(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0013】
読者は、以下の、本開示による特定の非限定的な実施形態の詳細な説明を考慮することにより、前述の詳細ならびにその他が明らかであろう。読者は、本明細書に記載される実施形態を実現または使用することにより、さらなる詳細を理解することもできる。
【0014】
本明細書に開示される非限定的な実施形態の説明は、明確性の目的のために他の特性および特徴を省く一方で、開示される実施形態の明確な理解に関するそれらの特性および特徴のみを図示するために簡略化され得ることを理解されたい。この開示される実施形態の説明を考慮することにより、当業者は、他の特性および特徴が、開示される実施形態の具体的な実現または用途において望ましい可能性があることを認識するであろう。しかしながら、そのような他の特性および特徴は、この開示される実施形態の説明を考慮することにより、当業者によって容易に確認され、実現され得、したがって、開示される実施形態の完全な理解のために必要ではないため、そのような特性、特徴等の説明は、本明細書において提供されない。このように、本明細書に記述される説明は、単に開示される実施形態の例示および図示であり、特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲を制限するものではないことを理解されたい。
【0015】
本開示において、特に示されない限り、全ての数値パラメータは、全ての場合において、「約」という用語が先行し、それによって修飾されるものと理解され、この数値パラメータは、パラメータの数値を決定するために使用される基本的な測定手法の固有の変動特性を有する。最低でも、かつ均等論を特許請求の範囲に適用することを限定しようとするものとしてではなく、本説明で説明される各数値パラメータは、少なくとも、報告される有効数字の数に照らして、かつ通常の丸め技法を適用することによって解釈すべきである。
【0016】
また、本明細書で列挙されるあらゆる数値範囲は、言及される範囲内に含まれるサブ範囲を含むことを意図している。例えば、「1から10」の範囲は、列挙される最小値1と列挙される最大値10との間(かつそれらを含む)の、即ち、1以上の最小値および10以下の最大値を有する、全てのサブ範囲を含むことを意図している。本明細書で列挙されるいかなる最大数値限定も、その中に包含される全てのより小さい数値限定を含むことを意図しており、本明細書で列挙されるいかなる最小数値限定も、その中に包含される全てのより大きい数値限定を含むことを意図している。したがって、出願者は、本明細書に明示的に列挙される範囲内に含まれるあらゆるサブ範囲を明示的に列挙するために、特許請求の範囲を含む本開示を修正する権利を留保する。全てのそのような範囲は、任意のそのようなサブ範囲を明示的に列挙するように修正することが、米国特許法第112条第1項および米国特許法第132条(a)項の要件を満たすように、本明細書で本質的に開示されることを意図している。
【0017】
本明細書で使用される場合、文法的な冠詞「1つの(one)」、(1つの(a)」、「1つの(an)」、および「その(the)」は、特に指示されていない限り、「少なくとも1つの(at least one)」または「1つ以上の(one or more)」を含むことを意図している。したがって、冠詞は、その冠詞の文法的な対象のうちの1つまたは1つを超えること(即ち、「少なくとも1つ」)を意味するように本明細書で使用される。一例として、「1つの構成要素(a component)」は、1つ以上の構成要素を意味し、したがって、場合によっては1つを超える構成要素が企図され、説明される実施形態の実装で利用または使用されてもよい。さらに、用法の内容が特に示さない限り、単数名詞の使用は複数を含み、複数名詞の使用は単数を含む。
【0018】
本明細書に参照により組み込まれると言われるあらゆる特許、刊行物、または他の開示内容は、特に示されない限り、組み込まれた内容が現行の定義、見解、又は本開示に記述された他の開示内容と矛盾しない範囲でのみ、その全体が本明細書に組み込まれる。このように、かつ必要な範囲で、本明細書に記載されている明示的な開示は、参照により本明細書に組み込まれるいかなる矛盾する内容にも優先する。参照により本明細書に組み込まれると言われているが、本明細書に記載されている既存の定義、記述、または他の開示内容と矛盾するいかなる内容またはその一部分も、その組み込まれる内容と既存の開示内容との間でいかなる矛盾も起こらない範囲で組み込まれる。出願者は、参照によって本明細書に組み込まれる任意の主題またはその一部分を明示的に列挙するように、本開示を修正する権利を留保する。
【0019】
本開示は、種々の実施形態の説明を含む。本明細書で説明される種々の実施形態は、例示的、例証的なものであり、かつ限定的でないことを理解されたい。したがって、本開示は、実施形態の説明によって限定されない。むしろ、本発明は、本開示に明示的にもしくは固有に記載される、または本開示によって明示的にまたは固有に支持されるあらゆる特性もしくは特徴を列挙するために修正され得る特許請求の範囲によって定義される。さらに、出願者は、先行技術に存在し得るが、本明細書に必ずしも明示的に記載されない特性または特徴の請求権を肯定的に放棄するために特許請求の範囲を修正する権利を留保する。したがって、そのようないかなる修正も、米国特許法第112条第1項および米国特許法第132条(a)項の要件を満たすであろう。本明細書に開示され、記載される様々な実施形態は、本明細書に様々に記載される特性および特徴を含む、それらからなる、または本質的にそれらかなることができる。
【0020】
本明細書に開示される様々な実施形態は、NO
xを含むガス流を処理する方法を対象とする。そのような実施形態は、NO
xガスを含むガス流をオゾンと接触させ、それによって、三二酸化窒素および五酸化窒素を含む酸化生成物を形成することを含む。三二酸化窒素および五酸化窒素の反応生成物の少なくとも一部は、水と反応して硝酸を形成し、硝酸の少なくとも一部は回収され、任意に、いくつかの有用な目的に適用され得る。よって、NO
x含有ガスを処理するための従来の方法とは対照的に、NO
x含有ガスをオゾンと反応させることにより得られる酸化生成物の全てまたはその一部は、水性スクラバを使用して廃棄流として直接除去されない。代わりに、水を三二酸化窒素および五酸化窒素の酸化生成物の少なくとも一部と反応させて、硝酸を形成し、硝酸の少なくとも一部を回収し、再利用ないしは別の方法で利用することができる。例えばステンレススチールおよび他の合金の酸洗いに使用される硝酸は高価であり、酸の少なくとも一部を再利用することにより、酸洗いに関連する費用を大幅に削減し、また酸洗いプロセスによって発生したNO
x含有ガスが処理されるときに生成された廃棄流体の量を削減することができる。
【0021】
本開示による方法の実施形態は、
図1のフローチャートを参照することによりさらに理解され得る。第1ステップにおいて、ガス流の一部であり得るガス状NO
xとオゾンを反応させて、酸化生成物を生成する。酸化生成物は、三二酸化窒素(N
2O
3)および五酸化窒素(N
2O
5)を含み得る。第1ステップと同時に生じる、および/または第1ステップとは時間的に別の第2ステップにおいて、三二酸化窒素および五酸化窒素の少なくとも一部は水と反応して、硝酸(HNO
3)を形成する。第3ステップにおいて、硝酸の少なくとも一部が回収される。
【0022】
本明細書に記載される様々な実施形態は、NO
xを含むガス流をオゾンと処理し、硝酸を生成して、回収するためのシステムを対象とする。そのような一実施形態を
図2に図式的に示し、システム13は、第1のチャンバ1と、第2のチャンバ2と、任意に、第3のチャンバ3とを含む。チャンバ1、2、3は、流路に沿って連通する装置の領域であり得る。あるいは、チャンバ1、2、3のうちの1つ以上は、流路に沿って連通する別個の構造であり得る。
【0023】
