特許第5796593号(P5796593)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ カシオ電子工業株式会社の特許一覧 ▶ カシオ計算機株式会社の特許一覧

特許5796593監視システム、監視対象装置、監視方法、および、プログラム
<>
  • 特許5796593-監視システム、監視対象装置、監視方法、および、プログラム 図000002
  • 特許5796593-監視システム、監視対象装置、監視方法、および、プログラム 図000003
  • 特許5796593-監視システム、監視対象装置、監視方法、および、プログラム 図000004
  • 特許5796593-監視システム、監視対象装置、監視方法、および、プログラム 図000005
  • 特許5796593-監視システム、監視対象装置、監視方法、および、プログラム 図000006
  • 特許5796593-監視システム、監視対象装置、監視方法、および、プログラム 図000007
  • 特許5796593-監視システム、監視対象装置、監視方法、および、プログラム 図000008
  • 特許5796593-監視システム、監視対象装置、監視方法、および、プログラム 図000009
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5796593
(24)【登録日】2015年8月28日
(45)【発行日】2015年10月21日
(54)【発明の名称】監視システム、監視対象装置、監視方法、および、プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/12 20060101AFI20151001BHJP
   G06F 11/34 20060101ALI20151001BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20151001BHJP
   H04N 1/00 20060101ALI20151001BHJP
【FI】
   G06F3/12 329
   G06F3/12 321
   G06F11/34 B
   B41J29/38 Z
   H04N1/00 107A
【請求項の数】8
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2013-60845(P2013-60845)
(22)【出願日】2013年3月22日
(65)【公開番号】特開2014-186533(P2014-186533A)
(43)【公開日】2014年10月2日
【審査請求日】2014年4月9日
(73)【特許権者】
【識別番号】000104124
【氏名又は名称】カシオ電子工業株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000001443
【氏名又は名称】カシオ計算機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(72)【発明者】
【氏名】斎藤 浩
【審査官】 三森 雄介
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−066783(JP,A)
【文献】 特開2004−328272(JP,A)
【文献】 特開平04−343115(JP,A)
【文献】 特開平04−275613(JP,A)
【文献】 特開2008−155483(JP,A)
【文献】 特開2010−160550(JP,A)
【文献】 特開2011−233959(JP,A)
【文献】 特開2013−021526(JP,A)
【文献】 特開2006−113947(JP,A)
【文献】 特開2004−362330(JP,A)
【文献】 特開2008−077209(JP,A)
【文献】 特開2013−055488(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/09− 3/12
G06F 11/34
B41J 29/00−29/70
H04N 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
監視装置と、該監視装置とネットワークを介して接続され、省電力対象部の動作が停止されているが、前記ネットワークを介して送信されたパケットを監視する接続部が動作している第1状態と、前記省電力対象部及び接続部が動作している第2状態とを有する監視対象装置とを備える監視システムであって、
前記監視装置は、
前記監視対象装置に該監視対象装置の状態情報を取得できるか否かの問い合わせを行う問い合わせ手段と、
前記問い合わせに応答した監視対象装置に対して、該監視対象装置の状態情報の取得を要求する要求手段と、を備え、
前記監視対象装置は、
該監視対象装置の状態情報を取得できない前記第1状態において前記問い合わせ手段から前記問い合わせを受信した場合、該問い合わせに対して応答せず、かつ、該監視対象装置を前記第1状態に維持する制御手段と、
該監視対象装置の状態情報を取得できる前記第2状態において前記問い合わせ手段から前記問い合わせを受信した場合、該問い合わせに対する応答を前記監視装置に送信する応答手段と、
該監視対象装置の状態情報の取得を前記要求手段から要求されると、該監視対象装置の状態情報を前記監視装置に通知する通知手段と、を備える、
ことを特徴とする監視システム。
【請求項2】
前記制御手段は、前記監視対象装置が状態情報を取得できない前記第1状態にあるときに予め定められた起動命令を受信すると、該監視対象装置を前記第1状態から前記第2状態に変更する、
ことを特徴とする請求項1に記載の監視システム。
【請求項3】
前記監視装置は、前記監視対象装置から通知された状態情報を報知する報知手段をさらに備える、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の監視システム。
【請求項4】
前記問い合わせ手段は、前記監視対象装置を含む複数の装置に対し予め定められた応答要求を前記ネットワークを介してマルチキャスト送信することにより、前記問い合わせを行い、
前記応答手段は、前記監視対象装置が前記第2状態にあるときに、前記監視装置から送信された前記応答要求を受信すると、該応答要求に対する応答を前記監視装置に送信し、
前記要求手段は、前記応答の送信元である前記監視対象装置に対し、該監視対象装置の状態情報の取得のための要求をユニキャスト送信することにより、前記監視対象装置の状態情報の取得を要求する、
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の監視システム。
【請求項5】
前記監視装置は、
前記状態情報の取得の対象となる前記監視対象装置のアドレス情報を記憶する記憶手段と、
前記応答の送信元である前記監視対象装置のアドレス情報と、前記記憶手段に記憶された前記状態情報の取得の対象のアドレス情報とを比較することにより、前記応答の送信元が前記状態情報の取得の対象であるか否かを判別する判別手段と、
をさらに備え、
