(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
内視鏡画像を映像信号として出力する電子内視鏡と、モニタと、前記映像信号を処理して前記内視鏡画像が含まれる表示画像を生成し、該表示画像を前記モニタに出力する電子内視鏡用プロセッサと、を備えた電子内視鏡装置であって、
ユーザからの入力を受け付ける操作部と、
前記操作部への入力に応じて前記表示画像を静止画像として1フレーム分記憶するフレームメモリと、
前記フレームメモリに記憶された前記表示画像のうち前記内視鏡画像が含まれる所定の画像領域を抽出する画像領域抽出手段と、
前記画像領域抽出手段によって抽出された前記画像領域を画像ファイルとして記憶する画像データ記憶手段と、
を有し、
前記表示画像には第1及び第2の内視鏡画像が含まれ、
前記画像領域抽出手段は、前記表示画像のうち前記第1の内視鏡画像が含まれる第1の画像領域と前記第2の内視鏡画像が含まれる第2の画像領域とを分けて抽出し、
前記画像データ記憶手段は、抽出された前記第1及び前記第2の画像領域をそれぞれ個別の画像ファイルとして記憶する、
ことを特徴とする電子内視鏡装置。
前記画像データ記憶手段が、前記電子内視鏡用プロセッサに対して挿抜可能な外部記憶装置であることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の電子内視鏡装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の構成のように複数の内視鏡画像がモニタに表示された状態ではモニタに表示される画像のサイズや画像のレイアウトによって画像の周辺に不必要な余白部が生じる。そして、この画面を画面単位でキャプチャする場合、余白部を含んだ画面がキャプチャされる結果、不必要にデータサイズが大きくなるといった問題が生じる。また、特許文献2の構成のように患者情報がスーパーインポーズされる構成では、必ずしも患者情報がユーザにとって必要な情報であるとは限らず、このような場合に画面単位でキャプチャすると、不必要な患者情報が含まれる結果、データサイズが大きくなるといった問題が生じる。そして、キャプチャした画面(静止画像)の個々のデータサイズが大きくなると、これらを記憶するメモリの容量を圧迫し、ユーザが記憶したい画像を記憶できなくなるといった問題も生じる。
【0006】
本発明は上記の問題を解決するためになされたものである。すなわち、本発明は、ユーザが所望する静止画像をコンパクトなデータサイズで記憶することを可能にした電子内視鏡装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するため、本発明の電子内視鏡装置は、内視鏡画像を映像信号として出力する電子内視鏡と、モニタと、映像信号を処理して内視鏡画像が含まれる表示画像を生成し該表示画像をモニタに出力する電子内視鏡用プロセッサとを備えた電子内視鏡装置であって、ユーザからの入力を受け付ける操作部と、操作部への入力に応じて表示画像を静止画像として1フレーム分記憶するフレームメモリと、フレームメモリに記憶された表示画像のうち内視鏡画像が含まれる所定の画像領域を抽出する画像領域抽出手段と、画像領域抽出手段によって抽出された画像領域を1つの画像データとして記憶する画像データ記憶手段とを有する。
【0008】
このような構成により、表示画像のうち内視鏡画像が含まれる所定の画像領域のみが画像データとして記憶され、所定の画像領域外に位置する不必要な画像のデータは記憶されないため、記憶される画像データのデータサイズが抑えられる。
【0009】
また、内視鏡画像のレイアウトを指定する第1のパラメータをユーザから受け付ける第1の入力手段と、第1のパラメータに基づいて表示画像における内視鏡画像のレイアウトを演算し、レイアウト情報を生成するレイアウト情報生成手段と、レイアウト情報に基づいて内視鏡画像を表示画像内にレイアウトし、表示画像を生成する表示画像生成手段とを有し、画像領域抽出手段は、レイアウト情報に基づいてフレームメモリに記憶された表示画像から内視鏡画像を抽出するように構成してもよい。このような構成により、複雑な画像処理や演算を行うことなく抽出すべき画像領域を特定することが可能となる。
