特許第5795974号(P5795974)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5795974
(24)【登録日】2015年8月21日
(45)【発行日】2015年10月14日
(54)【発明の名称】半導体製造装置の製法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/683 20060101AFI20150928BHJP
   H02N 13/00 20060101ALI20150928BHJP
   H01L 21/3065 20060101ALI20150928BHJP
【FI】
   H01L21/68 R
   H02N13/00 D
   H01L21/302 101G
【請求項の数】2
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2012-54853(P2012-54853)
(22)【出願日】2012年3月12日
(65)【公開番号】特開2013-191626(P2013-191626A)
(43)【公開日】2013年9月26日
【審査請求日】2013年11月19日
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000004064
【氏名又は名称】日本碍子株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000017
【氏名又は名称】特許業務法人アイテック国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】鳥居 謙悟
(72)【発明者】
【氏名】竹林 央史
【審査官】 松浦 陽
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−115529(JP,A)
【文献】 特開2008−098513(JP,A)
【文献】 特開2010−103321(JP,A)
【文献】 特開平11−233602(JP,A)
【文献】 特開2000−188321(JP,A)
【文献】 米国特許第05535090(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/67−21/687
H01L 21/3065
H02N 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)ウエハ載置面とは反対側の面に内蔵電極と接続された電極端子を有すると共に、該電極端子に可撓性のケーブルを介して接続され外周面に雄ネジが設けられた半導体製造装置側端子を有するセラミック基板と、前記電極端子と対向する位置に掛止部付きの貫通孔を有するベース部材とを用意し、前記貫通孔に前記半導体製造装置側端子を挿入して前記セラミック基板と前記ベース部材とを接着剤で貼り付ける工程と、
(b)周縁にフランジを有し、先端から前記フランジまでの長さが前記ベース部材のうち前記セラミック基板と接着された面から前記掛止部までの長さより短く設計され、内周面に雌ネジを有する絶縁スリーブを用意し、前記絶縁スリーブの外周面に接着剤を塗布した状態で、前記絶縁スリーブを回転させながら前記フランジが前記掛止部に掛止するまで先端から前記貫通孔に挿入することにより、前記絶縁スリーブの雌ネジに前記半導体製造装置側端子の雄ネジをねじ込んで固定する工程と、
を含む半導体製造装置の製法。
【請求項2】
(a)ウエハ載置面とは反対側の面に内蔵電極と接続された電極端子を有すると共に、該電極端子に可撓性のケーブルを介して接続され外周面に雄ネジが設けられた半導体製造装置側端子を有するセラミック基板と、前記電極端子と対向する位置に掛止部付きの貫通孔を有するベース部材とを用意し、前記貫通孔に前記半導体製造装置側端子を挿入して前記セラミック基板と前記ベース部材とを接着剤で貼り付ける工程と、
(b)周縁にフランジを有し、先端から前記フランジまでの長さが前記ベース部材のうち前記セラミック基板と接着された面から前記掛止部までの長さより短く設計された絶縁スリーブを用意し、前記絶縁スリーブの外周面に接着剤を塗布した状態で、前記絶縁スリーブを前記フランジが前記掛止部に掛止するまで先端から前記貫通孔に挿入する工程と、
(c)内周面に雌ネジが設けられ外径が前記絶縁スリーブの基端側の内径と一致するリング部材を用意し、該リング部材の外周面に接着剤を塗布した状態で前記リング部材を回転させながら前記絶縁スリーブ内に挿入することにより、前記リング部材の雌ネジに前記半導体製造装置側端子の雄ネジをねじ込んで固定すると共に前記リング部材と前記絶縁スリーブとを接着する工程と、
