特許第5796134号(P5796134)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5796134ビアリールヘテロ環で置換されたオキサゾリドン抗菌薬
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5796134
(24)【登録日】2015年8月21日
(45)【発行日】2015年10月21日
(54)【発明の名称】ビアリールヘテロ環で置換されたオキサゾリドン抗菌薬
(51)【国際特許分類】
   C07D 413/14 20060101AFI20151001BHJP
   C07F 9/653 20060101ALI20151001BHJP
   A61K 31/4439 20060101ALI20151001BHJP
   A61K 31/661 20060101ALI20151001BHJP
   A61P 31/04 20060101ALI20151001BHJP
【FI】
   C07D413/14CSP
   C07F9/653
   A61K31/4439
   A61K31/661
   A61P31/04
【請求項の数】10
【全頁数】44
(21)【出願番号】特願2014-532234(P2014-532234)
(86)(22)【出願日】2012年9月28日
(65)【公表番号】特表2014-528946(P2014-528946A)
(43)【公表日】2014年10月30日
(86)【国際出願番号】CN2012082318
(87)【国際公開番号】WO2013044845
(87)【国際公開日】20130404
【審査請求日】2014年5月16日
(31)【優先権主張番号】201110290839.X
(32)【優先日】2011年9月29日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】512184858
【氏名又は名称】山東軒竹医薬科技有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100087767
【弁理士】
【氏名又は名称】西川 惠清
(74)【代理人】
【識別番号】100155745
【弁理士】
【氏名又は名称】水尻 勝久
(74)【代理人】
【識別番号】100143465
【弁理士】
【氏名又は名称】竹尾 由重
(74)【代理人】
【識別番号】100155756
【弁理士】
【氏名又は名称】坂口 武
(74)【代理人】
【識別番号】100161883
【弁理士】
【氏名又は名称】北出 英敏
(74)【代理人】
【識別番号】100167830
【弁理士】
【氏名又は名称】仲石 晴樹
(74)【代理人】
【識別番号】100136696
【弁理士】
【氏名又は名称】時岡 恭平
(74)【代理人】
【識別番号】100162248
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 豊
(72)【発明者】
【氏名】▲呉▼ 永謙
(72)【発明者】
【氏名】王 ▲愛▼臣
【審査官】 三上 晶子
(56)【参考文献】
【文献】 中国特許出願公開第101560209(CN,A)
【文献】 特表2006−526647(JP,A)
【文献】 特表2011−515487(JP,A)
【文献】 中国特許出願公開第102276595(CN,A)
【文献】 特表2002−513424(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D401/00−421/14
C07F 9/00− 19/00
A61K 31/33− 33/44
A61P 1/00− 43/00
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(I)で示される化合物、その薬学的に許容可能な塩、その立体異性体又はそのリン酸エステル型プロドラッグ。
【化1】
R1は(1) −OR6、(2) −NR6R6’、(3) −COR6、(4) −COOR6、(5) −OCOR6、(6) −CONR6R6’、(7) −NR6COR6’、(8) −OCONR6R6’、(9) −NR6COOR6’又は(10) −NR6CONR6’R6から選ばれるものであり
R6、R6’は(1) 水素、又は(2) C1-6アルキル基から選ばれるものであり、
R2、R3は独立に水素、ハロゲン又はC1-6アルキル基から選ばれるものであり、
Aは
【化2】
あり、
Bは
【化3】
あり、ただし、X、Yそれぞれ独立にC原子又はN原子であり
R4は(1) 水素、又は(2) C1-6アルキル基から選ばれるものであり、
R5は無置換又は1-3個のR7で置換された、5-8員のモノヘテロアリール基から選ばれるものであり
R7はハロゲン、カルボキシ基、ヒドロキシ基、アミノ基、シアノ基、ニトロ基、C1-6アルキル基、カルボキシC1-6アルキル基、ヒドロキシC1-6アルキル基、アミノC1-6アルキル基、ハロゲン化C1-6アルキル基、C1-6アルコキシ基、ハロゲン化C1-6アルコキシ基、C1-6アルコキシC1-6アルキル基、C1-6アルキルアミノ基、ジ(C1-6アルキル)アミノ基、ジ(C1-6アルキル)アミノC1-6アルキル基、C1-6アルキルカルボニル基、C1-6アルキルカルボニルオキシ基、C1-6アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、カルバモイルC1-6アルキル基、C1-6アルキルカルバモイル基、ジ(C1-6アルキル)カルバモイル基、スルファモイル基、スルファモイルC1-6アルキル基、C1-6アルキルスルファモイル基、ジ(C1-6アルキル)スルファモイル基、C1-6アルキルスルホニルアミノ基、C1-6アルキルスルホニル基、C1-6アルキルカルボニルアミノ基又はグアニジル基から選ばれるものである。
【請求項2】
下記一般式(II)の構造を有する請求項1に記載の化合物、その薬学的に許容可能な塩、その立体異性体又はそのリン酸エステル型プロドラッグ。
【化4】
R1、R2、R3、R4、R5、X及びYの定義は請求項1における定義と同じである。
【請求項3】
R1は-NHCOCH3、-OH、-NH2又は、-NHC1-6アルキル基から選ばれるものであり、
R2、R3は独立に水素又はハロゲンから選ばれるものであり、
X、Yはそれぞれ独立にC原子又はN原子であり、
R4は(1) 水素、又は(2) C1-4アルキル基から選ばれるものであり、
R5は無置換又は1-3個のR7で置換された5-8員のモノヘテロアリール基から選ばれるものであり、該5-8員のモノヘテロアリール基はN、S、O及び/又はSO2から選ばれるヘテロ原子を一つ又は複数含むものであり、
R7はハロゲン、カルボキシ基、ヒドロキシ基、アミノ基、シアノ基、ニトロ基、C1-4アルキル基、カルボキシC1-4アルキル基、ヒドロキシC1-4アルキル基、アミノC1-4アルキル基、ハロゲン化C1-4アルキル基、C1-4アルコキシ基、ハロゲン化C1-4アルコキシ基、C1-4アルコキシC1-4アルキル基、C1-4アルキルアミノ基、ジ(C1-4アルキル)アミノ基、ジ(C1-4アルキル)アミノC1-4アルキル基、C1-4アルキルカルボニル基、C1-4アルキルカルボニルオキシ基、C1-4アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、カルバモイルC1-4アルキル基、C1-4アルキルカルバモイル基、ジ(C1-4アルキル)カルバモイル基、スルファモイル基、スルファモイルC1-4アルキル基、C1-4アルキルスルファモイル基、ジ(C1-4アルキル)スルファモイル基、C1-4アルキルスルホニルアミノ基、C1-4アルキルスルホニル基、C1-4アルキルカルボニルアミノ基又はグアニジル基から選ばれるものである
請求項1又は2に記載の化合物、その薬学的に許容可能な塩、その立体異性体又はそのリン酸エステル型プロドラッグ。
【請求項4】
R1は-NHCOCH3又は-OHから選ばれるものであり、
R2、R3は独立に水素又はハロゲンから選ばれるものであり、
X、Yはそれぞれ独立にC原子又はN原子であり、
R4は水素又はC1-4アルキル基から選ばれるものであり、
R5は無置換又は1-3個のR7で置換された5-8員のモノヘテロアリール基から選ばれるものであり、該5-8員のモノヘテロアリール基はN、S、O及び/又はSO2から選ばれるヘテロ原子を一つ又は複数を含み、
R7はC1-4アルキル基又はハロゲン化C1-4アルキル基から選ばれるものである
請求項3に記載の化合物、その薬学的に許容可能な塩、その立体異性体又はそのリン酸エステル型プロドラッグ。
【請求項5】
R1は-NHCOCH3又は-OHから選ばれるものであり、
R2は水素であり、
R3はフッ素であり、
R4は水素であり、
XはC原子であり、
YはN原子であり、
R5は無置換又は1-2個のR7で置換された5-6員のモノヘテロアリール基から選ばれるものであり、該5-6員のモノヘテロアリール基はN、S又はOから選ばれるヘテロ原子を一つ又は複数を含み、
R7はC1-4アルキル基又はハロゲン化C1-4アルキル基から選ばれるものである
請求項4に記載の化合物、その薬学的に許容可能な塩、その立体異性体又はそのリン酸エステル型プロドラッグ。
【請求項6】
R5は無置換又は1-2個のR7で置換されたピロリル基、フラニル基、イミダゾリル基、1,2,4-トリアゾリル基、1,2,3-トリアゾリル基、ピラゾリル基、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、1,2,3-チアジアゾリル基、1,2,4-チアジアゾリル基、1,3,4-チアジアゾリル基、1,2,3-オキサジアゾリル基、1,2,4-オキサジアゾリル基、1,2,5-オキサジアゾリル基、ピリジニル基、ピリミジニル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、1,2,3,4-テトラゾリル基、ピラニル基又はピラジニル基から選ばれるものであり、
R7はC1-4アルキル基である
請求項5に記載の化合物、その薬学的に許容可能な塩、その立体異性体又はそのリン酸エステル型プロドラッグ。
【請求項7】
前記化合物が、下記化学式から選ばれるものである請求項6に記載の化合物、その薬学的に許容可能な塩、その立体異性体又はそのリン酸エステル型プロドラッグ。
【化5】
【化6】
【請求項8】
請求項1〜のいずれか一項に記載の化合物、その薬学的に許容可能な塩、その立体異性体又はそのリン酸エステル型プロドラッグと、一種又は複数種の薬用キャリア及び/又は希釈剤とを含む、医薬組成物。
【請求項9】
臨床的又は薬学的に許容可能な任意の剤型を製造可能な薬物製剤であって、請求項1〜のいずれか一項に記載の化合物、その薬学的に許容可能な塩、その立体異性体又はそのリン酸エステル型プロドラッグと一種又は複数種の薬用キャリア及び/又は希釈剤とを含む、薬物製剤。
【請求項10】
請求項1〜のいずれか一項に記載の化合物、その薬学的に許容可能な塩、その立体異性体又はそのリン酸エステル型プロドラッグの、感染性疾患を治療及び/又は予防する薬物の製造における使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医薬技術分野に関するものであり、具体的には、ビアリールヘテロ環で置換されたオキサゾリドン抗菌薬、その薬学的に許容可能な塩、その異性体及びそのプロドラッグ、これら化合物の製造方法、これら化合物を含有する医薬組成物及び薬物製剤、並びにこれら化合物の、感染性疾患を治療及び/又は予防する薬物を製造するための使用及び感染性疾患を治療及び/又は予防するための使用に関する。
【背景技術】
【0002】
オキサゾリドン類抗菌薬は、スルホンアミド類とフルオロキノロン類に続いて開発された新型化学全合成抗菌薬であり、多剤耐性グラム陽性菌を抑制する作用がある。
【0003】
リネゾリドは初めて市販されたオキサゾリドン類抗菌剤である(下記化学式)。
【0004】
【化1】
【0005】
リネゾリドは、グラム陽性菌に対する強い抑制作用を有しており、その他の抗菌薬との交差耐性がない。その作用メカニズムは特別であり、細菌タンパク質合成の初期段階を阻害できる。リネゾリドは主に、薬剤耐性グラム陽性菌による感染性疾患の治療に用いられており、外科感染性疾患の治療にも用いられている。
