特許第5796085号(P5796085)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ エルジー エレクトロニクス インコーポレイティドの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5796085
(24)【登録日】2015年8月21日
(45)【発行日】2015年10月21日
(54)【発明の名称】端末の位置を測定するための方法
(51)【国際特許分類】
   G01S 5/10 20060101AFI20151001BHJP
   H04W 64/00 20090101ALI20151001BHJP
【FI】
   G01S5/10 Z
   H04W64/00 140
【請求項の数】13
【全頁数】25
(21)【出願番号】特願2013-544385(P2013-544385)
(86)(22)【出願日】2011年12月8日
(65)【公表番号】特表2014-504369(P2014-504369A)
(43)【公表日】2014年2月20日
(86)【国際出願番号】KR2011009493
(87)【国際公開番号】WO2012081861
(87)【国際公開日】20120621
【審査請求日】2013年7月26日
(31)【優先権主張番号】61/422,667
(32)【優先日】2010年12月14日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/480,339
(32)【優先日】2011年4月28日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】502032105
【氏名又は名称】エルジー エレクトロニクス インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100165191
【弁理士】
【氏名又は名称】河合 章
(74)【代理人】
【識別番号】100151459
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 健一
(72)【発明者】
【氏名】リム スワン
(72)【発明者】
【氏名】リ サンウク
(72)【発明者】
【氏名】ジュン マンヨン
(72)【発明者】
【氏名】リ デウォン
(72)【発明者】
【氏名】ヤン ユノー
【審査官】 小川 亮
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2010/117220(WO,A1)
【文献】 国際公開第2010/126419(WO,A1)
【文献】 特表2012−523738(JP,A)
【文献】 特許第5411351(JP,B2)
【文献】 特表2008−517566(JP,A)
【文献】 特表2010−518687(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0239034(US,A1)
【文献】 特表2012−518965(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0265842(US,A1)
【文献】 特表2012−525068(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0278141(US,A1)
【文献】 特表2014−503799(JP,A)
【文献】 特表2013−536616(JP,A)
【文献】 特表2012−530394(JP,A)
【文献】 特表2013−520922(JP,A)
【文献】 特表2013−502179(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0143770(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0201332(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0040685(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01S 5/10
H04W 64/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基準セルからの基準信号に基づいて、端末が観測到達時間差(OTDOA)を測定する方法であって、
サービス提供セルの測位基準信号(PRS)に割当てられた第1帯域幅に関する情報を取得するステップと、
隣接セルのPRSに割当てられた第2帯域幅に関する情報を取得するステップと、
前記基準セルのPRSに割当てられた第3帯域幅に関する情報を取得するステップと、
記サービス提供セルの前記第1帯域幅と、前記隣接セルの前記第2帯域幅と、前記基準セルの前記第3帯域幅とのうち最も小さい帯域幅を選択し前記最も小さい帯域幅において利用可能なサブフレーム数を設定した状態で、前記隣接セルのうち一つの信号と前記基準セルの前記基準信号との間の相対時間差である基準信号時間差(RSTD)を測定するステップと、
を有する方法。
【請求項2】
サーバから、位置情報の種別を示す情報を要求する位置情報要求(RequestLocationInformation)メッセージを受信するステップと、
前記位置情報要求メッセージに応答して、前記サーバに位置情報提供(ProvideLocationInformation)メッセージを送信するステップと、
を更に有する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記位置情報提供メッセージは位置測定値を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記隣接セルのセル識別子を含むOTDOA支援データを受信するステップを更に有する、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記OTDOA支援データは、前記第2帯域幅に関する情報と、前記第3帯域幅に関する情報とを更に含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記OTDOA支援データは、
セル特定基準信号用のアンテナポートの数を示す、アンテナポート設定に関する情報と、
前記隣接セルのうち前記一つと前記基準セルとの間のスロット番号オフセットに関する情報と、
