(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5796750
(24)【登録日】2015年8月28日
(45)【発行日】2015年10月21日
(54)【発明の名称】改良型流体コンプレッサ及び/又はポンプ装置
(51)【国際特許分類】
F04C 21/00 20060101AFI20151001BHJP
F04C 9/00 20060101ALI20151001BHJP
【FI】
F04C21/00
F04C9/00
【請求項の数】13
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2012-538146(P2012-538146)
(86)(22)【出願日】2010年11月12日
(65)【公表番号】特表2013-510978(P2013-510978A)
(43)【公表日】2013年3月28日
(86)【国際出願番号】AU2010001518
(87)【国際公開番号】WO2011057348
(87)【国際公開日】20110519
【審査請求日】2013年10月18日
(31)【優先権主張番号】2009905514
(32)【優先日】2009年11月12日
(33)【優先権主張国】AU
(73)【特許権者】
【識別番号】511245318
【氏名又は名称】エクゾドゥス アール アンド ディー インターナショナル ピーティーイー. リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100092093
【弁理士】
【氏名又は名称】辻居 幸一
(74)【代理人】
【識別番号】100082005
【弁理士】
【氏名又は名称】熊倉 禎男
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(72)【発明者】
【氏名】フレンヒェ ジョージ
【審査官】
松浦 久夫
(56)【参考文献】
【文献】
特開2007−113530(JP,A)
【文献】
実開平04−037884(JP,U)
【文献】
特表平03−502954(JP,A)
【文献】
米国特許第2359819(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F04C 21/00
F04C 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の断続的、放射状に配置されたバッフルのうち、隣接したバッフルが、前記圧縮チャンバの中央の軸から前記圧縮チャンバの内縁へと延伸し、前記放射状コンパートメントの各々についての境界を定め、
各放射状コンパートメントにそれぞれ配置された、固定された中実セグメントは、前記中央の軸と前記圧縮チャンバの内縁との間に伸びる三角構造を有し、吸入された流体を圧縮するように前記バッフルに対して動くように適合されている、1つの圧縮チャンバおよび複数の放射状コンパートメントを含むコンプレッサ又はポンプ装置であって、
コンプレッサ又はポンプ装置は、さらに、前記中央の軸を回転させ、前記バッフルを往復振動運動させる手段を含み、
前記圧縮チャンバの一方の端に配置された弁板に形成された、第1サイクル時には各放射状コンパートメントへ流体を吸入し、かつ、第2サイクル時には前記圧縮チャンバから流体を吐出するための第1のチャンバと、
前記圧縮チャンバの一方の端に設けられた弁板に形成された、第1サイクル時には前記圧縮チャンバから流体を吐出し、かつ、第2サイクル時には各放射状コンパートメントへ流体を吸入するための第2のチャンバと、
前記弁板と当接する弁円板であって、前記弁円板は、前記圧縮チャンバと、前記弁板の前記第1のチャンバおよび前記第2のチャンバとの間に設けられ、各放射状コンパートメントに対応する、一対の開口部である第1の開口部と第2の開口部が形成され、第1の開口部は、対応する前記放射状コンパートメントと前記第1のチャンバとを流体連通させるように配置され、第2の開口部は、対応する前記放射状コンパートメントと前記第2のチャンバとを流体連通させるように配置される、弁円板とを更に含み、
前記中実セグメントの各々は第1の壁および第2の壁を有し、前記第1のチャンバおよび前記第2のチャンバが、前記バッフルが前記中実セグメントの第1の壁および前記第1の開口部に向かって回転している間は前記第1サイクルで作動し、前記バッフルが前記中実セグメントの第2の壁および前記第2の開口部に向かって回転している間は前記第2サイクルで作動するように、前記中実セグメントの各々の第1の壁および第2の壁は寸法を決められ、位置決めされている、コンプレッサ又はポンプ装置。
【請求項2】
前記弁板はさらに、入口チャンバと出口チャンバとを含み、制御弁を用いて、前記第1サイクル時に流体が、前記入口チャンバから前記第1のチャンバへ、かつ、前記第2のチャンバから前記出口チャンバへと通過することができ、前記第2サイクル時に流体が、前記入口チャンバから前記第2のチャンバへ、かつ、前記第1のチャンバから前記出口チャンバへと通過することができることを特徴とする請求項1に記載のコンプレッサ又はポンプ装置。