前記要求手段は、前記応答の送信元である前記監視対象装置が前記状態情報の取得の対象となる前記監視対象装置であると前記判別手段により判別された場合に、前記応答の送信元である前記監視対象装置に前記状態情報の取得を要求する、
ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の監視システム。
【請求項6】
省電力対象部の動作が停止されているがネットワークを経由して送信されたパケットを監視する接続部が動作している第1状態と、前記省電力対象部及び接続部が動作している第2状態とを有する監視対象装置であって、
当該監視対象装置の状態情報を取得できない前記第1状態において、前記ネットワークを経由して接続された監視装置から当該監視対象装置の状態情報を取得できるか否かの問い合わせを受信した場合、該問い合わせに対して応答せず、かつ、当該監視対象装置を前記第1状態に維持する制御手段と、
当該監視対象装置の状態情報を取得できる前記第2状態において、前記監視装置から前記問い合わせを受信した場合、該問い合わせに対する応答を前記監視装置に送信する応答手段と、
前記問い合わせに対する応答の後に、当該監視対象装置の状態情報の取得を前記監視装置から要求されると、当該監視対象装置の状態情報を前記監視装置に通知する通知手段と、
を備えることを特徴とする監視対象装置。
【請求項7】
省電力対象部の動作が停止されているがネットワークを経由して送信されたパケットを監視する接続部が動作している第1状態と、前記省電力対象部及び接続部が動作している第2状態とを有する監視対象装置を監視する監視方法であって、
監視装置から、前記ネットワークを経由して接続された前記監視対象装置に対して、該監視対象装置の状態情報を取得できるか否かの問い合わせを行う問い合わせステップと、
前記監視対象装置が該監視対象装置の状態情報を取得できない前記第1状態において前記問い合わせを受けた場合、該問い合わせに対して応答せず、かつ、該監視対象装置を前記第1状態に維持する制御ステップと、
前記監視対象装置が該監視対象装置の状態情報を取得できる前記第2状態において前記問い合わせを受けた場合、該問い合わせに対する応答を前記監視装置におこなう応答ステップと、
前記問い合わせに応答した監視対象装置に対して、該監視対象装置の状態情報の取得を要求する要求ステップと、
前記要求ステップの要求に応じて前記監視対象装置の状態情報を前記監視装置に通知する通知ステップと、
を含むことを特徴とする監視方法。
【請求項8】
省電力対象部の動作が停止されているがネットワークを経由して送信されたパケットを監視する接続部が動作している第1状態と、前記省電力対象部及び接続部が動作している第2状態とを有する監視対象装置のネットワーク接続を制御するコンピュータに、
当該監視対象装置の状態情報を取得できない前記第1状態において、前記ネットワークを経由して接続された監視装置から当該監視対象装置の状態情報を取得できるか否かの問い合わせを受信した場合、該問い合わせに対して応答せず、かつ、当該監視対象装置を前記第1状態に維持させる制御機能、
当該監視対象装置の状態情報を取得できる前記第2状態において、前記監視装置から前記問い合わせを受信した場合、該問い合わせに対する応答を前記監視装置に送信する応答機能、
前記問い合わせに対する応答の後に、当該監視対象装置の状態情報の取得を前記監視装置から要求されると、当該監視対象装置の状態情報を前記監視装置に通知する通知機能、
を実現させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、監視システム、監視対象装置、監視方法、および、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、消費電力を低減させた状態(省電力状態)で動作しているプリンタ等の機器を、ネットワークを介して送信される起動命令によって通常状態に復帰させる、いわゆるWOL(Wake On LAN)と呼ばれる技術が知られている。
【0003】
この種の技術において、省電力状態にある機器は、例えばアドレス情報の取得のために発行されるARP(Address Resolution Protocol)要求等によっても起動することができる。そのため、省電力状態にある機器に対して、例えばSNMP(Simple Network Management Protocol)による監視を定期的に行うと、この監視のために発行される状態取得パケットに先立ってARP要求が発行され、このARP要求によって省電力状態が頻繁に中断されてしまうことがあった。
【0004】
これに対し、例えば特許文献1は、ネットワーク上のWOLに対応した印刷装置の状態をSNMPによって取得する際に、印刷装置の省電力状態が中断されることを防止するための技術を開示している。特許文献1では、監視側の装置が、印刷装置のIP(Internet Protocol)アドレス及びMAC(Media Access Control)アドレスから構成されるアドレス情報を固定登録し、固定登録されたアドレス情報を用いて印刷装置に状態の取得を行う。そのため、状態の取得に先立ってARP要求を発行する必要がなく、状態の取得のたびに印刷装置の省電力状態が中断してしまうことを防止できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2012−53842号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、監視対象のアドレス情報を固定登録する方法は、例えばアドレス情報が変更した場合等において、柔軟に対応しにくいこともある。そのため、例えば省電力状態のような、監視対象の装置が監視対象とすべきでない状態にあるときにまで監視側の装置から状態の取得が行われることを抑制するための別の方法が求められていた。
【0007】
本発明は、以上のような課題を解決するためのものであり、監視対象装置が監視対象とすべきでない状態にあるときに状態情報の取得が行われることを抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明に係る監視システムは、
監視装置と、該監視装置とネットワークを介して接続され、省電力対象部の動作が停止されているが、前記ネットワークを介して送信されたパケットを監視する接続部が動作している第1状態と、前記省電力対象部及び接続部が動作している第2状態とを有する監視対象装置とを備える監視システムであって、
前記監視装置は、
前記監視対象装置に該監視対象装置の状態情報を取得できるか否かの問い合わせを行う問い合わせ手段と、
前記問い合わせに応答した監視対象装置に対して、該監視対象装置の状態情報の取得を要求する要求手段と、を備え、
前記監視対象装置は、
該監視対象装置の状態情報を取得できない前記第1状態において前記問い合わせ手段から前記問い合わせを受信した場合、該問い合わせに対して応答せず、かつ、該監視対象装置を前記第1状態に維持する制御手段と、
該監視対象装置の状態情報を取得できる前記第2状態において前記問い合わせ手段から前記問い合わせを受信した場合、該問い合わせに対する応答を前記監視装置に送信する応答手段と、
該監視対象装置の状態情報の取得を前記要求手段から要求されると、該監視対象装置の状態情報を前記監視装置に通知する通知手段と、を備える、
