘキシル及びメトキシケイ皮酸エステルエチル);アルキルβ,β−ジフェニルアクリレート誘導体(例えば、エチル2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート)及び2−エチルヘキシル2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート);α−シアノβ,β−ジフェニルアクリレート誘導体;アントラニレート誘導体(例えば、アントラニル酸メチル);ベンゾフェノン誘導体(例えば、ベンゾフェノンメチル及びトリメチルベンゾフェノン);樟脳誘導体(例えば、ベンジリデン樟脳スルホン酸);ジベンゾイルメタン誘導体(例えば、ブチルメトキシジベンゾイルメタン、エチルヘキシルメトキシジベンゾイルメタン、及びイソプロピルジベンゾイルメタン);p−アミノ安息香酸誘導体(例えば、p−アミノ安息香酸ブチルエステル及びp−アミノ安息香酸);サリチル酸誘導体、トリアジン誘導体(トリス−ビフェニルトリアジン);及びこれらの混合物が挙げられるがこれらに限定されない。特に適している疎水性有機日焼け止め活性物質は、2−エチルヘキシル−p−メトキシケイ皮酸エステル、4−(1,1−ジメチルエチル)−4’−メトキシジベンゾイルメタン;4−イソプロピルジベンゾイルメタン;4−(1,1−ジメチルエチル)−4’−メトキシジベンゾイルメタン、2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、又はこれらの混合物から選択される。4−(1,1−ジメチルエチル)−4’−メトキシジベンゾイルメタンはまた、ブチルメトキシジベンゾイルメタン又はアボベンゾンとしても既知であり、Givaudan Roure S.A.から市販されているParsol(商標)1789及びMerck & Co.,Inc.から市販されているEusolex(商標)9020である。4−イソプロピルジベンゾイルメタンは、イソプロピルジベンゾイルメタンとしても既知であり、Merck & Co.,Inc.からEusolex(商標)8020として市販されている。2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレートはオクトクリレンとしても既知であり、BASFからUvinul N539 SGとして、及びRona/MerckからEusolex OCRとして市販されている。市販されている2−エチルヘキシル−p−メトキシケイ皮酸エステル(オクチルメトキシシンナメートとしても既知である)の例には、BASFからのUvinul MC80及びSymriseからのNeo Heliopan AVが挙げられる。
【0070】
親水性の有機日焼け止め活性物質の好適な例は2−フェニルベンズイミダゾール(phenylbenzimidaole)−5−スルホン酸(PBSA2−フェニルベンズイミダゾール−5−スルホン酸としても既知である)であり、Rona/Merckから製品名Eusolex 232で市販されている。組成物は、全組成物の0.1重量%〜16重量%、0.2重量%〜12重量%、0.5重量%〜10重量%、又は更には0.5重量%〜7重量%の少なくとも1つの有機日焼け止め活性物質を含んでもよい。
【0071】
可塑化溶媒
可塑化溶媒は、一般的に安全であると認識されている、緩徐に蒸発する水混和性又は水分散性の共溶媒である。多種多様の可塑化溶媒が、「CTFA International Cosmetic Ingredient Dictionary and Handbook」(3rd Ed.,Cosmetic and Fragrance Assn.,Inc.,Washington D.C.(1982)pp.575〜580)に列挙されている。特に好適な可塑化溶媒には、緩徐に蒸発するグリコール及びグルコールエーテル、例えばプロピレングリコールなど;ブチレングリコール;ヘキシレングリコール;グリセリン;ジプロピレングリコール;ジプロピレングリコールメチルエーテル(一般にDPMとして既知);プロピレングリコールフェニルエーテル;及びポリエチレングリコール(PEG類)、例えばPEG 4及びPEG 8が挙げられる。