(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
以上の技術的問題点に鑑み、本発明の目的は、雪を背後からの気流に乗せることにより吹雪を模擬する際、所望広範囲に亘って吹雪を分布させるとともに、吹雪を乗せる気流を乱すことのない吹雪の発生装置を提供することにある。
以上の技術的問題点に鑑み、本発明の目的は、雪を背後からの気流に乗せることにより吹雪を模擬し試験体に向かって吹き出す際、吹雪を乗せる気流を乱さずに試験体の高さ方向に亘って吹雪を均一に分布させることにより、精確な雪環境試験を行うことが可能な吹雪の発生装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を達成するために、本発明の吹雪の発生装置は、
雪を気流に乗せることにより吹雪を模擬する吹雪の発生装置であって、
雪を気流により圧送し、先端部に吹き出しノズルを有する雪供給管を有し、
該吹き出しノズルは、目的物に向かって平行流の気流を流す風洞内で、風洞の絞り部より上流側に、平行流に沿って雪を吹き出す向きに配置され、
前記吹き出しノズルの吹き出し口に、オリフィス絞り開口を設けた、構成としている。
【0010】
以上の構成を有する吹雪の発生装置によれば、雪供給管内を吹き出しノズルに向かって気流により圧送される雪は、吹き出し口に設けたオリフィス絞り開口によりいったん絞られたうえで、外部に開放されることで、吹き出す際に広がることが可能であり、この絞り具合を気流速度との関係で調整することにより吹雪の所望の広がりを達成することが可能であるとともに、雪を吹き出す吹き出しノズルを風洞内において風洞の絞り部より上流側に、目的物に向かう平行流の気流に沿って雪を吹き出す向きに配置することから、風洞からの平行流の気流を乱さないようにしつつ、たとえば、吹雪を利用した雪環境試験において、供試体と吹き出しノズルとの距離を確保可能であることから、雪を背後からの気流に乗せることにより吹雪を模擬する際、所望広範囲に亘って吹雪を拡散分布させるとともに、吹雪を乗せる気流を乱さないようにすることが可能である。
なお、ここに『雪』とは、自然雪のように雪の結晶が重なり合っている雪片と、氷粒からなる人工雪のような雪粒子との両方を含む広義の意味を有し、『吹雪』とは、降雪による吹雪状態のみならず、このような雪片あるいは雪粒子が風あるいは車の通過等により移動する状況をも意味する広義の意味を有する。
【0011】
また、前記オリフィス絞り開口は、前記吹き出し口において、前記吹き出しノズルの内周面に亘って設けた環状部により形成されるのがよい。
さらに、前記環状部は、前記オリフィス絞り開口を形成する内周面が前記吹き出しノズルの内周面に向かって上流方向に延びる曲周面をなすのがよい。
さらにまた、前記曲周面は、前記雪供給管の長手方向に沿う断面の内縁部が、四分の一円弧状をなすのがよい。
加えて、前記曲周面は、前記吹き出しノズルの吹き出し口の近傍において、前記オリフィス絞り開口から上流方向の所定位置において、最狭部を形成するように設けられるのでもよい。
【0012】
さらに、前記環状部は、リング状板であり、前記吹き出しノズルの内側に臨む平面部は、上流から圧送される雪の付着面を形成し、それにより付着する雪の外形が、圧送気流の流束の最外形に沿う形状となるのでもよい。
さらにまた、吹雪は、風洞内に配置された静止車両に向かって吹き出され、静止車両に対して雪環境試験を行うのに用いられ、
前記吹き出し口と車両との間隔が、3メートル以上であり、
前記吹き出しノズルは、風洞の絞り部の範囲内で車両の高さ全体に亘ってカバーするように高さ方向に間隔を隔てて、複数設けられ、
各々の吹き出し口から吹き出される雪の量を互いに独立に調整可能とし、
車両の高さに応じて、吹雪の濃度分布を調整可能とするものでもよい。
加えて、雪は、製氷された氷片を砕氷して氷粒とする人工雪であってもよい。
さらに、雪は、所定湿度および所定温度の冷風を利用して生成される人工結晶雪であってもよい。
さらにまた、雪は、自然雪を利用するのでもよい。
加えて、前記オリフィス絞り開口の位置は、前記吹き出しノズルの吹き出し口近傍において、前記雪供給管の長手方向に調整可能であるのがよい。
また、前記吹き出しノズルは、前記風洞内に配置された翼型ガイドにより支持され、
該翼型ガイドは、中空部を有し、横断面形状が翼型であり、翼の長手方向が前記風洞内に発生する気流に沿う向きに配置され、前記風洞の外で開口し、
前記中空部内に、前記雪供給管が収容され、前記風洞の外で前記中空部から引き出されるのがよい。
【0013】
上記課題を達成するために、本発明の吹雪の発生装置は、
雪を気流に乗せることにより吹雪を模擬する吹雪の発生装置であって、
