(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下の実施例は本発明をさらに説明するが、本発明の範囲を限定することを意図するものではない。当業者は、本発明の精神の範囲から逸脱することなく、本発明を変更し、改変することができることを理解するであろう。
【実施例1】
【0025】
N,N−ジメチル−3−[(ベンゾ[1,3]ジオキソラン−4−イル)−オキシ]−3−(チオフェン−2−イル)プロピルアミンシュウ酸塩(I
1)の調製
【化8】
【0026】
1.1:3−ジメチルアミノ−1−(チオフェン−2−イル)−1−アセトン塩酸塩の調製
2−アセチルチオフェン(20.0g、0.16モル)と、塩酸ジメチルアミン(16.8g、0.21モル)と、パラホルムアルデヒド(9.5g、0.32モル)と、50mLの無水エタノールを150mLの三口ビンに入れた。混合物に濃塩酸を加えて3〜4のpHを達成し、8時間加熱還流した。反応を止め、反応混合物を室温に冷却し、一晩凍結し、真空で濾過した。濾過ケーキを白くなるまで冷却無水エタノールで洗浄して収率89.6%で31.2gの白色結晶を得た。MS(m/e):184.3(M+1
+)。
【0027】
1.2:3−ジメチルアミノ−1−(チオフェン−2−イル)−1−プロパノールの調製
3−ジメチルアミノ−1−(2−チエニル)−1−アセトン塩酸塩(30.8g、0.14モル)を150mLの蒸留水に溶解した。2.5Mの水酸化ナトリウム水溶液を一滴ずつ混合物に加えて約10のpHを達成し、酢酸エチルで抽出した(100mLで3回)。有機相を合わせ、飽和塩化ナトリウム水溶液で2回洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、減圧下で蒸留して酢酸エチルを除き、それによって黄色の油状液を得た。その液を30mLの無水テトラヒドロフランに溶解し、LiAlH
4(7.8g、0.21モル)の100mL無水テトラヒドロフラン溶液に混合物を一滴ずつゆっくり加え、氷槽にて反応温度を0〜5℃に制御した。氷槽を取り外し、室温にて2時間反応を行い、止めた。無水エタノールに反応液を一滴ずつゆっくり加え、残留LiAlH
4が完了した後、真空下、固形物を濾過によって除いた。テトラヒドロフランを減圧下で留去し、残留物をジクロロメタン(50mLで3回)で抽出した。有機相を合わせ、飽和塩化ナトリウム水溶液で2回洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、蒸留してジクロロメタンを除き、収率88.3%で白色の固形物として22.9gの3−ジメチルアミノ−1−(チオフェン−2−イル)−1−プロパノールを得た。
1H-NMR δ (ppm, CD
3COCD
3-d
6): 7.28-7.30(dd,1H,Ar-H); 6.92-6.96(m,2H,Ar-H); 5.06-5.09(t,1H,C
HOH); 2.87(s,1H,OH); 2.55-2.62(m,1H,C
H2N); 2.40-2.47 (m,1H, C
H2N); 2.23(s,6H,N(C
H3)
2); 1.86-1.91(m,2H,C
H2CH
2N)。
【0028】
1.3:N,N−ジメチル−3−[(ベンゾ[1,3]ジオキソラン−4−イル)−オキシ]−3−(チオフェン−2−イル)プロピルアミンシュウ酸塩(I
1)の調製
3−ジメチルアミノ−1−(チオフェン−2−イル)−1−プロパノール(1.85g、0.01モル)と、4−ヒドロキシル−ベンゾ[1,3]ジオキソラン(1.38g、0.01モル)と、トリフェニルホスフィン(3.93g、0.015モル)を80mLの無水テトラヒドロフランに溶解した。ジエチルアゾジカルボキシレート(2.61g、0.015モル)の20mL無水テトラヒドロフラン溶液に混合物を一滴ずつゆっくり加え、氷塩槽にて反応温度を−5℃未満に制御した。添加が完了した後、氷塩槽を取り外し、室温にて反応を24時間行った。反応終了後、減圧下でテトラヒドロフランを留去し、得られた油状液を100mLの酢酸エチルに溶解し、希釈した水酸化ナトリウム水溶液と飽和塩化ナトリウム水溶液で別々に1回ずつ洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、シリカゲルカラムクロマトグラフィによって分離して、淡黄色の油状液として1.07gのN,N−ジメチル−3−[(ベンゾ[1,3]ジオキソラン−4−イル)−オキシ]−3−(チオフェン−2−イル)プロピルアミンを得、それを30mLの酢酸エチルに溶解し、シュウ酸(0.32g、0.035モル)を加えて淡黄色の固形物を生成した。混合物を加熱還流し、室温に冷却し、2時間凍結し、濾過した。濾過ケーキを冷却酢酸エチルで洗浄して収率33.2%で融点85〜88℃の淡黄色の粉末状固形物として1.31gの標的化合物を得た。MS(m/e):306.5(M+1
+)。
1H-NMR δ (ppm, DMSO-d
6): 7.46-7.48(d,1H,5′-H); 7.11-7.12 (d,1H,3′-H); 6.95-6.97(dd,1H,4′-H); 6.66-6.70(t,1H,6-H); 6.53-6.59(dd,2H,5,7-H); 5.97-5.98(d, 2H,2-H); 5.71-5.75(t,1H,CHO); 2.27-2.30(t,2H,CH
