(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
遊技価値を購入すると、その遊技価値を消費する範囲でユーザにゲームが提供される。そうすると、提供される範囲でゲームが完結してしまい、ユーザにゲーム継続の動機付けを付与しにくいため、新規なゲーム提供の仕組みの実現が要望されている。
【0005】
そこで、本発明は新規なゲーム提供の仕組みを実現して稼動率を高めることができるゲーム機等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のゲーム機は、ユーザが購入した第1の遊技価値(M)の消費を条件として、該第1の遊技価値の消費量に見合った範囲で前記ユーザに第1のゲームをプレイさせる第1のゲーム提供手段(31)と、ユーザが前記第1の遊技価値とは区別して購入し、かつ前記第1の遊技価値として通用させることができない第2の遊技価値の消費を条件として、該第2の遊技価値の消費量に見合った範囲で前記ユーザに第2のゲームをプレイさせる第2のゲーム提供手段(31)と、を具備し、前記第1のゲーム提供手段には、前記第1の遊技価値として通用させることができない付加価値を前記ユーザによる前記第1のゲームのプレイ状況に応じて該ユーザに付与する付加価値付与手段(31)が設けられ、前記第2のゲーム提供手段には、前記ユーザが獲得した付加価値の消費を条件としてプレイが許可される連携ゲームを前記第2のゲームの少なくとも一部としてユーザに提供する連携ゲーム提供手段(31)が設けられ
、前記連携ゲーム提供手段は、前記連携ゲームのプレイ可能な範囲のうち少なくとも一部の範囲が、前記第2の遊技価値を消費しなくてもプレイ可能な範囲となるように前記ユーザに前記連携ゲームをプレイさせることにより上記課題を解決する。
【0007】
本発明のゲーム機の制御方法は、ユーザが購入した第1の遊技価値(M)の消費を条件として、該第1の遊技価値の消費量に見合った範囲で前記ユーザに第1のゲームをプレイさせる第1のゲーム提供手順(S1〜S3)と、ユーザが前記第1の遊技価値とは区別して購入し、かつ前記第1の遊技価値として通用させることができない第2の遊技価値の消費を条件として、該第2の遊技価値の消費量に見合った範囲で前記ユーザに第2のゲームをプレイさせる第2のゲーム提供手順(S11〜S19)と、を具備するゲーム機(3)の制御方法であって、前記第1のゲーム提供手順には、前記第1の遊技価値として通用させることができない付加価値を前記ユーザによる前記第1のゲームのプレイ状況に応じて該ユーザに付与する付加価値付与工程(S2)が設けられ、前記第2のゲーム提供手順には、前記ユーザが獲得した付加価値の消費を条件としてプレイが許可される連携ゲームを前記第2のゲームの少なくとも一部としてユーザに提供する連携ゲーム提供工程(ステップS17、S18)が設けられ
、前記連携ゲーム提供工程では、前記連携ゲームのプレイ可能な範囲のうち少なくとも一部の範囲が、前記第2の遊技価値を消費しなくてもプレイ可能な範囲となるように前記ユーザに前記連携ゲームをプレイさせることにより上記課題を解決する。
【0008】
本発明によれば、ゲーム機では、第1のゲームと第2のゲームのプレイ機会がユーザに提供されるが、各ゲームをプレイできる条件が異なる。第1のゲームをプレイするとプレイ状況に応じてユーザには付加価値が付与されるが、付加価値は第1のゲームで利用することはできず、第2のゲームで利用可能である。付加価値の付与は、第1のゲームに対しては、何らの影響も与えることはないので、第1のゲームのゲームバランスを考慮する必要はない。従って、第1のゲームをプレイさせることにより、ユーザを第2のゲームへ誘導して第2のゲームのプレイ機会を提供することでゲーム機でのゲーム継続の動機付けを付与することができる。従って、ゲーム機の稼働率を高めることができる。
【0009】
本発明のゲーム機の一形態において、前記第2の遊技価値が電子通貨を利用した場合に限って購入可能であってもよい。これによれば、付加価値の消費によりプレイできる範囲を超えて第2のゲームをプレイしたい場合は、ユーザは電子通貨を利用して第2の遊技価値を購入することになる。第1のゲームのプレイを介して第2のゲームに誘導し、電子通貨の利用を促進させることができる。
【0010】
