特許第5796903号(P5796903)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5796903
(24)【登録日】2015年8月28日
(45)【発行日】2015年10月21日
(54)【発明の名称】線材成形機
(51)【国際特許分類】
   B21F 1/00 20060101AFI20151001BHJP
【FI】
   B21F1/00 Z
【請求項の数】4
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2012-204514(P2012-204514)
(22)【出願日】2012年9月18日
(65)【公開番号】特開2014-57982(P2014-57982A)
(43)【公開日】2014年4月3日
【審査請求日】2014年5月21日
(73)【特許権者】
【識別番号】000116976
【氏名又は名称】旭精機工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100112472
【弁理士】
【氏名又は名称】松浦 弘
(72)【発明者】
【氏名】野島 高志
(72)【発明者】
【氏名】古賀 弘之
【審査官】 矢澤 周一郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開2000−061736(JP,A)
【文献】 特開昭61−103704(JP,A)
【文献】 特公昭53−027512(JP,B1)
【文献】 特開2003−290859(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B21F 35/00
B21F 1/00
B21F 3/06
B21F 3/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
線材送給軸に沿って成形空間に送給された線材を成形ツールにて任意の形状に成形する線材成形機において、
前記線材送給軸に平行な第1軸方向と、前記第1軸方向に直交する第2軸方向とのそれぞれの任意の位置に位置決め制御される可動ベースを備え、
前記成形ツールを保持した1対のツール保持部材を、前記第2軸方向で前記成形空間を挟むように配置して共通の前記可動ベースに回転可能に取り付けると共に、それら1対の前記ツール保持部材を任意の回転位置に位置決め制御するためのツール回転駆動源を前記可動ベースに搭載し
1対の前記ツール保持部材は、前記第2軸方向に平行な回転軸を有して前記第2軸方向で対峙し、
1対の前記ツール保持部材を、共通の前記ツール回転駆動源にて位置決め制御するように構成したことを特徴とする線材成形機。
【請求項2】
前記可動ベースに、前記第2軸方向で対向して1対の前記ツール保持部材を回転可能に支持する1対の対向支持壁と、それら1対の対向支持壁を連絡する対向支持壁連絡部と、を備え、
前記対向支持壁連絡部を、前記第2軸方向に延びた帯状連絡部の両端部から前記線材送給軸方向の上流側に1対の脚部が突出した門形状とすると共に、それら1対の脚部から、前記線材送給軸方向と前記第2軸方向の両方に直交する第3軸方向に、1対の前記対向支持壁を突出させたことを特徴とする請求項1に記載の線材成形機。
【請求項3】
前記ツール回転駆動源の出力軸を一対の前記ツール保持部材のうち何れか一方の前記ツール保持部材の回転軸と同軸上に配置して連結すると共に、
前記第2軸方向に延びて、両端部が1対の前記ツール保持部材にギア又はベルトを介して連結した回転伝達シャフトを備え、
前記帯状連絡部の両端部から前記第3軸方向で前記対向支持壁と反対側に突出した1対のシャフト支持壁を設けて、それら1対のシャフト支持壁に前記回転伝達シャフトを回転可能に取り付けたことを特徴とする請求項2に記載の線材成形機。
【請求項4】
前記可動ベースを、前記線材送給軸方向と前記第2軸方向とに直交する第3軸方向の任意の位置に位置決め制御されるようにしたことを特徴とする請求項1乃至3のうち何れか1の請求項に記載の線材成形機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、線材送給軸に沿って成形空間に送給された線材を成形ツールにて任意の形状に成形する線材成形機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の線材成形機として、線材送給軸と平行な第1軸方向と、第1軸方向に直交する第2軸方向とに位置決め制御される可動ベースを1対備えて、各可動ベースに、成形ツールを保持したツール保持部材を回転可能に取り付けたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3026793号公報([0020]〜[0027]、図1図5