2N); 2.19-2.21(m,1H,C
H2 CH
2N); 2.11(s,6H,N(C
H3)
2); 2.06-2.08(m,1H, C
H2CH
2N)。
【実施例2】
【0029】
N−メチル−3−[(ベンゾ[1,3]ジオキソラン−4−イル)−オキシ]−3−(チオフェン−2−イル)プロピルアミンシュウ酸塩(I
2)の調製
【化9】
【0030】
N,N−ジメチル−3−[(ベンゾ[1,3]ジオキソラン−4−イル)−オキシ]−3−(チオフェン−2−イル)プロピルアミン(1.26g、4.14ミリモル)を50mLの無水トルエンに溶解した。混合物を加熱還流し、クロロギ酸フェニル(0.78g、4.97ミリモル)の10mL無水トルエン溶液に0.5時間かけて一滴ずつ加えた。添加の完了後、還流を1時間維持し、次いで反応を終了し、室温に冷却した。有機相を2.5Mの水酸化ナトリウム水溶液(20mLで3回)で洗浄し、有機相を蒸留水で中性まで洗浄し、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過して乾燥剤を除き、減圧下で蒸留してトルエンを除いて淡黄色の油を得た。
【0031】
40mLの1,2−プロピレングリコールを上記の油に加え、水酸化ナトリウム(1.65g、4.14ミリモル)を10mLの蒸留水に溶解し、上記の1,2−プロピレングリコール溶液に加えた。混合物を3時間加熱還流し、次いで反応を終了し、室温に冷却し、希塩酸水溶液を加えて約3のpHに調整し、室温にて1時間撹拌し、n−ヘキサン(30mLで3回)で抽出し、水酸化ナトリウム水溶液を添加して約10のpHに調整し、酢酸エチル(30mLで3回)で抽出した。有機相を飽和生理食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過して乾燥剤を除き、減圧下で蒸留して約20mLの残留物まで溶媒を除いた。次いで残留物に0.37g(4.14ミリモル)のシュウ酸を加えて白色の沈殿物を生成した。混合物を0.5時間加熱還流し、室温に冷却し、4時間凍結した。真空下で濾過した後、濾過ケーキを冷却酢酸エチルで洗浄して収率21.6%で融点120〜123℃白色の粉末状固形物として0.34gの標的化合物を得た。MS(m/e):292.2(M+1
+)、314.3(M+Na
+)。
1H-NMR δ (ppm, DMSO-d
6): 7.46-7.48(d,1H,5′-H); 7.11-7.12 (d,1H,3′-H); 6.95-6.97(dd,1H,4′-H); 6.66-6.70(t,1H,6-H); 6.58-6.60(d,2H,7-H); 6.53-6.55 (d,1H, 5-H); 5.96-5.98(dd,1H,2-H); 5.76-5.79(t,1H,CHO); 2.50-2.52(t,2H,C
H2N); 2.24(s, 6H,N(C
H3)
2); 2.11-2.19 (m,1H,C
H2CH
2N); 1.90 -1.98(m,1H, C
H2CH
2N)。
【実施例3】
【0032】
N,N−ジエチル−3−[(ベンゾ[1,3]ジオキソラン−4−イル)−オキシ]−3−(チオフェン−2−イル)プロピルアミンシュウ酸塩(化合物I
3)の調製
【化10】
【0033】
3.1:3−ジエチルアミノ−1−(チオフェン−2−イル)−1−アセトン塩酸塩の調製
2−アセチルチオフェン(20.0g、0.16モル)と、塩酸ジエチルアミン(15.3g、0.21モル)と、パラホルムアルデヒド(9.5g、0.32モル)と、50mLの無水エタノールを150mLの三口ビンに入れた。混合物に濃塩酸を一滴ずつ加えて3〜4のpHを達成し、8時間加熱還流した。反応を止め、室温に冷却し、一晩凍結し、真空下で濾過した。濾過ケーキを白くなるまで冷却無水エタノールで洗浄して収率78.6%で31.1gの淡黄色結晶として31.1gの3−ジエチルアミノ−1−(チオフェン−2−イル)−1−アセトン塩酸塩を得た。MS(m/e):212.3(M+1
+)。
【0034】
3.2:3−ジエチルアミノ−1−(チオフェン−2−イル)−1−プロパノールの調製
3−ジエチルアミノ−1−(2−チエニル)−1−アセトン塩酸塩(7.92g、0.032モル)を50mLの蒸留水に溶解した。2.5MのNaOH水溶液を一滴ずつ混合物に加えて約10のpHを達成し、酢酸エチルで抽出した(20mLで3回)。有機相を合わせ、飽和塩化ナトリウム水溶液で2回洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、蒸留して酢酸エチルを除いた。得られた黄色の油状液を20mLの無水テトラヒドロフランに溶解し、LiAlH
4(1.78g、0.0481モル)の50mL無水テトラヒドロフラン溶液に一滴ずつゆっくり加え、その際、氷槽を用いて反応温度を制御した。添加後、氷槽を取り外し、2時間反応を行い、次いで止めた。無水エタノールを反応液に一滴ずつゆっくり加えた。残留LiAlH
