(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
各前記アンカピン連結ロングアームが、第1の円周方向のアンカピン連結ショートアームの隣あり、及び、反対側の第2の円周方向で間隔をおいて離れているアンカピン連結ショートアームから離れている、
請求項8に記載のステントグラフト搬送システム。
前記近位側アンカステントリングが、前記アンカピン連結ショートアームから近位側に延びたショートアーム延長部と、前記ショートアーム延長部の近位端に連結された延長部アンカピンと、をさらに含む、
請求項1に記載のステントグラフト搬送システム。
【背景技術】
【0002】
血管または生体の他の類似の器官の移植のための補綴具は、通常、よく知られた医術である。例えば、生体適合性材料から形成された補綴血管(例えば、ダクロンまたは延伸された多孔性ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)管)が、損傷を受けたまたは閉塞した自然血管を置き換えるか、またはバイパスするために採用されている。
【0003】
フレームワークで支持されたグラフトは、ステントグラフトまたは腔内移植片として知られる。一般的に、血管動脈瘤および疾患による血管壁の菲薄化または肥厚化した血管の壁の治療または分離(腔内修復または排除)のためのステントグラフトの使用は、よく知られている。
【0004】
多くのステントグラフトは、「自己拡張式」であり、すなわち、収縮すなわち縮められた状態で血管系に挿入され、拘束が取り除かれると拡張が可能となる。自己拡張式ステントグラフトは、典型的には、ワイヤまたはチューブを採用し、(例えば、曲げるか、または切断されて)ステントとして作用して、半径方向外方へ向かう力を与えるように構成されており、適切な弾性材料、例えば、ステンレス鋼またはニチノール(ニッケル−チタニウム)を採用している。ニチノールは、形状記憶特性をさらに用いることも可能である。
【0005】
自己拡張式ステントグラフトは、通常、管形状で、ステントグラフトを使う予定の血管の直径より少し大きい直径の移植寸法になるように作られている。一般的には、外傷性および侵襲性である開腹手術を使う動脈瘤の修復の代わりに、典型的には、より侵襲性の少ない腔内送達により、ステントおよびステントグラフトが配置される、すなわち、好都合な(そして外傷性のより少ない)エントリーポイントで皮膚を切開し連続的伸張により管腔または脈管構造または経皮的にアクセスし、ステントグラフトを、補綴具が配置される部位まで血管管腔を通して送り届ける。
【0006】
一例では、腔内配置は、同軸インナチューブ(時々プランジャーと呼ばれることもある)を有する送達カテーテル、および相対的な軸方向の動きのために配置されている中間部材(シースと呼ばれることもある)を使って、行われる。ステントグラフトは、収縮され、大部分のインナチューブの前のシースの遠位端内に配置される。
【0007】
次に、カテーテルは、誘導されて、カテーテルの末端(およびステントグラフト)が、目的の治療部位の近傍に配置されるまで、通常は、管腔(例えば、血管)を通って送られる。インナチューブは、次に、送達カテーテルのシースが後退させられている間、静止状態で保持される。インナチューブに取り付けられたステントストップは、シースが後退させられるとき、ステントグラフトが後退するのを防ぐ。
【0008】
シースが後退させられるにつれ、ステントグラフトは徐々に、ステントグラフトの近位端から遠位端まで露出し、ステントグラフトの露出した部分は、半径方向に拡張し、それにより、少なくとも一部の拡張部分が血管壁の内面の一部に実質的に適合して面接触する。
【0009】
ステントグラフトの近位端は、配置の間、血液流路に沿って、心臓に最も近い端であり、一方、遠位端は、血液流路に沿って、心臓から最も遠い端である。対照的で、注目すべきは、カテーテルの遠位端は、通常、オペレーター(ハンドル)から最も遠い端として特定され、一方、カテーテルの近位端は、オペレーター(ハンドル)から最も近い端である。本明細書で使われる考察の明確さの目的のために、カテーテルの遠位端は、オペレーター(ハンドルから最も遠い端)から最も遠い端であり、一方、ステントグラフトの遠位端は、オペレーター(ハンドルから最も近い末端)から最も近い端である、すなわち、カテーテルの遠位端およびステントグラフトの近位端は、ハンドルから最も遠い端であり、一方、カテーテル近位端およびステントグラフトの遠位端は、ハンドルに最も近い端である。しかし、当業者なら、アクセス部位に応じて、ステントグラフトおよび搬送システムの記載は、実際の使用法と一致するか、または、逆であってもよいことは理解されよう。
【発明を実施するための形態】
【0015】
全体として、
図1と
