(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記検知距離変更手段が、前記表示手段の回動に連動して上下方向に摺動し、前記第2の人体検知手段による熱変化の有効検知範囲の遮蔽量を変化させることにより前記第2の検知距離を変更する遮蔽部材を有するものである請求項1に記載の表示装置。
情報を表示する表示手段と、前記表示手段による表示を制御する表示制御手段と、予め定められた第1の検知距離だけ離れた領域を含む第1の検知範囲内で人体を検知する第1の人体検知手段と、前記第1の検知距離よりも短い予め定められた第2の検知距離だけ離れた領域を含む第2の検知範囲内で人体を検知する第2の人体検知手段と、前記第2の検知距離を変更する検知距離変更手段と、前記表示手段を回動可能に支持する回動支持手段とを備え、前記第1の人体検知手段及び前記第2の人体検知手段が、熱変化により人体を検知する焦電型赤外線センサーであり、前記検知距離変更手段が、前記表示手段の回動に連動し、水平面に対する前記表示手段の表示面の傾斜角度が小さくなるほど前記第2の検知距離を短く、前記傾斜角度が大きくなるほど前記第2の検知距離を長くするものである表示装置で実行されるモード制御方法であって、
予め設定された条件に従って前記表示手段及び前記表示制御手段の稼働を停止させる第1の動作モードを実行する第1のステップと、
前記第1の動作モードにおいて前記第1の人体検知手段により人体が検知された場合に、前記表示制御手段を稼働させる第2の動作モードを実行する第2のステップと、
前記第2の動作モードにおいて前記第2の人体検知手段により人体が検知された場合に、前記表示手段を稼働させる第3の動作モードを実行する第3のステップと、
を実行するモード制御方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、前記特許文献1の技術において、ディスプレイ部の表示を制御する表示制御装置が常に稼働していると、人感センサーで人が検知されたときにディスプレイ部を稼働させることにより迅速に表示が開始される。しかしながら、表示制御装置を常に稼働させると、省電力の効果が低くなるという問題が生じる。
一方、人感センサーで人が検知されるまでの間、ディスプレイ部及び表示制御装置の稼働を共に停止させると、人感センサーで人が検知された時点で表示制御装置が稼働して表示に必要な処理が開始されるため、表示の開始が遅れるという問題が生じる。
従って、本発明は前記事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、消費電力の削減について高い効果を得ると共に、ユーザーの接近時に表示を迅速に開始させることのできる表示装置、画像処理装置、モード制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記目的を達成するために本発明は、表示手段、表示制御手段、第1の人体検知手段、第2の人体検知手段、第1のモード制御手段、第2のモード制御手段、及び第3のモード制御手段を備えてなる表示装置として構成される。前記表示手段は情報を表示するものであり、前記表示制御手段は前記表示手段による表示を制御するものである。前記第1の人体検知手段は、予め定められた第1の検知距離だけ離れた領域を含む第1の検知範囲内で人体を検知するものである。前記第2の人体検知手段は、前記第1の検知距離よりも短い予め定められた第2の検知距離だけ離れた領域を含む第2の検知範囲内で人体を検知するものである。また、前記第1のモード制御手段は、予め設定された条件に従って前記表示手段及び前記表示制御手段の稼働を停止させる第1の動作モードを実行する。前記第2のモード制御手段は、前記第1の動作モードにおいて前記第1の人体検知手段により人体が検知された場合に、前記表示制御手段を稼働させる第2の動作モードを実行する。前記第3のモード制御手段は、前記第2の動作モードにおいて前記第2の人体検知手段により人体が検知された場合に、前記表示手段を稼働させる第3の動作モードを実行する。
本発明によれば、前記第1の検知範囲内で人体が検知された時点では前記表示装置が稼働せず前記表示制御手段が稼働し、その後、前記第2の検知範囲内で人体が検知された時点で前記表示手段が稼働する。このような構成では、前記第1の動作モードにおいて少なくとも前記第1の人体検知手段及び前記第2のモード制御手段が稼働していればよい。従って、前記表示制御手段を常に稼働させる場合に比べて消費電力を削減することができる。また、前記第1の検知範囲内で人体が検知された時点で前記表示制御手段が稼働されるため、ユーザーの接近時に前記表示手段による表示を迅速に開始させることができる。
ここで、前記第1の人体検知手段及び前記第2の人体検知手段は、熱変化により人体を検知する焦電型赤外線センサーであることが望ましい。これにより、簡素且つ安価な構成で本発明を具現することができる。
【0006】
ところで、前記表示装置は、前記第2の検知距離を変更する検知距離変更手段を更に備えてなることが望ましい。これにより、ユーザーは、前記第2の検知距離を変更して前記表示装置が稼働するタイミングを任意に設定することができる。