システム13の第1のチャンバ1は、NO
x含有ガス流、およびオゾンガスを含む、またはそれからなるガス流を受容し、その流れを一緒に混合するように適合される。第1のチャンバ1は、少なくとも第1の流入口4と、第2の流入口5とを含み得、かつ内部容積を含む。特定の非限定的な実施形態では、第1のチャンバ1は、少なくとも24インチ(約61センチメートル)の直径を有し得る。特定の非限定的な実施形態では、第1のチャンバ1は、長さが少なくとも200フィート(約61メートル)であり得る。しかしながら、第1のチャンバ1は、NO
x含有ガス流およびオゾンを含む流れを一緒に混合し、それによって、NO
xとオゾンとの間の反応を促進するのに適したあらゆる寸法および設計を有し得ることを理解されたい。特定の非限定的な実施形態では、第1のチャンバ1の温度は、140°F(60°C)未満であり得る。特定の非限定的な実施形態では、第1のチャンバ1の圧力は、10.5水柱(インチ)(約2615.4Pa)真空であり得る。特定の非限定的な実施形態では、NO
x含有ガスおよびオゾンを含むガスが第1のチャンバ1を通る流速は、少なくとも500立方フィート/分(約14立方メートル/分)であり得る。第1のチャンバ1内の条件は、NO
x含有ガス流とオゾンを含む流れとの間の反応、および硝酸を生成するために、第1のチャンバ1で形成された物質のさらなる反応を促進するように選択され得ることを理解されたい。第1のチャンバ1内の流速は、第1のチャンバ1において適切な滞留時間を可能にするように選択され得る。第1のチャンバ1内の滞留時間が適切でない場合、NO
x含有ガス流およびオゾンの混合および反応は困難であり得る。そのような場合、酸化生成物は、第1のチャンバ1で形成されない可能性があるが、代わりに第2のチャンバ2または第3のチャンバ3で形成される可能性がある。特定の非限定的な実施形態では、第1のチャンバ1における滞留時間は、少なくとも6秒である。
【0024】
第1の流入口4は、NO
xを含むガスの供給源と連通する。NO
x含有ガス流は、好ましくは、第1の流入口4を通過して第1のチャンバ1に入る前にスクラバを通過しない。代わりに、NO
x含有ガス流は、好ましくは、NO
x含有ガス流を発生させる供給源から第1の流入口4を直接通過し、「前処理」されない。NO
x含有ガス流は、NO
xガスを生成するあらゆるプロセスから発生させることができる。例えば、特定の非限定的な実施形態では、NO
x含有ガス流は、合金製造中、または処理プロセスもしくは燃焼プロセス中に発生する。特定の非限定的な実施形態では、本開示によるシステムによって処理されたNO
x含有ガスは、金属および合金を処理するための酸洗いプロセスにおいて生成される。具体的な非限定的な一実施形態では、NO
x含有ガス流は、例えば、硝酸を含み得る、および合金の表面を処理するために、合金が一時の間浸漬される(即ち、「酸洗いされる」)酸洗いタンクまたは槽の上の上部空間で発生する。特定の他の非限定的な実施形態では、NO
x含有ガス流は、酸洗い溶液の噴霧器が金属または合金の表面に向けられる噴霧器酸洗いプロセスによって発生する。特定の非限定的な実施形態では、酸洗いプロセスによって発生するNO
x含有ガス流は、周囲温度から140°F(60°C)の範囲の温度を有し得る。当該技術分野において公知であるように、酸洗いタンク、槽、または噴霧器に使用される酸性溶液は、1つ以上の強酸を含み、金属および金属合金から変色、無機汚染物、さび、およびスケール等の表面不純物を除去するために使用される溶液である。特定の実施形態では、酸洗いタンク、槽、または噴霧器は、チタン、チタン合金、およびステンレススチールから選択される物質から表面不純物を除去するために使用され得る。
【0025】
特定の非限定的な実施形態では、酸洗い槽は、塩酸、硫酸、リン酸、硝酸、フッ化水素酸、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される1つ以上の強酸を含み得る。特定の具体的な非限定的な実施形態では、酸洗い槽は、硝酸およびフッ化水素酸のうちの1つまたは両方を含み得る。当業者は、特定の金属または合金に適切な酸洗い溶液を容易に配合することができ、したがって、本開示が特定の金属または合金の酸洗い溶液をどのように配合または適用するかの説明を含む必要はない。本開示による方法およびシステムの実施形態は、NO
x含有ガスを発生させるあらゆる酸洗い配合物を用いて使用され得ることを理解されたい。より一般的には、本開示による方法およびシステムの特定の実施形態は、あらゆるプロセス、装置、システム、または現象により生成されたNO
x含有ガスを加工するために使用され得ることを理解されたい。
【0026】
酸洗いプロセスに関連して使用される本開示による方法またはシステムの特定の非限定的な実施形態では、酸洗いタンクもしくは槽内の、または酸洗い噴霧器に使用される酸洗い溶液は、少なくとも140°F(60°C)の温度を有し得る。しかしながら、酸洗い溶液は、関心の金属または合金を酸洗いするために適したあらゆる温度を有し得ることを理解されたい。例えば、特定の非限定的な実施形態では、酸洗い溶液は、140°F(60°C)未満の温度を有し得る。特定の他の非限定的な実施形態では、酸洗い溶液は、140°F(60°C)以上の温度を有し得る。酸洗いプロセスに関連して使用される本開示による方法またはシステムの他の非限定的な実施形態では、酸洗い槽またはタンクは、少なくとも5700ガロン(約21,577リットル)および最大15,000ガロン(約56,781リットル)の酸洗い溶液を保持することができる。しかしながら、酸洗い槽またはタンクは、関心の金属または合金延伸材の所望の表面加工を提供するのに適したあらゆる容積の酸洗い溶液を保持することができることを理解されたい。前述のように、NO
x含有ガスを発生させる酸洗いプロセスの特定の他の非限定的な実施形態では、変色、無機汚染物、さび、およびスケール等の表面不純物は、噴霧酸洗いを使用して、金属および合金から除去され得る。本明細書で使用される場合、噴霧酸洗いは、酸洗い溶液を金属および/または金属合金上に噴霧し、表面不純物を除去するプロセスを指す。噴霧酸洗いは、金属および/または金属合金を処理するために使用される酸の容積を最小にまたは低減することができるが、プロセスは、それでも大量のNO
x含有ガスを生成し得る。
【0027】
図2に図式的に示されるシステム13を再び参照すると、第1の流入口4は、水分(水)の供給源とさらに連通し得る。システム13の特定の非限定的な実施形態では、水分およびNO
x含有ガス流は、例えば流入口4であり得る同じ位置で第1のチャンバ1に入る。他の非限定的な実施形態では、水分およびNO
x含有ガス流は、異なる位置で第1のチャンバ1に入り得る。また他の非限定的な実施形態では、第1のチャンバ1内に導入された水分の全てまたは一部は、NO
x含有ガス流の一部であり得る。例えば、酸洗いプロセスまたはシステムに関連して本明細書に記載される方法およびシステムの実施形態では、NO
x含有ガス流は、酸洗い溶液の上部空間で発生され得、したがって、酸洗い溶液からの水の蒸発の結果として、いくらかの水分含量を含み得る。
【0028】
システム13のチャンバ1への第2の流入口5は、オゾンの供給源と連通する。オゾン供給源は、例えば、オゾン発生器、もしくはオゾンを生成する別の公知の装置(図示せず)、またはオゾン貯蔵装置であり得る。特定の非限定的な実施形態では、オゾン発生装置は、現場の酸洗いプロセスもしくは酸洗い装置または別のプロセスもしくは装置により発生させたNO
x含有ガスを処理するために必要なときにオゾンを生成できるように、「現場」に位置し得る。オゾンは半減期が短いため、好ましくは、第2の流入口5に近接してオゾンを発生させる。例えば、特定の非限定的な実施形態では、オゾン発生器の装置または他のオゾン供給源は、第2の流入口5付近に位置し得る。他の非限定的な実施形態では、オゾン供給源は、第1の流入口4および第2の流入口5付近に位置し得る。オゾン供給源は、第1のチャンバ1内に導入される特定のNO
