(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5795968
(24)【登録日】2015年8月21日
(45)【発行日】2015年10月14日
(54)【発明の名称】電線払い出し装置及びそれを備えた電線製造装置
(51)【国際特許分類】
H01B 13/00 20060101AFI20150928BHJP
【FI】
H01B13/00 Z
【請求項の数】7
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2012-43565(P2012-43565)
(22)【出願日】2012年2月29日
(65)【公開番号】特開2013-182672(P2013-182672A)
(43)【公開日】2013年9月12日
【審査請求日】2014年10月15日
(73)【特許権者】
【識別番号】000002358
【氏名又は名称】新明和工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】特許業務法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】岡田 基
(72)【発明者】
【氏名】坂上 茂
【審査官】
和田 財太
(56)【参考文献】
【文献】
特開2004−273194(JP,A)
【文献】
特開2005−158485(JP,A)
【文献】
特開平11−219628(JP,A)
【文献】
特公昭55−105910(JP,B1)
【文献】
米国特許第4266455(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01B 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電線を掴んで移動させる電線把持部材と、電線の送り出し方向に配置された排出シュートと、該排出シュートの下方に設けられ、該排出シュートから排出される電線を収容する排出トレイとを備えた電線払い出し装置において、
上記排出シュートの上方には、上記電線を払い出す払い出し部材が設けられており、
上記払い出し部材は、上記送り出し方向に移動することにより、上記電線把持部材によって一端が把持されて他端側が上記送り出し方向に対して傾斜した状態で上記排出シュートに載った上記電線を上記排出トレイ側へ押し出すように構成されている
ことを特徴とする電線払い出し装置。
【請求項2】
請求項1に記載の電線払い出し装置において、
上記払い出し部材は、上記排出シュートの上方の送り出し方向と垂直な駆動軸に回転自在に支持された棒状部材よりなる
ことを特徴とする電線払い出し装置。
【請求項3】
請求項1に記載の電線払い出し装置において、
上記払い出し部材は、上記排出シュートの上方で上記送り出し方向に平行にスライド自在に支持された棒状部材よりなる
ことを特徴とする電線払い出し装置。
【請求項4】
請求項2又は3に記載の電線払い出し装置において、
上記棒状部材は、送り出し方向に垂直な平面上で鉛直方向に対して傾斜可能に支持されている
ことを特徴とする電線払い出し装置。
【請求項5】
請求項2又は3に記載の電線払い出し装置において、
上記棒状部材は、先端に向かって幅が広がっている
ことを特徴とする電線払い出し装置。
【請求項6】
請求項2又は3に記載の電線払い出し装置において、
上記棒状部材は、先端が弓状に湾曲している
ことを特徴とする電線払い出し装置。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれか1つに記載の電線払い出し装置を備え、
供給された電線を加工し、加工が終了した状態の電線を上記電線把持部材により上記排出シュートに送り出す
ことを特徴とする電線製造装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電線払い出し装置及びそれを備えた電線製造装置に関し、特にその払い出し方法の改善に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、例えば、特許文献1のように電線排出トレイに落とすための払い落とし手段を備えた電線受け渡し装置が知られている。この電線受け渡し装置は、電線受け皿部及び排出クランプを有し、これらが側方に移動可能に構成され、電線払い落とし手段は保持壁側から排出トレイ方向に移動するようになっている。同様に特許文献2では、電線払い落とし手段としてエアを利用するものが知られている。このエアにより、排出トレイ方向に吹き落とすようにしている。
【0003】
また、特許文献3のように、送り方向後側が幅広で先端が先細のシュート板と、このシュート板の横方向端部近傍に設けられたポストとを備えた電線排出シュートが知られている。
【0004】
なお、特許文献4のように、図板の長手方向に平行に延びる複数の電線収容箱をホイールにより支持し、ホイールをモータにより回転させて、所要の電線収容箱を電線受け部材に近接する取り出し位置に変位させ、電線取り出し部材の分離爪に電線収容箱から取り出そうとする電線の端部を載せ、分離爪が電線の長手方向に移動すると、電線が持ち上げられつつ残りの電線から平行に分離され、図板の下縁部に平行に延びる受け部材上に促されるようにした電線供給装置も知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−273194号公報