を含む半導体製造装置の製法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体製造装置及びその製法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体製造装置は、エッチング装置、イオン注入装置、電子ビーム露光装置などにおいて、ウエハを固定したりウエハを加熱・冷却したりするのに用いられる。こうした半導体製造装置としては、ウエハ載置面を有し静電電極を内蔵したセラミック製の静電チャックと、この静電チャックのウエハ載置面とは反対側の面に接着された金属製のベース部材とを備えたものが知られている。
【0003】
特許文献1には、こうした半導体製造装置が開示されている。図9に示すように、静電チャック320とベース部材330とを備えた半導体製造装置310は、チャック側端子340を、ウエハの処理目的に応じた処理装置380の端子382に接続して使用される。静電チャック320に内蔵された静電電極322及びヒーター電極324のそれぞれに、電極端子326が可撓性のケーブル336を介してチャック側端子340に接続されている。こうしたチャック側端子340の部分拡大図を図10に示す。ベース部材330のうちこの電極端子326と対向する位置には、貫通孔332が設けられ、この貫通孔332の内周面には、絶縁スリーブ334が接着されている。そして、チャック側端子340の外周面に設けられた雄ネジ340aを絶縁スリーブ334の内周面に設けられた雌ネジ334aにネジ込む。こうすることにより、チャック側端子340は、電極端子326に接続された可撓性のケーブル336と一体化されると共に、絶縁スリーブ334とも一体化される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−98513号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述の半導体製造装置310では、絶縁スリーブ334のうち静電チャック側の端部334bは静電チャック320に接するように組み付けられているため、以下のような問題がある。すなわち、ベース部材330を図示しない支持台に固定した状態でチャック側端子340を処理装置380の端子382に接続する場合、チャック側端子340は静電チャック側に押し込まれる方向の力を受ける。このとき、絶縁スリーブ334は、チャック側端子340と一体化されているため、同じく静電チャック側に押し込まれる方向の力を受ける。すると、絶縁スリーブ334のうち静電チャック側の端部334bは、静電チャック320を押圧することがあり、その結果、静電チャック320とベース部材330との間に隙間が生じることがある。こうした隙間が生じると、静電チャック320の熱をベース部材330へ逃がすのに支障が生じる等の不具合が発生するため、好ましくない。
【0006】
本発明はこのような課題を解決するためになされたものであり、半導体製造装置において、半導体製造装置側端子に力が加わったとしてもその力の影響がセラミック基板に及ばないようにすることを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の半導体製造装置及びその製法は、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
【0008】
本発明の半導体製造装置は、
ウエハ載置面を有し電極を内蔵したセラミック基板と、
前記ウエハ載置面とは反対側の面に固着された金属製のベース部材と、
前記セラミック基板のうち前記ウエハ載置面とは反対側の面に設けられ、前記電極と接続された電極端子と、
前記ベース部材のうち前記電極端子と対向する位置に設けられた貫通孔と、
前記貫通孔の内周面に固着された絶縁スリーブと、
前記電極端子に可撓性のケーブルを介して接続されると共に前記絶縁スリーブに固定され、別装置の端子と着脱可能に接続される半導体製造装置側端子と、
を備えた半導体製造装置であって、
前記ベース部材は、前記絶縁スリーブに設けられたフランジと掛止して該絶縁スリーブが前記貫通孔の奥に向かって進入するのを阻止する掛止部を有し、
前記絶縁スリーブは、前記フランジが前記掛止部に掛止した状態では先端が前記セラミック基板から離間するように設計されているものである。
【0009】
