特許第5795923号(P5795923)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5795923
(24)【登録日】2015年8月21日
(45)【発行日】2015年10月14日
(54)【発明の名称】熱交換器
(51)【国際特許分類】
   F28D 7/10 20060101AFI20150928BHJP
   F01N 3/02 20060101ALI20150928BHJP
   F01N 3/20 20060101ALI20150928BHJP
   F01N 3/24 20060101ALI20150928BHJP
【FI】
   F28D7/10 A
   F28D7/10 Z
   F01N3/02 E
   F01N3/02 J
   F01N3/20 A
   F01N3/24 L
【請求項の数】5
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2011-208316(P2011-208316)
(22)【出願日】2011年9月25日
(65)【公開番号】特開2013-68378(P2013-68378A)
(43)【公開日】2013年4月18日
【審査請求日】2014年3月10日
(73)【特許権者】
【識別番号】000138521
【氏名又は名称】株式会社ユタカ技研
(74)【代理人】
【識別番号】100067356
【弁理士】
【氏名又は名称】下田 容一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100160004
【弁理士】
【氏名又は名称】下田 憲雅
(74)【代理人】
【識別番号】100120558
【弁理士】
【氏名又は名称】住吉 勝彦
(74)【代理人】
【識別番号】100148909
【弁理士】
【氏名又は名称】瀧澤 匡則
(74)【代理人】
【識別番号】100161355
【弁理士】
【氏名又は名称】野崎 俊剛
(72)【発明者】
【氏名】久永 徹
(72)【発明者】
【氏名】石塚 美浩
(72)【発明者】
【氏名】中村 友哉
【審査官】 藤崎 詔夫
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−021562(JP,A)
【文献】 特開2008−144595(JP,A)
【文献】 特開2009−121441(JP,A)
【文献】 特開2001−164932(JP,A)
【文献】 特開2010−091212(JP,A)
【文献】 特開2010−174791(JP,A)
【文献】 特開2007−051865(JP,A)
【文献】 特開2004−092919(JP,A)
【文献】 特開2002−327620(JP,A)
【文献】 特開2008−025450(JP,A)
【文献】 国際公開第01/053667(WO,A1)
【文献】 独国特許出願公開第3136804(DE,A1)
【文献】 特開平11−118370(JP,A)
【文献】 特開2001−241883(JP,A)
【文献】 特開平8−8239(JP,A)
【文献】 特開2007−315370(JP,A)
【文献】 特開昭55−158495(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F28D 7/10
F01N 3/02
F01N 3/20
F01N 3/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
排気ガスが導入される排気ガス導入口に繋げられる基体と、この基体に支持されると共に触媒担体を保持する触媒ケースと、この触媒ケースを囲う第1筒体と、この第1筒体を囲う第2筒体と、この第2筒体を囲う第3筒体とからなる熱交換器であって、
前記触媒ケースの外周面と前記第1筒体の内周面との間は、前記触媒担体を通過した排気ガスが前記基体に向かって流される第1ガス流路とされ、
前記第1筒体の外周面と前記第2筒体の内周面との間は、水が流される水路とされ、
前記第2筒体の外周面と前記第3筒体の内周面との間は、前記第1ガス流路を通過した排気ガスが前記第3筒体の底に形成された排気ガス排出口に向かって流れると共に、外部に排出される第2ガス流路とされ、
この第2ガス流路は、前記水路の端部よりも前記基体側に設けられる連通路によって前記第1ガス流路に連通されており、
前記基体は、前記導入口に接続される第1の部材と、この第1の部材の下流側に配置される第2の部材とが接合されて形成される中空体であり、
前記基体の内周が、前記連通路とされ、
前記第2ガス流路と前記連通路とは、前記第2の部材に形成された複数の連通孔を介して連通され、又は、前記第1ガス流路と前記連通路とは、前記第1筒体に形成された複数の連通孔を介して連通され、
前記複数の連通孔は、前記排気ガス排出口から遠ざかるに連れて流路面積が大きくなるよう形成されていることを特徴とする熱交換器。
【請求項2】
排気ガスが導入される排気ガス導入口に繋げられる基体と、この基体に支持されると共に触媒担体を保持する触媒ケースと、この触媒ケースを囲う第1筒体と、この第1筒体を囲う第2筒体と、この第2筒体を囲う第3筒体とからなる熱交換器であって、
