特許第5796864号(P5796864)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5796864他社契約の端末を接続可能とする無線ネットワークアクセス方法、中継サーバ及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5796864
(24)【登録日】2015年8月28日
(45)【発行日】2015年10月21日
(54)【発明の名称】他社契約の端末を接続可能とする無線ネットワークアクセス方法、中継サーバ及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04W 4/24 20090101AFI20151001BHJP
   H04W 4/06 20090101ALI20151001BHJP
   H04W 48/20 20090101ALI20151001BHJP
   G06Q 50/32 20120101ALI20151001BHJP
   G06Q 30/02 20120101ALI20151001BHJP
   H04M 11/00 20060101ALI20151001BHJP
【FI】
   H04W4/24
   H04W4/06
   H04W48/20
   G06Q50/32
   G06Q30/02
   H04M11/00 302
【請求項の数】7
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2014-224713(P2014-224713)
(22)【出願日】2014年11月4日
(62)【分割の表示】特願2011-168505(P2011-168505)の分割
【原出願日】2011年8月1日
(65)【公開番号】特開2015-57914(P2015-57914A)
(43)【公開日】2015年3月26日
【審査請求日】2014年11月4日
(73)【特許権者】
【識別番号】000208891
【氏名又は名称】KDDI株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100135068
【弁理士】
【氏名又は名称】早原 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】河野 進
【審査官】 古市 徹
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2006/009136(WO,A1)
【文献】 特開2005−203965(JP,A)
【文献】 特開2003−006509(JP,A)
【文献】 特開2003−216863(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24 − 7/26
H04W 4/00 − 99/00
G06Q 30/02
G06Q 50/32
H04M 11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
インターネットに相互接続されたアクセスネットワークと、
前記アクセスネットワークと無線ネットワークとの間に接続されるアクセスポイントと、
ユーザ操作に基づく端末と、
前記アクセスネットワークに設置された中継サーバと
を有するシステムにおける無線ネットワークアクセス方法であって、
前記中継サーバは、アクセス可能な端末識別子を登録した識別子登録部を有し、
前記端末が、前記アクセスポイントを介して前記中継サーバへ、端末識別子を含む取得要求を送信する第1のステップと、
前記中継サーバが、前記取得要求に含まれる前記端末識別子が、前記識別子登録部に登録された端末識別子か否かを判定する第2のステップと、
前記中継サーバが、前記取得要求を、宛先のサービスサーバへ転送する第3のステップと、
前記サービスサーバが、前記中継サーバ、前記取得要求に応じたコンテンツを含む取得応答を送信する第4のステップと、
前記中継サーバが、第2のステップによって前記識別子登録部に登録されていないと判定された場合にのみ、前記取得応答に含まれるコンテンツに所定の広告情報を付加するか、又は、該広告情報を前記端末へ向けてプッシュ的に送信する第5のステップと、
前記中継サーバが、前記取得応答を、前記アクセスポイントを介して前記端末へ転送する第6のステップと
を有し、
前記システムは、前記広告情報に基づく広告サーバを更に有し、
前記端末によって再生表示された前記広告情報がユーザ操作によって指示された際に、前記中継サーバが、当該広告情報に基づく取得要求を、前記端末から前記アクセスポイントを介して受信すると共に、前記取得要求を前記広告サーバへ転送する第7のステップと、
前記中継サーバが、前記広告サーバからクーポン情報を含む取得応答を受信し、該取得応答を、前記アクセスポイントを介して前記端末へ転送する第8のステップと、
前記端末が、広告主によって管理される店舗情報装置へ、近距離通信によって、前記クーポン情報を転送し、該店舗情報装置が、広告取得通知を、前記中継サーバへ送信する第9のステップと、
前記中継サーバの制御によって、前記広告情報の広告主に基づく第2の課金サーバから所定金額のポイントを、前記アクセスネットワークを管理する第1の通信事業者に基づく第1の課金サーバへ移行させる第10のステップと、
前記中継サーバが、前記端末から前記アクセスポイントを介して取得要求を受信する第11のステップと、
前記中継サーバが、前記取得要求をサービスサーバへ転送する第12のステップと、
前記中継サーバが、前記サービスサーバから、前記取得要求に応じたコンテンツを含む取得応答を受信する第13のステップと、
前記中継サーバが、第2のステップについて前記識別子登録部に登録されていないと判定した場合であっても、前記取得応答に基づくコンテンツに広告情報を付加することなく、前記取得応答のみを、前記アクセスポイントを介して前記端末へ転送する第14のステップと
