【実施例】
【0065】
以下、本発明を実施例によりさらに説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。本発明は、アルミニウム合金箔からなる正極集電体を備える二次電池用正極に関するものであるが、負極、正極どちらにも利用でき得るものである(例えば、Li
4Ti
5O
12の活物質では負極にもアルミニウム箔が使える)。以下の実施例は、正極において本アルミニウム合金箔に適用した例について示す。
【0066】
(実施例1〜13、比較例1〜2)
表1に示したNo.Aの化学成分を含有するアルミニウム鋳塊を50mm/分の凝固速度で半連続鋳造により製造した。なお、各アルミニウム鋳塊には表1に示されていない不可避不純物成分がそれぞれ0.05重量%以下含有されていた。
【0067】
次に、アルミニウム鋳塊の圧延面を面削により平滑にした後、アルミニウム鋳塊に520℃にて6時間に亘って均質化処理を施した後、アルミニウム鋳塊に熱間粗圧延を圧延率が94%になるように施し、得られたアルミニウム合金板に熱間仕上げ圧延を施して3mmの厚さを有する熱間圧延板を製造した。熱間仕上げ圧延終了直後のアルミニウム合金板の温度は360℃であった。
【0068】
なお、上記圧延率とは、熱間粗圧延を施す前のアルミニウム鋳塊の厚さをt
0、熱間粗圧延終了時の圧延板の厚さをt
1として下記式に基づいて算出された値をいう。
圧延率(%)=100×(t
0−t
1)/t
0
【0069】
熱間仕上げ圧延後のアルミニウム合金板を室温まで冷却した後、この熱間圧延板に冷間圧延を施して板厚を0.65mmとした後、アルミニウム合金板に300℃にて4時間に亘って中間焼鈍を施した。
【0070】
続いて、これらのアルミニウム合金板に通常の圧延油を用いて冷間圧延を施し、0.3mmのアルミニウム合金板とした後に、表2に示す表面粗度および局部山頂の平均間隔(Sr)のワークロールおよび表2に示す粘度の圧延油を用いて、表2に示す圧延速度、仕上げ圧延率にて箔圧延を施して厚さが15μmのリチウムイオン二次電池用アルミニウム合金箔を得た。
【0071】
ワークロールの表面粗度および局部山頂の平均間隔(Sr)は、所望の砥石と研削液を用い、所望の条件にて研磨することにより得られる。
【0072】
得られたリチウムイオン二次電池用アルミニウム合金箔について、アルミニウム合金箔表面の表面粗さ、局部山頂の平均間隔(Sf)、オイルピット平均サイズ、オイルピット平均深さを求めた。
【0073】
〔ワークロールおよびアルミニウム合金箔表面の表面粗さ、局部山頂の平均間隔(Sr,Sf)〕
JIS B0601(1994)に規定された方法にて表面粗さRaおよび局部山頂の平均間隔(Sr,Sf)を測定した。
【0074】
〔オイルピット平均深さ〕
キーエンス製レーザー顕微鏡(本体:VK−8500、顕微鏡:VK−8510、解析ソフト:VK−HIW)を用い、焦点深度:0.01μm、対物レンズ×10倍にて観測された10個のオイルピットの深さを求め、それらの数値を平均した。
【0075】
得られた各アルミニウム合金箔に下記の方法にて正極活物質を含むスラリーを塗布し、150℃で乾燥させた。すなわち、まず、炭酸リチウム(Li
2CO
3)と二酸化マンガン(MnO
2)をLiとMnのモル比が1:2となるように混合し、この混合物を800℃の温度で24時間加熱することにより組成式がLiMnO