図2を一緒に参照すると、ステントグラフト搬送システム100は、近位側アンカステントリング130を含むステントグラフト126を含む。近位側アンカステントリング130は、近位側頂部140およびそれぞれの近位側頂部140から近位方向に延びるアンカピン構造体144を含む。アンカピン構造体144は、アンカピン連結アーム146およびアンカピン136を含む。
【0016】
一例では、複数のアンカピン構造体144は、小さいカテーテルサイズに適用するように一緒に折り込まれている。さらに、アンカピン136は、展開されると、ステントグラフト126の移動を減らすか、無くする。またさらに、アンカ連結ピンアーム146は、長く柔軟性を有し、その結果、アンカピン構造体によるねじりと曲げ応力を分散させ、より柔軟性が少なく且つより短いフックに比べ、隣接する血管壁へのアンカピンの侵入を改善し、その荷重負荷能力を改善し、また、アンカピン構造体144のリリースの前にステントグラフト126のグラフト材料132(ステントグラフト材料は、
図2に示す)を開かせる。
【0017】
ここでさらに詳細に説明すると、
図1は、一実施形態におけるステントグラフト搬送システム100の部分透視図である。ステントグラフト搬送システム100は、ノーズコーンと呼ばれることもあるビュレットチップ(弾丸状先端部)102を含む。他のチップ形状も使用できる。
【0018】
インナチューブ104は、その中に、管腔、例えばガイドワイヤ管腔を形成している。インナチューブ104は、ビュレットチップ102内に配置され、ビュレットチップ102に固定されている、すなわち、ビュレットチップ102は、インナチューブ104上に取り付けられる。インナチューブ104の管腔は、ガイドワイヤが、インナチューブ104およびビュレットチップ102の中の通過できるようにしている。
【0019】
ビュレットチップ102は、直径が徐々に増加する弾丸形状のテーパー外表面106を含む。さらに具体的には、テーパー外表面106は、遠位端108で最小直径を有し、通常、近位になるにつれ、すなわち、遠位端108からオペレーター(ステントグラフト搬送システム100のハンドル)の方向に向かって、徐々に直径が増加する。
【0020】
テーパー外表面106は、ビュレットチップ102のチップ部の近位端まで近位方向に延びる。1次シース当接ショルダー110は、ステントグラフト搬送システム100の長手方向軸線「L」に垂直な環状棚部である。
【0021】
ビュレットチップ102は、ビュレットチップのチップ部分の近位端から近位方向に延びているスリーブ112をさらに含む。通常、スリーブ112は、例えば、ステンレス鋼で作られた中空円筒状チューブで、ビュレットチップの近位端から長手方向に近位側に延びている。
【0022】
ステントグラフト搬送システム100は、中間部材(チューブ)114をさらに含み、中央部材114は、中央部材114の遠位端に位置し中央部材114の遠位端に固定されているスピンドル116を備えている。ステントアンカと呼ばれることもあるスピンドル116はスピンドル本体118を備え、スピンドル本体118は、円筒状外表面と、スピンドル本体118から半径方向に外方に突出している複数のスピンドルピン120を有する。
【0023】
図1に示されているように、スピンドル116は、スピンドルピン120の端がスリーブ112の内側面と、直接あるいは極めて隣接して隣接する、または接触するようにスリーブ112の内側を滑るように構成されている。スピンドルピン120は、スピンドル本体118からスリーブ112の方向にスリーブ112まで延びている、一例では、スピンドル116は、3つの、しかも3つのみのスピンドルピン120を含む。スピンドル本体118の周りのスピンドルピン120の数を最小限にすることにより、スピンドルピン120を非常に頑丈にすることができる。
【0024】
一般的に、スピンドルピン120がスピンドル本体118から延びている直径方向長さは、スリーブ112の内径にほぼ等しいか、または少し小さくして、スピンドルピン120をスリーブ112の内側に滑り嵌めできるようにしている。環状空間122が、スリーブ112の内表面とスピンドル本体118の外表面の間に存在する。スピンドル116の遠位端は、スピンドル本体118に固定されているか、またはその本体に一体化されているチップストップ119を含み、ビュレットチップ102とスリーブ112が、アンカピン136のリリース方向に移動したときに、アンカピン136がビュレットチップ102の方向にスライドするのを防ぐ。
【0025】
インナチューブ104は、中間部材114およびスピンドル116内にあり、その中を通って延びている。インナチューブ104、従って、ビュレットチップ102は、中間部材114、従って、スピンドル116に対し長手方向軸線Lに沿って動き(長手方向に動き)、後述するように、ステントグラフト126の近位端をリリースする。ステントグラフト126は、引込み可能1次シース128内に配置前位置に配置されている(シース128がまだ引込まれていないとき)。本明細書で使われる用語の「ステントグラフト」は、ステントグラフトおよび他の形態の内部補綴具を含むと理解されるべきである。