を有し、前記端末によって、前記取得応答に基づくコンテンツと共に、前記広告情報も同時に再生表示されることを特徴とする無線ネットワークアクセス方法。
【請求項2】
前記識別子登録部は、第1の通信事業者と契約した端末識別子を登録しており、
前記アクセスネットワーク及び前記アクセスポイントは、第1の通信事業者によって運用管理されており、
前記端末は、第2の通信事業者と契約したものであり、
第2のステップについて、前記中継サーバは、第1の通信事業者と契約した端末識別子でないと判定し、
第5のステップについて、前記中継サーバは、第2の通信事業者と契約した前記端末に対する取得応答に対して、広告情報を付加する
ことを特徴とする請求項1に記載の無線ネットワークアクセス方法。
【請求項3】
前記広告情報毎に、位置情報範囲が関連付けられており、
第1のステップについて、前記取得要求には、前記端末によって更に位置情報が含められており、
第5のステップについて、前記中継サーバは、前記取得要求に含まれた位置情報が属する位置情報範囲を有する広告情報を、前記取得応答のコンテンツに付加する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の無線ネットワークアクセス方法。
【請求項4】
インターネットに相互接続されたアクセスネットワークに接続された中継サーバであって、前記アクセスネットワークと無線ネットワークとの間に接続されるアクセスポイントを介して、ユーザ操作に基づく端末と通信する中継サーバであって、
アクセス可能な端末識別子を予め登録した識別子登録手段と、
前記端末から前記アクセスポイントを介して、端末識別子を含む取得要求を受信する取得要求受信手段と、
前記取得要求に含まれる前記端末識別子が、前記識別子登録手段に登録された端末識別子か否かを判定する識別子判定手段と、
前記取得要求を、宛先のサービスサーバへ転送する取得要求転送手段と、
前記サービスサーバから、前記取得要求に応じたコンテンツを含む取得応答を受信する取得応答受信手段と、
前記識別子判定手段によって前記識別子登録手段に登録されていないと判定された場合にのみ、前記取得応答に含まれるコンテンツに所定の広告情報を付加するか、又は、該広告情報を前記端末へ向けてプッシュ的に送信する広告情報付加手段と、
前記取得応答を、前記アクセスポイントを介して前記端末へ転送する取得応答転送手段と
を有し、前記端末によって、前記取得応答に基づくコンテンツと共に、前記広告情報も同時に再生表示されるものであり、
前記システムは、前記広告情報に基づく広告サーバを更に有し、
前記取得要求受信手段は、前記端末について再生表示された前記広告情報がユーザ操作によって指示された際に、当該広告情報に基づく取得要求を、前記端末から前記アクセスポイントを介して受信し、
前記取得要求転送手段は、前記取得要求を前記広告サーバへ転送し、
前記取得応答受信手段は、前記広告サーバからクーポン情報を含む取得応答を受信し、
前記取得応答転送手段は、前記取得応答を、前記アクセスポイントを介して前記端末へ転送すると共に、
前記端末が、前記クーポン情報を、広告主によって管理される店舗情報装置へ近距離通信によって転送することによって、当該店舗情報装置から、広告取得通知を受信する広告取得通知受信手段と、
前記広告情報の広告主に基づく第2の課金サーバから所定金額のポイントを、前記アクセスネットワークを管理する第1の通信事業者に基づく第1の課金サーバへ移行させるように制御する課金制御手段と
を更に有し、
前記広告情報付加手段は、前記識別子判定手段について前記識別子登録手段に登録された端末識別子でないと判定された場合であっても、前記取得応答に基づくコンテンツに広告情報を付加しない
ことを特徴とする中継サーバ。
【請求項5】
前記識別子登録手段は、第1の通信事業者と契約した端末識別子を登録しており、
前記アクセスネットワーク及び前記アクセスポイントが、第1の通信事業者によって管理されており、前記端末が、第2の通信事業者と契約したものである場合、
前記識別子判定手段は、第1の通信事業者と契約した端末識別子でないと判定し、
前記広告情報付加手段は、第2の通信事業者と契約した前記端末に対する取得応答に対して、広告情報を付加する
ことを特徴とする請求項4に記載の中継サーバ。
【請求項6】
前記広告情報毎に、位置情報範囲が関連付けられており、
前記取得要求には、前記端末によって更に位置情報が含められており、
前記広告情報付加手段は、前記取得要求に含まれた前記位置情報が属する位置情報範囲を有する広告情報を、前記取得応答のコンテンツに付加する
ことを特徴とする請求項4又は5に記載の中継サーバ。
【請求項7】
インターネットに相互接続されたアクセスネットワークに接続された中継サーバであって、前記アクセスネットワークと無線ネットワークとの間に接続されるアクセスポイントを介して、ユーザ操作に基づく端末と通信する中継サーバに搭載されたコンピュータを機能させるプログラムであって、
アクセス可能な端末識別子を予め登録した識別子登録手段と、
前記端末から前記アクセスポイントを介して、端末識別子を含む取得要求を受信する取得要求受信手段と、
前記取得要求に含まれる前記端末識別子が、前記識別子登録手段に登録された端末識別子か否かを判定する識別子判定手段と、
前記取得要求を、宛先のサービスサーバへ転送する取得要求転送手段と、
前記サービスサーバから、前記取得要求に応じたコンテンツを含む取得応答を受信する取得応答受信手段と、
前記識別子判定手段によって前記識別子登録手段に登録されていないと判定された場合にのみ、前記取得応答に含まれるコンテンツに所定の広告情報を付加するか、又は、該広告情報を前記端末へ向けてプッシュ的に送信する広告情報付加手段と、
前記取得応答を、前記アクセスポイントを介して前記端末へ転送する取得応答転送手段と
してコンピュータを機能させ、前記端末によって、前記取得応答に基づくコンテンツと共に、前記広告情報も同時に再生表示されるものであり、
前記システムは、前記広告情報に基づく広告サーバを更に有し、
