(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記センタに設置されて、前記営業店端末装置による前記管理サーバへの前記処理状況の照会を受け付け、前記管理サーバの障害時には前記ホスト発信履歴情報を取得して保持するアプリケーションサーバをさらに含み、
前記ホスト発信履歴取得部は、前記アプリケーションサーバから前記ホスト発信履歴情報を取得する
ことを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の業務システム。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0015】
<1.システム構成>
まず、
図1を参照して、本発明の一実施形態に係る為替OCRシステムの構成について説明する。
【0016】
図1は、本発明の一実施形態に係る為替OCRシステムを示すブロック図である。
図1を参照すると、為替OCRシステム10は、営業店100に設置される営業店端末110、ロットスキャナ130、スキャナPC150、およびネットワークプリンタ170と、センタ200に設置される集配信サーバ210、為替サーバ230、DB(データベース)250、AP(アプリケーション)サーバ270、エントリベリファイPC(Personal Computer)290、および発信用PC310と、勘定系ホスト400に設置されるホストコンピュータ410とを含む。
【0017】
為替OCRシステム10は、本発明の一実施形態における業務システムの例である。為替OCRシステム10では、営業店100とセンタ200とが、インターネット等の通信回線によるネットワーク500によって接続されている。営業店100は、金融機関の営業店であり、顧客が振込依頼書を記入して提出するための窓口を有する。なお、為替OCRシステム10に含まれる営業店100は、複数でありうる。センタ200は、営業店100から送信されたデータを処理するセンタである。センタ200は、営業店100から送信されたデータに基づき、為替仕向データを勘定系ホスト400に発信する。
【0018】
(営業店)
営業店端末110は、振込依頼書を読み取り、読み取ったデータをネットワーク500を介してセンタに送信する端末装置である。営業店端末110は、振込依頼書を読み取るために、例えば非接触スキャナを有する。非接触スキャナは、スタンドスキャナとも呼ばれ、机上に置いた原稿を上方から撮影することによって読み取るスキャナであり、本人確認書類などの他の書類の読み取りにも用いられうる。営業店端末110は、センタ200に送信したデータの履歴を管理する機能を有する。また、営業店端末110は、為替OCRシステム10の処理状況をセンタ200に設置されたAPサーバ270に照会する機能を有する。なお、営業店端末110の詳細な構成については後述する。
【0019】
ロットスキャナ130は、複数の振込依頼書を一括して読み取るスキャナである。スキャナPC150は、ロットスキャナ130を制御し、ロットスキャナ130を用いて読み取った振込依頼書のデータをネットワーク500を介してセンタに送信するPCである。つまり、ロットスキャナ130とスキャナPC150とは、協働して営業店端末110と同様の機能を実現する。スキャナPC150も、営業店端末110と同様に、センタ200に送信したデータの履歴を管理する機能、および為替OCRシステム10の処理状況をセンタ200に設置されたAPサーバ270に照会する機能を有する。
【0020】
このように、営業店において振り込み依頼書を読み取り、読み取ったデータをネットワーク500を介してセンタに送信するための装置構成としては、読み取りに用いるスキャナの種類や、スキャナと端末装置とが一体になっているか否かによって、さまざまな構成が可能である。以下の説明では、かかる装置構成の代表として営業店端末110について説明する場合がある。この場合、特に言及せずとも、同様の説明がロットスキャナ130とスキャナPC150との組み合わせについても成り立ち、また同様の機能を実現する他の構成についても成り立つものとする。これらの構成は、いずれも、本発明の一実施形態における営業店端末装置の例である。
【0021】
上記の営業店端末110と、ロットスキャナ130およびスキャナPC150の組み合わせとは、いずれか一方だけが営業店100に設置されてもよく、両方が設置されてもよい。また、営業店端末110、ロットスキャナ130、およびスキャナPC150とは、それぞれ複数が設置されうる。営業店端末110とスキャナPC150とが合わせて複数ある場合、これらの端末装置の中から1台の代表端末が設定され、後述する返送通知をセンタ200から受信する。
【0022】
ネットワークプリンタ170は、営業店端末110およびスキャナPC150からの出力を印刷するためのプリンタである。
【0023】
(センタ)
集配信サーバ210は、営業店100とセンタ200の他の機器との間の通信を中継する。例えば、集配信サーバ210は、営業店100からネットワーク500を介して送信されたデータを受信し、為替サーバ230に転送する。また、集配信サーバ210は、為替サーバ230から送信を依頼されたデータを営業店100に送信する。なお、集配信サーバ210は、必ずしも設けられなくてもよい。集配信サーバ210が設置されない場合、為替サーバ230が直接データを受信する。集配信サーバ210が設置される場合としては、例えば、営業店100から受信するデータに為替OCRシステム10に係るデータ以外のデータ、例えば保険などの他の業務のデータが混じっており、データの振り分けが必要な場合がある。
【0024】
為替サーバ230とDB250とは、センタ200における為替OCRシステム10に係る処理の状況を管理する。為替サーバ230は、本発明の一実施形態における管理サーバの例である。具体的には、為替サーバ230は、営業店100から送信されたデータを集配信サーバ210を介して受信し、以降のエントリベリファイPC290および発信用PC310を用いたデータの処理を制御する。また、為替サーバ230は、エントリベリファイPC290においてデータが無効とされた場合の返送通知などを、集配信サーバ210を介して営業店100に送信する。このとき、為替サーバ230は、振込依頼書のイメージデータやエントリデータといったデータそのものや、データの処理状況などの情報をDB250に格納および更新する。また、為替サーバ230は、営業店端末110などからの照会を受けたAPサーバ270からの要求に応じて、DB250に格納された処理状況の情報を提供する。
【0025】
このように、為替サーバ230は、為替OCRシステム10の処理において重要な役割を担うサーバであるため、システムの二重化などによって障害の防止が図られている。図示された例では、二重化された為替サーバ230が、為替サーバ230a,230bとして示されている。為替サーバ230およびDB250の障害防止のための構成は図示された例には限られず、公知のさまざまな構成が採用されうる。しかしながら、それでもなお為替サーバ230に障害が発生する確率は0ではない。その万が一の障害のときの処理の詳細については後述する。
【0026】