【0026】
図2は、
図1のステントグラフト搬送システム100のステントグラフト126の拡大図である。
図1で、ステントグラフト126の遠位端および引込み可能1次シース128の近位端は、中間部材114およびスピンドル本体118を図示するために、破断されている。さらに、スリーブ112、および引込み可能1次シース128は、
図1では透明になり、その中の要素が見えるようになるが、スリーブ112と可能1次シース128は、他の例で図示されている。
【0027】
図1と
図2を一緒に参照すると、引込み可能1次シース128は、中空チューブであり、中間部材114およびインナチューブ104を収容する管腔を内部に構成している。引込み可能1次シース128は、
図1では、配置前位置に示されている。引込み可能1次シース128が、長手方向軸線”L”に沿って、搬送システムに対して近位方向に、中間部材114、スピンドル116、およびステントグラフト126に対して移動され、しばしば引込みとされ、ステントグラフト126の一部を、以下でさらに考察するように、展開させる。一例では、ステントグラフト126は、自己拡張式ステントグラフトで、そのため、ステントグラフト126は、半径方向に拘束された状態から解放されると、自己拡張する。
【0028】
半径方向に拘束されたステントグラフト126は、中間部材114およびスピンドル116の一部を取り囲む。ステントグラフト126は、引込み可能1次シース128内に配置され、その引込み可能1次シースにより半径方向に収縮されている。さらに、ステントグラフト126の近位チップと呼ばれることもある近位側アンカステントリング130は、半径方向に拘束され、スピンドル本体118の外表面およびスリーブ112の内表面の間の環状空間122内の適所に保持される。近位側アンカステントリング130は、ステントグラフト126の近位端にある。
【0029】
ステントグラフト126は、例えば、ポリエステルまたはダクロン材料から形成されるグラフト材料132を含む。グラフト材料132の縁は、
図2の点線で表されている。近位側アンカステントリング130は、例えば、スティッチングにより、グラフト材料132の近位端132Pに取り付けられている。
【0030】
ステントグラフト126は、例えば、超弾性自己拡張型記憶材料、例えば、ニチノールで形成され、グラフト材料132に取り付けられた1または2以上の弾性自己拡張型ステントリング134をさらに含む。近位側アンカステントリング130およびステントリング134は、例えば、縫合、接着剤、または他の手段によりグラフト材料132に取り付けられている。グラフト材料132およびステントリング134は、引込み可能1次シース128により半径方向に拘束されている(
図2には図示せず)。
【0031】
通常、ステントグラフト126は、グラフト材料132が、血管の罹患部分、例えば、動脈瘤にまたがる(「排除する」と呼ばれることもある)ように配置される。さらに、近位側アンカステントリング130、例えば、副腎ステント構造は、典型的には、罹患部分に隣接する血管の健康な部分、罹患部分よりも強い組織を有する健康な部分と係合される。後述するように、アンカピン136とともに近位側アンカステントリング130を形成することにより、アンカピン136は、健康な組織の血管壁中に侵入(着壁)し、その結果、近位側アンカステントリング130を丈夫な組織に繋ぎ止める。
【0032】
通常、ステントグラフト126のグラフト材料132、およびそれに取り付けられたステントリング134は、引き込み可能1次シース128により半径方向に拘束され、近位側アンカステントリング130の近位部分はスリーブ112により半径方向に拘束され、連続的、選択的、および独立したグラフト材料132の最初展開、続いて、ステントグラフト126の近位側アンカステントリング130の展開が可能となる。
【0033】
引込み可能1次シース128は、ビュレットチップ102の1次シース当接ショルダー110に隣接、またはこれに当接接触する遠位端128Dを含む。遠位端128Dは、スリーブ112に滑り嵌めし、また、一例では、スリーブ112上で半径方向内方に軽く押す。
【0034】
近位側アンカステントリング130は、近位側頂部140および遠位側頂部142の間で交互に配置されたジグザグパターンのストラット138を含む。遠位側頂部142は、ステントグラフト126のグラフト材料132に取り付けられている。
【0035】