この半導体製造装置では、別途用意した支持台にベース部材を支持した状態で半導体製造装置側端子を半導体製造装置とは別の装置の端子に接続する場合、半導体製造装置側端子はセラミック基板側に近づく方向の力を受ける。このとき、絶縁スリーブは、半導体製造装置側端子と一体化されているため、同じくセラミック基板側に近づく方向の力を受ける。しかし、絶縁スリーブは、フランジが掛止部に掛止した状態では先端(セラミック基板に近い側の端部)がセラミック基板から離間するように設計されている。このため、絶縁スリーブの先端が、セラミック基板をベース部材から離れる方向に押すことがない。その結果、セラミック基板とベース部材との間に隙間が生じるおそれがない。
【0010】
本発明の半導体製造装置において、前記絶縁スリーブの先端と前記セラミック基板との隙間には絶縁樹脂が充填されていてもよい。こうすれば、前記スリーブとセラミック基板との隙間から絶縁が破壊されるのを防止することができる。
【0011】
本発明の半導体製造装置において、前記半導体製造装置側端子は、外周面に雄ネジを有し、該雄ネジは、前記絶縁スリーブの内周面に直接設けられた雌ネジ又は前記絶縁スリーブに固着されたリング部材の内周面に設けられた雌ネジにねじ込まれて固定されていてもよい。
【0012】
本発明の半導体製造装置の製法は、
(a)ウエハ載置面とは反対側の面に内蔵電極と接続された電極端子を有すると共に、該電極端子に可撓性のケーブルを介して接続され外周面に雄ネジが設けられた半導体製造装置側端子を有するセラミック基板と、前記電極端子と対向する位置に掛止部付きの貫通孔を有するベース部材とを用意し、前記貫通孔に前記半導体製造装置側端子を挿入して前記セラミック基板と前記ベース部材とを接着剤で貼り付ける工程と、
(b)周縁にフランジを有し、先端から前記フランジまでの長さが前記ベース部材のうち前記セラミック基板と接着された面から前記掛止部までの長さより短く設計され、内周面に雌ネジを有する絶縁スリーブを用意し、前記絶縁スリーブの外周面に接着剤を塗布した状態で、前記絶縁スリーブを回転させながら前記フランジが前記掛止部に掛止するまで先端から前記貫通孔に挿入することにより、前記絶縁スリーブの雌ネジに前記半導体製造装置側端子の雄ネジをねじ込んで固定する工程と、
を含むもの、あるいは、
(a)ウエハ載置面とは反対側の面に内蔵電極と接続された電極端子を有すると共に、該電極端子に可撓性のケーブルを介して接続され外周面に雄ネジが設けられた半導体製造装置側端子を有するセラミック基板と、前記電極端子と対向する位置に掛止部付きの貫通孔を有するベース部材とを用意し、前記貫通孔に前記半導体製造装置側端子を挿入して前記セラミック基板と前記ベース部材とを接着剤で貼り付ける工程と、
(b)周縁にフランジを有し、先端から前記フランジまでの長さが前記ベース部材のうち前記セラミック基板と接着された面から前記掛止部までの長さより短く設計された絶縁スリーブを用意し、前記絶縁スリーブの外周面に接着剤を塗布した状態で、前記絶縁スリーブを前記フランジが前記掛止部に掛止するまで先端から前記貫通孔に挿入する工程と、
(c)内周面に雌ネジが設けられ外径が前記絶縁スリーブの基端(先端と反対側の端部)側の内径と一致するリング部材を用意し、該リング部材の外周面に接着剤を塗布した状態で前記リング部材を回転させながら前記絶縁スリーブ内に挿入することにより、前記リング部材の雌ネジに前記半導体製造装置側端子の雄ネジをねじ込んで固定すると共に前記リング部材と前記絶縁スリーブとを接着する工程と、
を含むものである。
【0013】
こうすれば、予め電極端子に可撓性のケーブルを介して接続された半導体製造装置側端子を有するセラミック基板を用意し、そのセラミック基板を用いて半導体製造装置を組み立てることができるため、比較的簡易に半導体製造装置を組み立てることができる。これに比べて、最終工程で半導体製造装置側端子を可撓性のケーブルに接続する場合には、十分なスペースとはいえない絶縁スリーブ内で撓んだケーブルと半導体製造装置側端子とを接続することになるため(例えば図10参照)、その接続作業は容易ではなく、作業性に問題がある。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】第1実施形態の半導体製造装置10の概略を示す破断面図である。
図2】半導体製造装置10のチャック側端子付近の部分拡大図である。
図3】半導体製造装置10の組立工程図である。
図4】半導体製造装置10の組立工程図である。
図5】第2実施形態の半導体製造装置110のチャック側端子付近の部分拡大図である。
図6】半導体製造装置110の組立工程図である。
図7】半導体製造装置110の組立工程図である。
図8】半導体製造装置110の組立工程図である。
図9】半導体製造装置310の概略を示す破断面図である。
図10】半導体製造装置310のチャック側端子付近の部分拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
[第1実施形態]