また、前記表示装置が、前記表示手段を回動可能に支持する回動支持手段を備えてなる構成では、ユーザーによって任意に前記表示手段の角度が変更される。そして、前記表示手段の角度の変更は、その表示手段の表示を見るユーザーの立ち位置にも影響を与える。具体的に、水平面に対する前記表示手段の表示面の傾斜角度が小さく前記表示面が比較的鉛直上方向に向けられている場合には、ユーザーは前記表示手段に近い位置で前記表示手段を見ることになる。一方、水平面に対する前記表示手段の表示面の傾斜角度が大きい場合には、ユーザーは前記表示手段から遠い位置でも前記表示手段を見ることが可能になる。
そこで、前記検知距離変更手段が、前記表示手段の回動に連動し、水平面に対する前記表示手段の表示面の傾斜角度が小さくなるほど前記第2の検知距離を短く、前記傾斜角度が大きくなるほど前記第2の検知距離を長くするものであることが望ましい。これにより、水平面に対する前記表示手段の表示面の傾斜角度によって前記第2の検知距離が変更され、ユーザーが実際に前記表示手段を見る可能性が高い範囲まで近づいた場合に前記表示装置を稼働させることができる。従って、例えば水平面に対する前記表示手段の表示面の傾斜角度が小さく前記表示面が比較的鉛直上方向に向けられている場合に、前記表示装置の無駄な稼働を防止することができ、省電力効果を高めることができる。また、水平面に対する前記表示手段の表示面の傾斜角度が大きい場合には、前記表示装置を早期に稼働して表示を開始することができる。
ここで、前記検知距離変更手段は、前記表示手段の回動に連動して上下方向に摺動し、前記第2の人体検知手段による熱変化の有効検知範囲の遮蔽量を変化させることにより前記第2の検知距離を変更する遮蔽部材を有するものであることが考えられる。これにより、簡単且つ安価な構成で前記表示手段の回動に連動して前記第2の検知距離を変更することができる。
【0007】
また、前記第1のモード制御手段が、前記第2の人体検知手段の稼働を停止させるものであり、前記第2のモード制御手段が、前記第2の人体検知手段を稼働させるものであることが考えられる。これにより、前記第1の動作モードにおける前記第2の人体検知手段による消費電力を削減することができる。
なお、前記表示手段は、液晶パネル及び前記液晶パネルを背後から照明するバックライトを有するものであることが考えられる。この場合、ユーザーが前記第1の検知範囲から前記第2の検知範囲に達するまでの間は前記バックライトを消灯して消費電力を削減することができ、ユーザーが前記第2の検知範囲内に入った場合に前記バックライトを点灯して迅速に前記液晶パネルによる表示を開始することができる。
【0008】
ところで、本発明は、画像形成処理及び画像読取処理のいずれか一方又は両方を実行する画像処理装置として捉えてもよい。この場合、前記画像処理装置は、前記表示装置又は前記表示装置が備える前記各手段を備えて構成される。
そして、前記画像処理装置では、前記第1のモード制御手段が、前記画像形成処理を実行する画像形成部の稼働を停止させるものであり、前記第3のモード制御手段が、前記画像形成部を稼働させるものであることが考えられる。なお、前記画像形成部には、例えば定着装置などが含まれる。これにより、前記第1の動作モード及び前記第2の動作モードにおける消費電力を削減しつつ、前記画像処理装置の操作が可能な位置までユーザーが近づいてから前記画像形成処理が実行可能になるまでの待ち時間を短縮することができる。
さらに、本発明は、前記表示装置で実行されるモード制御方法として捉えてもよい。即ち、本発明は、情報を表示する表示手段と、前記表示手段による表示を制御する表示制御手段と、予め定められた第1の検知距離だけ離れた領域を含む第1の検知範囲内で人体を検知する第1の人体検知手段と、前記第1の検知距離よりも短い予め定められた第2の検知距離だけ離れた領域を含む第2の検知範囲内で人体を検知する第2の人体検知手段と、を備えてなる表示装置で実行されるモード制御方法であって、予め設定された条件に従って前記表示手段及び前記表示制御手段の稼働を停止させる第1の動作モードを実行する第1のステップと、前記第1の動作モードにおいて前記第1の人体検知手段により人体が検知された場合に、前記表示制御手段を稼働させる第2の動作モードを実行する第2のステップと、前記第2の動作モードにおいて前記第2の人体検知手段により人体が検知された場合に、前記表示手段を稼働させる第3の動作モードを実行する第3のステップと、を実行するモード制御方法として捉えることができる。前記モード制御方法によれば、消費電力の削減について高い効果を得ると共に、ユーザーの接近時に表示を迅速に開始させることができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、消費電力の削減について高い効果を得ると共に、ユーザーの接近時に表示を迅速に開始させることができる。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下添付図面を参照しながら、本発明の実施の形態について説明し、本発明の理解に供する。なお、以下の実施の形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定する性格のものではない。
