(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の一実施形態に係る紙幣処理装置を図面を参照して以下に説明する。
図1は、紙幣および硬貨等を取り扱う出納機を示している。この出納機は、銀行等の金融機関の店舗に設置されて店舗全体の貨幣処理を管理するものである。出納機は、例えば、大口顧客に対する係員による入金、出金等の取引処理、係員による渉外先への持ち出し金の出金処理や、渉外先からの持ち帰り金の入金処理、さらには、営業終了後の金融機関店舗全体での入出金状況の締め上げ管理等を行うものである。
【0019】
出納機は、紙幣についての入出金処理等を行う本実施形態に係る紙幣処理装置11と、紙幣の特に新券についての出金処理等を行う新券処理装置12と、硬貨についての入出金処理等を行う硬貨処理装置13とが左右に並設されて構成されており、硬貨処理装置13の上部に、操作者によって操作入力がなされる操作部14と、操作者に対して表示を行う表示部15とが設けられている。
【0020】
次に、本実施形態に係る紙幣処理装置11の全体構成を
図2を参照して説明する。紙幣処理装置11は、その前面側の上部に、機外からバラ紙幣が投入されるとともに機内から出金用のバラ紙幣が繰り出される入出金部21が設けられている。入出金部21は、その底部を構成する載置板22が後下がりに傾斜した姿勢で昇降可能に設けられており、その奥側の支承面23が載置板22と直交するように後上がりに傾斜して設けられている。入出金部21には、紙幣が長さ方向を左右方向に沿わせた姿勢で載置板22上に集積されることになり、紙幣は載置板22の傾斜により後端縁が支承面23に当接する。入出金部21の上部の後側には、載置板22上に集積されたバラ紙幣を上端のものから一枚ずつ分離して所定の間隔をあけて機内へ繰り出すとともに機内からの紙幣を入出金部21に繰り出す繰出部21aが設けられている。
【0021】
入出金部21の下側には、紙幣処理装置11の前面位置に、受け付け不可と判定された入金リジェクト紙幣が機内から繰り出される入金リジェクト部26が設けられている。入出金部21および入金リジェクト部26の後側には、出金不可と判定された出金リジェクト紙幣を収納する出金リジェクト部27が設けられており、出金リジェクト部27の後方の下部には紙幣を識別する識別部28が設けられている。
【0022】
また、出金リジェクト部27の後方の上部には紙幣を整列させて所定の結束枚数集積させる整列部30が設けられており、この整列部30の上部には、整列部30で集積された結束枚数の紙幣に結束テープを巻き回して小束紙幣とする結束部31が設けられている。この結束部31の前側には結束部31で作成された小束紙幣を機外に繰り出す束出金部32が設けられている。
【0023】
また、紙幣処理装置11の下部には、奥側から順に、入金確定後の所定の単一金種のバラ紙幣を上下に集積させた状態で収納する金種カセット35、同様の金種カセット36、同様の金種カセット37、入金確定後のバラ紙幣を上下に集積させた状態で収納する混合カセット38、および入金された入金確定前のバラ紙幣を上下に集積させた状態で一時貯留するプールカセット39が上下左右の位置を合わせて水平直線状のカセット配列方向に配列されている。このカセット配列方向は、紙幣処理装置11の前後方向に沿っている。
【0024】
金種カセット35の上部には、その内部に紙幣を繰り出すとともに内部の紙幣を上端のものから一枚ずつ分離して繰り出す繰出部35aが設けられており、金種カセット36の上部にも同様の繰出部36aが、金種カセット37の上部にも同様の繰出部37aが、混合カセット38の上部にも同様の繰出部38aが、プールカセット39の上部にも同様の繰出部39aが、それぞれ設けられている。
【0025】
紙幣処理装置11の内部には、紙幣を搬送する紙幣搬送路41が各部を適宜繋ぐように設けられている。紙幣搬送路41は、繰出部21aから後上がりに延出した後、後下がりに延出し、さらに鉛直下方に延出し、その後、前側に一端延出した後、下側にて後側に折り返し、後方に延出し、途中上側に凸状に屈曲して識別部28を通って下方に若干延出する搬送路41Aと、搬送路41Aに連続して下側に若干延出した後に前方に延出し前端から下方に若干延出する搬送路41Bと、搬送路41Bに連続するようにプールカセット39に設けられた搬送路41Cとを有している。
【0026】
また、紙幣搬送路41は、搬送路41Bの途中から分岐する搬送路41Dと、搬送路41Dに連続するように金種カセット35に設けられた搬送路41Eと、搬送路41Bの搬送路41Dよりもプールカセット39側から分岐する搬送路41Fと、搬送路41Fに連続するように金種カセット36に設けられた搬送路41Gと、搬送路41Bの搬送路41Fよりもプールカセット39側から分岐する搬送路41Hと、搬送路41Hに連続するように金種カセット37に設けられた搬送路41Iと、搬送路41Bの搬送路41Hよりもプールカセット39側から分岐する搬送路41Jと、搬送路41Jに連続するように混合カセット38に設けられた搬送路41Kと、搬送路41Bの搬送路41Jよりもプールカセット39側から分岐して上方に延出する搬送路41Lと、搬送路41Lに繋がって屈曲し後方に延出して搬送路41Aの入出金部21と識別部28との間に繋がる搬送路41Mとを有している。