雪を気流により圧送し、先端部に吹き出しノズルを有する雪供給管を有し、
該吹き出しノズルは、目的物に向かって平行流の気流を流す風洞内で、風洞の絞り部より上流側に、平行流に沿って雪を吹き出す向きに配置され、
該吹き出しノズルの外であって、気流の進行方向前方の所定位置に該吹き出しノズルに対向する拡散板が配置され、
それにより、前記吹き出しノズルから吹き出され、気流に乗って気流進行方向に沿って発生する吹雪が、拡散板に当って偏向され、拡散板の四方外方に向かって拡散する、構成としている。
【0014】
以上の構成を有する吹雪の発生装置によれば、吹き出し口から吹き出された雪は気流に乗って、気流の進行方向に沿って吹雪として流れ、吹雪は、吹き出し口の外であって、気流の進行方向前方の所定位置に吹き出し口に対向するように配置された対向面に当り、吹雪は対向面に沿って四方外方に向かって拡散し、拡散した吹雪は、さらに気流に沿って流れ、対向面の背後の領域にも吹雪が回り込むことになり、その際、気流の速度を調整することにより、吹雪の流れる空間分布を所望に広げることが可能となるとともに、雪を吹き出す吹き出しノズルを風洞内において風洞の絞り部より上流側に、目的物に向かう平行流の気流に沿って雪を吹き出す向きに配置することから、風洞からの平行流の気流を乱さないようにしつつ、たとえば、吹雪を利用した雪環境試験において、供試体と吹き出しノズルとの距離を確保可能であることから、雪を背後からの気流に乗せることにより吹雪を模擬する際、所望広範囲に亘って吹雪を拡散分布させるとともに、吹雪を乗せる気流を乱さないようにすることが可能である。
【0015】
また、前記拡散板は、平面状の点対称形状であり、気流の進行方向にほぼ直交する向きに配置され、その対称中心が前記吹き出し口の中心と重なるように配置されるのがよい。
さらに、吹雪は、風洞内に配置された静止車両に向かって吹き出され、静止車両に対して雪環境試験を行うのに用いられ、
車両に向かう気流の速度を調整することにより、静止車両を用いて走行車両を模擬する際、気流の速度に応じて、前記オリフィス絞り開口あるいは前記拡散板を選択するのがよい。
さらにまた、前記気流の速度が、毎時60キロメートル以下の場合は、前記オリフィス絞り開口を選択し、毎時80キロメートルないし120キロメートルの場合は、前記拡散板を選択するのがよい。
加えて、高さ方向に互いに所定間隔を隔てて、複数の前記雪供給管が設けられ、
前記複数の雪供給管のうち、最も低レベルの雪供給管の前記吹き出しノズルには、前記拡散板を設け、
前記拡散板は、吹雪が拡散板に当って偏向され、斜め上方に拡散するように、気流の進行方向に沿って斜め上向きに設置するのがよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明の吹雪の発生装置により吹雪を模擬して、雪環境試験に利用する場合を例として、本発明の吹雪の発生装置を以下に詳細に説明する。
まず、雪環境試験システムについて説明すれば、
図1に示すように、雪環境試験システム10は、氷粒からなる人工雪を利用し、人工雪をその背後からの気流に乗せて吹雪を模擬して、試験供試体である車両Vに向かって吹き付けるように構成され、そのために、吹雪供給システム12と、気流供給システム14とを有する。
特に、氷粒の粒径および水分含有率が主な影響因子である所定の雪質を具備する吹雪を必要量用いて、車両Vに向かって連続的に吹き付ける際、車両Vの高さ全体に拡散し、場合により車両Vの高さ方向に所望の吹雪濃度分布を実現できるようにするために、所定の温度および湿度管理のもとで、人工雪として利用する氷粒群を試験直前に製造して迅速に供給することが要求される。
【0017】
より具体的には、雪環境試験システム10は、試験対象である車両Vを配置する風洞16と、風洞16の上部に配置された低温室18、および低温室18の上部に配置された製氷室20とを有し、製氷室20内には、製氷機22が配置され、低温室18内には、氷温安定化コンベア24、砕氷機26、ブロアー28、冷却器30、および人工雪の分配装置34が配置され、風洞16内には、湿雪装置32、人工雪の吹き出しノズル36、および吹雪捕集装置38が配置され、概略的には、製氷室20で製氷された氷片を低温室18で砕氷して、氷粒化することにより人工雪を製造し、人工雪を風洞16に向けて圧送して、風洞16内において、湿雪化した人工雪を分配して、低温気流に乗せて吹雪化して、車両Vに向けて吹き付けるように構成している。
【0018】
風洞16は、開放タイプの回流型であり、測定対象である車両を設置する(開放型)測定室300と、第1〜第4の4つの屈曲胴302、304、306、308(屈曲部)とを備えて平面視略長方形に形成されている。送風機25で発生した気流は、第2拡散胴310、第3屈曲胴306、第4屈曲胴308、整流胴312(
