(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
放射配列ロータ構成において、前記少なくとも1つの可動永久磁石は、互いに角方向に離間し軸が平行な4つの回転可能な永久磁石を備える、請求項2に記載の電気モータ。
放射配列ロータ構成において、前記少なくとも1つの可動永久磁石は、それぞれ少なくとも2つの磁石を含む、互いに離間し軸が平行な4つのグループを備える、請求項2に記載の電気モータ。
同期動作への移行のために十分な回転数に達するまで、前記少なくとも1つの磁石を最小磁場位置で保持する遠心ラッチ機構をさらに含む、請求項2に記載の電気モータ。
前記回転可能な磁気回路要素の前記回転は、粘性減衰構造(viscous damping structure)によって減衰される、請求項1に記載の電気モータ。
【図面の簡単な説明】
【0015】
本発明の、前述および他の側面、特性、および利点は、以下の図面と併せて提示される以下のより具体的な記述を通して、より明らかになるであろう。
【0016】
【
図1A】本発明に従う、構成変更可能な電気モータの側面図である。
【0017】
【
図1B】構成変更可能な電気モータの端面図である。
【0018】
【
図2】
図1Aの線2−2に沿って切断された、本発明に従う、構成変更可能な電気モータの断面図である。
【0019】
【
図2A】本発明に従う典型的な2極永久磁石を示す。
【0020】
【
図3】
図2の線3−3に沿って切断された、本発明に従う、構成変更可能な電気モータの断面図であり、放射配列ロータ構成(radially aligned rotor configuration)で、2極永久磁石を一つ用いる本発明の実施形態を示す。
【0021】
【
図4】
図2の線3−3に沿って切断された、本発明に従う、構成変更可能な電気モータの断面図であり、放射配列ロータ構成で、4極永久磁石を一つ用いる本発明の実施形態を示す。
【0022】
【
図5】
図2の線3−3に沿って切断された、本発明に従う、構成変更可能な電気モータの断面図であり、放射配列ロータ構成で、4極中空永久磁石を一つ用いる本発明の実施形態を示す。
【0023】
【
図6】
図2の線3−3に沿って切断された、本発明に従う、構成変更可能な電気モータの断面図であり、放射配列ロータ構成で、4つの永久磁石を用いる本発明の実施形態を示す。
【0024】
【
図7】
図2の線3−3に沿って切断された、本発明に従う、構成変更可能な電気モータの断面図であり、放射配列ロータ構成で、4対の永久磁石を用いる本発明の実施形態を示す。
【0025】
【
図8】
図2の線3−3に沿って切断された、本発明に従う、構成変更可能な電気モータの断面図であり、磁束スクイーズロータ構成で、4つの永久磁石を用いる本発明の実施形態を示す。
【0026】
【
図9A】
図2の線3−3に沿って切断された、本発明に従う、構成変更可能な電気モータの断面図であり、放射配列ロータ構成における単一の永久磁石が最小磁場を与えるように回転している、本発明の実施形態を示す。
【0027】
【
図9B】
図2の線3−3に沿って切断された、本発明に従う、構成変更可能な電気モータの断面図であり、放射配列ロータ構成における単一の永久磁石が最大磁場を与えるように回転している、本発明の実施形態を示す。
【0028】
【
図10A】
図2の線3−3に沿って切断された、本発明に従う、構成変更可能な電気モータの断面図であり、放射配列ロータ構成における単一の4極永久磁石が、最小磁場を与えるように回転している、本発明の実施形態を示す。
【0029】
【
図10B】
図2の線3−3に沿って切断された、本発明に従う、構成変更可能な電気モータの断面図であり、放射配列ロータ構成における単一の4極永久磁石が、最大磁場を与えるように回転している、本発明の実施形態を示す。
【0030】
【
図11A】
図2の線3−3に沿って切断された、本発明に従う、構成変更可能な電気モータの断面図であり、放射配列ロータ構成における単一の中空4極永久磁石が、最小磁場を与えるように回転している、本発明の実施形態を示す。
【0031】
【
図11B】
図2の線3−3に沿って切断された、本発明に従う、構成変更可能な電気モータの断面図であり、放射配列ロータ構成における単一の中空4極永久磁石が、最大磁場を与えるように回転している、本発明の実施形態を示す。
【0032】
【
図12A】
図2の線3−3に沿って切断された、本発明に従う、構成変更可能な電気モータの断面図であり、放射配列ロータ構成における4つの永久磁石が、最小磁場を与えるように回転している、本発明の実施形態を示す。