【0006】
CN201010508824.1 には、生物医薬品企業であるTrius Therapeutics社の臨床III期薬物TR-701が生体内でその有効成分TR-700に代謝され、グラム陽性菌による感染性疾患の治療に用いられることが開示されている(下記化学式)。
【0007】
【化2】
【0008】
しかしながら、臨床的にグラム陽性菌の薬剤耐性の状況はますます酷くなる一方、オキサゾリドン類抗菌剤は、臨床用薬の品種が単一であり、リネゾリドという唯一の薬物が市販されているのが現状であるため、臨床の需要を全然満足できず、且つリネゾリド耐性の状況もますます厳しくなっている。したがって、オキサゾリドン類抗生物質の臨床応用品種を拡大して、薬剤耐性グラム陽性菌に対して非常に有効な抗菌薬物の開発が要求されている。
【発明の概要】
【0009】
臨床の需要を満足するために、本発明は、良好な抗菌活性を有する抗感染化合物を提供するものであり、具体的な技術案は以下のとおりである。
【0010】
一般式(I)で示される化合物、その薬学的に許容可能な塩、その異性体又はそのプロドラッグ;
【0011】
【化3】
【0012】
R1は(1) −OR6、(2) −NR6R6’、(3) −COR6、(4) −COOR6、(5) −OCOR6、(6) −CONR6R6’、(7) −NR6COR6’、(8) −OCONR6R6’、(9) −NR6COOR6’、(10) −NR6CONR6’R6、(11) −CSR6、(12) −CSOR6、(13) −OCSR6、(14) −CSNR6R6’、(15) −NR6CSR6’、(16) −OCSNR6R6’、(17) −NR6CSOR6’、(18) −NR6CSNR6’R6、(19) −NR6C(NR6)NR6’R6、(20) −S(O)pR6、(21) −SO2NR6R6’、又は(22) R6から選ばれるものであり、
p は0、1又は2であり、
R6、R6’は(1) 水素、(2) C1-6アルキル基、(3) C2-6アルケニル基、(4) C2-6アルキニル基、(5) 3-14員のシクロアルキル基、(6) 6-14員のアリール基、(7) N、S、O及び/又はSO2から選ばれるヘテロ原子を一つ又は複数を含む 3-14員のヘテロ環基、(8) −COC1-6アルキル基、(9) −COC2-6アルケニル基、又は(10) −COC2-6アルキニル基から選ばれるものであり、
R2、R3は独立に水素、ハロゲン又はC1-6アルキル基から選ばれるものであり、
Aは
【0013】
【化4】
【0014】
から選ばれるものであり、
Bは
【0015】
【化5】
【0016】
から選ばれるものであり、ただし、X、Y、W、Zはそれぞれ独立にC原子又はN原子であり、Qは独立にCH2、NH、O又はS原子であり、
R4は(1) 水素、(2) C1-6アルキル基、(3) C2-6アルケニル基、(4) C2-6アルキニル基、(5)3-14員のシクロアルキル基、(6) 6-14員のアリール基、(7) N、S、O及び/又はSO2から選ばれるヘテロ原子を一つ又は複数含む3-14員のヘテロ環基、(8) −COC1-6アルキル基、(9) −COC2-6アルケニル基、又は(10) −COC2-6アルキニル基から選ばれるものであり、
R5は無置換又は1-3個のR7で置換された以下の基から選ばれるものであり、
(1) 3-14員のシクロアルキル基、
(2) 6-14員のアリール基、
(3) 3-14員のヘテロ環基、又は
(4) 5-14員のヘテロアリール基、
R7は、ハロゲン、カルボキシ基、ヒドロキシ基、アミノ基、シアノ基、ニトロ基、C1-6アルキル基、カルボキシC1-6アルキル基、ヒドロキシC1-6アルキル基、アミノC1-6アルキル基、ハロゲン化C1-6アルキル基、C1-6アルコキシ基、ハロゲン化C1-6アルコキシ基、C1-6アルコキシC1-6アルキル基、C1-6アルキルアミノ基、ジ(C1-6アルキル)アミノ基、ジ(C1-6アルキル)アミノC1-6アルキル基、C1-6アルキルカルボニル基、C1-6アルキルカルボニルオキシ基、C1-6アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、カルバモイルC1-6アルキル基、C1-6アルキルカルバモイル基、ジ(C1-6アルキル)カルバモイル基、スルファモイル基、スルファモイルC1-6アルキル基、C1-6アルキルスルファモイル基、ジ(C1-6アルキル)スルファモイル基、C1-6アルキル基スルホニルアミノ基、C1-6アルキルスルホニル基、C1-6アルキルカルボニルアミノ基又はグアニジル基から選ばれるものである。
【0017】
好ましくは、式(I)は下記一般式(II)で示される構造を有する。
【0018】
【化6】
【0019】
ただし、R1、R2、R3、R4、R5、XとYは一般式(I)で定義した通りである。
【0020】
一般式(II)で示される化合物、その薬学的に許容可能な塩、その異性体又はそのプロドラッグにおいて、好ましくは以下のとおりである。
【0021】
R1は-NHCOCH3、-OH、-NH2、-NHC1-6アルキル基、
【0022】
【化7】
【0023】
から選ばれるものであり、
R2、R3は独立に水素又はハロゲンから選ばれるものであり、
X、Yはそれぞれ独立にC原子又はN原子であり、
R4は、(1) 水素、(2) C1-4アルキル基、(3) C2-4アルケニル基、(4) C2-4アルキニル基、(5) −C(O)C1-4アルキル基、(6) −C(O)C2-4アルケニル基、又は(7) −C(O)C2-4アルキニル基から選ばれるものであり、
R5は無置換又は1-3個のR7で置換された5-14員のヘテロアリール基から選ばれるものであり、該5-14員のヘテロアリール基はN、S、O及び/又はSO2から選ばれるヘテロ原子を一つ又は複数含み、
R7は、ハロゲン、カルボキシ基、ヒドロキシ基、アミノ基、シアノ基、ニトロ基、C1-4アルキル基、カルボキシC1-4アルキル基、ヒドロキシC1-4アルキル基、アミノC1-4アルキル基、ハロゲン化C1-4アルキル基、C1-4アルコキシ基、ハロゲン化C1-4アルコキシ基、C1-4アルコキシC1-4アルキル基、C1-4アルキルアミノ基、ジ(C1-4アルキル)アミノ基、ジ(C1-4アルキル)アミノC1-4アルキル基、C1-4アルキルカルボニル基、C1-4アルキルカルボニルオキシ基、C1-4アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、カルバモイルC1-4アルキル基、C1-4アルキルカルバモイル基、ジ(C1-4アルキル)カルバモイル基、スルファモイル基、スルファモイルC1-4アルキル基、C1-4アルキルスルファモイル基、ジ(C1-4アルキル)スルファモイル基、C1-4アルキルスルホニルアミノ基、C1-4アルキルスルホニル基、C1-4アルキルカルボニルアミノ基又はグアニジル基から選ばれるものである。
【0024】
一般式(II)で示される化合物、その薬学的に許容可能な塩、その異性体又はそのプロドラッグにおいて、好ましくは以下のとおりである。
【0025】
R1は-NHCOCH3又は-OHから選ばれるものであり、
R2、R3は独立に水素又はハロゲンから選ばれるものであり、
R4は水素又はC1-4アルキル基から選ばれるものであり、
X、Yはそれぞれ独立にC原子又はN原子から選ばれるものであり、
R5は無置換又は1-3個のR7で置換された5-8員のモノヘテロアリール基であり、該5-8員のモノヘテロアリール基はN、S、O及び/又はSO2から選ばれるヘテロ原子を一つ又は複数含み、
R7はC1-4アルキル基又はハロゲン化C1-4アルキル基から選ばれるものである。
【0026】
一般式(II)で示される化合物、その薬学的に許容可能な塩、その異性体又はそのプロドラッグにおいて、好ましくは以下のとおりである。
【0027】
R1は-NHCOCH3又は-OHから選ばれるものであり、
R2は水素であり、
R3はフッ素であり、
R4は水素であり、
XはC原子であり、
YはN原子であり、
R5は無置換又は1-2個のR7で置換された5-6員のモノヘテロアリール基から選ばれるものであり、該5-6員のモノヘテロアリール基はN、S又はOから選ばれるヘテロ原子を一つ又は複数含み、
R7はC1-4アルキル基又はハロゲン化C1-4アルキル基から選ばれるものである。
【0028】
一般式(I)で示される化合物、その薬学的に許容可能な塩、その異性体又はそのプロドラッグにおいて、好ましくは以下のとおりである。
【0029】
R1は-NHCOCH3又は-OHから選ばれるものであり、
R2は水素であり、
R3はフッ素であり、
R4は水素であり、
XはC原子であり、
YはN原子であり、
R5は無置換又は1-2個のR7で置換されたピロリル基、フラニル基、イミダゾリル基、1,2,4-トリアゾリル基、1,2,3-トリアゾリル基、ピラゾリル基、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、1,2,3-チアジアゾリル基、1,2,4-チアジアゾリル基、1,3,4-チアジアゾリル基、1,2,3-オキサジアゾリル基、1,2,4-オキサジアゾリル基、1,2,5-オキサジアゾリル基、ピリジニル基、ピリミジニル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、1,2,3,4-テトラゾリル基、ピラニル基又はピラジニル基から選ばれるものであり、
R7はC1-4アルキル基である。
【0030】
好ましくは、式(I)は下記一般式(III)で示される構造を有する。
【0031】
【化8】
【0032】
ただし、R1、R2、R3、R4、R5、Q、WとZは一般式(I)で定義した通りである。
【0033】
一般式(III)で示される化合物、その薬学的に許容可能な塩、その異性体又はそのプロドラッグにおいて、好ましくは以下のとおりである。
【0034】
R1は-NHCOCH3、-OH、-NH2、-NHC1-6アルキル基、
【0035】
【化9】
【0036】
から選ばれるものであり、
R2、R3は独立に水素又はハロゲンから選ばれるものであり、
W、Zはそれぞれ独立にC原子又はN原子であり、Qは独立にCH2、NH、O又はS原子であり、
R4は(1) 水素、(2) C1-4アルキル基、(3) C2-4アルケニル基、(4) C2-4アルキニル基、(5) −C(O)C1-4アルキル基、(6) −C(O)C2-4アルケニル基、又は(7) −C(O)C2-4アルキニル基から選ばれるものであり、
R5は無置換又は1-3個のR7で置換された5-14員のヘテロアリール基から選ばれるものであり、該5-14員のヘテロアリール基はN、S、O及び/又はSO2から選ばれるヘテロ原子を一つ又は複数含み、
R7は、ハロゲン、カルボキシ基、ヒドロキシ基、アミノ基、シアノ基、ニトロ基、C1-4アルキル基、カルボキシC1-4アルキル基、ヒドロキシC1-4アルキル基、アミノC1-4アルキル基、ハロゲン化C1-4アルキル基、C1-4アルコキシ基、ハロゲン化C1-4アルコキシ基、C1-4アルコキシC1-4アルキル基、C1-4アルキルアミノ基、ジ(C1-4アルキル)アミノ基、ジ(C1-4アルキル)アミノC1-4アルキル基、C1-4アルキルカルボニル基、C1-4アルキルカルボニルオキシ基、C1-4アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、カルバモイルC1-4アルキル基、C1-4アルキルカルバモイル基、ジ(C1-4アルキル)カルバモイル基、スルファモイル基、スルファモイルC1-4アルキル基、C1-4アルキルスルファモイル基、ジ(C1-4アルキル)スルファモイル基、C1-4アルキルスルホニルアミノ基、C1-4アルキルスルホニル基、C1-4アルキルカルボニルアミノ基又はグアニジル基から選ばれるものである。
【0037】
一般式(III)で示される化合物、その薬学的に許容可能な塩、その異性体又はそのプロドラッグにおいて、好ましくは以下のとおりである。
【0038】
R1は-NHCOCH3又は-OHから選ばれるものであり、
R2、R3は独立に水素又はハロゲンから選ばれるものであり、