前記基準セルの第1PRSサブフレームと、前記隣接セルのうち前記一つの第1PRSサブフレームとの間のPRSのサブフレームオフセットに関する情報とを含む、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
前記OTDOA支援データは、複数のセル間で前記端末が測定すると予想される予想RSTD値に関するフィールドを含む、請求項4に記載の方法。
【請求項8】
基準セルからの基準信号に基づいて、観測到達時間差(OTDOA)を測定する端末であって、
信号を送受信するための送受信部と、
制御部と、を備え、
前記制御部は、
サービス提供セルの測位基準信号(PRS)に割当てられた第1帯域幅に関する情報を取得し、
隣接セルのPRSに割当てられた第2帯域幅に関する情報を取得し、
前記基準セルのPRSに割当てられた第3帯域幅に関する情報を取得し、
記サービス提供セルの前記第1帯域幅と、前記隣接セルの前記第2帯域幅と、前記基準セルの前記第3帯域幅とのうち最も小さい帯域幅を選択し前記最も小さい帯域幅において利用可能なサブフレーム数を設定した状態で、前記隣接セルのうち一つの信号と前記基準セルの前記基準信号との間の相対時間差である基準信号時間差(RSTD)を測定するように構成される、端末。
【請求項9】
前記制御部は、さらに、
サーバから、位置情報の種別を示す情報を要求する位置情報要求(RequestLocationInformation)メッセージを受信し、
前記位置情報要求メッセージに応答して、前記サーバに位置情報提供(ProvideLocationInformation)メッセージを送信するように構成される、請求項8に記載の端末。
【請求項10】
前記位置情報提供メッセージは位置測定値を含む、請求項9に記載の端末。
【請求項11】
前記制御部は、さらに、前記隣接セルのセル識別子を含むOTDOA支援データを受信するように構成される、請求項8に記載の端末。
【請求項12】
前記基準セルは前記隣接セル及び前記サービス提供セルの中から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記基準セルは前記隣接セル及び前記サービス提供セルの中から選択される、請求項8に記載の端末。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、端末の位置を測定する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
第2世代(2G)移動体通信とは、音声をデジタルで送受信することを指すものであり、符号分割多元接続(CDMA)、世界移動体通信システム(GSM(登録商標))などがある。GSM(登録商標)から進化して一般パケット無線サービス(GPRS)が提案された。GPRSは、GSM(登録商標)システムをベースとして、パケット交換データサービスを提供するための技術である。
【0003】
第3世代(3G)移動体通信は、音声だけでなく、映像とデータを送受信できるようにする。第3世代パートナシッププロジェクト(3GPP)は、移動体通信システム(例えば、IMT−2000)を開発し、無線アクセス技術(RAT)として広帯域符号分割多元接続(WCDMA(登録商標))を採択した。IMT−2000及びRAT(例えば、WCDMA(登録商標))を、ヨーロッパでは、はん用移動体通信システム(UMTS)と称する。そして、UTRANは、UMTS地上無線接続網の略称である。
【0004】
一方、第3世代移動体通信は第4世代移動体通信に進化している。
【0005】
第4世代移動体通信技術として、3GPPで検討された長期進化網(LTE)技術及び米国電気電子学会(IEEE)で検討されたIEEE 802.16技術が導入された。LTEは「進化UTRAN(E−UTRAN)」の用語を用いる。
【0006】
第4世代移動体通信技術は、直交周波数分割多重化(OFDM)及び直交周波数分割多元接続(OFDMA)を採用する。OFDMは、複数の直交副搬送波を用いる。OFDMは、高速フーリエ変換(FFT)及び逆高速フーリエ変換(IFFT)の直交特性を用いる。送信器は、データにIFFTを施し、データを送信する。受信器は、元のデータを復元するために、受信信号に対してFFTを施す。送信器は、複数の副搬送波を連結するためにIFFTを使用し、受信器は、複数の副搬送波を分割するために対応するFFTを使用する。
【0007】
一方、第3世代又は第4世代移動体通信システムは、端末の位置を提供する位置情報サービスを提供するために、端末の位置を計算するための機能を有する。
【0008】
現在、端末の位置を測定するための様々な方法がある。例えば、端末が属するセルの識別子を伝送するセル識別子(Cell ID)方法、端末から各基地局まで到達する無線信号の時間を測定して、三角測量によって端末の位置を計算する方法、及び衛星を用いる方法などがある。
【0009】
セル識別子ベース(例えば、セルサービス範囲(cell coverage))の方法において、端末(UE)の位置はサービス提供基地局(例えば、サービス提供ノードB(serving node B)の位置によって推定される。サービス提供ノードB及びセルに関する情報は、呼出し(paging)手順、回線交換位置登録エリア(location area)更新手順、セル更新手順、UTRAN位置登録エリア(UTRAN Routing Area、URA)更新手順、又は位置登録エリア更新手順によって取得することができる。
【0010】
セルサービス範囲ベースの位置情報は、利用されたセルのセル識別子、サービス領域識別子、又はサービス提供セルと関連した位置の地理的座標として表すことができる。位置情報は、サービス品質(QoS)の推定(例えば、精度に関する)、及び位置推定値を得るために用いた位置決め方法(又は方法のリスト)を含む。
【0011】
地理的座標が位置情報として使用される場合、端末の推定位置は、サービス提供セル(例えば、サービス提供ノードBの位置)、サービス提供セルサービス範囲の中心、又はセルサービス範囲内の固定された位置であってもよい。また、地理的位置は、セル特定の地理的位置と共に、周波数分割2重通信(FDD)における往復時間(Round Trip Time、RTT)、又は時分割2重通信(TDD)における受信タイミング偏差測定及び端末の先行タイミングに関する情報のような他の可用情報を組み合わせて取得することができる。
【0012】