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した従来の線材成形機では、各可動ベースについて、可動ベースを、第1軸方向と第2軸方向とに位置決め制御するための駆動機構が必要となるため、線材成形機全体が嵩張るという問題があった。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、小型化を図ることが可能な線材成形機の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するためになされた請求項1の発明に係る線材成形機は、線材送給軸に沿って成形空間に送給された線材を成形ツールにて任意の形状に成形する線材成形機において、線材送給軸に平行な第1軸方向と、第1軸方向に直交する第2軸方向とのそれぞれの任意の位置に位置決め制御される可動ベースを備え、成形ツールを保持した1対のツール保持部材を、第2軸方向で成形空間を挟むように配置して共通の可動ベースに回転可能に取り付けると共に、それら1対のツール保持部材を任意の回転位置に位置決め制御するためのツール回転駆動源を可動ベースに搭載し、1対のツール保持部材は、第2軸方向に平行な回転軸を有して第2軸方向で対峙し、1対のツール保持部材を、共通のツール回転駆動源にて位置決め制御するように構成したところに特徴を有する。
【0008】
請求項の発明は、請求項に記載の線材成形機において、可動ベースに、第2軸方向で対向して1対のツール保持部材を回転可能に支持する1対の対向支持壁と、それら1対の対向支持壁を連絡する対向支持壁連絡部と、を備えて、対向支持壁連絡部を、第2軸方向に延びた帯状連絡部の両端部から線材送給軸方向の上流側に1対の脚部が突出した門形状とすると共に、それら1対の脚部から、線材送給軸方向と第2軸方向の両方に直交する第3軸方向に、1対の対向支持壁を突出させたところに特徴を有する。
【0009】
請求項の発明は、請求項に記載の線材成形機において、ツール回転駆動源の出力軸を一対のツール保持部材のうち何れか一方のツール保持部材の回転軸と同軸上に配置して連結すると共に、第2軸方向に延びて、両端部が1対のツール保持部材にギア又はベルトを介して連結した回転伝達シャフトを備え、帯状連絡部の両端部から第3軸方向で対向支持壁と反対側に突出した1対のシャフト支持壁を設けて、それら1対のシャフト支持壁に回転伝達シャフトを回転可能に取り付けたところに特徴を有する。
【0010】
請求項の発明は、請求項1乃至のうち何れか1の請求項に記載の線材成形機において、可動ベースを、線材送給軸方向と第2軸方向とに直交する第3軸方向の任意の位置に位置決め制御されるようにしたところに特徴を有する。
【発明の効果】
【0011】
[請求項1の発明]
請求項1の発明によれば、1対のツール保持部材を共通の可動ベースに回転可能に取り付けたので、1対のツール保持部材の間で可動ベースの駆動機構を共通化することができ、線材成形機の小型化が図られる。
【0012】
また、本発明によれば、1対のツール保持部材を回転駆動するツール回転駆動源についても共通化したので、線材成形機の一層の小型化が図られる。ここで、1対のツール保持部材のうちの一方のツール保持部材を回転させて線材を成形する場合、ツール回転駆動源を共通化したことにより、線材の成形に関与していない他方のツール保持部材も回転するため、成形空間が狭いと、他方のツール保持部材に保持された成形ツールが線材と干渉することが懸念される。ところが、本発明では、ツール保持部材が、第2軸方向に平行な回転軸を有して第2軸方向で対峙した構成になっているので、一方のツール保持部材を回転させたときに、他方のツール保持部材の成形ツールは、第2軸方向に直交する面内を回転し、第2軸方向に移動することがない。即ち、線材の成形に関与していない他方のツール保持部材の成形ツールが成形空間に進入することが防がれる。これにより、1対のツール保持部材の間隔を大きくすることなく、他方のツール保持部材の成形ツールが線材と干渉することを防ぐことができ、線材成形機の小型化が図られる。
【0013】
[請求項の発明]
請求項の発明では、1対のツール保持部材を回転可能に支持する1対の対向支持壁が、第2軸方向に対峙しているので、1対の対向支持壁に成形空間が挟まれた構成になっている。そして、可動ベースのうち1対の対向支持壁を連絡する対向支持壁連絡部は、第2軸方向に延びかつ両端部が線材送給軸方向の上流側に突出した門形状をなし、その門形の脚部から、1対の対向支持壁が、第2軸方向と線材送給軸方向とに直交する第3軸方向に突出しているので、成形空間は、線材送給方向の前方に開放されると共に、第3軸方向の可動ベース側にも開放される。即ち、請求項の発明によれば、成形空間を、線材送給軸方向と第3軸方向に広く取ることが可能となり、線材の取り回しが容易となる。
【0014】
[請求項の発明]
請求項の発明によれば、第2軸方向に延びて両端部が1対のツール保持部材にギア又はベルトを介して連結した回転伝達シャフトが、可動ベースの帯状連絡部に対して対向支持壁と反対側に配置されるので、回転伝達シャフトが成形空間に露出することがなくなり、線材と回転伝達シャフトとの干渉を防ぐことができる。
