(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5797158
(24)【登録日】2015年8月28日
(45)【発行日】2015年10月21日
(54)【発明の名称】ストッパー機構付きバックル
(51)【国際特許分類】
A44B 11/26 20060101AFI20151001BHJP
A44B 11/24 20060101ALI20151001BHJP
A41F 9/02 20060101ALI20151001BHJP
【FI】
A44B11/26
A44B11/24
A41F9/02 D
A41F9/02 E
【請求項の数】6
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2012-124859(P2012-124859)
(22)【出願日】2012年5月31日
(65)【公開番号】特開2013-248142(P2013-248142A)
(43)【公開日】2013年12月12日
【審査請求日】2015年5月18日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】399102127
【氏名又は名称】ビルマテル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100178009
【弁理士】
【氏名又は名称】小河内 功佑
(72)【発明者】
【氏名】白井 庄史
【審査官】
新田 亮二
(56)【参考文献】
【文献】
実開昭63−041205(JP,U)
【文献】
登録実用新案第3068038(JP,U)
【文献】
特開2010−220795(JP,A)
【文献】
特開2011−239808(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A44B 11/24 − 11/26
A41F 9/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
バンド外表面に形成した鋸歯状の係合溝にバックルの係合爪を係合させ該係止状態においてバンドはバックルに接近自在であるが後退不能としたバックルであって、
該バックルは、対向する底板と天井枠および両者を接続する両側板とからなり内部をバンドの挿通空間としたバックル本体と、前記天井枠の内側に水平設置され、一端部下面に前記バンドの係合溝に係合可能な係合爪を有する弾性片とから構成され、
前記天井枠と前記底板の間を上下方向に移動可能なストッパーがバックル本体に設置され、該ストッパーが前記底板側に移動した状態において前記バンドとバックルの係合が補助されるバックルにおいて、
前記弾性片および前記ストッパーを両側部から押圧する解除ボタンが前記両側板に設置され、該解除ボタンを片手の指先で撮むことにより前記バンドとバックルの係合および前記ストッパーを同時に解除可能としたバックル。
【請求項2】
バンド外表面に形成した鋸歯状の係合溝にバックルの係合爪を係合させ該係止状態においてバンドはバックルに接近自在であるが後退不能としたバックルであって、
該バックルは、対向する底板と天井枠および両者を接続する両側板とからなり内部をバンドの挿通空間としたバックル本体と、前記天井枠の内側に水平設置され、一端部下面に前記バンドの係合溝に係合可能な係合爪を有する操作板とから構成すると共に、該操作板をその中間点にて前記両側板を結ぶ連結軸で支承することにより該中間点を支点として揺動自在とされ、
前記天井枠と前記底板の間を上下方向に移動可能なストッパーがバックル本体に設置され、該ストッパーが前記底板側に移動した状態において前記バンドとバックルの係合が補助されるバックルにおいて、
前記操作板の一端部および前記ストッパーを両側部から押圧する解除ボタンが前記両側板に設置され、該解除ボタンを片手の指先で撮むことにより前記バンドとバックルの係合および前記ストッパーを同時に解除可能としたバックル。
【請求項3】
前記ストッパーが解除された状態では前記ストッパーが前記バンドとバックルを片手の指先で引き寄せることのできる掛止突起としての役割を果たす請求項1または2記載のバックル。
【請求項4】
