(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0018】
添付の図面を参照して本発明の実施形態を説明する。以下に説明する実施形態は本発明の実施例であり、本発明は、以下の実施形態に制限されるものではない。なお、本明細書及び図面において符号が同じ構成要素は、相互に同一のものを示すものとする。
【0019】
本実施の形態にかかる電磁波照射検知部材について、
図1を用いて説明する。電磁波照射検知部材は、液体を含む検知材料1と、検知材料1を内包する袋2を有している。電磁波が照射されることで袋2から検知材料1が流出する。すなわち、袋2が破れて、袋2の外側に検知材料1が流出する。そして、袋2から流出した検知材料1が試験紙等の被付着物質(図示せず)と付着して、被付着物質が変色する。このようにすることで、電磁波照射検知部材が取り付けられた検知対象物が、電磁波照射で加熱されたか否かを判断することができる。このような、電磁波照射検知部材は、携帯電話などの携帯端末装置や加熱によって熱変形する部材、おもちゃなどに取り付けて使用される。
【0020】
(実施形態1)
本実施の形態にかかる電磁波照射検知部材を備えた携帯端末装置について説明する。
図2に、実施形態1に係る携帯端末装置の一例を示す。実施形態1に係る携帯端末装置101は、電磁波の1例としての電子レンジ内で放出されるマイクロ波を検知するマイクロ波照射履歴残置シート11が貼り付けられている。マイクロ波照射履歴残置シート11がマイクロ波、すなわち電磁波照射の検知に用いられる。マイクロ波照射履歴残置シート11は、電子レンジで加熱されたか否かを判定することができる。したがって、携帯端末装置101が電子レンジで加熱されたか否かを判定することができる。
【0021】
マイクロ波照射履歴残置シート11は、例えば、携帯端末装置101の外部メモリの挿入部、イヤホン接続部又はアンテナ部品付近等に配置される。これらの場所は、装置の外部や内部で電磁波が装置に照射され検知したことを確認しやすく、かつ外部からの電磁波が装置内の金属部分によってシールドされにくい場所の一例である。マイクロ波照射履歴残置シート11はシート状であるため、携帯端末装置101の間隙に貼り付けることができる。これにより、厚み・サイズを気にせず、貼付場所の自由度が高いシールを提供することができる。
【0022】
マイクロ波照射履歴残置シート11は、粒子21と、試験紙22と、を備える。粒子21には、
図1で示した電磁波照射検知部材であり、検知材料1となるインクと、袋2となる皮膜を有している。粒子21は、インクを皮膜で内包し、マイクロ波が照射されると皮膜からインクが流出する。試験紙22は、インクが付着すると変色する。マイクロ波が照射されると試験紙22が変色するため、電子レンジで加熱されたか否かを判定することができる。したがって、電子レンジで加熱されたか否かを判断可能にすることができる。
【0023】
実施形態1に係るマイクロ波照射履歴残置シート11は、実施形態1に係るマイクロ波照射履歴残置方法を可能にする。
図3に、実施形態1に係るマイクロ波照射履歴残置方法の一例を示す。実施形態1に係るマイクロ波照射履歴残置方法は、変色手順S111を有する。変色手順S111では、マイクロ波が照射されると、粒子21の皮膜に包まれたインクを皮膜外に流出させて試験紙22を変色させる。マイクロ波が照射されると試験紙22が変色するため、電子レンジで加熱されたか否かを判定することができる。したがって、電子レンジで加熱されたか否かを判断可能にすることができる。
【0024】
例えば、インクは、マイクロ波が照射されると熱膨張する。この場合、皮膜は、一定温度に達したインクの体積で破裂する。これにより、マイクロ波が照射されたときに、皮膜からインクを流出させることができる。
【0025】
この場合、実施形態1に係るマイクロ波照射履歴残置方法は以下の手順を実行する。
図3に示す変色手順S111において、マイクロ波が照射されると、インクが気化膨張し、一定温度に達したインクの体積で皮膜が破裂する。
【0026】
例えば、皮膜は、マイクロ波が照射されると温度上昇し、一定温度に達すると溶解する。これにより、マイクロ波が照射されたときに、皮膜からインクを流出させることができる。
【0027】
皮膜として、例えば熱可塑性(熱軟化性)の樹脂を用いることができ、特には、熱可塑性樹脂であるナイロン樹脂を用いることが好ましい。ナイロン樹脂は温度が上昇すると軟化するため、インクの温度が上昇し体積が増加したときに、インクを流出させることができる。
【0028】
この場合、実施形態1に係るマイクロ波照射履歴残置方法は以下の手順を実行する。
図3に示す変色手順S111において、マイクロ波が照射されると、皮膜が温度上昇し、一定温度に達すると皮膜が溶解する。
【0029】
インクは、試験紙に付着してインクが流出したことが分かる色であればよい。従って、インクを試験紙と異なる色にすることが好ましい。この場合、試験紙22は、インクが付着するとインクの色に変色する。インクの材料や試験紙の材料によっては、インクの色に着色するものであっても良いため、本明細書において変色とは着色を含むものとする。
