(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
呼を受信後、所定の条件が満たされた場合に、スケジュール情報を記憶する記憶手段の記憶内容に基づいて、前記呼に対して折り返し連絡を行う時間を特定する特定手段と、
前記特定手段により特定された前記時間に連絡を行う旨を通知する応答文を表す応答文データを生成する生成手段と、
前記生成手段により生成された応答文データを、前記呼を発信した通信装置に対して送信する第1の送信手段と、
前記特定手段により特定された前記時間を示す時間情報と、前記呼を発信した通信装置に対する折り返し連絡というイベントを示すイベント情報とを対応づけて、スケジュール情報として、前記記憶手段に記憶させる記憶制御手段と、
前記記憶制御手段により記憶された前記イベント情報に示されるイベントの存在をユーザに報知する報知手段と、
前記報知手段による報知が所定の回数行われた後においても、前記呼を発信した通信装置に対する折り返し連絡が行われていない場合に、当該通信装置に対して、所定の応答文を示す応答文データを送信する第2の送信手段と
を有する通信端末。
前記記憶制御手段は、前記呼を発信した通信装置から、前記呼に対する折り返し連絡を要求する信号が受信された場合に限り、前記スケジュール情報を前記記憶手段に記憶させることを特徴とする請求項1又は2に記載の通信端末。
【発明を実施するための形態】
【0015】
1.実施形態
1−1.構成
1−1−1.通信システム100
図1は、本実施形態に係る通信システム100の構成を示す図である。通信システム100は、分散型音声認識(Distributed Speech Recognition)システムである。通信システム100は、
図1に示されるように、通信端末1と、音声認識サーバ2とを有している。各装置は、通信回線3により相互に接続されている。ここで通信回線3とは、例えば、移動体通信網やインターネットにより構成されるネットワークである。なお、
図1には、通信端末1と、音声認識サーバ2とが、それぞれ1つずつしか示されていないが、それぞれ2つ以上設置されてもよい。
【0016】
1−1−2.通信端末1
図1に示される通信端末1は、ユーザの音声による操作(音声操作)に応じた処理を実行可能なコンピュータ装置である。通信端末1は、例えば、携帯電話機や、スマートフォンや、PDA(Personal Digital Assistant)や、タブレット端末や、パーソナルコンピュータである。
図2は、通信端末1のハードウェア構成を示すブロック図である。通信端末1は、
図2に示されるように、制御部11と、記憶部12と、操作部13と、表示部14と、音声処理部15と、通信部16とにより構成される。各構成要素は、バス17により相互に接続されている。
【0017】
制御部11は、CPU(Central Processing Unit)と、ROM(Read Only Memory)と、RAM(Random Access Memory)と、タイマとを備えており、CPUがROM又は記憶部12に記憶されているプログラムを実行することにより通信端末1の各部を制御する。タイマは、現在日時を計時する。
【0018】
記憶部12は、例えばEEPROM(Electronically Erasable and Programmable ROM)やフラッシュメモリ等の記憶装置であり、CPUにより実行されるプログラムやデータを記憶する。例えば記憶部12は、スケジュール情報を管理するためのアプリケーションプログラム(スケジューラ)を記憶する。また、記憶部12は、後述するスケジュールリスト121と、電話帳データ122と、操作リスト123とを記憶する。なお、記憶部12は、UIM(User Identify Module)カードやSIM(Subscriber Identity Module)カードのように、着脱可能な記憶装置であってもよい。
【0019】
操作部13は、数字キー等の操作ボタンやタッチパネルであり、ユーザの操作に応じた信号を制御部11に出力する。表示部14は、液晶ディスプレイ等の表示装置であり、制御部11の制御の下、画像を表示する。音声処理部15は、マイクロフォンと、スピーカと、DSP(Digital Signal Processor)等の音声処理回路とを備え、マイクロフォンにより収音された音声を示す音声情報を制御部11に出力するとともに、制御部11から入力された信号により表される音をスピーカから出力する。音声処理部15は、本発明に係る「収音手段」の一例である。通信部16は、通信回線3を介して外部の装置と通信を行うためのインタフェースカードである。