【0012】
<複合機Xの概略構成>
まず、
図1及び
図2を参照しつつ、本発明の実施の形態に係る複合機Xの概略構成について説明する。
前記複合機Xは、画像読取部1、操作表示部2、画像形成部3、給紙カセット4、制御部5、及び人体検知部6などを備えた画像処理装置である。なお、前記複合機Xは、本発明に係る画像処理装置の一例に過ぎず、画像読取処理及び画像形成処理のいずれか一方又は両方を実行するスキャナー、ファクシミリ装置、プリンター、及びコピー機などの画像読取装置又は画像形成装置も本発明に係る画像処理装置に該当する。
【0013】
前記画像読取部1は、原稿から画像データを読み取る画像読取処理を実行する画像読取手段であって、コンタクトガラス11、読取ユニット12、ミラー13、14、光学レンズ15、及びCCD(Charge Coupled Device)16などを備えている。前記コンタクトガラス11は、前記画像読取部1の上面に設けられており、画像読取対象となる原稿が載置される透明な原稿台である。なお、前記画像読取部1の上部には、前記コンタクトガラス11を覆うカバー部と原稿を自動的に搬送する搬送装置とを備えた原稿自動送り装置(ADF)が装着されるが本実施の形態では図示を省略している。
前記読取ユニット12は、LED光源121及びミラー122を備えており、ステッピングモーター等の駆動モーターを用いた不図示の移動機構によって
図2における左右方向D0(副走査方向)へ移動可能に構成されている。そして、前記駆動モーターにより前記読取ユニット12が副走査方向に移動されると、前記LED光源121から前記コンタクトガラス11上に照射される光が副走査方向に走査される。
前記LED光源121は、
図2における奥行き方向(主走査方向)に沿って配列された多数の白色LEDを備えており、前記コンタクトガラス11上の読取位置12Aにある原稿に向けて1ライン分の白色光を照射する。なお、前記読取位置12Aは、前記読取ユニット12の副走査方向への移動に伴って副走査方向に移動する。
前記ミラー122は、前記LED光源121から前記読取位置12Aにある原稿に光を照射したときの反射光を前記ミラー13に向けて反射させる。そして、前記ミラー122で反射した光は、前記ミラー13、14によって前記光学レンズ15に導かれる。前記光学レンズ15は、入射した光を集光して前記CCD16に入射させる。
前記CCD16は、受光した光をその光量に応じた電気信号(電圧)に変換し、画像データとして出力する光電変換素子である。即ち、前記CCD16は、前記LED光源121から光が照射されたときに前記原稿から反射した光に基づいて前記原稿の画像データを読み取る。前記CCD16で読み取られた画像データは前記制御部5に入力される。
【0014】
前記画像形成部3は、前記画像読取部1で読み取られた画像データ、又は外部のパーソナルコンピューター等の情報処理装置から入力された画像データに基づいて画像形成処理(印刷処理)を実行する電子写真方式の画像形成手段である。
具体的に、前記画像形成部3は、感光体ドラム31、帯電装置32、LSU(レーザスキャナユニット)33、現像装置34、転写ローラー35、クリーニング装置36、定着ローラー37、及び加圧ローラー38などを備えている。そして、前記画像形成部3では、多数の用紙が収容された前記給紙カセット4から供給される前記用紙に以下の手順で画像が形成される。
まず、前記帯電装置32によって前記感光体ドラム31が所定の電位に一様に帯電される。次に、前記LSU33により前記感光体ドラム31の表面に画像データに基づく光が照射される。これにより、前記感光体ドラム31の表面に静電潜像が形成される。そして、前記感光体ドラム31上の静電潜像は前記現像装置34によってトナー像として現像(可視像化)される。続いて、前記感光体ドラム31に形成されたトナー像は前記転写ローラー35によって用紙に転写される。その後、用紙に転写されたトナー像は、その用紙が前記定着ローラー37及び前記加圧ローラー38の間を通過して排出される際に前記定着ローラー37で加熱されて溶融定着する。なお、前記感光体ドラム31に残存したトナーは前記クリーニング装置36で除去される。
【0015】
次に、
図3を参照しつつ、前記操作表示部2、前記制御部5、及び前記人体検知部6について説明する。
前記操作表示部2は、情報を表示する液晶パネル21、前記液晶パネルを背後から照明するバックライト22、前記液晶パネル21に対するユーザー操作を検知する操作検知部23、及び前記操作表示部2全体を制御するCPU24などを備えたタッチパネルである。なお、前記操作表示部2には、前記複合機Xに対する各種の操作入力を行うための操作ボタン2A(
図1参照)も設けられている。
前記操作表示部2では、前記CPU24によって、前記液晶パネル21の液晶が駆動され、前記バックライト22が点灯されることにより前記液晶パネル21に情報が表示される。ここに、前記操作表示部2及び前記制御部5が本発明に係る表示装置を構成する。また、前記液晶パネル21及び前記バックライト22が表示手段の一例であり、前記液晶パネル21及び前記バックライト22による情報の表示を制御する前記CPU24が表示制御手段の一例である。
