特許第5796340号(P5796340)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5796340
(24)【登録日】2015年8月28日
(45)【発行日】2015年10月21日
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20151001BHJP
【FI】
   A63F7/02 304B
   A63F7/02 304D
【請求項の数】5
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2011-107098(P2011-107098)
(22)【出願日】2011年5月12日
(65)【公開番号】特開2012-235913(P2012-235913A)
(43)【公開日】2012年12月6日
【審査請求日】2014年3月17日
(73)【特許権者】
【識別番号】000150051
【氏名又は名称】株式会社竹屋
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】竹内 正博
(72)【発明者】
【氏名】梁川 誠市
【審査官】 ▲吉▼川 康史
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−004951(JP,A)
【文献】 特開2008−000487(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技球が転動する遊技面と、
前記遊技面の側から前記遊技面上を撮像し、画像データを取得する画像データ取得手段と、
前記画像データに基づき、前記遊技面上において、遊技球を検出する検出手段と、
前記検出手段で検出した2個以上の遊技球の間隔が所定値以内であり、前記2個以上の遊技球が同じ場所に所定時間以上停留している場合、報知信号を出力する報知信号出力手段と、
を備えることを特徴とする遊技機。
【請求項2】
遊技球が転動する遊技面と、
前記遊技面の側から前記遊技面上を撮像し、画像データを取得する画像データ取得手段と、
前記画像データに基づき、前記遊技面上において、遊技球を検出する検出手段と、
前記検出手段で検出した遊技球が所定範囲内に所定数以上存在する場合、報知信号を出力する報知信号出力手段と、
前記検出手段で検出した遊技球が前記所定範囲内に前記所定数以上存在する位置を取得する位置取得手段と、
を備え、
前記報知信号出力手段が出力する報知信号は、前記位置取得手段で取得した位置に応じて異なることを特徴とする遊技機。
【請求項3】
遊技球が転動する遊技面と、
前記遊技面の側から前記遊技面上を撮像し、画像データを取得する画像データ取得手段と、
前記画像データに基づき、前記遊技面上において、遊技球を検出する検出手段と、
前記検出手段で検出した遊技球が所定数以上存在する場合、報知信号を出力する報知信号出力手段と、
前記報知信号出力手段が前記報知信号を出力する場合、前記遊技面に球詰まりを表す報知を表示する表示手段と、
を備えることを特徴とする遊技機。
【請求項4】
前記報知信号出力手段は、前記検出手段で検出した遊技球が、所定範囲内に所定数以上存在する場合、報知信号を出力することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の遊技機。
【請求項5】
前記報知信号出力手段は、前記検出手段で検出した遊技球が前記所定範囲内に前記所定数以上存在する状態が所定時間以上継続した場合に前記報知信号を出力することを特徴とする請求項に記載の遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、パチンコ機等の遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
パチンコ機等の遊技機では、遊技者がハンドルを操作することにより遊技球を遊技面上に発射する。遊技面上には、遊技釘、風車等の多数の遊技部材や、入賞口が設けられている。遊技球は、遊技釘や遊技部材に衝突しながら遊技面上を転動し、いずれかの入賞口に入賞すると、所定数の賞球が払い出される。
【0003】
遊技面上を転動する遊技球は、遊技釘や遊技部材に嵌まり込む等して、止まってしまうことがある(いわゆる球詰まりの発生)。球詰まりが発生すると、正常に遊技を行うことができなくなってしまうため、早期に球詰まりを検出し、球詰まりを解消させる必要がある。
【0004】
