(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
床面上を走行可能なベース部と、前記ベース部から上方へ突出して設けられた支持基体と、前記支持基体によって下方から支持された天板と、を備えるカート装置であって、
前記支持基体が、
前記ベース部に固定されて上方へ延びる固定側支柱と、
前記固定側支柱に対する相対位置を上下方向へ調整可能に設けられて、平面視で前記天板の一部を下方から支持する移動側支柱と、
前記移動側支柱の外側面に設けられて衝撃を吸収可能なバンパー部材と、
を有することを特徴とするカート装置。
前記バンパー部材は、その上下方向への長さ寸法が、前記移動側支柱の前記固定側支柱に対する相対移動可能な距離以上の大きさであることを特徴とする請求項1に記載のカート装置。
前記固定側支柱が、中空の筒状に形成されるとともに、前記移動側支柱が、前記固定側支柱の内部空洞に上下方向へスライド可能に嵌合されたことを特徴とする請求項1又は2に記載のカート装置。
前記バンパー部材は、少なくとも前記移動側支柱の外側面における前後方向に向かって前方側に設けられていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のカート装置。
前記移動側支柱は、その外側面に前記バンパー部材と合致する形状の切欠き部が形成され、前記切欠き部に前記バンパー部材が装着されていることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載のカート装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、従来のカート装置によれば、カート装置の天板の下方空間にテーブル什器の天板が入り込むようにしてカート装置を配置した場合、カート装置の支柱に対してテーブル什器の天板が接触する場合がある。従って、カート装置には、テーブル什器の天板が接触しても支柱に損傷が生じないだけの強度が要求される。
【0008】
本発明の課題は、このような事情を考慮してなされたものであり、天板を支持する支柱が伸縮可能に設けられたカート装置において、テーブル什器に突き合わせて配置する際にその支柱やテーブル什器の天板が損傷することのないカート装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明は以下の手段を採用している。すなわち、本発明に係るカート装置は、床面上を走行可能なベース部と、前記ベース部から上方へ突出して設けられた支持基体と、前記支持基体によって下方から支持された天板とを備え、前記支持基体が、前記ベース部に固定されて上方へ延びる固定側支柱と、前記固定側支柱に対する相対位置を上下方向へ調整可能に設けられて、平面視で前記天板の一部を下方から支持する移動側支柱と、前記移動側支柱の外側面に設けられて衝撃を吸収可能なバンパー部材と、を有することを特徴とする。
【0010】
このような構成によれば、カート装置をテーブル什器の周囲に配置する場合、固定側支柱に対する移動側支柱の相対位置を調整することにより、カート装置の天板をテーブル什器の天板より上方に位置させた後、カート装置の天板の下方空間にテーブル什器の天板が入り込むようにして、カート装置をテーブル什器に対して突き合わせる。そうすると、テーブル什器の天板がカート装置の移動側支柱に接触するが、両者の接触による衝撃は、移動側支柱の外側面に設けられたバンパー部材によって吸収される。これにより、接触による衝撃によって移動側支柱やテーブル什器の天板が損傷するのを未然に防止することができる。
【0011】
また、本発明に係るバンパー部材は、その上下方向への長さ寸法が、前記移動側支柱の前記固定側支柱に対する相対移動可能な距離以上の大きさであることを特徴とする。
【0012】
このような構成によれば、移動側支柱の固定側支柱に対する相対移動距離の大きさによらず、テーブル什器の天板がどのような高さ位置であっても、テーブル什器の天板はバンパー部材に接触する。従って、テーブル什器の天板と移動側支柱との接触による衝撃は、バンパー部材によって確実に吸収される。
【0013】
また、本発明に係るカート装置は、前記固定側支柱が、中空の筒状に形成されるとともに、前記移動側支柱が、前記固定側支柱の内部空洞に上下方向へスライド可能に嵌合されたことを特徴とする。