【0015】
[請求項の発明]
請求項の発明によれば、可動ベースを、線材送給軸方向と第2軸方向とに直交する第3軸方向に可動ベースを駆動する機構についても、1対のツール保持部材の間で共通化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明に関連する参考実施形態に係る線材成形機を部分的に鉛直面で切断した側面図
図2図1におけるA−A断面図
図3】線材成形機を部分的に水平面で切断した上面図
図4】線材送給装置の平断面図
図5】第2可動ベース及びツール保持部材の斜視図
図6】(A)第2可動ベース及びツール保持部材の平面図、(B)第2可動ベース及びツール保持部材のB−B断面図
図7】(A)切断ツールを部分的に鉛直面で切断した側面図、(B)切断ツールの正面図
図8】(A)右巻きコイル部を成形するときのツール保持部材及びクイルの斜視図、(B)右巻きコイル部を成形するときのツール保持部材及びクイルの斜視図
図9】(A)右巻きコイル部を成形するときのツール保持部材及びクイルの斜視図、(B)中間屈曲部を成形するときのツール保持部材及びクイルの斜視図
図10】(A)中間屈曲部を成形するときのツール保持部材及びクイルの斜視図、(B)中間屈曲部を成形するときのツール保持部材及びクイルの斜視図
図11】(A)中間屈曲部を成形するときのツール保持部材及びクイルの斜視図、(B)中間屈曲部を成形するときのツール保持部材及びクイルの斜視図
図12】(A)中間屈曲部を成形後のツール保持部材及びクイルの斜視図、(B)中間屈曲部を成形後のツール保持部材及びクイルの斜視図
図13】(A)左巻きコイル部を成形するときのツール保持部材及びクイルの斜視図、(B)左巻きコイル部を成形するときのツール保持部材及びクイルの斜視図
図14】(A)線材成形品を切断する前のツール保持部材及びクイルの斜視図、(B)線材成形品を切断した後のツール保持部材及びクイルの斜視図
図15】本発明の一実施形態に係る線材成形機を部分的に鉛直面で切断した側面図
図16図15におけるC−C断面図
図17】線材成形機を部分的に水平面で切断した平面図
図18】変形例に係る線材成形機を部分的に鉛直面で切断した側面図
図19形例に係る可動ベースの正断面図
【発明を実施するための形態】
【0017】
参考実施形態]
本発明に係る実施形態を説明する前に、まず、本発明の技術的範囲には属さないが、本発明に関連する参考実施形態について図1図14を用いて説明する。図1に示すように線材成形機10のベースフレーム11には、ツール直動駆動機構20と線材送給装置12とが前後方向に対峙して固定され、ベースフレーム11の前面壁11Aによって区画されている。
【0018】
前面壁11Aには、前方に突出したクイル14が備えられている。図4に示すように、クイル14は、前面壁11Aを前後方向に貫通したクイル支持孔15にベアリングを介して回転自在に支持されている。また、クイル14には、線材90の断面形状に対応した、例えば、断面円形の線材送給孔14Aが貫通形成されている。そして、線材送給装置12により送給された線材90は、線材送給孔14Aを通ってクイル14の前方の成形空間R1に送給される。線材90は、水平方向に送給され、クイル14により側方への移動が規制されている。なお、線材送給孔14Aの中心軸が本発明の線材送給軸J1に相当する。
【0019】
図8(A)に示すように、クイル14の前端部は、線材送給軸J1方向に延びた柱状になっている。クイル14の前端部は、基端側が線材送給軸J1と同軸の中心軸を持つ円柱を略半円状に切り取った形状をなし、先端側が前記円柱の先端面から前方に窄まった円錐を、基端側と同様に、略半円状に切り取った形状になっている。即ち、クイル14の前端部は、線材送給軸J1と直交する方向の一方側が肉厚に形成される一方、他方側が薄肉になっている。このクイル14の構成によれば、肉厚部分によって成形ツールTにて線材90を成形するときに成形ツールTから受ける負荷に耐えうる強度を確保する一方で、成形された線材90が折り曲げ又は巻回されるときに、クイル14の薄肉部分の側方に線材90を通過させて線材90との干渉を避けることができる。なお、図4には、クイル14の肉厚部分の断面が示されている。また、図8のクイル14は、先端部が取替え可能な2体構造となっており、図4のクイル14とは形状を違えて示している。
【0020】
図1に示すように、線材送給装置12は、ベースフレーム11に支持されて線材送給軸J1回りに回転可能な回転ベース51と、線材送給軸J1を挟むように回転ベース51に固定された送りローラ13,13とを備えた構成になっている。送りローラ13,13は、回転ベース51に対して自由回転可能に軸支され、それら送りローラ13,13が後述するローラ駆動用サーボモータ60Mによって回転駆動されることで、送りローラ13,13にて挟持された線材90を線材送給軸J1に沿って送給可能となっている。
【0021】