前記取得要求受信手段は、前記端末について再生表示された前記広告情報がユーザ操作によって指示された際に、当該広告情報に基づく取得要求を、前記端末から前記アクセスポイントを介して受信し、
前記取得要求転送手段は、前記取得要求を前記広告サーバへ転送し、
前記取得応答受信手段は、前記広告サーバからクーポン情報を含む取得応答を受信し、
前記取得応答転送手段は、前記取得応答を、前記アクセスポイントを介して前記端末へ転送すると共に、
前記端末が、前記クーポン情報を、広告主によって管理される店舗情報装置へ近距離通信によって転送することによって、当該店舗情報装置から、広告取得通知を受信する広告取得通知受信手段と、
前記広告情報の広告主に基づく第2の課金サーバから所定金額のポイントを、前記アクセスネットワークを管理する第1の通信事業者に基づく第1の課金サーバへ移行させるように制御する課金制御手段と
を更に有し、
前記広告情報付加手段は、前記識別子判定手段について前記識別子登録手段に登録された端末識別子でないと判定された場合であっても、前記取得応答に基づくコンテンツに広告情報を付加しない
ことを特徴とする中継サーバ用のプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、端末が無線ネットワークへアクセスする技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、移動端末の通信領域は、携帯電話網の代表される無線WAN(Wide Area Network)によって比較的広域がカバーされる共に、無線LAN(Local Area Network)及び無線MAN(Metropolitan Area Network)によって比較的狭域がカバーされている。端末との間で狭域高速通信を実現するアクセスポイントは、例えば様々な公共施設(空港、喫茶店、ホテル等)に多く設置されている。アクセスポイントは、無線を介して端末と通信すると共に、有線を介してアクセスネットワークに接続する。端末としては、例えば携帯電話機、スマートフォン、タブレット端末又はパーソナルコンピュータであって、アクセスポイントと通信するための狭域高速通信(例えば無線LAN)インタフェースを有する。
【0003】
図1は、従来技術における無線アクセスネットワークのシステム構成図である。
【0004】
複数のアクセスネットワークは、インターネットと相互接続されている。一般に、アクセスネットワーク毎に、異なる通信事業者によって運用管理されている。そのために、端末2は、接続サービスを契約した通信事業者によって運用管理されるアクセスネットワークにしか接続できない。即ち、アクセスポイント3は、端末2が当該通信事業者によって契約された端末であるか否かを判定することによって、その接続の可否を決定する。尚、アクセスネットワークの通信事業者は、MNO(Mobile Network Operator)に限られず、MVNO(Mobile Virtual Network Operator)(仮想移動体サービス事業者)であってもよい。
【0005】
図1によれば、通信事業者Aによって運用管理されるアクセスネットワークAと、通信事業者Bによって運用管理されるアクセスネットワークBとが、インターネットに相互接続されている。
・通信事業者Aと契約した端末2Aは、通信事業者Aによって管理されたアクセスポイント3Aにのみ、無線を介して接続することができる。
・通信事業者Bと契約した端末2Bは、通信事業者Bによって管理されたアクセスポイント3Bにのみ、無線を介して接続することができる。
【0006】
尚、他の従来技術として、端末の利用状態に応じて、当該端末へ広告情報を配信する技術がある(例えば特許文献1参照)。この技術によれば、端末は、自己の利用状態(例えば時間帯に異なる待ち受け中、音声発信中、音声着信中)に応じて、音声再生、動画像再生、テキストデータ表示のいずれかの広告配信方法を選択することができる。これによって、端末の利用者に対して、最適な状態で広告情報を閲覧させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2007−102479号公報
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】「HTTP Request ヘッダ」、[online]、[平成23年7月22日検索]、インターネット<http://www.au.kddi.com/ezfactory/tec/spec/4_4.html>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
図1によれば、通信事業者Bと契約した端末2Bは、通信事業者Bによって管理されたアクセスポイント3Bの通信領域から外れた場合、インターネットにアクセスすることができない。端末2Bは、たとえ、通信事業者Aによって管理されたアクセスポイント3Aの通信領域内にあっても、アクセスネットワークAに接続することはできない。このような場合、通常、端末2Bは、通信事業者Aに対して新たに接続サービスを契約する必要がある。
【0010】
そこで、本発明は、第1の通信事業者によって運用管理されている第1のアクセスネットワークに対して、第2の通信事業者の接続サービスに契約した端末であっても接続することができる無線ネットワークアクセス方法、中継サーバ及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明によれば、インターネットに相互接続されたアクセスネットワークと、
アクセスネットワークと無線ネットワークとの間に接続されるアクセスポイントと、
ユーザ操作に基づく端末と、
アクセスネットワークに設置された中継サーバと
を有するシステムにおける無線ネットワークアクセス方法であって、
中継サーバは、アクセス可能な端末識別子を登録した識別子登録部を有し、
端末が、アクセスポイントを介して中継サーバへ、端末識別子を含む取得要求を送信する第1のステップと、