【0014】
このような構成によれば、固定側支柱の内部空洞に嵌合した移動側支柱を上下方向へスライドさせることにより、固定側支柱に対する移動側支柱の相対位置を容易且つ確実に調整することができる。
【0015】
また、本発明に係るカート装置は、前記バンパー部材は、少なくとも前記移動側支柱の外側面における前後方向に向かって前方側に設けられていることを特徴とする。
【0016】
このような構成によれば、バンパー部材は少なくとも移動側支柱の外側面における前後方向に向かって前方側に設けられていれば足りるので、バンパー部材の材料費を低減することによるコストダウンを図ることができる。
【0017】
また、本発明に係るカート装置は、前記バンパー部材が、弾性材料から形成されていることを特徴とする。
【0018】
このような構成によれば、カート装置の移動側支柱に対してテーブル什器の天板が接触すると、その衝撃によってバンパー部材が弾性変形することにより、両者の接触による衝撃をバンパー部材によって吸収することができる。
【0019】
また、本発明に係るカート装置は、前記移動側支柱は、その外側面に前記バンパー部材と合致する形状の切欠き部が形成され、前記切欠き部に前記バンパー部材が装着されていることを特徴とする。
【0020】
このような構成によれば、移動側支柱に形成された切欠き部の形状がバンパー部材の形状に合致しているため、バンパー部材を切欠き部に取り付けた時に、バンパー部材の表面が移動側支柱の外側面と面一になる。従って、バンパー部材は固定側支柱の内側面に接触しにくく、移動体支柱の滑らかなスライドが可能となる。
【発明の効果】
【0021】
本発明に係るカート装置によれば、天板を支持する支柱が伸縮可能に設けられたカート装置において、テーブル什器に突き合わせて配置する際に、その支柱やテーブル什器の天板が損傷することのないカート装置を提供することにある。
【発明を実施するための形態】
【0023】
(第一実施形態)
以下、図面を参照し、本発明の実施の形態について説明する。まず、本発明の第一実施形態に係るカート装置の構成について説明する。
図1は、本発明の第一実施形態に係るカート装置10の外観を示す概略斜視図である。
【0024】
カート装置10は、最下部を構成するベース部11と、このベース部11から突出して上方へ延びる支持基体12と、支持基体12の高さ方向中間部に設けられた複数の収納部材13と、支持基体12の上端部に設けられた天板14と、天板14から水平方向へ突出して設けられた操作ハンドル部15と、天板14から上方へ突出して設けられた電子機器ユニット16と、天板14から斜め下方へ突出して設けられた操作レバー部17と、を備えるものである。
【0025】
(ベース部)
ベース部11は、カート装置10に走行機能を持たせる役割を果たすものである。このベース部11は、
図1に示すように、基端部が互いに連結されて先端部が相異なる4方向へそれぞれ延びる4本の脚杆111と、これら脚杆111の先端部にそれぞれ取り付けられた4個のキャスター112とを有している。そして、4個のキャスター112は、脚杆111によって水平軸周りに回転可能にそれぞれ支持されるとともに、鉛直軸周りにもそれぞれ旋回可能に支持されている。これにより、ベース部11及びこれを有するカート装置10は、床面の上を任意の方向へ走行可能となっている。尚、本実施形態では、
図1に矢印Pで示すように、操作ハンドル部15から見た天板14に向かう方向を、カート装置10の「前後方向」と呼ぶこととする。
【0026】
(支持基体)
支持基体12は、ベース部11と天板14とを接続する役割を果たすものである。ここで、
図2は、
図1におけるA−A線断面を示す概略断面図である。支持基体12は、
図1及び
図2に示すように、中空の略円筒形状を有する外側支柱18(固定側支柱)と、この外側支柱18の内部空洞Kに嵌合された内側支柱19(移動側支柱)とを備えるものである。
【0027】
外側支柱18は、
図2に示すように、アルミ等が一体成形されてなる筒状のアウター20と、このアウター20に取り付けられる4つの被取付金具21と、を備えるものである。
【0028】
図3は、アウター20を示す概略断面図である。アウター20は、断面略矩形の矩形部22と、この矩形部22の長手方向両端部から両側方へそれぞれ突出する突出部23と、この突出部23の先端部に設けられた断面略円弧形状の円弧部24と、有している。
