特許第5795767号(P5795767)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5795767流体を液化し且つ貯蔵するシステム及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5795767
(24)【登録日】2015年8月21日
(45)【発行日】2015年10月14日
(54)【発明の名称】流体を液化し且つ貯蔵するシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   F25J 1/00 20060101AFI20150928BHJP
   B01D 53/26 20060101ALI20150928BHJP
【FI】
   F25J1/00 D
   B01D53/26 230
【請求項の数】12
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2012-530369(P2012-530369)
(86)(22)【出願日】2010年8月17日
(65)【公表番号】特表2013-519058(P2013-519058A)
(43)【公表日】2013年5月23日
(86)【国際出願番号】IB2010053719
(87)【国際公開番号】WO2011036582
(87)【国際公開日】20110331
【審査請求日】2013年8月15日
(31)【優先権主張番号】61/246,209
(32)【優先日】2009年9月28日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】590000248
【氏名又は名称】コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 進介
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100133983
【弁理士】
【氏名又は名称】永坂 均
(72)【発明者】
【氏名】バーンズ,リッキー ディーン
(72)【発明者】
【氏名】ブルケイール,ロラン
(72)【発明者】
【氏名】ディッカーソン,ブライアン エドワード
(72)【発明者】
【氏名】ワーン,トリー ディーン
(72)【発明者】
【氏名】ハースト,グレッグ ラッセル
【審査官】 神田 和輝
(56)【参考文献】
【文献】 特表2008−519242(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2006/0130519(US,A1)
【文献】 特開平04−217777(JP,A)
【文献】 特開2002−339760(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01D 53/26−53/28
F17C 1/00−13/12
F25J 1/00−5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
流動気体生成器によって生成される気体状態にある流体の流れを受け入れるよう構成される入口と、
前記流体を前記気体状態から液体状態に液化するよう構成される液化アセンブリと、
前記入口から前記液化アセンブリへの流路を形成するよう、前記入口を前記液化アセンブリと流体連絡して配置するよう構成され、且つ前記液化アセンブリから貯蔵貯槽への流路を形成するよう、前記液化アセンブリを前記貯蔵貯槽と流体連絡して配置するように構成される導管と、
前記液化アセンブリと前記貯蔵貯槽との間で前記導管内に配置され、前記導管内の気体を選択的に排出するよう構成される弁と、
コントローラとを含み、
前記入口によって受け取られる前記気体状態にある流体の流れは、前記導管を通じて前記液化アセンブリに送られ、前記貯蔵貯槽は、前記液化アセンブリからの前記流体の流れを貯蔵するように構成され、
前記コントローラは、前記弁が、(i)前記流動気体流生成器が前記流体の流れの生成を開始した後、前記流体の流れ中の含水量が減少されるまで、前記液化アセンブリから受け入れられる前記流体の流れを排出し、次に、(ii)前記流体の流れ中の前記含水量が減少された後、前記入口で受け入れられる前記流体の流れが前記導管を通じて、液化のために前記液化アセンブリに送られ、次に、前記貯蔵貯槽に送られるよう、前記流体の流れの排出を停止するよう、前記弁を制御するよう構成され、
前記貯蔵貯槽内の圧力に関連する情報を伝達する出力信号を生成するよう構成される圧力センサを更に含み、前記コントローラは、前記圧力センサと動作的に連絡し、前記コントローラは、前記入口で受け入れられる前記流体の流れが前記圧力センサによって生成される前記出力信号に基づき前記液化アセンブリに送られるよう、前記弁が前記流体の流れの排出を停止するよう制御するよう構成される、
システム。
【請求項2】
前記コントローラは、前記気体状態にある前記流体の流れが前記流動気体流生成器から前記入口で受け入れられる開始時から、前記弁が前記入口で受け入れられる前記流体の流れを所定の時間期間に亘って排出し、次に、前記所定の時間期間の後、前記流体の流れの排出を停止するよう、前記弁を制御するように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記コントローラは、前記流動気体流生成器と動作的に連絡し、前記所定の時間期間は、前記流動気体流生成器による前記流体の流れの生成の開始から前記コントローラによって測定される、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記流体は、酸素である、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
流動気体流生成器によって生成される気体状態にある流体の流れを受け入れるステップを含み、前記流体の流れは、導管を用いて、前記流動気体生成器から液化アセンブリに、次に、該液化アセンブリから貯蔵貯槽に伝えられ
前記流動気体流生成器が前記流体の流れの生成を開始した後、前記流体の流れ中の含水量が減少されるまで、前記流動気体流生成器から受け入れられる前記液化アセンブリからの前記気体状態にある前記流体の流れを排出するステップと、
前記流体の流れ中の前記含水量が減少された後、前記液化アセンブリからの前記気体状態の前記流体の流れの前記排出を中止するステップとを含み、前記流体の流れの前記排出の中止は、前記流体の流れを前記気体状態から液体状態に液化するようために前記液化アセンブリに送られる前記流体の流れをもたらし、
前記液化アセンブリに送られる前記流体の流れを前記液化アセンブリ内で液化するステップを含み、該液化される流体の流れは、前記貯蔵貯槽に伝えられ
