(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記カーボンナノチューブカラムのそれぞれの外側に配置された前記カーボンナノチューブの少なくとも一部上に堆積された導電性金属をさらに含み、前記金属が前記カーボンナノチューブカラムの導電性を高くする、請求項1に記載のプローブカードアセンブリ。
前記カーボンナノチューブカラムのそれぞれの内側に配置された前記カーボンナノチューブの少なくとも一部上に堆積された導電性金属をさらに含み、前記金属が前記カーボンナノチューブカラムの導電性を高くする、請求項1に記載のプローブカードアセンブリ。
【発明を実施するための形態】
【0008】
[0043] 本明細書は、本発明の例示的実施形態及び用途について説明する。しかし、本発明は、これらの例示的実施形態及び用途、又は例示的実施形態及び用途が動作するか又は本明細書で説明された方法に、限定されるものではない。さらに、図面は簡略図又は部分図を示してもよく、図面内の要素の寸法は、見やすいように誇張されているか、又はそうでなければ正しい比率ではない。さらに、本明細書で「上にある」、「取り付けられる」、又は「結合される」という用語が使用されている場合、1つの対象物が、直接、他の対象物の上にあるか、取り付けられるか、又は結合されるか、又は対象物間に1つ又は複数の対象物が介在するかにかかわらず、1つの対象物(例えば材料、層、基板など)は、他の対象物の「上にある」、「取り付ける」、又は「結合する」ことができる。また、方向(例えば上、下、頂部、底部、側部、上方、下方、下に、上に、下部、上部、水平、垂直、「x」、「y」、「z」など)が与えられている場合、この方向は相対的であり、単なる例示としてのものであり、また、図示及び説明がしやすいように与えられるものであって、限定するものではない。さらに、要素のリスト(例えば要素a、b、c)が参照される場合、このような参照は、言及した要素のうちのいずれか1つを単独で、言及した要素のすべてよりも少ないいずれかの組合せ、及び/又は言及した要素のすべての組合せが含まれる。
【0009】
[0044]
図1は、本発明の幾つかの実施形態による、それぞれがカーボンナノチューブカラムを備えるプローブを有する接触器デバイスを含む電子装置を作成するためのプロセス100の例を示す。本明細書で使用する場合、カーボンナノチューブカラムは、一般的に垂直に位置合わせされたバンドル型カーボンナノチューブのグループを含むが、グループ内の幾つかのカーボンナノチューブは、重なり合う、織り合わさる、又は絡み合わさる、又はそうでなければ、1つ又は複数の場所で1つ又は複数の他のカーボンナノチューブと接触することができる。また、幾つかの実施形態では、カラム内のすべてのカーボンナノチューブがカラムの長さ全体に延在しているとは限らない。例えば、幾つかにラベル付けされた個々のカーボンナノチューブ216を含むカーボンナノチューブカラム214の例の写真を示す
図2Cを参照されたい。
【0010】
[0045]
図2Aは、本発明の幾つかの実施形態による、それぞれがカーボンナノチューブカラム214を備えるプローブ240を有する電子装置234が作成される
図1のプロセス100の実施例を示す。
図2Bは、アセンブルされた電子装置234を示す。
図3〜
図24は、
図1のプロセス100の1つ又は複数のステップの例を示す。
図3〜
図24は、
図1のプロセス100のうちの1つ又は複数のステップの例を示す。しかし、
図3〜
図24の例について説明する前に、以下のようにプロセス100の概要を述べる。
【0011】
[0046]
図1に示すように、カーボンナノチューブカラムはステップ102で得ることができる。幾つかの実施形態では、カラムは
図2Aに示すカラム214と同様とすることができる。上述のように、各カラム214は複数のバンドル型カーボンナノチューブ216を含むことができる。
図2Aでは、各カラム214内にこのようなカーボンナノチューブ216が3つ示されているが、各カラム214は、より多くの(例えば、数十、数百、数千などの)個々のカーボンナノチューブ216を含むことができる。
図2Aでは、3つのカーボンナノチューブカラム214が示されているが、
図1のプロセス100のステップ102では、これより多くの又はこれより少ない数を得ることができる。
図2Aに全体として示すように、カーボンナノチューブカラム214は、成長基板224上の成長材料226の表面222から成長できる。成長材料226は成長基板224上にあるため、たとえカーボンナノチューブカラム214が表面222上で直接成長する場合であっても、カーボンナノチューブカラム214は成長基板224上で成長すると言うことができる。カラム214の成長例については、
図3を参照しながら以下で説明する。
【0012】
[0047] 幾つかの実施形態では、カラム214はステップ102で、カラム214が移送される端子のパターンに対応するパターンで得ることができる。例えば
図2Aに示す例では、カラム214はステップ102で得ることができ、カラム214が移送される配線基板202の端子212に対応するパターンで成長基板224に結合される。さらに、このパターンは、端子214を備えるプローブ240が接触するために使用される電子デバイスの端子に対応することができる。例えば、以下の
図25及び
図26についての説明から分かるように、カラム214は、ステップ102で、DUT2618をテストするためにカラム214が接触するために使用されるDUT2618(例えばテストの対象となる電子デバイス)の端子2616に対応するパターンで得ることができる。
【0013】
[0048] 再度
図1を参照すると、カラム214はステップ104で金属化することができる。本明細書で使用する場合、カラム214の金属化は、カラム214を備える少なくとも幾つかのカーボンナノチューブ216の少なくとも一部(例えば、幾つか、ほぼすべて、又はすべて)上での金属の堆積を含む。幾つかの実施形態では、金属材料232(例えば金、銀、銅、又は他の導電性材料)は、カラム214の内部にあるカーボンナノチューブ216の少なくとも幾つかの上で、各カラム214の内側に堆積できる。幾つかの実施形態では、金属材料232は、主に各カラム214の外側(例えば、カラム214の外側にあるカーボンナノチューブ216の少なくとも幾つか)上に堆積できる。幾つかの実施形態では、金属材料232は、各カラム214の外側上及び内側上に堆積できる。カラム214の内側での金属232の堆積の例については、
図8及び
図9に関して以下で説明し、カラム214の外側上の金属232の堆積の例については、
図10A及び
図10Bに関して以下で説明する。本明細書で使用する場合、カラム214の内側での金属化(又は金属材料232の堆積)とは、カラム214の内部にある少なくとも幾つかのカーボンナノチューブ216の少なくとも一部上での金属化(又は金属材料232の堆積)を意味し、カラム214の外側上での金属化(又は金属材料232の堆積)とは、カラム214の外側にある少なくとも幾つかのカーボンナノチューブ216の少なくとも一部(例えば、幾つか、ほぼすべて、又はすべて)の金属化(又はその上での金属材料232の堆積)を意味する。
【0014】
[0049]
図1のステップ106では、金属化されたカーボンナノチューブカラム214を、
図2Aに示すような配線基板202の導電性端子212に(例えばカップリング又は装着によって)移送することができる。上述のように、
図2Aに示すカラム214は、成長基板224の成長材料226の表面222上で成長できるため、カラム214の端部220は、初期に、成長プロセスの結果として表面222に結合できる。
図2A及び
図2Bに示すように、カラム214の端部218は、カップリング230によって配線基板202の端子212に結合でき、カラム214の端部220は、成長材料226の表面222と(例えば機械的又は化学的手段によって)分離できる。成長基板224から配線基板202へのカラム214の移送の例については、
図11〜
図19に関して以下で説明する。端部218又は端部220のいずれかを第1の端部とみなすことができ、端部218又は端部220の他方を第2の反対端部とみなすことができる。
【0015】
[0050] 配線基板202は、端子212を備える任意の基板とすることができる。例えば、配線基板202は、プリント回路板、セラミック基板、又は端子212の支持に好適な他の同様の基板とすることができる。配線基板202のみ、又は他のコンポーネントとの組合せが、電子デバイス(図示せず)との圧力ベースの電気的接続を有効にするために十分な、カラム214を使用するための機械的支持を提供するので十分である。幾つかの実施形態では、配線基板202は、可撓性に対して十分に剛性であるものと考えることができる。
図2Aに示すように、端子212は、配線基板202内及び/又は配線基板202上の電気接続210(例えば導電性ビア及び/又はトレース)によって、他の端子208に電気的に接続できる。
図2Bに示すように、配線基板202の第1の側204上の端子208は、配線基板202の第2の側206上の端子212とは異なるピッチとすることができる。
図2Bに示すように、端子208のピッチは端子212のピッチよりも大きいものとすることができる。
【0016】
[0051]
図1のステップ108で、
図2Aに示すように、コンタクトチップ228(導電性とすることができる)をカーボンナノチューブカラム214の端部220に提供することができる。例えば、コンタクトチップ228は、
図2A及び
図2Bに示すように、カラム214の端部220上に形成するか、又はこれに結合することができる。カラム214の端部220へのコンタクトチップ228の提供例については、
図21A〜
図25に関して以下で説明する。幾つかの実施形態では、コンタクトチップ228を含める必要はない。
【0017】
[0052]
図1のステップ110で、ステップ106でのカラム214が移送される配線基板202を1つ又は複数の追加の要素に結合し、カラム214を電気プローブとすることができる電子装置を作成することができる。
図2A及び
図2Bは、電子装置234を形成するために配線基板202が電子コンポーネント236に結合される例を示す。