R4は水素又はC1-4アルキル基から選ばれるものであり、
W、Zはそれぞれ独立にC原子又はN原子であり、Qは独立にNH、O又はS原子であり、
R5は無置換又は1-3個のR7で置換された5-8員のモノヘテロアリール基から選ばれるものであり、該5-8員のモノヘテロアリール基はN、S、O及び/又はSO2から選ばれるヘテロ原子を一つ又は複数含み、
R7はC1-4アルキル基又はハロゲン化C1-4アルキル基から選ばれるものである。
【0039】
更に好ましくは、
R1は-NHCOCH3又は-OHから選ばれるものであり、
R2は水素であり、
R3はフッ素であり、
R4は水素であり、
W、Zはそれぞれ独立にC原子又はN原子であり、Qは独立にO又はS原子であり、
R5は無置換又は1-2個のR7で置換された5-6員のモノヘテロアリール基から選ばれるものであり、該5-6員のモノヘテロアリール基はN、S又はOから選ばれるヘテロ原子を一つ又は複数含み、
R7はC1-4アルキル基又はハロゲン化C1-4アルキル基から選ばれるものである。
【0040】
更に好ましくは、
R1は-NHCOCH3又は-OHから選ばれるものであり、
R2は水素であり、
R3はフッ素であり、
R4は水素であり、
WはN原子であり、ZはC原子であり、QはS原子であり、
R5は無置換又は1-2個のR7で置換されたピロリル基、フラニル基、イミダゾリル基、1,2,4-トリアゾリル基、1,2,3-トリアゾリル基、ピラゾリル基、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、1,2,3-チアジアゾリル基、1,2,4-チアジアゾリル基、1,3,4-チアジアゾリル基、1,2,3-オキサジアゾリル基、1,2,4-オキサジアゾリル基、1,2,5オキサジアゾリル基、ピリジニル基、ピリミジニル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、1,2,3,4-テトラゾリル基、ピラニル基又はピラジニル基から選ばれるものであり、
R7はC1-4アルキル基である。
【発明を実施するための形態】
【0041】
本発明に係る「ハロゲン」とはフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等であり、好ましくはフッ素原子、塩素原子である。
【0042】
本発明に係る「C1-6アルキル基」は直鎖又は分岐鎖の1-6個の炭素原子を含有するアルキル基を示し、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、2-メチルプロピル基、1-メチルプロピル基、1,1-ジメチルエチル基、n−ペンチル基、3-メチルブチル基、2-メチルブチル基、1-メチルブチル基、1-エチルプロピル基、n−ヘキシル基、4-メチルペンチル基、3-メチルペンチル基、2-メチルペンチル基、1-メチルペンチル基、3,3-ジメチルブチル基、2,2-ジメチルブチル基、1,1-ジメチルブチル基、1,2-ジメチルブチル基、1,3-ジメチルブチル基、2,3-ジメチルブチル基、2-エチルブチル基、1,2-ジメチルプロピル基等であり、好ましくはC1-4アルキル基である。本発明に係る「C1-4アルキル基」とは1-4個の炭素原子を含む上記例である。
【0043】
本発明に係る「C2-6アルケニル基」とは二重結合を有する炭素原子数2-6の直鎖、分岐鎖又は環状のアルケニル基であり、例えば、エテニル基、1-プロペニル基、2-プロペニル基、1-メチルエテニル基、1-ブテニル基、2-ブテニル基、3-ブテニル基、1-メチル-1-プロペニル基、2-メチル-1-プロペニル基、1-メチル-2-プロペニル基、2-メチル-2-プロペニル基、1-ペンテニル基、2-ペンテニル基、3-ペンテニル基、4-ペンテニル基、1-メチル-1-ブテニル基、2-メチル-1-ブテニル基、3-メチル-1-ブテニル基、1-メチル-2-ブテニル基、2-メチル-2-ブテニル基、3-メチル-2-ブテニル基、1-メチル-3-ブテニル基、2-メチル-3-ブテニル基、3-メチル-3-ブテニル基、1,1-ジメチル-2-プロペニル基、1,2-ジメチル-1-プロペニル基、1,2-ジメチル-2-プロペニル基、1-エチル-1-プロペニル基、1-エチル-2-プロペニル基、1-ヘキセニル基、2-ヘキセニル基、3-ヘキセニル基、4-ヘキセニル基、5-ヘキセニル基、1-メチル-1-ペンテニル基、2-メチル-1-ペンテニル基、3-メチル-1-ペンテニル基、4-メチル-1-ペンテニル基、1-メチル-2-ペンテニル基、2-メチル-2-ペンテニル基、3-メチル-2-ペンテニル基、4-メチル-2-ペンテニル基、1-メチル-3-ペンテニル基、2-メチル-3-ペンテニル基、3-メチル-3-ペンテニル基、4-メチル-3-ペンテニル基、1-メチル-4-ペンテニル基、2-メチル-4-ペンテニル基、3-メチル-4-ペンテニル基、4-メチル-4-ペンテニル基、1,1-ジメチル-2-ブテニル基、1,1-ジメチル-3-ブテニル基、1,2-ジメチル-1-ブテニル基、1,2-ジメチル-2-ブテニル基、1,2-ジメチル-3-ブテニル基、1,3-ジメチル-1-ブテニル基、1,3-ジメチル-2-ブテニル基、1,3-ジメチル-2-ブテニル基、2,2-ジメチル-3-ブテニル基、2,3-ジメチル-1-ブテニル基、2,3-ジメチル-2-ブテニル基、2,3-ジメチル-3-ブテニル基、3,3-ジメチル-1-ブテニル基、3,3-ジメチル-2-ブテニル基、1-エチル-1-ブテニル基、1-エチル-2-ブテニル基、1-エチル-3-ブテニル基、2-エチル-1-ブテニル基、2-エチル-2-ブテニル基、2-エチル-3-ブテニル基、1,1,2-トリメチル-2-プロペニル基、1-エチル-1-メチル-2-プロペニル基、1-エチル-2-メチル-1-プロペニル基、1-エチル-2-メチル-2-プロペニル基、1,3-ブタジエニル基、1,3-ペンタジエニル基、1,4-ペンタジエニル基、2,4-ペンタジエニル基、1,4-ヘキサジエニル基、2,4-ヘキサジエニル基、シクロペンテニル基、1,3-シクロペンタジエニル基、シクロヘキセニル基及び1,4-シクロヘキサジエニル基等である。二重結合はシス式でもよく、トランス式でもよい。
【0044】
本発明に係る「C2-6アルキニル基」とは三重結合を有する炭素原子数2-6の直鎖又は分岐鎖のアルキニル基であり、例えば、エチニル基、1-プロピニル基、2-プロピニル基、2-ブチニル基、3-ブチニル基、1-メチル-2-プロピニル基、2-ペンチニル基、3-ペンチニル基、4-ペンチニル基、1-メチル-2-ブチニル基、1-メチル-3-ブチニル基、2-メチル-3-ブチニル基、1,1-ジメチル-2-プロピニル基、1-エチル-2-プロピニル基、2-ヘキシニル基、3-ヘキシニル基、4-ヘキシニル基、5-ヘキシニル基、1-メチル-2-ペンチニル基、4-メチル-2-ペンチニル基、1-メチル-3-ペンチニル基、2-メチル-3-ペンチニル基、1-メチル-4-ペンチニル基、2-メチル-4-ペンチニル基、3-メチル-4-ペンチニル基、1,1-ジメチル-2-ブチニル基、1,1-ジメチル-3-ブチニル基、1,2-ジメチル-3-ブチニル基、2,2-ジメチル-3-ブチニル基、1-エチル-2-ブチニル基、1-エチル-3-ブチニル基、2-エチル-3-ブチニル基及び1-エチル-1-メチル-2-プロピニル基等である。
【0045】
本発明に係る「C1-6アルコキシ基」、「C1-6アルキルアミノ基」、「ジ(C1-6アルキル)アミノ基」、「C1-6アルキルカルボニルオキシ基」、「C1-6アルコキシカルボニル基」、「C1-6アルキルカルボニル基」、「C1-6アルキルスルホニル基」、「C1-6アルキルスルホニルアミノ基」、「C1-6アルキルカルボニルアミノ基」、「C1-6アルキルカルバモイル基」、「ジ(C1-6アルキル)カルバモイル基」、「C1-6アルキルスルファモイル基」、「ジ(C1-6アルキル)スルファモイル基」とはそれぞれに「C1-6アルキル-O-」基、「C1-6アルキル-NH-」基、「(C1-6アルキル)2N-」基、「C1-6アルキル-C(O)-O-」基、「C1-6アルキル-O-C(O)-」基、「C1-6アルキル-C(O)-」基、「C1-6アルキル-SO2-」基、「C1-6アルキル-SO2-NH-」基、「C1-6アルキル-C(O)-NH-」基、「C1-6アルキル-NH-C(O)-」基、「(C1-6アルキル)2N-C(O)-」基、「C1-6アルキル-NH-SO2-」基、「(C1-6アルキル)2N-SO2-」基であり、ただし、「C1-6アルキル基」は上記で定義した通りである。
【0046】
本発明に係る「C1-4アルコキシ基」、「C1-4アルキルアミノ基」、「ジ(C1-4アルキル)アミノ基」、「C1-4アルキルカルボニルオキシ基」、「C1-4アルコキシカルボニル基」、「C1-4アルキルカルボニル基」、「C1-4アルキルスルホニル基」、「C1-4アルキルスルホニルアミノ基」、「C1-4アルキルカルボニルアミノ基」、「C1-4アルキルカルバモイル基」、「ジ(C1-4アルキル)カルバモイル基」、「C1-4アルキルスルファモイル基」、「ジ(C1-4アルキル)スルファモイル基」とはそれぞれに「C1-4アルキル-O-」基、「C1-4アルキル-NH-」基、「(C1-4アルキル)2N-」基、「C1-4アルキル-C(O)-O-」基、「C1-4アルキル-O-C(O)-」基、「C1-4アルキル-C(O)-」基、「C1-4アルキル-SO2-」基、「C1-4アルキル-SO2-NH-」基、「C1-4アルキル-C(O)-NH-」基、「C1-4アルキル-NH-C(O)-」基、「(C1-4アルキル)2N-C(O)-」基、「C1-4アルキル-NH-SO2-」基、「(C1-4アルキル)2N-SO2-」基であり、ただし、「C1-4アルキル基」は上記で定義した通りである。
【0047】
本発明に係る「ヒドロキシC1-6アルキル基」、「カルボキシC1-6アルキル基」、「アミノC1-6アルキル基」、「スルファモイルC1-6アルキル基」、「ジ(C1-6アルキル)アミノC1-6アルキル基」、「C1-6アルコキシC1-6アルキル基」、「カルバモイルC1-6アルキル基」とはそれぞれに一つ以上のヒドロキシ基、カルボキシ基、アミノ基、スルファモイル基、ジ(C1-6アルキル)アミノ基、C1-6アルコキシ基、カルバモイル基でC1-6アルキル基を置換して形成した基であり、ただし、「C1-6アルキル基」は上記で定義した通りである。
【0048】
本発明に係る「ヒドロキシC1-4アルキル基」、「カルボキシC1-4アルキル基」、「アミノC1-4アルキル基」、「スルファモイルC1-4アルキル基」、「ジ(C1-4アルキル)アミノC1-4アルキル基」、「C1-4アルコキシC1-4アルキル基」、「カルバモイルC1-4アルキル基」とはそれぞれに一つ以上のヒドロキシ基、カルボキシ基、アミノ基、スルファモイル基、ジ(C1-4アルキル)アミノ基、C1-4アルコキシ基、カルバモイル基でC1-4アルキル基を置換して形成した基であり、ただし、「C1-4アルキル基」は上記で定義した通りである。
【0049】
本発明に係る「ハロゲン化C1-6アルキル基」とは一つ以上の「ハロゲン」原子で「C1-6アルキル基」を置換して形成した基であり、前記「ハロゲン化C1-4アルキル基」とは一つ以上の「ハロゲン」原子で「C1-4アルキル基」を置換して形成した基であり、前記「ハロゲン」、「C1-6アルキル基」、及び「C1-4アルキル基」は上記で定義した通りである。
【0050】
本発明に係る「ハロゲン化C1-6アルコキシ基」とは、一つ以上の「ハロゲン」原子で「C1-6アルコキシ基」を置換して形成した基であり、前記「ハロゲン化C1-4アルコキシ基」とは一つ以上の「ハロゲン」原子で「C1-4アルコキシ基」を置換して形成した基であり、前記「ハロゲン」、「C1-6アルコキシ基」、「C1-4アルコキシ基」は上記で定義した通りである。
【0051】
本発明に係る「3-14員のシクロアルキル基」とは炭素原子3-14個の環状アルカン部から水素原子を一つ除去して誘導された基であり、3-8員のモノシクロアルキル基、6-14員の縮合シクロアルキル基を含み、好ましくは3-8員のモノシクロアルキル基、3-6員のモノシクロアルキル基及び5-6員のモノシクロアルキル基である。「3-8員のモノシクロアルキル基」、「3-6員のモノシクロアルキル基」、「5-6員のシクロアルキル基」はそれぞれに下記実例において炭素原子を3-8個、3-6個、5-6個含む具体のな実例である。
