(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明の化合物は、水和物および溶媒和物の形態で調製されてもよいことが予測される。「本発明の対象である化合物」または「本発明の化合物」もしくは「本化合物」等に対する、本明細書における特許請求の範囲を含む、本明細書におけるいずれかの言及は、このような化合物の塩、水和物および溶媒和物への言及を含む。本明細書では、「溶媒和物」の用語は、本発明の化合物と化学量論量の1つ以上の薬学的に許容され得る溶媒分子、例えば、エタノールとを含む分子錯体を説明するのに使用される。「水和物」の用語は、前記溶媒が水の場合に使用される。
【0023】
本発明の個々の化合物は、非晶質型および/または複数の多形型で存在してもよく、種々の晶相で取得されてもよい。「本発明の対象である化合物」または「本発明の化合物」もしくは「本化合物」等に対する、本明細書における特許請求の範囲を含む、本明細書におけるいずれかの言及は、非晶質型または多形型に関わりのない化合物への言及を含む。
【0024】
定義
下記の定義は、特に断らない限り、本明細書および添付の特許請求の範囲全体を通して適用される。
【0025】
本明細書で使用する時、「本発明の化合物」の用語は、上記列記した30個の化合物を意味し、それらの薬学的に許容され得る塩、水和物および溶媒和物を含む。
「薬学的に許容され得る」は、一般的に安全で、非毒性で、生物学的にまたは他に望ましくない薬学的組成物を調製するのに有用であることを意味し、獣医的用途およびヒトの製薬学的用途に有用であることを含む。
本明細書で使用する時、「治療」は、指定されている障害もしくは症状の予防または、確立された時点での、前記障害の改善もしくは除去を含む。
「有効量」は、治療された対象における、治療的効果を与える化合物の量を意味する。前記治療的効果は、客観的(すなわち、一部の試験またはマーカーにより測定可能)でもよいし、または、主観的(すなわち、対象が効果の兆候を示す、もしくは、感じる)でもよい。
「プロドラッグ」は、生理的条件下において、もしくは、加溶媒分解により、本発明の生物学的に活性な化合物に変換される場合がある化合物を意味する。プロドラッグは、それを必要とする対象に投与された時点では、不活性でもよいが、in vivoにおいて、本発明の活性な化合物に変換される。プロドラッグは、典型的には、in vivoにおいて、例えば、血中での加水分解により素早く変換されて、本発明の元の化合物を産生する。前記プロドラッグの化合物は、通常、哺乳類の器官における、溶解性、組織適合性または遅延放出の利点を提供する(Silverman,R.B.,The Organic Chemistry of Drug Design and Drug Action,2
nd Ed.,Elsevier Academic Press(2004),pp.498−549を参照のこと)。本発明の化合物のプロドラッグは、本発明の元の化合物に対する所定の操作またはin vivoのいずれかにおいて、修飾が開裂されるこのような方法で、本発明の化合物に存在する官能基、例えば、ヒドロキシ、アミノまたはメルカプトの基を修飾することにより、調製されてもよい。プロドラッグとしては、例えば、制限されず、ヒドロキシ官能基の酢酸塩、ギ酸塩およびコハク酸塩の誘導体またはアミノ官能基のフェニルカルバミン酸塩の誘導体があげられる。
【0026】
本明細書および添付の特許請求の範囲全体を通して、所定の化学式または名称は、その全ての塩、水和物、溶媒和物、N−オキシドおよびプロドラッグの形態も包含する。さらに、所定の化学式または名称は、その全ての互変異体および立体異性体を包含する。互変異体は、エノール型およびケト型を含む。立体異性体は、エナンチオマーおよびジアステレオマーを含む。エナンチオマーは、その純粋型で存在し得るか、または、2つのエナンチオマーのラセミ(等量)もしくは不均衡な混合物として存在し得る。ジアステレオマーは、その純粋型で存在し得るか、または、ジアステレオマーの混合物として存在し得る。ジアステレオマーは、幾何異性体も含み、前記幾何異性体は、その純粋なシス型もしくはトランス型において存在し得るか、または、それらの混合物として存在し得る。
【0027】
本発明の化合物は、このようなまたは適切な薬学的に許容され得るその塩(酸または塩基の付加塩)として使用されてもよい。以下に言及される薬学的に許容され得る付加塩は、前記化合物が形成し得る、治療的に活性で、非毒性の酸および塩基の付加塩型を含むことを意味する。塩基性の特性を有する化合物は、前記塩基型を適切な酸と処理することにより、その薬学的に許容され得る酸付加塩に変換され得る。典型的な酸としては、無機酸、例えば、塩酸、臭化水素、ヨウ化水素、硫酸、リン酸;および、有機酸、例えば、ギ酸、酢酸、プロパン酸、ヒドロキシ酢酸、乳酸、ピルビン酸、グリコール酸、マレイン酸、マロン酸、シュウ酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、トリフルオロ酢酸、フマル酸、コハク酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、サリチル酸、p−アミノサリチル酸、パモン酸、安息香酸、アスコルビン酸等があげられる。典型的な塩基付加塩型は、薬学的に許容され得るアミン、例えば、アンモニア、アルキルアミン、ベンザチンならびにアミノ酸、例えば、アルギニンおよびリジンとナトリウム、カリウム、カルシウムとの塩である。本明細書で使用する時、付加塩の用語は、前記化合物およびその塩が形成可能な溶媒和物、例えば、水和物、アルコラート等も含む。
【0028】
一態様では、本発明は、治療に使用するための本発明の化合物に関する。上記規定の化合物は、SSAO活性の阻害剤として有用である。例えば、前記化合物は、SSAO活性の阻害が有益である、症状および疾患の治療または予防に有用である。より具体的には、前記化合物は、炎症、炎症性疾患、免疫もしくは自己免疫疾患の治療もしくは予防、または、腫瘍増殖の阻害に有用である。
【0029】
具体的には、本発明の化合物は、関節炎(例えば、関節リウマチ、若年性関節リウマチ、変形性関節症および乾癬性関節炎)、滑膜炎、血管炎、腸管の炎症に関連する症状(例えば、クローン病、潰瘍性大腸炎、炎症性腸疾患および過敏性腸症候群)、アテローム性動脈硬化、多発性硬化症、アルツハイマー病、血管性認知症、肺の炎症性疾患(例えば、喘息、慢性閉塞性肺疾患および急性呼吸困難症候群)、線維症(例えば、特発性肺線維症、心筋線維症および全身性硬化症(強皮症))、皮膚の炎症性疾患(例えば、接触性皮膚炎、アトピー性皮膚炎および乾癬)、全身性炎症反応症候群、敗血症、肝臓の炎症性および/もしくは自己免疫症状(例えば、自己免疫性肝炎、原発性胆汁性肝硬変、アルコール性肝臓疾患、硬化性胆管炎および自己免疫性胆管炎)、糖尿病(I型もしくはII型)ならびに/またはそれらの合併症、慢性心不全、うっ血性心不全、虚血性疾患(例えば、脳卒中および虚血再かん流傷害)および心筋梗塞ならびに/またはそれらの合併症の治療または予防に有用であると考えられる。
【0030】
本発明の化合物は、血管炎、例えば、制限されず、巨細胞性動脈炎、高安動脈炎、結節性多発動脈炎、川崎病、ヴェーゲナー肉芽腫、チャーグ−ストラウス症候群、顕微鏡的多発性血管炎、ヘノッホ−シェーンライン症候群、紫斑病、クリオグロブリン血症、皮膚白血球破砕性血管炎および中枢神経系の原発性血管炎の治療または予防に特に有用であると考えられる。
【0031】
本発明の化合物は、関節リウマチ、慢性閉塞性肺疾患またはアトピー性皮膚炎の治療に特に有用であると考えられる。
【0032】
上記導入で引用された証拠を考慮して、VAP−1は、複数のガン、例えば、胃ガン、メラノーマ、肝細胞ガンならびに頭頸部腫瘍において上方制御され、酵素的に不活性なVAP−1を有するマウスが、よりゆっくりメラノーマを増殖させ、ならびに、VAP−1と血管新生との関連を考慮して、本発明の化合物が抗血管新生であるため、腫瘍増殖の阻害によるガンの治療に有用性を有することが期待される。
【0033】
したがって、本発明は、上記症状および疾患の治療または予防における使用のための本発明の化合物を含む。本発明は、上記症状および疾患の治療または予防をするための医薬の製造における前記化合物の使用も含む。さらに、本発明は、このような症状および疾患の治療または予防をするための方法であって、このような治療を使用とする哺乳類、例えばヒトに、有効量の上記規定の化合物を投与することを含む方法を含む。
【0034】
本明細書で詳細に説明される方法は、対象が具体的に記載の治療を必要とすることを特定されるものを含む。このような治療を必要とする対象を特定することは、対象または医療関係者の判断であり得る。前記判断は、主観的(例えば、意見)または客観的(例えば、試験または診断の方法により測定可能)であり得る。
【0035】
他の態様では、本明細書における方法は、さらに、治療の投与に対する対象の応答をモニターすることを含むものを含む。このようなモニタリングは、対象の組織、体液、精液、細胞、タンパク質、化学的マーカー、遺伝子材料等を、治療計画のマーカーまたは指標として、定期的なサンプリングを含んでもよい。他の方法では、前記対象は、このような治療のための適切性の関連するマーカーまたは指標に関する評価によるこのような治療を必要とするとして、予めスクリーニングされるか、または、特定される。
【0036】