より具体的に、前記CPU24は、ユーザーが前記複合機Xに対して各種の操作入力を行うための各種のタッチキーを前記液晶パネル21に表示させる。また、前記CPU24は、前記操作検知部23に対するユーザー操作を検知し、その検知信号(位置信号)を前記制御部5に入力する操作入力処理を実行する。これにより、前記制御部5では、ユーザーが前記タッチキーを操作したかを判断することが可能となる。
なお、前記CPU24は、ASIC又はDSPなどの電気回路であってもよい。また、前記液晶パネル21及び前記バックライト22に代えてプラズマディスプレイ又は有機ELディスプレイなどの表示手段を用いてもよい。
【0016】
前記制御部5は、前記複合機Xを統括的に制御するCPU51及び前記複合機Xにおける電源供給を制御する電源制御部52を有している。
前記CPU51は、不図示のEEPROMに記憶された各種の制御プログラムを実行することにより前記複合機Xを統括的に制御する。具体的に、前記EEPROMには、前記CPU51に後述のモード制御処理(
図5参照)における各処理手順を実行させるためのモード制御プログラムが予め記憶されている。前記モード制御プログラムは、例えばCD、DVD等などの記録メディアから読み取られ、或いはインターネット等を通じてダウンロードされ、前記CPU51により前記複合機Xにインストールされる。もちろん、前記モード制御プログラムは、前記複合機Xの製造時に前記EEPROMに予め記憶されていてもよい。なお、前記CPU51は、前記画像読取部1を用いた画像読取処理及び前記画像形成部3を用いた画像形成処理などの各種の処理も実行する。
前記電源制御部52は、不図示の電源部から前記複合機Xに設けられた電気部品各々に続く電源供給経路上のスイッチ等を制御することにより前記電気部品各々への電源供給の有無などを制御する。例えば、前記電源制御部52は、前記複合機Xが使用されていない状態が所定時間以上継続した場合に前記CPU51等への電源供給を遮断して前記CPU51等の稼働を停止させる。その後、前記電源制御部52は、前記操作ボタン2Aの操作により操作信号が発生した場合、又は外部の情報処理装置からジョブ要求信号を受信した場合には、前記CPU51等への電源供給を開始して前記CPU51等の電気部品を稼働させる。これにより、前記複合機Xでは、前記操作信号又は前記ジョブ要求信号に応じた処理が実行可能となる。
【0017】
前記人体検知部6は、前記複合機Xの周囲の異なる範囲内で人体を検知する2つの人感センサー61、62と、前記人感センサー61、62にそれぞれ接続された検知回路63、64とを備えている。
前記人感センサー61及び前記人感センサー62は、前記複合機Xの前面パネルに形成された開口部60から入射する赤外線に基づいて熱変化を検出することにより人体の存在を検知する焦電型赤外線センサーである。このように前記人感センサー61及び前記人感センサー62に焦電型赤外線センサーを用いることで簡素且つ安価な構成で本発明を具現することができる。但し、前記人感センサー61及び前記人感センサー62は、例えば超音波を用いて人体の近接を検知する超音波式変位センサーなどの従来周知の各種センサーであってもよい。
前記検知回路63、64は、前記人感センサー61、62からの検知信号をそれぞれ受信し、前記検知信号を増幅して前記制御部5のCPU51に入力する。また、前記検知回路63は、前記人感センサー61からの検知信号を前記電源制御部52にも入力する。なお、前記人感センサー61、62から前記CPU51及び前記電源制御部52で検知可能な電圧レベルの検知信号が出力される場合には、前記検知回路63、64を省略してもよい。
【0018】
ここに、
図4は、前記人感センサー61、62各々の検知範囲の一例を示している。
図4に示すように、前記人感センサー61は、前記複合機Xから見て前記操作表示部2の前方における予め定められた検知範囲A11(第1の検知範囲の一例)の領域内で人体を検知する。ここに、前記人感センサー61が第1の人体検知手段に相当する。前記検知範囲A11は、予め定められた検知距離L11(第1の検知距離の一例)だけ離間した領域を含んでいる。具体的に、前記検知範囲A11は、前記操作表示部2から前方に2〜3m程度、平面視の角度(方位角)の範囲が120°程度、側面視の角度(仰角)の範囲が45°程度の3次元領域である。
また、前記人感センサー62は、前記複合機Xから見て前記操作表示部2の前方における予め定められた検知範囲A21(第2の検知範囲の一例)の領域内で人体を検知する。ここに、前記人感センサー62が第2の人体検知手段に相当する。前記検知範囲A21は、前記検知距離L11よりも短い予め定められた検知距離L21(第2の検知距離の一例)だけ離間した領域を含んでいる。具体的に、前記検知範囲A21は、前記操作表示部2から前方に0.8〜1.0m程度、平面視の角度(方位角)の範囲が120°程度、側面視の角度(仰角)の範囲が45°程度の3次元領域である。