近位側アンカステントリング130は、アンカピン構造体144をさらに含む。さらに具体的には、アンカピン構造体144は、各近位側頂部140から近位方向に延びている。解りやすく説明すると、複数のアンカピン構造体144の第1のアンカピン構造体144Aが、複数の近位側頂部140の第1の近位側頂部140Aから近位方向に延びている。さらに、複数のアンカピン構造体144の第2のアンカピン構造体144Bは、複数の近位側頂部140の第2の近位側頂部140Bから近位方向に延びている。
【0036】
アンカピン構造体144は、アンカピン連結アーム146およびアンカピン136を含む。解りやすく説明すると、第1のアンカピン構造体144Aは、複数のアンカピン連結アーム146の第1のアンカピン連結アーム146Aおよび複数のアンカピン136の第1のアンカピン136Aを含む。さらに、第2のアンカピン構造体144Bは、複数のアンカピン連結アーム146の第2のアンカピン連結アーム146Bおよび複数のアンカピン136の第2のアンカピン136Bを含む。
【0037】
下記で詳述するように、アンカピン構造体144は、小さいカテーテルサイズで収容されるように一緒に押し込まれている。さらに、アンカピン136は、展開されると、ステントグラフト126の移動を減らすか、無くする。またさらに、アンカピン連結アーム146は、長く、柔軟であり、その結果として、他のより短い、従って柔軟性の少ないアンカピンに比べて、点応力を減らし、応力を長さ全体に分配し、アンカピン136の荷重負荷能力を改善する。長いアームは、また、アンカピン構造体144のリリース前に、グラフト材料132の開花を促進し、開くことができるようにする。
【0038】
ストラット138は、オフセットストラット148および整列ストラット150を含む。オフセットストラット148は、整列ストラット150と同じであり、すなわち、ストラット138は全て構造上同じである。オフセットストラット148および整列ストラット150の間の区別は、アンカピン連結アーム146との関係に依存する。
【0039】
さらに具体的には、オフセットストラット148は、近位側頂部140および遠位側頂部142の間に直接、延び、アンカピン連結アーム146と共通の線上にはない。換言すれば、オフセットストラット148は、アンカピン連結アーム146から円周方向の片寄りがある。解りやすく説明すると、複数のオフセットストラット148の内の第1と第2のオフセットストラット148A,148Bは、アンカピン連結アーム146から円周方向にオフセットされている。
【0040】
対照的に、整列ストラット150は、アンカピン連結アーム146と共通線上にある。換言すれば、整列ストラット150は、ストラット長手方向軸線が、アンカピン連結アーム146の長手方向軸線とほぼ整列するように円周方向に位置決め(円周方向に整列)される。解りやすく説明すると、複数の整列ストラット150の第1と第2の整列ストラット150A、150Bは、それぞれ、第1と第2のアンカピン連結アーム146A、146Bと円周方向に整列される。さらに詳細には、第1のアンカピン連結アーム146Aは、第1の整列ストラット150Aの近位方向の延長部である。同様に、第2のアンカピン連結アーム146Bは、第2の整列ストラット150Bの近位方向の延長部である。
【0041】
この例においては、近位側アンカステントリング130は、繰り返しパターンのオフセットストラット148および整列ストラット150を含む。さらに詳細には、近位側アンカステントリング130は、1対(2つ)のオフセットストラット148と、一対の整列ストラット150と、一対のオフセットストラット148と、一対の整列ストラット150と、一対のオフセットストラット148と、一対の整列ストラット150との全体で12のストラット138を含む。近位側アンカステントリング130は、12のストラット138を含むとして説明されているが、別の例では類似の近位側アンカステントリングは、12よりも多いまたは少ないストラットを含む。
【0042】
繰り返しパターンのオフセットストラット148呼び整列ストラット150は、一対のオフセットストラット148または一対の整列ストラット150のいずれかに連結されている遠位側頂部142を生ずる。さらに具体的には、他の全ての遠位側頂部142は、一対の整列ストラット150に連結され、間にある遠位側頂部142は、一対のオフセットストラット148に連結されている。解りやすく説明すると、遠位側頂部142は、第1、第2、および第3遠位側頂部142A、142B、142Cを含む。第1および第3遠位側頂部142A、142Cは、整列ストラット150に連結されている(第1および第2整列ストラット150A、150Bを含む)。第2の遠位側頂部142Bは、第1と第3遠位側頂部142A、142Cの間にあり、オフセットストラット148、すなわち、第1と第2のオフセットストラット148A、148Bに連結されている。
【0043】