【0052】
3-8員のモノシクロアルキル基の実例として、以下の例を含むがこれらの例に限られない:シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、メチルシクロプロピル基、ジメチルシクロプロピル基、メチルシクロブチル基、ジメチルシクロブチル基、メチルシクロペンチル基、ジメチルシクロペンチル基、メチルシクロヘキシル基、ジメチルシクロヘキシル基等。
【0053】
6-14員の縮合シクロアルキル基とは二つ又は二つ以上の環状構造がお互いに隣り合う炭素原子を二つ共用することで形成された6-14員の環状基であり、好ましくは6-12員の縮合シクロアルキル基、6-10員の縮合シクロアルキル基である。その実例は以下の例を含むがこれらの例に限られない:ビシクロ[3.1.0]ヘキシル基、ビシクロ[4.1.0]ヘプチル基、ビシクロ[2.2.0]ヘキシル基、ビシクロ[3.2.0]ヘプチル基、ビシクロ[4.2.0]オクチル基、オクタヒドロシクロペンタジエニル基、オクタヒドロ-1H-インデニル基、デカヒドロナフチル基、テトラデカヒドロフェナントリル基等。
【0054】
7-12員の架橋環基とは、任意な二つの環が隣り合わない原子を二つ共用することで形成された、炭素原子又は/及びヘテロ原子を7-12個含有する構造であり、前記ヘテロ原子はN、S、O、CO、SO及び/又はSO2等から選ばれるものである。ただし、例えば、「7-10員の架橋環基」、「7-9員の架橋環基」、「7-8員の架橋環基」等を含む。その実例は以下の例を含むがこれらの例に限られない。例えば、
【0055】
【化10】
【0056】
等がある。
【0057】
7-12員のスピロ環基とは少なくとも二つの環が一つの原子を共有することで形成された、炭素原子又は/及びヘテロ原子を7-12個含有する構造であり、前記のヘテロ原子はN、S、O、CO、SO及び/又はSO2等から選ばれるものである。ただし、例えば、「7-10員のスピロ環基」、「7-9員のスピロ環基」、「7-8員のスピロ環基」等を含む。その実例は以下の例を含むがこれらの例に限られない。例えば、
【0058】
【化11】
【0059】
等がある。
【0060】
本発明に係る「6-14員のアリール基」とは環原子が6-14員の炭素原子である環状芳香族基であり、6-8員の単環アリール基及び8-14員の縮合環アリール基を含む。6-8員の単環アリール基はフェニル基、シクロオクタテトラエン基等を含む。8-14員の縮合環アリール基とは二つ又は二つ以上の環状構造がお互いに隣り合う炭素原子を二つ共用することで形成された環状基であり、ナフチル基、アントラセニル基及びフェナントリル基等を含み、更に8-14員の部分飽和縮合環アリール基、例えば、ベンゾ3-8員の単環シクロアルキル基を含み、具体的な実例は例えば、2,3-ジヒドロ-1H-インデニル基、1H-インデニル基、1,2,3,4-テトラヒドロナフチル基、1,4-ジヒドロナフチル基等であり、6-10員のアリール基が好ましく、ベンゼン又はベンゾ3-8員の単環シクロアルキル基が更に好ましい。
【0061】
前記の「5-14員のヘテロアリール基」について、その環原子は炭素原子以外、更に一つ又は複数のヘテロ原子を含み、前記「ヘテロ原子」はN、S、O、CO、SO及び/又はSO2等から選ばれるものである。ヘテロアリール基は炭素又はヘテロ環原子により結合してもよい。5-8員のモノヘテロアリール基及び8-14員の縮合複素アリール基を含む。
【0062】
5-8員のモノヘテロアリール基は5-6員のモノヘテロアリール基が好ましく、ピロリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、1,2,3-トリアゾリル基、1,2,4-トリアゾリル基、ピリジニル基、フラニル基、チェニル基、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、1,2,3-チアジアゾリル基、1,2,4-チアジアゾリル基、1,3,4-チアジアゾリル基、1,2,3-オキサジアゾリル基、1,2,4-オキサジアゾリル基、1,2,5-オキサジアゾリル基、1,2,3-トリアジニル基、1,2,4-トリアジニル基、テトラゾリル基、オキサトリアゾリル基、2H-1,2-オキサジニル基、4H-1,2-オキサジニル基、6H-1,2-オキサジニル基、2H-1,3-オキサジニル基、4H-1,3-オキサジニル基、6H-1,3-オキサジニル基、2H-1,4-オキサジニル基、4H-1,4-オキサジニル基、イソオキサジニル基、ピリダジニル基、ピリミジニル基及びピラジニル基等を含むが、これらに限定されるものではない。
【0063】
8-14員の縮合複素アリール基はベンゾフラニル基、イソベンゾフラニル基、ベンゾチェニル基、インドリル基、イソインドリル基、キノリル基、イソキノリル基、インドリジニル基、インダゾリル基、フタラジニル基、キノキサリニル基、キナゾリニル基、ベンゾジアジニル基、ベンゾイソオキサゾリル基、ベンゾオキサジニル基、ベンゾイミダゾリル基、ピリドピリジニル基、ピラゾロ[3,4-b]ピリジニル基、プリニル基、アクリジル基及びキサンテニル基等を含むが、これらに限定されるものではない。
【0064】
本発明に係る「3-14員のヘテロ環基」とはヘテロ原子を一つから複数までを含有する3-14員の環状基であり、前記「ヘテロ原子」はN、S、O、CO、SO及び/又はSO2等から選ばれるものであり、3-8員のモノヘテロ環基及び6-14員の縮合ヘテロ環基を含む。
【0065】
3-8員のモノヘテロ環基とは環原子(ただし、少なくともヘテロ原子を一つ含む)を3-8個含む単環ヘテロ環基であり、5-7員のモノヘテロ環基が好ましく、具体的な実例は2,5-ジヒドロチェニル基、4,5-ジヒドロピラゾリル基、3,4-ジヒドロ-2H-ピラニル基、5,6-ジヒドロ-4H-1,3-オキサジニル基、ジアジリン基、アゼチジン基、チアシクロブタン基、テトラヒドロフラニル基、テトラヒドロピロリル基、イミダゾリジニル基、ピラゾリジニル基、テトラヒドロフラニル基、1,4-ジオキサン基、1,3-ジオキサン基、1,3-ジチアシクロヘキサン基、モルホリニル基、ピペラジニル基等を含むが、これらに限定されるものではいない。
【0066】
6-14員の縮合ヘテロ環基とは環原子(ただし、ヘテロ原子を少なくとも一つ含む)を6-14個含む、二つ又は二つ以上の環状構造がお互いに隣り合う原子を二つ共用して結合させた縮合環構造であり、6-10員の縮合ヘテロ環基が好ましく、例えばベンゾ3-8員のモノヘテロ環基からなる構造、3-8員のモノヘテロ環基縮合3-8員のモノヘテロ環基からなる構造である。具体的な実例は1,3-ジヒドロベンゾフラニル基、ベンゾ[d][1.3]ジオキソール基、イソインドリニル基、クロマニル基、1,2,3,4-テトラヒドロピロロ[3,4-c]ピロール、
【0067】
【化12】
【0068】
等を含むが、これらに限られるものではない。
【0069】
本発明に係る「1-3個」とは一つ、二つ又は三つである。
【0070】
本発明に係る「3-8員」とは3員、4員、5員、6員、7員又は8員であり、5-8員が好ましく、5-7員がより好ましく、5-6員がより更に好ましい。
【0071】
下記表に本発明の化合物の例を示す。
【0072】
【表1A】
【0073】
【表1B】
【0074】
【表1C】
【0075】
本発明はさらに、上記化合物の製造方法に関するものであるが、以下の方法に限らない。
【0076】
反応方程式:
【0077】
【化13】
【0078】
反応ステップ:
ステップ1 中間体1の製造
原料1、原料2、無機塩基(例えばカリウムtert-ブトキシド、炭酸セシウム、炭酸カリウム等)及びパラジウム触媒(例えばPd(dppf)Cl2、Pd2(dba)3、Pd(PPh3)4、Pd(PPh3)2Cl2等)、BINAPをトルエンに溶解させて、加熱還流条件で一夜反応させた。水を加入して、エチルアセテートで抽出して、有機相を乾燥させ、濃縮し、固体をシリカゲルカラムにて分離して、中間体1を得た。
【0079】
ステップ2 本発明化合物(II)の製造
中間体1、原料3、無機塩基(例えば炭酸セシウム、炭酸カリウム等)及びパラジウム触媒(例えばPd(dppf)Cl2、 Pd(PPh3)4,Pd(PPh3)2Cl2等)をジオキサン及び水に溶解させ、原料が消失するまで加熱還流条件で反応させた。溶媒を蒸して乾燥させ、固体をシリカゲルカラムにて分離・精製して、本発明化合物(II)を得た。
【0080】
以上の反応方程式におけるR1、R2、R3、R4、R5、R6、X又はYは上記で定義した通りである。
【0081】
本発明式(III)化合物は式(II)化合物の方法に従って製造できる。
【0082】
本発明化合物の「薬学的に許容可能な塩」とは本発明化合物と薬学的に許容可能な非毒性塩基又は酸から形成する塩基加成塩又は酸加成塩であり、有機酸塩、無機酸塩、有機塩基塩、無機塩基塩を含む。有機酸塩はギ酸塩、酢酸塩、プロピオン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、2,3-ジヒドロキシコハク酸塩、カンファースルホン酸塩、クエン酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、プロパンスルホン酸塩、フマル酸塩、グルコン酸塩、グルタミン酸塩、ヒドロキシエタンスルホン酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、リンゴ酸塩、マンデル酸塩、粘液酸塩、パモン酸塩、パントテン酸塩、琥珀酸塩、酒石酸塩等を含み、特に、安息香酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、メタンスルホン酸塩、クエン酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、酒石酸塩が好ましい。無機酸塩は塩化水素酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硫酸塩、リン酸塩、硝酸塩等を含み、特に塩化水素酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、リン酸塩が好ましい。有機塩基塩はアミン塩を含み、本発明化合物と第一、第二、第三アミン、環状アミン及び塩基イオン交換樹脂から形成された塩を含み、本発明化合物と以下の有機塩基から形成された塩でもよく、例えば、アルギニン、ベタイン、カフェイン、コリン、N,N’-ジベンジルエチレンジアミン、ジエチルアミン、2-ジエチルアミノエタノール、2-ジメチルアミノエタノール、エタノールアミン、エチレンジアミン、N-エチル-モルホリン、N-エチルピペリジン、メグルミン、アミノグルコース、ヒスチジン、ヒドラバミン、イソプロピルアミン、リシン、メチルグルコサミン、モルホリン、ピペラジン、ピペリジン、プロカイン、プリン、テオブロミン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリプロピルアミン及びトロメタモール等である。無機塩基塩は本発明化合物とアンモニア、アルカリ金属、アルカリ土類金属から形成された塩を含み、例えば、アンモニウム塩及びリチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、亜鉛塩、バリウム塩、アルミニウム塩、鉄塩、銅塩、第一鉄塩、マンガン塩、2価のマンガン塩であり、特にアンモニウム塩及びナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩が好ましい。本発明式(I)化合物は、リン酸とフォスフェートを形成し、さらに金属塩と式(I)化合物フォスフェート金属塩(例えば、フォスフェートジナトリウム塩)を形成する。
【0083】