【0029】
アウター20を構成する矩形部22は、
図3に示すように、互いに平行する方向へ延びて相対向する前面部221及び後面部222と、それらと略直交する方向へ延びて相対向する第一側面部223及び第二側面部224と、を有している。そして、矩形部22を構成する第一側面部223及び第二側面部224の内側面には、後述する内側支柱19のガイドローラ28が嵌合されるローラ案内溝225がそれぞれ形成されている。
【0030】
ローラ案内溝225のうち、第一側面部223に形成された第一ローラ案内溝225Aは、所定距離だけ離間して第一側面部223からそれぞれ突出した一対のローラ保持片226によって形成されている。これらローラ保持片226は、互いに対向する面が断面で直線状にそれぞれ形成されており、図に詳細は示さないが、外側支柱18の長手方向に沿って延びるように設けられている。
【0031】
一方、第二側面部224に形成された第二ローラ案内溝225Bは、前記ローラ保持片226の離間距離と略等しい距離だけ離間して第二側面部224からそれぞれ突出した一対のローラ嵌合片227によって形成されている。これらローラ嵌合片227は、互いに対向する面が断面で円弧形状にそれぞれ形成されており、図に詳細は示さないが、外側支柱18の長手方向に沿って延びるように設けられている。
【0032】
また、
図3に示すように、矩形部22の内部における四隅には、断面略円形のネジ穴部228がそれぞれ形成されている。これらネジ穴部228も、図に詳細は示さないが、外側支柱18の長手方向に沿って延びるように設けられている。
【0033】
また、
図3に示すように、アウター20を構成する突出部23は、所定間隔で互いに平行する一対の突片231を有するものである。このように構成される突出部23は、一対の突片231の基端部が、矩形部22を構成する第一側面部223及び第二側面部224の中央部に対してそれぞれ接続されている。
【0034】
また、
図3に示すように、アウター20を構成する円弧部24は、略円弧形状を有する円弧片241と、この円弧片241の両端部を接続する弦片242とを有している。このように構成される円弧部24は、その弦片242の中央部に、突出部23を構成する一対の突片231の先端部が、それぞれ接続されている。
【0035】
このような構成によれば、
図2及び
図3に示すように、アウター20の両側部には、前記被取付金具21を装着するための金具装着溝25が合計4個形成されている。より詳細には、矩形部22の第一側面部223、突出部の突片231、及び円弧部24の弦片242によって包囲されることにより、合計2個の金具装着溝25がそれぞれ形成されている。また、矩形部22の第二側面部224、突出部の突片231、及び円弧部24の弦片242によって包囲されることにより、合計2個の金具装着溝25がそれぞれ形成されている。
【0036】
そして、このように構成されるアウター20は、
図8に示すように、
図3に示す矩形部22を構成する前面部221をカート装置10の前後方向に向かって前方側に、後面部222をカート装置10の前後方向に向かって後方側にそれぞれ向けるようにして、その長手方向一端部がベース部11の中心部に固定される。ここで、アウター20をベース部11に固定する際には、ベース部11の側からねじ込んだネジ(不図示)を、
図3に示すネジ穴部228にねじ込むことにより、両者を固定することができる。
【0037】
図2に示す被取付金具21は、前記収納部材13を支持基体12に取り付けるためのものである。
図4は、収納部材13の支持基体12への取り付け構造を示す概略斜視図である。被取付金具21は、金属からなる断面略U字形状の長手部材であって、基片211と、この基片211と略90°の角度をなして互いに平行する一対の側片212とを有している。
【0038】
ここで、一対の側片212の離間距離は、
図3に示すアウター20の金具装着溝25の溝幅と略等しく形成されている。そして、
図4に示すように、基片211にはその長手方向に沿って所定間隔で、略矩形形状を有する3個の爪係止穴213がそれぞれ形成されている。
【0039】
このように構成される被取付金具21が、