図1は第1実施形態の半導体製造装置10の概略を示す破断面図、図2は半導体製造装置10のチャック側端子付近の部分拡大図である。
【0016】
半導体製造装置10は、図1に示すように、表面がウエハ載置面Sであり静電電極22及びヒーター電極24を内蔵した静電チャック20と、この静電チャック20のうちウエハ載置面Sとは反対側の面(裏面)に接着剤により固着された金属製のベース部材30と、静電チャック20及びヒーター電極24のそれぞれに接続されたチャック側端子40とを備えたものである。なお、静電チャック20が本発明におけるセラミック基板に相当し、チャック側端子40が本発明における半導体製造装置側端子に相当する。
【0017】
静電チャック20は、セラミック焼結体(例えばアルミナセラミック焼結体)からなる円盤状部材であり、その内部に、ウエハ載置面Sに載置されたウエハを静電力によって吸着する静電電極22と、電圧が印加されると発熱するヒーター電極24とが埋設されている。この静電チャック20の裏面には、複数の電極端子26が設けられている。電極端子26には、静電電極22に接続されているものとヒーター電極24に接続されているものがある。
【0018】
ベース部材30は、金属製(例えばアルミニウム合金製)の円盤状部材であり、各電極端子26に対向する位置に貫通孔32を有している。このベース部材30は、静電チャック20を冷却する役割を果たすものであり、内部に冷却水通路(図示せず)が形成されている。
【0019】
チャック側端子40は、雌型コネクタであり、ベース部材30の各貫通孔32の内部に設けられている。図2に示すように、チャック側端子40は、電極端子26と可撓性のケーブル36を介して接続されている。このケーブル36は、屈曲された状態でチャック側端子40と電極端子26との間のスペースに収納されている。貫通孔32は、静電チャック20に近い側が小径部32a、静電チャック20から遠い側が大径部32bとなっており、小径部32aと大径部32bとの間に段差32cを有している。貫通孔32には絶縁スリーブ34が挿入され、貫通孔32の内周面と絶縁スリーブ34の外周面とは接着剤で固着されている。なお、貫通孔32の内部に設けられた段差32cが本発明の掛止部に相当する。
【0020】
絶縁スリーブ34は、貫通孔32の段差32cと掛止するフランジ34aを有している。この絶縁スリーブ34の先端34bからフランジ34aまでの長さLは、貫通孔32の小径部32aの深さD(ベース部材30のうち静電チャック20と接着された面から段差32cまでの長さ)より短くなるように設計されている。このため、絶縁スリーブ34のフランジ34aが貫通孔32の段差32cに掛止した状態では、絶縁スリーブ34の先端34b(静電チャック20に近い側の端部)は静電チャック20から離間している。こうした絶縁スリーブ34は、電気絶縁性を有する材料、例えばセラミック材料や樹脂材料などで形成されている。絶縁スリーブ34の内部には、チャック側端子40がネジ止めされている。具体的には、チャック側端子40の外周中央に設けられた雄ネジ40aが絶縁スリーブ34の内周に設けられた雌ネジ34cにねじ込まれて固定されている。絶縁スリーブ34の先端34bと静電チャック20との隙間には、絶縁樹脂38が充填されている。この絶縁樹脂38は、絶縁スリーブ34の内部にも入り込んでいる。
【0021】
この半導体製造装置10は、ウエハの処理目的に応じた処理装置80(図1参照、別装置に相当)に接続して使用する。処理装置80には、半導体製造装置10の各チャック側端子40(雌型コネクタ)に対向する位置に処理装置側端子82(雄型コネクタ)が設けられている。半導体製造装置10を処理装置80に接続する際、ベース部材30を図示しない支持台に固定した状態で、互いに向かい合う端子同士を接続する。このとき、チャック側端子40には静電チャック20に近づく方向の力が加えられる。絶縁スリーブ34は、チャック側端子40と一体化されているため、同じく静電チャック20に近づく方向の力を受ける。しかし、絶縁スリーブ34は、貫通孔32の段差32cに掛止するフランジ34aを有し、このフランジ34aが段差32cに掛止した状態では先端34bが静電チャック20から離間するように設計されている。このため、絶縁スリーブ34の先端34bが、静電チャック20をベース部材30から離れる方向に押すことがない。また、絶縁樹脂38は、絶縁スリーブ34の先端34bによって静電チャック側に押圧されたとしても、自らが変形してその圧力を吸収するため、静電チャック20に力を及ぼすことはほとんどない。更に、ケーブル36は、チャック側端子40によって静電チャック側に押圧されたとしても、自らが撓んでその圧力を吸収するため、静電チャック20に力を及ぼすことはほとんどない。その結果、チャック側端子40と処理装置側端子82との抜き差しを繰り返したとしても、それが原因で静電チャック20とベース部材30との間に隙間が生じるおそれがない。
