【実施例】
【0053】
以下において、「上側」および「下側」とは、光度計または分光計のキュベット軸に配置される際に器具の対応する要素の方向を指す。
【0054】
図1〜4に示されるキュベットは少なくとも2つの要素から構成される。
【0055】
器具1は、内側の平面測定領域4,5と器具1を従来の光度計または分光計等に配置するためのアダプタ6とを有する2つの小板2,3から構成される。
【0056】
たとえば、器具1の小板2,3はピンセット9の自由アーム7,8に配置されている。それらの下部領域において、アーム7,8は小板2,3に向かって斜めに切られている。アーム7,8は好ましくは符号10における上端で互いに固定して接続されている。アーム7,8は一緒に弾性的に揺動することができる。アーム7,8の共の揺動は、好ましくは測定領域近くで、アームに横方向に走る2つのリブの形でアーム7,8の内側に配置されるスペーサ部11,12により制限される。
【0057】
アダプタ6自体は標準キュベットの直平行6面体形の輪郭を有する。その上方領域において全ての周囲が閉じられ、底面には脚14〜17を有する。
【0058】
アダプタ6はその内側に空腔18を有し、ピンセット9のための2つの平行なガイドレール19,20,21,22が2つの対向する側壁のそれぞれの内側に配置されている。
図2のようにアームが共に揺動されてピンセット9をガイドレール19〜22により形成された案内機構に挿入することができる。
【0059】
下側では、ガイドレール19〜22は内側に傾斜した制限壁23,24により制限され、その傾斜はピンセット9の腕7,8のべベルの傾斜と対応する。制限壁23,24は内側で、側壁から突出し、ガイドレール19〜22を支持する。
【0060】
箱形下部部材25が制限壁23,24の下部縁に挿入される。この部材は対向する前表面に通過開口部26,27を有する。
【0061】
このように、アダプタ6の構成はドイツ国特許DE19826470C1に記載のキュベットに本質的に一致しており、本願明細書に引用したものとする。公知の構成との違いは側壁の内側にガイドレール19〜22が設けられていることと、箱形下部部材25が通過開口部26,27を有することである。
【0062】
ピンセット9は使い捨て部材としてもよい。アダプタ6も使い捨て部材としてもよいし、再使用可能としてもよい。ピンセット9およびアダプタ6は好ましくはプラスチック製である。
【0063】
分析される少量の液体が器具1の光学的に透明な測定領域4,5の間に配置される。アダプタ6は続いて、光路を更に変化することなく従来の光度計または分光計それぞれにおいて測定できるようにキュベット軸の垂直方向の配置で平面測定領域4,5を有する器具1の位置合わせに用いる。
【0064】
ピンセット9は導入補助を特徴とし、測定領域4,5の単純な「充填」ができる。開放状態では、たとえば滴の形で試料を平面測定領域4,5の1つに加えるために十分大きな空間が提供されるように、ピンセットのアーム7,8はもう一方に向けてある。2つのアーム7,8を一緒に押すことで、アーム7,8の端部上の平面測定領域4,5が互いに向けて移動し、滴が両方の測定領域4,5を濡らす。これにおいて、測定方向に対して媒体の拡大の方向が好ましいようにおよび過剰投与された場合1方向、たとえば上部の方へのみ流出できるように平面測定領域4,5が形成および/または被膜される。平面測定領域4,5の近くに好ましくは位置されている2つのスペーサ部11,12により、測定領域4,5間に決められた光学層厚が発生するように平面測定領域7,8が位置決めされる。1マイクロリットルから数マイクロリットルまでの体積での測定は、異なる層厚を有する異なるピンセット9を用いて1つのアダプタ6で実現される。
【0065】
さらに、ピンセット9はユーザがユーザの手から閉じた状態でピンセットを離すことができる固定機能を有し、その状態ではスペーサ部11,12が互いに近接して位置する。
【0066】
また、ピンセットはさらにアライメント装置を有してもよく、測定領域4,5を平行に位置調整する。
【0067】
アーム7,8のべベルがアダプタの傾斜のある制限壁23,24に当接するまで、ピンセット9は閉じた状態で、アダプタ6のガイドレール19〜22に挿入される。この位置では、小板2,3はアダプタ6に縦に配置され、外サイドを有する通過開口部26,27の方向に向けられる。ピンセット9をガイドレール19〜22により閉じた状態のまま維持することができる。
【0068】
アダプタ6が光度計または分光計のキュベット軸に配置されると、通過開口部26,27が測定光学の光路に配置され、その結果、同じことが測定領域4,5の間の試料の光学測定に利用される。
