特許第5795803号(P5795803)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5795803並列フライバックコンバータ段を有する発光ダイオード(LED)を駆動する方法及び装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5795803
(24)【登録日】2015年8月21日
(45)【発行日】2015年10月14日
(54)【発明の名称】並列フライバックコンバータ段を有する発光ダイオード(LED)を駆動する方法及び装置
(51)【国際特許分類】
   H05B 37/02 20060101AFI20150928BHJP
【FI】
   H05B37/02 J
【請求項の数】15
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2013-525380(P2013-525380)
(86)(22)【出願日】2011年7月22日
(65)【公表番号】特表2013-538425(P2013-538425A)
(43)【公表日】2013年10月10日
(86)【国際出願番号】IB2011053279
(87)【国際公開番号】WO2012025844
(87)【国際公開日】20120301
【審査請求日】2014年7月17日
(31)【優先権主張番号】61/376,314
(32)【優先日】2010年8月24日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】590000248
【氏名又は名称】コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ
(74)【代理人】
【識別番号】110001690
【氏名又は名称】特許業務法人M&Sパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】アブルナガ アリ
【審査官】 宮崎 光治
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−158098(JP,A)
【文献】 国際公開第2007/069371(WO,A1)
【文献】 特開2000−083374(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B37/00−39/10
H02M3/00−3/44
H01L33/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源を駆動するために出力電力を供給する装置であって、前記装置は、
第1のフライバック交流電流‐直流電流(AC/DC)コンバータ段を有し、前記第1のフライバックAC/DCコンバータ段は、第1のスイッチ及び前記第1のフライバックAC/DCコンバータ段を選択的に使用可能にするために前記第1のスイッチを制御する第1のスイッチコントローラを含み、
第2のフライバックAC/DCコンバータ段を有し、前記第2のフライバックAC/DCコンバータ段は、前記第1のスイッチにかかる前記出力電力の測定値をしきい値と比較するコンパレータ、第2のスイッチ及び前記コンパレータの出力に応答して前記第2のフライバックAC/DCコンバータ段を選択的に使用可能にするために前記第2のスイッチを制御する第2のスイッチコントローラを含み、前記第2のフライバックAC/DCコンバータ段は、前記第1のフライバックAC/DCコンバータ段と並列に電気接続されている、装置。
【請求項2】
前記第1のスイッチは、第1の金属酸化物半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)から成る、請求項1記載の装置。
【請求項3】
前記第2のスイッチは、第2のMOSFETから成る、請求項1記載の装置。
【請求項4】
前記第1のスイッチコントローラは、力率制御器(PFC)から成る、請求項1記載の装置。
【請求項5】
前記第2のスイッチコントローラは、ゲートコントローラから成る、請求項3記載の装置。
【請求項6】
前記PFCコントローラは、出力電力に関するしきい値制限データを備えたメモリを有する、請求項4記載の装置。
【請求項7】
第3のフライバックAC/DCコンバータ段を更に有し、前記第3のフライバックAC/DCコンバータ段は、第3のスイッチ及び前記第3のフライバックAC/DCコンバータ段を選択的に使用可能にするために前記第3のスイッチを制御する第3のスイッチコントローラを含み、前記第3のフライバックAC/DCコンバータ段は、前記第1のフライバックAC/DCコンバータ段及び前記第2のフライバックAC/DCコンバータ段と並列に電気接続されている、請求項1記載の装置。
【請求項8】
第4のフライバックAC/DCコンバータ段を更に有し、前記第4のフライバックAC/DCコンバータ段は、第4のスイッチ及び前記第4のフライバックAC/DCコンバータ段を選択的に使用可能にするために前記第4のスイッチを制御する第4のスイッチコントローラを含み、第4のフライバックAC/DCコンバータ段は、前記第1のフライバックAC/DCコンバータ段、前記第2のフライバックAC/DCコンバータ段及び前記第3のフライバックAC/DCコンバータ段と並列に電気接続されている、請求項7記載の装置。
【請求項9】
前記第3のスイッチは、第3のMOSFETから成り、前記第3のスイッチコントローラは、ゲートコントローラから成る、請求項7記載の装置。
【請求項10】
前記第4のスイッチは、第4のMOSFETから成り、前記第4のスイッチコントローラは、ゲートコントローラから成る、請求項8記載の装置。
【請求項11】
光源を駆動する方法であって、前記方法は、
第1のフライバックAC/DCコンバート段の第1のスイッチに接続されたセンス抵抗器にかかる電圧を検出するステップを有し、前記電圧は、前記光源によって要求される出力電力に対応し、
前記電圧をしきい値電圧と比較するステップを有し、
前記電圧が前記しきい値電圧よりも高い場合、第2のフライバックAC/DCコンバータ段を使用可能にするステップを有する、
方法。
【請求項12】
前記第2のAC/DCコンバータ段の使用可能後、前記電圧が前記しきい値電圧よりも高い場合、第3のフライバックAC/DCコンバータ段を使用可能にするステップを更に有する、請求項11記載の方法。
【請求項13】
前記第3のAC/DCコンバータ段の使用可能後、前記電圧が前記しきい値電圧よりも高い場合、第4のフライバックAC/DCコンバータ段を使用可能にするステップを更に有する、請求項12記載の方法。
【請求項14】
前記電圧が前記しきい値電圧よりも低い場合、前記第2のAC/DCコンバータ段を使用可能にしないステップを更に有する、請求項11記載の方法。
【請求項15】
前記第4のフライバックAC/DCコンバータ段を使用可能にした後、前記センス抵抗器にかかる電圧を検出し、前記電圧が前記しきい値電圧よりも低い場合、前記第4のフライバックAC/DCコンバータ段を使用不能にするステップを更に有する、請求項13記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、LEDを駆動する電力制御装置に関する。特に、本明細書において開示される種々の本発明の方法及び装置は、並列フライバックコンバータを有するLED用のドライバ又は駆動回路に関する。
【背景技術】
【0002】
ディジタル照明技術、即ち半導体光源を利用した照明、例えば発光ダイオード(LED)は、伝統的な蛍光灯、HIDランプ及び白熱灯の有効な代替手段を提供する。LEDの機能的な利点及び利点としては、エネルギー変換及び光学的効率が高いこと、耐久性があること、経常費が安いこと及びその他多くのことが挙げられる。LED技術の近年における技術進歩により、多くの用途において種々の照明効果を実現可能にする効率的で且つ頑丈なフルスペクトル光源が提供された。これら光源を具体化した照明器具の中には、例えば米国特許第6,016,038号明細書及び同第6,211,626号明細書に詳細に説明されているように、互いに異なる色、例えば赤色、緑色及び青色を生じさせることができる1つ又は2つ以上のLED並びに種々の色及び変色照明効果を生じさせるためにLEDの出力を別個独立に制御するプロセッサを含む照明モジュールを備えるものがある。
【0003】
