特許第5795960号(P5795960)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5795960
(24)【登録日】2015年8月21日
(45)【発行日】2015年10月14日
(54)【発明の名称】紫外線障害軽減組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/198 20060101AFI20150928BHJP
   A61P 17/16 20060101ALI20150928BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20150928BHJP
   A61P 17/00 20060101ALI20150928BHJP
   A61P 37/02 20060101ALI20150928BHJP
   A61P 37/08 20060101ALI20150928BHJP
   A61K 8/44 20060101ALI20150928BHJP
   A61Q 17/04 20060101ALI20150928BHJP
   A61P 27/12 20060101ALI20150928BHJP
【FI】
   A61K31/198
   A61P17/16
   A61P35/00
   A61P17/00
   A61P37/02
   A61P37/08
   A61K8/44
   A61Q17/04
   A61P27/12
【請求項の数】8
【全頁数】28
(21)【出願番号】特願2011-530910(P2011-530910)
(86)(22)【出願日】2010年9月14日
(86)【国際出願番号】JP2010065789
(87)【国際公開番号】WO2011030903
(87)【国際公開日】20110317
【審査請求日】2013年9月9日
(31)【優先権主張番号】特願2009-211255(P2009-211255)
(32)【優先日】2009年9月14日
(33)【優先権主張国】JP
(31)【優先権主張番号】特願2009-223327(P2009-223327)
(32)【優先日】2009年9月28日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000001959
【氏名又は名称】株式会社 資生堂
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100077517
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 敬
(74)【代理人】
【識別番号】100087871
【弁理士】
【氏名又は名称】福本 積
(74)【代理人】
【識別番号】100087413
【弁理士】
【氏名又は名称】古賀 哲次
(74)【代理人】
【識別番号】100117019
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100141977
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 勝
(74)【代理人】
【識別番号】100166028
【弁理士】
【氏名又は名称】北谷 賢次
(74)【代理人】
【識別番号】100166165
【弁理士】
【氏名又は名称】津田 英直
(74)【代理人】
【識別番号】100138210
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 達則
(72)【発明者】
【氏名】芦田 豊
(72)【発明者】
【氏名】東條 洋介
(72)【発明者】
【氏名】水本 智恵子
(72)【発明者】
【氏名】三田 真史
【審査官】 磯部 洋一郎
(56)【参考文献】
【文献】 特表2007−509955(JP,A)
【文献】 特開平07−233046(JP,A)
【文献】 特開平11−060435(JP,A)
【文献】 特開平11−049630(JP,A)
【文献】 特開昭57−158724(JP,A)
【文献】 特開2007−070343(JP,A)
【文献】 特表2002−531474(JP,A)
【文献】 特表2002−511409(JP,A)
【文献】 BURKE, K. E.,L-selenomethionine and UV-induced skin damage,Cosmetics and Toiletries,1992年,Vol.107, No.7,pp.51-61
【文献】 RAFFERTY, T. S. et al,Differential expression of selenoproteins by human skin cells and protection by selenium from UVB-ra,Biochemical Journal,1998年,Vol.332,pp.231-236
【文献】 工田昌矢,シリーズ教育講座「末梢前庭器から前庭神経核へ−最近の知見−」2.末梢前庭器障害におけるフリーラジカル,Equilibrium Research,2005年,Vol.64, No.2,pp.43-49
【文献】 Takumida, M. et al,Neuroprotection of vestibular sensory cells from gentamicin ototoxicity obtained using nitric oxide,Acta Otolaryngol,2003年,Vol.123,pp.8-13
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 31/198
A61K 8/44
A61P 17/00
A61P 17/16
A61P 27/12
A61P 35/00
A61P 37/02
A61P 37/08
A61Q 17/04
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
D−体メチオニンと、その塩とからなる群から選択される1種類又は2種類以上の化合物を含むことを特徴とする、UV−A照射による細胞死軽減組成物。
【請求項2】
皮膚外用剤として適用されることを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
シワ抑制剤であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項4】
日焼け止め剤であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項5】
皮膚疾患用医薬品として用いられることを特徴とする、請求項1ないし4のいずれか1つに記載の組成物。
【請求項6】
D−セリン、D−シクロセリン及び/又は塩とからなる群から選択される1種類又は2種類以上の化合物を含むことを特徴とする、紫外線障害を原因とするシワ軽減剤。
【請求項7】
皮膚外用剤として適用されることを特徴とする、請求項に記載のシワ軽減剤
【請求項8】
皮膚疾患用医薬品として用いられることを特徴とする、請求項6又は7に記載のシワ軽減剤
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、メチオニン及びD−セリンと、それらの誘導体及び/又は塩とからなる群から選択される1種類又は2種類以上の化合物を含む、紫外線障害軽減組成物と、メチオニン及びD−セリンと、それらの誘導体及び/又は塩とからなる群から選択される1種類又は2種類以上の化合物を投与するステップを含む紫外線曝露による皮膚疾患及び皮膚の美容状態の改善方法とに関する。
【背景技術】
【0002】
紫外線は、約320nmより長い長波長域紫外線(UV−A)と、約320〜約280nmの中波長域紫外線(UV−B)と、約280nmより短い短波長域紫外線(UV−C)とに分類される。このうちUV−Cはオゾン層に吸収されるので地上に達する太陽光には含まれない。UV−A及びUV−Bはともに地上に達する太陽光に含まれるが、UV−Bはオゾン層に部分的に吸収される。しかし、UV−Aはオゾン層に吸収されないため、UV−Aは地上に達する紫外線の大部分を占め、皮膚障害を起こす。非特許文献1によると、紫外線が関与する疾病には、シワ、紅斑、色素性乾皮症、慢性光線性皮膚炎、扁平上皮癌、基底細胞癌、悪性黒色腫、Bowen病、日光角化症、光線過敏症、種痘様水疱症及び光接触皮膚炎が、非特許文献2によると、日光皮膚炎、慢性光線皮膚症、光線角化症、光線口唇炎、Favre−Racouchot病、光線過敏症、光接触皮膚炎、ベルロック皮膚炎、光線過敏性薬疹、多形日光疹、種痘様水泡症、日光蕁麻疹、慢性光線過敏性皮膚炎、色素性乾皮症、雀卵斑、ポルフィリン症、ペラグラ、Hartnup病、日光角化症、皮膚筋炎、扁平苔癬、Darier病、毛孔性紅色粃糠疹、酒さ、アトピー性皮膚炎、肝斑、単純性疱疹及びエリテマトーデス等が挙げられる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】皮膚疾患最新の治療 2005−2006(南江堂)
【非特許文献2】標準皮膚科学 第7版(医学書院)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の紫外線による皮膚障害の予防及び/又は治療剤は、紫外線の皮膚吸収を阻害する酸化チタンのような紫外線散乱剤やパラメトキシケイ皮酸2エチルヘキシルのような紫外線吸収剤か、紫外線によって発生した遊離ラジカルを除去する抗酸化剤かが知られている。しかし、紫外線散乱剤、紫外線吸収剤は屋外での日焼け止めには有効だが、日常的に使用するものではない。また、抗酸化剤は安定性及び安全性に問題がある。さらに、紫外線による皮膚障害に対する治療剤は対症療法剤しか知られていない。そこで、日常的に使用でき、安定かつ安全な紫外線障害軽減組成物と、皮膚外用剤と、シワ抑制剤と、日焼け止め剤と、皮膚疾患治療用及び/又は予防用医薬品組成物と、食品組成物と、白内障用医薬品とを開発する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、メチオニンと、それらの誘導体及び/又は塩とからなる群から選択される1種類又は2種類以上の化合物を含む紫外線障害軽減組成物を提供する。
【0006】
本発明の紫外線障害軽減組成物において、前記メチオニンはD−体の場合がある。
【0007】