中継サーバが、取得要求に含まれる端末識別子が、識別子登録部に登録された端末識別子か否かを判定する第2のステップと、
中継サーバが、取得要求を、宛先のサービスサーバへ転送する第3のステップと、
サービスサーバが、中継サーバ、取得要求に応じたコンテンツを含む取得応答を送信する第4のステップと、
中継サーバが、第2のステップによって識別子登録部に登録されていないと判定された場合にのみ、取得応答に含まれるコンテンツに所定の広告情報を付加するか、又は、該広告情報を端末へ向けてプッシュ的に送信する第5のステップと、
中継サーバが、取得応答を、アクセスポイントを介して端末へ転送する第6のステップと
を有し、
システムは、広告情報に基づく広告サーバを更に有し、
端末によって再生表示された広告情報がユーザ操作によって指示された際に、中継サーバが、当該広告情報に基づく取得要求を、端末からアクセスポイントを介して受信すると共に、取得要求を広告サーバへ転送する第7のステップと、
中継サーバが、広告サーバからクーポン情報を含む取得応答を受信し、該取得応答を、アクセスポイントを介して端末へ転送する第8のステップと、
端末が、広告主によって管理される店舗情報装置へ、近距離通信によって、クーポン情報を転送し、該店舗情報装置が、広告取得通知を、中継サーバへ送信する第9のステップと、
中継サーバの制御によって、広告情報の広告主に基づく第2の課金サーバから所定金額のポイントを、アクセスネットワークを管理する第1の通信事業者に基づく第1の課金サーバへ移行させる第10のステップと、
中継サーバが、端末からアクセスポイントを介して取得要求を受信する第11のステップと、
中継サーバが、取得要求をサービスサーバへ転送する第12のステップと、
中継サーバが、サービスサーバから、取得要求に応じたコンテンツを含む取得応答を受信する第13のステップと、
中継サーバが、第2のステップについて識別子登録部に登録されていないと判定した場合であっても、取得応答に基づくコンテンツに広告情報を付加することなく、取得応答のみを、アクセスポイントを介して端末へ転送する第14のステップと
を有し、端末によって、取得応答に基づくコンテンツと共に、広告情報も同時に再生表示されることを特徴とする。
【0012】
本発明の無線ネットワークアクセス方法における他の実施形態によれば、
識別子登録部は、第1の通信事業者と契約した端末識別子を登録しており、
アクセスネットワーク及びアクセスポイントは、第1の通信事業者によって運用管理されており、
端末は、第2の通信事業者と契約したものであり、
第2のステップについて、中継サーバは、第1の通信事業者と契約した端末識別子でないと判定し、
第5のステップについて、中継サーバは、第2の通信事業者と契約した端末に対する取得応答に対して、広告情報を付加する
ことも好ましい。
【0013】
本発明の無線ネットワークアクセス方法における他の実施形態によれば、
広告情報毎に、位置情報範囲が関連付けられており、
第1のステップについて、取得要求には、端末によって更に位置情報が含められており、
第5のステップについて、中継サーバは、取得要求に含まれた位置情報が属する位置情報範囲を有する広告情報を、取得応答のコンテンツに付加する
ことも好ましい。
【0014】
本発明によれば、インターネットに相互接続されたアクセスネットワークに接続された中継サーバであって、アクセスネットワークと無線ネットワークとの間に接続されるアクセスポイントを介して、ユーザ操作に基づく端末と通信する中継サーバであって、
アクセス可能な端末識別子を予め登録した識別子登録手段と、
端末からアクセスポイントを介して、端末識別子を含む取得要求を受信する取得要求受信手段と、
取得要求に含まれる端末識別子が、識別子登録手段に登録された端末識別子か否かを判定する識別子判定手段と、
取得要求を、宛先のサービスサーバへ転送する取得要求転送手段と、
サービスサーバから、取得要求に応じたコンテンツを含む取得応答を受信する取得応答受信手段と、
識別子判定手段によって識別子登録手段に登録されていないと判定された場合にのみ、取得応答に含まれるコンテンツに所定の広告情報を付加するか、又は、該広告情報を端末へ向けてプッシュ的に送信する広告情報付加手段と、
取得応答を、アクセスポイントを介して端末へ転送する取得応答転送手段と
を有し、端末によって、取得応答に基づくコンテンツと共に、広告情報も同時に再生表示されるものであり、
システムは、広告情報に基づく広告サーバを更に有し、
取得要求受信手段は、端末について再生表示された広告情報がユーザ操作によって指示された際に、当該広告情報に基づく取得要求を、端末からアクセスポイントを介して受信し、
取得要求転送手段は、取得要求を広告サーバへ転送し、
取得応答受信手段は、広告サーバからクーポン情報を含む取得応答を受信し、
取得応答転送手段は、取得応答を、アクセスポイントを介して端末へ転送すると共に、
端末が、クーポン情報を、広告主によって管理される店舗情報装置へ近距離通信によって転送することによって、当該店舗情報装置から、広告取得通知を受信する広告取得通知受信手段と、
広告情報の広告主に基づく第2の課金サーバから所定金額のポイントを、アクセスネットワークを管理する第1の通信事業者に基づく第1の課金サーバへ移行させるように制御する課金制御手段と
を更に有し、
広告情報付加手段は、識別子判定手段について識別子登録手段に登録された端末識別子でないと判定された場合であっても、取得応答に基づくコンテンツに広告情報を付加しない
ことを特徴とする。
【0015】
本発明の中継サーバにおける他の実施形態によれば、
識別子登録手段は、第1の通信事業者と契約した端末識別子を登録しており、
アクセスネットワーク及びアクセスポイントが、第1の通信事業者によって管理されており、端末が、第2の通信事業者と契約したものである場合、
識別子判定手段は、第1の通信事業者と契約した端末識別子でないと判定し、
広告情報付加手段は、第2の通信事業者と契約した端末に対する取得応答に対して、広告情報を付加する
ことも好ましい。
【0016】
本発明の中継サーバにおける他の実施形態によれば、