前記触媒ケースの外周面と前記第1筒体の内周面との間は、前記触媒担体を通過した排気ガスが前記基体に向かって流される第1ガス流路とされ、
前記第1筒体の外周面と前記第2筒体の内周面との間は、水が流される水路とされ、
前記第2筒体の外周面と前記第3筒体の内周面との間は、前記第1ガス流路を通過した排気ガスが前記第3筒体の底に形成された排気ガス排出口に向かって流れると共に、外部に排出される第2ガス流路とされ、
この第2ガス流路は、前記水路の端部よりも前記基体側に設けられる連通路によって前記第1ガス流路に連通され、
前記第2筒体の中心軸は、同心円状に配置された前記第1筒体及び前記第3筒体の中心軸に対して、前記第2筒体に形成された水排出口から離れる方向にずらして配置され、
前記排気ガス排出口は、前記水排出口に対して、前記第1筒体及び前記第3筒体の中心軸を挟んで配置されていることを特徴とする熱交換器。
【請求項3】
前記第2の部材は、前記第1筒体の端部又は前記第2筒体の端部のいずれかに一体的に形成されていることを特徴とする請求項記載の熱交換器。
【請求項4】
前記第3筒体は、前記第1の部材及び前記第2の部材と同じ接合部で接合されていることを特徴とする請求項又は請求項3記載の熱交換器。
【請求項5】
前記第2の部材は、前記第3筒体の端部に一体的に形成されていることを特徴とする請求項記載の熱交換器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、排気ガスの熱で水を温める熱交換器に関する。
【背景技術】
【0002】
ガスエンジンを作動させると、排気ガスが発生する。排気ガスの熱エネルギを効率的に利用するために、排気ガスの熱で水を温めることが行われる。排気ガスで水を温めるために熱交換器が用いられる(例えば、特許文献1(図3)参照。)。
【0003】
特許文献1を次図に基づいて説明する。
図14に示すように、熱交換器200は、排気ガスを浄化する触媒担体201と、この触媒担体201を保持する触媒ケース202と、この触媒ケース202を囲う第1筒体203と、この第1筒体203を囲う第2筒体204と、これらの第1筒体203と第2筒体204との間に複数設けられる排気ガス通過管205とからなる。
【0004】
ガスエンジンで発生した排気ガスは、触媒担体201を図面表側から裏側に向かって流れることで浄化される。浄化された排気ガスは、触媒ケース202の外周の熱遮蔽筒206と第1筒体203との間を図面裏側から表側に向かって流れ、さらに、排気ガス通過管205を図面表から裏に向かって流れる。
【0005】
一方、第1筒体203と第2筒体204との間であって、排気ガス通過管205の外周に水が流される。排気ガス通過管205及び第1筒体203を介して、排気ガスの熱が水に伝わる。
【0006】
ところで、排気ガス通過管205は、溶接により両端が板状の部材に固定される。即ち、排気ガス通過管205の数だけ溶接を行う必要がある。一方、加工工数を削減するために、排気ガス通過管205の本数を減らすと、伝熱面積が減少し伝熱効率が低下する。
伝熱効率が高く且つ加工工数が少ない熱交換器の提供が望まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2000−257415公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、伝熱効率が高く且つ組立てが容易な熱交換器の提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に係る発明は、排気ガスが導入される排気ガス導入口に繋げられる基体と、この基体に支持されると共に触媒担体を保持する触媒ケースと、この触媒ケースを囲う第1筒体と、この第1筒体を囲う第2筒体と、この第2筒体を囲う第3筒体とからなる熱交換器であって、前記触媒ケースの外周面と前記第1筒体の内周面との間は、前記触媒担体を通過した排気ガスが前記基体に向かって流される第1ガス流路とされ、前記第1筒体の外周面と前記第2筒体の内周面との間は、水が流される水路とされ、前記第2筒体の外周面と前記第3筒体の内周面との間は、前記第1ガス流路を通過した排気ガスが前記第3筒体の底に形成された排気ガス排出口に向かって流れると共に、外部に排出される第2ガス流路とされ、この第2ガス流路は、前記水路の端部よりも前記基体側に設けられる連通路によって前記第1ガス流路に連通されており、前記基体は、前記導入口に接続される第1の部材と、この第1の部材の下流側に配置される第2の部材とが接合されて形成される中空体であり、前記基体の内周が、前記連通路とされ、前記第2ガス流路と前記連通路とは、前記第2の部材に形成された複数の連通孔を介して連通され、又は、前記第1ガス流路と前記連通路とは、前記第1筒体に形成された複数の連通孔を介して連通され、前記複数の連通孔は、前記排気ガス排出口から遠ざかるに連れて流路面積が大きくなるよう形成されていることを特徴とする。
【0010】