本発明化合物の「プロドラッグ」とは、生理条件下、又は溶媒により分解される時、任意の式(I)化合物又は式(I)化合物の薬物に許容可能な塩の化合物に変換される化合物(原薬と称す)である。患者に投与される時、前体薬物は無活性でもよいが、生体内で活性化合物に変換される。本発明式(I)化合物がヒドロキシ基を有している時、アミノ酸、リン酸等とともにエステル型プロドラッグを形成し、プロドラッグは水又は酸溶液で安定して、血液中のエステラーゼ又はホスファターゼの作用により解離されて遊離化合物を形成する。本発明式(I)化合物のプロドラッグは原薬より優れた溶解性を有しており、動物体又は人体に吸収されやすく、血液でより効率的に原薬化合物に変換され、抗菌活性を発揮している。
【0084】
本発明化合物の「異性体」とは、化学式が同一であるが構造が異なる化合物であり、構像異性体(構造異性体)及び立体異性体(配置異性体)等を含む。「立体異性体」とは、本発明化合物が不斉中心を一つ又は複数含有する場合を意味し、ラセミ体及びラセミ混合物、単一鏡像異性体、ジアステレオ異性体混合物及び単一ジアステレオ異性体を含む。本発明化合物は不斉中心を有しており、このような不斉中心はそれぞれ独立に二つの光学異性体を生じており、本発明の範囲は全ての光学異性体、ジアステレオ異性体混合物及び単純の又は一部単純の化合物を含む。本発明に係る化合物がオレフィン二重結合を含有する場合、特別な説明がない限りには、シス式異性体及びトランス式異性体を含む。
【0085】
本発明に係る化合物は互変異性体として存在してもよく、一つ又は複数の二重結合が変位することにより、異なる水素の結合点を有している。各互変異性体及びその混合物は本発明の化合物に含まれている。
【0086】
例えば、本発明式(I)で示される化合物及びその製造過程における中間体は、R5
【0087】
【化14】
【0088】
の場合、互変を発生することがあり、これらの一つを製造すると、その互変異性体を製造することに相当する。全ての上記場合に該当する本発明化合物及びその製造中間体はいずれも同一であると認められ、本発明の範囲に含まれている。
【0089】
【化15】
【0090】
本発明は更に医薬組成物を提供し、前記組成物は、上記の本発明一般式(I)化合物又はその薬学的に許容可能な塩、これらの異性体又はそのプロドラッグと、一種又は多種の薬用キャリア及び/又は希釈剤とを含むものである。上記組成物は臨床的又は薬学的に許容可能な任意の剤型に加工されてもよく、経口製剤及び注射剤が好ましい。
【0091】
本発明化合物又はその薬学的に許容可能な塩又はこれらの異性体は、経口、非経口(静脈内、筋肉内、皮下又は直腸)、局所等の投与等により哺乳動物例えば人に投与できる。本発明化合物の用量範囲は約0.1-100 mg/kg体重/日で、例えば3-50 mg/kg体重/日である。
【0092】
非経口投与に用いられる時、本発明化合物又はその薬学的に許容可能な塩又はこれらの異性体を、筋肉内注射、静脈注射、点滴静脈注射、皮下注射等の滅菌溶液型、エマルション型、分散液型又は懸濁型製剤などの注射剤に製剤化でき、使用直前に溶液、分散液又は懸濁液として調製又は希釈する注射用滅菌粉末又は濃縮溶液に製剤化できる。
【0093】
前記注射剤は従来の製薬分野における一般的な方法により製造でき、水性溶媒又は非水性溶媒を採用できる。最も常用の水性溶媒は注射用水であり、0.9 %塩素化ナトリウム溶液又はその他の適宜な水溶液を使用してもよい。常用の非水性溶媒は植物油(例えば注射用大豆油)であり、その他は、エタノール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール等の水溶液等がある。注射剤を調製する時、添加剤を加入しなくてもよく、薬物の特性により例えば浸透圧調整剤、pH値調整剤、可溶化剤、充填剤、酸化防止剤、静菌剤、乳化剤、懸濁化剤等の適宜な添加剤を加入してもよい。常用の浸透圧調整剤は塩素化ナトリウム、グルコース、塩素化カリウム、塩素化マグネシウム、塩素化カルシウム、ソルビトール等を含み、塩素化ナトリウム又はグルコースが好ましい。常用のpH値調整剤は酢酸-酢酸ナトリウム、乳酸、クエン酸-クエン酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム-炭酸ナトリウム等を含む。常用の可溶化剤はポリソルベート80、プロピレングリコール、レシチン、ポリオキシエチレンヒマシ油等を含む。常用の充填剤はラクトース、マンニトール、ソルビトール、デキストラン等を含む。常用の酸化防止剤は亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、ピロ亜硫酸ナトリウム等を含む。常用の静菌剤はフェノール、クレゾール、トリクロロ- t-ブタノール等である。
【0094】
前記医薬組成物は常用の方法により座剤、軟膏剤、クリーム剤、パッチ、パウダー、噴霧剤、吸入剤等を含む直腸又は局所投与の剤型に加工されてよい。
【0095】
経口投与に用いられる時、常用の方法により本発明化合物又はその薬学的に許容可能な塩又はこれらの異性体は、例えば錠剤、カプセル剤、丸剤、粒剤等の一般的な固体製剤として調製されてもよく、例えば経口液剤、経口懸濁剤、シロップ等の経口液体製剤として調製されてもよい。錠剤は経口普通錠を始めとして、トローチ剤、舌下錠、バッカルパッチ、咀嚼錠、分散錠、可溶性錠、発泡錠、徐放性錠剤、放出制御錠剤及び腸溶錠等もある。カプセル剤はその溶解及びリリース特性により、硬カプセル剤、軟カプセル剤、徐放性カプセル剤、放出制御カプセル剤及び腸溶カプセル剤等に分けてもよい。丸剤は滴丸剤、シュガー・ピル、小丸剤等を含む。粒剤は可溶性粒子、懸濁粒子、発泡粒子、腸溶性粒子、徐放性粒子及び放出制御粒子等に分けられる。
【0096】
経口製剤を製造する時、適宜な充填剤、粘着剤、崩壊剤、滑剤等を加入してもよい。常用の充填剤は澱粉、粉砂糖、リン酸カルシウム、硫酸カルシウム二水和物、デキストリン、微晶セルロース、ラクトース、アルファ澱粉、マンニトール等を含む。常用の粘着剤はカルボキシメチルセルロースナトリウム、PVP−K30、ヒドロキシプロピルセルロース、澱粉スラリー、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、糊化澱粉等を含む。常用の崩壊剤は乾燥澱粉、クロスポビドン、架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチル澱粉ナトリウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース等を含む。常用の滑剤はステアリン酸マグネシウム、タルク粉末、ドデシル硫酸ナトリウム、微粉化シリカゲル等を含む。
【0097】
その一方で、本発明は更に、本発明一般式(I)化合物又はその薬学的に許容可能な塩、若しくはこれらの異性体の、感染性疾患を治療及び/又は予防する薬物の製造における使用を提供するものである。
【0098】
更にその一方で、本発明は、更に、感染性疾患を治療及び/又は予防する方法を提供するものであり、本発明一般式(I)化合物又はその薬学的に許容可能な塩又はこれらの異性体をこのような治療又は予防が必要な哺乳動物(例えば人)に投与することを含む。
【0099】
実験によって、本発明化合物は良好な抗菌活性を有しており、様々な感染性疾患の治療及び/又は予防に使用可能であることが証明された。
【0100】
本発明のオキサゾリドン抗菌剤はグラム陽性菌に対して良好な抗菌活性を有しており、グラム陽性薬剤耐性菌に対しても良好な抗菌活性を有しており、グラム陽性菌による様々な疾患の治療及び/又は予防に使用可能である。
【0101】
以下、抗菌活性実験により本発明化合物の有益な効果を更に説明するが、以下の有益な效果に限られると理解するわけではない。
【0102】
[実験例1 本発明化合物の体外抗菌活性]
供試菌株:メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)、メシチリン感受性黄色ブドウ球菌(MSSA)、メチシリン耐性表皮ブドウ球菌(MRSE)、メシチリン感受性黄色ブドウ球菌(MSSE)、エンテロコッカス‐フェシウム、エンテロコッカス‐フェカーリス、肺炎レンサ球菌。製造元:千佛山医院、雲南省第一人民医院、上海仁済医院、吉林省人民医院、西南医院。
【0103】
試体:本発明化合物1、3、4、6、8、11であり、各実施例方法に従って製造する。
【0104】
対照薬:リネゾリド。
【0105】
実験方法:標準寒天希釈法、NationalCommittee for Clinical Laboratory Standards.2006.Methods for DilutionAntimicrobial Susceptibility Tests for Bacteria That Grow Aerobically、Approved Standard−Seventh Edition M7-A7を参照。
【0106】
実験結果及び結論:
表2に本発明化合物の抗菌活性を示す。
【0107】
【表2】
【0108】
実験の結果は、リネゾリドに比べ、本発明化合物はすべての供試菌株に対して良好な抗菌活性を有しており、両者の差異が明らかであるので、本発明化合物が良好な臨床に使用される潜在能力を有していることを示した。
【0109】
[実験例2 本発明化合物のラット生体内薬代動力学実験]
試体: 化合物2、3、5、7、9であり、実施例により製造して、生理食塩水で溶解させる。
【0110】
試験動物
【0111】
【表3】
【0112】
実験方法
投与 下記表に従って投与する。投与前16時間摂食せずに摂水させ、投与後4時間に摂食させた。
【0113】
【表4】
【0114】
採血 I.V: 下記表の時間点に従って採血し、各時間点に100 μl程度の全血を採取してヘパリンナトリウム抗凝固チューブに加入し、低温高速遠心分離機により4℃、8000回転数/分、6分間で遠心分離して、血漿を分離し、血漿を冷凍庫で-80℃冷凍保存する。
【0115】
【表5】
【0116】
血漿試料分析
化合物5、7、9:それぞれ血漿20 μlを採取して濃度が50 ng/mlのTorezolid(TR-700)メタノール溶液100 μlを加入し、ボルテックスミキサーで均一に5分間混合して、12000回転数/分で5分間遠心分離し、上清液100 μlを採取して水100μlに加入し、ボルテックスミキサーで均一に2分間混合して、LC-MS/MSにより分析した。
【0117】
化合物2:血漿20 μlを採取して濃度が50 ng/mlのラデゾリド(Radezolid)のメタノール溶液100 μlを加入し、ボルテックスミキサーで均一に3分間混合して、12000回転数/分で5分間遠心分離し、上清液100 μlを採取して水100μlに加入し、ボルテックスミキサーで均一に2分間混合して、LC-MS/MSにより分析した。
【0118】
化合物3:血漿20 μlを採取して800 μl濃度が10 ng/mlのKBP-3957メチルtert-ブチルエーテル溶液を加入し、ボルテックスミキサーで均一に10分間混合して、12000回転数/分で5分間遠心分離し、上清液400 μlを採取して96ウェルプレートに加入し、窒素ガスを吹いて乾燥させて、メタノール:水(7:3)溶液200μlに加入し、ボルテックスミキサーで均一に10分間混合して、LC-MS/MSにより分析した。
【0119】
追跡検出
化合物2は化合物1のプロドラッグであり、化合物5は化合物4のプロドラッグであり、化合物7は化合物6のプロドラッグであり、化合物9は化合物8のプロドラッグである。したがって、投与後、原薬化合物1、4、6、8のPKデータをそれぞれに検出した。
【0120】
計算公式
絶対生物学的利用率F% = [AUC]INF (PO)*Dose(IV) /[AUC]INF (IV) *Dose(PO)
実験結果
下記の表を参照
【0121】
【表6】
【0122】
実験結論
上記の表からわかるように、本発明化合物は良好な薬代動力学特性を有しており、成薬性が良好である。
【0123】
<具体的な実施方式>
以下、実施例形態の具体的な実施方式により、本発明の上記内容について更に詳しく説明する。しかしながら本発明の上記主題の範囲は以下の実施例に限られると理解するわけではない。本発明の上記内容により実現できる技術はいずれも本発明の範囲に属する。
【0124】