本発明のゲーム機の一形態において、前記付加価値付与手段は、所定のゲーム条件が成立すると、前記付加価値を付与してもよい。例えば、第1のゲームにおけるイベントのクリアや所定のゲーム操作等、適宜に設定した条件をユーザが成立させると付加価値が付与される。第1のゲームをプレイすると付加価値が付与されるので、第1のゲームのプレイの動機付けを付与することができる。この形態において、前記ゲーム条件として、前記第1の遊技価値の消費により可能なゲーム操作が設定されていてもよい。第1の遊技価値の利用を促進させることができる。
【0011】
本発明のゲーム機の一形態において、前記第2の遊技価値の消費によりプレイ可能な範囲が、前記連
携ゲームのプレイ可能な範囲に対して少なくとも一部の範囲が重ならないように前記ユーザに前記第2のゲームをプレイさせてもよい。これによれば、第2のゲーム内で、第2の遊技価値の利用と、付加価値の利用とによるゲームプレイの範囲が異なるので、ユーザは一方の価値の利用に偏ることなくゲームをするようになる。従って、第2のゲームを提供することにより、第1のゲームのプレイ促進と、第2の遊技価値の利用促進とを両立させることができる。
【0012】
本発明のゲーム機の一形態において、前記第1の遊技価値がメダルであってもよい。これによれば、メダルゲーム機において、第2のゲームを提供することにより、ゲーム機の稼働率を高めつつ、第2の遊技価値についても利用を促進させることができる。
【0013】
なお、以上の説明では本発明の理解を容易にするために添付図面の参照符号を括弧書きにて付記したが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。
【発明の効果】
【0014】
以上、説明したように、本発明においては、ゲーム機では、第1のゲームと第2のゲームのプレイ機会がユーザに提供されるが、各ゲームをプレイできる条件が異なる。第1のゲームをプレイするとプレイ状況に応じてユーザには付加価値が付与されるが、付加価値は第1のゲームで利用することはできず、第2のゲームで利用可能である。付加価値の付与は、第1のゲームに対しては、何らの影響も与えることはないので、第1のゲームのゲームバランスを考慮する必要はない。従って、第1のゲームをプレイさせることにより、ユーザを第2のゲームへ誘導して第2のゲームのプレイ機会を提供することでゲーム機でのゲーム継続の動機付けを付与することができる。従って、ゲーム機の稼働率を高めることができる。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1は、本発明の一形態に係るゲーム機3を含むゲームシステム1の全体構成を説明する図である。ゲームシステム1は、センターサーバ2と、センターサーバ2に所定のネットワーク5を介して接続されるべきクライアント装置として機能するゲーム機3とを含む。センターサーバ2は、複数のサーバユニット2A、2B…が組み合わされることにより一台の論理的なサーバ装置として構成されている。ただし、単一のサーバユニットによりセンターサーバ2が構成されていてもよい。あるいは、クラウドコンピューティングを利用して論理的にセンターサーバ2が構成されてもよい。
【0017】
ゲーム機3は、所定のプレイ料金の支払いと引き換えに、そのプレイ料金に対応した範囲でユーザにゲームをプレイさせる商業用(業務用)のゲーム機として構成されている。この種のゲーム機3は、アーケードゲーム機と呼ばれることがある。ゲーム機3は、多数のユーザにゲームを繰り返しプレイさせて収益を上げることを主たる目的として店舗6等の所定の施設に設置されるゲーム装置である。なお、店舗6には、一以上の適宜数のゲーム機3が設置される。ゲーム機3は、特定のゲームに適合する物理的構成(例えば操作部等)を備えた専用機として構成されてもよいし、ソフトウエアの書き換えにより種々のゲームに対応可能な汎用機として構成されてもよい。ゲーム機3の構成については後述する。
【0018】
センターサーバ2には、管理者端末7及びオペレータ端末8とがネットワーク5を介してさらに接続される。管理者端末7は、センターサーバ2の管理者がセンターサーバ2上に保持された各種のデータを操作し、あるいはセンターサーバ2の設定を変更する目的で設けられたクライアント装置である。一方、オペレータ端末8は、店舗6の管理者がゲーム機3を管理し、あるいはセンターサーバ2にアクセスして各種の情報を送受信する目的で設けられたクライアント装置である。オペレータ端末8は店舗6ごとに設けられる。
【0019】