x含有ガス流を処理するのに適切なあらゆる濃度で、オゾンを含むオゾン含有ガス流を提供することができる。特定の非限定的な実施形態では、第2の流入口5で第1のチャンバ1内に導入されたガス流のオゾンの濃度は、1〜16容積パーセントの範囲であり得る。
【0029】
システム13の特定の非限定的な実施形態では、オゾンを含むガスが第1のチャンバ1内に導入される第2の流入口5は、第1の流入口4で第1のチャンバ1に入るNO
xが第2の流入口5で導入されるオゾンに接触し、適切に反応して、三二酸化窒素および五酸化窒素を含む酸化生成物を形成するように、第1の流入口4に隣接して(即ち、その付近に)位置し得る。当業者は、NO
x含有ガス流中のNO
xおよびオゾン含有ガス流中のオゾンが第1のチャンバ1に入るNO
x含有ガス流中のNO
xの濃度において特定の所望の最小還元をもたらす程度まで第1のチャンバ1内で反応するように、第1の流入口4と第2の流入口5との間の距離の適切な最小、最大、および/または範囲を容易に確認することができる。第1のチャンバ1の内部容積の形状および大きさは、NO
x含有ガス流とオゾンとの間の接触を促進し、それによって、適切に反応して、三二酸化窒素および五酸化窒素を含む酸化生成物を生成するように適合され得る。これらの反応生成物は、以下の方程式により、窒素酸化物(NOおよびNO
2を含むNO
x)とオゾン(O
3)の反応により第1のチャンバ1内に形成され得る。
A.)NO+O
3→NO
2+O
2
NO
2+O
3→NO
3+O
2
NO
3+NO
2⇔
N2O5
B.)NO+NO
2⇔
N2O3
【0030】
NO
x含有ガス流中のNO
xが第1のチャンバ1内でオゾンと反応して、三二酸化窒素および五酸化窒素を含む酸化生成物を形成する程度は、ガスの流速、滞留時間、それぞれのガス流におけるNO
xおよびオゾンの濃度、反応物の温度、および第1のチャンバ1内のガス流間で生じる特定の混合作用を含むがこれらに限定されない多数の要因に依存する。当業者は、第1のチャンバ1内で生じる反応速度を調節し、NO
x含有ガス流中の所望のレベルのNO
xの転換を達成するために、これらのパラメータのうちの1つ以上を適切に調節する、またはそれらに影響を与えることができる。
【0031】
システム13の特定の非限定的な実施形態では、NO
x含有ガス流は、第1のチャンバ1の内部容積内に導入され、そこでオゾンと接触する前にスクラバにおいて処理されない。また、本開示によるシステムの特定の非限定的な実施形態では、NO
x含有ガス流は、ガス流を混合するように適合された装置を使用して、第1のチャンバ内でオゾン含有ガス流と混合され得る。例えば、NO
x混合ガス流は、静的ミキサーを使用して、オゾン含有ガス流と混合され得る。本明細書で使用される場合、「静的ミキサー」という用語は、分流のパターンおよび半径方向混合を促進するために、特定の形状設計を有する一連の固定要素を含む装置を指す。静的ミキサーは、ガスを液体中に分散するために、または少なくとも2つの不混和性液体を分散するために、少なくとも2つの液体または少なくとも2つのガスの混合を促進するために使用され得る。静的ミキサーは、システム13に必要ではないと考えられているが、静的ミキサーを提供することにより、システム効率を改善し、第1のチャンバ1内に導入されたガス流が混合され、適切に反応することを可能にするために必要な第1のチャンバ1の長さを短くすることができる。システム13の特定の非限定的な実施形態では、例えば、静的ミキサーは、第1の流入口4および第2の流入口5付近の第1のチャンバ1に位置するか、またはそれと関連し得る。システム13の特定の非限定的な実施形態では、静的ミキサーは、第2の流入口5の直ぐ後に位置し得る。
【0032】
第1のチャンバ1内に形成された三二酸化窒素および五酸化窒素の酸化生成物の少なくとも一部は、第1のチャンバ1の内部容積内の水とさらに反応して、硝酸を形成する。上述のように、第1のチャンバ1の内部容積内に導入される水は、例えば、既に第1の流入口4で第1のチャンバ1内に導入されたNO
x含有ガス流の構成要素である水分である、および/または1つ以上の水供給源と連通する第1のチャンバ1内に入る1つ以上の流入口から第1のチャンバ1内に導入される水である。可能な水供給源6は、
図2に示される。システム13は、第1のチャンバ内で酸化生成物と適切に反応し、硝酸を形成するのに十分な濃度の水が第1のチャンバ1に存在するように、あらゆる適切な方式で構築され得ることを理解されたい。特定の非限定的な実施形態では、第1の流入口4は、水供給源6付近に位置し得る。特定の他の非限定的な実施形態では、第1の流入口4および第2の流入口5は、水供給源6付近に位置し得る。システム13および第1のチャンバ1の特定の設計は、第1のチャンバ1内の水と酸化生成物の反応を最適に促進するためにそのようなものが提供される場合、1つ以上の水流入口の第1のチャンバ1への最適な位置決めに影響を与えることを理解されたい。
【0033】
図2を再び参照すると、システム13の第2のチャンバ2は、第1のチャンバ1から下流(即ち、ガスが流れる方向)に位置し得る。第1および第2のチャンバ1、2は、好ましくは、第1のチャンバ1からの流出物が第2のチャンバ2に流れるように、流体的に直接接続される。第2のチャンバは、第1のチャンバ1から第2のチャンバ2の中に出現する流出物から硝酸を回収するように適合される。システム13の特定の実施形態では、第2のチャンバ2は、当業者に公知であるように、ミスト除去器内に導入される(例えば、注入される)ミストから液体を凝縮するのに適した広い断面表面積を含む装置であるミスト除去器であり得る。ミスト除去器は、好ましくは、ミスト除去器を通過するときにガスの速度を減少させ、それによって、重力を介して液体として除去され得るようにミストを捕獲することによって、ガス流から液体としてミストを除去する。
【0034】
図2に図示されるように、特定の非限定的な実施形態では、システム13の第2のチャンバ2は、第3の流入口7と、内部容積と、可溶化された硝酸が収集される、または内部容積から回収される流出口8とを含み得る。第3の流入口7は、特定の非限定的な実施形態では、第2のチャンバ2の内部容積内に噴霧される水蒸気の供給源と連通する。内部容積は、第1のチャンバ1からのガス状流出物を水蒸気と接触させ、それによって、第1のチャンバ1からのガス状流出物中の硝酸を水蒸気中に可溶化させるように適合される。次いで、可溶化された硝酸は、硝酸水溶液として収集され、流出口8を通して第2のチャンバ2の底部から抽出される。硝酸の濃度は、例えば、経時的にシステム13内に導入される水の容積を制御することにより調節され得る。例えば、比較的高速で、NO
x含有ガス流の構成要素として、および/または第1のチャンバ1と関連する1つ以上の水流入口を通して水をシステム13に導入することにより、システム13内に形成され、そこから回収された硝酸を希釈することができる。あるいは、経時的にシステム13により少ない容積の水を導入することにより、システム13内に形成され、そこから回収された硝酸を濃縮することができる。
【0035】
特定の実施形態では、回収した硝酸は、システム13によって処理されたNO
x含有ガスを最初に発生させたプロセスまたは装置に戻して再利用される。例えば、システム13がシステム13において処理されるNO
x含有ガス流を生成する酸洗いタンク、槽、または噴霧器と関連する実施形態では、第2のチャンバ2から回収された硝酸は、酸洗いタンク、槽、または噴霧器にパイプで送られるか、ないしは別の方法でそれらに戻され、さらなる金属または合金延伸材を酸洗いするために使用され得る。あるいは、第2のチャンバ2から回収した硝酸は、例えば、保管される、販売される、または適切に廃棄され得る。
【0036】