図4に示すように、回転ベース51は、ベースフレーム11によって線材送給軸J1回りに回転可能に支持され、ベースフレーム11の後面壁11Bの後方に備えたベース回転駆動用サーボモータ50Mによって線材送給軸J1回りに回転駆動される。そして、回転ベース51が線材送給軸J1回りに回転すると、送りローラ13,13にて挟持された線材90も線材送給軸J1回りに回転するようになっている。
【0022】
詳細には、回転ベース51は、線材送給軸J1方向で対向した後端壁55及び前端壁56と、線材送給軸J1からオフセットした位置で後端壁55及び前端壁56を連絡した連絡壁54と、を備え、後端壁55と前端壁56のそれぞれから突出した後端筒部52と前端筒部53とが、ベースフレーム11の後面壁11Bと前面壁11Aに軸支された構成になっている。なお、連絡壁54に上述した送りローラ13,13が取り付けられている。
【0023】
後端筒部52の内側には、ベアリングを介してインナーシャフト61が回転可能に支持されている。インナーシャフト61は、ベースフレーム11の後方に備えられたローラ駆動用サーボモータ60Mによって回転駆動され、このインナーシャフト61の回転が、複数のギアGを介して送りローラ13,13に伝達されるようになっている。なお、本実施形態では、ローラ駆動用サーボモータ60Mの回転方向を切り替えることで、ツール直動駆動機構20側(即ち、前側)に線材90を送給したり、或いは、その逆向き(即ち、後側)に引き戻すことができるようになっている。
【0024】
前端筒部53は、クイル14の後端部に形成された円柱凹部16の内側に回転可能に軸支されている。クイル14は、クイル回転駆動機構65によって線材送給軸J1回りに、前端筒部53とは別個に回転駆動されるようになっている。具体的には、前面壁11Aの後面には、クイル回転用サーボモータ65Mが取り付けられ、そのクイル回転用サーボモータ65Mの出力回転軸とクイル14の後端部とが連結されている。
【0025】
図2に示すように、前面壁11Aの前面側には、クイル14の側方に複数の補助ツール駆動機構70が放射状に備えられている。補助ツール駆動機構70は、クイル14側を向いた前面に芯金ツールや切断ツールといった補助ツール74と、補助ツール74を直動可能に支持する直動ガイド73Gとを備え、サーボモータ71M(図1参照)によって補助ツール74を直動ガイド73Gに沿って駆動し、成形空間R1に対して進退させるようになっている。
【0026】
なお、本実施形態の線材成形機10では、補助ツール駆動機構70を2つ備え、一方の補助ツール駆動機構がクイル14の上方に位置し、他方の補助ツール駆動機構がクイル14の斜め上方に位置している。そして、その他方の補助ツール駆動機構70の補助ツール74に、切断ツール74Cが用いられている。切断ツール74Cは、図7(A)及び図7(B)に示すように、切断用サーボモータ74Mによって回転駆動される内側軸体75と、内側軸体75に外側から嵌合した外側筒体76とを有し、それら内側軸体75と外側筒体76の先端面に、円弧状の内刃75Aと外刃76Aが設けられている。また、外刃76Aの中間部には、径方向に線材挿通溝76Mが設けられている。そして、線材挿通溝76Mに線材90を挿通させた状態で内側軸体75が回転することで、内刃75A及び外刃76Aにより線材90を切断するようになっている。切断ツール74Cの詳細な構造については、特開平11−277170号公報(特に、段落[0020]〜[0022]、図5)に開示されている。
【0027】
次に、ツール直動駆動機構20について説明する。ツール直動駆動機構20は、成形ツールTを保持したツール保持部材30を、線材送給軸J1と平行なX軸方向(図1の左右方向)と、水平面内でX軸方向に直交するY軸方向(図1の奥行き方向)とに沿って進退移動可能に構成されている。
【0028】
具体的には、ツール直動駆動機構20は、図1に示すように、前面壁11Aに取り付けられて水平な上面を有する架台22に、第1可動ベース40を搭載すると共に、第1可動ベースに第2可動ベース41を搭載し、架台22と第1可動ベース40との間、第1可動ベース40と第2可動ベース41との間のそれぞれ設けられた第1直動機構、第2直動機構によって、第2可動ベース41をY軸、X軸に沿って直動させる構成になっている。そして、第2可動ベース41にツール保持部材30が支持されて、第2可動ベース41と一体に直動可能になっている。ここで、本実施形態では、第2可動ベース41が本発明の「可動ベース」に相当し、X軸方向、Y軸方向が本発明の「第1軸方向」、「第2軸方向」にそれぞれ相当する。また、X軸とY軸とに直交するZ軸方向が本発明の「第3軸方向」に相当する。なお、本実施形態では、X軸方向が、線材送給方向の前後方向に、Y軸方向が左右方向に、Z軸方向が上下方向になっている。
【0029】
架台22と第1可動ベース40との間に設けられた第1直動機構の具体的な構成は以下のようになっている。即ち、図2に示すように、架台22の上面には、第1ボールネジ機構21が備えられ、第1ボールネジ機構21の駆動源であるサーボモータ21Mがボールネジ21Aを回転させると、第1可動ベース40から垂下すると共にボールナット(図示せず)を固定して備えたナット支持壁40Aがボールネジ21Aに沿って移動し、第1可動ベース40が線材送給軸J1と平行なX軸に直交したY軸方向に直動する。