実施例1: (R)-3-(3-フルオロ-4-(6-((2-メチル-2H-テトラゾール-5-イル)アミノ)ピリジン-3-イル)フェニル)-5-(ヒドロキシメチル)オキサゾリジン-2-オン(化合物1)の製造
【0125】
【化16】
【0126】
(1) 5-ブロモ-N-(2-メチル-2H-テトラゾール-5-イル)ピリジン-2-アミンの製造
【0127】
【化17】
【0128】
2-メチル-2H-テトラゾール-5-アミン(7.7g、78mmol)、2-クロロ-5-ブロモピリジン(10g、52mmol)、及びカリウムtert-ブトキシド(11.6g、104 mmol)をTHF 100mLに溶解させ、加熱還流条件で12h反応させた。水を加入して、エチルアセテートで抽出して、有機相を乾燥させ、濃縮し、固体をシリカゲルカラム(ジクロロメタン:メタノール=100:1)にて分離して、5-ブロモ-N-(2-メチル-2H-テトラゾール-5-イル)ピリジン-2-アミン 200mgを得た。収率は1.5%である。
【0129】
(2) (R)-3-(3-フルオロ-4-(6-((2-メチル-2H-テトラゾール-5-イル)アミノ)ピリジン-3-イル)フェニル)-5-(ヒドロキシメチル)オキサゾリジン-2-オンの製造
【0130】
【化18】
【0131】
5-ブロモ-N-(2-メチル-2H-テトラゾール-5-イル)ピリジン-2-アミン(200mg、 0.78 mmol)、(R)-3-(3-フルオロ-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン(dioxaborolan)-2-イル)フェニル)-5-(ヒドロキシメチル) オキサゾリジン-2-オン(317mg、0.94mmol)、炭酸セシウム(508mg、1.56mmol)及びPd(dppf)Cl2(90mg、0.16mmol)をジオキサン16mL及び水4mLに溶解させ、 100℃まで加熱して6h反応させた。溶媒を蒸して乾燥させ、固体をシリカゲルカラム(ジクロロメタン:メタノール=40:1)にて分離して、(R)-3-(3-フルオロ-4-(6-((2-メチル-2H-テトラゾール-5-イル)アミノ)ピリジン-3-イル)フェニル)-5-(ヒドロキシメチル) オキサゾリジン-2-オン 90mgを得た。 収率は30%である。
【0132】
分子式:C17H16FN7O3 質量分析(m/e):386.2 (M+1)
1HNMR:(400MHz、DMSO-d6) 10.48(s, 1H), 8.42(s, 1H),7.93(d, 1H), 7.65(d, 1H), 7.60(m, 2H), 7.44(d, 1H), 5.24 (m, 1H), 4.73 (m, 1H),4.29 (s, 3H), 4.12(t, 1H), 3.87 (m, 1H), 3.67 (m, 1H), 3.58 (m, 1H). 。
【0133】
実施例2: (S)-N-((3-(3-フルオロ-4-(6-((2-メチル-2H-テトラゾール-5-イル)アミノ)ピリジン-3-イル)フェニル)-2-オキソオキサゾリジン-5-イル)メチル)アセトアミド(化合物3)の製造
【0134】
【化19】
【0135】
(1) (S)-N-((3-(3-フルオロ-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル)-2-オキソ-オキサゾリジン-5-イル)メチル)アセトアミドの製造
【0136】
【化20】
【0137】
乾燥させた反応瓶に1,4-ジオキサン30 mL、 (S)-N-((3-(3-フルオロ-4-ブロモフェニル)-2-オキソオキサゾリジン-5-イル)メチル)アセトアミド3.31 g (10 mmol)、ビス(ピナコラト)ジボロン2.54 g (10 mmol)、及び酢酸カリウム0.98 g (10 mmol)を加入して、ここにアルゴンを導入した後、Pd(PPh3)2Cl2 0.3 gを加入し、続いて反応液にアルゴンを導入し、90 ℃攪拌して一夜反応させた。得られた反応混合物を室温まで冷却させ、且つ硅藻土により濾過して、エチルアセテート及び塩水で抽出して、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮し、灰色固体を析出させてから、濾過して生成物3.22 gを得た。収率は85.2%である。
【0138】
(2) (S)-N-((3-(3-フルオロ-4-(6-(2-メチル-2H-テトラゾール-5-イルアミノ)ピリジン-3-イル)フェニル)-2-オキソオキサゾリジン-5-イル)メチル)アセトアミドの製造
【0139】
【化21】
【0140】
(R)-3-(3-フルオロ-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル)-5-(ヒドロキシメチル)オキサゾリジン-2-オンを(S)-N-((3-(3-フルオロ-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル)-2-オキソオキサゾリジン-5-イル)メチル)アセトアミドに変えた以外、実施例1(2)と同様にして作製した。収率は15%である。
【0141】
分子式:C19H19FN8O3 質量分析(m/e):427.2 (M+1)
1HNMR:(400MHz、DMSO-d6) 10.48(s, 1H), 8.42(s, 1H),8.25(t, 1H), 7.93(d, 1H), 7.75(d, 1H), 7.62(m, 2H), 7.40(d, 1H), 4.77(m, 1H),4.29 (s, 3H), 4.16(t, 1H), 3.78 (m, 1H), 3.37 (t, 2H), 1.81 (s, 3H). 。
【0142】
実施例3: (R)-3-(3-フルオロ-4-(6-((1-メチル-1H-テトラゾール-5-イル)アミノ)ピリジン-3-イル)フェニル)-5-(ヒドロキシメチル) オキサゾリジン-2-オン(化合物4)の製造
【0143】
【化22】
【0144】
(1) 5-ブロモ-N-(1-メチル-1H-テトラゾール-5-イル)ピリジン-2-アミンの製造
【0145】
【化23】
【0146】
2-メチル-2H-テトラゾール-5-アミンを1-メチル-1H-テトラゾール-5-アミンに変えた以外、実施例1(1)と同様にして作製し、収率は33%である。
【0147】
(2) (R)-3-(3-フルオロ-4-(6-((1-メチル-1H-テトラゾール-5-イル)アミノ)ピリジン-3-イル)フェニル)-5-(ヒドロキシメチル)オキサゾリジン-2-オンの製造
【0148】
【化24】
【0149】
5-ブロモ-N-(2-メチル-2H-テトラゾール-5-イル)ピリジン-2-アミンを5-ブロモ-N-(1-メチル-1H-テトラゾール-5-イル)ピリジン-2-アミンに変えた以外、実施例1(2)と同様にして作製し、収率は11%である。
【0150】
分子式:C17H16FN7O3 質量分析(m/e):386.2 (M+1)
1H-NMR (400MHz, DMSO,): δ 3.32-3.56(m,1H), 3.58-3.71(m, 1H), 3.85-3.87(m, 1H), 3.95(S, 3H), 4.10-4.15(t, 1H),4.72-4.74(t, 1H), 5.23-5.25(t, 1H), 7.44-7.46(t, 1H), 7.60-7.66(m, 2H),7.81-7.84(d, 1H), 7.98-8.01(d, 1H), 8.46(s, 1H), 10.38(s, 1H) 。
【0151】
実施例4: (R)-(3-(3-フルオロ-4-(6-((1-メチル-1H-テトラゾール-5-イル)アミノ)ピリジン-3-イル)フェニル)-2-オキソオキサゾリジン-5-イル)メチルフォスフェートジナトリウム塩(化合物5)の製造
【0152】
【化25】
【0153】
(1) (R)-(3-(3-フルオロ-4-(6-((1-メチル-1H-テトラゾール-5-イル)アミノ)ピリジン-3-イル)フェニル)-2-オキソオキサゾリジン-5-イル)メチルジヒドロフォスフェートの製造
【0154】
【化26】
【0155】
(R)-3-(3-フルオロ-4-(6-((1-メチル-1H-テトラゾール-5-イル)アミノ)ピリジン-3-イル)フェニル)-5-(ヒドロキシメチル)オキサゾリジン-2-オン(200mg、0.52mmol)を30mL THFに溶解させ、氷水浴でトリエチルアミン(262mg、2.6mmol)を加入して、半時間後オキシ塩化リン(397mg、2.6mmol)を加入して、室温で12h反応させ、水を滴下して(180mg、10mmol)、濾過して生成物140mgが得られ、収率は57%である。
【0156】
(2) (R)-(3-(3-フルオロ-4-(6-((1-メチル-1H-テトラゾール-5-イル)アミノ)ピリジン-3-イル)フェニル)-2-オキソオキサゾリジン-5-イル)メチルフォスフェートジナトリウム塩の製造
【0157】
【化27】
【0158】
(R)-(3-(3-フルオロ-4-(6-((1-メチル-1H-テトラゾール-5-イル)アミノ)ピリジン-3-イル)フェニル)-2-オキソオキサゾリジン-5-イル)メチルジヒドロフォスフェート(140mg、0.3mmol)を15mLメタノールに溶解させ、メタノールナトリウム(48mg、0.9mmol)を加入し、室温で12h反応させ、濾過して生成物110mgが得られ、収率は71.6%である。
【0159】
分子式:C17H15FN7Na2O6P 質量分析(m/e):466.0 (M+1)
1H-NMR(400MHz, DMSO): δ3.88-3.90(m, 1H), 3.95(S, 3H), 4.02-4.09(m, 2H), 4.19(t, 1H), 4.93(s, 1H),7.43-7.45(d, 1H), 7.62-7.68(m, 2H), 7.96-7.98(d, 1H), 8.13(3, 1H), 8.23-8.26(d, 1H), 8.53(d, 1H) 。
【0160】
実施例5: (R)-3-(3-フルオロ-4-(6-(メチル(1-メチル-1H-テトラゾール-5-イル)アミノ)ピリジン-3-イル)フェニル)-5-(ヒドロキシメチル) オキサゾリジン-2-オン(化合物6)の製造
【0161】
【化28】
【0162】
(1) 5-ブロモ-N-メチル-N-(1-メチル-1H-テトラゾール-5-イル)ピリジン-2-アミンの製造
【0163】
【化29】
【0164】
5-ブロモ-N-(1-メチル-1H-テトラゾール-5-イル)ピリジン-2-アミン(1g、3.9mmol)をTHF 50mLに溶解させ、ゆっくりとカリウムtert-ブトキシド(0.88g、7.8mmol)及びヨウ化メチル(1.1g、7.8mmol)を加入して、 70℃まで加熱して12h反応させた。濾過して、濃縮後、シリカゲルカラム(ジクロロメタン:メタノール=100:1)にて分離して生成物330mgが得られ、収率は31%である。
【0165】
(2) (R)-3-(3-フルオロ-4-(6-(メチル(1-メチル-1H-テトラゾール-5-イル)アミノ)ピリジン-3-イル)フェニル)-5-(ヒドロキシメチル) オキサゾリジン-2-オンの製造
【0166】
【化30】
【0167】
5-ブロモ-N-(2-メチル-2H-テトラゾール-5-イル)ピリジン-2-アミンを5-ブロモ-N-メチル-N-(1-メチル-1H-テトラゾール-5-イル)ピリジン-2-アミンに変えた以外、実施例1(2)と同様にして作製し、収率は24%である。
【0168】
分子式:C18H18FN7O3 質量分析(m/e):400.2 (M+1)
1H-NMR(400MHz, DMSO): δ 3.45(s, 3H)、3.57(m, 1H), 3.66(m, 1H),3.76(S, 3H), 3.84-3.88(t, 1H), 4.09-4.11(t, 1H), 4.72-4.73(t, 1H), 5.22-5.25(t,1H), 7.15-7.17(d, 1H), 7.42-7.45(d, 1H), 7.56-7.65(m, 2H), 7.96-7.99(d, 1H),8.36(s, 1H) 。
【0169】
実施例6: (R)-(3-(3-フルオロ-4-(6-(メチル(1-メチル-1H-テトラゾール-5-イル)アミノ)ピリジン-3-イル)フェニル)-2-オキソオキサゾリジン-5-イル)メチルフォスフェートジナトリウム塩(化合物7)の製造