球詰まりを検出する方法として、特許文献1の方法が提案されている。特許文献1の方法では、遊技面上に、複数の光センサを設ける。それらの光センサの光軸は遊技面に平行であり、且つ一部の光センサの光軸と他の光センサの光軸とが交差するように配置される。その光センサにより、所定時間継続して同一地点にある遊技球を検出したとき、球詰まりの発生を報知する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−229335号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1の方法では、光センサの光軸が遊技面と平行であるため、遊技部材が存在する部分では、光センサの光が遊技部材によって遮られてしまう。そのため、遊技面上に、遊技球(球詰まり)を検出できない領域が生じてしまう。
【0007】
また、特許文献1の方法では、光センサの光軸が遊技面と平行であるため、光軸上に、複数の遊技球が存在し得る。しかしながら、光センサの出力は、光軸上に存在する遊技球の数が1個のみであっても、複数であっても変化しないため、光軸上にある遊技球の数を識別できない。よって、特許文献1の方法では、球詰まりがどの位の数の遊技球で生じているかを判断することができない。
【0008】
本発明は以上の点に鑑みなされたものであり、球詰まりの状態を的確に検出できる遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(1)請求項1の発明は、
遊技球が転動する遊技面と、前記遊技面の側から前記遊技面上を撮像し、画像データを取得する画像データ取得手段と、前記画像データに基づき、前記遊技面上において、遊技球を検出する検出手段と、前記検出手段で検出した2個以上の遊技球の間隔が所定値以内であり、前記2個以上の遊技球が同じ場所に所定時間以上停留している場合、報知信号を出力する報知信号出力手段と、を備えることを特徴とする遊技機を要旨とする。
【0010】
本発明の遊技機は、遊技面の側から遊技面上を撮像した画像データに基づき、遊技面上の遊技球を検出する。そのため、特許文献1の技術のように、検出に用いる光が遊技面上の遊技部材等で遮られ、遊技球を検出できない領域が遊技面上に生じてしまうようなことがない。
【0011】
また、遊技面上を撮像した画像データでは、遊技球を個々に検出することができる。そのため、本発明の遊技機は、検出手段により検出した遊技球の数を識別することができ、どの位の数の遊技球で球詰まりが生じているかを判断することができる。
【0012】
また、本発明の遊技機は、検出手段で検出した遊技球が2個以上存在する場合にのみ、報知信号を出力する。そのため、実質的に遊技に影響がない程度の球詰まり(例えば、1個の遊技球のみが詰まっているもの)の場合は、報知信号の出力を省略することができる。このことにより、本来は不要な報知信号の出力により煩わされることがない。
(2)請求項2の発明において、報知信号は、遊技面における球詰まりの位置に応じて異なる。よって、報知信号の種類により、球詰まりの位置を知ることができる。
また、例えば、報知信号を受信する側(例えばホールコンピュータや遊技機自身)では、報知信号の種類(すなわち、球詰まりの位置)に、優先順位を設定しておくことができる。そして、報知信号を受信した場合、その報知信号の優先順位に応じて、報知方法、報知のタイミング、報知の順番等を変えることができる。こうすることにより、例えば、球詰まりが同時に複数発生した場合でも、優先順位が高いものから順番に対処する等、適切な対処が可能となる。
報知信号の種類は、例えば、以下のように設定することができる。遊技面を複数の領域に分割し、各領域ごとに、対応する報知信号の種類を決めておく。そして、遊技面のある領域で球詰まりが発生した場合は、その領域に対応付けられた報知信号を出力する。
【0013】
(4)請求項の発明は、
前記報知信号出力手段は、前記検出手段で検出した遊技球が、所定範囲内に所定数以上存在する場合、報知信号を出力することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の遊技機を要旨とする。
【0014】
本発明の遊技機は、検出手段で検出した遊技球が、所定範囲内に所定数以上存在する場合に報知信号を出力するので、球詰まりを一層正確に報知することができる。
)請求項の発明は、
前記報知信号出力手段は、前記検出手段で検出した遊技球が前記所定範囲内に前記所定数以上存在する状態が所定時間以上継続した場合に前記報知信号を出力することを特徴とする請求項記載の遊技機を要旨とする。
【0015】
球詰まりは一旦発生しても、時間がたてば自然に解消されることがあり、そのような球詰まりについては、報知信号を出力しなくてもよい。本発明の遊技機は、球詰まりが所定時間以上継続した場合にのみ、報知信号を出力するので、時間がたてば自然に解消される球詰まりについて、報知信号を無駄に出力してしまうようなことがない