APサーバ270は、営業店端末110などの営業店100の端末装置、またはセンタ200の端末装置からの、為替OCRシステム10の処理状況の照会を受け付ける。処理状況の照会を受けたAPサーバ270は、為替サーバ230に処理状況の情報を要求し、為替サーバ230から取得した処理状況の情報を、照会した端末装置に提供する。図示されているように、APサーバ270も、負荷分散や障害防止のために多重化されていてもよい。
【0027】
エントリベリファイPC290は、営業店100で受け付けられた振込依頼書のデータをオペレータが確認してOCR認識での誤読や不読の部分を補正入力したり、補正入力後のデータを承認したりして、ホスト400に発信可能なデータにするための端末装置であり、本発明の一実施形態における検証端末の例である。エントリベリファイPC290で、例えばデータの補正入力が不能であると判定されたような場合、データが無効であったことを示す返送通知が、為替サーバ230を介して営業店100に送信される。また、エントリベリファイPC290は、処理状況に関する情報を為替サーバ230に提供する。なお、図示されているように、エントリベリファイPC290は、センタ200に複数設置されうる。
【0028】
発信用PC310は、エントリベリファイPC290での処理を経てホスト400に発信可能になったデータをホスト400に発信する端末装置であり、本発明の一実施形態における発信端末装置の例である。ここでホスト400に発信されるデータは、所定のフォーマットの為替仕向データである。発信用PC310は、エントリベリファイPC290と兼用される端末装置であってもよい。発信用PC310は、ホスト400に発信したデータの履歴を管理する機能を有する。また、発信用PC310は、処理状況に関する情報を為替サーバ230に提供する。なお、図示されているように、発信用PC310は、センタ200に複数設置されうる。発信用PC310の詳細な構成については後述する。
【0029】
<2.通常時の処理>
次に、
図2および
図3を参照して、本発明の一実施形態に係る為替OCRシステムにおける通常時の処理について説明する。為替OCRシステムの通常時の処理には、振込依頼が正常に受け付けられてホストに発信される正常処理と、振込依頼が読み取り不能などのエラーのために営業店に返送される返送処理と、振込依頼の処理状況を営業店から照会する照会処理とがある。
【0030】
(正常処理)
図2は、本発明の一実施形態に係る為替OCRシステムの正常処理と照会処理とについて説明するための図である。
図2では、正常処理の手順がP101〜P111として、照会処理の手順がP151〜P155として、それぞれ示されている。
【0031】
まず、営業店100において、営業店端末110またはロットスキャナ130が、振込依頼書を読み取る(P101)。営業店端末110またはスキャナPC150は、読み取った振込依頼書のデータを、センタ200の集配信サーバ210に向けて送信する(P103)。このとき、営業店端末110またはスキャナPC150は、送信したデータの履歴を内部的に出力し、センタ送信履歴情報として蓄積する。
【0032】
センタ200において、データを受信した集配信サーバ210は、データを為替サーバ230に転送し、為替サーバ230は、データをDB250に格納する(P105)。なお、上述のように、集配信サーバ210は必ずしも設けられなくてもよい。集配信サーバ210が設けられない場合、営業店100から送信されたデータは為替サーバ230によって直接受信されうる。
【0033】
次に、為替サーバ230は、エントリベリファイPC290にデータの補正入力および承認の処理を要求し、エントリベリファイPC290でこれらの処理が実行される(P107)。このとき、為替サーバ230は、処理後のデータでDB250に格納されたデータを更新し、またDB250に格納されたデータの処理状況にエントリベリファイPC290での処理の終了を反映させる。
【0034】
次に、為替サーバ230は、発信用PC310にデータのホスト400への発信を要求し(P109)、発信用PC310がデータをホスト400に向けて発信する(P111)。このとき、為替サーバ230は、DB250に格納されたデータの処理状況に、ホスト400への発信の終了を反映させる。また、発信用PC310は、ホスト400に発信したデータの履歴を内部的に出力し、ホスト発信履歴情報として蓄積する。以上で、為替OCRシステム10における正常処理が完了する。
【0035】
以上の正常処理を通じて、為替OCRシステム10に係るセンタ200での処理の状況は、為替サーバ230によってDB250で集約的に管理されている。この点について、為替OCRシステム10は従来の為替OCRシステムと同様である。しかしながら、上記のように、為替OCRシステム10では、営業店端末110(またはスキャナPC150)、および発信用PC310でも、それぞれの端末が処理したデータの履歴が蓄積される。この履歴が、後述するように、為替サーバ230の障害時の処理において活用される。
【0036】
(照会処理)
まず、営業店100において、営業店端末110またはスキャナPC150が、センタ200のAPサーバ270に向けて照会依頼を送信する(P151)。照会依頼を受信したAPサーバ270は、為替サーバ230に処理状況の情報を要求し、為替サーバ230は、DB250に格納された処理状況の情報をAPサーバ270に提供する(P153)。APサーバ270は、取得した処理状況の情報を用いて紹介結果の画面を編集し、これを結果情報として営業店端末110またはスキャナPC150に送信する(P155)。これによって、営業店端末110またはスキャナPC150の表示部には、紹介結果の画面が表示される。以上で、為替OCRシステム10における照会処理が完了する。
【0037】
以上の照会処理では、営業店端末110またはスキャナPC150が、為替サーバ230を介してDB250に格納されたデータの処理状況を適時照会することによって、データの処理状況、例えばセンタ200に送信したデータがホスト400に発信されたか否かなどを確認する。従って、為替サーバ230の障害時には、上記の照会処理は実行不能になる。しかしながら、後述するように、為替OCRシステム10では、為替サーバ230とは別に発信用PC310が蓄積している履歴の情報をAPサーバ270に提供することによって、為替サーバ230の障害時にも営業店100側にセンタ200での処理状況に関する情報を提供することが可能である。
【0038】
(返送処理)
図3は、本発明の一実施形態に係る為替OCRシステムの返送処理について説明するための図である。
図3では、返送処理の手順がP201〜P205として示されている。
【0039】
営業店100から送信された振込依頼書のデータが、センタ200にあるエントリベリファイPC290で無効であると判定された場合、エントリベリファイPC290は、為替サーバ230にデータの返送を登録する(P201)。ここで、エントリベリファイPC290で無効と判定されるデータは、例えば、振込依頼書に記入された情報が不備であったり、読み取られた振込依頼書のイメージが不鮮明であったりするものである。
【0040】
返送の登録を受けた為替サーバ230は、集配信サーバ210に、営業店100への返送通知を依頼する(P203)。返送通知を依頼された集配信サーバ210は、営業店100にある営業店端末110またはスキャナPC150に向けて、返送通知を送信する(P205)。ここで、集配信サーバ210が返送通知を送信する宛先は、営業店端末110またはスキャナPC150のうち、代表端末に設定された端末装置である。代表端末は、原則として営業店ごとに1つ設定され、当該営業店に設置された複数の端末装置(営業店端末110、スキャナPC150)を代表して、センタ200から送信される返送通知を受信する。
