特許第5796852号(P5796852)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5796852
(24)【登録日】2015年8月28日
(45)【発行日】2015年10月21日
(54)【発明の名称】抽出装置および封止システム
(51)【国際特許分類】
   A47J 31/36 20060101AFI20151001BHJP
【FI】
   A47J31/36 122
   A47J31/36 124
   A47J31/36 126
【請求項の数】15
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2013-532021(P2013-532021)
(86)(22)【出願日】2010年10月8日
(65)【公表番号】特表2013-542007(P2013-542007A)
(43)【公表日】2013年11月21日
(86)【国際出願番号】CH2010000249
(87)【国際公開番号】WO2012045184
(87)【国際公開日】20120412
【審査請求日】2013年10月4日
(73)【特許権者】
【識別番号】511248548
【氏名又は名称】キュー・ビー・オー・コーヒー・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング
【氏名又は名称原語表記】QBO COFFEE GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】特許業務法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】デューバー,ルイス
【審査官】 大山 広人
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2009/090201(WO,A1)
【文献】 特開2002−188725(JP,A)
【文献】 実開平03−058232(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47J 31/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プセル壁とカプセル内部の抽出材料とを有するカプセルを受けるための醸造モジュールを備える抽出装置であって
記醸造モジュールは、第1の醸造モジュール部と、前記第1の醸造モジュール部と相対移動可能な第2の醸造モジュール部とを含み、前記第1および第2の醸造モジュール部は、前記カプセルから抽出製品を放出するための放出装置と、前記カプセルに抽出液を導入するための導入装置とを形成し、
記導入装置は、前記カプセルを穿刺するための少なくとも1つの穿刺先端を含み、前記導入装置には、弾性変形可能な注入側封止材が設けられ、前記注入側封止材は、前記導入装置の前記少なくともつの前記穿刺先端を囲み、前記注入側封止材は、前記カプセルを取囲むとともに前記カプセルを位置決めして保持する封鍔と、少なくとも1つの周囲封止口縁とを含み、
記少なくとも1つの注入側封止口縁は、前記カプセルの表面を線状または一片状に圧迫し、前記カプセル壁を前記カプセル内部に押付け、
前記少なくとも1つの注入側封止口縁は前記抽出液の注入位置に向けて内向きに突出し、それにより前記抽出液の液圧が前記少なくとも1つの注入側封止口縁を前記カプセルにさらに押付ける、抽出装置。
【請求項2】
前記少なくとも1つの注入側封止口縁は、前記カプセルを前記カプセルの周囲面に沿って取囲み、その弾性によって、前記カプセルが前記注入側封止材によって保持されるように前記カプセル壁に押付けられる、請求項1に記載の抽出装置。
【請求項3】
複数の前記注入側封止口縁は断面が鋸歯状である連続する複数の封止口縁を含む、請求項1または2に記載の抽出装置。
【請求項4】
複数の前記注入側封止口縁は、自身の弾性によって前記カプセル壁をカプセル内部に押付け、これによって、動作状態において、前記複数の注入側封止口縁と前記カプセルとの間に周囲空隙が形成されるように、前記複数の注入側封止口縁同士の間に凹部が配置される、請求項1〜3のいずれか一項に記載の抽出装置。
【請求項5】
複数の前記注入側封止口縁は、第1の注入側封止口縁と少なくとも一つの第2の注入側封止口縁とを含み、
