【実施例】
【0035】
図3は、本発明に従って、ディスプレイ装置14を示す。以前のように、ユーザー2は、そのユーザー2の身体各部の位置及び動作を監視する多数のセンサー・ユニット6が備えられる。センサー・ユニット6によって集められるデータは、ディスプレイ装置14に無線送信される。望ましい実施形態において、センサー・ユニット6は、ユーザー2の動作を測定するための加速度計、及びそのユーザー2の方向を磁北に関して測定するための磁気探知器を含む。
【0036】
代替の実施形態において、センサー・ユニット6は、ユーザー2を観測し、得られた画像からそのユーザー2の方向及び動作を決定するビジュアル追跡システムによって置き換えることができる。
【0037】
ディスプレイ装置14は、ユーザー2のグラフィック表現を含む画像を供給するディスプレイ・スクリーン16を有する。しかし、本発明に従って、ディスプレイ装置14は、ディスプレイ装置14(及び、従ってディスプレイ・スクリーン16)が向いている方向を測定する方向センサー20を備えている。望ましい実施形態において、その方向センサー20は、ディスプレイ装置14の方向を磁北に関して測定する。
【0038】
当然のことながら、ユーザー2又はディスプレイ装置14の方向は、如何なる適切なセンサー又はセンサー・システムを使用しても決定できる。例えば、代替の実施形態において、ユーザー2又はディスプレイ装置14の方向を、レーダー、ソーナー(sonar)、ドップラー又はポテンショメーター(potentiometer)を使用して決定することが可能である。
【0039】
従って、ディスプレイ装置14の方向がセンサー20の方向から知られていることから、グラフィック表現18を生成するために使用されるアルゴリズムは、ユーザー2のグラフィック表現18をセンサー・ユニット6からのデータから生成することができ、その生成されたグラフィック表現18を、ユーザー2に表示するために、表示されるグラフィック表現18が必要とされる方向を向くように、その生成されたグラフィック表現18を回転させる。
【0040】
例えば、アルゴリズムがユーザー2の鏡像であるユーザー2のグラフィック表現18(従って、例えばユーザー2がディスプレイ装置14の方を向いており、そのユーザー2の左腕の動作がアバター18の右腕の動作によって示されるときに、アバター18がユーザー2の方を向いている)を生成することになっている箇所において、そのアルゴリズムは、センサー・ユニット6からのデータからグラフィック表現18を生成し、そのグラフィック表現18を、決定されたディスプレイ装置14の方向を使用して回転させ、表示されたグラフィック表現18がユーザー2の鏡像であるように、そのグラフィック表現18を垂直軸に関して鏡像化する。
【0041】
代替の実施形態において、そのアルゴリズムは、ユーザー2の鏡像でないグラフィック表現(例えば、カメラがディスプレイ装置14に搭載されていないかのような)を供給するか、又はユーザー2の他の任意の望ましい方向(例えば、アバター18がユーザー2を横側から示してもよい)を、ディスプレイ装置14の測定された方向を使用して供給することができる。
【0042】
従って、ディスプレイ装置14の方向に関わらず(磁北に関して)、本発明は、ディスプレイ装置14に示されるアバター18を、それが必要とされる方向を向くように供給する。
【0043】
図4は、ディスプレイ装置14をさらに詳しく示す。ディスプレイ装置14は、そのディスプレイ装置14の方向を制御し、センサー・ユニット・データからグラフィック表現18を生成するためのコントローラ22を含む。そのコントローラ22は、方向センサー20(この実施形態では磁気探知器)からディスプレイ装置14の方向表示を受信し、ユーザー2からアンテナ24及びトランシーバ又は受信回路26を通して、センサー・ユニット・データを受信する。コントローラ22は、また、ディスプレイ・スクリーン16へグラフィック表現18に関する画像データを供給する。
【0044】
当然のことながら、代替の実施形態において、グラフィック表現18は、ディスプレイ装置14とは分離しているコントローラ又はプロセッサによって生成することができる。
【0045】
ユーザー2のグラフィック表現18を適合させることにおけるコントローラ22の操作は、ここで、
図5及び6を参照してより詳しく記載される。
【0046】
図5において、ユーザー2は、磁北に関して角度θをなして方向付けられて示されている(θはユーザー2が北を向いているとき0であり、ユーザー2が反時計回りに回転するとプラスであり、ユーザー2が時計回りに回転するとマイナスである)。ディスプレイ装置14は、磁北に関して角度φをなして方向付けられて示されている(φはθと同じ方法で定義される)。
