特許第5796758号(P5796758)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】5796758
(24)【登録日】2015年8月28日
(45)【発行日】2015年10月21日
(54)【発明の名称】書見台
(51)【国際特許分類】
   A47B 23/00 20060101AFI20151001BHJP
【FI】
   A47B23/00 A
   A47B23/00 E
【請求項の数】2
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2015-51165(P2015-51165)
(22)【出願日】2015年3月13日
【審査請求日】2015年3月13日
(31)【優先権主張番号】特願2014-232142(P2014-232142)
(32)【優先日】2014年10月28日
(33)【優先権主張国】JP
【権利譲渡・実施許諾】特許権者において、権利譲渡・実施許諾の用意がある。
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】503113957
【氏名又は名称】田中 正明
(72)【発明者】
【氏名】田中 正明
【審査官】 蔵野 いづみ
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭63−143927(JP,U)
【文献】 実開平05−031633(JP,U)
【文献】 実開平02−066129(JP,U)
【文献】 特開2010−142630(JP,A)
【文献】 実開昭60−135928(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47B 23/00−23/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自立する背板と本の保持具からなる書見台で、背板は磁性体が付着する材質とし、保持具は上下保持具と押え保持具で構成し、上下保持具は背板への付着面と立ち上がり面を有する横長の形態で付着面に設けた磁性体により背板の任意の位置に付着が可能であり、本の上下寸法に対応し易く、押え保持具は磁性体に付着する面と本を押える部分を有し、上下保持具の立ち上がり面に設けた磁性体に付着してスライドも可能であり本の厚み寸法に合わせ易く、本の上下部で押えて見易く安定した保持が出来ることを特徴とする書見台。
【請求項2】
前記の背板を自立させる支持体は伸展した状態では平板状で、底板部、背板付着部、支持部、結合部と3か所のヒンジ部からなり、ヒンジ部で屈折させて両端の底板部と結合部を重ね、面ファスナーで結合することにより側面が三角形状となる支持体を構成し、背板付着部に設けた磁性体で付着することにより背板を自立させ、支持体を上下に移動することで背板の傾斜角度を容易に変えられることと、支持体を90度回転して縦型と横型を使い分けられることを特徴とする請求項1の書見台。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は本が見易く、安定した保持を容易な取り扱いで出来る書見台の構成技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の書見台は任意の傾斜角度で自立する背板または本体に開いた本を立てかけた場合に本が閉じるとかページがめくれることを防止するための保持具を下部に左右2か所設けているのが一般的である。しかし保持具の位置が下へ片寄っているために押える力が不十分であり、上部をクリップ等で補強するとか下部の保持具を上方向へ伸ばすことがあるが文字や図を遮蔽するために読みにくい等の課題があった。
解決手段として本の上部と下部の余白部分で押える方法が特許文献1で開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第5257808号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記の特許文献1では本の上部と下部にある余白部分で押える方法が開示されているが、
そのためには本の上下寸法や厚み寸法の違いに対応する必要があり、それの解決手段としてネジをゆるめてから寸法を調節し、ネジを締めるという機械的な方法が示されている。ネジの締め具合によって寸法を調節する方法は女性や年配者など機器の取り扱いに馴れていない人には苦手意識と共に加減が難しく、それが原因で不具合になる可能性もある。