【0033】
【
図12B】
図2の線3−3に沿って切断された、本発明に従う、構成変更可能な電気モータの断面図であり、放射配列ロータ構成における最大磁場を与えるように回転された4つの永久磁石本発明の実施形態を示す。
【0034】
【
図13A】
図2の線3−3に沿って切断された、本発明に従う、構成変更可能な電気モータの断面図であり、放射配列ロータ構成における4対の永久磁石が、最小磁場を与えるように回転している、本発明の実施形態を示す。
【0035】
【
図13B】
図2の線3−3に沿って切断された、本発明に従う、構成変更可能な電気モータの断面図であり、放射配列ロータ構成における4対の永久磁石が、最大磁場を与えるように回転している、本発明の実施形態を示す。
【0036】
【
図14A】
図2の線3−3に沿って切断された、本発明に従う、構成変更可能な電気モータの断面図であり、磁束スクイーズロータにおける4つの永久磁石が、最小磁場を与えるように回転している、本発明の実施形態を示す。
【0037】
【
図14B】
図2の線3−3に沿って切断された、本発明に従う、構成変更可能な電気モータの断面図であり、磁束スクイーズロータにおける4つの永久磁石が、最大磁場を与えるように回転している、本発明の実施形態を示す。
【0038】
【
図15A】最小磁場位置で単一の永久磁石を把持する遠心ラッチ機構を有する、本発明に従う構成変更可能な電気モータの側断面図である。
【0039】
【
図15B】最小磁場位置で単一の永久磁石を把持する遠心ラッチ機構を有する、本発明に従う構成変更可能な電気モータの端面図である。
【0040】
【
図16A】最大磁場位置で単一の永久磁石を解放する遠心ラッチ機構を有する、本発明に従う、構成変更可能な電気モータの側断面図である。
【0041】
【
図16B】最大磁場位置で単一の永久磁石を解放する遠心ラッチ機構を有する、本発明に従う、構成変更可能な電気モータの端面図である。
【0042】
【
図17A】最小磁場位置で4つの永久磁石を把持する遠心ラッチ機構を有する、本発明に従う、構成変更可能な電気モータの側断面図である。
【0043】
【
図17B】最小磁場位置で4つの永久磁石を把持する遠心ラッチ機構を有する、本発明に従う、構成変更可能な電気モータの端面図である。
【0044】
【
図18A】最大磁場位置で4つの永久磁石を解放する遠心ラッチ機構を有する、本発明に従う、構成変更可能な電気モータの側断面図である。
【0045】
【
図18B】最大磁場位置で4つの永久磁石を解放する遠心ラッチ機構を有する、本発明に従う、構成変更可能な電気モータの端面図である。
【0046】
【
図19A】最小磁場位置で4極永久磁石を回転させる遠心ラッチ機構を有する、本発明に従う、構成変更可能な電気モータロータの端面図である。
【0047】
【
図19B】最大磁場位置で4極永久磁石を回転させる遠心ラッチ機構を有する、本発明に従う、構成変更可能な電気モータロータの端面図である。
【0048】
【
図20A】弱い磁場を与えるために、端から端までの半分の長さの磁石を位置を合わせないで用いる、本発明に従う構成変更可能ロータの側断面図である。
【0049】
【
図20B】
図20Aの線20B−20Bに沿って切断された、弱い磁場を与えるために、端から端までの半分の長さの磁石を位置を合わせないで用いる、本発明に従う構成変更可能ロータの断面図を示す。
【0050】
【
図21A】強い磁場を与えるために、端から端までの半分の長さの磁石を位置を合わせて用いる、本発明に従う構成変更可能ロータの側断面図である。
【0051】
【
図21B】
図21Aの線21B−21Bに沿って切断された、強い磁場を与えるために、端から端までの半分の長さの磁石を位置を合わせて用いる、本発明に従う構成変更可能ロータの断面図を示す。
【0052】
【
図22A】ロータを再構成する固定磁石および磁気シャント(magnetic shunting)を有する、本発明に従う磁気シャントロータの側断面図である。
【0053】
【
図22B】
図22Aの線22B−22Bに沿って切断された、磁気シャントロータの断面図である。
【0054】
【
図23A】磁場効率を最小にすべく、ロータ内の永久磁石によって作られた磁場がシャントされた、磁気シャントロータを示す。
【0055】
【
図23B】磁場効率を最大にすべく、ロータ内の永久磁石によって作られた磁場がシャントされていない、磁気シャントロータを示す。
【0056】
【