図2Bは、配線基板202を電子コンポーネント236に結合する1つの方法を示しているが、他の結合方法も考えられる。電子装置234の導電性コンタクトプローブ240は、
図2Bに示すようなカラム214を備えることができる。この例については、
図26に関して以下で説明する。
【0018】
[0053]
図1のプロセス100の概要について述べてきたが、次に、プロセス100の各ステップの実施に対する例について、
図3〜
図24に関して説明する。
【0019】
[0054] 上述のように、カーボンナノチューブカラム214は、
図1のステップ102で、成長基板224上の成長材料226の表面222上にカラム214を成長させることによって得ることができる。
図3は、内部でカーボンナノチューブカラム214が成長できる成長システム300を示す。便宜的及び説明がしやすいように、成長システム300に関しては、成長基板224の成長材料226の表面222上でのカラム214の成長に関して以下で説明するが、成長システム300はこれに限定されるものではなく、他の成長基板上で他のカーボンナノチューブカラムを成長させるために使用することもできる。
【0020】
[0055]
図3に示すように、成長システム300は、成長基板224を配置することができるチャンバ306(初期にはカラム214なし)を備えることができる。図に示すように、チャンバ306の温度(T
f)を制御するための温度制御デバイス302(例えばヒータ及び/又は冷却デバイス)が提供できる。また図に示すように、チャンバ306内への1つ又は複数の注入管308、316が提供でき、チャンバ306の外への1つ又は複数の排出管312が提供できる。(2つの注入管308、316及び1つの排出管312が示されているが、代替的に、より多くの又はより少ない注入管及び/又はより多くの排出管312を提供することもできる。)幾つかの実施形態では、
図3に示すように、注入管316の端部314は、温度制御デバイス302の端部304から長さLだけチャンバ306内部に位置決めすることができる。
【0021】
[0056] 成長溶液326をキャリアガス324内に導入するために、キャリアガス324との混合を高めるために成長溶液326を蒸発させることができる蒸発器318への入力付近又はその内部に注入デバイス322(例えばシリンジ又はポンプ)が提供できる。図に示すように、成長溶液326とキャリアガス324との混合物320は、蒸発器318から、注入管316を通してチャンバ306内へと送ることができる。この成長溶液326とキャリアガス324との混合物は、成長ガス320と呼ぶことができる。また図に示すように、幾つかの実施形態では、別のキャリアガス310を他の注入管308を通してチャンバ302内へ提供することもできる。別のキャリアガス310は、キャリアガス324と同じであるか又は異なるものとすることができる。ガス324及び310を供給するために、1つ又は複数のポンプ(図示せず)を提供できる。
【0022】
[0057] 成長システム300は、以下のように使用できる。最初に、成長基板224を準備できる。成長基板224は、カラム214が成長する際にこのカラム214を支持するために好適な任意の構造とすることができる。好適な成長基板224の非限定的な例には、半導体ウェーハ、セラミック基板、有機材料を含む基板、無機材料を含む基板、又は、これらの任意の組合せが含まれる。成長材料226は、カーボンナノチューブカラム214が成長することが望ましい場所の基板224上に堆積させることができる。成長材料226の各堆積は、カーボンナノチューブカラム214の所望の断面形状でパターン化することができる。成長材料226は、任意の好適な方法でパターン化できる。例えば、成長材料226は、成長材料226の所望のパターンで基板224上に堆積できる。あるいは、成長材料226を基板224上に堆積した後、成長材料226の一部を選択的に除去し、成長材料226を所望のパターンで基板224上に残すこともできる。さらに他の代替方法として、成長材料226を基板224上に堆積した後、成長材料226の一部を選択的にカバーし、成長材料226を所望のパターンで露出させて基板224上に残すこともできる。さらに他の代替方法として、成長材料226を基板224上に堆積した後、成長材料226の一部をカバーし、次に、カバーの一部を選択的に除去して、成長材料226を所望のパターンで露出させて基板224上に残すこともできる。
【0023】
[0058] 成長材料226のパターン、又はより具体的に言えば、成長面222のパターンは、カラムの所望のパターンに対応することができる。上述のように、カラム214は、
図1のプロセス100のステップ102で、カラム214が移送される端子のパターンに対応するパターンで得ることができる。例えば
図2Aに示す例では、成長面226のパターン、したがって成長面226上で成長するカラム214のパターンは、カラム214が移送される配線基板202の端子212に対応することができる(
図2を参照)。上述のように、そのパターンは、端子214を備えるプローブ240が接触のために使用される電子デバイスの端子に対応することができる。例えば、以下の
図25及び
図26についての説明から分かるように、成長材料226のパターン、したがって表面226上で成長するカラム214のパターンは、カラム214がDUT2618をテストするための接触に使用されるDUT2618(例えばテストの対象となる電子デバイス)の端子2616に対応することができる。上記内容は、カラム214が移送される電子デバイスのいずれかの端子に対応するパターン、及び/又は例えば、電子デバイスをテストするために電子デバイスとの電気接続を確立するためにカラム214によって接触される電子デバイスの端子に対応するパターンで、カラム214が得ることができる(例えば成長)方法の例である。
【0024】
[0059] 成長材料226は、成長溶液326に対して暴露された場合にその上にカーボンナノチューブが成長できる材料を含むか、又はそのような材料を含むように形成することができる表面222を有する任意の材料とすることができる。例えば成長材料226はシリコンを含むことができ、成長材料226の表面222は酸化膜を含むことができる。幾つかの実施形態では、成長基板224又は成長基板224の少なくとも上面は、成長面222などの成長面を有する成長材料224などの成長材料を含むことができ、この場合、成長材料224は成長基板224上に堆積される必要はない。このようなケースでは、成長基板224は成長材料226とすることができる。成長基板224が準備された後、成長基板224(カラム214なし)は、
図3に示すようにチャンバ306内に配置できる。
【0025】
[0060] 温度制御デバイス302は、チャンバ306を所望の温度T
fにするために利用できる。成長溶液326をキャリアガス324に導入し、蒸発器318及び注入管316を通してチャンバ306内へ、成長ガスとして提供することができる。蒸発器318は所望の温度T
e(例えば成長溶液326を蒸発させるのに十分な)に設定できる。成長溶液326をキャリアガス324に導入する際に、キャリアガス324は流量Q
1で提供でき、成長溶液326はポンプ量ζで提供できる。キャリアガス310も注入管308を通してチャンバ306内へ提供でき、キャリアガス310は流量Q
2で提供できる。
【0026】
[0061] 成長溶液326の材料は、成長材料226の表面222上にカーボンナノチューブを成長させるために好適な任意の材料とすることができる。幾つかの実施形態では、成長溶液326はカーボンソース及び触媒を含むことができる。触媒は、表面222からカーボンナノチューブ216を成長させるために、カーボンソース内のカーボンを成長材料226の表面222と反応させる任意の材料とすることができる。好適な触媒の非限定的な例は、鉄有機金属材料(例えばフェロセン)である。他の好適な触媒の例には、ニッケル又はコバルト有機金属材料、酸化ジルコニウム、フェロセン酢酸、フェロセンアセトニトリル、フェロセンカルボキシアルデヒド、フェロセンカルボン酸、フェロセンジカルボキシアルデヒド、及びフェロセンジカルボン酸が含まれる。カーボンソースは、成長材料226の表面222上にカーボンナノチューブとして成長させるためのカーボンを提供する任意の材料とすることができる。好適なカーボンソースの非限定的な例は、液体炭化水素ソース(例えばキシレン)、芳香族炭化水素(例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、スチレン、エチルベンゼン及びすべてのアルキル化ベンゼン、シクロペンタジエン)、エチレン、及びメタンである。触媒又はカーボンソースがガスである場合、システム300は、触媒又はカーボンソースをガスとして収容するように修正できる。
【0027】
[0062] キャリアガス324の材料は、成長溶液326をチャンバ306内へ搬送するのに好適な任意のガスとすることができる。幾つかの実施形態では、キャリアガス324は、キャリア、サポートガス、及び空気を含むことができる。好適なキャリアの非限定的な例には、アルゴンガス又は窒素ガスが含まれ、好適なサポートガスの非限定的な例には、水素ガス(H
2)及び水蒸気が含まれる。キャリアガス310は、キャリアガス324と同じであるか又は異なるものとすることができる。上記材料は単なる例示としてのものであり、他の材料が成長溶液326及びキャリアガス310及び324を含むことができる。
【0028】
[0063] 成長溶液326及びキャリアガス310及び324を含む材料の濃度、チャンバ302及び蒸発器318のそれぞれの温度T
f及びT
e、成長溶液326のポンプ量ζ、キャリアガス326及び310の流量Q
1及びQ
2、温度制御デバイス306の端部304から注入管316の端部314までの長さL、成長材料226の表面222からカーボンナノチューブが成長する間の時間「t」、及び他のパラメータは、成長材料226の表面222上でカーボンナノチューブが成長するために望ましいように選択することができる。単に例示としてのものであり、上記内容には以下の値が好適であるが、これらに限定されるものではない。
【0029】
キャリアガス310の組成:
H
2/アルゴン比:0対0.5
キャリアガス324の組成:
H
2/アルゴン比:0対0.5
空気:0〜20標準立方センチメートル/分(sccm)