【0020】
図3は、記憶部12に記憶されるスケジュールリスト121のデータ構成の一例を示す図である。スケジュールリスト121は、通信端末1のユーザのスケジュール情報を管理するためのリストである。スケジュールリスト121を構成する各スケジュール情報は、それぞれ、
図3に示されるように、日付と、開始時刻と、終了時刻と、イベント内容と、カテゴリとにより構成される。ここでカテゴリとは、イベントの種類を示す情報である。例えば、仕事、会議、勉強、余暇といった情報である。各スケジュール情報は、それぞれ、操作部13を用いてユーザによって登録される。上述のスケジューラが実行されると、当該スケジュールリスト121に基づいて、
図4に示されるような画面が表示部14に表示される。
【0021】
図5は、記憶部12に記憶される電話帳データ122のデータ構成の一例を示す図である。電話帳データ122は、連絡先情報を管理するためのリストである。電話帳データ122を構成する各連絡先情報は、
図5に示されるように、名前と、電話番号と、メールアドレスと、カテゴリとにより構成される。ここで電話帳データ122におけるカテゴリとは、連絡先のユーザと、通信端末1のユーザとの関係を示す情報である。例えば、家族、友人、仕事といった情報である。各連絡先情報は、それぞれ、操作部13を用いてユーザによって登録される。各連絡先情報は、外部メモリから移行されてもよい。
【0022】
図6は、記憶部12に記憶される操作リスト123のデータ構成の一例を示す図である。操作リスト123は、ユーザの音声によって指示される操作の内容を管理するためのリストである。より具体的には、操作リスト123は、ユーザの音声を音声認識して得られるテキストと、当該テキストに対応する操作内容とを対応づけて管理するためのリストである。
図6に示される例では、例えば、「電話に出る」というテキスト(文字列)に対して、「通話の開始指示」という操作が対応づけられている。
【0023】
次に、
図7は、制御部11により実現される機能の構成を示す図である。
図7に示される機能は、特に、電話の着信時に音声操作によって応答する場合の動作に関し、記憶部12に記憶されるプログラムがCPUにより実行されることにより実現される。
【0024】
音声情報取得部41は、音声処理部15から、ユーザの音声を示す音声情報を取得する。ここで音声情報とは、例えば、音声の波形を示す音声波形データである。音声情報取得部41は、本発明に係る「取得手段」の一例である。特徴量抽出部42は、音声情報取得部41によって取得された音声情報から、音声認識に必要な特徴量を抽出する。具体的には、特徴量抽出部42は、音声波形データに対して音響分析処理を施し、特徴ベクトルを生成する。
【0025】
特徴量データ送信部43は、特徴量抽出部42によって抽出された特徴量を表す特徴量データを、通信部16を介して音声認識サーバ2に送信する。特徴量データ送信部43によって送信された特徴量データは、後述するように、音声認識サーバ2において音声認識処理にかけられ、テキストデータに変換される。テキストデータ取得部44は、音声認識サーバ2から送信されてくるテキストデータを、通信部16を介して取得する。
【0026】
操作特定部45は、テキストデータ取得部44によって取得されたテキストデータにより表される操作を特定する。具体的には、操作特定部45は、操作リスト123を参照して、取得されたテキストデータによって表されるテキストと対応づけられている操作を特定する。例えば、テキストデータ取得部44によって取得されたテキストデータが、「電話に出る」というテキストを表すものであった場合には、
図6の例では、「通話の開始指示」という操作が特定される。
【0027】
スケジュール情報特定部46は、操作特定部45によって特定された操作が着呼に対する通話の開始を指示するものでない場合に、スケジュールリスト121を参照して、現在日時に対応するスケジュール情報を特定する。ここで、操作特定部45によって特定された操作が着呼に対する通話の開始を指示するものでない場合とは、当該操作が、応答文の送信を指示するものである場合である。具体的には、スケジュール情報特定部46は、タイマを参照して現在日時を特定し、その特定した日時に対応するスケジュール情報を特定する。例えば、タイマにより計時される現在日時が「2012/05/01, 10:30」である場合には、