前記第1の注入側封止口縁は、前記第2の注入側封止口縁よりも、前記抽出液が注入される近位側に位置し、
前記第1の注入側封止口縁は、前記第2の注入側封止口縁よりも前記抽出液の注入位置に向けて内向きに突出する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の抽出装置。
【請求項6】
前記複数の注入側封止口縁の少なくとも1つ前記カプセルの端面に押付けられ、前記複数の注入側封止口縁の少なくとも1つは前記カプセルの周囲面に押付けられる、請求項のいずれか一項に記載の抽出装置。
【請求項7】
複数の前記注入側封止口縁は前記カプセルの周囲面に押付けられ、動作状態において、前記複数の注入側封止口縁と前記カプセルとの間に周囲空隙が形成されるように、前記複数の注入側封止口縁同士の間に凹部が配置される、請求項1〜6のいずれか一項に記載の抽出装置。
【請求項8】
前記注入側封止材は前記カプセルを取囲み、前記注入側封止材の弾性によって前記カプセルを単独で保持する、請求項1〜のいずれか一項に記載の抽出装置。
【請求項9】
前記導入装置は前記少なくともつの穿刺先端から空間的に分離された少なくとも1つの液体導入開口部を含む、請求項1〜のいずれか一項に記載の抽出装置。
【請求項10】
前記注入側封止材から前記カプセルを解放するための取除き手段をさらに備える、請求項1〜のいずれか一項に記載の抽出装置。
【請求項11】
前記注入側封止材は、外向きに突出する固定フランジをむ、請求項1〜10のいずれか一項に記載の抽出装置。
【請求項12】
前記放出装置は、少なくとも1つの周囲抽出側封止口縁および/または周囲封止ビードを有する抽出側封止材をさらに含み、前記抽出側封止口縁および/または前記封止ビードは、前記カプセルの表面を線状または一片状に圧迫し、前記カプセル壁をカプセル内部に押付ける、請求項1〜11のいずれか一項に記載の抽出装置。
【請求項13】
前記醸造モジュールは水平醸造モジュールである、請求項1〜12のいずれか一項に記載の抽出装置。
【請求項14】
請求項1〜13のいずれか一項に記載の抽出装置と、抽出材料を含むポーションカプセルとを備える醸造システムであって、前記醸造モジュールは、前記ポーションカプセルに寸法が一致する醸造チャンバを形成する、システム。
【請求項15】
請求項1〜13のいずれか一項に記載の抽出装置のための注入側封止材であって、少なくとも1つの周囲注入側封止口縁を備え、
記少なくとも1つの注入側封止口縁は、カプセル内部に受けられる抽出材料を含むカプセルの表面を線状または一片状に圧迫し、前記カプセル壁を前記カプセル内部に押付け、
前記少なくとも1つの注入側封止口縁は前記抽出液の注入位置に向けて内向きに突出し、それにより前記抽出液の液圧が前記少なくとも1つの注入側封止口縁を前記カプセルにさらに押付け、
前記注入側封止材は前記カプセルを位置決めして保持する、注入側封止材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、たとえば挽いたコーヒーなどのカプセルに含まれる抽出材料から、飲物などを用意するための抽出装置に関する。本発明はさらに、そのような抽出材料のための封止システムおよび醸造モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
ポーション包装内にある抽出材料から飲物などを用意するための抽出装置は、たとえばコーヒーマシンまたはエスプレッソマシンとして公知であり、ますます人気を集め続けている。多くの対応するシステムでは、ポーション包装は、内部に抽出材料が気密封止されたカプセルとして設計される。抽出のために、一般に、カプセルまたはカプセル内にある別個の容器が対向する2つの側で穿刺される。第1の側では、注入装置(導入装置)によって一般的に熱湯である抽出液が導入される。第2の側では、抽出装置(放出装置)によってカプセルから抽出製品が放出される。これは、いわゆる醸造モジュールにおいて行われる。このような醸造モジュールは、カプセルを受ける醸造チャンバを含む。カプセルを醸造モジュールに挿入して醸造チャンバを閉じる醸造モジュールは特に人気があり、醸造工程後に醸造チャンバを再び開けると、カプセルが醸造チャンバから自動的に取出されてカプセル容器内に排出される。カプセルが自動的に排出されるこのような醸造モジュールは水平の醸造モジュールとして設計されることが多く、すなわち、カプセルの提供は上から行われ、醸造チャンバを閉じることは2つの醸造チャンバ部分の水平方向の相対移動であり、醸造液は本質的に水平方向に流れ、カプセル容器は醸造チャンバの下方に形成される。醸造チャンバが注水器と枢動レバー付きピストンとの間に形成される、いわゆるピストン搬送システムも同様に公知である。