成長溶液326の濃度:
キシレン中のフェロセンの濃度:0.0004〜0.05グラム/ミリリットル
チャンバ302の温度T
f:700〜850℃
蒸発器318の温度T
e:105〜250℃
成長溶液326のポンプ量ζ:2〜18ミリリットル/時(ml/h)
キャリアガス324の流量Q
1:50〜500sccm
キャリアガス310の流量Q
2:0〜200sccm
カーボンナノチューブの成長時間「t」:1〜180分
温度制御デバイス306の端部304から注入管316の端部314までの長さ「L」:8〜26センチメートル
[0064] 上記パラメータ及び他のパラメータはすべて、成長材料226の表面222から成長するカーボンナノチューブカラム214の機械的特徴に影響を与えることができる。このような機械的特徴の例は、一般に繰り返し可能な弾性範囲(以下「弾性範囲」と呼ぶ)、及びカラム214の剛性(例えば、フックの法則に従った、F*dであり、dは力Fに応答して移動する距離であり、*は乗算である、バネ定数「k」)を含むことができる。上記パラメータは、カラム214の端部220から端部218までの長さに沿って実質的に均一の機械的特徴を有するカラム214を得るために、カーボンナノチューブカラム214が成長する間、実質的に一定に維持することができる。あるいは、これらのパラメータのうちの1つ又は複数は、カラム214が成長する間、カラム214の端部220から端部218までの長さに沿ってカラムの上記機械的特徴(及び/又は他の機械的特徴)のうちの1つ又は複数を変更するために変更することができる。
【0030】
[0065] 例えば、カラム214が成長する間に、以下の表1に言及した(上述した)パラメータを変更することは、カラム214の機械的特徴に直接又は間接的に影響を与えることができるが、これに限定されるものではなく、
「直接」とは、パラメータの値の増加が機械的特徴の値の増加を引き起こし、パラメータの値の減少が機械的特徴の値の減少を引き起こす一方で、他のすべてのパラメータは変化しないことを意味し、
「間接的」とは、パラメータの値の増加が機械的特徴の値の減少を引き起こし、パラメータの値の減少が機械的特徴の値の増加を引き起こす一方で、他のすべてのパラメータは変化しないことを意味する。
【表1】
【0031】
[0066]
図4Aは、カラム214の剛性に影響を与える上記で識別されたパラメータのうちの1つ又は複数が変化する間に、
図3のシステム300で成長するカーボンナノチューブカラム214の例を示す。
図4Aに示すように、カラム214は剛性領域402a、402b、及び402cと、軟質領域404a及び404bとを含む。3つの剛性領域402a、402b、及び402cと、2つの軟質領域404a及び404bとが示されているが、代替的に、カラム214の長さに沿って、より多くの又はより少ない剛性領域及び/又はより多くの又はより少ない軟質領域も形成できる。本明細書で使用する場合、軟質領域404a及び404bは、剛性領域402a、402b、及び402cの剛性よりも低い剛性を有する領域である。同様に、剛性領域402a、402b、及び402cは、軟質領域404a及び404bよりも高い剛性を有する領域である。
【0032】
[0067]
図4Aに示すカラム214は、最初に第1の状態において剛性領域402cを上記パラメータで成長させること、次に、軟質領域404bが成長する間に、カラム214の剛性を低下させるために、パラメータのうちの1つ又は複数を第2の状態に変更すること(例えば、キャリアガス324の流量Q
1を増加すること、及び/又は成長溶液326のポンプ量ζを増加すること、及び/又は成長溶液326中の触媒の濃度を変更するためのメカニズム(例えば、触媒及びカーボンソースが注入デバイス322へ別々に導入される際に通ることのできる複数の入力ポート)が
図3のシステム300内に提供された場合、成長溶液326中のフェロセンの濃度を低下させること)、次に、軟質領域404bが成長する間に、1つ又は複数のパラメータをそれらの初期値に戻すよう変更すること、次に、軟質領域404aが成長する間に、1つ又は複数のパラメータを第2の状態に変更すること、及び次に、剛性領域402aが成長する間に、1つ又は複数のパラメータをそれらの初期値に変更することによって成長させることができる。カーボンナノチューブ216、したがってカラム214は、最初に上端部218から成長することに留意されたい。すなわち最初に、端部218が成長材料224の表面222上に形成され、カラム214は端部218の下で成長する。したがって、例として
図4Aに示すカラム214は、剛性領域402cが第1に表面222から成長し、次に軟質領域404bが剛性領域402cの下で表面222から成長し、次に剛性領域402bが軟質領域404bの下で表面222から成長し、次に軟質領域404aが剛性領域402bの下で表面222から成長し、次に剛性領域402aが軟質領域404aの下で表面222から成長する、というように成長する。カラム214の剛性に影響を与える1つ又は複数のパラメータにおける変更のタイミングを適切に決定することによって、剛性領域402a、402b、及び402cと、軟質領域404a及び404bとのサイズ及び位置を選択することができる。例えば、剛性領域402a、402b、及び402cと、軟質領域404a及び404bとを端部220から端部218までのカラム214の長さに沿った所定の位置に配置することができる。
【0033】
[0068]
図4Bは、基板224上に交互の剛性領域462及び軟質領域464を有するカーボンナノチューブカラム214の例を示す写真である。
図4Bを見れば分かるように、軟質領域464は濃いリングに見える。剛性領域462は、
図4Aの剛性領域402a、402b、及び402cの例とすることができ、軟質領域464は、
図4Aの軟質領域404a及び404bの例とすることができる。もちろん、
図4Bに示されるよりも多いか又は少ない剛性領域462及び/又は多いか又は少ない軟質領域464が存在しても良い。
【0034】
[0069]
図4Cは、カラムが(上述のように)配線基板202に移送された後の
図4Aのカラム214を示す。
図4Cに示すように、力Fをカラムの端部220に印加することにより、軟質領域404a及び404bを座屈させることができる。これは、軟質領域404a及び404bの剛性が、剛性領域402a、402b、及び402cよりも低いことによる。端部220上の力Fに対するカラム214の反応、したがってカラム214の機械的特性(例えば、カラム214の剛性、弾性範囲、及び/又は他の機械的特徴)は、カラム214の長さに沿った1つ又は複数の軟質領域404a及び/又は404bの選択的形成によってカスタマイズすることができる。
【0035】
[0070]
図4Aに示す例では、カラム214の剛性に影響を与える1つ又は複数のパラメータは2つの状態間で変更されるものとして説明されたため、結果として、剛性領域402a、402b、及び402cが実質的に同じ剛性を有し、軟質領域404a及び404bが(剛性領域402a、402b、及び402cの剛性よりも低い)実質的に同じ剛性を有する。しかし、これは単なる例示としてのものであり、多くの変形が可能である。
図5〜
図7は、このような変形の非限定的な例を示す。
【0036】
[0071]
図5Aでは、剛性に影響を与える1つ又は複数のパラメータは、初期の値から始まり、カラム214が成長するにつれて、端部220から端部218までのカラム214の剛性を(所望に応じて)増加又は減少させるために、漸次変更することができる。したがってカラム214は、端部220から端部218までカラム214の長さに沿って増加又は減少する剛性勾配Gを有することができる。例えば、端部220から端部218へと剛性を増加させる剛性勾配Gでカラム214を成長させるために、カラム214が成長する間に、キャリアガス324の流量Q
1を漸次増加させる、及び/又は成長溶液326のポンプ量ζを漸次増加させる、及び/又は
図3のシステム300内に成長溶液326中の触媒の濃度を変えるためのメカニズム(例えば、触媒及びカーボンソースが注入デバイス322へ別々に導入される際に通ることのできる複数の入力ポート)が提供されている場合、成長溶液326中のフェロセンの濃度を漸次減少させるといった上記パラメータのうちの1つ又は複数を以下のように変更することができる。カラムが成長するにつれてカラム214の剛性を変更するように、変化する1つ又は複数のパラメータの初期値を選択することによって、端部218でのカラム214の剛性値を所望の値にすることができる。同様に、カラムが成長するにつれてカラム214の剛性を変化させるように、変化する1つ又は複数のパラメータの変化率及び最終値を選択することによって、カラム214の長さに沿った剛性の変化率及び端部220でのカラムの剛性値を所望の値にすることができる。
図5Bは、カラム214が成長するにつれて流量Q
1が経時的に増加する例を示し、これは事実上、流量Q
1が成長位置「z」(すなわち、カラム214が表面222から成長する際の端部218の位置)の関数として増加し、結果として、
図5Aに示すように、カラム214の長さに沿った剛性勾配Gの増加を生じさせることを意味する。
【0037】
[0072]
図6は、
図5Aのカラム214の変化を示す。
図6のカラム214は、2つの領域602及び604を含む。領域604は、端部220から領域602との接合部606へと増加する、剛性勾配G
2を有する。領域602は、カラム214の接合部606から端部218へと減少する剛性勾配G
1を有する。例えば、
図6のカラム214を成長させるために、カラム214が端部218から接合部606へと成長するにつれて、キャリアガス324の流量Q
1及び/又は成長溶液326のポンプ量ζを漸次減少でき、カラム214が接合部606から端部220へと成長するにつれて、キャリアガス324の流量Q
1及び/又は成長溶液326のポンプ量ζを漸次増加できるというように、上記パラメータのうちの1つ又は複数を変更することができる。代替的に又は追加的に、