さらに、アンカピン連結アーム146は、アンカピン連結ロングアーム152およびアンカピン連結ショートアーム154を含む。ロングアーム152は、ショートアーム154より長い。ロングアーム152およびショートアーム154の使用は、隣接するアンカピン136間の干渉を相殺し且つ排除し、図のように、隣接し潜在的に干渉するアンカピン136が他のアンカピンの下に押し込まれるようにする。アンカピン136を押し込むことにより、近位側アンカステントリング130を極度に小さいサイズに収縮し、それにより、小さいカテーテルサイズに適合することを可能にする。
【0044】
この例においては、近位側アンカステントリング130は、交互パターンのロングアーム152およびショートアーム154を含む。さらに詳細には、近位側アンカステントリング130は、ロングアーム152と、ショートアーム154と、ロングアーム152と、ショートアーム154と、ロングアーム152と、ショートアーム154との、全体で3つのロングアーム152および3つのショートアーム154を含む。換言すれば、ロングアーム152は、ショートアーム154の間にあり、逆もまた同じである。近位側アンカステントリング130は、3つのロングアーム152および3つのショートアーム154を含むと説明されているが、別の例では、類似の近位アンカステントリングは、3つのロングアームおよび3つのショートアームより多い、または少ないアームを含む。
【0045】
さらに、各ロングアーム152は、1つのそれぞれのショートアーム、例えば154と、第1の円周方向に隣接しており、第2のそれぞれのショートアーム、例えば154と、反対の第2の円周方向に離れている。
【0046】
解りやすく説明すると、複数のロングアーム152の内の第1のロングアーム152Aは、複数のショートアーム154の内の第1のショートアーム154Aのすぐ隣にある。さらに具体的には、第1のロングアーム152Aおよび第1のショートアーム154A(隣接第1ショートアーム154Aと呼ばれることもある)間の距離は、収縮形態のときは、隣接ストラット、例えば138の間の距離にほぼ等しい。
【0047】
さらに、第1のロングアーム152Aは、複数のショートアーム154の第2のショートアーム154Bとは、空間156だけ間隔をおいて離れている。さらに具体的には、第1のロングアーム152Aと第2のショートアーム154B(第2のショートアーム154Bとは間隔をおいて離れていると呼ばれることもある)の間の空間156は、収縮形態の場合、ストラット138の円周方向幅の2倍にほぼ等しい円周方向幅、すなわち、第1および第2のオフセットストラット148A、148Bの幅にストラット138間の円周方向距離の3倍を加えた幅を有する。
【0048】
同様に、各ショートアーム154は、第2の円周方向にあるそれぞれのロングアーム152のすぐ隣にあり、反対の第1の円周方向に、それぞれのロングアーム152と間隔を置いて離れている。
【0049】
アンカピン136は、アンカピン連結アーム146の近位端に連結されている。アンカピン連結アーム146の遠位端は、近位側頂部140に連結されている。
【0050】
近位側アンカステントリング130の送達形態(送達プロファイル、収縮形態、または非拡張形態と呼ばれることもある)では、アンカピン136は、近位側頂部140と遠位側頂部142の間で交互するストラット138のジグザグパターンの内表面により規定される仮想円筒面の長手方向延長上にある。さらに、送達形態では、アンカピン136は、アンカピン連結アーム146からほぼ円周方向に延びている。アンカピン136は、円周方向に正確な角度で延びない、すなわち、アンカピン連結アーム146から正確に角度90°の方向に延びなくてもよい。一例では、アンカピン136は、アンカピン連結アーム146から角度80°で延びる、すなわち、角度アンカピン136とアンカピン連結アーム146の間の角度は、80°である。
【0051】
本明細書で使われる円周方向は、長手方向軸線「L」に垂直な面の交差部によって規定される円の外縁に沿った湾曲した円弧経路である。さらに、長手方向は、ステントグラフト126および搬送システム100の長手方向軸線Lに平行な方向である。
【0052】
アンカピン連結アーム146は、通常、長手方向に延び、一方、アンカピン136は、通常、円周方向、またはほぼ円周方向に延びるので、アンカピン136の長手方向は、アンカピン連結アーム146の長手方向に垂直、またはほぼ垂直である。
【0053】
各アンカピン136は、1つのアンカピン連結アームから、間隔をおいて隣接するアンカピン連結アームに向けて延びている。解りやすく説明すると、第1のアンカピン136Aは、第1のロングアーム152Aから、間隔をおいて隣接する第2のショートアーム154Bに向けて延びている。第2のアンカピン136Bは、第2のショートアーム154Bから、間隔をおいた第1のロングアーム152Aに向けて延びている。