図24A】最小効率磁場となっている、磁気シャントロータを示す。
【0057】
【
図24B】最大効率磁場となっている、磁気シャントロータを示す。
【0058】
【
図25A】パドル型減衰構造を示す、磁気シャントロータの側断面図である。
【0059】
【
図25B】
図25Aの線25B−25Bに沿って切断された、パドル型減衰構造を示す磁気シャントロータの断面図である。
【0060】
【
図26】大型モータのロータの永久磁石の位置を制御するブラシレスアクチュエータモータを有する、本発明に従う作動機構の、第1の実施形態の側面図を示す。
【0061】
【
図27】
図26の線27−27に沿って切断された、ブラシレスアクチュエータモータの第1の実施形態の断面図を示す。
【0062】
【
図28A】作動機構の第1の実施形態によって、弱い磁場を作るように、モータの磁石の位置が合わせられていない状態を示す。
【0063】
【
図28B】作動機構の第1の実施形態によって、強い磁場を作るように、モータの磁石の位置が合わせられている状態を示す。
【0064】
【
図29】大型モータのロータの永久磁石の位置を制御するブラシレスアクチュエータモータを有する、本発明に従う作動機構の、第2の実施形態の側面図を示す。
【0065】
【
図30】
図29の線30−30に沿って切断された、ブラシレスアクチュエータモータの第2の実施形態の断面図を示す。
【0066】
【
図31A】作動機構の第2の実施形態によって、弱い磁場を作るように、モータの磁石の位置が合わせられていない状態を示す。
【0067】
【
図31B】作動機構の第2の実施形態によって、強い磁場を作るように、モータの磁石の位置が合わせられている状態を示す。
【0068】
複数の図面を通して、対応する参照文字は対応する構成部品を示す。
【発明を実施するための最良の形態】
【0069】
以下の記述は、本発明を実施するために現在考えられている最良の形態である。本記述は、限定する意味で解釈されるべきではなく、単に、本発明の1つ以上の好ましい実施形態を記述する目的のためにのみ成される。本発明の範囲は、特許請求の範囲への参照とともに決定されるものとする。
【0070】
本発明に従う、構成変更可能な電気モータ10の側面図を
図1Aに示し、構成変更可能な電気モータ10の端面図を
図1Bに示し、
図1Aの線2−2に沿って切断された構成変更可能な電気モータ10の断面図を
図2に示す。モータ10は、固定子巻線14と、回転可能モータ軸11上で、かつ固定子巻線14の内側に存在するロータ12とを含む。モータ10は、ロータ12内に少なくとも1つの永久磁石16(
図3〜7参照)を含むAC誘導モータであり、磁石16は、始動時における初期非同期動作のための弱い磁場と始動後の効率的な同期動作のための強い磁場とを与えるように調整されてもよい。
【0071】
構成変更可能な電気モータ10の第1実施形態の、
図2の線3−3に沿って切断された断面図を
図3に示す。モータ10の第1の実施形態は、ロータ12a内に、単一の回転可能な2極内部永久磁石(Interior Permanent Magnet; IPM)16を有する、2極モータ30aを備える。2極モータ30aはモータ軸11と同軸上に存在する。磁石16は、放射配列構成において、その両側に空隙21を有し、空隙21は磁石16のN極(N)およびS極(S)を分割する。誘導動作のためのリスケージ要素の複数の格子32は、ロータ12の全長と同様の長さを有し、ロータ12の外半径の周りに一定の角度で互いに離間している。これらの格子は直線的であってもよく、他の利点として騒音を低減するために捻転されていてもよい。磁石16およびロッド32は、空隙21によって分断されるロータポールピース20により担持される。ポールピース20は、好ましくは、例えば、鉄や鋼といった個々に絶縁された磁気伝導性材料の積層で構築される。
【0072】
本発明に従う、構成変更可能な電気モータ10の第2実施形態の、
図2の線3−3に沿って切断された断面図を
図4に示す。モータ10の第2の実施形態は、放射配列ロータ12b構成を有し、モータ軸11と同軸上に存在する単一の回転可能な4極永久磁石16aを伴う4極モータ30bを備える。ポールピース20は、隣接する部分間に空隙21を有する4等分の部分に分けられる。モータ30bは、それ以外の点においては、モータ30aと同様である。
【0073】
本発明に従う、構成変更可能な電気モータ10の第3実施形態の、
図2の線3−3に沿って切断された断面図を