図3の例では、「会議室Aでの会議」をイベント内容とするスケジュール情報が特定される。すなわち、スケジュール情報特定部46は、タイマにより計時される現在日時と日付が一致し、かつ、現在日時の時刻が、その開始時刻と終了時刻の間に含まれるスケジュール情報を特定する。
【0028】
折り返し連絡日時特定部47は、スケジュール情報特定部46によって特定されたスケジュール情報に基づいて、受信した呼に対して折り返し連絡する日時を特定する。具体的には、折り返し連絡日時特定部47は、特定されたスケジュール情報に示される終了時刻を、折り返し連絡の時刻として特定する。例えば、
図3に示される例において、スケジュール情報特定部46によって、「会議室Aで会議」をイベント内容とするスケジュール情報が特定された場合には、折り返し連絡日時特定部47は、折り返し連絡の時刻として、「11:00」を特定する。折り返し連絡日時特定部47は、本発明に係る「特定手段」の一例である。
【0029】
応答文データ生成部48は、折り返し連絡日時特定部47によって特定された日時に折り返しの連絡を行う旨を示す応答文の音声データを生成する。具体的には、応答文データ生成部48は、記憶部12から、応答文の音声データのテンプレートを読み出し、当該テンプレートに、折り返し連絡日時特定部47によって特定された日時を示す音声データを埋め込んで、応答文の音声データを生成する。
【0030】
ここで、応答文の音声データのテンプレートとは、例えば「現在、電話に出ることができません。%Tに折り返しご連絡いたします。」という内容を示す音声データである。ここで「%T」は、日時を設定する変数を示す。例えば、折り返し連絡日時特定部47によって特定された時刻が「11:00」である場合には、「現在、電話に出ることができません。11時に折り返しご連絡いたします。」という応答文の音声データが生成される。応答文データ生成部48は、本発明に係る「生成手段」の一例である。
【0031】
応答文データ送信部49は、応答文データ生成部48によって生成された応答文の音声データを通信部16を介して発呼元の通信装置に送信する。応答文データ送信部49は、本発明に係る「第1の送信手段」の一例である。
【0032】
スケジュール情報登録部50は、折り返し連絡日時特定部47によって日時が特定された折り返し連絡というイベントを、スケジュール情報としてスケジュールリスト121に登録する。具体的には、スケジュール情報登録部50は、イベント内容を「折り返し連絡」とし、開始時刻を、折り返し連絡日時特定部47によって特定された時刻とするスケジュール情報を、スケジュールリスト121に登録する。例えば、
図3に示されるようにスケジュールリスト121が構成されている場合であって、折り返し連絡日時特定部47によって特定された時刻が「11:00」であり、かつ、電話の発信元の電話番号が「090-1111-1111」であるときには、
図8に示されるように、新たなスケジュール情報が登録される。スケジュール情報登録部50は、本発明に係る「記憶制御手段」の一例である。
以上が、通信端末1の構成についての説明である。
【0033】
1−1−3.音声認識サーバ2
図1に示される音声認識サーバ2は、通信端末1から送信されてくる特徴量データに基づいて音声認識処理を行い、テキストデータを生成するコンピュータ装置である。
図9は、音声認識サーバ2のハードウェア構成を示すブロック図である。音声認識サーバ2は、
図9に示されるように、制御部21と、記憶部22と、通信部23とにより構成される。各構成要素は、バス24により相互に接続されている。
【0034】
制御部21は、CPUと、ROMと、RAMとを備えており、CPUがROM又は記憶部22に記憶されているプログラムを実行することにより音声認識サーバ2の各部を制御する。記憶部22は、HDD(Hard Disk Drive)等の記憶装置であり、CPUにより実行されるプログラムを記憶する。また記憶部22は、音声認識データベース(DB)群221を記憶する。音声認識DB群221は、例えば、音響モデルDBと、言語モデルDBと、辞書DBとにより構成される。通信部23は、通信回線3を介して外部の装置と通信を行うためのインタフェースカードである。
【0035】
制御部21は、通信部23を介して、通信端末1から送信されてきた特徴量データを取得すると、音声認識DB群221を参照して、この特徴量データについて音声認識処理を行う。そして、制御部21は、音声認識処理の結果生成されたテキストデータを、通信部23を介して通信端末1に送信する。なお、通信端末1に送信されるデータは、音声認識の結果生成される文字列が判別可能なデータであればよく、テキストデータに限られない。
以上が、音声認識サーバ2の構成についての説明である。