【請求項3】
前記制御弁は、第1の位置と第2の位置との間を、前記中央の軸および前記バッフルと共に、回転往復振動するロッカー制御の形式であり、
前記第1の位置は、前記ロッカー制御が、前記第1のチャンバから前記出口チャンバへ、かつ、前記入口チャンバから前記第2のチャンバへの流体の流れを阻止する位置であり、
前記第2の位置は、前記ロッカー制御が、前記入口チャンバから前記第1のチャンバへ、かつ、前記第2のチャンバから前記出口チャンバへの流体の流れを阻止する位置であることを特徴とする請求項2に記載のコンプレッサ又はポンプ装置。
【請求項4】
前記弁板は、前記第1のチャンバと前記第2のチャンバが同一平面内の同心円状{どうしんえん じょう}のリングの形状で形成されている、リング状の弁体を含み、前記入口チャンバと前記出口チャンバが、同一平面内の最も外側の同心円状の2つの離れた半分のリングの形状で前記弁板に形成されており、2つの前記半分のリングの形状である前記入口チャンバおよび前記出口チャンバは各々が、前記第1のチャンバおよび前記第2のチャンバと接続される管を有することを特徴とする請求項2に記載のコンプレッサ又はポンプ装置。
【請求項5】
第1の管は前記第1のチャンバと前記出口チャンバとを接続し、第2の管は前記第1のチャンバと前記入口チャンバとを接続し、第3の管は前記第2のチャンバと前記出口チャンバとを接続し、第4の管は前記第2のチャンバと前記入口チャンバとを接続し、
前記管は、前記弁板において開口部を介して各チャンバと各管との間を流体が通過するように、同心円状のリングとは同一平面には無いことを特徴とする請求項4に記載のコンプレッサ又はポンプ装置。
【請求項6】
前記制御弁は、前記弁板と関連するロッカー・アームの形式であり、前記ロッカー・アームは、第1の位置と第2の位置との間を、前記中央の軸および前記バッフルと共に、回転往復振動されるように構成されており、
前記第1の位置は、前記ロッカー・アームが、前記第1の管および前記第4の管への、前記弁板の開口部を覆う位置であり、
前記第2の位置は、前記ロッカー・アームが、前記第2の管および前記第3の管への、前記弁板の開口部を覆う位置であることを特徴とする請求項5に記載のコンプレッサ又はポンプ装置。
【請求項7】
前記中央の軸と動作可能に連通する回転可能な駆動可能軸を支持する駆動部をさらに含むことを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載のコンプレッサ又はポンプ装置。
【請求項8】
前記駆動部が、前記駆動可能軸を回転させるための電気モータを含むことを特徴とする、請求項7に記載のコンプレッサ又はポンプ装置。
【請求項9】
前記バッフルを往復振動運動させる手段は、前記駆動可能軸の回転運動を、前記バッフルが半径方向外方に延びる軸の往復振動運動に変換するように適合されたカム機構の形式であることを特徴とする、請求項7に記載のコンプレッサ又はポンプ装置。
【請求項10】
6個の中実セグメントが内部に配置される6個の放射状コンパートメントを定める6個の半径方向に配置されたバッフルを含むことを特徴とする、請求項1〜9のいずれか1項に記載のコンプレッサ又はポンプ装置。
【請求項11】
前記中央の軸の前記振動の角度は20度であることを特徴とする、請求項1〜10のいずれか1項に記載のコンプレッサ又はポンプ装置。
【請求項12】
前記中実セグメントの第1の壁および第2の壁には、前記圧縮チャンバの端部にある前記弁板から前記中実セグメントの深さ内に延びるように凹部が設けられ、前記凹部は、前記弁円板の第1の開口部および第2の開口部と一直線状に配置されていることを特徴とする、請求項1〜11のいずれか1項に記載のコンプレッサ又はポンプ装置。
【請求項13】
各凹部は、円錐形であることを特徴とする、請求項12に記載のコンプレッサ又はポンプ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧縮流体の生成又は流れのためのコンプレッサ又はポンプ・ユニットに関し、より具体的には、単一の圧縮チャンバを用いて、取入れ口から流体を引き込むと同時に吐出可能な圧縮流体を貯蔵タンクに誘導するための機能を有する、新規の独自に設計されたコンプレッサに関する。
【背景技術】
【0002】
本明細書において、これ以降、圧縮という単語の使用は、送出能力と同義であると考えられ、従って、本発明全体を通して説明される装置は、流体の圧縮に関連し得るが、当業者であれば、定義される装置が同様に流体を送出できることを認識すべきである。
【0003】
現在のところ、コンプレッサは、容積式「間欠流」に関連するもの、及び、「動的流」又は「連続流」を供給するように適合されたものの2つの基本型で供給されることが普通である。
【0004】
大部分の容積式コンプレッサは、絞り閉じ込め効果と最も適切に呼ぶことができる効果を利用して、流体を、より大きい密閉容積から遥かに小さいチャンバの出口に向けて強制的に流す。
【0005】
一方、動的コンプレッサ型装置は、機械的作用を利用し、吸入された流体をシステム内に引き込んでその速度を増大させ、次にこれを圧力に変換する。