4の完全な反応の後、真空下で固形物を濾過によって除き、テトラヒドロフランを減圧下で留去し、残留物をジクロロメタン(20mLで3回)で抽出した。有機相を合わせ、飽和塩化ナトリウム水溶液で2回洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、蒸留してジクロロメタンを除き、収率87.0%で深黄色の油状液として5.93gの3−ジエチルアミノ−1−(チオフェン−2−イル)−1−プロパノールを得た。
1H-NMR δ (ppm, DMSO-d
6): 7.347.35 (dd,1H,Ar-H); 6.93-6.95 (dd,H,Ar-H); 6.91-6.92 (dd,H,Ar-H); 5.95 (s,1H,OH); 4.86-4.89(t,1H,C
HOH); 2.56-2.37 (m,6H, C
H2N(C
H2CH
3)
2); 1.76-1.81 (m,2H,C
H2CH
2N); 0.92-0.95 (m,6H,N(CH
2C
H3)
2)。
【0035】
3.3:N,N−ジエチル−3−[(ベンゾ[1,3]ジオキソラン−4−イル)−オキシ]−3−(チオフェン−2−イル)プロピルアミンシュウ酸塩(化合物I
3)の調製
3−ジエチルアミノ−1−(チオフェン−2−イル)−1−プロパノール(2.11g、0.01モル)と、5−ヒドロキシル−ベンゾ[1,3]ジオキソラン(1.38g、0.01モル)と、トリフェニルホスフィン(3.93g、0.015モル)を80mLの無水テトラヒドロフランに溶解した。ジエチルアゾジカルボキシレート(2.61g、0.015モル)の20mL無水テトラヒドロフラン溶液に混合物を一滴ずつゆっくり加え、氷塩槽を用いて反応温度を−5℃未満に制御した。添加が完了した後、氷塩槽を取り外し、室温にて反応を24時間行った。反応終了後、減圧下でテトラヒドロフランを留去し、得られた油状液を100mLの酢酸エチルに溶解した。混合物を、希釈した水酸化ナトリウム水溶液と飽和塩化ナトリウム水溶液でそれぞれ洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、シリカゲルカラムクロマトグラフィによって分離して、収率31.8%で淡黄色の油状液として1.06gの標的化合物を得た。MS(m/e):334.2(M+1
+)。
1H-NMR δ (ppm, DMSO-d
6): 7.25-7.26(dd,1H,5′-H); 6.97-6.98 (d,1H,3′-H); 6.81-6.83(dd,1H,4′-H); 6.52-6.56 (t,1H,6-H); 6.42-6.44(d,1H,7-H); 6.34-6.36(d,1H, 5-H); 5.81-5.82(d,2H,2-H); 5.68-5.71(t,1H,CHO); 2.34-2.54(m,6H, C
H2N(C
H2CH
3)
2); 2.06-2.12(m, 1H, C
H2CH
2N); 1.86-1.92(m,1H,C
H2CH
2N); 0.80-0.84(t,6H, N(CH
2C
H3)
2)。
【実施例4】
【0036】
1−[3−(ベンゾ[1,3]ジオキソラン−4−イル−オキシ)−3−(チオフェン−2−イル)−プロピル]−ピロリジンシュウ酸塩(化合物I
4)の調製
【化11】
【0037】
4.1:3−(テトラヒドロピロール−1−イル)−1−(チオフェン−2−イル)−1−アセトン塩酸塩の調製
2−アセチルチオフェン(8.82g、0.070モル)と、テトラヒドロピロール(6.15g、0.087モル)と、パラホルムアルデヒド(3.90g、0.13モル)と、30mLの無水エタノールを100mLの三口ビンに入れた。混合物に濃塩酸を一滴ずつ加えて3〜4のpHを達成し、8時間加熱還流した。反応を止め、室温に冷却し、一晩凍結し、濾過した。濾過ケーキを白くなるまで冷却無水エタノールで洗浄して収率77.6%で淡黄色結晶として13.3gの3−(テトラヒドロピロール−1−イル)−1−(チオフェン−2−イル)−1−アセトン塩酸塩を得た。MS(m/e):210.4(M+1
+)。
【0038】
4.2:3−(テトラヒドロピロール−1−イル)−1−(チオフェン−2−イル)−1−プロパノールの調製
3−(テトラヒドロピロール−1−イル)−1−(チオフェン−2−イル)−1−アセトン塩酸塩(12.3g、0.050モル)を50mLの蒸留水に溶解した。2.5Mの水酸化ナトリウム水溶液を一滴ずつ混合物に加えて約10のpHを達成し、酢酸エチルで抽出した(20mLで3回)。有機相を合わせ、飽和塩化ナトリウム水溶液で2回洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、蒸留して酢酸エチルを除いた。得られた黄色の油状液を15mLの無水テトラヒドロフランに溶解し、LiAlH
4(2.78g、0.075モル)の50mL無水テトラヒドロフラン溶液に一滴ずつゆっくり加え、氷槽を用いて反応温度を制御した。滴下後、氷槽を取り外し、室温にて2時間反応を行い、次いで止めた。無水エタノールを反応液に一滴ずつゆっくり加えた。残留LiAlH
4の完全な反応の後、真空下で固形物を濾過によって除き、テトラヒドロフランを減圧下で留去し、残留物をジクロロメタン(20mLで3回)で抽出した。有機相を合わせ、飽和塩化ナトリウム水溶液で2回洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、蒸留してジクロロメタンを除き、収率84.6%で8.92gの深黄色の油状液を得た。
%.