なお、前記人感センサー61、62各々は、同一の検知範囲を有する焦電型赤外線センサーであるが、その赤外線の検知部が上下方向に異なる向きで固定されることにより、前記検知範囲A11、A21の異なる範囲で人体を検知する。具体的に、前記人感センサー62は、前記人感センサー61に比べて下向きで固定されている。
そして、前記検知範囲A11には、前記検知範囲A21よりも前記操作表示部2から遠い領域が含まれており、前記人感センサー61は、前記人感センサー62に比べて前記複合機Xから遠い位置に存在する人体を検知するものである。従って、前記人感センサー61は、ユーザーが前記複合機Xを使用する可能性が比較的低い時点でそのユーザーを検知するものであり、前記人感センサー62は、ユーザーが前記複合機Xを使用する可能性が比較的時点でそのユーザーを検知するものである。なお、前記検知範囲A11は、前記検知範囲A21の一部又は全部を含むものであっても、前記検知範囲A21を含まないものであってもよい。
そして、前記複合機Xでは、前記制御部5により、後述のモード制御処理が実行されることにより、前記人感センサー61及び前記人感センサー62の検知結果に応じて前記操作表示部2の動作が制御される。
【0019】
<モード制御処理>
以下、
図5を参照しつつ、前記制御部5によって実行されるモード制御処理の手順の一例について説明する。ここに、ステップS11、S12、・・・は前記制御部5により実行される処理手順(ステップ)の識別番号を表している。なお、前記モード制御処理は、前記複合機Xにおいて、前記CPU51、前記操作表示部2、前記人感センサー61、及び前記人感センサー62が稼働した状態で開始される。
なお、本発明は、前記複合機Xで前記モード制御処理の各処理手順を実行する方法、前記制御部5に前記モード制御処理の各処理手順を実行させるためのプログラム、又は前記プログラムが記録されたコンピューター読み取り可能な記録媒体として捉えてもよい。
【0020】
[ステップS11]
まず、ステップS11において、前記CPU51は、前記複合機Xが使用されていない待機状態であるか否かを判断する。そして、前記待機状態であると判断すると(S11のYes側)、処理をステップS12に移行させ、前記待機状態でなければ(S11のNo側)、処理をステップS11で待機させる。なお、前記待機状態とは、例えば前記複合機Xにおいて、画像形成処理、画像読取処理、前記操作表示部2の操作入力などが実行されていない状態である。
【0021】
[ステップS12]
ステップS12において、前記CPU51は、前記待機状態の継続時間である待機時間T1の計時を0から開始する。前記待機時間T1は、前記待機状態が予め設定された第1の待機時間以上継続したか否かを判断するために用いられる情報であり、前記制御部5に設けられたRAMなどの一時記憶手段に記憶される。
【0022】
[ステップS13]
そして、ステップS13において、前記CPU51は、前記待機時間T1が前記第1の待機時間に達したか否かにより、前記待機状態が前記第1の待機時間以上継続したか否かを判断する。なお、前記待機状態が前記第1の待機時間以上継続することが、前記複合機Xを後述の第1の動作モードに移行させるために予め設定された条件の一例である。
ここで、前記CPU51は、前記待機状態が前記第1の待機時間以上継続していなければ(S13のNo側)、処理をステップS14に移行させる。一方、前記CPU51は、前記待機状態が前記第1の待機時間以上継続したと判断すると(S13のYes側)、前記待機時間T1の計時を停止すると共に前記待機時間T1をリセットし、処理を前記ステップS14に移行させる。
【0023】
[ステップS131]
ステップS131において、前記CPU51は、前記複合機Xにおいてジョブ割り込みが発生したか否かを判断する。具体的に、前記CPU51は、前記操作ボタン2Aの操作により操作信号が発生した場合、又は外部の情報処理装置からジョブ要求信号を受信した場合にジョブ割り込みが発生したと判断する。
ここで、前記ジョブ割り込みが発生していなければ(S131のNo側)、前記CPU51は処理を前記ステップS13に戻す。一方、前記ジョブ割り込みが発生すると(S131のYes側)、前記CPU51は、前記待機時間T1の計時を終了すると共に前記待機時間T1をリセットし、処理をステップS132に移行させる。
【0024】
[ステップS132]
ステップS132では、前記CPU51又は前記電源制御部52が、前記ジョブ割り込みに対応する処理を実行するために必要な一又は複数の電気部品に電源を供給して前記電気部品を稼働させる。その後、処理は前記ステップS11に移行する。
例えば、前記CPU51が稼働している場合には、前記ステップS132において、前記CPU51が前記電源制御部52に対して前記ジョブ割り込みに対応する処理を実行するために必要な一又は複数の電気部品を稼働させる旨の制御指示を与える。具体的に、前記ジョブ割り込みに対応する処理が画像形成処理である場合、前記電源制御部52は、前記CPU51からの制御指示に応じて前記画像形成部3の定着ローラー37等を稼働させる。