図3のシステム300内に成長溶液326中の触媒の濃度を変えるためのメカニズム(例えば、触媒及びカーボンソースが注入デバイス322へ別々に導入される際に通ることのできる複数の入力ポート)が提供された場合、端部218から接合部606へとカラムが成長するにつれて、成長溶液326中のフェロセンの濃度を漸次増加させることができ、接合部606から端部220へとカラム214が成長するにつれて、成長溶液326中のフェロセンの濃度を漸次減少させることができる。
図6には、それぞれ異なる剛性勾配を有する2つの領域602及び604が示されているが、カラム214は3つ以上のこのような領域を有することができる。
【0038】
[0073]
図7は、
図4Aに示すカラム214の変化の別の例を示す。
図7のカラム214は、領域702、704、706、及び708を含み、そのうちの少なくとも3つは異なる剛性値を有することができる。実際に、領域702、704、706、及び708のそれぞれが、異なる剛性を有することができる。例えば
図7に示すカラム214は、最初にキャリアガス324の流量Q
1及び/又は成長溶液326のポンプ量ζ及び/又は領域702の所望の剛性を生成する値を有する成長溶液326中のフェロセンの濃度で、領域702を成長させること、次に、(成長溶液326中の触媒の濃度を変更するためのメカニズム(例えば、触媒及びカーボンソースが注入デバイス322へ別々に導入される際に通ることのできる複数の入力ポート)が
図3のシステム300内に提供された場合)キャリアガス324の流量Q
1及び/又は成長溶液326のポンプ量ζ及び/又は成長溶液326中のフェロセンの濃度のうちの少なくとも1つを領域704の所望の剛性(領域702の剛性とは異なり得る)を生成する値に変更すること、次に、(成長溶液326中の触媒の濃度を変更するためのメカニズム(例えば、触媒及びカーボンソースが注入デバイス322へ別々に導入される際に通ることのできる複数の入力ポート)が
図3のシステム300内に提供された場合)キャリアガス324の流量Q
1及び/又は成長溶液326のポンプ量ζ及び/又は成長溶液326中のフェロセンの濃度のうちの少なくとも1つを領域706の所望の剛性(領域702及び領域704の剛性とは異なり得る)を生成する値に変更すること、次に、(成長溶液326中の触媒の濃度を変更するためのメカニズム(例えば、触媒及びカーボンソースが注入デバイス322へ別々に導入される際に通ることのできる複数の入力ポート)が
図3のシステム300内に提供された場合)キャリアガス324の流量Q
1及び/又は成長溶液326のポンプ量ζ及び/又は成長溶液326中のフェロセンの濃度のうちの少なくとも1つを領域708の所望の剛性(領域702、領域704、及び領域706の剛性とは異なり得る)を生成する値に変更することによって成長させることができる。
図7には4つの異なる領域702、704、706、及び708が示されているが、より多くの又はより少ないこのような領域が存在することができ、それらのうちの幾つか又はすべてが異なる剛性値を有することができる。
【0039】
[0074]
図4A及び
図5〜
図7に示す例は、網羅的又は限定的なものではなく、多くの変形が可能である。例えば、
図4A及び
図5〜
図7の例では機械的特性剛性は変化するが、他の機械的特性に影響を与える上記表1のパラメータのうちの1つ又は複数を変更することによって、カラム214が成長する間に、カラム214の他の機械的特性を変更することができる。例えば、(カラム214の剛性ではなく、又はこれに加えて)カラム214の弾性範囲は、弾性範囲に影響を与えるパラメータ(例えば、キャリアガス310中のアルゴン/H
2の比、成長溶液326中のフェロセンの濃度、成長溶液326のポンプ量ζ、又は温度制御デバイス306の端部304から注入管316の端部314までの長さL)のうちの1つ又は複数を変更することによって変更することができる。例えば、
図4Aの領域402a、402b、及び403は、領域404a及び404bと比較して異なる弾性範囲を有することができる。同様に、
図5Aのカラム214の勾配G及び/又は
図6のカラム214の領域602及び604の勾配G
1及びG
2は、変化する剛性値ではなく、又はこれに加えて、変化する弾性範囲値を有することができる。同様に、
図7のカラム214の領域702、704、706、及び708は、異なる剛性値を有するのではなく、又はこれに加えて、異なる弾性範囲値を有することができる。同様に、
図8のカラム214の領域802、804、806、及び808は、異なる剛性値を有するのではなく、又はこれに加えて、異なる弾性範囲値を有することができる。
【0040】
[0075] 再度
図1のプロセス100を参照すると、上述のように
図3〜
図7のうちの1つ又は複数でカラム214を成長させることによって、102でカーボンナノチューブカラム214を提供できる。さらに、カラム214は、
図4A及び
図5〜
図7に示す例で示すように、変化する剛性値などの変化する機械的特徴を有するように成長させることができる。あるいは、カラム214は他の方法で得ることができる。例えば成長基板224は、成長材料226からすでに成長したカラム214を用いて得ることができる。
【0041】
[0076] ステップ102でカラム214がどのように得られるかにかかわらず、ステップ104でカーボンナノチューブカラム214を金属化することができる。あるいは、カラム214は、ステップ106でカラムの移送後に金属化することができる。カラム214がいつ金属化されるかにかかわらず、カラム214は、例えばカラム214の導電性及び/又は通電能力を上昇させるために金属化することができる。例えばカラム214は、テストの対象となる電子デバイス(例えば半導体ダイ)との圧力ベースの電気的接触を確立するためにカラム214に対して使用されるのに十分なように、カラム214の導電性及び/又は通電能力を上昇させるために金属化することができる。カーボンナノチューブカラム214の金属化は、カラム214の内側の少なくとも幾つかのカーボンナノチューブ216上にカラム214の内側で金属232を堆積させること、及び/又はカラム214の外側の少なくとも幾つかのカーボンナノチューブ216上にカラム214の外側で金属232を堆積させることを含むことができる。金属232の任意の好適な堆積方法を使用できる。例えば金属232は、スパッタリング、化学蒸着、無電解めっき、電気めっき、又は他の同様の堆積方法によって、カラム214上に堆積させることができる。上述のように、カラム214上への金属堆積とは、カラム214を形成する少なくとも幾つかのカーボンナノチューブ216の少なくとも一部上への金属堆積を意味する。幾つかの実施形態では、幾つか、ほぼすべて、又はすべてのカーボンナノチューブ216を金属化することができる。
【0042】
[0077] カラムの内側のカーボンナノチューブ216上に金属232を堆積させる方法は、ある実施形態では有利であるが、本発明はこれに限定されるものではない。
図8は金属化システム800を示し、
図9は、カラム214の内側でカーボンナノチューブ216上に金属232を堆積させることができる
図1のステップ102で得られたカラム214を金属化するためのシステム800の使用プロセスを示す。
【0043】
[0078]
図8に示すように、金属化システム800は、チャンバ802と、チャンバ802内の温度を制御可能な温度制御デバイス804(例えば、さらにヒータ及び/又は冷却デバイス)とを備えることができる。温度制御デバイス804は誘導ヒータを備えることができ、チャンバは非導電性とすることができる。例えば、チャンバ802はガラス板を備えることができる。1つ又は複数の注入ポート806及び810(2つが示されているが、より少ないか又はより多く含むことができる)は、チャンバ802内に材料(ガス808及び812)を導入することができる手段を提供することができる。システム800は、チャンバ802を排気することができる真空ポンプ814を含むこともできる。
【0044】
[0079]
図9のステップ902で、
図8のシステム800を使用して、
図8に示すように、第1に成長基板224をチャンバ802内に配置することによって、カーボンナノチューブカラム214を金属化することができる。
図9のステップ904では、
図8に示すように、注入ポート806を通してチャンバ802内に前駆体ガス808を導入することができる。前駆体ガス808は、カラム214の内側でカーボンナノチューブ216上に堆積される金属232を含むことができる。幾つかの実施形態では、前駆体ガス808は、化学蒸着ガス(CVD)及び金属(例えば金、銀、プラチナ、銅、パラジウム、タングステン、又は同様の金属)を含むことができる。例えば、前駆体ガス808及び金属は、マサチューセッツ州ニューベリーポートのStrem Chemicals,Inc.から入手可能な、ジメチル(アセチルアセトナート)金(III)、ジメチル(トリフルオロアセチルアセトナート)金(III)、クロロ(トリメチルホスフィン)金、クロロ(トリエチルホスフィン)金、トリメチル(トリメチルホスフィン)金、又はメチル(トリメチルホスフィン)金のうちのいずれかを含むことができる。前駆体ガス808は、前駆体ガス808をカラム214に通し、カラム214に侵入させるのに十分な圧力の下でチャンバ802に導入することができる。これを実行する1つの非限定的な方法は、真空ポンプ814を使用してチャンバ802を排気し、大気圧よりわずかに高い圧力から大気圧の約10倍までの間の圧力の下で、注入ポート806を通して前駆体ガス808を導入するものである。上記圧力範囲は単なる例示としてのものであり、本発明はこれに限定されるものではない。誘導加温に加えて、フラッシュランプ又は半導体ウェーハの迅速な温度処理用に開発された他の技術を使用する放射加熱も使用できる。
【0045】
[0080]
図9のステップ906で、チャンバ802は、フラッシングガスでフラッシュすることができる。例えばフラッシングガス812は、注入ポート810を通してチャンバ802内に導入し、真空ポンプ814によってチャンバ802から除去することができる。フラッシングガス812は、カラム214のカーボンナノチューブ216とはっきりと反応することのないガスとすることができる。好適なフラッシングガス812の例は、窒素(N
2)を含むことができる。
【0046】