前記貯蔵貯槽内の圧力を検出するステップを更に含み、前記受け入れる前記流体の流れの排出の中止は、前記貯蔵貯槽の検出される圧力に応答する、
方法。
【請求項6】
前記流動気体流生成器が前記流体の流れの生成を開始してから経過する時間の量を所定の時間期間と比較するステップを更に含み、前記流動気体流生成器が前記流体の流れの生成を開始してから経過する時間の量が前記所定の時間期間を超えるときに前記流体の流れの排出を中止する、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記流動気体流生成器が前記流体の流れの生成を開始したことを示す前記流動気体流生成器からの通信を受信するステップと、該受信される通信に基づき、前記流動気体流生成器が前記流体の流れの生成を開始してから経過する時間の量を決定するステップとを更に含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記流体は、酸素である、請求項5に記載の方法。
【請求項9】
流動気体流生成器によって生成される気体状態にある流体の流れを受け入れる手段を含み、前記流体の流れは、導管を用いて、前記流動気体生成器から液化アセンブリに、次に、該液化アセンブリから貯蔵貯槽に伝えられ
前記流動気体流生成器が前記流体の流れの生成を開始した後、前記流体の流れ中の含水量が減少されるまで、前記流動気体流生成器から受け入れられる前記液化アセンブリからの前記気体状態にある前記流体の流れを排出する手段と、
前記流体の流れ中の前記含水量が減少された後、前記液化アセンブリからの前記気体状態の前記流体の流れの前記排出を中止する手段とを含み、該中止する手段による前記流体の流れの前記排出の中止は、前記流体の流れを前記気体状態から液体状態に液化するために前記液化アセンブリに送られる前記流体の流れをもたらし、
前記液化アセンブリに送られる前記流体の流れを前記液化アセンブリ内で液化する手段を含み、該液化される流体の流れは、前記貯蔵貯槽に伝えられ
前記貯蔵貯槽内の圧力を検出する手段を更に含み、前記中止する手段による前記受け入れられる流体の流れの排出の中止は、前記貯蔵貯槽の前記検出される圧力に応答する、
システム。
【請求項10】
前記流動気体流生成器が前記流体の流れの生成を開始してから経過する時間の量を所定の時間期間と比較する手段を更に含み、前記流動気体流生成器が前記流体の流れの生成を開始してから経過する時間の量が前記所定の時間期間を超えるときに前記中止する手段による前記流体の流れの排出を中止する、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記流動気体流生成器が前記流体の流れの生成を開始したことを示す前記流動気体流生成器からの通信を受信する手段と、該受信される通信に基づき、前記流動気体流生成器が前記流体の流れの生成を開始してから経過する前記時間の量を決定する手段とを含む、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記流体は、酸素である、請求項9に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の参照)
この特許出願は、2009年9月28日に出願された米国仮出願第61/246,209号の35 U.S.C.§119(e)の下の優先権の利益を主張し、その全文を参照としてここに組み込む。
【0002】
本発明は、気体状態から液体状態への流体の液化と、液体状態における流体の貯蔵とに関する。
【背景技術】
【0003】
周囲温度及び周囲圧力で気体状態にある流体を液化し且つ貯蔵するシステムは既知である。しかしながら、そのようなシステムは、そのようなシステムの液化アセンブリ(液化組立体及び/又は貯蔵アセンブリ(貯蔵組立体内に集まり得る水分によって引き起こされる非信頼性、非効率性、及び、無効果性の影響を受け易い。更に、液化流体は貯蔵中に沸騰し始めて気体状態になるので、流体を液化し且つ貯蔵するための従来的なシステムは、液化流体を貯蔵するよう構成される貯蔵アセンブリ内の圧力を規制する効率的な機構を提供しない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は従来技術の問題点を解決することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の1つの特徴は、入口と、液化組立体アセンブリと、導管と、弁と、コントローラとを含むシステムに関する。入口は、気体状態にある流体の流れを受け入れるよう構成され、流体の流れは、流動気体流生成器によって生成される。液化アセンブリは、流体を気体状態から液体状態に液化するよう構成される。導管は、入口から液化アセンブリへの流路を形成するよう、入口を液化アセンブリと流体連絡して配置するように構成され、入口によって受け入れられる気体状態にある流体の流れは、導管を通じて液化アセンブリに送られる。弁は、入口と液化アセンブリとの間で導管内に配置され、導管内の気体を選択的に排気するよう構成される。コントローラは、弁が、(i)流動気体流生成器が流体の流れの生成を開始した後、流体の流れ中の含水量が減少されるまで、流動気体流生成器から入口で受け入れられる流体の流れを排出し、次に、(ii)流体の流れ中の含水量が減少された後、入口で受け入れられる流体の流れが導管を通じて液化アセンブリに送られるよう、流体の流れの排出を停止するよう弁を制御するよう構成される。
【0006】
本発明の他の特徴は、流動気体流生成器によって生成される気体状態にある流体の流れを受け入れるステップと、流動気体流生成器が流体の流れの生成を開始した後、流体の流れ中の含水量が減少されるまで、流動気体流生成器から受け入れられる気体状態にある流体の流れを排出するステップと、流体の流れ中の含水量が減少された後、流体の流れの排出を中止するステップであって、流体の流れの排出の中止が、流体を気体状態から液体状態に液化するよう構成される液化アセンブリに送られる流体の流れをもたらすステップと、液化アセンブリに送られる流体の流れを液化アセンブリ内で液化するステップとを含む方法に関する。
【0007】
本発明の更に他の特徴は、流動気体流生成器によって生成される気体状態にある流体の流れを受け入れる手段と、流動気体流生成器が流体の流れの生成を開始した後、流体の流れ中の含水量が減少されるまで、流動気体流生成器から受け入れられる気体状態にある流体の流れを排出する手段と、流体の流れ中の含水量が減少された後、流体の流れの排出を中止する手段であって、中止する手段による流体の流れの排出の中止は、流体を気体状態から液体状態に液化するよう構成される液化アセンブリに送られる流体の流れをもたらす手段と、液化アセンブリに送られる前記流体の流れを前記液化アセンブリ内で液化する手段とを含むシステムに関する。