4で表される粒子状のリチウムマンガン複合酸化物を調製した。つづいて、ビニリデンフロライド−ヘキサフルオロプロピレン(VDF−HFP)の共重合体(HFP)の共重合比率;12重量%)をアセトンに11重量%溶解してアセトン溶液を調製した後、このアセトン溶液に前記リチウムマンガン複合酸化物およびアセチレンブラックを上記の共重合体の固形物が10重量%、前記リチウムマンガン複合酸化物が81重量%、上記のアセチレンブラックが9重量%になるように添加混合した。この懸濁物をキャスティングにより成膜し、常温に放置して自然乾燥することにより厚さ100μmのシート状正極層を作製した。
【0076】
また、ビニリデンフロライドーヘキサフルオロプロピレン(VDF−HFP)の共重合体(HFPの共重合比率;12重量%)をアセトンに11重量%溶解してアセトン溶液を調製した後、このアセトン溶液にピッチ系炭素繊維(株式会社ペトカ社製商品名;メルブロンミルド)を上記の共重合体の固形物が20重量%、上記のピッチ系炭素繊維が80重量%になるように添加混合した。この懸濁物をキャスティングにより成膜し、常温に放置して自然乾燥することにより厚さ100μmのシート状負極層を作製した。
【0077】
さらに、ビニリデンフロライドーヘキサフルオロプロピレン(VDF−HFP)の共重合体(HFPの共重合比率;12重量%)をアセトンに11重量%溶解してアセトン溶液を調製し、このアセトン溶液をキャスティングにより成膜し、常温に放置して自然乾燥することにより厚さ30μmのシート状固体ポリマー電解質層を作製した。
【0078】
次いで、上記のシート状正極層と表面が粗面化された前記アルミニウム合金箔(正極集電体)とをダブルロールラミネータを用いてそれぞれ積層し、シート状正極とし、同時に上記のシート状負極層と銅箔(負極集電体)とをダブルロールラミネータを用いて積層してシート状負極とし、これらの正極、負極の間に前記シート状固体ポリマー電解質層を介在させ、ダブルロールラミネータを用いて積層した。この5層積層物を六フッ化リン酸リチウム(LiPF
6)がエチレンカーボネート(EC)−ジメチルカーボネート(DMC)の混合溶媒(混合比2:1)に1モル/L溶解された電解液に上記のシート状物を10分間浸漬して上記のシート状正極層、シート状負極層およびシート状固体ポリマー電解質層に前記電解液を含浸させることによりポリマー電解質二次電池を製造した。
【0079】
(実施例14)
正極活物質をコバルト酸リチウム(LiCoO
2)に変えた他は、実施例13と同様にして、ポリマー電解質二次電池を製造した。
【0080】
(実施例15)
正極活物質をコバルト−ニッケル−マンガン3元系材料を含むリチウム複合酸化物に変えた他は、実施例13と同様にして、ポリマー電解質二次電池を製造した。
【0081】
(90°剥離試験)
実施例、比較例で得られた幅20mm、長さ100mmの正極の、正極スラリーを塗布した面を両面テープ(日東電工製535A)で剥離試験用治具に貼り付けて、正極を貼り付けた面に対して垂直に、長さ方向の片端をつまんで電極を引っ張り、正極活物質層が剥がれるときの強度を測定した。その結果を表2および表3に示す。
【0082】
(電気化学特性試験)
・試験用セルの作製
作用極として、実施例、比較例で得られた円盤状の正極をセル容量が5Ahとなるように大きさを調製し、リチウム金属を対極とし、電解液として1molのLiPF
6を溶解したエチレンカーボネート(EC)とジエチルカーボネートとの混合溶媒(混合体積1:1)を使用したビーカーセルを作製した。
【0083】
・電気化学特性試験
上記の試験用セルを用いて、正極の充放電性能を評価する試験を行った。
作用極の電位を卑な方向(還元側)に走査する過程を充電と称し、作用極の貴な方向(酸化側)に走査する過程を放電と称するものとする。
【0084】
まず、初回充放電はCC(定電流)で0.2CAで、その後、CV(定電圧)に切り替え、充電は4.2Vまで8hかけて行った。放電は0.2CAで2.7Vまで行った。充放電は50サイクル繰り返した。評価温度は25℃とした。