[0081] フラッシングガス812をチャンバ802に導入し、真空ポンプ814によって、前駆体ガス808の一部がカラム214内側のカーボンナノチューブ216周囲に残存するように、前駆体ガス808の拡散速度よりも十分に低い速度でチャンバ802から除去することができる。すなわち、フラッシングガス812をチャンバ802に導入し、カラム214の内側で、所望の量の前駆体ガス808をカラム214内側のカーボンナノチューブ216周囲に残存させ、またオプションで、チャンバ802内のカラム214の外側に前駆体ガス808の一部を残存させながら、チャンバ内の前駆体ガスをチャンバ802の外にフラッシュさせることができる。カラム214の内側及びチャンバ802内のカラム214の周囲(したがってカラム214の外側)に残る前駆体ガス808の量は、前駆体ガス808の拡散速度と比較してチャンバ802の内部及び外部へのフラッシングガス812の導入速度を制御すること、及びステップ908の開始(以下で説明)によって制御できる。図を見れば分かるように、カラム214内に残る前駆体ガス808の量は、カラム214の内側(すなわち、カラム214内側のカーボンナノチューブ216上)に堆積する金属232の量に対応でき、チャンバ802内のカラム214の外側周囲に残る前駆体ガス808の量は、カラム214の外側(すなわち、カラム214外側のカーボンナノチューブ216上)に堆積する金属232の量に対応することができる。
【0047】
[0082] 図
9のステップ908で、温度制御デバイス804を起動して、カラム214内側の前駆体ガス808中の金属232をカラム214内側のカーボンナノチューブ216上に堆積させ、カラム214外側の前駆体ガス808(もしあれば)中の金属232をカラム214外側のカーボンナノチューブ216上に堆積させる温度まで、カーボンナノチューブカラム214の温度を変化させることができる。例えば、カラム214の温度を、前駆体ガス808を分解する温度まで、又はその温度より上まで上昇させ、カラム214内側の前駆体ガス808中の金属232をカラム214内側のカーボンナノチューブ216に結合させ、カラム214外側の前駆体ガス808中の金属をカラム214外側のカーボンナノチューブ216に結合させることができる。この温度は、前駆体ガス808のタイプに依存することができる。幾つかの実施形態では、この温度は200〜800℃とすることができる。上述のように、カーボンナノチューブカラム214の温度を、前駆体ガス808中の金属232をカーボンナノチューブ216上に堆積させる温度まで変化させるタイミングは、金属232を堆積させる場所に影響を与えることができる。例えば、前駆体ガス808のすべて又はほとんどがチャンバ902からフラッシュされた後に、したがってカラム214外側周囲に前駆体ガス808がほとんど又はまったくないが、カラム214内側には前駆体ガス808が残存している状態で、カーボンナノチューブカラム214の温度が、前駆体ガス808中の金属232をカーボンナノチューブ216上に堆積させる温度に達した場合、前駆体ガス808からの金属232は、実質上カラム214内側にあるカーボンナノチューブ216上にのみ堆積する。しかし、前駆体ガス808がチャンバ902から完全にフラッシュされる前、したがってカラム214の外側周囲にいくらかの量の前駆体ガス808が残存している状態で、カーボンナノチューブカラム214の温度が、前駆体ガス808中の金属232をカーボンナノチューブ216上に堆積させる温度に達した場合、前駆体ガス808からの金属232は、カラム214の内側及びカラム214の外側の両方のカーボンナノチューブ216上に堆積する。さらに、カラム214外側のカーボンナノチューブカラム216上に堆積する金属232の量に対するカラム214内側のカーボンナノチューブカラム216上に堆積する金属232の量は、カラム214の内側及びカラム214の外側の前駆体ガス808の量に依存し、この量は、上述のように、前駆体ガス808の拡散速度と比較したチャンバ802の内部及び外部へのフラッシングガス812の導入速度と、ステップ908のタイミング(すなわち、カラム214の温度が、前駆体ガス808中の金属232がカーボンナノチューブ216上への堆積を開始する温度に達するタイミング)とを制御することによって制御できる。上述のように、カラム214内側のカーボンナノチューブ216上及びカラム214外側のカーボンナノチューブ216上に堆積する金属232の量を制御するために、上記内容を制御し、タイミングを決定することができる。
【0048】
[0083] 上述のように、温度制御デバイス804は誘導的とすることができ、カラム214を誘導的に加熱することができる。あるいは、温度制御デバイス804はチャンバ802の内部を加熱することができる。
図9のステップ904〜908は、所望に応じて繰り返すことができる。例えばステップ904〜908は、カラム214の内側及び/又はカラム214の外側のカーボンナノチューブ216上に、所望の厚さの金属232が堆積されるまで繰り返すことができる。幾つかの実施形態では、ステップ904〜908の初期反復時、金属232を主に又は排他的にカラム214内側のカーボンナノチューブ216上に堆積させることができ、これにより、カラム外側のカーボンナノチューブ216上に金属232が堆積して、カラム214内側への前駆体ガス808の流れを妨げる問題が生じるのを防ぐことができる。
図9のプロセス900の非限定的な利点は、はっきりとわかる量の金属232が、カラム214外側のカーボンナノチューブ216上にのみ、又は主にその上に堆積されるのではなく、カラム214内側のカーボンナノチューブ216上に堆積されることとすることができる。
【0049】
[0084] しかし、金属232は、主にカラム214の外側又は外側付近のカーボンナノチューブ216上に堆積させることができる。
図10Aは、本発明の幾つかの実施形態による例を示す。
図10Aに示すように、金属232をカラム214の外側に(すなわち、主にカラム214の外側又は外側近くのカーボンナノチューブ216上に)堆積させることができる。
図10Bは、カラム214の内側を見せるためにスライスされたカーボンナノチューブのカラム214の写真を示す。金属232は薄い色である。
図10Bに示すように、金属232は主にカラム214の外側に配置される。カラム214の内側の色が濃いのは、カラムの内側に金属232が存在しないことを示す。金属232はスパッタリングによって堆積させることができる。別の例として、金属232は電気めっきによって堆積させることができる。さらに別の例として、原子層堆積(ALD)又は有機金属化学蒸着(MOCVD)も使用できる。幾つかの実施形態では、金属を堆積させるための様々な技術を組み合わせて使用することができる(例えば、より厚い堆積を形成するために、ALDの後、電気めっきすることによって、シード層を堆積させることができる)。
【0050】
[0085]
図8、
図9、
図10A、及び
図10Bに示す金属232を堆積させるためのプロセスは単なる例示としてのものであり、変形が可能である。例えば幾つかの実施形態では、金属232を、
図8及び
図9に関して上記で説明したように、カラム214の内側(すなわち、カラム214内側のカーボンナノチューブ216上)に堆積させることができ、追加の金属232を、
図10Aに示すように、カラム214の外側(すなわち、カラム214の外側のカーボンナノチューブ216上)に堆積させることもできる。したがって、本明細書の特定の図に金属がどのように示されるかにかかわらず、本明細書のいずれかの図において、金属232を、
図8に示され、
図8及び
図9に関して上記説明されるように、主にカラム214内側のカーボンナノチューブ216上に堆積させること、
図10A及び
図10Bに示すように、主にカラム214の外側にあるカーボンナノチューブ216上に堆積させること、又はカラム214の内側及びカラム214の外側の両方のカーボンナノチューブ上に堆積させることができる。
【0051】
[0086] 再度
図1のプロセス100を参照すると、ステップ104でカーボンナノチューブカラム214を金属化した後、カラム214を成長基板224から配線基板202の端子212へと移送することができる(
図2Aを参照)。
図11は、焼結されたナノペースト1202を使用して、(
図2A及び
図2Bに関して上記説明された)カラム214を配線基板202の端子212へと移送可能なプロセス1100の例が示され、
図12〜
図14は
図11のプロセス1100の動作例を示す。
図15は、はんだ1602又は同様に導電性接合材料を使用して、カラム214を配線基板202に移送するプロセス1500の別の例を示し、
図16〜
図19はプロセス1500の動作例を示す。したがって、
図11のプロセス1100は、
図1のステップ106がどのように実施できるかの例であり、
図15のプロセス1500は、
図1のステップ106がどのように実施できるかの別の例である。
【0052】
[0087]
図11のプロセス1100及び
図12〜
図14を参照すると、導電性材料の粒子を含むナノペースト1202を配線基板202の端子212上に堆積させることができる。ナノペースト1202は、溶媒中に導電性材料(例えば、金、銀、銅、又は同様の金属)の粒子を含むことができる。この粒子はナノ粒子とすることができる。幾つかの実施形態では、ナノペースト1202は、配線基板202の端子212の表面を貫通できる鋭利な粒子を含むことができるため、端子212との電気接続を容易に形成することができる。
【0053】
[0088] ナノペースト1202は、任意の好適な方法で端子212上に堆積させることができる。例えば
図12に示すように、幾つかの実施形態では、ナノペースト1202を、プリントヘッド1206(例えばインクジェットプリントヘッド)を通して端子212上にプリントすることができる。
図12に示すようなナノペースト1202のプリントによって、ナノペースト1202を精密に、及び微細なピッチ(例えば150ミクロン以下)で、端子212上に堆積させることができる。あるいは、ナノペースト1202は、スクリーンプリント、マスクなどの他の方法を使用して、端子212上に堆積させることができる。
【0054】
[0089]
図11のステップ1104で、