図2を再び参照すると、システム13は、任意に、第2のチャンバ2から下流に位置し、チャンバ2からガス状流出物を受容する第3のチャンバ3を含む。特定の非限定的な実施形態では、第3のチャンバ3は、スクラバであってもよい。スクラバは、ガス流から汚染物質もしくは他の物質を抽出する装置またはシステムである。当該技術分野において公知であるように、スクラバは、ガス流からの物質を除去するために液体を使用する湿式スクラバであるか、またはガス流から物質を除去するために乾燥物質を使用する乾式スクラバであり得る。例えば、チャンバ2からのガス状流出物は、未反応の窒素酸化物、第2のチャンバ2によって捕獲されていない硝酸、第2のチャンバ2を超えたシステム13の領域で生成された硝酸、水銀、硫黄酸化物、および/または第2のチャンバ2を退出するガス流から除去したい混入微粒子を含み得、そのような物質は、第3のチャンバ3のスクラバを使用して、完全に、または部分的に除去され得る。例えば、第1のチャンバ1で酸化生成物に変換されない窒素酸化物は、未反応で第2のチャンバ2を通過し、第3のチャンバ3に入り得る。そのような未反応窒素酸化物は、チャンバ3でガス流から部分的に、または完全に除去され得る。また、例えば、第2のチャンバ2で回収されない硝酸が、導管9を通って第3のチャンバ3に入り、第3のチャンバ3で部分的に、または完全に収集され得る。
【0037】
特定の非限定的な実施形態では、第3のチャンバ3は、第4の流入口10と、ガスを環境に放出するための最終流出口12と、第3のチャンバ3の内部容積から廃棄物を収集するための第2の流出口11とを含み得る。第3のチャンバ3が湿式スクラバ装置である実施形態では、第4の流入口10は、スクラバ溶液の供給源と連通し得る。スクラバ溶液は、例えば、水等の非苛性溶液、または水/水酸化ナトリウム溶液等の苛性溶液であり得る。特定の非限定的な実施形態では、特定のスクラバ溶液は、第3のチャンバ3に入る未回収硝酸を中和するように、スクラバを通して再循環され得る。第1の流出口12は、第2のチャンバ2または第3のチャンバ3で除去されないあらゆる窒素酸化物(NO
x)を放出する。場合によって、第2の流出口11は、第3のチャンバ3からの廃棄物を抽出するために使用され得、廃棄物は、再使用され得る、および/または廃棄され得る。
【0038】
本開示に一般に記載されるように構築されたNO
x含有ガス流処理システムは、24時間でかなりの容積の硝酸を生成することができる。例えば、一般に
図2に示されるように構築された装置は、潜在的に、1200ppmのNO
xを含み、4,500scfm(1分当り標準立方フィート)(約127立方メートル毎分)で流れる廃棄ガスから1350ポンド(約612キログラム)/日ほどの硝酸(100%の酸に基づく)を回収することができるとされる。本開示により一般に記載されるように構築され、
図2に示される一般設計を有する原型システムに対して実施された試験は、合金酸洗い装置によって生成されたNO
x含有ガス流から42%(容積/容積)のかなりの容積の硝酸の生成に成功した。
【0039】
本開示のさらなる態様は、例えば、使用済または廃棄(「廃」)酸洗い溶液等の酸洗い溶液から硝酸を回収するための方法を対象とする。本方法の非限定的な実施形態は、NO
xを含むガス流を処理することを含み、ガス流中のNO
xの少なくとも一部は、使用済または廃酸洗い溶液を処理することによって発生する。ステンレススチールの仕上げ加工中、例えば、焼きなまし、および他の仕上げ加工プロセスは、空気の存在下で実行され、薄い酸化フィルムがステンレススチールの表面上に形成される。加えて、スチールが高温で処理されるとき、通常、クロムが枯渇した区域が酸化フィルムの下に形成される。酸洗いプロセスは、スチールの表面を洗浄し、整えるために使用される。熱的に成長した酸化スケールの除去は、典型的に、ショットブラストまたは中性塩中での電解質酸洗いを使用して達成される。クロム枯渇区域は、通常2つ以上の酸を含む酸性溶液中で洗うことにより除去される。輝表面のスチールを提供するために、若干量のバルクスチールも酸洗い中に除去され得る。酸洗い溶液または「酸洗い液」とも呼ばれる酸洗い槽中の混合酸性溶液は、一般的に、90〜160g/Lの硝酸および10〜40g/Lのフッ化水素酸を含む水溶液であるが、フッ化水素酸の代わりに、またはそれに加えて、他の酸を含み得る。硝酸は、強い酸化剤であり、金属および金属酸化物を酸化し、酸洗い溶液中に、例えば、Cr
3+、Ni
2+、およびFe
3+イオンを形成する。酸洗い溶液中のフッ化水素酸は、金属イオンと安定した複合体を形成する。所与の時間での酸洗い速度は、酸洗い槽の温度、酸洗い溶液中の遊離(即ち、未反応)酸の濃度、および酸洗い溶液中の溶解したクロムおよびイオンの濃度に依存する。十分な酸洗い速度を維持するために、遊離硝酸およびフッ化水素酸の最小濃度が、酸洗い溶液において維持されなければならない。
【0040】
濃縮された硝酸およびフッ化水素酸は、酸洗い溶液中で十分な遊離酸濃度を維持するために、酸洗い槽に添加され得る。しかしながら、酸洗いプロセスが進行すると、酸洗い溶液の金属含量が増加する。金属含量が減少しなければ、金属塩が溶液から晶出し初め、強く密着したスラッジを形成し、酸洗いタンクまたは槽を空にし、洗浄する必要がある点に達し得る。したがって、酸洗い溶液の組成物は、十分な濃度の遊離酸を維持し、金属塩の結晶化をもたらす状態を回避するために、経時的に調節されなければならない。廃酸洗い溶液は、かなりの硝酸塩、フッ化物、および重金属の濃縮物を含むが、遊離(未反応)硝酸および遊離フッ化水素酸の濃縮物も含む。廃酸洗い溶液で失った遊離硝酸は、回収され、例えば酸洗いプロセスまたは他の用途に再使用される場合、貴重であろう。遊離硝酸および遊離フッ化水素酸を回収するために、廃酸洗い溶液を処理するための手法が開発されている。特定の公知の酸洗い溶液再生システムでは、例えば、廃酸洗い溶液をイオン交換樹脂床に通して、遊離酸を金属分から分離する。次いで、遊離酸は、酸洗いプロセスまたは他の用途に再使用され得る。しかしながら、硝酸は、強い酸化剤であり、したがって、イオン交換樹脂を酸化する傾向がある。したがって、そのようなシステムでは、樹脂床が損傷するのを保護するために、酸洗い溶液の温度および濃度は慎重に監視され、制御されなければならない。硝酸の温度が非常に高い場合、または酸が非常に濃縮される場合、樹脂床を積極的に腐食する。よって、酸洗い溶液再生システムは、通常、樹脂床に接触する前に、溶液を冷却するための熱交換器ユニットを含む。また、固体が物理的に樹脂床を塞ぐのを防止するために、懸濁された固体は、廃酸洗い溶液から除去されなければならない。このように、酸洗い溶液再生システムは、通常、樹脂床に接触する前に粒子物質を溶液から単離するために、濾過器および他の種類のフィルタユニットも含む。イオン交換樹脂に基づく酸洗い溶液再生システムの複雑さを考えると、本システムは、費用がかかり、工場人員による監視および保守の観点から大きな投資を必要とする傾向がある。
【0041】
本発明の発明者は、例えば、使用済または廃酸洗い溶液等の酸洗い溶液から遊離硝酸を回収するための独特な方法を開発した。イオン交換再生システムにおいて使用済または廃酸洗い溶液を処理するよりも、使用済または廃酸洗い溶液は、化学的に処理され、溶液中の遊離硝酸の全てまたは一部からNO
xを発生させる。NO
xの全てまたは一部が、酸洗い槽、タンク、または他の酸洗い装置の上の上部空間に入り、次いで、上部空間のNO
x含有ガスは、上述の本開示による方法を使用して処理され得、NO
xを含むガス流は、可溶化された硝酸を生成するために加工される。したがって、本開示の一態様によると、遊離硝酸を含む使用済または廃酸洗い溶液に処理材を導入することにより、NO
xガスを意図的に発生させる。酸洗い溶液は、酸洗い槽またはタンクに存在するか、または例えば、酸洗い噴霧装置に使用されていてもよい。酸洗い溶液内に処理材を導入することによって発生させたNO
xの全てまたは一部は、槽もしくはタンクの上、または噴霧装置と関連する上部空間に入り、得られたNO
x含有ガス流は、次の方法、すなわちNO