広告情報毎に、位置情報範囲が関連付けられており、
取得要求には、端末によって更に位置情報が含められており、
広告情報付加手段は、取得要求に含まれた位置情報が属する位置情報範囲を有する広告情報を、取得応答のコンテンツに付加する
ことも好ましい。
【0017】
本発明によれば、インターネットに相互接続されたアクセスネットワークに接続された中継サーバであって、アクセスネットワークと無線ネットワークとの間に接続されるアクセスポイントを介して、ユーザ操作に基づく端末と通信する中継サーバに搭載されたコンピュータを機能させるプログラムであって、
アクセス可能な端末識別子を予め登録した識別子登録手段と、
端末からアクセスポイントを介して、端末識別子を含む取得要求を受信する取得要求受信手段と、
取得要求に含まれる端末識別子が、識別子登録手段に登録された端末識別子か否かを判定する識別子判定手段と、
取得要求を、宛先のサービスサーバへ転送する取得要求転送手段と、
サービスサーバから、取得要求に応じたコンテンツを含む取得応答を受信する取得応答受信手段と、
識別子判定手段によって識別子登録手段に登録されていないと判定された場合にのみ、取得応答に含まれるコンテンツに所定の広告情報を付加するか、又は、該広告情報を端末へ向けてプッシュ的に送信する広告情報付加手段と、
取得応答を、アクセスポイントを介して端末へ転送する取得応答転送手段と
してコンピュータを機能させ、端末によって、取得応答に基づくコンテンツと共に、広告情報も同時に再生表示されるものであり、
システムは、広告情報に基づく広告サーバを更に有し、
取得要求受信手段は、端末について再生表示された広告情報がユーザ操作によって指示された際に、当該広告情報に基づく取得要求を、端末からアクセスポイントを介して受信し、
取得要求転送手段は、取得要求を広告サーバへ転送し、
取得応答受信手段は、広告サーバからクーポン情報を含む取得応答を受信し、
取得応答転送手段は、取得応答を、アクセスポイントを介して端末へ転送すると共に、
端末が、クーポン情報を、広告主によって管理される店舗情報装置へ近距離通信によって転送することによって、当該店舗情報装置から、広告取得通知を受信する広告取得通知受信手段と、
広告情報の広告主に基づく第2の課金サーバから所定金額のポイントを、アクセスネットワークを管理する第1の通信事業者に基づく第1の課金サーバへ移行させるように制御する課金制御手段と
を更に有し、
広告情報付加手段は、識別子判定手段について識別子登録手段に登録された端末識別子でないと判定された場合であっても、取得応答に基づくコンテンツに広告情報を付加しない
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明の無線ネットワークアクセス方法、中継サーバ及びプログラムによれば、第1の通信事業者によって運用管理されている第1のアクセスネットワークに対して、第2の通信事業者の接続サービスに契約した端末であっても接続することができる。本発明によれば、他社契約の端末が閲覧しようとするページコンテンツに、あえて広告情報を付加することによって、端末の利用者に対する利益と、通信事業者に対する利益とのトレードオフを図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】従来技術における無線アクセスネットワークのシステム構成図である。
図2】本発明における無線アクセスネットワークのシステム構成図である。
図3】本発明における基本的なシーケンス図である。
図4】端末の位置情報と、広告情報に関連付けられた位置情報範囲とを表す説明図である。
図5】広告情報の閲覧に基づいて課金を制御するシーケンス図である。
図6】クーポン情報の利用に基づいて課金を制御するシーケンス図である。
図7】本発明における中継サーバの機能構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下では、本発明の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。
【0021】
図2は、本発明における無線アクセスネットワークのシステム構成図である。
【0022】
図2によれば、図1と比較して、中継サーバ1が、通信事業者AのアクセスネットワークAに設置されている。中継サーバ1は、アクセスネットワークAを介して端末2と通信すると共に、インターネットを介してサービスサーバ4と通信する。また、図2によれば、広告サーバ5が、インターネットに更に接続されている。広告サーバ5は、広告主に基づく広告情報を蓄積する。広告情報は、HTML(HyperText Markup Language)によって作成されたものであることが好ましい。
【0023】
図2によれば、図1と異なって、通信事業者Bと契約した端末2Bは、通信事業者Aによって管理されたアクセスポイント3Aに接続し、アクセスネットワークAを介してインターネットにアクセスすることができる。このような場合、端末2Bがインターネットに接続することができたことによる利用者の利益に対して、通信事業者Aにとっても何らかの利益が得られることが好ましい。
【0024】
そこで、本発明によれば、他社契約の端末2Bに対してアクセスネットワークAへの接続を可能とする一方で、その端末2Bへ転送されるコンテンツに、強制的に広告情報を付加する。これによって、端末の利用者に対する利益と、通信事業者に対する利益とのトレードオフを図ることができる。例えば、通信事業者Aにとって有利な広告情報やクーポン情報を、他社契約の端末2Bへ向けて強制的に配信することができる。一方で、端末2Bの利用者にとっては、通信事業者Aのアクセスネットワークに接続することができる。そのように考えることによって、端末2Bの利用者は、多少煩わしい広告情報であってその閲覧を受け入れられる。
【0025】
