【文献】
”遺伝子でわかる才能・適性 検査結果例と読み方”,日本,[online],2014年10月11日,[平成27年3月20日検索],インターネット<URL:https://web.archive.org/web/20141011061904/http://idenshi-kensa.com/about/result.html>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0013】
図面を参照しながら、本発明を実施するための形態について説明する。
(本実施の形態に係るドライビングリスク算出システムの動作原理)
【0014】
図1乃至3を用いて、本実施の形態に係るドライビングリスク算出システム(以下、単に「本システム」という。)100の動作原理について説明する。なお
図1は、本システム100の機能ブロック図である。
【0015】
図1で示すように、本システム100は、遺伝子分析装置360と接続され、所定のデータの授受を行う。ここで、遺伝子分析装置360は、遺伝子検査用の検査材料(例えば、唾液)に基づいて、予め定めた所定の項目について、被験者の遺伝子的特性を分析し分析結果を出力する装置である。遺伝子分析装置360は、設定次第で広範な内容の遺伝子的特性について分析が可能であるが、本システム100との関係では、被験者が自動車の運転を行うときのリスクの大きさ230を評価するために必要な項目に関する遺伝子的特性について分析すれば十分である。
本システム100は、分析結果取得部110、基準値算出部120、相対値算出部130、ドライビングリスク算出部140を有する。
【0016】
分析結果取得部110は、遺伝子分析装置360から、所定の項目に関する、被験者の検査材料に基づく分析結果を取得する。ここで、所定の項目とは、リスクの大きさ230を評価する一側面である運動機能240を評価するための項目250、リスクの大きさ230を評価する一側面である身体機能270を評価するための項目280、リスクの大きさ230を評価する一側面である精神機能300を評価するための項目310、リスクの大きさ230を評価する一側面である性格特性330を評価するための項目340を含む。
【0017】
図2で示すように、例えば、項目250は、注意力の不足、判断力の欠如、柔軟性の欠如等を含み、項目280は、眼科疾患リスク、感覚器官疾患リスク(眼以外)、脳血管疾患リスク等を含み、項目310は、統合失調症リスク、不安障害・パニック障害リスク、神経過敏傾向リスク等を含み、項目340は、情緒不安的リスク、衝動的爆発リスク、自己中心的リスク等を含む。
【0018】
図2で示すように、分析結果取得部110が取得する分析結果は、例えば、所定の基準値に対する相対的水準を表すものであっても良く、絶対的な水準を表すものであっても良い。
【0019】
なお、遺伝子分析装置360において遺伝子分析が行われる被験者は、一般的な運転者370又は交通事故を頻繁に起こす過去履歴を有する事故多発者380である。
【0020】
基準値算出部120は、分析結果取得部110が取得した、複数の事故多発者380の検査材料(唾液等)に基づく分析結果を処理対象とする。基準値算出部120は、事故多発者380に係る評価項目250・280・310・340毎の基準値(代表値)210を算出する。基準値210は、評価項目250・280・310・340毎に、複数の事故多発者380の分析結果の平均を算出したものであっても良く、その他、事故多発者380に係る分析結果の特性(分布)を適切に表すことのできる統計量であることが好適である。
図3で示すように、基準値算出部120は、全ての評価項目250・280・310・340について基準値210を算出する。
【0021】
相対値算出部130は、評価項目250・280・310・340毎に、基準値算出部120が算出した基準値210と被験者370に係る分析結果とを比較し、基準値210に対する被験者370に係る分析結果の相対的な大きさ220を算出する。
図3で示すように、評価結果の欄の左列が基準値210とし、中央列が被験者370に係る分析結果とした場合、相対値算出部130は、例えば右列で示すように、評価項目250・280・310・340毎に、被験者370に係る分析結果から基準値210を差し引いた差分値220を算出する形態であっても良い。
【0022】
ドライビングリスク算出部140は、運動機能240に係る分析結果、身体機能270に係る分析結果、精神機能300に係る分析結果及び性格特性330に係る分析結果に基づいて、被験者370に係るリスクの大きさ230を算出する。
【0023】
ドライビングリスク算出部140は、基準値算出部120及び相対値算出部130による算出結果を参照せず、被験者370に係る分析結果のみを参照して処理を行う形態としても良い。このとき、ドライビングリスク算出部140は、被験者370の評価項目250・280・310・340に係る分析結果のみに基づいて、被験者370に係るリスクの大きさ230を算出する。ドライビングリスク算出部140は、例えば、被験者370の評価項目250・280・310・340に係る分析結果の平均を算出する形態であっても良く、各評価項目とリスクの大きさ230との関係を表す関数に基づき算出する形態であっても良い。