本発明は、D−セリンと、それらの誘導体及び/又は塩とからなる群から選択される1種類又は2種類以上の化合物を含む、紫外線障害軽減組成物を提供する。
【0008】
本発明の紫外線障害軽減組成物において、前記D−セリンの誘導体はD−シクロセリンの場合がある。
【0009】
本発明の紫外線障害軽減組成物は皮膚外用剤として適用される場合がある。
【0010】
本発明の紫外線障害軽減組成物において、前記皮膚外用剤はシワ抑制剤の場合がある。
【0011】
本発明の紫外線障害軽減組成物において、前記皮膚外用剤は日焼け止め剤の場合がある。
【0012】
本発明の紫外線障害軽減組成物において、前記皮膚外用剤は皮膚疾患用医薬品として用いられる場合がある。
【0013】
前記皮膚疾患は、紅斑、日光皮膚炎、慢性光線皮膚症、光線角化症、光線口唇炎、Favre−Racouchot病、光線過敏症、光接触皮膚炎、ベルロック皮膚炎、光線過敏性薬疹、多形日光疹、種痘様水泡症、日光蕁麻疹、慢性光線過敏性皮膚炎、色素性乾皮症、雀卵斑、ポルフィリン症、ペラグラ、Hartnup病、日光角化症、皮膚筋炎、扁平苔癬、Darier病、毛孔性紅色粃糠疹、酒さ、アトピー性皮膚炎、肝斑、単純性疱疹、エリテマトーデス、扁平上皮癌、基底細胞癌及びBowen病からなるグループから選択される場合がある。
【0014】
本発明の紫外線障害軽減組成物において、前記皮膚疾患用医薬品は皮膚疾患用治療剤の場合がある。
【0015】
本発明の紫外線障害軽減組成物において、前記皮膚疾患用医薬品は皮膚疾患用予防剤の場合がある。
【0016】
本発明の紫外線障害軽減組成物は食品として用いられる場合がある。
【0017】
本発明の紫外線障害軽減組成物は白内障用医薬品として用いられる場合がある。
【0018】
本発明の紫外線障害軽減組成物において、前記白内障用医薬品は、白内障用治療剤又は白内障用予防剤の場合がある。
【0019】
本発明の紫外線障害軽減組成物は点眼薬として適用される場合がある。
【0020】
前記白内障は老人性白内障の場合がある。
【0021】
本発明は、メチオニンと、それらの誘導体及び/又は塩とからなる群から選択される1種類又は2種類以上の化合物を含み、かつ、経口組成物を除く紫外線障害軽減組成物を提供する。前記メチオニンはD−体の場合がある。
【0022】
本発明は、メチオニン及びD−セリンと、それらの誘導体及び/又は塩とからなる群から選択される1種類又は2種類以上の化合物を含む、紫外線障害軽減組成物を投与するステップを含む、紫外線曝露による皮膚疾患を治療及び/又は予防する方法を提供する。前記皮膚疾患は、紅斑、日光皮膚炎、慢性光線皮膚症、光線角化症、光線口唇炎、Favre−Racouchot病、光線過敏症、光接触皮膚炎、ベルロック皮膚炎、光線過敏性薬疹、多形日光疹、種痘様水泡症、日光蕁麻疹、慢性光線過敏性皮膚炎、色素性乾皮症、雀卵斑、ポルフィリン症、ペラグラ、Hartnup病、日光角化症、皮膚筋炎、扁平苔癬、Darier病、毛孔性紅色粃糠疹、酒さ、アトピー性皮膚炎、肝斑、単純性疱疹、エリテマトーデス、扁平上皮癌、基底細胞癌及びBowen病からなるグループから選択される場合がある。前記メチオニンはD−体の場合がある。前記D−セリンの誘導体はD−シクロセリンの場合がある。
【0023】
本発明は、メチオニンと、その誘導体及び/又は塩とからなる群から選択される1種類又は2種類以上の化合物を含み、かつ、経口組成物を除く紫外線障害軽減組成物を投与するステップを含む、紫外線曝露による皮膚疾患を治療及び/又は予防する方法を提供する。前記皮膚疾患は、紅斑、日光皮膚炎、慢性光線皮膚症、光線角化症、光線口唇炎、Favre−Racouchot病、光線過敏症、光接触皮膚炎、ベルロック皮膚炎、光線過敏性薬疹、多形日光疹、種痘様水泡症、日光蕁麻疹、慢性光線過敏性皮膚炎、色素性乾皮症、雀卵斑、ポルフィリン症、ペラグラ、Hartnup病、日光角化症、皮膚筋炎、扁平苔癬、Darier病、毛孔性紅色粃糠疹、酒さ、アトピー性皮膚炎、肝斑、単純性疱疹、エリテマトーデス、扁平上皮癌、基底細胞癌及びBowen病からなるグループから選択される場合がある。前記メチオニンはD−体の場合がある。
【0024】
本発明は、メチオニン及びD−セリンと、それらの誘導体及び/又は塩とからなる群から選択される1種類又は2種類以上の化合物を含む、紫外線障害軽減組成物を投与するステップを含む、皮膚の美容状態の改善方法を提供する。前記皮膚の美容状態の改善方法において、前記メチオニン及びD−セリンと、それらの誘導体及び/又は塩とからなる群から選択される1種類又は2種類以上の化合物を含む、紫外線障害軽減組成物は皮膚外用剤又は食品組成物の場合がある。前記メチオニンはD−体の場合がある。前記D−セリンの誘導体はD−シクロセリンの場合がある。
【0025】
本発明は、メチオニンと、それらの誘導体及び/又は塩とからなる群から選択される1種類又は2種類以上の化合物を含み、かつ、経口組成物を除く紫外線障害軽減組成物を投与するステップを含む、皮膚の美容状態の改善方法を提供する。前記皮膚の美容状態の改善方法において、前記メチオニンと、それらの誘導体及び/又は塩とからなる群から選択される1種類又は2種類以上の化合物を含み、かつ、経口組成物を除く紫外線障害軽減組成物は皮膚外用剤の場合がある。前記メチオニンはD−体の場合がある。
【0026】
本発明の皮膚の美容状態の改善方法において、皮膚の美容状態の改善とは、シワ抑制及び/又は日焼け止めの場合があるが、これらに限定されない。
【0027】
本発明は、メチオニン及びD−セリンと、それらの誘導体及び/又は塩とからなる群から選択される1種類又は2種類以上の化合物を含む組成物を投与するステップを含む、白内障を治療及び/又は予防する方法を提供する。前記メチオニンはD−体の場合がある。前記D−セリンの誘導体はD−シクロセリンの場合がある。
【0028】
本発明の白内障を治療及び/又は予防する方法において、前記白内障用医薬品は点眼薬の場合がある。
【0029】
本発明の白内障を治療及び/又は予防する方法において、前記白内障は老人性白内障の場合がある。
【0030】
本明細書においてメチオニン、D−セリン及びD−シクロセリンの「塩」とは、メチオニン、D−セリン及びD−シクロセリンの紫外線障害の軽減効果を損なわないことを条件として、金属塩、アミン塩等を含むいずれかの塩をいう。前記金属塩は、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩等を含む場合がある。前記アミン塩は、トリエチルアミン塩、ベンジルアミン塩等を含む場合がある。
【0031】
本明細書においてメチオニン及びD−セリンの「誘導体」とは、メチオニン及びD−セリンの紫外線障害の軽減効果を損なわないことを条件として、メチオニン及びD−セリン分子が、アミノ基か、カルボキシル基か、側鎖かにおいて、いずれかの原子団と共有結合したものを指す。前記いずれかの原子団は、N−フェニルアセチル基、4,4’−ジメトキシトリチル(DMT)基等のような保護基と、タンパク質、ペプチド、糖、脂質、核酸等のような生体高分子と、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリビニル、ポリエステル等のような合成高分子と、エステル基等のような官能基とを含むがこれらに限定されない。前記エステル基は、例えば、メチルエステル、エチルエステルその他の脂肪族エステルか、芳香族エステルかを含む場合がある。前記D−セリンの誘導体にはD−シクロセリンのように、アミノ酸のα炭素に隣接するアミノ基及び/又はカルボキシル基と、いずれかの原子団とが複素環を形成する場合がある。
【0032】
アミノ酸には光学異性体としてL−体とD−体とがあるが、天然のタンパク質はL−アミノ酸がペプチド結合したものであり、細菌の細胞壁などの例外を除きL−アミノ酸のみが利用されていることから、ヒトを始めとする哺乳類にはL−アミノ酸のみが存在し、L−アミノ酸のみを利用していると考えられてきた。(木野内忠稔ら、蛋白質 核酸 酵素、50:453−460 (2005)、レーニンジャーの新生化学[上]第2版 pp132−147 (1993) 廣川書店、ハーパー・生化学 原書22版 pp21−30(1991) 丸善)したがって、従前より、学術的にも産業的にもアミノ酸としてはL−アミノ酸のみが専ら使用されてきた。
【0033】
例外的にD−アミノ酸が使用されるケースとしては、細菌に産生させる抗生物質の原料として使用する場合、およびアミノ酸を化学合成した際に等量得られるL−アミノ酸とD−アミノ酸混合物からL−アミノ酸のみを分取するコストを省くために、そのままDL−アミノ酸混合物としてD−アミノ酸を使用している食品添加物の例がある。しかし、L−アミノ酸を含まないD−アミノ酸だけを生理活性物質として産業的に使用している例は従来なかった。
【0034】
D−セリンやD−アスパラギン酸はD−体の割合が高いことから比較的研究が進んでいる。D−セリンは大脳、海馬に局在し、脳内のNMDA受容体の調節因子で明らかにされている。D−アスパラギン酸は精巣や松果体に局在が認められ、ホルモン分泌の制御に関与していることが示されている(特開2005−3558号公報)。しかし、皮膚におけるD−セリンやD−アスパラギン酸の生理作用は明らかにされていない。
【0035】
以下の実施例に示すとおり、L−体又はD−体か、その混合物かとしてのメチオニンと、D−セリンと、D−シクロセリンとについて紫外線障害を軽減する効果はこれまで知られていなかった。したがって本発明のメチオニン、D−セリン及び/又はD−シクロセリンを含む紫外線障害軽減組成物は新規発明である。
【0036】
近年、ddYマウスに10mMのD−アミノ酸水溶液を2週間自由摂取させた後、各器官でD−アミノ酸濃度を測定したところ、松果体では松果体1腺あたり3−1000pmolであり、脳組織では湿質量1グラムあたり2−500nmolであることが報告された(Morikawa,A.ら、Amino Acids,32:13−20(2007))。これに基づいて、以下に説明する本発明の組成物に含まれるメチオニン、D−セリン及びD−シクロセリンの一日摂取量の下限が算出された。
【0037】