前記ストッパーにより前記バンドとバックルの係合が補助された状態では前記ストッパーの高さが前記バックルの高さと同じかこれよりも低い位置となることを特徴とする請求項3記載のバックル。
【請求項5】
前記ストッパーの下面に前記係合溝に係合可能な係合爪を有する請求項1〜4のいずれかに記載のバックル。
【請求項6】
前記バックルに前記ストッパーの位置決め機構を備えた請求項1〜5のいずれかに記載のバックル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、係合溝を有するバンドまたはベルトを係止するためのバックルに関し、特に、運動靴、競技用靴、スノーボード靴、プロテクター係止ベルトなど、比較的強い締結力を必要とする製品のためのバックルに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、バンド(またはベルト)に係合溝を設け、この溝にバックルのフックを弾性的に係合し、随時、この係止状態を解放可能とするバックルが知られている。
本発明者らは、特許第3982955号公報(特許文献1)において、製作が容易で、軽量な合成樹脂バックルとして、対向する底板と天井枠および両者を接続する両側板とからなり、内部が係合溝を有するバンドの挿通空間とされたバックル本体と、前記天井枠の内側に水平設置され、一端部下面に前記バンドの係合溝に係合可能な係合爪を有し、他端部上面を押圧部とする操作板とから構成され、該操作板を前記係合爪と前記押圧部の中間点にて、対向する天井枠の二辺に各々連結することにより、該中間点を支点として揺動自在とした合成樹脂製バックルであって、前記バンドの外表面と前記天井枠に、前記バックル本体に該バンドを片手の指先で引き寄せることのできる一対の掛止突起を設けた合成樹脂製バックルを提案している。
【0003】
前記合成樹脂製バックルは機能的に非常に優れ、ヘルメットのヘッドバンド用バックルとしては最適であるが、前記操作板の係合・解除における操作性を良くする為に操作板を支承する連結軸を細くすると、これを運動靴等の比較的強い締結力を必要とする製品に適用した場合、バンドとバックルの係止時においてバンドにバックルから引き離す方向に強い力が作用して、合成樹脂製の連結軸が破損する虞があった。
【0004】
また、本発明者らは、特許第4005109号(特許文献2)において、特に服飾品等の用途として好適なバンドとバックルのスライドアジャスタとして、軽量でシンプルな構成であって、バックル部の目立たない外観を有するスライドアジャスタとして、バンド外表面に形成した鋸歯状の係合溝にバックルの係合爪を係合させ該係止状態においてバンドはバックルに接近自在であるが後退不能としたバンドとバックルのスライドアジャスタにおいて、前記バックルを、対向する底板と天井枠および両者を接続する両側板とからなり内部をバンドの挿通空間としたバックル本体と、前記天井枠の内側に水平設置され、一端部下面に前記バンドの係合溝に係合可能な係合爪を有し、他端部を前記係合を解除するための押圧部とする操作板とから構成すると共に、該操作板を前記係合爪と前記押圧部の中間点にて前記両側板を結ぶ連結軸で支承することにより該中間点を支点として揺動自在とし、前記バンドの外表面と前記押圧部に、前記バックルとバンドとを片手の指先で引き寄せることのできる一対の掛止突起を設けてなり、かつ、前記連結軸から掛止突起に至る操作板に対して、該掛止突起以外の部分に垂直方向の押圧力が直接作用するのを規制する部材がバックル本体に設けられたものを提案している。
【0005】
このスライドアジャスタには規制部材が設けられているので、不用意なまたは突発的なロック解除の虞はないものの、前記押圧部または掛止突起に直接作用する押圧力に対しては、ロック解除を防止することはできない。
また、掛止部が突起状に形成されるので、前記バックルとバンドとを片手の指先で引き寄せるという観点では操作上のメリットがあるが、掛止突起が身体やその他の物体に当たって誤作動や怪我を引き起こす虞があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第3982955号公報
