(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記カバー部材が前記装置本体から取り外されることによって、前記装置本体に露出され、前記中継ユニットに接続され、前記中継ユニットに電力を供給するコネクタ部を備えることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の画像形成装置。
前記カバー部材が前記装置本体から取り外されることによって、前記装置本体に露出され、前記中継ユニットの前記装置本体への装着をガイドするガイド部材を備えることを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一方、中継ユニットが装着されていない場合、シートは上方排紙空間の底部を形成する排紙部に排紙される。排紙部は、装置本体の上面部によって構成される。この際、排紙口から排紙された複数のシートの後端縁が揃うために、排紙部は立壁部に向かって先下がりの傾斜形状を備える。換言すれば、排紙部のうち立壁部とは反対側の領域は、上方に突出した形状を備える。この場合、上方排紙空間のうち、中継ユニットが装着される領域は、排紙部の最上部よりも上に設けられる必要があった。この結果、上下方向の位置を中継ユニットの搬送路に合わせるために、排紙口が高い位置に配置されなければならないという課題があった。
【0006】
本発明は上記の問題点に鑑みて為されたものであって、上方排紙部に中継ユニットが装着される画像形成装置において、可及的に排紙口が低い位置に配置されることを可能とする画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一局面に係る画像形成装置は、装置本体と、前記装置本体に配置され、シートに画像を形成する画像形成部と、前記装置本体の上面部の一側端部から上方に向かって立設され、前記シートを排紙する排紙口を備える立壁部と、前記装置本体の前記上面部に配置され、前記シートが排紙される排紙面を備える排紙部と、前記排紙面の少なくとも一部を形成する上面を備え、前記装置本体に対して着脱可能なカバー部材と、前記カバー部材が前記装置本体から取り外されることによって形成された空間に進入するように、前記装置本体に装着され、前記排紙口から排紙された前記シートを搬送する中継ユニットと、
前記立壁部において、前記排紙口よりも上方に配置され、前記シートが排紙される上方排紙口と、を有し、取り外された前記カバー部材は、前記装置本体の別の場所に装着可能であ
り、前記排紙面は、前記立壁部に向かって先下がりの傾斜面を備え、前記カバー部材は、前記排紙面のうち、前記立壁部とは反対側の領域において前記傾斜面の一部を構成し、前記取り外されたカバー部材は、前記装置本体に装着された前記中継ユニットの上面部に装着可能とされ、前記中継ユニットの上面部に装着された前記カバー部材の前記傾斜面が、前記立壁部に向かって先下がりとなるように配置され、前記カバー部材が、前記上方排紙口から排紙されたシートが積載される上方排紙部を形成することを特徴とする。
【0008】
本構成によれば、装置本体に中継ユニットが装着されていない場合、排紙口から排紙されたシートは、装置本体の排紙部の排紙面に排出される。カバー部材は、排紙面の少なくとも一部を形成する。装置本体に中継ユニットが装着される場合、装置本体からカバー部材が取り外される。中継ユニットは、カバー部材が装置本体から取り外されることによって形成された空間に進入するように、装置本体に装着される。このため、カバー部材の上に中継ユニットが装着される場合と比較して、中継ユニットが、より低い位置に配置されることが可能となるとともに、カバー部材が紛失されることが防止される。
また、本構成によれば、排紙部の排紙面は、立壁部に向かって先下がりの傾斜面を備える。このため、排紙部に排出されたシートの後端縁が揃えられる。また、カバー部材は、前記排紙面のうち、前記立壁部とは反対側の領域において前記傾斜面の一部を構成する。このため、カバー部材が装置本体から取り外されることによって、排紙部のうち最も上方部分が開放される。この結果、中継ユニットが、より低い位置に配置されることが可能となる。また、本構成によれば、装置本体から取り外されたカバー部材は、中継ユニットの上面部に装着される。このため、中継ユニットの装着に伴って、カバー部材が紛失されることが防止されるとともに、中継ユニットの上面部に用紙を排出して揃えることが可能となる。更に、本構成によれば、中継ユニットの上面部に装着されたカバー部材によって、上方排紙口から排紙されたシートが積載される上方排紙部が形成される。また、カバー部材の傾斜面によって、上方排紙口から排紙されたシートの後端縁が揃えられる。