ネットワーク5は、センターサーバ2に対してゲーム機3、管理者端末7及びオペレータ端末8をそれぞれ接続させることができるものであれば適宜に構成されてよい。一例として、ネットワーク5は、TCP/IPプロトコルを利用してネットワーク通信を実現するように構成される。典型的には、WANとしてのインターネット5Aと、センターサーバ2及びゲーム機3のそれぞれとインターネット5Aとを接続するLAN5B、5Cとがルータ5Dを介して接続されることにより構築される。なお、ゲーム機3と店舗6のルータ5Dとの間にローカルサーバが設置され、そのローカルサーバを介してゲーム機3がセンターサーバ2と通信可能に接続されてもよい。センターサーバ2のサーバユニット2A、2B…はLAN5Cに代えて、又は加えてWAN5Aにより、相互に接続される場合もある。センターサーバ2には、さらにユーザの個人用途に供されるパーソナルコンピュータ、モバイル端末機器等が接続可能とされてもよい。
【0020】
図2は、ゲーム機3の全体構成を示す図である。ゲーム機3は、第1の遊技価値としてメダルMを利用する、いわゆるメダルゲーム機である。ゲーム機3は、フィールドユニット12と、そのフィールドユニット12を取り囲むように配置された複数のステーションユニット13と、フィールドユニット12に隣接して配置されたモニタユニット14とを備えている。フィールドユニット12の上面側にはフィールド15が設けられている。フィールド15では、競走馬を模した複数の模型16のそれぞれをフィールド15内のオーバル状のコース15a内で走行させて着順を競うフィールドゲームとしての競馬ゲームがプレイされる。模型16は、フィールドユニット12の内部に設けられた走行面を自律的に走行可能な自走車と磁石を利用して接合されている。それにより、模型16は、自走車に追従してフィールド15上を走行する。自走車は周知技術を利用して構成される。フィールド15の中央部には、ゲートユニット18が設けられている。ゲートユニット18は、模型16を出走前に一列に整列させるためのゲート18aを有している。ゲート18aは、フィールド15の中央に格納された位置と、フィールド15の一方の側にてコース15aを横断する位置と、フィールド15の他方の側にてコース15aを横断する位置との間で選択的に移動することができる。
【0021】
ステーションユニット13は、フィールド15にて実行されるゲームにユーザが参加するための端末装置として設けられている。ステーションユニット13には、第1モニタ13a及び第2モニタ13bと、それらの表面に重ね合わされた透明な第1タッチパネル13c及び第2タッチパネル13dと、メダルMの投入を受け付けるメダル投入口13eと、ユーザが所持するカード19(
図4)を読み取りその情報に対応した信号を出力するカードリーダ13fとが設けられている。各ステーションユニット13では、1人又は2人でプレイすることができる。各タッチパネル13c、13dは、ユーザが指等で触れると、その接触位置に応じた信号を出力する公知の入力装置である。メダル投入口13eにメダルMが投入されると、投入されたメダルMは競馬ゲームで利用できるクレジットに変換され、ゲーム内容に応じて消費されたり、払い出されたりする。カードリーダ13fにより読み取られるカード19には、ICチップ、磁気ストライプといった不揮発性記憶媒体(不図示)が設けられており、その媒体にはカード19毎にユニークなID(以下、カードIDと呼ぶことがある。)等が記録されている。なお、カードIDは、カード19にバーコード等の形態で記録されていてもよい。あるいは、カード19に代えて、携帯電話等に実装されたICチップ等の記憶媒体にカードIDが記録されていてもよい。
【0022】
モニタユニット14は、ゲームに関連した情報(映像等を含む。)を表示するために複数のメインモニタ14aを備えている。なお、
図2では2台のメインモニタ14aが隣り合わせに並べられている状態を示しているが、それらのメインモニタ14aの裏側にも、2台のメインモニタ14aが表示面を反対方向に向けて配置されている。メインモニタ14aには、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイのような概略平板状のフラットパネルディスプレイが用いられている。
【0023】