図5に示す。モータ10の第3の実施形態は、モータ11と同軸上に存在する単一の中空で回転可能な4極永久磁石16bを有するロータ12cを伴う4極モータ30cを備える。鋼軸23は、中空磁石16bの中央を通過する。モータ30cは、それ以外の点においては、モータ30bと同様である。
【0074】
本発明を伴う使用に好適な円筒形2極永久磁石16の透視図を、
図2Aに示す。磁石16は、磁石軸11aを有する。円筒形磁石は、本発明に従って、回転する磁石に対する好ましい形状ではあるが、本発明の利点を得るように可動であるように他の形状を採用してもよく、非同期動作のための弱い磁場へ、および同期動作のための強い磁場へとロータ磁場を調整するように構成された、どのような形状の可動磁石を有する電気モータも、本発明の範囲内に含まれる。
【0075】
本発明に従う、構成変更可能な4極電気モータ10の第4実施形態の、
図2の線3−3に沿って切断された断面図を
図6に示す。モータ10の第4の実施形態は、放射配列ロータ12d構成を有し、磁石軸がモータ軸11と平行で、互いに角方向に離間した、4つの回転可能2極永久磁石16を備える4極モータ30dを備える。ポールピースは、4つの外部ポールピース20aと、単一の中空中央ポールピース20bとを備える。磁石16は中央ポールピース20bと外部ポールピース20aとの間に径方向に挟入され、空隙21は、各外部ポールピース20aを隣接する外部ポールピース20aから分離し、かつ中央ポールピース20bを外部ポールピース20aから分離する。誘導動作のためのリスケージ要素の複数の格子32は、ロータ12の外半径の周りに互いに角方向に離間し、それぞれロータ12と同様の長さを有する。格子は直線であってもよく、他の利点として騒音を低減するために捻転されていてもよい。ポールピース20aおよび20bは、好ましくは、例えば、鉄や鋼といった個々に絶縁された磁気伝導性材料の積層で構築される。
【0076】
本発明に従う、構成変更可能な4極電気モータ10の第5実施形態の、
図2の線3−3に沿って切断された断面図を
図7に示す。モータ10の第5の実施形態は、放射配列ロータ構成を有する。モータ軸11と平行な磁石軸を有し、それぞれ角方向に離間した、4対の回転可能2極永久磁石16を有するロータ12eを有する4極モータ30eを備える。他の類似の実施形態は、3つ以上の磁石の、4つの群を備える磁石群を含んでもよい。モータ30eは、それ以外の点においては、モータ30dと同様である。
【0077】
本発明に従う、構成変更可能な4極電気モータ10の第6実施形態の、
図2の線3−3に沿って切断された断面図を
図8に示す。モータ10の第6の実施形態は、磁束スクイーズロータ構成を有し、モータ軸11と平行な磁石軸を伴う4つの一定の角度で離間した回転可能な2極永久磁石16を有するロータ12fを伴う4極モータ30fを備える。4つの磁石16は、4つの一定の角度で離間したポールピース20cの間に一定の角度で存在する。モータ30fは、それ以外の点においては、モータ30dと同様である。
【0078】
最小(または弱い)磁場24aを与えるように回転している、単一の2極永久磁石16を伴う、モータ30a(
図3参照)の
図2の線3−3に沿って切断された断面図を
図9Aに示す。弱い磁場24aは、初期の非同期動作のための誘導モードでのモータ30aの始動を妨げない。
【0079】
最大(または強い)磁場24bを与えるように回転している、単一の2極永久磁石16を伴う、モータ30aの
図2の線3−3に沿って切断された断面図を
図9Bに示す。強い磁場24bはモータ30aの始動を妨げ得るが、モータ30aの始動後の同期モードにおいてより効率的な動作を提供する。
【0080】
最小(または弱い)磁場24aを与えるように回転している、単一の4極永久磁石16aを伴う、モータ30b(
図4参照)の
図2の線3−3に沿って切断された断面図を
図10Aに示す。弱い磁場24aは、初期の非同期動作のための誘導モードでのモータの始動を妨げない。
【0081】
最大(または強い)磁場を与えるように回転している、単一の4極永久磁石16aを伴う、モータ30bの
図2の線3−3に沿って切断された断面図を
図10Bに示す。強い磁場24bはモータ30bの始動を妨げ得るが、モータ30bの始動後の同期モードにおいてより効率的な動作を提供する。
【0082】
最小(または弱い)磁場24aを与えるように回転している、単一の中空4極永久磁石16bを伴う、モータ30c(
図5参照)の
図2の線3−3に沿って切断された断面図を
図11Aに示す。弱い磁場24aは、初期の非同期動作のための誘導モードでのモータの始動を妨げない。