【0006】
大部分の容積式コンプレッサは、典型的には、電気モータで駆動される、半径方向羽根を有する回転容積型のものである。これらのコンプレッサは、取入れ口を通して周囲から流体を引き込み、コンプレッサ・ユニット内で所定の最小圧力に達したときにだけ開く最小圧力弁を通して圧力タンクに誘導される。
【0007】
代替的に、動的コンプレッサは、通常、大部分が同様に駆動モータから得られる動力がプーリー及び/又はベルトを介してクランク軸に伝えられ、クランク軸を回転させてピストンを往復運動させ、それがコンプレッサの本体を定めるクランク室の上側に設けられたシリンダ内に受け取られ、それにより外部の流体がフィルタを通して吸引口からシリンダ内に吸引され、次いで圧縮された流体が送出口から圧縮流体貯蔵タンクに送出されるように配置される。
【0008】
これら両方の装置は、間欠動作式の制御システムを有する回転装置のコンプレッサにおいて、制御システムは、圧力が上限値に達したときに電気モータの動作を一時停止させ、このことにより電力損失が低減され得るが、それにも関わらず、その後圧力が低下したときにモータが静止状態から再び起動されるため、必要な場合に圧縮流体を迅速に供給することができないという、著しい不利点を有する。
【0009】
或いは、上述のような連続動作は、アンローダが動作状態にある場合は電気モータが連続的に運転されるため、電力損失が避けられず、そのことがコンプレッサ・ユニットの運転コストを高くするだけでなく、重要なことに、そうした装置により圧縮流体の消費率が比較的高い条件には不適切であるという欠点も有する。
【0010】
従って、コンプレッサ流体ユニットの従来の技術には、間欠流又は連続流の特徴付けとして定義可能又は解釈可能な、従来の組立体と関連したこれら及び他の問題に対処できる新しい形態の技術を提案するための必要性が、明らかに残されている。
【0011】
従って、本発明の目的は、コンプレッサ・ユニット組立体に対してこれまでに与えられていたものとは設計が実質的に異なる装置を備えるだけではなく、単一サイクル中に、流体を単一の圧縮チャンバに吸入及び圧縮チャンバから吐出することができる手段を提供することが可能な装置を備えた、新しいコンプレッサ・ユニットを提供することである。
本発明のさらに別の目的及び利点は、本明細書を完全に読むことによって明らかになるであろう。
【発明の概要】
【0012】
従って、本発明の一形態において、これは必ずしも本発明の唯一の形態でもなくまた最も広い形態でもないが、圧縮流体を生成するためのコンプレッサ・ユニットが提供され、このユニットは、
バッフルによって定められた複数の放射状コンパートメントを有する圧縮チャンバを含む圧縮部と、
バッフルを回転させて往復振動運動させる手段と、
圧縮される流体を圧縮チャンバに吸入するための入口チャンバと、
圧縮された流体を圧縮チャンバから吐出するための出口チャンバと、
各々の放射状コンパートメントが1つの中実セグメントを内部に含むように圧縮チャンバ内に半径方向に配置され、各々の中実セグメントは、チャンバの中心に向けて延びる壁を有し、かつ、個々のサイクル中に、バッフルが中実セグメントから遠ざかるように動くときに流体がコンパートメントの一方の側に引き込まれ、隣接するバッフルが中実セグメントに向かって動くときに流体が圧縮されてコンパートメントの他方の側から吐出されるような寸法を有する、固定された中実セグメントと、
放射状コンパートメントの一方の側と流体連通する第1のチャンバと、放射状コンパートメントの他方の側と流体連通する第2のチャンバとを含み、これにより、第1及び第2のチャンバ内の流体は、入口手段からコンパートメント内に引き込まれる流体又はバッフルの力によってコンパートメントから吐出される圧縮流体のいずれかである、弁手段と、
を含み、
第1及び第2のチャンバは、いずれの1つのサイクルにおいても、圧縮流体を受け取るチャンバが出口チャンバと流体連通し、流体が吸入されるチャンバが入口チャンバと流体連通するように、入口チャンバ及び出口チャンバと流体連通する、
ことにより特徴付けられる。
【0013】
前述のコンプレッサ・ユニットは、圧縮部と動作可能に連通する回転駆動可能軸を支持する駆動部をさらに含むことが好ましい。
駆動部は、電気モータであることが好ましい。
【0014】
前述のコンプレッサ・ユニットは、駆動可能軸の回転運動を、バッフルが半径方向外方に延びる軸の往復振動運動に変換するように適合されたカム手段をさらに含むことが好ましい。
【0015】
前述の弁手段は、第1及び第2のチャンバが内側同心リング及び外側同心リングの形態である弁板と、弁板とバッフルの間にあり、放射状コンパートメントと前記同心リングとの間の流体連通を可能にする開口部を含む弁円板とを含むことが好ましい。
【0016】
前述の入口チャンバは、好ましくは外側同心リングの一方の側の周りに周方向に配置された開口導管を含むことにより特徴付けられ、開口導管のそれぞれの端部は、別個の中空チャネルによって同心リングの1つに接続される。
【0017】