【0030】
この場合、実施形態1に係るマイクロ波照射履歴残置方法は以下の手順を実行する。
図3に示す変色手順S111において、白色以外の色を有するインクを皮膜外に流出させ、試験紙22をインクの色に変色させる。
また、気化膨張による皮膜の破裂と、温度上昇による皮膜の溶解をそれぞれ独立して用いても良く、両方を合わせて用いても良い。
【0031】
インクは、透明の液体であって化学反応を起こして変色するものでもよい。あるいは、化学反応を起こすのは試験紙22とする場合、試験紙22は、インクが付着すると化学反応して変色する。逆に透明の液体が試験紙に付着した薬品と反応して変色してもよい。
また、試験紙の変色は、化学反応によるものである必要はない。試験紙22に配置された染料、顔料が表層で隠されている構成とする。そして、水などの溶剤が流出し、試験紙に配置された染料、顔料を溶かして表層を変色させるような構成とすることもできる。あるいは、既存の水濡れ検知マークを備えた試験紙を用いることもできる。この水濡れ検知マークを備えた試験紙では、濡れることでパターン状に形成された染料や顔料が溶けてパターンが崩れることで検知できる。
またインクはどの場合でも透明である必要はない。インクは、染料だけでなく顔料を混ぜた液体であってもよいし、試験紙に付着して変色する前後の色の変化が明確に分かるような化学反応を起こすものでもよい。具体的には、青いリトマス試験紙に酸性の有色液体を用い、例えば銅や鉄が溶けた酸をこぼして赤く変化するようにしてもよい。あるいは、試験紙に配置された染料、顔料がインクと混ざることで、インクの色でも染料や顔料の色でもない異なる色に見えるようにしてもよい。例えば、黄色の水に緑の顔料で黄緑色に見えるような構成であってもよい。
要は、粒子内部の液体が流出し、試験紙に付着することが外部から分かる色の変化として捉えられるような構成であればよい。
【0032】
この場合、実施形態1に係るマイクロ波照射履歴残置方法は以下の手順を実行する。
図3に示す変色手順S111において、透明のインクを皮膜外に流出させ、インクと試験紙を化学反応させて試験紙22を変色させる。
【0033】
試験紙22は、板状であってもよい。この場合、粒子21は、2枚の試験紙の間に配置されていることが好ましい。マイクロ波照射履歴残置シート11が平板になるため、携帯端末装置101の隙間に貼り付けることができる。
【0034】
(実施形態2)
図4に、実施形態2に係る携帯端末装置の一例を示す。実施形態2に係る携帯端末装置101は、実施形態1に係る携帯端末装置101に加え、防水容器12をさらに備える。防水容器12は、粒子21及び試験紙22を密封する。これにより、インク以外のものによる試験紙22の変色を防止することができる。また、インクの揮発を防ぐことができる。また、インクがマイクロ波照射履歴シート11から外部へ流出し、装置内部の部品のさらなる故障原因や、装置外部で周囲にあるものに付着して汚すことも防ぐことができる。
【0035】
防水容器12は、外部からインク流出による試験紙の変色を確認できる略透明状の部材である。密封加工にあたってインク、粒子21、試験紙22に影響を与え難い材料を用いることが好ましい。このような材料の一例としての合成樹脂であるラミネート樹脂を防水容器12に用いることができる。また防水容器12を透明樹脂とすることが好ましい。こうすることで、試験紙22の変色を明示することができる。また、防水容器12を、略透明なシリコーン樹脂としてもよい。
【0036】
防水容器12の外壁の少なくとも一部が粘着性を有する。これにより、携帯端末装置101にマイクロ波照射履歴残置シート11を貼り付けることができる。
【0037】
(実施形態3)
図5に、実施形態3に係るマイクロ波照射履歴残置シートの一例を示す。マイクロ波照射履歴残置シート11は、粒子状にインクを閉じ込めている。電子レンジからのマイクロ波を照射されると、インクの粒子が加熱されて粒子が破れ、マイクロ波照射履歴残置シート11内にインクが流れ出す。これによりマイクロ波照射履歴残置シート11自体が変色し、マイクロ波が照射されたことを通知する。
【0038】
図6に、実施形態3に係るマイクロ波照射履歴残置シートの構成例を示す。実施形態3に係るマイクロ波照射履歴残置シート11は、粒子21と、試験紙22と、板状の物質23と、を備える。
【0039】
インクを閉じ込めた粒子21を格子上に複数個配置する。そのインクを吸収した時に変色する試験紙22で粒子21を挟み込みパッケージする。
【0040】
更に、試験紙22で吸収したインクがマイクロ波照射履歴残置シート11外部へ流出しないよう、板状の物質23でパッケージする。板状の物質23は、実施形態2で説明した防水容器12として機能する。粒子21及び試験紙22をパッケージ化するため、外部からの水分では試験紙22が変色せず、内部からインクでのみ変色する。このため、マイクロ波が照射された時以外の試験紙22の変色を防止することができる。
【0041】
次にそれぞれの素材の説明をする。
粒子21に使用するインクは、染料を溶剤に溶かした一般的な物で、比較的低粘度の液状のものを使用し、色は変色が視覚的に確認し易い色を使用する。
