【実施例】
【0020】
以下、実施例及び試験例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明の範囲が必ずこれらの例にのみ限定されるものではない。
【0021】
[試験例1] 緑茶多糖体及び松茸抽出物のタバコによって誘導された活性酸素抑制効果
1−1.タバコサンプルの製造
喫煙後、タバコ吸穀を集めて、フィルタ部分を除いて除去した。手入れされたフィルタ1個当たりDMSO 1mLを入れてシェーカ(shaker)利用して13時間反応を行った。このサンプルをボルテクサ(vortexer)利用して10分間振とうした後、フィルタは除去し、遠心分離機を用いて300rpm及び5分間の条件で遠心分離し、沈殿物を除去し、タバコサンプルを得た。
【0022】
1−2.細胞内活性酸素発生量測定
5%の牛胎児血清(FBS)及び100IUのペニシリンGを含むDMEM培地に、8ウェルチャンバースライド(well chamber slide)で5,000細胞数/ウェルとなるように、HaCaT細胞を分株した(HaCaT cells are seeded)。翌日、緑茶多糖体(購入先:バイオランド)50ppm、松茸抽出物(購入先:バイオランド)100ppmを単独又は一緒に24時間処理した。対照群は、DMSO単独で培地に1/1000で処理し、これは、緑茶多糖体と松茸抽出物の試料処理時に使用されたDMSOの濃度と同一である。
【0023】
次に、上記タバコサンプル250ppmを入れて3時間を追加にさらに反応させた。その後、PBSで2回洗浄した後、CFdaを20分間37℃で反応させ、HBSSでさらに洗浄する。FBS及びフェノールレッド(phenol red)を含まないDMEM培地に交替し、2時間後に蛍光光度計(Fluoremeter)を利用して発生した活性酸素の量を測定し、その結果を下記表1に示した。
【0024】
【表1】
【0025】
上記表1から分かるように、タバコを単独処理した群は、タバコによって誘導された活性酸素量が165%と増加し、緑茶多糖体と松茸抽出物を各々処理した試験群は、50%、77%と無処理対照群より低い水準に落ちた。しかし、緑茶多糖体及び松茸抽出物を一緒に処理した試験群は、タバコによって誘導された活性酸素量が22%と有意に減少し、これにより、各々の有効成分を単独で処理するより、一緒に処理することが、活性酸素量をさらに多く減少させることを確認することができた。
【0026】
従って、本発明の緑茶多糖体及び松茸抽出物を一緒に含有する化粧料組成物は、外部有害環境から誘導される活性酸素量を減少させることによって、効果的に皮膚酸化と老化を防止することができる。
【0027】
[試験例2] 緑茶多糖体及び松茸抽出物の自動車煤煙による公害アンテナ(アリール炭化水素受容体;Aryl hydrocarbon Receptor, AhR)タンパク質の発現抑制効果
2−1.自動車煤煙サンプルの製造
耳拭きを利用してディーゼル自動車の排気筒に付いた煤煙残渣を拭きだし後、耳拭きの煤煙が付いた綿部位だけをDMSOに浸漬し、13時間反応を行った。その後、10分間ボルテクシング(vortexing)をした後、綿を除去し、自動車煤煙サンプルを得た。
【0028】
2−2.AhR発現抑制確認
5%の牛胎児血清(FBS)及び100IUのペニシリンGを含むDMEM培地に、8ウェルチャンバースライドで5,000細胞数/ウェルとなるように、繊維芽細胞を分株した(Fibroblasts cells are seeded)。翌日、各ウェルは、FBS及びフェノールレッドを含まないDMEM培地に置換され、さらに24時間後に、全体3個の試験群(表2に示すサンプルの各々)で処理された。陰性対照群については、各ウェルは煤煙/排気ガスでのみ処理され、また、対照群については、各ウェルは0.1% DMSOで処理された。試験群については、各ウェルは、自動車煤煙200ppmと、緑茶多糖体50ppm及び松茸抽出物10ppmの一方又は双方とで処理した後、37℃温度で2日間培養した。
【0029】
処理された細胞は免疫蛍光検査(Immunofluorescence;IF)により解析された。1mM CaCl
2と1mM MgCl