【0008】
本発明のこれらの及び他の目的、機能、及び、特徴、並びに、動作方法、構造の関連素子の機能、部品の組み合わせ、及び、製造経済は、添付の図面を参照して、以下の記載及び付属の請求項を考察した後、より明らかになるであろう。これらの全ては、この明細書の一部を形成し、類似の参照番号は、様々な図面中の対応する部分を指している。本発明の1つの実施態様において、ここに例示される構造的な構成部品は、縮小率で描写されている。しかしながら、図面は例示及び記載の目的のためだけであり、本発明の限定ではないことが明示的に理解されるべきである。加えて、任意の実施態様に示し或いは記載する構造的な機能を他の実施態様において同様に使用し得ることが理解されるべきである。しかしながら、図面は例示及び記載の目的のためだけであり、本発明を限定する定義として意図されていないことが明示的に理解されるべきである。明細書及び請求項中で使用されるとき、文脈が明らかに他のことを規定しない限り、不定冠詞及び定冠詞の単一形態は、複数の参照を含む。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の1つ又はそれよりも多くの実施態様に従って、流体を気体から液体に液化し、且つ、液化流体を貯蔵するよう構成されるシステムを示す概略図である。
図2】本発明の1つ又はそれよりも多くの実施態様に従って、気体状態にある流体の流れを液体状態に液化し始めるよう液化アセンブリを準備する方法を示すフロー図である。
図3】本発明の1つ又はそれよりも多くの実施態様に従って、気体状態にある流体の流れを液体状態に液化し始めるよう液化アセンブリを準備する方法を示すフロー図である。
図4】本発明の1つ又はそれよりも多くの実施態様に従って、液化流体を貯蔵する方法を示すフロー図である。
図5】本発明の1つ又はそれよりも多くの実施態様に従って、液体を気体状態から液体状態に液化し且つ液化流体を貯蔵する方法を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1は、液体を気体状態から液体状態に液化し且つ液化された流体(液化流体)を貯蔵するよう構成されるシステム10を概略的に例示している。1つの実施態様において、流体は酸素である。しかしながら、これは限定的であることは意図されず、酸素以外の他の流体を液化及び/又は貯蔵するシステムに、ここに記載されるシステム10の機能の1つ又はそれよりも多くの機能を組み込むことは、この開示の範囲内にある。非限定的な実施例として、流体は、窒素又は他の流体であり得る。以下に議論するように、システム10は、システム10及び/又はシステムの個々の構成要素の耐久性、寿命、信頼性、及び、効率を増大する機能を含む。1つの実施態様において、システム10は、コントローラ12、液化アセンブリ14(液化組立体)、貯蔵アセンブリ16(貯蔵組立体)、流体方向アセンブリ18(流体方向組立体)、及び/又は、他の構成素子を含む。
【0011】
コントローラ12は、システム10内に情報処理及び制御能力をもたらすよう構成される。よって、コントローラ12は、1つ又はそれよりも多くのデジタルプロセッサ、アナログプロセッサ、情報を処理するよう設計されるデジタル回路、情報を処理するよう設計されるアナログ回路、状況機械、及び/又は、情報を電子的に処理するための他の機構を含み得る。プロセッサ12は、単一の実在として図1に示されているが、これは例示的な目的であるに過ぎない。一部の実施において、コントローラ12は、複数のプロセッサを含み得る。これらのプロセッサを同じ装置内に物理的に配置し得るし、或いは、コントローラ12は、協働して作動する複数の装置の処理機能性を提示し得る。例えば、1つの実施態様において、コントローラ12に帰させられる機能性は、熱交換アセンブリ14(熱交換組立体)に動作的に接続される第一プロセッサ、貯蔵アセンブリ16に動作的に接続される第二プロセッサ、及び/又は、流体方向アセンブリ18に動作的に接続される第三プロセッサの間で分割される。
【0012】
有線通信リンク、無線通信リンク、ネットワーク通信リンク、及び/又は、専用通信リンクを介して、コントローラ12とシステム10の構成素子との間の動作的な接続を達成し得る。1つの実施態様では、出力、通信、及び、システム10の構成素子とコントローラ12との間の制御入力を経路指定する1つ又はそれよりも多くの通信バスが、システム10内に含められる。
【0013】
1つの実施態様において、コントローラ12は、制御インターフェース13と関連付けられる。制御インターフェース13は、コントローラ12によるシステム10の1つ又はそれよりも多くの構成素子の制御に関連する制御入力を受信するよう構成される。例えば、制御インターフェース13は、ユーザーインターフェース及び/又はシステムインターフェースを含み得る。制御インターフェース13のユーザーインターフェースは、システム10と使用者との間のインターフェースをもたらすよう構成され、使用者は、ユーザーインターフェースを通じて、システム10に情報を提供し且つシステム10から情報を受け取り得る。これはデータ、結果、及び/又は、命令、並びに、他のあらゆる通信品目(集合的に「情報」と呼ぶ)が、使用者とシステム10との間で通信されることを可能にする。制御インターフェース13のユーザーインターフェース中に含めるのに適したインターフェース装置の実施例は、キーパッド、ボタン、スイッチ、キーボード、ノブ、レバー、ディスプレイスクリーン、タッチスクリーン、スピーカ、マイクロフォン、表示光、可聴アラーム、及び、プリンタを含む。1つの実施態様において、制御インターフェース13のユーザーインターフェースは、実際には複数の別個のインターフェースを含み、それらの機能性を更に以下に議論する。
【0014】
ハードワイヤードであれワイヤレスであれ、他の通信技法も制御インターフェース13のユーザーインターフェースとして本発明によって想定されることが理解されるべきである。例えば、本発明は、制御インターフェース13のユーザーインターフェースを、電子記憶装置によって提供される取り外し可能な記憶インターフェースと統合し得ることを想定する。この実施例では、使用者がシステム10の実施をカスタマイズすることを可能にする取り外し可能な記憶装置(例えば、スマートカード、フラッシュドライブ、リムーバブルディスク等)から、情報をシステム10内にロードし得る。制御インターフェース13のユーザーインターフェースとしてシステム10と共に使用されるよう適合される他の例示的な入力装置及び技法は、RS−232ポート、RFリンク、IRリンク、モデム(電話、ケーブル、又は、他のもの)を含むが、これらに限定されない。手短に言えば、システムと情報を通信する如何なる技法も制御インターフェース13のユーザーインターフェースとして本発明によって想定されている。