【0036】
1−2.動作
次に、本実施形態に係る通信端末1の動作について説明する。具体的には、電話の着信時に音声操作によって応答する場合の通信端末1の動作について説明する。
なお、音声操作が行われるにあたっては、ユーザによって操作部13を用いて所定の操作が行われる。具体的には、例えば、電話の着信を通知する着信通知画面が表示部14に表示されている状態において、ユーザによって音声入力を指示する操作が、操作部13を使って行われた場合に、音声操作が可能になる。
【0037】
図10は、電話の着信時に音声操作によって応答する場合の動作を示すフローチャートである。
図10に示されるステップSa1において、通信端末1の制御部11は、音声処理部15から、ユーザの音声を示す音声情報を取得する。次に、制御部11は、ステップSa1において取得された音声情報から、音声認識に必要な特徴量を抽出する(ステップSa2)。
【0038】
次に、制御部11は、ステップSa2において抽出された特徴量を表す特徴量データを、通信部16を介して音声認識サーバ2に送信する(ステップSa3)。制御部11によって送信された特徴量データは、音声認識サーバ2において音声認識処理にかけられ、テキストデータに変換される。次に、制御部11は、音声認識サーバ2から送信されてくるテキストデータを、通信部16を介して取得する(ステップSa4)。
【0039】
次に、制御部11は、ステップSa4において取得されたテキストデータにより表される操作を特定する(ステップSa5)。具体的には、制御部11は、操作リスト123を参照して、取得されたテキストデータによって表されるテキストと対応づけられている操作を特定する。
【0040】
次に、制御部11は、ステップSa5において特定された操作が、着信に対する通話の開始を指示するものであるか否かを判定する(ステップSa6)。この判定の結果、ステップSa5において特定された操作が、着信に対する通話の開始を指示するものである場合には(ステップSa6;YES)、制御部11は、電話の発信元の通信装置との通話を開始する(ステップSa7)。
【0041】
一方、上記の判定の結果、ステップSa5において特定された操作が、着信に対する通話の開始を指示するものでない場合には(ステップSa6;NO)、制御部11は、電話の発信元の通信装置に対して応答文を送信するための処理を開始する。具体的には、まず、スケジュールリスト121を参照して、現在日時に対応するスケジュール情報を特定する(ステップSa8)。当該処理において制御部11は、タイマを参照して現在日時を特定し、その特定した日時に対応するスケジュール情報をスケジュールリスト121において特定する。
【0042】
次に、制御部11は、ステップSa8において特定されたスケジュール情報に基づいて、電話の着信に対する折り返しの連絡の日時を特定する(ステップSa9)。具体的には、制御部11は、ステップSa8において特定されたスケジュール情報により示される終了時刻を、折り返し連絡の時刻として特定する。次に、制御部11は、ステップSa9において特定された日時に折り返しの連絡を行う旨を示す応答文の音声データを生成する(ステップSa10)。具体的には、制御部11は、記憶部12から、応答文の音声データのテンプレートを読み出して、当該テンプレートに、ステップSa9において特定された日時を示す音声データを埋め込んで、応答文の音声データを生成する。
【0043】
次に、制御部11は、ステップSa10において生成された応答文の音声データを、通信部16を介して発信元の通信装置に送信する(ステップSa11)。次に、制御部11は、ステップSa9において日時が特定された折り返し連絡というイベントを、スケジュール情報としてスケジュールリスト121に登録する(ステップSa12)。具体的には、制御部11は、イベント内容を「折り返し連絡」とし、開始時刻を、ステップSa9において特定された時刻とするスケジュール情報をスケジュールリスト121に登録する。
以上が、電話の着信時に音声操作によって応答する場合の動作の説明である。
なお、上記の動作において、ステップSa12の処理は、ステップSa10又はSa11の処理の前に実行されてもよい。
【0044】
以上説明した実施形態によれば、電話の着信に対して通話を行うことができない場合でも、スケジュール情報に基づいて、折り返し連絡可能な時刻を特定し、その時刻に折り返し連絡する旨の応答文の音声データを発信元の通信装置に送信することができる。すなわち、本実施形態によれば、電話の着信に対して通話を行うことができない場合でも、折り返し連絡を行う時刻を発信者に通知することができる。