【0010】
また、第1のパラメータは、表示画像に対する内視鏡画像のサイズを含む構成とすることが好ましい。
【0011】
また、内視鏡画像を画像処理して処理後画像を生成する画像処理手段を有し、表示画像は、画像処理手段で生成された処理後画像を含み、画像領域抽出手段は、フレームメモリに記憶された表示画像のうち内視鏡画像と処理後画像が含まれる画像領域を抽出する構成としてもよい。このような構成とすれば、内視鏡画像と処理後画像とをモニタ上に2画面表示した場合であっても、コンパクトなデータサイズの静止画像を得ることが可能となる。
【0012】
また、処理後画像のレイアウトを指定する第2のパラメータをユーザから受け付ける第2の入力手段を有し、レイアウト情報生成手段は、第1のパラメータと第2のパラメータに基づいて表示画像における内視鏡画像と処理後画像のレイアウトを演算する構成とすることができる。このような構成とすれば、内視鏡画像と処理後画像とをモニタ上に2画面表示した場合であっても、複雑な画像処理や演算を行うことなく抽出すべき画像領域を特定することが可能となる。
【0013】
また、第2のパラメータは、内視鏡画像のサイズと処理後画像のサイズの比率を含む構成とすることが好ましい。
【発明の効果】
【0014】
以上のように、本発明によれば、モニタに表示される表示画像のうち内視鏡画像が含まれる所定の画像領域のみを画像データとして記憶することが可能となるため、内視鏡画像をコンパクトなデータサイズで記憶することが可能な電子内視鏡装置が提供される。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。
図1は、本実施形態の電子内視鏡装置のブロック図である。
図1に示されるように、本実施形態の電子内視鏡装置1は、電子内視鏡100と、電子内視鏡用プロセッサ200と、モニタ300とを有する。
【0017】
電子内視鏡用プロセッサ200は、第1コントローラ202、第2コントローラ203、タイミングコントローラ204等を有している。第1コントローラ202は、電子内視鏡装置1を構成する各要素を統括的に制御する。第2コントローラ203は、電子内視鏡装置1を構成する各要素と連携し後述する内視鏡画像抽出・記憶処理を実行する。タイミングコントローラ204は、信号の処理タイミングを調整するクロックパルスを電子内視鏡装置1内の各種回路に出力する。
【0018】
ランプ208は、ランプ電源イグナイタ206による始動後、白色光を放射する。ランプ208には、キセノンランプ、ハロゲンランプ、水銀ランプ、メタルハライドランプ等の高輝度ランプが適している。ランプ208から放射された照明光は、集光レンズ210によって集光されつつ絞り212を介して適正な光量に制限されて、LCB(Light Carrying Bundle)102の入射端に入射する。
【0019】
絞り212には、図示省略されたアームやギヤ等の伝達機構を介してモータ214が機械的に連結している。モータ214は、例えばDCモータであり、ドライバ216の制御下で駆動する。絞り212は、モニタ300に表示される映像を適正な明るさにするため、モータ214の駆動によって開度が変化するように構成されており、ランプ208から放射された照明光の光量を開度に応じて制限する。適正とされる映像の明るさの基準は、ユーザ(術者)によるタッチパネル218の輝度調節操作に応じて設定変更される。なお、ドライバ216を制御して輝度調整を行う調光回路は周知の回路であり、本明細書においては省略することとする。
【0020】
LCB102の入射端に入射した照明光は、LCB102内を全反射を繰り返すことによって伝播する。LCB102内を伝播した照明光は、電子内視鏡100の先端に配されたLCB102の射出端から射出する。LCB102の射出端から射出した照明光は、配光レンズ104を介して被写体を照明する。被写体からの反射光は、対物レンズ106を介して固体撮像素子108の受光面上の各画素で光学像を結ぶ。