他の代表的な溶媒には、プロピレンカーボネート、ジメチルイソソルビド、及びこれらの混合物が挙げられる。可塑化溶媒は、0.5%〜30%、又は更には5%〜20%の量で存在してもよく、溶媒のポリマーに対する割合は10:1〜1:1、又は更には8:1〜2:1の割合で現れる。可塑化溶媒は、水共溶媒、ポリマーに関して好適な溶解度、低揮発性、安定性、及び安全性(すなわち毒性がないこと)を提供するよう選択される。したがって、本明細書の化粧品組成物は、粘着性の感覚、及び塗布された領域上の冷却の感覚(通常はこの感覚は蒸発による)を殆ど又は全くもたらさない安全な溶媒を採用する。可塑化溶媒は、ポリマー及び可塑化溶媒がエマルションの水相内にあり、これによって化粧品の最初の塗布時にユーザの手及び指に接触するポリマーのいずれかの粘着性の感覚を減少させるように選択されてもよい。溶媒は緩徐な蒸発速度を呈し、かつ水相であるため、これはファンデーションの作業性を広げ、認識されるいかなる粘着度の発現も最高で2分間遅らせる。
【0072】
粒子
本明細書では、塗布を改善するための修正に、及び被膜の外観の改善するための修正に、粒子を含んでもよい。更に、皮脂及び汗の成分を吸収し、したがって、皮膚全体のファンデーション被膜が落ちるのを制限することにより、ファンデーション被膜の着用時間を伸ばす粒子を添加してもよい。粒子が少なすぎると、皮膚に塗布されたときに望ましくない「てかり」を呈する化粧品組成物となる可能性があるため、存在する粒子の量は重要である。一方で、化粧品組成物が粒子を多く含み過ぎると、それは皮膚に塗布されたときに望ましくない粉吹き外観を呈する恐れがある。したがって、化粧品組成物の重量に基本として、0.01重量%〜40重量%、0.1重量%〜30重量%、0.5重量%〜10重量%、又は更には1重量%〜7.5重量%の、適した量の粒子を提供することが望ましい場合がある。本明細書に記載の粒子を形成するのに適した材料には、シリカ、デンプン材料、エチレンメタクリレートコポリマー、及びこれらの混合物が挙げられる。例えば、球状シリカ(Presperse ChemicalsからのSpheron P1500、Spheron L1500、Spheron LC−KAA、Spheron 20MB)、水酸化ケイ素、シリコーン処理されたシリカビーズ、雲母、タルク、ナイロン12及びナイロン6(Lipo ChemicalsからのOrgasolシリーズ)、ポリエチレン、オクテニルコハク酸トウモロコシデンプンアルミニウム(National StarchからのDry Flo、Dry Flo Plus)、メチルシルセキオキサン(methylsilsequioxane)樹脂微小球(Momentive Performance MaterialsからのTospearl 145A 又はTospearl 2000);SeppicからのMicropearl M 100(ポリメチルメタクリレートの微小球);Dow Corning Toray SiliconからのTrefil E 506C又はTrefil E 505C(架橋ポリジメチルシロキサンの粒子)、AtochemからのOrgasol 2002D Nat C05(ポリアミドの粒子)、Dyno ParticlesからのDynospheres(ポリスチレン微小球)、エチレンメタクレートコポリマーベースのFloBeads &微小球錯体(Kobo Productsによって販売されるSPCAT12、SPCM12、DSPCSシリーズ)、Microthene(ポリエチレン)、Micropoly 220(ポリエチレン)、シリカ、並びにこれらの混合物である。スチレン/DVBコポリマー(PresperseからのGanzpearl GS−0605及びGS−0805)、PTFE(PresperseからのMicroslip 519)、PMMA(SunjinからのSUNPMMA−COCO130)もまた適している。
【0073】
必要に応じて存在してもよい他の粒子は、30m
2/g〜150m
2/g、50m
2/g〜150m
2/g、又は更には60m
2/g〜150m