【0045】
2.変形例
上記の実施形態は、以下のように変形してもよい。また、以下の変形例は、互いに組み合わせてもよい。
2−1.変形例1
上記の実施形態では、音声認識サーバ2において音声認識処理が行われているが、通信端末1で行うようにしてもよい。具体的には、音声認識DB群221を通信端末1の記憶部12に記憶させ、通信端末1の制御部11に、特徴量データに基づいて音声認識処理を行わせるようにしてもよい。
【0046】
また、上記の実施形態では、音声情報から特徴量を抽出する処理を通信端末1が行っているが、音声認識サーバ2に行わせるようにしてもよい。この場合、通信端末1の制御部11は、音声処理部15から取得した音声情報を音声認識サーバ2に送信し、音声認識サーバ2の制御部21は、この音声情報から特徴量を抽出してから、この特徴量を示す特徴量データに基づいて音声認識処理を行う。
【0047】
また、上記の実施形態では、スケジュールリスト121と、電話帳データ122と、操作リスト123とが通信端末1の記憶部12に記憶されているが、これらのうち少なくとも1つを外部の装置の記憶装置に記憶させ、通信端末1をしてこの記憶装置にアクセスさせるようにしてもよい。
【0048】
2−2.変形例2
上記の実施形態では、現在日時に対応するスケジュール情報を特定し、そのスケジュール情報により示される終了時刻を、折り返し連絡の時刻として特定している(
図10のステップSa8及びSa9参照)。しかし、このスケジュール情報により示される終了時刻に所定の時間を加算した時刻を、折り返し連絡の時刻として特定するようにしてもよい。例えば、スケジュール情報により示される終了時刻が「11:00」である場合に、「11:10」を、折り返し連絡の時刻として特定するようにしてもよい。この場合、終了時刻に加算される所定の時間は、予めユーザによって設定されるようにしてもよい。
【0049】
また、終了時刻に加算される所定の時間は、ユーザによって入力された音声の内容に応じて変更するようにしてもよい。例えば、ユーザによって入力された音声の内容が、「今忙しい」であった場合には、加算する所定の時間を10分とする一方で、ユーザによって入力された音声の内容が、「今日は忙しい」であった場合には、加算する所定の時間を24時間とするようにしてもよい。この場合、通信端末1は、ユーザによって入力される音声の内容(具体的には、ユーザの音声を音声認識して得られるテキスト)と、加算する時間とを対応づけるテーブルを備えておき、当該テーブルを参照して、音声認識サーバ2から送信されてくるテキストデータにより表されるテキストと対応する加算時間を特定するようにしてもよい。
【0050】
2−3.変形例3
上記の実施形態では、折り返し連絡を行う時刻を特定し、この時刻を発信者に通知するようにしている(
図10のステップSa9及びSa10参照)。しかし、時刻に代えて、一定の幅をもつ時間を特定し、通知するようにしてもよい。例えば、午前、午後といった時間帯や、日付、曜日、週といった時間を特定し、通知するようにしてもよい。例えば、上記の実施形態において、現在日時に対応するスケジュール情報により示される終了時刻が「13:00」である場合に、「午後」を折り返し連絡時間として特定するようにしてもよい。また、上記の実施形態において、現在日時に対応するスケジュール情報により示される終了時刻が「1:00」である場合に、「翌日」を折り返し連絡時間として特定するようにしてもよい。
【0051】
2−4.変形例4
上記の実施形態では、折り返し連絡時刻のみが発信者に対して通知されているが(
図10のステップSa10参照)、折り返し連絡時刻に加えて、現在通信端末1のユーザが置かれている状況を発信者に通知するようにしてもよい。例えば、ユーザが会議中の場合には、「現在、会議中のため、電話に出ることができません。11時に折り返しご連絡いたします。」といった応答文を発信者に通知するようにしてもよい。
【0052】
この場合、例えば、通信端末1の記憶部12に、「現在、%E中のため、電話に出ることができません。%Tに折り返しご連絡いたします。」というような応答文の音声データのテンプレートを記憶させておき、このテンプレートの、イベントを示す変数部分「%E」に、イベントの内容を表す音声データを埋め込んで、応答文の音声データを生成するようにしてもよい。ここで、イベントの内容は、例えば、スケジュール情報のカテゴリに基づいて特定されてもよい。又は、ユーザによって入力された音声の内容(具体的には、ユーザの音声を音声認識して得られるテキスト)に基づいて特定されてもよい。
