【実施例1】
【0032】
図1及び
図2に示す太陽電池モジュール1の接続構造の第1実施例は、流れ方向に配する捨板3及び該捨板3の裏面側に略直交状に配する横桟4の表面側に、太陽電池モジュール1を配して流れ方向及び左右方向に接続し、左右に隣り合う太陽電池モジュール1,1の左右の配設間隔を継手カバー5にて覆うように配設した構成である。
【0033】
前記第1実施例に用いる太陽電池モジュール1は、
図4に示すように裏面側に端子ボックス101及び端子ケーブル102を突出させた略矩形状の太陽電池10と、この太陽電池10の水上側及び左右の側縁をそれぞれ保持する略コ形状のフレーム11a,11b,11bと、太陽電池10の水下側の端縁を載置する支持部111を備える取付部材としてのフレーム11cとからなる構成である。
上記水下側の端縁に取り付けたフレーム11cは、太陽電池モジュール1の水下側の端縁を載置する支持部111と、段状の化粧部112を有し、この化粧部112をビス13にて横桟4に固定している。なお、化粧部112の上面は、略平坦状、即ち出っ張り等が存在しないので、敷設状態で下り傾斜状となり、太陽電池モジュール1上を流下する雨水がせき止められこともないし、雨水に含まれる土や埃等が堆積することもない。
【0034】
前記捨板3は、流れ方向に配して前記太陽電池モジュール1,1の左右の側端を支持するものである。また、この第1実施例における捨板3は、略中央に隆状部31を、その左右に複数条の水返し部32を、それぞれ長さ方向に沿うように有する構成であり、長さ方向に同一断面を有する定尺材とした。
【0035】
前記横桟4は、前記太陽電池モジュール1の流れ方向の端縁、即ち桁行き方向に沿う端縁を支持するものであって、前記捨板3の流れ方向の端縁を受支する受支部41,42を上下段に有する構成である。
上段受支部41は、水上側を向く横片状であり、下段受支部42は、水下側に設けられた上方が開放する溝内に弾性材が挿着された構成であり、前記捨板3の水上側の端縁を受支させた際に上方へ弾性反発する作用を果たす。
また、この第1実施例における横桟4は、水下側へ突出する支持片43を有する構成であり、長さ方向に同一断面を有する長尺材とした。さらに、その水上側及び水下側に下方へ延在する脚部44,44、該脚部44の下端に図示しない下地面に接地する接地部45,45、及び長さ方向に溝状の流水部47,48を上下段に有する構成とした。
なお、前記支持片43の裏面側には、下方が開放する溝内に弾性材が装着された押さえ部46が設けられ、前記捨板3の水上側の端縁を前記上段受支部41に受支させた際に、更にその先端に接触して下方へ弾性反発する作用を果たす。
【0036】
前記継手カバー5は、前記捨板3上に配設した左右の太陽電池モジュール1,1の配設間隔を覆うものである。また、この第1実施例における継手カバー5は、平板状の水下側を下方へ折り曲げた形状であり、ビス等の固定具5bを表面側から打ち込んで前記捨板3の隆状部31の頂部に固定される。
【0037】
以下、
図1(a)〜(e)に基づいてこの第1実施例の太陽電池モジュール1の接続構造の施工手順を説明する。
【0038】
まず、
図1(a)に示すように第1の工程に先立ち、流れ方向に沿うように排水部材2を配設した。この排水部材2は、略平坦状の底面21の左右の側縁を傾斜状に立ち上げた側面22,22の上端を略水平状に内側へ折曲して受部23,23とした構成の連続材である。この排水部材2の底面21は、排水部の底面であり、以下、排水部とする。
第1の工程では、
図1(b)に示すように前記排水部材2上に、前記横桟4の端縁が臨むように略直交状に配設する。なお、この横桟4は、配設以前に予めその脚部44,44を部分的に削除し、脚部44,44の上方部分が排水部材2の排水部21に臨むように配設する。
【0039】
次に、第2の工程では、
図1(c)に示すように前記第1の工程で取り付けた横桟4の下段受支部42に捨板3の水上側の端縁を受支させると共に、水下側に隣接する横桟4の上段受支部41に捨板3の水下側の端縁を受支させるように取り付ける。
この第1実施例の横桟4には、前述のように水下側へ突出する支持片43が設けられているので、捨板3の水上側の端縁を、支持片43と下段受支部42との間(空間)に挿入状に取り付ければよく、また捨板3の水下側の端縁を、上段受支部41の上面と支持片43の上面に架け渡すように取り付ける。
【0040】
続いて第3の工程では、