【0003】
飲物を醸造する際、抽出液は、たとえば10〜20バールの高圧下でカプセルに導入されることが多い。したがって、抽出液がカプセルを通って第2の側に達すること、および抽出液が高圧のためにカプセルを流れ過ぎないことが重要である。このため、カプセルは注入装置および抽出装置に対して封止されている必要があり、これらの封止は組合わせ可能である。
【0004】
一般的な装置のカプセルは、横に突出した鍔を有する円錐形のビーカー状の基本形状を有する。第1の一般的な方法によると、この鍔は、封止に際して重要な機能を有する。環状の封止材が鍔の領域内の端面を圧迫し、鍔は、封止材と同様に環状の対向要素との間に締付けられるように対向要素によって同様に支持される。第2の一般的な方法によると、断面が円形であり、醸造チャンバ受け容器の対応する等しく成形された円錐面に表面が押付けられるビーカーの円錐形の横面によって、すべりばめによって封止が行われる。ビーカーの鍔は、この醸造チャンバ受け容器にカプセルを導入する際にカプセルを保持および位置決めするために必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
これら2つの方法はその真価を発揮しているが、鍔の付いた上述の円錐ビーカー形状のカプセルにしか適していない。この形状は、収納および移送においてかなりの場所を占め、さらに、材料によっては鍔が機械的な使用時に損傷を受けやすいという不利点がある。
【0006】
本発明の目的は、周囲鍔を有するこのビーカー形状に依存せず、異なるカプセル形状および異なる醸造チャンバ機構に適しており、かつ確実に封止機能を果たす封止システムを有する抽出装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的は、特許請求項に規定される本発明によって達成される。
ここに記載の種類の抽出装置は、飲物を醸造するのに特に適している。抽出装置は、たとえばコーヒーマシンである。抽出装置は、抽出材料を含むカプセルを受けるための醸造モジュールを含む。醸造モジュールは、第1の醸造モジュール部と、第1の醸造モジュール部と相対移動可能な第2の醸造モジュール部とを含み、第1および第2の醸造モジュール部は、カプセルから抽出製品を放出するための放出装置と、カプセルに抽出液を導入するための導入装置とを形成し、導入装置は少なくとも1つの穿刺先端を含む。抽出装置はさらに、抽出液を送り出す液体ポンプと、任意に、カプセルに導入する前に抽出液を加熱する加熱部とを含む。抽出液はほとんどの場合水であり、抽出装置がコーヒーマシンまたは紅茶マシンである場合、抽出液は「醸造液」とも称される。
【0008】
本発明に係るこのような抽出装置は、弾性変形可能な封止材を有する封止システムを含むことを本質的に特徴とし、封止材は、導入装置の1つまたは複数の穿刺先端を囲み、カプセルを位置決めおよび保持するように取囲む封止鍔と、少なくとも1つの周囲封止口縁および/または周囲封止ビードとを含み、封止口縁および/または封止ビードはカプセルの表面を線状または一片状に圧迫し、カプセル壁をカプセル内部に押付ける。カプセルに内部に押付けられるカプセル壁に関して、これは、封止口縁または封止ビードの位置に支持する対向要素が存在せず、対照的にカプセル壁が封止口縁または封止ビードによってカプセル充填物にある程度押付けられることを意味する。
【0009】
これによって、封止材は、カプセルの正確な位置が封止材によって決定されるように、(特にこの醸造モジュール内で)抽出装置内に保持される。特に、最新技術とは対照的に、抽出装置には、カプセルを部分的に囲んで表面で周囲壁を圧迫する特に非弾性変形可能要素によって形成される座部がない。好ましい実施例では、抽出装置には、導入装置の注入プレート(プレートから穿刺先端が突出し、穿刺の際にカプセルがプレートに押付けられる)と封止材との間でカプセル壁を圧迫してカプセルを圧迫する非弾性要素がない。