【0069】
アダプタ6は、誤った取扱い、たとえば衝撃によるサンプル試料のわずかな漏れを防止するようにすることができる。さらに、それが絞りの特徴を有することができ、分光計の種類によらない広汎な利用が可能である。アダプタ6はキュベットのように使い捨て部材として実現できるが、取り替えは誤操作の場合にのみ必要である。
【0070】
図5〜8のキュベットは本発明の主題ではなく、請求する発明を例示するためだけに記載されている。
【0071】
図5〜8によるキュベットは少なくとも2つの要素から構成され、すなわち測定ポイント28とアダプタ29とからである。測定ポイント28は上端開口部30を有する上端を備えており、たとえば、売買されている現行のピペットの固定首にクランプすることができる。さらに、それは底部開口部31を有する底端部を備える。この底部開口部31は器具1により制限され、2つの透明な平面を有する小板2,3と好ましくはその内側に面平行な測定領域4,5を備える。小板2,3の間の間隔領域は横方向に閉じて、その結果符号31における底面だけに間隔領域が開放されている。
【0072】
上端開口部30と下部開口部31との間の測定ポイント28に連続した経路が形成されている。外側に測定ポイント28は上部から底面へ先細りになる形を有する。
【0073】
アダプタ29もまた箱形であり、標準キュベット軸に合う。上方領域32において、それは周囲上に閉じられ、下側には4つの脚33〜36を有する。アダプタ29は、内部に空腔37を有し、その中に収容部38が配置されている。収容部38は測定端28の外側輪郭と適合する。内部で、放射状に走るリブ39,40,41,42によりアダプタ29の壁に収容部38が支持される。
【0074】
測定される媒体が小板2,3の間に吸引されるために、測定ポイント28は、たとえば従来のピペットポイントのような通常の市販されているピペットの固定首に付けることができる。この際、媒体が平面測定領域4,5を濡らす。1マイクロリットル未満から数マイクロリットルまでの体積または異なる層厚を有する測定に対する異なる大きさの測定受け器がそれぞれ、測定領域4,5間の異なる間隔を有する異なる測定ポイント28により1つのキュベットで実現できる。特に非常に少量の測定の実施例において、測定される試料がすでに毛細管力によりプレート2,3間に吸い込まれる。たとえば市販のピペットを用いて試料を取り出すことはもはや必要ない。
【0075】
充填された測定ポイント28はピペットを用いてアダプタ29の中に入れられる。小板2,3を有する挿入された測定ポイントが脚33〜36の間の自由空間に配置されるように、収容部38の形状は測定ポイント28の形状に適合する。キュベット29は入れられている測定ポイント28によりキュベット軸に入れることができる。その結果、光学測定装置の光路が一対の脚33,34と35,36との間の対向する自由空間の間と2つの小板2,3とその中に位置する試料とを介して横方向に走る。試料を取り上げるのは親水性表面によるのが好ましい。
【0076】
アダプタ29は誤操作‐たとえばあまりにも強い衝撃時での測定される液体の漏れを防止するように実現することができる。さらにまた、それは、光度計の測定方向に関して平面測定領域4,5の正確なアライメントの案内機構として役立つことができる。さらにそれは絞りの性質を有し、それにより分光計のタイプによらない汎用な利用が可能である。
【0077】
測定ポイント28とアダプタ29はそれぞれ消耗品として実現することができる。測定ポイント28は各測定の後に交換することができる。アダプタ29の交換は誤った処理の場合に制限することができる。
【0078】
以下の2つの実施例は2つの折り畳みアダプタ部から構成され、好ましくは関節を介して互いに補足的に接続している。折り畳んだ状態では、アダプタ部はたとえば標準キュベットの寸法で1個のアダプタを形成する。関節は器具の短い側面または長い側面上に取り付けられる。別々に揺動されて、測定される試料は1つのみか両方の測定領域に加えられる。
【0079】
図9から12によるキュベットは、2つのプレート形の試料キャリア(「スライド」)43,44とアダプタ45から構成される。試料キャリア43,44は同一である。試料キャリアは帯形中心部46の上端に拡大したグリップ経路絞り47を有する。下側で、帯形中心部46が符号48で円錐形にテーパーがつけられる。下端で、スライド43,44のそれぞれが、好ましくは片側に平面測定領域4,5それぞれ有する小板2,3を備える。
【0080】
アダプタ45は2つのアダプタ部49,50から構成され、フィルム・ヒンジ51を介して互いに関節で接続されている。折り畳んだ状態では、