【0009】
また、本発明の他の局面に係る画像形成装置は、装置本体と、前記装置本体に配置され、シートに画像を形成する画像形成部と、前記装置本体の上面部の一側端部から上方に向かって立設され、前記シートを排紙する排紙口を備える立壁部と、前記装置本体の前記上面部に配置され、前記シートが排紙される排紙面を備える排紙部と、前記排紙面の少なくとも一部を形成する上面を備え、前記装置本体に対して着脱可能なカバー部材と、前記カバー部材が前記装置本体から取り外されることによって形成された空間に進入するように、前記装置本体に装着され、前記排紙口から排紙された前記シートを搬送する中継ユニットと、を有し、取り外された前記カバー部材は、前記装置本体の別の場所に装着可能であり、前記排紙面は、前記立壁部に向かって先下がりの傾斜面を備え、前記カバー部材は、前記排紙面のうち、前記立壁部とは反対側の領域において前記傾斜面の一部を構成
し、前記取り外されたカバー部材は、前記装置本体に装着された場合と上下方向を反転された状態で、前記装置本体に装着された前記中継ユニットの下面部と、前記装置本体の前記排紙部のうち前記立壁部側の領域との間に収容可能とされることを特徴とする。
【0010】
本構成によれば、
装置本体に中継ユニットが装着されていない場合、排紙口から排紙されたシートは、装置本体の排紙部の排紙面に排出される。カバー部材は、排紙面の少なくとも一部を形成する。装置本体に中継ユニットが装着される場合、装置本体からカバー部材が取り外される。中継ユニットは、カバー部材が装置本体から取り外されることによって形成された空間に進入するように、装置本体に装着される。このため、カバー部材の上に中継ユニットが装着される場合と比較して、中継ユニットが、より低い位置に配置されることが可能となるとともに、カバー部材が紛失されることが防止される。また、排紙部の排紙面は、立壁部に向かって先下がりの傾斜面を備える。このため、排紙部に排出されたシートの後端縁が揃えられる。また、カバー部材は、前記排紙面のうち、前記立壁部とは反対側の領域において前記傾斜面の一部を構成する。このため、カバー部材が装置本体から取り外されることによって、排紙部のうち最も上方部分が開放される。この結果、中継ユニットが、より低い位置に配置されることが可能となる。
更に、本構成によれば、装置本体から取り外されたカバー部材は、中継ユニットと立壁部側の排紙部との間に収容される。このため、中継ユニットの装着に伴って、カバー部材が紛失されることが防止される。
【0017】
上記の構成において、前記カバー部材の前記傾斜面が、前記装置本体側の前記排紙部の前記傾斜面に対向するように、前記カバー部材が収容されることが望ましい。
【0018】
本構成によれば、排紙部の先下がりの形状を利用して、カバー部材がコンパクトに収容される。
【0019】
上記の構成において、前記カバー部材が前記装置本体から取り外されることによって、前記装置本体に露出され、前記中継ユニットに接続され、前記中継ユニットに電力を供給するコネクタ部を備えることが望ましい。
【0020】
本構成によれば、中継ユニットが装着されない場合において、カバー部材がコネクタ部を保護する機能を兼ねることができる。
【0021】
上記の構成において、前記カバー部材が前記装置本体から取り外されることによって、前記装置本体に露出され、前記中継ユニットの前記装置本体への装着をガイドするガイド部材を備えることが望ましい。
【0022】
本構成によれば、中継ユニットが装着されない場合において、カバー部材がガイド部材を保護する機能を兼ねることができる。また、カバー部材が取り外されることによって露出されるガイド部材によって、中継ユニットの装置本体への装着が好適にガイドされる。
【0023】
上記の構成において、前記コネクタ部は、前記立壁部とは反対側に向かって配置された接続部を備え、前記中継ユニットは、前記接続部に対向し、前記立壁部に向かって配置され、前記中継ユニットの内部に電力を供給する被接続部を備え、前記ガイド部材は前記立壁部に向かう方向に前記中継ユニットをガイドし、前記ガイド部材によってガイドされた前記中継ユニットの装着に伴って、前記接続部が前記被接続部に接続されることが望ましい。
【0024】
