(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5796776
(24)【登録日】2015年8月28日
(45)【発行日】2015年10月21日
(54)【発明の名称】車両のステアリング装置
(51)【国際特許分類】
B62D 1/181 20060101AFI20151001BHJP
F16C 33/20 20060101ALI20151001BHJP
F16H 25/20 20060101ALI20151001BHJP
【FI】
B62D1/181
F16C33/20 Z
F16H25/20 B
【請求項の数】2
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2011-208392(P2011-208392)
(22)【出願日】2011年9月26日
(65)【公開番号】特開2013-67311(P2013-67311A)
(43)【公開日】2013年4月18日
【審査請求日】2014年8月7日
(73)【特許権者】
【識別番号】000000011
【氏名又は名称】アイシン精機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100084124
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 一眞
(72)【発明者】
【氏名】豊田 慎
(72)【発明者】
【氏名】盛永 真也
【審査官】
三宅 龍平
(56)【参考文献】
【文献】
特表2006−505438(JP,A)
【文献】
特開2004−270908(JP,A)
【文献】
特開2002−354091(JP,A)
【文献】
特開平06−286620(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62D 1/18 − 1/189
F16C 33/20
F16H 25/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体に対し前方側端部を揺動中心として揺動可能に支持するメインハウジングと、該メインハウジングに収容し軸方向移動可能に支持する可動コラム部材と、前記メインハウジングの車体後方側端部を前記車体に対して上下方向に移動可能に支持した状態で前記車体に固定する固定ブラケットと、該固定ブラケットに一端を支持するリンク機構と、該リンク機構の他端に連結する駆動機構を備え、該駆動機構によって前記リンク機構を介して前記メインハウジングを揺動し、前記可動コラム部材に連結するステアリングホイールの少なくとも上下方向の操作位置を調整し得る車両のステアリング装置において、前記駆動機構が、前記メインハウジングに車体後方側端部を揺動可能に支持しモータ駆動によって回転する螺子軸と、該螺子軸の回転に応じて軸方向移動するナット部材を備え、該ナット部材が、前記螺子軸に螺合する雌螺子部と、該雌螺子部の軸に直交する回転軸を有し、該回転軸及び前記螺子軸に平行で所定距離を隔てて対向する二つの平面部を有するピボット軸部を具備して成り、前記リンク機構の他端に、前記ピボット軸部を回転可能に支持する軸受孔を有する軸受部であって、前記軸受孔から前記回転軸に直交する方向に開口し前記二つの平面部に平行な平面を有する切欠を形成した軸受部を具備して成ることを特徴とする車両のステアリング装置。
【請求項2】
前記リンク機構の軸受部に形成した前記切欠の二つの平面間の距離を、前記ナット部材のピボット軸部に形成した二つの平面部間の前記所定距離より大とすると共に、前記軸受孔の内径より小とし、前記軸受孔の内径を前記ピボット軸部の外径より大としたことを特徴とする請求項1記載の車両のステアリング装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両のステアリング装置に関し、特に、車体に対しステアリングコラムを揺動可能に支持しステアリングホイールの操作位置を調整し得るステアリング装置に係る。
【背景技術】
【0002】