【0024】
また、ドライビングリスク算出部140は、被験者370についての運動機能240に係る分析結果、身体機能270に係る分析結果、精神機能300に係る分析結果及び性格特性330に係るそれぞれの分析結果に基づいて、運動機能240、身体機能270、精神機能300及び性格特性330のそれぞれを統一的に評価する評価値(代表値)260・290・320・350を一旦算出する形態としても良い。
図2最左列部で示すように、統一的に評価する評価値260〜350とは、各評価項目250〜340に係る分析結果の平均値であっても良く、各評価項目250〜340の算出対象260〜350への寄与度等を考慮した他の統計量であっても良い。
【0025】
そしてドライビングリスク算出部140は、統一的に評価する評価値260・290・320・350に基づいて、被験者370に係るリスクの大きさ230を算出する。このとき、ドライビングリスク算出部140は、リスクの大きさ230を、評価値260・290・320・350の平均値として算出しても良く、評価値260・290・320・350の加算値として算出しても良い。その他、ドライビングリスク算出部140は、運動機能240、身体機能270、精神機能300及び性格特性330それぞれの算出対象230への寄与度等を考慮し、評価値260・290・320・350を所定の関数に代入して算出する形態であっても良い。
【0026】
一方で、ドライビングリスク算出部140は、基準値算出部120及び相対値算出部130による算出結果を参照し、事故多発者380の分析結果を基準とした被験者370に係る分析結果の傾向を算出する形態としても良い。このとき、ドライビングリスク算出部140は、リスクの大きさ230として、例えば、被験者370に係る分析結果の相対的な大きさ220の平均値を算出する形態であっても良く、各相対的な大きさ220とリスクの大きさ230との関係を考慮した所定の関数に基づき算出する形態であっても良い。
【0027】
また、ドライビングリスク算出部140は、被験者370についての運動機能240、身体機能270、精神機能300及び性格特性330それぞれの大きさ220に基づいて、運動機能240、身体機能270、精神機能300及び性格特性330のそれぞれを統一的に評価する評価値(代表値)260・290・320・350を一旦算出する形態としても良い。
図3最左列部で示すように、統一的に評価する評価値260〜350とは、各評価項目250〜340に係る大きさ220の平均値であっても良く、各評価項目250〜340の算出対象260〜350への寄与度等を考慮した所定の関数に基づき算出される値であっても良い。
【0028】
そしてドライビングリスク算出部140は、統一的に評価する評価値260・290・320・350に基づいて、被験者370に係るリスクの大きさ230を算出する。このとき、ドライビングリスク算出部140は、リスクの大きさ230を、評価値260・290・320・350の平均値として算出しても良く、評価値260・290・320・350の加算値として算出しても良い。その他、ドライビングリスク算出部140は、運動機能240、身体機能270、精神機能300及び性格特性330それぞれの算出対象230への寄与度等を考慮した所定の関数に評価値260・290・320・350を代入することによって、リスクの大きさ230を算出する形態であっても良い。
【0029】
他方、ドライビングリスク算出部140は、運動機能240、身体機能270、精神機能300及び性格特性330に係る評価値と、被験者370が行った自動車の運転動作に基づく運転者適性診断の分析結果及び/又は被験者370が行った自動車運転に関する心理適性検査に基づく分析結果とを、同一又は類似の属性について統合することによって、被験者370に係る運転リスクの大きさ230を算出する形態としても良い。
【0030】
こうすることによって、本システム100は、事故に結びつくと考えられる特性について遺伝子的な分析を行い、被験者370が有する先天的因子を考慮した運転リスクの大きさ230を算出することによって、自動車の安全運転推進に寄与することができる。
【0031】
また、本システム100は、事故多発者380に係る遺伝子的特性と比較し、被験者370が有する先天的因子を考慮しかつ事故多発者380を基準とした相対的な運転リスクの大きさ230を算出することによって、自動車の安全運転推進に寄与することができる。
(本実施の形態に係るドライビングリスク算出システムのハードウエア構成)
【0032】
図4を用いて、本システム100のハードウエア構成例について説明する。
図4は、本システム100のハードウエア構成の一例を示す図である。