【0042】
インクをパッケージする粒子21の皮膜は、薄い膜状の素材で加熱すると溶ける素材、または膨張で破れる素材を使用し、通常時に手やその他の物による押圧では破れないものとする。例として極薄なナイロンのようなものでも可能とする。
【0043】
試験紙22は、インクの吸収性、乾燥性に富んだ紙としてインクジェット用紙を使用し、インクを吸収したことが両面から分かるような紙を使用する。
【0044】
板状の物質23は、マイクロ波照射履歴残置シート11内部からのインク漏れを防ぎ、外部からの水分を妨げ、更に試験紙22がインクを吸収した事がわかるよう透明色の素材としてラミネートなどを使用する。
【0045】
図7に、実施形態3に係る携帯端末装置の一例を示す。マイクロ波照射履歴残置シート11の添付箇所は、携帯端末装置31を分解せずに電子レンジによる破壊の判定結果が確認可能な任意の箇所へ貼付ける。
【0046】
電子レンジ破壊が発生する場合、携帯端末装置31内に水分が入りこみ、その水分が加熱され携帯端末装置31の電子部品などを破壊する。この為、携帯端末装置の外部や内部で電磁波が装置に照射され検知したことを確認しやすい場所で、かつ装置内の金属部分によって外部からの電磁波がシールドされにくい部分に、マイクロ波照射履歴残置シート11を貼りつける。具体的には、特に水分の入り込み易い外部メモリの挿入部やイヤホン接続部近辺32、アンテナ部品近辺33などにマイクロ波照射履歴残置シート11を貼付ける。
【0047】
次に電子レンジで加熱した時のシールの動作を説明する。
まず電子レンジで加熱した際に携帯端末装置31が破壊に至るまでの概要を説明する。電子レンジで加熱を始めると電子レンジから特定周波数のマイクロ波が放出され、このマイクロ波の振動数が水分子の固有振動数に一致し、携帯端末装置31に含まれる水分子の振動を激しくする。携帯端末装置31中の水分子の振動が激しくなると、そこに摩擦熱が発生し、温度が高くなることで破壊に至る。
【0048】
上記破壊動作時におけるマイクロ波照射履歴残置シート11の動作の一例を、
図6、
図8、
図9及び
図10を用いて説明する。
図8は、粒子の拡大図である。
図9は、マイクロ波照射後のマイクロ波照射履歴残置シートの状態を示す。
図10は、マイクロ波照射後の試験紙の状態を示す。
【0049】
図8に示すように、電子レンジ動作時に放出されるマイクロ波がインク41に照射されると、インク41に含まれる水分子が激しく振動し、インク41の温度が上昇する。その結果粒子21は膨張し、インク41を閉じ込めていた皮膜42が破れ、インク41が皮膜42外に流れ出す。
【0050】
図9及び
図10に示すように、流れ出したインク41を試験紙22が吸収し、試験紙22が変色した部分51が現れる。これにより、視覚的に試験紙22の変化を通知する。
【0051】
変色した試験紙22は、インクの外部漏れ防止の板状の物質23により外気に触れることが無い為、インクの揮発や酸化はない。また、インク以外の要因での試験紙22の変色は無く、変色した状態を継続することができる。
【0052】
なお、本実施形態ではインクの材料に染料を用いて紙を変色させたが、有色で液状のもので紙を変色させることが出来れば任意の液体、任意の紙での実施手段も可能とする。またインクが流出したことさえ分かるものであれば、例えば紙でなくても、スポンジや繊維の集合体である布のような材料でもよい。
【0053】
また、本実施形態ではインク液を粒子状に閉じ込めてマイクロ波照射履歴残置シート11を構成したが、粒子内の液体は無色透明な水でもよい。その場合は粒子が破裂時に流れ出す水を吸収する用紙が、水に反応して変色する材料で変色を通知する。
【0054】
インクは、試験紙に付着してインクが流出したことが分かる色であればよい。この場合、試験紙22は、インクが付着するとインクの色に変色する。
【0055】
この場合、実施形態1に係るマイクロ波照射履歴残置方法は以下の手順を実行する。
図3に示す変色手順S111において、白色以外の色を有するインクを皮膜外に流出させ、試験紙22をインクの色に変色させる。
【0056】
インクは、実施形態1で説明したように、透明の液体であって化学反応を起こして変色するものでもよい。あるいは、試験紙22が化学反応を起こす場合、試験紙22は、インクが付着すると化学反応して変色する。逆に透明の液体が試験紙に付着した薬品と反応して変色してもよい。
また、化学反応である必要はない。例えば、試験紙22に配置された染料、顔料が表層で隠す構成とする。そして、袋に含まれる水などの溶剤が流出し、試験紙に配置された染料、顔料を溶かして表層を変色させるような構成としてもよい。あるいは、既存の水濡れ検知マークを備えた試験紙のように濡れることでパターン状に形成された染料や顔料が溶けてパターンが崩れることで検知できるような構成でもよい。
またインクはどの場合でも透明である必要はない。インクは、染料だけでなく顔料を混ぜた液体であってもよいし、試験紙に付着して変色する前後の色の変化が明確に分かるような化学反応を起こすものでもよい。具体的には、青いリトマス試験紙に酸性の有色液体、例えば銅や鉄が溶けた酸をこぼして赤く変化するような構成であってもよい。あるいは、インクと試験紙に配置された染料、顔料とが混ざることでインクの色でも染料や顔料の色でもない異なる色に見えるような、例えば黄色の水に緑の顔料で黄緑色に見えるような構成であってもよい。