1H-NMR δ (ppm, DMSO-d
6): 7.35-7.36(dd,1H,Ar-H); 6.93-6.95(m,H,Ar-H); 6.91-6.92(m,H,Ar-H); 5.81(s,1H, OH); 4.86-4.89(t,1H,CHO); 2.40-2.53(m,6H, C
H2N(C
H2CH
3)
2); 1.78-1.85(m,2H, HOCHC
H2CH
2N); 1.62-1.70(m,4H,CH
2C
H2 C
H2CH
2)。
【0039】
4.3:1−[3−(ベンゾ[1,3]ジオキソラン−4−イル−オキシ)−3−(チオフェン−2−イル)−プロピル]−ピロリジンシュウ酸塩(化合物I
4)の調製
3−(テトラヒドロピロール−1−イル)−1−(チオフェン−2−イル)−1−プロパノール(2.11g、0.01モル)と、5−ヒドロキシルベンゾ[1,4]ジオキソラン(1.38g、0.01モル)と、トリフェニルホスフィン(3.93g、0.015モル)を80mLの無水テトラヒドロフランに溶解した。ジエチルアゾジカルボキシレート(2.61g、0.015モル)の20mL無水テトラヒドロフラン溶液に混合物を一滴ずつゆっくり加え、氷塩槽によって反応温度を−5℃未満に制御した。添加後、氷塩槽を取り外し、室温にて反応を24時間行った。反応終了後、減圧下でテトラヒドロフランを留去し、得られた油状液を100mLの酢酸エチルに溶解した。混合物を、希釈した水酸化ナトリウム水溶液と飽和塩化ナトリウム水溶液でそれぞれ洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、シリカゲルカラムクロマトグラフィによって分離して、1.12gの淡黄色の油状液を得た。その油状液を30mLの酢酸エチルに溶解し、シュウ酸(0.30g、0.034モル)を加えて白色の固形物を生成した。混合物を加熱還流し、室温に冷却し、2時間凍結し、真空下で濾過した。濾過ケーキを冷却酢酸エチルで洗浄して収率28.2%で融点105〜108℃の白色の粉末状固形物として1.18gの標的化合物を得た。MS(m/e):332.5(M+1
+)。
1H-NMR δ (ppm, DMSO-d
6): 7.47-7.48(dd,1H,5′-H); 7.11-7.12 (d,1H,3′-H); 6.95-6.97(dd,1H,4′-H); 6.66-6.70 (t,1H,6-H); 6.57-6.59(d,1H,7-H); 6.53-6.55(d,1H, 5-H); 5.97-5.98(d,2H,2-H); 5.72-5.75(t,1H,CHO); 2.40-2.50(m,6H, C
H2N(C
H2CH
3)
2); 2.16-2.25(m, 1H,HOCHC
H2CH
2N); 1.94-2.03(m,1H, HOCHC
H2CH
2N; 1.67(s, 4H, CH
2C
H2C
H2CH
2)。
【実施例5】
【0040】
1−[3−(ベンゾ[1,3]ジオキソラン−4−イル−オキシ)−3−(チオフェン−2−イル)−プロピル]−ピペリジンシュウ酸塩(化合物I
5)の調製
【化12】
【0041】
5.1:3−(ピペリジン−1−イル)−1−(チオフェン−2−イル)−アセトン塩酸塩の調製
2−アセチルチオフェン(8.82g、0.070モル)と、ピペリジン(7.37g、0.087モル)と、パラホルムアルデヒド(3.90g、0.13モル)と、30mLの無水エタノールを100mLの三口ビンに入れた。混合物に濃塩酸を一滴ずつ加えて3〜4のpHを達成し、8時間加熱還流した。反応を終了し、室温に冷却し、一晩凍結し、真空下で濾過した。濾過ケーキを白くなるまで冷却無水エタノールで洗浄して収率74.6%で13.3gの淡黄色結晶を得た。MS(m/e):224.3(M+1
+)。
【0042】
5.2:3−(ピペリジン−1−イル)−1−(チオフェン−2−イル)−1−プロパノールの調製
3−(ピペリジン−1−イル)−1−(チオフェン−2−イル)−アセトン塩酸塩(13.0g、0.050モル)を50mLの蒸留水に溶解した。2.5Mの水酸化ナトリウム水溶液を一滴ずつ混合物に加えて約10のpHを達成し、酢酸エチルで抽出した(20mLで3回)。有機相を合わせ、飽和塩化ナトリウム水溶液で2回洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、蒸留して酢酸エチルを除いた。得られた黄色の油状液を15mLの無水テトラヒドロフランに溶解し、LiAlH
4(2.78g、0.075モル)の50mL無水テトラヒドロフラン溶液に一滴ずつゆっくり加え、氷槽によって反応温度を制御した。添加後、氷槽を取り外した。室温にて2時間反応を行い、次いで止めた。無水エタノールを反応液に一滴ずつゆっくり加えた。残留LiAlH
4の完全な反応の後、真空下で固形物を濾過によって除き、テトラヒドロフランを減圧下で留去し、残留物をジクロロメタン(20mLで3回)で抽出した。有機相を合わせ、飽和塩化ナトリウム水溶液で2回洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、蒸留してジクロロメタンを除き、収率82.3%で9.26gの深黄色の油状液を得た。
%.