【0010】
この考えは、たとえばエスプレッソなどの飲物を醸造するのに必要な圧力を用いて、アンビルまたはすべりばめを必要とせずに、必要な封止機能を達成するためにこのような周囲口縁封止材を用いることが可能であるという、やや驚くべき認識に基づいている。
【0011】
上述の種類の封止材は、導入装置にある。このような注入側封止材は、カプセルに導入される液体がカプセルに圧入される経路とは異なる経路を取らないようにするという目的がある。注入側で発生する圧力は特に大きい。本発明は、PCT/CH2010/000098に詳細に記載されているような、醸造液が通路が設けられた穿刺先端を通って注入されない注入システムと組合わせられると特に有利である。対照的に、このようなシステムでは、穿刺先端はカプセルを穿刺する役割を果たす。醸造液は、穿刺先端によって形成される開口部を通って、穿刺先端の近傍のカプセルに導入されるが、穿刺先端を過ぎる。特に、醸造液のための導入開口部はこれによって、カプセル壁が圧迫する平面内に存在し得る。このようなシステムは、穿刺システムに関して、特にプラスチック壁を有するより環境に優しいカプセルの穿刺システムに関して特に好ましいことが分かっている。しかし、このようなシステムは、先端を通ってカプセル内に直接的に注入し、圧力の一部が抽出材料によって弱まる場合とは異なり、醸造液の全圧力が封止システムを圧迫する効果がある。
【0012】
また、封止システムは、好ましくは放出装置側においても、少なくとも1つの周囲封止口縁および/または周囲封止ビードを有する上記の種類の封止材を含み、この口縁および/またはビードは、カプセルの表面を線状または一片状に圧迫し、カプセル壁をカプセル内部に押付ける。好ましくは、このような抽出側封止材は、カプセルを位置決めするように囲む封止鍔をさらに含む。このような抽出側封止材は、割当てられた排出開口部を有する抽出側穿刺先端を囲み、排出開口部は、たとえば、穿刺先端から同様に局所的に分離されている。このような抽出側封止材は、カプセルから出る液体を意図する管に提供し、液体がカプセルを過ぎて別の経路を取らないようにするという目的がある。
【0013】
注入側封止材、および任意にさらに抽出側封止材は、導入装置または放出装置にそれぞれ固定され、2つの醸造モジュール部同士の(特に放出装置に対する導入装置の)相対移動によって、1つまたは複数の封止材がこれらとともに移動する。
【0014】
注入側封止材、および場合によっては抽出側封止材も弾性を有し、特にエラストマーから作られる。ショア硬度が50〜90ショアA、特に70〜85ショアAの材料が注入側封止材に特に好ましいことが分かっている。抽出側封止材の硬度は注入側封止材の硬度と同じであってもよいし、それよりも低くてもよい。特に、抽出側封止材は、ショア硬度が55〜80ショアAであってもよい。
【0015】
封止材は、少なくとも1つの封止口縁および/または封止ビードがカプセルを周囲面に沿って取囲み、その弾性によって、封止口縁または封止ビードのこの圧迫接触のためにカプセルが封止材によって保持されるように封止口縁および/または封止ビードがカプセル壁に押付けられるように設計されると有利であることが多い。
【0016】
複数の周囲封止口縁および/または封止ビード、したがって少なくとも2つの封止口縁、それぞれの場合少なくとも1つの封止口縁および1つの封止ビード、または少なくとも2つの封止ビードを含む構成が、状況に応じて(特に注入側封止材についてであるが、ある実施例では場合によっては抽出側封止材についても)同様に特に好ましいことが分かっている。封止口縁または封止ビードは、自身の弾性によってカプセル壁をカプセル内部に押付け、いずれの場合も、2つの連続する封止口縁または封止ビード同士の間に凹部が配置され、動作状態において、連続する封止口縁または封止ビードとカプセルとの間に周囲空隙が形成される。
【0017】
円筒形状または円錐形状のカプセルの場合、周囲面は横面によって形成され、立方体形状または平行六面体形状の場合は4つの周囲辺(多くの実施例では1つ/複数の辺とは異なり、これを通って醸造液が注入され、これを通って醸造飲物がカプセルから放出される)によって形成される。封止口縁または封止ビードは、カプセル壁がカプセル軸および醸造チャンバ軸に対して一定でない角度を有する部分、たとえば端面と周囲面との移行部分においても、カプセル壁を圧迫し得る。