車体に対しステアリングコラムを揺動可能に支持し、ステアリングホイールの操作位置を調整し得るチルト機構を備えたステアリング装置が知られており、例えば、下記の特許文献1には、チルト機構を構成するリンクやスライダがピボット(ピボット螺子)によって連結された一般的なリンク間の連結構造が開示されている。尚、特許文献1においては、コラム揺動点とコラム支持点との間の長さが、コラム揺動点とステアリングホイールとの間の長さに対して30%以上の長さを有するものとしたステアリング装置が提案されているが、本願とは直接関係するものではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−153849号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に記載のチルト機構においては、これを構成するリンク機構において、従来のチルト機構と同様、リンク部材に形成した孔にピボット螺子を挿入して、ピボット軸に供することとしており、電動モータ等の駆動機構の組み付け時にもピボット螺子によって連結することとしている。このため、部品点数が多いだけでなく、組み付け工数も多く、コストアップ要因となっている。
【0005】
そこで、本発明は、少なくとも車体上下方向のステアリングホイール操作位置を調整し得る車両のステアリング装置において、駆動機構とリンク機構との連結構造を簡単且つ組み付け容易な構成とし、少ない部品点数で安価なステアリング装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を達成するため、本発明は、車体に対し前方側端部を揺動中心として揺動可能に支持するメインハウジングと、該メインハウジングに収容し軸方向移動可能に支持する可動コラム部材と、前記メインハウジングの車体後方側端部を前記車体に対して上下方向に移動可能に支持した状態で前記車体に固定する固定ブラケットと、該固定ブラケットに一端を支持するリンク機構と、該リンク機構の他端に連結する駆動機構を備え、該駆動機構によって前記リンク機構を介して前記メインハウジングを揺動し、前記可動コラム部材に連結するステアリングホイールの少なくとも上下方向の操作位置を調整し得る車両のステアリング装置において、前記駆動機構が、前記メインハウジングに車体後方側端部を揺動可能に支持しモータ駆動によって回転する螺子軸と、該螺子軸の回転に応じて軸方向移動するナット部材を備え、該ナット部材が、前記螺子軸に螺合する雌螺子部と、該雌螺子部の軸に直交する回転軸を有し、該回転軸
及び前記螺子軸に平行で所定距離を隔てて対向する二つの平面部を有するピボット軸部を具備して成り、前記リンク機構の他端に、前記ピボット軸部を回転可能に支持する軸受孔を有する軸受部であって、前記軸受孔から前記回転軸に直交する方向に開口し前記二つの平面部に平行な平面を有する切欠を形成した軸受部を具備して成るステアリング装置としたものである。
【0007】
上記のステアリング装置において、前記リンク機構の軸受部に形成した前記切欠の二つの平面間の距離を、前記ナット部材のピボット軸部に形成した二つの平面部間の前記所定距離より大とすると共に、前記軸受孔の内径より小とし、前記軸受孔の内径を前記ピボット軸部の外径より大とするとよい。
【発明の効果】
【0008】
本発明は上述のように構成されているので以下の効果を奏する。即ち、本発明のステアリング装置においては、駆動機構が、メインハウジングに車体後方側端部を揺動可能に支持しモータ駆動によって回転する螺子軸と、この螺子軸の回転に応じて軸方向移動するナット部材を備え、このナット部材が、螺子軸に螺合する雌螺子部と、この雌螺子部の軸に直交する回転軸を有し、この回転軸
及び前記螺子軸に平行で所定距離を隔てて対向する二つの平面部を有するピボット軸部を具備しており、リンク機構の他端に、ピボット軸部を回転可能に支持する軸受孔を有する軸受部であって、軸受孔から回転軸に直交する方向に開口し二つの平面部に平行な平面を有する切欠を形成した軸受部を具備しているので、駆動機構とリンク機構との連結構造が簡単且つ組み付け容易な構成となり、また、駆動機構とリンク機構を少ない部品点数で容易に組み付けることができるので組み付け工数の低減が可能となる。
【0009】