図2参照)、縮流胴314(
図2参照)を経て、測定室300に開口する吹出し口316(
図2参照)から測定室300に流入し、第1屈曲胴302、第2屈曲胴304の順に流れるようになっている。
送風機25によって送風された気流は、いったん気流全体としての風速(動圧)を低下させて中間胴部における圧力(静圧)を上昇させた後、縮流胴314を通過させることで、測定するのに必要十分な風量(風速)の気流を吹出し口316から測定室300に吹き出すことができるようにしている。
【0019】
これにより、後に説明するように、製氷工程、砕氷工程、分離工程、湿雪工程を経て空気搬送される氷粒が、測定室300内において、その背後からの気流に乗って車両に向かって吹雪として吹き付けられ、送風機25により気流の風速を調整することにより、静止車両でありながら走行車両を模擬できるようにしている。
また、吹雪試験用の回流型風洞16の場合、試験後の雪を分離回収するために、車両Vの下流に、別途雪補修装置38を設けているが、いずれにせよ、雪の重力落下あるいは慣性効果により雪を分離させるのに、車両Vの下流に、敢えて気流を整流させない領域を設けている。
【0020】
吹雪供給システム12は、3系統設けられ、各系統において、砕氷機26と吹き出しノズル36とを接続する雪供給管40、および風洞16内の吸引口42と砕氷機26とを接続する空気ダクト44が設けられ、雪供給管40においては、砕氷機26と吹き出しノズル36との間に、人工雪の分配装置34および湿雪装置32がこの順に接続され、一方空気ダクト44においては、風洞16内の吸引口42と砕氷機26との間に、ブロワ28、冷却器30が接続される。
人工雪の分配装置34を湿雪装置32の上流側に設置するのは、人工雪の分配装置34を下流側に設置すると、湿雪化した雪が分配装置34に送られて、分配装置34内に付着して、詰まりを生じることがあり、それを防止するためである。
【0021】
製氷機22は、フレーク状の氷片を製造するいわゆるリーマ式の製氷機22であり、雪環境試験に用いる人工雪の全体必要量に応じて、クラック状氷片を製造する複数の製氷機22のうちから任意台数を選択して、環境試験に用いる人工雪の必要量の変化に応じて、選択した製氷機22により製氷することにより、製氷量を粗調整するとともに、環境試験に用いる人工雪の必要量の変化に対して、人工雪の必要量と粗調整された製氷量との差分に応じて、選択した製氷機22それぞれにおいて、蒸発温度および/または水温および/またはリーマの回転数を調整することにより、製氷量を微調整する制御装置(図示せず)とを有する。
【0022】
砕氷機26は、主に、上部に配置されたロータリーフィーダー(図示せず)と、下部に配置された一対の破砕ドラム(図示せず)とからなり、氷温安定化コンベア24により供給された氷片をロータリーフィーダーにより分量化して一対の破砕ドラムに供給し、一対の破砕ドラムにより破砕して、所定粒径の氷粒として雪供給管40に供給するようにしている。
【0023】
人工雪の分配装置34は、雪供給管40により搬送される人工雪を複数の分岐管(図示せず)に分配するのに用いられ、より具体的には、同じレベルの吹き出しノズル36が車両Vの幅方向に複数設けられるように、各系統における雪供給管40は、車両Vの幅方向に複数の分岐管に分岐され、各分岐管ごとに湿雪装置32が設けられ、各分岐管の先端に、吹き出しノズル36が設けられる。
【0024】
人工雪の分配装置34は、上流側端面および下流側端面それぞれが雪供給管40の下流側端面および複数の分岐管それぞれの上流側端面と平行に配置された回転体(図示せず)と、回転体をその軸線方向を中心に所定回転速度で回転させる回転駆動部(図示せず)とを有し、回転体はその内部に、回転体を軸線方向に貫通する圧送流路(図示せず)を有し、圧送流路は、上流側端面に、雪供給管40の下流側端面に設けられる流出開口(図示せず)に近接対向して非接触式に配置される取り入れ口(図示せず)を備え、下流側端面に、複数の分岐管それぞれの上流側端面に設けられる流入開口(図示せず)に近接対向して非接触式に配置される排出口(図示せず)とを備え、排出口は、回転体の回転による排出口の通過軌跡上に複数の分岐管それぞれの流入開口が位置するように設けられる。
【0025】
湿雪装置32は、雪供給管40に連通するホットエア供給管(図示せず)を有し、ホットエア供給管は、その下流側端部に、雪供給管40の延び方向の所定長さに亘って雪供給管40の外周面全体を覆う環状スペースを形成するホットエア流入部(図示せず)を有し、環状スペースに覆われる雪供給管40の外周面には、ホットエアの流入開口(図示せず)が均等に複数設けられ、それにより、雪供給管40のホットエア流入部が付設される部位の下流側において、雪供給管40内にエージングスペース(熱交換熟成領域)が形成され、そこにおいて湿雪化されるようにしている。