本発明のメチオニンは、以下の実施例に示すとおり、培養ヒト線維芽細胞に対して0.001〜100μMの濃度範囲で紫外線障害を軽減する効果を有する。したがって、本発明の医薬品組成物と、シワ抑制剤及び日焼け止め剤と、皮膚外用剤と、白内障用医薬品とに含まれるメチオニンの量は、この濃度範囲のメチオニンが生体皮膚組織の線維芽細胞に送達されることを条件として、いかなる含有量であってもかまわない。本発明の組成物が外用剤の場合におけるメチオニンの含有量は、本発明の組成物全量中0.0000015質量%から50質量%か配合可能な最大質量濃度かまでの範囲であればよい。すなわち前記組成物が外用剤の場合におけるメチオニンの含有量は、0.000003質量%〜30質量%が望ましく、0.00003質量%〜3質量%が最も望ましい。なお、本発明の組成物に含まれるD−メチオニンの一日摂取量の下限は、体重1kgあたり0.01ngであればよく、0.1ngが好ましく、1ngがより好ましい。本発明の組成物に含まれるL−メチオニンの一日摂取量の下限は、臨床薬の投与量(体重1kgあたり2mg以上)より少ない量であって、体重1kgあたり0.01mgであればよく、0.1mgが好ましく、1mgがより好ましい。
【0038】
本発明のD−セリンは、以下の実施例に示すとおり、培養ヒト線維芽細胞に対して0.01〜100μMの濃度範囲で紫外線障害を軽減する効果を有する。したがって、本発明の医薬品組成物と、シワ抑制剤及び日焼け止め剤と、皮膚外用剤と、食品組成物と、白内障用医薬品とに含まれるD−セリンの量は、この濃度範囲のD−セリンが生体皮膚組織の線維芽細胞に送達されることを条件として、いかなる含有量であってもかまわない。本発明の組成物が外用剤の場合におけるD−セリンの含有量は、本発明の組成物全量中0.000015質量%から50質量%か配合可能な最大質量濃度かまでの範囲であればよい。すなわち前記組成物が外用剤の場合におけるD−セリンの含有量は、0.00003質量%〜30質量%が望ましく、0.0003質量%〜3質量%が最も望ましい。本発明の組成物が内服剤の場合におけるD−セリンの含有量は、0.00001質量%〜100質量%の範囲であればよい。本発明の組成物が内服剤の場合におけるD−セリンの含有量は、0.00002質量%〜80質量%が望ましく、0.0002質量%〜60質量%であることが最も望ましい。なお、本発明の組成物に含まれるD−セリンの一日摂取量の下限は体重1kgあたり0.01ngであればよく、0.1ngが好ましく、1ngがより好ましい。
【0039】
本発明のD−シクロセリンは、以下の実施例に示すとおり、培養ヒト線維芽細胞に対して1〜100μMの濃度範囲で紫外線障害を軽減する効果を有する。したがって、本発明の医薬品組成物と、シワ抑制剤及び日焼け止め剤と、皮膚外用剤と、食品組成物と、白内障用医薬品とに含まれるD−シクロセリンの量は、この濃度範囲のD−シクロセリンが生体皮膚組織の線維芽細胞に送達されることを条件として、いかなる含有量であってもかまわない。本発明の組成物が外用剤の場合におけるD−シクロセリンの含有量は、本発明の組成物全量中0.0000015質量%から50質量%か配合可能な最大質量濃度かまでの範囲であればよい。すなわち前記組成物が外用剤の場合におけるD−シクロセリンの含有量は、0.000003質量%〜30質量%が望ましく、0.00003質量%〜3質量%が最も望ましい。なお、本発明の組成物に含まれるD−シクロセリンの一日摂取量の下限は、体重1kgあたり0.01μgであればよく、0.1μgが好ましく、1μgがより好ましい。
【0040】
本発明の医薬品組成物は、メチオニン及びD−セリン、メチオニン及びD−セリンの塩、及び/又は、生体内で薬物代謝酵素その他によってメチオニン及びD−セリンを放出できる誘導体に加えて、メチオニン及びD−セリンの紫外線障害の軽減効果を損なわないことを条件として、さらに1種類又は2種類以上の薬学的に許容される添加物を含む場合がある。前記添加物は、希釈剤及び膨張剤と、結合剤及び接着剤と、滑剤と、流動促進剤と、可塑剤と、崩壊剤と、担体溶媒と、緩衝剤と、着色料と、香料と、甘味料と、防腐剤及び安定化剤と、吸着剤と、当業者に知られたその他の医薬品添加剤とを含むが、これらに限られない。
【0041】
本発明のシワ抑制剤及び/又は日焼け止め剤は、有効成分として、メチオニン、D−セリン及びD−シクロセリン、メチオニン、D−セリン及びD−シクロセリンの塩、及び/又は、生体内で薬物代謝酵素その他によってメチオニン、D−セリン及びD−シクロセリンを放出できる誘導体のみを使用して調製することも可能であるが、通常本発明の効果を損なわない範囲で、医薬部外品を含む化粧品や医薬品等の皮膚外用剤等に用いられる他の成分を、必要に応じて適宜配合することができる。前記他の成分(任意配合成分)としては、例えば、油分、界面活性剤、粉末、色材、水、アルコール類、増粘剤、キレート剤、シリコーン類、酸化防止剤、紫外線吸収剤、保湿剤、香料、各種薬効成分、防腐剤、pH調整剤、中和剤等が挙げられる。
【0042】
本発明の皮膚外用剤とは、例えば軟膏、クリーム、乳液、ローション、パック、浴用剤等、従来皮膚外用剤及び化粧品組成物に用いるものであればいずれでもよく、剤型は特に問わない。
【0043】
本発明の皮膚外用剤は、メチオニン、D−セリン及びD−シクロセリンの紫外線障害の軽減効果を損なわないことを条件として、医薬部外品を含む化粧品や医薬品等の皮膚外用剤等に用いられる他の成分を、必要に応じて適宜配合することができる。前記他の成分(任意配合成分)としては、例えば、油分、界面活性剤、粉末、色材、水、アルコール類、増粘剤、キレート剤、シリコーン類、酸化防止剤、紫外線吸収剤、保湿剤、香料、各種薬効成分、防腐剤、pH調整剤、中和剤等が挙げられる。
【0044】
本発明の食品組成物は、D−セリン及びD−シクロセリン、D−セリン及びD−シクロセリンの塩、及び/又は、生体内で薬物代謝酵素その他によってD−セリン及びD−シクロセリンを放出できる誘導体に加えて、D−セリン及びD−シクロセリンの紫外線障害の軽減効果を損なわないことを条件として、調味料、着色料、保存料その他の食品として許容される成分を含む場合がある。
【0045】
本発明の食品組成物は、例えば、清涼飲料、グミ、キャンディー、錠菓等、従来食品組成物に用いるものであればいずれでもよく、前記例示に限定されるものでない。
【図面の簡単な説明】
【0046】
図1】正常ヒト真皮線維芽細胞での紫外線照射前のL−又はD−メチオニン添加の効果を示すグラフ。
図2】正常ヒト真皮線維芽細胞での紫外線照射前のD−メチオニン添加の効果を示すグラフ。
図3】正常ヒト真皮線維芽細胞での紫外線照射後のD−メチオニン添加の効果を示すグラフ。
図4】正常ヒト真皮線維芽細胞での紫外線照射前のL−又はD−セリン添加の効果を示すグラフ。
図5】正常ヒト真皮線維芽細胞での紫外線照射前のD−セリン添加の効果を示すグラフ。
図6】正常ヒト真皮線維芽細胞での紫外線照射後のD−セリン添加の効果を示すグラフ。
図7】正常ヒト真皮線維芽細胞での紫外線照射後のD−シクロセリン添加の効果を示すグラフ。
【発明を実施するための形態】
【0047】
以下に説明する本発明の実施例は例示のみを目的とし、本発明の技術的範囲を限定するものではない。本発明の技術的範囲は特許請求の範囲の記載によってのみ限定される。
【0048】
本明細書において言及される全ての文献はその全体が引用により本明細書に取り込まれる。
【実施例1】
【0049】
メチオニンの紫外線障害軽減効果
方法
細胞培養
細胞は、市販のヒト新生児真皮線維芽細胞(Cryo NHDF−Neo、三光純薬)が用いられた。前記細胞は2x105個/mLとなるように市販の35mm径の培養ディッシュ(BD FALCON 353001、日本ベクトン・ディッキンソン)に播種され、市販の細胞培養用培地(D−MEM(1g/Lグルコース)、和光純薬)に牛胎児血清を10%添加した培地(以下、「通常培地」という。)を用いて培養された。前記細胞は、前記通常培地に抗生物質(15240−062、GIBCO)を1%添加した培地で培養される場合がある。前記細胞は、37°C、5%CO2及び飽和水蒸気雰囲気下で約24時間培養された。
【0050】
その後前記細胞を培養する培地は、グルタチオンの生合成阻害剤であるBSO(L−buthionine−(S,R)−sulfoximine、和光純薬)を1×10-3%添加したBSO培地1mLに切り替えられ、37°C、5%CO2及び飽和水蒸気雰囲気下で約24時間培養された。前記BSO培地は、0.2%BSOをエチルアルコールに溶解した保存用原液を前記通常培地に200倍希釈して調製された。
【0051】
紫外線照射前のアミノ酸添加
紫外線照射前のメチオニン添加(以下、「メチオニンの照射前添加」という。)の効果を検討する場合には、照射24時間前に0.0001ないし100μMのL−メチオニン(131−01603、和光純薬)又はD−メチオニン(2807、ペプチド研究所)を添加したBSO培地に切り換えた。0.1μMのD−プロリン(165−14671、和光純薬)を添加した培地に切り換えた後の紫外線照射を陽性対照とし、これらのアミノ酸を添加しない培地のままでの紫外線照射を陰性対照とした。
【0052】
紫外線照射用培地
塩化鉄(II)を蒸留水に2×10-3%となるように溶解し、その溶解液を200倍希釈(終濃度1×10-5%)となるようにカルシウムイオン、マグネシウムイオンを含んだリン酸緩衝生理食塩水PBS(+)で希釈して作製した培地(以下、「紫外線照射用培地」という。)を37°Cに予め加温して用いた。
【0053】
紫外線照射
UV−A照射前に培地は前記紫外線照射用培地1mLに置換された。UV−A照射は紫外光均一露光装置UVE−502S+EL−160(三永電機製作所)を用いて、培養ディッシュの蓋を除去した状態で該培養ディッシュのおよそ20cm上部から320nmないし400nmの紫外線を8又は9J/cm2で照射して実施された。紫外線量はUV RADIOMETER UVR−3036/S(株式会社トプコン)を用いて測定された。
【0054】
紫外線照射後のアミノ酸添加
8J/cm2のUV−A照射後に、前記通常培地に戻して40時間、37°C、5%CO2及び飽和水蒸気雰囲気下で培養された。紫外線照射後のメチオニン添加(以下、「メチオニンの照射後添加」という。)の効果を検討する場合には、この40時間の培養の培地に0.001ないし100μMのL−又はD−メチオニンを添加した。0.1μMのD−プロリンを添加した培地に切り換えた後の紫外線照射を陽性対照とし、これらのアミノ酸を添加しない培地のままでの紫外線照射を陰性対照とした。
【0055】
照射前添加及び照射後添加時の細胞障害の定量