図4で示すように、本システム100は、CPU(Central Processing Unit)510、ROM(Read-Only Memory)520、RAM(Random Access Memory)530、補助記憶装置540、通信I/F550、入力装置560、表示装置570、記録媒体I/F580を有する。
【0033】
CPU510は、ROM520に記憶されたプログラムを実行する装置であり、RAM530に展開(ロード)されたデータを、プログラムの命令に従って演算処理し、本システム100全体を制御する。ROM520は、CPU510が実行するプログラムやデータを記憶している。RAM530は、CPU510でROM520に記憶されたプログラムを実行する際に、実行するプログラムやデータが展開(ロード)され、演算の間、演算データを一時的に保持する。
【0034】
補助記憶装置540は、基本ソフトウエアであるOS(Operating System)や本実施の形態に係るアプリケーションプログラムなどを、関連するデータとともに記憶する装置である。補助記憶装置540は、例えば、HDD(Hard Disc Drive)やフラッシュメモリなどである。
【0035】
通信I/F550は、有線・無線LAN(Local Area Network)、インターネットなどの通信ネットワークに接続し、通信機能を提供する他装置360とデータの授受を行うためのインターフェースである。
【0036】
入力装置560は、キーボードなど本システム100にデータ入力を行うための装置である。表示装置(出力装置)570は、LCD(Liquid Crystal Display)等で構成される装置であり、本システム100が有する機能をユーザーが利用する際や各種設定を行う際のユーザーインターフェースとして機能する装置である。記録媒体I/F580は、CD−ROM、DVD−ROM、USBメモリなどの記録媒体590とデータの送受信を行うためのインターフェースである。
【0037】
本システム100が有する各手段は、CPU510が、ROM520又は補助記憶装置540に記憶された各手段に対応するプログラムを実行することにより実現される形態としても良い。また、本システム100が有する各手段は、当該各手段に関する処理をハードウエアとして実現される形態としても良い。また、通信I/F550を介して外部サーバー装置から本発明に係るプログラムを読み込ませたり、記録媒体I/F580を介して記録媒体590から本発明に係るプログラムを読み込ませたりして、本システム100に当該プログラムを実行させる形態としても良い。
(本実施の形態に係るドライビングリスク算出システムによる処理例)
図5乃至7を用いて、本システム100の処理の流れについて説明する。
(1)本システム100によるドライビングリスク値230算出処理(その1)
【0038】
図5を用いて、本システム100が被験者370に係るドライビングリスク値230を算出する処理について説明する。なお、ここで説明する処理は、事故多発者380に係る遺伝子分析装置360の分析結果を考慮せずに、被験者370に係るドライビングリスク値230を算出する処理である。
【0039】
S10で遺伝子検査装置360が、被験者370に係る遺伝子検査用の検査材料(例えば、唾液)を取得する。つまり、被験者370に係る遺伝子検査用の検査材料が遺伝子検査装置360に分析対象として投入される。
【0040】
S20で遺伝子検査装置360が、被験者370が自動車の運転を行うときのリスクの大きさ230を評価するために必要な項目に関する遺伝子的特性について分析を行う。リスクの大きさ230を評価するために必要な項目とは、例えば、運動機能240、身体機能270、精神機能300及び性格特性330であり、これらを評価するための評価項目250・280・310・340である。
図2で示すように、例えば、項目250は、注意力の不足、判断力の欠如、柔軟性の欠如等を含み、項目280は、眼科疾患リスク、感覚器官疾患リスク(眼以外)、脳血管疾患リスク等を含み、項目310は、統合失調症リスク、不安障害・パニック障害リスク、神経過敏傾向リスク等を含み、項目340は、情緒不安的リスク、衝動的爆発リスク、自己中心的リスク等を含む。
【0041】
S30で分析結果取得部110が、遺伝子検査装置360から評価項目250・280・310・340に関する分析結果を取得する。
図2で示すように、分析結果取得部110が取得する分析結果は、例えば、所定の基準値に対する相対的水準を表すものであっても良く、絶対的な水準を表すものであっても良い。
【0042】
S40でドライビングリスク算出部140が、評価項目250・280・310・340に関する分析結果に基づいて、被験者370に係るリスクの大きさ230を算出する。このとき、ドライビングリスク算出部140は、リスクの大きさ230として、被験者370の評価項目250・280・310・340に係る分析結果の平均を算出する形態であっても良く、各評価項目250・280・310・340とリスクの大きさ230との関係を考慮した所定の関数に基づき算出する形態であっても良い。