【0030】
第1可動ベース40と第2可動ベース41との間に設けられた第2直動機構は、上記した第1直動機構と同様な構造をなしている。即ち、図1に示すように、第1可動ベース40の上面には、第2ボールネジ機構23が備えられ、第2ボールネジ機構23の駆動源であるサーボモータ23Mがボールネジ23Aを回転させると、第2可動ベース41から垂下してボールナット(図示せず)を固定して備えたナット支持壁41A(図2参照)がボールネジ23Aに沿って移動し、第2可動ベース41が線材送給軸J1と平行なX軸方向に直動する。
【0031】
なお、架台22と第1可動ベース40の間には第1直動ガイド24が、第1可動ベース40と第2可動ベース41との間には第2直動ガイド25が設けられ(図1及び図2参照)、これにより、第1可動ベース40及び第2可動ベース41をスムーズに直動させることができるようになっている。また、図3に示すように、架台22及び第1可動ベース40は、上方から見たときに、クイル14の前方の成形空間R1に対してY軸方向の一方側(図3の上側)に配置されている。
【0032】
図1及び図2に示すように、第2可動ベース41は、その一部に水平なベースプレート部42を有し、後述のように、このベースプレート部42の上面には複数のツール保持部材30を共通して取り付け可能となっている。また、ベースプレート部42は、第1可動ベース40の上方位置からY軸方向の他方側、即ち、成形空間R1に向かって延びている。そして、図2に示すように、ベースプレート部42の上面からは、成形空間R1を挟んでY軸方向(左右方向)で対向した1対の対向支持壁43,43が突出している。
【0033】
ここで、ベースプレート部42は、図3に示すように、Y軸方向に延びた帯状連絡部44と、帯状連絡部44の両端部から後方に向かって突出した脚部45,45とを備えた構造になっていて、脚部45,45は、成形空間R1をY軸方向に挟むように配置されている。即ち、ベースプレート部42のうち対向支持壁43,43を連絡する部分は、上方から見ると、成形空間R1を前方に避けるようにクイル14側が削り取られて門形状になっている。なお、帯状連絡部44と脚部45,45とが本発明の「対向支持壁連絡部」に相当する。
【0034】
脚部45,45からは、対向支持壁43,43が上方に突出している。各対向支持壁43には、上述のツール保持部材30が回転可能に支持されている。ツール保持部材30は、Y軸方向に中心軸を有するテーブル部31と、テーブル部31の中心部から突出したシャフト部32とを備えた構成になっている。シャフト部32,32は、対向支持壁43,43の互いの対向面に挿通し、対向支持壁43に回転可能に支持されている。これにより、ツール保持部材30は、シャフト部32の中心軸回りに回転可能になっている。また、テーブル部31,31は、Y軸方向で対峙し、これらテーブル部31,31に固定された複数の成形ツールTが成形空間R1に臨んでいる。なお、図1及び図3に示すように、成形ツールTは、テーブル部31の周方向の3箇所に取り付けられてもよいし、必要に応じて、1箇所、2箇所又は4箇所以上に取り付けられてもよい。
【0035】
ここで、図5及び図6には、ベースプレート部42と、ツール保持部材30,30の線材送給軸J1との関係が示されている。図6に示すように、ツール保持部材30,30は、線材送給軸J1とほぼ同じ上下位置で成形空間R1をY軸方向に挟み、ベースプレート部42は、線材送給軸J1よりも下方に配置されている。そして、図6(A)に示すように、成形空間R1は、線材送給軸J1方向で前方に開放している。また、上述のように、ベースプレート部42は、対向支持壁43,43を連絡する部分が門形状になっているので、成形空間R1は、下方にも開放している(図6(B)参照)。
【0036】
図2に示すように、各対向支持壁43には、ツール保持部材30を回転駆動するためのツール回転用サーボモータ33(本発明の「ツール回転駆動源」に相当する。)が固定されている。具体的には、ツール回転用サーボモータ33の出力軸側の端部が、対向支持壁43の成形空間と反対側の面に固定されると共に、その出力軸が対向支持壁43を挿通して、ツール保持部材30のシャフト部32に連結している。
【0037】
本実施形態の線材成形機10の構成に関する説明は以上である。次に、線材成形機10を用いた線材90の成形例を、図8図14に基づいて説明する。本成形例では、線材90から図14(B)に示す線材成形品91を得る。この線材成形品91は、同軸上に配置されて巻回方向が互いに逆向きの第1コイル部91Bと第2コイル部91Cとが中間屈曲部91Aにより連絡された構成になっている。中間屈曲部91Aは、両コイル部91B,91Cの間に配置され、コの字状になっている。また、各コイル部91B,91Cの中間屈曲部91Aと反対側の端部は、それらコイル部91B,91Cの軸方向から見たときに、中間屈曲部91Aに対して直交し、同方向に延びている。