その後、培地にalamarBlue(商標、Biosource、バイオソース・インターナショナル及びInvitrogen)を最終濃度10%となるように添加し、3時間後に、Ahmed S.A.ら、(J. Immunol. Method. 170,211−224(1994))及び製造者の指示書に従って励起波長544nm、蛍光波長590nmで上清の蛍光強度を測定した。生細胞率(%)は、各実験条件でのalamarBlueの蛍光強度をアミノ酸を添加しない陰性対照群の蛍光強度で除算した商の百分率として計算された。
【0056】
メチオニンの照射前添加の結果(1)
図1にUV−A 9J/cm2の紫外線照射による線維芽細胞の障害に対するL−及びD−メチオニンの効果を調べた実験結果を示す。各実験条件の誤差棒は同一条件で4回繰り返した実験結果の測定値の標準偏差を示す。また、Bonferroni/Dunn検定において、アステリスク(*)はp値が5%未満、アステリスク(**)はp値が1%未満、アステリスク(***)はp値が0.1%未満であることを示す。
【0057】
UV−A 9J/cm2の照射前にアミノ酸非添加の場合(陰性対照)の生細胞率は24%であった。0.1μMのD−プロリンの照射前添加の場合(陽性対照)の生細胞率は100%であり、細胞死は抑制された。0.01μM、0.1μM、1μM、10μM又は100μMのD−メチオニンの照射前添加の場合の生細胞率は、102%、81%、97%、114%又は76%であった。0.001μM、0.01μM、0.1μM、1μM、10μM又は100μMのL−メチオニンの照射前添加の場合の生細胞率は、40%、72%、67%、45%、73%又は62%であった。以上の結果から、L−又はD−メチオニンを添加すると生細胞率が増大し、細胞死が軽減された。
【0058】
メチオニンの照射前添加の結果(2)
図2にUV−A 9J/cm2の紫外線照射による線維芽細胞の障害に対するD−メチオニンの効果を調べた実験結果を示す。各実験条件の誤差棒は同一条件で3〜4回繰り返した実験結果の測定値の標準偏差を示す。また、Bonferroni/Dunn検定において、アステリスク(*)は5%未満であることを示す。
【0059】
紫外線非照射かつアミノ酸非添加(以下、「紫外線非照射」という。)時の生細胞率(%)は100%であった。UV−A 9J/cm2の照射前にアミノ酸非添加の場合(陰性対照)の生細胞率は69%であった。0.1μMのD−プロリンの照射前添加の場合(陽性対照)の生細胞率は88%であり、細胞死は抑制された。0.0001μM及び0.1μMのD−メチオニンの照射前添加の場合の生細胞率は、50%及び101%であった。以上の結果から、紫外線照射による細胞障害は、0.0001μMのD−メチオニンを添加すると生細胞率は増大しないが、0.1μMのD−メチオニンを添加すると生細胞率は増大し、細胞死が軽減された。
【0060】
メチオニンの照射後添加の結果
図3にUV−A 8J/cm2の紫外線照射による線維芽細胞の障害に対するD−メチオニンの効果を調べた実験結果を示す。各実験条件の誤差棒は同一条件で4回繰り返した実験結果の測定値の標準偏差を示す。また、アステリスク(***)はBonferroni/Dunn検定でp値が0.1%未満であることを示す。
【0061】
UV−A 8J/cm2の照射後にアミノ酸非添加の場合(陰性対照)の生細胞率は64%であった。0.1μMのD−プロリンの照射後添加の場合の生細胞率は82%に増大し、細胞死が軽減された。0.01μM、0.1μM、1μM、10μM又は100μMのD−メチオニンの照射後添加の場合の生細胞率は、93%、84%、82%、81%又は約87%であった。以上の結果から、D−メチオニンを添加すると生細胞率が増大し、細胞死は軽減された。なお細胞死の軽減効果は、D−メチオニンを紫外線照射の前後いずれかに添加するかには関係がないことが示された。また、L−メチオニンも紫外線照射による細胞死を軽減する。したがって、L−メチオニンを紫外線照射の前後いずれかに添加するかには関係がないと示唆された。
【実施例2】
【0062】
セリンの紫外線障害軽減効果
方法
細胞培養、紫外線照射前のアミノ酸添加、紫外線照射、紫外線照射後のアミノ酸添加及び細胞障害の定量は、実施例1と同様に行われた。紫外線(UV−A)は、7.5又は9J/cm2で照射された。紫外線照射前のセリン添加(以下、「セリンの照射前添加」という。)と、紫外線照射後のセリン添加(以下、「セリンの照射後添加」という。)との効果を検討する場合には、0.0001ないし100μMのL−セリン(197−00403、和光純薬)及びD−セリン(197−08823、和光純薬)が用いられた。セリンの照射後添加の効果は、細胞に7.5J/cm2のUV−A照射後、通常培地に戻して21時間培養し、この21時間の培養の培地にD−セリンを添加して評価された。
【0063】
セリンの照射前添加の結果(1)
図4にUV―A 9J/cm2の紫外線照射による線維芽細胞の障害に対するL−及びD−セリンの照射前添加の効果を調べた実験結果を示す。各実験条件の誤差棒は同一条件で4ないし6回繰り返した実験結果の測定値の標準偏差を示す。また、アステリスク(*)はBonferroni/Dunn検定でp値が5%未満であることを示す。
【0064】
紫外線非照射時のalamarBlue(商標)の蛍光強度は794であった。9J/cm2のUV−A照射前にアミノ酸非添加の場合(陰性対照)の蛍光強度は140であった。0.1μMのD−プロリンの照射前添加(陽性対照)の場合の蛍光強度は610に増大し、細胞障害が軽減された。0.01μM、0.1μM、1μM又は10μMのD−セリンの照射前添加の場合の蛍光強度は、445、402、371又は491であった。0.1μM、1μM又は10μMのL−セリンの照射前添加の場合の蛍光強度は、265、227又は270であった。以上の結果から、L−セリンの照射前添加では、細胞障害はほとんど軽減されなかった。しかし、D−セリンの照射前添加では、統計的に有意に蛍光強度は増大し、細胞障害が軽減された。
【0065】
セリンの照射前添加の結果(2)
図5にUV―A 8J/cm2の紫外線照射による線維芽細胞の障害に対するD−セリンの照射前添加の効果を調べた実験結果を示す。各実験条件の誤差棒は同一条件で4回繰り返した実験結果の測定値の標準偏差を示す。また、アステリスク(*)はBonferroni/Dunn検定でp値が5%未満であることを示す。
【0066】
紫外線非照射時の生細胞率は100%であった。UV−A 8J/cm2の照射前にアミノ酸非添加の場合(陰性対照)の生細胞率は77%であった。0.0001μM、0.01μM及び10μMのD−セリンの照射前添加の場合の生細胞率は、74%、92%及び93%であった。以上の結果から、紫外線照射による細胞障害は、0.0001μMのD−セリンを添加すると生細胞率は増大しないが、0.1μM及び10μMのD−セリンを添加すると生細胞率は増大し、細胞死が軽減された。
【0067】
セリンの照射後添加の結果
図6にUV−A 7.5J/cm2の紫外線照射による線維芽細胞の障害に対するD−セリンの照射後添加の効果を調べた実験結果を示す。各実験条件の誤差棒は同一条件で8回繰り返した実験結果の測定値の標準偏差を示す。また、アステリスク(*)はBonferroni/Dunn検定でp値が5%未満であることを示す。
【0068】
紫外線非照射時のalamarBlue(商標)の蛍光強度は764であった。7.5J/cm2のUV−A照射後にアミノ酸非添加の場合(陰性対照)の蛍光強度は348であった。0.1μMのD−プロリンの照射後添加の場合(陽性対照)の蛍光強度は579に増大し、細胞障害が軽減された。0.01μM、0.1μM、1μM、10μM又は100μMのD−セリンの照射後添加の場合の蛍光強度は、697、735、742、664又は663であった。以上の結果から、D−セリンの照射後添加では、統計的に有意に蛍光強度は増大し、細胞障害が軽減された。また、細胞障害の軽減効果はD−セリンを紫外線照射の前後いずれかに添加するかには関係がないことが示された。
【実施例3】
【0069】
D−シクロセリンの紫外線障害軽減効果
方法
細胞培養、紫外線照射前のアミノ酸添加、紫外線照射、紫外線照射後のアミノ酸添加及び細胞障害の定量は、実施例1と同様に行われた。紫外線(UV−A)は、9J/cm2で照射された。紫外線照射前のD−シクロセリン添加(以下、「D−シクロセリンの照射前添加」という。)の効果を検討する場合には、0.0001ないし100μMのD−シクロセリン(C6880、Sigma)が用いられた。
【0070】
D−シクロセリンの照射前添加の結果
図7にUV―A 9J/cm2の紫外線照射による線維芽細胞の障害に対するD−シクロセリンの照射前添加の効果を調べた実験結果を示す。各実験条件の誤差棒は同一条件で3〜4回繰り返した実験結果の測定値の標準偏差を示す。また、記号(+)及びアステリスク(***)それぞれはBonferroni/Dunn検定でp値が10%未満及び0.1%未満であることを示す。
【0071】
UV−A 9J/cm2の照射前にアミノ酸非添加の場合(陰性対照)の生細胞率は53%であった。0.1nM、10nM、100nM、1μM、10μM及び100μMのD−シクロセリンの照射前添加の場合の生細胞率は、60%、60%、63%、74%、69%及び109%であった。以上の結果から、D−シクロセリンを添加すると生細胞率が増大し、細胞死が軽減された。
【0072】
本発明にもとづいてメチオニン、D−セリン及び/又はD−シクロセリンを含む、乳液製剤、貼付剤、錠剤、ソフトカプセル、顆粒、ドリンク、キャンディー、クッキー、味噌、フレンチドレッシング、マヨネーズ、フランスパン、醤油、ヨーグルト、ふりかけ、調味料・納豆のたれ、納豆、もろみ黒酢、クリーム、ボディー用クリーム、ジェル剤、ピールオフマスク、含浸マスク、乳液、化粧水及びエアゾール剤の配合例を以下に示す。以下の配合例におけるメチオニンは、D−体及び/又はL−体である。これらの配合例は例示を目的として列挙されるものであって本発明の技術的範囲を限定することを意図するものではない。
【0073】
配合例1(乳液製剤)
(組成物) 配合量(質量%)
メチオニン、
D−セリン及び/又はD−シクロセリン 0.42
ベヘニルアルコール 0.2
セタノール 0.5
グリセリンモノ脂肪酸エステル 1.8
硬化ヒマシ油POE(60) 1.0
白色ワセリン 2.0
流動パラフィン 10.0
ミリスチン酸イソプロピル 3.0
メチルポリシロキサン(6cs) 1.5
濃グリセリン 13.0
ジプロピレングリコール 2.0
カルボキシビニルポリマー 0.25
ヒアルロン酸ナトリウム 0.005
水酸化カリウム 適量
乳酸 適量
エデト酸ナトリウム 適量
エチルパラベン 適量
精製水 残余

