(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5795881
(24)【登録日】2015年8月21日
(45)【発行日】2015年10月14日
(54)【発明の名称】送風機の駆動装置及び駆動方法
(51)【国際特許分類】
H02P 6/06 20060101AFI20150928BHJP
【FI】
H02P6/02 341B
【請求項の数】6
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2011-124605(P2011-124605)
(22)【出願日】2011年6月2日
(65)【公開番号】特開2012-16266(P2012-16266A)
(43)【公開日】2012年1月19日
【審査請求日】2014年2月13日
(31)【優先権主張番号】特願2010-129287(P2010-129287)
(32)【優先日】2010年6月4日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000180025
【氏名又は名称】山洋電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100091443
【弁理士】
【氏名又は名称】西浦 ▲嗣▼晴
(72)【発明者】
【氏名】御供 重一
(72)【発明者】
【氏名】▲厳▼ 潤傑
【審査官】
高橋 祐介
(56)【参考文献】
【文献】
特開2009−264387(JP,A)
【文献】
特開2007−202230(JP,A)
【文献】
特開2008−306838(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02P 6/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
最大静圧においてインペラを回転させるモータの回転速度が最大となり且つ最大風量において前記モータの回転速度が最小となる送風機の駆動装置であって、
駆動信号を発生する駆動信号発生回路と、
前記駆動信号に応じて前記モータにモータ電流を供給するモータ駆動回路と、
前記モータ電流を検出する電流検出回路と、
前記最大風量を変えることなく、前記最大静圧を高めるように設定された所定の閾値より前記モータ電流が大きくなると、前記駆動信号発生回路が発生する前記駆動信号を、前記モータ電流の増加を制限するように変更する駆動信号変更回路とを備えていることを特徴とする送風機の駆動装置。
【請求項2】
前記モータ駆動回路は、前記モータの1以上の励磁巻線に前記モータ電流を流すように前記1以上の励磁巻線に接続された複数の半導体スイッチからなり、
前記駆動信号変更回路は、同時にオン状態になる一対の前記半導体スイッチのうち一方の前記半導体スイッチに与えられる前記駆動信号をチョッピングするように構成されている請求項1に記載の送風機の駆動装置。
【請求項3】
前記電流検出回路は検出した前記モータ電流に対応する電圧を出力するように構成され、
前記駆動信号変更回路は、前記モータ電流に対応する電圧と前記所定の閾値に対応する閾値電圧とを比較して、前記モータ電流に対応する電圧が前記電圧閾値よりも大きい期間出力信号を出力する比較器と、
前記出力信号が出力されている期間だけ前記一方の半導体スイッチに前記駆動信号を与えないようにして前記駆動信号をチョッピングするチョッピング回路とからなる請求項2に記載の送風機の駆動装置。
【請求項4】
前記電圧閾値を変更する閾値変更回路をさらに備えている請求項1,2または3に記載の送風機の駆動装置。
【請求項5】
最大静圧においてインペラを回転させるモータの回転速度が最大となり且つ最大風量において前記モータの回転速度が最小となる送風機の駆動方法であって、
前記モータに供給するモータ電流の電流値が、前記最大風量を変えることなく、前記最大静圧を高めるように設定された閾値より大きくならないように、前記モータ電流の増加を制限することを特徴とする送風機の駆動方法。
【請求項6】