【0021】
固体撮像素子108は、IR(InfraRed)カットフィルタ108a、ベイヤ配列カラーフィルタ108bの各種フィルタが受光面前面に配置された単板式カラーCCD(Charge Coupled Device)イメージセンサであり、受光面上の各画素で結像した光学像を光量に応じた電荷として蓄積して、R、G、Bの各色に応じた撮像信号に変換する。変換された撮像信号は、ドライバ信号処理回路112に入力されAD変換、信号増幅等の処理後、信号処理回路220に出力される。なお、別の実施形態では、固体撮像素子108は、CCDイメージセンサに限らず、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサであってもよい。
【0022】
ドライバ信号処理回路112は、メモリ114にアクセスして電子内視鏡100の固有情報を読み出す。電子内視鏡100の固有情報には、例えば固体撮像素子108の画素数や感度、対応可能なレート、型番等が含まれる。ドライバ信号処理回路112は、メモリ114から読み出した固有情報を第1コントローラ202に出力する。
【0023】
第1コントローラ202は、電子内視鏡100の固有情報に基づいて各種演算を行い、制御信号を生成する。第1コントローラ202は、生成された制御信号を用いて、電子内視鏡用プロセッサ200に接続中の電子内視鏡100に適した処理がなされるように電子内視鏡用プロセッサ200内の各種回路の動作やタイミングを制御する。
【0024】
タイミングコントローラ204は、第1コントローラ202によるタイミング制御に従って、ドライバ信号処理回路112にクロックパルスを供給する。ドライバ信号処理回路112は、タイミングコントローラ204から供給されるクロックパルスに従って、固体撮像素子108を電子内視鏡用プロセッサ200側で処理される映像のフレームレートに同期したタイミングで駆動制御する。
【0025】
信号処理回路220は、画像メモリ222と、画像処理回路224と、スケーラ226とを有する。画像メモリ222は、ドライバ信号処理回路112から出力されるデジタルの画像データを一時的に記憶するフレームメモリであり、画像メモリ222に記憶された画像データは、画像処理回路224とスケーラ226に出力される。画像処理回路224は、画像メモリ222に記憶された画像データを所定の(すなわち、モニタ300の水平及び垂直同期周波数に対応した)タイミングで読み出し、読み出した画像データに所定の画像処理(例えば、エンハンス処理など)を行い、スケーラ226に出力する。スケーラ226は、電子内視鏡用プロセッサ200に接続されているモニタ300の解像度及び固体撮像素子108の画素数に応じてモニタ300に表示する画像のサイズ及び位置(すなわち、モニタ300の画面上の内視鏡画像等のレイアウト)を調整し、画像メモリ222及び画像処理回路224から入力される画像データの一方又は両方を1画面毎に後段のOSD230及びキャプチャメモリ232に出力する。
【0026】
OSD230は、観察部位の情報や患者情報等の文字情報を内視鏡画像にスーパーインポーズする回路であり、第1コントローラ202の制御に従い、スケーラ226から出力される画像データに所定の文字情報のデータを重畳し、所定の形式のビデオ信号(例えば、NTSC形式)に変換してモニタ300に出力する。この結果、電子内視鏡100の固体撮像素子108によって撮像された被写体の内視鏡画像に文字情報が付され、モニタ300に表示されることになる。なお、上述の信号処理回路220の各動作は、タイミングコントローラ204及び第1コントローラ202の制御によって行われる。
【0027】
キャプチャメモリ232は、ユーザが後述するキャプチャ操作(静止画記録操作)を行った時の画像データを記憶するためのフレームメモリであり、スケーラ226から出力される画像データを1画面毎に更新しながら記憶する。
【0028】