xを含むガス流をオゾンと接触させ、それによって、三二酸化窒素および五酸化窒素を含む酸化生成物を形成すること、三二酸化窒素および五酸化窒素の少なくとも一部を水と反応させ、それによって、硝酸を形成すること、および硝酸の少なくとも一部を収集することにより処理される。処理材を槽、タンク、または噴霧装置に導入する代わりに、例えば、使用済または廃酸洗い溶液は、酸洗い槽、タンク、または噴霧装置から、処理材と接触し、溶液中の遊離硝酸からNO
xを発生させる別のタンクまたは区画に排出されるか、またはパイプで送られ、次いで、発生させたNO
xの全てまたは一部を含むガス流が上述の本開示による方法によって処理され、それによって硝酸を発生させる。
【0042】
酸洗い溶液は、処理される液体の全てまたは一部からNO
xを発生させるために、あらゆる適切な方式で化学的に処理され得る。例えば、処理材は、遊離硝酸と反応し、NO
xを形成する1つ以上の化学物質を含み得、処理材は、処理される酸洗い溶液と混合されるか、またはそれに導入され得る。遊離硝酸と反応し、NO
xを形成する化学物質は、例えば硫酸鉄、および例えば炭素鋼および鉄等の金属および合金等の他の還元剤を含む。特に、硫酸鉄は、硫酸酸洗い中に生成された副産物である。当業者は、遊離硝酸をNO
xに変換するために使用され得る他の還元化学物質を同定することができる。
【0043】
例えば、使用済または廃酸洗い溶液が、酸洗い溶液を保持する酸洗い槽またはタンク内に処理材を直接投入することにより処理される場合、処理材は、パイプもしくは他の流入口により槽またはタンクに一回のバッチで、または周期的もしくは連続様式で導入され、酸洗い溶液中の遊離硝酸と反応する。処理材を酸洗い溶液中の遊離硝酸と反応させるプロセスは、反応を改善するために、例えば、槽またはタンクを混合または攪拌することにより促進され得る。酸洗いタンクまたは槽内の酸洗い液の全てまたは一部が酸洗い槽またはタンクから、処理される二次タンクまたは区画に排出されるまたはパイプで送られる代替えの実施形態では、処理材は、バッチ、周期的、または連続様式で、パイプまたは他の手段により二次タンクまたは区画内に導入され得、酸洗い溶液中の遊離硝酸と反応し得る。また別の実施形態では、使用済または廃酸洗い溶液は、酸洗いタンク、槽、噴霧装置、または他の酸洗い装置から除去され、処理材で処理するために、別の場所にパイプで送られるか、または運ばれ、酸洗い溶液中の遊離硝酸からNO
xを発生させ、次いで、NO
x含有ガスは、可溶化された硝酸を回収するために、本開示により処理され得る。
【0044】
図式的に
図3に示される、本開示による非限定的な一実施形態では、使用済または廃酸洗い溶液は、酸洗い溶液中の遊離硝酸と反応する処理材と混合され、NO
xを生成する。特定の非限定的な実施形態では、酸洗い溶液は、酸洗いタンク、槽、または噴霧装置から、バッチ操作または連続的のいずれかで、例えばパイプまたは他の導管を通って、処理材と反応する二次タンクもしくは区画内に連続的に流れる。酸洗い溶液と処理材の反応により形成されたNO
xの全てまたは一部からなる、またはそれを含むガス流は、オゾンと反応し、三二酸化窒素(N
2O
3)および五酸化窒素(N
2O
5)を含む酸化生成物を生成する。NO
xをオゾンと反応させるステップと同時に生じ得る、および/またはそのステップとは時間的に別のステップにおいて、三二酸化窒素および五酸化窒素の少なくとも一部は、水と反応し、硝酸を形成し、硝酸の少なくとも一部が回収される。
【0045】
本開示による特定の非限定的な実施形態は、NO
xを含むガス流をオゾンで処理し、硝酸を生成し、回収するシステムを対象とし、NO
x含有ガス流の少なくとも一部は、酸洗い溶液中の遊離硝酸からNO
xを発生させるために、使用済または廃酸洗い溶液を1つ以上の化学物質で処理することにより発生したNO
xである。そのような一実施形態を
図4に図式的に示し、システム113は、酸洗いタンク100と、第1のチャンバ200と、第2のチャンバ300と、任意に、第3のチャンバ400とを含む。酸洗いタンク100は、酸洗いタンク100からのガスが第1のチャンバ200内に導入され得るように、第1のチャンバ200と連通する。チャンバ200、300、400は、流路に沿って連通する装置の領域であり得る。あるいは、チャンバ200、300、400の1つ以上は、流路に沿って連通する別個の構造であり得る。
【0046】
酸洗いタンク100は、ある量の遊離硝酸を含む酸洗い溶液42を含む。酸洗いタンクは、囲い板または酸洗いプロセスによって発生したガスを捕獲するための他の適切な構造を含む従来の設計のものであり得る。酸洗い溶液中の遊離硝酸と反応し、NO
xを生成する処理材は、酸洗いタンク100の壁の流入口30を通して酸洗い溶液中に導入される。処理材は、酸洗いタンク100の酸洗い溶液42中の遊離硝酸からNO
xを発生させるために、必要に応じて、バッチで、周期的に、または連続して導入され得る。化学反応により生成されたNO
xの全てまたは一部は、酸洗いタンク100の酸洗い溶液42の上の上部空間44のガスに入る。システム113は酸洗いタンク100を含むが、システム113は、酸洗い槽または酸洗い噴霧装置を含む酸洗い装置等の、異なる酸洗い装置を含むように適合され得ることを理解されたい。また、システム113は、処理材が酸洗いタンク100に導入されるように適合されるが、システム113は、酸洗い溶液が別個の二次タンクまたは酸洗いタンクと関連する区画で処理材と接触するように修正され得ることを理解されたい。
【0047】
システム113の第1のチャンバ200は、NO
x含有ガス流、およびオゾンガスを含む、またはそれからなるガス流を受容し、その流れを一緒に混合するように適合される。システム113において、NO
x含有ガスは、酸洗いタンク100の上部空間44から供給される。しかしながら、例えば、酸洗い溶液および処理材が二次タンクまたは区画で接触する場合、NO
x含有ガスは、反応が生じる二次タンクまたは区画から部分的にまたは完全に供給され得ることを理解されたい。第1のチャンバ200は、少なくとも第1の流入口40と、第2の流入口50とを含み得、かつ内部容積を含む。特定の非限定的な実施形態では、第1のチャンバ200は、少なくとも24インチ(約61センチメートル)の直径を有し得る。特定の非限定的な実施形態では、第1のチャンバ200は、長さが少なくとも200フィート(約61メートル)であり得る。しかしながら、第1のチャンバ200は、NO
x含有ガス流およびオゾンを含む流れを一緒に混合し、それによって、NO
xとオゾンとの間の反応を促進するのに適したあらゆる寸法および設計を有し得ることを理解されたい。例えば、第1のチャンバ200は、
図2に図示されるシステム13に関連して記載される設計を有し、そのように操作され得る。したがって、特定の非限定的な実施形態では、第1のチャンバ200内の温度は、140°F(60°C)未満であり得る。特定の非限定的な実施形態では、第1のチャンバ200の圧力は、10.5水柱(インチ)(約2615.4Pa)真空であり得る。特定の非限定的な実施形態では、NO
x含有ガスおよびオゾンを含むガスが第1のチャンバ200を通る流速は、少なくとも500立方フィート分(約14立方メートル分)であり得る。第1のチャンバ200内の条件は、NO
x含有ガス流とオゾンを含む流との間の反応、および硝酸を生成するために、第1のチャンバ200で形成された物質のさらなる反応を促進するように選択され得ることを理解されたい。第1のチャンバ200内の流速は、第1のチャンバ200において適切な滞留時間を可能にするように選択され得る。第1のチャンバ200内の滞留時間が適切でない場合、NO
x含有ガス流およびオゾンの混合および反応は困難であり得る。そのような場合、酸化生成物は、第1のチャンバ200で形成されない可能性があり、代わりにシステム113の第2のチャンバ300または第3のチャンバ400で形成され得る。特定の非限定的な実施形態では、第1のチャンバ200における滞留時間は、少なくとも6秒である。
【0048】
NO
x含有ガス流は、好ましくは、第1の流入口40を通過し、第1のチャンバ200に入る前に、酸洗いタンク100の上部空間44からスクラバに入らない。代わりに、NO