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、監視対象装置が監視対象とすべきでない状態にあるときに状態情報の取得が行われることを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の実施形態に係る監視システムを概略的に示す図である。
図2図1に示したホストコンピュータの構成を示すブロック図である。
図3図1に示したプリンタの構成を示すブロック図である。
図4図2に示したホストコンピュータに記憶されたプリンタ状態情報の構成を示す図である。
図5図3に示したプリンタに記憶された状態情報の構成を示す図である。
図6図3に示したプリンタに記憶された起動パケット情報の構成を示す図である。
図7】本発明の実施形態に係るホストコンピュータが実行する監視処理、およびプリンタが実行するパケット受信処理を示すフローチャートである。
図8】プリンタが省電力状態である場合の処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。なお、図中同一又は相当する部分には同一符号を付す。
【0012】
以下に説明する実施形態は説明のためのものであり、本発明の範囲を制限するものではない。したがって、当業者であれば下記の各構成要素を均等なものに置換した実施形態を採用することが可能であるが、これらの実施形態も本発明の範囲に含まれる。また、以下の説明では、本発明の理解を容易にするため、重要でない公知の技術的事項の説明を適宜省略する。
【0013】
はじめに図1を参照して、本実施形態に係る監視システム1の構成を概略的に説明する。監視システム1は、ホストコンピュータ10と、プリンタ20a〜20cとを備える。ホストコンピュータ10は、プリンタ20a〜20cとネットワークNを介して接続される。
【0014】
ホストコンピュータ10は、PC(Personal Computer)によって実現される。一方、プリンタ20a〜20cは、ユーザの操作やネットワークNを介して受信する外部からの要求に基づいて印刷処理を実行する印刷装置によって実現される。プリンタ20a〜20cは、この印刷処理のみを行うものでも良いし、さらにコピー機能、スキャナ機能、ファクシミリ機能等を備えた複合機でも良い。また、プリンタ20a〜20cは、待機状態のまま一定時間を経過したときに省電力状態(スリープ状態)に移行するスリープ機能を有する。
【0015】
さらに、プリンタ20a〜20cは、WOL機能を有し、省電力状態で動作している場合に、ネットワークNを介して送信される起動パケットによって通常状態に復帰する。ここで、省電力状態(第1状態)とは、消費電力抑制のためにプリンタ20の主制御部への給電が停止しているが、後述するLAN I/F23への給電は維持している状態である。この省電力状態においては、プリンタ20は印刷処理を実行不可能であり且つ各種パケットへの応答処理も不可能であるが、LAN I/F23は起動パケットを処理可能である。また、通常状態(第2状態)とは、プリンタ20およびLAN I/F23への給電が維持されている状態である。この通常状態においては、プリンタ20は印刷処理や各種パケットへの応答処理が可能である。
【0016】
ネットワークNは、例えばイーサネット(登録商標)とTCP(Transmission Control Protocol)/IP(Internet Protocol)とを組み合わせたLAN(Local Area Network)から構成される。なお、ネットワークNへの接続は有線または無線の何れでも良い。また、以下の説明において、プリンタ20a〜20cのそれぞれを区別しない場合には、プリンタ20a〜20cを単にプリンタ20として説明する。また、監視システム1は、1台のホストコンピュータ10、3台のプリンタ20a〜20cを備えているが、これらの台数は適宜に選択できる。
【0017】
以下では、3台のプリンタ20a〜20cのうち、プリンタ20aとプリンタ20bがホストコンピュータ10の監視対象とされた場合について説明する。ホストコンピュータ10は、監視対象であるプリンタ20aおよびプリンタ20bそれぞれのユニキャストアドレス情報を記憶する。
【0018】
ユニキャストアドレス情報は、一対のIPアドレスおよびMACアドレスから構成される。具体的には、図1に示す「192.168.1.2」がプリンタ20aに対応するユニキャストアドレス情報のIPアドレスであり、「p1」がプリンタ20aに対応するユニキャストアドレス情報のMACアドレスである。
【0019】
つづいて図2を参照して、図1に示したホストコンピュータ10の構成を説明する。ホストコンピュータ10は、制御部11、記憶部12、通信部13、操作部14、表示部15を備える。
【0020】
通信部13は、NIC(Network Interface Card)等の通信インタフェース装置から構成される。通信部13は、制御部11の制御のもと、ネットワークNを介して接続されたプリンタ20と各種通信を行う。
【0021】
操作部14は、マウスやキーボード等の入力インタフェース装置から構成される。操作部14は、ユーザからの各種操作を受け付け、受け付けた各種操作に対応する信号を制御部11に供給する。例えば、操作部14は、ユーザの操作に従って印刷条件を設定するための信号、印刷を実行するための信号等を制御部11に供給する。
【0022】
表示部15は、CRT(Cathode Ray Tube)やLCD(Liquid Crystal Display)等の表示装置から構成される。表示部15は、制御部11から供給される各種画像データに基づいて各種画像を画面に表示する。例えば、表示部15は、制御部11の制御のもと、監視対象であるプリンタ20の動作状態(通常状態、省電力状態)、用紙残量、トナー残量等を画面に表示する。
【0023】
なお、操作部14と表示部15とは、いわゆるタッチパネルから構成されてもよい。この場合、タッチパネルに備えられる入力インタフェース装置と表示装置とは互いに重畳され、タッチパネルにおいてユーザが操作した位置に対応する操作信号が制御部11に供給される。
【0024】
記憶部12は、HDD(Hard Disk Drive)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ等の記憶装置から構成される。記憶部12は、OS(Operating System)や各種アプリケーションプログラム等、制御部11が各種処理を行うために使用する各種プログラムおよびデータ、制御部11が各種処理を行うことにより生成又は取得した各種データを記憶する。
【0025】
記憶部12は、制御プログラム12a、監視プリンタアドレス情報12b、監視プリンタ状態情報12cを記憶する。
【0026】
監視プリンタアドレス情報12bは、不図示のマルチキャストアドレス情報とユニキャストアドレス情報とを有する。マルチキャストアドレス情報は、監視対象機器が応答可能なマルチキャストアドレスを指定する。このマルチキャストアドレス情報に基づいて生成されたパケット(後述する検索パケット)は、監視対象とされたプリンタ20(図1に示したプリンタ20a、およびプリンタ20b)を含め全てのプリンタ20において受信される。