第2コントローラ203は、タッチパネル218、キャプチャメモリ232及び第1コントローラ202と接続されており、タッチパネル218の制御及び後述する画像抽出・記憶処理を実行する。ユーザによってタッチパネル218が操作されると、第2コントローラ203は、その操作内容を第1コントローラ202に送信すると共に、ユーザからの操作が後述するキャプチャ操作である場合には、画像抽出・記憶処理を実行する。そして、画像抽出・記憶処理によって、抽出された画像のデータが外部記憶装置250に記憶される。外部記憶装置250は、例えばUSB(Universal Serial Bus)メモリであり、電子内視鏡用プロセッサ200に対して挿抜可能に構成される。
【0029】
図2は、本実施形態の電子内視鏡用プロセッサ200のタッチパネル218に表示される画像モード設定メニューである。画像モード設定メニューは、ユーザがモニタ300上に表示される内視鏡画像等のレイアウトを決めるための設定メニューである。ユーザが画像モード設定メニューで表示される各ボタンを操作することにより、「イメージサイズ」、「Twinモード」、「Twinモードディスプレイ」及び「出力ディスプレイ」の各項目を設定することができる。
【0030】
「イメージサイズ」は、モニタ300内での内視鏡画像等の画像の大きさを決定する項目である。ユーザが「イメージサイズ」のFullボタンA1を操作すると、第1コントローラ202は、「出力ディスプレイ」で設定されるモニタ300の解像度と第1コントローラ202によって取得された固体撮像素子108の画素数とに基づいて、内視鏡画像がモニタ300上に全画面表示されるように信号処理回路220のスケーラ226内のレジスタ値を設定する。また、ユーザが「イメージサイズ」のMediumボタンA2を操作すると、第1コントローラ202は、「出力ディスプレイ」で設定されるモニタ300の解像度と第1コントローラ202によって取得された固体撮像素子108の画素数とに基づいて、モニタ300に表示される画像がモニタ300の左側約80%の領域にレイアウトされるように信号処理回路220のスケーラ226内のレジスタ値を設定する。この場合、モニタ300の右側約20%の領域にはOSD230によって文字情報がスーパーインポーズされる。
【0031】
「Twinモード」は、モニタ300で2画面表示するか否かを設定する項目である。ユーザが「Twinモード」のOffボタンB1を操作すると、第1コントローラ202は、画像メモリ222からスケーラ226に入力される内視鏡画像(すなわち、画像処理回路224によって画像処理されていない内視鏡画像:以下、「第1画像」という)のみがモニタ300上に表示されるようにスケーラ226内のレジスタ値を設定する(1画面表示)。また、ユーザが「Twinモード」のOnボタンB2を操作すると、第1コントローラ202は、第1画像と画像処理回路224からスケーラ226に入力される内視鏡画像(以下、「第2画像」という)とがモニタ300の略中央に表示されるようにスケーラ226内のレジスタ値を設定する(2画面表示)。
【0032】
「Twinモードディスプレイ」は、「Twinモード」がオンしている時(2画面表示が設定されている時)に表示される2つの内視鏡画像について画像サイズを設定する項目である。ユーザが「Twinモードディスプレイ」の1:1ボタンC1を操作すると、第1コントローラ202は、第1画像と第2画像が1:1の大きさでモニタ300上に表示されるようにスケーラ226内のレジスタ値を設定する。ユーザが「Twinモードディスプレイ」の2:3ボタンC2を操作すると、第1コントローラ202は、第1画像と第2画像が2:3の大きさでモニタ300上に表示されるようにスケーラ226内のレジスタ値を設定する。また、ユーザが「Twinモードディスプレイ」の3:2ボタンC3を操作すると、第1コントローラ202は、第1画像と第2画像が3:2の大きさでモニタ300上に表示されるようにスケーラ226内のレジスタ値を設定する。
【0033】
