(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
(G)成分の一部として(G1)成分を含有し、(A)成分と(G)成分の質量比〔(A)成分/(G1)成分〕が100/1〜100/30である請求項3記載の液体洗浄剤組成物。
(G1)成分:下記一般式(V)で表される非イオン性化合物
R12−O−〔(EO)n2/(PO)m2〕−H (V)
(式中、R12は炭素数1〜3の炭化水素基である。EOはエチレンオキシ基、POはプロピレンオキシ基を表し、n2及びm2は平均付加モル数を表し、n2は5〜25の数であり、m2は0〜5の数である。“/”はEO及びPOが、ランダム又はブロックのいずれに結合したものであってもよいことを示す。)
【発明を実施するための形態】
【0011】
〔(A)成分〕
本発明の(A)成分は、非イオン性界面活性剤、陰イオン性界面活性剤から選ばれる界面活性剤である。本発明の液体洗浄剤組成物は防臭性の観点から、(A)成分の一部として、(A1)成分を含有する。
【0012】
非イオン性界面活性剤としては、ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、脂肪酸アルカノールアミド、アルキルグリコシド等が挙げられる。洗浄性能、防臭性の観点から、下記一般式(VI)で表される非イオン性界面活性剤を含有することが好ましい。一般式(VI)で表される非イオン性界面活性剤は、(A1)成分を含んでいてもよい。
R
13−Y
1−〔(EO)
n3/(PO)
m3〕−R
14 (VI)
(式中、R
13は炭化水素基であり、−Y
1−は−O−又は−COO−であり、R
13−Y
1−は総炭素数8〜22である。EOはエチレンオキシ基、POはプロピレンオキシ基を表し、n3及びm3は平均付加モル数を表し、n3は5〜25の数であり、m3は0〜5の数である。R
14は水素原子又は炭素数1〜3の炭化水素基である。“/”はEO及びPOが、ランダム又はブロックのいずれに結合したものであってもよいことを示す。)
【0013】
一般式(VI)において、R
13である炭化水素基は、直鎖、分岐鎖、1級、2級等の何れでもよいが、好ましくは、直鎖1級である。洗浄性能の観点から、R
13−Y
1−は炭素数10〜20が好ましく、炭素数12〜18がより好ましく、炭素数12〜16が更に好ましく、炭素数12〜14が特に好ましい。
【0014】
また、一般式(VI)において、洗浄性の観点から、R
14は炭素数1〜3の炭化水素基が好ましく、炭素数1又は2の炭化水素基がより好ましく、メチル基が更に好ましい。また、n3は好ましくは8〜20の数、より好ましくは10〜18の数であり、m3は好ましくは0〜3の数、より好ましくは1〜2の数である。EOとPOはランダム付加でもブロック付加でもよく、ブロック付加がより好ましい。
【0015】
陰イオン性界面活性剤としては、例えばアルキルベンゼンスルホン酸又はその塩(LAS)、アルキル硫酸エステル又はその塩(AS)、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル又はその塩(AES)、α−オレフィンスルホン酸又はその塩(AOS)、アルカンスルホン酸又はその塩、α−スルホ脂肪酸エステル又はその塩(α−SFE)、ポリオキシエチレンアルキルエーテルカルボン酸又はその塩、高級脂肪酸又はその塩(石鹸)等が挙げられる。なお前記陰イオン性界面活性剤の酸型とその塩は組成物中に共存してもよく、組成物に酸型で添加してアルカリ剤にて中和してもよい。以下“又は”は同様に扱うものとする。
【0016】
上記のなかでも、アルキルベンゼンスルホン酸又はその塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル又はその塩、アルカンスルホン酸又はその塩が好ましく、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸又はその塩がより好ましい。
【0017】