例えばLEDのような光源を駆動する際に交流電流‐直流電流(AC/DC)変換を行うフライバックコンバータを用いるのが良い。公知のフライバックコンバータの1つは、フライバック変成器、金属酸化物半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)及びスナバ回路を含む。多大な出力電力要件のために、公知のフライバックコンバータは、電圧及び電流定格の高いMOSFETを必要とする。高い電圧及び電流定格及びかくして高い電力定格の結果として、ゲートキャパシタンスの高いMOSFETが必要になる。かかるトランジスタは、比較的費用が高くつく。さらに、大電流MOSFETは、これと釣り合って高い電力要件を有する回路によって駆動されなければならない。さらに、比較的高いゲートキャパシタンスは、駆動するのが困難である。他の実際の欠点のうちで取り立てて言えば、大電力MOSFET及び所要のドライバは、かなり費用が高くつく。
【0004】
さらに、フライバックコンバータのフライバック変成器は、比較的低い漏れインダクタンスを示すことが有益である。フライバックコンバータの電力要件が増すにつれて、フライバック変成器の全体的サイズが増大すると共に低い漏れインダクタンスを維持することが不可能ではないとしても困難になる。加うるに、他の欠点のうちで取り立てて言えば、増大した電力取り扱い能力を備えたフライバックコンバータ用のフライバック変成器は、比較的費用が高くつくと共に物理的に大きくなる。かくして、大電力フライバック変成器は、これらのコストに加えて、追加のスペースを必要とする。
【0005】
最後に、比較的大きな電力用途に使用するための公知のフライバックコンバータの欠点に加えて、かかるフライバックコンバータに大電力MOSFET及び比較的大型のフライバック変成器を用いると、その結果として、比較的低い電力要件において性能が貧弱になる。特に、かかる公知のフライバックコンバータの全体的性能、インプット力率(PF)、全高調波歪み(THD)及び効率が小電力/軽負荷要件において低下する。これは、主として、大電力MOSFETのところにおけるスイッチングロスの増大に起因している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許第6,016,038号明細書
【特許文献2】米国特許第6,211,626号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
かくして、当該技術分野において、少なくとも上述の公知のフライバックAC/DCコンバータの欠点を解決した上で比較的広い電力範囲にわたってLEDにDC電力を提供するフライバックAC/DCコンバータ回路を採用したドライバを提供することが要望されている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本明細書における開示内容は、光源(例えば、LED)を駆動する並列AC/DCフライバックコンバータを有する本発明の方法及び装置に関する。例えば、本発明の方法及び装置は、有益には、比較的広い出力電力範囲にわたって比較的高い性能を提供しながら大きな出力電力を提供すると共に比較的小さい出力電力から比較的大きい出力電力に依然としてスケール変更可能である。有益には、これら方法及び装置では、比較的小電力MOSFET及び比較的小型のフライバック変成器を必要とするに過ぎない。所望の出力電力は、出力電力の需要を満たすよう適当な数の並列フライバックAC/DCコンバータ段を選択的に使用可能にすることによって達成できる。
【0009】
一般に、一観点では、光源を駆動する装置が開示される。この装置は、第1のスイッチ、第1のスイッチコントローラ及びコンパレータを含む第1のフライバック交流電流‐直流電流(AC/DC)コンバータ段と、第2のスイッチ及び第2のスイッチコントローラを含む第2のフライバックAC/DCコンバータ段とを有し、第2のフライバックAC/DCコンバータ段は、第1のフライバックAC/DCコンバータ段と並列に電気接続されている。
【0010】
一般に、別の観点では、光源を駆動する方法が開示される。この方法は、第1のフライバックAC/DCコンバート段のセンス抵抗器にかかる電圧を検出するステップと、電圧をしきい値電圧と比較するステップと、電圧がしきい値電圧よりも高い場合、第2のフライバックAC/DCコンバータ段を使用可能にするステップとを有する。
【0011】
幾つかの実施例では、この装置は、第3のスイッチ及び第3のスイッチコントローラを含む第3のフライバックAC/DCコンバータ段を更に有する。第3のフライバックAC/DCコンバータ段は、第1のフライバックAC/DCコンバータ段及び第2のフライバックAC/DCコンバータ段と並列に電気接続されている。この装置は、第4のスイッチ及び第4のスイッチコントローラを含む第4のフライバックAC/DCコンバータ段を更に有する。第4のフライバックAC/DCコンバータ段は、第1のフライバックAC/DCコンバータ段、第2のフライバックAC/DCコンバータ段及び第3のフライバックAC/DCコンバータ段と並列に電気接続されている。
【0012】
一実施形態では、この方法は、第2のAC/DCコンバータ段の使用可能後、電圧がしきい値電圧よりも高い場合、第3のフライバックAC/DCコンバータ段を使用可能にするステップを有する。
【0013】
一実施形態では、この方法は、第3のAC/DCコンバータ段の使用可能後、電圧がしきい値電圧よりも高い場合、第4のフライバックAC/DCコンバータ段を使用可能にするステップを有する。
【0014】
一実施形態では、この方法は、電圧がしきい値電圧よりも低い場合、第2のAC/DCコンバータ段を使用可能にしないステップを有する。
【0015】
一実施形態では、この方法は、第4のフライバックAC/DCコンバータ段を使用可能にした後、センス抵抗器にかかる電圧を検出するステップ及び電圧がしきい値電圧よりも低い場合、第4のフライバックAC/DCコンバータ段を使用不能にするステップを更に有する。
【0016】
一実施形態では、この方法は、第4のフライバックAC/DCコンバータ段を使用不能にした後、センス抵抗器にかかる電圧を検出するステップ及び電圧がしきい値電圧よりも低い場合、第3のフライバックAC/DCコンバータ段を使用不能にするステップを更に有する。
【0017】
一実施形態では、この方法は、第3のフライバックAC/DCコンバータ段を使用不能にした後、センス抵抗器にかかる電圧を検出するステップ及び電圧がしきい値電圧よりも低い場合、第2のフライバックAC/DCコンバータ段を使用不能にするステップを更に有する。
【0018】
本発明の目的上、本明細書に用いられる“LED”という用語は、任意のエレクトロルミネッセンスダイオード又は電気信号に応答して放射線を発生させることができる他形式のキャリヤ注入/接合利用システムを含むものと理解されるべきである。かくして、LEDという用語は、電流に応答して光を放出する種々の半導体型構造体、光放出ポリマー、有機発光ダイオード(OLED)、エレクトロルミネッセンスストリップ等を含むが、これらには限定されない。特に、LEDという用語は、赤外線スペクトル、紫外線スペクトル及び種々の可視光スペクトルの部分(一般に、約400ナノメートルから約700ナノメートルまでの放射線波長を含む)のうちの1つ又は2つ以上の放射線を発生させるよう構成されているあらゆる形式の発光ダイオード(半導体及び有機発光ダイオードを含む)を意味している。LEDの幾つかの例としては、種々の形式の赤外線LED、紫外線LED、赤色LED、青色LED、緑色LED、黄色LED、琥珀(アンバー)色LED、橙色LED及び白色LED(以下に更に説明する)が挙げられるが、これらには限定されない。また、LEDは、所与のスペクトルの場合(例えば、狭い帯域幅、広い帯域幅)種々の帯域幅(例えば、半値全幅、即ちFWHM)及び所与の一般的色分類(general color categorization)内の様々な主波長を有する放射線を発生させるよう構成されると共に/或いは制御されるのが良いことが理解されるべきである。
【0019】
例えば、本質的に白色光を発生させるよう構成されたLED(例えば、LED白色照明器具)の一具体化例は、本質的に白色光生じさせるよう組み合わせ状態で混色するエレクトロルミネッセンスの種々のスペクトルをそれぞれ放出する多くのダイ(die)を含む場合がある。別の具体化例では、LED白色照明器具は、第1のスペクトルを有するエレクトロルミネッセンスを別の第2のスペクトルに変換する蛍光物質と関連する場合がある。