「出力ディスプレイ」は、モニタ300の解像度を入力する項目である。ユーザが「出力ディスプレイ」のSXGAボタンD1を操作すると、第1コントローラ202は、モニタ300の解像度がSXGA(1280×1024)であるとして不図示のメモリに記憶する。また、ユーザが「出力ディスプレイ」のFullHDボタンD2を操作すると、第1コントローラ202は、モニタ300の解像度がFullHD(1920×1080)であるとして不図示のメモリに記憶する。メモリに記憶されたモニタ300の解像度は、「イメージサイズ」及び「Twinモードディスプレイ」の項目で画像のサイズ及び位置を演算するために用いられる。
【0034】
このように、ユーザがタッチパネル218に表示される画像モード設定メニューを操作することによって第1画像及び第2画像の表示サイズやレイアウトを決めるパラメータが入力されることとなる。そして、入力された各項目のパラメータに応じて、第1コントローラ202が第1画像及び第2画像のレイアウトを演算し、スケーラ226のレジスタ値を変更する。その結果、モニタ300上にユーザが所望する内視鏡画像等の表示が行われる。
【0035】
次に、画像モード設定メニューの各設定ボタンが操作された時に第1コントローラ202によって実行される画像モード設定処理について説明する。
図3は、本実施形態の第1コントローラ202によって実行される画像モード設定処理を示すフローチャートである。
【0036】
画像モード設定処理が実行されると、ステップS101が実行される。ステップS101では、第1コントローラ202は、ユーザによって画像モード設定メニューの「イメージサイズ」の設定が変更されたか否かを判断する。具体的には、第2コントローラ203がタッチパネル218上の操作を読みとり、第1コントローラ202に送信し、第1コントローラ202は、ユーザによって操作された内容と不図示のメモリに保存されている既定の設定とを比較する。そして、「イメージサイズ」の設定が変更されたと判断された場合(S101:YES)、処理はステップS109に進み、「イメージサイズ」の設定が変更されていないと判断された場合(S101:NO)、処理はステップS103に進む。
【0037】
ステップS103では、第1コントローラ202は、ユーザによって画像モード設定メニューの「Twinモード」の設定が変更されたか否かを判断する。具体的には、第2コントローラ203がタッチパネル218上の操作を読みとり、第1コントローラ202に送信し、第1コントローラ202は、ユーザによって操作された内容と不図示のメモリに保存されている既定の設定とを比較する。そして、「Twinモード」の設定が変更されたと判断された場合(S103:YES)、処理はステップS109に進み、「Twinモード」の設定が変更されていないと判断された場合(S103:NO)、処理はステップS105に進む。
【0038】
ステップS105では、第1コントローラ202は、ユーザによって画像モード設定メニューの「Twinモードディスプレイ」の設定が変更されたか否かを判断する。具体的には、第2コントローラ203がタッチパネル218上の操作を読みとり、第1コントローラ202に送信し、第1コントローラ202は、ユーザによって操作された内容と不図示のメモリに保存されている既定の設定とを比較する。そして、「Twinモードディスプレイ」の設定が変更されたと判断された場合(S105:YES)、処理はステップS109に進み、「Twinモードディスプレイ」の設定が変更されていないと判断された場合(S105:NO)、処理はステップS107に進む。
【0039】
ステップS107では、第1コントローラ202は、ユーザによって画像モード設定メニューの「モニタディスプレイ」の設定が変更されたか否かを判断する。具体的には、第2コントローラ203がタッチパネル218上の操作を読みとり、第1コントローラ202に送信し、第1コントローラ202は、ユーザによって操作された内容と不図示のメモリに保存されている既定の設定とを比較する。そして、「モニタディスプレイ」の設定が変更されたと判断された場合(S107:YES)、処理はステップS109に進み、「モニタディスプレイ」の設定が変更されていないと判断された場合(S107:NO)、画像モード設定処理を終了する。
【0040】