【0018】
カプセルを周囲面に沿って取囲む理想と組合わせて、注入側封止材および/または抽出側封止材について、周囲封止口縁または封止ビードの少なくとも1つがカプセルの端面に押付けられ、周囲封止口縁または封止ビードの少なくとも1つが周囲面に押付けられると特に好ましい。
【0019】
本発明に係る抽出装置の醸造チャンバは、異なる形状、特に円筒形状または立方体形状(たとえばPCT/CH2010/000097のような)を有し得る。また、内向きの(内部でカプセルが穿刺される表面の)端面の1つの端縁を有するか有しないか湾曲を有するか有しない、円錐形状の、ビーカー状カプセルも除外されない。
【0020】
1つの設計によると、口縁または口縁の少なくとも1つは、特にこの端面の領域内のカプセルを圧迫した場合に、液体注入または液体抽出の位置に向けて内向きに突出し得る。そして、液圧が、この弾性効果のために封止口縁を、たとえば端面の領域内のカプセルにさらに押付ける。
【0021】
カプセルを周囲方向に取囲む封止鍔と組合わせると、端面を圧迫するために設けられる、そのような内向きに突出する封止口縁は、近傍領域内の鍔から内向きに突出し得る。
【0022】
特に端面の領域内で内向きに突出するこのような封止口縁は、好ましくは断面が翼状またはローブ状(lobular)である。
【0023】
端面の領域内の内向きに突出する口縁と、周囲面の領域内および/または端面と周囲面との移行部における、間に空隙を有する複数の封止口縁または封止ビードとを有する封止材の設計は、注入側封止材および/または抽出側封止材に特に好ましい。これによって多段階の封止がもたらされ、これは特に注入側で有利である。なぜなら、圧力は注入側で最大であり、封止が特に困難であるからである。したがって、内向きに突出する口縁は第1の工程であり、これは、大きな圧力が行きわたる場所に配置され、封止口縁の設計によって封止効果を支持する。周囲面の領域内または移行部に存在する口縁/ビードはさらなる工程の役割を果たし、これらは、これらの間に存在する空隙とともに、たとえば圧力増大時または場合によってはその後に第1段階を通過する液体の残部が出ることができないようにする。さらに、これらによって、第1段階が液圧と周囲圧力との完全な圧力差に耐えることができない場合のために、段階的な減圧が行われる。
【0024】
特に、注入側封止材は好ましくは、その弾性によって、カプセルの付加的な締付力なしで、単独でこれを取囲むように保持することによって、特に好ましくはカプセルが液体に完全に含浸しているときにも、取囲む封止材からカプセルを引抜く力がカプセルの固有重量を超えるように設計される。
【0025】
注入側封止材について、カプセルを取囲む封止鍔の領域内の封止口縁の形状として、断面が鋸歯状の設計が特に好ましいことが分かっている。このような鋸歯形状によって、封止効果を高める発生圧力によってカプセルにさらに押付けられる内向きに突出する口縁の効果と締付け効果とが統合され、これによって、内向きに突出するローブ状口縁と比較して高い剛性を有する。このより高い剛性によって、カプセルを確実に取囲んで保持することができる。
【0026】
醸造工程の後、特に導入装置と放出装置との相対移動によって醸造チャンバが開けられ、カプセルがたとえばこのために意図されたカプセル容器内に排出される。本発明、および好ましい実施例群に係る抽出装置は、カプセルを取囲む封止材、特に注入側封止材が、醸造チャンバを開ける際にカプセルを保持し、それによってカプセルを対向配置された(特に抽出側)穿刺先端から、および場合によっては他方の側(特に抽出側)にある取囲む封止材から引抜く効果があるように設計される。さらに、抽出装置はワイパー手段を含み、これによって、相対移動の一部の後、カプセルが移動部(とくに導入装置)に対して阻止され、これによってカプセルがたとえば取囲む封止材から解放されて下向きに落下することができる。ワイパー手段はたとえばウェブを含み、ウェブは、醸造チャンバ内に横方向内向きに突出し、相対移動の際に内向きに移動するか、ビード、円錐形状またはカプセルの純粋な円筒形状からの他の逸脱によって、相対移動の一部の後、カプセルのみに係合する。