【0027】
一方、ユニキャストアドレス情報は、監視対象であるプリンタ20を一意に特定するためのアドレス情報である。このユニキャストアドレス情報に基づいて生成されたパケット(後述する状態要求パケット)は、当該アドレス情報が付与されたプリンタ20(図1に示したプリンタ20aやプリンタ20b)で受信される。また、ホストコンピュータ10が受信したパケット(後述する応答パケットや状態パケット)の送信元は、ユニキャストアドレス情報に基づいて一意に特定される。
【0028】
監視プリンタ状態情報12cは、図4に示すように、ユニキャストアドレス情報と状態情報とを有する。状態情報は、例えば、プリンタ20の動作状態(通常状態、省電力状態等)、用紙残量、トナー残量等の各種状態を表す。また、状態情報は、プリンタ20から受信するパケット(状態パケット)等に基づいて更新される。
【0029】
制御部11は、CPU(Central Processing Unit)、CPUのメインメモリとして機能するRAM(Random Access Memory)、タイマ等を備える。制御部11は、命令やデータを転送するための伝送経路であるシステムバスを介してホストコンピュータ10の各部と接続され、ホストコンピュータ10全体を制御する。なお、制御部11は、一部にASIC(Application Specific Integrated Circuit)等の専用回路を備えてもよい。
【0030】
また、制御部11は、制御プログラム12aを実行することにより、問い合わせ部11a、受信部11b、要求部11c、報知部11d、判別部11e、計時部11fとして機能する。各部11a〜11fは、後述の各種処理を行う。
【0031】
つづいて図3を参照して、図1に示したプリンタ20の構成を説明する。プリンタ20は、制御部21、記憶部22、LAN I/F23、操作部24、表示部25、印刷処理部26を備える。
【0032】
LAN I/F23は、NIC等の通信インタフェース装置から構成される。LAN I/F23は、制御部21の制御のもと、ネットワークNを介して接続されたホストコンピュータ10と各種通信を行う。また、LAN I/F23は、第2記憶部23aと通信制御部23cとを備え、プリンタ20が省電力状態にあるときに所定の起動パケットを受信するとプリンタ20を起動させるWOL機能を有する。
【0033】
操作部24は、複数の操作ボタン等の入力インタフェース装置から構成される。操作部24は、ユーザからの各種操作を受け付け、受け付けた各種操作に対応する信号を制御部21に供給する。
【0034】
表示部25は、LCD等の表示装置から構成される。表示部25は、制御部21から供給される各種画像データに基づいて各種画像を表示する。例えば、表示部25は、制御部21の制御のもと、プリンタ20本体の状態、用紙残量、トナー残量等を表示する。
【0035】
なお、操作部24と表示部25とは、いわゆるタッチパネルから構成されてもよい。この場合、タッチパネルに備えられる入力インタフェース装置と表示装置とは互いに重畳され、タッチパネルにおいてユーザが操作した位置に対応する操作信号が制御部21に供給される。
【0036】
印刷処理部26は、プリンタエンジン、給紙トレイ、給紙トレイから給紙された記録紙(用紙)を搬送する搬送装置、複数の画像形成ユニット(例えば、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックに対応する画像形成ユニット)等を備える。なお、画像形成ユニットは、感光体ドラム、帯電機、印字ヘッド(LED(Light Emitting Diode)ヘッド)、現像機、転写機から構成される。印刷処理部26は、制御部21から受け取った印刷ジョブに基づいて印刷処理を行う。印刷処理部26は、制御部21の制御のもと、給紙された用紙に、印刷ジョブに含まれる印刷データをプリンタエンジンが処理する形式の画像データに変換する。印刷処理部26は、変換した画像データを所定の設定条件に従って印刷出力する。
【0037】
記憶部22は、HDD、ROM、フラッシュメモリ等の記憶装置から構成される。記憶部22は、制御部21が各種処理を行うために使用する各種プログラムおよびデータ、制御部21が各種処理を行うことにより生成又は取得した各種データを記憶する。記憶部22は、プリンタ20本体に付与されたユニキャストアドレス情報を記憶する。例えば図1に示したプリンタ20aは、IPアドレス「192.168.1.2」およびMACアドレス「p1」から構成されるユニキャストアドレス情報を記憶部22に記憶する。
【0038】
また、記憶部22は、マルチキャストで送信された検索パケットを受信するため、マルチキャストアドレス情報を記憶する。図1に示した監視対象であるプリンタ20a、及びプリンタ20bは、規定のIPアドレスおよび規定のMACアドレスから構成されるマルチキャストアドレス情報を、それぞれの記憶部22に記憶する。
【0039】
また、記憶部22は、制御プログラム22a、状態情報22bを記憶する。
【0040】
状態情報22bは、例えば図5に示すように、プリンタ20本体の動作状態(通常状態、省電力状態等)、用紙残量、トナー残量等の各種状態を表す。状態情報22bは、制御部21の制御のもと、所定のタイミングで各種状態が取得され、更新される。
【0041】
制御部21は、主制御部として機能するCPUとCPUのメインメモリとして機能するRAM等を備える。制御部21は、命令やデータを転送するための伝送経路であるシステムバスを介してプリンタ20の各部と接続され、プリンタ20全体を制御する。なお、制御部21は、一部にASIC等の専用回路を備えてもよい。
【0042】
制御部21は、制御プログラム22aを実行することにより、応答部21a、通知部21bとして機能する。各部21a、21bは、後述の処理を行う。
【0043】
一方、LAN I/F23が備える第2記憶部23aは、起動パケット情報23bを記憶する。
【0044】
起動パケット情報23bは、プリンタ20本体が省電力状態で動作している場合に、起動命令としての起動パケットを受信したか否かを判別するための情報である。起動パケット情報23bは、例えば図6に示すように、複数のビットパターンを有する。制御部21は、起動パケット情報23bが有する複数のビットパターンと、ネットワークNを介して受信した信号のビットパターンとに基づいて起動パケットを受信したか否かを判別する。
【0045】
具体的には、ARP(Address Resolution Protocol)やNS(Neighbor Solicitation)によって生成されるアドレス(MACアドレス)要求パケット、ブロードキャストフレームとして生成されるマジックパケット(登録商標)等をプリンタ20の起動パケットとする場合には、これらの各パケットに対応するビットパターンが起動パケット情報23bに含まれる。
【0046】
また、起動パケット情報23bには、後述する検索パケットに対応するビットパターンは含まれない。つまり、プリンタ20は、検索パケットは起動パケットではなく、プリンタ20本体が省電力状態で動作している場合には、検索パケットによって起動されず、省電力状態が維持される。