1H-NMR δ (ppm, DMSO-d
6): 7.33-7.34(dd,1H,Ar-H); 6.93-6.95(dd,1H, Ar-H); 6.91-6.92(m,1H,Ar-H); 5.93(s,1H,OH); 4.86-4.89(t,1H,CHOH); 2.29-2.50 (m,6H, C
H2N(C
H2CH
2)
2); 1.79-1.86(m,2H,HOCHC
H2CH
2N); 1.45-1.51(m,4H,N(CH
2C
H2)
2CH
2); 1.38-1.42 (m, 2H, (CH
2CH
2)
2C
H2)。
【0043】
5.3:1−[3−(ベンゾ[1,3]ジオキソラン−4−イル−オキシ)−3−(チオフェン−2−イル)−プロピル]−ピペリジンシュウ酸塩(化合物I
5)の調製
3−(ピペリジン−1−イル)−1−(チオフェン−2−イル)−1−プロパノール(2.25g、0.01モル)と、5−ヒドロキシル−ベンゾ[1,4]ジオキソラン(1.38g、0.01モル)と、トリフェニルホスフィン(3.93g、0.015モル)を80mLの無水テトラヒドロフランに溶解した。ジエチルアゾジカルボキシレート(2.61g、0.015モル)の20mL無水テトラヒドロフラン溶液に混合物を一滴ずつゆっくり加え、氷塩槽によって反応温度を−5℃未満に制御した。添加の完了後、氷塩槽を取り外した。室温にて反応を24時間行った。反応終了後、減圧下でテトラヒドロフランを留去し、得られた油状液を100mLの酢酸エチルに溶解した。混合物を、希釈した水酸化ナトリウム水溶液と飽和塩化ナトリウム水溶液でそれぞれ洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、シリカゲルカラムクロマトグラフィによって分離して、1.45gの淡黄色の油状液を得た。その油状液を30mLの酢酸エチルに溶解し、シュウ酸(0.38g、0.042モル)を加えて白色の固形物を生成した。混合物を加熱還流し、室温に冷却し、2時間凍結し、真空下で濾過した。濾過ケーキを冷却酢酸エチルで洗浄して収率35.2%で融点118〜120℃の白色の粉末状固形物として1.53gの標的化合物を得た。MS(m/e):346.4(M+1
+)。
1H-NMR δ (ppm, DMSO-d
6): 7.47-7.48(d,1H,5′-H); 7.10-7.11(d,1H,3′-H); 6.95-6.97(dd,1H,4′-H); 6.67-6.71(t,1H,6-H); 6.58-6.60(d,1H,7-H); 6.53-6.55(d,1H, 5-H); 5.97-5.98(d,2H, 2-H); 5.71-5.74(t,1H,CHO); 2.30-2.32(m,6H, C
H2N(C
H2CH
2)
2); 2.13-2.05(m,1H, HOCHC
H2CH
2N); 1.93-2.01(m,1H, HOCHC
H2CH
2N); 1.45-1.49(m,4H, N(CH
2C
H2)
2CH
2)); 1.35-1.37(m,2H, (CH
2CH
2)
2C
H2)。
【実施例6】
【0044】
N,N−ジメチル−[3−(ベンゾ[1,3]ジオキソラン−4−イル−オキシ)−3−(フラン−2−イル)]−プロピルアミンシュウ酸塩(化合物I
6)の調製
【化13】
【0045】
6.1:3−ジメチルアミノ−1−(フラン−2−イル)−1−アセトン塩酸塩の調製
2−アセチルフラン(17.6g、0.16モル)と、塩酸ジメチルアミン(16.8g、0.21モル)と、パラホルムアルデヒド(9.5g、0.32モル)と、50mLの無水エタノールを150mLの三口ビンに入れた。混合物に濃塩酸を一滴ずつ加えて3〜4のpHを達成し、8時間加熱還流した。反応を終了し、室温に冷却し、一晩凍結し、真空下で濾過した。濾過ケーキを冷却無水エタノールで洗浄して収率86.4%で淡黄色の結晶として28.1gの3−ジメチルアミノ−1−(フラン−2−イル)−1−アセトン塩酸塩を得た。MS(m/e):168.3(M+1
+)。
【0046】
6.2:3−ジメチルアミノ−1−(フラン−2−イル)−1−プロパノールの調製
ジメチルアミノ−1−(フラン−2−イル)−1−アセトン塩酸塩(24.4g、0.12モル)を120mLの蒸留水に溶解した。2.5Mの水酸化ナトリウム水溶液を一滴ずつ混合物に加えて約10のpHを達成し、酢酸エチルで抽出した(80mLで3回)。有機相を合わせ、飽和塩化ナトリウム水溶液で2回洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、減圧下で蒸留して酢酸エチルを除いた。得られた黄色の油状液を30mLの無水テトラヒドロフランに溶解し、LiAlH
4(6.7g、0.18モル)の100mL無水テトラヒドロフラン溶液に混合物を一滴ずつゆっくり加え、氷槽にて反応温度を制御した。添加後、氷槽を取り外し、室温にて2時間反応を行い、次いで止めた。無水エタノールを反応液に一滴ずつゆっくり加えた。残留LiAlH
4の完全な反応の後、真空下で固形物を濾過によって除き、テトラヒドロフランを減圧下で留去し、残留物をジクロロメタン(50mLで3回)で抽出した。有機相を合わせ、飽和塩化ナトリウム水溶液で2回洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、蒸留してジクロロメタンを除き、収率82.6%で黄色の油状液として16.8gの3−ジメチルアミノ−1−(フラン−2−イル)−1−プロパノールを得た。
1H-NMR δ (ppm, DMSO-d