一実施形態では、本発明は、治療の進行をモニターする方法を提供する。前記方法は、診断マーカー(マーカー)のレベル(例えば、本明細書の化合物により調節される、本明細書で詳細に説明した任意の標的または細胞種)または、本明細書で詳細に説明した傷害または兆候を患うかもしくは感受性の対象における診断測定(例えば、スクリーニング、アッセイ)を決定する工程を含む。前記対象は、その傷害または兆候を治療するのに十分な治療量の本明細書の化合物を投与されている。前記方法において決定されたマーカーのレベルは、対象の疾患状態を確立するために、健康な正常なコントロールまたは他の苦しむ患者のいずれかにおける既知のマーカーレベルと比較され得る。好ましい実施形態では、第1のレベルの測定より後の時点での前記対象における第2のマーカーレベルが決定され、および前記2つのレベルが、一連の疾患または治療の効果をモニターするのに比較される。特定の好ましい実施形態では、前記対象におけるマーカーの前治療レベルは、この発明に基づいて、治療を開始する前に決定される。ついで、このマーカーの前治療レベルが、治療効果を決定するために、前記対象における治療開始後のマーカーレベルと比較され得る。
【0037】
特定の方法の実施形態では、対象におけるマーカーレベルまたはマーカー活性は、少なくとも1回決定される。例えば、同じ患者、別の患者もしくは正常な対象から先にもしくは連続して取得される別のマーカーレベルの測定に対するマーカーレベルの比較は、本発明に基づく治療が、所望の効果を有するかどうかを決定するのに有用でもよい。これにより、適切なレベルの用量に調節され得る。マーカーレベルの決定は、当分野において公知であるか、または、本明細書に記載の、任意の適切なサンプリング/発現アッセイ法を使用して行われてもよい。好ましくは、まず、組織または体液試料が、対象から取り出される。適切な試料としては、例えば、血液、尿、組織、口もしくは頬の細胞および毛根を含む毛髪試料があげられる。他の適切な試料は、当業者に公知であろう。前記試料におけるタンパク質レベルおよび/またはmRNAレベル(例えば、マーカーレベル)の決定は、当分野において公知の任意の適切な技術、例えば、制限されず、酵素免疫アッセイ、ELISA、放射性ラベル/アッセイ技術、ブロッティング/化学発光法、リアル−タイムPCR等を使用して行われ得る。
【0038】
組成物
本発明の現在好ましい実施形態は、本発明の化合物を、1つ以上の薬学的に許容され得るキャリアおよび/または賦形剤と共に含む、薬学的組成物である。
【0039】
臨床用途に関して、本発明の化合物は、種々の投与モードの医薬製剤に製剤化される。本発明の化合物が、生理学的に許容され得るキャリア、賦形剤または希釈剤と共に投与されてもよいことが理解されるであろう。本発明の薬学的組成物は、任意の適切な経路、好ましくは、経口、直腸、経鼻、局所(例えば、バッカルおよび舌下)、舌下、経皮、髄腔内、経粘膜または非経口(例えば、皮下、筋肉内、静脈内および皮内)の投与により投与されてもよい。
【0040】
他の製剤は、例えば、錠剤および徐放性カプセル剤における剤形単位、ならびにリポソームで都合よく存在してもよく、薬学の分野において周知の任意の方法により調製されてもよい。医薬製剤は、通常、活性物質またはその薬学的に許容され得る塩を、従来から薬学的に許容され得るキャリア、希釈剤または賦形剤と混合することにより調製される。賦形剤は、例えば、水、ゼラチン、アラビアゴム、ラクトース、微結晶セルロース、デンプン、デンプングリコール酸ナトリウム、リン酸水素カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、タルク、コロイド状の二酸化ケイ素等である。このような製剤は、他の薬学的に活性な薬剤ならびに、従来からの添加剤、例えば、安定剤、湿潤剤、乳化剤、香味剤、緩衝剤等を含有してもよい。通常、活性な化合物の量は、前記調製物の0.1〜95重量%、好ましくは、非経口用途に関する調製物の0.2〜20重量%、およびより好ましくは、経口投与に関する調製物の1〜50重量%である。
【0041】
前記製剤は、さらに、公知の方法、例えば、顆粒化、圧縮、マイクロカプセル化、スプレーコーティング等により調製され得る。前記製剤は、錠剤、カプセル剤、顆粒、粉末、シロップ、懸濁液、坐剤または注射の剤形に、従来の方法により調製されてもよい。液体状の製剤は、前記活性物質を、水または他の適切な媒体に溶解または懸濁させることにより調製されてもよい。錠剤または顆粒は、従来の方法でコートされてもよい。治療的に有効な血漿濃度を長期間維持するために、本発明の化合物は、徐放性製剤に包含されてもよい。
【0042】
具体的な化合物の用量レベルおよび投与頻度は、各種の要因、例えば、使用される前記具体的な化合物の効能、その化合物の代謝安定性および作用期間、患者の年齢、体重、全体的な健康、性別、食事、投与のモードおよびタイミング、排出速度、薬剤の組み合わせ、治療される症状の重症度ならびに治療を受ける患者に応じて変動されるであろう。1日の用量は、例えば、体重1キロあたりに約0.001mgから約100mgの範囲で1回、または、例えば、約0.01mgから約25mgの用量で複数回、それぞれ投与されてもよい。通常、このような用量は、経口的に提供されるが、非経口投与が選択されてもよい。
【0043】
本発明の化合物の調製
本発明の化合物は、従来の方法により、または、従来の方法と類似して調製されてもよい。本発明の実施例に基づく中間体および化合物の調製は、具体的には、下記のスキームにより明らかにされてもよい。本明細書において、スキーム中の化学構造における変数の定義は、本明細書に表された式中に対応する部位のものに相当する。
【0044】
スキーム1.式(Ia)の化合物の調製に関する全体的な合成経路
【0046】
式中、W、Y、Z、R
1およびR
2は、式(I)における規定の通りである;
一般式(Ia)の化合物を、1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン(IIa)から、R
2に官能基を導入するためのケトンとの反応、それに続く(例えば、Suzuki反応による)R
1の導入をして、式(IIIa/IVa)の化合物を得ること、または、R
1の最初の導入、それに続く、修飾され得るR
2に官能基を導入して、(Va)のように、別のR
2を得ることのいずれかにより、容易に調製し得る。式(IIIa)、(IVa)および(Va)の化合物は、標準的な合成法により、一般式(Ia)の化合物に容易に変換され得る。または、4−クロロ−3−アミノピリジン(VIa)が、適切なアルデヒドと環化されて、一般式(VIIa)の化合物を得ることができ、続けて(例えば、アリール化反応により)R
1を導入する。後者の取り組みは、例えば、Xuら、Synthesis,24,3981−3987,2008において、当業者に公知である。
【0047】
スキーム2.式(Ic)の化合物の調製に関する全体的な合成経路
【0049】
式中、Y、Z、R
1、R
2およびR
3は、式(I)における規定の通りである;
一般式(Ic)の化合物を、科学文献において公知の標準的な方法に基づいて、例えば、一般式(IIc)の3−ハロ−4−[(ピリジン−4−イル)カルボニル化合物とヒドラジンとの環化により、または、一般式(IIIc)の化合物の環化により、容易に調製して、一般式(IVc)の化合物を得ることができ、(例えば、アリール化反応により)R
1を後に導入する。このような方法は、例えば、Vermaら、Tet.Lett.,50,383,2009およびZhuら、BioOrg.Med.Chem.Lett.,15,2441−2452,2007において、当業者に公知である。
【0050】
式(I)の化合物を、所望により、1つ以上の合成工程において、別の式(I)の化合物に、変換することができてもよい。
下記の略記は、
Ac アセチル
Ac
2O 無水酢酸
AcOH 酢酸
aq 水性
Ar アリール
Boc tert−ブトキシカルボニル
nBuLi n−ブチルリチウム
calcd 計算値
cat 触媒
CDI カルボニルジイミダゾール
conc 濃縮
d 日
DCE ジクロロエタン
DCM ジクロロメタン
DIBALH 水素化ジイソブチルアルミニウム
DIPEA ジイソプロピルエチルアミン
DMAP 4−ジメチルアミノピリジン
DMF ジメチルホルムアミド
EDC 1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸
ES+ エレクトロスプレーイオン化
EtOAc 酢酸エチル
EtOH エタノール
h 時間
HBTU O−ベンゾトリアゾール−N,N,N’,N’−テトラメチル−ウロニウム−ヘキサフルオロ−ホスフェート
HOBt 1−ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物
HPLC 高速液体クロマトグラフィー
HRMS 高解像度質量分析法
IBX 2−ヨードキシ安息香酸
Int 中間体
LCMS 液体クロマトグラフィー質量分析法
LDA リチウムジイソプロピルアミド
M モル濃度
Me メチル
MeCN アセトニトリル
MeOH メタノール
min 分
MS 質量分析法
NaBH(OAc)
3 トリアセトキシボロハイドリドナトリウム
NBS N−ブロモスクシンイミド
NIS N−ヨードスクシンイミド
NMP N−メチルピロリドン
Ph フェニル
PhMe トルエン
Rf 保持時間
RT 室温
sat 飽和
SCX 強カチオン交換
SM 開始材料
TFA トリフルオロ酢酸
THF テトラヒドロフラン
に使用されている。
【0051】
(実施例)
実施例および中間体の化合物
実験手法