【0085】
初回充放電サイクルの放電容量と50サイクル目の放電容量から容量維持率を求めた。尚、容量維持率の定義は次のようにした。容量維持率(%)=(50サイクル目の放容量/初回サイクルの放電容量)×100。結果を表2に示す。尚、表2に示す容量維持率は、正極活物質の重量あたりで算出した容量である。
【0086】
50サイクル実施後に、試験用セルを解体して正極を取り出し、正極活物質層の状態観察を行った。正極活物質層が正極集電体に完全に残っている状態を「○」、一部剥がれ落ちているが半分以上残っている状態を「△」、半分以上剥がれ落ちている状態を「×」とした。結果を表2および表3に示す。
【0087】
(実施例16、比較例3)
表1に示したNo.Bの化学成分を含有するアルミニウム鋳塊を50mm/分の凝固速度で半連続鋳造により製造した。なお、各アルミニウム鋳塊には表1に示されていない不可避不純物成分がそれぞれ0.05重量%以下含有されていた。
【0088】
次に、アルミニウム鋳塊の圧延面を面削により平滑にした後、アルミニウム鋳塊に520℃にて1時間に亘って均質化処理を施した後、アルミニウム鋳塊に熱間粗圧延を圧延率が95%になるように施し、得られたアルミニウム合金板に熱間仕上げ圧延を施して2mmの厚さを有する熱間圧延板を製造した。熱間仕上げ圧延終了直後のアルミニウム合金板の温度は250℃であった。
【0089】
熱間仕上げ圧延後のアルミニウム合金板を室温まで冷却した後、この熱間圧延板に冷間圧延を施して板厚を0.75mmとした後、アルミニウム合金板に300℃にて4時間に亘って中間焼鈍を施した。
【0090】
続いて、これらのアルミニウム合金板に通常の圧延油を用いて冷間圧延を施し、0.3mmのアルミニウム合金板とした後に、表2に示す表面粗度および局部山頂の平均間隔(Sr)のワークロールおよび表2に示す粘度の圧延油を用いて、表2に示す圧延速度、仕上げ圧延率にて箔圧延を施して厚さが15μmのリチウムイオン二次電池用アルミニウム合金箔を得た。
【0091】
このようにして得られた各アルミニウム合金箔を前記と同じ方法で測定した各特性を同様に表2および表3に示す。
【0092】
(実施例17、比較例4)
表1に示すNo.Cの化学成分を含有するアルミニウム鋳塊を50mm/分の凝固速度で半連続鋳造により製造した。なお、各アルミニウム鋳塊には表1に示されていない不可避不純物成分がそれぞれ0.05重量%以下含有されていた。
【0093】
次に、アルミニウム鋳塊の圧延面を面削により平滑にした後、アルミニウム鋳塊に600℃にて6時間に亘って均質化処理を施した後、アルミニウム鋳塊に熱間粗圧延を圧延率が94%になるように施し、得られたアルミニウム合金板に熱間仕上げ圧延を施して3mmの厚さを有する熱間圧延板を製造した。熱間仕上げ圧延終了直後のアルミニウム合金板の温度は350℃であった。
【0094】
熱間仕上げ圧延後のアルミニウム合金板を室温まで冷却した後、この熱間圧延板に冷間圧延を施して板厚を0.65mmとした後、アルミニウム合金板に420℃にて4時間に亘って中間焼鈍を施した。
【0095】
続いて、これらのアルミニウム合金板に通常の圧延油を用いて冷間圧延を施し、0.3mmのアルミニウム合金板とした後に、表2に示す表面粗度および局部山頂の平均間隔(Sr)のワークロールおよび表2に示す粘度の圧延油を用いて、表2に示す圧延速度、仕上げ圧延率にて箔圧延を施して厚さが15μmのリチウムイオン二次電池用アルミニウム合金箔を得た。
【0096】
このようにして得られた各アルミニウム合金箔を前記と同じ方法で測定した各特性を同様に表2および表3に示す。