【特許文献2】特開2004−311214号公報
【特許文献3】特開2010−205628号公報
【特許文献4】特開2000−156127号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1のものでは、電線払い落とし部材が保持壁側から排出トレイ方向に移動するので、電線払い落とし部材がある位置よりも短い電線の払い落としはできず、また、電線を屈曲させる方向に力が働くため、排出トレイにおける電線揃いが悪くなり、加工後の電線を手で掴み難くなるという問題がある。
【0007】
同様に特許文献2でも、電線を屈曲させる方向に力が働き、また、電線の種類によって電線の移動量や電線の変形量が異なることが予想され、排出トレイにおける電線揃いが悪くなり、加工後の電線を手で掴み難くなるという問題がある。
【0008】
また特許文献3では、電線の送り方向を幅狭にしているため、測長時に電線が排出トレイに落下したり、ポストに電線端部が接触したりする問題がある。結果として排出トレイでの電線の揃いが悪くなり、さらに、短い電線にはポストが機能せず、送り出し側の電線端部が先に排出トレイへ落下する問題も改善されない。
【0009】
さらに特許文献4のものでは、収容箱に収容された複数の電線から1本の電線を取り出すときに、その1本の電線を他の電線から容易に引き離すことができるようにしているが、取り出そうとする電線を手で分離爪の上に載せなければならず、面倒である。また、本装置では、収容箱に収容された複数の電線から分離爪により上方に分離する際に、長尺の電線の場合、他の電線に絡みついた状態で電線受け部材に移載される恐れがあり、問題がある。
【0010】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、簡単な構成で短い電線でも簡単且つ確実に排出トレイに移動させ、加工後の電線束を手で掴みやすくすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の目的を達成するために、この発明では、送り出し方向に対して傾斜させた電線を送り出し方向に移動する払い出し部材によって排出トレイへ払い出すようにした。
【0012】
具体的には、第1の発明では、電線を掴んで移動させる電線把持部材と、電線の送り出し方向に配置された排出シュートと、該排出シュートの下方に設けられ、該排出
シュートから排出される電線を収容する排出トレイとを備えた電線払い出し装置を前提とし、
上記排出シュートの上方には、
上記電線を払い出す払い出し部材が設けられており、
上記払い出し部材は、上記送り出し方向に移動することにより、上記電線把持部材に
よって一端が把持され
て他端側が上記送り出し方向に対して傾斜した状態で
上記排出シュートに載った
上記電線を上記排出トレイ側へ押し出す
ように構成されている。
【0013】
上記の構成によると、従来と異なり、払い出し部材が電線の横方向ではなく、送り出し方向に沿って移動して電線を押し出すようにしている。その後、電線把持部材が電線を離すことで、電線が排出トレイに排出される。このため、電線を屈曲させることがないので、排出トレイで電線が綺麗に揃うと共に、電線の長手方向の広い範囲で押し出しできるので、短い電線であっても確実に押し出される。
【0014】
第2の発明では、第1の発明において、
上記払い出し部材は、上記排出シュートの上方の送り出し方向と垂直な駆動軸に回転自在に支持された棒状部材よりなる。
【0015】
上記の構成によると、モータなどの駆動装置を設けるだけでよいので、構造が簡単となって制御も容易で省スペース及び低コストを達成できる。
【0016】
第3の発明では、第1の発明において、
上記払い出し部材は、上記排出シュートの上方で上記送り出し方向に平行にスライド自在に支持された棒状部材よりなる。
【0017】
上記の構成によると、スライド長さを調整することで、短い電線から長い電線まで払い出しを確実に行うことができる。
【0018】
第4の発明では、第2又は第3の発明において、
上記棒状部材は、送り出し方向に垂直な平面上で鉛直方向に対して傾斜可能に支持されている。
【0019】
上記の構成によると、傾斜角度を調整することにより、排出トレイ側への押し出し強さを微調整できる。
【0020】
第5の発明では、第2又は第3の発明において、
上記棒状部材は、先端に向かって幅が広がっている。
【0021】
上記の構成によると、電線に接触しやすくなって電線の払い出しが確実に行われる。
【0022】
第6の発明では、第2又は第3の発明において、
上記棒状部材は、先端が弓状に湾曲している。
【0023】
上記の構成によると、電線に接触しやすくなって電線の払い出しが確実に行われる。
【0024】
第7の発明の電線製造装置は、第1乃至第6のいずれか1つの発明の電線払い出し装置を備え、
供給された電線を加工し、加工が終了した状態の電線を上記電線把持部材により上記排出
シュートに送り出すように構成されている。
【0025】
上記の構成によると、加工後の電線揃いのよい後処理が容易な生産性の高い電線製造装置が得られる。
【発明の効果】
【0026】