【0015】
制御インターフェース13のシステムインターフェースは、システムに由来するシステム10の構成素子(例えば、液化アセンブリ14、貯蔵アセンブリ16、及び/又は、流体方向アセンブリ18の個々の構成素子)の動作における変化の要求を受け取るよう構成される。そのような要求をコントローラ12自体によってさえも生成し得る。非限定的な実施例として、貯蔵アセンブリ16と関連付けられる制御機能性を遂行する際、貯蔵アセンブリ16又はコントローラ12は、貯蔵のために貯蔵アセンブリ16に送られる液化流体の流れにおける増大又は減少の要求を発し得る。制御インターフェース13のシステムインターフェースは、システム10に呼応して作動する他のシステムによって発せられるシステム10の構成素子の動作における変化の要求を受け取るよう構成される。
【0016】
液化アセンブリ14は、流体の流れを気体状態から液体状態に液化するよう構成される。液化アセンブリ14は、流体転移の相まで流体から熱を除去することによって流体の流れを液化する。液化アセンブリ14は、相転移の遙か下にまで流体を冷却する。例えば、流体が酸素である1つの実施態様において、液化アセンブリ14は、酸素を1バールで約−183℃及び/又は他の温度まで冷却する。液化アセンブリ14は、導管20、熱交換アセンブリ22、弁24、及び/又は、他の構成素子を含み得る。
【0017】
導管20は、入口26と、出口28とを含み、流体を入口26から出口28に方向付ける流路を形成するよう構成される。入口26は、流動気体流生成器30によってシステム10に提供される気体状態にある流体の流れを受け入れるようシステム10内に配置される。流動気体流生成器30をシステム1の一体的な一部としてシステム10に含めてもよく、或いは、流動気体流生成器30はシステム10の外部にあり、流体の流れをシステム10にもたらすよう、流動気体流生成器30をシステム10に結合し得る。非限定的な実施例として、流動気体流生成器30は、圧力スウング吸着システム、及び/又は、他の気体流生成器1つ又はそれよりも多くを含み得る。1つの実施態様において、導管20は、銅及び/又は他の材料のような金属材料から形成される、ある長さの配管を含む。1つの実施態様において、導管20によって形成される流路は、コイル形状又は所与の領域内の流路の経路長を増大する何らかの他の形状を有する。
【0018】
熱交換アセンブリ22は、導管20と熱連絡してシステム10内に配置される。熱交換アセンブリ22は、導管20内の流体から熱を除去するよう構成される。例えば、1つの実施態様において、熱交換アセンブリ22は、導管20と熱連絡する(例えば、直接的に接触する)本体又は導管自体を冷却する圧縮器冷凍システムを含む。
【0019】
コントローラ12は、熱交換アセンブリ22と動作的に連絡して、熱交換アセンブリ22の動作を制御する。これは熱交換アセンブリ22が少なくとも第一状態及び第二状態において動作するよう制御することを含む。第一状態において、熱交換アセンブリ22は、導管20内の流体から熱を除去し、流体を気体状態から液体状態に転換する。第二状態において、熱交換アセンブリ22は、導管20内の流体から実質的により少ない熱を除去する。例えば、熱交換アセンブリ22が前述の圧縮器冷凍システムを含む実施態様では、第二状態において、熱交換アセンブリ22内に含められる圧縮器の動作を低減し得るし、停止さえし得る。
【0020】
コントローラ12は、導管20を流通する流体の液化の間、熱交換アセンブリ22が第一状態において動作するよう制御する。様々な理由のうちのいずれのためにも、コントローラ12は、熱交換アセンブリ22の動作を第一状態から第二状態に切り換え得る。例えば、システム10が(例えば、コントローラ12への入力を通じて)使用者によって停止又は休止されるならば、コントローラ12は熱交換アセンブリ22が第二状態において動作するよう制御し得る。他の実施例として、貯蔵アセンブリ16の貯蔵容量に達するならば、貯蔵のための液化流体の生成を中断するために、コントローラ12は熱交換アセンブリ22が第二状態において動作するよう制御し得る。更に他の実施例として、流動気体流生成器30が気体状態にある流体の流れを現時点で生成していないならば、コントローラ12は熱交換アセンブリ22が第二状態において動作するよう制御し得る。
【0021】
第一状態にある熱交換アセンブリ22の動作中、導管20を流通する流体が液化される間、流体内の水分(例えば、水蒸気及び/又は液体)は流体から氷結し、導管20内に霜(frost)を形成する。流体の液化中、この霜はそれ自体に粘着したり、流体が気体状態にある導管20の一部(例えば、入口26に比較的近い導管20の部分)で導管20の壁に粘着したりしない傾向を有する。しかしながら、流体が液体状態に転移する導管20の後半の区画(出口28に比較的近い導管20の区画)内で、導管20を通じる流体の流速は実質的に遅い。この流速の降下は、導管20の後半の区画における導管20内で霜の蓄積を引き起こし、目詰まりを引き起こし得る。1つの実施態様において、導管20の内径は、入口26から出口28に減少する。この導管20の内径の漸進的な減少は、流体内の霜を蓄積させ、導管20を目詰まりさせ得る。更に、従来的な液化システムでは、熱交換アセンブリ22が第二状態で作動されるならば、導管20内の温度は上昇する。(殆どの実施において、温度は完全に溶解するほど高くはないが)これは導管20内の霜を軟化させる。熱交換アセンブリ22が第一状態に戻るや否や、霜を更に軟化し、次に、導管20を通じる初期的な流れによって、導管20を下って出口28に向かって移動させ得る。この軟化された霜は、導管20の壁及び/又はそれ自体に粘着して目詰まりを形成する傾向をより大きく有する。導管20内の目詰まりは非建設的な発生と考えられる。何故ならば、それらはダウンタイム(休止時間)を引き起こし、(例えば、導管20を洗浄又は交換する)保守を必要とし、システム10の他の構成素子及び/又は流動気体流生成器30への付随的損傷を引き起こし、且つ/或いは、他の否定的な影響を有するからである。
【0022】
弁24は、流体を導管20の出口28から貯蔵アセンブリ16に方向付けるか、或いは、流体を出口28でシステム10から排出するかのいずれかに選択的に構成される。1つの実施態様において、弁24は第一モード及び第二モードにおいて動作可能である。第一モードにおいて、弁24は、システム10から導管20の出口28から流体を排出する。これは流体を大気及び/又は何らかの汚水受けに排出することを含む。第二モードにおいて、弁24は、流体を導管20の出口28から貯蔵アセンブリ16に方向付ける。
【0023】