6): 7.55(s,1H,Ar-H); 6.36-6.37(m,1H,Ar-H); 6.22-6.23(d,1H, Ar-H); 5.45(s,1H,OH); 4.56-4.59(t,1H,C
HOH); 2.24-2.50(m,2H, C
H2N); 2.11(s,6H, N(CH
3)
2); 1.76-1.83(m,2H,C
H2CH
2N)。
【0047】
6.3:N,N−ジメチル−[3−(ベンゾ[1,3]ジオキソラン−4−イル−オキシ)−3−(フラン−2−イル)]−プロピルアミンシュウ酸塩(化合物I
6)の調製
3−ジメチルアミノ−1−(フラン−2−イル)−1−プロパノール(1.69g、0.01mg)と、4−ヒドロキシル−ベンゾ[1,3]ジオキソラン(1.38g、0.01モル)と、トリフェニルホスフィン(3.93g、0.015モル)を80mLの無水テトラヒドロフランに溶解した。ジエチルアゾジカルボキシレート(2.61g、0.015モル)の20mL無水テトラヒドロフラン溶液に混合物を一滴ずつゆっくり加え、氷塩槽によって反応温度を−5℃未満に制御した。添加の完了後、氷塩槽を取り外した。室温にて反応を24時間行った。反応終了後、減圧下でテトラヒドロフランを留去し、得られた油状液を100mLの酢酸エチルに溶解した。希釈した水酸化ナトリウム水溶液と飽和塩化ナトリウム水溶液でそれぞれ洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、シリカゲルカラムクロマトグラフィによって分離して、淡黄色の油状液として1.07gのN,N−ジメチル−3−[(ベンゾ[1,3]ジオキソラン−4−イル−オキシ)−3−(フラン−2−イル)]−プロピルアミンを得た。その油状液を20mLの酢酸エチルに溶解し、混合物を0.23gのシュウ酸(0.026モル)に加えて淡黄色の固形物を生成し、加熱還流し、室温に冷却し、2時間凍結し、真空下で濾過した。濾過ケーキを冷却酢酸エチルで洗浄して収率23.2%で融点97〜101℃の淡黄色の粉末状固形物として0.88gの標的化合物を得た。MS(m/e):290.4(M+1
+)、312.5(M+Na
+)。
1H-NMR δ (ppm, DMSO-d
6): 7.63-7.64(dd,1H,5′-H); 6.62-6.66(t,1H,6-H); 6.60-6.62(d,1H,5-H); 6.55-6.57 (d,1H,7-H); 6.46-6.47(d,1H, 3′-H); 6.39-6.41(dd,1H, 4′-H); 5.95-5.97(dd,1H,2-H); 5.44-5.47(t,1H,CHO); 2.24-2.28(t,2H,CH
2N); 1.99-2.19 (m,2H,C
H2CH
2N); 2.11(s,6H,N(CH
3)
2)。
【実施例7】
【0048】
N−メチル−[3−(ベンゾ[1,3]ジオキソラン−4−イル−オキシ)−3−(フラン−2−イル)]−プロピルアミンシュウ酸塩(化合物I
7)の調製
【化14】
【0049】
N,N−ジメチル−3−[(ベンゾ[1,3]ジオキソラン−4−イル−オキシ)−3−(フラン−2−イル)]−プロピルアミン(0.59g、2.03ミリモル)を30mLの無水トルエンに溶解した。混合物を加熱還流し、クロロギ酸フェニル(0.78g、4.97ミリモル)の10mL無水トルエン溶液に0.5時間以内に一滴ずつ加えた。添加の完了後、還流を1時間維持し、次いで反応を終了し、室温に冷却した。有機相を2.5Mの水酸化ナトリウム水溶液(20mLで3回)で洗浄し、蒸留水で中性まで洗浄し、1.0Mの塩酸水溶液(20mLで3回)で洗浄し、蒸留水で中性まで洗浄し、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、次いで無水硫酸ナトリウム上で乾燥させた。濾過によって乾燥剤を除き、減圧下で蒸留によってトルエンを除いて黄色の油を得た。
【0050】
30mLの1,2−プロピレングリコールを上記黄色の油に加え、8mLの蒸留水に溶解した0.81gの水酸化ナトリウム(2.03ミリモル)を上記の1,2−プロピレングリコール溶液に加えた。混合物を3時間加熱還流し、反応の終了後、室温に冷却し、希塩酸水溶液を加えて約3のpHを達成し、室温にて1時間撹拌して反応を行い、n−ヘキサン(20mLで3回)で抽出し、次いで水酸化ナトリウム水溶液を添加して約10のpHを達成し、酢酸エチル(20mLで3回)で抽出した。有機相を飽和生理食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させた。濾過によって乾燥剤を除き、真空下で蒸留によって溶媒を除き約15mLの残留物を得た。次いで残留物に0.18g(2.03ミリモル)のシュウ酸を加えて白色の沈殿物を生成した。混合物を0.5時間加熱還流し、室温に冷却し、4時間凍結した。濾過した後、濾過ケーキを冷却酢酸エチルで洗浄して収率17.8%で融点130〜133℃白色の粉末状固形物として0.13gの標的化合物を得た。MS(m/e):276.1(M+1
+)、298.0(M+Na
+)。
1H-NMR δ (ppm, DMSO-d
6): 7.63-7.64(dd,1H,5′-H); 6.69-6.73(t,1H,6-H); 6.62-6.64(d,1H,5-H); 6.55-6.57 (d,1H,7-H); 6.46-6.47(d,1H, 3′-H); 6.40-6.41(dd,1H, 4′-H); 5.95-5.97(dd,1H,2-H); 5.49-5.52(t,1H,CHO); 2.50-2.53(t,2H,C
H2N); 2.25(s, 6H,NCH
3); 2.10-2.16 (m, H, C
H2CH