前記閾値を変更することにより前記最大風量を変更することを特徴とする請求項5に記載の送風機の駆動方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、最大静圧が大きい送風機の駆動装置及び駆動方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特開2002−61596号公報等には、最大静圧においてインペラを回転させるモータの回転速度が最大となり且つ最大風量においてモータの回転速度が最小となる送風機の一例としての遠心送風機の構造が開示されている。また特開2002−112570号公報には、遠心送風機を含むブラシレスファンモータの駆動装置及び方法の一例が開示されている。
図6は、公知の遠心送風機の駆動装置の回路構成の一例を示している。この従来の装置では、駆動信号S1〜S4を発生する駆動信号発生回路DSCと、駆動信号S1〜S4に応じてブラシレスモータにモータ電流を供給するモータ駆動回路MDCとを備えている。モータ駆動回路MDCは、トランジスタ(半導体スイッチ)SW1〜SW4のブリッジ回路と、回生ダイオードD1〜D4とスナバーコンデンサCとから構成されている。駆動信号発生回路DSCは、ブラシレスモータのロータに設けられた複数の永久磁石の磁気をホール素子からなる磁気センサHで検出してロータ位置を検出し、検出したロータ位置に応じて、
図7に示す位相差を持った駆動信号S1〜S4をトランジスタSW1〜SW4のベースに与える。モータ駆動回路MDCは、一対のトランジスタSW1及びSW4並びに一対のトランジスタSW2及びSW3を交互に導通させて、励磁巻線Wに交流のモータ電流を流して、ブラシレスモータを駆動する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−61596号公報
【特許文献2】特開2002−112570号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
図8に示すように、遠心送風機のように最大静圧MPに近づくにつれ、回転速度Vが上昇する送風機では、最大静圧MPに近づくにつれてモータ電流が減るという特徴がある。
図9(A)及び(B)には、
図7の動作領域I〜IVに対応して、最大風量時のモータ電流の波形と、最大静圧時のモータ電流の波形を示してある。
図9(B)に示すように、最大静圧時にはモータ電流が小さくなるため、このときのトルクも小さくなる。そのため最大風量MQ及び消費電力を変えずに最大静圧MPを上げるためには、最大静圧MP時にモータの励磁巻線Wに供給するモータ電流を増やして、必要な回転速度を確保するためにトルクを大きくすることが必要となる。
【0005】
しかし、
図6の従来の駆動装置を用いて、最大静圧MP時に必要な回転速度を出すために必要な励磁巻線Wの巻き線仕様を使用すると、最大風量MQ時には必要以上の回転速度となってしまい、このときの消費電力が過大になってしまう問題がある。
【0006】
本発明の目的は、最大静圧時に励磁巻線に供給できるモータ電流を増大することを可能にして、しかも最大風量時の回転速度を必要以上に大きくすることがない送風機の駆動装置及び駆動方法を提供することにある。
【0007】
本発明の他の目的は、上記目的に加えて、最大風量の設定変更が可能な送風機の駆動装置及び駆動方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、最大静圧においてインペラを回転させるモータの回転速度が最大となり且つ最大風量においてモータの回転速度が最小となる送風機の駆動装置を改良の対象とする。本発明の送風機の駆動装置は、駆動信号を発生する駆動信号発生回路と、駆動信号に応じてモータにモータ電流を供給するモータ駆動回路と、モータ電流を検出する電流検出回路と、駆動信号変更回路とを備えている。駆動信号変更回路は、モータ電流が所定の閾値より大きくなると、駆動信号発生回路が発生する駆動信号を、モータ電流の増加を制限するように変更する。本発明によれば、モータ電流が所定の閾値よりも大きくなると、駆動信号変更回路の作用によりモータ電流の増加を制限するため(電流制限制御をするため)、最大静圧時に励磁巻線に供給できるモータ電流を増大できるように励磁巻線の仕様(捲き数)を定めても、最大風量時の回転速度が必要以上に大きくなることを防止できる。見方を変えると、本発明によれば、閾値の設定によって、最大風量を変えることなく、最大静圧を高めることが可能になる。また閾値の定め方によって、所望の最大静圧と最大風量を得ることができる。したがって励磁巻線の仕様と閾値は、必要とする最大静圧と最大風量に応じて適宜に定めることになる。
【0009】