【0027】
また、紙幣搬送路41は、搬送路41Bの搬送路41Jの分岐位置と搬送路41Lの分岐位置との間位置から分岐して上方に延出する搬送路41Nと、搬送路41Nに繋がって上方に延出し搬送路41Mの途中位置に繋がる搬送路41Oと、搬送路41Mにおける搬送路41Oの接続位置と搬送路41Aへの接続位置との間位置から分岐して入金リジェクト部26に繋がる搬送路41Pと、搬送路41Aにおける搬送路41Mの接続位置と入出金部21との間位置から分岐し前方に延出して搬送路41Pの途中位置に繋がる搬送路41Qと、搬送路41Pにおける搬送路41Qの接続位置と入金リジェクト部26との間位置から上方に分岐し後上がりに延出して出金リジェクト部27に繋がる搬送路41Rとを有している。
【0028】
また、紙幣搬送路41は、搬送路41Aにおける入出金部21と搬送路41Qの分岐位置との間位置と、搬送路41Mの接続位置と識別部28との間位置とを繋ぐ搬送路41Sと、搬送路41Aにおける搬送路41Sの接続位置と入出金部21との間位置から後方に分岐して整列部30に繋がる搬送路41Tとを有している。搬送路41Sには、紙幣の表裏を反転させる表裏反転部43が設けられている。
【0029】
ここで、上記した搬送路41A〜41Mは正逆両方向に紙幣を搬送可能となっており、搬送路41N〜41Tは一方向にのみ紙幣を搬送可能となっている。
【0030】
図3の太線は、機外から入出金部21に投入されたバラ紙幣を搬送しつつ識別計数する入金処理のルートを示している。つまり、入出金部21の載置板22上にバラ紙幣が載置されて、操作部14に入金処理を行う旨の入力操作がなされると、繰出部21aが入出金部21の載置板22上の紙幣を上端のものから順に一枚ずつ分離して所定の間隔をあけて繰り出すことになり、繰り出した紙幣を、搬送路41Aで搬送することになる。搬送路41Aでの搬送中に識別部28が紙幣を識別計数することになり、識別部28で受け入れ可能と判定した紙幣(取り扱い可能な金種の紙幣)を、
図3に太実線で示すように、搬送路41B,41Cでプールカセット39に搬送する一方、識別部28で受け入れ不可と判定した紙幣を、
図3に太破線で示すように、搬送路41Bから搬送路41N,41O,41M,41Pで入金リジェクト部26に搬送する。これにより、受け入れ可能な紙幣をプールカセット39に一時貯留し、受け入れ不可な紙幣を入金リジェクト部26に放出する。
【0031】
図4の太線は、入金処理にてプールカセット39に一時貯留した紙幣を、操作部14への承認操作が入力されたことを条件に、確定して、金種カセット35〜37および混合カセット38の対応するものに収納する収納処理のルートを示している。つまり、プールカセット39の紙幣を上端のものから繰出部39aが繰り出すことになり、繰り出した紙幣を、
図4に太実線で示すように、搬送路41C,41B,41L,41M,41Aで識別部28に搬送し、識別部28の識別結果に基づいて、搬送路41B,41D〜41Kの対応するものによって金種カセット35〜37および混合カセット38の対応するものに搬送する。これにより、金種カセット35〜37および混合カセット38の対応するものに紙幣を収納する。なお、収納処理にて識別部28で重送等と識別した紙幣については、
図4に太破線で示すように、搬送路41B,41N,41O,41M,41P,41Rによって出金リジェクト部27に搬送し、出金リジェクト部27に収納する。
【0032】
図5の太線は、入金処理にてプールカセット39に一時貯留した紙幣を、操作部14へのキャンセル操作が入力されたことを条件に、入出金部21に繰り出す返却処理のルートを示している。つまり、プールカセット39の紙幣を上端のものから繰出部39aが繰り出すことになり、繰り出した紙幣を、搬送路41C,41B,41Aによって入出金部21に搬送する。これにより、入出金部21に紙幣を返却する。
【0033】
図6の太線は、操作部14へ入力されたバラ出金操作に基づいて、金種カセット35、金種カセット36および金種カセット37の指定された金種のものから紙幣を出金するバラ紙幣出金処理のルートを示している。つまり、バラ出金処理では、
図6に太実線で示すように、金種カセット35〜37の指定された金種のものに収納されている紙幣を上端のものから繰出部35a〜37aの対応するものが繰り出すことになり、繰り出した紙幣を、搬送路41D〜41Iの対応するものと、搬送路41B,41Aとで識別部28に搬送し、識別部28の識別結果に基づいて、表裏反転が必要でないものは搬送路41Aで入出金部21に、表裏反転が必要なものは搬送路41Sを介して表裏反転部43で表裏反転させた後、搬送路41Aで入出金部21に、それぞれ搬送する。これにより、出金操作に基づくバラ紙幣を入出金部21に繰り出す。なお、出金処理にて識別部28で重送等と識別した紙幣については、