【0043】
また、ドライビングリスク算出部140は、評価項目250・280・310・340に関する分析結果に基づいて、一旦、運動機能240、身体機能270、精神機能300及び性格特性330のそれぞれを統一的に評価する評価値(代表値)260・290・320・350を算出する形態としても良い。ここで、統一的に評価する評価値260〜350とは、各評価項目250〜340に係る分析結果の平均値であっても良く、各評価項目250〜340の算出対象260〜350への寄与度等を考慮した所定の関数に基づき算出される値であっても良い。
【0044】
評価値260〜350を算出した後、ドライビングリスク算出部140は、これら算出結果に基づいて、被験者370に係るリスクの大きさ230を算出する。このとき、ドライビングリスク算出部140は、リスクの大きさ230を、評価値260・290・320・350の平均値として算出しても良く、評価値260・290・320・350の加算値として算出しても良い。その他、ドライビングリスク算出部140は、運動機能240、身体機能270、精神機能300及び性格特性330それぞれの算出対象230への寄与度等を考慮し、評価値260・290・320・350を所定の関数に代入してリスクの大きさ230を算出する形態であっても良い。
【0045】
本システム100は、上記のような処理を行うことによって、被験者370が有する先天的因子を考慮した運転リスクの大きさ230を算出し、自動車の安全運転推進に寄与することができる。
(2)本システム100による事故多発者380データに基づく基準値210算出処理
【0046】
図6を用いて、本システム100が事故多発者380に係る遺伝子分析装置360の分析結果に基づいて、被験者370に係るドライビングリスク値230の算出基礎となるデータを作成する処理について説明する。
【0047】
S110で遺伝子検査装置360が、事故多発者380に係る遺伝子検査用の検査材料(例えば、唾液)を取得する。つまり、事故多発者380に係る遺伝子検査用の検査材料が遺伝子検査装置360に分析対象として投入される。このとき、分析対象となる事故多発者380は、一人ではなく複数であることが好適である。後述する基準値210を、事故多発者380の遺伝子的な傾向を示すものとして統計的に有意なものとするためである。
【0048】
S120で遺伝子検査装置360が、事故多発者380に係る検査材料(例えば、唾液)に基づいて、運動機能240、身体機能270、精神機能300及び性格特性330を評価するための評価項目250・280・310・340に関する遺伝子的特性について分析を行う。
図3で示すように、例えば、項目250は、注意力の不足、判断力の欠如、柔軟性の欠如等を含み、項目280は、眼科疾患リスク、感覚器官疾患リスク(眼以外)、脳血管疾患リスク等を含み、項目310は、統合失調症リスク、不安障害・パニック障害リスク、神経過敏傾向リスク等を含み、項目340は、情緒不安的リスク、衝動的爆発リスク、自己中心的リスク等を含む。
【0049】
S130で分析結果取得部110が、遺伝子検査装置360から、事故多発者380に係る評価項目250・280・310・340に関する分析結果を取得する。
図3で示すように、分析結果取得部110が取得する分析結果は、所定の基準値に対する相対的水準を表すものであっても良く、絶対的な水準を表すものであっても良い。
【0050】
S140で基準値算出部120が、S130において取得した分析結果に基づいて、事故多発者380に係る評価項目250・280・310・340毎の基準値(代表値)210を算出する。基準値210は、評価項目250・280・310・340毎に、複数の事故多発者380の分析結果の平均を算出したものであっても良く、その他、事故多発者380に係る分析結果の特性(分布)を適切に表すことのできる統計量であることが好適である。
【0051】
本システム100は、このような処理に基づいて、事故多発者380に係る遺伝子的特性を分析し、事故多発者380が有する先天的因子の傾向を知ることができると共に、一般運転者370の運転リスクの大きさ230を測る基準を得ることができる。
(3)本システム100によるドライビングリスク値230算出処理(その2)
【0052】
図7を用いて、本システム100が被験者370に係るドライビングリスク値230を算出する処理について説明する。ここで説明する処理は、上記(1)の処理とは異なり、事故多発者380に係る遺伝子分析装置360の分析結果を考慮して、被験者370に係るドライビングリスク値230を算出する処理である。
【0053】
S210で遺伝子検査装置360が、被験者370に係る遺伝子検査用の検査材料(例えば、唾液)を取得する。つまり、被験者370に係る遺伝子検査用の検査材料が遺伝子検査装置360に分析対象として投入される。