本発明は出来るだけシンプルな構成で機械的な方法に比べ操作の簡略化や価格の低減化を計ると共に特許文献1では取り上げていないが、背板の傾斜角度を任意の角度で容易に調整できるようにすることが課題である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
背板は磁性体が付着する材質とし、本の保持具は上下保持具と押え保持具の組み合わせによって構成する。上下保持具は背板への付着面と立ち上がり面を有する横長の形態とする。付着面に設けた磁性体により背板の任意の位置に付着することができるため本の上下寸法に合わせ易い。押え保持具は磁性体に付着する面と本を押える部分を有し、上下保持具の立ち上がり面に設けた磁性体によって付着とスライドが可能となり、本の厚み寸法に合わせて容易に調整することができる。
【0006】
一般的な本は開くと上下部に余白部分があり、その部分に押え保持具を当てることにより文面の写真や説明図を遮蔽することなく見やすい状態で保持することができる。
【0007】
本のページをめくる場合には押え保持具を軽くつまんで容易に外すことができることと、下部の押え保持具を外さずに本を取り出すこともできる。
【0008】
書類等は1枚の場合でも複数枚で多少の厚みがある場合でも上下保持具と押え保持具によって保持することができるので、ペーパーホルダーとしても使用することができる。
【0009】
背板を任意の傾斜角度で自立させる支持体は伸展した状態では平板状で、底板部、背板付着部、支持部、結合部と3か所のヒンジ部からなり、ヒンジ部で屈折させて両端の底板部と結合部を面ファスナーで結合して側面が三角形状となるように支持体を構成する。背板付着部に設けた磁性体で背板に付着して自立させ、支持体の付着位置を上下にずらして調整することで背板の傾斜角度を容易に変えることが出来る。
【発明の効果】
【0010】
請求項1と請求項2に記載されている本発明は1、本の外形寸法の違いに対応して安定した保持が容易にできる。2、書面上の文字や説明図とか写真等を遮蔽することなく見やすい状態で保持ができる。3、書類のペーパーホルダーとしても使用できる。4、傾斜角度を任意の角度で容易に調整できる。5、本の外形寸法により書見台の縦置きと横置きを使い分けできる。等シンプルな構成であるが機能性に優れた書見台である。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の書見台に本の保持具を付着させた構成(A)は表から見た斜視図 (B)は本と保持具の関係を示す図(A)のXY断面図
図2】本発明の書見台で本の保持具の構成(A)は厚い本の場合で背板と上下保持具と押え保持具との構成を示す上部の断面図(B)は薄い本の場合で背板と上下保持具と押え保持具との構成を示す上部の断面図
図3】本発明の書見台で本を保持した使用状態図 (A)は縦型で本を保持した状態の正面図 (B)は横型で本を保持した状態の正面図
図4】本発明の書見台にスペーサーを付着させた構成(A)は本の裏側にスペーサーを付着する場合の斜視図 (B)は本発明の書見台で書類等を保持した状態の正面図
図5】本発明の書見台の支持体の構成(A)は支持体を伸展して平板の状態にした場合の斜視図 (B)は支持体を屈折して使用時の形にした場合の側面図
図6】本発明の書見台の背板に支持体を付着させた構成(A)は縦型で使用する場合の背板と支持体の構成例を示す表から見た斜視図 (B)は横型で使用する場合の背板と支持体の構成例を示す表から見た斜視図
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1(A)は本発明の書見台1の実施例で表側の斜視図であり、(B)は(A)のXY断面図である。背板2とそれを任意の傾斜角度で自立させる支持体4と本6を上下で保持する保持具3で構成し、背板2の材質は磁性体が付着する材質で、周辺部に滑り止めの縁巻き21を設ける。保持具3は上下保持具31と押え保持具32の組み合わせで構成する。
【0013】