【0047】
また、LAN I/F23が備える通信制御部23cは、例えばNIC等の通信インタフェース装置のコントローラを備える。通信制御部23cは、たとえ節電時に制御部21のCPU等に対する電力供給が停止された状態でも、通信制御部23cに電力供給がされさえすれば、LAN I/F23を制御することができる。すなわち、通信制御部23cは、プリンタ20が省電力状態である場合にも動作するため、WOL機能の処理を実行することができる。
【0048】
省電力状態では、プリンタ20は、RAM等のメモリに記憶された情報を保持したまま、又は、メモリに記憶された内容を復元可能なようにHDDに移して、制御部21への給電を停止させる。このとき、通信制御部23cへの通電は維持された状態にあるが、省電力状態における通信制御部23cは、後述する起動パケット情報23bに従って定められた所定の起動パケット以外のパケットを受け付けない。
【0049】
以上のように構成された監視システム1において、ホストコンピュータ10は、監視対象機器として設定されたプリンタ20の状態を定期的に取得する処理(監視処理)を行う。一方、プリンタ20は、ネットワークNを介して各種パケットを受信する処理(パケット受信処理)を行う。
【0050】
図7を参照して、ホストコンピュータ10が行う監視処理、およびプリンタ20が行うパケット受信処理について説明する。
【0051】
ホストコンピュータ10の問い合わせ部11aは、監視対象機器として設定されたプリンタ20を監視するために設定された監視タイミングが到来したか否かを判別し、監視タイミングが到来したと判別するまでは待機状態となる(ステップSC11;NO)。監視タイミングは、プリンタ20の状態を効果的に確認できるように、例えば1分間隔や5分間隔等、所定の時間間隔で定期的に行われることが典型的である。
【0052】
問い合わせ部11aは、監視タイミングが到来したと判別した場合(ステップSC11;YES)、監視のための状態要求パケットをプリンタ20に送信することに先立ち、監視対象として設定されたプリンタ20について状態の取得が可能か否かを問い合わせる。すなわち、問い合わせ部11aは、省電力状態にあるプリンタ20に対する監視により不必要に省電力状態を妨げないように、プリンタ20が省電力状態に入っているか否かの判別を行う。
【0053】
この問い合わせを行うため問い合わせ部11aは、記憶部12に記憶されたプリンタアドレス情報12bを読み出し、プリンタアドレス情報12bが有するマルチキャストアドレス情報を送信先に指定して検索パケットを生成する。例えば、問い合わせ部11aは、この検索パケットをSSDP(Simple Service Discovery Protocol)によって生成する。
【0054】
問い合わせ部11aは、生成した検索パケットを、通信部13を介してネットワークNにマルチキャストで送信する(ステップSC12)。これにより、監視対象であるプリンタ20(プリンタ20aおよびプリンタ20b)に当該検索パケットが送信される。プリンタ20を含む複数の機器に対してマルチキャスト送信するため、ARPやNS等による送信先のアドレス解決要求は発行されない。そのため、たとえ送信先のプリンタ20が省電力状態にあったとしても、検索パケットの送信によって省電力状態が解除されることはない。
【0055】
その後、ホストコンピュータ10の計時部11fは、問い合わせ部11aが問い合わせを行ってからの経過時間を計り、一定時間が経過したか否かを判別する(ステップSC13)。その間、受信部11bは、送信した検索パケットに対する応答パケットの受信を待機する。このように受信部11bは、予め決められた上限時間が経過するまで応答パケットの受信を受け付ける(ステップSC13;NO)。
【0056】
一方、プリンタ20の制御部21は、プリンタ20が通常状態である場合、ステップSP11において、ホストコンピュータ10から検索パケットを受信したか否かを判別する(ステップSP11)。制御部21は、LAN I/F23がホストコンピュータ10から送信された検索パケットを受信したポート、プロトコル、データフォーマット等をチェックする他、検索パケットの送信先が、自機が応答すべきマルチキャストアドレス情報の1つと一致するか否かをチェックする。
【0057】
これらのチェックを行った制御部21は、当該検索パケットがプリンタ20本体に送信されたものであると判別された場合に検索パケットを受信したと判別する(ステップSP11;YES)。一方、それ以外の場合、制御部21は、検索パケットを受信していないと判別し(ステップSP11;NO)、ステップSP13に進む。
【0058】
制御部21が検索パケットを受信したと判別すると(ステップSP11;YES)、受信した検索パケットは、プロトコルやデータに応じてそれぞれのデーモンに引き渡されて処理される。そして、応答部21aは、検索パケットの送信元により表されるホストコンピュータ10のユニキャストアドレス情報を送信先に指定して応答パケットを生成する。例えば応答部21aは、この応答パケットをSSDPに定められた方式に基づいて生成する。応答部21aは、生成した応答パケットを、LAN I/F23を介してネットワークNに送信する(ステップSP12)。その後、プリンタ20の制御部21は、ホストコンピュータ10から状態の取得が要求されるのを待機する。
【0059】
一方、ホストコンピュータ10の受信部11bは、問い合わせ部11aが検索パケットをマルチキャスト送信した後、一定時間が経過するまでの間、検索パケットに対する応答パケットを受信したか否かを判別する(ステップSC14)。受信部11bは、プリンタ20から送信された応答パケットを受信したポート、プロトコル、データフォーマット等をチェックすることにより、検索に対する応答であるか否かを判別する。
【0060】
応答パケットを受信していないと判別した場合は(ステップSC14;NO)、ステップSC13に戻る。一方、受信部11bが応答パケットを受信したと判別した場合には(ステップSC14;YES)、判別部11eが、応答パケットの送信元により表わされるユニキャストアドレス情報に基づいて、応答パケットを送信した機器が監視対象であるか否かを判別する(ステップSC15)。
【0061】
判別部11eは、この判別処理を、応答パケットを送信したプリンタ20を特定することにより行う。例えば図1に示したプリンタ20aにより応答パケットが送信された場合、応答パケットの送信元にはユニキャストアドレス情報(IPアドレス「192.168.1.2」、MACアドレス「p1」)が表される。判別部11eは、このユニキャストアドレス情報と記憶部12に記憶されたプリンタアドレス情報12bに含まれるユニキャストアドレス情報とを比較し、送信元のユニキャストアドレス情報に一致するユニキャストアドレス情報をプリンタアドレス情報12bから抽出することにより、応答パケットを送信したプリンタ20を特定する。
【0062】