【0027】
コーヒーまたは紅茶醸造システムは、本明細書および図面に詳細に説明した種類の抽出装置とは別に、抽出材料を含むポーションカプセルをさらに含む。ポーションカプセルは、特に、抽出材料を直接的に囲むプラスチック壁を有し、したがって安定化部分またはそれらの間に存在するフィルタとして作用する部分を有しない種類であり、すなわち、カプセルはカプセル壁および抽出材料からなる。特に好ましいカプセル壁の材料は、ポリプロピレン(PP)である。他の材料、特に他の食品適合プラスチックも考えられる。特にポリプロピレンカプセルの壁の厚みは、好ましくは0.1mm〜0.5mmであり、たとえば0.2mm〜0.4mmであり、特に0.25mm〜0.35mmである。カプセル本体を抽出材料で充填した後のカプセルは、特に、カプセル本体の突出縁端およびカバーが溶接で同時に分離される方法を用いて、カバーによって閉じられる。カプセルはこのために、強化するように作用する周囲溶接端を有する。封止材または封止材の1つはこれに適合され得、たとえば、溶接端の両側でカプセルを圧迫する封止口縁を含む。
【0028】
本発明の実施例を図面を参照して以下に説明する。図面では、同一の参照番号は同一または同様の要素を示す。図面では、互いにサイズが部分的に一致する要素が示され、サイズは図面ごとに異なる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】長手方向の平面に沿った醸造モジュールの断面図である。
図2】略立方体形状のカプセルの図である。
図3】コーヒーマシンの概略図である。
図4】構造を部分的にのみ示す、代替的な醸造モジュールの図である。
図5】カプセルが付いた、図4の醸造モジュールの放出装置の断面図である。
図6】特に放出装置用の封止材の第1の実施例の図である。
図7】同様に特に放出装置に好適な封止材の第2の実施例の図である。
図8図7の封止材の断面を示す図である。
図9】特に導入装置に好適な封止材のさらなる実施例の図である。
図10図9の封止材の断面を示す図である。
図11】立方形状のカプセルには好適ではなく、たとえば円筒形または円錐形カプセルに好適なさらなる封止材の断面を示す図である。
図12】立方形状のカプセルには好適ではなく、たとえば円筒形または円錐形カプセルに好適なさらなる封止材の断面を示す図である。
図13図1の醸造モジュールの、ある状態における長手方向の平面に沿った断面図である。
図14図1の醸造モジュールの、ある状態における長手方向の平面に沿った断面図である。
図15図1の醸造モジュールの、ある状態における長手方向の平面に沿った断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
図1の醸造モジュール1は「水平醸造モジュール」型である。本質的に公知の態様で、醸造モジュール1は、構造に固定されるか案内され、かつ枢動ピン6の周りに枢動可能な操作レバー5によって互いに相対的に変位可能な、放出装置3および導入装置4を含む。示される実施例では、導入装置4は操作レバー5の枢動運動によって放出装置3の方向において前方に変位可能であるが、放出装置3は構造に対して可動でない。
【0031】
立方体のポーションカプセルを挿入するための挿入開口部7が図1および図3にはっきりと見える。このような立方体の一例である、略立方体形状部カプセル51を図2に示す。カプセル51は、特許出願PCT/CH2010/000097に詳細に記載されている種類のカプセルである。この特許出願PCT/CH2010/000097は、プラスチック壁を有するこのようなカプセルの性質に関して、およびその製造に関して言及され、好ましくはカプセルは、突出端縁が溶接と同時に分離される方法で閉じられる。図2には、特徴的なカプセル形状とは別に、上記方法によって立上がり、かつカプセルの付加的な剛性部として作用し得る周囲溶接端51.1も見える。
【0032】
本発明に係る抽出装置の実施例は、プラスチック製のカプセルに特に適合されている。これに関して特に好ましいカプセルの材料の1つはポリプロピレン(PP)である。他の材料、特に他の食品適合プラスチックも考えられる。プラスチックカプセルとしての、特にポリプロピレンカプセルとしての設計における壁の厚みは、好ましくは0.1mm〜0.5mmであり、たとえば0.2mm〜0.4mmであり、特に0.25mm〜0.35mmである。