図2に示すように、アウター20に形成された4個の金具装着溝25に対し、その基片211を外側に向けるようにしてそれぞれ嵌合される。これにより、基片211に形成された爪係止穴213が、アウター20の外部へ露呈した状態となっている。尚、図に詳細は示さないが、この被取付金具21は、アウター20の長手方向に沿って延びる金具装着溝25の複数個所に嵌合される。
【0040】
一方、支持基体12を構成する内側支柱19は、
図2に示すように、アルミ等が一体成形されてなる筒状のインナー26と、このインナー26に装着されたバンパー部材27と、インナー26によって回転可能に支持されたガイドローラ28とを備えるものである。
【0041】
図5は、インナー26を示す概略断面図である。インナー26は、断面略矩形形状を有し、互いに平行する方向へ延びて相対向する前面壁261及び後面壁262と、それらと略直交する方向へ延びて相対向する第一側面壁263及び第二側面壁264と、を有している。
【0042】
そして、このインナー26は、アウター20の内部空洞Kに挿入可能な大きさに形成されている。すなわち、インナー26を構成する前面壁261と後面壁262との離間距離は、アウター20を構成する前面部221及び後面部222の離間距離よりも小さく形成されている。また、インナー26を構成する第一側面壁263と第二側面壁264との離間距離は、アウター20を構成する第一側面部223と第二側面部224との離間距離よりも小さく形成されている。
【0043】
また、
図5に示すように、第一側面壁263から前面壁261を経て第二側面壁264へ達するようにして、インナー26を部分的に切り欠いてなる切欠き部265が形成されている。この切欠き部265は、その断面形状が前記バンパー部材27の断面形状に略合致するように形成されている(
図5ではバンパー部材27を二点鎖線で図示している)。そして、インナー26の外側面であって切欠き部265に面する位置には、断面で逆T字形状を有する一対の係合凹部266がそれぞれ形成されている。
【0044】
(バンパー部材)
図2に示すバンパー部材27は、内側支柱19に作用する衝撃を吸収する役割を果たすものである。
図6は、バンパー部材27を示す概略断面図である。バンパー部材27は、ゴム等の弾性部材からなる長手部材であって、直線状に延びる直線部271と、直線部271の両端部から円弧状に延びる一対の円弧部272とを有している。そして、一対の円弧部272には、その内側面から突出して係合凸部273がそれぞれ形成されている。ここで、これら係合凸部273は、インナー26に形成された係合凹部266と略合致する断面形状、すなわち断面逆T字形状にそれぞれ形成されている。また、バンパー部材27の長手寸法は、後述するように内側支柱19が外側支柱18に対して相対移動可能な距離以上の大きさに形成されている。
【0045】
このように構成されるバンパー部材27は、
図2に示すように、その係合凸部273をインナー26の側に向けるようにして、インナー26に形成された切欠き部265に対して装着される。この時、バンパー部材27の直線部271が、インナー26の前面壁261に密着するとともに、バンパー部材27の一対の係合凸部273が、インナー26に形成された一対の係合凹部266に対してそれぞれ係合することにより、バンパー部材27のインナー26からの脱落が防止されている。
【0046】
また、前述のように、インナー26の切欠き部265は、その断面形状がバンパー部材27の断面形状に合致するように形成されている。従って、バンパー部材27をインナー26の切欠き部265に装着した時に、バンパー部材27を構成する一対の円弧部272の外側面が、インナー26を構成する第一側面壁263及び第二側面壁264の外側面とそれぞれ略面一となっている。
【0047】
(ガイドローラ)
図2に示すガイドローラ28は、内側支柱19の外側支柱18に対するスライドを案内するものである。このガイドローラ28は、樹脂等からなるローラ本体281と、このローラ本体281を回転可能に支持する支軸282と、を有している。このように構成されるガイドローラ28は、その支軸282がインナー26の第一側面壁263及び第二側面壁264にそれぞれ固定されて前後方向に略直交する方向へ延びることにより、内側支柱19の両側部に、前後方向に沿う平面内でそれぞれ回転可能に支持されている。また、
図2に詳細は示さないが、このガイドローラ28は、内側支柱19の長手方向に沿って所定間隔で複数個が設けられている。
【0048】