【0026】
気流供給システム14について、風洞16は、循環スペースの一部に形成され、車両Vの前方から後方に向かって一方向に車両Vの車高に亘って吹雪を吹き付けるように構成される。具体的には、循環スペース内に設置された送風機25により車両Vの前方から後方に向かって一方向に所定風速の気流を発生し、車両Vを通過して気流は冷却器30により所定温度に冷却されて、送風機25に戻され、再度気流を発生し、これを繰り返すようにしている。
【0027】
吹雪の発生装置に関し、吹き出しノズル36について、車両Vの前方所定距離の位置に、車両Vの車高に亘って高さ方向に所定間隔を隔てて、3機の吹雪の吹き出しノズル36が配置され、各吹き出しノズル36ごとに、供給する吹雪の濃度を調整可能にしている。車両Vの後方所定距離の位置には、雪捕集装置38が配置され、雪捕集装置38を通過した吹雪は、風洞16内の吸引口42を介して低温室18内に配置されたブロアー28により引かれ、冷却器30により冷却され、砕氷機26に戻され、製氷機22により製氷され氷温安定化コンベア24により砕氷機26に供給され砕氷される氷粒と混合され、再び雪供給管40を介して吹き出しノズル36から吹雪を吹き出すのに利用されるようにしている。吹き出しノズル36は、気流の進行方向に沿って配置され、送風機25から吹き出される気流の帯域内に吹き出し口102が設置される。
【0028】
この点、吹雪は、ブロアー28による圧送空気により各吹き出しノズル36から吹き出される雪が、送風機25から吹き出される気流に乗って車両Vに向かって吹き付けられるところ、圧送空気の圧送速度は、雪供給管40内での雪の詰まりを生じない限り、なるべく低速であるのが好ましく、吹雪の速度は、送風機25から吹き出される気流により模擬するのが好ましい。
より詳細には、吹雪がオリフィス絞り開口204(後に説明)により拡散されて車両Vに向かって吹き付けられる際、圧送空気の圧送速度が高いと、吹き出しノズル36の部分の吹雪のみ吹雪の速度が高くなり、自然の吹雪から逸脱する一方、送風機25から吹き出される気流の速度を変えることにより、拡散される吹雪全体の速度を一様に変動させることが可能であり、特に静止車両Vにより、走行車両を模擬する場合に、送風機25から吹き出される気流の速度を変動させるのが有利である。
【0029】
風洞16は、いわゆる空力風洞16でなく、簡易的な風洞16であり、従来、吹き出しノズル36を風洞16の車両V寄りの外部に配置していたことから、吹き出しノズル36と車両Vの前部との距離が十分に確保しがたく、それに起因して、吹き出しノズル36から車両Vに向かって吹き出される吹雪を短い距離(1メートルないし3メートル)の間で所望に拡散分布する必要があったところ、以下に説明するように、吹き出しノズル36を風洞16内に設置することにより、吹き出しノズル36と車両Vの前部との距離D2(
図2)を十分に確保可能(3メートル以上)であり、それにより、吹雪の所望の拡散分布の達成を容易としている。
【0030】
より詳細には、
図2に示すように、各系統においてそれぞれの吹き出しノズル36は、風洞16内で車両の高さ全体に亘ってカバーするように高さ方向に間隔を隔てて、複数設けられ、各々の吹き出し口102から吹き出される氷粒である雪の量を互いに独立に調整可能とし、車両の高さに応じて、吹雪の濃度分布を調整可能としている。
たとえば、吹き出しノズル36の背後から車風速を再現した低温気流が、走行車両を模擬すべく毎時20ないし100kmの場合、吹き出しノズル36から3メートル
程度前方位置に車両を配置し、その位置において、自然界の吹雪の再現、すなわち雪の濃度(もしくは吹雪強度)を鉛直方向に一様に50ないし500kg/m2hとするためには、一つの吹き出しノズル36が示す吹雪状態範囲を考えて、全体の吹雪再現する面積に、適切に複数の吹き出しノズル36を配設して全体としての吹雪状態を再現させればよい。
【0031】
図3に示すように、自然界の吹雪の濃度分布は、地表面が最も濃度が高く、高さ方向に段々と濃度が低下していく形態で鉛直方向に異なっており、このような自然界の吹雪の濃度分布を模擬するために、配設する吹き出しノズル36への供給雪量を変えることと、配設する吹き出しノズル36の適切な配置により、容易に雪の濃度(もしくは吹雪強度)の変化を再現させることが可能であり、この観点から、3系統それぞれにおいて設けられる吹き出しノズル36の高さ方向の間隔を設定すればよい。
【0032】