100.000
【0074】
配合例2(貼付剤)
(組成物) 配合量(質量%)
メチオニン、
D−セリン及び/又はD−シクロセリン 0.3
ポリアクリル酸 3.0
ポリアクリル酸ナトリウム 2.5
ゼラチン 0.5
カルボキシメチルセルロースナトリウム 4.0
ポリビニルアルコール 0.3
濃グリセリン 14.0
1,3−ブチレングリコール 12.0
水酸化アルミニウム 0.1
エデト酸ナトリウム 0.03
メチルパラベン 0.1
精製水 残余

100.00
【0075】
配合例3(錠剤)
(組成物) 配合量(mg/1錠中)
D−セリン及び/又はD−シクロセリン 360.5
乳糖 102.4
カルボキシメチルセルロースカルシウム 29.9
ヒドロキシプロピルセルロース 6.8
ステアリン酸マグネシウム 5.2
結晶セルロース 10.2

515.0
【0076】
配合例4(錠剤)
(組成物) 配合量(mg/1錠中)
ショ糖エステル 70
結晶セルロース 74
メチルセルロース 36
グリセリン 25
D−セリン及び/又はD−シクロセリン 475
N−アセチルグルコサミン 200
ヒアルロン酸 150
ビタミンE 30
ビタミンB6 20
ビタミンB2 10
α−リポ酸 20
コエンザイムQ10 40
セラミド(コンニャク抽出物) 50
L−プロリン 300