【0022】
次に、半導体製造装置10の製法について説明する。図3及び図4は、半導体製造装置10の組立工程図である。
【0023】
まず、図3に示す静電チャック20を用意する。この静電チャック20の電極端子26には、可撓性のケーブル36を介してチャック側端子40が予め接続されている。一方、段差32cの付いた貫通孔32が設けられたベース部材30も用意する。そして、静電チャック20の裏面に接着剤を塗布し、貫通孔32のうち小径部32aの開口がチャック側端子40と向かい合うようにし、貫通孔32にチャック側端子40を挿入すると共に、静電チャック20とベース部材30とを貼り付ける。
【0024】
次に、絶縁スリーブ34を用意する。そして、ベース部材30の貫通孔32のうち静電チャック側に柔軟性に富む絶縁樹脂38を注入する。続いて、絶縁スリーブ34の外周面に接着剤を塗布した状態で、絶縁スリーブ34を回転させながら、先端34bから貫通孔32に挿入していく。このとき、チャック側端子40は回転しないように固定しておく。具体的には、チャック側端子40の頭部には図示しない十字溝が設けられており、この十字溝にプラスのドライバーの先端を差し込んで回転しないように固定しておく。すると、回転が阻止されているチャック側端子40に対して絶縁スリーブ34は回転するため、絶縁スリーブ34の雌ネジ34cにチャック側端子40の雄ネジ40aがねじ込まれていく。このとき、絶縁樹脂38やケーブル36は、柔軟性や可撓性を有しているため、静電チャック20に力を及ぼすことはほとんどない。そして、最終的には、貫通孔32の段差32cにフランジ34aが掛止すると共に、雌ネジ34cに雄ネジ40aが完全にねじ込まれた状態となる。以上の工程により、半導体製造装置10が完成する。
【0025】
以上詳述した半導体製造装置10によれば、チャック側端子40と処理装置側端子82とを接続する際にチャック側端子40が貫通孔32の奥へ押圧されたとしても、絶縁スリーブ34の先端34bは、静電チャック20をベース部材30から離れる方向に押すことがない。その結果、静電チャック20とベース部材30との間に隙間が生じるおそれがない。
【0026】
また、絶縁スリーブ34の先端34bと静電チャック20との隙間には柔軟性に富む絶縁樹脂38が充填されているため、絶縁スリーブ34と静電チャック20との隙間から絶縁が破壊されるのを防止することができる。
【0027】
更に、予め電極端子26に可撓性のケーブル36を介して接続されたチャック側端子40を有する静電チャック20を用意し、その静電チャック20を用いて半導体製造装置10を組み立てることができるため、比較的簡易に半導体製造装置10を組み立てることができる。また、チャック側端子40を絶縁スリーブ34に取り付けるときにケーブル36がねじれないので、電極端子26とケーブル36との接合部分にねじれが生じない。これに対して、例えば図10のように、最終工程でチャック側端子340を可撓性のケーブル336に接続する場合には、十分なスペースとはいえない絶縁スリーブ334内で可撓性のあるケーブル336とチャック側端子340とを接続することになるため、その接続作業は容易ではなく、作業性に問題がある。
【0028】
[第2実施形態]
図5は第2実施形態の半導体製造装置110のチャック側端子付近の部分拡大図である。半導体製造装置110は、チャック側端子140と絶縁スリーブ134の構造が異なる以外は、概ね半導体製造装置10と同じ構造である。このため、半導体製造装置10と同じ構成要素については同じ符号を付して説明を省略し、以下には異なる構成要素について説明する。
【0029】
チャック側端子140は、雌型コネクタであり、ベース部材30の各貫通孔32の内部に設けられている。このチャック側端子140は、電極端子26と可撓性のケーブル36を介して接続されている。貫通孔32には絶縁スリーブ134が挿入され、貫通孔32の内周面と絶縁スリーブ134の外周面とは接着剤で固着されている。
【0030】