各吹き出しノズル36は、車両Vに向かって平行流の気流を流す風洞16内で、風洞16の縮流部314と整流部312との境界位置Tより上流側に、平行流に沿って雪を吹き出す向きに配置され、吹き出しノズル36の吹き出し口102に、オリフィス絞り開口204を設けている。
図4に示すように、オリフィス絞り開口204の開口形状は、円形であり、雪供給管40内を吹き出しノズル36に向かって圧送されてきた雪が、外部に吹き出される直前にオリフィス絞り開口204を通過することにより絞られて、外部に吹き出す際に開放されて、拡散分布するようにしている。円形開口の大きさは、このような観点から定めればよい。
【0033】
吹き出しノズル36と縮流部314の入口(境界T)との距離D1は、たとえば、1メートルないし2メートルであり、雪を吹き出す吹き出しノズル36を風洞16内において風洞16の絞り部202より上流側に、車両Vに向かう平行流の気流に沿って雪を吹き出す向きに配置することから、風洞16からの平行流の気流を乱さないようにすることが可能であり、それにより、精度の高い環境試験を行うことが可能である。
【0034】
オリフィス絞り開口204は、吹き出しノズル36と一体に形成してもよいが、別体として、オリフィス絞り開口204の位置を吹き出しノズル36の吹き出し口102近傍において、雪供給管40の長手方向に調整可能としてもよい。これにより、所望の吹雪の拡散分布は、氷粒からなる雪の流量、すなわち雪供給管40内の圧送気流速度により影響を受けるところ、圧送気流速度に応じて、オリフィス絞り開口204の位置を雪供給管40の長手方向に微調整することにより、車両Vに達するまでに所望の吹雪の拡散分布を達成することが可能である。より具体的には、オリフィス絞り開口204の位置を車両Vから遠ざかる向きに位置決めするほど、吹雪の拡散の程度を増大することが可能である。
【0035】
図4に示すように、オリフィス絞り開口204は、吹き出し口102において、吹き出しノズル36の内周面206に亘って設けた環状部208により形成され、環状部208は、オリフィス絞り開口204を形成する内周面が吹き出しノズル36の内周面206に向かって上流方向に延びる曲周面をなす。より具体的には、曲周面は、雪供給管40の長手方向に沿う断面の内縁部210が、四分の一円弧状をなす。これにより、雪供給管40内を吹き出しノズル36に向かって気流により圧送される雪は、吹き出し口102に設けたオリフィス絞り開口204によりいったん絞られたうえで、外部に開放されることで、吹き出す際に広がることが可能である。なお、搬送する吹雪粒子がノズル内に雪の付着性で詰まらないように、吹き出しノズル36内の気流速度は、15m/s以上の風速で搬送することが重要である。
【0036】
図5に示すように、変形例として、曲周面は、吹き出しノズル36の吹き出し口102の近傍において、オリフィス絞り開口204から上流方向の所定位置において、最狭部212を形成するように設けられるのでもよい。これにより、雪供給管40内を吹き出しノズル36に向かって気流により圧送される雪は、最狭部212で絞られたうえで、最狭部212より下流側の曲周面により拡散する形態で案内されて、吹き出し口102より吹き出すことが可能である。最狭部212の径D3、曲周面の最狭部212の上流側の傾斜角度α、および曲周面の最狭部212の下流側の傾斜角度βは、このような観点から定めればよい。
【0037】
図6に示すように、さらなる変形例として、環状部208は、リング状板であり、吹き出しノズル36の内側に臨む平面部214は、上流から圧送される雪の付着面を形成し、それにより付着する雪の外形が、圧送気流の流束の最外形に沿う形状となるのでもよい。これにより、時間経過とともに、曲周面が付着する雪により形成される(
図6の点線部)ようにしてもよい。
【0038】
吹き出しノズル36を風洞16内に設ける場合、縮流胴314の上流側の整流胴312内に設ける必要がある。その際、吹き出しノズル36に接続する雪供給管40、および吹き出しノズル36の支持取付部材を整流胴312内に設置せざるを得ず、それにより、風洞16内の気流が乱されることから、翼型ホースガイド234を設けている。
より詳細には、
図2および
図7に示すように、翼型ホースガイド234は、矩形状で、横断面が翼型であり、翼の長手方向を風洞16内の気流に沿う向きとして直立に配置される。
翼の形状は、従来既知の航空機の翼に用いられるものと同様であり、風洞16内の気流に対する空力抵抗を極力小さくする観点から定められる。
【0039】
翼型ホースガイド234は、内部が中空状であり、2枚の矩形板243それぞれの鉛直縁236、238同士を接合することにより、高さ方向全体に亘って横断面が翼型となるように構成される。下流側に配置される一方の鉛直縁236には、高さ方向に所定の間隔を隔てて、複数の細長切欠き240が上流側に向かって水平方向に設けられ、各細長切欠き240には、吹き出しノズル36が差し込み支持されている。