一方、衛星を用いる方法において、端末は、全球航法衛星システム(GNSS)信号を受信することができる無線受信器を備えなければならない。GNSSの例として、全球測位システム(GPS)及びガリレオを挙げることができる。ここで、異なるGNSS(例えば、GPS、ガリレオ)は、端末の位置を測定するために、個別に又は組み合わせて用いることができる。
【0013】
また、三角測量技術を用いる方法は、二つの類型技術に分けることができる。一つは、アップリンク到着時間差(U−TDOA)位置決め方法であり、もう一つは、観測到着時間差−ダウンリンク待機期間(OTDOA−IPDL)方法である。
【0014】
まず、U−TDOA位置決め方法は、端末から送信され、四つ以上の位置測定単位(LMU)で受信された信号の到着時間(TOA)の測定に基づく。この方法は、TOAを正確に測定するために、測定される端末に近接したLMUが必要である。測定される地理的座標値を取得した後に、端末の位置は双曲線三辺(hyperbolic trilateration)測量を通じて計算することができる。この方法は、いかなる変更も無しで既存の端末で動作する。ほとんどの場合、セルサービス範囲半径内に深く存在する端末は、他のセルから信号を受信する必要がない。端末は、セルサービス範囲の縁に移動する場合にだけ、他のセルから信号を受信し、他のセルにハンドオーバする。これは、端末の位置に関係なく、端末が一つ以上のセルから受信しなければならない端末位置取得手順に反する。
【0015】
次に、OTDOA−IPDL方法は、端末がフレームタイミング(例えば、システムフレーム番号(SFN)によって観察した時間差)について行った測定を含む。
【0016】
図1
【0017】
図1は、OTDOA方法の一例を示す。
【0018】
図1を参照すると、OTDOA−IPDL方法は、端末がフレームタイミング(例えば、SFNによって観察した時間差)について行った測定を含む。このような測定は、ネットワークにおける端末の位置を計算するために用いられる。OTDOA−IPDLの最も簡単な場合は待機期間(idle periods)がない場合である。この場合、単に、OTDOAと呼ぶことができる。ノードBは、潜在的に隣接ノードBの受信能力(hearability)を改善するために、ダウンリンクで待機期間を提供することができる。端末において、このような待機期間を提供することは選択事項である。
【0019】
このように、OTDOA技術において、端末は、タイミング差を測定しなければならない。しかし、各セルに割り当てられた帯域幅が互いに異なる場合には、端末は、タイミング差の測定が困難である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
したがって、本明細書では、上記の問題点を解決するための方法を提案する。すなわち、本発明の特徴は、各セルに割り当てられた帯域幅が互いに異なるという問題を解決するための方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0021】
上記の技術的課題を解決するために、本発明の一実施例に係る位置を測定するための方法は、端末が、サービス提供セルから、測位基準信号(PRS)のために割り当てられた帯域幅に関する情報を受信するステップと、端末が、少なくとも一つの隣接セルから、PRSのために割り当てられた帯域幅に関する情報を受信するステップと、帯域幅の間に差が存在するかを判定するステップと、判定の結果に基づいて、端末が、サービス提供セル及び少なくとも一つの隣接セルから送信されたPRSの間の時間差を測定するステップと、を含むことができる。
【0022】
帯域幅は、周波数内(intra−frequency)に基づく関係を有することができる。
【0023】
測定するステップは、差が存在すると、帯域幅の中で最も広い帯域幅を選択するステップと、最も広い帯域幅に基づいて、時間差を測定するための少なくとも一つのパラメータを設定するステップと、パラメータによってPRSの間の時間差を測定するステップと、を含むことができる。パラメータは、測定の精度に関する第1パラメータ、及び測定のために利用可能なサブフレームの数に関する第2パラメータを含むことができる。
【0024】
測定するステップは、差が存在すると、第1基地局のPRSと隣接基地局のPRSとの間の間隔を要求する要求メッセージを送信するステップを含むことができる。
【0025】
間隔の間に、端末は、第1基地局からデータを受信してはならない。
【0026】
測定するステップは、差が存在すると、帯域幅の中で最も狭い帯域幅を選択するステップと、最も狭い帯域幅に基づいて、時間差を測定するための少なくとも一つのパラメータを設定するステップと、パラメータによってPRSの間の時間差を測定するステップと、を含むことができる。
【0027】
選択するステップは、第1基地局が基準セルでない場合、最も狭い帯域幅を選択するステップを含むことができる。
【0028】
測定するステップは、第1基地局に、設定されたパラメータに関する情報を送信するステップを更に含むことができる。
【0029】
本発明の他の実施例に係る第1基地局によって行われる位置を測定する方法は、第1基地局が、少なくとも一つの隣接基地局から、隣接基地局の測位基準信号(PRS)のために割り当てられた帯域幅に関する情報を受信するステップと、隣接基地局の帯域幅と第1基地局のPRSのために割り当てられた帯域幅との間に差が存在するかを判定するステップと、差が存在すると、帯域幅が互いに同一になるようにする手順を行うステップと、を含むことができる。
【0030】
上記の手順は、第1基地局の帯域幅と同一になるように帯域幅を調整するように隣接基地局に要求する制御信号を送信するステップを含むことができる。
【0031】
手順は、第1基地局の帯域幅を隣接基地局の帯域幅と同一になるように調整するステップを含むことができる。
【0032】
本発明の更に他の実施例に係る端末は、サービス提供セルから、測位基準信号(PRS)のために割り当てられた帯域幅に関する情報を受信し、少なくとも一つの隣接セルから、PRSのために割り当てられた帯域幅に関する情報を受信する送受信部と、帯域幅の間に差が存在するかを判定し、判定の結果に基づいて、サービス提供セル及び少なくとも一つの隣接セルから送信されたRPSの間の時間差を測定するように構成される制御部と、を含むことができる。
【0033】
本発明の更に他の実施例に係る基地局は、少なくとも一つの隣接基地局から、隣接基地局の測位基準信号(PRS)のために割り当てられた帯域幅に関する情報を受信する送受信部と、隣接基地局のPRSのために割り当てられた帯域幅及び第1基地局のPRSのために割り当てられた帯域幅の間に差が存在するかを判定する制御部と、を含み、差が存在すると、制御部は、帯域幅が互いに同一になるようにする手順を行うことができる。