図1(d)に示すように前記第2の工程で取り付けた捨板3の左右の側端に、太陽電池モジュール1,1の長さ方向の端縁(フレーム11b,11b)が支持されるように配設して水下側の端縁を略平坦状とする。
前述のように横桟4の下段受支部42は、上方へ弾性反発する作用を有し、前記押さえ部46は、前述のように下方へ弾性反発する作用を有するので、捨板3の水上側の端縁の上面に位置する太陽電池モジュール1の水上側の端縁は、
図2(a)及び(b)に示すように上下から作用する弾性反発力で挟着状に取り付けられるものとなる。
【0041】
最後に第4の工程では、
図1(e)に示すように前記第3の工程で取り付けた太陽電池モジュール1,1の左右の配設間隔に継手カバー5を覆うように配設する。この第1実施例では、捨板3に、前述のように略中央に隆状部31が、その左右に水返し部32が、それぞれ長さ方向に沿うように設けられているので、継手カバー5を配設してビス等の固定具5bを隆状部31に打ち付けて固定することができる。
【0042】
このような手順にて施工される本発明の太陽電池モジュール1の接続構造は、太陽電池モジュール1の水下側の端縁が略平坦状、即ち出っ張りが存在しないので、敷設状態で下り傾斜状に配設した際に、モジュール1上を流下する雨水がせき止められこともないし、雨水に含まれる土や埃等が堆積することもない。そのため、モジュール1表面を美麗に維持することができ、発電効率等の性能低下を招くこともない。
また、水上側のフレーム11aが横桟4上に支持され、左右の側縁のフレーム11bが捨板3上に支持され、その表面側には継手カバー5が配されているので、取り付けが容易であり、確実に太陽電池モジュール1を取り付けることができ、太陽電池モジュール1の表面を伝う雨水等は、左右の側端から捨板3を介して、或いは水下側の端縁(11c)から、水下側に隣接する太陽電池モジュール1上に導いて排水することができる。
【0043】
また、この第1実施例では、第1の工程に先立って流れ方向に排水部材2を取り付け、その後に横桟4の端縁が臨むように略直交状に配設したので、仮に雨水等が捨板3の裏面側へ回り込むことがあったとしても、排水部材2の排水部21に導いて水下側へ流下させることができる。
さらに、前記横桟4及び前記捨板3は、前述のようにそれぞれ長さ方向に同一断面を有する構成としたので、使用する太陽電池モジュール1の流れ方向の長さ寸法に応じて横桟4の長さを適宜に成形(切断)することができ、使用する太陽電池モジュールの桁行き方向の長さ寸法に応じて捨板3を長さを適宜に成形(切断)することができ、どのような寸法の太陽電池モジュールも極めて容易に対応することができる。
しかも、図示実施例の横桟4には、上下段に溝状の流水部47,48を設けたので、
図1(b)に示すように仮に太陽電池モジュール1の裏面側に雨水が回り込むことがあったとしても横桟4の流水部47,48から排水部材2の排水部21へ導いて水下側へ流下させることができる。
【0044】
また、この第1実施例では、横桟4が、水下側へ突出する支持片43を有し、この支持片43上に太陽電池モジュール1の水下側縁(11c)を載置しているので、太陽電池モジュール1の表面を伝う雨水等が、確実に水下側に隣接する太陽電池モジュール1上に導かれて排水される。
【0045】
さらに、前記第2の工程にて捨板3を取り付ける作業において、その水上側の端縁を、支持片43と下段受支部42との間(空間)に挿入状に取り付ければよく、また水下側の端縁を、上段受支部41の上面と支持片43の上面に架け渡すように取り付ければよいので、施工性にも優れており、更には少なくとも捨板3の水上側の側縁の浮き上がりが、支持片43にて防止される。
しかも、前述のように下段受支部42は上方へ、押さえ部46は下方へ、それぞれ弾性反発する作用を有するので、捨板3の水上側の端縁の上面に位置する太陽電池モジュール1の水上側の端縁には、上下から作用する弾性反発力で挟着状に取り付けられるものとなる。
【0046】
また、この第1実施例では、捨板3の略中央に隆状部31を、その左右に水返し部32を、それぞれ長さ方向に沿うように設けたので、前記第4の工程にて継手カバー5を固定する固定具5bを隆状部31に打ち付けることができ、また継手カバー5の裏面側に雨水等が浸入しても水返し部32にて確実に水下側へ雨水等を流下させることができる。
【0047】
さらに、このような本発明の太陽電池モジュール1の接続構造は、