前述の出口チャンバは、好ましくは入口の開口導管とは反対側の外側同心リングの周りに延びる開口導管を含むことにより特徴付けられ、導管のそれぞれの開放端は、別個の中空チャネルによって同心リングの1つに接続される。
【0018】
前述の弁手段は、特定のサイクル又は往復振動中、前記それぞれの入口手段及び出口手段の前記開口導管の各々に通じる単一の端部だけが開くように、前記カム手段と往復振動運動可能に連通するロッカー制御弁を含むことが好ましい。
【0019】
前記のバッフル軸が、6個の放射状コンパートメントを定める6個の半径方向に配置されたバッフルを含むことを特徴とする、請求項5〜請求項9のいずれかにおいて特徴付けられるコンプレッサ・ユニット。
【0020】
本発明のさらに別の形態において、圧縮流体を生成するためのコンプレッサ・ユニットが提案され、このユニットは、
圧縮チャンバを内部に定める、主ハウジングブロックの圧縮部と動作可能に連通する回転可能な駆動可能軸を支持する駆動部を提供する主ハウジングブロックと、
圧縮される流体を主ハウジングブロックの圧縮部の圧縮チャンバ内に吸入するための、駆動可能軸及び主ハウジングブロックの圧縮チャンバと連通する入口手段と、
主ハウジングブロックの圧縮部の圧縮チャンバから圧縮流体を圧縮流体貯蔵タンクに吐出するための、圧縮チャンバと連通する出口手段と、
単一プレート又はプラットフォーム内に支持された2つの実質的に円形のリング又はスロットと、
を含み、実質的に円形のリングは互いに対して同心であり、円形リングはプレート又はプラットフォームを通る中空通路を定め、これらの中空通路の長さに沿って一連の開口部が現われ、流体は中空通路内に沿って同心リング経路に入り、かつ、同心リングの長さに沿って開口部を通して吐出され、圧縮チャンバに吸入又は吐出することができ、
前述の入口手段は、好ましくは外側の実質的に同心のリングの一方の側の周りに周方向に配置された開口導管を含むことにより特徴付けられ、開口導管のそれぞれの端部は別個の中空チャネルによって同心リングの1つに接続され、
前述の出口手段は、好ましくは入口開口導管とは反対側の単一のプラットフォーム又はプレート内に含まれる外側同心リングの周りに延びる開口導管を含むことにより特徴付けられ、導管のそれぞれの開放端は別個の中空チャネルによって同心リングの1つに接続され、
同心の円形リングの中空チャネルとの間の、吸入及び/又は吐出された流体/圧縮流体を制御することができる流量調節弁をさらに含み、
圧縮チャンバは、吸入された流体を圧縮するコンプレッサ手段をさらに定め、かつ、互いに又は他方に対して相対的に移動するように適合された回転可能に支持された十字交差バッフル及び不連続の三角セグメントを含み、
三角セグメントは、三角セグメントの深さ内に少なくとも部分的に延びるオリフィス又は細長い凹部を含み、各々のオリフィス又は凹部は、流体を対応する同心リングに同時に吸収及び/又は吐出するように、三角セグメントの対向する側端部上に配置され、
駆動可能軸の回転運動を、三角セグメントに対する十字交差バッフルの往復振動運動に変換して、個々のサイクル中に、流体を凹部又はオリフィスを通して吸入し、又は対向するオリフィス又は凹部から吐出するように適合されたカム機構が設けられる。
【0021】
流量調節弁は、特定のサイクル又は往復振動中、それぞれの入口手段及び出口手段の開口導管の各々に通じる単一の端部だけが開くように、カム機構と振動動作可能に連通することが好ましい。
【0022】
有利なことに、この装置は、連続的に流体を単一の圧縮チャンバに吸入し、次いでそこから吐出することができる機構をもたらす。
【0023】
新規な入口及び出口スロット、並びに各サイクルについて、入口及び出口の各々を開閉するようにそれぞれの端部の間で振動する制御弁と共に、2つの同心リングを独自に使用することは、三角セグメントとバッフルとの間の相互作用がじゃばら効果を有することを意味し、ここで、流体を同心リングの一方から吸引することができ、同時に三角セグメントの対向する側において、流体がバッフルの壁に近づくとき、流体を閉じ込め空間内に圧縮し、次いで他方の同心リングを通して圧縮流体として吐出することができる。
【0024】
基本的に、十字交差バッフルは分割セグメントをもたらし、ここで三角セグメントの寸法は僅かに小さいが、これは三角セグメントの相対運動が2つのバッフルの分割された境界内で行われること、分割内で三角セグメントが1つのバッフルから離れて他のバッフルに向かって移動すること、バッフル分割内の間隔が増大する三角セグメントの側において、同心リングから流体を吸収又は吸引することができ、次いで、三角セグメントのこの側がバッフルの側に押し当たって押し上げられるように閉じ込め空間が著しく小さくなる三角セグメントの他方の側において圧縮流体を生成することができ、従って、これに応じて他方の同心リング内に吐出することができることを意味する。
【0025】
それにもかかわらず、このことは、同心リングの各々について開口部を提供し、圧縮チャンバと入口/出口との間の入口手段又は吐出手段として機能するのを可能にする流量調節弁の重要な動作である。