特に断らない限り、反応を、室温で行った。マイクロ波反応を、アルミニウムキャップおよびセプタを備えるプロセスバイアルを使用して、Biotageマイクロ波反応装置により行った。水素化を、Thales H−Cubeを使用して行った。調製用フラッシュクロマトグラフィーを、Merckシリカゲル60(230〜400メッシュ)において、または、Strata SI−1シリカgigatubeを備えるFlash Master Personalシステムを使用して、または、RediSepシリカカラムを備えるCombiFlash Companionシステムを使用して行った。逆相カラムクロマトグラフィーを、Merck LiChroprep(登録商標)RP−18(40−63μm)カラムを備えるGilsonシステム(Gilson321ポンプおよびGilson FC204フラクションコレクター)において行った。逆相HPLCを、Phenomenex Synergi Hydro RP 150×10mmまたはYMC ODS−A 100/150×20mmのカラムを備える、UV検出器を有するGilsonシステムにおいて行った。最も純粋な画分を収集、濃縮し、真空下において乾燥させた。典型的には、純度分析前に、化合物を、40℃の真空オーブンで乾燥させた。Phenomenex Synergi、RP−Hydroカラム(150×4.6mm、4μm、1分あたり1.5mL、30℃、水(+0.1% TFA)における、7分にわたる、5〜100% MeCN(+0.085% TFA)の勾配、200〜300nm)を有する、Agilent1100HPLCシステムに連結された、Agilent1100 HPLCシステム/Waters ZQ質量分析計を使用して、HPLC/LCMSにより化合物分析を行った。Advio TriVersa NanoMateエレクトロスプレーイオン源を備えるThermo Scientific LTQ Orbitrap XLを使用して、精密質量(HRMS)を測定した(分析中、校正を3つの質量により確認した。スペクトルを、ポジティブエレクトロスプレーモードにおいて取得した。前記取得した質量範囲を、m/z 100〜2000とした。試料を、DMSOに溶解して、10mMの溶液とし、ついで、分析前に、MeOHもしくはMeOHにおける10mM〜0.1M NH
4OAc溶液に、さらに希釈した)。報告された値は、プロトン化された分子イオン[MH]
+に相当する。調製された化合物を、ACD Name 6.0、7.0または10.0を使用して命名した。
【0052】
中間体1
tert−ブチル 4−{1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−3−イル}−1,2,3,6−テトラヒドロピリジン−1−カルボキシレート
【0054】
6−アザインドール(4.48g、37.9mmol)を、MeOH(70mL)に溶解し、KOH(4.68g、83.4mmol)およびtert−ブチル 4−オキソピペリジン−1−カルボキシレート(8.31g、41.7mmol)を添加した。前記反応混合物を、70℃で18時間加熱した。水(250mL)とDCM(250mL)との間で、残渣を分離し、水相を、DCM(2×250mL)で抽出した。組み合わせた有機画分を乾燥させ(MgSO
4)、真空において濃縮して、黄色の泡状物質として、表題の化合物を得た(11.3g、99%)。LCMS(ES+):300.1[MH]
+。
【0055】
中間体2
tert−ブチル 4−{1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−3−イル}ピペリジン−1−カルボキシレート
【0057】
中間体1(11.3g、37.7mmol)を、EtOH(200mL)に溶解し、H−cubeにおいて、10% Pd/Cにより、90℃および90barで水素化した。前記反応混合物を真空において濃縮して、黄色の固形物として、表題の化合物を得た(11.1g、97%)。LCMS(ES+):302.1[MH]
+。
【0058】
中間体3
tert−ブチル 4−[1−(4−クロロフェニル)−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−3−イル]ピペリジン−1−カルボキシレート
【0060】
中間体2(11.1g、36.7mmol)を、DMF(60mL)に溶解し、1−クロロ−4−ヨード−ベンゼン(10.5g、44.0mmol)、N,N’−ジメチルエチレンジアミン(789μL、7.33mmol)、K
3PO
4(16.3g、77.0mmol)およびCuI(698mg、3.67mmol)を、窒素下において添加した。前記反応混合物を、マイクロ波において、160℃で20分間加熱し、真空において濃縮した。水(250mL)とDCM(250mL)との間で、残渣を分離し、水相を、DCM(2×250mL)で抽出した。組み合わせた有機画分を乾燥させ(MgSO
4)、真空において濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィーで精製して、黄色の固形物として、表題の化合物を得た(6.86g、45%)。LCMS(ES+):411.9[MH]
+、HPLC:Rf 5.91分、純度76%。
【0061】
中間体4
4−[1−(4−クロロフェニル)−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−3−イル]ピペリジン
【0063】
中間体3(6.86g、16.6mmol)を、DCM(200mL)およびTFA(50mL)に溶解し、2時間攪拌した。前記溶媒を、真空において除去した。残渣を、1M Na
2CO
3水溶液(200mL)に溶解し、DCM(3×200mL)で抽出した。組み合わせた有機画分を乾燥させ(MgSO
4)、真空において濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィーで精製して、赤色のゴムとして、表題の化合物を得た(3.18g、61%)。LCMS(ES+):312.1[MH]
+。HPLC:Rf 3.61分、純度96%。
【0064】
中間体5
エチル 1−[(3−アミノピリジン−4−イル)メチル]ピペリジン−4−カルボキシレート
【0066】
3−アミノ−ピリジン−4−カルバルデヒド(5.00g、40.9mmol)を、DCM(60mL)に溶解し、エチル 4−ピペリジンカルボキシレート(7.57mL、49.1mmol)およびNaBH(OAc)
3(10.4g、49.1mmol)を添加した。前記反応混合物を、マイクロ波反応装置において、60℃で5分間加熱した。前記反応混合物を、DCM(100mL)で希釈し、飽和Na
2CO
3水溶液(50mL)で反応を停止させた。有機画分を、飽和NH
4Cl水溶液(30mL)で洗浄した。組み合わせた水性画分を、DCM(2×50mL)で抽出した。組み合わせた有機画分を、乾燥させ(MgSO
4)、真空において濃縮して、黄色のゴムとして、粗製の表題の化合物を得た(11.3g)。LCMS(ES+):264.1[MH]
+。
【0067】
中間体6から12
中間体6〜12を、3−アミノ−ピリジン−4−カルバルデヒドと、適切なアミンとの還元的アミノ化により、中間体5と同様にして調製した。以下の表1を参照のこと。
【0070】
中間体13
エチル 1−{1H−ピラゾロ[3,4−c]ピリジン−3−イル}ピペリジン−4−カルボキシレート
【0072】
中間体5(6.81g、25.9mmol)を、AcOH(334mL)に溶解し、0℃に冷却し、水(2.72mL)におけるNaNO
2(1.78g、25.9mmol)の溶液を添加した。前記反応混合物を、0℃で5分間攪拌し、真空において濃縮した。残渣を、EtOAc(200mL)に溶解し、飽和Na
2CO
3水溶液(2×100mL)で洗浄し、乾燥させ(MgSO
4)、真空において濃縮して、褐色のゴムとして、粗製の表題の化合物を得た(12.2g)。LCMS(ES+):275.1[MH]
+。
【0073】
中間体14から20
中間体14〜20を、中間体6〜12とNaNO
2との環化により、中間体13と同様にして調製した。以下の表2を参照のこと。
【0076】
中間体21から22
中間体21〜22を、1H−ピラゾロ[3,4−c]ピリジンのN−アリール化により、中間体3と同様にして調製した。以下の表3を参照のこと。
【0078】
中間体23
メチル 4−[1−(4−クロロフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−c]ピリジン−3−イル]モルホリン−3−カルボキシレート
【0080】
中間体18(1.98g、7.53mmol)、4−クロロフェニルボロン酸(2.36g、15.1mmol)、Cu(OAc)
2(2.74g、15.1mmol)およびピリジン(3.03mL、37.7mmol)を、DCE(52mL)に懸濁させ、オーバーナイト攪拌した。前記反応混合物を、カラムクロマトグラフィーで精製して、暗黄色の固形物として、表題の化合物を得た(552mg、20%)。LCMS(ES+):373.2[MH]
+。HPLC:Rf 5.23分、純度98.0%。
【0081】
中間体24
メチル 2−{4−[1−(4−クロロフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−c]ピリジン−3−イル]モルホリン−3−イル}アセテート
【0083】
中間体19(1.64g、5.94mmol)、4−クロロフェニルボロン酸(1.86g、11.9mmol)、Cu(OAc)