具体的には、炭素数8〜16、好ましくは10〜14のアルキル基を有するアルキルベンゼンスルホン酸又はその塩、炭素数10〜20、好ましくは12〜18のアルキル基を有するアルキル硫酸エステル又はその塩、炭素数10〜20、好ましくは12〜18のアルキル基を有し、エチレンオキサイドの平均付加モル数1〜10、好ましくは2〜8のポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル又はその塩、炭素数10〜20のアルキル基を有するα−オレフィンスルホン酸又はその塩、炭素数10〜20、好ましくは12〜14のアルキル基を有するアルカンスルホン酸又はその塩、好ましくは2級アルカンスルホン酸又はその塩、炭素数10〜20のアルキル基を有するα−スルホ脂肪酸メチルエステル又はその塩、炭素数10〜20のアルキル基を有し、エチレンオキサイドの平均付加モル数1〜10のポリオキシエチレンアルキルエーテルカルボン酸又はその塩、炭素数12〜14の高級脂肪酸又はその塩(石鹸)等が好ましく挙げられる。
【0018】
塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、モノエタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩等のアルカノールアミン塩などが挙げられる。(B)成分の安定性の観点からナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩がより好ましく、モノエタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩等のアルカノールアミン塩は配合しないことが好ましい。
【0019】
〔(A1)成分〕
本発明の(A1)成分は、下記一般式(I)で示される非イオン性界面活性剤である。
R
1−Y−(AO)
n−R
2 (I)
(式中、R
1は炭化水素基であり、−Y−は−O−又は−COO−であり、R
1−Y−は総炭素数12である。AOはエチレンオキシ基及び/又はプロピレンオキシ基を表し、nは付加モル数を表し、nは2〜5の数である。R
2は水素原子又は炭素数1〜3の炭化水素基である。)
【0020】
一般式(I)において、防臭性の観点からR
1である炭化水素基は、好ましくは、直鎖1級のアルキル基(換言すれば、R
1と結合する−Y−の酸素原子又はカルボニル炭素が第1級炭素原子であるアルキル基)である。また、防臭性の観点から−Y−は−O−が好ましい。また、防臭性の観点からAOは、エチレンオキシ基を含むことが好ましく、エチレンオキシ基のみであることがより好ましい。また、防臭性の観点からnは3〜5の数が好ましい。また、防臭性の観点からR
2は水素原子が好ましい。中でも、防臭性の観点からR
1は直鎖1級炭化水素基、−Y−は−O−、AOはエチレンオキシ基、nは3〜5の数、R
2は水素原子であることが好ましい。
【0021】
最も好ましい化合物は、次のようにも表現できる。すなわち、(A1)成分として好ましい非イオン性界面活性剤は、エチレンオキシ基の付加モル数が2〜5であるポリオキシエチレンラウリルエーテルでもある。なお、ラウリルアルコールにエチレンオキシドを平均3〜7付加させた非イオン性界面活性剤は(A1)成分を多く含有することから、(A)成分及び(A1)成分として用いるのに、より好ましい。
【0022】
〔(B)成分〕
本発明の(B)成分は、過酸化水素である。
【0023】
〔(C)成分〕
本発明の(C)成分は、ヒドロキシカルボン酸化合物、ヒドロキシホスホン酸化合物、及びそれらの塩から選ばれる一種以上の化合物である。
【0024】
ヒドロキシカルボン酸化合物としては、たとえばクエン酸、グルコン酸、リンゴ酸、ヘプトン酸、乳酸、酒石酸、ヒドロキシ酢酸(グリコール酸)、ヒドロキシ安息香酸、及びこれらの塩が挙げられる。塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩などが挙げられる。
【0025】