請求項2に係る発明では、排気ガスが導入される排気ガス導入口に繋げられる基体と、この基体に支持されると共に触媒担体を保持する触媒ケースと、この触媒ケースを囲う第1筒体と、この第1筒体を囲う第2筒体と、この第2筒体を囲う第3筒体とからなる熱交換器であって、前記触媒ケースの外周面と前記第1筒体の内周面との間は、前記触媒担体を通過した排気ガスが前記基体に向かって流される第1ガス流路とされ、前記第1筒体の外周面と前記第2筒体の内周面との間は、水が流される水路とされ、前記第2筒体の外周面と前記第3筒体の内周面との間は、前記第1ガス流路を通過した排気ガスが前記第3筒体の底に形成された排気ガス排出口に向かって流れると共に、外部に排出される第2ガス流路とされ、この第2ガス流路は、前記水路の端部よりも前記基体側に設けられる連通路によって前記第1ガス流路に連通され、前記第2筒体の中心軸は、同心円状に配置された前記第1筒体及び前記第3筒体の中心軸に対して、前記第2筒体に形成された水排出口から離れる方向にずらして配置され、前記排気ガス排出口は、前記水排出口に対して、前記第1筒体及び前記第3筒体の中心軸を挟んで配置されていることを特徴とする。
【0011】
請求項3に係る発明では、第2の部材は、第1筒体の端部又は第2筒体の端部のいずれかに一体的に形成されていることを特徴とする。
【0012】
請求項4に係る発明では、第3筒体は、第1の部材及び第2の部材と同じ接合部で接合されていることを特徴とする。
【0013】
請求項5に係る発明では、第2の部材は、第3筒体の端部に一体的に形成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
請求項1に係る発明では、第2筒体を第3筒体で囲い、この第2筒体と第3筒体との間を第2排気ガス流路とした。第2筒体を第3筒体で囲い、この間を排気ガスの流路とするため、第2筒体の外周面の全体に排気ガスを流すことができる。第2筒体の外周面の全体に排気ガスを流すため、大きな伝熱面積を確保することができる。伝熱面積が大きいことで、効率よく熱交換を行うことができる。
【0015】
一方、第2筒体を囲う第3筒体は、1つの部材である。第2筒体を第3筒体で囲った上で、第3筒体を接合する。1つの第3筒体を溶接するだけであれば加工工数は、複数の排気ガス通過管を接合する場合に比べ、大幅に少なくなる。
即ち、本発明に係る熱交換器は、伝熱効率が高く且つ加工工数が少ない。
【0016】
加えて、排気ガス通過管を廃止することで、第1筒体と第2筒体との間の水路の幅を水の流量に合わせて設定することができる。水の流量によって水路の幅を決めることができるため、排気ガス通過管を用いた場合に比べ、熱交換器を小型化することができる。
加えて、中空状に形成された基体の内周が、連通路とされる。基体の内周を連通路とすることで、別途連通路を形成した場合に比べ、熱交換器を小型化することができると共に、部品点数を削減することができる。
加えて、排気ガスが流れやすい部位では流路面積を狭く、排気ガスが流れ難い部位では流路面積を広くすることで、第2ガス流路全体に排気ガスを流すことができる。全体に排気ガスを流すことで、より熱交換効率を高めることができる。
【0017】
請求項2に係る発明では、第2筒体を第3筒体で囲い、この第2筒体と第3筒体との間を第2排気ガス流路とした。第2筒体を第3筒体で囲い、この間を排気ガスの流路とするため、第2筒体の外周面の全体に排気ガスを流すことができる。第2筒体の外周面の全体に排気ガスを流すため、大きな伝熱面積を確保することができる。伝熱面積が大きいことで、効率よく熱交換を行うことができる。一方、第2筒体を囲う第3筒体は、1つの部材である。第2筒体を第3筒体で囲った上で、第3筒体を接合する。1つの第3筒体を溶接するだけであれば加工工数は、複数の排気ガス通過管を接合する場合に比べ、大幅に少なくなる。即ち、本発明に係る熱交換器は、伝熱効率が高く且つ加工工数が少ない。加えて、排気ガス通過管を廃止することで、第1筒体と第2筒体との間の水路の幅を水の流量に合わせて設定することができる。水の流量によって水路の幅を決めることができるため、排気ガス通過管を用いた場合に比べ、熱交換器を小型化することができる。
さらに、水排出口側の流路面積を狭く、水排出口から離れた部位の流路面積を広くした。水導入口から水排出口までの最短距離を通過する流路の面積を狭める。一方、水排出口から遠く、水の流れにくい部位の流路面積を広げる。これにより、第1筒体と第2筒体との間の全周にわたってより均一に水を流すことができる。より均一に水を流すことで、水を円滑に流すことができ、熱交換の効率を高めることができる。
加えて、中心軸がずらされていることで、第2筒体と第3筒体との間に形成される第2ガス流路の流路面積を、排気ガス排出管側(排気ガス排出口側)で狭く、排気ガス排出管から離れた部位で広くすることができる。排気ガス排出管までの最短距離を通過する流路の面積を狭める。一方、排気ガス排出管から遠く、排気ガスの流れにくい部位の流路面積を広げる。これにより、第2筒体と第3筒体との間の全周にわたってより均一に排気ガスを流すことができる。より均一に排気ガスを流すことで、排気ガスを円滑に流すことができ、熱交換の効率を高めることができる。
【0018】
請求項3に係る発明では、第2の部材は、第1筒体の端部又は第2筒体の端部のいずれかに一体的に形成されている。第1筒体又は第2筒体が、第2の部材に一体的に形成されることで、部品点数を削減し組立て工数を削減することができる。
【0019】