図3は、ゲーム機3で提供されるゲームの仕組みについて説明する図である。ゲーム機3で提供される競馬ゲームには、所定間隔で開催されるレースに出走する競走馬の着順を予想する馬券ゲームと、ユーザが所有する育成馬を調教し、育成する育成ゲームとが設けられている。競馬ゲームには、後述するカードゲームは含まれない。ユーザは、店舗6内に設置されたメダル販売機6aでメダルMを購入する。購入したメダルMは、店舗6外へ持ち出したり、換金したりすることはできない。また、メダル販売機6aでは、現金及び電子通貨を支払うことにより、メダルMを購入することができる。
【0024】
馬券ゲームでは、予想する競走馬に対し馬券の種類を選択し、所有するクレジットの範囲でベットする。ユーザの予想が的中するとオッズに応じた配当がユーザに付与される。育成ゲームでは、ユーザは育成馬を生産し、調教することで育成馬の能力を高めることができる。さらに育成ゲームでは、馬券ゲームの特定のレースに育成馬を出走させることができる。育成馬の育成及びレース参加には、クレジットが必要となる。育成馬がそのレースで優勝すると、レース毎に設定される賞金を獲得できる。馬券ゲーム及び育成ゲームは、投入したメダルMをゲーム内で利用できるクレジットに変換し、所有するクレジットの範囲でユーザにゲームを提供する。馬券ゲーム及び育成ゲーム、つまり競馬ゲームが、第1のゲームに相当する。クレジットを消費して競馬ゲームをプレイすることにより、プレイに応じた獲得ポイントがユーザに付与される。
【0025】
馬券ゲームで馬券にベットすると、ベットした枚数に応じてカードゲームで利用できる育成ポイントがユーザに付与される。また、育成ゲームで育成馬を特定のレースに出走させると、カードゲームで利用できるスロットポイントがユーザに付与される。なお、育成ポイント及びスロットポイントを総称して獲得ポイントということがある。獲得ポイントが付加価値に相当する。
【0026】
カードゲームは、ゲーム機3の各ステーションユニット13でプレイできる競馬ゲームと独立したゲームである。カードゲームでは、競走馬の能力値と対応付けられたデジタルカードDCをユーザに付与する。カードゲームには、デジタルカードDCの競走馬を育成したり、デジタルカードDC同士を合成したりすることでデジタルカードDCを強化するカード強化モードと、スロットゲームの抽選結果に基づいてデジタルカードDCを付与するスロットモードと、カードゲーム内で開催されるスペシャルレースにデジタルカードDCの競走馬を出走させるレースモードとが設けられている。カード強化モードでは、育成や合成に応じて競馬ゲームで取得した育成ポイントを消費する。また、レースモードでも、レースに参加するために育成ポイントを消費する。スロットモードでは、スロットゲームで獲得可能なデジタルカードDC群に応じて設定されるスロットポイントを消費する。ユーザには、新規登録で1枚のデジタルカードDCが付与される他、1日1回の無料のスロットゲームでデジタルカードDCが付与される。これらのモードのゲームが連
携ゲームに相当する。
【0027】
競馬ゲームで獲得した獲得ポイントは、カードゲームでのみ利用可能である。また、カードゲームでは、カード強化モード及びスロットモードにおいて特別な強化やスロットをさせるためにユーザは課金をすることができる。カードゲームにおける課金は、電子通貨を利用するものに限られる。カードゲームにおいて、電子通貨の支払いと引換えに第2の遊技価値としてのスペシャルポイントが付与される。スペシャルポイントは、上述したカード強化モードで、育成ポイントでは利用できないスペシャル育成及びスペシャル合成に利用できる。また、スロットモードにおいて、スロットポイントでは利用できないスペシャルスロットをプレイすることができる。スペシャル育成、スペシャル合成及びスペシャルスロットを総称してスペシャルゲームということがある。
【0028】
センターサーバ2上には、口座管理システム20aが構築されている。口座管理システム20aは、電子通貨の利用を管理する機能を提供するためのシステムであり、ゲーム機3からの電子通貨消費要求に応じて電子通貨を消費させるといった電子通貨の消費に関連する各種の処理を実行する。口座管理システム20aには、ユーザIDとそのユーザが保有する電子通貨の量(残高)とを対応付けて記録した口座データ25が設けられる。
【0029】
また、センターサーバ2上には、ゲーム管理システム20bが構築されている。ゲーム管理システム20bでは、ゲーム機3で実行される競馬ゲーム(メダルゲーム)及びカードゲームのゲームプログラムの更新管理や、ゲーム機3でプレイするユーザ毎のプレイデータ26の管理がされる。プレイデータ26には、ユーザがプレイする競馬ゲームのゲームデータや、競馬ゲームで獲得した獲得ポイント、カードゲームのゲームデータ等、ゲーム進行に必要な各種データが記録される。