ヒドロキシホスホン酸化合物としては、1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸、エタンヒドロキシ−1,1,2−トリホスホン酸等、及びこれらのアルカリ金属塩、モノエタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩等のアルカノールアミン塩などが挙げられる。ヒドロキシホスホン酸化合物の塩は、(B)成分の安定性の観点からナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩がより好ましく、モノエタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩等のアルカノールアミン塩は配合しないことが好ましい。
【0026】
これらの中で、特に、防臭性能、液体洗浄剤組成物のpH安定化効果などの点から、クエン酸、グルコン酸、リンゴ酸、酒石酸、1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸及びこれらの塩が好ましく、より好ましくはクエン酸、1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸及びこれらの塩から選ばれる一種以上である。(C)成分は、1種又は2種以上混合して用いることができる。好ましくはヒドロキシカルボン酸化合物及び/又はその塩とヒドロキシホスホン酸化合物及び/又はその塩とを併用することである。その場合、〔ヒドロキシカルボン酸化合物及び/又はその塩〕/〔ヒドロキシホスホン酸化合物及び/又はその塩〕の質量比は、100/10〜100/1000、更に100/50〜100/800、より更に100/100〜100/500が好ましい。なお、pH調整剤として(C)成分に該当する化合物を用いることもできるが、それらの量は(C)成分に算入する。
【0027】
〔(D)成分〕
本発明の(D)成分はラジカルトラップ剤である。本発明において、ラジカルトラップ剤とは、生成したラジカルを無効化する効果のある剤である。一般に過酸化水素による漂白はパーヒドロキシアニオンによって起こると考えられるが、過酸化水素は、光、熱の影響および重金属イオンの触媒作用でヒドロキシルラジカルを生成することがある。ヒドロキシルラジカルは、反応性が高く、繊維の劣化や衣類脱色を引き起こすため、ラジカルトラップ剤で無効化することが有効である。
【0028】
(D)成分としては、(1)アミン系、及び(2)フェノール系のものが好ましい。(1)アミン系のラジカルトラップ剤としては、N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン及びフェニル−4−ピペリジニルカーボネートから選ばれる1種以上が挙げられる。(2)フェノール系のラジカルトラップ剤としては、ジメトキシフェノール、カテコール、ハイドロキノン、4−メトキシフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール(BHT)、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、3,5−ジ−tert−ブチルヒドロキシトルエン及び2,5−ジ−tert−ブチルヒドロキノンから選ばれる1種以上が挙げられる。これらの中でも、(2)フェノール系のラジカルトラップ剤が好ましく、4−メトキシフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール(BHT)及びブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)が特に好ましい。
【0029】
〔(E)成分〕
本発明の(E)成分は、水である。
【0030】
〔液体洗浄剤組成物〕
本発明の液体洗浄剤組成物は(A)成分、(B)成分、(C)成分、(D)成分及び(E)成分を含有する。
【0031】