弁24は、コントローラ12によって第一モードと第二モードとの間で制御される。コントローラ12は、導管20内の目詰まりを減少するよう弁24を制御するよう構成される。これは、熱交換アセンブリ22を第一状態と第二状態との間で切り換えるときに、動作弁24が導管20から水分を除去することを含む。例えば、1つの実施態様において、制御インターフェース13は、コントローラ12が熱交換アセンブリ22を第二状態から第一状態に切り換えて液化アセンブリ14内の流体の液化を開始(又は再開)すべきことを示す制御信号を受信する。そのような制御信号に応答して、コントローラ12は、弁24が第一モードで動作するよう制御するのに対し、流動気体流生成器30(又は何らかの他の気体源)からの気体状態にある流体は、導管20を通じて流れる。これは熱交換アセンブリ22を動作の第二状態から第一状態に実際に切り換える前に起こり得る。液化アセンブリ14内の流体の液化を開始する前に導管20を通じる気体状態にある流体の流れは、従前の動作からの導管20内の残留霜を導管20から除去する。
【0024】
1つの実施態様において、コントローラ12は、所定の量の時間に亘って弁24を第一モードで作動する。使用者入力に基づき所定の量の時間を決定し得る。1つの実施態様において、システム10は、弁24の排出部に又は排出部付近に1つ又はそれよりも多くのセンサを更に含み、センサは、弁24によって排出される流体中の含水量を検出する。弁24によって排出される流体中の含水量が所定の閾値より下になるまで、コントローラ12は弁24を第一モードで作動し得る。使用者入力に基づき所定の閾値を決定し得る。
【0025】
気体状態にある流体の流れによって導管20内の水分が除去されるや否や、コントローラ12は弁24が第二モードにおいて作動するよう制御し、液化アセンブリ14が導管20内の流体の液化を開始するよう制御する。これは熱交換アセンブリ22を動作の第二状態から第一状態に切り換えることを含み得る。
【0026】
貯蔵アセンブリ16は、液化アセンブリ14と流体連絡し、液化アセンブリ14によって液化された流体を貯蔵するよう構成される。1つの実施態様において、貯蔵アセンブリ16は、貯蔵貯槽32と、1つ又はそれよりも多くのセンサ34とを含む。貯蔵アセンブリ16の一部又は全部をデューワ容器に形成し得る。
【0027】
貯蔵貯槽32は、液化アセンブリ14からの貯蔵アセンブリ16によって受け取られる液化流体を保持するよう構成される。液化流体は、第二モードにおける弁24の作動が流体を液化アセンブリ14から入口36に方向付けるよう、弁24と流体連絡する入口36を介して貯蔵アセンブリ16内に受け入れられる。気体状態にある流体は、流体方向アセンブリ18と流体連絡する出口38を通じて貯蔵貯槽32から放出される。流体は、流動液体出口39を通じて、液体状態において貯蔵貯槽32から放出される。
【0028】
センサ34は、貯蔵貯槽32内の圧力に関連する情報を伝達する出力信号を生成するよう構成される。1つの実施態様において、センサ34は、出口38又は出口付近に配置される。センサ34は、センサ34によって生成される出力信号がコントローラ12に通信されるよう、コントローラ12と動作的に連絡する。
【0029】
貯蔵貯槽32内での液化流体の貯蔵中、(例えば、液化流体と周囲温度との間の極めて大きな温度差の故に)流体の温度は上昇し始め得る。温度が上昇すると、流体の一部は沸騰して液体状態から気体状態になる。流体沸騰は貯蔵貯槽32内の圧力を上昇させる。何故ならば、流体の気体状態は液体状態よりも大きい容積を必要とするからである。ある時点で、この圧力上昇が緩和されないならば、貯蔵貯槽32は漏れ出し且つ/或いは破裂する。
【0030】
従来的なシステムでは、弁が出口38又は出口付近に配置され、出口は沸騰によって引き起こされる貯蔵貯槽32内の圧力を緩和する。例えば、所定の閾値レベルで沸騰気体の一部を大気に排気し、それによって、貯蔵貯槽32内の圧力を閾値レベルより下に戻すように弁を構成し得る。例えば、圧力が何らかの所定の閾値より上に上昇するならば、高圧出口41が機械的に開放するか或いは高圧出口41に「亀裂」が生じるよう、高圧出口41を構成し得る。しかしながら、この貯蔵貯槽32内の圧力を規制する機構は非効率的である。最終的には沸騰して排出される貯蔵貯槽32内に貯蔵される流体を液化するのに利用される源は、本質的に浪費される。更に、沸騰流体の一部を排出することは、残余の液化流体の温度クリープ(temperature creep)に何ら取り組まない。
【0031】
システム10は、貯蔵貯槽32内の圧力を従来技術よりも効率的に規制するよう構成される。貯蔵貯槽32内の流体の一部を単に排出する代わりに、システム10は、貯蔵貯槽32内の温度を下げ、それによって、沸騰流体の一部を凝結して液体形態に戻して、貯蔵貯槽32内の圧力を減少する。
【0032】
1つの実施態様において、コントローラ12は、センサ34によって生成される出力信号を受信し、貯蔵貯槽32内の圧力が高過ぎるか(例えば、閾値より上か)否かを決定する。圧力が高過ぎるならば、制御信号を生成し、制御信号は、コントローラ12に液化アセンブリ14を制御させて、貯蔵貯槽32内に導入されるべき追加的な流体の液化を開始させる、液化アセンブリ14から貯蔵貯槽32内に受け入れられる液化流体の温度は、貯蔵貯槽32内の流体が液体から気体に転移する沸騰温度よりも遥かに低い。よって、液化アセンブリ14からの追加的な液化流体の導入は、貯蔵貯槽32内の全体温度を下げる。典型的には、最近沸騰した流体の温度は、沸騰温度よりもずっと大きい。従って、追加的な流体の導入によって引き起こされる貯蔵貯槽32内の全体温度の低下は、少なくとも一部の沸騰気体の凝結を引き起こし、ひいては、貯蔵貯槽32内の圧力を減少する。
【0033】
液化アセンブリ14が現時点で流体を液化していないならば、液化アセンブリ14による追加的な流体の液化の開始は、流体を液化し始めることを含む。液化アセンブリ14が現時点で流体を液化しているならば、液化アセンブリ14による追加的な流体の液化の開始は、液化される流体の量を増大することを含む。例えば、液化アセンブリ14が所与の速度で流体を液化するならば、液化の速度を増大し、追加的な流体の液化を開始し得る。
【0034】
理解されるように、この貯蔵貯槽32内の高温に応答するシステム10の作動は、外観上、従来的なシステムの応答の正に反対である。貯蔵貯槽32から流体を放出するよりもむしろ、システム10はより多くの流体を追加し、追加的な流体の比較的低い温度に依存して、沸騰流体の凝結を引き起こすことによって貯蔵貯槽32内の温度を下げる。この貯蔵貯槽32内の圧力を規制する解決策は、従来的な解決策よりも効率的である。何故ならば、貯蔵貯槽32内の貯蔵のために乾燥され且つ液化される流体は、大気に単に排気されないからである。
【0035】