ステップS109では、第1コントローラ202は、ステップS101、103、105及び107の判断結果に基づいて、第1画像及び第2画像のレイアウトを演算し、スケーラ226のレジスタ値を変更する。スケーラ226のレジスタ値は、モニタ300上に表示する第1画像及び第2画像のサイズ及び位置(すなわち、レイアウト情報)を示すものである。
図4は、本実施形態のモニタ300とそれに表示される内視鏡画像との関係をX−Y座標系で示した模式図である。
図4(a)は、モニタ300上に第1画像を表示した場合(1画面表示)のモニタ300と第1画像との関係を示し、
図4(b)は、モニタ300上に第1画像及び第2画像を表示した場合(2画面表示)のモニタ300と第1画像及び第2画像との関係を示している。
【0041】
図4に示すように、モニタ300の表示領域をその左上を原点としたX−Y座標系で表わした場合、モニタ300の表示領域内にレイアウトされる第1画像及び第2画像のサイズ及び位置は、同一のX−Y座標系で表わすことが可能である。本実施形態においては、第1画像の左上の画素位置を(X1,Y1)とし、第1画像のX方向のサイズX1_size及び第1画像のY方向のサイズY1_sizeとし、これらX1、Y1、X1_size及びY1_sizeがスケーラ226のレジスタ値として設定可能に構成されている。また、第2画像の左上の画素位置を(X2,Y2)とし、第2画像のX方向のサイズX2_size及び第2画像のY方向のサイズY2_sizeとし、これらX2、Y2、X2_size及びY2_sizeがスケーラ226のレジスタ値として設定可能に構成されている。なお、
図4の点線部は、後述する画像抽出・記憶処理において抽出される画像の範囲である。
【0042】
図3のステップS109では、第1コントローラ202が、ステップS101、103、105及び107の判断結果(入力結果)に基づいて、第1画像及び第2画像のレイアウトを演算し、スケーラ226の各レジスタ値を設定する。例えば、「Twinモード」がオフの状態(すなわち、1画面表示)で、ユーザによって「イメージサイズ」の設定がFullからMediumに変更された場合、第1コントローラ202は、第1画像のサイズがモニタ300の表示サイズの約80%に収まるように縮小し、それに応じたX1、Y1、X1_size及びY1_sizeを演算する。そして、その演算結果をスケーラ226に出力し、対応する各レジスタ値を変更する。また、例えば、ユーザによって「Twinモード」がオンされた(すなわち、2画面表示が設定された)場合、第1コントローラ202は、第1画像及び第2画像を「Twinモードディスプレイ」の設定値に応じて縮小し、また、「出力ディスプレイ」の設定値に応じて拡大又は縮小し、それに応じたX1、Y1、X1_size、Y1_size、X2、Y2、X2_size及びY2_sizeを演算する。そして、その演算結果をスケーラ226に出力し、対応する各レジスタ値を変更する。ステップS109の処理が終了すると、処理は、ステップS111に進む。
【0043】
ステップS111では、第1コントローラ202は、ステップS109で設定したスケーラ226の各レジスタ値を第2コントローラ203に送信し、画像モード設定処理を終了する。なお、第1コントローラ202から第2コントローラ203に送信されたスケーラ226の各レジスタ値は、後述する画像抽出・記憶処理において利用される。
【0044】
次に、画像抽出・記憶処理について説明する。上述したように、ユーザによるタッチパネル218の操作がキャプチャ操作(すなわち、静止画記録操作)である場合には、第2コントローラ203は、画像抽出・記憶処理を実行する。
図5は、本実施形態の第2コントローラ203によって実行される画像抽出・記憶処理を示すフローチャートである。
【0045】
画像抽出・記憶処理が実行されると、ステップS201が実行される。ステップS201では、第2コントローラ203は、キャプチャ操作が行われた旨を第1コントローラ202に通知し、第1コントローラ202は、信号処理回路220から出力される画像データを停止(フリーズ)させる。その結果、キャプチャメモリ232に記憶される画像データの更新も停止され、キャプチャメモリ232にはキャプチャ操作が行われた時点の画像データが残った状態となる。そして、処理は、ステップS202に進む。