【0041】
これによって、営業店100では、代表端末において返送通知を参照し、振込依頼書の再読み込みなどの対応をとることが可能になる。このとき、代表端末に設定され、返送通知を受信する営業店端末110またはスキャナPC150は、受信した返送通知の履歴を内部的に出力し、返送受信履歴情報として蓄積する。なお、上述のように、集配信サーバ210は必ずしも設けられなくてもよい。集配信サーバ210が設けられない場合、為替サーバ230は、直接、営業店100の代表端末に向けて返送通知を送信しうる。以上で、為替OCRシステム10における返送処理が完了する。
【0042】
以上の返送処理において、営業店100の代表端末に返送通知が送信される点では、為替OCRシステム10は従来の為替OCRシステムと同様である。しかしながら、上記のように、為替OCRシステム10では、営業店100の代表端末(営業店端末110またはスキャナPC150)が、受信した返送通知の履歴を蓄積する。この履歴は、後述するように、為替サーバ230の障害時に他の履歴情報と組み合わせて活用される。
【0043】
<3.サーバ障害時の処理>
次に、
図4を参照して、本発明の一実施形態に係る為替OCRシステムにおけるサーバ障害時の処理について説明する。以下の説明では、為替OCRシステム10におけるサーバ障害時として、センタ200に設置された為替サーバ230に全面的な障害が発生し、為替サーバ230による処理状況の管理、およびDB250に格納されたデータの参照が不能になった場合が想定されている。
【0044】
(営業店での処理)
サーバ障害時には、為替サーバ230を介したデータの処理が不能になるため、営業店100からセンタ200へのデータの送信は停止される。このとき、営業店100では、複数設置されている営業店端末110およびスキャナPC150のそれぞれに蓄積されている自端末分のセンタ送信履歴情報c
1,c
2,・・・,c
nが集約され、自店分のセンタ送信履歴情報c
Aが作成される。
【0045】
かかる処理は、具体的には、営業店端末110またはスキャナPC150のうち代表端末に設定された端末装置(図示された例では営業店端末110aとする)において、予め定められた手順によってサーバ障害時用のオペレーションを起動することによって実行される。代表端末である営業店端末110aは、営業店100に設置された他の端末装置のセンタ送信履歴情報c
2,・・・,c
nを取得し、これを自端末分のセンタ送信履歴情報c
1と併合することによって、自店分のセンタ送信履歴情報c
Aを作成する。
【0046】
こうして作成された自店分のセンタ送信履歴情報c
Aは、後述するように他の情報と組み合わせられて、リカバリ情報として営業店100のユーザに提供される。営業店100では、このリカバリ情報を用いてホスト未発信分の振込依頼、すなわちセンタ200には送信されたもののホスト400には発信されていない振込依頼を特定し、例えば別途のシステムによって営業店端末110cから直接ホスト400に発信することによって処理を完了させる。
【0047】
(センタでの処理)
一方、センタ200では、複数設置されている発信用PC310a,310b,・・・,310nのそれぞれに蓄積されている自端末分のホスト発信履歴情報h
1,h
2,・・・,h
nが集約され、全端末分のホスト発信履歴情報h
allが作成される。
【0048】
かかる処理は、具体的には、発信用PC310のうちのいずれか1つ(図示された例では発信用PC310aとする)において、予め定められた手順によってサーバ障害時用のオペレーションを起動することによって実行される。障害時用のオペレーションが起動された発信用PC310aは、他の発信用PC310のホスト発信履歴情報h
2,・・・,h
nを取得し、これを自端末分のホスト発信履歴情報h
1と併合することによって、全端末分のホスト発信履歴情報h
allを作成する。
【0049】
こうして作成された全端末分のホスト発信履歴情報h
allは、APサーバ270に提供される。APサーバ270は、為替サーバ230の障害時においても営業店100からの照会を受け付けることが可能である。ただし、DB250の格納されたデータの参照は不能であるため、通常時の照会処理のように、DB250に格納された処理状況の情報を取得することはできない。そこで、APサーバ270は、発信用PC310から取得した全端末分のホスト発信履歴情報h
allを、営業店100からの照会依頼に対して提供する。なお、後述するように、全端末分のホスト発信履歴情報h
allは、さらに営業店100ごとに編集されていてもよく、営業店100からの照会に応じてAPサーバ270から当該営業店分のホスト発信履歴情報が提供されるようになっていてもよい。
【0050】
ここで、上述のように、APサーバ270は、負荷分散や障害防止のために多重化されうる。図示された例では、3台のAPサーバ270が設置されている。この場合、全端末分のホスト発信履歴情報h
allは、それぞれのAPサーバ270に提供されうる。これによって、APサーバ270のいずれかに障害が発生した場合でも、負荷分散装置330を用いて、別のAPサーバ270を用いて営業店100からの照会を受け付けることが可能になる。
【0051】
<4.処理フロー>
次に、
図5および
図6を参照して、本発明の一実施形態に係る為替OCRシステムにおける、通常時およびサーバ障害時の処理フローについて説明する。
【0052】
(通常時の処理)
図5は、本発明の一実施形態に係る為替OCRシステムの通常時の処理フローを示すフローチャートである。
【0053】
まず、営業店100にて、ステップS101〜S107が実行される。営業店100では、営業店端末110またはスキャナPC150が、振込依頼書読み取りオペレーションを実施する(ステップS101)。上述のように、振込依頼書の読み取りには、営業店端末110が有する非接触スキャナや、スキャナPC150に接続されたロットスキャナ130などの各種スキャナが用いられる。
【0054】
次に、営業店端末110またはスキャナPC150は、読み取った振込依頼書のデータについて通番を採番し、これを印字する(ステップS103)。続いて、営業店端末110またはスキャナPC150は、データをセンタ200に向けて送信する(ステップS105)。
【0055】
ここで、営業店端末110またはスキャナPC150は、上記のデータの送信の履歴を、センタ送信履歴として内部的に出力する(ステップS107)。センタ送信履歴には、データの送信を実行した営業店端末110またはスキャナPC150の端末機番、データの送信が実行された時刻情報である送信時間、および上記のステップS103にて採番された通番が含まれる。
【0056】
続いて、営業店100からのデータの送信を受けて、センタ200にて、ステップS109〜S121の処理が実行される。センタ200では、集配信サーバ210が、営業店端末110またはスキャナPC150から送信されたデータを受信する(ステップS109)。集配信サーバ210は、受信したデータを転送し、為替サーバ230がこのデータを受信する(ステップS111)。
【0057】