なお閾値を任意に変更する閾値変更回路をさらに備えていてもよい。閾値変更回路を設ければ、用途に応じて最大風量を任意に設定することができる。
【0010】
モータ駆動回路は、モータの励磁巻線にモータ電流を流すように励磁巻線に接続された複数の半導体スイッチから構成することができる。この場合には、駆動信号変更回路を、モータ駆動回路中において同時にオン状態になる一対の半導体スイッチのうち一方の半導体スイッチに与えられる駆動信号をチョッピングするように構成することができる。このように構成すると、急激にモータ電流を制限することなく、スムーズにモータ電流を制限することができる。具体的には、電流検出回路を検出したモータ電流に対応する電圧を出力するように構成する。そして駆動信号変更回路は、モータ電流に対応する電圧と電圧閾値とを比較して、モータ電流に対応する電圧が電圧閾値よりも大きい期間出力信号を出力する比較器と、この出力信号が出力されている期間だけ一方の半導体スイッチに駆動信号を与えないように駆動信号をチョッピングするチョッピング回路とから構成することができる。電圧閾値を用いる場合、閾値変更回路は、前記電圧閾値を変更するように構成する。なお駆動信号変更回路は、最大静圧を低下させることなく、モータ電流を抑制できるものであれば、どのような回路構成であってもよい。
【0011】
本発明の方法は、最大静圧においてインペラを回転させるモータの回転速度が最大となり且つ最大風量においてモータの回転速度が最小となる送風機の駆動方法である。本発明の方法では、モータに供給するモータ電流の電流値が所定の閾値より大きくならないように、モータ電流の増加を制限する。ここで「モータ電流の電流値が所定の閾値より大きくならない」とは、モータ電流の電流値が閾値を絶対に越えないことを意味するものではなく、モータ電流の電流値が継続して閾値を超えないように、電流制限制御をすることを意味するものである。したがって電流制限制御中において、モータ電流が閾値を超える場合がある。本発明の方法によれば、モータ電流が閾値よりも大きくならないように、モータ電流の増加を制限するため、最大静圧時に励磁巻線に供給できるモータ電流を増大できるように励磁巻線の仕様を定めても、最大風量時の回転速度(モータ電流)が必要以上に大きくなることを防止できる。見方を変えると、最大風量を変えずに、最大静圧が増加するように励磁巻線の仕様と閾値を設定することができる。
【0012】
なお本発明の方法においては、閾値を変更することにより最大風量を変更することも許容される。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】遠心送風機の駆動装置に本発明を適用した一実施の形態の回路構成を示す図である。
【
図2】(A)乃至(F)は、それぞれ
図1に示した回路の動作波形図である。
【
図3】(A)及び(B)は、電流制限制御が行われる場合と行われていない場合のモータ電流波形の例を示す図である。
【
図4】本発明の方法を実施した場合の静圧−風量特性の変化を説明するために用いる図である。
【
図5】本発明により最大風量を変える場合について説明するために用いる図である。
【
図6】従来の遠心送風機の駆動装置の回路構成の一例を示す図である。
【
図7】(A)乃至(D)は、
図6の回路で使用する駆動信号を示す波形図である。
【
図8】遠心送風機の特性を説明するために用いる静圧−風量特性を示す図である。
【
図9】(A)及び(B)は、従来の駆動装置により最大風量を得るときのモータ電流波形と最大静圧を得るときのモータ電流波形の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して本発明の送風機の駆動装置及び駆動方法の実施の形態の一例を詳細に説明する。
図1は、遠心送風機の駆動装置に本発明を適用した一実施の形態の回路構成を示す図である。
図6に示した従来の回路の構成部品と同じ部品には、
図6に付した符号と同じ符号を付してある。
【0015】
図1の実施の形態において、駆動信号発生回路DSCは、所定の周期の駆動信号S1〜S4を発生する。モータ駆動回路MDCは、トランジスタ(半導体スイッチ)SW1〜SW4のブリッジ回路と、回生ダイオードD1〜D4とスナバーコンデンサCとから構成されている。駆動信号発生回路DSCは、ブラシレスモータのロータに設けられた複数の永久磁石の磁気極性をホール素子からなる磁気センサHで検出してロータ位置を検出し、検出したロータ位置に応じて、