【0170】
【化31】
【0171】
(1) (R)-(3-(3-フルオロ-4-(6-(メチル(1-メチル-1H-テトラゾール-5-イル)アミノ)ピリジン-3-イル)フェニル) オキサゾリジン-2-オン-5-イル)メチルジヒドロフォスフェートの製造
【0172】
【化32】
【0173】
(R)-3-(3-フルオロ-4-(6-((1-メチル-1H-テトラゾール-5-イル)アミノ)ピリジン-3-イル)フェニル)-5-(ヒドロキシメチル) オキサゾリジン-2-オンを(R)-3-(3-フルオロ-4-(6-(メチル(1-メチル-1H-テトラゾール-5-イル)アミノ)ピリジン-3-イル)フェニル)-5-(ヒドロキシメチル) オキサゾリジン-2-オンに変えた以外、実施例4(1)と同様にして作製し、収率は74%である。
【0174】
(2) (R)-(3-(3-フルオロ-4-(6-(メチル(1-メチル-1H-テトラゾール-5-イル)アミノ)ピリジン-3-イル)フェニル)-2-オキソオキサゾリジン-5-イル)メチルフォスフェートジナトリウム塩の製造
【0175】
【化33】
【0176】
(R)-(3-(3-フルオロ-4-(6-((1-メチル-1H-テトラゾール-5-イル)アミノ)ピリジン-3-イル)フェニル)-2-オキソオキサゾリジン-5-イル)メチルジヒドロフォスフェートを(R)-(3-(3-フルオロ-4-(6-(メチル(1-メチル-1H-テトラゾール-5-イル)アミノ)ピリジン-3-イル)フェニル)-2-オキソオキサゾリジン-5-イル)メチルジヒドロフォスフェートに変えた以外、実施例4(2)と同様にして作製し、収率は61%である。
【0177】
分子式:C18H17FN7Na2O6P 質量分析(m/e):480.0 (M+1)
1H-NMR(400MHz, DMSO): δ3.47(s、3 H), 3.75(S, 3H), 3.85-3.89(t, 1H), 4.01-4.08(m, 2H), 4.15-4.20(s,1H), 7.15-7.17(d、1H), 7.40-7.43(d, 1H), 7.57-7.63(m, 2H), 7.96-7.99(d,1H), 8.31(s, 1H), 8.34(s, 1H) 。
【0178】
実施例7: (R)-3-(3-フルオロ-4-(6-(メチル(2-メチル-2H-テトラゾール-5-イル)アミノ)ピリジン-3-イル)フェニル)-5-(ヒドロキシメチル) オキサゾリジン-2-オン(化合物8)の製造
【0179】
【化34】
【0180】
(1) 5-ブロモ-N-メチル-N-(2-メチル-2H-テトラゾール-5-イル)ピリジン-2-アミンの製造
【0181】
【化35】
【0182】
5-ブロモ-N-(1-メチル-1H-テトラゾール-5-イル)ピリジン-2-アミンを5-ブロモ-N-(2-メチル-2H-テトラゾール-5-イル)ピリジン-2-アミンに変えた以外、実施例5(1)と同様にして作製し、収率は31%である。
【0183】
(2) (R)-3-(3-フルオロ-4-(6-(メチル(2-メチル-2H-テトラゾール-5-イル)アミノ)ピリジン-3-イル)フェニル)-5-(ヒドロキシメチル) オキサゾリジン-2-オンの製造
【0184】
【化36】
【0185】
5-ブロモ-N-(2-メチル-2H-テトラゾール-5-イル)ピリジン-2-アミンを5-ブロモ-N-メチル-N-(2-メチル-2H-テトラゾール-5-イル)ピリジン-2-アミンに変えた以外、実施例1(2)と同様にして作製し、収率は27%である。
【0186】
分子式:C18H18FN7O3 質量分析(m/e):400.2 (M+1)
1H-NMR(400MHz, DMSO): δ 3.58(d, 1H),3.65 (m, 4H), 3.85-3.88(m, 1H), 4.1-4.14(t, 1H), 4.32(s, 3H), 4.73-4.74(t, 1H),5.24(s, 1H), 7.44-7.46(d, 1H), 7.59-7.65(m, 2H), 7.93-8.01(d, 2H), 8.52(s, 1H) 。
【0187】
実施例8: (R)-(3-(3-フルオロ-4-(6-(メチル(2-メチル-2H-テトラゾール-5-イル)アミノ)ピリジン-3-イル)フェニル)-2-オキソオキサゾリジン-5-イル)メチルフォスフェートジナトリウム塩(化合物9)の製造
【0188】
【化37】
【0189】
(1) (R)-(3-(3-フルオロ-4-(6-(メチル(2-メチル-2H-テトラゾール-5-イル)アミノ)ピリジン-3-イル)フェニル)-2-オキソオキサゾリジン-5-イル)メチルジヒドロフォスフェートの製造
【0190】
【化38】
【0191】
(R)-3-(3-フルオロ-4-(6-((1-メチル-1H-テトラゾール-5-イル)アミノ)ピリジン-3-イル)フェニル)-5-(ヒドロキシメチル) オキサゾリジン-2-オンを(R)-3-(3-フルオロ-4-(6-(メチル(2-メチル-2H-テトラゾール-5-イル)アミノ)ピリジン-3-イル)フェニル)-5-(ヒドロキシメチル) オキサゾリジン-2-オンに変えた以外、実施例4(1)と同様にして作製し、収率は67%である。
【0192】
(2) (R)-(3-(3-フルオロ-4-(6-(メチル(2-メチル-2H-テトラゾール-5-イル)アミノ)ピリジン-3-イル)フェニル)-2-オキソオキサゾリジン-5-イル)メチルフォスフェートジナトリウム塩の製造
【0193】
【化39】
【0194】
(R)-(3-(3-フルオロ-4-(6-((1-メチル-1H-テトラゾール-5-イル)アミノ)ピリジン-3-イル)フェニル)-2-オキソオキサゾリジン-5-イル)メチルジヒドロフォスフェートを(R)-(3-(3-フルオロ-4-(6-(メチル(2-メチル-2H-テトラゾール-5-イル)アミノ)ピリジン-3-イル)フェニル)-2-オキソオキサゾリジン-5-イル)メチルジヒドロフォスフェートに変えた以外、実施例4(2)と同様にして作製し、収率は94%である。
【0195】
分子式:C18H17FN7Na2O6P 質量分析(m/e):480.0 (M+1)
1H-NMR(400MHz, DMSO): δ3.196 (s, 3H), 3.84-4.02(m, 4H), 4.19(s, 3H), 4.84(s, 1H), 7.08(s, 1H),7.21-7.24(d, 2H), 7.41-7.43(d, 1H), 7.85-7.861(d, 1H), 8.13 (s, 1H) 。
【0196】
実施例9: (R)-3-(3-フルオロ-4-(6-((1-メチル-1H-ピラゾール-3-イル)アミノ)ピリジン-3-イル)フェニル)-5-(ヒドロキシメチル) オキサゾリジン-2-オン(化合物10)の製造
【0197】
【化40】
【0198】
(1) 5-ブロモ-N-(1-メチル-1H-ピラゾール-3-イル)ピリジン-2-アミンの製造
【0199】
【化41】
【0200】
2-メチル-2H-テトラゾール-5-アミンを1-メチル-1H-ピラゾール-3-アミンに変えた以外、実施例1(1)と同様にして作製し、収率は9%である。
【0201】
(2) (R)-3-(3-フルオロ-4-(6-(1-メチル-1H-ピラゾール-3-イル)アミノ)ピリジン-3-イル)フェニル)-5-(ヒドロキシメチル) オキサゾリジン-2-オンの製造
【0202】
【化42】
【0203】
5-ブロモ-N-(2-メチル-2H-テトラゾール-5-イル)ピリジン-2-アミンを5-ブロモ-N-(1-メチル-1H-ピラゾール-3-イル)ピリジン-2-アミンに変えた以外、実施例1(2)と同様にして作製し、収率は16%である。
【0204】
分子式:C19H18FN5O3 質量分析(m/e):384.2 (M+1)
1H-NMR (400MHz, DMSO): δ3.573-3.574(m, 1H), 3.774(m, 1H), 3.737(s, 3H), 3.85-3.87(t, 1H), 4.089-4.11(t,1H), 4.72-4.73(m, 1H), 5.22-5.25(t, 1H), 6.29-6.30(s, 1H), 7.31-7.33(d, 1H),7.31-7.33(d, 1H), 7.39-7.72 (m, 3H), 7.72-7.75(d, 1H), 8.28(s, 1H), 9.39(s, 1H) 。
【0205】
実施例10: (R)-3-(3-フルオロ-4-(6-((1-メチル-1H-1,2,3-トリアゾール-5-イル)アミノ)ピリジン-3-イル)フェニル)-5-(ヒドロキシメチル) オキサゾリジン-2-オン(化合物11a)の製造
【0206】
【化43】
【0207】
5-ブロモ-N-(2-メチル-2H-テトラゾール-5-イル)ピリジン-2-アミンを5-ブロモ-N-(1-メチル-1H-1,2,3-トリアゾール-5-イル)ピリジン-2-アミンに変えた以外、実施例1(2)と同様にして作製し、収率は11%である。
【0208】
分子式:C18H17FN6O3 質量分析(m/e):385.2 (M+1)
1H NMR (DMSO-d6): δ 9.86(s,1H), 8.36(s, 1H), 7.91(m, 1H), 7.78(d, 1H), 7.57(m, 2H), 7.42(d, 1H), 7.10(d,1H), 5.24(s, 1H), 4.73(m, 1H), 4.21(s, 1H), 4.08(s, 3H), 3.86(m, 1H), 3.67(m,1H), 3.57(m, 1H) 。
【0209】
化合物11aの製造方法に従って、化合物11をも製造できる。
【0210】
実施例11: (R)-3-(3-フルオロ-4-(6-((2-メチル-2H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)アミノ)ピリジン-3-イル)フェニル)-5-(ヒドロキシメチル)オキサゾリジン-2-オン(化合物12)の製造
【0211】
【化44】
【0212】
(1) 5-ブロモ-N-(2-メチル-2H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)ピリジン-2-アミンの製造
【0213】
【化45】
【0214】
2-メチル-2H-テトラゾール-5-アミンを2-メチル-2H-1,2,3-トリアゾール-4-アミンに変えた以外、実施例1(1)と同様にして作製し、収率は50%である。
【0215】
(2) (R)-3-(3-フルオロ-4-(6-((2-メチル-2H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)アミノ)ピリジン-3-イル)フェニル)-5-(ヒドロキシメチル) オキサゾリジン-2-オンの製造
【0216】
【化46】
【0217】
5-ブロモ-N-(2-メチル-2H-テトラゾール-5-イル)ピリジン-2-アミンを5-ブロモ-N-(2-メチル-2H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)ピリジン-2-アミンに変えた以外、実施例1(2)と同様にして作製し、収率は11%である。
【0218】
分子式:C18H17FN6O3 質量分析(m/e):385.2 (M+1)
1H NMR (DMSO-d6): δ 9.92(s,1H), 8.33(s, 1H), 8.19(m, 1H), 7.75(d, 1H), 7.58(m, 2H), 7.43(t, 1H),6.99(d,1H), 5.25(s, 1H), 4.73 (m, 1H), 4.12 (s, 1H), 4.01(s, 3H), 3.86(m, 1H),3.68(m, 1H), 3.56 (m, 1H) 。
【0219】
実施例12: 3-((3-フルオロ-4-(6-((1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)アミノ)ピリジン-3-イル)-3-フルオロフェニル)-5-(ヒドロキシメチル) オキサゾリジン-2-オン(化合物13a)の製造
1) 1-(メトキシメチル)-4-ニトロ-1H-1,2,3-トリアゾールの製造
【0220】
【化47】
【0221】