図6に太破線で示すように、搬送路41A,41Q,41P,41Rによって出金リジェクト部27に搬送し、出金リジェクト部27に収納する。
【0034】
図7の太線は、操作部14へ入力された束出金操作に基づいて、金種カセット35、金種カセット36および金種カセット37の指定された金種のものからの紙幣を結束して出金する束出金処理のルートを示している。つまり、束出金処理では、
図7に太実線で示すように、金種カセット35〜37のうち指定された金種のものに収納されている紙幣を上端のものから繰出部35a〜37aの対応するものが繰り出すことになり、繰り出した紙幣を、搬送路41D〜41Iの対応するものと、搬送路41B,41Aとで識別部28に搬送し、識別部28の識別結果に基づいて、表裏反転が必要でないものは搬送路41A,41Tで整列部30に、表裏反転が必要なものは搬送路41Sを介して表裏反転部43で表裏反転させた後、搬送路41A,41Tで整列部30に、それぞれ搬送する。これにより、指定された単一金種の紙幣を結束単位枚数だけ整列部30に繰り出す。そして、結束部31で結束を行い、束出金部32に繰り出す。このような処理を指定された金種毎に指定された束数分行うことになる。なお、束出金処理にて識別部28で重送等と識別した紙幣については、
図7に太破線で示すように、搬送路41A,41Q,41P,41Rによって出金リジェクト部27に搬送し、出金リジェクト部27に収納する。
【0035】
図8の太線は、操作部14へ入力された自己精査処理操作に基づいて、金種カセット35〜37および混合カセット38の対応するものの紙幣を自己精査する自己精査処理の往路ルートを示している。つまり、自己精査処理では、
図8に太実線で示すように、金種カセット35〜37および混合カセット38のうちの設定された一つに収納されている紙幣を上端のものから繰出部35a〜38aの対応するものが繰り出すことになり、繰り出した紙幣を、搬送路41D〜41Kの対応するものと、搬送路41B,41Aとで識別部28に搬送し、識別部28で識別計数しつつ、搬送路41M,41L,41B,41Cを介してプールカセット39に搬送する。そして、金種カセット35〜37および混合カセット38のうちの設定された一つに収納されていた紙幣をすべて繰り出す。なお、この搬送中、識別部28で重送等と識別した紙幣については、
図8に太破線で示すように、搬送路41A,41Q,41P,41Rによって出金リジェクト部27に搬送し、出金リジェクト部27に収納する。
【0036】
図9の太線は、上記した自己精査処理の復路ルートを示している。上記したようにプールカセット39に一旦移した紙幣を、
図9に太実線で示すように、搬送路41C,41B,41L,41M,41Aによって、識別部28に搬送し、識別部28で識別計数するとともに、識別部28の識別結果に基づいて、搬送路41B,41D〜41Kの対応するものを介して、金種カセット35〜37および混合カセット38の対応する金種のものに収納する。なお、この搬送中、識別部28で重送等と識別した紙幣については、
図9に太破線で示すように、搬送路41B,41N,41O,41M,41P,41Rによって出金リジェクト部27に搬送し、出金リジェクト部27に収納する。
【0037】
以上により、識別部28の計数結果と、金種カセット35〜37および混合カセット38の自己精査処理を行ったものに収納された紙幣の枚数とが一致することになり、このような自己精査処理を、金種カセット35〜37および混合カセット38のうちの設定されたものについて、それぞれ個別に行うことになる。なお、金種カセット35〜37および混合カセット38にそれぞれ収納された紙幣の合計枚数がプールカセット39の最大収納枚数以下であった場合には、上記の自己精査処理をそれぞれ個別に行う必要はなく、すべて一括して行うこともできる。
【0038】
図10の太線は、機外から入出金部21に投入されたバラ紙幣を搬送しつつ識別計数するローカル整理処理の往路ルートを示している。つまり、入出金部21の載置板22上にバラ紙幣が載置されて、操作部14にローカル整理処理を行う旨の入力操作が金種指定とともになされると、繰出部21aが入出金部21の載置板22上の紙幣を上端のものから順に一枚ずつ分離して所定の間隔をあけて繰り出すことになり、繰り出した紙幣を、
図10に太実線で示すように、搬送路41Aで搬送することになる。搬送路41Aでの搬送中に識別部28が紙幣を識別計数することになり、識別部28で指定金種と判定した紙幣を、搬送路41B,41Cでプールカセット39に搬送する一方、識別部28で指定金種以外と判定した紙幣を、