特に、リンク機構の軸受部に形成した切欠の二つの平面間の距離を、ピボット軸部に形成した二つの平面部間の所定距離より大とすると共に、軸受孔の内径より小とし、軸受孔の内径をピボット軸部の外径より大とすることにより、リンク機構に対しナット部材を容易に組み付けることができると共に、ナット部材の円滑な作動を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の一実施形態に係るステアリング装置を示す側面図である。
【
図2】本発明の一実施形態に供されるリンク部材の側面図である。
【
図3】本発明の一実施形態に供されるリンク部材の正面図である。
【
図4】本発明の一実施形態に供されるナット部材の平面図である。
【
図5】本発明の一実施形態に供されるナット部材の側面図である。
【
図6】本発明の一実施形態に供されるナット部材の正面図である。
【
図7】本発明の一実施形態に供されるナット部材を示す斜視図である。
【
図8】本発明の一実施形態におけるチルト機構の組み付け状況を示す側面図である。
【
図9】本発明の一実施形態におけるチルト機構の組み付け状況を示す側面図である。
【
図10】本発明の一実施形態におけるチルト機構の組み付け状況を示す側面図である。
【
図11】本発明の一実施形態におけるチルト機構の組み付け後の状態を示す側面図である。
【
図12】本発明の他の実施形態に供されるナット部材及びリンク部材の組み付け状態を示す側面図である。
【
図13】本発明の他の実施形態に供されるナット部材及びリンク部材の組み付け状態を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の望ましい実施形態を図面を参照して説明する。
図1は本発明の一実施形態に係るステアリング装置の全体構成を示すもので、本実施形態においては、ステアリングシャフト1は、後端部にステアリングホイール(図示せず)が接続される筒状のアッパシャフト1aと、このアッパシャフト1aの前端部とスプライン結合されるロアシャフト1bから成る。即ち、アッパシャフト1aとロアシャフト1bが軸方向に相対移動可能に連結されており、ロアシャフト1bの前端部が転舵機構(図示せず)に接続されている。この転舵機構はステアリングホイールの操作に応じて駆動されて車輪操舵機構(図示せず)を介して操舵輪(図示せず)を転舵するように構成されている。
【0012】
そして、ステアリングシャフト1と同軸にメインハウジング10が配置され、車体(図示せず)に対する揺動中心C回りに揺動可能に支持されると共に、固定ブラケット30に保持される。この固定ブラケット30は、車両の下方に延出して対向する一対の保持部(代表して31で表す)を有し、これらの間にメインハウジング10が保持され、
図1の上方で車体に固定される。更に、固定ブラケット30の一対の保持部31とメインハウジング10との間に、夫々押圧機構(図示せず)が介装され、これによってメインハウジング10が摺動自在に押圧支持される。
【0013】
メインハウジング10内には、可動コラム部材20が軸方向に移動可能、即ち、車体前後方向に移動可能に支持されている。この可動コラム部材20として、ステアリングシャフト1を収容し軸を中心に回転可能に支持する金属製のインナチューブ21と、このインナチューブ21を収容し常時はインナチューブ21を所定位置に保持する金属製のアウタチューブ22が設けられており、インナチューブ21はアッパチューブとも呼ばれ、アウタチューブ22はテレスコピックチューブとも呼ばれる。アッパシャフト1aは、インナチューブ21の後端部に軸受(図示せず)を介して回転可能に支持されるが、アッパシャフト1aとインナチューブ21との間の軸方向相対移動は規制され、アッパシャフト1aとインナチューブ21は一体となって軸方向移動し得るように構成されている。
【0014】
而して、メインハウジング10に対し、アウタチューブ22、インナチューブ21、ステアリングシャフト1及びステアリングホイール(図示せず)が一体となって軸方向に移動可能とされてテレスコピック機構2が構成され、これにより、ステアリングホイールを所望の車体前後方向位置に調整することができる。更に、ステアリングシャフト1に対し所定値以上の荷重が印加されたときには、アウタチューブ22に対するインナチューブ21の軸方向相対移動(ひいてはアッパシャフト1aの軸方向移動)を許容するように構成されており、本実施形態のインナチューブ21及びアウタチューブ22は、両者間に介装される環状の摩擦材(例えば、金属製弾性ブッシュ)等と共に、エネルギー吸収手段として機能する。