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】遊技機1の正面図である。
図2】液晶表示装置15の構成を表す説明図である。
図3】遊技機1が実行する球詰まり検出処理を表すフローチャートである。
図4】遊技盤7における区分を表す説明図である。
図5】遊技機1における球詰まり表示を表す説明図である。
図6】遊技機1が実行する球詰まり検出処理を表すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の実施形態を説明する。
【実施例1】
【0020】
1.遊技機1の全体構成
遊技機1の全体構成を図1に基づいて説明する。遊技機1は、図示しない遊技場に来場した遊技者にパチンコ遊技を提供するものであって、図示しない遊技島に取り付けられる外枠3と、外枠3に開閉可能に取り付けられた内枠5と、内枠5に取り付けられ、遊技者に対面して配置された遊技盤7と、遊技者が遊技行為を行うために遊技盤7上に遊技球8を発射するためのハンドル9と、遊技盤7における遊技行為の結果として提供される賞品、ここでは遊技球8(賞品として払い出される遊技球8を賞品球と言う。)を貯留する上受け皿11と、上受け皿11から排出される遊技球8を受ける下受け皿13を備えている。
【0021】
遊技者に対面する遊技盤7の正面側の表面(以下、遊技面7aとする)には、全面にわたって、液晶表示装置15が設置されている。液晶表示装置15については後述する。また、遊技盤7は、遊技球8が通過すると、普通図柄遊技用の普通図柄始動信号を出力する機能を有する普通図柄始動ゲート17と、普通図柄始動信号が出力されると、普通図柄を所定時間変動表示してから、所定の普通図柄を確定表示する普通図柄表示装置19と、普通図柄遊技の保留数を表示する普通図柄記憶表示装置20とを備えている。
【0022】
また、遊技盤7は、普通電動役物(電動チューリップ)21を備えている。普通電動役物21は、開閉動作が可能な一対の開閉板22、22を備えている。この開閉板22、22は、互いの間隔を狭くした状態(以下、閉止状態とする)と、互いの間隔を広くした状態(以下、開放状態とする)とのいずれかの状態となることができる。
【0023】
普通電動役物21は、上述した開閉板22、22の間に始動口23を備えており、開閉板22、22が閉止状態のときは、始動口23への経路が狭められ、始動口23への入賞が困難になる。一方、開閉板22、22が開放状態のときは、始動口23への経路が広がり、始動口23への入賞が容易になる。普通電動役物21は、普通図柄表示装置19に当りの普通図柄が確定表示されると、6秒間、開閉板22、22を開放状態とし、その後、閉止状態に戻る。
【0024】
液晶表示装置15の中央部には、始動口23に遊技球8が入賞した場合、特別図柄の変動表示が所定時間行われ、その後、所定の特別図柄が確定表示される(特別図柄遊技)。また、遊技盤7は、特別図柄遊技の結果(確定表示される特別図柄)を表示する特別図柄表示装置25を備えている。
【0025】
遊技盤7は、特別電動役物27と、大入賞口29とを備えている。特別図柄表示装置25に確定表示される特別図柄が、所定の大当り図柄である場合、特別電動役物27は、大入賞口29を開放する。大入賞口29に遊技球8が入賞すると、賞品球が提供される。それ以外の場合、特別電動役物27は、大入賞口29を閉じている。
【0026】
また、遊技面7a上には、多数の釘30が取り付けられている。釘30は、遊技球8と衝突し、その進路を様々に変更する。また、遊技機1は、上記各構成を制御し、後述する処理を実行する主制御基板31及び演出制御基板33を備えている。
【0027】
2.液晶表示装置15の構成
液晶表示装置15の構成を図2に基づいて説明する。液晶表示装置15は、画像を表示可能な画像表示領域15aと、それを囲む額縁部15bとから構成される。遊技面7aのうち、遊技者から見える部分には、画像表示領域15aが設けられている。額縁部15bは、遊技盤7の外縁部分であって、遊技者から見えない部分に設けられている。
【0028】
画像表示領域15aの表面には、画素35が規則正しく配列している。また。画素35はそれぞれ、フォトダイオードを用いる光センサ(図示略)を内蔵している。額縁部15bには、上述した光センサを駆動する光センサ駆動回路37、液晶ソースドライバ39、液晶ゲートドライバ41等が設けられている。
【0029】
液晶表示装置15は、主制御基板31又は演出制御基板33から入力する表示信号に基づき、画素35を用いて、所定の画像(例えば特別図柄の変動表示、確定表示等)を表示することができる。液晶表示装置15は、上述したように、遊技面7aを覆っているので、画像は遊技面7a上に表示される。
【0030】