洗浄性能の観点から、本発明の液体洗浄剤組成物中の(A)成分の含有量は、30〜70質量%であり、35〜65質量%が好ましく、40〜60質量%が更に好ましい。防臭性の観点から、(A)成分の一部として、(A1)成分を0.5〜10質量%含有し、好ましくは1〜8質量%、より好ましくは2〜5質量%である。
【0032】
また、洗浄性能、防臭性の観点から、(A)成分中の非イオン性界面活性剤〔(A1)成分を含む〕は70質量%以上が好ましく、80質量%以上がより好ましく、90質量%以上が更に好ましい。上限値は100質量%である。
【0033】
液体洗浄剤組成物の洗浄性能、防臭性能の観点から、本発明の液体洗浄剤組成物は(A)成分として陰イオン性界面活性剤を含有することが好ましく、非イオン性界面活性剤と陰イオン性界面活性剤を併用する場合の質量比〔非イオン性界面活性剤/陰イオン性界面活性剤〕は、100/1〜100/20が好ましく、100/2〜100/15が好ましく、100/3〜100/10がより好ましい。陰イオン性界面活性剤は、塩の分子量によって、その質量が異なることから、本発明では塩ではなく、酸型すなわち対イオンを水素原子イオンと仮定した時の質量を陰イオン性界面活性剤の質量とする。
【0034】
防臭性能の観点から、(A1)成分と(B)成分の質量比〔(A1)成分/(B)成分〕は、20/100〜200/100であり、25/100〜150/100が好ましい。
【0035】
また、本発明の液体洗浄剤組成物中の(B)成分の含有量は、洗浄性能、防臭性能の観点から、0.5〜6質量%が好ましく、1〜4質量%がより好ましい。(B)成分が1〜3質量%の場合は(A1)成分と(B)成分の質量比〔(A1)成分/(B)成分〕は30/100〜100/100が更に好ましい。
【0036】
防臭性能の観点から、(B)成分と(C)成分の質量比〔(B)成分/(C)成分〕が100/1〜100/50であり、100/3〜100/30が好ましく、100/5〜100/10がより好ましい。また、洗浄性能、防臭性能の観点から、本発明の液体洗浄剤組成物中の(C)成分の含有量は、0.01〜3質量%が好ましく、0.05〜2質量%が更に好ましく、0.1〜1質量%が特に好ましい。
【0037】
洗浄性能、防臭性能の観点から、(B)成分と(D)成分の質量比〔(B)成分/(D)成分〕が100/1〜100/100であり、100/2〜100/50が好ましく、100/3〜100/30がより好ましく、100/4〜100/20が更に好ましい。また、洗浄性能、防臭性能の観点から、本発明の液体洗浄剤組成物中の(D)成分の含有量は、0.01〜3質量%が好ましく、0.05〜2質量%がより好ましく、0.1〜1質量%が更に好ましい。
【0038】
本発明の液体洗浄剤組成物は(E)成分の水を含有する。本発明の液体洗浄剤組成物における(E)成分の含有量は、組成物中、10〜50質量%が好ましく、15〜45質量%が更に好ましく、20〜40質量%が特に好ましい。
【0039】
本発明の液体洗浄剤組成物は、防臭性能、洗浄性能の観点から、JIS K3362:2008記載の25℃で測定するpHが5〜8であり、6.5〜7.5が好ましく、6.8〜7.3がより好ましい。
【0040】
また、本発明にかかる液体洗浄剤組成物において、pH調整剤としては、塩酸、硫酸、リン酸等の無機酸、多価カルボン酸類、ヒドロキシカルボン酸類等の有機酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アルカノールアミン、アンモニア等が挙げられ、液体洗浄剤組成物の経時安定性の面から、硫酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムが好ましい。(B)成分の安定性の観点から硫酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムが好ましく、モノエタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩等のアルカノールアミン塩、アンモニアは配合しないことが好ましい。