以上説明したように、本発明によれば
、送り出し方向に対して傾斜した状態で他端が排出シュートに載った電線を
電線送り出し方向へ移動する払い出し部材によって排出トレイ側へ押し出し
た後、電線把持部材が電線を離すようにしたことにより、簡単な構成で短い電線でも簡単且つ確実に排出トレイに移動させ、加工後の電線束を手で掴みやすくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】本発明の実施形態に係る電線払い出し装置が電線を払い出す様子を示す斜視図である。
【
図3】加工が完了して排出シュートに電線が送り出されてきた様子を示す
図1相当図である。
【
図4】電線が排出シュートから排出トレイ側へ払い出される様子を示す
図1相当図である。
【
図6】変形例2に係る駆動装置を拡大して示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0029】
−電線製造装置の構成−
まず、電線製造装置1の構成について簡単に説明する。
図2は本発明の実施形態の電線製造装置1の簡略化したレイアウトを示す。電線製造装置1は、鋼板等の部材を組み立てたベース2を備え、このベース2に所定長さの電線50の両端部の端末処理工程を連続的に行う種々の機器が配置されている。
図2に示すように、電線50が巻かれた巻取ロール(図示せず)側を前段とし、電線50の先端側を後段としている。そして、前段の電線50の処理に用いる装置のそれぞれには、参照符号に「F」を付し、後段の電線50の処理に用いる装置のそれぞれには、参照符号に「R」を付している。電線50は、例えば銅線などの導体で構成される心線を絶縁体よりなる被覆材で覆ったものよりなる。
【0030】
電線製造装置1は、電線供給部3を有し、この電線供給部3は、伸線機3a、電線送給ベルト3b及び測長ユニット(図示せず)とを備えている。電線50は、伸線機3aにより巻取ロールで巻かれた際の巻き癖が矯正された後、電線送給ベルト3bで端末処理工程に送られ、測長ユニットで電線の長さを測定するように構成されている。
【0031】
電線製造装置1は、CPUやメモリなどを備えるプロセッサによって構成される制御部としての制御装置4を備え、この制御装置4は、電線製造装置1の各種センサの信号に基づいて電線製造装置1の各種の制御対象機器の動作を制御するようになっている。
【0032】
ベース2上には、カッタユニット5が配置されている。このカッタユニット5は、電線50の切断及び電線50の端部50F,50Rの被覆材の剥ぎ取りに用いられる。カッタユニット5は、電線50が繰り出されてくるノズル6の近傍に配置され、この電線50を切断する電線50の供給方向に対して垂直に配置した電線切断刃5Cと、電線切断刃5Cの両側に電線切断刃5Cに対して傾斜して配置されて電線50の被覆材を剥ぎ取る一対の剥ぎ取り刃5F,5Rとを備えている。
【0033】
また、ベース2上には、電線50を掴んで移動させる一対の把持装置10F,10Rが設けられている。
【0034】
さらに、ベース2上には、一対の圧着部としての圧着機20F,20Rが設けられている。詳しくは図示しないが、圧着機20F,20Rは、それぞれプレス部材を備え、端子53のインシュレーションバレルが電線被覆材にかしめられ、ワイヤバレルが心線にかしめられるようになっている。
【0035】
そして、本発明の特徴として、ベース2上には、
図1に示すように、加工済みの電線50を払い出す、電線払い出し装置60が設けられている。具体的には、この電線払い出し装置60は、把持装置10Rの電線把持部材11Rが把持している電線50の送り出し方向(供給されてくる電線50が進む方向)に沿って配置された排出シュート61と、この排出シュート61から排出された多数の電線50を収容する排出トレイ62とを備えている。排出トレイ62は、装置側が細く、送り出し側が広くなった底面61aを備え、電線50の落下してくる位置に、この底面61aに対して傾斜した電線ガイド61bを備えている。
【0036】
そして、排出シュート61の上方には、棒状の払い出し部材63と、この払い出し部材63を回転可能に支持する駆動装置64とが設けられている。駆動装置64は、例えば電動モータ65と、この電動モータ65を支持する支持ブラケット64aと、電動モータ65の駆動軸65aに連結された棒状の支持部材66を備えている。本実施形態では、駆動軸65aは、水平且つ払い出し方向に垂直な方向に伸びているが、その方向はそれに限定されず、若干ずれていてもよい。この支持部材66の先端に払い出し部材63が連結されている。電線50の払い出し側(端部50R側)が排出シュート61に載った状態から、電線把持部材11Rが電線50の装置側(端部50F側)を払い出し方向から排出トレイ62側にずらし、払い出し方向に対して傾斜させた状態で、駆動装置64によって回動された払い出し部材63が傾斜した電線50を排出トレイ62側へ落とすように構成されている。
【0037】
−作動−
次いで、この電線払い出し装置60の作動について説明する。
【0038】
まず、
図3に示すように、所定長さに切断され、ストリップ、端子圧着等の処理が完了した電線50が電線把持部材11Rにより排出シュート61上に載置される。このとき電線50は、送り出し方向にほぼ平行となっている。
【0039】
次いで、