判別部11eは、応答パケットを送信したプリンタ20を特定できた場合に、当該プリンタ20が監視対象であると判別し(ステップSC15;YES)、ステップSC16に進む。例えば、応答パケットの送信元により表されるユニキャストアドレス情報(IPアドレス「192.168.1.2」、MACアドレス「p1」)は、プリンタアドレス情報12bから抽出できるので、当該応答パケットを送信したプリンタ20aは監視対象であると判別される。監視対象であると判別されたプリンタ20は、少なくとも応答パケットを送信したときは通常状態で動作しているので、状態の取得が可能である。
【0063】
なお、判別部11eは、応答パケットの送信元により表されるユニキャストアドレス情報のうちMACアドレスのみが一致するユニキャストアドレス情報をプリンタアドレス情報12bから抽出できた場合も、当該プリンタ20が監視対象であると判別する。つまり、この場合には、当該プリンタ20に割り振られていたIPアドレスが変更されたものと判別し、抽出したユニキャストアドレス情報のIPアドレスを、応答パケットの送信元により表されるユニキャストアドレス情報のIPアドレスに変更し、プリンタアドレス情報12bを更新する。また、このとき判別部11eは、変更後のIPアドレスをプリンタ状態情報12cにも反映させてプリンタ状態情報12cを更新する。
【0064】
一方、判別部11eは、応答パケットの送信元により表されるユニキャストアドレス情報と一致するユニキャストアドレス情報がプリンタアドレス情報12bから抽出できなかった場合には、当該応答パケットを送信した機器は監視対象ではないと判別し(ステップSC15;NO)、ステップSC13に戻る。
【0065】
判別部11eによって応答パケットを送信した機器が監視対象、すなわち状態の取得の対象であると判別された場合(ステップSC15;YES)、要求部11cは、当該応答パケットの送信元であるプリンタ20に状態の取得を要求する。この要求を行うため要求部11cは、当該応答パケットの送信元により表されるユニキャストアドレス情報を送信先に指定して状態要求パケットを生成する。例えば、要求部11cは、この状態要求パケットをSNMP(Simple Network Management Protocol)によって生成する。
【0066】
要求部11cは、生成した状態要求パケットを、通信部13を介してネットワークNにユニキャストで送信する(ステップSC16)。これにより、応答パケットを送信したプリンタ20に当該状態要求パケットが送信される。その後、ホストコンピュータ10の受信部11bは、状態パケットを受信したか否かを判別し(ステップSC17)、状態パケットを受信するまで待機状態となる(ステップSC17;NO)。
【0067】
一方、プリンタ20の制御部21は、ホストコンピュータ10から状態要求パケットを受信したか否かを判別する(ステップSP13)。制御部21は、LAN I/F23がホストコンピュータ10から送信された状態要求パケットを受信したポート、プロトコル、データフォーマット等をチェックすることにより、受信したパケットが状態要求パケットであるか否かを判別する。
【0068】
このようなチェックを行った制御部21は、受信したパケットが自機宛の状態要求パケットであると判別した場合に状態要求パケットを受信したと判別する(ステップSP13;YES)。一方、それ以外の場合、制御部21は、状態要求パケットを受信していないと判別し(ステップSP13;NO)、ステップSP15に進む。
【0069】
制御部21が状態要求パケットを受信したと判別した場合(ステップSP13;YES)、受信した状態要求パケットはプロトコルやデータに応じてそれぞれのデーモンに引き渡され、通知部21bが、状態パケットを生成する。例えば通知部21bは、記憶部22から読み出した状態情報22bの全てまたは状態情報22bから抽出される所定の状態情報をデータ部に含ませ、ホストコンピュータ10のユニキャストアドレス情報を送信先に指定して状態パケットを生成する。なお、ホストコンピュータ10のユニキャストアドレス情報は、例えば状態要求パケットの送信元により表される。また、この状態パケットはSNMPによって生成される。通知部21bは、生成した状態パケットを、LAN I/F23を介してネットワークNに送信する(ステップSP14)。これにより、通知部21bは、プリンタ20の状態をホストコンピュータ10に通知する。
【0070】
一方、状態要求パケットをユニキャスト送信した後、ホストコンピュータ10の受信部11bが状態パケットを受信したと判別した場合に(ステップSC17;YES)、受信部11bは、記憶部12に記憶されたプリンタ状態情報12cに含まれる状態情報を、状態パケットのデータ部に含まれる状態情報に変更することによりプリンタ状態情報12cを更新する(ステップSC18)。状態情報を更新すべきプリンタの特定は、例えば状態パケットの送信元により表わされるユニキャストアドレス情報に基づいて行われる。
【0071】
そして、報知部11dは、更新したプリンタ状態情報12cを解析し、所定のアプリケーションを用いて解析した結果を表示部15の画面に表示する。これにより、報知部11dは、プリンタ20から通知された当該プリンタ20の状態をユーザに報知する。
【0072】
その後、制御部11は、全ての監視対象についてプリンタ状態情報12cが更新されたか否かを判別し(ステップSC19)、更新されたと判別した場合には(ステップSC19;YES)、ステップSC11に戻る。以上により、ホストコンピュータ10が行う一連の監視処理は終了し、問い合わせ部11aは、次の監視タイミングが到来するまで待機状態となる。
【0073】
一方、制御部11は、全ての監視対象についてプリンタ状態情報12cが更新されていないと判別した場合には(ステップSC19;NO)、ステップSC13に戻る。そして、ステップSC13において計時部11fによって一定時間が経過したと判別された場合(ステップSC13;YES)、報知部11dは、プリンタ状態情報12cにおいて、判別部11eによって一定時間内に特定できなかったプリンタ20に対応する状態を「応答なし」または「省電力状態」とする。これにより全ての監視対象についてプリンタ状態情報12cが更新される(ステップSC18、ステップSC19;YES)。
【0074】
一方、プリンタ20の制御部21が検索パケットを受信していないと判別した場合(ステップSP11;NO)、又は、状態要求パケットを受信していないと判別した場合(ステップSP13;NO)、制御部21は、検索パケットおよび状態要求パケット以外の、他のパケットを受信したか否かを判別する(ステップSP15)。
【0075】
他のパケットは、例えば、LPR(Line PRinter daemon protocol)によって生成される印刷要求パケット、ARPやNSによって生成されるアドレス(MACアドレス)要求パケット、ブロードキャストフレームとして生成されるマジックパケット(登録商標)等である。制御部21は、これらの各パケットの送信先に基づいてプリンタ20本体に送信されたものであると判別した場合に他パケットを受信したと判別する(ステップSP15;YES)。
【0076】
制御部21は、他パケットを受信していないと判別した場合には(ステップSP15;NO)、ステップSP11に戻る。つまり、プリンタ20本体が通常状態である場合には、何れかのパケットを受信するまでは待機状態となる。
【0077】