【0020】
また、LEDという用語は、LEDの物理的及び/又は電気的パッケージのタイプを制限しないということは理解されるべきである。例えば、上述したように、LEDは、放射線の種々のスペクトルをそれぞれ放出するよう構成された多数のダイ(例えば、個々に制御可能であっても良く又はそうでなくても良い)を有する単一の発光デバイスを意味する場合がある。また、LEDは、LEDの一体部分と考えられる蛍光体と関連する場合がある(例えば、幾つかの形式の白色LED)。
【0021】
「光源」という用語は、種々の放射線源のうちの任意の1つ又は2つ以上を意味するものと理解されるべきであり、かかる放射線源としては、LED型光源(上述のLEDを1つ又は2つ以上含む)、白熱光源(例えば、フィラメントランプ、ハロゲンランプ)、蛍光源、燐光源、高輝度放電光源(例えば、ナトリウム蒸気、水銀蒸気及びメタルハライドランプ)、レーザ、他形式のエレクトロルミネッセンス源、パイロルミネッセンス源(例えば、火炎)、キャンドルルミネッセンス源(例えば、ガスマントル、炭素アーク放射線源)、フォトルミネッセンス源(例えば、気体放電光源)、エレクトロニックサチエーション(electronic satiation)を用いた陰極ルミネッセンス源、ガルバノルミネッセンス源、クリスタロルミネッセンス源、カイネルミネッセンス源、熱ルミネッセンス源、摩擦ルミネッセンス源、音ルミネッセンス源、放射線ルミネッセンス源及び発光ポリマーが挙げられるが、これらには限定されない。
【0022】
所与の光源が可視スペクトルの範囲内、可視スペクトルの範囲外又はこれらの組み合わせの範囲にある電磁波又は電磁放射線を発生させるよう構成されているのが良い。それ故、「光」と「放射線」は、本明細書では区別なく用いられる。加うるに、光源は、一体形コンポーネントとして1つ又は2つ以上のフィルタ(例えば、カラーフィルタ)、レンズ又は他の光学部品を含むのが良い。また、理解されるべきこととして、光源は、種々の用途向きに構成されているのが良いことが理解されるべきであり、かかる用途としては、指示、表示及び/又は照明が挙げられるが、これらには限定されない。「照明源」は、特に、内部空間又は外部空間を効果的に照明するのに十分な強度を有する放射線を発生させるよう構成された光源である。本発明との関連において、「十分な強度」という表現は、周囲又は環境照明(即ち、間接的に知覚可能であり、例えば全体的に又は部分的に知覚される前に種々の介在する表面のうちの1つ又は2つ以上で反射される場合がある光)をもたらすのに十分な空間又は環境内で生じる可視スペクトルの放射パワーを意味している(単位「ルーメン」は、放射パワー又は「光束」の用語で光源からあらゆる方向に出力される全光を表すために採用されている場合が多い)。
【0023】
「照明器具」という用語は、本明細書において、特定のフォームファクタ、組立体又はパッケージの状態で1つ又は2つ以上の照明ユニットの具体化例又は構成例を意味するために用いられている。「照明ユニット」という用語は、本明細書において、同一又は異なる形式の1つ又は2つ以上の光源を含む装置を意味するために用いられている。所与の照明ユニットは、光源のための種々の取り付け装置、エンクロージャ/ハウジング装置及び形状体及び/又は電気的及び機械的接続構成のうちの任意の1つを有することができる。加うるに、所与の照明ユニットは、オプションとして、光源の動作に関連した種々の他のコンポーネント(例えば、制御回路)と関連していても良い(例えば、かかる種々の他のコンポーネントを含み、これらに結合されると共に/或いはこれらと一緒に包装される)。「LED型照明ユニット」という用語は、上述した1つ又は2つ以上のLED型光源を含む照明ユニットを単独で又は他の非LED型光源と組み合わせた状態を意味している。「マルチチャンネル」照明ユニットは、放射線の種々のスペクトルをそれぞれ発生させるよう構成された少なくとも2つの光源を含むLED型又は非LED型照明ユニットを意味しており、この場合、異なる光源スペクトルは各々、マルチチャンネル照明ユニットの「チャンネル」と呼ばれる場合がある。
【0024】
「コントローラ」という用語は、本明細書においては、一般に、1つ又は2つ以上の光源の動作に関連した種々の装置を説明するために用いられている。コントローラは、本明細書において説明する種々の機能を実行する多くの仕方で(例えば、専用ハードウェアによって)具体化可能である。「プロセッサ」は、本明細書において説明する種々の機能を実行するソフトウェア(例えば、マイクロコード)を用いてプログラム可能な1つ又は2つ以上のマイクロプロセッサを採用したコントローラの一例である。コントローラは、プロセッサを用いて又は用いないで具体化可能であり、コントローラは又、幾つかの機能を実行する専用ハードウェアと別の機能を実行するプロセッサ(例えば、1つ又は2つ以上のプログラムされたマイクロプロセッサ及び関連回路)の組み合わせとして具体化できる。本発明の種々の実施形態において採用できるコントローラコンポーネントの例としては、従来型マイクロプロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC)及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)が挙げられるがこれらには限定されない。或る特定の実施形態では、力率制御器(PFC)は、複数個フライバックAC/DCコンバータ段を制御するよう実行される。
【0025】
種々の具体化例では、プロセッサ及び/又はコントローラは、1つ又は2つ以上の記憶媒体(本明細書では、総称して「メモリ」と称し、例えば、揮発性及び不揮発性コンピュータメモリ、例えば読み取り書き込み記憶装置(RAM)、読み取り専用記憶装置(ROM)、プログラム可能読み取り専用記憶装置(PROM)、電気的プログラム可能読み取り専用記憶装置(EPROM)、電気的消去及びプログラム可能読み取り専用記憶装置(EEPROM)、ユニバーサルシリアルバス(USB)、ドライブ、フロッピー(登録商標)ディスク、コンパクトディスク、光ディスク、磁気テープ等)と関連可能である。幾つかの具体化例では、記憶媒体は、1つ又は2つ以上のプロセッサ及び/又はコントローラで、実行時に、本明細書において説明する機能のうちの少なくとも幾つかを実行する1つ又は2つ以上のプログラムでコード化可能である。種々の記憶媒体をプロセッサ又はコントローラ内に固定することができ又はこれら記憶媒体に記憶された1つ又は2つ以上のプログラムをプロセッサ又はコントローラにロードして本明細書において説明する本発明の種々の観点を実施するよう可搬式である。「プログラム」又は「コンピュータプログラム」は、本明細書においては、1つ又は2つ以上のプロセッサ又はコントローラをプログラムするよう採用可能な任意形式のコンピュータコード(例えば、ソフトウェア又はマイクロコード)を意味するよう一般的な意味で用いられている。
【0026】
上述の技術的思想と以下に詳細に説明する追加の技術的思想(かかる技術的思想は、相互に整合性がない訳ではないということを条件とする)の組み合わせは、本明細書において開示する本発明の要部であると考えられることは理解されるべきである。特に、本明細書の最後に見える特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の全ての組み合わせは、本明細書において開示する本発明の要旨の一部であると考えられる。また、参照により引用されて本発明の一部をなす任意の開示内容にも見える場合のある本明細書において明示して採用されている用語には、本明細書において開示された特定の技術的思想と最も一致した意味が与えられるべきであることは理解されるべきである。
【0027】
図中、同一の参照符号は、一般に、種々の図全体を通じて同一又は類似の部分を示している。また、図面は、必ずしも、縮尺通りにはなっておらず、それどころか、一般に、本発明の原理を説明する際には強調がなされている。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】例示の実施形態としての照明システムの単純化された概略ブロック図である。
図2】例示の実施形態に従って所望の出力電力をもたらすようフライバックAC/DCコンバータ段を使用可能にしたり使用不能にしたりする概念図である。