本構成によれば、ガイド部材にガイドされながら、中継ユニットが装置本体に装着されると、接続部と被接続部とが接続される。このため、中継ユニットの装着に連動して、中継ユニットに電力を供給することが可能となる。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、上方排紙部に中継ユニットが装着される画像形成装置において、可及的に排紙口が低い位置に配置されることが可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、図面に基づいて、本発明の実施形態につき詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る画像形成装置1の外観を示す斜視図、
図2は、画像形成装置1の内部構造を示す断面図である。なお、
図1では、
図2における後処理装置4は現れていない。また、
図2では、後記の排紙頂上部70が取り外された状態を示している。更に、
図3は、後処理装置4および中継ユニット5が装着されていない状態の画像形成装置1の斜視図である。ここでは、画像形成装置1は、上方に排紙部を備えるカラープリンターであるが、上方に排紙部を具備する限りにおいて、画像形成装置は、モノクロプリンター、ファクシミリ装置、或いは、これらの機能を備える複合機であってもよい。
【0028】
画像形成装置1は、略直方体形状の筐体構造を有し、上方に排紙空間24を備えた装置本体2、装置本体2の側面に配置される後処理装置4、及び、前記排紙空間24に着脱可能に組み付けられる中継ユニット5を含む。装置本体2は、シートに対して画像形成処理を行う。後処理装置4は、画像形成後のシートに所定の後処理を施す。中継ユニット5は、画像形成後のシートを、装置本体2から後処理装置4へ搬送する。
【0029】
装置本体2は、略直方体形状の下部筐体21と、下部筐体21の右端部から上方に向かって立設される立壁部23と、下部筐体21の後端部から上方に向かって立設される後方壁242(
図1)と、を含む。下部筐体21には画像形成のための各種機器が収容されている。下部筐体21、立壁部23及び後壁部242で囲まれる空間が、画像形成後のシートを収容可能な排紙空間24とされている。立壁部23には、装置本体2の右側面20Rに側に配置され、排紙空間24へシートを排出するための排出口961(排紙口)と上方排出口962(上方排紙口)が設けられている。
【0030】
図3を参照して、後処理装置4及び中継ユニット5が装置本体2に装着されていない状態においては、排紙空間24から画像形成後のシートを取り出すことが可能である。この場合、排出口961から排出されたシートは排紙面241(排紙部)に排紙される。排紙空間24の排紙面241のうちシート排出方向(左方向)の下流側は、下部筐体21に対して着脱可能とされる排紙頂上部70(カバー部材)の上方傾斜面241Tによって画定される。また、前記排紙面241のうち、シート搬送方向の上流側は、下部筐体21の一部である本体傾斜面241Sによって画定される。本体傾斜面241Sおよび上方傾斜面241Tは、排出口961から排出されたシートを搬送方向後端側で揃えるために、立壁部23に向けて(右方に向かって)先下がりの傾斜形状を有している。
【0031】
立壁部23の前面には、操作部221が突出して設けられている。操作部221は、LCDタッチパネル、テンキー、スタートキーなどを含み、ユーザーからの各種の操作指示の入力を受け付ける。ユーザーは、操作部221を通じて、印刷されるシートの枚数等を入力したり、印刷濃度等を入力したりすることができる。
【0032】
下部筐体21には、画像形成処理が施されるシートを収容する2段の給紙カセット211が装着されている。なお、
図2では給紙カセット211のうち、1段分が現れている。これらの給紙カセット211は、下部筐体21(装置本体2)の前面20Fから手前方向に引出可能である。給紙カセット211は、自動給紙用に設けられたカセットであるが、装置本体2の右側面20Rには、手差し給紙用の給紙トレイ60も設けられている。給紙トレイ60は、その下端部において下部筐体21に対して開閉自在に取り付けられている。ユーザーは、手差し給紙を行う場合、給紙トレイ60を開き、その上にシートを載置する。
【0033】
後処理装置4(