【0046】
ステップS202では、第2コントローラ203は、キャプチャメモリ232に記憶されている画像データ(すなわち、キャプチャ操作が行われた時点の画像データ)を第2コントローラ203のワークメモリ(不図示)に取り込む。そして、処理は、ステップS203に進む。
【0047】
ステップS203では、第2コントローラ203は、ステップS202で取り込んだ画像データから第1画像及び第2画像の抽出を行う。具体的には、1画面表示の設定においてキャプチャ操作が行われた場合には、第2コントローラ203は、ステップS111(
図3)で受信したスケーラ226の各レジスタ値(X1、Y1、X1_size及びY1_size)に基づいて第1画像の画素のみ(
図4(a)点線部)を画像データとして抽出し、外部記憶装置250に記憶する。また、2画面表示の設定においてキャプチャ操作が行われた場合には、第2コントローラ203は、ステップS111(
図3)で受信したスケーラ226の各レジスタ値(X1、Y1、X1_size、Y1_size、X2、Y2、X2_size及びY2_size)に基づいて第1画像と第2画像を含む領域の画素(
図4(b)点線部)を画像データとして抽出し、外部記憶装置250に記憶する。
そして、ステップS204において画像データのフリーズを解除し(すなわち、画像データの更新を許可し)、画像抽出・記憶処理を終了する。
【0048】
このように、本実施形態の画像抽出・記憶処理では、画像モード設定処理において設定されたスケーラ226の各レジスタ値に基づいてモニタ300に表示される第1画像又は第1画像と第2画像の画像データが抽出されて記憶される。従って、第1画像及び第2画像周辺の不要な余白部分は記憶されないため、記憶される画像データのデータサイズは最小となり、外部記憶装置250の記憶容量を圧迫することもない。
【0049】
以上が本実施形態の説明であるが、本発明は本実施形態の構成に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内において、様々な変形が可能である。例えば、本実施形態の画像抽出・記憶処理においては、2画面表示の設定においてキャプチャ操作が行われた場合、第1画像と第2画像を含む領域の画素(
図4(b)点線部)を画像データとして抽出し、外部記憶装置250に記憶する構成としたが、第1画像と第2画像とを分けて抽出し、それぞれ別個に記憶する構成としてもよい。この場合、第1画像と第2画像とは、それぞれファイル名等で関連付けられて記憶されることが好ましい。また、記憶する画像データのデータサイズを更に小さくするために、画像データをJPEG(Joint Photographic Experts Group)等のアルゴリズムによって圧縮して記憶することが好ましい。
【0050】
また、本実施形態の画像抽出・記憶処理においては、キャプチャメモリ232に記憶された画像データは、フリーズした後(更新が停止された後)に取り込まれる構成としたが、この構成に限定されるものではない。例えば、キャプチャメモリ232は、ユーザによるキャプチャ操作が行われた時にモニタ300に表示される画像1画面分を静止画として記憶する構成としてもよい。
【0051】
また、本実施形態におけるキャプチャ操作の検出は、ユーザによるタッチパネル218の操作を検出する構成としたが、この構成に限定されるものではなく、例えば、電子内視鏡100にスイッチ等の操作部を設け、当該操作部の入力を検出する構成としてもよい。
【0052】
また、本実施形態の画像モード設定メニューにおいて「Twinモード」が設定された場合(2画面表示が設定された場合)、第1画像及び第2画像はモニタ300の略中央に表示されると説明したが、この構成に限定されるものではない。例えば、画像モード設定メニューによって、第1画像及び第2画像の位置に関するパラメータをそれぞれ調整できる構成としてもよい。また、同様に、画像モード設定メニューによって、第1画像及び第2画像のサイズに関するパラメータをそれぞれ調整できる構成としてもよい。