2N); 1.99-2.05 (m,H, C
H2CH
2N)。
【実施例8】
【0051】
N,N−ジメチル−3−[(ベンゾ[1,4]ジオキサン−5−イル−オキシ)−3−(チオフェン−2−イル)−プロピルアミン]シュウ酸塩(化合物I
8)の調製
【化15】
【0052】
3−ジメチルアミノ−1−(チオフェン−2−イル)−1−プロパノール(1.85g、0.01モル)と、5−ヒドロキシル−ベンゾ[1,4]ジオキサン(1.52g、0.01モル)と、トリフェニルホスフィン(3.93g、0.015モル)を80mLの無水テトラヒドロフランに溶解した。ジエチルアゾジカルボキシレート(2.61g、0.015モル)の20mL無水テトラヒドロフラン溶液に混合物を一滴ずつゆっくり加え、氷塩槽によって反応温度を−5℃未満に制御した。添加の完了後、氷塩槽を取り外し、室温にて反応を24時間行った。反応後、減圧下でテトラヒドロフランを留去し、得られた油状液を100mLの酢酸エチルに溶解した。混合物を、希釈した水酸化ナトリウム水溶液と飽和塩化ナトリウム水溶液でそれぞれ洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、シリカゲルカラムクロマトグラフィによって分離して、黄色の油として1.56gのN,N−ジメチル−3−[(ベンゾ[1,4]ジオキサン−5−イル−オキシ)−3−(チオフェン−2−イル)−プロピルアミン]を得た。その黄色の油を50mLの酢酸エチルに溶解し、混合物を0.41gのシュウ酸(0.045モル)に加えて淡黄色の沈殿物を生成し、加熱還流し、室温に冷却し、2時間凍結し、真空下で濾過した。濾過ケーキを冷却酢酸エチルで洗浄して収率39.1%で融点89〜92℃の淡黄色の粉末状固形物として1.69gの標的化合物を得た。MS(m/e):320.5(M+1
+)。
1H-NMR δ (ppm, CDCl
3-d
3): 7.22-7.24(dd,1H,5′-H); 6.99-7.00 (d,1H,3′-H); 6.92-6.94(dd,1H,4′-H); 6.61-6.65(t,1H,7-H); 6.49-6.51(d, 2H,6,8-H); 5.48-5.51(t,1H, CHO); 4.23-4.31(t,4H,2,3-H); 2.44-2.47(t,2H,C
H2N); 2.35-2.42(m,1H,C
H2CH
2N); 2.25(s,6H,N(C
H3)
2); 2.08-2.13(m,1H, C
H2CH
2N)。
【実施例9】
【0053】
N−メチル−3−[(ベンゾ[1,4]ジオキサン−5−イル−オキシ)−3−(チオフェン−2−イル)−プロピルアミン]シュウ酸塩(化合物I
9)の調製
【化16】
【0054】
N,N−ジメチル−3−[(ベンゾ[1,4]ジオキサン−5−イル−オキシ)−3−(チオフェン−2−イル)−プロピルアミン](0.78g、2.44ミリモル)を50mLの無水トルエンに溶解した。混合物を加熱還流し、クロロギ酸フェニル(0.46g、2.93ミリモル)の10mL無水トルエン溶液に0.5時間かけて一滴ずつ加えた。添加の終了後、還流を1時間維持し、次いで反応を終了し、室温に冷却した。有機相を2.5Mの水酸化ナトリウム水溶液(20mLで3回)で洗浄し、蒸留水で中性まで洗浄し、次いで1.0Mの塩酸水溶液(20mLで3回)で洗浄し、蒸留水で中性まで洗浄し、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させた。濾過によって乾燥剤を除き、減圧下でトルエンを留去して黄色の油を得た。
【0055】
30mLの1,2−プロピレングリコールを上記黄色の油に加え、8mLの蒸留水に溶解した水酸化ナトリウム(0.98g、2.44ミリモル)を上記の1,2−プロピレン溶液に加えた。混合物を3時間加熱還流し、反応を終了し、室温に冷却し、希塩酸水溶液を加えて約3のpHを達成し、室温にて1時間撹拌して反応を行い、n−ヘキサン(20mLで3回)で抽出し、水酸化ナトリウム水溶液を添加して約10のpHを達成し、酢酸エチル(20mLで3回)で抽出した。有機相を飽和生理食塩水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過して乾燥剤を除き、真空下で蒸留して溶媒を除き約15mLの残留物を得た。次いで残留物を0.22g(2.44ミリモル)のシュウ酸に加えて白色の沈殿物を生成した。混合物を0.5時間加熱還流し、室温に冷却し、4時間凍結した。真空下で濾過した後、濾過ケーキを冷却酢酸エチルで洗浄して収率31.4%で融点128〜131℃の淡黄色の粉末状固形物として0.30gの標的化合物を得た。MS(m/e):306.4(M+1
+)、328.1(M+Na
+)。
1H-NMR δ (ppm, DMSO-d
6): 7.45-7.46(dd,1H,5′-H); 7.09-7.10 (dd,1H,3′-H); 6.95-6.97(dd,1H,4′-H); 6.58-6.62(t,1H,7-H); 6.51-6.53(d,1H, 8-H); 6.41-6.43(d,1H, 6-H); 5.63-5.66(t,1H,CHO); 4.20-4.24(m,4H,2,3-H); 2.52-2.56(t,2H,C
H2N); 2.26 (s,3H,NC
H3); 2.12-2.16 (m,1H,C
H2CH
2N); 1.95-1.99(m,1H,C
H2CH
2N)。
【実施例10】
【0056】
N,N−ジメチル−3−[(ベンゾ[1,4]ジオキサン−5−イル−オキシ)−3−(フラン−2−イル)−プロピルアミン]シュウ酸塩(化合物I
10)の調製
【化17】