図2(A)乃至(D)に示す位相差を持った駆動信号S1〜S4をトランジスタSW1〜SW4のベースに与える。モータ駆動回路MDCは、一対のトランジスタSW1及びSW4並びに一対のトランジスタSW2及びSW3を交互に導通させて、励磁巻線Wに交流のモータ電流を流して、ブラシレスモータを駆動する。
【0016】
ロータの回転速度(モータの回転速度)を意図的に変更する場合には、駆動信号S1〜S4の周期(周波数)を変更することになるが、この例では駆動信号S1〜S4の周期(周波数)は変更しないものとする。
図2(A)乃至(D)の動作領域I及びIIには、最大風量時の駆動信号S1〜S4が示されており、
図2(A)乃至(D)の動作領域III及びIVには、最大静圧時の駆動信号S1〜S4が示されている。半導体スイッチとしてのトランジスタSW1及びSW3がpnpトランジスタであり、半導体スイッチとしてのトランジスタSW2及びSW4がnpnトランジスタであるため、駆動信号S1及びS3と駆動信号S2及びS4のON時及びOFF時の極性は逆になっている。
【0017】
本実施の形態では、駆動信号S1及びS3がトランジスタSW1及びSW3に供給される信号線路中にオア回路OR1及びOR2がそれぞれ配置されている。そして本実施の形態では、トランジスタSW2及びSW4のエミッタとグランドGとの間にモータ電流検出用抵抗Rが配置されている。抵抗Rの両端電圧Viはモータ電流の値に比例した値(モータ電流に対応する電圧)となる。したがって本実施の形態では、抵抗Rが電流検出回路を構成している。抵抗Rの非接地端子は比較器CPの一方の入力端子(−端子)に接続されている。比較器CPの他方の入力端子(+端子)には、可変抵抗器VRを介して電圧閾値Vrefを与える基準電圧源VSが接続されている。したがって比較器CPはモータ電流に比例した(対応した)電圧Viと電圧閾値Vrefとを比較して、電圧Viが電圧閾値Vref以上になると出力信号Soを出力する。電圧閾値Vrefは、可変抵抗器VRの抵抗値を変えることにより変更が可能である。電圧閾値Vrefは、モータ電流に比例した(対応した)電圧Viと比較可能な値である。比較器CPによる二つの電圧の比較は、モータ電流の電流値が所定の閾値Ilimにより定まる電流値を超えるか否かの比較に相当する。なお電圧閾値Vrefは、モータ電流の電流値が、所定の閾値Ilimを継続して超えないように、理論値(閾値Ilimに完全に対応する電圧閾値)よりも小さい値に定められている。
【0018】
図2(E)は、最大風量における比較器CPの出力信号Soを示しており、
図2(F)は最大静圧における比較器CPの出力状態を示している。
図2(E)に示すように、電圧Viが電圧閾値Vrefを超えるようになると、出力信号Soは、駆動信号の1サイクル当たりに複数の信号が含まれる複数のパルス状の信号となる。すなわち電圧Viが閾値Vrefを越えている期間、“H(ハイ)”状態の出力信号Soが出され、この出力信号Soがオア回路OR1及びOR2に入力される。その結果、駆動信号が出力信号Soによりチョッピングされて、電流制限制御が働き、モータ電流の増加が抑制される。モータ電流が抑制されると、電圧Viが閾値Vrefより小さくなるため、“H(ハイ)”状態の出力信号Soは出力されなくなる。出力信号Soが出力されなくなると、電流制限制御が働かなくなり、再びモータ電流が増加して、電圧Viが閾値Vrefを超えるようになる。その結果、再び比較器CPから出力信号Soが出力される。以後、この動作が繰り返されることにより、モータ電流が閾値Ilimを継続して越える状態が発生せず、モータ電流が制限される。
図3(A)には、最大風量になった時点におけるモータ電流の波形の概要が示されている。この図から判るようにモータ電流は、閾値Vrefによって定まる電流の閾値(Ilim)より継続して大きくならない。
【0019】
オア回路OR1には、
図2(A)に示すように、トランジスタSW1をオンにするときに負極性となり、トランジスタSW1をオフ状態とするときに0となる駆動信号S1と出力信号Soとが入力される。オア回路OR1からは、出力信号Soが入力されていない期間がトランジスタSW1のベース電流となる駆動信号S1´が出力される。すなわち駆動信号S1が出力信号Soによってチョッピングされて駆動信号S1´が得られる。同様にオア回路OR2には、