また、前記CPU51の稼働が停止されている場合には、前記ステップS132において、前記電源制御部52が前記CPU51への電源供給を開始することにより前記CPU51を稼働させる。そして、前記CPU51は、前述したように前記電源制御部52に対して前記ジョブ割り込みに対応する処理を実行するために必要な一又は複数の電気部品を稼働させる旨の制御指示を与える。
【0025】
[ステップS14]
ステップS14において、前記CPU51は、前記複合機Xの動作モードを予め設定された第1の動作モードに移行させるための制御指示を前記電源制御部52に与える。ここに、係る処理を実行するときの前記CPU51が第1のモード制御手段に相当する。前記第1の動作モードは、前記電源制御部52及び前記人感センサー61が稼働し、前記CPU51、前記操作表示部2、及び前記人感センサー62の稼働が停止する動作モードである。従って、前記電源制御部52は、前記CPU51、前記操作表示部2、及び前記人感センサー62への電源供給を停止させ、前記CPU51、前記操作表示部2、及び前記人感センサー62の稼働を停止させる。これにより、前記CPU51、前記操作表示部2、及び前記人感センサー62の稼働が停止するため、前記複合機Xの未使用時における消費電力を削減することができる。
なお、前記第1の動作モードでは、前記電源制御部52により、前記画像読取部1及び前記画像形成部3などへの電源供給が遮断され、前記画像読取部1及び前記画像形成部3の稼働も停止される。
【0026】
[ステップS15]
その後、ステップS15において、前記電源制御部52は、前記複合機Xにおいて前記ジョブ割り込みが発生したか否かを判断する。ここで、前記ジョブ割り込みが発生した場合(S15のYes側)、前記電源制御部52は処理を前記ステップS132に移行させる。一方、前記ジョブ割り込みが発生していない場合(S15のNo側)、前記電源制御部52は処理をステップS16に移行させる。
【0027】
[ステップS16]
ステップS16において、前記電源制御部52は、前記第1の動作モードにおいて前記人感センサー61により人体が検知されたか否かを判断する。即ち、前記ステップS16では、前記複合機Xの周囲において前記操作表示部2から2〜3m程度の比較的遠い位置にユーザーが存在するか否かが判断される。このとき、前記複合機Xでは、前記電源制御部52のみが稼働していればよい。そのため、前記CPU51及び前記操作表示部2のCPU24の稼働が停止状態であってもよく、前記CPU51及び前記操作表示部2のCPU24を常に稼働させる場合に比べて消費電力が削減されている。
そして、前記制御部5は、前記人感センサー61により人体が検知されると(S16のYes側)、処理をステップS17に移行させ、前記人感センサー61により人体が検知されるまでの間は(S16のNo側)、処理を前記ステップS15に戻す。
【0028】
[ステップS17]
ステップS17において、前記電源制御部52は、前記複合機Xの動作モードを前記第1の動作モードから予め設定された第2の動作モードに移行させ、前記第2の動作モードを実行する。ここに、係る処理を実行するときの前記電源制御部52が第2のモード制御手段に相当する。前記第2の動作モードは、前記CPU51、前記操作表示部2のCPU24、及び前記人感センサー62が稼働状態、前記操作表示部2のバックライト22が稼働停止状態となる動作モードである。
従って、前記電源制御部52は、前記CPU51、前記操作表示部2、及び前記人感センサー62への電源供給を開始させ、前記CPU51、前記操作表示部2、及び前記人感センサー62を稼働させる。また、前記電源制御部52により稼働された前記CPU51は、前記バックライト22の稼働停止信号を前記CPU24に送信することにより、或いは前記バックライト22の稼働信号を前記CPU24に送信しない。これにより、前記第2の動作モードにおいて前記操作表示部2のバックライト22の稼働は停止したままとなるため、この時点で前記バックライト22が稼働する場合に比べて消費電力が削減される。
【0029】
[ステップS18]
その後、ステップS18において、前記CPU51は、前記第2の動作モードの継続時間である待機時間T2の計時を0から開始する。前記待機時間T2は、前記第2の動作モードが予め設定された第2の待機時間以上継続したか否かを判断するために用いられる情報であり、前記制御部5に設けられたRAMなどの一時記憶手段に記憶される。
【0030】
[ステップS19]
そして、ステップS19において、前記CPU51は、前記待機時間T2が前記第2の待機時間に達したか否かにより、前記第2の動作モードが前記第2の待機時間以上継続したか否かを判断する。ここで、前記CPU51は、前記第2の動作モードが前記第2の待機時間以上継続していなければ(S19のNo側)、処理をステップS20に移行させる。一方、前記CPU51は、前記第2の動作モードが前記第2の待機時間以上継続したと判断すると(S19のYes側)、前記待機時間T2の計時を停止すると共に前記待機時間T2をリセットし、処理を前記ステップS14に移行させる。
【0031】
[ステップS20]