【0038】
また、本成形例では、ツール保持部材30,30のうち前方から見て左側のツール保持部材30L(以下、L側ツール保持部材30Lという。)には、1つの成形ツールT1のみが保持され、右側のツール保持部材30R(以下、R側ツール保持部材30Rという。)には、2つの成形ツールT2,T3が保持されている。
【0039】
成形ツールT1は、テーブル部31の外縁部に取り付けられて、テーブル部31の中心部から離れる方向に延びている。成形ツールT1の先端部は、テーブル部31の周方向で時計方向に進むにつれて径方向の長さが小さくなるように傾斜し、先端面にコイル形成溝81を備えている。
【0040】
成形ツールT2と成形ツールT3とは、R側ツール保持部材30Rの回転方向で180度離れた位置に配置され、テーブル部31の径方向外側に向かって延びている。成形ツールT2は、成形ツールT1と同様の構造になっていて、先端面にコイル形成溝81を備えている。また、成形ツールT3の先端部には、成形空間R1側に突出した線材押圧部82を備えた構造になっている。なお、ツール保持部材30,30を右側から見ると、成形ツールT2は、成形ツールT1に対して反時計方向に90度ずれた位置に配置され、成形ツールT3は、成形ツールT1に対して時計方向に90度ずれた位置に配置されている。
【0041】
これら成形ツールT1〜T3によって線材90から線材成形品91を成形するには、まず、第1コイル部91Bを成形する。そのためには、図8(A)に示すように、線材送給装置12により線材90を送給して、クイル14から一定量だけ突出させておく。また、ツール直動駆動機構20によって、第2可動ベース41のX軸方向及びY軸方向の位置を制御して、L側ツール保持部材30Lをクイル14の前方に配置しておく。このとき、成形ツールT1は、L側ツール保持部材30Lから上方に向かって延びるように配置されるように、ツール回転用サーボモータ33によって回転位置が制御されている。なお、図8図14において、矢印の側方にある丸で囲んだ数字は、その動作を実行する順番を示している。
【0042】
次いで、図8(A)に示す状態から、第2可動ベース41をX軸方向に移動させてL側ツール回転テーブル30Lをクイル14に近づけ、ツール回転用サーボモータ33により右側から見て時計方向に90度回転させる。すると、線材90が成形ツールT1のコイル形成溝81に受容されると共に、成形ツールT1の先端部の傾斜に沿って折り曲げられる。これにより、第1コイル部91Bの最初の1/4周分が成形される(図8(B)参照)。そして、線材90を更に送給すると、第1コイル部91Bが成形される(図9(A)参照)。
【0043】
第1コイル部91Bが成形されると、次に、中間屈曲部91Aを成形する。この中間屈曲部91Aの成形には、R側ツール保持部材30Rに保持された成形ツールT2,T3を用いる。具体的には、まず、L側ツール保持部材30Lを前方に退避させてクイル14から遠ざけると共に、成形ツールT1を反時計方向に90度回転させる。そして、線材90を所定量だけ前方に送り、クイル回転駆動機構65により、クイル14を、線材送給軸J1回りに反時計方向に90度回転させる(図9(B)参照)。なお、このとき、線材90は、回転せず、クイル14のみが回転する。
【0044】
次いで、第2可動ベース41を位置制御して、R側ツール保持部材30Rを左側に移動させると共に後方に移動させてクイル14に近づけ、成形ツールT3を、クイル14の右前方に配置する。なお、このとき、R側ツール保持部材30Rに連動してL側ツール保持部材30Lも後方に移動する。そして、R側ツール保持部材30Rを左側に移動させて、成形ツールT3の線材押圧部82により線材90を左に90度折り曲げる。
【0045】
なお、詳細には、線材90のスプリングバックを考慮して、線材90を90度折り曲げた後、R側ツール保持部材30Rを後方、即ち、クイル14側に移動させることで、線材90を90度よりも若干大きな角度に折り曲げるようにする。
【0046】
次いで、R側ツール保持部材30Rを、スプリングバックを考慮した移動分だけ前方に退避させた後、右側に移動させてクイル14から遠ざけ、線材90を所定量だけ前方に送る(図11(A)参照)。そして、再度、R側ツール保持部材30Rを左側に移動させて、成形ツールT3の線材押圧部82により線材90を左に90度折り曲げる(図11(B)参照)。なお、このときも、線材90のスプリングバックを考慮して、90度よりも若干大きな角度に折り曲げるようにする。
【0047】
次いで、R側ツール保持部材30Rを回転待機位置に配置する。具体的には、R側ツール保持部材30Rを前方に移動させてクイル14から遠ざけると共に、左側に移動させて成形ツールT2を線材送給軸J1上に配置し、R側ツール保持部材30Rを時計方向に90度回転させて、成形ツールT2を、R側ツール保持部材30Rから上方に向かって延びるように配置する(図12(A)及び図12(B)参照)。そして、線材90を所定量だけ前方に送給した後、クイル14を、前方から見て反時計方向に90度回転させる。なお、このとき、クイル14の薄肉部分が左側に配置され(図12(B)参照)、図8(A)に示したクイル14と左右反対になっている。