図13に示すように、カーボンナノチューブカラム214の端部218を端子212上のナノペースト1202に隣接して配置することができる。例えば、カラム214の端部218をナノペースト1202内に配置することができる。幾つかの実施形態では、端部218を端子212に押しつけることができる。
【0055】
[0090]
図11のステップ1106で、ナノペースト1202を焼結させることができる。例えばナノペースト1202は、ある温度(焼結温度)まで、及び溶媒を気化し、ナノペースト1202中の導電性材料の粒子をカラム214のカーボンナノチューブ216及び端子212に融合させる期間中、加熱することができる。焼結温度は、ナノペースト1202の導電性粒子の材料の融点未満とすることができる。一般に、ナノペースト1202中の導電性粒子が小さいほど、ナノペースト1202を焼結させる温度は低くなる。ナノペースト1202は、温度制御デバイス1302(例えば加熱デバイス)を使用することを含む任意の好適な方法で加熱できる。
【0056】
[0091] 幾つかの実施形態では、焼結温度は、ナノペースト1202中の導電性粒子の材料の融点の半分未満とすることができる。例えば、幾つかの実施形態では、導電性粒子を金とすることができ、ナノペースト1202は、焼結温度の約350℃まで約2分間加熱することができる。金の融点は1064℃である。例えば、幾つかの実施形態では、導電性粒子を銀とすることができ、ナノペースト1202は、焼結温度の約200℃まで約2分間加熱することができる。銀の融点は963℃である。ナノ粒子の材料及びナノペースト1202の加熱対象である焼結温度にかかわらず、ナノペースト1202の焼結によって、カラム214のカーボンナノチューブ216の、配線基板202の端子212への物理的固定及び電気的接続の両方を行う、
図14に示すようなフィレット1402を作成できる。
【0057】
[0092]
図11のステップ1108で、その後除去することができる成長基板224からカラム214を切り離すことができる。カラム214は、カラム214から成長基板224を物理的に引き抜く、溶媒を使用するなどを含む、任意の好適な方法で、成長基板224から切り離すことができる。
【0058】
[0093] 上述のように、
図15は、
図1のステップ106を実施するために使用できるプロセス1500の別の例を示す。
図15のステップ1502で、
図16に示すように、配線基板202の端子212上にはんだ1602を堆積させることができる。
図16に示すように、はんだ1602内にホール1604を提供することができる。例えばはんだ1602は、端子212上に、一般的にドーナツ型に堆積させることができる。あるいは、はんだ1602は必ずしもホール1604を含む必要はないが、端子212上に堆積された少量のはんだを含むことができる。はんだ1602の形状にかかわらず、はんだ1602は任意の好適な方法で堆積させることができる。例えばはんだ1602は、マスクを通して堆積させることができる。
【0059】
[0094]
図15のステップ1504で、成長基板224上のカーボンナノチューブカラム214の端部分1706を金属化するか、又はその他の方法で、はんだ1602に対して濡れ性の材料(すなわち、はんだ1602が接着する材料)を用いてコーティングすることができる。
図17は、カラム214の端部分1706が、金属1702(例えば銅)又ははんだ1602に対して濡れ性の他の材料を用いて金属化される例を示す。
図17に示すように、マスキング材料1704は、カラム214周囲の成長基板224上に堆積させることができる。カラム214の端部分1706は、マスキング材料1704の外に延在することができる。カラム214の端部分1706は、端部220から端部218までのカラムの長さ全体よりも短いものとすることができる。例えば、幾つかの実施形態では、端部分1706は、端部220から端部218までのカラム214の長さの5%未満、10%未満、15%未満、20%未満、又は25%未満とすることができる。他の実施形態では、端部分1706は、端部220から端部218までのカラム214の長さの他のパーセンテージとすることができる。
【0060】
[0095] 金属1702は、
図17に示すように、マスキング材料1704上、及びカラム214の露出した端部分1706上に堆積させることができる。図を見れば分かるように、マスキング材料1704はカラム214のほとんどをマスクし、露出した端部分1706を除くカラム214上に金属1702が堆積されるのを防ぐ。マスキング材料1704及びマスキング材料1704上の金属1702の部分を除去し、カラム214の端部分1706上の金属1702を残すことができる。幾つかの実施形態では、カラム214をラップするか、又は他の方法で、マスキング材料1704内に包み込みながら平坦化することができる。マスキング材料1704は、成長基板224上に堆積し、その後除去するために好適な、任意の材料とすることができる。マスキング材料1704の非限定的な例は、フォトレジスト及びtrelibondを含む。
【0061】
[0096]
図18は、カラム214の端部を金属1802(例えば銅、ニッケル、金、銀、及び/又はそれらの合金)、又は、はんだに対して濡れ性の他の材料で金属化する別の例を示す。幾つかの実施形態では、金属化の結果、様々な金属(例えば銅、ニッケル、金、銀、又はそれらの合金)の層構造が生じる可能性がある。
図18の例で、スパッタリング装置1804は、図に示すように、カラム214に対して角度θで(例えば軸がカラム214の長さと平行に)配置することができる。角度θは、隣接するカラム214が互いにマスクし、カラム214上にスパッタリングされる金属1802が、カラム214の端部分1806上にのみスパッタリングされるように選択することができる。
図18に示すように、カラム214bはスパッタリング装置1804を部分的にマスクし、その結果、金属1802は、隣接するカラム214aの端部分1806以外の部分にはスパッタリングされない。角度θは、カラム214の端部分1806が、端部220から端部218までのカラム全体の長さより短いように選択できる。例えば、幾つかの実施形態では、端部分1806は、端部220から端部218までのカラム214の長さの5%未満、10%未満、15%未満、20%未満、又は25%未満とすることができる。他の実施形態では、端部分1806は、端部220から端部218までのカラム214の長さの他のパーセンテージとすることができる。幾つかの実施形態では、スパッタリング装置1804は、成長基板224上でカラム214の端部分1806を金属化するために、成長基板224及びカラムの端部218に対して異なる角度で、及び異なる位置から移動及び位置決めすることができる。
【0062】
[0097] 金属層(例えば
図17の1702又は
図18の1802)がカラム214の端部218上にどのように堆積されるかにかかわらず、
図19に示すように、カーボンナノチューブカラム214の金属化された端部218を配線基板202の端子212上のはんだ1602に隣接させて位置決めすることによって、
図15のステップ1506で、カラム214を配線基板202へと移送することができる。(
図19では、金属が
図17のように1702として、又は
図18のように1802として堆積されたか否かにかかわらず、ラベル1902はカラム218の端部218の金属を表す。したがって、
図19における金属1902は、
図17のカラム214の端部分1706上の金属1702、又は
図18のカラム214の端部分1806上の金属1802を表す。)例えば、金属1902化された端部218をはんだ1602のホール1604内部に位置決めすることができる(
図16を参照)。幾つかの実施形態では、カラム214の金属化された1902端部218を端子212に押しつけることができる。
【0063】
[0098] ステップ1508で、はんだ1602を加熱及びリフローすることができ、これによって、
図19に示すように、はんだ1602のフィレット1904を作成することができる。はんだのフィレット1904は、配線基板202の端子212に対して、物理的に固定及び電気的に接続の両方が可能である。上述するように、はんだ1602はカラム214に対して湿潤する(接着する)可能性は低いが、カラム214の端部218の金属1902に対してのみ湿潤する可能性が高い。
【0064】
[0099]
図15のステップ1510で、カラム214は、その後除去することができる成長基板224から切り離すことができる。カラム214は、カラム214から成長基板224を物理的に引き抜く、溶媒を使用するなどを含む、任意の好適な方法で、成長基板224から切り離すことができる。
【0065】
[00100]
図20は、本発明の幾つかの実施形態による、カラム214上に金属コーティング2002を提供可能なオプションのプロセスを示す。
図20に示すように、カラム214の部分2006がマスキング材料2004の外に延在するように、カラム214間の配線基板202上にマスキング材料2004を堆積させることができる。図を見れば分かるように、マスキング材料2004は、金属コーティング2002(例えば、金、銀、銅、又は同様の金属)の堆積をマスクする。したがって、マスキング材料2004の外に延在するカラム214の部分2006は、その上に金属コーティング2002を堆積させることが望ましい各カラム214の部分に対応することができる。配線基板202上のマスキング材料2004の高さは、マスキング材料2004の外に延在するカラム214の部分2006の長さが所望なようにすることができる。幾つかの実施形態では、マスキング材料2004は端子212まで延在でき、結果として金属コーティング2002が端子212まで延在する。幾つかの実施形態では、マスキング材料2004は、はんだフィレット1904まで延在でき、結果として金属コーティング2002がはんだフィレット1904まで延在する。しかし、マスキング材料2004は、配線基板202上への堆積及びその後の配線基板202からの除去に好適な任意の材料とすることができる。マスキング材料2004の非限定的な例は、フォトレジスト及びtrelibondを含む。次に、金属コーティング2002は、