次に、ステップS20において、前記CPU51は、前記ステップS131と同様に、前記ジョブ割り込みの発生の有無を判断する。ここで、前記CPU51は、前記ジョブ割り込みが発生していない場合(S20のNo側)、処理をステップS21に移行させる。一方、前記CPU51は、前記ジョブ割り込みが発生した場合(S20のYes側)、前記待機時間T2の計時を終了すると共に前記待機時間T2をリセットし、処理をステップS132に移行させる。処理を前記ステップS132に移行させる。
【0032】
[ステップS21]
ステップS21において、前記CPU51は、前記第2の動作モードにおいて前記人感センサー62により人体が検知されたか否かを判断する。即ち、前記ステップS21では、前記複合機Xの周囲において前記操作表示部2から0.8m〜1.0m程度の比較的近い位置までユーザーが近づいたか否かが判断される。
そして、前記CPU51は、前記人感センサー62により人体が検知されると(S21のYes側)、前記待機時間T2の計時を終了すると共に前記待機時間T2をリセットし、処理をステップS211に移行させる。一方、前記CPU51は、前記人感センサー62により人体が検知されるまでの間(S21のNo側)、処理を前記ステップS22に移行させる。
【0033】
[ステップS211]
前記ステップS211において、前記CPU51は、前記複合機Xの動作モードを前記第2の動作モードから予め設定された第3の動作モードに移行させ、前記第3の動作モードを実行する。ここに、係る処理を実行するときの前記CPU51が第3のモード制御手段に相当する。前記第3の動作モードは、前記CPU51及び前記CPU24に加えて、前記バックライト22及び前記操作検知部23が稼働する動作モードである。具体的に、前記CPU51は、前記操作表示部2のCPU24に対して前記バックライト22及び前記操作検知部23を稼働させるための制御指示を与える。これにより、前記操作表示部2では、前記CPU24により前記バックライト22が稼働され、前記液晶パネル21による情報の表示が開始される。このとき、前記操作表示部2では、前記CPU24が前記ステップS17において既に稼働しているため、前記バックライト22が稼働されることにより迅速に前記液晶パネル21による表示が開始される。また、前記操作検知部23に対するユーザー操作を前記CPU24で処理することも可能となる。
なお、前記第3の動作モードでは、前記電源制御部52により、前記画像読取部1及び前記画像形成部3などへの電源供給が遮断され、前記画像読取部1及び前記画像形成部3の稼働が開始される。
【0034】
[ステップS22]
一方、ステップS22において、前記CPU51は、前記人感センサー61により人体が検知されているか否かを判断する。即ち、前記ステップS22では、前記複合機Xの周囲においてユーザーが前記操作表示部2から遠い位置まで離れたか否かが判断される。
そして、前記CPU51は、前記人感センサー61により人体が検知されている場合(S22のYes側)、処理を前記ステップS19に移行させて前記第2の動作モードを継続させる。一方、前記CPU51は、前記人感センサー61により人体が検知されなくなると(S22のNo側)、前記待機時間T2の計時を停止すると共に前記待機時間T2をリセットし、処理を前記ステップS14に戻して前記第1の動作モードに移行させる。即ち、前記CPU51は、前記人感センサー61により人体が一度検知された場合であっても、その後に前記人感センサー61により人体が検知されなくなった場合は、動作モードを前記第1の動作モードに移行させる。これにより、前記第2の動作モードが無駄に継続することが防止されるため省電力効果が高まる。
なお、前記人感センサー61が、人体が移動した場合にのみ人体を検知できるものである場合や、前記人感センサー61が前記人感センサー62の検知エリアA21を包含しない場合には、前記ステップS22の処理は省略することが考えられる。
【0035】
以上、説明したように、前記複合機Xでは、前記人感センサー61及び前記人感センサー62の検知結果に応じて、前記複合機Xの動作モードが前記1の動作モードから前記第2の動作モード及び前記第3の動作モードに2段階で移行する。具体的に、前記複合機Xが前記第1の動作モードの状態で、ユーザーが前記複合機Xから比較的遠い範囲も含む前記検知範囲A11内に入ると前記第2の動作モードに移行して前記操作表示部2のCPU24が機能し始める。そして、ユーザーが更に前記複合機Xに近づいて前記検知範囲A21内に入ると前記第3の動作モードに移行して前記操作表示部2のバックライト22が点灯して前記液晶パネル21による表示が開始される。従って、前記複合機Xによれば、消費電力の削減について高い効果を得ると共に、ユーザーの接近時に前記操作表示部2による表示を迅速に開始させることができる。特に、前記第1の動作モードでは、前記人感センサー62の稼働が停止されるため、前記人感センサー62による消費電力も削減される。
【0036】
<他の実施形態>
以下、
図6を参照しつつ、前記複合機Xの変形例である複合機X1について説明する。なお、前記複合機X1についてここで説明しない構成については前記複合機Xと同様である。
図6に示すように、前記複合機X1は、前記操作表示部2を回動可能に支持する回動軸24(回動支持手段の一例)を備えている。なお、前記回動軸24は、前記複合機Xの筐体に軸支されており、前記操作表示部2と共に回動する。