x含有ガス流は、好ましくは、酸洗いタンク100から第1の流入口40を直接通過し、「前処理」されない。システム113は、酸洗いタンク100を含むが、異なる種類の酸洗い装置がNO
x含有ガス流を発生させ得ることは明らかである。例えば、NO
x含有ガス流は、酸洗い溶液の噴霧器が金属または合金の表面に向けられる噴霧器酸洗い装置によって発生させることができる。特定の実施形態では、酸洗いタンク、槽、または噴霧器は、チタン、チタン合金、およびステンレススチールから選択される物質から表面不純物を除去するために使用され得る。
【0049】
特定の非限定的な実施形態のシステム113において、酸洗いタンク100内の酸洗い溶液(液)は、少なくとも140°F(60°C)の温度を有する。しかしながら、酸洗い溶液は、関心の金属または合金を酸洗いするのに適したあらゆる温度を有し得ることを理解されたい。例えば、特定の非限定的な実施形態では、酸洗い溶液は、140°F(60°C)未満の温度を有し得る。システム113の特定の非限定的な実施形態では、酸洗いタンク100は、少なくとも5700ガロン(約21,577リットル)および最大15,000ガロン(約56,781リットル)の酸洗い溶液を保持する。しかしながら、酸洗いタンク100は、関心の金属または合金の所望の表面加工を提供するのに適したあらゆる容積の酸洗い溶液を保持することができることを理解されたい。
【0050】
図4に図式的に示されるシステム113を再び参照すると、第1の流入口40は、水分(水)の供給源とさらに連通し得る。システム113の特定の非限定的な実施形態では、水分およびNO
x含有ガス流は、例えば流入口40であり得る同じ位置で第1のチャンバ200に入る。システム113の他の非限定的な実施形態では、水分およびNO
x含有ガス流は、異なる位置で第1のチャンバ200に入り得る。また他の非限定的な実施形態では、第1のチャンバ200内に導入される水分の全てまたは一部は、酸洗い溶液42からの水の蒸発の結果として発生する、NO
x含有ガス流の一部であり得る。
【0051】
システム113のチャンバ200への第2の流入口50は、オゾンの供給源と連通する。オゾン供給源は、例えば、オゾン発生器、もしくはオゾンを生成する別の公知の装置(図示せず)、またはオゾン貯蔵装置であり得る。特定の非限定的な実施形態では、オゾン発生装置は、酸洗いプロセスによって発生したNO
x含有ガスを処理するために、必要なときにオゾンを生成できるように、「現場」に位置し得る。オゾンは半減期が短いため、好ましくは、第2の流入口50に近接してオゾンを発生させる。例えば特定の非限定的な実施形態では、オゾン発生器の装置または他のオゾン供給源は、第2の流入口50付近に位置し得る。他の非限定的な実施形態では、オゾン供給源は、第1の流入口40および第2の流入口50付近に位置し得る。オゾン供給源は、酸洗いタンク100から第1のチャンバ200内に導入されるNO
x含有ガス流を処理するのに適切なあらゆる濃度で、オゾンを含むオゾン含有ガス流を提供することができる。特定の非限定的な実施形態では、第2の流入口50で第1のチャンバ200内に導入されるガス流のオゾンの濃度は、1〜16容積パーセントの範囲であり得る。
【0052】
システム113の特定の非限定的な実施形態では、オゾンを含むガスが第1のチャンバ200内に導入される第2の流入口50は、第1の流入口40で酸洗いタンク100から第1のチャンバ200に入るNO
xが第2の流入口50で導入されるオゾンに接触し、適切に反応して、三二酸化窒素および五酸化窒素を含む酸化生成物を形成するように、第1の流入口40に隣接して(即ち、その付近に)位置し得る。当業者は、NO
x含有ガス流中のNO
xおよびオゾン含有ガス流中のオゾンが適切な程度まで第1のチャンバ200内で反応するように、第1の流入口40と第2の流入口50との間の距離の適切な最小、最大、および/または範囲を容易に確認することができる。システム13の説明に関連して上述されるように、NO
x含有ガス流中のNO
xが第1のチャンバ200内でオゾンと反応して、三二酸化窒素および五酸化窒素を含む酸化生成物を形成する程度は、ガスの流速、滞留時間、それぞれのガス流におけるNO
xおよびオゾンの濃度、反応物の温度、および第1のチャンバ200内のガス流間で生じる特定の混合作用を含むがこれらに限定されない多数の要因に依存する。当業者は、第1のチャンバ200内で生じる反応速度を調節し、NO
x含有ガス流中の所望のレベルのNO
xの転換を達成するために、これらのパラメータのうちの1つ以上を適切に調節する、またはそれらに影響を与えることができる。
【0053】
システム113の特定の非限定的な実施形態では、NO
x含有ガス流は、第1のチャンバ200の内部容積内に導入され、そこでオゾンと接触する前にスクラバにおいて処理されない。また、システム113の特定の実施形態では、NO
x含有ガス流は、ガス流を混合するように適合された装置を使用して、第1のチャンバ200内のオゾン含有ガス流と混合される。例えば、NO
x混合ガス流は、静的ミキサーを使用して、オゾン含有ガス流と混合され得る。静的ミキサーは、システム113に必要ではないと考えられているが、静的ミキサーを提供することにより、システム効率を改善し、第1のチャンバ200内に導入されたガス流が混合され、適切に反応することを可能にするために必要な第1のチャンバ200の長さを短くすることができる。システム113の特定の非限定的な実施形態では、例えば、静的ミキサーは、第1の流入口40および第2の流入口50付近の第1のチャンバ200に位置するか、またはそれと関連し得る。システム113の特定の非限定的な実施形態では、静的ミキサーは、第2の流入口50の直ぐ後に位置し得る。
【0054】
第1のチャンバ200内に形成された三二酸化窒素および五酸化窒素の酸化生成物の少なくとも一部は、第1のチャンバ200の内部容積内の水とさらに反応して、硝酸を形成する。上述のように、第1の流入口40で第1のチャンバ200の内部容積内に導入される水の全てまたは一部は、例えば、既に酸洗いタンク100からのNO
x含有ガス流の構成要素である水分である、および/または1つ以上の水供給源と連通する第1のチャンバ200内に入る1つ以上の流入口から第1のチャンバ200内に導入される水である。可能な水供給源60は、
図4に示される。システム113は、第1のチャンバ200内で酸化生成物と適切に反応し、硝酸を形成するのに十分な濃度の水が第1のチャンバ200に存在するように、あらゆる適切な方式で構築され得ることを理解されたい。特定の非限定的な実施形態では、第1の流入口40は、水供給源60付近に位置し得る。特定の他の非限定的な実施形態では、第1の流入口40および第2の流入口50は、水供給源60付近に位置し得る。システム113および第1のチャンバ200の特定の設計は、第1のチャンバ200内の水と酸化生成物の反応を最適に促進するためにそのようなものが提供される場合、1つ以上の水流入口の第1のチャンバ200への最適な位置決めに影響を与えることを理解されたい。
【0055】
図4を再び参照すると、システム113の第2のチャンバ300は、第1のチャンバ200から下流(即ち、ガスが流れる方向)に位置し得る。第1および第2のチャンバ200、300は、好ましくは、第1のチャンバ200からの流出物が第2のチャンバ300に流れるように、流体的に直接接続される。第2のチャンバ300は、第1のチャンバ200から第2のチャンバ300の中に出現する流出物から硝酸を回収するように適合される。システム113の特定の実施形態では、第2のチャンバ300は、ミスト除去器であり得る。
【0056】