【0047】
角度αもまた、θ-φとして定義される。コントローラ22は、グラフィック表現18の方向を決定するためにαを使用する。αが0であるとき、コントローラ22は、グラフィック表現18を、それがディスプレイ装置14の中の方へ向いているように(すなわちユーザー2の背中がグラフィック表現18によって示される)、グラフィック表現18を生成する。
【0048】
コントローラ22もまた、αがプラスであるとき、グラフィック表現18が角度αによって垂直軸に関して反時計回りに回転し(すなわち、ユーザー2のグラフィック表現18が左に回転する)、αがマイナスであるとき、グラフィック表現18が角度αによって垂直軸に関して時計回りに回転する(すなわち、ユーザー2のグラフィック表現18が右に回転する)ように構成される。
【0049】
従って、
図3に示される例において、角度θは0(ユーザー2が北を向いている)であり、角度φは180°(ディスプレイ装置14は南を向いている)であることから、αは180°である。よって、コントローラ22は、グラフィック表現18がディスプレイ装置14から外へとユーザー2の方向に向くように、それを180°回転させる。
【0050】
ユーザー2の鏡像を生成するために、その回転させられたグラフィック表現18は、コントローラ22によって垂直軸に関して反転させることが出来る。
【0051】
図6のステップ101において、ユーザーの方向の測定は、磁北に関して角度θを単位として、センサー・ユニット6からそのユーザーの身体の姿勢及び位置の測定とともに得られる。
【0052】
ステップ103において、ディスプレイ装置の方向の測定は、磁北に関して角度φを単位として、磁気探知器20から得られる。
【0053】
ステップ105において、そのユーザーのグラフィック表現は、センサー・ユニット6からの測定から生成される。
【0054】
ステップ107において、そのグラフィック表現は、それがディスプレイ・スクリーンに表示されるとき、望ましい方向を向くように、角度θ-φによって垂直軸の周りを回転させられる。
【0055】
ステップ109において、その鏡像は、回転したグラフィック表現を垂直軸の周りで反転させる又は鏡像化することによって得られる。
【0056】
ステップ111において、回転した及び反転した/鏡像化されたグラフィック表現は、ディスプレイ・スクリーンに表示される。
【0057】
ステップ105、107及び109は、コントローラが望まれる回転した及び反転した/鏡像が映された配向においてグラフィック表現を生成する単一のステップに組み合わせることが可能であることが分かるはずである。
【0058】
また、当然のことながら、上記に記載されたいくつかの実施形態において(特に、磁気探知器又は電子コンパスが使用される実施形態)、本発明は、主に、ユーザー2及びディスプレイ装置14の垂直軸に関する方向付けに関する。しかし、当然のことながら、本発明は、ユーザー2及び/又はディスプレイ装置14の任意の3次元の方向付けに対してグラフィック表現18を適合させるために使用することもできる。従って、これらの実施形態において、ユーザー2及びディスプレイ装置14の方向を3次元において測定することが必要である。これは、例えば、その方向を磁北に関して測定するための磁気探知器及び垂直に関して方向(重力によって与えられる)を測定するために加速度計を使用することによってされる。その代わりに、3Dカメラ追跡システムが、ユーザー2の方向を識別することができる。
【0059】
本発明のさらなる実施形態において、表示されたアバター18は、どのように基本的な動作(例えば、単一の関節の動作を含む)が、複雑な動作を形成するために組み合わせられるかを示すために使用することができる。従って、アバター18がこの方法で使用されるとき、そのアバター18は、ユーザー2の真の描写ではなくなり、必ずしもセンサー・ユニット6からのデータの全てを使用して形成されない。しかし、表示されたアバター18は、いまだにユーザー2の方向に対応するように方向付けられる(従って、そのアバターは、いまだに、例えばユーザー2が向いている方向を鏡像化する)。
【0060】