図10に太破線で示すように、搬送路41Bから搬送路41N,41O,41M,41Pで入金リジェクト部26に搬送する。これにより、指定金種の紙幣をプールカセット39に一時貯留し、指定金種以外の紙幣を入金リジェクト部26に放出する。
【0039】
図11の太線は、ローカル整理処理の復路ルートを示している。上記したようにプールカセット39に一旦収納した紙幣を、上端のものから繰出部39aが繰り出すことになり、繰り出した紙幣を、
図11の太線で示すように、搬送路41C,41B,41Aで識別部28に搬送し、識別部28の識別結果に基づいて、表裏反転が必要でないものは搬送路41A,41Tで整列部30に、表裏反転が必要なものは搬送路41Sを介して表裏反転部43で表裏反転させた後、搬送路41A,41Tで整列部30に、それぞれ搬送する。このようにして、指定された単一金種の紙幣を結束単位枚数だけ整列部30に繰り出す。そして、結束部31で結束を行い、束出金部32に繰り出す。このような処理を結束単位枚数が整列部30に集積される限り繰り返す。なお、結束単位枚数に満たない、端数紙幣が整列部30に集積された場合にも、これを結束し端数紙幣であることを示す識別をつけて束出金部32に繰り出す。なお、ローカル整理処理にて識別部28で重送等と識別した紙幣については、
図11に太破線で示すように、搬送路41A,41Q,41Pによって入金リジェクト部26に搬送し、入金リジェクト部26に放出する。
【0040】
本実施形態に係る紙幣処理装置11は、その上部にある、入出金部21、入金リジェクト部26、出金リジェクト部27、識別部28、整列部30、結束部31、束出金部32、表裏反転部43および搬送路41A,41M,41O〜41Tが本体45内に配置されており、その下部にある、搬送路41B,41D,41F,41H,41J,41L,41Nが、本体45から紙幣処理装置11の前後方向に沿って前面側に引き出し可能な
図12に示す引出体46内に配置されている。さらに、搬送路41Eは、引出体46に対し着脱可能な金種カセット35内に、搬送路41Gは同様の金種カセット36内に、搬送路41Iは同様の金種カセット37内に、搬送路41Kは同様の混合カセット38内に、搬送路41Cは同様のプールカセット39内に、それぞれ配置されている。
【0041】
引出体46は、
図12に示すように、収納部47と、この収納部47の上方に開閉可能に設けられた搬送部48とを有している。
図13に示すように、収納部47には、複数の収納体である金種カセット35〜37、混合カセット38およびプールカセット39が水平直線状のカセット配列方向Xに一列状に配列して収納されることになる。このカセット配列方向Xは、引出体46の本体45に対する引き出し・装填方向と一致する。この収納部47の上方の搬送部48は、金種カセット35〜37、混合カセット38およびプールカセット39に対して紙幣を搬送する。搬送部48には、
図2に示す上記した搬送路41B,41D,41F,41H,41J,41L,41Nが設けられている。
【0042】
収納部47は、
図12に示すように、前壁部51と、前壁部51の左端側の略全高さ範囲から後方に延出するベース壁部52と、前壁部51の右端側の下部から後方に延出する着脱壁部53と、前壁部51と平行をなしてベース壁部52および着脱壁部53に連結される後壁部54と、これら前壁部51、ベース壁部52、着脱壁部53および後壁部54で囲まれる空間の下部を閉塞する図示略の底板部とを有している。ここで、前壁部51は、紙幣処理装置11の前面を構成する。
【0043】
後壁部54には、上下方向中間位置に受板55が支持軸55aで、鉛直方向に沿う状態と後上がりに傾斜して延出する状態との間で揺動するように取り付けられている。ベース壁部52の上部には、
図12(b)に示すように、前後方向に沿う支持軸57aを有する2カ所のヒンジ57を介して搬送部48が揺動可能に連結されている。
【0044】
また、収納部47には、
図13に示す金種カセット35〜37、混合カセット38およびプールカセット39が個別に装填される、
図12に示す複数の装填空間58を仕切る複数の仕切壁部59が、前壁部51と後壁部54との間に、これらに平行に設けられている。各装填空間58は、カセット配列方向Xの長さがすべて同じに設定されており、このカセット配列方向Xに直交する水平なカセット配列直交水平方向Yの長さもすべて同じに設定されている。また、各装填空間58は、カセット配列直交水平方向Yの位置を一致させており、カセット配列方向Xに等間隔で形成されている。なお、各装填空間58は、カセット配列方向Xの長さよりもカセット配列直交水平方向Yの長さの方が大きく設定されている。
【0045】
ここで、
図12(b)に示すように、ヒンジ57の支持軸57aが上側に設けられることになるベース壁部52の高さよりも、支持軸57aとは反対側の着脱壁部53の高さの方が上記したように低くなっており、これにより、複数の装填空間58は、着脱壁部53の上側において側方に大きく開口している。