次に、為替サーバ230による管理のもと、エントリベリファイPC270で、データの補正入力および承認といったエントリベリファイ処理が実行される(ステップS113)。エントリベリファイ処理が完了すると、データが発信用PC310に提供され、発信用PC310はこのデータを取得する(ステップS115)。続いて、発信用PC310は、データをホスト400に発信し(ステップS117)、データがホスト400に正常に受け付けられれば、ホスト400からの正常応答を受信する(ステップS119)。
【0058】
ここで、発信用PC310は、上記のデータの発信の履歴を、ホスト発信履歴として内部的に出力する(ステップS121)。より詳しくは、発信用PC310は、上記のステップS119でホスト400からの正常応答を受信し、為替サーバ230を介してホスト発信の完了をDB250に格納された処理状況の情報に反映させた時点で、ホスト発信履歴を出力する。ホスト発信履歴には、発信を実行した発信用PC310の端末機番、データの発信が実行された時刻情報である発信時間、および上記のステップS103にて採番され、データとともにセンタ200に送信されてきた通番が含まれる。以上で、正常処理は完了する。
【0059】
一方、上記のステップS113で、エントリベリファイ処理が完了されなかった場合、すなわちデータが無効であると判定された場合、ステップS123〜S131の返送処理が実行される。まず、センタ200では、エントリベリファイPC290が為替サーバ230にデータの返送を登録する(ステップS123)。続いて、為替サーバ230が返送通知の送信を集配信サーバ210に依頼し(ステップS125)、集配信サーバ210はこの依頼に応じて返送通知を営業店100に向けて送信する(ステップS127)。
【0060】
続いて、営業店100では、営業店端末110またはスキャナPC150のうちの代表端末が、センタ200から送信された返送通知を受信する(ステップS129)。代表端末は、返送通知自体をユーザに対して出力するとともに、返送通知の受信の履歴を、返送受信履歴として内部的に出力する(ステップS131)。返送受信履歴には、返送通知が受信された時刻情報である受信時間、および返送通知に係るデータについて、上記のステップS103で採番された通番が含まれる。以上で、返送処理は完了する。
【0061】
(サーバ障害時の処理)
図6は、本発明の一実施形態に係る為替OCRシステムのサーバ障害時の処理フローを示すフローチャートである。
【0062】
まず、センタ200にて、ステップS201〜S209が実行される。センタ200では、発信用PC310のうちの1つで、緊急照会用オペレーションが実行される(ステップS201)。この緊急照会用オペレーションにおいて、発信用PC310は、センタ200に設置されている端末装置として登録済の他の発信用PC310から、それぞれの端末分のホスト発信履歴情報を取得する(ステップS203)。
【0063】
次に、発信用PC310は、上記のステップS203において取得した他の端末分のホスト発信履歴情報、および自端末分のホスト発信履歴情報を編集して、全端末分のホスト発信履歴情報を生成する(ステップS205)。上述のように、ここで、発信用PC310は、さらに営業店100ごとにホスト発信履歴情報を編集してもよい。
【0064】
続いて、発信用PC310は、上記のステップS205において編集されたホスト発信履歴情報を、センタ200に設置されているサーバとして登録済のAPサーバ270にコピーする(ステップS207)。ここまでの処理が終了した時点で、センタ200から営業店100に、緊急照会が可能になった旨の連絡がされる(ステップS209)。この連絡は、発信用PC310によって自動的に送信されてもよいし、また上記の緊急照会用オペレーションを実行したオペレータによって別途なされてもよい。
【0065】
この連絡を受けて、営業店100では、ステップS211〜S221が実行される。まず、営業店100では、設置された営業店端末110またはスキャナPC150のうちの代表端末で、緊急照会用オペレーションが実行される(ステップS211)。この緊急照会用オペレーションにおいて、代表端末は、営業店100に設置された他の営業店端末110またはスキャナPC150からそれぞれの端末分のセンタ送信履歴情報を取得し、さらに自端末分のセンタ送信履歴情報を取得する(ステップS213)。
【0066】
また、代表端末は、センタ200のAPサーバ270に照会依頼を送信し、上記のステップS207においてAPサーバ270にコピーされたホスト発信履歴情報を取得する(ステップS215)。続いて、代表端末は、ここまでのステップS213およびステップS215で取得した情報を編集し、リカバリ情報を生成する(ステップS217)。
【0067】
ここで、上記のステップS217で生成されるリカバリ情報は、例えば、営業店100からセンタ200に送信されたものの、センタ200からホスト400には発信されていないデータなど、営業店100でのリカバリ処理の対象になるデータを示す情報でありうる。代表端末は、かかる処理対象データの情報を表示、または印字し(ステップS219)、この情報に基づいて、営業店端末110から直接ホスト400にデータを発信する自店処理が実行される(ステップS221)。以上で、サーバ障害時の処理は完了する。
【0068】
このように、為替OCRシステム10では、通常時の処理において営業店100側とセンタ200側とで管理サーバ230およびDB250とは別途に履歴情報を蓄積しておき、サーバ障害時にはこれらのデータを利用して営業店での処理対象データなどの情報を含むリカバリ情報を生成する。
【0069】
ここで、各端末装置等における処理の履歴は、従来の為替OCRシステムにおいてもログやジャーナルといった形で記録されている。しかしながら、従来の為替OCRシステムでは、これらの情報を、各装置間、または営業店100とセンタ200との間で自動的にやり取りする仕組みはなかった。従って、従来の為替OCRシステムでは、サーバ障害時には、営業店から送信したデータのすべてについて、センタに処理状況をマニュアルで照会しなければならず、多大な労力を要していた。
【0070】
それゆえ、為替OCRシステム10では、システムの特定の部分、すなわち営業店100からセンタ200へのデータ送信と、センタ200からホスト400へのデータ発信の部分とにおいて、管理サーバ230の障害時に参照するための履歴情報を蓄積し、サーバ障害時には緊急照会用オペレーションによってこれらの履歴情報を自動的に集約して営業店100に提供するための仕組みが設けられている。これによって、サーバ障害時のリカバリ処理のために必要な情報が、営業店100において容易に取得可能になる。
【0071】
しかも、為替OCRシステム10を構成するシステムの装置構成は、通常処理時に用いられる装置構成、すなわち従来の為替OCRシステムと同様の装置構成である。つまり、為替OCRシステム10は、従来の為替OCRシステムと同様の装置構成をとりつつ、一部の装置、例えば営業店端末110や発信用PC310の処理を改良することによって、上記のような従来の為替OCRシステムにはない機能を実現している。
【0072】
<5.発信端末装置の構成>
次に、
図7および
図8を参照して、本発明の一実施形態に係る発信端末装置の構成について詳細に説明する。上述のように、本発明の一実施形態に係る発信端末装置の例は、センタ200に設置される発信用PC310である。
【0073】
(機能構成)