尚、端末は、携帯電話機やスマートフォンであってもよいし、タブレット端末やパーソナルコンピュータであってもよい。取得要求/応答の送受信のために、端末には、WWWブラウザのソフトウェアが予めインストールされている。また、当該端末の現在位置情報を取得するために、GPS(Global Positioning System)、アクセスポイント(無線LAN基地局)や携帯基地局を用いた位置測位アプリケーションをインストールしておくことも好ましい。
【0026】
図3は、本発明における基本的なシーケンス図である。
【0027】
中継サーバ1は、アクセス可能な端末識別子を登録した「識別子登録部」を有する。図3によれば、中継サーバ1は、通信事業者Aのアクセスネットワークに接続されている。そのために、中継サーバ1の識別子登録部には、通信事業者Aと接続サービスを契約した端末識別子のみが登録されている。尚、図3によれば、端末2Bは、通信事業者Bと接続サービスを契約したものである。
【0028】
(S1)端末2Bが、端末識別子を含む「取得要求」を、アクセスポイント3Aを介して中継サーバへ送信する。ここで、取得要求とは、例えばページ取得要求としてのHTTP GET Requestであってもよい(例えば非特許文献1参照)。HTTP GET Requestヘッダには、HTTP_USER_AGENTを含めることができ、そこに端末識別子を記述する(HTTPレイヤ7を利用)。
【0029】
一般的なスマートフォンや携帯電話機の場合、例えば以下のような情報が記述されている。
HTTP_USER_AGENT=KDDI-SA31 UP.Browser/6.2.0.7.3.129 (GUI) MMP/2.0
このヘッダ情報によれば、以下のような意味を有する。
"KDDI":通信事業者名
"SA31":デバイスID(端末機種名)
"UP.Browser":ブラウザ名
"6.2.0.7.3.129":ブラウザバージョン
"MMP/2.0":サーバ名
ここで、端末識別子は、例えば「通信事業者名」「デバイスID」に記述される識別子である。
【0030】
勿論、端末識別子を含む部分は、HTTP GET RequestヘッダのHTTP_USER_AGENTに限られない。例えばHTTP_X_UP_SUBNOであってもよい。HTTP_X_UP_SUBNOには、通信事業者との契約毎に固有に割り当てられたID(識別子)が含まれる。また、その他のパラメータ部分であってもよい。
【0031】
(S2)中継サーバ1は、取得要求に含まれる端末識別子が、識別子登録部に登録された端末識別子か否かを判定する。前述のS1によれば、中継サーバ1は、端末2Bから受信したHTTP GET RequestヘッダのHTTP_USER_AGENTを見るだけで、その端末が、自社契約端末か否かを判定することができる。この判定結果は、一時的に記憶される。図3によれば、中継サーバ1は、端末2Bから受信した取得要求について、「通信事業者Aと契約した端末識別子ではない」と判定される。尚、取得要求に端末識別子が記述されていない場合も、他社契約の端末と判定する。
【0032】
(S3)中継サーバ1は、取得要求を、宛先(HTTP GET Requestの宛先URL)のサービスサーバ4へ転送する。この時点について、S2における判定結果がいずれであっても、その取得要求は、既存のサービスサーバ4へ転送される。
【0033】
(S4)サービスサーバ4は、その要求に応じたコンテンツを含む取得応答を、中継サーバ1へ返信する。取得応答は、例えばページ取得応答としてのHTTP GET Responseである。このコンテンツ自体は、端末2Bを操作する利用者によって所望されたものである。
【0034】
(S5)中継サーバは、S2によって識別子登録部に登録されていないと判定された場合にのみ、取得応答に含まれるコンテンツに所定の広告情報を付加する。即ち、他社契約の端末2Bへ転送されるコンテンツにのみ、強制的に広告情報を付加する。
【0035】
広告情報の付加について、例えば以下のように、コンテンツのフレームと広告情報のフレームとを包含するトップページのhtmlを、取得応答に含めるものであってもよい。これによって、取得応答のコンテンツに、広告情報を簡単に付加することができる。
<html>
<head>
<title>トップページ</title>
</head>
<frameset rows="30%,*">
<frame src="contents.html"> contents.html:コンテンツ
<frame src="marketing.html"> marketing.html:広告情報
</frameset>
</html>
【0036】
ここで、広告情報は、端末識別子に応じて選択されることも好ましい。前述の例によれば、デバイスID(端末機種情報)に基づいて、適切な広告情報を選択する。端末の機種としては、携帯電話機、スマートフォン、タブレット、パーソナルコンピュータ等があり、これら機種に応じたフォーマットの広告情報を選択する。パーソナルコンピュータに対しては動画像ベースの広告情報であってもよいし、携帯電話機に対してはテキストベースの広告情報であってもよい。
【0037】
広告情報としては、最も簡単には、他社契約の端末2Bに対して、通信事業者Aの接続サービスへの加入や乗り換えを促すものであってもよい。例えば、他社契約の端末2Bの利用者が、通信事業者Aの接続サービスへ乗り換える場合に、特別割引を提案するものであってもよい。
【0038】
他の実施形態として、中継サーバ1が、S2によって識別子登録部に登録されていないと判定された場合にのみ、広告情報を端末へ向けてプッシュ的に送信するものであってもよい。端末2には、広告情報がポップアップ的に表示される。ここで、端末2は、利用者によってポップアップブロックの設定がされている場合、広告情報を表示することができなくなる。しかしながら、端末2に、アプリケーションソフトを予めインストールしておくことによって、中継サーバ1から送信された広告情報は、強制的に表示するようにすることもできる。
【0039】
(S6)最後に、中継サーバ1が、取得応答を、アクセスポイント3Aを介して端末2Bへ転送する。
【0040】