【発明の効果】
【0034】
本発明によれば、各セルに割り当てられた帯域幅が互いに異なる状況で、端末がタイミング差を測定することができる。また、本発明によれば、各セルが他のセルと帯域幅を同期化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
図1】OTDOA方法の一例を示す図である。
図2】OTDOA方法においてPRSを検出する一例を示す図である。
図3】セルA及びBからの伝搬遅延の一例を示す図である。
図4】二つのセル間の相対的送信時間差の一例を示す図である。
図5】サービス提供セルからの干渉を防止するための3サブフレームの必要性の一例を示す図である。
図6】位置伝送手順の一例を示す図である。
図7】FDDモードにおけるRSTD報告時間要求事項を示す図である。
図8】サービス提供セルによって割り当てられた帯域幅が、少なくとも一つの隣接セルによって割り当てられた帯域幅と異なる一例を示す図である。
図9】サービス提供セル及び隣接セルにおいて最も長い帯域幅を考慮してPRSを測定する本発明の第1実施例を示す図である。
図10】一つのセルの帯域幅が、他のセルの帯域幅と同一になるように調整される本発明の第2実施例を示す図である。
図11】本発明の第3実施例を示す図である。
図12】本発明の第3実施例に係る測定間隔の一例を示す図である。
図13】サービス提供セルが基準セルとして規定されず、サービス提供セルによって割り当てられた帯域幅が、目標セルによって割り当てられた帯域幅よりも広い場合を示す図である。
図14】サービス提供セルが基準セルとして規定されず、サービス提供セルによって割り当てられた帯域幅が、目標セルによって割り当てられた帯域幅よりも狭い場合に発生する問題を示し、第4実施例による解決方法を示す図である。
図15】本発明に係る端末100及び基地局200を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
本明細書では、端末の位置測定技術が提供されるが、これに限定されるものではない。本明細書の内容は、本発明の技術的特徴を適用することができるいかなる通信システム及び方法にも適用することができる。
【0037】
本明細書で使用される技術用語は、単に、特定の実施例を説明するために使用されたもので、本発明を限定しようとする意図ではないことに留意しなければならない。また、本明細書で使用される技術用語は、本明細書で特別に他の意味で規定されない限り、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者によって一般的に理解される意味で解釈しなければならず、過度に包括的な意味で解釈したり、過度に縮小された意味で解釈したりしてはならない。また、本明細書で使用される技術的な用語が、本発明の思想を正確に表現できない誤った技術用語である場合には、当業者が正しく理解できる技術用語で代替して理解すべきであろう。また、本発明で使用される一般的な用語は、辞典の定義に従って、又は前後の文脈によって解釈しなければならず、過度に縮小された意味で解釈してはならない。
【0038】
また、本明細書で使用される単数の表現は、文脈上明らかに他の意味を表すものでない限り、複数の表現を含む。本出願において、「含む」又は「有する」などの用語は、明細書上に記載された様々な構成要素、又は様々なステップを必ずすべて含むものと解釈してはならず、追加的な構成要素又はステップを更に含むこともあると解釈しなければならない。
【0039】
また、本明細書で使用される第1、第2などのように序数を含む用語は、様々な構成要素を説明するために使用できるが、構成要素は、上記の用語によって限定されてはならない。上記の用語は、一つの構成要素を他の構成要素から区別する目的でだけ使用される。例えば、本発明の権利範囲を外れない限り、第1構成要素を第2構成要素と呼んでもよく、同様に、第2構成要素を第1構成要素と呼んでもよい。
【0040】
ある構成要素が他の構成要素に「連結」又は「接続」されていると言及された場合には、その他の構成要素に直接的に連結又は接続されていることもあるが、その構成要素間に他の構成要素が存在することもある。反面、ある構成要素が他の構成要素に「直接連結」又は「直接接続」されていると言及された場合には、その構成要素間に他の構成要素が存在しないと理解すべきであろう。
【0041】
以下、添付の図面を参照して、本発明の好ましい実施例を詳細に説明し、図番に関係なく同一又は類似の構成要素には同一の参照番号を付与し、これに関する重複説明は省略する。また、本発明を説明するにあたって、関連する公知技術に関する具体的な説明が、本発明の要旨を曖昧にすると判断される場合は、その詳細な説明を省略する。また、添付の図面は、本発明の思想を容易に理解できるようにするためのものに過ぎず、添付の図面によって本発明の思想が制限されるものと解釈してはならないことに留意すべきである。本発明の思想は、添付の図面以外に、すべての変更物、均等物及び代替物にまで拡張されるものと解釈しなければならない。
【0042】
以下、端末という用語が使用されるが、端末は、ユーザ装置(UE)、移動装置(ME)、移動機(MS)、利用者端末(UT)、加入者局(SS)、移動加入者局(MSS)、無線機器、携帯機器、接続端末(AT)と呼んでもよい。
【0043】
添付の図面を参照して本発明を説明する前に、本発明の理解を助けるために、本発明の明細書で説明された技術を簡略に説明する。
【0044】
本発明の実施例は、端末が、同一のE−UTRA絶対無線周波数チャネル番号(EARFCN)を用いて複数のセルから送信された位置参照信号(PRS)を受信する、3GPP標準ベースのOTDOA技術を使用する。そして、端末は、基準信号時間差(RSTD)を測定する。このように、本発明の一実施例は、RSTDの測定の精度を向上させるための技術を提供する。
【0045】
精度に関する要求事項は、3GPP標準文書 TS36.133に規定されている。具体的には、隣接セルによってPRSに割り当てられた送信帯域幅による精度を満足しなければならない。ここで、PRSのチャネルに割り当てられた帯域幅は、PRS自体が送信される帯域幅に依存しない。したがって、目標(target)隣接セルによってPRSのチャネルに割り当てられた帯域幅に関する情報を取得した後、端末は、当該チャネルを介してPRSを受信し、サービス提供セルのPRSと目標隣接セルのPRSとの間のRSTDを計算し、その後、計算されたRSTDの情報を送信する。