流体方向アセンブリ18は、流動気体流生成器30とシステム10との間の流体を、貯蔵アセンブリ16と大気との間、及び/又は、システム10と1つ又はそれよりも多くの他の目的地との間に方向付けるよう構成される。1つの実施態様において、流体方向アセンブリ18は、流体入口40と、導管42と、流体乾燥器44と、第一弁46と、第二弁48とを含む。
【0036】
流体入口40は、流動気体流生成器30によって生成される流体の流れを受け入れるよう構成される。1つの実施態様において、流体入口40は、流動気体流生成器30によって生成される気体状態における流体の流れを処理及び/又は貯蔵のためにシステム内に受け入れ得るよう、流動気体流生成器30がシステム10と取り外し可能に連結されることを可能にする。
【0037】
導管42は、気体状態にある流体の流れを液化のために液化アセンブリ14に運搬するよう構成される。導管42は、流体入口40と液化アセンブリ14との間に、気体状態にある流体の流れのための流路を形成する。1つの実施態様において、導管42は、銅のような金属材料、PVC又はTygonのような非金属材料、及び/又は、他の材料で形成される1つ又はそれよりも多くのある長さの配管を含む。1つの実施態様において、導管42は、流体乾燥器44、第一弁46、及び/又は、第二弁48のうちの1つ又はそれよりも多くを収容するマニフォルドを含む。
【0038】
流体乾燥器44は、流体入口40で受け入れられる気体状の流体の流れが液化アセンブリ14に向かう途中に流体乾燥器44を通じて案内されるよう、導管42によって形成される流路内に配置される。流体乾燥器44は、流体の流れが液化アセンブリ14に達する前に、気体状態にある流体の流れから水分を除去するよう構成される。上記に議論したように、流体の流れ中の水分は、関連する欠点を伴って、液化アセンブリ14内に目詰まりを引き起こし得る。更に、流体の流れ中の水分は、最終的には貯蔵アセンブリ16に貯蔵される液化流体中の不純物の原因となり得る。よって、流体乾燥器44の機能は、システム10の効率性、有効性、信頼性、及び/又は、耐久性にとって有意であり得る。
【0039】
1つの実施態様において、流体乾燥器44は、乾燥剤を保持するカートリッジ又は容器を含む。気体状態にある流体の流れがカートリッジを通過するとき、乾燥剤は流体の流れから水分を除去する。1つの実施態様では、他の種類の水分抽出媒体が乾燥剤と置換される。
【0040】
第一弁46は、流体乾燥器44と流体入口40との間の導管42によって形成される流路内に配置される。第一弁46は、第一モード及び第二モードにおいて選択的に動作可能である。コントローラ12は、第一弁46と動作的に連絡し、コントローラ12は、第一モードと第二モードとの間で第一弁46の動作を制御する。第一モードにおいて、第一弁46は、流体入口40で受け入れられる気体状態にある流体の流れを導管42に沿って液化アセンブリ14に向かって方向付ける。第二モードにおいて、第一弁46は、システム10から流体入口40で受け入れられる気体状態にある流体の流れを排出する。これは流体の流れを大気及び/又は汚水受けに排出することを含み得る。
【0041】
1つの実施態様において、コントローラ12は、第一弁46を制御してシステム10に導入される水分を移動させる。これは流体乾燥器44(又はその構成部品)の寿命を延ばし、液化アセンブリ14及び/又は貯蔵アセンブリ16に達する水分を減少し得る。一部の場合、流動気体流生成器30によって生成される流体の流れ中の含水量は、(流れ生成の開始後に存在する)初期レベルから流体気体流生成器30が流体の流れを生成し始めるときのより低い均衡レベルに落ち得る。例えば、流動気体流生成器30は、吸着技法を使用してもよく、吸着技法は、始動後、進行中の動作中に存在する水分の典型的なレベルに対して高いレベルの水分を有する流体の流れを生成する。
【0042】
1つの実施態様では、流動気体流生成器30が流体の流れの生成を開始するとき、流体入口40で受け入れられる流体の流れによってシステム10内に導入される水分を移動するために、コントローラ12は、第一弁46が第二モードで動作するよう制御し、流体の流れ中の含水量が減少されるまで、流体入口40で受け入れられる流体の流れをシステム10から排出する。流体入口40で受け入れられる流体の流れの水分レベルが減少されるや否や、コントローラ12は第一モードで動作するよう第一弁46を制御するので、流体入口40で受け入れられる流体の流れが導管42を通じて液化アセンブリ14に送られる。流体の流れの水分レベルが減少されるのを保証するために、コントローラ12は第一弁46が流動気体流生成器30による流体の流れの生成の開始から所定の時間期間に亘って第二モードで動作するよう制御し得る。時間期間は使用者入力に基づき得る。時間期間は約30分、約60分、約90分、又は、他の時間期間であり得る。コントローラ12は、(例えば、制御インターフェース13を介した)流動気体流生成器30との通信に基づき、流動気体流生成器30が流体の流れの生成を開始したことを決定する。
【0043】
非限定的な代替として、コントローラ12は、流体の流れ中の水分の直接的な測定に依存して第一弁46を制御し得る。流体入口40と第一弁46との間のシステム10内に含まれるセンサから、並びに/或いは、(流動気体流生成器30が水分センサを含むならば)流動気体流生成器30自体から、流体の流れ中の水分の直接的な測定値を取得し得る。コントローラ12は、センサ及び/又は流動気体流生成器30による水分の測定値を所定の閾値と比較し得る。使用者入力に基づき所定の閾値を決定し得る。所定の閾値は、約−60℃の露点、及び/又は、他のレベルの水分であり得る。
【0044】
第二弁48は、第一弁46とは反対の流体乾燥器44の側に導管42によって形成される流路内に配置される。第二弁48は、第一モード及び第二モードにおいて動作可能である。第一モードにおいて、第二弁48は、導管42によって形成される流路内の流体の流れを、液化のために液化アセンブリ14の導管20に連絡する。第二モードにおいて、第二弁48は、導管42の流路を貯蔵アセンブリ16の出口38と連絡する。コントローラ12は、第二弁48の動作を制御して流体乾燥器44を乾燥させ、それは流体乾燥器44の寿命を延ばし、第一弁46の有効性を増大し、且つ/或いは、他の利益をもたらす。
【0045】
一般的に、動作中、コントローラ12は、第二弁48が第一モードで動作し、液化のために導管42内の流体の流れを液化アセンブリ14に方向付けるよう制御する。しかしながら、周期的に、コントローラ12は第二弁48が短い時間期間に亘って第二モードにおいて動作するよう制御する。この第二弁48の切り換えと共に、コントローラ12は第一弁46がその第二モードで動作するようにも制御する。これは貯蔵アセンブリ16内に貯蔵され且つ沸騰して気体状態になる気体の一部を導管42内に導入させ、第一弁46を通じてシステム10から排出されるよう導管42を通じて進行させる。前述から理解されるように、液化アセンブリ14による液化の後、貯蔵アセンブリ16内に貯蔵される流体は、比較的乾燥している。それが流体乾燥器44を通じて流れるとき、第二弁48を通じて導管42に導入される乾燥流体は、流体乾燥器44内に蓄積した水分の少なくとも一部を除去し、第一弁46を通じてシステム10から水分を排出する。