要は、粒子内部の液体が流出し、試験紙に付着することが外部から分かる色の変化として捉えられるような構成であればよい。
【0057】
マイクロ波照射履歴残置シート11の貼付け対象を携帯端末装置として記載したが、マイクロ波を照射されることで破壊する電子機器、電気機器、また電子機器、電気機器に限らず不具合を生じるものであれば任意の機器も可能とする。
また、マイクロ波照射履歴残置シート11は、シール状のように説明したが粘着材が付着していなくても、例えばチップ状に構成され、本体側に設けられたソケット状のようなケースや治具に格納、嵌合されてもよい。
【0058】
(実施形態4)
実施形態1〜3では、試験紙を用いた構成に付いて説明した。すなわち、インクを皮膜で内包した粒子にマイクロ波が照射されると皮膜からインクが流出する。そして、試験紙にインクが付着すると変色することで、マイクロ波が照射されると試験紙が変色する構成を説明した。しかしながら、インクが流出したことが分かればよいので、必ずしも試験紙は必要ではない。そこで試験紙が不要な実施の形態を説明する。
【0059】
本発明の実施形態4としての、電磁波の照射を検知し記録する電磁波照射検知部材を
図11、
図12を参照して説明する。
図11、及び
図12には、電磁波照射検知部材を上面図、側面図、及びインク流出図が示されている。なお、上記の実施の形態と同様の構成については、適宜説明を省略する。
【0060】
図11、
図12の電磁波照射検知部材を参照すると、格子状に粒子21が配置された部材61(
図11)と、交互に粒子が配置された部材62(
図12)と、の例がある。いずれも粒子21が等間隔に配置されている。このような構成とすることで、インクが流出した際に色がついている部分が等間隔に配置した粒子21と見分けがつくので、試験紙22が無くても検知を確認できる。
【0061】
具体的には
図13を参照して説明する。
図13は、製造過程を説明するため図であり、電磁波照射検知部材61の斜視図である。
図13の電磁波照射検知部材61は、台座63と、粘着材64と、インクを有する粒子21と、保護シート65とを有する。まず、台座63に粒子を所定の間隔としての等間隔に配置するための粘着材64を印刷等の手法で配置する。そして、台座63の上に粒子21を転がすことで粘着材64によって粒子21が固定される。このままでも電磁波照射検知部材として機能はするが、粒子21が剥離しないためにさらに上側から保護シート65を被せる。このようにして所定の間隔に粒子21を配置することができる。
【0062】
保護シート65はインクが流出したことを確認できるように略透明な部材であることが好ましい。また、保護シート65は、またインクは流出したことが分かるよう、台座とは異なる色であることが望ましい。
【0063】
台座63は裏面に粘着材64が塗布されているシール状部材であってもよい。また台座63はプリント基板などの装置内部材であって、そこへ直接粒子を粘着固定するような構成であってもよい。なお、台座63には、粘着剤64の代わりに、粒子形状に応じた凹部を配置してもよい。この場合、台座63の上に、粒子21を転がすことで、粒子21が凹部に入り込んで、固定される。
【0064】
また、保護シート65は先の実施形態で示した防水容器12の一部を成してもよい。また、保護シート65を被せる代わりに、防水容器12を用いても良い。この場合、防水容器12としての合成樹脂である透明なラミネート樹脂でラッピングするような構成としてもよい。また、保護シート65は、透明なシリコーン樹脂でもよい。
【0065】
また、
図11、
図12では、粒子21が2列と3列に等間隔に並んだ例を示したが、インクが流出したことが粒子の配置パターンの乱れと見られる構成であればよい。例えばイ粒子21が、1列等間隔であってもよいし、等間隔でなくても特定の連続パターンの繰り返しであってもよい。
【0066】
(実施形態5)
実施形態4ではインクが流出した時の流出形状は自然まかせであったため、判断に一瞬迷う場合もありえる。そこで、さらに改良した実施形態5を説明する。
【0067】
本発明の実施形態5としての、電磁波の照射を検知し記録する電磁波照射検知部材を
図14を参照して説明する。
図14は、本実施形態にかかる電磁波照射検知部材の構成を詳細に示す図である。なお、上記の実施の形態と同様の構成については、適宜説明を省略する。
【0068】