【0054】
第2のアンカピン136Bは、第1の円周方向に延び、一方、第1のアンカピン136Aは、反対の第2の円周方向に延びている。上述したように、第1のロングアーム152Aと第2のショートアーム154Bの間の長手方向長さの差異に起因して、第1のアンカピン136Aは、第2のアンカピン136Bから長手方向にオフセットしている。さらに具体的には、第2のアンカピン136Bは、(
図2に示されるように、右側の)第1のアンカピン136Aの遠位側にあり、第2のアンカピン136Bが第1のアンカピン136Aの遠位側で押し込まれることが可能になる。
【0055】
アンカピン136の端が鋭くとがった先端158を有し、これが、ステントグラフト126が展開されたとき、血管壁中へのアンカピン136の侵入を容易にする。解りやすく説明すると、第1と第2のアンカピン136A、136Bは、第1と第2の鋭くとがった先端158A、158Bをそれぞれ含む。
【0056】
鋭くとがった先端158は、それぞれ、アンカピン連結アーム146から間隙をおいて隣接して配置されている。解りやすく説明すると、第1の鋭くとがった先端158Aは、第2のショートアーム154Bに隣接し、第2の鋭くとがった先端158Bは、第1のロングアーム152Aに隣接する。
【0057】
非拡張配置では、近位側頂部140、アンカピン136、およびアンカピン連結アーム146は、スピンドルピン受け部(開口部)160を規定する。スピンドルピン受け部160はポケット(開口部またはホールと呼ばれることもある)であり、ステントグラフト搬送システム100の径方向に延びるスピンドルピン120を取り囲んで、以下で詳述するように、配置前に、近位側アンカステントリング130の位置を、長手方向および円周方向に拘束し非拡張配置(たたまれた/収縮プロファイル)にする。
【0058】
解りやすく説明すると、複数のスピンドルピン受け部160の内の第1のスピンドルピン受け部160Aを基準にして、第1と第2の近位側頂部140A、140Bは、第1のスピンドルピン受け部160Aの遠位円周方向縁を規定する。第1のロングアーム152Aおよび第2のショートアーム154Bは、第1のスピンドルピン受け部160Aの長手方向縁を規定する。最終的に、第2のアンカピン136Bは、第1のスピンドルピン受け部160Aの近位円周方向縁を規定する。
【0059】
例を示すと、近位側アンカステントリング130は、一体素材、例えば、チューブ等に成形したニチノールからレーザー切断される。切断後、近位側アンカステントリング130は、例えば、マンドレルを使って、順次、拡張され、当業者なら本開示の態様から解ると思われる最終成形形状へと熱硬化される。一例では、マンドレルは、外方に延びる位置でアンカピン136の熱硬化を促進する突起型形状を含む。
【0060】
さらに、一例では、近位側アンカステントリング130は、一体型、すなわち、チューブからレーザー切断された単一片であり、相互に付着した複数の別々の小片ではないので、アンカピン136は、耐久性があり、例えば、折れる、または、別の形態での破損が生じにくい。さらに、有効な長さと柔軟性を有するようにアンカピン連結アーム146を成形することにより、応力が、アンカピン連結アーム146全体に分散され、その結果、アンカピン136の荷重負荷能力が改善される。例えば、ロングアーム152は、0.160インチ長で、ショートアーム154は、0.125インチ長である。比較のための一例では、アンカピン136は、0.050または0.040インチ長、配置前の近位側アンカステントリング130の外径は、0.128インチ、例えば、近位側アンカステントリング130が切り出されるチューブの外径は、0.128インチで、近位側アンカステントリング130の厚さは、0.008インチ、例えば、近位側アンカステントリング130が切り出されるチューブの厚さは0.008インチである。
【0061】
図3は、ステントグラフト126が収縮された送達形態にあるときの、
図2のステントグラフト126の第1と第2のアンカピン構造体144A、144Bの側面図である。
図4は、
図3の矢印方向IVからみた血管壁464を有する血管管腔462内のスリーブ112の配置を含む第1と第2のアンカピン構造体144A、144Bの端面図である。
図4では、単純化するため、スリーブ112およびステントグラフト搬送システム100第1と第2のアンカピン構造体144A、144Bのみが図示されている。しかし、追加のアンカピン構造体、例えば、144、およびステントグラフト搬送システム100の他の要素も
図4の図から通常は見えるはずであることは理解されたい。さらに、この図で認められる第2のアンカピン136Bの一部は、点線で図示し、第2のアンカピン136Bと第1のアンカピン136Aの間の区別を強調している。
【0062】