請求項4に係る発明では、第3筒体は、第1の部材及び第2の部材と同じ接合部で接合されている。接合部を1箇所にまとめることで、第1の部材、第2の部材及び第3筒体を一度の接合作業で接合させることができる。まとめて接合することで、さらに組立て工数を削減することができる。
【0020】
請求項5に係る発明では、第2の部材は、第3筒体の端部に一体的に形成されている。第3筒体が、第2の部材に一体的に形成されることで、部品点数を削減し組立て工数を削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明に係る熱交換器の斜視図である。
図2】実施例1に係る熱交換器の断面図である。
図3】本発明に係る基体及び第1ケースの分解斜視図である。
図4】第1ケースの展開図である。
図5】基体の底面図である。
図6図2の6−6線断面図である。
図7】排気ガスの導入から触媒担体を通過するまでの説明図である。
図8】排気ガスが第1ガス流路を通過してから外部に排出されるまでの説明図である。
図9】本発明に係る熱交換器と比較例とを比較する図である。
図10】実施例2に係る熱交換器の断面図である。
図11】実施例3に係る熱交換器の断面図である。
図12】実施例4に係る熱交換器の断面図である。
図13】実施例5に係る熱交換器の断面図である。
図14】従来の技術の基本構成を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明の実施の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、図面は符号の向きに見るものとする。
【実施例1】
【0023】
先ず、本発明の実施例1を図面に基づいて説明する。
図1に示されるように、熱交換器10は、基体11と、この基体11に支持され排気ガス又は水が流される複数のケース(詳細は後述)とからなる。
基体11に排気ガスを導入するための排気ガス導入口12が形成されている。この排気ガス導入口12に、熱交換器10を取り付けるためのフランジ13が接合されている。
熱交換器10の詳細を次図で説明する。
【0024】
図2に示すように、熱交換器10は、基体11と、この基体11に支持され排気ガスを浄化する円筒状の触媒担体15と、この触媒担体15を囲うと共に保持する触媒ケース16と、この触媒ケース16を囲う第1のケース17と、この第1のケース17を囲うと共に基体11の下面に支持される第2のケース18と、この第2のケース18を囲うと共に基体11の側面に支持される第3のケース19と、この第3のケース19の底面端部に接続され排気ガスを排出する排気ガス排出管22と、第2のケース18の底面中央に向かって貫通され水を導入する水導入管23と、第2のケース18の側面上端に接合され水を排出する水排出管24とからなる。
【0025】
基体11は、触媒ケース16が下面に接合されている第1の部材26と、この第1の部材26に接合される第2の部材27とからなる。基体11は、これらの第1の部材26と第2の部材27とを重ね合わせることで中空状に形成されている。中空状に形成することで、基体11の内部に排気ガスを流すことができる。
【0026】
第2の部材27に接合されている第1のケース17は、触媒ケース16を囲う円筒形状の第1筒体28と、この第1筒体28の下端部に接合され触媒担体15の下端部を被う第1底部29とからなる。プレス成形により成形された鋼製の第1筒体28及び第1底部29を溶接することで、第1のケース17を製造することができる。
【0027】
第2のケース18は、第2の部材27の下面に溶接され第1筒体28を囲う第2筒体31と、この第2筒体31の下端に一体的に形成され第2筒体31の下端を塞ぐ第2底部32とからなる。
【0028】
第3のケース19は、第2の部材27の側面に接合され第2筒体31を囲う第3筒体33と、この第3筒体33の下端に一体的に形成され第3筒体33の下端を塞ぐ第3底部34とからなる。
【0029】
基体11を構成する第1の部材26は、底36と、この底36の周縁から第2の部材27に向かって延びる壁部37とからなる。底36の中央に形成されている開口から、排気ガスを導入する排気ガス導入口12が形成される。排気ガス導入口12は、第1の部材26に一体的に形成されている。
【0030】
第2の部材27は、底38と、この底38の周縁から第1の部材26に向かって立ち上げられる壁部39とからなる。底38の中央に開口が形成され、この開口に第1筒体28が接合されている。さらに、底38の第2筒体31よりも周方向外側の部位に、基体11内部と第3筒体33内とを連通する連通孔42a,42eが複数形成されている。
【0031】
なお、第1の部材及び第2の部材は、共に底及び壁部からなる構造の他、底のみからなる部材に底及び壁部からなる部材を重ね合わせる構造等も採用することができる。即ち、中空状になるものであれば、任意の形状を採用することができる。また、互いの壁部を外周方向に向かって延ばした上で溶接する等、容易に溶接するために適宜形状を変更することや、互いの壁部同士を突き合せて突き合せ溶接を行うこともできる。
【0032】
第1筒体28から触媒ケース16に向かって突出すると共に、先端が触媒ケース16に接触することで排気ガスの流路を規制する排気ガス規制部28aが形成されている。即ち、排気ガスは、この排気ガス規制部28aの形成されている部分を避けるようにして、蛇行して流れる。詳細は後述する。