図20に示すように、カラム上に堆積させることができる。マスキング材料2004は、金属コーティング2002がカラム2004の露出部分2006以外のいずれかに堆積するのを防ぐことができる。金属コーティング2002は、電気めっき、無電解めっき、スパッタリングなどを含む任意の好適な堆積方法を使用して堆積させることができる。マスキング材料2004は、次に、マスキング材料2004上に蓄積されたいずれかの金属コーティング2002と共に除去することができる。
【0066】
[00101] 再度
図1のプロセス100を参照すると、カラム214の端部にコンタクトチップを提供できる。
図21A、
図21B、及び
図22は、カラム214の端部220にコンタクトチップ2102を提供する例を示し、
図24は、カラム214の端部220にコンタクトチップ2402を提供する別の例を示す。
図25A及び
図25Bは、コンタクトチップを提供する別の例を示す。
【0067】
[00102]
図21Aに示すように、マスキング材料2106(例えば、マスキング材料1704又は2004など)は配線基板202上に堆積させることができ、カラム214の端部220はマスキング材料2106の外へ延在できるため露出される。次に、カラム214の露出した端部220は、カラム214の端部220で鋭利な構造を作成するために粗面化することができる。例えば、カラムの端部220に、カラム214の端部に鋭利な構造を作成するプラズマ処理を施すことができる。
図21Bは、このような鋭利な構造2110の例を示すカーボンナノチューブのカラム214の端部220の写真を示す。マスキング材料2106は、マスキング材料2106内に包み込まれたカラム214の部分をこのような処理から保護することができる。
【0068】
[00103] カラム214の粗面化された端部220は、次に、粗面化された端部220上に導電性金属2104(例えば、金、銀、銅など)を堆積させることによって、金属化することができる。
図21Aに示すように、マスキング材料2106は、金属2104が、配線基板202上、及び露出された端部220を除くカラム214上のいずれかに堆積するのを防ぐことができる。あるいは、
図22に示すように、マスキング材料2206(部分的に除去されたマスキング材料2106、又はマスキング材料2106を除去した後に配線基板202上に堆積された新しいマスキング材料とすることができる)は、カラム214をさらに露出させることができるため、結果として金属2104は、カラムの端部220上のみならず、マスキング材料2206(マスキング材料2106などとすることができる)を通して露出されるカラムの部分上にも堆積する。しかし、金属2104で金属化された後、マスキング材料2106又は2206を除去することができる。各カラムの金属化され粗面化された端部220は、コンタクトチップ2102とすることができ、これは
図2A及び
図2Bのコンタクトチップ228の例とすることができる。
【0069】
[00104]
図23Aは、スパッタリング装置2304が、
図18に示すプロセスと同様であってよいプロセスで、カラム214の端部分2306上に金属2104をスパッタリングする、カラム214の端部220を金属2104で金属化する別の例を示す。
図23Aの例で、スパッタリング装置2304は、カラム214に対して(例えばカラム214の長さと平行な軸に対して)角度θで配置することができる。角度θは、隣接するカラム214が互いにマスクし、カラム214上にスパッタリングされる金属2104が、カラム214の端部分2306上にのみスパッタリングされるように選択することができる。
図23Aに示すように、カラム214bはスパッタリング装置2304を部分的にマスクし、その結果、金属2104は、端部分2306以外の隣接するカラム214aの部分にはスパッタリングされない。角度θは、カラム214の端部分2306が、端部218から端部220までのカラム全体の長さより短いように選択できる。例えば、幾つかの実施形態では、端部分2306は、端部218から端部220までのカラム214の長さの5%未満、10%未満、15%未満、20%未満、又は25%未満とすることができる。他の実施形態では、端部分2306は、端部218から端部220までのカラム214の長さの他のパーセンテージとすることができる。幾つかの実施形態では、スパッタリング装置2304は、配線基板202上でカラム214の端部分2306を金属化するために、配線基板202及びカラムの端部220に対して異なる角度で、及び異なる位置から移動及び位置決めすることができる。
図23Bは、金属2104がカラム214の端部分2306上にのみ堆積されたカーボンナノチューブカラム214の写真を示す。
図23Bで、金属2104は、金属2104が堆積されていないカラム214の部分よりも色が薄い。
【0070】
[00105]
図24は、カラム214の端部220にコンタクトチップを提供する別の例を示し、
図21A、
図21B、
図22、
図23A、及び
図23Bに示すプロセスの代替方法を表す。図に示すように、コンタクトチップ構造2402は基板2406上に提供できる。例えばコンタクトチップ構造2402は、配線基板202上のカラム214の端部220のパターンに対応するパターンで、基板2406上で製造できる。コンタクトチップ構造2402は、カップリング2404によってカラム214の端部220に接合された後に、基板2406から切り離すことができる。カップリング2404は、チップ構造2402をカラム214の端部220に接合するための任意の好適な材料とすることができる。例えばカップリング2404は、はんだ又は同様の接合材料を含むことができる。別の例として、カップリング2404は、
図14のフィレット1402のような焼結されたナノペースト(例えばナノペースト1202など)を含むことができる。コンタクトチップ2402は、
図2A及び
図2Bのコンタクトチップ228の代替例とすることができる。
【0071】
[00106]
図25A及び
図25Bは、カラム214の端部220にコンタクトチップ228を提供する別の例を示し、
図21A、
図21B、
図22、
図23A、
図23B、及び
図24に示すプロセスの代替方法を表す。
図25Aに示すように、導電性材料の粒子を含むナノペースト2554をカラム214の端部220上に堆積させることができる。ナノペースト2554は、溶媒中に導電性材料(例えば、金、銀、銅、又は同様の金属)の粒子を含むことができる。粒子はナノ粒子とすることができる。幾つかの実施形態では、ナノペースト2554は、ルテニウム又はロジウムなどの硬質材料とすることができる微粒子及び/又は鋭利な粒子を含むこともできる。
【0072】
[00107] ナノペースト2554は、任意の好適な方法で、カラム214の端部220上に堆積させることができる。例えば、
図25Aに示すように、幾つかの実施形態では、ナノペースト2554は、プリントヘッド2552(例えばインクジェットプリントヘッド)を通してカラム214の端部220上にプリントすることができる。あるいは、ナノペースト2554は、スクリーンプリント、マスクなどの他の方法を使用して、カラム214の端部220上に堆積させることができる。次に、ナノペースト2554は硬化させることができる。例えばナノペースト2554は、温度制御デバイス2556(例えばヒータ)を使用して、ナノペースト2554が硬化するのに十分な温度まで、及び時間だけ加熱することができる。幾つかの実施形態では、ナノペーストを焼結させることができる。
【0073】
[00108]
図25Bに示すように、硬化したナノペーストはカラムの端部220にコンタクトチップ2558を形成することができる。ナノ粒子は、カラムの端部220に導電性コーティングを形成することができる。コンタクトチップ2558は、
図2A及び
図2Bのコンタクトチップ228の別の例とすることができる。
【0074】
[00109] 再度
図1のプロセス100を参照すると、ステップ110で、電子装置を形成するために配線基板202を1つ又は複数の他の要素に結合させることができる。
図26は、プローブカードアセンブリ2500を形成するために配線基板202が他の電子要素に結合される例を示し、
図27は、被試験デバイス(DUT)2618に接触し、これをテストするためにプローブカードアセンブリ2500が使用できるテストシステム2600の例を示す。
【0075】
[00110] プローブカードアセンブリ2500は、
図1のステップ110の例として、スティフナ構造2502と、配線基板202を物理的及び電気的に結合することができる配線板2508とを含むことができる。
図26に示すように、結合メカニズム2504は、プローブカードアセンブリ2500に剛性を与える剛性構造(例えば、金属又は他の剛性材料を含む)とすることができるスティフナ構造2502に、配線基板202を物理的に結合することができる。スティフナ2502は、プローブカードアセンブリ2500を
図27のテストシステム2600内のハウジング2620の装着面2610に結合するための手段(図示せず)を含むこともできる。結合メカニズム2504は、配線基板202をスティフナ2502に物理的に結合するために好適な任意のメカニズムを含むことができる。例えば結合メカニズム2504は、ねじ、ボルト、クランプなどを含むことができる。幾つかの実施形態では、結合メカニズム2504は、配線基板202をスティフナ2502に可動式に結合する差動ねじアセンブリ(図示せず)などの可動メカニズムを含むことができる。
【0076】
[00111] さらに
図26を参照すると、
図27のテストコントローラ2602などのテストコントローラとの間の別個の通信チャネルに対する電気インターフェイス2506(例えばゼロ挿入力(ZIF)電気コネクタ、ポゴピンパッド、又は他のこのような電気コネクタ)を配線板2508上に配置することができる。電気接続2510(例えば、配線板2508の上及び/又は内部の導電性ビア及び/又はトレース)は、配線板2508を通して電気インターフェイス2506からの電気接続を提供することができる。配線板2508は、プリント回路板などの半剛性基板又はセラミック配線板などの剛性基板とすることができる。
【0077】
[00112]
図26に示すように、電気接続2512は、配線板2508を通して電気接続2510を配線基板202の端子208に電気的に接続することができる。電気接続2512は、配線板2508を端子208に電気的に接続する任意の好適な接続とすることができる。例えば、電気接続2512は、フレキシブルワイヤ又はインタポーザ(図示せず)などの可撓性電気接続とすることができる。別の例として、電気接続2512は、はんだ又は他の同様の電気的導電性接合材料とすることができる。