図2)は、装置本体2に対して後付けで付加されるオプションユニットであって、画像形成後のシートにパンチング処理やステイプル処理等の後処理を施した上で排出す装置である。後処理装置4は、装置本体2の左側面20Lであって、排紙空間24の左方に対向する位置に、不図示の取付板を介して取り付けられている。後処理装置4は、排紙空間24に臨みシートを受け入れる受入口401と、後処理のための機構部を内蔵する本体部41と、処理後のシートが排出される排出トレイ42とを含む。排出トレイ42には、本体部41で後処理が施されたシートが排出されるのは勿論であるが、後処理が施されることなく、単に本体部41をスルーするだけのシートも排出される。
【0034】
続いて、装置本体2の内部構造を説明する。下部筐体21の内部には、上方から順に、トナーコンテナ99Y、99M、99C、99Bk、中間転写ユニット92、画像形成部93、露光ユニット94、及び上述の給紙カセット211が収容されている。
【0035】
画像形成部93は、フルカラーのトナー像を形成するために、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及びブラック(Bk)の各トナー像を形成する4つの画像形成ユニット10Y、10M、10C、10Bkを備える。各画像形成ユニット10Y、10M、10C、10Bkは、感光体ドラム11と、この感光体ドラム11の周囲に配置された、帯電器12、現像装置13、一次転写ローラー14及びクリーニング装置15とを含む。
【0036】
感光体ドラム11は、その軸回りに回転し、その周面に静電潜像及びトナー像が形成される。感光体ドラム11としては、アモルファスシリコン(a−Si)系材料を用いた感光体ドラムを用いることができる。帯電器12は、感光体ドラム11の表面を均一に帯電する。帯電後の感光体ドラム11の周面は、後述の露光ユニット94によって露光され、静電潜像が形成される。
【0037】
現像装置13は、感光体ドラム11上に形成された静電潜像を現像するために、感光体ドラム11の周面にトナーを供給する。現像装置13は、2成分現像剤用のものであり、攪拌ローラー16、17、磁気ローラー18、及び現像ローラー19を含む。攪拌ローラー16、17は、2成分現像剤を攪拌しながら循環搬送することで、トナーを帯電させる。磁気ローラー18の周面には2成分現像剤層が担持され、現像ローラー19の周面には、磁気ローラー18と現像ローラー19との間の電位差によってトナーが受け渡されることにより形成されたトナー層が担持される。現像ローラー19上のトナーは、感光体ドラム11の周面に供給され、前記静電潜像が現像される。
【0038】
一次転写ローラー14は、中間転写ユニット92に備えられている中間転写ベルト921を挟んで感光体ドラム11とニップ部を形成し、感光体ドラム11上のトナー像を中間転写ベルト921上に一次転写する。クリーニング装置15は、トナー像転写後の感光体ドラム11の周面を清掃する。
【0039】
イエロー用トナーコンテナ99Y、マゼンタ用トナーコンテナ99M、シアン用トナーコンテナ99C、及びブラック用トナーコンテナ99Bkは、それぞれ各色のトナーを貯留するものであり、YMCBk各色に対応する画像形成ユニット10Y、10M、10C、10Bkの現像装置13に、図略の供給経路を通して各色のトナーを供給する。
【0040】
露光ユニット94は、レーザー光源、ポリゴンミラー、反射ミラー、偏向ミラーなどの各種の光学系機器を有し、画像形成ユニット10Y、10M、10C、10Bkの各々に設けられた感光体ドラム11の周面に、原稿画像の画像データに基づいて変調されたレーザー光を照射して、静電潜像を形成する。
【0041】
中間転写ユニット92は、中間転写ベルト921、駆動ローラー922及び従動ローラー923を備える。中間転写ベルト921上には、複数の感光体ドラム11からトナー像が重ね塗りされる(一次転写)。重ね塗りされたトナー像は、給紙カセット211又は給紙トレイ60から供給されるシートに、二次転写部98において二次転写される。中間転写ベルト921を周回駆動させる駆動ローラー922及び従動ローラー923は、下部筐体21によって回転自在に支持される。
【0042】
給紙カセット211は、複数のシートが積層されてなるシート束を収納する。給紙カセット211の右端側の上部には、ピックアップローラー25が配置されている。ピックアップローラー25の駆動により、給紙カセット211内のシート束の最上層のシートが1枚ずつ繰り出され、搬入搬送路26へ搬入される。この搬入搬送路26には、下方から延びている連繋搬送路261が合流しており、下段の給紙カセット211(