図3-I】例示の実施形態に従って並列フライバックコンバータ段を有するドライバの単純化された略図である。
図3-II】例示の実施形態に従って並列フライバックコンバータ段を有するドライバの単純化された略図である。
図4】例示の実施形態に従って出力電力と時間との関係を表すグラフ図、フィードバック電圧と時間の関係を表すグラフ図、センス抵抗器にかかる平均センス(検出)電圧と時間の関係を表すグラフ図、第2のMOSFETにかかるゲート‐ソース電圧(Vgs)と時間の関係を表すグラフ図、第3のMOSFETにかかるVgsと時間の関係を表すグラフ図及び第4のMOSFETにかかるVgsと時間の関係を表すグラフ図である。
図5】例示の実施形態に従って出力電力と時間との関係を表すグラフ図、フィードバック電圧と時間の関係を表すグラフ図、センス抵抗器にかかる平均センス電圧と時間の関係を表すグラフ図、第2のMOSFETにかかるゲート‐ソース電圧(Vgs)と時間の関係を表すグラフ図、第3のMOSFETにかかるVgsと時間の関係を表すグラフ図及び第4のMOSFETにかかるVgsと時間の関係を表すグラフ図である。
図6】例示の実施形態に従って光源を駆動する方法の流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本発明の教示の完全な理解が得られるようにするために以下の詳細に説明において、発明の目的上、本発明を制限しないで、特定の細部を示す例示の実施形態について説明する。しかしながら、本明細書において開示される特定の細部から逸脱した本発明の他の実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の範囲に含まれたままであることは本発明の恩恵を受ける当業者には明らかであろう。さらに、例示の実施形態の説明を不明瞭にしないようにするために周知の装置及び方法の説明が省かれている場合がある。かかる方法及び装置は、明らかに、本発明の範囲に含まれる。
【0030】
上述したように、欠点のうちでとりわけ、公知のドライバでは、比較的大電流MOSFET及び大型フライバック変成器が必要である。
【0031】
本出願人は、比較的小電力要件で済むドライバを提供すると有益であることを認識すると共に理解した。有益には、例示の実施形態としてのドライバは、比較的小電力のMOSFET及び比較的小型のフライバック変成器を有する。
【0032】
上述の内容を考慮して、本発明の種々の実施形態及び具体化例は、電気的に並列に接続された複数のフライバックAC/DCコンバータを有する光源(例えば、LED)を駆動する方法及び装置に関する。所望の出力(DC)電力は、出力電力の需要を満たすよう適当な数の並列フライバックAC/DCコンバータ段を選択的に使用可能にすることによって達成できる。
【0033】
図1を参照すると、一実施形態では、照明システム100がドライバ101及び光源102を有している。ドライバ101は、第1のフライバックAC/DCコンバータ段103、第2のフライバックAC/DCコンバータ段104、第3のフライバックAC/DCコンバータ段105及び第4のフライバックAC/DCコンバータ段106を有する。AC入力107がドライバ101によってDC出力108に変換され、DC出力108は、光源102に供給される。
【0034】
以下に詳細に説明するように、フライバックAC/DCコンバータ段103〜106は、互いに電気的に並列に接続されており、これらフライバックAC/DCコンバータ段は、光源101の電力/負荷要件に基づいて選択的に使用可能/使用不能にされる。光源102は、一例として、複数のLEDを有し、これらLEDは、比較的広い電力範囲にわたって動作可能である。一例を挙げると、光源102に供給される最小出力電力は、ほぼ0Wであり、光源に供給される最大出力電力は、約200Wである。一般に、フライバックAC/DCコンバータ段103〜106は各々、約0W〜約50Wの範囲の出力電力を供給するよう構成されている。本明細書において十分に説明するように、光源102によってより大きな電力が必要になると、より多くのフライバックAC/DCコンバータ段が光源102に、より大きな電力を供給するよう使用可能になる。同様に、光源の電力要件が減少した場合、実行可能にされるフライバックAC/DCコンバータ段の数を減少させる。各フライバックAC/DCコンバータ段の最大出力電力、出力電力範囲及びフライバックAC/DCコンバータ段の数は、例示であるに過ぎないことが強調される。各フライバックAC/DCコンバータ段の最大出力電力、出力電力範囲及びフライバックAC/DCコンバータ段の数は、各々、図1の例示の実施形態と関連して説明する例示の電力及び段の数よりも多くても良く、或いは少なくとも良い。
【0035】
本明細書における説明が続くにつれてより明らかになるように、ドライバ101に具体化されるフライバックAC/DCコンバータ段の数は、光源102の動的動作電力範囲を定める。したがって、各フライバックAC/DCコンバータ段の出力電力範囲が所与の場合、電気的に並列に接続されるフライバックAC/DCコンバータ段の数を増減することにより最大出力電力を増減することができる。並列に接続された4つのフライバックAC/DCコンバータ段の具体化は、例示であるに過ぎず、ドライバ101は、並列に接続される4つよりも多い又は少ないフライバックAC/DCコンバータ段を有しても良いことが強調される。有益には、以下に十分に説明するように、複数のフライバックAC/DCコンバータ段を提供することにより、各フライバックAC/DCコンバータ段の幾つかのコンポーネント、例えばスイッチ(例えば、MOSFET)及びフライバック変成器の電力要件が減少する。
【0036】
図2は、例示の実施形態に従って所望の出力電力を光源に供給するようドライバ内のフライバックAC/DCコンバータ段を使用可能にしたり使用不能にしたりする概念図を示している。フライバックAC/DCコンバータ段、ドライバ及び光源は、図1の例示の実施形態と関連して上述したものであるのが良い。説明を簡単にするために、この実施例は、互いに並列に接続されたフライバックAC/DCコンバータ段103〜106を有し、電力を光源102に供給するドライバ101の機能を示している。この場合も又、ドライバにより駆動される光源の所望の動的電力範囲及び個々の各々のフライバックAC/DCコンバータ段の制限に応じて、これよりも多い又は少ない数のフライバックAC/DCコンバータ段を具体化できる。
【0037】
光源102による電力に対する需要が増大すると、使用可能にされるフライバックAC/DCコンバータ段103〜106の数が増大する。フライバックAC/DCコンバータ段103〜106を使用可能にするプロセスが概念図の一方の側201のところに示されている。光源102による電力需要が減少すると、使用可能にされるフライバックAC/DCコンバータ段103〜106の数が減少する。フライバックAC/DCコンバータ段103〜106を使用不能にするプロセスが概念図の他方の側202のところに示されている。4つの段が存在するので、4つの出力電力動作レベルが存在する。上述の実施例と一致して、フライバックAC/DCコンバータ段103〜106の各々は、0W〜50Wの出力電力を光源102に供給し、したがって、光源102に供給される動的電力範囲は、約0W〜約200Wである。フライバックAC/DCコンバータ段103〜106は各々、所要の出力電力に基づいて稼働され、この所要の出力電力は、それぞれのしきい値によって定められる。以下に十分に説明するように、しきい値は、一例として、センス抵抗器にかかるしきい値電圧である。変形例として、センス抵抗器に流れるしきい電流をしきい値に用いても良い。この実施例では、出力電力レベルLevel1(203)、Level2(204)、Level3(205)に対応した3つのしきい値電圧レベルが存在し、これら出力電力レベルをドライバ101の出力電力は、比較される。
【0038】
平均センス(検出)電圧が出力電力Level1(203)と対応したしきい値電圧よりも低い場合、第1のフライバックAC/DCコンバータ段103だけが使用可能になり、第2、第3及び第4のフライバックAC/DCコンバータ104〜106は、使用不能にされる。この例示の実施例と一致して、光源102に供給される出力電力は、0W〜50Wである。特に、所与の時点での光源の出力電力要件とは無関係に、第1のフライバックAC/DCコンバータ段103は、常時使用可能にされる。というのは、第1のフライバックAC/DCコンバータ段103は、電力を全ての出力電力レベルにわたって供給するだけでなく、電力をドライバ101の全てのフライバックAC/DCコンバータ段103〜106の動作のためのコントローラ(図1及び図2には示されていない)に供給するからである。