図4に図示されるように、特定の非限定的な実施形態では、システム113の第2のチャンバ300は、第3の流入口70と、内部容積と、可溶化された硝酸が収集される、または第2のチャンバ300の内部容積から回収される流出口8とを含み得る。第3の流入口70は、特定の非限定的な実施形態では、第2のチャンバ300の内部容積内に噴霧される水蒸気の供給源と連通する。第2のチャンバ300の内部容積は、第1のチャンバ200からのガス状流出物を水蒸気と接触させ、それによって、第1のチャンバ200からのガス状流出物中の硝酸を水蒸気中に可溶化させるように適合される。次いで、可溶化された硝酸は、硝酸水溶液として収集され、流出口80を通して第2のチャンバ300の底部から抽出される。硝酸の濃度は、例えば、経時的にシステム113内に導入される水の容積を制御することにより調節され得る。例えば、比較的高速で、NO
x含有ガス流の構成要素として、および/または第1のチャンバ200と関連する1つ以上の水流入口を通して水をシステム113に導入することにより、システム113内に形成され、そこから回収された硝酸を希釈することができる。あるいは、経時的にシステム113により少ない容積の水を導入することにより、システム113内に形成され、そこから回収された硝酸を濃縮することができる。
【0057】
特定の実施形態では、回収された硝酸は、酸洗いタンク100に戻して再利用される。そのような場合において、例えば、第2のチャンバ300から回収した硝酸の全てまたは一部は、酸洗いタンク100にパイプで送られるか、ないしは別の方法でそれに戻され、さらなる金属または合金を酸洗いするために使用され得る。あるいは、第2のチャンバ300から回収した硝酸は、例えば、保管される、販売される、または適切に廃棄され得る。
図4を再び参照すると、システム113は、任意に、第2のチャンバ300から下流に位置し、チャンバ300からガス状流出物を受容する第3のチャンバ400を含む。特定の非限定的な実施形態では、第3のチャンバ400は、スクラバであってもよい。当該技術分野において公知であるように、特定の実施形態では、スクラバは、存在する場合、湿式スクラバまたは乾式スクラバであり得る。チャンバ300からのガス状流出物は、未反応の窒素酸化物、第2のチャンバ300によって捕獲されていない硝酸、第2のチャンバ300を超えたシステム113の領域で生成された硝酸、水銀、硫黄酸化物、および/または第2のチャンバ300を退出するガス流から除去したい混入微粒子を含み得る。そのような物質は、第3のチャンバ400のスクラバを使用して、完全に、または部分的に除去され得る。例えば、第1のチャンバ200で酸化生成物に変換されない窒素酸化物は、未反応で第2のチャンバ300を通過し、第3のチャンバ400に入り得る。そのような未反応窒素酸化物は、第3のチャンバ400でガス流から部分的に、または完全に除去され得る。また、例えば、第2のチャンバ300で回収されない硝酸が、導管90を通って第3のチャンバ400に入り、第3のチャンバ400で部分的に、または完全に収集され得る。
【0058】
特定の非限定的な実施形態では、第3のチャンバ400は、第4の流入口110と、ガスを環境に放出するための末端流出口120と、第3のチャンバ400の内部容積から廃棄物を収集するための第2の流出口111とを含み得る。第3のチャンバ400が湿式スクラバ装置である実施形態では、第4の流入口110は、スクラバ溶液の供給源と連通し得る。スクラバ溶液は、例えば、水等の非苛性溶液、または水/水酸化ナトリウム溶液等の苛性溶液であり得る。特定の非限定的な実施形態では、特定のスクラバ溶液は、第3のチャンバ400に入る未回収硝酸を中和するように、スクラバを通して再循環され得る。第1の流出口112は、第2のチャンバ300または第3のチャンバ400で除去されないあらゆる窒素酸化物(NO
x)を放出する。場合によって、第2の流出口111は、第3のチャンバ400からの廃棄物を抽出するために使用され得、廃棄物は、再使用され得る、および/または廃棄され得る。
【0059】
図4に図示されるシステム113は、酸洗いタンク100内の酸洗い溶液42中の遊離硝酸を回収し、所望する場合、酸洗い溶液42の温度を標準的な酸洗い操作実用温度以下の温度に制御する必要がなく再使用することができるという点で利点である。また、システム113は、酸洗い溶液から金属固体および他の微粒子を濾過する必要なく、酸洗い溶液42から遊離硝酸を回収する。システム13に関連して上述されるように、一般に
図4に示されるように構築されたシステムは、24時間でかなりの容積の硝酸を生成することができる。一般に
図4に示されるように構築された装置は、潜在的に、1200ppmのNO
xを含み、4,500scfm(1分当り標準立方フィート)(約127立方メートル毎分)で流れる廃棄ガスから1350ポンド(約612キログラム)/日ほどの硝酸(100%の酸に基づく)を回収することができる。システム113によって加工されたNO
xガスは、標準の酸洗いプロセスによって発生したNO
xおよび/または処理材を酸洗い溶液42中に導入することにより生成されたNO
xを含み得ることを理解されたい。NO
xガスの供給源に関わらず、本作用は、酸洗いプロセスに使用された硝酸を回収および/または再生することである。
【0060】
本開示を、種々の例示的、例証的なものであり、かつ限定的でない実施形態に関して記述してきた。しかしながら、本発明の範囲から逸脱することなく、開示される実施形態(またはその一部分)のうちのいずれかの種々の置換、修正、または組み合わせを行ってもよいことが、当業者によって認識されるであろう。したがって、本開示が、本明細書に明示的に記載されていない付加的な実施形態を包含することが、企図され、理解される。そのような実施形態は、例えば、本明細書に開示される実施形態の開示されるステップ、構成要素、要素、特性、態様、特徴、制限等のうちのいずれかを組み合わせる、修正する、または再編成することによって得られてもよい。本件に関して、出願者は、様々に本明細書で説明される特性を加えるために、出願手続き中に特許請求の範囲を修正する権利を留保する。
[発明の態様]
[1]
NOxを含むガス流を処理する方法であって、
NO
xを含むガス流をオゾンと接触させ、それによって、三二酸化窒素および五酸化窒素を含む酸化生成物を形成することと、
前記三二酸化窒素および五酸化窒素の少なくとも一部を水と反応させ、それによって、硝酸を形成することと、
前記硝酸の少なくとも一部を収集することと、を含む、方法。
[2]
前記NO
xを含むガス流は、酸洗い溶液から生成される、1に記載の方法。
[3]
前記酸洗い溶液は、硝酸を含む、2に記載の方法。
[4]
前記酸洗い溶液は、少なくとも140°F(60°C)の温度を有する、2に記載の方法。
[5]
前記酸洗い溶液は、金属および合金から選択される物質を処理するために使用される、2に記載の方法。
[6]
前記酸洗い溶液は、ステンレススチール、チタン、およびチタン合金から選択される物質を処理するために使用される、5に記載の方法。
[7]
前記NO
xを含むガス流を前記オゾンと接触させることは、前記NO
xを含むガス流および前記オゾンを混合することを含む、1に記載の方法。
[8]
前記NO
xを含むガス流および前記オゾンを混合することは、静的ミキサーを使用して混合することを含む、7に記載の方法。
[9]
前記硝酸の少なくとも一部を収集することは、ミスト除去器を使用して可溶化された硝酸を収集することを含む、1に記載の方法。
[10]
水蒸気が前記ミスト除去器内に導入される、9に記載の方法。
[11]
前記硝酸を、前記NO
xを含むガス流を発生させたプロセスまたは装置内に再利用することをさらに含む、1に記載の方法。
[12]
前記硝酸を、前記NO
xを含むガス流を発生させた酸洗いタンク、槽、または噴霧器内に再利用することをさらに含む、1に記載の方法。
[13]
前記NO
xを含むガス流の流速は、少なくとも500立方フィート/分(約14立方メートル/分)である、1に記載の方法。
[14]
NO
xを含むガス流を処理するためのシステムであって、
第1のチャンバであって、
NOxを含むガスの供給源と連通する第1の流入口と、
オゾンの供給源と連通する第2の流入口と、
前記NOxを含むガスを前記オゾンと接触させ、それによって、三二酸化窒素および五酸化窒素を含む酸化生成物を生成するように適合される内部容積と、を含み、前記三二酸化窒素および五酸化窒素の少なくとも一部が前記第1のチャンバ内で水と反応して、硝酸を形成する、第1のチャンバと、