図1参照)から搬出されるシートは、この連繋搬送路261を通して搬入搬送路26に搬入される。一方、給紙トレイ60に載置されたシートは、給紙ローラー61の駆動によって、搬入搬送路26へ搬入される。
【0043】
搬入搬送路26の下流側には、二次転写部98、後述する定着ユニット97及び排紙ユニット96を経由して排出口961と上方排出口962まで延びるシート搬送路62が設けられている。排紙ユニット96にはシートの排出先を排出口961または上方排出口962に切り替える分岐ガイド963が設けられている。シート搬送路62の上流部分は、下部筐体21に形成された内壁と、反転搬送ユニット63の内面を形成する内壁との間に形成されている。シート搬送路62の、二次転写部98よりも上流側にはレジストローラー対27が配置されている。シートは、レジストローラー対27にて一旦停止され、スキュー矯正が行われた後、画像転写のための所定のタイミングで、二次転写部98に送り出される。
【0044】
立壁部23の内部には、定着ユニット97と排紙ユニット96とが収納されている。定着ユニット97は、定着ローラーと加圧ローラーとを含み、二次転写部98においてトナー像が二次転写されたシートを加熱及び加圧することで、定着処理を施す。定着処理されたカラー画像付のシートは、定着ユニット97下流に配置されている排紙ユニット96により、排出口961から排紙空間24に向けて排出される。シートの両面に画像を形成する場合には、シートを上方排出口962から排出空間24に向けて途中まで排出させた状態でスイッチバックさせ、両面搬送路99を通して再び搬入搬送路26に搬入して、反対側の面に画像を形成する。
【0045】
中継ユニット5は、後処理装置4が事後的に装置本体2の左側面20Lに取り付けられる場合に、装置本体2からシートを排出する排出口961から、後処理装置4のシート受入口401まで、排紙空間24を横断してシートを水平方向に搬送するために、排紙空間24に組み付けられている。中継ユニット5は、上下方向に積層される2つのガイド部材、すなわち、下ガイド部材51と、上ガイド部材52とを含み、両者の間には水平方向に延びる中継搬送路50が形成されている。後処理装置4及び中継ユニット5が据え付けられた後は、シートに後処理が施されるか否かに拘わらず、画像形成後のシートは、この中継ユニット5を通過することになる。
【0046】
下ガイド部材51は、搬送されるシートをガイドする下側ガイド面51Gを備え、上ガイド部材52は同様な上側ガイド面52Gを備えている。中継搬送路50は、下側ガイド面51Gと上側ガイド面52Gとが、所定間隔をおいて対向配置されることで形成されている。中継搬送路50の右端側(上流端側)には、排出口961からシートを受け入れるための搬入口501が、中継搬送路50の左端側(下流端側)には、シートを後処理装置4の受入口401へ送り出すための搬出口502がそれぞれ設けられている。
【0047】
次に、
図1乃至
図3に加え、
図4乃至
図9を参照して、装置本体2に対する中継ユニットの5の取り付け構造について説明する。
図4は、本実施形態に係る排紙頂上部70(カバー部材)の斜視図である。
図5は、排紙頂上部70が装着されていない状態の画像形成装置1の斜視図である。
図6は、
図5の一部を拡大した斜視図である。また、
図7は、本実施形態に係る中継ユニット5の斜視図である。更に、
図8は、
図1の一部を拡大した斜視図である。また、
図9は、中継ユニット5に排紙頂上部70が装着された状態の画像形成装置1の斜視図である。
【0048】
図4を参照して、前述のように、排紙頂上部70は、装置本体2に対して着脱可能とされる。排紙頂上部70は、略矩形形状をもって前後および左右方向に延伸され、上下方向に僅かな高さを備えた部材である。排紙頂上部70の前後の側縁は、前壁部703および後壁部704によって画定される。また、排紙頂上部70の左右の側縁は、左壁部702および右壁部701によって画定される。排紙頂上部70の上面部のうち、右側の領域には、前述の上方傾斜面241Tが形成される。また、排紙頂上部70の上面部のうち、左側の領域は、上方傾斜面241Tに連設されるとともに、略水平な平面部70Tからなる。なお、排紙頂上部70の高さは、左壁部702の高さにほぼ等しい。また、平面部70Tの前後方向の中央部には、シート押さえ部80が配置される。
【0049】