【0083】
最大(または強い)磁場を与えるように回転している、単一の中空4極永久磁石16bを伴う、モータ30cの
図2の線3−3に沿って切断された断面図を
図11Bに示す。強い磁場24bはモータ30cの始動を妨げ得るが、モータ30cの始動後の同期モードにおいてより効率的な動作を提供する。
【0084】
最小(または弱い)磁場24aを与えるように回転された4つの2極永久磁石16を伴う、モータ30d(
図6参照)の
図2の線3−3に沿って切断された断面図を
図12Aに示す。弱い磁場24aは、初期の非同期動作のための誘導モードでのモータ30dの始動を妨げない。
【0085】
最大(または強い)磁場を与えるように回転された4つの2極永久磁石16を伴う、モータ30dの
図2の線3−3に沿って切断された断面図を
図12Bに示す。強い磁場24bはモータ30dの始動を妨げ得るが、モータ30dの始動後の同期モードにおいてより効率的な動作を提供する。
【0086】
最小(または弱い)磁場24aを与えるように回転された4対の2極永久磁石16を伴う、モータ30e(
図7参照)の
図2の線3−3に沿って切断された断面図を
図13Aに示す。弱い磁場24aは、初期の非同期動作のための誘導モードでのモータ30eの始動を妨げない。
【0087】
最大(または強い)磁場を与えるように回転された4対の2極永久磁石16を伴う、モータ30eの
図2の線3−3に沿って切断された断面図を
図13Bに示す。強い磁場24bはモータ30eの始動を妨げ得るが、モータ30eの始動後の同期モードにおいてより効率的な動作を提供する。
【0088】
磁束スクイーズロータ構成で、、最小(または弱い)磁場24aを与えるように回転された4つの2極永久磁石16を伴う、モータ30f(
図8参照)の
図2の線3−3に沿って切断された断面図を
図14Aに示す。弱い磁場24aは、初期の非同期動作のための誘導モードでのモータ30fの始動を妨げない。
【0089】
磁束スクイーズロータ構成で、最大(または強い)磁場を提供するように回転された4つの2極永久磁石16を伴う、モータ30fの
図2の線3−3に沿って切断された断面図を
図14Bに示す。強い磁場24bはモータ30fの始動を妨げ得るが、モータ30fの始動後の同期モードにおいてより効率的な動作を提供する。
【0090】
単一の永久磁石16を最小磁場位置(
図9A参照)で把持する遠心ラッチ機構40を伴う、モータ30a(
図3参照)の側断面図を
図15Aに示し、単一の永久磁石を最小磁場位置(
図9A参照)で把持する遠心ラッチ機構を有する、モータ30aの対応する端面図を
図15Bに示す。単一の永久磁石16を最大磁場位置で解放した遠心ラッチ機構40を伴う、モータ30aの第2の側断面図を
図16Aに示し、単一の永久磁石を最大磁場位置で解放した遠心ラッチ機構を有する、モータ30aの対応する端面図を
図16Bに示す。遠心ラッチ機構40は、錘44、回転板50、円板ばね48、摺動板46、ピン42、およびピン座52を含む。錘44および円板ばね48は、適当な回転数(RPM)で錘44が外側へ移動し、円板ばね48を、
図15Aに示される第1の延在位置から
図16Aに示される後退位置へと切り替えさせ、それによって、ピン42を座52から後退させ磁石16を解放するように、選択される。
【0091】
磁石16は、モータ30aが静止している時は弱い磁場位置に磁気的に付勢され、モータ30aが静止している時は、遠心ラッチ機構40もピン座52の中へピン42を付勢する。したがって、モータ30aが停止するとモータ30aは常に弱磁石モードへ戻り、非同期誘導モータとしてモータが始動できる。モータ30aが十分な回転数に到達すると、遠心ラッチ機構40は、ピン42をピン座52から引き抜き磁石16を解放する。十分な回転数において、モータ30a内の磁場は、永久磁石16に強磁石位置へと90度回転するように付勢し、それによって、効率的な同期動作を提供する。
【0092】
好適な遠心ラッチ機構の例は、Ohio BedfordのTORQ Corp.により製造されるSynchrosnap Centrifugal mechanismである。本発明の使用のために、Synchrosnap Centrifugal mechanismは、電気スイッチ機能を提供する代わりにピン42を作動するように、僅かに修正される。
【0093】
モータ30f(
図8参照)に適用される弱い磁場と強い磁場24bとを切り替えるための第2の装置例を、