【0033】
挿入開口部7は構造内に設計され、放出装置3の領域内に配置され、この装置と同様に、操作レバー5の移動の時に静止し続ける。挿入開口部7は、カプセルが大きくなりすぎて詰まる危険を伴わずに、挿入時にカプセル51に対するセンタリング効果を生じさせるために、底部に向かってやや円錐形状に先細りし得る。
【0034】
操作状態では、醸造モジュールはコーヒーマシンの醸造モジュールとして作用する。図3に概略的に示される、醸造モジュールを有する本発明に係るコーヒーマシンは、醸造モジュールとは別に、水タンク71と、導入装置4に醸造水を提供するポンプ72と、水加熱装置73(たとえば温水器)とを含む。醸造工程後にカプセル51が落下するか運ばれてくるカプセル容器75が、醸造モジュールの下方に配置される。
【0035】
導入装置4への熱湯の供給は、可撓性を有する導水管部(可撓性管)を介して、および供給通路18を介して行われる。導入装置はさらに、割当てられた提供開口部を有する少なくとも1つの穿刺先端12を含むため、カプセルを穿刺して、抽出液とともに提供開口部から供給することができる。コーヒーマシンはさらに、たとえばカプセル容器75を含み、カプセル容器75は醸造チャンバの下方に配置され、醸造工程の後、操作レバー5を持上げることによってカプセルがカプセル容器75内に自動的に排出される。
【0036】
放出装置3にはまた、少なくとも1つの穿刺先端11と、割当てられた放出開口部とが設けられている。さらに、構造によっては放出管もあり、これによって、放出装置の出口8から出てくるコーヒー(など)が、意図された位置に置かれたカップ78に滴り落ちるように導かれる。
【0037】
放出装置3の穿刺先端11は抽出側封止材61に囲まれ、導入装置4の穿刺先端は注入側封止材62に囲まれる。これらの封止材は、以下により詳細に説明する。ワイパー要素15も同様に示され、この機能も同様に以下に説明する。
【0038】
穿刺先端、およびこれらが固定される要素は、ここで明確に言及される上記の特許出願PCT/CH2010/000098に従って設計され得る。
【0039】
醸造チャンバを開けたときに(図1)挿入開口部7から挿入される略立方体形状のカプセル51は、放出装置3の支持部16および可動カプセル支持部19によって支持されるように醸造モジュール内に保持される。
【0040】
図4は醸造モジュールの変形例を示し、開いた醸造チャンバに挿入される略立方体形状のカプセル51は醸造チャンバの支持部20によって支持され、当該支持部は、側壁14と、放出装置の穿刺先端11を含む放出装置の端面と、導入装置4の要素とともに、醸造チャンバを形成する。図4の醸造モジュールは、封止システムを除いて、特許出願PCT/CH2010/000099に記載の醸造モジュールに対応し、当該出願の教示内容は本明細書中に明確に援用される。
【0041】
図5は、概略的に示されるカプセル51が取付けられた図4の醸造モジュールの放出装置の断面を示す。封止材61がはっきりと見え、図6にも示される。封止材61は、カプセル51の面側を圧迫する、内向きに突出する周囲封止口縁61.1を含む。さらなる封止工程としての封止ビード61.2がカプセルの周囲面に沿って圧迫する。示される実施例では、封止ビード61.2の領域内の封止材は、封止ビード61.2の領域内の封止材の弾性を増大させる任意の外側ノッチ61.3を含む。封止口縁と封止ビードとの間、したがってカプセルの丸まった端縁の領域に、顕著なトラフ61.4が形成され、カプセルを放出装置に強く押付けることによって、このトラフは封止口縁61.1、封止ビード61.2とカプセル51との間に空隙を形成する。封止フランジ61.5は醸造モジュール内の固定の役割を果たす。
【0042】
放出装置用の封止材のさらなる実施例を図7および図8に示す。この封止材は、図1の醸造モジュールの放出装置3の封止材に対応する。先に説明した封止材と同様に、この封止材61は、カプセル51を取囲む封止鍔61.7をさらに含む。封止鍔61.7に近接して鍔を有し、内向きに突出し、カプセル51の端面を圧迫する(第1の)封止口縁61.1に加えて、封止材61は、カプセルの端縁の領域においてカプセルを圧迫する、2つのさらなる封止口縁61.8を含む。特に、封止口縁61.8は、剛性溶接端51.1の両側に存在するように配置され得、これによって特に良好な安定および封止効果が得られる。