【0046】
しかし、標準文書は、サービス提供セル及び隣接セルがPRSに同一の帯域幅を割り当てると理想的に仮定する。しかし、サービス提供セルによって割り当てられた帯域幅は、隣接セルによって割り当てられた帯域幅と異なることがある。この場合、端末は、単純にサービス提供セルの帯域幅だけを考慮し、同一のEARFCN送信を用いる隣接セルの帯域幅を考慮しないため、精度が低下し、要求事項を満たすことは難しい。
【0047】
したがって、本発明の一実施例は、帯域幅が互いに異なる場合にも、測定の精度を向上させることができる方法を提供する。
【0048】
以下では、本発明の好ましい実施例を、添付の図面を参照して詳細に説明する。
【0049】
図2及び図3
【0050】
図2は、OTDOA方法において測位基準信号(PRS)を検出する一例を示す。そして、図3は、セルA及びBからの伝搬遅延の一例を示す。
【0051】
端末がサービス提供セルに接続されているとき、端末が目標セルから信号を受信しようと試みることを仮定すると、二つの状況が可能である。
【0052】
図2(a)を参照すると、1番目の状況は、サービス提供セルであるセルAからの経路損失が、目標セルであるセルBからの経路損失よりも小さい場合である。
【0053】
図2(b)を参照すると、2番目の状況は、サービス提供セルであるセルAからの経路損失が、目標セルであるセルBからの経路損失とほぼ同一である場合である。
【0054】
2番目の状況において、セルBから測定された信号が、信号の感知及び測定に必要なエネルギーよりも十分なエネルギーを有している場合、両セルから信号が類似した強度で端末に受信される。
【0055】
1番目の状況において、セルBから受信された信号は、セルAから受信された信号に比べて非常に小さくなって端末に到達する。自動利得制御(AGC)と呼ばれる端末信号増幅チェーンは、AD変換器(ADC)の動的範囲に適するように、受信された全体信号を増幅する。セルAから受信された信号が、セルBから受信された信号よりも大きいときは、受信された全体信号は、セルAからの信号とほぼ同一になる。AGCが増幅利得を調整するとき、すべての受信された信号に適用されるため、セルBから受信された信号は、ADCの量子化誤差内で失われる可能性がある。したがって、1番目の状況で信号シーケンスの測定順序がよく設計されているかに関係なく、端末は、セルBからの信号シーケンスをほとんど感知できない。
【0056】
1番目の状況で言及したような状況を克服するために、サービス提供セルは、待機期間又は非送信期間を設定することができる。これは、効果的にセルAからの信号を除去して、セルBからの信号に適応し、セルBからの信号に適切なADCを適用できるようにする。
【0057】
信号が空間(空気)を通じて送信されるとき、信号の伝搬遅延がある。例えば、二つの信号が別個の送信点から同時に送信されても、信号受信器の位置によって異なる時間に受信されることがある。図3は、セルAよりもセルBから遠くに位置した端末の例を示す。
【0058】
したがって、配置されたセルが同期化されたか否かに関係なく、別個のセルからの信号は、別個のタイミングで受信される。100kmを最大のセル半径とするシステムの場合、端末側で発生し得る最大の伝搬遅延は、約0.334ms(=100[km]/300000[km/s])である。同期化されたセルにおいては、最も大きい信号偏差は、受信側で±0.334msとなる。非同期のセルにおいては、信号は既に同期はずれになっているかも知れない。サブフレームの観点で、二つのセル間の最大偏差は、±0.5ms(又はサブフレームの半分)である。二つのセル間のサブフレームタイミング差が0.5msよりも大きい場合、基準サブフレームは再定義され得るため、相対的な時間差は、±0.5msより小さいか又は同一である。もちろん、これは、サブフレームの長さが1msであり、すべての送信及び測定はサブフレーム単位で行われる場合を仮定したものである。
【0059】
図4及び図5
【0060】
図4は、二つのセル間の相対的な送信時間の差の一例を示す。図5は、サービス提供セルからの干渉を防止するための3サブフレームの必要性の一例を示す。
【0061】
図4(a)は、二つのセル間の相対的な送信時間の差が0msであることを示す。図4(b)は、二つのセル間の相対的な送信時間の差が0.5msであることを示す。図4(b)は、二つのセル間の相対的な送信時間の差が0.75msであることを示しているが、これは、他の観点では負の0.25msの時間差となる。
【0062】
目標セルから信号を受信するサービス提供セルにおいて、サービス提供セルからの信号干渉なしに目標セルから信号を受信するために、最大3個のサブフレームが待機状態である必要がある。
【0063】
サービス提供セルの待機サブフレームタイミング及び目標セルの信号送信タイミングの測定に応じて、連続的な1、2、又は3の待機サブフレームを構成する必要がある。
【0064】
したがって、サービス提供セルと測定目標セルとの間のタイミング関係によって、システムで連続的な1、2(又は3)の待機サブフレームを有するようにネットワークを構成することができる。また、端末は、サービス提供セルの1番目の待機サブフレームの開始を基準として測定された信号遅延を報告することができる。これは、測定された信号の相対的遅延を計算する方法を基地局に提供し、信号遅延測定が最大3msとなるように制限する。
【0065】
端末が、サブフレームの境界又は目標セルの無線フレーム境界を読み取ることなく測定を行うために、サービス提供セルは、サービス提供セルのシステムフレーム番号と、サブフレーム番号によって測定された近似のサブフレームタイミング及び目標セルの識別子(ID)とを端末に知らせることができる。さらに、サービス提供セルは、目標セルの測定された信号の周波数位置及び測定信号帯域幅を端末に知らせることができる。これは、端末が目標セルの探索及び目標セルの同期化過程なしに測定信号をブラインド検出できるようにする。
【0066】
目標セルから測定を行うために必要な情報は、サービス提供セルが同報してもよい。これは、実際の目標セルの識別子を含む。これは、ネットワークが基地局の正確な位置を既に知っているため可能である。これは、サービス提供セルが隣接セルを認識できるようにし、サービス提供セルと同じ位置の送信アンテナを有するセルのように、遅延測定の向上に寄与しないセルを除去できるようにする。
【0067】
図6