図1に示すように、電線把持部材11Rが送り出し方向に垂直に移動を開始すると共に、払い出し部材63が矢印の方向に回転を開始する。電線把持部材11Rの移動により、電線50の送り出し側(端部50R側)が排出シュート61上に載った状態で払い出し方向に対して傾斜し、それと共に払い出し部材63の回転が進むに連れて、その先端側が傾斜した電線50に対して接触を開始する。
【0040】
次いで、
図4に示すように、払い出し部材63が電線50の送り出し側を排出シュート61から落下させると共に、電線把持部材11Rの移動が終了する。その後、電線把持部材11Rが電線50を離すことにより、電線50は、電線ガイド61bに接触して底面61aにほぼ払い出し方向に沿って綺麗に並ぶ。
【0041】
このように、従来と異なり、電線50の横方向ではなく、送り出し方向、つまり電線50の伸びる方向に沿って電線50を押し出すようにしているので、電線50を屈曲させることがなく、排出トレイ62で電線50が綺麗に揃うと共に、払い出し部材63の回転範囲が広いので、短い電線50であっても確実に押し出される。
【0042】
また、払い出し部材63を排出シュート61の上方に回転自在に支持された棒状部材で構成し、この払い出し部材63を駆動装置64で駆動するようにしたので、スライド構造に比べて構造が簡単となり、制御が容易で省スペース及び低コストを達成できる。
【0043】
したがって、本実施形態に係る電線払い出し装置60によると、簡単な構成で短い電線50でも簡単且つ確実に排出トレイ62に移動させ、加工後の電線束を手で掴みやすくすることができる。また、加工後の電線揃いのよい後処理が容易な優れた電線製造装置1が得られる。
【0044】
−実施形態の変形例1−
図5は本発明の実施形態2を示し、駆動装置64の構成が異なる点で上記実施形態と異なる。なお、以下の各変形例では、
図1〜
図4と同じ部分については同じ符号を付してその詳細な説明は省略する。
【0045】
本変形例の駆動装置164は、図示しないエアシリンダを備え、払い出し部材63は、回転可能に構成されているのではなく、排出シュート61の上方において、送り出し方向に沿ってスライド自在に支持されている。本変形例は、上記実施形態のように電動モータ65を設ける必要はなく、払い出し部材63の支持ブラケット164aをエアシリンダ等で往復運動可能とすればよい。
【0046】
本変形例では、従来のように電線50の側方を押さえる構成に比べ、スライド長さを調整することで、短い電線50から長い電線50まで長さの異なる電線50の払い出しを確実に行うことができる。
【0047】
−実施形態の変形例2−
図6は本発明の実施形態の変形例2を示し、払い出し部材63及び支持ブラケット264aが傾斜可能に支持されている異なる点で上記実施形態と異なる。
【0048】
具体的には、支持ブラケット264a自体が、送り出し方向に対して傾斜角度αを変更可能となっている。この傾斜角度αは、電線50の傾斜角度と反対側、つまり送り出し方向に向かって排出トレイ62側へ傾斜するのがよい。
【0049】
また、払い出し部材63は、電動モータ65の駆動軸65aに回転可能に支持された支持部材266の軸方向を中心に揺動可能に支持されている。つまり、送り出し方向に垂直な平面上で鉛直方向に対して傾斜可能に支持されている。これにより、支持部材266に対する傾斜角度βを変更可能となっている。角度調整は、ビス等締め付け角度の調整により行うようにしてもよい。また、傾斜角度α及びβのいずれか一方のみを変更可能としてもよい。
【0050】
本変形例では、傾斜角度α又はβを変更することにより、排出トレイ62側への押し出し強さを微調整できる。
【0051】
−実施形態の変形例3−
図7は本発明の実施形態の変形例3を示し、払い出し部材363の形状が異なる点で上記実施形態と異なる。
【0052】
すなわち、払い出し部材363の先端部363aを先端に向かって幅が広がる形状としてもよい。この場合には、払い出し部材363が先端に向かうほど電線50に接触しやすくなり、電線50の払い出しが確実に行われる。
【0053】
−実施形態の変形例4−
図8は本発明の実施形態の変形例4を示し、払い出し部材463の形状が異なる点で上記実施形態と異なる。
【0054】
すなわち、払い出し部材463の先端部463aを先端に向かって排出シュート61から離れる方向に弓なりに湾曲させてもよい。この場合には、払い出し部材463が先端に向かうほど電線50に接触しやすくなり、電線50の払い出しが確実に行われる。
【0055】
なお、以上の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物や用途の範囲を制限することを意図するものではない。
【産業上の利用可能性】
【0056】
以上説明したように、本発明は、電線を排出トレイに排出する電線払い出し装置及びそれを備えた電線製造装置について有用である。
【符号の説明】
【0057】
1 電線製造装置
11R 電線把持部材
20F,20R 圧着機
50 電線
50F,50R 端部
53 端子
60 払い出し装置
61 排出シュート
62 排出トレイ
63 払い出し部材
64 駆動装置
65 電動モータ
65a 駆動軸
66 支持部材
266 支持部材
363 払い出し部材
363a 先端部
463 払い出し部材
463a 先端部