図14の全体構成図を参照すると、電磁波照射検知部材66は上側の蓋67と、基材68と、下側の蓋67と、インクを有する粒子21とを有している。蓋67は中のインク流出が見えるような略透明な部材、例えばPETフィルムである。蓋67は、密着、密封するための粘着材、接着剤などで基材68と接着している。被付着物質となる基材68は樹脂やゴムで作られている。基材68の内部には、粒子21を所定の間隔で配置するための十字形状の穴69が開けられている(基材の上面図参照)。この穴69に粒子21が格納されている。穴69の深さは基材68の材質にもよって変わるが、ここでは、粒子21の直径よりも深くなるよう設定されている。これにより、穴69の内部に、粒子21を確実に収納することができる。穴69の形状は粒子21の円形状と異なる形状とする。さらに、穴69を例えば、インクが流出した際に見えやすい円に凸部69aができるような形状とすることが好ましい。このため、本実施形態では、孔69の形状を十字形状としている。基材68に開けられた穴69の体積に対して、粒子21内のインクの体積が少なくなりすぎないよう、穴69の体積は粒子21の体積に対して大きすぎないことが好ましい。穴69に凸部69aを設けることによって、粒子21との間に空間が形成される。すなわち、粒子21の外周の外側に空間が形成される。そして、粒子21から流出したインクが、凸部69aに及ぶ。
【0069】
このように構成することで、インクが流出した際に穴69の形状に沿ってインクが流出する。このため、粒子21の形状と異なる形のインク色による模様が形成される。よって、インクの流出を確実に認識することができる。
さらに基材68に穴69を開け、その中に粒子21を入れた構成としている。そして、蓋67によって穴69を覆っている。こうすることで電磁波照射検知部材66の上下方向に力が加わったとしても、蓋67を挟んで基材68によって支えられるため、粒子21に直接力が加わらず、電磁波照射以外でのインク流出を防ぐことができる。
【0070】
なお、この場合のインクは有色であることが望ましいが、透明であっても良い。透明の水を用いたとしても、例えば、基材68と蓋67との間に実施形態1で述べたような試験紙、それに類する試薬を挟み込むことで、流出時に変色する。こうすることで、透明な液体を用いたとしても、検知は可能である。
また本実施の形態では穴69は十字形状としたがこれに限らず、三角形、四角形、星型、といった形状としてもよい。要は、穴69は、粒子21が格納できる円筒穴と、その円筒状空間の外側へ、インクが流れるようなトンネル状の隙間で接続されるような形状であればよい。
【0071】
また基材68に開けられる穴69が貫通しない構成であれば、蓋67は2つも必要ない。すなわち、基材68の、穴69が設けられている側のみに蓋67を設ければよい。そして、この蓋67で穴69を覆うように、基材68に蓋67を貼り付ける。
また蓋67は先の実施例の防水容器21の一部としての合成樹脂、例えばラミネート樹脂のようなものでラッピングするような構成でもよい。さらには、蓋67を用いる代わりに、穴69が貫通しない基材68を2つ重ね合わせるような構成であってもよい。すなわち、この場合、少なくとも一方の基材68は外部からインクの状況が確認できるように略透明な部材、例えばシリコーン樹脂であるのが望ましい。
【0072】
また基材68の材質は樹脂やゴムとしたが、他の素材を用いることも可能である。例えば、合成樹脂やシリコーンゴムのような水を吸収しにくい部材を基材68として用いることが望ましい。なぜなら、一部のウレタン樹脂や、天然ゴムのような部材ではインクのような液体を吸い取る作用がある。このため、このような作用を持つ部材を基材68として用いた場合、インクが流出したことを検知する阻害要因とも成りえる。よって、合成樹脂やシリコーンゴムのような水を吸収しにくい材質とすることが望ましい。また、基材68として、耐熱性のあるものが望ましい。
【0073】
また、基材68は樹脂やゴムである必要はない。インクの流出の際に外部へ漏らさないための壁となることと、インクが流出したことが分かるために吸い取らない構成であればよい。例えば、布や紙など加工しやすい固体に撥水剤としてのシリコーン樹脂を塗布したような構成でもよい。
【0074】
(実施形態6)
実施形態1〜実施形態5では、インクをマイクロカプセルのような部材の中に入れ、粒子を構成した。しかしながら、本実施の形態では、このような粒子状のようなものでなく、袋状のものにインクを入れている。
【0075】
熱膨張によって粒子が破損するような構成や、熱によって皮膜が溶解する構成では、粒子の皮膜の製造精度が高く、細かな管理をして作る必要がある。しかしながら、電子レンジ内で濡れた機器を乾かすために照射される時間を加味することで、インクを袋状のものに入れてやっても、マイクロ波が照射されたことによってインクが袋から流出する。よって、電磁波照射を検知することができる。
具体的にはインクが熱により沸騰し、気化する際の急激な体積膨張によってインクを封入した袋を破るような構成としてもよい。もちろん、気化による体積膨張による流出と、熱による皮膜の溶解との両方を用いても良い。
【0076】
本発明の実施形態6としての、電磁波の照射を検知し記録する電磁波照射検知部材を
図15を参照して説明する。
図15は、本実施形態にかかる電磁波照射検知部材の構成を詳細に示す図である。なお、上記の実施の形態と同様の構成については、適宜説明を省略する。