2(2.16g、11.9mmol)およびピリジン(2.39mL、29.7mmol)を、DCE(41mL)に懸濁させ、オーバーナイト攪拌した。前記反応混合物を、カラムクロマトグラフィーで精製して、黄色のゴムとして、表題の化合物を得た(866mg、38%)。LCMS(ES+):387.3[MH]
+。HPLC:Rf 5.32分、純度100%。
【0084】
中間体25
4−[1−(4−クロロフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−c]ピリジン−3−イル]モルホリン−3−カルボン酸・塩酸
【0086】
中間体23(84.0mg、0.23mmol)を、1:1 THF/水(2mL)に溶解し、LiOH/H
2O(20.8mg、0.50mmol)を添加した。前記反応混合物を、3時間攪拌した。前記THFを、真空において除去した。水性残渣を、1M HCl水溶液(1mL)で、pH1に酸性化し、真空において濃縮して、オレンジ色のゴムとして、粗製の表題の化合物を得た(115mg)。LCMS(ES+):359.2[MH]
+。HPLC:Rf 4.59分、純度97.1%。
【0087】
中間体26
1−[1−(4−クロロフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−c]ピリジン−3−イル]ピペリジン−2−カルボン酸・塩酸
【0089】
中間体26を、中間体23に代えて実施例23を使用して、中間体25と同様に調製して、褐色の固形物として、粗製の表題の化合物を得た(332mg)。LCMS(ES+):357.0[MH]
+。
【0090】
中間体27
メチル 2−(3−ニトロピリジン−4−イル)アセテート
【0092】
3−ニトロピリジン(5.00g、40.3mmol)およびメチルクロロアセテート(7.30g、67.3mmol)を、THF(50mL)に溶解し、THF(50mL)におけるKOtBu(18.1g、161mmol)のスラリーに、0℃で滴下して添加した。前記反応混合物を、室温で1時間攪拌し、0℃に冷却し、飽和NH
4Cl水溶液(100mL)で反応を停止させた。前記THFを、真空において除去した。前記反応混合物を、DCM(75mL)で希釈した。水性画分を、DCM(3×40mL)で抽出した。組み合わせた有機画分を、塩水(100mL)で洗浄し、乾燥させ(MgSO
4)、真空において濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィーで精製して、暗褐色のオイルとして、表題の化合物を得た(3.94g、50%)。LCMS(ES+):196.9[MH]
+。
【0093】
中間体28
メチル 2−ブロモ−2−(3−ニトロピリジン−4−イル)アセテート
【0095】
中間体27(2.66g、13.6mmol)、NBS(2.65g、14.9mmol)およびアゾビスイソブチロニトリル(66.8mg、0.41mmol)を、CCl
4(20mL)に溶解した。前記反応混合物を、還流下において5時間加熱し、真空において濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィーで精製して、オレンジ色のオイルとして、表題の化合物を得た(3.25g、87%)。LCMS(ES+):274.3,276.3[MH]
+。
【0096】
中間体29
メチル 2−(モルホリン−4−イル)−2−(3−ニトロピリジン−4−イル)アセテート
【0098】
中間体28(2.00g、7.27mmol)を、MeCN(30mL)に溶解し、モルホリン(944μL、10.9mmol)を添加した。前記反応混合物を、オーバーナイト攪拌した。沈殿物を、ろ過により取り除いた。ろ液を、真空において濃縮した。残渣を、順相カラムクロマトグラフィーで精製して、黄色の固形物として、表題の化合物を得た(1.63g、80%)。LCMS(ES+):282.0[MH]
+。
【0099】
中間体30
メチル 2−(3−アミノピリジン−4−イル)−2−(モルホリン−4−イル)アセテート
【0101】
中間体29(989mg、3.52mmol)を、EtOAc(33mL)およびMeOH(37mL)に溶解し、Thales H−cube(55℃、1bar)を使用して、10% Pd/Cにより水素化した。前記反応混合物を真空において濃縮して、褐色のオイルとして、粗製の表題の化合物を得た(916mg、100%)。LCMS(ES+):252.0[MH]
+。
【0102】
中間体31
4−{1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−3−イル}モルホリン
【0104】
中間体30(916mg、3.65mmol)を、THF(10mL)に溶解し、−78℃に冷却し、LiAlH
4(2.28mL、THFにおける2.4M、5.47mmol)を添加した。前記反応混合物を、−78℃で1時間攪拌し、更なるLiAlH
4(759μL、THFにおける2.4M、1.82mmol)を添加した。前記反応混合物を、−78℃で1時間攪拌した。前記反応混合物を、1M NaOH水溶液で反応を停止させ、セライトを通してろ過し、真空において濃縮した。残渣を、順相カラムクロマトグラフィーで精製して、淡い黄色のゴムとして、表題の化合物を得た(517mg、70%)。LCMS(ES+):204.0[MH]
+。
【0105】
中間体32
3−ヨード−4−メトキシ−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン
【0107】
4−メトキシ−6−アザインドール(662mg、4.47mmol)を、CHCl
3(20mL)に溶解し、NIS(1.06g、4.69mmol)を添加した。前記反応混合物を、18時間攪拌した。沈殿物を、ろ過により収集し、ろ液を、真空において濃縮した。残渣を、EtOAc(50mL)に溶解し、10% チオ硫酸ナトリウム水溶液(50mL)、飽和NaHCO
3水溶液(50mL)および水(50mL)で洗浄し、乾燥させ(MgSO
4)、真空において濃縮し、前記沈殿物と組み合わせて、赤色の固形物として、表題の化合物を得た(1.12g、91%)。LCMS(ES+):274.9[MH]
+。HPLC:Rf 3.98分、純度96%。
【0108】
中間体33
1−{3−ヨード−4−メトキシ−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−1−イル}エタン−1−オン
【0110】
中間体32(1.12g、4.09mmol)を、DCM(30mL)に溶解し、DMAP(49.9mg、0.41mmol)、DIPEA(710μL、4.09mmol)およびAc
2O(424μL、4.50mmol)を添加した。前記反応混合物を、18時間攪拌し、DCM(100mL)で希釈し、1M Na
2CO
3水溶液(100mL)および水(100mL)で洗浄し、乾燥させ(MgSO
4)、真空において濃縮して、オレンジ色の固形物として、表題の化合物を得た(1.25g、97%)。LCMS(ES+):316.9[MH]
+。HPLC:Rf 3.92分、純度97%。
【0111】
tert−ブチル 4−{4−メトキシ−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−3−イル}−1,2,3,6−テトラヒドロピリジン−1−カルボキシレート
【0113】
中間体33(1.14g、3.61mmol)、tert−ブチル 4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボラン−2−イル)−1,2,3,6−テトラヒドロピリジン−1−カルボキシレート(1.12g、3.61mmol)およびNa
2CO
3(1.15g、10.8mmol)を、ジオキサン(15mL)および水(3mL)に溶解し、Pd(PPh
3)
4(624mg、0.54mmol)を添加した。前記反応混合物を、マイクロ波反応装置において、100℃で2時間加熱し、水(100mL)で希釈し、DCM(2×100mL)およびEtOAc(2×100mL)で抽出した。組み合わせた有機画分を乾燥させ(MgSO
4)、真空において濃縮し、カラムクロマトグラフィーで精製して、黄色の固形物として、表題の化合物を得た(502mg、37%)。LCMS(ES+):330.0[MH]
+。
【0114】
中間体35
tert−ブチル 4−{4−メトキシ−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−3−イル}ピペリジン−1−カルボキシレート
【0116】
中間体35を、中間体1に代えて中間体34を使用して、中間体2と同様に調製して、黄色のゴムとして、表題の化合物を得た(260mg、51%)。LCMS(ES+):332.1[MH]
+。
【0117】
中間体36
tert−ブチル 4−[1−(4−クロロフェニル)−4−メトキシ−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−3−イル]ピペリジン−1−カルボキシレート
【0119】
中間体36を、中間体2に代えて中間体35を使用して、中間体3と同様に調製して、黄色の固形物として、表題の化合物を得た(141mg、41%)。LCMS(ES+):442.0[MH]
+。
【0120】
中間体37
N−メトキシ−N−メチルオキサン−4−カルボキサミド
【0122】