一方、制御部21は、受信した他パケットのプロトコルやデータに基づいて各種処理を行い(ステップSP16)、ステップSP11に戻る。以上により、プリンタ20本体が通常状態である場合の一連のパケット受信処理は終了する。なお、プリンタ20が通常状態であるときには、マジックパケット(登録商標)を受信しても、プリンタ20が行うべき処理は特になく、マジックパケット(登録商標)は破棄される。
【0078】
次に、図8を参照して、プリンタ20が省電力状態である場合の処理を説明する。
【0079】
プリンタ20が省電力状態である場合、プリンタ20の通信制御部23cは、LAN I/F23がネットワークNを介してパケットを受信したか否かを判別する。通信制御部23cは、パケットを受信したポート、プロトコル、データフォーマット等をチェックする他、パケットの送信先をチェックする。これらのチェックを行った通信制御部23cは、当該パケットがプリンタ20本体に送信されたものと判別した場合にパケットを受信したと判別し(ステップSP181;YES)、ステップSP182に進む。一方、それ以外の場合、通信制御部23cは、パケットを受信していないと判別し(ステップSP181;NO)、処理を終了する。その後、通信制御部23cは、ステップSP181においてパケットを受信するまで待機する。
【0080】
ステップSP182において通信制御部23cは、受信したパケットが起動パケットであるか否かを判別する(SP182)。通信制御部23cは、パケットを受信すると、第2記憶部23a内の起動パケット情報23bを読み出す。そして、通信制御部23cは、受信したLAN I/F23で受信した信号のビットパターンが、第2記憶部23aに記憶された起動パケット情報23bの何れかのビットパターンと一致する場合に、受信したパケットが起動パケットであると判別する(ステップSP182;YES)。
【0081】
この場合、通信制御部23cは、制御部21に電力を供給することにより省電力状態にあるプリンタ20本体を通常状態に変更し、プリンタ20を起動させる(ステップSP183)。すなわち、通信制御部23cは、起動命令としてあらかじめ定められた起動パケットを受信すると、プリンタ20を省電力状態から、自機(プリンタ20)の状態の取得が可能な状態に変更することで、プリンタ20を起動させる。そして、動作を開始した制御部21が、受信したパケットのプロトコルやデータに基づいて各種処理を行う(ステップSP184)。その後、通信制御部23cは、処理を終了する。
【0082】
一方、通信制御部23cが受信したパケットが起動パケットでないと判別した場合には(ステップSP182;NO)、通信制御部23cは、省電力状態にあるプリンタ20を通常状態に起動させず、プリンタ20の省電力状態を維持する。すなわち、受信したパケットが起動パケットでない場合は、プリンタ20の起動処理と制御部21によるパケット処理は行われずに、処理が終了する。例えば、プリンタ20本体が省電力状態であるときにホストコンピュータ10の問い合わせ部11aから問い合わせによる検索パケットを受信しても、通信制御部23cは、プリンタ20を省電力状態に維持する。つまり、プリンタ20本体が省電力状態である場合には、通信制御部23cは、起動パケットを受信しない限り省電力状態を維持する。以上により、プリンタ20本体が省電力状態である場合の一連の処理は終了する。
【0083】
以上説明した監視システム1によれば、監視装置であるホストコンピュータ10が監視対象機器であるプリンタ20の状態を取得する際、プリンタ20が省電力状態にあるか否かの問い合わせを行い、状態の取得が可能か否かを確かめてから状態取得の要求を行う。そのため、プリンタ20の省電力状態が中断されることを抑制しながらプリンタ20の状態を監視することができる。
【0084】
以上に本発明の実施形態について説明したが、これらの実施形態は一例であり、本発明の適用範囲はこれに限られない。すなわち、本発明の実施形態は種々の応用が可能であり、あらゆる実施の形態が本発明の範囲に含まれる。
【0085】
例えば、上記実施形態では、監視対象の機器は、印刷装置であるプリンタ20a〜20cであった。しかし、本発明に係る監視システムが監視対象とする装置は印刷装置に限らず、一般的なPC、サーバ、コピー機、ファクシミリ等、その他の通信装置であってもよい。
また、上記実施形態では、監視装置であるホストコンピュータ10と監視対象の印刷装置であるプリンタ20a〜20bは、同一のネットワークセグメントに接続されているとしたが、ブロードキャスト送信ではなく、マルチキャスト送信及びユニキャスト送信を使用するため、それぞれの装置は、ルータを介した別々のネットワークセグメントに接続されていてもよい。
【0086】
また、上記実施形態では、プリンタ20は、1台のホストコンピュータ10によって監視された。しかし、本発明では、複数のホストコンピュータ10が共通のプリンタ20を監視するように構成することも可能である。
【0087】
また、上記実施形態では、プリンタ20が省電力状態に入っているか否かを問い合わせるための検索パケットとして、SSDPが用いられた。しかし、本発明では、省電力状態にあるプリンタ20を通常状態に復帰させず、通常状態にあるプリンタ20が問い合わせを識別して応答できるものであれば、SSDPに限らず、応答要求として他の媒体を使用することが可能である。
【0088】
なお、上記実施形態で説明したホストコンピュータ10およびプリンタ20の各機能構成を実現させるためのプログラムは、それぞれ既存のパーソナルコンピュータや情報端末機器等を制御するCPU等が実行できるように提供されても良い。このようなプログラムの提供方法は任意である。例えば、プログラムは、フレキシブルディスク、CD(Compact Disc)−ROM、DVD(Digital Versatile Disc)−ROM、メモリカード等のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に格納されたものが提供されても良い。さらに、プログラムは、搬送波に重畳し、インターネットなどの通信媒体を介して提供されても良い。例えば、通信ネットワーク上の掲示板(BBS:Bulletin Board System)にプログラムを掲示して配信してもよい。また、このプログラムを実行し、OSの制御下で、他のアプリケーションプログラムと同様に実行することにより、上記の処理を実行できるように構成してもよい。
【0089】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、本発明には、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲が含まれる。以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
【0090】
(付記1)
監視装置と、該監視装置とネットワークを介して接続された監視対象装置とを備える監視システムであって、
前記監視装置は、
前記監視対象装置が該監視対象装置の状態を取得できるか否かの問い合わせを行う問い合わせ手段を備え、
前記監視対象装置は、
該監視対象装置が前記状態を取得できる第1状態にあるときに前記問い合わせを受けると、該問い合わせに対する応答を前記監視装置に送信する応答手段を備え、