【0053】
2−5.変形例5
上記の実施形態では、折り返し連絡時刻が電話の発信者に通知された後で、当該折り返し連絡というイベントがスケジュール情報としてスケジュールリスト121に登録されているが(
図10のステップSa12参照)、通信端末1にアラーム機能をもたせ、当該折り返し連絡というイベントをユーザに注意喚起するようにしてもよい。例えば、通信端末1に、LED(Light Emitting Diode)等の発光装置や、偏心カムを回転させることによって振動を発生させる振動装置等の、折り返し連絡というイベントをユーザに注意喚起するための報知手段をもたせ、折り返し連絡時刻か、又はその時刻から所定の時間前の時刻に、当該報知手段を起動させるようにしてもよい。又は、折り返し連絡というイベントの存在をユーザに注意喚起するための画像を、表示部14に表示させるようにしてもよい。
【0054】
2−6.変形例6
上記の実施形態では、現在日時に対応するスケジュール情報を特定し、そのスケジュール情報により示される終了時刻を、折り返し連絡の時刻として特定している(
図10のステップSa8及びSa9参照)。しかし、現在日時に対応するスケジュール情報がスケジュールリスト121に存在しない場合には、折り返し連絡時刻を特定せずに、定型の応答文の音声データを電話の発信者に対して送信するようにしてもよい。ここで定型の応答文とは、例えば、「現在、電話に出ることができません。」という文章である。
【0055】
2−7.変形例7
上記の実施形態において、折り返し連絡というイベントをスケジュールリスト121に登録する処理(
図10のステップSa12参照)は、電話の発信者から、折り返しの連絡を要求する指示があった場合に限り、実行されるようにしてもよい。例えば、応答文の音声データの送信後に、発信元の通信装置において、折り返し連絡を要求するための所定の操作がなされ、その操作を示す信号が通信端末1によって受信された場合に限り、上記の登録処理を実行するようにしてもよい。
【0056】
2−8.変形例8
上記の実施形態において、スケジューラの表示画面を示す表示データがCHTML(Compact HyperText Markup Language)で記述される場合には、折り返し連絡先の電話番号に対してphoneto機能を実現するためのタグを付加してもよい。例えば、スケジューラによって表示されるスケジュール情報のイベント内容が、「"090-1111-1111"に折り返し連絡」である場合には、「090-1111-1111」という文字列にphoneto機能を実現するためのタグを付加してもよい。この結果、スケジューラによって表示される折り返し連絡先の電話番号はリンクとして選択可能となり、このリンクを選択すると、当該電話番号宛ての電話の発信が行われる。
【0057】
また、上記の実施形態において、折り返し連絡先の電話番号に代えて、折り返し連絡先のユーザの名前をスケジュールリスト121に登録するようにしてもよい。例えば、「"090-1111-1111"に折り返し連絡」というイベント内容に代えて、「山田太郎に折り返し連絡」というイベント内容をスケジュールリスト121に登録するようにしてもよい。この場合、通信端末1の制御部11は、電話帳データ122を参照して、発信元の電話番号に対応づけられるユーザの名前を特定する。なお、この場合においてイベント内容がスケジューラによって表示される際には、「山田太郎」という文字列にphoneto機能を実現するためのタグを付加してもよい。
【0058】
2−9.変形例9
上記の実施形態において、1つのイベントの発生中に複数の電話の着信があり、各着信について折り返し連絡のスケジュール登録がなされた場合には、各スケジュール情報の表示順序は電話の着信順でもよい。
図11は、このような場合に表示部14に表示される画面の一例を示す図である。また、スケジュール情報の表示順序は、電話帳データ122において折り返し連絡先の電話番号に対応づけられているカテゴリに基づいて決定されてもよい。例えば、仕事のカテゴリを優先的に表示するように予め設定されている場合には、
図5の例では、「"090-3333-3333"への折り返し連絡」をイベント内容とするスケジュール情報が、優先的に表示される。
【0059】
2−10.変形例10
上記の実施形態において、通信端末1の制御部11によって実行されるプログラムは、コンピュータ装置が読み取り可能な記録媒体を介して通信端末1に提供されてもよい。ここで記録媒体とは、例えば、磁気テープや磁気ディスクなどの磁気記録媒体や、光ディスクなどの光記録媒体や、光磁気記録媒体や、半導体メモリ等である。又は、同プログラムは、インターネット等のネットワークを介して通信端末1に提供されてもよい。