図3に示すように少なくとも流れ方向の長さ寸法が前記太陽電池モジュール1と略等しい横葺き外装材6を用いることにより、横葺き外装材6を太陽電池モジュール1と同様に組み合わせて屋根面を構築することができる。
即ちこの第1実施例の接続構造における太陽電池モジュール1の水上側の端縁(フレーム11a)は、前述の横桟4(上端受支部41及び押さえ部46)により挟着状に取り付けられ、左右の側縁(フレーム11b)及び水下側の端縁(フレーム11c)は、捨板3と継手カバー5とにより、表裏面にて挟着状に取り付けられるので、この第1実施例に用いた捨板3、横桟4、及び継手カバー5を用いて同様に取り付けることにより、少なくとも太陽電池モジュール1に関しては前述と同様に取り付けることができる。
なお、この
図3(a),(b)には、前記第1実施例における太陽電池モジュール1と併用し得る横葺き外装材6の接続構造を示し、
図3(c)〜(e)には前記太陽電池モジュール1と前記横葺き外装材6との接続構造を示した。
【0048】
前記横葺き外装材6は、略平坦状の面板部61の水下側の端縁に軒側成形部62を、水上側の端縁に棟側成形部63を形成した構成であり、これらの軒側成形部62と棟側成形部63とは、敷設状態において相互に係合する構成とした。
軒側成形部62は、面板部61の軒縁を下方へ略鉛直状に曲げ、その下端を棟側へ曲げ成形し、続いて上方へ略く字状に屈曲し、さらにその先端を裏面面側へ折り返した構成とした。
棟側成形部63は、面板部61から延在する端縁を表面側へ折り返し状に曲げ成形し、その軒端を下方へ折り曲げた構成とした。
なお、この横葺き外装材6の金属材料素材としては、代表的には概ね0.4〜1.6mm程度の溶融亜鉛メッキ鋼板やガルバリウム鋼板等の防錆処理鋼板、特殊鋼、非鉄金属、ステンレス鋼板、耐候性鋼板、銅板、アルミニウム合金板、鉛板、亜鉛板、チタニウム板などが挙げられるが、特にこれらに限定されるものではない。これらは殆ど長尺なコイル状形態で供給される。
【0049】
また、前記横葺き外装材6の裏面側には、結露防止、防音、防火対策上の理由により、ポリエチレンフォーム、グラスウールシート等のバックアップ材7が添装されている。
さらに、前記横葺き外装材6,6の流れ方向の接続には、図示しない下地面に固定した吊子8を用いて接続している。なお、この吊子8は、横葺き外装材6,6同士の接続部分にのみ用いられる部材であって、前記係合部分(62,63)を包持状に保持する保持部81と、下地面への固定部82と、前記バックアップ材7を係止する係止部83と、を備え、前記太陽電池モジュール1とこの横葺き外装材6との接続部分には、
図3(c)〜(e)に示すように何れが水上側になろうとも前記構成の横桟4を用いている。
【0050】
そして、この
図3(c)〜(e)に示す前記太陽電池モジュール1と前記横葺き外装材6との接続は、前述のように太陽電池モジュール1の取り付けに関しては、前記第1実施例に用いた捨板3、横桟4、及び継手カバー5を用いているため、全く同様に取り付けられるものとなる。したがって、この場合には、前記横葺き外装材6が、この横葺き外装材6のみでは前述の相互に係合して取り付けられる構成に代わって前記横桟4を代用吊子として取り付けられるようにすればよい。
図3(d)に示すように横葺き外装材6の棟側成形部63は、横桟4の支持片43や押さえ部46、または継手カバー5にて表面側から押さえ保持することができる。
図3(e)に示すように横葺き外装材6の軒側成形部62は、横桟4の支持片43や押さえ部46にて係止状に取り付けることができる。
【0051】
図5(a)〜(g)に示す流れ方向の接続部分、すなわち取付部材と横桟のバリエーションを示し、太陽電池モジュール1IIに取付部材を取り付ける仕様、或いは前記第1実施例と同様に太陽電池モジュール1III〜1Vの水下側のフレームを取付部材とした仕様を示した。
【0052】
図5(a)は、太陽電池モジュール1IIの水下側裏面に、取付部材9cを設けて太陽電池モジュール1IIの水下側の端縁を取り付ける仕様である。この取付部材9cは、下地20に固定された横桟4Bに係止する係止部91を備え、略平坦状の支持部分92に太陽電池モジュール1IIの裏面を支持するものであり、支持部分92には適宜接着剤や両面テープ等を用いて太陽電池モジュール1IIの裏面を接着してもよいし、或いは図示しない左右の取付部材と組み付けてもよい。なお、この太陽電池モジュール1IIの水上側には、略コ字状の保持部分93を設けた取付部材9aを取り付けてその端縁を保持しており、更に前記水下側の取付部材9cの支持部分92の裏面を、溝部に保持した弾性材を介して受け止める受部94も設けられている。