そして、このように構成される内側支柱19は、
図2に示すように、アウター20に形成された第一ローラ案内溝225Aに対して一方のガイドローラ28を嵌合させるとともに、同じくアウター20に形成された第二ローラ案内溝225Bに対して他方のガイドローラ28を嵌合させるようにして、アウター20の内部空洞Kに対してインナー26が挿入される。この時、前述のようにインナー26を構成する前面壁261と後面壁262との離間距離は、アウター20を構成する前面部221と後面部222との離間距離よりも小さく設定されている。従って、アウター20の内部空洞Kに対してインナー26を挿入した状態において、インナー26とアウター20の間には、所定幅の隙間Cが形成される。これにより、内側支柱19は、外側支柱18の内部においてその長手方向にスライド可能であって、外側支柱18に対する相対位置を上下方向に調整可能となっている。そして、図に詳細は示さないが、外側支柱18の内部には、内側支柱19を任意の位置でスライド不能にロックするためのロック機構が設けられている。
【0049】
ここで、前述のように第一ローラ案内溝225Aを構成する一対のローラ嵌合片226は、断面でガイドローラ28の周面に合致するような円弧形状に形成されている。従って、この第一ローラ案内溝225Aに対して一方のガイドローラ28が嵌合することによって、内側支柱19が外側支柱18の内部で位置決めされる。他方、前述のように第二ローラ案内溝225Bを構成する一対のローラ保持片227は、断面で平板形状に形成されている。従って、ガイドローラ28を始めとする各部の設計誤差や組み立て誤差等によって、一対のガイドローラ28の間の離間距離に若干の誤差が生じても、他方のガイドローラ28をローラ保持片227によって確実に保持することができる。
【0050】
(収納部材)
図2に示す収納部材13は、執務に用いる各種の物品を収納する役割を果たすものである。この収納部材13は、
図1に示すように、支持基体12の前後方向に向かって前方側に取り付けられる棚板29と、支持基体12の前後方向に向かって後方側に取り付けられる収納ボックス30とを備えるものである。尚、この収納部材13は任意の構成であって、カート装置10を収納部材13を持たない構成とすることも可能である。
【0051】
図1に示す棚板29は、使用頻度が比較的低い物品の収納に用いられるものである。この棚板29は、
図4に示すように、上面に物品載置面291aが形成された棚板本体291と、この棚板本体291の底面に設けられて3個の係止爪292aが形成された棚板取付金具292とを有している。ここで、棚板取付金具292に形成された3個の係止爪292aの間隔は、外側支柱18の被取付金具21に形成された3個の爪係止穴213の間隔に対応した大きさに設定されている。また、図に詳細は示さないが、この棚板取付金具292は、棚板本体291の底面に、長手方向に所定間隔で2箇所に設けられている。そして、この2個の棚板取付金具292の間隔は、外側支柱18を構成する一対の被取付金具21の間隔に対応した大きさに設定されている。
【0052】
このように構成される棚板本体291は、
図4に示すように、棚板取付金具292の3個の係止爪292aを、外側支柱18を構成する被取付金具21の3個の爪係止穴213の縁部にそれぞれ係止させることにより、支持基体12の前後方向に向かって前方側に装着される。本実施形態では、上下方向に沿って支持基体12の2箇所に、棚板本体291が取り付けられている。尚、棚板本体291の数は本実施形態に限定されず、任意の数に変更が可能である。
【0053】
図1に示す収納ボックス30は、使用頻度が高い物品の収納に用いられるものである。
図7は、収納ボックス30(収納部材)の支持基体12への取り付け構造を示す概略斜視図である。収納ボックス30は、
図3に示すように、上部が開口された筐体であるボックス本体301と、このボックス本体301の裏面に設けられて3個の係止爪302aが形成された一対の収納ボックス取付金具302とを有している。ここで、前記棚板本体291と同様に、収納ボックス取付金具302に形成された3個の係止爪302aの間隔は、外側支柱18の被取付金具21に形成された3個の爪係止穴213の間隔に対応した大きさに設定されている。また、一対の収納ボックス取付金具302の間隔は、外側支柱18を構成する一対の被取付金具21の間隔に対応した大きさに設定されている。