図15を参照すると、電磁波照射検知部材70において、基材68の構成と、インクを有する粒子21の構成が、第5の実施形態と異なっている。電磁波照射検知部材70は、蓋67と基材71と蓋67とが合わさっている。すなわち、2つの蓋67が両側から基材71を挟み込んでいる。基材71にはインクが入った袋73が入る十字形状の穴72が開いている。基材71の全体に1つの穴72が形成されている。袋73は先の実施形態同様にナイロンのような略透明で熱で内圧の上昇によって破れる樹脂で構成されている。また袋73の厚みより、基材71の厚みが厚い方が望ましい。そして、穴72の中に、インクを内包する袋73を配置する。直方体状の袋73は、平面視において、穴72よりも小さくなっている。このため、穴72には、袋73との間に空間を形成するための凸部72aが設けられている。
【0077】
電子レンジ内で電磁波であるマイクロ波が照射されると、インクが入った袋73の中でインクが沸騰し、インクの一部が気化する。インクの一部が液体から気体に変わることによって急激に体積が膨張する。これにより、袋73の内圧が上昇して、袋73を膨らませて破る。袋73が破れるとインクが流出し、穴72の形状に沿ってインクが流出する。袋73の形状の違いによってインクが流出したことが外部から確認できる。ここでは、穴72の全体にインクが行き渡るため、インクの流出を確認することができる。また、本実施の形態72においても穴72に凸部72aが形成されている。この凸部72aによって、袋73の外周面に空間が形成される。よって、袋73から流出したインクが、凸部72aに及ぶ。
【0078】
袋73の形状については直方体形状の例を示したが、穴72との形状の差異が示せればどのような形状でもよい。袋73が球状であれば穴へ挿入する作業が簡素化しやすいので望ましい。また穴72については先の実施形態と同様で袋73との形状の差異が示せればどのような形でもよい。また蓋67についても先の実施形態同様、2つある必要はない。
【0079】
また、この構成ではインクが気体に変わることによって、袋73の内圧によって袋73が破れ、インクが流出する構成とした。この構成では、電磁波照射検知部材70の内部にもその圧力がかかる。インクを電磁波照射検知部材の外部へ流出させたくない場合は、先の実施形態で説明した防水容器のような構成で、かつ内圧で破れないような構成を用いることが望ましい。例えば、シリコーン樹脂でインクが流出する空間を密封することで内圧上昇に対しても弾性をもって破れない構成とすることができる。
【0080】
実施形態5で述べた、穴が貫通していないシリコーン樹脂製の基材を2つ合わせたような構成でもよい。あるいは、シリコーン樹脂で構成した基材71の一方を蓋67として用いる。
【0081】
また実施形態5で述べたように、基材71が布と撥水剤で構成されたものでもよい。この場合、インクが気化することで内圧が上昇しても、気化したインクが布を透過する。よって、液体としてのインクのみ撥水剤で弾かれ残るため、内圧上昇に対しても壊れ難い構成とすることができる。また布に代わり、繊維質の集合体で、圧力が比較的高い蒸気に対する透過性の高い紙を用いてもよい。このように、基材71が通気性を有し、かつ撥水性を有することが好ましい。
【0082】
(実施形態7)
実施形態1から実施形態6では、電磁波を照射するものとしてマイクロ波を照射する電子レンジを用いたが、本発明は、これに限ることではない。また、電磁波をマイクロ波としているが電子レンジで使われている電磁波の周波数帯は国ごとに電波法によって定められており、国に応じて周波数帯が異なっている。例えば、アメリカでは800MHz帯、日本では2.45GHz帯が電子レンジに使われている。よって、電磁波は、マイクロオーダーの周波数に限らない。水などの液体や、鉄などの金属を電磁波によって加熱するような電磁波であればよい。従って、電磁波は、加熱できる電磁波であれば、マイクロ波以外の高周波等でもよい。さらには、本発明は、電磁誘導現象を用いて加熱する装置についても適用できるため、本明細書において、電磁波とは高周波磁界等を含むものとする。
【0083】
近年では電磁誘導現象を利用したIHクッキングヒーターなどの加熱器具が存在し、例えば水濡れした機器を乾燥させる手段として誤って使う場合が考えられる。
図16を参照して、実施形態7にかかる電磁波照射検知部材81を説明する。電磁波照射検知部材81は、電磁波の照射を検知し記録する。本実施の形態では、実施の形態6と異なり、一方の蓋が金属製となっている。なお、上記の実施の形態と同様の構成については、適宜説明を省略する。
【0084】
図16を参照すると、下側の蓋75が金属で構成されている。蓋75の金属材料として、金、銀、鉄、銅、アルミニウム等の導体を用いることができる。さらに、IHクッキングヒーターで加熱反応しやすい、比較的高い電気抵抗が有り磁性体としての鉄で、蓋75が構成されている。また、上側の蓋67はインクの状態が確認できるような略透明な部材で構成されている。IHクッキングヒーターから放出される高周波磁界によって蓋75が加熱される。これにより、蓋75と接している袋73を溶かし、袋73の中のインクが流出する。高周波磁界によって効率よく加熱するためには蓋75はこれまでの実施の形態より比較的広い面積であることが望ましい。
図16では、基材71と同じ大きさの蓋75として図示しているが、効率よく加熱するため、蓋75の大きさは基材71より大きなものであってもよい。