【0053】
また、
図5(b)の仕様では、水下側の端縁に突片状の位置決め部95を有する取付部材9dを取り付けた。この位置決め部95は、前記第1実施例における段状の化粧部(112)と同様に太陽電池モジュール1IIの配設に際して容易に配置させることができ、しかも水下側へのズレ落ちを防止する役割も果たす。なお、この位置決め部95の上端は、図示するように太陽電池モジュールの表面と略平坦状もしくは下方に位置するので、他の実施例と同様に雨水に含まれる土や埃等を堆積させることなく流下させることができる。
なお、
図5(a),(b)における取付部材9c,9dは、太陽電池モジュール1IIの裏面又は端縁に配した仕様としたが、これらの部材9c,9dは、前記第1実施例と同様に水下側フレームとして用いることもできる。
【0054】
図5(c)〜(e)は、前記第1実施例と同様に水下側のフレームを取付部材とした太陽電池モジュール1III〜1Vを示し、水上側のフレーム11aに代えてフレーム12aを、水下側のフレーム11cに代えてフレーム12c,12d,12eを一体化した仕様であり、形状が僅かに異なる横桟4Cに対し、ビス止めや係止等によって取り付けた。なお、これらの
図5(c)〜(e)における12a,12c,12d,12eをフレームと説明したが、これらの部材は、前記
図5(a)、(b)と同様に太陽電池モジュール1III〜1Vの裏面や端縁に単体で取り付けるものであってもよい。
このうち、水下側の部材12cは、フレームであっても取付部材であっても最上部である段状の化粧部122の上面が太陽電池モジュール1IIIの表面と略平坦状である。
また、水下側の部材12dには、前記第1実施例における段状の化粧部(112)に代えて突片状の起立片部123を設けているが、取付部材である場合には、前記
図5(b)と同様の作用(位置決め機能、ズレ留め機能)が果たされる。そして、隆状段部を設けていないので、ビス13の固定位置も低く、また前記起立片部123の上端も、太陽電池モジュール1IVの水下側の端縁より明らかに低い。
さらに、水下側の部材12eには、起立片部123が設けられない以外は前記部材12dと全く同様であるから、当然のことながら、太陽電池モジュール1Vの水下側の端縁より明らかに低い。
なお、これら
図5(c)〜(e)では、それぞれビス13にて横桟4Cに固定したが、太陽電池モジュール1III〜1Vの裏面が一体化可能な材質等からなる場合は、接着等によるものでもよい。
【0055】
図5(f)も、前記第1実施例と同様に水下側のフレームを取付部材とした太陽電池モジュール1VIに、水下側のフレーム11cに代えてフレーム12fを一体化したが、この部材は、前記
図5(a)、(b)と同様に太陽電池モジュール1VIの裏面や端縁に単体で取り付けるものであってもよい。この部材12fは、第1実施例のフレーム11cと同様に中空状の枠体であるが、その段状の化粧部122が第1実施例のフレーム11cより低く、そのため横桟4Dへのビス13の打ち込み部分も低くなり、その上端は図示されるように太陽電池モジュール1VIの表面より明らかに低い位置となった。
図5(g)は、前記第1実施例と同様に水下側のフレームを取付部材とした太陽電池モジュール1VIIに、水下側のフレーム11cに代えてフレーム12gを一体化したが、この部材は、前記
図5(a)、(b)と同様に太陽電池モジュール1VIIの裏面や端縁に単体で取り付けるものであってもよい。この部材12gは、直接的に横桟4Eに固定するものではなく、横桟4Eに嵌合状に取り付けた補助材14に対してビス13を打ち込んで固定した。
なお、これらの仕様における水上側の部材12a',12a"は、略コ字状の保持部を有する点では前記
図5(c)〜(e)における部材12aと同様である。
【0056】
このように、使用する太陽電池モジュールが枠無しモジュールであっても、或いは枠有りモジュールであっても、適宜に取付部材やフレームなどを選定して用いることにより、水下側の端縁を略平坦状、即ち出っ張り等が存在しないようにすることができ、その結果、雨水に含まれる土や埃等を堆積させることなく流下させることができ、太陽電池モジュールの表面を美麗に維持することができ、発電効率等の性能低下を招くこともない,という効果を果たすことができる。