【0046】
仕切壁部59は、着脱壁部53への接合側が着脱壁部53と同高さとなっており、ベース壁部52への接合側が着脱壁部53よりも高くベース壁部52よりも若干低い高さとなっている。これにより、仕切壁部59は、着脱壁部53側の上部がベース壁部52の上部と着脱壁部53の上部とを結ぶように斜めに切り欠かれた形状をなしている。言い換えれば、搬送部48を軸支する側のベース壁部52の上端部と、上側が開放された着脱壁部53の上端部とを結ぶ線の近傍付近に仕切壁部59の上端縁が形成されている。このような収納部47には、前壁部51側の下部に、本体45からの引き出し時に床面上で転動するキャスタ60が設けられている。
【0047】
収納部47の一縁であるベース壁部52の上部には前後二カ所に上記したヒンジ57が取り付けられており、これらヒンジ57に上記した搬送部48が取り付けられている。言い換えれば、搬送部48が、収納部47の一縁にあって、複数の金種カセット35〜37、混合カセット38およびプールカセット39のカセット配列方向Xに沿うヒンジ57の支持軸57aに軸支されて、収納部47に対し揺動可能となっている。
【0048】
搬送部48は、ベース壁部52と着脱壁部53との間の上方位置で水平に配置される
図12(a)に示す搬送位置と、ベース壁部52の上方に延出する姿勢となってすべての装填空間58の上方を開放する
図12(b)に示す開放位置との間で揺動可能となっている。搬送位置にあるとき、搬送部48は、
図13(a)に示す金種カセット35〜37、混合カセット38およびプールカセット39の上方を覆ってこれらに対して紙幣を搬送可能となる。開放位置にあるとき、
図13(b)に示すように金種カセット35〜37、混合カセット38およびプールカセット39の上方を開放する。なお、搬送部48は、
図12(a),
図13(a)に示すように水平に配置される搬送位置と、
図12(b),
図13(b)に示す開放位置との間の揺動角度が、90度より大きくなっている。引出体46と本体45とは、搬送部48が搬送位置にあるときに、本体45に対し衝突することなく装填可能となり、搬送部48が開放位置にあるときには、本体45に対し装填しようとすると搬送部48が本体45に衝突する形状関係になっている。
【0049】
図13に示す金種カセット35〜37、混合カセット38およびプールカセット39は、大きさを含む外観形状がすべて同じとなっており、これら共通形状のカセット35〜39は、
図12に示す対応する装填空間58に装填されることで、
図13に示すようにカセット配列方向X、カセット配列直交水平方向Yおよび上下方向の全方向に位置決めされることになる。このように位置決めされた状態で、すべてのカセット35〜39が、上下方向の位置を一致させ、カセット配列直交水平方向Yの位置を一致させるとともに、すべての隣り合うもの同士の隙間のカセット配列方向Xの長さを同等にする。これらカセット35〜39は、カセット配列方向Xの長さよりもカセット配列直交水平方向Yの長さの方が長くなっている。
【0050】
共通形状のすべてのカセット35〜39には、
図14に示すように、上部のカセット配列方向Xの一側に紙幣入出口65が設けられており、上部のカセット配列方向Xの中間部および逆側には、下方に凹む収容凹部66が設けられている。この収容凹部66には、カセット配列方向Xの中央側に回動中心を配置してコ字状の取っ手67が設けられている。この取っ手67は、回動中心から上方に延出する立位姿勢で使用されるもので、非使用時には、
図14に示すように紙幣入出口65とは反対側に倒されて収容凹部66に収容される。紙幣入出口65の内側には、
図2に示す搬送路41C,41E,41G,41I,41Kの対応するものが配置されることになり、本体45に対するカセット35〜39の紙幣の入出は、それぞれの紙幣入出口65を介して行われる。
【0051】
すべてのカセット35〜39は、
図13(b)に示すように、紙幣入出口65を引出体46の引き出し方向の前側つまり前壁部51側にし、収容凹部65を引出体46の引き出し方向の後側つまり後壁部54側にする向きで収納部47に収納される。このようにしてカセット35〜39を収納部47に収納したカセット収納状態で、各カセット35〜39のカセット配列方向Xの両側に位置する外面のうち、引出体46の引き出し方向前側の外面が、
図14〜
図16に示す配列方向前面(配列方向外面)70となり、引出体46の引き出し方向後側の外面が、
図15および
図16に示す配列方向後面(配列方向外面)71となる。
図14および
図15に示すように、配列方向前面70は配列方向後面71よりも紙幣入出口65との距離が短くなっている。
【0052】
そして、各カセット35〜39において、
図16に示すように配列方向前面70の上部には、カセット配列方向Xに突出する前面凸部(凸部)73が、