1500
【0077】
配合例5(ソフトカプセル)
(組成物) 配合量(mg/1カプセル中)
食用大豆油 530
トチュウエキス 50
ニンジンエキス 50
D−セリン及び/又はD−シクロセリン 100
ローヤルゼリー 50
マカ 30
GABA 30
ミツロウ 60
ゼラチン 375
グリセリン 120
グリセリン脂肪酸エステル 105

1500
【0078】
配合例6(ソフトカプセル)
(組成物) 配合量(mg/1カプセル中)
玄米胚芽油 659
D−セリン及び/又はD−シクロセリン 500
レスベラトロール 1
ハス胚芽エキス 100
エラスチン 180
DNA 30
葉酸 30

1500
【0079】
配合例7(顆粒)
(組成物) 配合量(mg/1包中)
D−セリン及び/又はD−シクロセリン 400
ビタミンC 100
大豆イソフラボン 250
還元乳糖 300
大豆オリゴ糖 36
エリスリトール 36
デキストリン 30
香料 24
クエン酸 24

1200
【0080】
配合例8(ドリンク)
(組成物) 配合量(g/60mL中)
トチュウエキス 1.6
ニンジンエキス 1.6
D−セリン及び/又はD−シクロセリン 1.6
還元麦芽糖水飴 28
エリスリトール 8
クエン酸 2
香料 1.3
N−アセチルグルコサミン 1
ヒアルロン酸Na 0.5
ビタミンE 0.3
ビタミンB6 0.2
ビタミンB2 0.1
α−リポ酸 0.2
コエンザイムQ10 1.2
セラミド(コンニャク抽出物) 0.4
L−プロリン 2
精製水 残余

60
【0081】
配合例9(キャンディー)
(組成物) 配合量(質量%)
砂糖 50
水飴 48
D−セリン及び/又はD−シクロセリン 1
香料 1

100
【0082】
配合例10(クッキー)
(組成物) 配合量(質量%)
薄力粉 45.0
バター 17.5
グラニュー糖 20.0
D−セリン及び/又はD−シクロセリン 4.0
卵 12.5
香料 1.0

100.0
【0083】
配合例10(クッキー)の製造方法
バターを撹拌しながらグラニュー糖を徐々に添加し、卵と、D−セリン及び/又はD−シクロセリンと、香料とを添加して撹拌した。十分に混合した後、均一に振るった薄力粉を加えて低速で撹拌し、塊状で冷蔵庫で寝かせた。その後、成型し170°C15分間焼成しクッキーとした。
【0084】
配合例11(味噌)
(組成物) 配合量(g)
大豆 1000
米麹 1000
塩 420
D−セリン及び/又はD−シクロセリン 158
水 残余

4000
【0085】
配合例11(味噌)の製造方法
米こうじと塩とをよく混ぜ合わせる。洗浄した大豆を3倍量の水に一晩つけた後に水を切り、新しい水を加えながら煮込み、ざるにあける。煮汁(種水)を集め、D−セリン及び/又はD−シクロセリンを10%w/vとなるように溶解する。煮あがった豆を直ちにすりつぶし、塩を混ぜた米麹を加えて、上記のD−セリン及び/又はD−シクロセリンを溶解した種水を足しながら粘土程の固さになるまでむらなく混ぜ合わせる。団子状に丸めたものを桶に隙間のない様に隅々まで、しっかりと詰め込み、表面を平らにしてラップで覆い密封する。3箇月後に容器を移し変え、表面を平らにしてラップで覆う。なお、D−セリン及び/又はD−シクロセリンを種水に加える代わりに、D−セリン及び/又はD−シクロセリンを多く産生する米麹を用いてもよい。前記米麹を得るには、特開2008−185558に記載の方法でD−セリン及び/又はD−シクロセリンを定量することにより選抜することができる。また、市販の味噌にD−セリン及び/又はD−シクロセリンか、それらの塩かを加えてもよい。
【0086】
配合例12(フレンチドレッシング)
(組成物) 配合量(g)
サラダ油 27.0
酢 30.0
塩化ナトリウム 0.9
D−セリン及び/又はD−シクロセリン 1.1
胡椒 1.0

60.0
【0087】
配合例12(フレンチドレッシング)の製造方法
酢に塩化ナトリウムと、D−セリン及び/又はD−シクロセリンとを加えた後に、よく攪拌して溶解する。サラダ油を加えて、よく攪拌し胡椒を加える。
【0088】
配合例13(マヨネーズ)
(組成物) 配合量(g)
サラダ油 134.0
酢 5
塩化ナトリウム 0.9
D−セリン及び/又はD−シクロセリン 1
卵黄 18
砂糖 0.2
胡椒 0.9