【0097】
(実施例18、比較例5)
表1に示すNo.Dの化学成分を含有するアルミニウム鋳塊を50mm/分の凝固速度で半連続鋳造により製造した。なお、各アルミニウム鋳塊には表1に示されていない不可避不純物成分がそれぞれ0.05重量%以下含有されていた。
【0098】
次に、アルミニウム鋳塊の圧延面を面削により平滑にした後、アルミニウム鋳塊に520℃にて3時間に亘って均質化処理を施した後、アルミニウム鋳塊に熱間粗圧延を圧延率が93%になるように施し、得られたアルミニウム合金板に熱間仕上げ圧延を施して2.4mmの厚さを有する熱間圧延板を製造した。熱間仕上げ圧延終了直後のアルミニウム合金板の温度は300℃であった。
【0099】
熱間仕上げ圧延後のアルミニウム合金板を室温まで冷却した後、この熱間圧延板に冷間圧延を施して板厚を0.54mmとした後、アルミニウム合金板に385℃にて4時間に亘って中間焼鈍を施した。
【0100】
続いて、これらのアルミニウム合金板に通常の圧延油を用いて冷間圧延を施し、0.3mmのアルミニウム合金板とした後に、表2に示す表面粗度および局部山頂の平均間隔(Sr)のワークロールおよび表2に示す粘度の圧延油を用いて、表2に示す圧延速度、仕上げ圧延率にて箔圧延を施して厚さが15μmのリチウムイオン二次電池用アルミニウム合金箔を得た。
【0101】
このようにして得られた各アルミニウム合金箔を前記と同じ方法で測定した各特性を同様に表2および表3に示す。
【0102】
(実施例19、比較例6)
表1に示すNo.Eの化学成分を含有するアルミニウム鋳塊を50mm/分の凝固速度で半連続鋳造により製造した。なお、各アルミニウム鋳塊には表1に示されていない不可避不純物成分がそれぞれ0.05重量%以下含有されていた。
【0103】
次に、アルミニウム鋳塊の圧延面を面削により平滑にした後、アルミニウム鋳塊に600℃にて3時間に亘って均質化処理を施した後、アルミニウム鋳塊に熱間粗圧延を圧延率が93%になるように施し、得られたアルミニウム合金板に熱間仕上げ圧延を施して4mmの厚さを有する熱間圧延板を製造した。熱間仕上げ圧延終了直後のアルミニウム合金板の温度は300℃であった。
【0104】
熱間仕上げ圧延後のアルミニウム合金板を室温まで冷却した後、この熱間圧延板に冷間圧延を施して板厚を0.50mmとした後、アルミニウム合金板に360℃にて2時間に亘って中間焼鈍を施した。
【0105】
続いて、これらのアルミニウム合金板に通常の圧延油を用いて冷間圧延を施し、0.3mmのアルミニウム合金板とした後に、表2に示す表面粗度および局部山頂の平均間隔(Sr)のワークロールおよび表2に示す粘度の圧延油を用いて、表2に示す圧延速度、仕上げ圧延率にて箔圧延を施して厚さが15μmのリチウムイオン二次電池用アルミニウム合金箔を得た。
【0106】
このようにして得られた各アルミニウム合金箔を前記と同じ方法で測定した各特性を同様に表2および表3に示す。
【0107】
(実施例20、比較例7)
表1に示すNo.Fの化学成分を含有するアルミニウム鋳塊を50mm/分の凝固速度で半連続鋳造により製造した。なお、各アルミニウム鋳塊には表1に示されていない不可避不純物成分がそれぞれ0.05重量%以下含有されていた。
【0108】
次に、アルミニウム鋳塊の圧延面を面削により平滑にした後、アルミニウム鋳塊に600℃にて7時間に亘って均質化処理を施した後、アルミニウム鋳塊に熱間粗圧延を圧延率が95%になるように施し、得られたアルミニウム合金板に熱間仕上げ圧延を施して3mmの厚さを有する熱間圧延板を製造した。熱間仕上げ圧延終了直後のアルミニウム合金板の温度は250℃であった。
【0109】