第1底部29の中央に、触媒担体15に向かって膨出する膨出部29aが形成されている。
【0033】
第2筒体31は、下端が第2底部32で塞がれる一般部31aと、この一般部31aから拡径し水排出管24が接合される拡径部31bとからなる。拡径部31bに水排出管24が接合される水排出口31cが形成されている。
第2底部32は、中央に水が導入される水導入口32aが形成されている。この水導入口32aに、水導入管23が接続される。
【0034】
第3筒体33は、下端が第3底部34で塞がれる一般部33aと、この一般部33aから拡径する拡径部33bとからなる。拡径部33bに、水排出管24が貫通される水排出開口部33cが形成されている。水排出開口部33cは、水排出口31cの形成される位置に合わせて形成される。
【0035】
第3底部34は、第2底部32に向かって突出し第2底部32の底部に接触する段差部34aが形成され、この段差部34aの中央に水導入管23を貫通させるための水導入開口部34bが形成される。さらに、第3底部34の端部に、排気ガスを排出する排気ガス排出口34cが形成され、この排気ガス排出口34cに排気ガス排出管22が接合されている。
【0036】
水導入開口部34bは、水導入口32aが形成される位置に合わせて形成される。段差部34aが第2底部32に接触することで、第2底部32の強度を高めることができる。この第2底部32の強度が高められた部位に水導入口32aを設け、水導入管23を支持するため、水導入管23を高い強度で支持することができる。
【0037】
触媒担体15の中心軸44に対して、第2筒体31の一般部31aの中心軸45が、水排出口31cから離れる方向にずらされている。
一方、触媒担体15の中心軸44に、排気ガス導入口12、第1筒体28及び第3筒体33の中心は一致している。第2筒体31の中心軸45がずらされている理由については後述する。
【0038】
触媒ケース16の外周面と第1筒体28の内周面との間は、図面上方に向かって排気ガスが流れる第1ガス流路46、第1筒体28の外周と第2筒体31の内周の間は、水が図面上方に向かって流れる水路47、第2筒体31の外周面と第3筒体33の内周面との間は、排気ガスが図面下方に向かって流れる第2ガス流路48、中空状に形成された基体11の内部は、第1ガス流路46と第2ガス流路48とを連通する連通路49である。
【0039】
即ち、第2ガス流路48は、水路47の上端部よりも基体11側に設けられる連通路49によって第1ガス流路46に連通されている。
中空状に形成された基体11の内周が、連通路49とされる。基体11の内周を連通路49とすることで、別途連通路を形成した場合に比べ、熱交換器10を小型化することができると共に、部品点数を削減することができる。
第1のケース17の詳細について次図で説明する。
【0040】
図3に示すように、第1筒体28に複数の排気ガス規制部28aが形成されている。円筒状の第1筒体28の一部に形成されることで、排気ガス規制部28aは、平面視で略C字状を呈する。これらの排気ガス規制部28aは、それぞれが同じ形状に形成されると共に、高さ方向で同じ高さに2箇所ずつ形成されている。同じ高さに形成された2つの排気ガス規制部28aを1段としたときに、このような排気ガス規制部28aが4段形成されている。
【0041】
なお、排気ガス規制部28aの段数は任意であるが、次図で説明するような配置のされ方であることが望ましい。第1筒体28について、さらに詳細に次図で説明する。
【0042】
図4は、第1筒体28を展開し内側から見た図であり、排気ガス規制部28aは、図面手前側に向かって突出している。同じ段(図面左右方向)の排気ガス規制部28a,28a間に形成され、排気ガスが通る規制部間通路28bの長さは、全てαである。
【0043】
同じ段に形成されている規制部間通路28b,28bの中点を、それぞれC1とする。2つの中点C1間の長さPは、第1筒体28の半周の長さに等しい。即ち、規制部間通路28bの中点C1と規制部間通路28bの中点C1とは、180°離して形成される。180°離して形成された排気ガス規制部28aは、第1筒体28の中心軸(図1、符号44)を挟んで対称に形成されている。
【0044】
規制部間通路28bの中点C1は、隣り合う段(図面上下方向)の排気ガス規制部28aの中点C2に高さ方向で一致する。即ち、隣り合う段の排気ガス規制部28aに対して、90°位相をずらして配置されている。
【0045】
排気ガス規制部28aの長さβ、排気ガス規制部28aの一端から規制部間通路28bの中点C1までの長さ(1/2)α、排気ガス規制部28aの他端から規制部間通路28bの中点C1までの長さ(1/2)αとした場合に、これらを足した長さ、β+(1/2)α・2=Pを1ピッチとする。この場合、1ピッチは180°であると共に、排気ガス規制部28aは、隣り合う段の排気ガス規制部28aに対して、90°位相をずらして配置されているといえる。
【0046】
1ピッチを120°とし、隣り合う排気ガス規制部に対して60°位相をずらす、1ピッチを90°とし、隣り合う排気ガス規制部に対して45°位相をずらすことも可能である。
連通孔は、圧損の影響を抑制するために、連通孔を抜ける際の排気ガス温度での体積流量を、連通孔の前後のガス流路の断面積に対して、抵抗にならないよう、開口面積の値が設定されている。