図17A(弱い磁場側面図)、17B(弱い磁場端面図)、18A(強い磁場側面図)、および18B(強い磁場端面図)に示す。モータ30fの4つの磁石16は、各々小歯車60に取り付けられ、全ての小歯車は大歯車62と係合し、それにより磁石16の全ては回転整列した状態を保つ。モータ30fが静止している時、ピン42は、大歯車62内のピン座52と係合し、モータ30fが十分な回転数に到達すると、遠心ラッチ機構40は、ピン42をピン座52から引き抜き磁石16を解放する。モータ30aと同様に、モータ30fの永久磁石16は、モータ30fが停止されている時は、弱い磁場位置(
図14A参照)に磁気的に付勢され、同期動作のために十分な回転数においては強い磁場位置(
図14B参照)に磁気的に付勢される。
【0094】
中空円筒形分割4極永久磁石16c(
図5内の中空4極永久磁石16bに類似する)を最小磁場位置に把持する遠心機構を伴う、本発明に従う、構成変更可能な電気モータロータ12gの端面図を
図19Aに示し、4極永久磁石を最大磁場位置へ回転させる遠心機構を伴う、ロータ12gの端面図を
図19Bに示す。4つの加重された小歯車60aは質量が不均衡であり、ロータが回転している時にトルクを作成し、各歯車60aを回転させる。歯車60aは、中心の大歯車62と連動し、歯車62を回転させ、磁石16cは、歯車62とともに回転する。ロータ12gが停止されると、磁石16cは、ポールピースギャップ20'の間の磁石ギャップ16c'とともに存在するようバイアスがかけられ、最小磁場をもたらす。ロータ12gが回転すると、歯車60a内の質量の不均衡によって歯車60aは回転し、同様に歯車62および磁石16cを回転させる。ロータ12gが同期動作速度に到達する時までに、磁石ギャップ16c'は、効率的な同期動作のための最大磁場を与えるように、ポールピースギャップ20'と位置が合わされる。
【0095】
本発明に従う、構成変更可能な電気モータロータ12hの側面図を
図20Aに示す。電気モータロータ12hは、端から端までの半分の長さを有する円筒形に区分された複数の4極永久磁石16cを有し、これらの複数の円筒形4極永久磁石16cは、磁場を弱くするべく、磁極の位置が合わされていない。また、ロータ12hの、
図20Aの線20B−20Bに沿って切断された断面図を
図20Bに示す。本実施形態において、可動式の第1の磁石16a(すなわち、遠心ラッチ機構40に最も近い磁石)は、第1の磁石16cのN−S極を、固定された第2の磁石16cのN−S極に対して位置を合わせないように回転可能であり、それによって弱い磁場を生成することができる。かかる弱い磁場は、ロータ12hを含むモータが非同期モードで始動することを可能にする。
【0096】
本発明に従うロータ12hの側面図を
図21Aに示す。ロータ12hは、端から端までの半分の長さを有する円筒形に区分された複数の4極永久磁石16cを有し、これらの複数の円筒形4極永久磁石16cは、磁場を強くするべく、磁極の位置が合わされている。また、
図21Aの線21B−21Bに沿って切断された断面図を、
図21Bに示す。遠心ラッチ機構40は、十分な回転数が到達され、錘44がばね48の力に打ち勝ち、第2の磁石16cと自然に整列する傾向を有する第1の磁石16cを解放することが可能になるまで、第1の磁石を非整列の状態に把持する。
【0097】
他の実施形態において、第1の磁石16cの動きは、他の電気機械装置によって、または粘性減衰手段によって制御されてもよい。粘性減衰の例は、可動磁石16cをシリコーンの中に入れることである。
【0098】
固定永久磁石72を有し、かつロータを再構成するように
磁気シャントリング70を回転させる、本発明に従う磁気シャントロータ12iの側断面図を
図22Aに示し、磁気シャントロータ12iの、
図22Aの線22B−22Bに沿って切断された断面図を
図22Bに示す。回転シャントリング70は、固定永久磁石72の外側に存在し、固定磁石72を回転シャントリング70の外側に存在する外部ポールピース20aから分離し、ポールピース20aは渦電流を最小にするために個々に絶縁された積層を備える。
【0099】
内部ポールピース(あるいは、裏金または磁気指標電機子)20bは、固定永久磁石72の内側に存在し、磁束のための復路を提供する。裏金20bは、モータ軸23上に存在し、モータ軸23は、好ましくは、裏金20bと連動し、固定永久磁石72および回転シャントリング70を伴う磁気回路を完成させるために十分な厚みを提供する。裏金20bは、好ましくは、ポールピース20および20aと同様に渦電流を最小化する個々に絶縁された積層を備えるが、裏金20bは、単一部であってもよい。一実施形態において、固定子、外部ポールピース20a、および裏金20bは、各々の形状を打ち抜くことによって、同一の積層部から製造されてもよく、それによりほぼ全ての材料を利用し廃物を最大限減らし、費用を削減できる。空調装置および冷却装置モータといった高容量の用途においては、かかる製造方法は、好ましい。固定磁石72および裏金20bは、例えば、モータが4極電機子を有する場合には、4つの磁石があるため、ポールピースと見なされる。