【0057】
3−ジメチルアミノ−1−(フラン−2−イル)−1−プロパノール(1.69g、0.01モル)と、5−ベンゾ[1,4]ジオキサン(1.52g、0.01モル)と、トリフェニルホスフィン(3.93g、0.015モル)を80mLの無水テトラヒドロフランに溶解した。ジエチルアゾジカルボキシレート(2.61g、0.015モル)の20mL無水テトラヒドロフラン溶液に混合物を一滴ずつゆっくり加え、氷塩槽によって反応温度を−5℃未満に制御した。添加の完了後、氷塩槽を取り外し、室温にて反応を24時間行った。反応後、減圧下でテトラヒドロフランを留去し、得られた油状液を100mLの酢酸エチルに溶解した。混合物を、希釈した水酸化ナトリウム水溶液と飽和塩化ナトリウム水溶液でそれぞれ洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、シリカゲルカラムクロマトグラフィによって分離して、黄色の油として0.98gのN,N−ジメチル−3−[(ベンゾ[1,4]ジオキサン−5−イル−オキシ)−3−(フラン−2−イル)−プロピルアミン]を得た。その黄色の油を30mLの酢酸エチルに溶解し、シュウ酸(0.29g、0.032モル)に加えて淡黄色の沈殿物を生成した。混合物を加熱還流し、室温に冷却し、2時間凍結し、真空下で濾過した。濾過ケーキを冷却酢酸エチルで洗浄して収率19.1%で融点101〜103℃の淡黄色の粉末状固形物として0.75gの標的化合物を得た。MS(m/e):304.3(M+1
+)、326.2(M+Na
+)。
1H-NMR δ (ppm, DMSO-d
6): 7.63(s,1H,5′-H); 6.62-6.66(t,1H,7-H); 6.54-6.56 (d,1H,6-H); 6.44-6.46 (d,1H,8-H); 6.39-6.40 (m,2H, 3′,4′-H); 5.30-5.34(t,1H, CHO); 4.16-4.23(t,4H,2,3-H); 2.23-2.27(t,2H,CH
2N); 1.99-2.23 (m,2H,C
H2CH
2N); 2.10 (s,6H, N(CH
3)
2)。
【実施例11】
【0058】
マウスにおける尾懸垂試験によって測定された標的化合物の抗うつ効果
【0059】
25×25×25cmの尾懸垂箱の上板の中央でロープに連結されたクランプによって尾の先端から1cmで別々に固定することによって、それぞれ体重18〜22gのオスICRマウス(SPF等級)を吊るしたが、頭部は箱の底から4〜5cm離れる。マウスには試験前30分に腹腔内注射によって、又は試験前60分に胃内投与によって調べる化合物及び陽性対照としてのデュロキセチンを投与した。尾を6分間吊るし、最後の4分間でのマウスの不動時間を積算した。マウスにおける尾懸垂試験によって測定した場合の腹腔内注射によって投与された標的化合物の抗うつ効果の結果を次の表1に示す。
【0060】
【表1】
【0061】
マウスの尾懸垂モデルでは、尾を吊るしたマウスの不動時間を観察することによって抗うつ効果を評価したが、不動時間が短ければ短いほど、抗うつ効果は強い。表1から分かるように、標的化合物は不動時間を有意に短くすることができ、同一用量では、デュロキセチンよりも有意に高い抗うつ効果を有し、高い用量では、不動時間に対するさらに有意な効果が認められたということは、その抗うつ効果が明らかに用量依存性であることを示している。
【0062】
胃内投与によって化合物I
2の抗うつ効果を評価したが、その結果を次の表2に示す。
【表2】
【0063】
表2は、化合物I
2が胃内投与によって尾懸垂マウスの不動時間を有意に短くすることができることを示しており;5mg/kg用量では、10mg/kgでのデュロキセチンよりも顕著に大きく;用量が高ければ高いほど、不動時間に対する効果は大きく、それは、その抗うつ効果が明らかに用量依存性であることを示している。
【実施例12】
【0064】
マウスにおける強制水泳試験によって測定された標的化合物の抗うつ効果
【0065】
25℃の温度で10cmの深さに水を張ったガラス製の瓶(直径10cm、高さ20cm)に体重18〜22gのオスICRマウス(SPF等級)を入れ、6分間観察し、最後の4分間で積算されたマウスの不動時間(すなわち、動物が後肢で動きを有さない又はほとんど有さないが、動きなしで浮いた体を維持する)を記録した。マウスには試験前30分に腹腔内注射によって、又は試験前60分に胃内投与によって調べる化合物及び陽性対照としてのデュロキセチンを投与した。強制水泳マウスの不動時間に対する腹腔内注射による標的化合物の効果を次の表3に提供する。
【0066】
【表3】
【0067】
マウスの強制水泳モデルでは、強制水泳マウスの不動時間を観察することによって抗うつ効果を評価したが、不動時間が短ければ短いほど、抗うつ効果は強い。表3から分かるように、標的化合物は不動時間を有意に短くすることができ、同一用量では、標的化合物の抗うつ効果はデュロキセチンよりも有意に大きく、用量が高ければ高いほど、不動時間に対する効果がさらに大きいということは、その抗うつ効果が明らかに用量依存性であることを示している。
【0068】
胃内投与によって化合物I
2の抗うつ効果をさらに評価したが、その結果を次の表4に示す。
【0069】
【表4】
【0070】
表4は、化合物I
2が胃内投与によって不動時間を有意に短くすることができることを示しており;20mg/kg用量での抗うつ効果は、40mg/kgでのデュロキセチンの抗うつ効果に匹敵し;用量が高ければ高いほど、不動時間に対する効果は大きく、それは、その抗うつ効果が明らかに用量依存性であることを示している。