図15に示すようにカセット配列直交水平方向Yに等間隔で並んで複数具体的には5カ所形成されている。これら前面凸部73は、すべて突出先端側ほど幅が狭くなる平面視等脚台形状をなしており、すべて同じ突出量であり、カセット配列直交水平方向Yの最大幅がすべて同じで、カセット配列直交水平方向Yの最小幅もすべて同じとなっている。これら前面凸部73は、配列方向前面70をカセット配列直交水平方向Yに略6等分する位置に形成されている。
【0053】
なお、カセット配列直交水平方向Yに隣り合う2カ所の前面凸部73によって、配列方向前面70には、これらの間にこれらの先端面よりも凹む前面凹部(外面凹部)74が形成されており、このような前面凹部74がカセット配列直交水平方向Yに等間隔で並んで複数具体的には4カ所形成されている。また、配列方向前面70には、カセット配列直交水平方向Yの一端の前面凸部73によって、その外側に、この前面凸部73の先端面よりも低く切り欠かれた形状の前面切欠部75が形成されている。
【0054】
また、各カセット35〜39において、
図16に示すように配列方向後面71の上部にも、カセット配列方向Xに沿って突出する後面凸部(凸部)78が、
図15に示すようにカセット配列直交水平方向Yに等間隔で並んで複数具体的には5カ所形成されている。これら後面凸部78は、すべて突出先端側ほど幅が狭くなる平面視等脚台形状をなしており、すべて同じ突出量となっている。また、これら後面凸部78は、カセット配列直交水平方向Yの最大幅がすべて同じで前面凹部74の最大幅よりも狭くなっており、カセット配列直交水平方向Yの最小幅もすべて同じで前面凹部74の最小幅よりも狭くなっている。これら後面凸部78の脚部の傾斜角度は、前面凸部73の脚部の傾斜角度と同等になっている。これら後面凸部78のうち、カセット配列直交水平方向Yの中央の連続する4カ所が、カセット配列直交水平方向Yの位置を配列方向前面70の前面凹部74の各中央位置に一致させており、残りの1カ所はカセット配列直交水平方向Yの位置を配列方向前面70の前面切欠部75の中央位置にほぼ一致させている。これら後面凸部78は、前面凸部73と突出量が同等とされている。
【0055】
加えて、各カセット35〜39において、配列方向後面71の上部には、後面凸部78の隣り合うもの同士の間隔と同等の間隔を、カセット配列直交水平方向Yの一端側の後面凸部78との間に設けるようにして後面凸部79が1カ所形成されている。この後面凸部79は、突出先端側の幅が狭くなる平面視等脚台形状をなしており、他の後面凸部78よりも、突出量が小さく且つカセット配列直交水平方向Yの幅が広くなっている。
【0056】
なお、カセット配列直交水平方向Yに隣り合う2カ所の後面凸部78によって、配列方向後面71には、これらの間にこれらの先端面よりも凹む後面凹部(外面凹部)81が形成されており、このような後面凹部81がカセット配列直交水平方向Yに等間隔で並んで複数具体的には4カ所形成されている。また、配列方向後面71には、カセット配列直交水平方向Yに隣り合う後面凸部78,79によっても、これらの間に後面凹部(外面凹部)82が形成されている。これら後面凹部81,82は、カセット配列直交水平方向Yの最大幅が前面凸部73の最大幅よりも広くなっており、カセット配列直交水平方向Yの最小幅も前面凸部73の最小幅よりも広くなっている。
【0057】
すべての前面凸部73、すべての後面凸部78および後面凸部79は、上下方向の位置を一致させており、カセット35〜39の上面からこれら前面凸部73、後面凸部78および後面凸部79までの上下方向長さは、取り扱う紙幣の短辺長さよりも短くなっている。また、前面凸部73の突出長さと、後面凸部78の突出長さとを合わせた長さは、収納部47に収納された収納状態でのカセット35〜39の隣り合うもの同士の隙間の長さよりも長くなっている。
【0058】
以上、引出体46に一列状に配置されるすべてのカセット35〜39は、それぞれ、両側の配列方向前面70および配列方向後面71に、一側の配列方向前面70側と逆側の配列方向後面71とでカセット配列直交水平方向Yの位置をずらして複数の前面凸部73と、複数の後面凸部78および後面凸部79とが設けられている。
【0059】
よって、
図17にカセット35,38,39を例示するように、カセット35〜39がそれぞれ対応する装填空間58に装填された収納部47への収納状態では、
図18および
図19にカセット38,39を例示するように、互いに対向する配列方向前面70および配列方向後面71において、すべての前面凸部73とすべての後面凸部78とが、カセット配列直交水平方向Yの位置をずらし且つカセット配列方向Xの位置を重ね合わせ且つ上下方向の位置を重ね合わせることになる。このとき、隣り合う前面凸部73と後面凸部78との間隔は紙幣の短辺長さよりも狭くなっている。これにより、カセット35〜39の隣り合うもの同士の隙間への紙幣の前面凸部73および後面凸部78を越える落下を前面凸部73および後面凸部78が規制することになる。