【0054】
このように構成される収納ボックス30は、
図7に示すように、収納ボックス取付金具302の3個の係止爪302aを、外側支柱18を構成する被取付金具21の3個の爪係止穴213の縁部にそれぞれ係止させることにより、支持基体12の前後方向に向かって後方側に装着される。
【0055】
(天板)
図1に示す天板14は、その上面に物品載置面14aが形成された平板部材である。この天板14は、その底面における中心位置に内側支柱19の上端部が固定されることにより、平面視でその一部が支持基体12によって下方から支持される。
【0056】
これにより、
図1に示すように、天板14の下方であって支持基体12よりも前後方向に向かって前方側には、前部空間FSが形成されている。また、天板14の下方であって支持基体12よりも前後方向に向かって後方側には、後部空間RSが形成されている。
【0057】
(操作ハンドル部)
操作ハンドル部15は、
図1に示すように、天板14の底面であって前後方向に向かって後端部から突出して前後方向に延びる一対の取付バー151と、一対の取付バー151の先端部同士を互いに接続して前後方向に略直交して延びる操作バー152とを有している。そして執務者は、操作バー152を把持して操作することにより、カート装置10を所定の方向へ走行させることが可能となっている。
【0058】
(電子機器ユニット)
図1に示す電子機器ユニット16は、天板14の前後方向に向かって後端部に固定されたヒンジ161と、このヒンジ161によって水平軸周り及び鉛直軸周りに回動可能に支持された支持棒162と、その先端部に水平軸周りに回動可能に支持されたホルダ163と、このホルダ163によって保持されたタブレットPC164とを備えるものである。
【0059】
このように構成される電子機器ユニット16によれば、執務者は、タブレットPC164の使用時には、ホルダ163を回動させることによってタブレットPC164の表示面164aを支持棒162に対して略平行方向に向けた状態とし、支持棒162を水平軸周りに回動させて鉛直に起立させるとともに、この支持棒162を鉛直軸周りにも回動させることにより、タブレットPC164の表示面164aを執務者の側に向けることができる。このように、天板14より上方に離れた位置にタブレットPC164を配置することにより、天板14の物品載置面14aの上にタブレットPC164を直接載置する場合と比較して、タブレットPC164によって占領される面積が減る分、天板14の物品載置面14aを広く利用することができるという利点がある。
【0060】
一方、執務者は、タブレットPC164を使用しない時は、支持棒162を水平軸周りに回動させて略水平に倒伏した状態にすることにより、電子機器ユニット16を折り畳んで天板14上にコンパクトに収納することができる。もちろん、タブレットPC164の不使用時には、ホルダ163からタブレットPC164を取り外してもよい。
【0061】
(操作レバー部)
図1に示す操作レバー部17は、内側支柱19のスライドを制御するロック機構(不図示)を操作するためのものである。すなわち、前述のように、外側支柱18の内部には、スライド可能に設けられた内側支柱19を任意の位置でスライド不能にロックするためのロック機構が設けられている。そして、執務者は、この操作レバー部17を操作することにより、ロック機構による内側支柱19のロックまたはロック解除を切り替えることが可能となっている。
【0062】
(使用状態及びその作用効果)
次に、本発明の第一実施形態に係るカート装置10の使用態様、及びその作用効果について説明する。
図8及び
図9は、第一実施形態に係るカート装置10の使用状態を示す図であり、
図8は通常使用時の状態を、
図9は不使用時における格納状態をそれぞれ示している。
【0063】
カート装置10は、
図8に示すように、その通常使用時には内側支柱19が外側支柱18からある程度の長さだけ引き出された状態とされ、その天板14の位置は、執務室に設置されたテーブル什器TJの天板TJaより高くなっている。ここで、このカート装置10の天板14の上に載置された物品(不図示)をテーブル什器TJの天板TJaの上に移し変える作業や、或いはテーブル什器TJの天板TJaの上に載置された物品(不図示)をカート装置10の天板14の上に移し変える作業を行う場合、執務者は、カート装置10をテーブル什器TJに対して突き合わせた状態にする。