絶縁スリーブ134は、貫通孔32の段差32cと掛止するフランジ134aを有している。この絶縁スリーブ134の先端134bからフランジ134aまでの長さLは、貫通孔32の小径部32aの深さD(ベース部材30のうち静電チャック20と接着された面から段差32cまでの長さ)より短くなるように設計されている。このため、絶縁スリーブ134のフランジ134aを貫通孔32の段差32cに掛止した状態では、絶縁スリーブ134の先端134b(静電チャック20に近い側の端部)は静電チャック20から離間している。こうした絶縁スリーブ134は、電気絶縁性を有する材料、例えばセラミック材料や樹脂材料などで形成されている。絶縁スリーブ134の内部には、チャック側端子140が固定されている。具体的には、絶縁スリーブ134のフランジ134aの内周には凹部134cが設けられ、凹部134cの内周面にはリング部材150の外周面が接着剤で固着されている。つまり、この凹部134cの内径(絶縁スリーブ134の基端側の内径)はリング部材150の外径とほぼ一致している。そして、このリング部材150の内周面には雌ネジ150aが設けられている。チャック側端子140の開口の外周に設けられた雄ネジ140aがリング部材150の雌ネジ150aにねじ込まれて固定されている。
【0031】
この半導体製造装置110の使用例は、第1実施形態の半導体製造装置10と同様のため、ここではその説明を省略する。
【0032】
次に、半導体製造装置10の製法について説明する。図6図8は、半導体製造装置110の組立工程図である。
【0033】
まず、図6に示す静電チャック20を用意する。この静電チャック20の電極端子26には、可撓性のケーブル36を介してチャック側端子140が予め接続されている。チャック側端子140の開口側の外周面には、雄ネジ140aが設けられている。一方、段差32cの付いた貫通孔32が設けられたベース部材30も用意する。そして、静電チャック20の裏面に接着剤を塗布し、貫通孔32のうち小径部32aの開口がチャック側端子140と向かい合うようにし、貫通孔32にチャック側端子140を挿入すると共に、静電チャック20とベース部材30とを貼り付ける。
【0034】
次に、図7に示す絶縁スリーブ134を用意する。そして、ベース部材30の貫通孔32のうち静電チャック側に柔軟性に富む絶縁樹脂38を注入する。続いて、絶縁スリーブ134の外周面に接着剤を塗布した状態で、絶縁スリーブ134を先端134bから貫通孔32に挿入する。この結果、絶縁スリーブ134は貫通孔32に固着される。なお、絶縁樹脂38は、柔軟性に富むため、静電チャック20に力を及ぼすことはほとんどない。
【0035】
次に、図8に示すように、内周面に雌ネジ150aを有するリング部材150を用意する。チャック側端子140の頭部には図示しない十字溝が設けられており、この十字溝にプラスのドライバーの先端を差し込んで回転しないように固定しておく。この状態で、リング部材150を回転させながらチャック側端子140に挿入していく。すると、回転が阻止されているチャック側端子140に対してリング部材150は回転するため、リング部材150の雌ネジ150aにチャック側端子140の雄ネジ140aがねじ込まれていく。その後、リング部材150の外周面に接着剤を塗布し、凹部134cにリング部材150を嵌め込んで固着する。このとき、チャック側端子140が電極端子26に接近するが、ケーブル36は自ら撓むため静電チャック20にはほとんど力が加わらない。以上の工程により、半導体製造装置110が完成する。
【0036】
以上詳述した半導体製造装置110によれば、チャック側端子140と処理装置側端子82とを接続する際にチャック側端子140が貫通孔32の奥へ押圧されたとしても、絶縁スリーブ134の先端134bは、静電チャック20をベース部材30から離れる方向に押すことがない。その結果、静電チャック20とベース部材30との間に隙間が生じるおそれがない。
【0037】
また、絶縁スリーブ134の先端134bと静電チャック20との隙間には柔軟性に富む絶縁樹脂38が充填されているため、絶縁スリーブ134と静電チャック20との隙間から絶縁が破壊されるのを防止することができる。
【0038】
更に、予め電極端子26に可撓性のケーブル36を介して接続されたチャック側端子140を有する静電チャック20を用意し、その静電チャック20を用いて半導体製造装置110を組み立てることができるため、比較的簡易に半導体製造装置110を組み立てることができる。また、リング部材150を使用してチャック側端子140を絶縁スリーブ134に取り付けるときにケーブル36がねじれないので、電極端子26とケーブル36との接合部分にねじれが生じない。また、チャック側端子140を絶縁スリーブ134から取り外すときも、チャック側端子140を回転させることなくリング部材150を回すことにより取り外すことができるので、電極端子26とケーブル36との接合部分にねじれが生じない。
【0039】
なお、本発明は上述した実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施し得ることはいうまでもない。
【0040】