【0060】
なお、上記を言い換えれば、すべてのカセット35〜39には、これらカセット35〜39を収納部47へ収納した収納状態にてカセット配列方向Xに位置するそれぞれの配列方向前面70および配列方向後面71に、収納状態にて互いに対向すると、カセット配列直交水平方向Yの位置をずらし且つカセット配列方向Xの位置を重ね合わせる前面凸部73および後面凸部78が設けられていることになる。
【0061】
さらに言い換えれば、カセット35〜39が収納部47へ収納された収納状態において、カセット35〜39の隣り合うもの同士で互いに対向する配列方向前面70および配列方向後面71は、一方の配列方向前面70の隣り合う二つの前面凸部73によって間に形成された前面凹部74に、他方の配列方向後面71の一つの後面凸部78がカセット配列直交水平方向Yの位置を重ね合わせることになり、他方の配列方向後面71の隣り合う二つの後面凸部78によって間に形成された後面凹部81に、一方の配列方向前面70の一つの前面凸部73がカセット配列直交水平方向Yの位置を重ね合わせることになる。
【0062】
図20に示すように、前壁部51の内側の壁面85は、プールカセット39が前壁部51に最も近い装填空間58に装填され収納部47に収納された収納状態にて、プールカセット39の配列方向前面70と対向する。この壁面85の上部には、収納状態にて対向するプールカセット39の配列方向前面70の最もベース壁部52側(
図20の上側)の前面凸部73を除くすべての前面凸部73とカセット配列直交水平方向Yの位置を重ね合わせ且つカセット配列方向Xの位置を重ね合わせ且つ上下方向の位置を重ね合わせる壁面凹部86が複数具体的には4カ所形成されている。
【0063】
これら壁面凹部86は、収納状態にあるプールカセット39の配列方向前面70の前面凸部73の入り込みを可能としており、凹み方向奥側ほど幅が狭くなる平面視等脚台形状をなしている。これら壁面凹部86は、カセット配列直交水平方向Yの最大幅がすべて同じで前面凸部73の最大幅よりも広くなっており、カセット配列直交水平方向Yの最小幅もすべて同じで前面凸部73の最小幅よりも広くなっている。ここで、これら壁面凹部86は、前壁部51の上面から、収納状態にあるプールカセット39の前面凸部73よりも低い高さ位置まで形成されている。
【0064】
上記したように、プールカセット39の収納部47への収納状態では、互いに対向するプールカセット39の配列方向前面70と前壁部51の壁面85とにおいて、配列方向前面70の最もベース壁部52側(
図20の上側)の前面凸部73を除くすべての前面凸部73と、壁面85のすべての壁面凹部86とが、カセット配列直交水平方向Yの位置を重ね合わせ且つカセット配列方向Xの位置を重ね合わせ且つ上下方向の位置を重ね合わせることになる。これにより、プールカセット39と前壁部51との隙間への紙幣の前面凸部73を越える落下を前面凸部73および壁面凹部86が規制することになる。
【0065】
なお、上記を言い換えれば、壁面85には、プールカセット39の収納部47への収納状態にて対向するプールカセット39の配列方向前面70の前面凸部73とカセット配列直交水平方向Yの位置を重ね合わせ且つカセット配列方向Xの位置を重ね合わせる壁面凹部86が設けられていることになる。
【0066】
図21に示すように、後壁部54の内側の壁面88は、金種カセット35が後壁部54に最も近い装填空間58に装填され収納部47に収納された収納状態にて、金種カセット35の配列方向後面71と対向する。この壁面88の上部には、収納状態にて対向する金種カセット35の配列方向後面71の両端の後面凸部78,79を除くすべての後面凸部78とカセット配列直交水平方向Yの位置を重ね合わせ且つカセット配列方向Xの位置を重ね合わせ且つ上下方向の位置を重ね合わせる壁面凹部89が複数具体的には4カ所形成されている。
【0067】
これら壁面凹部89は、収納状態にある金種カセット35の配列方向後面71の後面凸部78の入り込みを可能としており、凹み方向奥側ほど幅が狭くなる平面視等脚台形状をなしている。これら壁面凹部89は、カセット配列直交水平方向Yの最大幅がすべて同じで後面凸部78の最大幅よりも広くなっており、カセット配列直交水平方向Yの最小幅もすべて同じで後面凸部78の最小幅よりも広くなっている。これら壁面凹部89は、後壁部54の上面から、収納状態にある金種カセット35の後面凸部78よりも低い高さ位置まで形成されている。
【0068】
上記したように、金種カセット35の収納部47への収納状態では、互いに対向する金種カセット35の配列方向後面71と後壁部54の壁面88とにおいて、配列方向後面71の両端を除くすべての後面凸部78と壁面88のすべての壁面凹部89とが、カセット配列直交水平方向Yの位置を重ね合わせ且つカセット配列方向Xの位置を重ね合わせ且つ上下方向の位置を重ね合わせることになる。これにより、金種カセット35と後壁部54との隙間への紙幣の後面凸部78を越える落下を後面凸部78および壁面凹部89が規制することになる。