図7は、本発明の一実施形態に係る発信端末装置である発信用PC310の機能構成を示すブロック図である。
図7を参照すると、発信用PC310は、データ取得部311、データ発信部312、発信履歴出力部313、発信履歴管理部314、他端末情報管理部315、他端末履歴情報取得部316、履歴情報編集部317、履歴情報出力部318、および記憶部319を有する。なお、これらの各部は、後述する情報処理装置のハードウェア構成、例えばCPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、ストレージ装置、通信装置などを適宜用いることによって実現されうる。
【0074】
データ取得部311は、エントリベリファイ処理が完了したデータを取得する。このデータは、為替サーバ230、またはエントリベリファイPC290から提供されうる。なお、上述のように、発信用PC310は、エントリベリファイPC290と兼用される端末装置でありうる。この場合、データ取得部311は、内部的なデータのやり取りを実行する。
【0075】
データ発信部312は、データ取得部311が取得したデータをホスト400に向けて発信する。ここで発信されるデータは、ホスト400で用いられる所定のフォーマットのデータでありうる。従って、データ発信部312は、データ取得部311が取得したデータのフォーマットを当該フォーマットに変換する機能を有していてもよい。さらに、データ発信部312は、データをホスト400に送信した後のホスト400からの応答の受信、および応答の受信を受けた為替サーバ230への処理状況更新の依頼など、データのホスト400への発信に関するさまざまな処理を実行しうる。
【0076】
発信履歴出力部313は、データ発信部312によるホスト400へのデータの発信の履歴を、ホスト発信履歴として発信履歴管理部314へと内部的に出力する。上述のように、発信履歴出力部313によってホスト発信履歴情報が出力されるタイミングは、データ発信部312がホスト400からの正常応答を受信し、為替サーバ230への処理状況更新の依頼をした後の時点でありうる。
【0077】
発信履歴管理部314は、発信履歴出力部313によって出力されたホスト発信履歴を、記憶部319に格納してホスト発信履歴情報321として管理する。ここで発信履歴管理部314によって管理されるホスト発信履歴情報321は、発信用PC310の自端末分のホスト発信履歴である。上述のように、このホスト発信履歴情報321には、発信用PC310の機番、データ発信部312によってデータが発信された時刻情報である発信時間、データに付された通番などが含まれる。
【0078】
他端末情報管理部315は、センタ200に設置された他の端末装置、具体的には他の発信用PC310およびAPサーバ270の情報を管理する。他の端末装置の情報は、記憶部319に他端末情報320として格納され、管理される。他端末情報320には、例えば、それぞれの端末装置の機番、IP(Internet Protocol)アドレス、コンピュータ名、端末種別(発信用PC310か、APサーバ270か、など)が含まれる。
【0079】
他端末履歴情報取得部316は、為替サーバ230の障害時に、記憶部319に格納された他端末情報320を用いて、他の発信用PC310からホスト発信履歴情報を取得し、取得した情報を履歴情報編集部317に提供する。
【0080】
履歴情報編集部317は、為替サーバ230の障害時に、記憶部319に格納された自端末分のホスト発信履歴情報321と、他端末履歴情報取得部316が他の発信用PC310から取得した他端末分のホスト発信履歴情報とを、営業店100に提供するために編集する。より具体的には、履歴編集情報編集部317は、センタ200に設置されたすべての発信用PC310のホスト発信履歴情報を併合し、さらにそれを営業店100ごとのファイルに分類する。
【0081】
履歴情報出力部318は、為替サーバ230の障害時に、記憶部319に格納された他端末情報320を用いて、履歴情報編集部317によって編集されたホスト発信履歴情報をAPサーバ270に出力する。なお、上述のように、APサーバ270は複数設置されうる。この場合、履歴情報出力部318は、それぞれのAPサーバ270に上記のホスト発信履歴情報をコピーして出力する。履歴情報出力部318がホスト発信履歴情報を出力する先は、例えばAPサーバ270の共有フォルダであってもよい。
【0082】
(情報の集約、編集、および分配)
図8は、本発明の一実施形態に係る発信端末装置である発信用PC310による情報の集約、編集、および分配について説明するための図である。
図8では、為替サーバ230の障害時における、緊急照会用のオペレーション実施端末である発信用PC310aと、センタ200に設置される他の発信用PC310bと、APサーバ270との間での情報の集約、編集、および分配の手順が、P301〜P307として示されている。
【0083】
まず、発信用PC310aは、上記の他端末履歴情報取得部316の機能によって、他の発信用PC310bから、それぞれの端末で管理されている自端末(他の発信用PC310b)分のホスト発信履歴情報h
2,h
3を取得する(P301)。続いて、発信用PC310aは、上記の履歴情報編集部317の機能によって、他の発信用PC310bから取得したホスト発信履歴情報h
2,h
3と、自端末(発信用PC310a自身)分のホスト発信履歴情報h
1とを併合して、全端末分のホスト発信履歴情報h
allを作成する(P303)。ここで、全端末分のホスト発信履歴情報h
allは、例えばデータの通番の順にソートされていてもよい。
【0084】
さらに、発信用PC310aは、上記の履歴情報編集部317の機能によって、作成された全端末分のホスト発信履歴情報h
allを、営業店100ごとに分類する(P305)。図示された例では、営業店100として、A店およびB店が存在し、A店分のホスト発信履歴情報h
Aと、B店分のホスト発信履歴情報h
Bとが作成される。ここで、履歴情報編集部317は、例えば、データの通番に含まれる営業店100の店番号をキーにしてホスト発信履歴情報を抽出することによって、営業店100ごとのホスト発信履歴情報を抽出する。
【0085】
発信用PC310aは、こうして作成されたA店分のホスト発信履歴情報h
AとB店分のホスト発信履歴情報h
Bとを、上記の履歴情報出力部318の機能によって、複数のAPサーバ270にそれぞれ提供する。APサーバ270には、いずれも、A店分のホスト発信履歴情報h
AとB店分のホスト発信履歴情報h
Bとがコピーされて提供される。これによって、いずれのAPサーバ270においても、各営業店100分のホスト発信履歴情報を参照することが可能になる。
【0086】
<6.営業店端末装置の構成>
次に、
図9〜
図11を参照して、本発明の一実施形態に係る営業店端末装置の構成について詳細に説明する。本発明の一実施形態に係る営業店端末装置の例は、営業店100に設置される営業店端末110またはスキャナPC150である。以下では、代表して営業店端末110について説明する。
【0087】
(機能構成)
図9は、本発明の一実施形態に係る営業店端末装置である営業店端末110の機能構成を示すブロック図である。