【0046】
1つ又はそれよりも多くのトリガ事象によって上述したように流体乾燥器44を乾燥するために第一弁46及び第二弁48を制御するようコントローラ12を始動し得る。1つの実施態様において、トリガ事象は、貯蔵貯槽32内の流体の一部が大気に排出される必要があるレベルまで上昇する貯蔵アセンブリ16の貯蔵貯槽32内の流体の圧力及び/又は量である。1つの実施態様において、トリガ事象は、流体乾燥器44が乾燥された従前の時間からの時間期間の経過である。1つの実施態様において、トリガ事象は、ある量の流体が液化アセンブリ14によって液化されたという(例えば、コントローラ12内の)決定である。1つの実施態様において、トリガ事象は、(例えば、制御インターフェース13を介した)使用者命令の受信である。
【0047】
流体乾燥器44の温度を上げることによって、貯蔵アセンブリ16から排出される流体の噴出による流体乾燥器44からの水分の除去を増大し得る。これを活用するために、1つの実施態様において、流体方向アセンブリ18は、流体乾燥器44を通じた貯蔵アセンブリ16からの流体の排出中の流体乾燥器44の温度を上げるよう構成されるヒータ50を含む。ヒータ50は、流体乾燥器44の温度を約75℃及び/又は周囲温度よりも高い他の温度まで上げ得る。1つの実施態様において、ヒータ50は、廃熱を生成する液化アセンブリ14の構成素子、又は、液化アセンブリ14の1つ又はそれよりも多くの構成素子によって生成される廃熱によって加熱される素子を含む。非限定的な実施例として、熱交換アセンブリ22が圧縮器冷凍機を含む実施態様において、ヒータ50は、熱交換アセンブリ22と関連付けられる冷媒圧縮器によって生成される廃熱を活用し得る。
【0048】
流体方向アセンブリ18の構造は、上述したシステム10に導入される水分を減少するために記載した機構に関して、限定的ではないことが理解されよう。上述した機構を実施するよう組み立て得る弁及び/又は導管構造の無限数の置換における他の構造の弁及び/又は導管は、この開示の範囲内にある。
【0049】
図2は、気体状態にある流体の流れを液体状態に液化し始めるよう液化アセンブリを準備する方法52を例示している。以下に提示する方法52の工程は例示的であることが意図されている。一部の実施態様では、記載していない1つ又はそれよりも多くの追加的な工程を伴って、及び/又は、議論した工程のうちの1つ又はそれよりも多くの工程を伴わずに、方法52を達成し得る。加えて、図2に例示し且つ以下に記載する方法52の工程の順序が限定的であることは意図されていない。1つの実施態様において、方法52は、図1に示し且つ上述したシステム10の機能の少なくとも一部を含むシステムによって遂行される。しかしながら、他の実施態様では、この開示の範囲から逸脱せずに、他の脈絡において方法52を実施し得る。
【0050】
工程54で、流動気体流生成器30が液化のために気体状態にある流体の流れの生成を開始したという通信を流動気体流生成器30から受信する。1つの実施態様において、工程54は(図1に示し且つ上述した)コントローラ12と同じ又は類似するコントローラによって遂行される。
【0051】
工程56で、流動気体流生成器30によって生成される気体状態にある流体の流れを受け入れる。流体の流れを液化するよう構成されるシステムにある流体入口で流体の流れを受け入れ得る。1つの実施態様において、工程56は(図1に示し且つ上述した)流体方向アセンブリ18の流体入力40と同じ又は類似する流体方向アセンブリの流体入力によって遂行される。
【0052】
工程58で、流体入口で受け入れられる流体の流れを(例えば、大気に)排出する。1つの実施態様において、工程58は、流体入口と流体連絡する弁によって遂行される。例えば、弁は(図1に示し且つ上述した)第一弁46と同じ又は類似であり得る。
【0053】
工程60で、流動気体流生成器からの流体の流れの排出が継続されるべきか否かについての決定を行う。1つの実施態様において、この決定は、流体の流れ中の水分が減少されるよう、流動気体流生成器が流体の流れの生成を開始して以来、所定の時間期間が経過したか否かを決定することを含む。1つの実施態様において、工程60での決定は、流動気体流生成器から受け入れる流体の流れ中の含水量を検出し、前記決定を検出含水量に基づかせること(例えば、含水量を閾値と比較すること)を含む。流動気体流生成器及び/又は流体の流れを大気に排出する弁の一方又は両方と動作的に連絡するコントローラによって、工程60を遂行し得る。例えば、コントローラは(図1に示し且つ上述した)コントローラ12と同じ又は類似であり得る。
【0054】
流体の流れの排出が継続されるべきとの決定が工程60で行われるならば、方法52は工程58に戻る。流体の流れの排出が継続されるべきでないとの決定が工程60で行われるならば、方法52は工程62に進む。工程62で、流体の流れの排出を中止し、流体の流れを液化のために液化モジュールに送る。1つの実施態様では、大気への流体の流れの排出を弁によって中止し、(図1に示し且つ上述した)流体方向アセンブリ18と同じ又は類似する流体方向アセンブリによって、流体の流れを液化モジュールに送る。
【0055】
図3は、気体状態にある流体を液体状態に液化し始めるよう液化アセンブリを準備する方法66を例示している。以下に提示される方法66の工程は、例示的であることが意図されている。一部の実施態様では、記載されていない1つ又はそれよりも多くの追加的な工程を伴って、及び/又は、議論した工程のうちの1つ又はそれよりも多くの工程を伴わずに、方法66を達成し得る。加えて、図3に例示し且つ以下に記載する方法66の工程の順序が限定的であることは意図されていない。1つの実施態様において、方法66は、図1に示し且つ上述したシステム10の機能の少なくとも一部を含むシステムによって遂行される。しかしながら、他の実施態様では、この開示の範囲から逸脱せずに、他の脈絡において方法66を実施し得る。
【0056】
工程68で、流体を気体状態から液体状態に液化するよう構成される液化アセンブリと関連付けられる導管の入口で、気体状態にある流体の流れを受け入れる。1つの実施態様において、工程68は(図1に示し且つ上述した)導管20の入口26と同じであり或いは類似する導管の入口によって遂行される。
【0057】