【0069】
なお、上記を言い換えれば、壁面88には、金種カセット35の収納部47への収納状態にて対向する金種カセット35の配列方向後面71の後面凸部78とカセット配列直交水平方向Yの位置を重ね合わせ且つカセット配列方向Xの位置を重ね合わせる壁面凹部89が設けられていることになる。
【0070】
ここで、搬送部48にジャムを生じた場合等においては、作業者が、引出体46を本体45から引き出すことになり、場合によっては、それまで収納部47上で水平をなしていた搬送部48を
図13(b)に示すように揺動させて開作動させることになって、その後、搬送部48からジャム紙幣や搬送途中の紙幣を取り除くことになる。その際に、作業者が、紙幣を落下させてしまうことがあっても、収納部47に収納状態にあるカセット35〜39の隣り合うもの同士の隙間、プールカセット39と収納部47の前壁部51との隙間、および金種カセット35と後壁部54との隙間に落下させてしまうことはなくなる。
【0071】
以上に述べた本実施形態の紙幣処理装置11によれば、カセット35〜39の隣り合うもの同士の隙間に紙幣が落下しようとしても、隙間を形成する互いに対向する配列方向前面70および配列方向後面71に、カセット配列直交水平方向Yの位置をずらし且つカセット配列方向Xの位置を重ね合わせて前面凸部73および後面凸部78が設けられているため、隙間が一直線状にならずに紙幣の落下を規制することになる。したがって、カセット35〜39の隣り合うもの同士の隙間に紙幣が落下することを防止することができる。
【0072】
また、一つの配列方向前面70に複数の前面凸部73がカセット配列直交水平方向Yに並んで設けられており、一方の配列方向前面70の隣り合う二つの前面凸部73間の前面凹部74に、他方の配列方向後面71の一つの後面凸部78がカセット配列直交水平方向Yの位置を重ね合わせ、他方の配列方向後面71の隣り合う二つの後面凸部78間の後面凹部81に、一方の配列方向前面70の一つの前面凸部73がカセット配列直交水平方向Yの位置を重ね合わせるため、隙間がジグザグ状になり、紙幣の落下をさらに規制することができる。したがって、カセット35〜39の隣り合うもの同士の隙間に紙幣が落下することをさらに防止することができる。
【0073】
また、収納部47の壁面85とこれに隣り合うプールカセット39との隙間に紙幣が落下しようとしても、壁面85には、対向する配列方向前面70の前面凸部73とカセット配列直交水平方向Yの位置を重ね合わせ且つカセット配列方向Xの位置を重ね合わせる壁面凹部86が設けられているため、隙間が一直線状にならずに紙幣の落下を規制することになる。したがって、収納部47の壁面85とこれに隣り合うプールカセット39との隙間に紙幣が落下することを防止することができる。
【0074】
また、収納部47の壁面88とこれに隣り合う金種カセット35との隙間に紙幣が落下しようとしても、壁面88には、対向する配列方向後面71の後面凸部78とカセット配列直交水平方向Yの位置を重ね合わせ且つカセット配列方向Xの位置を重ね合わせる壁面凹部89が設けられているため、隙間が一直線状にならずに紙幣の落下を規制することになる。したがって、収納部47の壁面88とこれに隣り合う金種カセット35との隙間に紙幣が落下することを防止することができる。
【0075】
また、引出体46の収納部47に収納されるすべてのカセット35〜39が、両側の配列方向前面70および配列方向後面71に、一側と逆側とでカセット配列直交水平方向Yの位置をずらして前面凸部73および後面凸部79が設けられているため、すべてのカセット35〜39の隣り合うもの同士のすべての隙間が、一直線状にならずに紙幣の落下を規制することになる。したがって、収納部47に収納されたすべてのカセット35〜39の隣り合うもの同士のすべての隙間に、紙幣が落下することを防止することができる。
【0076】
また、搬送部48に生じたジャム等を解消する際には、搬送部48と収納部47とが設けられた引出体46が本体45から引き出され、この状態で収納部47の上側の搬送部48から紙幣が取り除かれることになるため、下側の収納部47側に紙幣が落下する可能性が高い。よって、カセット35〜39の隣り合うもの同士の隙間に紙幣が落下することを防止すること、カセット39と前壁部51との隙間に紙幣が落下することを防止すること、およびカセット35と後壁部54との隙間に紙幣が落下することを防止することによる効果が高まる。
【0077】
なお、カセット配列直交水平方向Y両側のベース壁部52および着脱壁部53に上記と同様の壁面凹部を設け、カセット35〜39のこれらに対向する両側面に、収納部47へ収納された収納状態においてベース壁部52および着脱壁部53の壁面凹部に入り込む凸部を形成しても良い。