例えば、上述した実施形態では、チャック側端子40,140を雌型コネクタとし、処理装置側端子82を雄型コネクタとしたが、チャック側端子40,140を雄型コネクタとし、処理装置側端子82を雌型コネクタとしてもよい。
【0041】
上述した実施形態では、半導体製造装置10,110の製造工程において、チャック側端子40,140の頭部に図示しない十字溝を設け、この十字溝にプラスのドライバーの先端を差し込んで回転しないように固定したが、チャック側端子40,140を回転しないように固定する構成は、これに限定されるものではなく、どのような構成でも構わない。
【0042】
上述した実施形態では、セラミック基板として、静電電極22とヒーター電極24とを内蔵する静電チャック20を採用したが、静電電極を内蔵するがヒーター電極を内蔵しない静電チャックを採用してもよいし、ヒーター電極を内蔵するが静電電極を内蔵しないセラミックヒーターを採用してもよい。
【0043】
上述した実施形態では、貫通孔32の内部に段差32cを設けたが、貫通孔32を段差32cのないストレート形状の孔(内径は小径部32bの径)とし、貫通孔32の開口縁に絶縁スリーブ34のフランジ34aを掛止させる構造としてもよい。その場合には、貫通孔32の開口縁が本発明の掛止部に相当することになる。尚、掛止部は、ベース部材30の厚さ方向において処理装置側にあるのが好ましい。こうすれば、絶縁スリーブ34,134が押されても、ベース部材30がひずむため、静電チャック20(セラミック部材)が押されることがない。
【0044】
上述した実施形態では、絶縁スリーブ34,134の基端側の開口周縁にフランジ34a,134aを設けたが、こうしたフランジ34a,134aを開口周縁に設ける代わりに絶縁スリーブ34,134の胴回りに環状突起となるように設けてもよい。
【実施例】
【0045】
第1実施形態の半導体製造装置10、第2実施形態の半導体製造装置110及び従来の半導体製造装置310を作製した。各装置10,110,310は、静電チャックを同じ大きさとし、電極端子の数も同じ数に揃えた。また、ベース部材も同じ大きさとし、ベース部材の貫通孔の数を電極端子の数と同じとした。接着剤も同じものを使用した。更に、装置10,110については、処理装置80と同じ形態の評価チャンバーを用意し、装置310については、処理装置380と同じ形態の評価チャンバーを用意した。
【0046】
そして、各装置10,110,310を対応する評価チャンバーに装着し、圧力10Pa未満の雰囲気で、セラミック温度を80℃(ヒーター電極を用いて加熱)に設定し、処理装置側の冷媒通路(図示略)に循環させる冷媒の温度を50℃に設定し、IRカメラを用いて電極端子直上の静電チャック表面(ウエハ載置面)の温度を測定した。このときの温度を初期温度とした。続いて、各装置10,110,310を、専用の着脱治具を用いて、対応する評価チャンバーに対して3回着脱を繰り返した後、初期温度を測定したときと同じ条件で温度を測定し、初期温度に対する3回着脱後の温度の高低を調べた。また、着脱回数を10回に増やして、同様にして温度を測定し、初期温度に対する10回着脱後の温度の高低を調べた。それらの結果を表1に示す。
【0047】
【表1】
【0048】
表1から明らかなように、従来の構造である半導体製造装置310では、着脱を繰り返すことにより静電チャック−ベース部材間の接合が剥離し、電極端子直上のウエハ載置面の温度が上昇した。これに対して、第1及び第2実施形態の半導体製造装置10,110では、着脱を繰り返しても静電チャック−ベース部材間の接合剥離はみられず、電極端子直上のウエハ載置面の温度も変化しなかった。
【符号の説明】
【0049】
10 半導体製造装置、20 静電チャック、22 静電電極、24 ヒーター電極、26 電極端子、30 ベース部材、32 貫通孔、32a 小径部、32b 大径部、32c 段差、34 絶縁スリーブ、34a フランジ、34b 先端、34c 雌ネジ、36 ケーブル、38 絶縁樹脂、40 チャック側端子、40a 雄ネジ、80 処理装置、82 処理装置側端子、110 半導体製造装置、134 絶縁スリーブ、134a フランジ、134b 先端、134c 凹部、140 チャック側端子、140a 雄ネジ、150 リング部材、150a 雌ネジ、310 半導体製造装置、320 静電チャック、322 静電電極、324 ヒーター電極、326 電極端子、330 ベース部材、332 貫通孔、334 絶縁スリーブ、334a 雌ネジ、334b 端部、336 ケーブル、340 チャック側端子、340a 雄ネジ、380 処理装置、382 端子、S ウエハ載置面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10