N,O−ジメチルヒドロキシルアミン・塩酸(1.23g、12.7mmol)およびN−メチルモルホリン(3.80mL、34.5mmol)を、DCM(20mL)に溶解し、DCM(20mL)におけるオキサン−4−カルボニルクロリド(1.71g、11.5mmol)の溶液を、滴下して添加した。前記反応混合物を、2時間攪拌し、ついで、DCMで200mLに希釈し、1M HCl水溶液(2×100mL)、1M Na
2CO
3水溶液(100mL)および水(100mL)で洗浄し、乾燥させ(MgSO
4)、真空において濃縮して、黄色のオイルとして、粗製の表題の化合物を得た(1.87g、94%)。LCMS(ES+):174.1[MH]
+。
【0123】
中間体38
3−フルオロ−4−[(オキサン−4−イル)カルボニル]ピリジン
【0125】
ジイソプロピルアミン(1.50mL、10.8mmol)を、THF(30mL)に溶解し、窒素下において、−78℃に冷却した。nBuLi(4.32mL、ヘキサンにおける2.5M、10.8mmol)を、滴下して添加した。得られた溶液を、−78℃で10分間、0℃で30分間攪拌し、ついで、−78℃に再度冷却した。3−フルオロ−ピリジン(0.93mL、10.8mmol)を、5分にわたって滴下して添加した。前記反応混合物を、2時間攪拌した。THF(15mL)における中間体37(1.87g、10.8mmol)の溶液を添加した。前記反応混合物を、室温に温め、15分間攪拌した。前記反応混合物を、飽和NH
4OAc水溶液(10mL)で反応を停止させ、EtOAc(200mL)で希釈した。有機画分を、水(2×50mL)で洗浄し、乾燥させ(MgSO
4)、真空において濃縮して、オレンジ色のオイルとして、粗製の表題の化合物を得た(1.45g、64%)。LCMS(ES+):210.1[MH]
+。
【0126】
中間体39
3−(オキサン−4−イル)−1H−ピラゾロ[3,4−c]ピリジン
【0128】
中間体38(255mg、1.22mmol)およびヒドラジン一水和物(134mg、2.68mmol)を、NMP(3mL)に溶解した。前記反応混合物を、マイクロ波において、160℃で20分間加熱した。前記反応混合物を、SCXで精製して、オレンジ色のオイルとして、表題の化合物を得た(245mg、99%)。LCMS(ES+):204.1[MH]
+。
【0129】
中間体40
tert−ブチル 4−[(3−フルオロピリジン−4−イル)(ヒドロキシ)メチル]ピペリジン−1−カルボキシレート
【0131】
ジイソプロピルアミン(0.66ml、4.69mmol)を、THF(30mL)に溶解し、−78℃に冷却した。nBuLi(2.13ml、シクロヘキサンにおける2.20M、4.69mmol)を、滴下して添加した。前記反応混合物を、−78℃で10分間、0℃で30分間攪拌し、−78℃に再度冷却した。3−フルオロ−ピリジン(0.40ml、4.69mmol)を、5分にわたって滴下して添加した。前記反応混合物を、45分間攪拌した。THF(10mL)におけるN−Boc−4−ピペリジンカルボキシアルデヒド(1.00g、4.69mmol)の溶液を添加した。前記反応混合物を、室温に温め、15分間攪拌した。前記反応混合物を、飽和NH
4OAc水溶液(10mL)で反応を停止させ、EtOAc(100mL)で希釈し、水(2×50mL)で洗浄し、乾燥させ(MgSO
4)、真空において濃縮して、オレンジ色のオイルとして、表題の化合物を得た(1.42g、98%)。LCMS(ES+):255.0[MH−t−Bu]
+。
【0132】
中間体41
tert−ブチル 4−[(3−フルオロピリジン−4−イル)カルボニル]ピペリジン−1−カルボキシレート
【0134】
中間体40(1.42g、4.58mmol)およびIBX(1.93g、6.88mmol)を、DCE(30mL)に溶解した。前記反応混合物を、65℃で16時間攪拌した。前記反応混合物を、冷却し、ろ過した。ろ液を真空において濃縮して、黄色の液体として、粗製の表題の化合物を得た(1.96g)。LCMS(ES+):209.1[MH−Boc]
+。
【0135】
中間体42
tert−ブチル 4−{1H−ピラゾロ[3,4−c]ピリジン−3−イル}ピペリジン−1−カルボキシレート
【0137】
中間体41(1.42g、4.61mmol)およびヒドラジン一水和物(407μL、8.31mmol)を、NMP(5mL)に溶解した。前記反応混合物を、マイクロ波反応装置において、160℃で20分間加熱し、SCXおよびカラムクロマトグラフィーで精製して、オレンジ色のオイルとして、表題の化合物を得た(1.15g、83%)。LCMS(ES+):303.1[MH]
+。
【0138】
中間体43
tert−ブチル 4−[1−(4−クロロフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−c]ピリジン−3−イル]ピペリジン−1−カルボキシレート
【0140】
中間体43を、中間体2に代えて中間体42を使用して、中間体3と同様に調製して、褐色のゴムとして、表題の化合物を得た(1.02g、67%)。LCMS(ES+):413.0[MH]
+。
【0141】
中間体44
4−[1−(4−クロロフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−c]ピリジン−3−イル]ピペリジン
【0143】
中間体43(1.02g、2.46mmol)を、DCM(50mL)に溶解し、TFA(10mL)を添加した。前記反応混合物を、1時間攪拌し、真空において濃縮し、SCXで精製して、褐色のオイルとして、表題の化合物を得た(696mg、90%)。LCMS(ES+):313.0[MH]
+。
【0144】
実施例1
2,2,2−トリフルオロ酢酸;2−{4−[1−(4−クロロフェニル)−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−3−イル]ピペリジン−1−イル}エタン−1−アミン
【0146】
中間体4(200mg、0.64mmol)を、DCM(5mL)に溶解し、tert−ブチル N−(2−オキソエチル)カルバメート(203μL、1.28mmol)を添加した。前記反応混合物を、1時間攪拌し、NaBH(OAc)
3(340mg、1.60mmol)を添加した。前記反応混合物を、18時間攪拌し、1M Na
2CO
3水溶液(50mL)とDCM(50mL)との間で分離した。水相を、DCM(2×50mL)で抽出した。組み合わせた有機画分を、乾燥させ(MgSO
4)、真空において濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィーで精製し、DCM(5mL)およびTFA(1mL)に溶解し、3時間攪拌した。前記反応混合物を、真空において濃縮し、1M Na
2CO
3水溶液(50mL)に溶解し、DCM(3×50mL)で抽出した。組み合わせた有機画分を、乾燥させ(MgSO
4)、真空において濃縮した。残渣を、(TFAでバッファーした)逆相HPLCで精製して、無色のゴムとして、表題の化合物を得た(1.10mg、0.4%)。HRMS(ESI+) C20H23ClN4に関する計算値355.1684、実測値355.1687。HPLC:Rf 3.31分、純度97%。
【0147】
実施例2
3−アミノプロピル 4−[1−(4−クロロフェニル)−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−3−イル]ピペリジン−1−カルボキシレート
【0149】
トリホスゲン(119mg、0.40mmol)を、DCM(5mL)に溶解し、DCM(1mL)におけるtert−ブチル N−(3−ヒドロキシプロピル)カルバメート(211mg、1.20mmol)およびDIPEA(209μL、1.20mmol)の溶液を添加した。前記反応混合物を、3時間攪拌し、DCM(1mL)における中間体4(250mg、0.80mmol)およびDIPEA(209μL、1.20mmol)の溶液を添加した。前記反応混合物を、3日間攪拌し、EtOAc(50mL)で希釈し、10% クエン酸水溶液(50mL)および1M Na
2CO
3水溶液(50mL)で洗浄し、乾燥させ(MgSO
4)、真空において濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィーで精製し、DCM(20mL)およびTFA(5mL)に溶解し、2時間攪拌した。前記反応混合物を、真空において濃縮し、1M Na
2CO
3水溶液(50mL)に溶解し、DCM(3×50mL)で抽出した。組み合わせた有機画分を、真空において濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィーで精製して、無色のゴムとして、表題の化合物を得た(52.0mg、16%)。HRMS(ESI+) C22H25ClN4O2に関する計算値413.1739、実測値413.1739。HPLC:Rf 3.96分、純度98%。
【0150】
実施例3
1−{4−[1−(4−クロロフェニル)−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−3−イル]ピペリジン−1−イル}−4−(ジメチルアミノ)ブタン−1−オン;2,2,2−トリフルオロ酢酸
【0152】
中間体4(200mg、0.64mmol)、4−(ジメチルアミノ)ブタン酸・塩酸(140mg、0.83mmol)、HOBt(113mg、0.83mmol)およびDIPEA(290μL、1.67mmol)を、DMF(5mL)に溶解し、EDC(160mg、0.83mmol)を添加した。前記反応混合物を、18時間攪拌し、真空において濃縮した。残渣を、1M Na