【0039】
出力電力需要がLevel1(203)(例えば、この例示の実施例では、50W)を超えた場合、平均センス電圧は、出力電力Level1(203)と関連したしきい値電圧よりも高く、第1及び第2のフライバックAC/DCコンバータ段103,104は、使用可能にされる。第1のフライバックAC/DCコンバータ段103と第2のフライバックAC/DCコンバータ段104の両方が使用可能にされている状態で、この例示の実施例において光源102に供給される出力電力は、50W〜100Wである。
【0040】
出力電力需要がLevel2(204)(例えば、この例示の実施例では、100W)を超えた場合、平均センス電圧は、出力電力Level2(204)と関連したしきい値電圧よりも高く、第1、第2及び第3のフライバックAC/DCコンバータ段103〜105は、使用可能にされる。第1、第2及び第3のフライバックAC/DCコンバータ段103,104,105が使用可能にされている状態では、この例示の実施例において光源102に供給される出力電力は、100W〜150Wである。
【0041】
出力電力需要がLevel3(205)(例えば、この例示の実施例では、150W)を超えた場合、平均センス電圧は、出力電力Level3(205)と関連したしきい値電圧よりも高く、第1、第2、第3及び第4のフライバックAC/DCコンバータ段103〜106は、使用可能にされる。第1、第2、第3及び第4のフライバックAC/DCコンバータ段103,104,105,106が使用可能にされている状態では、この例示の実施例において光源102に供給される出力電力は、150W〜200Wである。
【0042】
出力電力レベル需要が減少した場合、使用可能にされるフライバックAC/DCコンバータ段103〜106の数は、それに対応して減少する。特に、出力電力需要がLevel3(205)を超えたままであれば、平均センサ電圧は、出力電力Level3(205)と関連したしきい値電圧を超えたままであり、フライバックAC/DCコンバータ段103〜106のうちのどれも使用不能にされない。
【0043】
出力電力需要がLevel3(205)(例えば、この例示の実施例では150W)未満に減少した場合、平均センス電圧は、Level3(205)と関連したしきい値電圧よりも低く、第4のフライバックAC/DCコンバータ段106は、使用不能にされ、第1、第2及び第3のフライバックAC/DCコンバータ段103〜105は、使用可能な状態のままである。
【0044】
出力電力需要がLevel2(204)(例えば、この例示の実施例では100W)未満に減少した場合、平均センス電圧は、Level2(204)と関連したしきい値電圧よりも低く、第3及び第4のフライバックAC/DCコンバータ段105,106は、使用不能にされ、第1及び第2のフライバックAC/DCコンバータ段103,104は、使用可能な状態のままである。
【0045】
出力電力需要がLevel1(203)(例えば、この例示の実施例では50W)未満に減少した場合、平均センス電圧は、Level1(203)と関連したしきい値電圧よりも低く、第2、第3及び第4のフライバックAC/DCコンバータ段104,105,106は、使用不能にされ、第1のフライバックAC/DCコンバータ段103は、使用可能な状態のままである。上述したように、出力電力需要とは無関係に、第1のフライバックAC/DCコンバータ段103は、使用可能な状態のままである。
【0046】
図3は、例示の実施形態に従って並列フライバックコンバータ段を有するドライバ300の単純化された略図である。一例を挙げると、ドライバ300は、上述のドライバ101として具体化されるのが良い。ドライバ101と同様、ドライバ300は、電気的に互いに並列に接続された4つのフライバックAC/DCコンバータ段を有する。この場合も又、4つよりも多い又は少ないフライバックAC/DCコンバータ段を並列に接続され且つドライバ300内に具体化して本発明の教示に一致して多い又は少ない出力電力レベルを提供できることが強調される。また、フライバックAC/DCコンバータ段の各々の動的出力電力範囲は、一例として、0W〜50Wであり、それにより、ドライバ300について0W〜200Wの動的出力電力範囲が提供される。フライバックAC/DCコンバータ段の各々の動的出力電力範囲は、例示の範囲よりも狭くても良く又は広くても良い。本明細書における説明が続くにつれてより明らかになるように、各フライバックAC/DCコンバータ段の出力電力範囲の上限は、一般に、その或る特定のコンポーネント、例えばスイッチ及びフライバック変成器の実際の機能的範囲を含む設計上の検討事項によって制限される。しかしながら、電気的に互いに並列に接続された追加のフライバックAC/DCコンバータ段を設けることによってドライバ300の最大出力電力を増大させることができる。
【0047】
ドライバ300は、第1のフライバックAC/DCコンバータ段301、第2のフライバックAC/DCコンバータ段302、第3のフライバックAC/DCコンバータ段303及び第4のフライバックAC/DCコンバータ段304を有し、これら段は全て、電気的に互いに並列に接続される。第1のフライバックAC/DCコンバータ段301は、コントローラ305を有する。第1のフライバックAC/DCコンバータ段301は、例示的にMOSFETスイッチである第1のスイッチ306及びスイッチ306に接続されたセンス抵抗器(Rs)307を更に有する。一例として、MOSFETは、n型MOSFETであり、センス抵抗器(Rs)307は、ドレンに接続される。MOSFETがp型MOSFETである場合、センス抵抗器は、ソースに接続される。いずれの場合においても、センス電圧は、多数のACサイクルにわたり第1のフライバックAC/DCコンバータ段301のMOSFETの平均ゲート‐ソース電圧(Vgs‐avg)に等しい。上記において示唆したように、しきい値電圧ではなく、しきい電流をセンス電流と比較しても良い。この例示の実施例では、センス電流は、センス抵抗器を流れ、かくして、多数のACサイクルにわたり第1のフライバックAC/DCコンバータ段301のMOSFETを流れる平均電流(IMOSFET‐avg)に等しい。特に、センス抵抗器(Rs)307の使用は、例示に過ぎず、第1のフライバックAC/DCコンバータ段のスイッチにかかる電圧又はこれを流れる電流を検出する当業者の知識の範囲内にある他のコンポーネントが想定される。
【0048】
有益には、ドライバ300の複数のフライバックAC/DCコンバータ段の並列接続により、第1のスイッチ306の電力定格は、比較的低い。例えば、0W〜50Wの出力電力範囲を有する第1のフライバックAC/DCコンバータ段301のためのMOSFETの使用では、MOSFETの電力定格及びキャパシタンスは、比較的低いことが必要である。一例として、第1のフライバックAC/DCコンバータ段301のMOSFETは、約500Vの電力定格及び5Aの電流定格を有する。有益には、かかるMOSFETのための熱的管理構造が不要である。これとは対照的に、公知のフライバックAC/DCコンバータは、800Vの電力定格、20Aの電力定格及びほぼ200Wに等しい出力電力を提供するための熱的管理構造を備えたMOSFETを必要とする。
【0049】
第1のフライバックAC/DCコンバータ段301は、第1のメモリ308及び第2のメモリ309を更に有する。第1のメモリ308は、センス抵抗器(Rs)307からの検出された電圧レベル(一定の数のサイクルにわたって平均される)を記憶し、第2のメモリ309は、各動作レベルについてしきい値電圧レベルを記憶する。図2の例示の実施例に続き、第2のメモリ309は、出力電力についてのしきい値電圧レベルLevel1(203)〜Level3(205)を記憶する。以下に十分に説明するように、第2のメモリ309に記憶されたしきい値電圧レベルを検出された電圧レベルと比較して第2のフライバックAC/DCコンバータ段302、第3のフライバックAC/DCコンバータ段303及び第4のフライバックAC/DCコンバータ段304のうちの1つ又は2つ以上を使用可能にするか使用不可にするかを決定する。
【0050】