4-ニトロ-1H-1,2,3-トリアゾール(6.468 g, 56.707 mmol)及び炭酸カリウム(15.683 g, 113.472 mmol)をアセトン150 mLに加入し、氷浴でクロロメチルメチルエーテル(4.74 mL、62.407 mmol)を上記混合物に滴下して、終止後反応液に水及びエチルアセテートを加入して分液させ、水相をエチルアセテートで抽出して、有機相を併せて、飽和塩素化ナトリウムで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過して、濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(エチルアセテート:石油エーテル=1:5)にて分離して、浅黄色液体である1-(メトキシメチル)-4-ニトロ-1H-1,2,3-トリアゾール 5.517 gが得られ、収率は61.5%である。
【0222】
2) 1-(メトキシメチル)-4-アミノ-1H-1,2,3-トリアゾールの製造
【0223】
【化48】
【0224】
1-(メトキシメチル)-4-ニトロ-1H-1,2,3-トリアゾール(5.517 g, 34.891 mmol)、亜鉛粉体(22.697 g, 349.185 mmol)及び塩素化アンモニウム(18.678 g, 349.187 mmol)を順次にメタノール(100 mL)とテトラヒドロフラン(100 mL)との混合溶媒に加入し、18時間攪拌して、不溶物を吸引ろ過により除去し、濃縮して黄褐色油状物である1-(メトキシメチル)-4-アミノ-1H-1,2,3-トリアゾール3.56 gが得られ、収率は79.6%である。
【0225】
3) 5-ブロモ-N-(1-(メトキシメチル)-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)ピリジン-2-アミンの製造
【0226】
【化49】
【0227】
1-(メトキシメチル)-4-アミノ-1H-1,2,3-トリアゾール(3.56 g, 27.784 mmol)、2,5-ジブロモピリジン(19.608 g, 82.773 mmol)及びカリウムtert-ブトキシド(9.345 g, 83.252 mmol)をDMF(100 mL)に加入して、70℃まで昇温し、72時間攪拌し、反応液を水に注入した後、エチルアセテートで抽出して、合わせた有機相を飽和塩素化ナトリウム溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(エチルアセテート:石油エーテル=1:30)にて分離して、黄色固体である5-ブロモ-N-(1-(メトキシメチル)-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)ピリジン-2-アミン0.318 gが得られ、収率は4%である。
【0228】
4) 3-(3-フルオロ-4-(6-((1-(メトキシメチル)-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)アミノ基)ピリジン-3-イル)フェニル)-5-(ヒドロキシメチル)オキサゾリジン-2-オン
【0229】
【化50】
【0230】
5-ブロモ-N-(1-(メトキシメチル)-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)ピリジン-2-アミン(0.318 g,1.119 mmol)、3-(3-フルオロ-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル)-5-(ヒドロキシメチル) オキサゾリジン-2-オン(0.852 g,2.527 mmol)、炭酸ナトリウム(0.357 g, 3.368 mmol)、PdCl2(dppf)2 (0.064 g)をジオキサン20 mL及び2滴の水に加入し、窒素雰囲気下、還流条件で18 h反応させ、室温まで冷却させ、濾過して、濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(CH3OH:CH2Cl2=1:25)を経て、3-(3-フルオロ-4-(6-((1-(メトキシメチル)-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)アミノ)ピリジン-3-イル)フェニル)-5-(ヒドロキシメチル)オキサゾリジン-2-オン粗生成物0.709 gを得た。
【0231】
5) 3-((3-フルオロ-4-(6-((1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)アミノ)ピリジン-3-イル)-3-フルオロフェニル)-5-(ヒドロキシメチル) オキサゾリジン-2-オンの製造
【0232】
【化51】
【0233】
以上のステップで得られた3-(3-フルオロ-4-(6-((1-(メトキシメチル)-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)アミノ)ピリジン-3-イル)フェニル)-5-(ヒドロキシメチル) オキサゾリジン-2-オン粗生成物をテトラヒドロフラン20 mLに溶解させ、溶液に6N塩酸20 mL及び濃塩酸4 mLを加入して、還流条件で18 h反応させた。濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(CH3OH:CH2Cl2=1:50)をへて、浅黄色固体を得た。メタノールで再結晶して3-(3-フルオロ-4-(6-((1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)アミノ)ピリジン-3-イル)-3-フルオロフェニル)-5-(ヒドロキシメチル) オキサゾリジン-2-オン70 mgが得られ、2つのステップの収率は16.9%である。
【0234】
1H NMR (DMSO-d6) : 10.10 (br. s., 1H), 8.36(s, 1H), 7.96 - 8.07 (m, 1H), 7.86 (m, 1H), 7.53 - 7.67 (m, 1H), 7.44 (m, 1H),7.04 - 7.18 (m, 1H), 4.73 (m, 1H), 4.12 (m, 1H), 3.87 (m,2H), 3.68 (m, 2H) 。
【0235】
上記化合物13aの製造方法に従って、化合物13をも製造できる。
【0236】
実施例13: (R)-3-(3-フルオロ-4-(2-((2-メチル-2H-テトラゾール-5-イル)アミノ)チアゾール-5-イル)フェニル)-5-(ヒドロキシメチル) オキサゾリジン-2-オン(化合物14)の製造
【0237】
【化52】
【0238】
(1) 5-ブロモ-N-(2-メチル-2H-テトラゾール-5-イル)チアゾール-2-アミンの製造
【0239】
【化53】
【0240】
2-クロロ-5-ブロモピリジンを2,5-ジブロモチアゾールに変えた以外、実施例1(1)と同様にして作製し、収率は27%である。
【0241】
(2) tert-ブチル5-ブロモチアゾール-2-イル(2-メチル-2H-テトラゾール-5-イル)カーボネート(tert-butyl (5-bromothiazol-2-yl(2-methyl-2H-tetrazol-5-yl))carbonate)の製造
【0242】
【化54】
【0243】
5-ブロモ-N-(2-メチル-2H-テトラゾール-5-イル)チアゾール-2-アミン(0.7g、2.68mmol)及びトリエチルアミン(0.8mL、5.72mmol)をジクロロメタン50mLに溶解させ、Boc2O(0.7g、3.2mmol)を滴下して、室温で12h攪拌し、水を加入してエチルアセテートで抽出して、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮した後、生成物0.84gが得られ、収率は97%である。
【0244】
(3) tert-ブチル (R)-5-(2-フルオロ-4-(5-(ヒドロキシメチル)-2-オキソオキサゾリジン-3-イル)フェニル)チアゾール-2-イル(2-メチル-2H-テトラゾール-5-イル)カーボネートの製造
【0245】
【化55】
【0246】
5-ブロモ-N-(2-メチル-2H-テトラゾール-5-イル)ピリジン-2-アミンをtert-ブチル5-ブロモチアゾール-2-イル(2-メチル-2H-テトラゾール-5-イル)カーボネートに変えた以外、実施例1(2)と同様にして作製し、収率は16%である。
【0247】
(4) (R)-3-(3-フルオロ-4-(2-((2-メチル-2H-テトラゾール-5-イル)アミノ)チアゾール-5-イル)フェニル)-5-(ヒドロキシメチル) オキサゾリジン-2-オンの製造
【0248】
【化56】
【0249】
tert-ブチル (R)-5-(2-フルオロ-4-(5-(ヒドロキシメチル)-2-オキソオキサゾリジン-3-イル)フェニル)チアゾール-2-イル(2-メチル-2H-テトラゾール-5-イル)カーボネート(180mg、0.37mmol)を30mLジクロロメタンに溶解させ、TFA(0.4mL、5mmol)を加入して、室温で一夜反応させた。濃縮した後、シリカゲルカラム(ジクロロメタン:メタノール=20:1)により粗生成物を精製して、(R)-3-(3-フルオロ-4-(2-((2-メチル-2H-テトラゾール-5-イル)アミノ)チアゾール-5-イル)フェニル)-5-(ヒドロキシメチル) オキサゾリジン-2-オン50mgを得た。
【0250】
分子式:C15H14FN7O3S 質量分析(m/e):392.2 (M+1)
1H NMR (DMSO-d6): δ 12.07 (s, 1H),7.72(m, 2H), 7.63(m, 1H), 7.40(d, 1H), 5.23(s, 1H), 4.73(m, 1H), 4.31(s, 3H),4.10(t, 1H), 3.85(t, 1H), 3.68(m, 1H), 3.56(m, 1H) 。
【0251】
実施例14: (R)-(3-(3-フルオロ-4-(6-((2-メチル-2H-テトラゾール-5-イル)アミノ)ピリジン-3-イル)フェニル)-2-オキソオキサゾリジン-5-イル)メチルフォスフェートジナトリウム塩(化合物2)の製造
【0252】
【化57】
【0253】
(1) (R)-(3-(3-フルオロ-4-(6-((2-メチル-2H-テトラゾール-5-イル)アミノ)ピリジン-3-イル)フェニル)-2-オキソオキサゾリジン-5-イル)メチルジヒドロフォスフェートの製造
【0254】
【化58】
【0255】
(R)-3-(3-フルオロ-4-(6-((1-メチル-1H-テトラゾール-5-イル)アミノ)ピリジン-3-イル)フェニル)-5-(ヒドロキシメチル) オキサゾリジン-2-オンを(R)-3-(3-フルオロ-4-(6-((2-メチル-2H-テトラゾール-5-イル)アミノ)ピリジン-3-イル)フェニル)-5-(ヒドロキシメチル) オキサゾリジン-2-オンに変えた以外、実施例4(1)と同様にして作製した。
【0256】
(2) (R)-(3-(3-フルオロ-4-(6-(メチル(2-メチル-2H-テトラゾール-5-イル)アミノ)ピリジン-3-イル)フェニル)-2-オキソオキサゾリジン-5-イル)メチルフォスフェートジナトリウム塩の製造
【0257】
【化59】
【0258】
(R)-(3-(3-フルオロ-4-(6-((1-メチル-1H-テトラゾール-5-イル)アミノ)ピリジン-3-イル)フェニル)-2-オキソオキサゾリジン-5-イル)メチルジヒドロフォスフェートを(R)-(3-(3-フルオロ-4-(6-((2-メチル-2H-テトラゾール-5-イル)アミノ)ピリジン-3-イル)フェニル)-2-オキソオキサゾリジン-5-イル)メチルジヒドロフォスフェートに変えた以外、実施例4(2)と同様にして作製した。
【0259】
分子式:C17H15FN7Na2O6P 質量分析(m/e):465.1 (M+1)
1H-NMR(400MHz, DMSO): δ7.98 (s, 1H), 7.51(d, 1H), 7.06-7.17(m, 2H), 6.96-7.00(m, 2H), 4.75-4.82(m,1H), 4.12(s, 3H), 3.81-3.96(m, 4H) 。