【0043】
図1の醸造モジュールの注入側封止材62をさらに図9および図10に示す。カプセルの端面を圧迫する内向きに突出する第1の封止口縁62.1に加えて、複数の第2の取囲み封止口縁62.9が封止鍔62.7上にある。示される実施例では、このような封止口縁62.9は4つあり、他の実施例では、2つ、3つ、5つまたはそれよりも多いそのような(もしくは他の)封止口縁がある。好ましくは、当該数は2〜5個であり、特に3〜5個である。抽出側封止材61と同様に、示される実施例の注入側封止材62も固定フランジ62.5をさらに含む。
【0044】
第2の封止口縁は、抽出側封止材61の第1の封止口縁61.1およびさらなる封止口縁61.8とは対照的に、自身の幾何学的形状のために比較的高い剛性を有し、これによって、比較的大きい弾力を、そのような力が外側から圧迫することなしに、取囲まれたカプセルに及ぼしてカプセルを保持することができる。示される実施例では、第2の封止口縁は、遠位の(すなわち醸造液が注入される方向から離れて)突出口縁後部62.10を有する鋸歯状である。この形状は同様に、略垂直面62.11に対する近位側からの醸造液の圧力が、封止口縁をカプセル壁にさらに強く押付ける効果を有する。第1の封止口縁62.1と同様に断面がやや翼状である傾向がある内向きに突出する口縁とは対照的に、鋸歯形状は上記の剛性をもたらす。
【0045】
いずれの場合も、非立方体であるが円筒形の、たる形状またはビーカー形状のカプセルに適用可能な抽出側封止材61および注入側封止材62を図11および図12に示す。図面には、図8および図10とは対照的にカプセル軸に対して回転対称な形状がはっきりと見える。
【0046】
本発明に係る抽出材料の実施例は、注入側封止材62が醸造チャンバの開口部にカプセルを保持し、カプセルを抽出側穿刺先端から、および抽出側の取囲み封止材61から引抜いて、使用後にカプセルがカプセル容器75に落下するように設計される。これは図13図15に示される。
【0047】
図1は、カプセルが挿入されていない醸造モジュールの当初の位置を示す。図13ではカプセル51が挿入開口部7から挿入されて、放出装置3の可動カプセル支持部19および支持部16上に載っている。その後、操作レバー5を動かすことによって導入装置4をカプセル51および放出装置3まで変位させ、これによって注入側封止材62がカプセル上へ押され、カプセルが放出装置に押付けられて注入側および抽出側で穿刺される。醸造チャンバを閉じる相対移動によって、カプセルが注入側封止材に取囲まれてこれによって所定の位置に保持されるとすぐに、カプセル支持部もカプセルから離れるように変位させることができる。醸造プロセスは醸造チャンバを閉じた後に行われ、醸造プロセスでは、醸造液が加圧下でカプセルに導入され、醸造飲物が抽出側でカプセルから放出される。
【0048】
図14は、導入装置と放出装置との相対移動の初めにおける、カプセル51が取付けられた醸造モジュールを示し、この相対移動によって醸造モジュールが開き、操作レバーの枢動運動によってこの相対移動がふたたび行われる。注入側封止材62はカプセルを保持し、抽出側穿刺先端11および抽出側封止材61からカプセルを引抜く。図14の位置から図15の位置の方向における右側へさらに移動を続けると、カプセルがワイパー手段15によって把持され、移動し続ける導入装置に対するカプセルの相対移動が阻止され、これによってカプセルも注入側封止材62から引抜かれる。カプセル支持部19は当初の位置から変位するため、カプセルはカプセル容器75に下向きに落下し得る。図15は、カプセル支持部19が変位して当初の位置に戻る前の、醸造チャンバが開けられた状態を示す。
【0049】
示される実施例では、醸造モジュールは「水平醸造モジュール」型である。しかし、他の実施例も可能である。特に、抽出装置は、醸造チャンバを形成するために、抽出装置の静止部に固定可能なピストンに放出装置または場合によっては導入装置が一体化された「ピストンマシン」型であってもよい。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15