これによって、端末2Bは、取得応答に基づくコンテンツと共に、広告情報も同時に再生表示することができる。端末2Bの利用者は、多少煩わしい広告情報を閲覧しなければならないが、他社契約のアクセスネットワークを介して所望のコンテンツを閲覧することができる。
【0041】
図4は、端末の位置情報と、広告情報に関連付けられた位置情報範囲とを表す説明図である。
【0042】
図4によれば、広告情報毎に、「位置情報範囲」が関連付けられている。位置情報範囲とは、その広告情報を配信すべき地理的範囲であって、例えば緯度経度(中心位置)と半径(距離)とによって表される。その広告情報は、その位置情報範囲内に存在する他社契約の端末2へのみ配信される。
【0043】
前述のS1について、取得要求には、当該端末2の位置情報が更に含められるものであってもよい。端末2の位置情報も、HTTP GET Requestヘッダに含めることができる。勿論、別途、他の方法で、端末2の位置情報が、中継サーバ1へ送信されるものであってもよい。
【0044】
前述のS5について、中継サーバ1は、取得要求に含まれた位置情報が属する位置情報範囲を有する広告情報を、取得応答のコンテンツに付加する。図4によれば、広告主aの店舗が所定位置に存在しており、広告主aの広告情報には、その店舗位置を中心とした所定半径範囲を位置情報範囲として、対応付けられている。この広告情報は、広告サーバ5に記憶されたものであってもよいし、中継サーバ1が予め記憶するものであってもよい。
【0045】
中継サーバ1は、端末2Bの位置情報を取得し、その位置を含む位置情報範囲の広告情報を検索する。検索された広告情報は、端末2Bへ転送される取得応答のコンテンツに付加される。これによって、端末2Bを操作する利用者は、現在位置に近い店舗の広告主の広告情報を閲覧することとなる。
【0046】
図5は、広告情報の閲覧に基づいて課金を制御するシーケンス図である。
【0047】
図5のシーケンスは、図3のシーケンスに続くものである。即ち、図5のS6は、図3のS6と一致する。
【0048】
(S7)端末2Bには、コンテンツと広告情報とが同時に再生表示される。そして、ユーザが自ら、広告情報に対して発動する操作(例えばアイコンやURLのクリック)をしたとする。この時、端末2Bは、広告情報に基づくURLを宛先とする取得要求を、アクセスポイント3Aを介して中継サーバ1へ送信する。中継サーバ1は、広告情報に基づく取得要求を受信すると、その取得要求を、宛先となる広告サーバ5へ転送する。
【0049】
(S8−1)広告サーバ5は、取得要求に応じた広告コンテンツを含む取得応答を、中継サーバ1へ返信する。中継サーバ1は、広告サーバ5から受信した取得応答を、アクセスポイント3Aを介して端末2Bへ転送する。
【0050】
(S9−1)そして、広告サーバ1は、端末によって広告コンテンツが閲覧されたことを意味する広告取得通知を、中継サーバ1へ送信する。「広告取得通知」には、例えば広告主識別子と広告料金ポイントとが含まれる。
【0051】
(S10)中継サーバの制御によって、広告情報の広告主に基づく第2の課金サーバから所定金額のポイントを、通信事業者Aに基づく課金サーバへ移行させる。「課金サーバ」は、例えばオンライン銀行の口座であってもよい。広告主が支払う所定金額は、広告コンテンツが利用者の端末2Bへ送信されたことに基づく広告宣伝費として意味する。一方で、他社契約の端末2Bが、アクセスネットワーク3Aへ接続するための接続料金であることも意味する。そうすると、通信事業者Aとしては、他社契約の端末2Bにおける接続料金を、広告主から支払ってもらったこととなる。
【0052】
(S11)他社契約の端末2Bは、アクセスポイント3Aを介して中継サーバ1へ取得要求を送信する。中継サーバ1は、端末2Bから受信した取得要求を、サービスサーバ4へ転送する。
【0053】
(S12)サービスサーバ4は、要求に応じたコンテンツを含む取得応答を、中継サーバ1へ返信する。中継サーバ1は、サービスサーバ4から取得応答を受信する。この時、中継サーバ1は、S2について識別子登録部に登録されていない(他社契約の端末である)と判定した場合であっても、取得応答に基づくコンテンツに広告情報を付加することなく、取得応答のみを、アクセスポイント3Aを介して端末2Bへ転送する。通信事業者Aとしては、他社契約の端末2Bにおける接続料金を、広告主から既に支払ってもらっているからである。
【0054】
これによって、他社契約の端末2Bは、アクセスネットワーク3Aを介してインターネットにアクセスすることできると共に、応答によって得られるコンテンツに広告情報が付加されなくなる。即ち、他社契約の端末2Bは、自ら契約したアクセスネットワークと同様に通信することができる。
【0055】
図6は、クーポン情報の利用に基づいて課金を制御するシーケンス図である。
【0056】
図6のS6及びS7は、図5のS6及びS7と全く同様である。
【0057】
(S8−2)広告サーバ5は、広告コンテンツとしてのクーポン情報を含む取得応答を、中継サーバ1へ返信する。中継サーバ1は、広告サーバ5から受信した取得応答を、アクセスポイント3Aを介して端末2Bへ転送する。ここで、「クーポン情報」とは、例えば広告コンテンツに基づく広告主aの店舗で、何らかの商品を購入する際に、割引やサービスを受けることができる権利を意味する。広告主としては、クーポン情報を集客力の1つとして利用する。クーポン情報は、端末2Bに記憶される。
【0058】
(S9−2)ここで、クーポン情報が記憶された端末を所持する利用者は、広告主aの店舗へ買い物に行ったとする。店舗には、広告主によって管理される店舗情報装置が設置されている。そして、利用者は、端末を店舗情報装置にかざし、近距離通信によって、クーポン情報を転送する。これによって、その店舗情報装置は、インターネットを介して、広告取得通知を、中継サーバ1へ送信する。「広告取得通知」には、例えば広告主識別子と広告料金ポイントとが含まれている。
【0059】
図6のS10〜S12は、図5のS10〜S12と全く同様である。