【0026】
従って、各サイクルについて、同心リングの一方は、圧縮される流体を圧縮チャンバに供給し、他方の同心リングが圧縮された流体を、流体貯蔵タンクへの吐出口に送出する。
【0027】
カム機構により、三角セグメントとバッフルとの間の往復振動運動は、それぞれの同心リングが交互することを意味し、同じく流量調節弁により、流体を分割されたセクションに引き込むことができる手段、又は代替的に圧縮流体を関連する同心リングを通して圧縮流体貯蔵タンクに吐出することができる手段を与えることを意味する。
【0028】
バッフルは回転可能軸上に支持されることが好ましく、ここで、軸はカム機構との構造的装置により、所定の角度範囲にわたって往復振動又はスイングする。
【0029】
圧縮チャンバ内に、主回転可能支持軸から半径方向に延びる6個の別個のバッフルがあり、6個の分割された区画をもたらすことが好ましい。
各々のこれら区画の中に、対応する三角セグメントが存在する。
【0030】
三角セグメントは外側フレームの周りに取り付けられることが好ましい。モータのステータ・フレームと同様に、三角セグメントが取り付けられ、この三角セグメントは、この場合実際は軸上に支持されたバッフルであるロータに向かって内方に延び、軸は、完全な円運動ではなく、限定された所定の振動角度にわたって往復振動する。
【0031】
上述のように、入口導管及び出口導管は、実際には、最外側の同心リングの周りの、プレート又はプラットフォーム内の両側を周方向に囲むスロット又は通路でもあることが好ましい。
【0032】
好ましくは、オリフィス又は凹部は、三角セグメントの両縁部上に三角セグメントの深さ内に延び、形状が実質的に円錐形又は円錐型であり、この円錐構成の縁部、長さ又は肩部の部分が開き、その結果、流体通路の流れが、常に変化する限定された寸法の空間の間で移動する設計が再びもたらされる。
【0033】
バッフルと三角セグメントとの間の往復振動の回転角度は、20°であることが好ましい。
【0034】
本発明の上記及び他の目的、特徴、及び利点は、添付図面と共に好ましい実施形態の以下の詳細な説明から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【
図1】本発明による、駆動部及び圧縮部を含む組み立てられた流体コンプレッサ・ユニットを示す側面図である。
【
図2】駆動部、並びに圧縮部の閉鎖セクションの圧縮部の幾つかの部品を含む主ハウジングブロックを示す斜視分解図である。
【
図3】圧縮チャンバを装置する構造的特徴部を示す分解図である。
【
図4】組み立てられた形態におけるカムリング、ロッカー・アーム、及び弁板の斜視図である。
【
図5】組み立てられた形態におけるロッカー・アーム及び前部弁板の斜視図である。
【
図6】流体の吸入及び圧縮流体の吐出を可能にする流体の中空通路がそこを通る、種々の入口、出口、及び同心リング・スロットを提供する又は定める、弁板の斜視図を示す。
【
図7a】圧縮チャンバ内の三角セグメント、及び圧縮チャンバ内の
図6の弁板上に着座する弁円板の分解斜視図を示す。
【
図7b】
図7aに示されるコンポーネントを通る開口部の配置を示す。
【
図8】圧縮チャンバ内部にある、三角セグメント及びブレード又はバッフルの端面図を示す。
【
図9a】流量調節弁の動作、及びそれぞれの同心内側リングと外側リングとの間の種々の相互関係を概略的に示す。
【
図9b】流量調節弁の動作、及びそれぞれの同心内側リングと外側リングとの間の種々の相互関係を概略的に示す。
【
図10】好ましい実施形態におけるコンプレッサ・ユニットを装置する構造部の一部の基本的な概略を簡単に示す。
【発明を実施するための形態】
【0036】
本発明以下の詳細な説明では、添付図面を参照する。この説明は例示的な実施形態を含むが、他の実施形態が可能であり、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、説明される実施形態に修正を加えることができる。可能な限り、図面及び以下の説明の全体を通して、同じ及び類似の部品を指すのに、同じ参照番号が用いられる。
【0037】
図1は、組み立てられたコンプレッサ・ユニットのコンポーネントを示し、
図2には、コンプレッサ・ユニットの主ハウジングブロックの分解された外部構造を見る斜視図が与えられる。
【0038】
図に見られるように、全体が10として示されるコンプレッサ・ユニットは、この実施形態では電気モータである駆動部12と、圧縮部14とを含む。圧縮部の内部コンポーネントの一部は
図2では隠されているが、それらは明らかになる。
【0039】
この好ましい実施形態において、このコンプレッサ・ユニットは、以下で説明されるコンプレッサ・ユニットの主ハウジングブロックの圧縮部によって用いられる回転運動をもたらす軸を駆動するための主な正式な手段として電気モータを用いる。それにもかかわらず、偏心カム16を回転させ、ロッカー制御又はアーム18及びカムリング20と相互係合する軸の駆動を、様々な手段によって行うことができる。
【0040】