また、液晶表示装置15は、各画素35に内蔵された光センサにより、遊技面7aの側から、遊技面7a上を撮像することができる。すなわち、遊技面7aから見て、正面方向(遊技者がいる方向)の画像を撮像することができる。液晶表示装置15が画像を撮像できる範囲は、遊技面7aの全面にわたる。撮像した画像の信号(読み取り信号)は、主制御基板31又は演出制御基板33へ出力することができる。
【0031】
なお、上記の液晶表示装置15は、例えば、シャープ株式会社等が販売している。
3.遊技機1が実行する球詰まり検出処理
遊技機1(特に主制御基板31及び演出制御基板33)が実行する球詰まり検出処理を図3のフローチャートに基づいて説明する。この球詰まり検出処理は、遊技機1の電源投入後、所定時間ごとに繰り返し実行される。
【0032】
ステップ10では、液晶表示装置15により遊技面7a上の画像を撮像し、画像データを取得する。
ステップ20では、前記ステップ10で取得した画像データに映っている物体を認識する。物体が複数映っている場合は、それぞれを認識する。なお、物体の認識は、周知の画像認識技術を用いることができる。
【0033】
ステップ30では、前記ステップ20で認識した物体の中に、停留している遊技球8が有るか否かを判断する。ここで、遊技球であるか否かは、認識した物体の形状、大きさに基づいて判断できる。すなわち、形状が球形であり、且つ大きさが遊技球8の大きさに合致していれば、遊技球であると判断し、一方、形状又は大きさが遊技球8に合致しないと、遊技球8ではないと判断する。また、停留については、所定時間前に取得した画像データと、直近に取得した画像データとで、同じ座標に物体が存在していれば、その物体は停留していると判断できる。停留している遊技球が有る場合はステップ40に進み、停留している遊技球が無い場合は本処理を終了する。
【0034】
ステップ40では、停留している遊技球が2個以上有るか否かを判断する。2個以上有る場合はステップ50に進み、停留している遊技球が1個のみである場合は本処理を終了する。
【0035】
ステップ50では、停留している2個以上の遊技球の間隔が1.1cm以内であるか否かを判断する。停留している遊技球が3個以上存在する場合は、停留している遊技球のそれぞれについて、他のいずれかの停留している遊技球との距離が1.1cm以内であるか否かを判断する。1.1cm以内である場合は球詰まりであると判断してステップ60に進み、1.1cmを超える場合は球詰まりではないと判断して本処理を終了する。
【0036】
ステップ60では、停留している遊技球の停留時間が10秒以上であるか否かを判断する。具体的には、過去に取得した画像データに基づき、球詰まりを構成する各遊技球が、10秒以上同じ場所に停留しているか否かを判断する。停留時間が10秒以上である場合はステップ70に進み、停留時間が10秒未満である場合は本処理を終了する。
【0037】
ステップ70では、遊技面7aにおいて、球詰まりが発生している位置を取得する。すなわち遊技面7aは、図4に示すように、仮想の直線L1〜L3によって、領域A1〜A4に区分けされており、球詰まりの位置が、領域A1〜A4のいずれであるかを取得する。
【0038】
ステップ80では、報知信号をホールコンピュータに出力する。また、図5に示すように、液晶表示装置15(遊技面7a)に、球詰まりを表す報知を行う。この報知は、「球が詰まっています」という文字の表示と、球詰まりの位置を指し示す矢印の表示とから成る。
【0039】
報知信号は、球詰まりの位置に応じて異なる。すなわち、球詰まりの位置が領域A1である場合、報知信号はS1であり、球詰まりの位置が領域A2である場合、報知信号はS2であり、球詰まりの位置が領域A3である場合、報知信号はS3であり、球詰まりの位置が領域A4である場合、報知信号はS4である。
【0040】
また、球詰まりを表す報知の内容も、球詰まりの位置により異なる。例えば、「球が詰まっています」という表示の大きさは、球詰まりの位置がA1である場合に最も大きく、A2、A3、A4の順に小さくなる。
【0041】
なお、遊技機1は、いうまでもなく、通常の遊技処理を実行することができるが、本発明には直接関係がないので、その記載を省略する。
4.遊技機1が奏する効果
(1)遊技機1は、液晶表示装置15を用いて遊技面7a上を撮像した画像データに基づき、遊技面7a上の遊技球8を検出する。そのため、特許文献1の技術のように、検出に用いる光が遊技面7a上の遊技部材等で遮られ、遊技球を検出できない領域が遊技面7a上に生じてしまうようなことがない。
【0042】
(2)遊技機1は、液晶表示装置15を用いて遊技面7a上を撮像した画像データを用いるので、遊技球8を個々に検出することができる。そのため、遊技機1は、検出した遊技球8の数を識別することができ、どの位の数の遊技球8で球詰まりが生じているかを判断することができる。
【0043】