【0060】
これによって、他社契約の端末2Bは、アクセスネットワーク3Aを介してインターネットにアクセスすることできると共に、応答によって得られるコンテンツに広告情報が付加されなくなる。即ち、他社契約の端末2Bは、自ら契約したアクセスネットワークと同様に通信することができる。
【0061】
図7は、本発明における中継サーバの機能構成図である。
【0062】
図7によれば、中継サーバ1は、通信インタフェース100と、識別子登録部110と、取得要求受信部111と、識別子判定部112と、取得応答転送部113と、広告情報蓄積部120と、取得応答受信部121と、広告情報付加部122と、取得応答転送部123と、広告取得通知受信部131と、課金制御部132とを有する。これら機能構成部は、中継サーバ1に搭載されたコンピュータを機能させるプログラムを実行することによって実現される。
【0063】
識別子登録部110は、アクセス可能な端末識別子を予め登録する。登録される端末識別子は、当該中継サーバ1及びアクセスネットワークを運用管理する通信事業者に基づくものである。
【0064】
取得要求受信部111は、端末からアクセスポイントを介して、端末識別子を含む取得要求を受信する。端末識別子は、識別子判定部112へ出力され、取得要求は、取得応答転送部113へ出力される。尚、取得要求に、端末の位置情報が含められている場合、その位置情報は、広告情報付加部122へ出力される。尚、取得要求は、端末に対するユーザ操作によって指示されたものであって、ユーザ所望のURL(Uniform Resourse Locator)の場合もあるし、又は、その後の広告情報に対する広告コンテンツのURLの場合もある。
【0065】
識別子判定部112は、取得要求に含まれる端末識別子が、識別子登録部110に登録された端末識別子か否かを判定する。その判定結果情報は、広告情報付加部122へ出力される。他社契約の端末から受信した取得要求については、登録された端末識別子でないと判定される。
【0066】
取得応答転送部113は、取得要求を、宛先のサービスサーバへ転送する。そのサービスサーバは、ユーザ所望のURLに基づくものである場合もあるし、又は、その後の広告情報に対する広告コンテンツのURL(広告サーバのURL)の場合もある。
【0067】
広告情報蓄積部120は、他社契約の端末へ配信すべき広告情報を蓄積する。広告情報毎に、その広告主が配信を所望する位置情報範囲が、関連付けられていることも好ましい。
【0068】
取得応答受信部121は、サービスサーバから、取得要求に応じたコンテンツを含む取得応答を受信する。取得応答は、広告情報付加部122へ出力される。取得応答は、ユーザ所望のサービスサーバから受信されたものである場合もあるし、又は、その後の広告サーバから受信されたものである場合もある。広告サーバから受信された取得応答は、そのまま取得応答転送部123へ出力される。
【0069】
広告情報付加部122は、識別子判定部112によって識別子登録部に登録されていないと判定された場合にのみ、取得応答に含まれるコンテンツに所定の広告情報を付加する。即ち、他社契約の端末に対する取得応答に対して、広告情報を付加する。広告情報は、広告情報蓄積部120から取得する。そして、その取得応答は、取得応答転送部123へ出力される。
【0070】
また、広告情報付加部122は、端末から受信した取得要求に位置情報が含まれている場合、その位置に属する位置情報範囲を有する広告情報を、取得応答のコンテンツに付加する。
【0071】
他の実施形態として、広告情報付加部122は、広告情報を端末2へ向けてプッシュ的に送信するものであってもよい。この場合、端末2へ広告情報を送信した後、取得応答をそのまま、取得応答転送部123へ出力する。
【0072】
尚、広告情報付加部122は、課金制御部132によって課金処理が完了した後は、識別子登録部110に登録された端末識別子でないと判定された場合であっても、取得応答に基づくコンテンツに広告情報を付加しない。
【0073】
取得応答転送部123は、取得応答を、アクセスポイントを介して端末へ転送する。
【0074】
広告取得通知受信部131は、広告サーバ又は店舗情報装置から、広告取得通知を受信する。その時、課金制御部132へ、処理開始を指示する。「広告取得通知」には、例えば広告主識別子と広告料金ポイントとが含まれる。
【0075】
課金制御部132は、広告情報の広告主に基づく第2の課金サーバから所定金額のポイントを、アクセスネットワークを管理する第1の通信事業者に基づく第1の課金サーバへ移行させるように制御する。
【0076】
以上、詳細に説明したように、本発明の無線ネットワークアクセス方法、中継サーバ及びプログラムによれば、第1の通信事業者によって運用管理されている第1のアクセスネットワークに対して、第2の通信事業者の接続サービスに契約した端末であっても接続することができる。本発明によれば、他社契約の端末が閲覧しようとするページコンテンツに、あえて広告情報を付加することによって、端末の利用者に対する利益と、通信事業者に対する利益とのトレードオフを図ることができる。
【0077】
前述した本発明の種々の実施形態について、本発明の技術思想及び見地の範囲の種々の変更、修正及び省略は、当業者によれば容易に行うことができる。前述の説明はあくまで例であって、何ら制約しようとするものではない。本発明は、特許請求の範囲及びその均等物として限定するものにのみ制約される。
【符号の説明】
【0078】
1 中継サーバ
100 通信インタフェース
110 識別子登録部
111 取得要求受信部
112 識別子判定部
113 取得応答転送部
120 広告情報蓄積部
121 取得応答受信部
122 広告情報付加部
123 取得応答転送部
131 広告取得通知受信部
132 課金制御部
2 端末
3 アクセスポイント
4 サービスサーバ
5 広告サーバ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7