【0041】
(A)〜(E)成分の含有量、(A1)成分/(B)成分の質量比、(B)成分/(C)成分の質量比、(B)成分/(D)成分の質量比及びpHがこのような範囲の組成物とすることで、洗浄性能、防臭性能に優れる液体洗浄剤組成物となる。
【0042】
〔(F)成分〕
防臭効果向上の観点から、本発明の液体洗浄剤組成物は更に(F)成分を含有することが好ましい。
(F)成分:下記一般式(II)で表される化合物及び下記一般式(III)で表される化合物から選ばれる化合物
【0044】
〔一般式(II)中、R
3〜R
6のうち、2つ以上はそれぞれ独立して炭素数1〜3のアルキル基又は炭素数1〜3のヒドロキシアルキル基であり、それ以外は炭素数8〜22の炭化水素基、好ましくは直鎖もしくは分岐鎖状のアルキル基又はアルケニル基であり、X
-は対イオンであり、好ましくはハロゲンイオン又はアルキル硫酸イオンである。一般式(III)中、R
7及びR
8はそれぞれ独立して炭素数1〜3のアルキル基又は炭素数1〜3のヒドロキシアルキル基であり、R
9は炭素数8〜22の炭化水素基、好ましくは直鎖もしくは分岐鎖状のアルキル基又はアルケニル基であり、R
10は炭素数1〜3のアルキレン基であり、X
-は対イオンであり、好ましくはハロゲンイオン又はアルキル硫酸イオンである。〕
【0045】
一般式(II)で表される化合物は、R
3〜R
6のうち、1〜2つが炭素数8〜22の炭化水素基、更に炭素数10〜14の炭化水素基である化合物が好ましい。また、一般式(III)で表される化合物は、R
9が炭素数10〜14の炭化水素基、好ましくは直鎖もしくは分岐鎖状のアルキル基又はアルケニル基である化合物が好ましい。
【0046】
防臭効果の観点から、(B)成分と(F)成分の質量比〔(B)成分/(F)成分〕は、100/10〜100/100が好ましく、100/20〜100/80が好ましく、100/30〜100/70がより好ましい。また、本発明の液体洗浄剤組成物中の(F)成分の含有量は、0.1〜5質量%が好ましく、0.3〜3質量%がより好ましく、0.5〜2質量%が更に好ましい。
【0047】
〔(G)成分〕
洗浄性能を更に高めるために、本発明の液体洗浄剤組成物は(G)成分を含有することが好ましい。
(G)成分:炭素数2〜4の一価アルコール、炭素数2〜4の多価アルコール及び下記一般式(IV)で表される化合物から選ばれる化合物
R
11−O−〔(EO)
n1/(PO)
m1〕−H (IV)
(式中、R
11は炭素数1〜6の炭化水素基である。EOはエチレンオキシ基、POはプロピレンオキシ基を表し、n1及びm1は平均付加モル数を表し、n1は1〜25の数であり、m1は0〜5の数である。“/”はEO及びPOが、ランダム又はブロックのいずれに結合したものであってもよいことを示す。)
【0048】
炭素数2〜4の一価アルコールとしては、たとえば、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール等が挙げられる。
【0049】
炭素数2〜4の多価アルコールとしては、たとえば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、グリセリン等が挙げられる。
【0050】
一般式(IV)中、R
11は炭素数1〜3の炭化水素基が好ましい。また、炭化水素基はアルキル基が好ましい。n1は5〜10が好ましく、m1は0〜3が好ましい。
【0051】
一般式(IV)で表される化合物としては、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、プロピレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル等が挙げられる。
【0052】
(A)成分と(G)成分の質量比〔(A)成分/(G)成分〕は、洗浄性能、防臭性能を更に高めるために、100/1〜100/50が好ましく、100/5〜100/40が好ましく、100/10〜100/30がより好ましい。また、本発明の液体洗浄剤組成物中の(G)成分の含有量は1〜30質量%が好ましく、3〜25質量%が更に好ましく、5〜20質量%が特に好ましい。