図12によるとアダプタ部49,50はアダプタ45を形成し、その形状は
図3および4によるアダプタ6のそれと本質的に一致する。しかしながら、アダプタ6との違いは、両方のアダプタ部49,50のそれぞれの4つのガイドレール52〜55と56〜59から構成される完全な案内機構をアダプタ45は有する。
【0081】
アダプタ45とスライド43,44は好ましくはプラスチック製である。
【0082】
図11によると、2つのスライド43,44は案内機構52〜55と56〜59に、グリップ経路絞り47が2つのアダプタ部49,50の上縁の台に達するまで挿入される。この位置では、アダプタ部49の脚60,61とアダプタ部50の脚62,63との間の凹部に小板2,3が配置される。さらに、案内機構52〜55と56〜59を有するスライド43,44の掛け止め具が設けられている。
【0083】
そして、測定される液体の一滴が平面測定領域4に加えられる。その後、2つのアダプタ部49,50が一緒に揺動し、液体が測定領域5と接触する。
【0084】
折り畳んだアダプタ部49,50は、アダプタ部50の引っ掛け凹部65と、アダプタ部49の引っ掛け突起66を有する留めフック64によって互いに固定される。ここで、引っ掛け凹部65を有する留めフック64は引っ掛け突起66に押される。留めフックを反対方向に動かすことで固定が解除される。
【0085】
図12によると、閉じたアダプタ45は標準キュベット軸の中に入れられ、光学測定装置の光路が脚60,61と62,63との間の凹部を通って2つの小板2,3を横断する。
【0086】
図9から12によるキュベット内に、アームまたはアダプタ部49,50それぞれが長い側面に沿って互いに関節でつながれている。
図13および14によるキュベット内に、アームまたはアダプタ部67,68それぞれが横断軸に沿って関節ジョイント69を備える。
【0087】
このために、アダプタ部67はプレート形基部70を有し、外側の片側の上部領域に2つのブリッジ71,72を有する。回転ジョイント69の軸受目73,74がブリッジ71,72に配置されている。
【0088】
原則として、他端に軸受ブロック77を支持する接続アーム76の一端に接続するプレート形キャリア部75からアダプタ部68が構成される。軸受ブロック77は脚71,72の間に配置され、軸またはシャフト78が軸受ブロック77の中央経路孔を通って案内され、両端で軸受目73,74に保持される。
【0089】
基部70とキャリア部75は、アダプタ部67,68の折り畳まれた状態でお互いに正確な配置である通過開口部79,80を備える。内側に平面測定領域83,84を有するプレート形挿入部81,82が通過開口部79,80の内側に置かれる。
【0090】
好ましくは、基部70とキャリア部75とはそれぞれ磁石85〜88と89〜92とを有し、それぞれが内側に挿入され、折り畳まれた状態で互いに接近して2つ1組で置かれる。さらに、中心ピン93が基部70から突設し、キャリア部75の中心収容部94と結合する。
【0091】
キュベットの製品において対となる磁石を介して測定領域83,84間の間隔を調節することは有益である。このことは、たとえば、粘着剤層中に磁石85〜92を配置することで達成してもよい。キュベットが閉状態の際に、これらは硬化することができ、磁石85〜92の正確な配置が測定領域83,84間に挿入される位置決めピースにより確実になされる。選択的に、各組のときに磁石85〜92の粘着剤層が閉まる前にすでに硬化させることができる。残りの自由度の無いシステムを設計するために、過度に限定された方法ではなく、3組の磁石を使うことが有益である。加えて、同じ理由から、測定領域83,94に垂直な軸に対して、キュベットの回転ジョイント69を浮動的に、すなわちクリアランスを有して、設計することは有益である。
【0092】
アダプタの開状態で1つまたは両方の平面境界面81,82に試料が加えられる。アダプタ部67,68を折り畳んだ後、アダプタは標準キュベット軸の中に挿入できる。光学測定装置の光路が通過開口部79,80とそれらの後方に配置された透明な小板81,82とそれらの間に位置する試料を通って通過する。
【0093】
挿入部81,82はたとえばUV透過性石英ガラスまたはUV透過性プラスチックでできている。場合によっては、それらは特別な表層構造を備えている。
【0094】
通過開口部80,81の境界は絞りを形成し、光度計または分光計の測定光が試料のみを通って照射する効果がある。アダプタ部67,68は好ましくはプラスチック製である。
【0095】
アダプタ部67,68は特に再利用を予定されている場合、他の材料、たとえば金属、でできていてもよい。さらなる変形では、アダプタ部67,68が挿入部81,82のような同じプラスチックで構成されてもよい。そして場合によっては、それらが1つの単一の注入成形物として不可分に作製してもよい。