【0085】
また、この電磁波照射検知部材81を携帯端末装置に取り付けるにあたっては、IHクッキングヒータから放出される高周波磁界を効率よく受けるために装置外周部に極めて近い位置で、蓋75が装置外周部側を向き、蓋67が装置内部側を向いている構成としてもよい。
【0086】
次に、
図17を用いて、電磁波照射検知部材81を携帯端末装置に取り付けた様子を説明する。
図17は、電磁波照射検知部材81が取り付けられた携帯端末装置の裏側を模式的に示す図である。
【0087】
図17に示すように、携帯端末装置31は、筐体201と、電池フタ202と、指示溝203とを有する。電池フタ202には、筺体201に対して取り外し可能に取り付けられている。電池フタ202を筺体201から取り外すと、ICカード205と、電池206とが表出する。ICカード205と、電池206とは携帯端末装置31の内部に配置されている。電池フタ202は、筐体201に摺動自在に係止される。電池フタ202に爪204が設けられている。爪204が、筐体201と嵌合することで、電池フタ202が筺体201に固定され、ICカード205と電池206を覆う。指示溝203は、爪204の嵌合を外す方向に電池フタ202をたわませる。
【0088】
また電池フタ202の裏側に電磁波照射検知部材81が設けられている。電磁波照射部材81は、電池フタ202に接する面に蓋75が配置され、図の手前側に蓋67が配置されるように、取り付けられている。従って、電池フタ202を外すことで電磁波照射検知部材での検知の有無が確認できる。
【0089】
また、爪204で電池フタ202を筐体201に嵌め合わせた際に、電磁波照射検知部材81は、ICカード205の真上に配置される。従って、金属製の蓋75がICカード205を覆い被さるように配置されている。このため、高周波磁界によって直接ICカードに記録されたデータが破壊されたり、物理的に破壊されたりするのを防ぐことができる。よって、ICカード205の破損を防止することができる。さらに、ICカードや電子回路で電気配線として用いられている金属(金、銅、アルミニウム)よりも加熱しやすい鉄で蓋75を構成している。このため、装置が高周波磁界によって壊れた場合でも、その原因を特定することができる。
【0090】
実施形態7では、IHクッキングヒーターを例にとったが、照射されることで水や金属が加熱するような電磁波(含む高周波)であれば、機器の故障につながるため、周波数や照射エネルギーは問わない。また機器は電子機器に限らない。例えば、ビニール材質の人形に取り付けても良い。このような、不用意な電磁波による加熱などで不具合を生じるような機器、物体(検知対象物)に取り付け、加熱を伴うような強い電磁波が当てられたことを検知してもよい。なお、1つ携帯端末装置に複数の電磁波照射検知部材81を取り付けてもよい。
【0091】
(実施の形態8)
実施形態1乃至7では、液体状のものが袋に入っている構成を述べたが、これに限るものではない。実施形態8では、液体状のものを用いた例に付いて説明する。
液体の代わりに、液体を含むジェルや粉末状の材質であってもよい。例えば水を用いる場合、ジェルとしての高分子吸水材や、セルロース系、特にカルボキシメチルセルロースなど保水作用のあるものを用いることができる。また、変性シリカで水が覆われ水同士が隣接してもくっつかない粉末状になったように見えるドライウォーターであってもよい。
これらは電子レンジからのマイクロ波や、外部からの加熱で液体の水同様の性質を有するため、温度が上昇したり、熱膨張したり、気化したりする。よって、実施形態1〜7と同様の効果を得ることができる。
【0092】
このように、検知材料はインクなどの液体に限らず、液体を含むものでもよい。すなわち、液体自体を検知材料としてもよく、液体を含む固体やジェルを検知材料としてもよい。液体が、粉末状、又はジェル状の物質に含有されている状態で、袋に内包されていてもよい。粉末状又はジェル状の検知材料を皮膜で内包して、袋にすればよい。また、実施形態1〜8を適宜組み合わせて使用してもよい。
【0093】
以上、実施の形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記によって限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。本発明は携帯端末装置に適用することができるため、情報通信産業に利用することができる。
【0094】
上記実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
【0095】
(付記1)
液体を含む検知材料であって、当該検知材料が付着した被付着物質を変色させる検知材料と、前記検知材料を内包し、電磁波が照射されることで前記液体が流出する袋と、を備える電磁波照射検知部材。
(付記2)
前記袋から流出した液体が付着する前記被付着物質をさらに備える付記1に記載の電磁波照射検知部材。
(付記3)
前記被付着物質が、前記液体が付着することで変色する試験紙を有している付記2に記載の電磁波照射検知部材。
(付記4)
前記液体が透明であり、