【0078】
[00113] 配線基板202の端子212に結合されたカーボンナノチューブカラム214はばねプローブ240とすることができ、コンタクトチップ228は、
図27のテストシステム2600でテストされるDUT2618に対応するパターンで配置できる。頭字語「DUT」は、(単体化されるか又はウェーハ形式の、又はパッケージ化されるか又はパッケージ化されない)半導体ダイを含むが限定的でない任意の電子デバイスとすることができる「被試験デバイス」を意味することができる。
図26に示すように、プローブカードアセンブリ2500は、端子を通して各プローブ240を、配線基板202を通して電気接続210を、端子208、電気接続2512、及び配線板2508を通して電気接続2510を電気インターフェイス2506へ電気的に接続する。
【0079】
[00114] 上述のように、
図25のプローブカードアセンブリ2500を使用して、内部でプローブカードアセンブリ2500を使用することが可能なテストシステム2600の例を示す、
図27のDUT2618などの電子デバイスをテストすることができる。
図27に示すように、テストシステム2600は、DUT2618に入力信号を提供でき、入力信号に応答してDUT2618によって生成された応答信号を受信できるテストコントローラ2602を含むことができる。「テスト信号」という用語は、テストコントローラ2602によって生成された入力信号及びDUT2618によって生成された応答信号のいずれか又は両方を総称的に言い表すことができる。プローブカードアセンブリ2500は、テストシステム2600のハウジング2620(例えばプローバ)の装着面2610に結合できる。プローブカードアセンブリ2500のプローブ240は、DUT2618の端子2616との圧力ベースの電気接続を行うことができ、テストコントローラ2602と、通信接続2604(例えば同軸ケーブル、無線リンク、光ファイバリンクなど)を介したDUT2618、テストヘッド2606内の電子部品(図示せず)、テストヘッド2606とプローブカードアセンブリ2602の電気インターフェイス2506との間のコネクタ2608、並びにプローブカードアセンブリ2600の間でテスト信号を渡すことができる。図に示すように、プローブカードアセンブリ2600は、その上にDUT2618が配置される可動チャック2624を含むことができるハウジング2620の装着面2610に結合できる。
【0080】
[00115] DUT2518は以下のようにテストできる。プローブカードアセンブリ2500はハウジング2620の装着面2610に結合でき、DUT2618の端子2616をプローブカードアセンブリ2500のプローブ240と接触させることができる。これは、DUT2618の端子2616がプローブカードアセンブリ2500のプローブ240に対して押しつけられるように、チャック2624を移動させることによって達成できる。あるいは、端子2616とプローブ240との間の接触を有効にするために、プローブカードアセンブリ2500が移動できるか、又はチャック2624とプローブカードアセンブリ2500の両方が移動できる。
【0081】
[00116] プローブ240と端子2616が接触している間に、テストコントローラ2602とDUTとの間にプローブカードアセンブリ2500を通してテスト信号(上述のように、テストコントローラ2602によって生成される入力信号と、入力信号に応答してDUT2618によって生成される応答信号とを含むことができる)を提供することにより、DUT2618をテストすることができる。テストコントローラ2602は、応答信号を分析して、DUT2618がテストに合格であるか否かを判定することができる。例えば、テストコントローラ2602は、この応答信号と予測された応答信号とを比較することができる。応答信号が予測された応答信号と一致した場合、テストコントローラ2602は、DUT2618がテストに合格したものと判定することができる。一致しない場合、テストコントローラ2602は、DUT2618がテストに不合格であったものと判定することができる。別の例として、テストコントローラ2602は、応答信号が許容範囲内にあるか否かを判定でき、範囲内にある場合、DUT2618がテストに合格したものと判定することができる。
【0082】
[00117]
図26のプローブカードアセンブリ2500は単なる例示としてのものであり、
図2A及び
図2Bに関して上述したように、本明細書で説明されるカーボンナノチューブカラム214は他の電子デバイス内でも使用できる。例えば、カーボンナノチューブカラム214は、半導体ダイ又は他の電子プローブデバイスをテストするためのテストソケット内のコンタクトプローブ(図示せず)として使用できる。
図27のテストシステム2600も単なる例示としてのものであり、
図26のプローブカードアセンブリ2500は他のテストシステムで使用できる。さらに別の例では、カーボンナノチューブカラム214を使用して、複数のダイ及び配線基板を備えるシステムをアセンブルすることができる(例えば、カーボンナノチューブカラム214はダイを相互接続すること、及びダイを配線基板に接続することができる)。
【0083】
[00118] カーボンナノチューブを備えるプローブ240は、
図26及び
図27に示すようなテストシステム又はプローブカードアセンブリでの使用に限定されるものではない。
【0084】
[00119]
図28は、カーボンナノチューブを備えるプローブ240が、プローブ240がカップリング230によってテスト基板2810の端子2812に結合されるテストソケット2800内で使用できる非限定的な例を示す。
図28は、クリップ、支持フレーム2806、及び、カップリング230によってプローブ240が結合可能な端子2812を備えたテスト基板2810を備えることができる例示的テストソケット2800を示す。このプローブ240は、上述のように、プローブ240が基板202の端子212に結合される方法と同じか又は同様の方法で、カップリング230によってテスト基板2810の端子2812に結合できる。
【0085】
[00120]
図28に示すように、テストソケット2800を使用して、単一化された半導体ダイ2816(パッケージ化されるか又はパッケージ化されない)などの電子デバイスをテストすることができる。
図28に示すように、それによってダイ2806を支持フレーム2806上に配置することが可能なクリップ2802を支持フレーム2806から除去することができる。支持フレーム2806は、ダイ2816の端子2804(例えばバンプ)がプローブ240と接触する位置に各ダイ2816を誘導する傾斜壁2808を有することができる。次に、クリップ2802は、支持フレーム2806上にクリップされ、ダイ2816の端子2804とプローブ240との間の電気接続を確立するために十分な力で、ダイ2816の端子2804をプローブ240に押しつけることができる。配線基板2010は、端子2812から、したがってプローブ240から、ダイ2816のテストを制御するためのテストコントローラ(図示せず)への、電気接続(図示せず)を含むことができる。ダイ2816がテストされると、クリップ2802を支持フレーム2806から除去することができ、ダイ2816をソケット2800から除去することができる。ソケット2800は、テストソケットであるというよりむしろ、又はテストソケットであることに加えて、テストソケットであるダイ2816及び基板2810がその一部である電子システムとすることができる。このようなケースでは、代替的に又は追加的に、テスト基板2810は電子システムの一部である配線基板とすることができる。
【0086】
[00121] テストソケット2800は単なる例示としてのものであり、変形が可能である。例えば、
図28には2つのダイ2816が示されているが、テストソケット2800は2つより多くの又はより少ないダイ2816を保持するように構成することができる。別の例として、クリップ2802及び/又は支持フレーム2806は、
図28に示す形状と異なる形状であり得る。
【0087】
[00122]
図29は、カーボンナノチューブを備えるプローブ240を使用して2つの電子デバイス2902及び2910を電気的に接続するのに使用できる非限定的な例を示す。図に示すように、プローブ240はカップリング230によって電子デバイス2902に結合できる。プローブ240は、上述のようにプローブ240が基板202の端子212に結合される方法と同じか又は同様の方法で、カップリング230によって電子デバイス2902の端子2904に結合できる。
図29にも示すように、プローブ240は、接合材料2906(例えばはんだ)によって電子デバイス2910の端子2908に接合できる。したがって電子デバイス2902は、プローブ240によって電子デバイス2910に電気的に接続できる。電子デバイス2902及び2910は、互いに電気的に接続可能な任意の電子デバイスとすることができる。例えば、電子デバイス2902及び2910は、どちらも半導体ダイ(パッケージ化されるか又はパッケージ化されない)とすることができる。別の例として、電子デバイス2902又は2910のうちの一方がこのような半導体ダイであり、電子デバイス2902又は2910のうちの他方はプリント回路板とすることができる。
図29に示す構成は単なる例示としてのものであり、変形が可能である。例えば、電子デバイス2902及び2910のサイズ、形状、及び位置は、
図29に示すものと異なるものとすることができる。別の例として、2つの電子デバイス2902及び2910よりも多くの電子デバイスを使用することもできる。さらに別の例として、電子デバイス2902及び2910のうちの1つ又は両方が、3つより多いか又は少ない端末2904及び2908を有することができ、3つより多いか又は少ないプローブ240を使用することもできる。
【0088】
[00123] 本明細書では本発明の特定の実施形態及び用途について説明してきたが、これらの実施形態及び用途は単なる例示としてのものであり、多くの変形が可能である。