【0096】
特に、キュベットは折り畳んだ後、検査される測定領域83,84間の部位を介して隙間が残るように作ることもできる。これはキュベットに閉状態で充填するために使われる。充填を容易にするために、測定領域に向かう方向の凹部で隙間が拡張される。
【0097】
閉状態でキュベットを充填できる他の変形は、
図13.1、14.1と14.2で示される。閉状態でキュベットを充填すると、両測定領域83,84は同時に濡らされる。これは測定領域83,84間で液柱を発生させるためにより少ない量が必要とされる効果がある。この他に、こうすることにより取扱い中の試料の蒸発が防止される。
【0098】
図13.1,14.1および14.2において、
図13および14の実施例の要素と対応するそれらの要素が同じ参照符号により示されるが、上付き記号ダッシュ(´)で示される。
【0099】
ピペットを用いて閉状態で充填するために、
図13.1,14.1,および14.2の実施例は外側126から測定領域83´までアーム67´の自由端に延在するアーム67の凹部125を備える。溝のような凹部125はピペットポイント127の下端がその中へ収まり、そこで横に案内されるように成形されて必要な大きさにされている。さらに、挿入部81´が挿入部82´よりも回転ジョイント69´にいくらか近くに配置され、その結果、試料を測定領域84´上および測定領域83´,84´間の割れ目内でピペットポイント127により直接測定することができる。
【0100】
この実施例では、挿入部81,82´は帯形に作られ、着脱可能にまたは固定的にアーム67´,68´に接続される。たとえば、必要以上に大きい軸受ブロック77´を有する通過開口部に軸またはシャフト78´のいずれかを配置して軸受目73´,74´に押圧すること、または通過孔に押圧して必要以上に大きいベアリング目73´,74´に配置することにより、回転ジョイント69´は浮動ヒンジとして作られる。さらにこの実施例は測定位置でアーム67´,68´を固定するために3組の磁石85´〜87´および89´〜91´を備える。
【0101】
図15および16によると、中央液濡れ表面部95を備えるように光学的に透明な測定領域83,84が実現され、その周囲に撥液表面部96がある。領域95,96の液濡れおよび撥液の性質は被膜により発生させることができる。測定領域83,84を洗浄中に2つの表面部95,96間に妨げる機械的な縁がない。測定領域83,84が表面部95から始まって表面部96に向かって清掃するので、その結果、残されたコンタミネーションが中央表面部95に残留しない。
【0102】
光透過性表面部97は液濡れ表面部95に対応し、挿入部83,84の外側の光不透過性表面部98が撥液表面部に対応する。
【0103】
表面部95,96は測定領域83,84の液体試料の拡大を制限する。撥液、疎水性それぞれの表面部に、液体の滴が大きな接触角度位置を有する。これより、それが測定領域83,84上にはるかに突出する。しかしながら、液濡れ、親水性それぞれの表面部95では、滴が保持されるか固定される。これより、平坦ではなくほとんど半球状の液体の滴が発生し、その結果、アダプタ部67,68を折り畳み時に測定領域83または84に加えられた滴が安全に他の測定領域84,83を濡らす、または両方の測定領域83,84に加えられた異なる滴は安全に各々と一体となる。結果として、規定された液体の柱が発生し、これにより規定された測定経路または層厚がそれぞれ発生する。
【0104】
残りの実施例の小板2,3は測定領域4,5および外側に対応して実現することができる。
【0105】
図17〜20による実施例では、異なる形状の深み部99,100,101,102が測定領域83,84に配置されている。深み部99〜102は試料を収容して測定領域83,84でのその拡大を制限する。
図18および19によると、試料の過剰量は放射経路103を介して貯蔵部104へ、またはオーバーフロー縁105を介してオーバーフロー室106へ逃げることができる。
図20の実施例において、深み部102は外側に向かって円錐形に拡大している。さらに、拡大を制限する境界面107は撥液で、ベース面108は液濡れにすることもでき、この結果、滴は測定領域83,84から可能な限り遠くへ突出する。
【0106】
滴の拡大を制限するために、小さな表面領域を有する平面台を測定領域83,84に配置してもよい。平面台は表面張力により滴の拡大を防止する。これは滴の高さを増大させ、必要な試料の量の減少が達成される。
【0107】
台を有するかまたは