ここで、
図1、2、3、および4を一緒に参照すると、ステントグラフト126の配置を始めるために、引き込み可能1次シース128は、遠位端128Dがビュレットチップ102から間隔をおいて離れるように、部分的または完全に引込まれる。引込み可能1次シース128の引込みにより、ステントグラフト126の遠位部分が、露出され、部分的または完全に展開される。
【0063】
しかし、アンカピン構造体144は、スリーブ112とスピンドル本体118の間の環状空間122内に拘束され続ける。さらに具体的には、アンカピン136およびアンカピン連結アーム146の近位部分は、スリーブ112とスピンドル本体118の間の環状空間122内に拘束される。アンカピン連結アーム146の遠位部分は、引込み可能1次シース128によりリリースされるので、アンカピン連結アーム146の近位部分は、近位側アンカステントリング130の遠位部分の最初の部分的拡張が可能となり、この形態は、
図3の点線により示される。換言すれば、アンカピン連結アーム146は、柔軟であるので、付属しているグラフト材料132を含むステントリング134が開ける(自己拡張する)ようにする。
【0064】
ステントグラフト126が正しく配置され、引込み可能1次シース128が部分的にまたは完全に引込みされるとすぐに、近位側アンカステントリング130がリリースされ、スリーブ112を前進させることにより配置され、後述するように、その結果、ステントグラフト126が血管管腔462内の位置に部分的に固定される。さらに具体的には、近位側アンカステントリング130およびそのアンカピン136が完全にリリースされると、第1と第2のアンカピン136A、136Bを、以下で詳細に述べるように、その初期の円周方向から外方に向き、半径方向の外方に、
図3、4に矢印466で示す方向に延びる。本明細書で使われる半径方向は、上述したように、ストラット138のジグザグパターンにより規定される仮想円筒面に垂直な方向で、ステントグラフトの長手方向中心線を通過する。
【0065】
図5は、ステントグラフト126が拡張形態にあるとき(配置後)の
図3のアンカピン構造体144A、144Bの側面図である。
図6は、血管管腔462内の配置後の
図4に対応する、
図5の矢印VI方向からみた第1と第2のアンカピン構造体144A、144Bの端面図である。
【0066】
ここで、
図1、5および6を一緒に参照すると、スリーブ112を含むビュレットチップ102は、スピンドル116に対し前進し、アンカピン構造体144を露出する。さらに具体的には、アンカピン136およびアンカピン連結アーム146の近位部分がスリーブ112とスピンドル本体118の間の環状空間122からリリースされる。アンカピン136は、円周方向に延び、スリーブ112により拘束され、スリーブ112の長手方向の動き(前進)と整合していないので、アンカピン136を、スリーブ112に突き立てることができず、スリーブ112の前進を容易にする。ビュレットチップ102のスリーブ112からリリースされると、近位側アンカステントリング130(アンカピン136およびアンカピン連結アーム146の近位部分を含む)の近位部分は、ステントグラフト126が配置される血管管腔462の血管壁464に対し、またその中へ自己拡張する。
【0067】
配置されると、アンカピン136A、136Bは、伸張して、ストラット138のジグザグパターン2より規定される仮想円筒面から半径方向外方に突出する。通常、第1と第2のアンカピン136A、136Bは、近位側アンカステントリング130から、また、特にアンカピン連結アーム146から、半径方向外方に突出する。通常、第1と第2のアンカピン136A、136Bを円周方向から半径方向に回転させる全ての回転は、第1と第2のアンカピン連結アーム146A、146Bで発生する。
【0068】
近位側アンカステントリング130から半径方向外方に突出することにより、第1と第2のアンカピン136A、136B、すなわち、それらの第1と第2の鋭くとがった先端158A、158Bが、血管壁464に貫入し、その結果、近位側アンカステントリング130およびステントグラフト126が血管壁464に固定される。この方式で、ステントグラフト126の移動が減らされるか、または無くなる。
【0069】
図7は、別の例のステントグラフト126Aの近位部分の拡大図である。
図7のステントグラフト126Aは、