シート押さえ部80は、平面部70Tに対して回動可能とされる。シート押さえ部80は、上下および左右方向の断面視において、L字形状を備える。シート押さえ部80は、押さえ面801と、支点部802とを備える。押さえ面801は、平面部70Tの一部を構成する。支点部802は、押さえ面801の左側の側端縁に連設される。支点部802は、左壁部702の一部を構成する。支点部802に前後方向に延設された不図示の回転軸を支点として、押さえ面801の先端縁801A側が、上方に回動される。そして、押さえ面801が略90度回転されると、押さえ面801が鉛直上方に延伸するように配置される。この結果、排紙頂上部70が装置本体2に装着された状態において(
図3)、シート押さえ部80の押さえ面801は、排出口961から排紙されたシートが排紙面241から左方に落下することを防止する。
【0050】
更に、排紙頂上部70は、固定片71と、後固定爪72と、前固定爪73とを備える。固定片71は、左壁部702の前後方向の略中央部から下方に向かって突設される板状部材である。固定片71には、左右方向に貫通された穴部が形成される。また、後固定爪72および前固定爪73は、固定片71を前後方向で挟むように、左壁部702から下方に向かって延設された突片である。
【0051】
他方、
図3および
図6を参照して、装置本体2の下部筐体21において、排紙頂上部70の直下には、第2固定穴255および一対の第1係合部256が配置される。第2固定穴255には、排紙頂上部70の固定片71の穴部に挿通された不図示のスクリューが固定される。また、一対の第1係合部256には、排紙頂上部70の後固定爪72および前固定爪73が挿入される。固定片71、後固定爪72、前固定爪73、第2固定穴255、第1係合部256によって、排紙頂上部70が下部筐体21に固定可能とされる。
【0052】
更に、
図6を参照して、下部筐体21から排紙頂上部70が取り外されると、下部筐体21の上面部には、ガイド部材251、ドロアコネクタ252(コネクタ部)、第1固定穴253、スタッド254が露出される。換言すれば、中継ユニット5が下部筐体21に装着されない場合、排紙頂上部70によって、上記の部材が好適に保護される。
【0053】
ガイド部材251は、下部筐体21の上面部であって、排紙頂上部70の下方に配置される。ガイド部材251は、前後方向に間隔をおいて、左右方向に延設される一対の突出部である。更に、それぞれのガイド部材251は、前後方向に間隔をおいて、左右方向に延伸される一対の壁部251Aを備え、前記一対の壁部251Aの間には、左右方向に延設されるガイド溝251Bが形成される。ガイド溝251Bには、後記の中継ユニット5の被ガイド部512が挿通される。
【0054】
ドロアコネクタ252は、前後方向において一対のガイド部材251の間であって、ガイド部材251よりも左側に配置される。ドロアコネクタ252は、中継ユニット5に電力を供給するためのコネクタ部である。また、ドロアコネクタ252によって、画像形成装置1と中継ユニット5との間で各種の制御信号が送受信される。ドロアコネクタ252は、左方向(立壁部23とは逆の方向)に向かって複数の信号ピンが延設される接続部252Aを備える。
【0055】
第1固定穴253は、下部筐体21の上面部の左端縁において、前後方向に間隔をあけて一対配置される。第1固定穴253は、左方向に向かって開口されるスクリュー穴である。第1固定穴253には、中継ユニット5の孔部514が対向して配置され、後記のとおりスクリューSCが締結される。
【0056】
スタッド254は、前後方向において第1固定穴253の直外側に配置される一対の突起である。スタッド254は、左方向に向かって突設される。スタッド254は、中継ユニット5のスタッド穴515に挿通される。
【0057】
図7を参照して、中継ユニット5は、上下方向の厚さが比較的薄い四角柱の形状を有するハウジング5Hを含む。このハウジング5Hは、上述の下ガイド部材51と上ガイド部材52との組み合わせによって形成されている。下ガイド部材51及び上ガイド部材52は、硬質樹脂の成型品からなる。
【0058】
ハウジング5Hは、中継ユニット5の左右の側面を画定する左側面5L及び右側面5Rと、これらの側面と略直交される前側面5F及び後側面5B(不図示)とを備えている。シートをハウジング5H内に搬入する搬入口501は右側面5Rに形成され、シートをハウジング5Hから搬出する搬出口502は左側面5Lに形成されている。なお、
図7に示されるように、下ガイド部材51の下面部51Tは、左側面5Lよりも上方に窪んだ形状からなる。前述のように中継搬送路50は、搬入口501から搬入されたシートを、搬出口502まで搬送するための搬送路である。