2CO
3水溶液(50mL)に溶解し、DCM(3×50mL)で抽出した。組み合わせた有機画分を、乾燥させ(MgSO
4)、真空において濃縮した。残渣を、カラムクロマトグラフィーおよび(TFAでバッファーした)逆相HPLCで精製して、無色のゴムとして、表題の化合物を得た(37.0mg、11%)。HRMS(ESI+) C24H29ClN4Oに関する計算値425.2103、実測値425.2109。HPLC:Rf 4.00分、純度98%。
【0153】
実施例4
5−アミノ−1−{4−[1−(4−クロロフェニル)−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−3−イル]ピペリジン−1−イル}ペンタン−1−オン
【0155】
中間体4(200mg、0.64mmol)を、DMF(10mL)に溶解し、5−{[(tert−ブトキシ)カルボニル]アミノ}ペンタン酸(181mg、0.83mmol)、HOBt(113mg、0.83mmol)およびEDC(160mg、0.83mmol)を添加した。前記反応混合物を、3日間攪拌し、真空において濃縮した。残渣を、1M Na
2CO
3水溶液(50mL)に溶解し、DCM(3×50mL)で抽出した。組み合わせた有機画分を、乾燥させ(MgSO
4)、真空において濃縮した。残渣を、カラムクロマトグラフィーで精製し、DCM(10mL)およびTFA(2mL)に溶解し、2時間攪拌した。前記反応混合物を、真空において濃縮した。残渣を、1M Na
2CO
3水溶液(50mL)に溶解し、DCM(3×50mL)で抽出した。組み合わせた有機画分を、乾燥させ(MgSO
4)、真空において濃縮した。残渣を、カラムクロマトグラフィーで精製して、無色のゴムとして、表題の化合物を得た(43.0mg、16%)。HRMS(ESI+) C23H27ClN4Oに関する計算値411.1946、実測値411.1947。HPLC:Rf 3.84分、純度99%。
【0156】
実施例5
N−(2−アミノエチル)−4−[1−(4−クロロフェニル)−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−3−イル]ピペリジン−1−カルボキサミド
【0158】
CDI(125mg、0.77mmol)を、DCM(10mL)に溶解し、DCM(1mL)におけるtert−ブチル N−(2−アミノエチル)カルバメート(123mg、0.77mmol)およびDIPEA(167μL、0.96mmol)の溶液を添加した。前記反応混合物を、18時間攪拌し、DCM(1mL)における中間体4(200mg、0.64mmol)およびDIPEA(167μL、0.96mmol)の溶液を添加した。前記反応混合物を、24時間攪拌した。前記反応混合物を、EtOAc(50mL)で希釈し、10% クエン酸水溶液(50mL)および1M Na
2CO
3水溶液(50mL)で洗浄し、乾燥させ(MgSO
4)、真空において濃縮した。残渣を、DCM(5mL)およびTFA(1mL)に溶解し、1時間攪拌した。前記反応混合物を、真空において濃縮した。残渣を、逆相HPLCで精製して、無色のゴムとして、表題の化合物を得た(36.0mg、14%)。HRMS(ESI+) C21H24ClN5Oに関する計算値398.1742、実測値398.1745。HPLC:Rf 3.71分、純度99%。
【0159】
実施例6
N−(3−アミノプロピル)−4−[1−(4−クロロフェニル)−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−3−イル]ピペリジン−1−カルボキサミド
【0161】
実施例6(178mg、8%)を、tert−ブチル N−(2−アミノエチル)カルバメートに代えて、tert−ブチル N−(3−アミノプロピル)カルバメートを使用して、実施例5と同様にして調製した。HRMS(ESI+) C22H26ClN5Oに関する計算値412.1899、実測値412.1902。HPLC:Rf 3.82分、純度100%。
【0162】
実施例7
4−[1−(4−クロロフェニル)−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−3−イル]−N−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]ピペリジン−1−カルボキサミド
【0164】
実施例7(99.0mg、23%)を、tert−ブチル N−(2−アミノエチル)カルバメートに代えて、(3−アミノプロピル)ジメチルアミンを使用して(および、脱保護工程を行わず)、実施例5と同様にして調製した。HRMS(ESI+) C24H30ClN5Oに関する計算値440.2212、実測値440.2213。HPLC:Rf 3.99分、純度99.7%。
【0165】
実施例8
1−({4−[1−(4−クロロフェニル)−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−3−イル]ピペリジン−1−イル}カルボニル)ピペラジン
【0167】
トリホスゲン(111mg、0.37mmol)を、DCM(10mL)に溶解し、DCM(2mL)におけるtert−ブチル 1−ピペラジンカルボキシレート(210mg、1.13mmol)およびDIPEA(215μL、1.24mmol)の溶液を添加した。前記反応混合物を、18時間攪拌し、DCM(2mL)における中間体4(351mg、1.13mmol)、DIPEA(215μL、1.24mmol)およびDMAP(13.7mg、0.11mmol)の溶液を添加した。前記反応混合物を、24時間攪拌し、1M Na
2CO
3水溶液(50mL)で希釈し、DCM(3×50mL)で抽出した。組み合わせた有機画分を、乾燥させ(MgSO
4)、真空において濃縮した。残渣を、カラムクロマトグラフィーで精製し、DCM(10mL)およびTFA(2.5mL)に溶解し、1時間攪拌した。前記溶媒を、真空において除去した。残渣を、1M Na
2CO
3水溶液(50mL)に溶解し、DCM(3×50mL)で抽出した。組み合わせた有機画分を、乾燥させ(MgSO
4)、真空において濃縮した。残渣を逆相HPLCで精製して、白色の固形物として、表題の化合物を得た(54.0mg、11%)。HRMS(ESI+) C23H26ClN5Oに関する計算値424.1899、実測値424.19。HPLC:Rf 3.93分、純度100%。
【0168】
実施例9
4−({4−[1−(4−クロロフェニル)−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−3−イル]ピペリジン−1−イル}カルボニル)モルホリン
【0170】
中間体4(300mg、0.96mmol)、DIPEA(184μL、1.06mmol)およびDMAP(11.7mg、0.10mmol)を、DCM(10mL)に溶解し、4−モルホリンカルボニルクロリド(158mg、1.06mmol)を添加した。前記反応混合物を、18時間攪拌し、1M Na
2CO
3水溶液(50mL)で希釈し、DCM(3×50mL)で抽出した。組み合わせた有機画分を、乾燥させ(MgSO
4)、真空において濃縮した。残渣を、逆相HPLCで精製して、白色の固形物として、表題の化合物を得た(252mg、62%)。HRMS(ESI+) C23H25ClN4O2に関する計算値425.1739、実測値425.1742。HPLC:Rf 4.79分、純度96%。
【0171】
実施例10
1−({4−[1−(4−クロロフェニル)−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−3−イル]ピペリジン−1−イル}カルボニル)−1,4−ジアゼパン
【0173】
実施例10(70.0mg、20%)を、tert−ブチル 1−ピペラジンカルボキシレートに代えて、tert−ブチル 1,4−ジアゼパン−1−カルボキシレートを使用して、実施例8と同様にして調製した。HRMS(ESI+) C24H28ClN5Oに関する計算値438.2055、実測値438.2056。HPLC:Rf 3.94分、純度100%。
【0174】
実施例11
エチル 1−[1−(4−クロロフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−c]ピリジン−3−イル]ピペリジン−4−カルボキシレート
【0176】
中間体13(3.49g、12.7mmol)、4−クロロフェニルボロン酸(3.98g、25.5mmol)、Cu(OAc)
2(4.63g、25.5mmol)およびピリジン(5.13mL、63.7mmol)を、DCE(88mL)に懸濁させ、オーバーナイト攪拌した。前記反応混合物を、カラムクロマトグラフィーで精製して、オフホワイト色の固形物として、表題の化合物を得た(619mg、13%)。HRMS(ESI+) C20H21ClN4O2に関する計算値385.1426、実測値385.143。HPLC:Rf 6.13分、純度98.9%。
【0177】
実施例12
エチル 1−[1−(4−メチルフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−c]ピリジン−3−イル]ピペリジン−4−カルボキシレート
【0179】
実施例12を、4−クロロフェニルボロン酸に代えて、4−メチルベンゼンボロン酸を使用して、実施例11と同様に調製して、白色の固形物として、表題の化合物を得た(74.0mg、56%)。HRMS(ESI+) C21H24N4O2に関する計算値365.1972、実測値365.1975。HPLC:Rf 5.87分、純度99.1%。