【0068】
図6は、位置伝送手順の一例を示す。
【0069】
図6を参照して、位置情報伝送手順を説明する。
【0070】
1)まず、サーバは、サービスの品質に関連する位置情報の種別を示す位置情報を要求するために、目標セルに位置情報要求(RequestLocationInformation)メッセージを送信する。
【0071】
2)目標セルは、位置情報を伝送するために、位置情報提供(ProvideLocationInformation)メッセージをサーバに送信する。伝送された位置情報は、サーバが追加位置情報を明示的に許容しない限り、第1ステップで要求された位置情報と一致するか、部分集合でなければならない。このメッセージは、手順終了の表示を含むことができる。
【0072】
3)目標セルは、位置情報を伝送するために、サーバに追加的な位置情報提供(ProvideLocationInformation)メッセージを送信する。伝送された位置情報は、サーバが追加位置情報を明示的に許容しない限り、第1ステップで要求された位置情報一致するか、部分集合でなければならない。最後のメッセージは、手順終了の表示を含むことができる。
【0073】
一方、OTDOA−隣接セル情報目録は、他のセルのPRSの測定を容易にするために、ネットワークを介して送信することができる。
【0074】
OTDOA−隣接セル情報目録は、OTDOA支援データのための隣接セル情報を提供するために、位置サーバによって用いられる。OTDOA−隣接セル情報目録は、目標装置の演繹的位置推定の最良の結果によって並べられる。すなわち、目標装置は、増加する隣接セル目録の順序で測定を提供することが予想される。
【0075】
表1は、ASN.1における隣接セル情報要素の条件付き存在を示す。
【表1】
【0076】
また、表2は、OTDOA−隣接セル情報目録のフィールドの説明を示す。
【表2】
【0077】
一方、PRSの構成は、下記の通りである。
【0078】
PRSの送信のためのセル特定サブフレームオフセット及びセル特定サブフレーム設定期間を、下記の表3に示す。PRS設定指標(index)は、上位層によって構成される。PRSは、設定されたダウンリンクサブフレームでだけ送信される。PRSは、例外的なサブフレームでは送信されない。PRSは、上位層で設定された連続的なダウンリンクサブフレームで送信される。
【0079】
PRSは、例えば、ダウンリンクサブフレームの1番目のサブフレームにある。
【0080】
表3は、PRSのサブフレーム構成を示す。
【表3】
【0081】
一方、PRSの測定は、次に説明する。
【0082】
OTDOA支援データと共に、隣接セルの物理層セルIDが提供される場合、3GPP TS 36.211に規定されるように、最小限、n=16であるセルのために、基準セルを含んで、下記の式で与えられるTRSTD msの間に、基準セルと同一のキャリア周波数で、端末は、周波数内RSTDを検出し、測定することができる。
TRSTD=TPRS(M−1)+Δ (ms)
ここで、TRSTDは、nセルを検出し、測定するための総時間である。TPRSは、3GPP TS 36.211に規定されたセル特定位置サブフレーム設定期間である。Mは、下記の表に規定されたPRS位置場合の数である。それぞれのPRS位置は、3GPP TS 36.211に規定されたNPRS(1≦NPRS≦6)の連続的なダウンリンク位置サブフレームを含む。
【数1】
は、サンプリング時間及び処理時間を含む単一PRS位置場合の測定時間である。
【0083】
表4は、PRS測位実施の回数を示す。
【表4】
【0084】
端末物理層は、基準セル及び少なくとも(n−1)隣接セルのうち下記の条件を満たすすべての隣接セルiのRSTDを報告することができる。
【0085】
基準セルのすべての周波数帯域について、
【数2】
【0086】
隣接セルiのすべての周波数帯域について、
【数3】
【0087】
【数4】
の条件は、少なくともL=M/2回のPRS測位を実施するすべてのサブフレームに適用される。
【0088】
周波数帯域1、4、6、10、11、18、19、21についてPRP 1,2|dBm≧−127dBm
【0089】
周波数帯域9についてPRP 1,2|dBm≧−126dBm
【0090】
周波数帯域2、5、7についてPRP 1,2|dBm≧−125dBm
【0091】
周波数帯域3、8、12、13、14、17、20についてPRP 1,2|dBm≧−124dBm
【0092】
【数5】
は、PRSリソース要素(RE)当たりの、総雑音及び干渉の平均受信電力スペクトル密度に対する各PRS RE別平均受信電力の割合で規定される。ここで、比率は、PRSを有するすべてのREに対して測定される。
【0093】
3GPP TS 36.355に規定されたOTDOA−提供支援データ(ProvideAssistanceData)メッセージ内のOTDOA支援データの後で時間上最も近いPRS位置の1番目のサブフレームから始まるTRSTDが、下図に示すように端末の物理層に送信される。
【0094】
すべての測定された隣接セルiのためのRSTD測定の精度は、精度の要求事項に従わなければならない。
【0095】
図7
【0096】
図7は、FDDモードでRSTD報告時間要求事項を示す。
【0097】
図7に示されたように、測定報告は、ダウンリンク制御チャネル(DCCH)の他のLPP信号によって遅延しない。この測定報告遅延は、アップリンクDCCHの送信時間間隔(TTI)に測定報告を挿入するときに発生する不確実な遅延を排除する。遅延不確実性は、2個のTTI DCCHである。この測定報告遅延は、端末が測定報告を送信するためのアップリンクリソースがないことによって発生する遅延を除く。
【0098】
表5は、RSTDを示す。
【表5】
【0099】
表6は、隣接セルのPRSに割り当てられた帯域幅に応じて、端末によって行われるRSTD測定のために必要な精度を示す。表6の精度は、次のような条件下で有効である。
【0100】
3GPP TS 36.101の7.3節で規定された条件が満たされる。
【0101】
周波数帯域1、4、6、10、11、18、19、21、33、34、35、36、37、38、39、40についてPRP 1,2|dBm≧−127dBm
【0102】
周波数帯域9についてPRP 1,2|dBm≧−126dBm
【0103】
周波数帯域2、5、7についてPRP 1,2|dBm≧−125dBm
【0104】
周波数帯域3、8、12、13、14、17、20についてPRP 1,2|dBm≧−124dBm