2とを含むPBSを用いて各ウェルを洗浄した。3.5%パラホルムアルデヒド(paraformaldehyde)を用いて常温で10分間反応させて細胞を固定させた。固定された細胞を、PBSを利用してさらに10分間3回洗浄した。細胞を、0.1%トリトン(Triton)-100で5分間処理し、さらにPBSで10分間3回洗浄した。AhR抗体(santa cruz)を1:250で0.05% Tween 20含有PBS(PBST:0.05% Tween 20-containing PBST)に希釈して1次抗体として用い、細胞にこの1次抗体を4℃、O/Nで反応させた。さらに細胞をPBSTで3回10分間洗浄した後、ロダミンが付いた2次抗体(Rhodamine-conjugated secondary antibody)(1:400に希釈)を用いて常温で1時間反応させた。その後、PBSTを用いて細胞を10分間3回洗浄した。核を染色するために、DAPIを用いて細胞を約3分間染色し、さらにPBSTを用いて3回洗浄した後、マウンティング溶液(mounting solution)を添加し、スライドをカバーガラスで覆った。染色されたスライドを共焦点レーザー走査顕微鏡(Confocal microscopy, Ziess)を用いて撮影した。その結果を
図1に示す。
【0030】
上記の方法で撮影されたイメージを用いて、Axiovert 4.7プログラムにより公害アンテナ(AhR)タンパク質の発現を定量した。無処理対照群のAhR発現の比率を100%と定め、この対照群に対する相対的な比率を各々計算した。
結果を下記の表2に示す。
【0031】
【表2】
【0032】
図1から明らかにように、緑茶多糖体と松茸抽出物の各々で処理した群では、AhRの発現がある程度減少したが、緑茶多糖体と松茸抽出物を一緒に用いて処理した場合には、煤煙/排気ガスで処理されない無処理対照群と類似の水準にまでAhRの発現を抑制することができた。
【0033】
また、上記表2から明らかにように、煤煙及び排気ガスは、AhR発現を対照群に比べて157%と増加し、角質形成細胞で公害アンテナタンパク質(AhR)を核中に移動させ、発現を増加させ、緑茶多糖体と松茸抽出物を一緒に処理すれば、公害アンテナタンパク質の発現量が129%、137%とある程度低減することができたが、緑茶多糖体及び松茸抽出物を一緒に処理する場合には、公害アンテナタンパク質の移動を抑制させると同時に、その発現量を無処理対照群水準に減少させることができた。
【0034】
従って、本発明の緑茶多糖体と松茸抽出物を一緒に含有する化粧料組成物は、皮膚中に有害信号を伝達する時に活性化される公害アンテナであるAhRの発現を効果的に減少させることによって、皮膚抗老化作用に優れていて、外部有害環境から皮膚を保護することができる。
【0035】
[試験例3] 緑茶多糖体及び松茸抽出物の抗炎症効果
3−1.プロスタグランジンE2(Prostaglandin E2;PGE2)生成抑制確認
DMEM培地に5%牛胎児血清、100IUのペニシリンGを添加した培地に繊維芽細胞を24ウェルプレートに10
4細胞数/ウェルとなるように分株した。
5%の牛胎児血清(FBS)及び100IUのペニシリンGを含むDMEM培地に、24ウェルプレートで10
4細胞数/ウェルとなるように、繊維芽細胞を分株した(Fibroblasts cells are seeded)。翌日、各ウェルは、FBS及びフェノールレッドを含まないDMEM培地に置換され、さらに24時間後に下記の表3に示すサンプルの各々で処理された。陰性対照群については、各ウェルは煤煙/排気ガスでのみ処理され、また、対照群については、各ウェルは0.1% DMSOで処理された。試験群については、各ウェルは、自動車煤煙400ppmと、緑茶多糖体50ppm及び松茸抽出物10ppmの一方又は双方とで処理した後、37℃温度で2日間培養した。
【0036】
このようにして得られた培養培地を集めて、PGE2 ELISA kit(KGE004, R&D systems)を用いてPGE2量を測定した。無処理対照群のPGE2生成量を100%として定め、これに対する相対的な比率を各々計算した。
結果を下記の表3に示す。
【0037】
【表3】
【0038】
上記表3から明らかなように、自動車煤煙によって185%にまで増加したPGE2の量が、緑茶多糖体又は松茸抽出物によって115%、135%に減少し、また、緑茶多糖体と松茸抽出物とを一緒に用いて処理した場合には、炎症誘発因子が67%と無処理対照群よりさらに減少することが確認された。これは、緑茶多糖体と松茸抽出物とによる抗炎症相乗効果を示すものである。
【0039】
従って、本発明の緑茶多糖体及び松茸抽出物を一緒に含む化粧料組成物は、皮膚で炎症を誘発するPGE2の発現を抑制することによって、優れた抗炎症効果を示す。