図示される実施形態において、電気モータ及び電気モータのロータ又は入力軸22が、ロッカー制御18及びカムリング20に係合する偏心カム16を回転させる。
【0041】
偏心カム16、ロッカー制御18、カムリング16及び関連したピン24を含むカム機構が、電気モータ・軸の回転運動を、以下に説明される圧縮チャンバ内のバッフルの往復振動運動(back and forth oscillation movement)に変換する程度は、ピン24によって制御することができる。
【0042】
図3に見られるように、主ハウジングブロックの圧縮部は、外側ハウジング26を含み、この外側ハウジング26は、星形ブレード装置の6個の半径方向に延びるブレード又はバッフル28を内部に回転可能に支持し、これらが、三角セグメント30がそれらの間に配置される分割可能セクションをもたらす。ブレード28は、軸32から外方に延び、この軸32は、図示した実施形態において、制御アーム軸34を収容し、これと係合するように内部に装置され、従って、軸32は制御アーム軸34と共に回転することができる。
【0043】
この好ましい実施形態において、三角セグメントは、番号26として示されるハウジングと同心装置が類似したフレーム上に支持されると考えられる。
【0044】
三角セグメントの各々は、三角セグメント30の側縁部に沿った対向する側上に36で示される一連の凹部又はオリフィスを含む。三角セグメントの各側壁は、各オリフィス36のほぼ中心で交わる収束面を含む。
【0045】
図に示されるように、オリフィス又は凹部36は、半分に分割された円錐形状として最も良く装置される。これらは、弁円板38に隣接した三角セグメントの一端に配置され、これは
図7aを参照して以下に詳細に説明される。
【0046】
図4及び
図5は、カムリング20、ロッカー制御18、及び弁板40が圧縮ユニット内でどのように配向されるかを示し、
図6は、弁板40をそのままで示す。特に、弁円板38と当接する弁板40の前面が示され、プレート内の種々のチャネルは以下でより詳細に説明される。従って、ここで、圧縮部の部分を形成する種々のコンポーネントが位置合わせされる順序は、カムリング20、次にロッカー制御18、次に弁板40、次に弁円板38、そして次にそれらの間の三角セグメント30及びバッフル28であることを理解すべきである。一緒に振動するのを可能にするように接続される唯一の部品は、カムリング20(これにより次に、以下で詳細に説明されるように、ロッカー制御18は往復振動される)、カムリング20と関連した制御アーム42と、係合軸32及び34と、従ってブレード28とである。
【0047】
従って、カムリング20は、モータ等のような駆動機構からの軸22の連続的な回転運動を、カムリング20の振動運動に、従って、カムリング20と関連した制御アーム42を介して制御アーム軸34の振動運動に変換することができる。カムリング42は、偏心カム16が入力軸22を介して回転するときに、往復振動する。このカムの偏心経路がカムリング20をこのように往復振動させる。
【0048】
当業者であれば、軸22の回転運動をカムリング20等の振動運動に変換できる多数の方法があることを理解し、本発明は、これを達成するいずれか1つの手段に限定されることを意図したものではない。
【0049】
カムリング20は、説明されるように、同じくロッカー・アーム/弁位置を制御する位置決めピン24によって制御アーム42に接続される。次に制御アーム42は、44の位置決め突起によりブレードを支持する軸32に接続されるが、他の適切な接続手段を用いることもできる。この接続は、カムリング20及び制御アーム42が往復振動するときに、軸32及び関連したブレード28も同様に往復振動させることを保証する。軸32は、それ自体が主軸受48内部でプレート内に支持される制御アーム軸34上のサークリップ46によって所定の位置に保持される。シール50はまた、軸受を通る漏れを防止するためにも存在する。
【0050】
図7a及び
図7bに最も明瞭に示されるように、装置は、三角セグメント30内に存在する各オリフィス36が、圧縮チャンバを装置し、かつ、配置された三角セグメント30に対する相対運動で往復振動するように適合された軸32から半径方向に外に延びるバッフル28によって定められる又は与えられる放射状コンパートメントの各々の入口開口部52/出口開口部54の各々の上に載るように装置される。
【0051】
三角セグメントが6個の半径方向に延長されたバッフルによってもたらされる仕切りの各々の中に配置された
図8に恐らく最も良く示されるように、三角セグメント30に向かうバッフルの回転は、文字通り、じゃばら効果が存在することを意味し、これにより、空間が圧縮される側には空間縮小ゾーン56が生じ、これは事実上流体を圧縮し、開口部52、54を通して、後で手短に述べられる弁板40の同心リング58、60の1つの中に流体を押し込み、一方、これらの分割されたバッフル領域内の三角セグメント30の反対側には空間生成ゾーン62が生じ、これは事実上流体を他方の同心リングからこの開いた空間に吸引又は吸収し、他方の同心リングは、その後にバッフルが2つの回転可能な位置から振動するときに振動又はスイングバックして圧縮側に戻る。