前記第1のチャンバと直接流体連通し、前記第1のチャンバからガス状流出物を受容する第2のチャンバであって、
水蒸気の供給源と連通する第3の流入口と、
前記第1のチャンバからのガスを前記水蒸気と接触させ、それによって、前記第1のチャンバからの前記ガス状流出物中の硝酸を前記水蒸気により可溶化するように適合される内部容積と、
前記第2のチャンバの前記内部容積から可溶化された硝酸を収集するための流出口と、を含む、第2のチャンバと、を備える、システム。
[15]
酸洗いタンク、槽、または噴霧器のうちの少なくとも1つをさらに備え、前記酸洗いタンク、槽、または噴霧器が、前記第1の流入口を通って前記第1のチャンバ内に導入される前記NO
xを含むガス流を発生させる、14に記載のシステム。
[16]
前記酸洗いタンクまたは槽は、硝酸を含む酸洗い溶液を含む、15に記載のシステム。
[17]
前記酸洗いタンク、槽、または噴霧器は、金属および合金から選択される物質の表面を処理するために使用される、15に記載のシステム。
[18]
前記酸洗いタンク、槽、または噴霧器は、ステンレススチール、チタン、およびチタン合金から選択される物質の表面を処理するために使用される、15に記載のシステム。
[19]
前記第1のチャンバは、前記第1のチャンバの前記内部容積内で、前記NO
xを含むガス流および前記オゾンを混合するように適合される静的ミキサーを含む、14に記載のシステム。
[20]
前記第1のチャンバは、水蒸気の供給源と連通する第3の流入口をさらに備える、14に記載のシステム。
[21]
前記オゾンの供給源は、オゾン発生装置である、14に記載のシステム。
[22]
前記第2の流入口は、前記第1の流入口に隣接して位置する、14に記載のシステム。
[23]
前記第1のチャンバの直径は、少なくとも24インチ(約61センチメートル)である、14に記載のシステム。
[24]
前記第2のチャンバは、ミスト除去器である、14に記載のシステム。
[25]
スクラバをさらに備え、前記スクラバが、苛性溶液を使用して硝酸を中和する、14に記載のシステム。
[26]
酸洗い溶液から硝酸を回収するための方法であって、
少なくとも1つの化学物質を含む処理材を、遊離硝酸を含む酸洗い溶液中に導入することであって、前記処理材が前記酸洗い溶液中の前記遊離硝酸の少なくとも一部と反応し、NO
xを生成することと、
前記NO
xの少なくとも一部を含むガス流をオゾンと接触させ、それによって、三二酸化窒素および五酸化窒素を含む酸化生成物を形成することと、
前記三二酸化窒素および五酸化窒素の少なくとも一部を水と反応させ、それによって、硝酸を形成することと、
前記硝酸の少なくとも一部を収集することと、を含む、方法。
[27]
前記処理材は、硫酸鉄、炭素鋼、および鉄からなる群から選択される少なくとも1つの化学物質を含む、26に記載の方法。
[28]
前記酸洗い溶液は、酸洗いタンクまたは槽に配置される、26に記載の方法。
[29]
前記酸洗い溶液は、噴霧酸洗いに使用される酸洗い溶液である、26に記載の方法。
[30]
前記処理材と前記酸洗い溶液との間の反応により生成されたNO
xの少なくとも一部は、前記酸洗い溶液の上の上部空間のガスに入り、前記ガス流は、前記上部空間からのNO
xを含む、26に記載の方法。
[31]
前記酸洗い溶液は、少なくとも140°F(60°C)の温度を有する、26に記載の方法。
[32]
前記酸洗い溶液は、金属および合金から選択される物質を処理するために使用される、26に記載の方法。
[33]
前記酸洗い溶液は、ステンレススチール、チタン、およびチタン合金から選択される物質を処理するために使用される、26に記載の方法。
[34]
前記NO
xを含むガス流を前記オゾンと接触させることは、前記NO
xを含むガス流および前記オゾンを混合することを含む、26に記載の方法。
[35]
前記NO
xを含むガス流および前記オゾンを混合することは、静的ミキサーを使用して混合することを含む、34に記載の方法。
[36]
前記硝酸の少なくとも一部を収集することは、ミスト除去器を使用して可溶化された硝酸を収集することを含む、26に記載の方法。
[37]
水蒸気が、前記ミスト除去器内に導入される、36に記載の方法。
[38]
前記収集した硝酸の少なくとも一部を前記酸洗い溶液に導入して戻すことをさらに含む、26に記載の方法。
[39]
前記硝酸を、前記NO
xを含むガス流を発生させた酸洗いタンク、槽、または噴霧器内に再利用することをさらに含む、26に記載の方法。
[40]
前記NO
xを含むガス流の流速は、少なくとも500立方フィート/分(約14立方メートル/分)である、26に記載の方法。
[41]
NO
xを含むガス流を処理するためのシステムであって、
a)酸洗い槽、酸洗いタンク、および酸洗い噴霧装置から選択される酸洗い装置であって、酸洗い溶液を含み、かつ、
処理材を前記酸洗い溶液と接触するように導入するように適合される流入口であって、前記処理材が硝酸と反応し、NO
xを形成する、流入口と、
NO
xを含むガスが集積する上部空間と、を備える、酸洗い装置と、
b)第1のチャンバであって、
内部容積と、
前記酸洗い装置の前記上部空間と連通し、前記NO
xを含むガスの少なくとも一部を前記上部空間から前記内部容積に運ぶように適合される、第1の流入口と、
オゾンの供給源と連通する第2の流入口と、を含み、
前記内部容積が、前記NO
xを含むガスを前記オゾンと接触させ、それによって、三二酸化窒素および五酸化窒素を含む酸化生成物を生成するように適合され、前記三二酸化窒素および五酸化窒素の少なくとも一部が前記第1のチャンバ内で水と反応して、硝酸を形成する、第1のチャンバと、
c)前記第1のチャンバと直接流体連通し、前記第1のチャンバからガス状流出物を受容する第2のチャンバであって、
水蒸気の供給源と連通する第3の流入口と、
前記第1のチャンバからのガスを前記水蒸気と接触させ、それによって、前記第1のチャンバからの前記ガス状流出物中の硝酸を前記水蒸気により可溶化するように適合される内部容積と、
前記第2のチャンバの前記内部容積から可溶化された硝酸を収集するための流出口と、を含む、第2のチャンバと、を備える、システム。
[42]
前記酸洗い装置は、硝酸を含む酸洗い溶液を含む、41に記載のシステム。
[43]
前記酸洗い装置は、金属および合金から選択される物質の表面を処理するために使用される、42に記載のシステム。
[44]
前記酸洗い装置は、ステンレススチール、チタン、およびチタン合金から選択される物質の表面を処理するために使用される、42に記載のシステム。
[45]
前記第1のチャンバは、前記第1のチャンバの前記内部容積内で、前記NO
xを含むガス流および前記オゾンを混合するように適合される静的ミキサーを含む、41に記載のシステム。
[46]
前記第1のチャンバは、水蒸気の供給源と連通する第3の流入口をさらに備える、41に記載のシステム。
[47]
前記オゾンの供給源は、オゾン発生装置である、41に記載のシステム。
[48]
前記第2の流入口は、前記第1の流入口に隣接して位置する、41に記載のシステム。
[49]
前記第1のチャンバの直径は、少なくとも24インチ(約61センチメートル)である、41に記載のシステム。
[50]
前記第2のチャンバは、ミスト除去器である、41に記載のシステム。
[51]
スクラバをさらに備える、41に記載のシステム。
[52]
処理材を前記酸洗い溶液と接触するように導入するように適合される前記流入口は、前記処理材を前記タンク、槽、または噴霧装置内に導入する、41に記載のシステム。
[53]
前記酸洗い装置は、前記酸洗い溶液が前記処理材と中で接触する処理区画をさらに備える、41に記載のシステム。
[54]
前記第2のチャンバの前記流出口は、前記第2のチャンバの前記内部容積からの可溶化された硝酸が前記酸洗い装置に運ばれるように、前記酸洗い装置と流体連通している、41に記載のシステム。