図2(B)に示すように、トランジスタSW3をオンにするときに負極性となり、トランジスタSW3をオフ状態にするときに0となる駆動信号S3と出力信号Soとが入力される。オア回路OR2からは、出力信号Soが入力されていない期間、トランジスタSW3のベース電流となる駆動信号S3´が出力される。すなわち駆動信号S3が出力信号Soによってチョッピングされて駆動信号S3´が得られる。
図2(F)は、最大静圧が得られているときの比較器CPの出力状態を示している。このときには比較器CPの出力は“L(ロウ)”状態であり、オア回路OR1及びOR2は、駆動信号S1及びS3をそのままトランジスタSW1及びSW3に出力する。すなわちこの状態では、電流制限制御は行われない。モータ電流が閾値Ilimを越えるまでは(すなわち電圧Viが電圧閾値Vrefを超えるまでは)、この状態が続く。
図3(B)は、最大静圧時のように電流制限制御が行われていないときのモータ電流Impを示している。
図3(B)に示すように、モータ電流には電流制限制御が実施されていない。
【0020】
本実施の形態では、電流検出用抵抗R,比較器CP、オア回路OR1及びOR2によって、駆動信号発生回路DSCが発生する駆動信号S1及びS3を、モータ電流の増加を制限するように変更する駆動信号変更回路SCCが構成されている。そしてオア回路OR1及びOR2が、出力信号Soが出力されている期間だけ、半導体スイッチとしてのトランジスタSW1及びSW3に駆動信号S1及びS3をそのまま与えないようにして駆動信号をチョッピングし、チョッピングした駆動信号をトランジスタSW1及びSW3に与えるチョッピング回路を構成している。
【0021】
次に上記実施の形態の駆動装置を用いて、遠心送風機を駆動する本発明の方法について説明する。本発明の方法では、モータの励磁巻線Wに供給するモータ電流の電流値が閾値Ilimより大きくならないように(継続して大きくならないように)、モータ電流の増加を制限する。例えば
図4に示す破線で示した曲線C1が、従来の駆動装置で制御した場合の静圧−風量特性を示すものであり、実線で示した曲線C2が上記実施の形態で制御した場合の静圧−風量特性を示すものである。最大静圧MP2を従来よりも大きくするために(MP1→MP2)、最大静圧MP2時に励磁巻線Wに供給できるモータ電流を増大できるように励磁巻線Wの仕様(捲き数)を定める。そしてモータ電流が閾値Ilimよりも大きくならないように、モータ電流の増加を制限する。このようにすると、最大風量MQ1時の回転速度(モータ電流)が必要以上に大きくなることを防止できる。その結果、
図4に示すように、最大風量MQ1を変えずに、最大静圧を増加させることができる(MP1→MP2)。
【0022】
上記実施の形態の駆動装置を用いて、遠心送風機を駆動する別の方法について説明する。この方法では、上記実施の形態のように、可変抵抗器VRからなる閾値変更回路を用いて閾値Vrefを変更する。閾値を変えると、モータ電流への制限開始点が変わるため、
図5に示すように最大風量を任意の範囲(MQ1〜MQ2)で設定または変更することができる。
【0023】
上記実施の形態では、駆動信号変更回路SCCを、モータ駆動回路MDC中において同時にオン状態になる一対のトランジスタ(半導体スイッチ)SW1及びSW4またはSW2及びSW3のうちの一方のトランジスタ(半導体スイッチ)SW1及びSW3に与えられる駆動信号S1及びS3をチョッピングするように構成したが、モータ電流の増加を制限するため(電流制限制御をするため)には、すべてのトランジスタSW1乃至SW4の動作信号をチョッピングしてもよい。また駆動信号変更回路をPWM制御回路により構成して、モータ電流を制限するようにしてもよいのは勿論である。
【産業上の利用可能性】
【0024】
本発明によれば、モータ電流が閾値よりも大きくなると、駆動信号変更回路の作用によりモータ電流の増加を制限するため、最大静圧時に励磁巻線に供給できるモータ電流を増大できるように励磁巻線の仕様を定めても、最大風量時の回転速度が必要以上に大きくなることを防止できる。すなわち本発明によれば、閾値の設定によって、最大風量を変えることなく、最大静圧を高めることが可能になる。
【符号の説明】
【0025】
DSC 駆動信号発生回路
MDC モータ駆動回路
SCC 駆動信号変更回路
SW1〜SW4 トランジスタ(半導体スイッチ)
D1〜D4 回生ダイオード
C スナバーコンデンサ
CP 比較器
R 電流検出用抵抗器
VR 可変抵抗器(閾値変更回路)
OR1,OR2 オア回路