160.0
【0089】
配合例13(マヨネーズ)の製造方法
卵黄(室温)に酢と、塩化ナトリウムと、D−セリン及び/又はD−シクロセリンと、胡椒とを加えて、泡立て器で十分に攪拌する。サラダ油を少しずつ加えながら攪拌を継続してエマルジョンにする。最後に砂糖を加えて攪拌する。
【0090】
配合例14(フランスパン)
(組成物) 配合量(g)
強力粉 140
薄力粉 60
塩化ナトリウム 3
砂糖 6
D−セリン及び/又はD−シクロセリン 2
ドライイースト 4
ぬるま湯 128

343
【0091】
配合例14(フランスパン)の製造方法
ぬるま湯に砂糖1g及びドライイーストを入れて予備発酵させる。強力粉と、薄力粉と、塩化ナトリウムと、砂糖5gと、D−セリン及び/又はD−シクロセリンとをボウルに入れ、その中に予備発酵させたイーストを入れる。十分捏ねた後に球状にして30°Cで一次発酵させる。生地を再度捏ねてから休ませた後に適当な形に整形して電子発酵機を用いて最終発酵させる。クープを入れて220°Cのオーブンで30分間焼く。
【0092】
配合例15(醤油)
(組成物) 配合量(g)
市販の醤油 900
D−セリン及び/又はD−シクロセリン 100

1000
【0093】
配合例15(醤油)の製造方法
市販の醤油にD−セリン及び/又はD−シクロセリンを加えてよく攪拌する。また、D−セリン及び/又はD−シクロセリンか、それらの塩かを加える代わりに、D−セリン及び/又はD−シクロセリンを多く産生する麹を用いて醤油を醸造してもよい。前記麹を得るには、特開2008−185558に記載の方法でD−セリン及び/又はD−シクロセリンを定量することにより選抜することができる。
【0094】
配合例16(ヨーグルト)
(組成物) 配合量(g)
牛乳 880
L.ブルガリカス菌 50
S.サーモフィルス菌 50
D−セリン及び/又はD−シクロセリン 20

1000
【0095】
配合例16(ヨーグルト)の製造方法
40°C〜45°Cで発酵させる。他の市販の種菌を用いてもよく、市販のヨーグルトにD−セリン及び/又はD−シクロセリンを加えてもよい。また、D−セリン及び/又はD−シクロセリンか、それらの塩かを加える代わりに、D−セリン及び/又はD−シクロセリンを多く産生する菌を用いてもよい。前記菌を得るには、特開2008−185558に記載の方法でD−セリン及び/又はD−シクロセリンを定量することにより選抜することができる。
【0096】
配合例17(ふりかけ)
(組成物) 配合量(g)
D−セリン及び/又はD−シクロセリン 50
のり 15
L−グルタミン酸Na 10
塩化ナトリウム 2
煎りごま 10
さば削り節 10
砂糖 1
醤油 2

100
【0097】
配合例18(調味料・納豆のたれ)
(組成物) 配合量(g)
市販の納豆のたれ 9
D−セリン及び/又はD−シクロセリン 1

10
【0098】
配合例19(納豆)
(組成物) 配合量(g)
市販の納豆 19.9
D−セリン及び/又はD−シクロセリン 0.1

20
【0099】
配合例19(納豆)の製造方法
D−セリン及び/又はD−シクロセリンか、それらの塩かを加える代わりに、D−セリン及び/又はD−シクロセリンを多く産生する菌を用いて納豆を作ってもよい。前記菌を得るには、特開2008−185558に記載の方法でD−セリン及び/又はD−シクロセリンを定量することにより選抜することができる。
【0100】
配合例20(もろみ黒酢)
(組成物) 配合量(g)
市販のもろみ黒酢 900
D−セリン及び/又はD−シクロセリン 100

1000
【0101】
配合例20(もろみ黒酢)の製造方法
D−セリン及び/又はD−シクロセリンか、それらの塩かを加える代わりに、D−セリン及び/又はD−シクロセリンを多く産生する菌を用いて酢、黒酢、もろみを作ってもよい。前記菌を得るには、特開2008−185558に記載の方法でD−セリン及び/又はD−シクロセリンを定量することにより選抜することができる。
【0102】
配合例21(クリーム)
(組成物) 配合量(質量%)
流動パラフィン 3
ワセリン 1
ジメチルポリシロキサン 1
ステアリルアルコール 1.8
ベヘニルアルコール 1.6
グリセリン 8
ジプロピレングリコール 5
マカデミアナッツ油 2
硬化油 3
スクワラン 6
ステアリン酸 2
ヒドロキシステアリン酸コレステリル 0.5
2−エチルヘキサン酸セチル 4
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 0.5
自己乳化型モノステアリン酸グリセリン 3
水酸化カリウム 0.15
ヘキサメタリン酸ナトリウム 0.05
トリメチルグリシン 2
α−トコフェロール 2−L−アスコルビン酸
リン酸ジエステルカリウム 1
酢酸トコフェロール 0.1
メチオニン、
D−セリン及び/又はD−シクロセリン 4
パラベン 適量
エデト酸3ナトリウム 0.05
4−t−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン 0.05
ジパラメトキシ桂皮酸モノ−2−エチルヘキサン酸グリセリル 0.05
色剤 適量
カルボキシビニルポリマー 0.05
精製水 残余

100.00
【0103】
配合例22(ボディー用クリーム)
(組成物) 配合量(質量%)
ジメチルポリシロキサン 3
デカメチルシクロペンタシロキサン 13
ドデカメチルシクロヘキサシロキサン 12
ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体 1
エタノール 2
イソプロパノール 1
グリセリン 3
ジプロピレングリコール 5
ポリエチレングリコール6000 5
ヘキサメタリン酸ナトリウム 0.05
酢酸トコフェロール 0.1
D−セリン及び/又はD−シクロセリン 5
ウイキョウエキス 0.1
ハマメリスエキス 0.1
ニンジンエキス 0.1
L−メントール 適量
パラオキシ安息香酸エステル 適量
エデト酸三ナトリウム 0.05
ジモルホリノピリダジノン 0.01
トリメトキシ桂皮酸メチルビス(トリメチルシロキシ)
シリルイソペンチル 0.1
黄酸化鉄 適量
チタン酸コバルト 適量
ジメチルジステアリルアンモニウムヘクトライト 1.5
ポリビニルアルコール 0.1
ヒドロキシエチルセルロース 0.1
トリメチルシロキシケイ酸 2
香料 適量
精製水 残余

100.00
【0104】
配合例23(ボディー用クリーム)
(組成物) 配合量(質量%)
ジメチルポリシロキサン 3
デカメチルシクロペンタシロキサン 13
ドデカメチルシクロヘキサシロキサン 12
ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体 1
エタノール 2
イソプロパノール 1
グリセリン 3
ジプロピレングリコール 5
ポリエチレングリコール6000 5
ヘキサメタリン酸ナトリウム 0.05
酢酸トコフェロール 0.1
メチオニン 3
ウイキョウエキス 0.1
ハマメリスエキス 0.1
ニンジンエキス 0.1
L−メントール 適量
パラオキシ安息香酸エステル 適量
エデト酸三ナトリウム 0.05
ジモルホリノピリダジノン 0.01
トリメトキシ桂皮酸メチルビス(トリメチルシロキシ)
シリルイソペンチル 0.1
黄酸化鉄 適量
チタン酸コバルト 適量
ジメチルジステアリルアンモニウムヘクトライト 1.5
ポリビニルアルコール 0.1
ヒドロキシエチルセルロース 0.1
トリメチルシロキシケイ酸 2
香料 適量
精製水 残余

100.00
【0105】
配合例24(ジェル剤)
(組成物) 配合量(質量%)
ジメチルポリシロキサン 5
グリセリン 2
1,3−ブチレングリコール 5
ポリエチレングリコール1500 3
ポリエチレングリコール20000 3
オクタン酸セチル 3
クエン酸 0.01
クエン酸ナトリウム 0.1
ヘキサメタリン酸ナトリウム 0.1
グリチルリチン酸ジカリウム 0.1
メチオニン、
D−セリン及び/又はD−シクロセリン 2
酢酸トコフェロール 0.1
オウゴンエキス 0.1
ユキノシタエキス 0.1
エデト酸三ナトリウム 0.1
キサンタンガム 0.3
アクリル酸・メタクリル酸
アルキル共重合体(ペミュレンTR−2) 0.05
寒天末 1.5
フェノキシエタノール 適量
ジブチルヒドロキシトルエン 適量
精製水 残余