【0054】
S220で遺伝子検査装置360が、被験者370に係る遺伝子検査用の検査材料に基づいて、評価項目250・280・310・340に関する遺伝子的特性について分析を行う。
図3で示すように、例えば、項目250は、注意力の不足、判断力の欠如、柔軟性の欠如等を含み、項目280は、眼科疾患リスク、感覚器官疾患リスク(眼以外)、脳血管疾患リスク等を含み、項目310は、統合失調症リスク、不安障害・パニック障害リスク、神経過敏傾向リスク等を含み、項目340は、情緒不安的リスク、衝動的爆発リスク、自己中心的リスク等を含む。なお、S120において分析される評価項目とS220において分析される評価項目とは同一である。
【0055】
S230で分析結果取得部110が、遺伝子検査装置360から評価項目250・280・310・340に関する分析結果を取得する。なお、S130において分析結果取得部110が取得する分析結果と、S230において分析結果取得部110が取得する分析結果とでは、評価基準が同一である。
【0056】
S240で相対値算出部130が、評価項目250・280・310・340毎に、S140において算出された基準値210とS230において取得された被験者370に係る分析結果とを比較する。そして相対値算出部130は、基準値210に対する被験者370に係る分析結果の相対的な大きさ220を算出する。
【0057】
図3で示すように、評価結果の欄の左列が基準値210とし、中央列が被験者370に係る分析結果とした場合、相対値算出部130は、例えば右列で示すように、評価項目250・280・310・340毎に、被験者370に係る分析結果から基準値210を差し引いた差分値220を算出する。
【0058】
S250でドライビングリスク算出部140が、相対値算出部130による算出結果を参照し、事故多発者380の分析結果を基準とした被験者370に係る分析結果の傾向を算出する。ドライビングリスク算出部140は、リスクの大きさ230として、被験者370に係る分析結果の相対的な大きさ220の平均値を算出する形態であっても良い。また、ドライビングリスク算出部140は、リスクの大きさ230を、各相対的な大きさ220とリスクの大きさ230との関係を考慮した所定の関数に基づいて算出する形態であっても良い。
【0059】
また、ドライビングリスク算出部140は、一旦、運動機能240、身体機能270、精神機能300及び性格特性330それぞれの大きさ220に基づいて、運動機能240、身体機能270、精神機能300及び性格特性330のそれぞれを統一的に評価する評価値(代表値)260・290・320・350を算出する形態としても良い。
図3最左列部で示すように、統一的に評価する評価値260〜350とは、各評価項目250〜340に係る大きさ220の平均値であっても良く、各評価項目250〜340の算出対象260〜350への寄与度等を考慮した所定の関数に基づき算出した値であっても良い。
【0060】
評価値260〜350を算出した後、ドライビングリスク算出部140は、評価値260・290・320・350に基づいて、被験者370に係るリスクの大きさ230を算出する。このとき、ドライビングリスク算出部140は、リスクの大きさ230を、評価値260・290・320・350の平均値として算出しても良く、評価値260・290・320・350の加算値として算出しても良い。その他、ドライビングリスク算出部140は、運動機能240、身体機能270、精神機能300及び性格特性330それぞれの算出対象230への寄与度等を考慮した所定の関数に評価値260・290・320・350を代入することによって、リスクの大きさ230を算出する形態であっても良い。
【0061】
本システム100は、このような処理に基づいて、事故多発者380に係る遺伝子的特性と比較し、被験者370が有する先天的因子を考慮しかつ事故多発者380を基準とした相対的な運転リスクの大きさ230を算出することによって、自動車の安全運転推進に寄与することができる。
【0062】
以上、本発明の実施の形態について詳述したが、本発明は係る特定の実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲において、種々の変形・変更が可能である。
【課題】遺伝子検査を行うことによって分かる被験者の遺伝子的な特性に基づいて、運転を行う際のリスクの大きさを評価するドライビングリスク算出システム、ドライビングリスク算出方法及びドライビングリスク算出プログラムを提供する。
【解決手段】遺伝子分析装置360が出力する自動車運転のリスクを評価する運動機能を評価する分析結果、身体機能を評価する分析結果、精神機能を評価する分析結果及び性格特性を評価する分析結果を取得する分析結果取得部110と、運動機能、身体機能、精神機能及び性格特性に係る各分析結果に基づいて、被験者に係るリスクの大きさを算出するドライビングリスク算出部140と、を有する。