2/gの平均表面積を有する酸化鉄粒子を含む。これらの粒子は、化粧品組成物で従来用いられてきた透明な粒子である。これらの粒子は、顔料等級の粒子ではないということが理解される。非顔料の酸化鉄粒子は、透過型電子顕微鏡で測定したときに、100nm以下の平均一次粒径を有してもよい。非顔料の酸化鉄粒子は、透明な黄酸化鉄粒子、透明な赤酸化鉄粒子、透明な黒酸化鉄粒子、及びこれらの混合物から選択することができる。透明な黄酸化鉄は、針鉄鉱、酸化第二鉄水和物、又はCI 77492としても知られている。透明な赤酸化鉄は、赤鉄鉱、酸化第二鉄、及びCI 77491としても知られている。透明な黒酸化鉄は、磁鉄鉱、酸化第一鉄−第二鉄、及びCI 77499としても知られている。市販の透明な酸化鉄粒子の例としてはKoboにより供給されているFAF40TRR、FAF40TRY、CM3F30TRR、CM3F40TRR、CM3F30TRY、及びCM3F40TRY;Noviant製のTrionix(登録商標)材料;並びにSun Chemicals製のSunChroma(登録商標)材料が挙げられる。非顔料の酸化鉄粒子は、全組成物の0.05重量%〜10重量%、0.1重量%〜5重量%、又は更には0.1重量%〜4重量%のレベルで存在してもよい。
【0074】
油
他の配合組成物に対して「キャリア溶媒」として機能し、及びこの配合物が密着しながら顔中に広がるがようにするための、1つ又は2つ以上のオイルをファンデーション又はコンシーラに含んでもよい。このオイルは、揮発性オイル、非揮発性オイル、又はこれらの混合物であってもよい。「不揮発性オイル」という用語は、以下の定義の少なくとも1つを満たすオイルを含む:(a)オイルが25℃及び1気圧にて26.7Pa(0.2mm Hg)以下の蒸気圧を示す、(b)オイルが1気圧で少なくとも約300℃の沸点を有する。オイルは、化粧用組成物の重量を基本として1重量%〜80重量%、10重量%〜70重量%、又は更には15重量%〜65重量%で存在してもよい。必要に応じて、化粧品組成物は、化粧品組成物の重量を基本として、0.1重量%〜20重量%、又は1重量%〜10重量%の揮発性オイルを含み得る。オイルとしては、揮発性で非極性のオイル、不揮発性で比較的極性の高いオイル、不揮発性で非極性のオイル、及び/又は不揮発性のパラフィン系炭化水素オイルが挙げられる。
【0075】
乳化剤
乳化剤又は界面活性剤は、エマルションの安定性及び/又は改善された肌触りを提供するために含まれ得る。乳化剤は、非イオン性、アニオン性、又はカチオン性であってもよく、並びに、化粧品組成物の重量を基本として、0.01重量%〜10重量%、0.1重量%〜10重量%、又は更には0.1重量%〜5重量%の乳化剤濃度で存在してもよい。好適な乳化剤は、例えば、米国特許第3,755,560号(1973年8月28日発行、Dickertら)、同第4,421,769号(1983年12月20日発行、Dixonら)及びMcCutcheonの「Detergents and Emulsifiers」(North American Edition,pages 317〜324(1986))に記載されている。例示の非イオン性界面活性剤は、C10〜C22の脂肪族アルコール、脂肪酸及びソルビタンを主成分とするアルコキシル化化合物である。このような物質は、例えば、Neodolの商標でShell Chemical Companyから市販されており、Pluronicの商標でBASF Corporationから販売されている、ポリオキシプロピレンとポリオキシエチレンとのコポリマーも有用である。Henkel Corporationから入手可能なアルキルポリグリコシドもまた、本明細書で利用し得る。アニオン性乳化剤又はアニオン性界面活性剤には、脂肪酸石鹸、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリルエーテル硫酸ナトリウム、アルキルベンゼンスルホネート、モノ−及びジ−アルキル酸ホスフェート及び脂肪族アシルイセチオン酸ナトリウムが挙げられる。両性乳化剤又は両性界面活性剤には、ジアルキルアミンオキシドや様々な種類のベタイン(コカミドプロピルベタインなど)のような物質が挙げられる。好適な乳化剤の他の例は、米国特許第5,085,856号(Dunphyら);日本特許公開第昭61−83110号;欧州特許出願第522624号(Dunphyら);米国特許第5,688,831号(El−Nokalyら)に見出すことができ、好適なモイスチャーの例は、「Cosmetic Bench Reference」(pp.1.22,1.24〜1.26(1996))に見出すことができる。