より具体的には、
図7に示すように、それぞれの吹き出しノズル36の吹き出し口102を一方の鉛直縁236、238から下流側に若干突出させる一方、中空部242内に配置される、吹き出し口102と反対側の吹き出しノズル36の端部には、雪供給管40が接続され、雪供給管40は、中空部242内で適宜配線されて、翼型ホースガイド234の上部開口244から外部に引き出されるようにしている。
【0040】
このため、翼型ホースガイド234の高さは、整流胴312の高さより大きく、整流胴232の高さ全体に及ぶように配置され、上部は整流胴312を貫通して、中空部242に通じる上端開口部が整流胴312の外で開口している。これにより、雪供給管40を整流胴312の外で上端開口部から翼型ホースガイド234の中空部242に挿入し、整流胴312内で吹き出しノズル36に接続されるようにしている。
なお、吹き出しノズル36の各吹き出し口102は、拡散板による拡散に必要な距離を考慮して、整流胴312と縮流胴314との境界部から上流側に少なくとも1メートル以上の位置に設置する必要がある。
【0041】
設置する吹き出しノズル36の数および隣接するノズル同士の間隔について、吹雪による車両試験の条件に応じて、決定すればよい。
吹雪濃度を高さ方向に調整する場合には、高さ方向に設ける吹き出しノズル36の切り替えにより濃度変更をしてもよい。
たとえば、予め下部に設ける吹き出しノズル36の数を上部および中部より多くしておき、下部の濃度を高くする場合には、下部の全吹き出しノズル36を用いて噴雪し、一方高さ方向に濃度を均一とする場合には、下部の全吹き出しノズル36中なら使用するノズルを選択すればよい。
【0042】
以上のように、翼型ホースガイド234を風洞16内に設置することにより、吹き出しノズル36の支持取付部材として機能させつつ、吹き出しノズル36に接続する雪供給管40、および吹き出しノズル36の支持取付部材により、風洞16内の気流が乱されるのを有効に防止することが可能である。
なお、翼型ホースガイド234は、2枚の矩形板を組み合わせることなく、一体物として形成してもよく、その材質は、吹き出しノズル36を取付支持可能であり、風洞16内の風速および低温に耐えることが可能である限り、金属製、樹脂製等でよい。
【0043】
以上の構成を有する吹雪の発生装置100について、その作用を以下に説明する。
まず、各系統において、製氷機22によって製氷された氷片が砕氷機26によって砕氷され、所定粒径の氷粒となり、雪供給管40により気流により圧送され、分配装置34により、複数の分岐管に分岐され、各分岐管において、湿雪装置32によって所定の水分含有率を有する湿雪とされ、吹き出しノズル36まで達する。
この場合、吹き出しノズル36は、系統ごとに、車両の高さ方向に間隔を隔てて配置され、同じ系統の複数の吹き出しノズル36は、車両Vの幅方向に間隔を隔てて配置されている。
【0044】
一方、送風機25から発生した気流は、第2拡散胴321、第3屈曲胴306、第4屈曲胴308、整流胴312、縮流胴314を経て、吹き出し口316から車両Vに向かって流れ、第1屈曲胴302および第2屈曲胴304を経て、送風機25に戻され、回流するようにしている。
それぞれの吹き出しノズル36において、雪供給管40内を吹き出しノズル36に向かって気流により圧送される氷粒の雪は、吹き出し口102に設けたオリフィス絞り開口204によりいったん絞られたうえで、外部に開放されることで、吹き出す際に広がることが可能であり、この絞り具合を気流速度との関係で調整することにより吹雪の所望の広がりを達成することが可能である。
所望の広がりを有する吹雪は、風洞16の吹き出し口316より流出して、車両Vに吹き付けられる。
【0045】
以上のように、雪を気流に乗せることにより吹雪を模擬し車両に向かって吹き出す際、連続的な試験を可能としつつ、車両に到達するまでに十分な距離を確保しつつ、車両の高さ方向に吹雪の所望の濃度分布を実現可能である。
【0046】
以上の構成を有する吹雪の発生装置によれば、雪供給管40内を吹き出しノズル36に向かって気流により圧送される雪は、吹き出し口102に設けたオリフィス絞り開口204によりいったん絞られたうえで、外部に開放されることで、吹き出す際に広がることが可能であり、この絞り具合を気流速度との関係で調整することにより吹雪の所望の広がりを達成することが可能であるとともに、雪を吹き出す吹き出しノズル36を風洞16内において風洞16の絞り部202より上流側に、目的物に向かう平行流の気流に沿って雪を吹き出す向きに配置することから、風洞16からの平行流の気流を乱さないようにしつつ、たとえば、吹雪を利用した雪環境試験において、供試体と吹き出しノズル36との距離を確保可能であることから、雪を背後からの気流に乗せることにより吹雪を模擬する際、所望広範囲に亘って吹雪を拡散分布させるとともに、吹雪を乗せる気流を乱さないようにすることが可能である。