前記試験紙に前記液体が付着すると、化学反応によって、前記試験紙が変色する付記3に記載の電磁波照射部材。
(付記5)
前記被付着物質が、前記袋を収納する穴を有する基材を備え、
電磁波が照射されることで、前記袋から前記液体が前記基材の前記穴に流出する付記2に記載の電磁波照射検知部材。
(付記6)
前記袋との間に空間を形成する凸部が前記穴に形成され、前記袋から流出した前記液体が前記凸部に及ぶ付記4に記載の電磁波照射検知部材。
(付記7)
前記穴を覆う透明な蓋が前記基材に取り付けられている付記4、又は5に記載の電磁波照射検知部材。
(付記8)
前記被付着物質が、通気性、及び撥水性を有している付記2乃至7のいずれか1つに電磁波照射検知装置。
(付記9)
前記液体が前記被付着物質と異なる色を有するインクである付記1乃至8のいずれか1つに記載の電磁波照射検知部材。
(付記10)
前記袋及び前記被付着物質を密封する防水容器をさらに備える付記1乃至9のいずれか1つに記載の電磁波照射検知部材。
(付記11)
前記防水容器が透明樹脂によって形成されている付記10に記載に電磁波照射検知部材。
(付記12)
前記防水容器の外壁の少なくとも一部が粘着性を有している付記10、又は11に記載の電磁波照射検知部材。
(付記13)
前記検知材料に含まれる液体は、電磁波が照射されると気化膨張し、
前記袋は、一定温度に達した前記液体の体積で破裂する
付記1乃至12のいずれか1つに記載の電磁波照射検知部材。
(付記14)
前記袋は、電磁波が照射されると温度上昇し、一定温度に達すると溶解する
付記1乃至13のいずれか1つに記載の電磁波照射検知部材。
(付記15)
前記袋が熱可塑性樹脂によって形成されている付記1乃至14のいずれか1つに記載の電磁波照射検知部材。
(付記16)
前記液体が、粉末状、又はジェル状の物質に含有されている状態で、前記袋に内包されている付記1乃至15のいずれか1項に記載の電磁波照射検知部材。
(付記17)
付記1乃至16のいずれか1つに記載の電磁波照射検知部材が取り付けられている装置。
(付記18)
前記装置が携帯端末装置であり、
前記電磁波照射機器が、外部メモリの挿入部に取り付けられている付記17に記載の装置。
(付記19)
前記装置が携帯端末装置であり、
前記電磁波照射機器が、イヤホン接続部に取り付けられている付記17、又は18に記載の装置。
(付記20)
前記装置が携帯端末装置であり、
前記電磁波照射機器が、アンテナ部品付近に取り付けられている付記17乃至19のいずれか1つに記載の装置。
(付記21)
前記装置が携帯端末装置であり、
前記電磁波照射検知部材に、金属性の蓋が設けられ、
前記蓋が、ICカードを覆うように、前記電磁波照射検知部材が前記携帯端末装置に取り付けられている付記17乃至20のいずれか1つに記載の装置。
(付記22)
電磁波照射によって、袋から液体を含む検知材料が流出し、
前記袋から流出した検知材料が被付着物質と付着して、前記被付着物質を変色させる電磁波照射検知方法。
(付記23)
前記被付着物質が、前記液体が付着することで変色する試験紙を有している付記22に記載の電磁波照射検知方法。
(付記24)
前記液体が透明であり、
前記試験紙に前記液体が付着すると、化学反応によって、前記試験紙が変色する付記23に記載の電磁波照射方法。
(付記25)
前記被付着物質が、前記袋を収納する穴を有する基材を備え、
電磁波が照射されることで、前記袋から前記液体が前記基材の前記穴に流出する付記22に記載の電磁波照射検知方法。
(付記26)
前記袋との間に空間を形成する凸部が前記穴に形成され、前記袋から流出した前記液体が前記凸部に及ぶ付記25に記載の電磁波照射検知方法。
(付記27)
前記穴を覆う透明な蓋が前記基材に取り付けられている付記25、又は26に記載の電磁波照射検知方法。
(付記28)
前記被付着物質が、通気性、及び撥水性を有している付記22乃至27のいずれか1つに電磁波照射検知方法。
(付記29)
前記液体が前記被付着物質と異なる色を有するインクである付記22乃至28のいずれか1つに記載の電磁波照射検知方法。
(付記30)
前記袋及び前記被付着物質が防水容器によって密封されている付記22乃至28のいずれか1つに記載の電磁波照射検知方法。
(付記31)
前記防水容器が透明樹脂によって形成されている付記30に記載に電磁波照射検知方法。
(付記32)
前記防水容器の外壁の少なくとも一部が粘着性を有している付記30、又は31に記載の電磁波照射検知方法。
(付記33)
前記検知材料に含まれる液体は、電磁波が照射されると気化膨張し、
前記袋は、一定温度に達した前記液体の体積で破裂する
付記22至32のいずれか1つに記載の電磁波照射検知方法。
(付記34)
前記袋は、電磁波が照射されると温度上昇し、一定温度に達すると溶解する
付記22乃至33のいずれか1つに記載の電磁波照射検知方法。
(付記35)
前記袋が熱可塑性樹脂によって形成されている付記22乃至34のいずれか1つに記載の電磁波照射検知方法。
(付記36)
前記液体が、粉末状、又はジェル状の物質に含有されている状態で、前記袋に内包されている付記22乃至35のいずれか1つに記載の電磁波照射検知方法。