【0076】
化粧用として許容可能なキャリアがシリコーン中水型エマルションであるとき、乳化剤は、好ましくは、ポリオキシアルキレンコポリマー、ポリグリセリルコポリマー、又はこれらの混合物であってもよい。シリコーンポリエーテルとしても知られているポリオキシアルキレンコポリマーは、米国特許第4,268,499号に詳述されている。市販のポリオキシアルキレンコポリマーの例としては、Dow Corning Corp.からのDC5225C又はDC2−5185C(シクロペンタシロキサンとのブレンドとして入手可能なPEG/PPG−18/18ジメチコン);及び信越化学工業株式会社からのKF6017、KF6028(PEG−9ジメチコン)又はKF6038が挙げられる。市販されているポリグリセリル乳化剤の例には、信越化学工業株式会社からのKF6100及びKF6104が挙げられる。
【0077】
エラストマー
エラストマーは、組成物の肌触り、並びに組成物の視覚的な特性を修正するために含まれてもよい。エラストマーは例えば、乳化性架橋オルガノポリシロキサンエラストマー、非乳化性架橋オルガノポリシロキサンエラストマー又はこれらの混合物から選択される架橋オルガノポリシロキサンエラストマーであってもよい。架橋オルガノポリシロキサンエラストマーに関連して使用される場合の用語「非乳化性」は、ポリオキシアルキレン又はポリグリセリル単位を含まない架橋オルガノポリシロキサンエラストマーを意味する。架橋オルガノポリシロキサンエラストマーに関して使用される場合の用語「乳化性」は、少なくとも1つのポリオキシアルキレン(例えば、ポリオキシエチレン又はポリオキシプロピレン)又はポリグリセリル単位を含む架橋オルガノポリシロキサンエラストマーを意味する。
【0078】
本明細書に開示の本化粧品組成物は、化粧品組成物の重量を基本として、0.01重量%〜15重量%、1重量%〜12.5重量%、又は更には2重量%〜10重量%の架橋オルガノポリシロキサンエラストマーを含み得る。この組成物は必要に応じて、化粧品組成物の重量を基本として、0.01重量%〜15重量%、又は更には0.01重量%〜1重量%の乳化性架橋オルガノポリシロキサンエラストマー、並びに/あるいは全組成物の重量を基本として、0.01重量%〜15重量%、又は更には2重量%〜10重量%の非乳化性架橋オルガノポリシロキサンエラストマーを含んでもよい。
【0079】
好適な非乳化架橋オルガノポリシロキサンエラストマーには、ジメチコン/ビニルジメチコンクロスポリマーが挙げられるが、これらに限定されない。市販のジメチコン/ビニルジメチコンクロスポリマーの例は、Dow Corning Corporation製のDC 9040、DC 9045、及びDC 9041;General Electric製のSFE 839;信越化学工業株式会社のKSG−15、KSG−16、及びKSG−18;並びにGrant Industries製のGransil(商標)ラインの物質である。市販されているラウリルジメチコン/ビニルジメチコンクロスポリマーには、信越化学工業株式会社からのKSG−31、KSG−32、KSG−41、KSG−42、KSG−43、及びKSG−44が挙げられる。適した乳化架橋オルガノポリシロキサンエラストマーは、ジビニル化合物から形成されるポリオキシアルキレン変性エラストマー、特に、ポリシロキサン主鎖上でSi−H結合と反応する、少なくとも2つの遊離ビニル基を有するシロキサンポリマーである。市販されている乳化架橋オルガノポリシロキサンエラストマーの例としては、信越化学工業株式会社のKSG−21及びKSG−210、並びにKSG−320が挙げられる。ポリグリセリル単位を含む乳化架橋オルガノポリシロキサンエラストマーの市販例は、信越化学工業社株式会社のKSG 710及びKSG−800が挙げられる。