一例として、コントローラ305は、PFCコントローラ、例えばエステイ・マイクロエレクトロニクス(ST Microelectronics)社から市販されているL6561PFCコントローラ又はL6562PFCコントローラである。第1のメモリ308と第2のメモリ309は、例示の実施形態の説明を容易にするために別々のメモリ要素として示されている。当然のことながら、第1のメモリ308と第2のメモリ309は、コントローラ305内にインスタンス化されても良く、或いは、ドライバ300の他のハードウェア又はファームウェア(図示せず)内にインスタンス化されても良い。
【0051】
第1のフライバックAC/DCコンバータ段301は、抵抗器‐キャパシタ‐ダイオード(RCD)スナバ回路310及びフライバック変成器311を更に有する。公知のように、RCDスナバ回路310は、第1のフライバックAC/DCコンバータ段301の第1のスイッチ306のドレンに加わる電圧の昇圧速度を制御する。有益には、ドライバ300の複数のフライバックAC/DCコンバータ段の並列接続により、RCDスナバ回路310は、比較的低い電力定格を有し、フライバック変成器311は、比較的小型であり且つこれに対応して低漏れインダクタンス特性を示す公知のフライバック変成器である。特に、RCDスナバ回路310のキャパシタ及び抵抗器は、比較的小型である。さらに、RCDスナバ回路310には比較的低電圧整流ダイオードが設けられる。というのは、電圧「応力」が比較的小さいからである。これとは対照的に、公知のRCDスナバ回路は、比較的高電圧ダイオード(例えば、高電圧ツェナーダイオード)を必要とする。
【0052】
第2のフライバックAC/DCコンバータ段302は、第2のスイッチ312を有し、この第2のスイッチも又、一例として、MOSFETである。第2のフライバックAC/DCコンバータ段302は、ゲートコントローラ313を更に有する。ゲートコントローラ313は、第1のメモリ308に記憶されている検出された電圧レベルを第2のメモリ309に記憶されている第1のしきい値電圧レベル(例えば、出力電力Level1(203)と関連したしきい値電圧)と比較するコンパレータを有する。第2のスイッチ312が導通状態ではなく且つセンス電圧レベルが第1のしきい値電圧よりも高い場合、ゲートコントローラ313は、第2のスイッチ312を「オン」にし、第2のフライバックAC/DCコンバータ段302が使用可能にされる。これとは対照的に、第2のスイッチ312が導通状態であり、かくして第2のフライバックAC/DCコンバータ段302が使用可能であり、しかもセンス電圧が第1のしきい値電圧を下回っている場合、ゲートコントローラ313は、第2のスイッチ312を「オフ」にし、第2のフライバックAC/DCコンバータ段302は、使用不能にされる。当然のことながら、第2のスイッチ312が導通状態ではなく、しかもセンス電圧レベルが第1のしきい値電圧よりも低い場合、ゲートコントローラ313は、第2のスイッチ312を「オン」にはせず、第2のフライバックAC/DCコンバータ段302は、使用不能状態のままである。
【0053】
第2のフライバックAC/DCコンバータ段302も又、RCDスナバ回路314及びフライバック変成器315を有する。RCDスナバ回路314及びフライバック変成器315は、上述のRCDスナバ回路310及びフライバック変成器311と実質的に同一である。
【0054】
第3のフライバックAC/DCコンバータ段303は、第3のスイッチ316を有し、この第3のスイッチも又、一例として、MOSFETである。第3のフライバックAC/DCコンバータ段303も又、ゲートコントローラ317を有する。ゲートコントローラ317は、第1のメモリ308に記憶されているセンス電圧レベルを第2のメモリ309に記憶されている第2のしきい値電圧レベル(例えば、出力電力Level2(204)と関連したしきい値電圧)と比較するコンパレータを有する。第3のスイッチ316が導通状態ではなく且つセンス電圧レベルが第2のしきい値電圧よりも高い場合、ゲートコントローラ317は、第3のスイッチ316を「オン」にし、第3のフライバックAC/DCコンバータ段303が使用可能にされる。これとは対照的に、第3のスイッチ316が導通状態であり、かくして第3のフライバックAC/DCコンバータ段303が使用可能であり、しかもセンス電圧が第2のしきい値電圧を下回っている場合、ゲートコントローラ317は、第3のスイッチ316を「オフ」にし、第3のフライバックAC/DCコンバータ段303は、使用不能にされる。当然のことながら、第3のスイッチ316が導通状態ではなく、しかもセンス電圧レベルが第2のしきい値電圧よりも低い場合、ゲートコントローラ317は、第3のスイッチ316を「オン」にはせず、第3のフライバックAC/DCコンバータ段303は、使用不能状態のままである。
【0055】
第3のフライバックAC/DCコンバータ段303も又、RCDスナバ回路318及びフライバック変成器319を有する。RCDスナバ回路318及びフライバック変成器319は、上述のRCDスナバ回路310及びフライバック変成器311と実質的に同一である。
【0056】
第4のフライバックAC/DCコンバータ段304は、第4のスイッチ320を有し、この第4のスイッチも又、一例として、MOSFETである。第4のフライバックAC/DCコンバータ段304も又、ゲートコントローラ321を有する。ゲートコントローラ321は、第1のメモリ308に記憶されているセンス電圧レベルを第2のメモリ309に記憶されている第3のしきい値電圧レベル(例えば、出力電力Level3(205)と関連したしきい値電圧)と比較するコンパレータを有する。第4のスイッチ320が導通状態ではなく且つセンス電圧レベルが第3のしきい値電圧よりも高い場合、ゲートコントローラ321は、第4のスイッチ320を「オン」にし、第4のフライバックAC/DCコンバータ段304が使用可能にされる。これとは対照的に、第4のスイッチ320が導通状態であり、かくして第4のフライバックAC/DCコンバータ段304が使用可能であり、しかもセンス電圧が第3のしきい値電圧を下回っている場合、ゲートコントローラ321は、第4のスイッチ320を「オフ」にし、第4のフライバックAC/DCコンバータ段304は、使用不能にされる。当然のことながら、第4のスイッチ320が導通状態ではなく、しかもセンス電圧レベルが第3のしきい値電圧よりも低い場合、ゲートコントローラ321は、第4のスイッチ320を「オン」にはせず、第4のフライバックAC/DCコンバータ段304は、使用不能状態のままである。
【0057】
第4のフライバックAC/DCコンバータ段304も又、RCDスナバ回路322及びフライバック変成器323を有する。RCDスナバ回路322及びフライバック変成器323は、上述のRCDスナバ回路310及びフライバック変成器311と実質的に同一である。
【0058】
動作原理を説明すると、以下に十分に説明するように、信号324を第2のメモリ309からゲートコントローラ313に送る。信号324は、第2のメモリ309に記憶されているしきい値電圧及び第1のメモリ308に記憶されているセンス電圧レベルを含む。ゲートコントローラ313は、記憶されているしきい値電圧とセンス電圧レベルを比較するようになったコンパレータを有する。この比較に基づいて、ゲートコントローラ313は、第2のスイッチ312をオン若しくはオフにし又は第2のスイッチ312の現在の動作状態に変化を加えない。
【0059】
同様に、信号325を第2のメモリ309からゲートコントローラ317に送る。信号325は、第2のメモリ309に記憶されているしきい値電圧及び第1のメモリ308に記憶されているセンス電圧レベルを含む。ゲートコントローラ317は、記憶されているしきい値電圧とセンス電圧レベルを比較するようになったコンパレータを有する。この比較に基づいて、ゲートコントローラ317は、第3のスイッチ316をオン若しくはオフにし又は第3のスイッチ316の現在の動作状態に変化を加えない。
【0060】
同様に、信号326を第2のメモリ309からゲートコントローラ321に送る。信号326は、第2のメモリ309に記憶されているしきい値電圧及び第1のメモリ308に記憶されているセンス電圧レベルを含む。ゲートコントローラ321は、記憶されているしきい値電圧とセンス電圧レベルを比較するようになったコンパレータを有する。この比較に基づいて、ゲートコントローラ321は、第4のスイッチ320をオン若しくはオフにし又は第4のスイッチ320の現在の動作状態に変化を加えない。