【0105】
測定セルのPRSサブフレームと重なる測定間隔(gap)はない。
【0106】
3GPP TS 36.355に規定されたE−SMLCによってLPPを通じて送信されるパラメータ “expectedRSTDUncertainty”は、5μsよりも小さい。
【表6】
【0107】
表7は、帯域幅とリソースブロック(RB)の数との間の関係を示す。
【表7】
【0108】
図8
【0109】
図8は、サービス提供セルによって割り当てられた帯域幅が、少なくとも一つの隣接セルによって割り当てられた帯域幅と異なる一例を示す。
【0110】
図8(a)を参照すると、仮に、3MHzの帯域幅を割り当てたサービス提供セルに含まれた端末が、PRSのために10MHzの帯域幅を割り当てた目標セルからPRSの受信を試みる場合、測定精度は、±5Tsから±15Tsまで変更される。すなわち、厳格な精度が要求される。
【0111】
図8(b)を参照すると、端末が隣接セルからPRSを受信するために試みた場合、サービス提供セルによってPRSに割り当てられた帯域幅が隣接セルによってPRSに割り当てられた帯域幅よりも広いときは、端末は、隣接セルの帯域幅よりも広いサービス提供セルの帯域幅を通じて不要な干渉を受信することがある。このような干渉は、精度の減少の原因となる。
【0112】
したがって、以下では、周波数内に基づく関係を有する、隣接セルの間のRSTD測定のための精度の要求事項を満たすための技術を説明する。
【0113】
図9乃至図11は、精度を高めるための、本発明の三つの実施例を示す。
【0114】
図9
【0115】
図9は、サービス提供セル及び隣接セルにおいて最も広い帯域幅を考慮してPRSを測定する本発明の第1実施例を示す。
【0116】
図9を参照すると、第1実施例は、隣接セルによってPRSに割り当てられた帯域幅が、サービス提供セルによってPRSに割り当てられた帯域幅よりも広い場合、端末は、少なくとも一つの隣接セルによるPRSに割り当てられた帯域幅に関する情報を用いてRSTDを測定することができる。
【0117】
一般に、測定の精度は、PRSに割り当てられた帯域幅によって決定される。より広い帯域幅をPRSに割り当て、より高い周波数サンプルレートにすると、測定の精度を向上させることができる。
【0118】
端末は、RRC信号メッセージを受信して、少なくとも一つの隣接セルによってPRSに割り当てられた帯域幅に関する情報を取得することができる。したがって、端末は、サービス提供セル及び少なくとも一つの隣接セルのうち、最も広い帯域幅を有する少なくとも一つのセルを選択することができる。そして、端末は、基準セルとして選択したセルを考慮する。そして、端末は、最も広い帯域幅に基づいて、PRSの間の時間差を測定するための少なくとも一つのパラメータを設定する。パラメータは、測定の精度に関する第1パラメータ、及び測定のための可能なサブフレームの数に関連する第2パラメータのうち少なくとも一つを含む。そして、端末は、設定されたパラメータによって、サービス提供セル及び隣接セルから送信されたPRS間でRSTDを測定する。
【0119】
すなわち、図9に示されたように、サービス提供セルの帯域幅が最も広くない場合、端末は、サービス提供セルを基準セルとして考慮しない。むしろ、図9に示されたように、端末は、PRSの優れた精度を得るために、PRSに割り当てられた最も広い帯域幅によってPRSを測定する。
【0120】
しかし、端末が、最も広い帯域幅より狭い帯域幅を割り当てるサービス提供セル及び隣接セルからPRSを受信する場合、端末は、干渉信号を受信する。しかし、端末は、それぞれのセルに割り当てられた帯域幅に関する情報を予め取得しているため、端末は、デジタルフィルタ用いて干渉信号を減少させることができる。
【0121】
上述したように、第1実施例は、測定の精度に関する要求事項を満たすことができるようにする。
【0122】
図10
【0123】
図10は、一つのセルが、他のセルと帯域幅が同一になるように調整される本発明の第2実施例を示す。
【0124】
図10を参照すると、第2実施例は、サービス提供セル及び隣接セルがPRSに同一の帯域幅を割り当てることができるようにする。そのために、サービス提供セルは、PRSに割り当てた帯域幅に関する情報を隣接セルと交換することができる。情報を受信した後、各隣接セルは帯域幅の割当てを調整する。
【0125】
より具体的には、サービス提供セル及び隣接セルは、X2インタフェースを介して情報を交換する。また、運営者は、運用管理(O&M)プロトコルを用いて同一の帯域幅を割り当てるようにサービス提供セル及び隣接セルに要求することができる。
【0126】
図11及び図12
【0127】
図11は、本発明の第3実施例を示す。そして、図12は、本発明の第3実施例に係る測定間隔の一例を示す。
【0128】
図11を参照すると、第3実施例は、端末が順次に複数のPRSを受信できるようにする。
【0129】
より詳細には、一つのセルから受信されたPRSに割り当てられた帯域幅が、サービス提供セルによって割り当てられた帯域幅より広いか又は狭い場合、端末は、各帯域幅に該当するPRSを受信するために、無線周波(RF)部を調整する。しかし、このような調整は時間を必要とする。したがって、サービス提供セルは、端末が端末のRF部を調整するために十分な時間が有するように、端末に時間間隔(gap)を提供する。そのために、端末が各隣接セルから該当のPRSを受信するとき、サービス提供セルは如何なる信号も送信できない。
【0130】
そのために、端末は、サービス提供セルに、時間間隔を要求するための要求メッセージを送信する。要求メッセージは、少なくとも一つの隣接セルによって割り当てられた帯域幅に関する情報を含む。
【0131】
一方、端末は、各セルによって割り当てられた該当の帯域幅でPRSを受信するために、端末のフィルタを適応的又は積極的に制御する。それによって、端末は、周波数内に基づく関係を有するPRS間でRSTDを測定することができる。
【0132】
表8は、測定間隔の種別を示す。この間隔はまた、周波数間EARFCN及びRAT間システムを監視するのに用いられる。間隔は、40ms及び80msに対応する。また、測定期間は6msであってもよい。
【表8】
【0133】
PRS間でRSTDを測定するためには、物理層で測定間隔を設定することが必要である。測定間隔が設定されると、測定は最適の方法で行われる。図12を参照すると、測定間隔は、サービス提供セルにデータを送信するサブフレーム間に存在する。
【0134】
図13及び図14