【0100】
最小効率磁場に対してシャントされたロータ12i内の永久磁石72によって作らされた磁場とともに、磁気シャントロータを
図23Aに示し、最大効率磁場に対して非シャントされたロータ内の永久磁石72によって作らされた磁場とともに
図23Bに示す。シャントと非シャントとの間の切り替えは、シャントリング70を円弧71に沿って回転させることで行われる。シャント位置において、回転シャントリング70内のリングギャップ70aは、永久磁石72内の磁石ギャップ72aに対応しない位置に配されており、かつ、ポールピース20a内のポールピースギャップ20a
'と整合していない。非シャント位置において、回転シャントリング70内のリングギャップ70aは、永久磁石72内の磁石ギャップ72aおよびポールピース20a内のポールピースギャップ20a'に対応する位置に配されている。
【0101】
最小効率磁場24を伴う、磁気シャントロータ12iを
図24Aに示し、最大効率磁場24bを伴う、磁気シャントロータ12iを
図22Bに示す。最小磁場は、磁気シャントされたモータを非同期誘導モータとして始動させ、最大磁場は、磁気シャントされたモータを同期モータとして効率的に動作させる。
【0102】
シャントされた動作と非シャントの動作との間の急な変化を抑制する粘性減衰構造を示す、磁気シャントロータ12iの側断面図を
図25Aに示し、パドル型減衰構造を示す磁気シャントロータ12iの、
図25Aの線25B−25Bに沿って切断された断面図を
図25Bに示す。粘性減衰構造は、回転シャントリング70に接続され、回転シャントリング70の回転を抑制する。ロータ12i内の磁場は好ましくは、ロータ12iが静止している時にシャント位置への回転シャントリング70の自然なバイアスを提供し、モータが動作している時に非シャント位置への自然なバイアスを与える。
【0103】
粘性減衰構造の例は、粘性流体76で充填されたチャンバ内のパドル74を備える。パドル74は、複数のパドル、例えば、4つのパドルを備えてもよい。粘性流体76は、シリコーン油であってもよく、シリコーン油の粘度は、回転シャントリング70の所望の粘性減衰を提供するために選択されてもよい。パドル74は、パドルが円弧78に沿って移動する際に粘性流体がパドル74を過ぎて流れることを可能にする、ポート74aを含んでもよい。パドル74の数とポート74aの数および形状とは、粘性流体の粘度と同様に、回転シャントリング70の減衰を調整するために調整されてもよい。好ましくは、回転シャントリング70は、モータが非同期から同期動作へ移行する際に回転シャントリング70の揺動を回避するように十分に減衰されるであろう。
【0104】
別の実施形態において、粘性減衰構造は、回転シャントリング70の周囲に遊隙を設けることによって提供される。遊隙は粘性流体で充填され、減衰の度合いは粘性流体の粘度選択によって制御される。シリコーン油は、好適な粘性流体の一例である。本明細書において、粘性減衰は磁気シャントロータに対して説明されているが、かかる粘性減衰は、シャントリングを使用するか可動永久磁石を使用するかにかかわらず、本明細書に説明される構成変更可能な電気モータ(例えば、
図3〜8、19A、19B、および20A〜21Bにおける)のいかなる実施形態への用途に対しても意図される。各々の例において、磁気回路の可動要素は、例えば、シリコーン等の粘性材料と接触していてもよく、または、
図25Aおよび25Bに示され説明されるように粘性減衰構造に接続してもよい。接触は、可動要素の外表面全体か、または可動要素の外表面の一部であってもよい。さらに、粘性材料の粘度は、弱い磁場から強い磁場への移行における適正な遅延を提供するために個々の用途に対して選択されてもよい。
【0105】