【0048】
次いで、R側ツール保持部材30Rをクイル14に近づけ、右側から見て時計方向に90度回転させる(図12(B)参照)。すると、線材90が成形ツールT2のコイル形成溝81に受容されると共に、成形ツールT2の先端部の傾斜に沿って折り曲げられる。これにより、中間屈曲部91Aと、第2コイル部91Cの最初の1/4周分とが成形される(図13(A)参照)。そして、線材90を更に送給すると、第2コイル部91Cが成形される(図13(B)参照)。
【0049】
次いで、R側ツール保持部材30Rを前方に移動させてクイル14から遠ざけ、線材90を前方に送給する(図14(A)参照)。そして、前方から見てクイル14の斜め上方に位置する切断ツール74C(図2参照)を成形空間R1に進出させて線材90を切断することで、線材成形品91が得られる(図14(B)参照)。
【0050】
なお、本実施形態では、線材成形品91が得られると、R側ツール保持部材30Rを右側から見て反時計方向に回転させ、第2可動ベース41を右側に移動させてL側ツール保持部材30L及びR側ツール保持部材30Rを図8(A)の位置に戻す。また、クイル14を前方から見て時計方向に180度回転させて、図8(A)の位置に戻す。そして、図8(A)から図14(B)の動作を繰り返すことで、線材成形品91を順次成形するようになっている。
【0051】
以上が、線材成形機10を用いた線材90の成形例の説明である。本成形例で示したように、線材成形機10によれば、第2可動ベース41をY軸方向(左右方向)に移動させることで、1対のツール保持部材30,30のうち何れか一方をクイル14の前方、即ち、成形空間R1に配置することができる。これにより、線材90を成形する成形ツールTを、1対のツール保持部材30,30の間で切り替えることができ、一方のツール保持部材30が保持した成形ツールTだけでは、成形が困難な線材成形品であっても容易に成形することが可能になる。
【0052】
そして、本実施形態の線材成形機10によれば、1対のツール保持部材30,30を共通のベースプレート部42に回転可能に取り付けたので、1対のツール保持部材30,30の間で第2可動ベース41の駆動機構(ツール直動駆動機構20)を共通化することができ、線材成形機10の小型化が図られる。
【0053】
また、ベースプレート部42は、1対のツール保持部材30,30を回転可能に支持する1対の対向支持壁43,43を連絡する対向支持壁連絡部(帯状連絡部44及び脚部45,45)が、Y軸方向に延びて両端部が後方に突出した門形状をなし、脚部45,45から対向支持壁43,43が上方に突出した構成になっているので、成形空間R1を、前方と下方に広く取ることが可能となり、線材90の取り回しが容易となる。
【0054】
本発明に係る一実施形態]
以下、本発明に係る一実施形態を、図15図17に基づいて説明する。本実施形態の線材成形機10Vは、参考実施形態の線材成形機10を変形したものであり、1対のツール保持部材30,30が共通のツール回転用サーボモータ33により回転駆動されるようになっている
【0055】
具体的には、図16に示すように、1対の対向支持壁43,43のうち、前方から見て左側の対向支持壁43L(以下、L側対向支持壁43Lという。)にのみ、ツール回転用サーボモータ33が取り付けられている。また、図16及び図17に示すように、ベースプレート部42の帯状連絡部44のうち脚部45,45と連絡する部分の下面からは、Y軸方向で対向した1対のシャフト支持壁46,46が垂下し、それら1対のシャフト支持壁46,46によってY軸方向に延びた回転伝達シャフト47が回転可能に支持されている。回転伝達シャフト47は、ベースプレート部42を上方から見たときに、帯状連絡部44の下方に隠れるようになっている(図17参照)。
【0056】
回転伝達シャフト47の両端部には、伝達ギア48,48が一体回転可能に備えられ、その伝達ギア48,48が、中継ギア49,49を介して、ツール保持部材30のシャフト部32と一体回転するツール回転ギア34に連結している。そして、L側ツール保持部材30Lがツール回転用サーボモータ33により回転駆動されると、その回転に伴って回転伝達シャフト47が回転し、その回転をR側ツール保持部材30Rのシャフト部32に伝達する。このように、本実施形態の線材成形機10Vでは、共通のツール回転用サーボモータ33により、L側ツール保持部材30LとR側ツール保持部材30Rを同時に回転可能となっている。
【0057】
なお、本実施形態では、図16に示すように、第1可動ベース40がY軸方向に延びて回転伝達シャフト47の下方を覆い、その先端部とベースプレート部42の右側の脚部45とが連絡されている。本実施形態の線材成形機10Vのその他の構成については、上記参考実施形態と同様になっているので、同一符号を付すことで説明を省略する。