【0061】
第1〜第4のフライバックAC/DCコンバータ段301〜304の動作により、入力AC信号327がブリッジ整流器329による初期整流後、DC出力328として提供される。
【0062】
図4は、例示の実施形態に従って出力電力と時間との関係を表すグラフ図(曲線401)、フィードバック電圧(Vfb)と時間の関係を表すグラフ図(曲線402)、センス抵抗器にかかる平均センス電圧と時間の関係を表すグラフ図(曲線403)、第2のMOSFETにかかるゲート‐ソース電圧(Vgs)と時間の関係を表すグラフ図(曲線404)、第3のMOSFETにかかるVgsと時間の関係を表すグラフ図(曲線405)及び第4のMOSFETにかかるVgsと時間の関係を表すグラフ図(曲線406)である。
【0063】
曲線401で示されているように、出力電力は、多数のACサイクルにわたり経時的に増大する。この実施例では、本明細書における説明が続くにつれてより明らかになるように、しきい値Vth(曲線403で示されている)は、4つ全てのフライバックAC/DCコンバータ段301〜304を使用可能にするのに必要なレベルにある。したがって、DC出力328のところの電力需要は、その最も高いレベルにある(例えば、図2の実施例ではレベル3(205))。
【0064】
符号407では、多数のACサイクルについて平均されたセンス抵抗器(Rs)307にかかる(及びかくして第1のスイッチ306にかかる)電圧であるセンス電圧は、しきい値電圧よりも高い。この作動時点では、第1のフライバックAC/DCコンバータ段301だけを稼働させる。上述したように、符号407のところでのセンス電圧は、しきい値電圧よりも高いので、所望の出力電圧を提供するためには追加のフライバックAC/DCコンバータ段を使用可能にすることが必要である。この場合、第2のメモリ309に記憶されているしきい値電圧を、第2のフライバックAC/DCコンバータ段302のゲートコントローラ313によって、第1のメモリ308に記憶されているセンス電圧と比較する。センス電圧がしきい値電圧よりも高いので、DC出力電力需要は、第1のフライバックAC/DCコンバータ段301単独で供給されるDC出力電力需要よりも高く、ゲートコントローラ313は、曲線404において符号409のところに示されているように第2のフライバックAC/DCコンバータ段302を使用可能にする。この結果、曲線403において符号408のところに示されているようにセンス電圧の減少が生じる。しかしながら、符号408のところのセンス電圧は、しきい値電圧よりも高いままであり、したがって、出力電力を増大させながら第1及び第2のフライバックAC/DCコンバータ段301,302を作動させても、その結果として、しきい値電圧は、満たされず、かくして、DC出力328のところでの適当な出力DC電力が得られない。
【0065】
符号408ではセンス電圧がしきい値電圧よりも高いままなので、第2のメモリ309に記憶されているしきい値電圧を第3のフライバックAC/DCコンバータ段303のゲートコントローラ317によって第1のメモリ308に記憶されているセンス電圧と比較する。センス電圧がしきい値電圧よりも依然として高いので、DC出力電力需要は、第1のフライバックAC/DCコンバータ段301及び第2のフライバックAC/DCコンバータ段302で供給されるDC出力電力需要よりも高く、ゲートコントローラ317は、曲線403において符号410のところに示されているように第3のフライバックAC/DCコンバータ段303を使用可能にする。この結果、曲線403において符号410のところに示されているようにセンス電圧の減少が生じる。しかしながら、符号410のところのセンス電圧は、しきい値電圧よりも高いままであり、したがって、出力電力を増大させながら第1、第2及び第3のフライバックAC/DCコンバータ段301,302,303を作動させても、その結果として、しきい値電圧は、満たされず、かくして、DC出力328のところでの適当な出力DC電力が得られない。
【0066】
符号410ではセンス電圧がしきい値電圧よりも高いままなので、第2のメモリ309に記憶されているしきい値電圧を第4のフライバックAC/DCコンバータ段304のゲートコントローラ321によって第1のメモリ308に記憶されているセンス電圧と比較する。センス電圧がしきい値電圧よりも依然として高いので、DC出力電力需要は、第1、第2及び第3のフライバックAC/DCコンバータ段301,302,303で供給されるDC出力電力需要よりも高く、ゲートコントローラ321は、曲線406において符号412のところに示されているように第4のフライバックAC/DCコンバータ段304を使用可能にする。この結果、曲線403において符号412のところに示されているセンス電圧の減少が生じる。いまや、センス電圧は、しきい値電圧よりも僅かに低く、したがって、出力電力を増大させながら第1、第2、第3及び第4のAC/DCコンバータ段301,302,303,304を作動させると、その結果として、DC出力328のところにおけるDC出力電力が需要に等しくなる。特に、符号414では、フィードバック電圧は、出力電力が需要に等しいことを指示するその作動点に達する。
【0067】
図5は、例示の実施形態に従って出力電力と時間との関係を表すグラフ図(曲線501)、フィードバック電圧(Vfb)と時間の関係を表すグラフ図(曲線502)、センス抵抗器にかかる平均センス電圧と時間の関係を表すグラフ図(曲線503)、第2のMOSFETにかかるゲート‐ソース電圧(Vgs)と時間の関係を表すグラフ図(曲線504)、第3のMOSFETにかかるVgsと時間の関係を表すグラフ図(曲線505)及び第5のMOSFETにかかるVgsと時間の関係を表すグラフ図(曲線506)である。
【0068】
曲線501で示されているように、出力電力は、多数のACサイクルにわたり経時的に減少する。この実施例では、本明細書における説明が続くにつれてより明らかになるように、しきい値Vth(曲線503で示されている)は、第1のフライバックAC/DCコンバータ段301しか使用可能にする必要のないレベルにある。したがって、DC出力328のところの電力需要は、その最も低いレベルにある(例えば、図2の実施例ではLevel1(203))。
【0069】
符号507では、多数のACサイクルについて平均されたセンス抵抗器(Rs)307にかかる(及びかくして第1のスイッチ306にかかる)電圧であるセンス電圧は、しきい値電圧よりも低い。この作動時点では、4つ全てのフライバックAC/DCコンバータ段301〜304は、曲線504〜506に示されているように稼働状態にある。かくして、ドライバ300は、完全に稼働しており、図2のレベル3(205)を超えて動作している。上述したように、符号507のところでのセンス電圧は、しきい値電圧よりも低いので、所望の出力電圧を提供するためには使用可能にするフライバックAC/DCコンバータ段の数を少なくする必要がある。かくして、1つ又は2つ以上のフライバックAC/DCコンバータ段を使用不能にする必要があろう。
【0070】
第2のメモリ309に記憶されているしきい値電圧を、第4のフライバックAC/DCコンバータ段304のゲートコントローラ321によって、第1のメモリ308に記憶されているセンス電圧と比較する。センス電圧は、しきい値電圧よりも低いので、DC出力電力需要は、第1〜第4のフライバックAC/DCコンバータ段301〜304により供給されるDC出力電圧需要よりも低い。したがって、ゲートコントローラ321は、第4のスイッチ320を使用不能にし、その結果、曲線506において符号508のところに示されているように第4のフライバックAC/DCコンバータ段304を使用不能にする。この結果、曲線503において符号509のところに示されているセンス電圧の減少が生じる。しかしながら、符号509のところのセンス電圧は、しきい値電圧よりも低いままであり、したがって、DC出力328のところでの出力電力を減少させながら第4のフライバックAC/DCコンバータ段304を使用不能にしても、その結果として、しきい値電圧は満たされず、かくして、DC出力328のところにおける適当な出力DC電力が得られない。
【0071】