【0030】
ゲーム機3では、競馬ゲームとカードゲームとがユーザに提供され、競馬ゲームをプレイすることにより獲得した獲得ポイントがカードゲームでのみ利用できる。カードゲームをプレイするためには、競馬ゲームをプレイすることが必要となるとともに、課金は電子通貨での支払いに限られる。従って、競馬ゲームのユーザをカードゲームに誘導し、カードゲームをプレイすることにより電子通貨を利用することを促すことができる。
【0031】
図4は、ゲームシステム1に関する制御系の主要部の構成を示す機能ブロック図である。ゲーム機3には、制御ユニット31と、記憶装置32とが設けられている。制御ユニット31は、マイクロプロセッサと、そのマイクロプロセッサにて実行されるべきオペレーティングシステム等のプログラムが記録されたROM、及びマイクロプロセッサに対する作業領域を提供するRAM等の内部記憶装置(不図示)とを備えたコンピュータユニットである。記憶装置32は、制御ユニット31にて実行されるべきゲームプログラム及びそのプログラムが参照すべき各種のデータを記憶する。記憶装置32は、例えばハードディスク記憶装置等の記憶保持が可能な記憶装置である。記憶装置32には、プレイデータ26が記憶される。
【0032】
制御ユニット31の内部には、メダルゲーム制御部33と、カードゲーム制御部34とが設けられる。各制御部33、34は、制御ユニット31のコンピュータハードウエアと所定のソフトウエアとの組合せによって実現される論理的装置である。メダルゲーム制御部33は、ゲーム機3で実行される競馬ゲームに関する各種の処理を実行する。カードゲーム制御部34は、ゲーム機3で実行されるカードゲームに関する各種の処理を実行する。制御ユニット31には、メダル投入口13e、及びカードリーダ13fが入力装置として接続される。また、制御ユニット31には、
図4で図示していない、フィールドユニット2、ステーションユニット3及びモニタユニット4の各構成部材と接続され、制御される。カードリーダ3fにより読み取られるカード19のカードIDは、センターサーバ2上に保存されたプレイデータ26の少なくとも一部を記憶装置32に読み出すために利用される。また、カードIDは、後述するID管理データ27を参照してカードIDに対応付けられたユーザIDを特定し、ユーザIDに紐付けられた口座データ25から電子通貨を消費させるために利用される。
【0033】
センターサーバ2には、制御ユニット21と、記憶装置22とが設けられている。制御ユニット21及び記憶装置22の構成は、ゲーム機3の制御ユニット31及び記憶装置32と同様の構成でよく、説明は省略する。制御ユニット21には、内部のコンピュータハードウエアと所定のソフトウエアとの組合せによってゲーム機3の運営に必要な各種の論理的装置が生成される。制御ユニット21には、口座管理部23と、ゲーム機管理部24とが設けられる。口座管理部23は、電子通貨の口座の残高を管理するために必要な各種の処理を実行する。口座管理部23は、ゲーム機3から送信されるカードIDに対応付けられたユーザIDを特定し、ユーザIDに紐付けられた口座データ25から電子通貨を消費させる。ゲーム機管理部24は、ゲーム機3からユーザの識別情報(カードID)を受け取ってそのユーザを認証し、そのユーザのプレイデータ26をゲーム機3から受け取って保存し、あるいはゲーム機3に提供する。
【0034】
記憶装置22には、口座データ25、プレイデータ26、及びID管理データ27が記録されている。口座データ25には、電子通貨の残高をユーザIDと対応付けて記録されている。プレイデータ26は、ユーザID毎に作成され、管理される。ゲーム機3でユーザが競馬ゲーム又はカードゲームをプレイする際には、そのユーザがゲーム機3のカードリーダ13fに認識させたカードIDがセンターサーバ2に提供され、そのカードIDに関連付けられたユーザIDに対応するプレイデータ26の少なくとも一部がセンターサーバ2からゲーム機3に提供されてゲーム機3の記憶装置32に記憶される。
【0035】