前記監視装置は、
前記監視対象装置から送信された前記問い合わせに対する応答を受信する受信手段と、
前記受信手段が前記応答を受信すると、該受信した応答を送信した監視対象装置に対して、該監視対象装置の状態の取得を要求する要求手段をさらに備え、
前記監視対象装置は、
該監視対象装置が前記状態を取得できない第2状態にあるときに前記問い合わせを受けると、該問い合わせに対して応答せず、かつ、該監視対象装置を前記第2状態から前記第1状態に変更しない通信制御手段をさらに備える、
ことを特徴とする監視システム。
【0091】
(付記2)
前記通信制御手段は、前記監視対象装置が前記状態を取得できない第2状態にあるときに予め定められた起動命令を受信すると、該監視対象装置を前記第2状態から前記第1状態に変更する、
ことを特徴とする付記1に記載の監視システム。
【0092】
(付記3)
前記監視対象装置は、該監視対象装置の状態の取得を前記監視装置から要求されると、該監視対象装置の状態を前記監視装置に通知する通知手段をさらに備え、
前記監視装置は、前記監視対象装置から通知された状態を報知する報知手段をさらに備える、
ことを特徴とする付記1又は2に記載の監視システム。
【0093】
(付記4)
前記問い合わせ手段は、前記監視対象装置を含む複数の装置に対し予め定められた応答要求を前記ネットワークを介してマルチキャスト送信することにより、前記問い合わせを行い、
前記応答手段は、前記監視対象装置が前記第1状態にあるときに、前記監視装置から送信された前記応答要求を受信すると、該応答要求に対する応答を前記監視装置に送信し、
前記要求手段は、前記受信手段が受信した応答の送信元である前記監視対象装置に対し、該監視対象装置の状態の取得のための要求をユニキャスト送信することにより、前記監視対象装置の状態の取得を要求する、
ことを特徴とする付記1から3のいずれか1つに記載の監視システム。
【0094】
(付記5)
前記監視装置は、
前記状態の取得の対象となる前記監視対象装置のアドレス情報を記憶する記憶手段と、
前記受信手段が受信した応答の送信元である前記監視対象装置のアドレス情報と、前記記憶手段に記憶された前記状態の取得の対象のアドレス情報とを比較することにより、前記受信した応答の送信元が前記状態の取得の対象であるか否かを判別する判別手段と、
をさらに備え、
前記要求手段は、前記受信した応答の送信元である前記監視対象装置が前記状態の取得の対象となる前記監視対象装置であると前記判別手段により判別された場合に、前記受信した応答の送信元である前記監視対象装置に前記状態の取得を要求する、
ことを特徴とする付記1から4のいずれか1つに記載の監視システム。
【0095】
(付記6)
自機の状態を取得できる第1状態にあるときに予め定められた問い合わせを受けると、該問い合わせに対する応答を外部の装置に送信する応答手段と、前記自機の状態を取得できない第2状態にあるときに前記問い合わせを受けると、該問い合わせに対して応答せず、かつ、前記自機を前記第2状態から前記第1状態に変更しない通信制御手段と、を備える監視対象機器を監視する、前記外部の装置としての監視装置であって、
前記監視対象機器が該監視対象機器の状態を取得できるか否かの前記問い合わせを行う問い合わせ手段と、
前記監視対象機器が前記第1状態にあるときに該監視対象機器から送信された前記問い合わせに対する応答を受信する受信手段と、
前記受信手段が前記応答を受信すると、該受信した応答を送信した前記監視対象機器に、該監視対象機器の状態の取得を要求する要求手段と、
を備えることを特徴とする監視装置。
【0096】
(付記7)
ネットワークを介して監視装置に接続された監視対象装置であって、
前記監視対象装置が該監視対象装置の状態を取得できるか否かの問い合わせを行う問い合わせ手段と、前記監視対象装置が前記状態を取得できる第1状態にあるときに該監視対象装置から送信された前記問い合わせに対する応答を受信する受信手段と、前記受信手段が前記応答を受信すると、該受信した応答を送信した監視対象装置に、該監視対象装置の状態の取得を要求する要求手段と、を備える監視装置から、前記状態を取得できる状態にあるときに前記問い合わせを受けると、該問い合わせに対する応答を前記監視装置に送信する応答手段と、
前記監視装置から、該監視対象装置が前記状態を取得できない第2状態にあるときに前記問い合わせを受けると、該問い合わせに対して応答せず、かつ、該監視対象装置を前記第2状態から前記第1状態に変更しない通信制御手段を備える、
ことを特徴とする監視対象装置。
【0097】
(付記8)
自機の状態を取得できる第1状態にあるときに予め定められた問い合わせを受けると、該問い合わせに対する応答を前記自機にネットワークを介して接続された監視装置に送信する応答手段と、前記自機の状態を取得できない第2状態にあるときに前記問い合わせを受けると、該問い合わせに対して応答せず、かつ、前記自機を前記第2状態から前記第1状態に変更しない通信制御手段と、を備える監視対象機器を監視する監視方法であって、
前記監視対象機器の状態を取得できるか否かの問い合わせを行う問い合わせステップと、
前記監視対象機器が前記第1状態にあるときに該監視対象機器から送信された前記問い合わせに対する応答を受信する受信ステップと、
前記受信ステップにより前記応答を受信すると、該受信した応答を送信した前記監視対象機器に、該監視対象機器の状態の取得を要求する要求ステップと、
を含むことを特徴とする監視方法。
【0098】
(付記9)
自機の状態を取得できる第1状態にあるときに予め定められた問い合わせを受けると、該問い合わせに対する応答を前記自機にネットワークを介して接続された監視装置に送信する応答手段と、前記自機の状態を取得できない第2状態にあるときに前記問い合わせを受けると、該問い合わせに対して応答せず、かつ、前記自機を前記第2状態から前記第1状態に変更しない通信制御手段と、を備える監視対象機器を監視する監視方法をコンピュータに実行させる監視プログラムであって、
前記コンピュータに、
前記監視対象機器の状態を取得できるか否かの問い合わせを行わせ、
前記監視対象機器が前記第1状態にあるときに該監視対象機器から送信された前記問い合わせに対する応答を受信させ、
前記応答を受信させたとき、該受信した応答を送信した前記監視対象機器に、該監視対象機器の状態の取得を要求させる、
ことを特徴とする監視プログラム。
【符号の説明】
【0099】
1…監視システム、10…ホストコンピュータ、11…制御部、11a…問い合わせ部、11b…受信部、11c…要求部、11d…報知部、11e…判別部、11f…計時部、12…記憶部、12a…制御プログラム、12b…プリンタアドレス情報、12c…プリンタ状態情報、13…通信部、14…操作部、15…表示部、20,20a,20b,20c…プリンタ、21…制御部、21a…応答部、21b…通知部、22…記憶部、22a…制御プログラム、22b…状態情報、23…LAN I/F、23a…第2記憶部、23b…起動パケット情報、23c…通信制御部、24…操作部、25…表示部、26…印刷処理部、N…ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8