【0047】
以下に、本発明の第2実施形態について、
図8ないし
図10を参照しながら説明する。以下の説明において、第1実施形態と同様な構成要素については、同様な参照番号を付することによりその説明は省略し、以下では、本実施形態の特徴部分について詳細に説明する。
本実施形態の特徴部分は、風洞16の縮流部314と整流部312との境界位置Tより上流側に、平行流に沿って雪を吹き出す向きに吹き出しノズル36を設ける点は共通であるが、第1実施形態におけるオリフィス絞り開口204の代替として、吹き出しノズルの外に拡散プレート74を設ける点にある。
【0048】
図8に示すように、各吹き出しノズル36の前方には、拡散プレート74が設けられ、吹き出しノズル36から送風機からの低温気流に乗って車両Vに向かって吹き出される吹雪は、
図9に示すように、拡散プレート74に当って四方外方に拡散し、3機の吹雪の吹き出しノズル36が互いに協働して、車両Vの前部において、車両Vの高さ方向に亘って、吹雪が分布するようにしている。
この点で、第1実施形態と同様に、風洞16は、いわゆる空力風洞16でなく、簡易的な風洞16とすることから、吹き出しノズル36と車両Vの前部との距離は、約1メートルないし3メートルであるところ、この短い距離の間で、吹き出しノズル36より吹き出す吹雪が、車両Vの前部において高さ全体に亘って拡散するようにしている。
なお、拡散プレート74は、風速80km/h以上、もしくは吹き出しノズル36と車両Vの前部との距離は、約1メートルないし3メートルの場合に設ければよい。
吹き出し口102は、第1実施形態と同様に、車両Vの高さ全体に亘ってカバーするように高さ方向に間隔を隔てて、複数設けられ、各々の吹き出し口102から吹き出される雪の量を互いに独立に調整可能とし、車両Vの高さに応じて、吹雪の濃度分布を調整可能とした。
【0049】
図9に示すように、拡散プレート74は、気流の進行方向前方の所定位置に吹き出しノズル36に対向する拡散面104を有する。拡散プレート74は、取り付けの便宜から、吹き出しノズル36まわりの雪供給管40にL字部材108を介して取り付けている。より詳細には、L字部材108の一方の部分108Aが吹き出しノズル36まわりの雪供給管40の鉛直部の側周面から前方に延び、かつL字部材108の他方の部分108Bが下方に延びるように鉛直部の側周面に固定し、L字部材108の他方の部分108Bの先端に、吹き出しノズル36に対向するように拡散プレート74を取り付けている。後に説明するように、吹き出しノズル36と拡散プレート74との間隔dは、吹き出しノズル36から吹き出された吹雪が拡散プレート74に当って拡散する場合において、吹雪の拡散範囲に影響を与える。より具体的には、dが大きいほど、吹雪の拡散範囲は狭く、dが小さいほど吹雪の拡散範囲は広い。この点、拡散プレート74により拡散される吹雪が、試験供試体である車両Vに達する際に、車両Vの高さ方向および幅方向全体に亘って広がっている必要があるところ、吹雪の拡散範囲は、吹き出しノズル36の背後からの気流速度によっても影響を受ける。走行車両を模擬するために気流速度を変動させる際、それに応じて、同じ拡散プレート74を用いて所望の拡散範囲を実現するために、間隔dを可変とすべく、L字部材108の一方の部分108Aを伸縮自在とするのが好ましい。
【0050】
拡散面104は、雪に対して難付着性を有するように、難付着性の材質および頂部が吹き出し口102に近づく向きに形成された円錐形状であり、それにより、吹き出し口102から吹き出され、気流に乗って気流進行方向に沿って発生する吹雪が、拡散面104に沿って案内され、拡散面104の四方外方に向かって拡散するようにしている。
【0051】
より具体的には、拡散面104には、フッ素樹脂あるいはシリコンによるコーティング層が設けられ、あるいは吹雪の拡散用部材100は、フッ素樹脂素材あるいはシリコン素材であってもよい。
図8および
図9に示すように、拡散面104の形状は、円板状であり、その軸線は、気流の進行方向に沿って配置され、その中心が吹き出し口102の中心Pと重なるように配置される。吹き出しノズル36は、ほぼ水平に延び、吹き出し口102から吹き出される気流の流れはほぼ平行流となることから、拡散面104の外径Dは、吹き出し口102の径より若干大きいのが好ましく、それにより、吹き出し口102から吹き出される吹雪は、拡散面104に当ることが可能である。