【0015】
一方、固定ブラケット30には、リンク機構4の一端が支持され、その他端が駆動機構5に連結されており、駆動機構5は可動コラム部材20に揺動可能に支持されている。この駆動機構5によって、リンク機構4を介して可動コラム部材20が車体に対して揺動可能とされてチルト機構3が構成され、これにより、ステアリングホイールを所望の車体上下方向位置に調整することができる。本実施形態のリンク機構4は、
図1に示すように、固定ブラケット30の下方に、第1のリンク(一対のリンク部材41で構成される)の上端部がピボット軸P1を中心に回転可能に支持され、その下端部が、第2のリンク(リンク部材42で構成される)の一対の腕部421,422の後方上端部にピボット軸P2を中心に回転可能に支持されている。
【0016】
第2のリンクを構成するリンク部材42は、
図2及び
図3に拡大して示すようにベルクランク状に形成されており、一対の腕部421、422の前方上端部の間にメインハウジング10が挟持される形で、メインハウジング10の下方にピボット軸P3を中心に回転可能に支持され、第2のリンク(リンク部材42)の一対の脚部423、424の間にナット部材50が挟持される形で、リンク部材42がピボット軸P4を中心に回転可能に支持されている。このナット部材50は螺子軸62等と共に駆動機構5を構成し、チルト機構3の駆動源に供されるもので、チルトナットあるいはチルトスライダとも呼ばれる。尚、リンク部材41、42、駆動機構5、可動コラム部材20及びメインハウジング10はピボットピン(符号省略)の圧入又はピボット螺子(符号省略)の螺合によって連結されており、ピボット軸P1及びP5はピボットピンで構成され、ピボット軸P2及びP3はピボット螺子で構成されているが、ピボット軸P4はナット部材50で構成されている。
【0017】
而して、電動モータ60による螺子軸62の回転駆動に応じて、ナット部材50が螺子軸62の軸方向に移動すると、第2のリンク(リンク部材42)がピボット軸P3を中心に揺動すると共に、第1のリンク(リンク部材41)がピボット軸P1を中心に揺動し、メインハウジング10(並びに、アウタチューブ22、インナチューブ21、アッパシャフト1a及びステアリングホイール)が車体上下方向に移動するように構成されている。尚、本実施形態においては、電動モータ60の出力軸と螺子軸62との間に減速機構(図示せず)が介装されており、電動モータ60の出力が適切に減速されて螺子軸62に伝達される。
【0018】
本実施形態のナット部材50は、
図4乃至
図7に示すように、台形螺子で構成された螺子軸62に螺合する雌螺子部51と、上記のピボット軸P4として機能するピボット軸部52を有し、合成樹脂にて
図4に示すように平面視十字形状に形成されている。即ち、ピボット軸部52は雌螺子部51の軸に直交する回転軸(
図1のピボット軸P4に供される)を有し、この回転軸
及び螺子軸62に平行で所定距離を隔てて対向する二つの平面部52a、52bを有する。一方、
図2に示すように、第2のリンクを構成するリンク部材42の脚部423、424は、ピボット軸部52を回転可能に支持する軸受部として機能し、夫々、軸受孔42aが形成されると共に、回転軸に直交する方向に開口し二つの平面部52a、52bに平行な平面を有する切欠42bが形成されている。
【0019】
上記の切欠42bの開口幅(
図2に示す二面幅s)は、軸受孔42aの内径より小であって、ピボット軸部52の二つの平面部52a、52b間の寸法(
図5に示す二面幅d)より若干大きく設定されているので、ピボット軸部52の平面部52a、52bは切欠42bを介して軸受孔42a内に挿入し得る。そして、ピボット軸部52が軸受孔42aに嵌合し得るように、軸受孔42aの内径はピボット軸部52の外径より若干大きく設定されている。従って、ピボット軸部52と軸受孔42aとの間にはクリアランスが生ずるが、クリアランスが看過できない程度である場合には、ピボット軸部52の外周面をコーティング処理することによって適切な接合状態を維持することができる。更に、ピボット軸部52と軸受孔42aとの間のクリアランスが大きく、これに起因するガタが懸念される場合には、後述するように両者間にブシュを介装すればよい。