図17〜20による測定領域の形成は全ての実施例において実現可能である。
【0108】
図21および22によると、2つの測定領域4,5間の層の厚みがスペーサリング109によって決められる。絞り110が小板3外側上の被膜としてつけられる。
【0109】
この例では、滴が測定領域5にのみ加えられ、スペーサリング9との近い接触に応じて測定領域4を濡らす。
【0110】
図23および24による実施例では、スペーサリング111,112が測定領域4,5の両方に割り当てられ、器具が閉じた際には互いに接触する。この例では、層厚が両方のスペーサリング111,112によって決められる。測定領域4,5の両方へ滴の塗布がさらに示されており、器具1が閉じられると合体する。
【0111】
図25の実施例は
図21および22によるものと、規定された層厚が好ましくは磁石113,114,115,116からの磁力により確保される点で異なり、器具1が閉じられると互いから短い間隔でそれら磁石の異なる極が配置される。磁石113〜116は挿入部2,3を収容するキュベットの器具構成要素(たとえばアダプタ部67,68)の中に組み込まれる。
【0112】
測定領域4,5の平面平行配置を確保するために、器具構成要素67,68間で形成されたヒンジ69を浮動的に作ることができるので、その結果システムは幾何学的に過剰に決定されない。閉状態では、2つのアダプタ部67,68を有する折り畳めるキュベットにおいて測定される試料が決定的に、安全にかつ確実に位置決めされる。
【0113】
本発明のさらなる実施例は使い捨て部材のマガジンを示すが詳細には説明しない。好ましくはカートリッジの形の、扱い容易なマガジンから、使い捨ての挿入部2,3が再利用可能な折り畳みキュベットのこの目的のために設けられている開口部へ容易に挿入される。使用後、使い捨ての挿入物2,3は手または器具またはカートリッジのラグにより折り畳みアダプタの外へ押し出されて、廃棄される。新しい挿入物2,3がそれから再び挿入される。
【0114】
使い捨て部材は使い捨て部材として実現されるアダプタと併用することもできる。さらなる可能性は1つの器具から前部および後部と使い捨て部材を組み合わせてもよいし、場合によっては2成分射出成形物と呼ばれるものとしてもよい。
【0115】
図26〜28のキュベットは本出願の主題ではない。請求された発明の説明のためだけに記載されている。
【0116】
図26〜28によるキュベットはドイツ国19826470C1の実施例によるキュベットに大いに対応しており、それは引用したものとする。しかしながら、公知のキュベットとの相違は、4つの脚117,118,119,120間に配置された、箱形下部部材121がキュベットの空腔に向かって内側に開口しているのではなく代わりに閉じられている。さらに、両側に開口している経路122がこの下部部材121を通って走り、両外側に向かって漏斗形の拡張部123,124を有する。
【0117】
キュベットは市販されているキュベットの形状を有しており、その結果、従来の市販の光度計または分光計それぞれに入れることができる。
【0118】
両側に開口している経路122を横切って光学測定を実施することができる。これより、測定中にキュベットのプラスチック壁を介して光が案内されず、したがって測定が影響されない。空の各キュベットに対する値を測定する必要がない。
【0119】
経路122はキュベットの外側に向けて円錐形にテーパーがつく。その結果、過剰投与は光学的層厚のわずかな増加のみを引き起こす。副作用として、キュベットはこれによる充填補助を得る。ピペットポイントが拡張部123,124に付けられ、経路122の円錐および円筒領域間に液体がその境界から達するまで、経路122がこのように充填される。ここで、液体は完全に経路122を充填しその中で付着力または毛管作用それぞれにより保持される。
【0120】
一方で絞り効果を達成するために、また他方で誤操作での液体の漏れを回避するために円錐形拡張部123をざらざらに作ることができる。これに加えて、谷が経路122の下に設けられ、漏れ出す液体を受けることができる。経路122がキュベットの全体幅よりも著しく短いので、液体がこの谷へのみ落ちることができる。
【0121】
図29および30の実施例は、
図1〜4の実施例の構成要素に対応する構成要素が同一参照番号により与えられるが、さらに上付き記号ダッシュ(´)により印されている。
【0122】
挿入部1´もピンセットの類で実現されているが、しかしながら、アーム7´,8´がそれらの上端でフィルムヒンジ128により互いに接続されている。
【0123】