【0059】
中継ユニット5は、挿入片511、被ガイド部512、中継ユニットコネクタ513、孔部514、スタッド穴515を備える。
【0060】
挿入片511は、右側面5Rから、右方に向かって突設される複数の突片である。挿入片511は、前後方向において間隔をおいて複数配置される。挿入片511は、立壁部23に開口された不図示の挿入孔に挿入される。
【0061】
被ガイド部512は、下ガイド部材51の下面部51Tにおいて、前後方向に間隔をおいて、左右方向に延設される一対の突起部である。被ガイド部512は、下ガイド部材51の左右方向の略中央部に所定の長さで配置される。
【0062】
中継ユニットコネクタ513は、左側面5Lの前後方向の中央部において、左側面5Lの裏側(右側面)に配置されたコネクタ部である。中継ユニットコネクタ513は、中継ユニット5の内部に電力を供給するためのコネクタ部である。また、中継ユニットコネクタ513によって、画像形成装置1と中継ユニット5との間で各種の制御信号が送受信される。中継ユニットコネクタ513は、右方向(立壁部23に向かう方向)に向かって複数の雌型端子が延設される被接続部513Aを備える。前述のドロアコネクタ252の接続部252Aが、中継ユニットコネクタ513の被接続部513Aに接続される。
【0063】
孔部514は、左側面5Lにおいて、前後方向に間隔をあけて形成される一対の穴部である。孔部514は、左側面5Lを左右方向に貫通するように形成される。孔部514には、前述の第1固定穴253が対向して配置される。また、スタッド穴515は、前後方向において、一対の孔部514の外側に開口される一対の穴部である。スタッド穴515には、前述のスタッド254が挿通される。
【0064】
図6および
図7を参照して、排紙頂上部70が下部筐体21から取り外されると、中継ユニット5が、排紙頂上部70が配置されていた空間に進入しながら、排紙空間24の左方から立壁部23に向かうように、下部筐体21に装着される。この際、中継ユニット5の一対の被ガイド部512が、下部筐体21の一対のガイド溝251Bに挿通されながら、中継ユニット5が右方に向かって移動される。換言すれば、ガイド部材251のガイド溝251Bによって中継ユニット5の装着がガイドされる。
【0065】
排紙空間24において、中継ユニット5が右方に移動されると、やがて、中継ユニット5の右側面5Rが、立壁部23に近接される。この際、中継ユニット5の挿入片511が、立壁部23の排出口961の下方に開口された不図示の挿入孔に挿入される。この結果、中継ユニット5の搬入口501が、立壁部23の排出口961に対向して配置される。
【0066】
一方、挿入片511が上記の挿入孔に挿入されるとほぼ同時に、中継ユニット5の中継ユニットコネクタ513の被接続部513Aが、下部筐体21のドロアコネクタ252の接続部252Aに接続される。この結果、中継ユニット5の装着に連動して、接続部252Aと被接続部513Aとの接続が行われる。また、下部筐体21の一対のスタッド254が、中継ユニット5の一対のスタッド穴515に挿入される。この結果、挿入片511の前記挿入とあわせて、中継ユニット5の下部筐体21に対する位置が決定される。そして、孔部514に挿通された一対のスクリューSCが第1固定穴253に固定されることで、下部筐体21に中継ユニット5が固定される(
図8参照)。
【0067】
なお、中継ユニット5が下部筐体21の排紙空間24に組み付けられた状態では、ハウジング5Hの下面部51Tが、排紙空間24の本体傾斜面241Sに対向して配置される。また、ハウジング5Hの後側面5Bは、装置本体2の後壁部242に隣接される。一方、中継ユニット5の前側面5Fは、装置本体2の前面20Fに沿うように配置される。
【0068】
このように、本実施形態によれば、下部筐体21に中継ユニット5が装着されていない場合、排出口961から排紙されたシートは、下部筐体21の排紙面241に排出される。排紙面241は、立壁部23に向かって先下がりの傾斜面(本体傾斜面241S、上方傾斜面241T)を備える。このため、排紙面241に排出されたシートの後端縁が揃えられる。一方、下部筐体21に中継ユニット5が装着される場合、下部筐体21から排紙頂上部70が取り外される。中継ユニット5は、排紙頂上部70が下部筐体21から取り外されることによって形成された空間に進入するように、下部筐体21に装着される。このため、排紙最上部70の上に中継ユニット5が装着される場合と比較して、中継ユニット5が、より低い位置に配置されることが可能となる。