【0053】
〔(G1)成分〕
洗浄性能、防臭性能を更に高めるために本発明の液体洗浄剤組成物は、(G)成分の一部として(G1)成分を含有することが好ましい。
(G1)成分:下記一般式(V)で表される非イオン性化合物
R
12−O−〔(EO)
n2/(PO)
m2〕−H (V)
(式中、R
12は炭素数1〜3の炭化水素基である。EOはエチレンオキシ基、POはプロピレンオキシ基を表し、n2及びm2は平均付加モル数を表し、n2は5〜25の数であり、m2は0〜5の数である。“/”はEO及びPOが、ランダム又はブロックのいずれに結合したものであってもよいことを示す。)
【0054】
一般式(V)中、R
12は炭素数1〜3の炭化水素基であり、メチル基又はエチル基が好ましく、メチル基がより好ましい。EOはエチレンオキシ基、POはプロピレンオキシ基を表し、n2及びm2は平均付加モル数を表し、n2は5〜25の数、好ましくは8〜20の数、より好ましくは10〜18の数であり、m2は0〜5の数、好ましくは0〜3の数、より好ましくは1〜2の数である。EOとPOはランダム付加でもブロック付加でもよく、ブロック付加がより好ましい。
【0055】
(A)成分と(G1)成分の質量比〔(A)成分/(G1)成分〕は、洗浄性能、防臭性を更に高めるために、100/1〜100/30が好ましく、100/3〜100/20が好ましく、100/5〜100/10がより好ましい。また、本発明の液体洗浄剤組成物中の(G1)成分の含有量は1〜20質量%が好ましく、2〜15質量%が更に好ましく、3〜10質量%が特に好ましい。
【0056】
本発明の好ましい態様として、(A)成分30〜70質量%、(B)成分、(C)成分、(D)成分、(E)成分、(F)成分、及び(G)成分を含有し、
(A)成分の一部として(A1)成分を0.5〜10質量%含有し、
(A1)成分と(B)成分の質量比〔(A1)成分/(B)成分〕が20/100〜200/100であり、
(B)成分と(C)成分の質量比〔(B)成分/(C)成分〕が100/1〜100/50であり、
(B)成分と(D)成分の質量比〔(B)成分/(D)成分〕が100/1〜100/100であり、
(B)成分と(F)成分の質量比〔(B)成分/(F)成分〕が100/10〜100/100であり
(A)成分と(G)成分の質量比〔(A)成分/(G)成分〕が100/1〜100/50であり、
JIS K3362:2008記載の25℃で測定する組成物のpHが5〜8である液体洗浄剤組成物を挙げることができる。
【0057】
更に、(A)成分30〜70質量%、(B)成分、(C)成分、(D)成分、(E)成分、(F)成分、及び(G)成分を含有し、
(A)成分の一部として(A1)成分を0.5〜10質量%含有し、
(G)成分の一部として(G1)成分を含有し、
(A1)成分と(B)成分の質量比〔(A1)成分/(B)成分〕が20/100〜200/100であり、
(B)成分と(C)成分の質量比〔(B)成分/(C)成分〕が100/1〜100/50であり、
(B)成分と(D)成分の質量比〔(B)成分/(D)成分〕が100/1〜100/100であり、
(B)成分と(F)成分の質量比〔(B)成分/(F)成分〕が100/10〜100/100であり
(A)成分と(G)成分の質量比〔(A)成分/(G)成分〕が100/1〜100/50であり、
(A)成分と(G)成分の質量比〔(A)成分/(G1)成分〕が100/1〜100/30であり、
JIS K3362:2008記載の25℃で測定する組成物のpHが5〜8である液体洗浄剤組成物が好ましい。
【0058】
本発明の液体洗浄剤組成物には、上記の成分以外に必要に応じて、本発明の効果を損なわない範囲で、種々の任意成分を適宜配合することができる。たとえば、その他の界面活性剤(その他の陽イオン性界面活性剤、両性界面活性剤)、粘度調整剤、シリコーン等の風合い向上剤、防腐剤、ハイドロトロープ剤、蛍光剤、移染防止剤、パール剤、酸化防止剤、酵素、着色剤、着香剤又は乳濁化剤等の添加剤などが挙げられる。