図2(A)(B)は背板2と上下保持具31、押え保持具32、本6の関係を示す上部の断面図である。上下保持具31は背板2への付着面311と立ち上がり面312を有する横長でL型の断面とし、本6の上下寸法に合わせて上下保持具31を磁性体33の磁力により背板の前面で任意の位置に付着することが可能である。図2(A)のように本6が厚目の場合にはL型の狭い巾側を付着面311にして、広い巾側を立ち上がり面312にする。図2(B)のように本6が薄目の場合にはL型の広い巾側を付着面311にして、狭い巾側を立ち上がり面312にする。押え保持具32は上下保持具31に設けた磁性体33に付着して前後にスライド可能な状態にあり、本の厚みに対応して容易に調節する事が出来る。
【0014】
押え保持具32は図2(A)のように横長でコの字型の断面とし、磁性体に付着する材質とする。コの字型を形成する3辺のうち平行する対辺の長さを変えて付着側の長短を変えることにより本6の厚み寸法に合わせて使い分けることができる。
【0015】
図3(A)は背板2を縦置きにした状態の正面図であり、(B)は背板2を横置きにした状態の正面図である。開いた本6を保持具3の押え保持具32で上下の余白部を保持するため文字や図を遮蔽することが無い。本のページをめくる場合は押え保持具32をつまんで軽く外側に傾けると磁力が切れ上下保持具31から簡単に外すことが出来る。
【0016】
図4(A)は外形寸法が大きく表紙が薄い本6の表面が反って平らになりにくい等、本6の裏側でスペーサー5を使用する実施例の斜視図である。スペーサー5は付着面と立ち上がり面を有する形態で、付着面には磁性体を設けて背板2の任意の位置に付着できる。
【0017】
図4(B)はペーパーホルダーとして使用する場合の実施例で、背板2の前面で単用紙の書類7をスペーサー5によって付着した状態の正面図である。
【0018】
図5(A)は支持体4を伸展して平板にした状態の斜視図で、図5(B)は支持体4を屈折して使用時の形に構成した場合の側面図である。支持体4は底板部40、背板付着部41、支持部42、結合部43の4部と3か所のヒンジO部、P部、Q部で構成し、ヒンジ部で屈折してから底板部40と結合部43に設けた面ファスナー44で結合して側面が三角形状となるように構成する。
【0019】
支持体4はポリプロピレンの一体成型でヒンジO部、P部、Q部を0.5ミリ厚位の薄肉にして構成することで、ポリプロピレンの特性であるヒンジ効果を利用することができる。無理な荷重をかけずに正しい取り扱いをすれば数万回以上の折り返し使用に耐えられる。
【0020】
図6(A)は背板2を縦型で使用する場合の斜視図で、図5(B)の様に構成した支持体4を
背板2の裏面に付着して自立させる。図6(B)は背板2を横型で使用する場合の斜視図であり、文庫本など小型の本を読む場合には横型で使用することが適当である。
【0021】
通常の使用で背板2の傾斜角度を60度位にする場合には、支持体4を背板2の下部中央に付着し、傾斜角度を変える場合には上下方向にスライドさせることで容易に調整することができる。30度から45度位に深く傾斜する場合は支持体4を背板2の上部中央に付着し、上下方向にスライドさせることで容易に調整することができる。傾斜角度を80度位に立てる場合は支持体4を90°回転させて背板2の下端部中央に付着することで容易に調整することができる。
【符号の説明】
【0022】
1 書見台
2 背板
21 縁巻き
3 保持具
31 上下保持具
311 付着面
312 立ち上がり面
32 押え保持具
33 磁性体
4 支持体
40 底板部
41 背板付着部
42 支持部
43 結合部
44 面ファスナー
45 磁性体
5 スペーサー
6 本
7 書類等

O ヒンジO部
P ヒンジP部
Q ヒンジQ部








【要約】      (修正有)
【課題】本の外形寸法に対応し、本の上下で保持して、より見易く安定した状態に出来、出来るだけシンプルな構成で取り扱いを容易にする書見台を提供する。
【解決手段】背板2は磁性体が付着する材質とし、本の保持具3は上下保持具31と押え保持具32で構成し磁性体による付着とスライドを応用する。上下保持具31は背板2の任意位置に付着して本の上下寸法に対応し、押え保持具32は上下保持具31に付着してスライドにより本の厚み寸法に対応する。背板2の支持体4は伸展した状態では平板の状態からヒンジ部で屈折して側面が三角形状となるように構成し、背板付着部に設けた磁性体で背板2の裏面に付着し自立させる。支持体の付着位置をスライドして調整する事により背板2の傾斜角度を任意に変えられる。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6