【0052】
従って、当業者であれば、半径方向に延びるバッフル28によって圧縮チャンバ内に定められた各々の放射状コンパートメントは、好ましい実施形態においては6個のコンパートメントであるが、事実上、1つの入口開口部及び1つの出口開口部を有することを認識することができる。
【0053】
一実施形態において、各ブレードの振動の角度は20度とすることができ、これに応じて、三角セグメントの厚さが装置される。しかしながら、他の装置も可能であること、及び、三角セグメントの厚さは、ポンプ/コンプレッサが必要とされる用途、必要とされる圧縮比、並びに密閉要件などの要因によって決定され得ることを理解すべきである。
【0054】
図6に戻ると、弁板40の装置は、この好ましい実施形態においては、前に同心リング58及び60として説明された閉鎖した内側同心リング又は導管及び外側同心リング又は導管と実質的な同心装置となるように装置された、入口チャンバ64及び出口チャンバ66を含む。
【0055】
外側同心リング60は、
図9aに示されるように、ロッカー・アーム18が第1の位置にあるときに入口チャンバ64と流体連通し、
図9bに示されるように、ロッカー・アーム18が第2の位置にあるときに出口チャンバ66と流体連通する。同様に、内側同心リング58は、
図9aに示されように、ロッカー・アームが第1の位置にあるときに出口チャンバ66と流体連通し、
図9bに示されように、ロッカー・アームが第2の位置にあるときに入口チャンバ64と流体連通する。ロッカー・アーム18は、回転軸68を中心として回転することができる。
【0056】
ロッカー・アーム18は、それぞれの同心リング内に延びるアクセス用開口部80の上で移動することによって上述のような入口チャンバ及び出口チャンバとの間の流体の流れを制御する、その長さに沿って可変の断面寸法を有する円筒形部分の形態の4つの弁72、74、76及び78を含む。
図5は、プレートから外に延びて、内側チャンバ及び外側チャンバを内側同心リング及び外側同心リングの各々と接続するチャンバを収容する、弁板の半径方向に向き合う部分を明瞭に示す。
図6は、内側同心リング58内のそれらの開口部80の1つを示す。
【0057】
従って、同心リング58及び60は、ロッカー制御18と動作可能に連通する。制御アーム42から外に延びるピン24は、制御アーム42と一緒に振動し、ロッカー・アーム18との接触により、制御アーム42を2つの位置の間で振動させる。4個の制御弁72、74、76及び78は、バッフルの動きに続いて往復振動又はスイングし、それにより、ディスク38内の入口開口部の少なくとも1つが、流体を圧縮チャンバに吸入する位置にされるか、或いは、出口導管開口部の少なくとも1つに、圧縮流体を圧縮チャンバから圧縮流体貯蔵タンク(図示せず)内に吐出するための能力を与える。
【0058】
弁の対72及び74、並びに76及び78は、各々のハウジング部分82内の単一の平行軸に沿って移動可能であり、各々の弁対は、ロッカー制御18と関連した2つのプレート84の間に支持され、かつ、各ハウジング部分82のいずれかの側に配置される。弁部分は、サークリップ86を用いて所定の位置に保持される。図面において、一方は入口チャンバ及び出口チャンバを内側同心リングと接続する必要があり、他方は入口チャンバ及び出口チャンバを外側同心リングと接続する必要があるため、一方のハウジング部分が他方よりも長いことを理解することができる。図示した実施形態において、ハウジング部分の各々は、そこを通って延びる平行な開口部88を含み、弁は、各々の開口部内に収容される断面積の形状が円筒形であり、従って、入口ポートを通る流体のアクセスを防止又は可能にするが、他の装置もまた可能であることを理解すべきである。理解を助けるために、
図9a及び
図9bを再度参照されたい。
【0059】
同心リング68及び70と、所定の位置にあるときに三角セグメントの対応する凹部及びオリフィスとそれ自体が位置合わせされる弁円板を通る開口部52及び54とを用いるこの固有の装置により、この単一の圧縮チャンバが、往復振動の各サイクル内で、有効かつ連続的に流体を圧力チャンバに吸入し、また圧縮流体を圧縮チャンバから吐出するのを可能にする機構がもたらされる。
【0060】
例えば、より普通の装置において、往復ピストンを用いる場合、圧縮流体の連続的供給を貯留コンプレッサタンクにもたらすことができる唯一の方法は、複数の往復ピストンを有することである。
【0061】
予想されるように、従来の流体コンプレッサを作動させて圧縮流体の特定の戻り及び供給レベルを得るために、流体コンプレッサ内により多くのピストンを含めることにより、サイズ及び出力効率が増大される。
【0062】
図10a乃至
図10iは、コンプレッサ・ユニットを装置するコンポーネントの幾つかを概略的に簡単に示し、本発明がどのように機能するかの有用な視覚的概観を与える。
図10aは、2つの分離した部分、すなわち、フィルタにかけられた流体をポンプに入れるように設計された流体取入れ通路、スロット又は導管、及び、容積流体をポンプから吐出するための別の部分があることを示す。