【0060】
2−11.変形例11
上記の実施形態は、特に、電話の着信時に音声操作によって応答する動作に係るものであるため、操作リスト123には、電話の着信時に想定される操作のみが登録されている。しかし、その他の動作時に想定される操作についても登録されてもよい。この場合、操作リスト123には、ユーザの音声を音声認識して得られるテキストだけでなく、通信端末1の動作状態を示す情報も、操作内容と対応づけて登録されてもよい。ここで、通信端末1の動作状態とは、例えば、電話着信中という動作状態である。
【0061】
この場合、通信端末1の制御部11は、上記の実施形態に係る
図10のステップSa5において、取得されたテキストデータによって表されるテキストのみならず、特定された通信端末の動作状態に基づいて、操作リスト123を参照して、操作を特定するようにしてもよい。
【0062】
また、上記の実施形態では、通信端末1が、操作リスト123を有し、通信端末1において音声操作の内容が特定されているが、音声操作の内容は、音声認識サーバ2において特定されてもよい。この場合、音声認識サーバ2の記憶部22には、例えば、上述のように、ユーザの音声を音声認識して得られるテキストと、通信端末1の動作状態と、操作内容とが対応づけて登録されている操作リスト123が記憶される。そして、通信端末1は、音声処理部15から取得した音声情報と、自機の動作状態を示す情報とを圧縮して音声認識サーバ2に送信する。
【0063】
音声認識サーバ2の制御部21は、受信した音声情報から特徴量を抽出し、この特徴量を示す特徴量データに基づいて音声認識処理を行う。そして、制御部21は、音声認識処理の結果得られたテキストと、通信端末1の動作状態とに基づいて、操作リスト123を参照して、音声操作の内容を特定する。特定された音声操作の内容を示すデータは、通信端末1に送信され、このデータに基づいて通信端末1では、当該操作が、着信に対する通話の開始を指示するものであるか否かが判定される(
図10のステップSa6参照)。
【0064】
2−12.変形例12
上記の実施形態では、応答文の音声データが発信元の通信装置に送信されているが、応答文の内容を示す電子メールや、SMS(Short Message Service)のメッセージを送信するようにしてもよい。また、上記の実施形態において、発信元の通信装置に送信された応答文の音声データが、再生される前か又は再生されている途中に発信元の通信端末によって呼が切断された場合に、当該応答文の内容を示す電子メールや、SMSのメッセージを発信元の通信端末に送信するようにしてもよい。
【0065】
2−13.変形例13
上記の実施形態では、ユーザによる音声操作に応じて、電話の着信に対する応答が行われているが、操作部13に対する操作に応じて、電話の着信に対する応答を行うようにしてもよい。例えば通信端末1の制御部11は、電話の着信を通知する着信通知画面が表示部14に表示されている状態において、操作部13に対して所定の操作が行われた場合に、
図10のステップSa8以降の処理を実行するようにしてもよい。
【0066】
また、上記の実施形態において、ユーザによる操作がない場合でも、所定の条件が満たされた場合に、電話の着信に対する応答を行うようにしてもよい。例えば、着信通知画面の表示後、ユーザによる操作部13に対する操作が所定時間行われない場合に、制御部11が自動的に
図10のステップSa8以降の処理を実行するようにしてもよい。
【0067】
2−14.変形例14
上記の変形例5において、報知手段による報知が所定の回数行われた場合でも、依然として折り返し連絡が行われない場合には、自動的に発信者に対して電子メールを送信するようにしてもよい。具体的には、まず、通信端末1の制御部11は、ユーザに対するイベントの注意喚起後、所定の時間が経過するごとに、折り返し連絡が行われたか否かを判定する。例えば、通信端末1の記憶部12に発信履歴を記憶させておき、この発信履歴を参照することで制御部11は、折り返し連絡が行われたか否かを判定する。
【0068】
そして、制御部11は、折り返し連絡が行われていない場合には、再度、ユーザに対するイベントの注意喚起を行う。この注意喚起が所定の回数行われた場合には、制御部11は、自動的に発信者に対して電子メールを送信する。電子メールの内容は、例えば、発信者に対して用件を聞くものや、又は、後ほど折り返し連絡をする旨等である。