各帯形アーム7´,8´は一端に肩部129,130または平坦を有しており、その中に測定領域4´,5´が配置されている。これら測定領域4´,5´のそれぞれが液体試料を受ける円形の領域部131,132のグループ(例では6つ)を有する。領域部131,132の中で1組が互いに正対し、その結果アーム7´,8´が一緒に揺動した際それが重なる。
【0124】
領域部131,132が少量の深みしかない深さに配置される点で残りの測定領域4´,5´から区切られる。
【0125】
他の実施例によると、領域部131,132が深み部に配置され、測定領域4´,5´の領域部とそれらを囲む更なる領域部133,134は疎水性被膜を有する。他の実施例によると、領域部領域部131,132は深み部に配置されずに、領域部131,132は親水性被膜を有し、その結果、試料がそこに保持される。他の実施例によると、領域部が深み部に配置されずに、測定領域4´,5´のそれらを囲み試料を受けないさらなる領域部133,134が疎水性被膜を有する。他の実施例によると、領域部が深み部に配置されずに領域部131,132が親水性被膜を有し、それらを囲むさらなる領域部133,134が疎水性被膜を有する。
【0126】
アーム7´,8´が一緒に揺動すると、測定領域4´,5´の領域部131,132に置かれた試料が同じものの間で測定される。
【0127】
さらに、アーム7´,8´それぞれが外側にそれらの縦軸に交差するように延在する一群の平行溝135,136を有する。溝135,136はアーム7´,8´の自由端の近くに配置されている。実施例では、異なるアーム7´,8´上の溝135,136がアーム7´,8´の自由端から等しい距離で配置されている。他の実施例では、図示されていないが、異なるアーム7´,8´上の溝135,136は異なる高さで配置されている。さらに別の実施例では、図示されていないが、アーム7´,8´の1つだけが溝135または136を有する。
【0128】
挿入部1´は1個のプラスチックで作られる。フィルムヒンジ128の弾性によりそれは
図29の構成を自動的に引き受ける。
【0129】
アダプタ6´が標準キュベットの立方形の輪郭を有する。それは、本質的に立方形である。それは、アーム7´、8´が一緒に揺動する際に上部から挿入部1´が入れられる、矩形の横断面を有する収容部137を備える。アダプタ6´の弾性作用突起148が収容部137に係合し、挿入部1´の溝135または136の1つに係合する。これより、挿入部1´は高い位置で収容部137に引っ掛けられる。
【0130】
弾力引っ掛け突起138が小さな車輪として実現され、弾力舌片139の終端に回転可能に取り付けられている。弾力舌片139はアダプタ6の側壁141の縦溝穴140に配置され、ネジ142により下端で固定される。結果として、弾力舌片139は縦溝穴140の中で偏ることができる。小さな車輪として実現された引っ掛け突起138がアーム7´、8´の外側を越えて回転する際に、弾力舌片139が偏る。最終的に、引っ掛け突起138が溝135,136の1つに落ちて、これより、挿入部1´が特定の高さでアダプタ6内に固定される。
【0131】
側壁141,142に対向して、アダプタ6は光学測定装置の光路に対する通過開口部26´,27´を有する。通過開口部26´,27´は側壁141,142の3分の1より低く、ほとんど中心軸上に配置される。
【0132】
図30で示される引っ掛け位置において、領域部131,132アーム7´,8´上の測定領域4´,5´の右側下部に位置する領域131,132は、通過開口部26´,27´の間に正確に配置される。挿入部1´を有するアダプタ6´がこの引っ掛け位置でキュベット軸に入れられると、測定領域4´,5´のこれらの領域部131,132の間で測定される。次のより深い引っ掛かり位置において、試料が右側の列などの中間領域部131,132の間に位置する光路の中へ移動する。
【0133】
収容部137から挿入部1´を引き抜き、その縦軸周りに約180回して、新たに収容部137へ入れることで、
図29において左列下側にアーム7´,8´上の測定領域4´,5´に位置する領域部131,132間の試料が光路中に導かれる。
【0134】
他の実施例では、アーム7´,8´が一緒に揺動する際に挿入部1´を充填することが、
横方向の境界から領域部131,132へ拡張する測定領域4´,5´の2つの横方向の境界上のピペット用の小さな開口部または案内機構をアーム7´,8´が備える点で好ましい。ピペットポイントは開口部または案内機構に入れることができ、その結果、ピペットにより折り畳まれた測定領域4´,5´の領域部131,132に試料を加えることができる。
【0135】
記載されている実施例は本発明を説明するのに適する。しかしながら、本発明は実施例に限られていない。