【0063】
図10bから分かるように、入口チャンバは、それぞれの第1のリング及び第2のリングの各々の内部に配置可能な2つの端部が開いた延長通路であり、ここで第1及び第2のリングは互いに同心となるように配置される。
【0064】
図10cにおいて、第1及び第2の同心リングの定められた流路又は孔は、各々のリング・チャンバ上の別個の出口通路、及び、各々が星形ポンプ装置に至る6個の通路を可能にし、従って、事実上2つのリング・チャンバが12個の別個の通路をもたらす。
【0065】
図10dにおいて、2つの制御弁対があり、第1の同心リングに向かう上部のものは第2の出口リングへの出口通路をブロックし、下部の制御弁は、流体を流体出口に出すのを可能にしながら、第2の同心リングに向かう流体をブロックするように設計される。
【0066】
図10eは、第1のリング・チャンバが、十字交差星形プレート装置の一方の側に対応する6個の通路をどのように有するかを概略的に示す。第2の同心リングのリング・チャンバもまた、しなし反対側に6個の対応する通路を有する。
【0067】
図10fに示されるように、十字交差バッフルによってもたらされる星形装置は、6個のブレードの各々に2つの側を有し、回転が始まると、ブレードの一方の側が流体をチャンバ内に引き込むと同時に、ブレードの他方の側が流体をチャンバから押し出す。この動きは、同心リング装置のうちの1つに至る同じ流体通路を通して流体を吸い込み、吐出するじゃばらのように機能し、ブレードの反対側は他の側に対して逆の機能を行う。入力モータの一回転において、各ブレードは、ブレード毎に一回、流体を引き込み、吐出し、例えば、6回の引き込み/吐出+6回の吐出/引き込みにより、全容積の12倍の流体が供給される。
【0068】
図10gに見られるように、6個の十字交差ブレードが回転軸の軸上で一方向に振動し、次いで同じ角度だけ逆方向に回転する。
【0069】
図2に示すように、電気モータにより駆動される偏心カムはスイング移動を引き起こす。偏心カムは、バッフルが半径方向に外に延びる回転可能な軸に接続されたカムリングを動かす。カムリングはまた、2つの二重の上部及び下部弁を制御する2つのピンを有し、前述のように各弁の開閉のタイミング及び位置を制御する。
【0070】
図10hは、再び、流体を仕切り面の両側上の入口孔/出口孔に向かって流すように設計された三角セグメントの6個の仕切りを繰り返して示すものであり、異なる用途に適するように、かつ、異物がブレード等を損傷しないように空間を与えるように、全面的に再設計することができる。
【0071】
図10iは、弁組立体の各端部にロッカー制御を有する2つの二重弁(1つが上部、1つが下部)を示す。入力カムが回転してリングカムをその軸上で往復振動させ、リングカムが二重制御弁を一方向に動かし、ロッカー制御が他の弁組立体を反対方向に動かすので、入力モータの一回転により、各々の二重制御弁が前後に一回動く。
【0072】
明示的に上述されていないが、装置10は、多数の棒又はボルトを用いて保持され、各々のコンポーネントは、そうした締結手段を受け入れるための適切に配置された開口部を含む。例えば、全ての図面には示されないが、ハウジング26の端部、固定三角セグメント30、弁円板38、及び弁板40を通って延び、ボルト92を収容する開口部90が存在する。しかしながら、代替的に装置された締結手段を等しく良好に用い得ることを理解すべきである。
【0073】
本発明の範囲から逸脱することなく、本発明に、さらに別の利点及び改良を明白になすことができる。本発明は、最も実際的で好ましい実施形態であると考えられるものの形で示され説明されたが、それらの逸脱は、本明細書で開示された詳細に限定されず、いずれの及び全ての同等のデバイス及び装置を包含するように特許請求の全範囲と一致する、本発明の範囲及び精神内でなし得ることが認識される。
【0074】
添付のいずれの特許請求の範囲及び本発明の要約においても、用語又は必要な含意を表すために文脈が他の意味を要求する場合を除いて、「備える(comprising)」という語は、「含む(including)」の意味で用いられる、即ち、本発明の種々の実施形態において、指定される特徴をさらに別の特徴と関連付けることができる。
【符号の説明】
【0075】
10:コンプレッサ・ユニット
12:駆動部
14:圧縮部
16:偏心カム
18:ロッカー制御(ロッカー・アーム)
20:カムリング
22:入力軸
24:ピン
26:ハウジング
28:バッフル(ブレード)
30:三角セグメント
32:軸
34:制御アーム軸
36:オリフィス(凹部)
38:弁円板
40:弁板
42:制御アーム
44:位置決め突起
46:サークリップ
48:主軸受
50:シール
52、54、90:開口部
56:空間縮小ゾーン
58、60:同心リング
62:空間生成ゾーン
64:入口チャンバ
66:出口チャンバ
68:回転軸
72、74、76、78:弁
80:アクセス用開口部
82:ハウジング部分
84:プレート
86:サークリップ
92:ボルト