【0180】
実施例13
1−[1−(4−クロロフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−c]ピリジン−3−イル]ピペリジン−4−カルボン酸・塩酸
【0182】
実施例11(834mg、2.17mmol)を、1:1 THF/水(16mL)に溶解し、LiOH.H
2O(200mg、4.77mmol)を添加した。前記反応混合物を、3時間攪拌した。前記THFを、真空において除去した。前記反応混合物を、1M HCl水溶液(5mL)で、pH1に酸性化した。沈殿物を、ろ過により収集し、水で洗浄して、オレンジ色の固形物として、表題の化合物を得た(450mg、53%)。HRMS(ESI+) C18H17ClN4O2に関する計算値357.1113、実測値357.1112。HPLC:Rf 4.92分、純度99.6%。
【0183】
実施例14
N−(2−アミノエチル)−1−[1−(4−クロロフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−c]ピリジン−3−イル]ピペリジン−4−カルボキサミド・二塩酸
【0185】
実施例13(200mg、0.51mmol)を、DMF(2mL)に溶解し、HBTU(231mg、0.61mmol)を添加した。前記反応混合物を、30分間攪拌した。tert−ブチル N−(2−アミノエチル)カルバメート(97.8mg、0.61mmol)およびDIPEA(266mL、1.53mmol)を添加した。前記反応混合物を、オーバーナイト攪拌した。前記反応混合物を、真空において濃縮し、EtOAc(25mL)およびMeOH(10mL)から、2回砕いて洗浄した。残渣を、EtOH(5mL)における1.25M HClに溶解し、20時間攪拌し、真空において濃縮して、オレンジ色の固形物として、表題の化合物を収集した(50.1mg、95%)。HRMS(ESI+) C20H23ClN6Oに関する計算値399.1695、実測値399.1694。HPLC:Rf 3.96分、純度99.8%。
【0186】
実施例15
4−({1−[1−(4−クロロフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−c]ピリジン−3−イル]ピペリジン−4−イル}カルボニル)モルホリン
【0188】
実施例15を、tert−ブチル N−(2−アミノエチル)カルバメートに代えて、モルホリンを使用して(および、脱保護工程を行わず)、実施例14と同様に調製して、淡黄色の固形物として、表題の化合物を得た(78.7mg、36%)。HRMS(ESI+) C22H24ClN5O2に関する計算値426.1691、実測値426.1691。HPLC:Rf 4.96分、純度100%。
【0189】
実施例16
1−({1−[1−(4−クロロフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−c]ピリジン−3−イル]ピペリジン−4−イル}カルボニル)ピペラジン・二塩酸
【0191】
実施例16を、tert−ブチル N−(2−アミノエチル)カルバメートに代えて、tert−ブチル 1−ピペラジンカルボキシレートを使用して、実施例14と同様に調製して、オレンジ色の固形物として、表題の化合物を得た(122mg、96%)。HRMS(ESI+) C22H25ClN6Oに関する計算値425.1851、実測値425.1846。HPLC:Rf 3.98分、純度98.8%。
【0192】
実施例17
{4−[1−(4−メチルフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−c]ピリジン−3−イル]モルホリン−3−イル}メタノール
【0194】
中間体21(50.0mg、0.14mmol)を、MeOH(1mL)に溶解し、K
2CO
3(75.4mg、0.55mmol)を添加した。前記反応混合物を、30分間攪拌した。前記反応混合物を、真空において濃縮した。残渣を、DCM(10mL)と水(5mL)との間で分離した。水性画分を、DCM(3×10mL)で抽出し、組み合わせた有機画分を、乾燥させ(MgSO
4)、真空において濃縮して、黄色のゴムとして、表題の化合物を得た(40.0mg、90%)。LCMS(ES+):325.1[MH]
+。HPLC:Rf 4.36分、純度94.9%。
【0195】
実施例18
{4−[1−(4−メチルフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−c]ピリジン−3−イル]モルホリン−2−イル}メタノール
【0197】
実施例18を、中間体21に代えて中間体22を使用して、実施例17と同様に調製して、オレンジ色のゴムとして、表題の化合物を得た(3.74mg、36%)。HRMS(ESI+) C18H20N4O2に関する計算値325.1659、実測値325.1663。HPLC:Rf 4.29分、純度98.8%。
【0198】
実施例19
[(3R)−4−[1−(4−クロロフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−c]ピリジン−3−イル]モルホリン−3−イル]メタノール
【0200】
実施例19を、中間体13に代えて中間体15を使用して、実施例11と同様に調製して、暗黄色のゴムとして、表題の化合物を得た(11.6mg)。HRMS(ESI+) C17H17ClN4O2に関する計算値345.1113、実測値345.1117。HPLC:Rf 4.58分、純度100%。
【0201】
実施例20
メチル 4−[1−(4−クロロフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−c]ピリジン−3−イル]モルホリン−3−カルボキシレート
【0203】
実施例20を、中間体13に代えて中間体18を使用して、実施例11と同様に調製して、暗黄色の固形物として、表題の化合物を得た(552mg、20%)。HRMS(ESI+) C18H17ClN4O3に関する計算値373.1062、実測値373.1065。HPLC:Rf 5.23分、純度98.0%。
【0204】
実施例21
N−(2−アミノエチル)−4−[1−(4−クロロフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−c]ピリジン−3−イル]モルホリン−3−カルボキサミド
【0206】
中間体25(70.0mg、0.18mmol)を、DMF(1.1mL)に溶解し、0℃に冷却し、HBTU(67.2mg、0.18mmol)、tert−ブチル N−(2−アミノエチル)カルバメート(34.1mg、0.21mmol)およびDIPEA(30.9μL、0.18mmol)を添加した。前記反応混合物を、0℃で2.5時間攪拌し、カラムクロマトグラフィーで精製した。残渣を、EtOH(1.00mL)における1.25M HClに溶解し、2時間攪拌した。前記反応混合物を、真空において濃縮し、カラムクロマトグラフィーで精製して、淡い黄色の固形物として、表題の化合物を得た(3.09mg、4%)。HRMS(ESI+) C19H21ClN6O2に関する計算値401.1487、実測値401.149。HPLC:Rf 3.83分、純度100%。
【0207】
実施例22
2−{4−[1−(4−クロロフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−c]ピリジン−3−イル]モルホリン−3−イル}エタン−1−オール
【0209】
中間体24(50.0mg、0.13mmol)を、DCM(1mL)に溶解し、0℃に冷却し、DIBALH(0.47mL、ヘプタンにおける1.0M、0.47mmol)を、滴下して添加した。前記反応混合物を、48時間攪拌し、0℃に冷却し、飽和NaHCO
3水溶液(1mL)で反応を停止させた。前記反応混合物を、DCM(5×20mL)で抽出し、組み合わせた有機画分を、乾燥させ(MgSO
4)、真空において濃縮した。残渣を、逆相クロマトグラフィーで精製して、淡い黄色の固形物として、表題の化合物を得た(13.9mg、30%)。HRMS(ESI+) C18H19ClN4O2に関する計算値359.1269、実測値359.1274。HPLC:Rf 4.72分、純度99.5%。
【0210】
実施例23
メチル 1−[1−(4−クロロフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−c]ピリジン−3−イル]ピペリジン−2−カルボキシレート
【0212】
実施例23を、中間体13に代えて中間体20を使用して、実施例11と同様に調製して、暗黄色の固形物として、表題の化合物を得た(260mg、28%)。HRMS(ESI+) C19H19ClN4O2に関する計算値371.1269、実測値371.1273。HPLC:Rf 5.91分、純度99.3%。
【0213】
実施例24
N−(2−アミノエチル)−1−[1−(4−クロロフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−c]ピリジン−3−イル]ピペリジン−2−カルボキサミド・二塩酸
【0215】
実施例24を、中間体25に代えて中間体26を使用して、実施例21と同様に調製して、オレンジ色の固形物として、表題の化合物を得た(22.5mg、28%)。LCMS(ES+):399.0[MH]
+。HPLC:Rf 4.10分、純度98.5%。