熱間仕上げ圧延後のアルミニウム合金板を室温まで冷却した後、中間焼鈍は行わずに、熱間圧延板に通常の圧延油を用いて冷間圧延を施し、0.3mmのアルミニウム合金板とした後に、表2に示す表面粗度および局部山頂の平均間隔(Sr)のワークロールおよび表2に示す粘度の圧延油を用いて、表2に示す圧延速度、仕上げ圧延率にて箔圧延を施して厚さが15μmのリチウムイオン二次電池用アルミニウム合金箔を得た。
【0110】
このようにして得られた各アルミニウム合金箔を前記と同じ方法で測定した各特性を同様に表2および表3に示す。
【0111】
(実施例21、比較例8)
表1に示すNo.Gの化学成分を含有するアルミニウム鋳塊を50mm/分の凝固速度で半連続鋳造により製造した。なお、各アルミニウム鋳塊には表1に示されていない不可避不純物成分がそれぞれ0.05重量%以下含有されていた。
【0112】
次に、アルミニウム鋳塊の圧延面を面削により平滑にした後、アルミニウム鋳塊に600℃にて7時間に亘って均質化処理を施した後、アルミニウム鋳塊に熱間粗圧延を圧延率が95%になるように施し、得られたアルミニウム合金板に熱間仕上げ圧延を施して3mmの厚さを有する熱間圧延板を製造した。熱間仕上げ圧延終了直後のアルミニウム合金板の温度は250℃であった。
【0113】
熱間仕上げ圧延後のアルミニウム合金板を室温まで冷却した後、中間焼鈍は行わずに、熱間圧延板に通常の圧延油を用いて冷間圧延を施し、0.3mmのアルミニウム合金板とした後に、表2に示す表面粗度および局部山頂の平均間隔(Sr)のワークロールおよび表2に示す粘度の圧延油を用いて、表2に示す圧延速度、仕上げ圧延率にて箔圧延を施して厚さが15μmのリチウムイオン二次電池用アルミニウム合金箔を得た。
【0114】
このようにして得られた各アルミニウム合金箔を前記と同じ方法で測定した各特性を同様に表2および表3に示す。
【0115】
【表1】
【0116】
【表2】
【0117】
【表3】
【0118】
<結果の考察>
表2および表3に示すように、実施例1〜実施例19は、リチウムイオン二次電池の正極集電体として十分な剥離強度を有している。また、充放電50サイクル後も正極活物質が剥がれていないため、正極活物質との密着性が良いことがわかる。さらに容量維持率も高く、リチウムイオン二次電池の正極として十分使用に耐えるような高い品質を提供することができる。
【0119】
比較例1〜比較例8は、十分な剥離強度が確保できず、容量維持率が低くなった。
【0120】
これらの結果から、アルミニウム合金箔表面のオイルピットの形状及び分布を特定の条件をみたすように制御することにくわえて、適度な条件のうねりを設けることによって、互いに性質の異なるオイルピット及びうねりの組合せによって絶妙な形状及び分布の凹凸ができあがることになり、その結果、正極集電体と正極活物質との密着性が飛躍的に向上することが明らかである。
【0121】
以上、本発明を実施例に基づいて説明した。この実施例はあくまで例示であり、種々の変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
【0122】
たとえば、上記実施例では、リチウムを吸蔵および放出可能な正極活物質としてLiMn
2O
4を用いたが、他の正極活物質としてもよい。例えば、LiCoO
2,LiNiO
2,LiFePO
4,LiCo
1/
3Ni
1/
3Mn
1/
3O
2などをリチウムの吸蔵および放出可能な正極活物質として好適に用いることができる。この場合にも、上記の条件を満たす凹凸を表面に有するアルミニウム合金箔を用いれば、正極集電体と正極活物質との密着性が良いことが、当業者であれば上記の実施例・比較例から容易に理解できる。