図2のステントグラフト126に類似である。さらに具体的には、ステントグラフト126Aは、近位側アンカステントリング130−1、第1と第2のアンカピン136A−1、136B−1を含むアンカピン、ストラット、近位側頂部、アンカピン構造体、アンカピン連結アーム、オフセットストラット、整列ストラット、ロングアーム152A−1を含むロングアーム、ショートアーム154B−1を含むショートアーム154−1、空間、鋭くとがった先端、および近位側アンカステントリング130に類似または同一のスピンドルピン受け部、アンカピン136A、136Bを含むアンカピン136、ストラット138、近位側頂部140、アンカピン構造体144、アンカピン連結アーム146、オフセットストラット148、整列ストラット150、第1のロングアーム152Aを含むロングアーム152、第2のショートアーム154Bを含むショートアーム154、空間156、鋭くとがった先端158、および
図2のステントグラフト126のスピンドルピン受け部160、をそれぞれ含む。
【0070】
ここで、
図7を参照すると、ステントグラフト126Aは、第1のショートアーム延長部750Aを含むショートアーム延長部750および第1のアンカピン736Aを含むアンカピン736(延長部アンカピンと呼ばれることもある)を含む。ショートアーム延長部750は、近位側延長部であり、ショートアーム154−1と合致する円周方向表面上にある。ショートアーム延長部750およびショートアーム154−1は、第1の二重アンカピンアーム752Aを含む二重アンカピンアーム752を形成する。
【0071】
解りやすく説明すると、ショートアーム延長部750Aは、近位側延長部で、ショートアーム154B−1と合致する円周方向表面上にある。ショートアーム延長部750Aおよびショートアーム154B−1は、二重アンカピンアーム752Aを形成する。二重アンカピンアーム752Aは、ロングアーム152A−1より長い。
【0072】
第1のアンカピン736Aは、ショートアーム延長部750Aの近位端に連結される。さらに、第2のアンカピン136B−1は、近位端および二重アンカピンアーム752Aの遠位端の間に連結される。下記の考察で、第1と第2のアンカピン736A、136B−1、ショートアーム延長部750A、および二重アンカピンアーム752Aが考察されるが、しかし、この説明は、他のアンカピン、ショートアーム延長部、および近位側アンカステントリング130−1の二重アンカピンアームに対しても等しく適用可能であることは理解されたい。
【0073】
近位側アンカステントリング130−1の送達形態では、第1のアンカピン736Aは、近位側アンカステントリング130−1の近位側頂部と遠位側頂部の間で交互に配置されたストラットのジグザグパターンの内表面により規定される仮想円筒面上にある。さらに、送達形態では、第1のアンカピン736Aは、通常、ショートアーム延長部750Aから円周方向に延びる。
【0074】
ショートアーム延長部750Aは、通常、長手方向に延び、一方、第1のアンカピン736Aは、通常、円周方向、またはほぼその方向に延びるので、第1のアンカピン736Aの長さ方向は、ショートアーム延長部750Aの長さ方向に垂直であるか、または、ほぼその方向である。
【0075】
第1のアンカピン736Aと第2のアンカピン136B−1は、二重アンカピンアーム752Aに連結され、二重アンカピンアーム752Aから同じ円周方向に延びる。
【0076】
上記の考察と類似の方式で、ロングアーム152A−1およびショートアーム154B−1の間の長手方向長さの差異により、第3のアンカピン136A−1は、第2のアンカピン136B−1から長手方向にオフセットされる。さらに具体的には、第2のアンカピン136B−1は、第3のアンカピン136A−1に対し遠位(
図7にあるように、右側)にあり、第2のアンカピン136B−1が遠位側で、第3のアンカピン136A−1に押し込まれることを可能にする。さらに、ロングアーム152A−1より大きな二重アンカピンアーム752Aの大きな長手方向長さに起因して、第1のアンカピン736Aは、アンカピン136A−1から長手方向にオフセットする。さらに具体的には、第1のアンカピン736Aは、第3のアンカピン136A−1の近位(
図7にあるように、左側)にあり、第3のアンカピン136A−1が遠位で、アンカピン736Aに押し込まれることを可能にする。通常、第3のアンカピン136A−1は、第1のアンカピン736Aと第2のアンカピン136B−1の間で長手方向に挟み込まれる。
【0077】
配置されると、第2のアンカピン136B−1に加えて、第1のアンカピン736Aが、血管壁に侵入する。従って、第1のアンカピン736Aは、ステントグラフト126Aに対し追加の固定を行い、ステントグラフト126Aの移動をさらに防止する。
【0078】
一例では、例えば、0.040インチ長の、第3と第2のアンカピン136A−1、136B−1は、例えば、0.050インチ長の第1のアンカピン736Aより短い。
【0079】
図と前述の説明は、本発明に従った例を提供するが、しかし、これらの具体的な例に限定されるものではない。明細書中で明示的に示されていても、またはそうでなくても、多くの変更、例えば、構造、寸法、および材料の使用における変更が可能である。