図9を参照すると、営業店端末110は、イメージ取得部111、イメージ送信部112、送信履歴出力部113、送信履歴管理部114、返送受信部115、返送受信履歴出力部116、返送受信履歴管理部117、代表端末設定部118、他端末情報管理部119、他端末履歴情報取得部120、ホスト発信履歴取得部121、リカバリ情報生成部122、リカバリ情報出力部123、および記憶部124を有する。なお、これらの各部は、後述する情報処理装置のハードウェア構成、例えばCPU、RAM、ROM、ストレージ装置、通信装置などを適宜用いることによって実現されうる。
【0088】
イメージ取得部111は、振込依頼書のイメージデータを取得する。上述のように、イメージ取得部111は、営業店端末110が有する非接触スキャナなどのスキャナ自体であってもよく、また営業店端末110とは別体のスキャナからイメージデータを取得するためのインターフェースであってもよい。
【0089】
イメージ送信部112は、イメージ取得部111が取得した振込依頼書のイメージデータを、センタ200に送信する。このとき、イメージ送信部112は、送信するイメージデータについて通番を採番し、これをイメージデータとともにセンタ200に送信する。また、イメージ送信部112が送信するイメージデータには、営業店端末110においてOCR認識されたテキストのデータが付帯していてもよい。
【0090】
送信履歴出力部113は、イメージ送信部112によるセンタ200へのイメージデータ送信の履歴を、センタ送信履歴として送信履歴管理部114へと内部的に出力する。送信履歴出力部113によってセンタ送信履歴が出力されるタイミングは、イメージ送信部112がセンタ200からの正常応答を受信し、イメージデータの送信が完了した後の時点でありうる。
【0091】
送信履歴管理部114は、送信履歴出力部113によって出力されたセンタ送信履歴を、記憶部124に格納してセンタ送信履歴情報126として管理する。ここで送信履歴管理部114によって管理されるセンタ送信履歴情報126は、営業店端末110の自端末分のセンタ送信履歴である。上述のように、このセンタ送信履歴情報126には、営業店端末110の機番、イメージ送信部112によってイメージデータが送信された時刻情報である送信時間、イメージデータに付された通番などが含まれる。
【0092】
返送受信部115は、センタ200から送信される返送通知を受信する。返送受信部115は、受信した返送通知を、例えば営業店端末110が有する表示部などを用いてユーザに対して出力しうる。なお、この返送受信部115は、営業店端末110が代表端末に設定されている場合のみ、返送通知を受信する。
【0093】
返送受信履歴出力部116は、返送受信部115によるセンタ200からの返送通知受信の履歴を、返送受信履歴として返送受信履歴管理部117へと内部的に出力する。返送受信履歴出力部116によって返送受信履歴が出力されるタイミングは、返送受信部115がセンタ200に正常応答を送信し、返送通知の受信が完了した後の時点でありうる。
【0094】
返送受信履歴管理部117は、返送受信履歴出力部116によって出力された返送受信履歴を、記憶部124に格納して返送受信履歴情報127として管理する。上述のように、返送受信部115は、営業店端末110が代表端末に設定されている場合のみ返送通知を受信する。そのため、返送受信履歴管理部117は、営業店端末110が代表端末に設定されている場合のみ、返送受信履歴情報127を管理する。ここで返送受信履歴管理部によって管理される返送受信履歴情報127は、営業店端末110が設置された営業店100の自店分の返送受信履歴である。上述のように、この返送受信履歴情報127には、返送受信部115によって返送通知が受信された時刻の情報である受信時間、返送通知に係るデータの通番などが含まれる。
【0095】
代表端末設定部118は、営業店端末110を営業店100の代表端末に設定する。ここで、為替OCRシステム10においては、営業店100に設置される営業店端末110のいずれをも代表端末に設定することが可能であり、従って代表端末設定部118は、現時点で代表端末に設定されている営業店端末110以外の端末装置にも含まれうる。代表端末設定部118は、例えばユーザによって自端末を代表端末に設定する操作がされた場合、自端末の機番またはIPアドレスなどをセンタ200に送信し、営業店端末110を営業店100において返送通知の送信先となる代表端末として登録する。
【0096】
他端末情報管理部119は、営業店100に設置された他の端末装置、具体的には他の営業店端末110の情報を管理する。他の端末装置の情報は、記憶部124に他端末情報125として格納され、管理される。他端末情報125には、例えば、それぞれの端末装置の機番、IPアドレス、コンピュータ名、端末種別(営業店端末110かスキャナPC150か、など)が含まれる。
【0097】
他端末履歴情報取得部120は、センタ200の為替サーバ230の障害時に、記憶部124に格納された他端末情報125を用いて、他の営業店端末110からセンタ送信履歴情報を取得し、取得した情報をリカバリ情報生成部122に提供する。
【0098】
ホスト発信履歴取得部121は、為替サーバ230の障害時に、センタ200のAPサーバ270に照会依頼を送信し、APサーバ270が保持しているホスト発信履歴情報を取得する。上述のように、ここで取得されるホスト発信履歴情報は、センタ200に設置された各発信用PC310に蓄積されたホスト発信履歴情報が併合され、さらにそれが営業店100ごとに分類されたものでありうる。ホスト発信履歴取得部121は、取得した情報をリカバリ情報生成部122に提供する。
【0099】
リカバリ情報生成部122は、為替サーバ230の障害時に、記憶部124に格納された自端末分のセンタ送信履歴情報126と、他端末履歴情報取得部120が他の営業店端末110から取得した他端末分のセンタ発信履歴情報と、ホスト発信履歴取得部121がAPサーバ270から取得したホスト発信履歴情報とを編集して、リカバリ情報を生成する。
【0100】
リカバリ情報出力部123は、リカバリ情報生成部122によって生成されたリカバリ情報を、ユーザに向けて出力する。リカバリ情報出力部123は、例えば、営業店端末110が有する表示部にリカバリ情報を表示したり、ネットワークプリンタ170を用いてリカバリ情報を印字したりする。
【0101】
(リカバリ情報の生成)
図10は、本発明の一実施形態に係る営業店端末装置である営業店端末110によるリカバリ情報の生成について説明するための図である。
図10では、為替サーバ230の障害時に緊急照会用のオペレーションが実行される、営業店100の代表端末である営業店端末110aがリカバリ情報を生成する手順が、P401〜P407として示されている。
【0102】
まず、営業店端末110aは、上記の他端末履歴情報取得部120の機能によって、他の営業店端末110bから、それぞれの端末で管理されている自端末(他の営業店端末110)分のセンタ送信履歴情報c
2,c
3を取得する(P401)。続いて、営業店端末110aは、上記のリカバリ情報生成部122の機能によって、他の営業店端末110bから取得したセンタ送信履歴情報c
2,c
3と、自端末(営業店端末110a自身)分のセンタ送信履歴情報c
1とを併合して、自店分のセンタ送信履歴情報c
Aを作成する(P403)。
【0103】
一方、営業店端末110aは、上記のホスト発信履歴取得部121の機能によって、センタ200のAPサーバ270から自店分のホスト発信履歴情報h
Aを取得する(P405)。営業店端末110aは、こうして取得したセンタ送信履歴情報c