第2の部材(図2、符号27)に開けられた連通孔(図2、符号42a,42e)について詳細を次図で説明する。
【0047】
図5に示すように、第2の部材27の底38には、複数の種類の連通孔42a〜42eが開けられている。連通孔42a〜42eは、それぞれ大きさが異なり、最も小さな連通孔42aは、円形状を呈し、他の連通孔42b〜42eは、長円形状を呈する。連通孔42a〜42eの大きさは、aからeに向かってアルファベット順に大きくなっている。最小の連通孔42aに対して、最大の連通孔42eは、中心軸44を挟んで形成される。
【0048】
最小の連通孔42aは、排気ガス排出口(図2、符号34c)の上方に配置される。仮に、連通孔の大きさが全て同じである場合には、排気ガス排出口の上方に配置される連通孔から多くの排気ガスが流れる。
【0049】
排気ガス排出口から遠ざかる部位になるほど、連通孔42a〜42eの大きさを大きくし、流路面積を大きくした。排気ガスが流れやすい部位では流路面積を狭く、排気ガスが流れ難い部位では流路面積を広くすることで、第2ガス流路(図2、符号48)全体に排気ガスを流すことができる。全体に排気ガスを流すことで、より熱交換効率を高めることができる。
【0050】
なお、連通孔の形状は、任意でありこれらの組み合わせも適宜変更することができる。例えば、同じ大きさの孔を複数形成して、これらの穴の配置の仕方によって調整することもできる。
第2ガス流路(図2、符号48)及び水路(図2、符号47)の詳細を次図で説明する。
【0051】
図6に示すように、触媒担体15、触媒ケース16、第1筒体28、第3筒体33は、中心軸44を中心として同心円状に配置されている。一方、第2筒体31の中心軸45は、中心軸44に対して水排出口31cから離れる方向にずらして配置されている。中心軸44,45がtだけずらされていることで、水排出口31c側の水路47の流路面積を狭く(σ1)、水排出口31cから離れた部位の流路面積を広く(σ2)形成している。
【0052】
また、第3筒体33の中心軸44が、第2筒体31の中心軸45に対して、排気ガス排出管22(排気ガス排出口)から離れる方向にずらされている。このことにより、排気ガス排出管22側の第2ガス流路48の流路面積を狭く(σ3)、排気ガス排出管22から離れた部位の流路面積を広く(σ4)形成している。
【0053】
排気ガス排出管22(排気ガス排出口)が、水排出口31cに対して中心軸44を挟んで配置されている。中心軸44を挟んで配置されることで、σ1<σ2且つ、σ3<σ4とすることができる。
【0054】
図7の矢印(1)に示すように、排気ガス導入口12から導入された排気ガスは、まず、図面下側に向かって触媒担体15内を流れる。矢印(2)で示すように、触媒担体15内を流れることで、排気ガスは浄化される。触媒担体15内を流れた排気ガスは、触媒担体15の下端から第1ガス流路46に向かって流れる。
【0055】
第1底部29に膨出部29aが形成されていることで、排気ガスを触媒ケース16と第1筒体28との間に向かって円滑に流すことができる。即ち、膨出部29aは、排気ガスの流れを導くガイドの役割を果たす。
【0056】
図8に示すように、浄化された排気ガスは、第1ガス流路46を図面下から上に向かって通過する。排気ガスは排気ガス規制部28aを迂回して上方に向かって流れる。第1ガス流路46を通過した排気ガスは、基体11内に達する。
【0057】
基体11内に達した排気ガスは、連通路49を通過し、連通孔42a,42eから下方に向かって流れる。連通孔42a,42eを通過した排気ガスは、第2ガス流路48を図面下に向かって通過する。第2ガス流路48の下端まで流れた排気ガスは、排気ガス排出口34cから外部へ排出される。
【0058】
一方、水導入口32aから導入された水は、水路47を図面上方に向かって通過する。上方に向かって流れた水は、水排出口31cから外部へ排出される。水は、触媒担体15から下方に向かって排出された排気ガスの熱で第1底部29を介して温められ、第1ガス流路46を通過する排気ガスの熱で第1筒体28を介して温められ、連通路49を通過する排気ガスの熱で第2の部材27を介して温められ、第2ガス流路48を通過する排気ガスの熱で第2筒体31を介して温められる。
【0059】
第2筒体31を第3筒体33で囲い、この間を排気ガスの流路(第2ガス流路48)とするため、第2筒体31の外周面の全体に排気ガスを流すことができる。第2筒体31の外周面の全体に排気ガスを流すため、大きな伝熱面積を確保することができる。伝熱面積が大きいことで、効率よく熱交換を行うことができる。
【0060】
一方、第2筒体31を囲う第3筒体33は、1つの部材である。第2筒体31を第3筒体33で囲った上で、第3筒体33を接合する。複数の排気ガス通過管を接合する場合に比べ、工数を削減することができ、組立て作業が容易になる。
【0061】
第1底部29に膨出部29aが形成されている。膨出部29aが形成されることで、噴流で流すことができ、また、水の流路面積を大きく取ることができる。水の流路面積を大きくすることで、水の流量を増やすことができる。水の流量が多いことで水温の急激な上昇を防ぎ、水が沸騰することを防ぐことができる。水の沸騰を防ぐことで、水を円滑に流し、効率よく熱交換を行うことができる。