100.00
【0106】
配合例25(ピールオフマスク)
(組成物) 配合量(質量%)
エタノール 10
1,3−ブチレングリコール 6
ポリエチレングリコール4000 2
オリーブ油 1
マカデミアナッツ油 1
ヒドロキシステアリン酸フィトステリル 0.05
乳酸 0.05
乳酸ナトリウム 0.1
L−アスコルビン酸硫酸エステル2ナトリウム 0.1
α−トコフェロール 2−L−アスコルビン酸
リン酸ジエステルカリウム 0.1
D−セリン及び/又はD−シクロセリン 10
魚コラーゲン 0.1
コンドロイチン硫酸トリウム 0.1
カルボキシメチルセルロースナトリウム 0.2
ポリビニルアルコール 12
パラオキシ安息香酸エステル 適量
香料 適量
精製水 残余

100.00
【0107】
配合例26(ピールオフマスク)
(組成物) 配合量(質量%)
エタノール 10
1,3−ブチレングリコール 6
ポリエチレングリコール4000 2
オリーブ油 1
マカデミアナッツ油 1
ヒドロキシステアリン酸フィトステリル 0.05
乳酸 0.05
乳酸ナトリウム 0.1
L−アスコルビン酸硫酸エステル2ナトリウム 0.1
α−トコフェロール 2−L−アスコルビン酸
リン酸ジエステルカリウム 0.1
メチオニン 4
魚コラーゲン 0.1
コンドロイチン硫酸トリウム 0.1
カルボキシメチルセルロースナトリウム 0.2
ポリビニルアルコール 12
パラオキシ安息香酸エステル 適量
香料 適量
精製水 残余

100.00
【0108】
配合例27(含浸マスク)
(組成物) 配合量(質量%)
グリセリン 1
1,3−ブチレングリコール 8
キシリット 2
ポリエチレングリコール1500 2
ローズマリー油 0.01
セージ油 0.1
クエン酸 0.02
クエン酸ナトリウム 0.08
ヘキサメタリン酸ナトリウム 0.01
ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン 0.1
メチオニン、
D−セリン及び/又はD−シクロセリン 0.5
バーチエキス 0.1
ラベンダー油 0.01
キサンタンガム 0.05
カルボキシビニルポリマー 0.15
パラオキシ安息香酸エステル 適量
精製水 残余

100.00
【0109】
配合例28(乳液)
(組成物) 配合量(質量%)
流動パラフィン 7
ワセリン 3
デカメチルシクロペンタシロキサン 2
ベヘニルアルコール 1.5
グリセリン 5
ジプロピレングリコール 7
ポリエチレングリコール1500 2
ホホバ油 1
イソステアリン酸 0.5
ステアリン酸 0.5
ベヘニン酸 0.5
テトラ2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリット 3
2−エチルヘキサン酸セチル 3
モノステアリン酸グリセリン 1
モノステアリン酸ポリオキシエチレングリセリン 1
水酸化カリウム 0.1
ヘキサメタリン酸ナトリウム 0.05
グリチルレチン酸ステアリル 0.05
メチオニン、
D−セリン及び/又はD−シクロセリン 1
ローヤルゼリーエキス 0.1
酵母エキス 0.1
酢酸トコフェロール 0.1
アセチル化ヒアルロン酸ナトリウム 0.1
エデト酸三ナトリウム 0.05
4−t−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン 0.1
パラメトキシ桂皮酸2−エチルヘキシル 0.1
カルボキシビニルポリマー 0.15
パラベン 適量
香料 適量
精製水 残余

100.00
【0110】
配合例29(乳液)
(組成物) 配合量(質量%)
ジメチルポリシロキサン 2
ベヘニルアルコール 1
バチルアルコール 0.5
グリセリン 5
1,3−ブチレングリコール 7
エリスリトール 2
硬化油 3
スクワラン 6
テトラ2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリット 2
イソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル 1
モノステアリン酸ポリオキシエチレングリセリン 1
メチオニン、
D−セリン及び/又はD−シクロセリン 0.3
水酸化カリウム 適量
ヘキサメタリン酸ナトリウム 0.05
フェノキシエタノール 適量
カルボキシビニルポリマー 0.1
精製水 残余

100.00
【0111】
配合例30(化粧水)
(組成物) 配合量(質量%)
エチルアルコール 5
グリセリン 1
1,3−ブチレングリコール 5
ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン
デシルテトラデシルエーテル 0.2
ヘキサメタリン酸ナトリウム 0.03
トリメチルグリシン 1
ポリアスパラギン酸ナトリウム 0.1
α−トコフェロール 2−L−アスコルビン酸
リン酸ジエステルカリウム 0.1
チオタウリン 0.1
D−セリン及び/又はD−シクロセリン 8
EDTA3ナトリウム 0.1
カルボキシビニルポリマー 0.05
水酸化カリウム 0.02
フェノキシエタノール 適量
香料 適量
精製水 残余

100.00
【0112】
配合例31(化粧水)
(組成物) 配合量(質量%)
エチルアルコール 5
グリセリン 1
1,3−ブチレングリコール 5
ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン
デシルテトラデシルエーテル 0.2
ヘキサメタリン酸ナトリウム 0.03
トリメチルグリシン 1
ポリアスパラギン酸ナトリウム 0.1
α−トコフェロール 2−L−アスコルビン酸
リン酸ジエステルカリウム 0.1
チオタウリン 0.1
メチオニン、
D−セリン及び/又はD−シクロセリン 4
EDTA3ナトリウム 0.1
カルボキシビニルポリマー 0.05
水酸化カリウム 0.02
フェノキシエタノール 適量
香料 適量
精製水 残余

100.00
【0113】
配合例32(化粧水)
(組成物) 配合量(質量%)
エタノール 10
ジプロピレングリコール 1
ポリエチレングリコール1000 1
ポリオキシエチレンメチルグルコシド 1
ホホバ油 0.01
トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル 0.1
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 0.2
ジイソステアリン酸ポリグリセリル 0.15
N−ステアロイル−L−グルタミン酸ナトリウム 0.1
クエン酸 0.05
クエン酸ナトリウム 0.2
水酸化カリウム 0.4
グリチルリチン酸ジカリウム 0.1
塩酸アルギニン 0.1
L−アスコルビン酸 2−グルコシド 2
メチオニン、
D−セリン及び/又はD−シクロセリン 0.5
エデト酸三ナトリウム 0.05
パラメトキシ桂皮酸2−エチルヘキシル 0.01
ジブチルヒドロキシトルエン 適量
パラベン 適量
海洋深層水 3
香料 適量
精製水 残余

100.00
【0114】
配合例33(エアゾール尿素外用剤原液)
(組成物) 配合量(質量%)
エタノール 15.0
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油50 1.5
ジフェンヒドラミン 1.0
ジブカイン 2.0
酢酸トコフェロール 0.5
メチオニン、
D−セリン及び/又はD−シクロセリン 0.1
イソステアリン酸 0.1
1,3−ブチレングリコール 3.0
ポリエチレングリコール400 3.0
カンフル 0.05
尿素 20.0
精製水 残余

100.00
【0115】
配合例34(エアゾール尿素噴射剤)
(組成物) 配合量(質量%)
エアゾール尿素外用剤原液 65.0
ジメチルエーテル 35.0

100.00
【0116】
配合例34(エアゾール尿素噴射剤)の充填方法
エアゾール尿素外用剤原液及びジメチルエーテルを内面テフロン(登録商標)コート処理耐圧エアゾールアルミ缶に充填してエアゾール剤を調製する。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7