【0135】
図13は、サービス提供セルが基準セルとして規定されず、サービス提供セルによって割り当てられた帯域幅が、目標セルによって割り当てられた帯域幅よりも広い場合を示す。そして、図14は、サービス提供セルが基準セルとして規定されず、サービス提供セルによって割り当てられた帯域幅が、目標セルによって割り当てられた帯域幅よりも狭い場合に発生する問題を示し、第4実施例による解決方法を示す。
【0136】
図13を参照すると、サービス提供セルは、PRSのために5MHzの帯域幅を割り当て、基準セルとして規定された隣接セルは、15MHzの帯域幅を割り当て、また、目標セルは、3MHzの帯域幅を割り当てる。ここで、表7を参照すると、3MHzは15リソースブロック(RB)に対応し、5MHzは25リソースブロックに対応し、15MHzは75リソースブロックに対応する。また、表6を参照すると、帯域幅が15リソースブロックのとき、測定のためのサブフレームの数は6である。そして、帯域幅が25リソースブロックのとき、サブフレームの数は2である。また、帯域幅が75リソースブロックのとき、サブフレームの数は1である。
【0137】
したがって、サービス提供セルから送信されるPRSは、2個のサブフレーム(又は2個のTTI)の間に測定される。そして、基準セルから送信されるPRSは、一つのサブフレームの間に測定される。また、目標セルから送信されるPRSは、一つのサブフレームの間に測定される。
【0138】
一方、端末は、サービス提供セルの5MHzの帯域幅に調整されたフィルタを用いる場合、基準セルの帯域幅及び目標セルの帯域幅のうち最も狭い一つに基づいてサブフレームの数を決定する(すなわち、端末は、6個のサブフレームを選択する)。そして、端末は、決定された数のサブフレームの間に基準セルから送信されたPRSによって、サービス提供セル及び目標セルから送信されたPRS間でRSTDを測定する。すると、サービス提供セルから送信されたPRSを受信するために十分な6サブフレームの間に測定が行われ、フィルタは、目標セルの3MHzよりも広い5MHzに調整されているため、問題が発生しない。
【0139】
しかし、図14(a)を参照すると、サービス提供セルは基準セルとして規定されず、サービス提供セルによって割り当てられた帯域幅は、目標セルによって割り当てられた帯域幅よりも狭い。
【0140】
このような場合、端末がサービス提供セルの3MHzの帯域幅に調整されたフィルタを用いる場合、目標セルの帯域幅及び基準セルの帯域幅のうち最も狭い一つに基づいてサブフレームの数を選択する(すなわち、端末は2個のサブフレームを選択する)。そして、端末は、決定された数のサブフレームの間に基準セルから送信されたPRSによって、サービス提供セル及び目標セルから送信されたPRS間でRSTDを測定する。すると、ただ2個のサブフレームの間の測定は、目標セルの5MHzよりも狭い3MHzに調整されたフィルタの状態では精度を満足し難いため、問題が発生する。すなわち、目標セルから送信された5MHzでのPRSは3MHzに設定されたフィルタを通過するため、2個のサブフレームは十分でない。
【0141】
この問題を解決するために、図14(b)は、第4実施例による解決方法を示す。第4実施例は、端末が、サービス提供セル、基準セル、及び目標セルをすべて含むセルの中で最も狭い帯域幅に基づいてサブフレームの数を決定するようにする。
【0142】
具体的には、図14(b)は、サービス提供セルがPRSに3MHzの帯域幅を割り当て、目標セルが5MHzの帯域幅を割り当てる一例を示す。
【0143】
このような場合、端末が、サービス提供セルの3MHzの帯域幅に調整されたフィルタを用いる場合、サービス提供セル、基準セル、及び目標セルをすべて含むセルの中で最も狭い帯域幅に基づいてサブフレームの数を決定する(すなわち、端末は、6個のサブフレームを選択する)。そして、端末は、決定された数のサブフレームの間に基準セルから送信されたPRSに基づいて、サービス提供セル及び目標セルから送信されたPRS間のRSTDを測定する。すると、フィルタは目標セルの5MHzよりも狭い3MHzに調整されるが、目標セルから送信されたPRSを受信するのに十分な時間である6個のサブフレームの間に測定が行われるため、問題が発生しない。
【0144】
一方、第4実施例によれば、端末は、決定されたサブフレームの数に関連したパラメータに関する情報をサービス提供セルに送信する。
【0145】
上述したように、本発明に係る方法は、ソフトウェア、ハードウェア、又はこれらの組合せによって具現することができる。例えば、本発明に係る方法は、記憶媒体(例えば、内部メモリ、フラッシュメモリ、ハードディスクなど)に記憶可能であり、マイクロプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、特定用途集積回路(ASIC)などによって実行可能なソフトウェアのコード又は命令によって実行することができる。次に、図15を参照して説明する。
【0146】
図15
【0147】
図15は、本発明に係る端末100、基地局200を示すブロック図である。
【0148】
図15に示されたように、端末100は、記憶部101、送受信部103、及び制御部102を含むことができる。また、基地局200は、記憶部201、送受信部203、及び制御部202を含むことができる。基地局200は、サービス提供セル、基準セル、又は目標セルであってもよい。
【0149】
記憶装置は、図1乃至図14に示されたように、上記の方法を具現するソフトウェアプログラムを記憶する。また、記憶装置は、受信されたメッセージ(又は信号)を記憶する。
【0150】
それぞれの制御部は、記憶装置及び送受信部を制御する。特に、制御部は、記憶装置に記憶されたそれぞれの方法を実行する。
【0151】
本発明を、単なる例示である実施例を参照して説明した。本発明の思想及び必須の特徴を逸脱しない範囲内で、本発明の様々な変形及び同等の実施例が具現可能であるということは当業者にとって自明である。また、本発明は、上述した実施例を全体又は部分的に組み合わせて実施可能であるということが理解できるであろう。したがって、本発明の均等範囲内でのすべての変更及び修正は本発明の範囲に含まれ、特許請求の範囲内であるものとする。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8(a)】
図8(b)】
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15