【特許文献2】特許第4005109号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、軽量かつ製作が容易であることに加えて、バンドをバックルから分離する方向に作用する力に対する抵抗力の強いストッパー機構付きバックルを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のバックルは、バンド外表面に形成した鋸歯状の係合溝にバックルの係合爪を係合させ該係止状態においてバンドはバックルに接近自在であるが後退不能としたバックルであって、該バックルは、対向する底板と天井枠および両者を接続する両側板とからなり内部をバンドの挿通空間としたバックル本体と、前記天井枠の内側に水平設置され、一端部下面に前記バンドの係合溝に係合可能な係合爪を有する弾性片とから構成され、前記天井枠と前記底板の間を上下方向に移動可能なストッパーがバックル本体に設置され、該ストッパーが前記底板側に移動した状態において前記バンドとバックルの係合が補助されるバックルにおいて、前記弾性片および前記ストッパーを両側部から押圧する解除ボタンが前記両側板に設置され、該解除ボタンを片手の指先で撮むことにより前記バンドとバックルの係合および前記ストッパーを同時に解除可能としたことを特徴とする。
【0009】
本発明のバックルは、バンド外表面に形成した鋸歯状の係合溝にバックルの係合爪を係合させ該係止状態においてバンドはバックルに接近自在であるが後退不能としたバックルであって、該バックルは、対向する底板と天井枠および両者を接続する両側板とからなり内部をバンドの挿通空間としたバックル本体と、前記天井枠の内側に水平設置され、一端部下面に前記バンドの係合溝に係合可能な係合爪を有する操作板とから構成すると共に、該操作板をその中間点にて前記両側板を結ぶ連結軸で支承することにより該中間点を支点として揺動自在とされ、前記天井枠と前記底板の間を上下方向に移動可能なストッパーがバックル本体に設置され、該ストッパーが前記底板側に移動した状態において前記バンドとバックルの係合が補助されるバックルにおいて、前記操作板の一端部および前記ストッパーを両側部から押圧する解除ボタンが前記両側板に設置され、該解除ボタンを片手の指先で撮むことにより前記バンドとバックルの係合および前記ストッパーを同時に解除可能としたことを特徴とする。
【0010】
前記ストッパーが解除された状態では前記ストッパーが前記バンドとバックルを片手の指先で引き寄せることのできる掛止突起としての役割を果たすことが好ましい。
【0011】
前記ストッパーにより前記バンドとバックルの係合が補助された状態では前記ストッパーの高さが前記バックルの高さと同じかこれよりも低い位置となることが好ましい。
【0012】
前記ストッパーの下面に前記係合溝に係合可能な係合爪を有することが好ましい。
前記バックルに前記ストッパーの位置決め機構を備えたことが好ましい。
【発明の効果】
【0013】
本発明のバックルは、バックル本体に設けられるストッパー機構により、バンドをバックルから分離する方向に作用する強い力をバックル全体に効果的に分散することができる。従って、このバックルは運動靴等の比較的強い締結力を必要とする製品への適用が最適である。
また、解除ボタンを撮むことにより前記バンドとバックルの係合とストッパーを同時に解除することができるので、解除操作が極めて容易である。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図2】バックル10とバンド30の係合状態を示す平面図および長手方向縦断側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明に係るストッパー機構付きバックルの実施形態を図面に基づいて説明する。
図1(1)はバックル10の斜視図であり、これらの図において、バックル10は、底板11、これに対向する天井枠12、および底板11と天井枠12とを接続する側板13、13とからなる偏平かつ筒状のバックル本体14により主体が構成される。バックル本体14はバンドのスライド方向が挿通口15、15として開口され、その内部は後述する係合溝31を有するバンド30の挿通空間16となる。
【0016】
本実施形態では、底板11の長手方向(バンドのスライド方向)の長さを天井枠12の長手方向の長さよりも長くすることにより、バックル10の被接続体(即ち、運動靴用バンド等)への取付けを容易にすると共に、バンドの挿通がスムーズに行われるようにしている。また、天井枠12を偏平な板で構成することによっても同様の効果を得ることができる。