概して、粘性減衰は、始動時の弱い磁場から効率的な同期動作のための強い磁場への移行を遅延させる。かかる遅延は、好ましくは、約1秒から5秒であるが、始動負荷により依存してもよく、同期速度付近での強い磁場への移行を遅延させる。仮に、強い磁場(例えば、約20から30パーセントのアラインメント)への移行が、モータが同期速度に到達するより前にあまりに早く起こると、始動トルクの低下がもたらされる可能性がある。一方、移行における遅延は、短時間だけ効率を僅かに低下させるだけである。また、粘性減衰によって、ロータが強い磁場へ移行する時の揺動は減らされる、あるいは除去される。
【0106】
前述の粘性減衰は、一般的な電化製品といった、小型で安価なモータに対して好ましく、低費用である。より大型で高価なモータにおいては、例えば、歯車、および/または、油圧式、空気式、あるいは電気的(ソレノイド)なもの含む電気機械アクチュエータが、ロータ磁場を正確に制御し効率を最適化するために使用されてもよく、そのいくつかの実施形態は、米国特許出願第12/610,271号に開示されており、前述の参照により組み込まれる。
【0107】
より大型のモータは費用が高いため、アクチュエータフィードバックシステムは、非同期式から同期式へ構成変更可能なモータへの実現可能で経済的な追加物であり、何故ならば、かかるアクチュエータフィードバックシステムは、ロータを大型モータに改造するか、または大型モータを新しく購入することに関する費用のうちの数パーセントしか占めないからである。より大型のモータでは、ロータ慣性および/またはモータへの負荷によって始動に著しく時間がかかる。かかる事例においては、電気的に制御された作動機構が、ロータの磁場を制御するために使用されてもよい。例えば、モータへの負荷がロータ拘束トルクを上回り、回転数が同期速度の約50パーセントを下回って減速する時、作動機構はロータ内の磁気回路要素を非整列にしてロータ磁場を弱めることができ、モータ負荷が減るか、または作動機構が磁気回路要素を再整列させられる非同期速度にモータが到達するまで、モータが誘導トルク下に戻ることを可能にする。
【0108】
大型モータ30jの永久磁石ロータおよび固定子に添加されたブラシレスアクチュエータモータ80を有する、作動機構の第1の実施形態の側面図を
図26に示し、
図26の線27−27に沿って切断されたブラシレスアクチュエータモータ80の断面図を
図27に示す。アクチュエータモータ80は、モータ電力か、または別個の低電圧源かによって動く、制御装置(または、プロセッサ)86に接続される。回転位置感知のためのセンサ/エンコーダ88は、制御装置86に接続されフィードバックおよび制御を提供する。アクチュエータモータ80は、固定コイル82と、それらに添加された磁石を有するアクチュエータロータ84と、を備える。アクチュエータロータ84は、ロータ12jの回転可能な永久磁石、またはロータ12の回転可能なシャント部に接続され、ロータ12jを、始動のための弱ロータ磁場へ、および効率的な同期動作のための強ロータ磁場へと調整する。
【0109】
図28Aは、弱い磁場を作るように作動機構の第1の実施形態によって調整されたロータ30jの磁石16を示し、
図28Bは、強い磁場を作るように作動機構の第1の実施形態によって調整されたモータの磁石を示す。アクチュエータロータ84は、歯車62に直接取り付けられ、各円筒形磁石16に取り付けられた歯車60a(
図28Aおよび28B参照)を回転させる。
【0110】
始動の間、アクチュエータモータ80は、弱い磁場位置におけるロータ磁石(またはシャント部)を位置付けるために位置感知センサ/エンコーダデータを使用して、ロータ12jと同じ速度で回転し、モータ20jが最大非同期速度に到達すると、アクチュエータモータ80は、速度を増加または減少し、正常な磁束相互作用が整列を維持し、かつアクチュエータモータがいかなる損失も伴わずにロータ12jとともに自由に回転できる強い磁場位置へと、ロータ12jのロータ磁石(またはシャント部)を回転させる。
【0111】
大型モータ30kに取り付けられたブラシレスアクチュエータモータ80aを有する、本発明に従う作動機構の第2の実施形態を
図29に示し、
図29の線30−30に沿って切断されたブラシレスアクチュエータモータ80の断面図を
図30に示す。円筒形永久磁石16dは、アクチュエータモータ80aのロータを形成するコイル82を超えて延在する、ドッグレッグ部を含む。アクチュエータモータ80は、したがって、磁石16dの位置を制御することが可能である。
【0112】
図31Aは、弱い磁場を作るように位置感知センサ/エンコーダ88データおよび制御装置86を用いるアクチュエータモータ80によって制御された、モータ30kの磁石16dを示し、
図31Bは、強い磁場を作るようにアクチュエータモータ80によって制御された磁石16dを示す。