さらに、そのアバター18は、複雑な動作のどの部分が、ユーザーが実施することができるか、及びどの部分が、そのユーザーがいまだに練習する必要があり、改善の必要があるかを示すために使用することができる。この実施形態において、コントローラ22は、そのユーザー2の以前のパフォーマンスにおけるデータをメモリから取得することができ、それに応じてグラフィック表現18を生成し、動かすことができる。アバター18は、また、基本的な運動におけるそれらの進み具合が、それらの複雑な日常の動作をする能力を改善することに貢献するかをそのユーザー2に示すためにも使用することができる。
【0061】
1つの実施形態において、コントローラ22は、アバター18を動かし、ユーザー2に完全な複雑な動作を示し、次にその複雑な動作を構成する別々の基本的な動作を示す。
【0062】
代替の実施形態において、コントローラ22は、所定の如何なる時間においても少なくとも2つのアバター18を表示することができ、第1アバター18は、完全な複雑な動作を示し、第2アバター18は、特定の基本的な動作を示す。その2つのアバター18は、その特定の基本的な動作を示しているアバター18が、他方のアバター18によって示される複雑な動作の対応する部分の間にだけ動くように、同期化することができる。
【0063】
1つの実施形態において、アバター18は、それらの現在の進み具合についてユーザー2に説明するために使用することができる。例えば、そのアバター18は、それらが実施することのできる複雑な動作の部分をユーザー2に示し、どの部分がさらなる練習が必要あるかを示すことが出来る。
【0064】
これは、例えば、ユーザー2が出来る複雑な動作の部分を色でハイライトすることによって、つまり、ユーザー2が出来る複雑な動作の部分に対して1つの色(例えば、緑)を使用し、ユーザー2が実施できないことから、さらなるトレーニングが必要な部分に対して対比色(例えば、赤)を使用することによって達成される。
【0065】
その代わりに、アバター18は、完全な複雑な動作のどのくらいをユーザー2が実施することが可能であるか、すなわち、アバター18がその完全な複雑な動作のシーケンスを、ユーザー2が出来る程度までだけを描く(すなわち、ユーザー2が実施可能な部分及びそのユーザー2が実施可能な動作の範囲)。この実施形態において、2つのアバター18を示すことが可能であり、一方は完全な複雑な動作を示し、他方は、そのユーザーの現在の能力を示す。
【0066】
一例として、ナイフ又はフォークで食べるなどの複雑な動作は:
1)ナイフ及びフォークに手を伸ばす‐これは、肩の上昇/前突、肘の屈曲/伸張、指の開き、肩の耐屈曲、肘のさらなる伸張、及び把握幅の較正を必要とする。
2)ナイフ及びフォークをつかむ‐これは、静止した肩及び肘領域、尺骨偏位、指を反対側の親指に閉じる手首、把握幅の較正(親指の屈曲)を必要とする。
3)ナイフ及びフォークを持ち上げる‐これは、静止した肩、肘の屈曲、手首の動作及び把握幅の較正を必要とする。
4)プレート上で食べ物を動かし、食べ物を口までの距離の4分の1まで持ち上げる‐これは、肩の小さな内転、肘の静止/屈曲/伸張、及び把握、手首を回外させ、肘を回内させることを必要とする。
5)食べ物を口へ持っていく‐これは、肩の小さな上昇及び肘の屈曲/伸張、肘及び手首の動作を回外させ、回内させる、及び把握幅を較正することを必要とする。
【0067】
従って、ディスプレイ装置の一および方向に関係なく、ユーザーのグラフィック表現の表示を可能にするシステム及び方法が、提供される。さらに、ユーザーが特定の運動プログラムを続けることを動機付けるアバターを供給できるシステム及び方法が提供される。
【0068】
本発明は、図表及び上記の記載において詳しく説明され記載されてきたが、一方、そのような説明及び記載は、例証的又は模範的であり、限定的として見なすべきではない;本発明は、開示される実施形態に限定されない。
【0069】
開示された実施形態の変化形は、当業者が、図表、本開示、及び添付の請求項の研究から、請求項に係る発明を実施する際に理解し、有効化することができる。請求項において、「含む」という用語は、他の要素又はステップを除外せず、単数を表す用語は、複数を除外しない。
【0070】
単一のプロセッサ又は他のユニットが、請求項において列挙されるいくつかの事項の機能を満たしてもよい。一定の測定が相互的に異なる従属項において列挙されているという単なる事実は、これらの測定の組み合わせを有利に使用することはできないことは示さない。請求項における如何なる参照符号も、範囲を限定するものとして解釈するべきではない。コンピュータ・プログラムは、光学式記憶媒体又は他のハードウェアと一緒に又はその一部として供給される固体媒体などの適切な媒体に保存/分配されてもよいが、インターネット又は他の有線又は無線の通信システムを通すなど、他の形において分配されてもよい。