【0052】
以上の構成を有する吹雪の拡散用部材100について、その作用を以下に説明する。
図9に示すように、吹き出し口102から吹き出された雪は気流に乗って、気流の進行方向に沿って吹雪として流れ、吹雪は、吹き出し口102の外であって、気流の進行方向前方の所定位置に吹き出し口102に対向するように配置された拡散面104に当るところ、拡散面104は、雪に対して難付着性を有するように、難付着性の材質および頂部が吹き出し口102に近づく向きに形成された円錐形状であることから、吹雪は、拡散面104に付着することなく、拡散面104に沿って案内され、四方外方に向かって拡散するとともに、拡散面104への付着に伴う経時的な拡散特性の変動を抑制可能である。
これにより、吹雪の広がりが狭まるように拡散特性が変動することなく、あるいは吹き出すノズルからの雪の吹き出しに支障を生じたりすることなく、特に湿雪を利用する場合に、吹雪を利用した環境試験を円滑に遂行することが可能である。
【0053】
この場合、車両に向かう気流の速度を調整することにより、静止車両を用いて走行車両を模擬する際、気流の速度に応じて、オリフィス絞り開口204あるいは拡散プレート74を選択するのがよい。
特に、気流の速度が、毎時60キロメートル以下の場合は、オリフィス絞り開口204を選択し、毎時80キロメートルないし108キロメートルの場合は、拡散プレート74を選択するのがよい。
加えて、高さ方向に互いに所定間隔を隔てて、複数の雪供給管が設けられる場合、
図10に示すように、複数の雪供給管のうち、最も低レベルの雪供給管の吹き出しノズルには、拡散プレート74を設け、拡散プレート74は、吹雪が拡散プレート74に当って偏向され、斜め上方に拡散するように、気流の進行方向に沿って斜め上向きに設置するのがよい。傾斜角度γは、このような観点から定めればよい。
【0054】
以上のように、それぞれの吹き出しノズル36において、吹き出し口102から吹き出された雪は気流に乗って、気流の進行方向に沿って吹雪として流れ、吹雪は、吹き出し口102の外であって、気流の進行方向前方の所定位置に吹き出し口102に対向するように配置された対向面104に当り、従来のように、雪が吹き出し口102に至るまでに溜り、吹雪の継続的な発生が困難になることなく、吹雪は対向面104に沿って四方外方に向かって拡散し、拡散した吹雪は、さらに気流に沿って流れ、対向面104の背後の領域にも吹雪が回り込むことになり、その際、気流の速度を調整することにより、吹雪の流れる空間分布を所望に広げることが可能となるとともに、雪を吹き出す吹き出しノズル36を風洞16内において風洞6の絞り部より上流側に、目的物に向かう平行流の気流に沿って雪を吹き出す向きに配置することから、風洞16からの平行流の気流を乱さないようにしつつ、たとえば、吹雪を利用した雪環境試験において、供試体と吹き出しノズル36との距離を確保可能であることから、雪を背後からの気流に乗せることにより吹雪を模擬する際、所望広範囲に亘って吹雪を拡散分布させるとともに、吹雪を乗せる気流を乱さないようにすることが可能である。
【0055】
以上、本発明の実施形態を詳細に説明したが、本発明の範囲から逸脱しない範囲内において、当業者であれば、種々の修正あるいは変更が可能である。
たとえば、本実施形態において、雪は、製氷された氷片を砕氷して氷粒とする人工雪であるものとして、説明したが、それに限定されることなく、雪は、所定湿度および所定温度の冷風を利用して生成される人工結晶雪であってもよいし、自然雪であってもよい。
【0056】
さらに、本実施形態において、3系統設ける吹き出しノズル36について、すべて共通に四分の一円弧状の曲周面を有するオリフィス絞り開口204を設けたが、それに限定されることなく、たとえば、系統ごとに、異なるタイプ(最狭部212を有するタイプ、リング状板タイプ)を採用してもよいし、あるいは同じ系統において車両Vの幅方向に設ける複数の吹き出しノズル36について、異なるタイプを採用してもよい。
【0057】
さらに、3系統設ける吹き出しノズル36について、第1実施形態において、すべて共通に四分の一円弧状の曲周面を有するオリフィス絞り開口204を設ける一方、第2実施形態において、すべて共通に拡散プレート74を設けるものとして説明したが、それに限定されることなく、雪を背後からの気流に乗せることにより吹雪を模擬する際、所望広範囲に亘って吹雪を拡散分布させるとともに、吹雪を乗せる気流を乱さないようにすることが可能である限り、ある吹き出しノズル36については、オリフィス絞り開口204、ある吹き出しノズル36については、拡散プレート74を設けるハイブリッド型として採用してもよい。