【0017】
天井枠12の内側には、その内に納まる大きさの弾性片22が水平に設置される。弾性片22の一端部22Aの下面には、バンド30の係合溝に係合可能な係合爪21を突設している(後記図を参照。)。弾性片22は天井枠12より若干低位置とすることにより、弾性片22に不用意な外力がかかることを防止することができる。
前記弾性片22の一端部22A側のバックル10の内側には位置決め機構を備えたストッパー70が上下動自在に設置される。本実施形態において前記ストッパー70の断面形状を矩形としたが、必ずしも矩形でなくともよい。
【0018】
前記側板13、13には、前記弾性片22および前記ストッパー70を両側部から押圧する解除ボタン19、19が設置される。前記弾性片22および前記ストッパー70の端面は前記解除ボタン19、19の対向辺に傾斜面を持って対向し、該傾斜面の角度を前記底板11に近づくに従って前記解除ボタン19、19と前記弾性片22および前記ストッパー70との隙間が拡がるように形成される(後記
図3参照。)。本実施形態において解除ボタン19、19の断面形状を矩形としたが、必ずしも矩形でなくともよい。
【0019】
続いて、上記バックル10の作用について
図2を参照しながら説明する。
図2(1)はバックル10とバンド30の係合状態を示す平面図であり、
図2(2)は長手方向縦断側面図である。
図2(2)には、前述した係合爪21が示されている。なお、先に説明した部材については同一の符号を付してその説明を省略する(以下の説明でも同じ。)。
【0020】
図2(1)、(2)において、バックル10の挿通空間16内にバンド30が挿入され、バンド30の外表面に形成された係合溝31に、バックル10の係合爪21が係合している。係合溝31はスライド方向の断面形状が鋸歯状、即ち、バンド30の進行方向に向けて漸次深くなるテーパ面と、この最深位置より略垂直に立上る壁面とからなっている。
符号35はバンドの外表面に設けた掛止突起であり、後記するようにストッパー70との双方に指先を掛けることにより、バンド30をバックル10に片手で引き寄せることが可能になる。
【0021】
バンド30を弾性片22の他端部22B側(
図2において左側)の挿通口15から挿通空間16内に進入させていくと、バンド30の上面が弾性片22の係合爪21に接触して、弾性片22の一端部22Aを押し上げながら前進し、バックル10に対するバンド30の接近・離隔位置が調節される。
この状態では、
図2(2)に示すように、係合爪21が所定の係合溝31と噛み合って係止しているので、バンド30はバックル10に対して進出自在であるが、後退不能である。
【0022】
次に、バックル10からバンド30を後退させたり、引き抜いたりする操作について
図3を用いて説明する。
図3(1)は本バックルの要部横断面図であり、この状態から解除ボタン19、19を片手の指先で撮めば、
図3(2)に示すように、弾性片22の傾斜面に沿って弾性片22が持ち上がる結果、これに伴い係合爪21が持ち上がり、係合爪21が係合溝31から外れるので、バンド30を自由にスライドさせることができる(
図2(3)参照。)。解除ボタン19、19から指を離せば、解除ボタン19、19は合成樹脂の弾性により元の位置に復帰する結果、弾性片22も元の水平状態に復帰する。
前記解除ボタン19、19の端面を前記弾性片22の対向辺に傾斜面を持って対向し、該傾斜面の角度を前記底板11に近づくに従って前記解除ボタン19、19と前記弾性片22との距離が狭まるように形成しても同様の効果が得られる。
【0023】
次に、本発明のストッパー機構について説明する。
前記の通り、
図2(2)はバックル10とバンド30の係止状態、即ち、係合爪21と係合溝31の係止状態を示しているが、このときストッパー70はバックル本体14より上方に突出した位置にあり、ストッパー70は解除された状態にある。本実施形態において、ストッパー70の下面にはバンドの係合溝31と係合可能な係合爪71が設けられている。
ここで、