【0216】
実施例25
1−({1−[1−(4−クロロフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−c]ピリジン−3−イル]ピペリジン−2−イル}カルボニル)ピペラジン
【0218】
実施例25を、tert−ブチル N−(2−アミノエチル)カルバメートに代えて、tert−ブチル 1−ピペラジンカルボキシレートを使用して、実施例24と同様に調製して、黄色の固形物として、表題の化合物を得た(10.3mg、14%)。LCMS(ES+):424.9[MH]
+。HPLC:Rf 3.91分、純度99.5%。
【0219】
実施例26
4−[1−(4−メチルフェニル)−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−3−イル]モルホリン
【0221】
中間体31(81.0mg、0.40mmol)、4−ヨードトルエン(104mg、0.48mmol)、N,N’−ジメチルエチレンジアミン(8.58μL、0.08mmol)およびK
3PO
4(178mg、0.84mmol)を、DMF(1mL)に懸濁させ、CuI(7.60mg、0.04mmol)を添加した。前記反応混合物を、マイクロ波反応装置において、170℃で1時間加熱し、真空において濃縮した。残渣を、MeOH(15mL)で希釈し、ろ過し、真空において濃縮し、逆相HPLCおよび順相カラムクロマトグラフィーで精製して、暗黄色のゴムとして、表題の化合物を得た(2.00mg、2%)。HRMS(ESI+) C18H19N3Oに関する計算値294.1601、実測値294.1604。HPLC:Rf 4.43分、純度100%。
【0222】
実施例27
1−(4−クロロフェニル)−3−(ピペリジン−4−イル)−1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン−4−オール
【0224】
中間体36(130mg、0.29mmol)を、DCM(10mL)に溶解し、BBr
3(84μL、0.88mmol)を添加した。前記反応混合物を、3時間攪拌し、1M NaOH水溶液(1mL)で反応を停止させ、1時間攪拌した。前記反応混合物を、飽和NaHCO
3水溶液(25mL)で希釈し、DCM(3×25mL)で抽出した。水性画分を、AcOHでpH9に酸性化し、EtOAc(2×25mL)で抽出した。組み合わせた有機画分を、乾燥させ(MgSO
4)、真空において濃縮した。残渣を、逆相HPLCで精製して、無色のゴムとして、表題の化合物を得た(8.40mg、9%)。HRMS(ESI+) C18H18ClN3Oに関する計算値328.1211、実測値328.1216。HPLC:Rf 3.70分、純度89%。
【0225】
実施例28
N−ブチル−1−(4−クロロフェニル)−N−メチル−1H−ピラゾロ[3,4−c]ピリジン−3−アミン
【0227】
実施例28を、中間体31に代えて中間体17を使用し、4−ヨードトルエンに代えて1−クロロ−4−ヨードベンゼンを使用して、実施例26と同様に調製して、黄色のゴムとして、表題の化合物を得た(212mg、22%)。HRMS(ESI+) C17H19ClN4に関する計算値315.1371、実測値315.1375。HPLC:Rf 6.54分、純度100%。
【0228】
実施例29
1−[4−(フルオロメチル)フェニル]−3−(オキサン−4−イル)−1H−ピラゾロ[3,4−c]ピリジン
【0230】
実施例29を、中間体31に代えて中間体39を使用し、4−ヨードトルエンに代えて1−ブロモ−4−フルオロメチルベンゼンを使用して、実施例26と同様に調製して、黄色のゴムとして、表題の化合物を得た(36.6mg、7%)。HRMS(ESI+) C18H18FN3Oに関する計算値312.1507、実測値312.151。HPLC:Rf 4.84分、純度99.2%。
【0231】
実施例30
3−({4−[1−(4−クロロフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−c]ピリジン−3−イル]ピペリジン−1−イル}メチル)ピリジン
【0233】
中間体44(232mg、0.74mmol)を、DCM(25mL)に溶解し、3−ピリジンカルボキシアルデヒド(167μL、1.78mmol)、AcOH(44.6μL、0.78mmol)およびNaBH(OAc)
3(472mg、2.23mmol)を添加した。前記反応を、18時間攪拌し、DCM(50mL)で希釈し、水(20mL)で停止させた。有機画分を、飽和Na
2CO
3水溶液(20mL)で洗浄し、乾燥させ(MgSO
4)、真空において濃縮した。残渣を、逆相HPLCで精製して、褐色のゴムとして、表題の化合物を得た(63.7mg、21%)。HRMS(ESI+) C23H22ClN5に関する計算値404.1636、実測値404.1639。HPLC:Rf 4.63分、純度98.3%。
【0234】
生物学的試験
SSAO酵素阻害剤の生物学的アッセイ
全ての主なアッセイを、精製した遺伝子組み換え的に発現させたヒトSSAOを使用して、室温で行った。酵素を、基本的に、Ohmanら(Protein Expression and Purification 46(2006)321−331)に記載のように調製した。さらに、二次的および選択的アッセイを、種々の組織から調製されたSSAOまたは精製したラットの組換えSSAOを使用して行った。酵素活性を、
14C−標識化基質を使用してベンズアルデヒドの産生を測定すること、または、西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)結合反応における過酸化水素の産生を使用することのいずれかにより、基質としてベンジルアミンを使用してアッセイした。簡潔に、試験化合物を、ジメチルスルホキシド(DMSO)に、10mMの濃度に溶解した。用量−反応測定を、DMSOにおける1:10段階希釈を作製して7点円弧を生成すること、または、DMSOにおける1:3段階希釈を作製して11点円弧を生成することのいずれかによりアッセイした。最高濃度を、化合物の効能に応じて調節し、後に反応バッファーに希釈して、最終的なDMSO濃度≦2%にした。
【0235】
過酸化水素の検出:
西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)結合反応において、10−アセチル−3,7−ジヒドロキシフェノキサジンの過酸化水素酸化により、レゾルフィンが産生された。前記レゾルフィンは、非常に蛍光性の化合物である(Zhout and Panchuk−Voloshina.Analytical Biochemistry 253(1997)169−174:Amplex(登録商標)Red 過酸化水素/ペルオキシダーゼアッセイキット、Invitrogen A22188)。50mM リン酸ナトリウム、pH7.4における酵素および化合物を、HRP、ベンジルアミンおよびAmplex試薬の混合物の添加により反応を開始する前に、平底マイクロタイタープレートにおいて、おおよそ15分間プレインキュベートを開始した。ベンジルアミン濃度を、ミカエリス定数に相当する濃度に固定し、標準的な手順を使用して決定した。ついで、蛍光強度を、544nmでの励起および590nmでの発光の読み取りをして、1〜2時間の間に、数回の時点で測定した。前記ヒトのSSAOアッセイに関して、アッセイウェルにおける前記試薬の最終濃度は、SSAO酵素 1μg/ml、ベンジルアミン 100μM、Amplex試薬 20μM、HRP 0.1U/mLおよび可変濃度の試験化合物とした。阻害を、阻害剤を含まない(希釈したDMSOのみの)コントロールと比較したシグナルの、%減少として測定した。SSAO酵素を含有しない試料からのバックグラウンドシグナルを、全てのデータ点から差し引いた。データを、4つのパラメータロジスティックモデルに当てはめ、IC
50値を、GraphPad Prism 4またはXLfit 4のプログラムを使用して算出した。
【0236】
アルデヒド検出:
SSAO活性を、14C−標識ベンジルアミンを使用してアッセイし、放射性のベンズアルデヒドを測定することにより分析した。白色の96ウェルオプティプレート(Packard)において、20μLの希釈した試験化合物を、20μLのSSAO酵素と共に、連続して振とうしながら、室温でおおよそ15分間プレインキュベートした。全ての希釈を、PBSで行った。20μLの、[7−14C]ベンジルアミン・塩酸(CFA589、GE Healthcare)を含有する、ベンジルアミン基質溶液を添加することにより、反応を開始した。前記プレートを、上記のように、1時間インキュベートした後に、酸性化(10μLの1M HCl)により前記反応を停止させた。ついで、90μLのMicro Scint−E溶液(Perkin−Elmer)を、各ウェルに添加した。前記プレートを、連続的に15分間混合した。すぐに相分離させ、Topcountシンチレーションカウンター(Perkin−Elmer)において、活性を読み取った。最終的な反応ウェルにおいて、前記ヒトの組換えSSAO濃度を、10μg/mlとした。感度を最適化するために、前記基質の濃度を、放射性生成物のより高い画分を取得するために、前記HRP結合アッセイと比較して低下させた。前記ヒトのSSAOアッセイでは、ベンジルアミン濃度を、40μM(0.2μCi/mL)とした。データを、上記の通り分析した。
【0237】
本発明の例示した全ての化合物は、SSAOにおいて、1〜2500nMのIC
50値を有した(表4を参照のこと)。