【0080】
顔料
顔料は例えば顔料の金属酸化物粒子の形態で含まれてもよい。かかる金属酸化物粒子は、顔料等級の酸化鉄粒子及び顔料等級の二酸化チタン粒子から選択されてもよい。金属酸化物粒子は、カバー力及び色を皮膚に提供する。顔料酸化鉄粒子は、100nm超ではあるが、典型的には500nm未満の平均一次粒径を有する。これらの粒子は、顔料黄酸化鉄粒子、顔料赤酸化鉄粒子、顔料黒酸化鉄粒子、又はこれらの混合物から選択することができる。顔料粒子は、従来の処理を用いて表面処理及び/又はコーティングされてもよい。市販の顔料酸化鉄粒子の例としては、LCW−Sensient Cosmetic Technologies製の化粧品赤酸化鉄C7054、化粧品黄酸化鉄C7055、Unipure Black LC 989 AS−EMが挙げられる。組成物は、総組成物の0.05重量%〜15重量%、好ましくは0.1重量%〜12重量%、更により好ましくは0.5重量%〜10重量%の顔料酸化鉄粒子を含んでもよい。
【0081】
また、本明細書での使用に好適なのは、同時係属の米国特許出願公開第2010−0074928(A1)号、同第2010−0003205(A1)号、及び同第2010−0003293(A1)号に教示されているように、鉄含有二酸化チタン粒子であり、これは皮膚からの青色光反射率を抑えるよう機能する。鉄含有二酸化チタン粒子は、全組成物の0.05重量%〜20重量%、1重量%〜15重量%、2重量%〜12.5重量%、又は更には3重量%〜10重量%の濃度で存在してもよい。これらの粒子の比率は、所望のカバー力及び/又は製品の色合いによって変化してもよい。例えば、化粧品組成物が、高いカバー力を得るために、より濃い肌の上で使用されることが見込まれているときに、「てかり」を最小限にするために、組成物は比較的高い割合の鉄含有二酸化チタン粒子、例えば、化粧品組成物の重量を基本として5重量%〜10重量%のかかる粒子を含むということが望ましい場合がある。
【0082】
芳香剤
更に、組成物は芳香剤を含んでもよい。理論に束縛されるものではないが、芳香剤の技術を使用することによって、芳香剤の耐用期間を延ばすことは、ファンデーションを長持ちさせるという利益を高めるのに役立つと考えられる。好適な芳香剤技術には、シクロデキストリン(ベータ、ガンマ、アルファ及び誘導体)、これに加えて、米国特許出願公開第20090098170(A1)号に記載のような中実の封入粒子内に封入された芳香剤が挙げられる。
【0083】
本明細書に開示した寸法及び値は、記載された正確な数値に厳密に限定されるものと理解されるべきではない。むしろ、特に断らない限り、そのような寸法のそれぞれは、記載された値及びその値の周辺の機能的に同等の範囲の両方を意味するものとする。例えば、「40mm」として開示した寸法は、「約40mm」を意味することを意図したものである。更に、本明細書に記載される特性は、1つ又は2つ以上の範囲の値を含み得る。当然のことながら、これらの値は、範囲内の個々の値が特に開示されていない場合でも範囲内の全ての値を包含するということが理解されるべきである。
【0084】
本発明の「発明を実施するための形態」で引用した全ての文献は、関連部分において本明細書に援用するが、いずれの文献の引用もそうした文献が本発明に対する先行技術であることを容認するものとして解釈されるべきではない。本書における用語の任意の意味又は定義が、参照により組み込まれた文献における同一の用語の任意の意味又は定義と相反する限りにおいては、本書においてその用語に与えられた意味又は定義が適用されるものとする。
【0085】
本発明の特定の実施形態が例示され記載されてきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び修正を実施できることが、当業者には自明であろう。したがって、本発明の範囲内にあるそのような全ての変更及び修正を添付の特許請求の範囲で扱うものとする。