(3)遊技機1は、停留する遊技球の数が2個以上である場合にのみ、報知信号を出力する。そのため、実質的に遊技に影響がない、1個の遊技球の球詰まりの場合は、報知信号の出力を省略する。このことにより、不要な報知信号の出力により煩わされることがない。
【0044】
(4)遊技機1は、球詰まりが10秒間以上継続した場合にのみ、報知信号を出力するので、時間がたてば自然に解消される球詰まりについて、報知信号を無駄に出力してしまうようなことがない。
【0045】
(5)遊技機1は、報知信号に基づき報知を行うので、遊技者が球詰まりの発生を認識することができる。
(6)遊技機1は、報知信号を遊技機1の外部に出力する。ホールコンピュータはその報知信号を受信し、外部の報知装置(図示略)で報知を行う。この場合、ホール店員が球詰まりの発生を認識することができる。
【0046】
(7)遊技機1では、報知信号は、球詰まりの位置に応じて異なる。よって、ホールコンピュータは、報知信号の種類により、球詰まりの位置を知ることができる。また、ホールコンピュータは、報知信号の種類(すなわち、球詰まりの位置)に、優先順位を設定しておくことができる。そして、報知信号を受信した場合、その報知信号の優先順位に応じて、報知方法、報知のタイミング、報知の順番等を変えることができる。こうすることにより、例えば、球詰まりが同時に複数発生した場合でも、優先順位が高いものから順番に対処する等、適切な対処が可能となる。
【0047】
尚、本発明は前記実施例になんら限定されるものではなく、本発明を逸脱しない範囲において種々の態様で実施しうることはいうまでもない。
例えば、図3のフローチャートにおいて、停留している遊技球の停留時間が10秒以上であるか否かを判断するステップ60はなくてもよい。この場合、球詰まり検出処理は、図6に示すものとなる。ここで、図6におけるステップ110〜170の処理は、図3 におけるステップ10〜50、70〜80の処理と同様である。この球詰まり検出処理によれば、球詰まりが発生した後、迅速に報知を行うことができる。
【0048】
また、液晶表示装置15は、その遊技面7aの全面にわたって画像を撮像できるものでなくてもよい。例えば、液晶表示装置15は、遊技面7aのうち、球詰まりが生じ易い所定の領域(例えば、普通電動役物21の周囲、特別電動役物27の周囲、普通図柄始動ゲート17の周囲等)のみにおいて、画像を撮像できるものであってもよい。
【0049】
また、前記ステップ40、140において、停留している遊技球8の数が2個未満であれば報知を行わないようにしたが、ここでの判断基準の数は2個には限定されず、任意の数(例えば、3、4、5、6・・・・個)の中から選択できる。
【0050】
また、遊技機1は、球詰まりを検出した場合、液晶表示装置15における表示に代えて、又はそれに加えて、音声等で報知してもよい。
また、球詰まりを検出した場所によって、報知するタイミングを異ならせてもよい。例えば、大当り中に、大当り遊技に影響を及ぼさない領域で球詰まりを検出した場合は、大当りが終わった後に球詰まりを報知してもよい。一方、大当り遊技中に、大当り遊技に影響を及ぼす領域で球詰まりを検出した場合は、大当り中に球詰まりを報知してもよい。大当り遊技に影響を及ぼさない領域としては、例えば、右打ちの大当りが発生している状態における、領域A2が挙げられる。
【0051】
また、前記ステップ50、150では、以下のように判断を行ってもよい。すなわち、停留している全ての遊技球が、予め設定された範囲(所定範囲)内に収まるか否かを判断し、収まる場合はステップ60(ステップ160)に進み、収まらない場合は図3図6)に示す処理を終了する。なお、停留している遊技球が、互いに離れた複数の場所で存在する場合は、それぞれの場所ごとに、その場所で停留している全ての遊技球が、予め設定された範囲(所定範囲)内に収まるか否かを判断することができる。
【0052】
また、前記ステップ50、150における判断を行わず、そのまま、ステップ60(ステップ160)に進むようにしてもよい。
【符号の説明】
【0053】
1・・・遊技機、3・・・外枠、5・・・内枠、7・・・遊技盤、7a・・・遊技面、
8・・・遊技球、9・・・ハンドル、11・・・上受け皿、13・・・下受け皿、
15・・・液晶表示装置、15a・・・画像表示領域、15b・・・額縁部、
17・・・普通図柄始動ゲート、19・・・普通図柄表示装置、
21・・・普通電動役物、22・・・開閉板、23・・・始動口、
25・・・特別図柄表示装置、27・・・特別電動役物、29・・・大入賞口、
30・・・釘、31・・・主制御基板、33・・・演出制御基板、35・・・画素、
37・・・光センサ駆動回路、39・・・液晶ソースドライバ、
41・・・液晶ゲートドライバ
図1
図3
図4
図5
図6
図2