工程70で、制御信号を受信する。制御信号は、液化アセンブリと関連付けられる熱交換アセンブリが第一状態から第二状態に切り換えられるべきことを示す。第一状態において、熱交換アセンブリは、導管内の流体から熱を除去し、流体を気体状態から液体状態に転移させる。第二状態において、熱交換アセンブリは、第一状態において除去されるよりも実質的に少ない熱を導管内の流体から除去する。1つの実施態様において、工程70は(図1に示し且つ上述した)コントローラ12と同じ又は類似するコントローラ12によって遂行される。
【0058】
工程72で、工程70での制御信号に応答して、入口から出口に導管を通過した後、導管の入口で受け入れられた流体を(例えば、大気に)排出する。1つの実施態様において、工程72は、導管の出口から下流に配置される弁を制御するコントローラによって遂行される。コントローラ及び/又は弁は(図1に示し且つ上述した)コントローラ12及び/又は弁24と同じ又は類似であり得る。
【0059】
工程74で、流体の流れが排出され続けるべきか或いは貯蔵のために貯蔵アセンブリに方向付けられるべきか否かについての決定を行う。1つの実施態様において、工程74で行われる決定は、流体の流れが導管から残留水分を除去する時間期間に亘って排出されるべきか否かの決定を含む。時間期間は所定の時間期間であり得る。(図1に示し且つ上述した)コントローラ12と同じ又は類似するコントローラによって工程74を遂行し得る。
【0060】
流体の流れが排出され続けるべきか否かの決定が工程74で行われるならば、方法66は工程72に戻る。流体の流れが最早排出されるべきではないとの決定が工程74で行われるならば、方法66は工程76に進む。工程76で、導管を通じた流体の流れの液化を開始するよう、熱交換を動作の第二状態から第一状態に切り換える。1つの実施態様において、工程76は(図1に示し且つ上述した)コントローラ12と同じ又は類似するコントローラ12によって遂行される。
【0061】
工程78で、導管を通過した後の流体の流れの排出を中止し、その結果、流体の流れを、貯蔵のために貯蔵アセンブリに方向付ける。1つの実施態様において、工程78は、流体の流れを排出していた弁を制御するコントローラによって遂行される。コントローラ及び/又は弁は(図1に示し且つ上述した)コントローラ12及び/又は弁24と同じ又は類似し得る。
【0062】
図4は、液化流体を貯蔵する方法80を例示している。以下に提示される方法80の工程は例示的であることが意図されている。一部の実施態様では、記載されない1つ又はそれよりも多くの追加的な工程を伴って、及び/又は、議論した動作の1つ又はそれよりも多くの動作を伴わずに、方法80を達成し得る。加えて、図4に例示し且つ以下に記載する方法80の工程の順序が限定的であることは意図されていない。1つの実施態様において、方法80は、図1に示し且つ上述したシステム10の機能の少なくとも一部を含むシステムによって遂行される。しかしながら、他の実施態様では、この開示の範囲から逸脱せずに、他の脈絡において方法80を実施し得る。
【0063】
工程83で、液化アセンブリによって液化された流体を貯蔵する。1つの実施態様において、液化アセンブリは(図1に示し且つ上述した)液化アセンブリ14と同じ又は類似であり、工程82は(図1に示し且つ上述した)貯蔵アセンブリ16と同じであり或いは類似する貯蔵アセンブリによって遂行される。
【0064】
工程84で、貯蔵アセンブリ内に貯蔵され且つ沸騰して気体状態になった流体を、液化のために液化モジュールに導入される気体状態にある流体から水分を除去するよう構成される流体乾燥器を通じて排出する。工程84の開始を1つ又はそれよりも多くのトリガ事象の発生に基づかせ得る。1つの実施態様において、流体乾燥器は(図1に示し且つ上述した)流体乾燥器44と同じ又は類似であり、工程84は(図1に示し且つ上述した)流体方向アセンブリ18及びコントローラ12と同じ又は類似であるコントローラの制御の下で流体方向アセンブリによって遂行される。
【0065】
1つの実施態様では、工程86で、流体乾燥器の温度が工程84の間に上昇させられるよう、乾燥器を加熱する。(図1に示し且つ上述した)ヒータ50と同じ又は類似するヒータによって工程86を遂行し得る。
【0066】
図5は、流体を気体状態から液体状態に気化する方法88を例示している。以下に提示する方法88の工程は例示的であることが意図されている。一部の実施態様では、記載しない1つ又はそれよりも多くの追加的な工程を伴って、且つ/或いは、議論した動作の1つ又はそれよりも多くの動作を伴わずに、方法88を達成し得る。加えて、図5に例示し且つ以下に記載する方法88の工程の順序が限定的であることは意図されていない。1つの実施態様において、方法88は、図1に示し且つ上述したシステム10の機能の少なくとも一部を含むシステムによって遂行される。しかしながら、他の実施態様では、この開示の範囲から逸脱せずに、他の脈絡において方法88を実施し得る。
【0067】
工程90で、流体の流れを気体状態から液体状態に液化する。1つの実施態様において、工程90は(図1に示し且つ上述した)液化アセンブリ14と同じであり或いは類似する液化アセンブリによって遂行される。
【0068】
工程92で、液化流体を貯蔵する。1つの実施態様において、工程92は(図1に示し且つ上述した)貯蔵貯槽32と同じであり或いは類似する貯蔵貯槽によって遂行される。
【0069】
工程94で、貯蔵貯槽内の圧力を検出する。1つの実施態様において、工程94は(図1に示し且つ上述した)センサ34及びコントローラ12と同じであり或いは類似するセンサ及びコントローラによって遂行される。
【0070】
工程96で、検出圧力に応答して、貯蔵のための流体の液化を調節する。例えば、沸騰する貯蔵貯槽内の流体が貯蔵貯槽内の圧力を(例えば、閾値より上に)上昇させるならば、工程96は、追加的な流体の液化を開始して貯蔵貯槽内の温度を下げることを含む。他の実施例として、貯蔵貯槽内の圧力が十分に低いならば、貯蔵のために液化される流体の量を減少し得る。1つの実施態様において、工程96は(図1に示し且つ上述した)コントローラ12と同じであり或いは類似するコントローラの制御の下で(図1に示し且つ上述した)液化アセンブリ14と同じであり或いは類似する液化アセンブリによって遂行される。
【0071】
現時点で最も実用的且つ好適と考えられる実施態様に基づき例示の目的のために本発明を詳細に記載したが、そのような詳細は専らその目的のためであること、並びに、本発明は開示の実施態様に限定されず、逆に、付属の請求項の精神及び範囲内にある変更及び均等構成を包含することが意図されていることが理解されるべきである。例えば、本発明は、可能な限り、任意の実施態様の1つ又はそれよりも多くの機能を任意の他の実施態様の1つ又はそれよりも多くのの機能と組み合わせ得ることが理解されるべきである。

図2
図3
図4
図5
図1