【0064】
具体的に執務者は、
図8に示すように、カート装置10を前後方向に向かって前方に走行させることによってテーブル什器TJに接近させる。そして、カート装置10の天板14の下方に形成された前部空間FSの内部にテーブル什器TJの天板TJaを挿入させ、挿入したテーブル什器TJの天板TJaがカート装置10の支持基体12に接触する位置まで、カート装置10をテーブル什器TJに接近させる。これにより、平面視においてカート装置10の天板14とテーブル什器TJの天板TJaとが重合するようにカート装置10が配置されるので、テーブル什器TJの周辺の空間がカート装置10によって狭くなることを最低限に抑えることができる。
【0065】
また、前述のように、カート装置10の支持基体12を構成する内側支柱19は、その前後方向に向かって前方側に弾性部材からなるバンパー部材27が設けられている。従って、テーブル什器TJの天板TJaが内側支柱19に接触した時に生じる衝撃は、バンパー部材27が弾性変形することによって吸収される。これにより、接触時の衝撃によってカート装置10の支持基体12やテーブル什器TJの天板TJaが破損することを、未然に防止することができる。
【0066】
また、前述のように、バンパー部材27の長手寸法は、内側支柱19が外側支柱18に対して相対移動可能な距離以上の大きさに形成されている。従って、内側支柱19の外側支柱18に対する相対移動距離の大きさによらず、テーブル什器TJの天板TJaがどのような高さ位置であってもバンパー部材27に接触する。従って、テーブル什器TJの天板TJaと内側支柱19との接触による衝撃は、バンパー部材27によって確実に吸収される。
【0067】
他方、カート装置10は、
図9に示すように、その不使用時には内側支柱19の大部分が外側支柱18の内部に挿入された状態とされ、その天板14の位置は、テーブル什器TJの天板TJaの位置より低くなっている。ここで、このカート装置10をテーブル什器TJの下に格納する場合、執務者は、まず電子機器ユニット16を構成する支持棒162を回動させて水平に倒伏した状態とすることによって電子機器ユニット16を折り畳んだ状態にする。そして、その状態においてカート装置10をテーブル什器TJに接近させる。そうすると、前述のようにカート装置10はその天板14の位置がテーブル什器TJの天板TJaの位置より低くなっているため、カート装置10の全体を、テーブル什器TJの天板14の下方に形成された下部空間USに格納することができる。
【0068】
また、本発明の第一実施形態に係るカート装置10によれば、内側支柱19の外側支柱18に対するスライドを案内するための部材、具体的には内側支柱19のガイドローラ28や外側支柱18のローラ案内溝225は、何れも支持基体12における前後方向に向かって側方部に設けられている。従って、支持基体12は、前後方向への厚みを、前後方向に直交する方向への厚みと比較して薄く形成することができる。従って、支持基体12の前後方向に向かって前方部や後方部に取り付けられる収納部材13は、平面視で天板14より外側へは突出しないような大きさに形成されるが、支持基体12が前後方向へ薄く形成されている分、前後方向へ厚く形成することができる。これにより、収納部材13について、高い収容能力を確保することができる。
【0069】
また、本発明の第一実施形態に係るカート装置10によれば、前述のように、内側支柱19を構成するインナー26の切欠き部265は、その断面形状がバンパー部材27の断面形状に合致するように形成されている。従って、インナー26の切欠き部265にバンパー部材27を装着した状態において、バンパー部材27の外側面がインナー26の外側面と略面一となっている。従って、このバンパー部材27が外側支柱18を構成するアウター20に接触することにより、内側支柱19のスムーズなスライドが阻害されることを未然に防止することができる。
【0070】
更に、内側支柱19は一対のガイドローラ28によってそのスライドが案内されることにより、インナー26とアウター20との間隔が一定に保持される。従って、インナー26に装着されたゴム等からなるバンパー部材27がアウター20に接触することによって内側支柱19のスムーズなスライドが阻害されることを、未然に防止することができる。