【0069】
更に、
図8および
図9を参照して、本実施形態では、中継ユニット5が下部筐体21に装着されるために、下部筐体21から取り外された排紙頂上部70が、中継ユニット5に装着可能とされる。
図8を参照して、中継ユニット5は、挿入穴516、第2係合部517を備える。
【0070】
挿入穴516は、中継ユニット5の上ガイド部材52の左端縁に開口される孔部である。挿入穴516は、上ガイド部材52の前後方向の中央部に開口される。また、第2係合部517は、挿入穴516を前後方向で挟むように、上ガイド部材52の左端縁に開口される一対の孔部である。
図4および
図8を参照して、排紙頂上部70の固定片71が、中継ユニット5の挿入穴516に挿入される。また、排紙頂上部70の後固定爪72および前固定爪73が、中継ユニット5の一対の第2係合部517に挿入される。この結果、
図9に示すように、排紙頂上部70が中継ユニット5の上面部に固定される。このため、取り外された排紙頂上部70が紛失されることが抑止される。
【0071】
更に、本実施形態では、中継ユニット5の上面部に排紙頂上部70が装着されるにあたり、
図9に示されるように、排紙頂上部70の上方傾斜面241Tが、立壁部23に向かって先下がりとなるように配置される。上方排出口962に搬送されたシートを排紙空間24に排出する際、中継ユニット5の上面部に装着された排紙頂上部70の上方傾斜面241Tが、上方排出口962から排紙されたシートが積載される上方排紙部24Tを構成する。このため、上方傾斜面241Tによって、前記シートの後端縁が、立壁部23側で好適に揃えられる。更に、前述のシート押さえ部80が、排紙頂上部70に対して回動されることで、上方排出口962から排紙されたシートが、中継ユニット5の左方に落下することが防止される。
【0072】
以上、本発明の実施形態に係る画像形成装置1について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば次のような変形実施形態を取ることができる。
【0073】
(1)上記の実施形態では、中継ユニット5が下部筐体21に装着されるために、下部筐体21から取り外された排紙頂上部70が中継ユニット5の上面部に装着される態様にて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
図9は、本発明の変形実施形態に係る画像形成装置1Aの斜視図であり、排紙頂上部70Aが取り外された状態を示す。また、
図10は、
図9の状態の模式的な断面図である。本変形実施形態では、排紙頂上部70Aは、下部筐体21に装着された場合と上下方向を反転された状態で、下部筐体21に装着された中継ユニット5Aの下面部51Tと、下部筐体21の排紙面241のうち立壁部23側の本体傾斜面241Sとの間に収容可能とされる。このため、中継ユニット5Aの装着に伴って、下部筐体21から取り外された排紙頂上部70Aが紛失されることが防止される。
【0074】
更に、本変形実施形態では、排紙頂上部70Aの上方傾斜面241Tが、下部筐体21の本体傾斜面241Sに対向するように、排紙頂上部70Aが収容される。すなわち、
図11に示されるように、排紙頂上部70Aの上方傾斜面241Tが本体傾斜面241Sに沿うように、排紙頂上部70Aが配置される。このため、本体傾斜面241Sの先下がりの形状を利用して、排紙頂上部70Aがコンパクトに収容される。特に、排紙頂上部70Aが収容されるにあたり、排紙頂上部70Aが、本体傾斜面241Sと立壁部23との間の楔型の領域Xに進入される。このため、排紙頂上部70Aが収容されるための空間の高さが縮小される。なお、
図11では、排紙頂上部70Aの一部が、領域Xに進入する態様にて示しているが、他の変形実施形態において、排紙頂上部70Aが領域Xに完全に収容されるように、排紙頂上部70Aの幅、高さ、および排紙面241Tの傾斜角度が設定されてもよい。
【0075】
(2)また、上記の実施形態では、画像形成装置1が装置本体2の上面部に排紙部を備えたプリンタである態様にて説明したが、画像形成装置1は装置本体2の上方に画像読取ユニットを備えた、いわゆる胴内排紙型の複合機であってもよい。この場合であっても、排紙頂上部70が下部筐体21に対して着脱可能とされ、排紙頂上部70の配置空間を中継ユニット5の装着空間として利用することが可能となる。