A、ホスト発信履歴情報h
A、および上記の返送受信履歴管理部117の機能によって管理されている自店分の返送受信履歴情報b
Aとを用いて、上記のリカバリ情報生成部122の機能によって、リカバリ情報であるセンタ送信状況一覧r
1と、未処理一覧r
2とを生成する。
【0104】
(リカバリ情報の例)
図11は、本発明の一実施形態に係る営業店端末装置である営業店端末110において生成されるリカバリ情報の例を示す図である。
図11には、センタ送信一覧r
1、および未処理一覧r
2の例が示されている。
【0105】
センタ送信一覧r
1は、上記のセンタ送信履歴情報c
Aに含まれるデータの通番をキーにして、ホスト発信履歴情報h
Aおよび返送受信履歴情報b
Aを参照して処理状況を特定したものである。センタ送信一覧r
1は、例えば、センタ送信履歴情報c
Aに通番が含まれるデータのうち、通番がホスト発信履歴情報h
Aにも含まれるデータについては処理状況を“発信済”とし、通番が返送受信履歴情報b
Aにも含まれるデータについては処理状況を“返送”とし、通番がこれら2つの履歴情報のいずれにも含まれないデータについては処理状況を“未発信”とすることによって生成される。センタ送信一覧r
1は、図示されているように、センタ送信を実行した端末装置の機番、通番の順でソートされていてもよい。
【0106】
かかるセンタ送信一覧r
1によれば、為替サーバ230の障害時にセンタ200に送信されていたデータの処理状況を一括して把握することができる。このように、為替OCRシステム10では、為替サーバ230に障害が発生してDB250に格納されている処理状況の情報を参照できない状況下でも、データの処理状況を把握し、営業店100でのリカバリの処理に利用することができる。
【0107】
未処理一覧r
2は、センタ送信一覧r
1から、処理状況が“未発信”または“返送”であるデータを抽出することによって生成されうる。未処理一覧r
2も、図示されているように、センタ送信を実行した端末装置の機番、通番の順でソートされていてもよい。
【0108】
かかる未処理一覧r
2によれば、為替サーバ230の障害時にセンタ200に送信されたがホスト発信はされていないデータ、すなわち、営業店100でのリカバリ処理の対象になるデータを一括して把握することができる。営業店100でのリカバリ処理では、例えば、未処理一覧r
2に示されるデータを、営業店端末110などから直接ホスト400に発信する自店処理が実行されうる。未処理一覧r
2は、このような営業店100でのリカバリ処理のために最適化された情報といえ、サーバ障害時の営業店100での処理の労力を大幅に軽減することに貢献する。
【0109】
<7.ハードウェア構成>
次に、
図12を参照して、本発明の一実施形態に係る営業店端末110、スキャナPC150、集配信サーバ210、為替サーバ230、APサーバ270、エントリベリファイPC290、および発信用PC310を実現しうる情報処理装置900のハードウェア構成について説明する。
【0110】
図12は、情報処理装置のハードウェア構成を説明するためのブロック図である。
【0111】
情報処理装置900は、CPU901、ROM903、およびRAM905を含む。さらに、情報処理装置900は、ホストバス907、ブリッジ909、外部バス911、インターフェース913、入力装置915、出力装置917、ストレージ装置919、ドライブ921、接続ポート923、および通信装置925を含んでもよい。
【0112】
CPU901は、演算処理装置および制御装置として機能し、ROM903、RAM905、ストレージ装置919、またはリムーバブル記録媒体927に記録された各種プログラムに従って、情報処理装置900内の動作全般またはその一部を制御する。このプログラムは、例えばリムーバブル記録媒体927格納して提供されるものであってもよく、また通信装置925を用いた通信ネットワーク931からのダウンロードによって提供されるものであってもよい。ROM903は、CPU901が使用するプログラムや演算パラメータなどを記憶する。RAM905は、CPU901の実行において使用するプログラムや、その実行において適宜変化するパラメータなどを一次記憶する。CPU901、ROM903、およびRAM905は、CPUバスなどの内部バスにより構成されるホストバス907により相互に接続されている。さらに、ホストバス907は、ブリッジ909を介して、PCI(Peripheral Component Interconnect/Interface)バスなどの外部バス911に接続されている。
【0113】
入力装置915は、例えば、マウス、キーボード、タッチパネル、ボタン、スイッチおよびレバーなど、ユーザによって操作される装置である。入力装置915は、例えば、赤外線やその他の電波を利用したリモートコントロール装置であってもよいし、情報処理装置900の操作に対応した携帯電話などの外部接続機器929であってもよい。入力装置915は、ユーザが入力した情報に基づいて入力信号を生成してCPU901に出力する入力制御回路を含む。ユーザは、この入力装置915を操作することによって、情報処理装置900に対して各種のデータを入力したり処理動作を指示したりする。
【0114】
出力装置917は、取得した情報をユーザに対して視覚的または聴覚的に通知することが可能な装置で構成される。出力装置917は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)、PDP(Plasma Display Panel)、有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイなどの表示装置、スピーカおよびヘッドホンなどの音声出力装置、ならびにプリンタ装置などでありうる。出力装置917は、情報処理装置900の処理により得られた結果を、テキストまたは画像などの映像として出力したり、音声または音響などの音声として出力したりする。
【0115】
ストレージ装置919は、情報処理装置900の記憶部の一例として構成されたデータ格納用の装置である。ストレージ装置919は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)などの磁気記憶部デバイス、半導体記憶デバイス、光記憶デバイス、または光磁気記憶デバイスなどにより構成される。このストレージ装置919は、CPU901が実行するプログラムや各種データ、および外部から取得した各種のデータなどを格納する。
【0116】
ドライブ921は、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、または半導体メモリなどのリムーバブル記録媒体927のためのリーダライタであり、情報処理装置900に内蔵、あるいは外付けされる。ドライブ921は、装着されているリムーバブル記録媒体927に記録されている情報を読み出して、RAM905に出力する。また、ドライブ921は、装着されているリムーバブル記録媒体927に記録を書き込む。
【0117】
接続ポート923は、機器を情報処理装置900に直接接続するためのポートである。接続ポート923は、例えば、USB(Universal Serial Bus)ポート、IEEE1394ポート、SCSI(Small Computer System Interface)ポートなどでありうる。また、接続ポート923は、RS−232Cポート、光オーディオ端子、HDMI(High-Definition Multimedia Interface)ポートなどであってもよい。接続ポート923に外部接続機器929を接続することで、情報処理装置900と外部接続機器929との間で各種のデータが交換されうる。