【0059】
本発明の液体洗浄剤組成物は、(C)成分以外の金属封鎖剤を含有することが好ましく、組成物中の含有量は0.01〜5質量%が好ましく、0.05〜3質量%がより好ましく、0.1〜1質量%が更に好ましい。(C)成分以外の金属封鎖剤としては、ホスホン酸系金属封鎖剤が好ましく用いられる。その具体例としては、エタン−1,1−ジホスホン酸、エタン−1,1,2−トリホスホン酸、ニトリロトリメチレンホスホン酸、エチレンジアミンテトラキスメチレンホスホン酸、及びそれらの塩等の有機ホスホン酸化合物が挙げられる。また、ジエチレンテトラミン五酢酸、エジレンジアミン四酢酸、ニトリロ三酢酸及びそれらの塩などのアミノ多価カルボン酸化合物が挙げられる。これらは1種又は2種以上配合することができる。中でもエチレンジアミンテトラキスメチレンホスホン酸、エジレンジアミン四酢酸及びそれらの塩等が好ましい。塩はアルカリ金属塩が好ましい。また組成物中は酸と塩が共存していてもよい。
【0060】
本発明の液体洗浄剤組成物の使用方法は、通常の使用方法、すなわち液体洗浄剤組成物を、洗濯時に洗濯物と一緒に水に投入する方法、泥汚れや皮脂汚れに液体洗浄剤組成物を直接塗布する方法、液体洗浄剤組成物を予め水に溶かして衣類を浸漬する方法等が挙げられる。また、液体洗浄剤組成物を洗濯物に塗布後、適宜放置し、その後、通常の洗濯液を用いて通常の洗濯を行う方法も好ましい。本発明の液体洗浄剤組成物は、繊維製品用、更に衣料用として好適である。
【実施例】
【0061】
〔洗浄力の評価〕
JIS K 3362記載の『衣料用合成洗剤の洗浄力評価方法』に従い、表1、2の液体洗浄剤組成物と洗浄力判定用指標洗剤の洗浄力を比較した。液体洗浄剤組成物の使用濃度は0.33g/Lとした。結果の解析及び評価において、評価点の合計が0未満の場合標準洗剤より劣る(×)と判断し、0以上1未満を標準洗剤と同等(○)と判断し、1以上を標準洗剤以上(◎)であると判断した。
【0062】
〔防臭効果の評価〕
(前処理布の調製)
二槽式洗濯機(東芝銀河3.6VH−360S1)を準備し、洗濯槽に5℃の水道水30Lを入れ、これに合計2.0kgの木綿メリヤス未着用肌着を入れた。これにJAFET(Japanese Association for the Function Evaluation of Textiles)標準洗剤(中性液体)を40mL入れ、5分間の洗濯、2分間の溜めすすぎ2回、脱水1分後、屋内で自然乾燥させ、前処理布とした。
【0063】
(着用/洗濯処理)
洗濯処理を行った木綿メリヤス肌着を、成人男性に朝7時〜夜7時までの12時間着用させた。着用後の木綿メリヤス肌着を、前処理布の調製と同様にして洗濯、乾燥を行う。これを30回繰り返した。最後の洗濯のみ、表1、2の液体洗浄剤組成物を使用濃度0.33g/Lで用いた。尚、乾燥は30℃、湿度90%の恒温恒湿室内で一昼夜乾燥した。
【0064】
(防臭性評価)
木綿メリヤス肌着についての「イヤな臭い」を、官能により、下記に示す6段階の評価基準に従って評価した。評価は、専門パネラー10人の平均値を求めることにより行った。
(評価基準)
0点:無臭
1点:やっと感知できる臭い
2点:何の臭いであるか分かる臭い
3点:楽に感知できる臭い
4点:強い臭い
5点:強烈な臭い
【0065】
そして、前記6段階の評価基準による評価結果を基に、消臭効果を下記基準に基づいて評価した。評価の平均点が3点未満であれば、一般的な市販洗剤レベルであると判定し、2点未満であれば、消臭効果が良好であると判定した。
◎:1点未満
○:1点以上、2点未満
△:2点以上、3点未満
×:3点以上
【0066】
【表1】
【0067】
【表2】
【0068】
表中の成分は以下のものである。また、表中、「調整量」は、pHを表中の値に調整するための量である。
・A−1:一般式(VI)中のR
13が炭素数11及び13の直鎖1級アルキル基、−Y