【0058】
本実施形態の線材成形機10Vによれば、上記参考実施形態と同様の効果を奏することができる。しかも、線材成形機10Vでは、1対のツール保持部材30,30(即ち、L側ツール保持部材30L及びR側ツール保持部材30R)を回転駆動するツール回転駆動源33についても共通化したので、線材成形機10Vの一層の小型化が図られる。
【0059】
ここで、1対のツール保持部材30,30のうちの一方のツール保持部材30(例えば、L側ツール保持部材30L)を回転させて線材90を成形する場合、ツール回転用サーボモータ33を共通化したことにより、線材90の成形に関与していない他方のツール保持部材30(例えば、R側ツール保持部材30R)も回転するため、成形空間R1が狭いと、他方のツール保持部材30に保持された成形ツールTが線材90と干渉することが懸念される。ところが、本実施形態の線材成形機10Vでは、1対のツール保持部材30,30が、Y軸方向に平行な回転軸を有してY軸方向で対峙した構成になっているので、一方のツール保持部材30を回転させたときに、他方のツール保持部材30の成形ツールTは、Y軸方向と直交するXZ面内を回転し、Y軸方向に移動することがない。即ち、線材90の成形に関与していない他方のツール保持部材30の成形ツールTが成形空間R1に進入することが防がれる。これにより、1対のツール保持部材30,30の間隔を大きくすることなく、他方のツール保持部材30の成形ツールTが線材90と干渉することを防ぐことができ、線材成形機10Vの小型化が図られる。
【0060】
また、回転伝達シャフト47が、ベースプレート部42の帯状連絡部44に対して対向支持壁43と反対側に配置されているので、回転伝達シャフト47が成形空間R1に露出することがなくなり、線材90と回転伝達シャフト47との干渉を防ぐことができる。
【0061】
[他の実施形態]
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下に説明するような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
【0062】
(1)上記実施形態では、1対のツール保持部材30,30の回転軸が同軸上に配置されていたが、Y軸方向に平行であれば、同軸上に配置されていなくてもよい。具体的には、一方のツール保持部材30の回転軸が、他方のツール保持部材30の回転軸に対してZ軸方向又はX軸方向にオフセットされた位置に配置されてもよい。
【0063】
(2)上記実施形態では、第2可動ベース41が、X軸方向とY軸方向の2方向にのみ位置決め制御される構成であったが、X軸方向、Y軸方向、Z軸方向の3方向に位置決めされる構成であってもよい。具体的には、図18に示す線材成形機10Wのように、架台22とベースフレーム11の前面壁11Aとの間に、第3ボールネジ機構27を備え、第3ボールネジ機構27の駆動源であるサーボモータ27Mがボールネジ27Aを回転させると、架台22の後面から突出すると共にボールナット(図示せず)を固定して備えたナット支持壁22Aがボールネジ27Aに沿って移動し、架台22がZ軸方向に直動する。なお、前面壁11Aと架台22との間には、架台22をスムーズに直動させるための第3直動ガイド28が設けられている。
【0065】
)上記実施形態では、回転伝達シャフト47とツール保持部材30がギアを介して連結した構成であったが、ベルトを介して連結した構成としてもよい。
【0066】
)図19に示すように、1対のツール保持部材30,30を回転駆動する共通のツール回転用サーボモータ33を、第2可動ベース41の下面に、出力軸がZ軸方向と平行となるように配置してもよい。同図に示す例では、ツール回転用サーボモータ33の回転が、対向支持壁43をZ軸方向に挿通した中継シャフト85にベルト87を介して伝達し、その中継シャフト85の回転がベベルギア86を介してツール保持部材30,30に伝達される。
【0067】
)上記実施形態では、Y軸方向を、水平方向としていたが、線材送給軸J1に直交する方向であれば、水平に対して斜めの方向であってもよいし、鉛直方向であってもよい。
【0068】
)上記実施形態では、線材送給軸J1方向が水平方向であったが、水平に対して斜めの方向であってもよいし、鉛直方向であってもよい。
【符号の説明】
【0069】
0V,10W 線材成形機
12 線材送給装置
20 ツール直動駆動機構
30 ツール保持部材
33 ツール回転用サーボモータ(ツール回転駆動源)
41 第2可動ベース(可動ベース)
42 ベースプレート部
43 対向支持壁
44 帯状連絡部(対向支持壁連絡部)
45 脚部(対向支持壁連絡部)
46 シャフト支持壁
47 回転伝達シャフト
90 線材
J1 線材送給軸
R1 成形空間
T 成形ツール
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19