図2(4)に示すようにストッパー70を底板11側に移動させて、係合爪71とバンドの係合溝31を係合させれば、バンド30とバックル10の係合を補強することができる。すなわち、ストッパー70はバックル本体14に設けられるので、バンド30をバックル10から分離する方向に強い力が作用したとしても、その力をバックル本体14が受けるため、バンド30とバックル10の係合をより強固なものとすることが可能となる。
【0024】
続いて、ストッパー70の解除方法について説明する。
図3(3)は、ストッパー70の解除状態を示す要部横断面図であり、
図3(4)はストッパー70を底板11側に移動させた状態を示す要部横断面図である。この状態からストッパー70を解除するには、前記バックル10とバンド30の係合解除の操作と同様、解除ボタン19、19を片手の指先で撮めば、
図3(5)に示すように、ストッパー70の傾斜面に沿ってストッパー70が持ち上がる結果、これに伴い係合爪71が持ち上がり、係合爪71が係合溝31から外れる。このとき、同時に前記バックル10とバンド30の係合も解除されるので、バンド30を自由にスライドさせることができる。
本発明によれば、解除ボタン19、19を片手の指先で撮むだけで、前記バックル10とバンド30の係合およびストッパー70を同時に解除することができるので、操作が極めて容易である。
【0025】
本実施形態では、ストッパー70の解除状態においてストッパー70はバックル本体14より上方に突出するように設定されているので(
図1(1)、
図2(2)、
図3(3)参照。)、ストッパー70自体が掛止突起として機能する。すなわち、ストッパー70とバンド30の外表面に設けた掛止突起35との双方に指先を掛けることにより、バンド30をバックル10に片手で引き寄せることが可能になる。
【0026】
また、ストッパー70を下方に移動させて、ストッパーの係合爪71とバンド30の係合溝31を係止させた状態ではストッパー70の高さが低くなるので、掛止突起としてのストッパー70が身体やその他の物体に当たって誤作動や怪我を引き起こす虞はない。本実施形態において、ストッパー70を下方に移動させた状態において、ストッパー70の高さがバックル本体14の高さと略同一になるように設定したが、誤作動や怪我を引き起こす可能性を低減することができる高さとすれば良い。
【0027】
次に、本発明の他の実施形態について
図4(3)、(4)を参照しながら説明する。
図4(3)、(4)は本実施形態のバックル10の斜視図であり、天井枠12の内側には、その内に納まる大きさの操作板20が水平に設置される。操作板20の一端部20Aの下面には、バンド30の係合溝に係合可能な係合爪21を突設している。操作板20の長手方向の中間部には、連結軸25が形成され、この連結軸25は各側板13、13の上部内壁に支承されている。
この実施形態では連結軸25の断面を矩形としたが、円形、楕円形、その他種々の断面形状とすることができる。連結軸25は操作板20を揺動自在に軸支すると共に、滑らかな操作性を確保する為に可及的に細くすることが望まれるが、反復的な揺動により破損しない形状、大きさとすれば良い。
なお、バックル10およびストッパー70の作用については、上記弾性片22を用いたバックルと同様である。
【0028】
バックル10は、可撓性を有する合成樹脂により成型することができ、ポリアセタール、ポリオキシメチレン、ポリアミド、ポリカーボネート、ナイロンなどの弾性を有する合成樹脂により成型することが好ましい。本発明のバックル10は、僅かな部品により構成され、かつ、簡易な構造の故に、金型で容易に一体成型することができる。
【0029】
本発明のバックル10には、前記した特許文献1および特許文献2に開示した要素を取り入れることができる。
例えば、操作板20または弾性片22を水平状態に復元し易くするために操作板20の一端部20Aまたは弾性片22の一端部22Aと対向する天井枠12等とを連結した連結部材(図示せず。)を設けても良い。更に、挿通空間16にはバンド30の浮き上がりを防止するためのバンド押え(図示せず。)を設けることも可能である。
【符号の説明】
【0030】
10 バックル
11 底板
12 天井枠
13 側板
14 バックル本体
16 挿通空間
19 解除ボタン
20 操作板
21 係合爪
22 弾性片
30 バンド
31 係合溝
70 ストッパー