【0118】
通信装置925は、例えば、通信ネットワーク931に接続するための通信デバイスなどで構成された通信インターフェースである。通信装置925は、例えば、有線または無線LAN(Local Area Network)、Bluetooth(登録商標)、またはWUSB(Wireless USB)用の通信カードなどでありうる。また、通信装置925は、光通信用のルータ、ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)用のルータ、または、各種通信用のモデムなどであってもよい。通信装置925は、例えば、インターネットや他の通信機器との間で、TCP/IPなどの所定のプロトコルを用いて信号などを送受信する。また、通信装置925に接続される通信ネットワーク931は、有線または無線によって接続されたネットワークであり、例えば、インターネット、家庭内LAN、赤外線通信、ラジオ波通信または衛星通信などである。
【0119】
以上、情報処理装置900のハードウェア構成の一例を示した。上記の各構成要素は、汎用的な部材を用いて構成されていてもよいし、各構成要素の機能に特化したハードウェアにより構成されていてもよい。かかる構成は、実施する時々の技術レベルに応じて適宜変更されうる。
【0120】
<8.補足>
(付加的な構成とその効果)
本発明の実施形態において、営業店端末装置は、営業店に複数設置され、他の営業店端末装置のセンタ送信履歴情報を取得する他端末履歴情報取得部をさらに有し、リカバリ情報生成部は、営業店端末装置および他の営業店端末装置のセンタ送信履歴情報を併合して用いてもよい。
【0121】
かかる構成によれば、営業店端末装置が複数設置される場合に、それぞれの営業店端末装置に蓄積されたセンタ送信履歴情報を自動的に集約して一括して利用することができる。従って、営業店における処理状況の照会がさらに容易になる。
【0122】
本発明の実施形態において、発信端末装置は、センタに複数設置され、他の発信端末装置のホスト発信履歴情報を取得する他端末履歴情報取得部と、発信端末装置および他の発信端末装置のホスト発信履歴情報を併合する履歴情報編集部とをさらに有してもよい。
【0123】
かかる構成によれば、発信端末装置が複数設置される場合に、それぞれの発信端末装置に蓄積されたホスト発信履歴情報を自動的に集約して一括して利用することができる。従って、営業店における処理状況の照会がさらに容易になる。
【0124】
本発明の実施形態において、営業店は、複数存在し、発信端末装置は、ホスト発信履歴情報を営業店ごとに分類する履歴情報編集部をさらに有し、ホスト発信履歴取得部は、営業店端末装置が設置された営業店に分類されたホスト発信履歴情報を取得してもよい。
【0125】
かかる構成によれば、営業店が複数ある場合に、それぞれの営業店で自店分のホスト発信履歴情報を選択的に取得することができる。自店にとって必要な情報だけが取得されるため、営業店における処理状況の照会がさらに容易になる。
【0126】
本発明の実施形態において、リカバリ情報生成部は、センタに送信されたがホストに発信されていない未発信データを示す情報を含むリカバリ情報を生成してもよい。
【0127】
かかる構成によれば、例えば営業店において自店処理などの再度の処理が必要なデータに関する情報を一括して取得することができる。個別に処理状況を確認する必要がないため、営業店でのリカバリ処理がさらに容易になる。
【0128】
本発明の実施形態において、業務システムは、センタに設置されて、データが無効である場合に返送通知を営業店端末装置に送信する検証端末をさらに含み、営業店端末装置は、センタからの返送通知の受信の履歴情報である返送受信履歴情報を管理する返送受信履歴管理部をさらに含み、リカバリ情報生成部は、さらに返送受信履歴情報に基づいて、未発信データと返送通知の対象になったデータとを示す情報を含むリカバリ情報を生成してもよい。
【0129】
かかる構成によれば、ホストに未発信であるために再度の処理が必要なデータとともに、センタで無効と判定されたために再度の処理が必要なデータの情報を一括して取得することができる。営業店で再度の処理が必要な点ではこれらのデータは同じであるため、そのようなデータの情報が一括して取得されることで営業店でのリカバリ処理がさらに容易になる。
【0130】
本発明の実施形態において、業務システムは、センタに設置されて、営業店端末装置による管理サーバへの処理状況の照会を受け付け、管理サーバの障害時にはホスト発信履歴情報を取得して保持するアプリケーションサーバをさらに含み、ホスト発信履歴取得部は、アプリケーションサーバからホスト発信履歴情報を取得してもよい。
【0131】
かかる構成によれば、通常処理時のセンタへの処理状況の照会と同じルートで、サーバ障害時にもセンタへの照会が可能である(ただし、取得される情報は異なる)ため、サーバ障害時用に別途の照会ルートを設ける場合に比べてシステムの構成が簡単になる。
【0132】
本発明の実施形態において、アプリケーションサーバは、センタに複数設置され、それぞれのアプリケーションサーバがホスト発信履歴情報を取得して保持してもよい。
【0133】
かかる構成によれば、仮に一部のアプリケーションサーバに障害が発生しても、残りのアプリケーションサーバを用いてホスト発信履歴情報の取得が可能になり、サーバ障害時の処理の堅牢性が向上する。
【0134】
本発明の実施形態において、業務システムは、為替OCRシステムであり、データは、振込依頼書のイメージを読み取ったデータを含んでもよい。
【0135】
かかる構成によれば、サーバ障害時のセンタでの処理状況の照会が特に必要な業務システムの1つである為替OCRシステムにおいて、本発明の実施形態による効果を得ることができる。
【0136】
(付言)
本発明の実施形態は、上記の為替OCRシステム以外にも、営業店−センタ−ホストというデータ伝送が行われるあらゆる種類の業務システムに適用可能である。従って、本発明の実施形態の細部は、上記の為替OCRシステムの説明における例には限られず、本発明の実施形態が適用される業務システムの種類において適宜設計されうる。
【0137】
例えば、上記の為替OCRシステムにおける、営業店およびセンタに諸々の装置が設置される数は、図示された例には限られず、必要に応じて任意の数とすることが可能である。また、営業店における代表端末は必ずしも定められなくてもよく、例えば返送通知がセンタ送信を実行した営業店端末にそれぞれ送信されるような構成であってもよい。さらに、業務システムの種類によっては、返送処理自体が存在しなくてもよい。
【0138】
また、上記の為替OCRシステムにおいて、サーバ障害時における営業店での緊急照会用オペレーションは、必ずしも代表端末で実行されなくてもよい。何らかの理由によって代表端末以外の端末装置で緊急照会オペレーションが実行される場合、当該端末装置は、代表端末から返送受信履歴情報を取得する機能を有してもよい。
【0139】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。