【0071】
(変形例)
尚、本実施形態では、衝撃を吸収可能なバンパー部材27を、その素材を弾性部材として自身の弾性変形によって衝撃を吸収するように構成したが、これに限られず、バネ等を有してその弾性変形によって衝撃を吸収するように構成することも可能である。
【0072】
また、本実施形態では、ベース部11に固定される固定側支柱を大径の外側支柱18とし、固定側支柱に対して相対移動する移動側支柱を小径の内側支柱19として、移動側支柱が固定側支柱の内部空洞Kに嵌合した状態で上下方向へスライドするように構成した。しかし、これとは逆に、固定側支柱を小径の内側支柱19とし、移動側支柱を大径の外側支柱18として、移動側支柱が固定側支柱の外側に嵌合した状態で上下方向へスライドするように構成してもよい。
【0073】
また、本実施形態では、内側支柱19の外側にガイドローラ28を回転可能に支持するとともに、外側支柱18の内側面にローラ案内溝225を設けた。しかし、これとは逆に、内側支柱19の外側にローラ案内溝225を設けるとともに、外側支柱18の内側面にガイドローラ28を回転可能に支持してもよい。
【0074】
また、本実施形態では、収納部材13が有する取付部を係止爪302aとし、固定側支柱が有する被取付部を係止穴として構成した。しかし、これとは逆に、収納部材13が有する取付部を係止穴とし、固定側支柱が有する被取付部を係止爪302aとして構成することも可能である。
【0075】
(第二実施形態)
次に、本発明の第二実施形態に係るカート装置の構成について説明する。第二実施形態に係るカート装置は、第一実施形態に係るカート装置と比較すると、収納部材13の支持基体12への取り付け構造のみが異なっている。それ以外の構成は、第一実施形態と同じであるため、同じ符号を使用し、ここでは説明を省略する。
【0076】
図10は、収納部材13の支持基体12に対する取り付け構造を示す概略斜視図である。第二実施形態の支持基体12も、第一実施形態と同様に、外側支柱18を構成するアウター20に形成された4個の金具装着溝25に対し、被取付金具31がそれぞれ装着される。しかし、第二実施形態の被取付金具31は、
図10に示すように、その長手方向に延びるようにして嵌合溝311が形成されている。この嵌合溝311は、その開口側から底部側に向かって開口幅が徐々に広がるような略台形の断面形状に形成されている。また、嵌合溝311の内部には、その長手方向の所定位置に、収納部材13を位置決めするためのストッパ312が設けられている。
【0077】
一方、
図10に示す収納部材13は、第一実施形態の支持基体12と同様に、上面に物品載置面291aが形成された棚板本体291と、棚板本体291の底面に設けられて嵌合突起293aを有する棚板取付金具293とを有している。ここで、嵌合突起293aは、支持基体12の被取付金具31に嵌合する形状、すなわちその基端部から先端部に向かって徐々に拡幅する略台形の断面形状に形成されている。
【0078】
そして、このように構成される収納部材13は、
図10に示すように、棚板本体291取付金具の嵌合突起293aを被取付金具31の嵌合溝311に対して上方から嵌合させることにより、支持基体12に取り付けられる。そして、収納部材13は、その嵌合突起293aがストッパ312に接触する位置において、支持基体12に対して位置決めされる。
【0079】
ここで、嵌合溝311はその底部から開口部に向かって開口幅が徐々に狭まる断面形状を有しているため、嵌合溝311に嵌合した嵌合突起293aが嵌合溝311から脱落しにくく、収納部材13を支持基体12に対して確実に取り付けることができる。
【0080】
尚、嵌合溝311及び嵌合突起293aの断面形状は、互いに嵌合する形状であれば、本実施形態に限定されず適宜設計変更が可能である。また、本実施形態では、収納部材13に嵌合突起293aを、支持基体12に嵌合溝311をそれぞれ設けたが、これとは逆に、収納部材13に嵌合溝311を、支持基体12に嵌合突起293aをそれぞれ設けてもよい。
【0081】
尚、上述した実施形態において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ、或いは動作手順等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。