【0062】
加えて、膨出部29aの下方に水導入口32aを形成し、膨出部29aに向かって水を導入する。即ち、排気ガスによって温められる前の水を膨出部29aに向かって流す。膨出部29a近傍には、触媒担体15を通過したばかりの温度の高い排気ガスが流れるため、効率よく熱を回収することができると共に、より確実に沸騰の発生を防ぐことができる。
【0063】
さらに、水排出口31c側の流路面積を狭く、水排出口31cから離れた部位の流路面積を広くした(併せて図6も参照)。水導入口32aから水排出口31cまでの最短距離を通過する流路(図面左側)の面積を狭めることで、最短距離を通過する水の流量を減少させる。一方、水排出口31cから遠く、水の流れにくい部位(図面右側)の流路面積を広げ、水の流量を増加させる。これにより、第1筒体28と第2筒体31との間の全周にわたってより均一に水を流すことができる。より均一に水を流すことで、水を円滑に流すことができ、熱交換の効率を高めることができる。
【0064】
加えて、中心軸(図2、符号44,45)がずらされていることで、第2筒体31と第3筒体33との間に形成される第2ガス流路48の流路面積を、排気ガス排出管22側(排気ガス排出口34c側)で狭く、排気ガス排出管22から離れた部位(図面左側)で広くすることができる。排気ガス排出管22までの最短距離を通過する流路の面積を狭めることで、最短距離を通過する排気ガスの流量を減少させる。一方、排気ガス排出管22から遠く、排気ガスの流れにくい部位の流路面積を広げ、排気ガスの流量を増加させる。これにより、第2筒体31と第3筒体33との間の全周にわたってより均一に排気ガスを流すことができる。より均一に排気ガスを流すことで、排気ガスを円滑に流すことができ、熱交換の効率を高めることができる。
【0065】
図9(a)の比較例に示すように、熱交換器210は、ガス流路211を通過する排気ガス及び水路212内に配置された排気ガス通過管213を通過する排気ガスによって水が温められる。熱交換器210の直径D1は、排気ガス通過管213の直径D2を考慮した上で、水を円滑に流すことのできる大きさに設定される。即ち、水路212の幅は、最低でもD2よりも大きく設定される。
【0066】
一方、図9(b)の実施例に示すように、本発明に係る熱交換器10は、第1及び第2ガス流路46,48を通過する排気ガスによって水が温められる。熱交換器10の水路47の幅は、水を円滑に流すことができる幅に設定される。また、第2ガス流路48の幅は、排気ガスを円滑に流すことができる幅に設定される。第2ガス流路48は、水路47の全周を囲っているため、小さな幅であっても大きな流路面積を確保することができる。即ち、第2ガス流路48は、幅が小さくても十分に円滑に排気ガスを流すことができる。このため、熱交換器10の直径D3は、比較例に係る熱交換器210の直径D1よりも小さくすることができる。即ち、排気ガス通過管213を用いた場合に比べ、熱交換器10を小型化することができる。
別実施例について次図以降で詳細に説明する。
【実施例2】
【0067】
次に、本発明の実施例2を図面に基づいて説明する。
図10は実施例2の熱交換器の断面構成を示し、上記図2に対応させて表している。
図10に示されるように、熱交換器60は、基体61を構成する第2の部材62が、第1のケース63に一体的に形成されている。より具体的には、第2の部材62は、第1筒体64の端部に一体的に形成されている。第1筒体64には、排気ガス規制部64a及び規制部間通路64bが形成されている。
【0068】
第2の部材62を第1筒体64に一体的に形成した場合も本発明の効果を得ることができる。即ち、伝熱効率が高く且つ組立てが容易な熱交換器60ということができる。
【0069】
加えて、第1筒体64が、第2の部材62に一体的に形成されることで、部品点数を削減し組立て工数を削減することができる。
更なる別実施例について次図で説明する。
【実施例3】
【0070】
次に、本発明の実施例3を図面に基づいて説明する。
図11は実施例3の熱交換器の断面構成を示し、上記図2に対応させて表している。
図11に示されるように、熱交換器70は、基体71を構成する第1の部材72及び第2の部材73と同じ接合部74で、第3のケース75が接合されている。また、第2の部材73に第2のケース76を一体的に形成し、この第2のケース76に第1のケース77を接合している。
【0071】
より具体的には、第2の部材73は、第2筒体81の端部に一体的に形成されている。また、第3筒体82は、第1の部材72及び第2の部材73と同じ接合部74で接合されている。
【0072】
このような熱交換器70とした場合も本発明の効果を得ることができる。即ち、伝熱効率が高く且つ組立てが容易な熱交換器70ということができる。
【0073】
加えて、第2筒体81が、第2の部材73に一体的に形成されることで、部品点数を削減し組立て工数を削減することができる。
さらに、接合部74を1箇所にまとめることで、第1の部材72、第2の部材73及び第3筒体82を一度の接合作業で接合させることができる。まとめて接合することで、さらに組立て工数を削減することができる。
【0074】