1−が−COO−、n3が15、m3が0、R
14がメチル基の非イオン性界面活性剤〔(A1)成分である、一般式(I)で示され、R
1が炭素数11の直鎖1級アルキル基、−Y−が−COO−、n=2、3、4及び5、R
2がメチル基の非イオン性界面活性剤の含有率は1質量%未満である。〕
・A−2:一般式(VI)中のR
13が炭素数11の直鎖1級アルキル基、−Y
1−が−COO−、n3が20、m3が0、R
14がメチル基の非イオン性界面活性剤〔(A1)成分である、一般式(I)で示され、R
1が炭素数11の直鎖1級アルキル基、−Y−が−COO−、n=2、3、4及び5、R
2がメチル基の非イオン性界面活性剤の含有率は1質量%未満である。〕
・A−3:一般式(VI)中のR
13が炭素数12及び14の直鎖1級アルキル基、−Y
1−が−O−、n3が15、m3が0、R
14が水素原子の非イオン性界面活性剤〔(A1)成分である、一般式(I)で示され、R
1が炭素数12の直鎖1級アルキル基、−Y−が−O−、n=2、3、4及び5、R
2が水素原子の非イオン性界面活性剤の含有率は1質量%未満である。〕
・A−4:一般式(VII)中のR
13が炭素数12の直鎖1級アルキル基、−Y
1−が−O−、n3が20、m3が0、R
14が水素原子の非イオン性界面活性剤〔(A1)成分である、一般式(I)で示され、R
1が炭素数12の直鎖1級アルキル基、−Y−が−O−、n=2、3、4及び5、R
2が水素原子の非イオン性界面活性剤の含有率は1質量%未満である。〕
・A−5:一般式(VI)中のR
13が炭素数12の直鎖1級アルキル基、−Y
1−が−O−、n3が20、m3が2、R
14が水素原子であり、EOとPOの配列がR
13−O−(EO)
10−(PO)
2−(EO)
10−Hである非イオン性界面活性剤〔(EO)、(PO)の次の数字は平均付加モル数である。〕〔(A1)成分である、一般式(I)で示されR
1が炭素数12の直鎖1級アルキル基、−Y−が−O−、n=2、3、4及び5、R
2が水素原子の非イオン性界面活性剤の含有率は1質量%未満である。〕
・A−6:炭素数14のアルキル基を有する直鎖第1級アルコールにEOを平均5モル付加させたポリオキシエチレンアルキルエーテル
・A−7:炭素数10のアルキル基を有する直鎖第1級アルコールにEOを平均5モル付加させたポリオキシエチレンアルキルエーテル
・A−8:ラウリルグルコシド(マイドール12、花王(株)製)
・A−9:ドデシルベンゼンスルホン酸(ネオペレックスGS、花王(株)製)
・A−10:脂肪酸(ルナックL−98、花王(株)製)
・A1−1:炭素数12のアルキル基を有する直鎖第1級アルコールにEOを平均3モル付加させたポリオキシエチレンアルキルエーテル〔(A1)成分である一般式(I)のR
1が炭素数12の直鎖1級アルキル基、−Y−が−O−、n=2、3、4及び5、R
2が水素原子の非イオン性界面活性剤の含有率は50質量%である。〕
・A1−2:炭素数12のアルキル基を有する直鎖第1級アルコールにEOを平均6モル付加させたポリオキシエチレンアルキルエーテル〔(A1)成分である一般式(I)のR
1が炭素数12の直鎖1級アルキル基、−Y−が−O−、n=2、3、4及び5、R
2が水素原子の非イオン性界面活性剤の含有率は34質量%である。〕
【0069】
・F−1:塩化ラウリルトリメチルアンモニウム(コータミン24P、花王(株)製)
・F−2:塩化ステアリルトリメチルアンモニウム(コータミン86Pコンク、花王(株)製)
・F−3:塩化ベンザルコニウム(サニゾールC、花王(株)製)
【0070】
・G1−1:一般式(V)中のR
12がメチル基、n2が10、m2が0の非イオン性化合物
・G1−2:一般式(V)中のR
12がメチル基、n2が20、m2が0の非イオン性化合物
・G1−3:一般式(V)中のR
12がメチル基、n2が20、m2が2であり、EOとPOの配列がR
12−O−(EO)
10−(PO)
2−(EO)
10−Hである非イオン性化合物〔(EO)、(PO)の次の数字は平均付加モル数である。〕