【0020】
上記のチルト機構3の組み付け状況を
図8乃至
図10を参照して説明すると、先ず、ナット部材50及び螺子軸62等を含む駆動機構5がサブアセンブリとされ、
図8に示すチルト駆動ユニット5xが構成される。また、リンク機構4がメインハウジング10に装着される。次に、
図8に示すように、チルト駆動ユニット5xがメインハウジング10に対し下方から組み付けられ、ピボット軸部52の平面部52a、52bが切欠42bを介して軸受孔42a内に挿入されると、ピボット軸部52が軸受孔42aに嵌合し、
図9に示す状態となる。この状態(即ち、ピボット軸部52が軸受孔42aに嵌合した状態)で、
図10に示すように回転させ、チルト駆動ユニット5xの電動モータ60部分を車体前方側(
図10の左方向)に移動させると、ピボット軸部52が軸受孔42a内で回転し、チルト駆動ユニット5xは
図11に示す所定の位置で、両側からピボットピン(ピボット軸P5を構成)がメインハウジング10に圧入され、揺動可能に支持される。
【0021】
而して、チルト機構3は
図1(及び
図11)に示す初期位置の状態となるが、この位置からナット部材50が駆動され、これに連動してリンク機構4が駆動されても、ピボット軸部52が(切欠42bを介して)軸受孔42aから脱落するおそれはない。特に、ナット部材50は螺子軸62に沿って移動するので、その移動方向は、軸受孔42aの前後方向に限られ、軸受孔42aの下方側の切欠42bに対してピボット軸部52の平面部52a、52bが合致する状態は生じない。しかも、組み付け後は、ナット部材50に対し、電動モータ60による螺子軸62の推力は軸方向のみに作用し、また、ハンドルマス(ステアリングホイールを含む質量)は、その大部分がリンク機構4を介して螺子軸62の軸方向のみに作用することになる。従って、雌螺子部51を介してピボット軸部52に付与される軸方向荷重は、軸受孔42a内の切欠42bに直交する内面で受けることになり、十分な受圧面積が確保されるので、ナット部材50が脱落するおそれはなく、剛性の不足を懸念する必要もない。
【0022】
上記の構成に成るチルト機構3を駆動するときには、
図1において、電動モータ60を起動し、その出力軸を回転駆動すると、その回転が減速機構(図示せず)を介して減速されて螺子軸62に伝達され、これに螺合するナット部材50が軸方向に移動し、リンク機構4が駆動される。即ち、第2のリンク(リンク部材42)がピボット軸P3を中心に揺動すると共に、第1のリンク(リンク部材41)がピボット軸P1を中心に揺動し、メインハウジング10(並びに、アウタチューブ22、インナチューブ21、アッパシャフト1a及びステアリングホイール)が揺動するので、ステアリングホイール(図示せず)が所望の車体上下方方向位置となったときに電動モータ60を停止すれば、ステアリングホイールを所望の操作位置に調整することができる。
【0023】
尚、
図12乃至
図14に示すように、ナット部材50とリンク部材42との間に弾性部材のブシュSPを介装することによって、ナット部材50のピボット軸部52とリンク部材42の脚部423、424との間のピボット軸部52の径方向のクリアランスに起因するガタを適切に解消することができる。例えば、
図12に示すオメガ文字形状のブシュSPを、ピボット軸部52と脚部423、424との間に圧入することとすれば、安価な部材で良好な組付性を確保することができる。
【符号の説明】
【0024】
1 ステアリングシャフト
2 テレスコピック機構
3 チルト機構
4 リンク機構
5 駆動機構
5x チルト駆動ユニット
10 メインハウジング
20 可動コラム部材
30 固定ブラケット
41,42 リンク部材
42a 軸受孔
42b 切欠
423,424 脚部(軸受部)
50 ナット部材
51 雌螺子部
52 ピボット軸部
52a,52b 平面部
60 電動モータ
62 螺子軸