第1の部材72と、排気ガス導入口84とは、円弧形状の接続部85を介して接続されている。接続部85を円弧形状とすることで、排気ガスの流れを円滑に広げることができ、触媒担体15の全面に排気ガスを送ることができる。また、円弧形状であることにより、接続部85に排気ガスの熱による応力が集中することを防止することができる。さらに、排気ガス導入口84と、導入された排気ガスを広げる接続部85と、第1の部材72(基体71)とを一体的に形成することで、部品点数の削減を図ることができる。
【0075】
第1のケース77は、第1筒体86と第1底部87とが一体的に形成されている。第1筒体86の先端部86cを第2筒体81に向かって延ばし、第2筒体81の内周面に接触させた上で、第1筒体86を第2筒体81に接合させている。また、第1底部87に形成される膨出部87aは、断面視台形状に形成されている。86aは、排気ガス規制部、86bは、規制部間通路である。
【0076】
第2筒体81は、一般部81aのみからなり、この一般部81aに水排出口81cが形成されている。第2底部88の水導入口88aは、第3のケース75に向かって突出する段差部88bに形成されている。
【0077】
第3筒体82は、一般部82aのみからなり、この一般部82aに水排出開口部82cが形成されている。第3底部89には、段差部89a、水導入開口部89b、排気ガス排出口89cが形成され、段差部89aは、第2底部88の段差部88bに接触している。
さらなる別実施例について次図で説明する。
【実施例4】
【0078】
次に、本発明の実施例4を図面に基づいて説明する。
図12は実施例4の熱交換器の断面構成を示し、上記図2に対応させて表している。
図12に示すように、熱交換器90は、基体91を構成する第2の部材92と、第3のケース93とが一体的に形成されている。より具体的には、第2の部材92は、第3筒体94の端部に一体的に形成されている。
【0079】
第2の部材92を第3筒体94に一体的に形成した場合も本発明の効果を得ることができる。即ち、伝熱効率が高く且つ組立てが容易な熱交換器90ということができる。
加えて、第3筒体94が、第2の部材92に一体的に形成されることで、部品点数を削減し組立て工数を削減することができる。
【0080】
第1のケース95を構成する第1筒体96は、第1の部材26に向かって延びる延出接合部96cを有し、この延出接合部96cを第1の部材26の下面に接合している。この延出接合部96cの一部に、第1ガス流路46と連通路49とを連通する連通孔96d、96hが形成されている。96aは、排気ガス規制部、96bは、規制部間通路である。連通孔96d、96hは、それぞれ大きさの異なる孔であり、詳細は図5で説明したとおりである。
【0081】
第2のケース97を構成する第2筒体98は、一般部98aのみからなり、一般部98aに水排出口98cが形成されている。このような第2筒体98は、第1筒体96に接合されている。
【0082】
第3筒体94は、一般部94aのみからなり、一般部94aに水排出開口部94cが形成されている。
更なる別実施例について次図で説明する。
【実施例5】
【0083】
次に、本発明の実施例5を図面に基づいて説明する。
図13は実施例5の熱交換器の断面構成を示し、上記図12に対応させて表している。
図13に示すように、熱交換器100は、基体91を構成する第2の部材92と、第3のケース93とが一体的に形成されている。より具体的には、第2の部材92は、第3筒体94の端部に一体的に形成されている。
【0084】
第2の部材92を第3筒体94に一体的に形成した場合も本発明の効果を得ることができる。即ち、伝熱効率が高く且つ組立てが容易な熱交換器100ということができる。
加えて、第3筒体94が、第2の部材92に一体的に形成されることで、部品点数を削減し組立て工数を削減することができる。
【0085】
第2のケース101を構成する第2筒体102は、一般部102aのみからなり、この一般部102aに水排出口102cが形成される。水排出口102cは、第3のケース93に向かって傾斜した状態で延びている。水排出口102cが傾斜していることで、この水排出口102cに差し込まれる水排出管104は、第3のケース93に対して傾斜して差し込まれる。第3のケース93に対して水排出管104を傾斜させることで、水排出管104を水排出口102cに溶接する際に、溶接トーチの先端を臨ませやすくなる。
【0086】
尚、本発明に係る熱交換器は、コージェネレーション装置や、その他の用途に適用することは差し支えない。また、本発明に係る熱交換器には、水に冷却水を用いることが望ましく、用途に応じて、最適な種類の媒体を用いることができる。
【産業上の利用可能性】
【0087】
本発明の熱交換器は、コージェネレーション装置に好適である。
【符号の説明】
【0088】
10,60,70,90,100…熱交換器、11,61,71,91…基体、12,84…排気ガス導入口、15…触媒担体、16…触媒ケース、26,72…第1の部材、27,62,73,92…第2の部材、28,64,86,96…第1筒体、31,81,98,102…第2筒体、33,82,94…第3筒体、46…第1ガス流路、47…水路、48…第2ガス流路、49…連通路。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14