センス電圧は、符号509ではしきい値電圧よりも低いままなので、第2のメモリ309に記憶されているしきい値電圧を、第3のフライバックAC/DCコンバータ段303のゲートコントローラ317によって、第1のメモリ308に記憶されているセンス電圧と比較する。センス電圧は、しきい値電圧よりも依然として低いので、DC出力電力需要は、第1、第2及び第3のフライバックAC/DCコンバータ段301〜303により供給されるDC出力電圧需要よりも低く、ゲートコントローラ317は、第3のスイッチ316を使用不能にし、かくして、曲線505において符号510のところに示されているように第3のフライバックAC/DCコンバータ段303を使用不能にする。この結果、曲線503において符号511のところに示されているセンス電圧の増大が生じる。しかしながら、符号511のところのセンス電圧は、しきい値電圧よりも低いままであり、したがって、出力電力を減少させながら第3及び第4のフライバックAC/DCコンバータ段303,304を使用不能にしても、その結果として、しきい値電圧は満たされず、かくして、DC出力328のところにおける適当な出力DC電力が得られない。
【0072】
センス電圧は、符号511ではしきい値電圧よりも低いままなので、第2のメモリ309に記憶されているしきい値電圧を、第3のフライバックAC/DCコンバータ段303のゲートコントローラ313によって、第1のメモリ308に記憶されているセンス電圧と比較する。センス電圧は、しきい値電圧よりも依然として低いので、DC出力電力需要は、第1及び第2のフライバックAC/DCコンバータ段301,302により供給されるDC出力電圧需要よりも低く、ゲートコントローラ313は、第2のスイッチ312を使用不能にし、その結果、曲線504において符号512のところに示されているように第2のフライバックAC/DCコンバータ段302を使用不能にする。この結果、曲線503において符号513のところに示されているセンス電圧の減少が生じる。第2、第3及び第4のフライバックAC/DCコンバータ段302,303,304を使用不能にした結果として、センス電圧は、しきい値電圧よりも僅かに低い。したがって、DC出力328のところの出力DC電力は、光源の需要に適したレベルにある。特に、センス電圧は、しきい値電圧に正確に等しいと言え、これは、DC出力が光源による需要に正確に等しいことを指示している。
【0073】
図6は、例示の実施形態に従って光源を駆動する方法600の流れ図を示している。方法600は、例えば図1図5の例示の実施形態を関連して説明したハードウェア及びソフトウェアで実施できる。図1図5の例示の実施形態と関連して説明した細部の多くは、ここで説明する方法に共通しており、これら細部の多くについては、一般に、例示の実施形態の説明を不明瞭にするのを避けるために繰り返さない。
【0074】
方法600は、符号601において、第1のフライバックAC/DCコンバータ段のセンス抵抗器にかかる電圧を検出するステップを有する。方法600は、符号602のところにおいて、かかる電圧をしきい値電圧と比較するステップを有する。方法600は、符号603のところにおいて、かかる電圧がしきい値電圧よりも高い場合、第2のフライバックAC/DCコンバータ段を使用可能にするステップを有する。
【0075】
理解されるべきこととして、要求出力電力を提供するよう必要に応じてドライバ回路(例えばドライバ300)のより多くのフライバックAC/DCコンバータ段を使用可能にするよう方法600の実施を続行することができる。さらに、所望の出力電力を達成した後、ドライバ回路のフライバックAC/DCコンバータ段を使用不能にすることによって出力電力を減少させるよう方法600を「逆に」実施することができる。
【0076】
本発明の多くの実施形態を図示すると共に説明したが、当業者であれば、本明細書において説明した機能を実行すると共に/或いは結果及び/又は利点のうちの1つ又は2つ以上を得るための種々の他の手段及び/又は構造を容易に想到し、かかる変形例及び/又は改造例の各々は、本明細書に記載した本発明の実施形態と均等範囲に属すると考えられる。一般的に言えば、当業者であれば容易に理解されるように、本明細書において記載した全てのパラメータ、寸法、材料及び形態は、例示であり、実際のパラメータ、寸法、材料及び/又は形態は、本発明の教示が用いられる1つ又は複数の特定の用途で決まる。当業者であれば、本明細書において記載した特定の本発明の実施形態の多くの均等例を認識し又は日常的に行われる程度に過ぎない実験を用いて確かめることができよう。したがって、上述の実施形態は、例示として提供されており、本発明の実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の範囲及びその均等範囲内で、具体的に説明すると共にクレーム請求した形態以外の形態で実施できることは理解されるべきである。本発明の実施形態は、本明細書において説明した個々の各々の特徴、システム、物品、材料、キット及び/又は方法に関する。加うるに、2つ又は3つ以上の特徴、システム、物品、材料、キット及び/又は方法の任意の組み合わせは、かかる特徴、システム、物品、材料、キット及び/又は方法が相互に矛盾しない限り、本発明の範囲に含まれる。
【0077】
本明細書において定められると共に用いられている全ての定義的記載は、辞書的定義、参照により引用した文献に記載されている定義及び/又は指定用語の通常の意味に優先して用いられているものと理解されるべきである。
【0078】
原文明細書及び原文特許請求の範囲において用いられている不定冠詞“a”及び“an”は、明示の別段の指定がなければ、“at least one(少なくとも1つ)”を意味するものと理解されるべきである。
【0079】
原文明細書及び原文特許請求の範囲において用いられている“and/or”(翻訳文では、「及び/又は」としている)という語句は、このようにして結合された要素の「いずれか一方又は両方」、即ち、場合によっては連言的(conjunctively )に存在し、場合によっては選言的(disjunctively )に存在する要素を意味するものと理解されるべきである。「及び/又は」という語句で表された多数の要素は、同一の仕方で、即ち、このようにして結合された要素の「1つ又は2つ以上」であると解されるべきである。具体的に示されている要素と関連しているにせよ関連していないにせよいずれにせよ、他の要素がオプションとして「及び/又は」という語句により具体的に示された要素以外に存在する場合がある。かくして、非限定的な例を挙げると、例えば“comprising”(翻訳文では、「〜を有する」としている場合が多い)のような非限定的用語と関連して用いられた場合に「A及び/又はB」という記載は、一実施形態では、Aのみ(オプションとして、B以外の要素を含む)を意味し、別の実施形態では、Bのみ(オプションとして、A以外の要素を含む)を意味し、更に別の実施形態では、AとBの両方(オプションとして、他の要素を含む)等を意味する場合がある。
【0080】
また、理解されるべきこととして、明示の別段の指定がなければ、2つ以上のステップ又は行為を含む特許請求の範囲に記載された任意の方法において、この方法のステップ又は行為の順序は、必ずしも、方法のステップ又は行為を記載している順序には限定されない。
【0081】
原文特許請求の範囲並びに原文明細書において、全ての移行語句、例えば“comprising”(翻訳文では、「〜を有する」としている場合が多い)、“including”(翻訳文では、「〜を含む」としている場合が多い)、“carrying”(翻訳文では、「〜を支持している」としている場合が多い)、“having”(翻訳文では、「〜を備えている」としている場合が多い)、“containing”(翻訳文では、「〜を収容する」としている場合が多い)、“involving”(翻訳文では、「〜を包含する」としている場合が多い)、“holding”(翻訳文では、「〜を保持する」としている場合が多い)、“composed of”(翻訳文では、「〜で構成されている」としている場合が多い)等は、非限定的な意味、即ち、“including but not limited to”(翻訳文では、「〜が含まれる(挙げられる)が、これらには限定されない」としている場合が多い)という意味に理解されるべきである。
【0082】
特許請求の範囲に括弧に入れた状態の参照番号又は他の符号は、便宜上提供されているに過ぎず、特許請求の範囲の記載された本発明を何ら制限するものではない。
図1
図2
図3-I】
図3-II】
図4
図5
図6