このように前記操作表示部2が回動可能に支持された構成では、ユーザーによって任意に前記操作表示部2の角度が変更され、前記液晶パネル21の表示面の向きが変化する。そして、前記液晶パネル21の表示面の向きの変化は、前記操作表示部2を操作するユーザーの立ち位置にも影響を与える。具体的に、水平面に対する前記液晶パネル21の表示面の傾斜角度が小さく前記表示面が比較的鉛直上方向に向けられている場合には、ユーザーは前記液晶パネル21に近い可視範囲A22内で前記液晶パネル21を見ることになる。一方、水平面に対する前記液晶パネル21表示面の傾斜角度が大きい場合には、ユーザーは前記液晶パネル21から遠い可視範囲A23内で前記液晶パネル21を見ることが可能になる。
そこで、前記複合機X1は、前記操作表示部2の角度に対応するユーザーの立ち位置に応じて、前記人感センサー62の検知領域A21が変更される構成を有する。これにより、実際に前記操作表示部2を使用する位置までユーザーが近づいた場合に、前記第2の動作モードから前記第3の動作モードに移行することになり、省電力について高い効果が得られる。以下、前記複合機X1において、前記操作表示部2の角度に応じて前記人感センサー62の検知領域A21を変更するための具体的な構成例について説明する。なお、ここで説明する構成は単なる一例に過ぎず、同様の機能を達成することができれば他の構造を採用してもよい。
【0037】
図6に示すように、前記複合機X1は、前記複合機X1から見て前記人感センサー62の前方に配置され、前記複合機Xの筐体に形成された不図示のレール部によって上下方向に摺動可能に支持されたシャッター25(遮蔽部材、検知距離変更手段の一例)を備える。前記シャッター25は、前記人感センサー62の前方において上下方向に移動することにより、前記開口部60を通じて前記人感センサー62に入射する赤外線の遮蔽範囲を変化させる。即ち、前記シャッター25は、前記人感センサー62による熱変化の有効検知範囲の遮蔽量を変化させることにより、前記人感センサー62の前記検知範囲A21における前記検知距離L21を変更させる。
また、前記シャッター25の上端部にはラックギアが形成されており、前記回動軸24には前記シャッター25のラックギアに噛合するピニオンギアが形成されている。これにより、前記シャッター25のラックギアと前記回動軸24のピニオンギアとが噛合した状態では、前記操作表示部2の回動に連動して前記シャッター25が上下方向に摺動することになる。
【0038】
より具体的に、前記シャッター25は、前記操作表示部2の回動に連動し、水平面に対する前記液晶パネル21の表示面の傾斜角度が小さくなるほど前記検知距離L21を短く、前記傾斜角度が大きくなるほど前記検知距離L21を長くする。
即ち、
図6(A)に示すように、ユーザーにより前記操作表示部2が矢印R1方向に回動されると、前記シャッター25は矢印R3方向に移動し、前記人感センサー62に対する赤外線の入射経路の遮蔽量が徐々に多くなるため前記検知距離L21が短くなる。例えば、このときの前記検知距離L21は0.8mである。そのため、水平面に対する前記液晶パネル21の表示面の傾斜角度が小さい場合には、ユーザーが前記液晶パネル21に近い前記可視範囲A22内で前記液晶パネル21を見るときの立ち位置を含む前記検知領域A21で前記人感センサー62によりユーザーが検知される。
一方、
図6(B)に示すように、ユーザーにより前記操作表示部2が矢印R2方向に回動されると、前記シャッター25は矢印R4方向に移動し、前記人感センサー62に対する赤外線の入射経路の遮蔽量が徐々に少なくなるため前記検知距離L21が長くなる。例えば、このときの前記検知距離L21は1.0mである。そのため、水平面に対する前記液晶パネル21の表示面の傾斜角度が大きい場合には、ユーザーが前記可視範囲A22よりも遠い前記可視範囲A23内で前記液晶パネル21を見るときの立ち位置を含む前記検知領域A21で前記人感センサー62によりユーザーが検知される。
従って、前記複合機X1では、ユーザーが実際に前記操作表示部2を使用する際の立ち位置まで近づいた場合にのみ前記人感センサー62で人体が検知され、前記操作表示部2のバックライト22が稼働することになる。従って、前記バックライト22が無駄に稼働しないため省電力について高い効果を得ることができる。また、ユーザーが前記操作表示部2を使用する際には前記液晶パネル21による表示を迅速に開始させることができる。
なお、前記シャッター25及び前記操作表示部2の連動手法についてはこれに限らず従来周知の各種のリンク機構などを採用すればよい。また、前記シャッター25の位置を前記操作表示部2の回動に連動して変更する構成に限らず、前記シャッター25の位置を手動で調整可能な構成も考えられる。これにより、ユーザーは、前記人感センサー62の前記検知距離L21を変更して、前記バックライト22を点灯させるタイミングを任意に調整することができる。また、前記複合機X1が、前記人感センサー62と同様に前記人感センサー61の前記検知距離L11を変更する手段を更に備えることも他の実施形態として考えられる。