図5は、プレイデータ26の一例を示す図である。プレイデータ26には、ユーザのユーザIDと、ユーザIDと対応付けられた競馬ゲームデータや、競馬ゲームで獲得した獲得ポイント、カードゲームデータ、ユーザが電子通貨で購入したスペシャルポイント等のゲーム機3でのゲームプレイに関連付けられた情報が含まれる。競馬ゲームデータには、馬券ゲームでの成績情報や育成ゲームでの所有する育成馬の育成馬情報、所持アイテム情報等の各種情報が記述されている。カードゲームデータには、所持しているデジタルカード情報、レース成績情報等の各種情報が記述されている。
【0036】
図6は、制御ユニット31が実行するポイント付与処理を説明するフローチャートである。ポイント付与処理は、競馬ゲームのプレイに応じてユーザに獲得ポイントを付与する。制御ユニット31は、競馬ゲームにおいて所定のポイント付与条件が成立するか否かを判別する(ステップS1)。ポイント付与条件の例として、馬券ゲームで馬券にベットすることや、育成ゲームで育成馬をレースに出走させることが設定される。なお、ポイント付与条件が成立しない場合は、今回の処理を終了する。ポイント付与条件が成立すると、制御ユニット31は、所定の獲得ポイントをユーザに付与する(ステップS2)。馬券ゲームをプレイするユーザに対しては、馬券にベットしたクレジット枚数に応じて育成ポイントを付与され、育成ゲームをプレイするユーザに対しては、レースに出走させた育成馬の頭数に応じてスロットポイントが付与される。そして、制御ユニット31は、獲得した獲得ポイントを加算するようにユーザのプレイデータ26を更新する(ステップS3)。競馬ゲームのプレイ中は、ユーザのプレイデータ26に獲得ポイントが貯められる。なお、適宜のタイミングでゲーム機3のプレイデータ26と、センターサーバ2のプレイデータ26との同期が図られる。そして制御ユニット31は、今回の処理を終了する。
【0037】
上述した処理によると、競馬ゲームでポイント付与条件が成立すると(ステップS1)、ユーザに獲得ポイントを付与し(ステップS2)、その獲得ポイントをユーザのプレイデータ26に記録する(ステップS3)。これにより、競馬ゲームをプレイするとカードゲームで利用できる獲得ポイントが付与され、ユーザのプレイデータ26に貯められる。競馬ゲームでは、獲得ポイントはメダルMとして通用させることはできず、獲得ポイントの付与は競馬ゲームに何らの影響もない。従って、メダルMを利用する競馬ゲームのゲームバランスを損なうことなくユーザにゲーム継続の動機付けを付与し、ゲーム機3の稼働率を高めることができる。
【0038】
本処理において、制御ユニット31がステップS2の処理を実行することにより、付加価値付与手段として機能する。制御ユニット31は、ポイント付与処理を含む競馬ゲームに関連するゲーム制御処理を実行することにより、第1のゲーム提供手段として機能する。
【0039】
図7は、制御ユニット31が実行するポイント消費管理処理を説明するフローチャートである。ポイント消費管理処理は、カードゲームのプレイ時に、ユーザの要求に従って各種ポイントの消費を管理する処理である。まず、制御ユニット31は、電子通貨の利用があるか否かを判別する(ステップS11)。カードゲームでは、スペシャルポイントのみ電子通貨による支払いと引換えにユーザに付与される。ユーザが電子通貨を利用した場合、制御ユニット31は、ユーザにスペシャルポイントを付与する(ステップS12)。電子通貨を利用した額に応じてスペシャルポイントがユーザに付与される。制御ユニット31は、ユーザが利用した電子通貨の量を口座データ25の残高から引き落とす要求をセンターサーバ2にする(ステップS13)。センターサーバ2の口座管理部23が、ユーザに対応付けられた口座データ25の残高から利用額を引き落とす。そして、制御ユニット31は、付与したスペシャルポイントを加算するようにユーザのプレイデータ26を更新する(ステップS14)。
【0040】
次に制御ユニット31は、スペシャルゲームがプレイされているか否かを判別する(ステップS15)。スペシャルゲームがプレイされている場合、制御ユニット31は、ユーザの要求に応じてスペシャルポイントを消費する(ステップS16)。ユーザは所有するスペシャルポイントの範囲内でスペシャルゲームをプレイすることができる。スペシャルゲームでは、獲得ポイントのゲーム範囲内では得られないカードを取得したり、サービスを受けたりすることができる。
【0041】
一方、スペシャルゲームがプレイされていない場合、制御ユニット31は、各モードのゲームをユーザの要求に応じて実行する(ステップS17)。上述したカード強化モード、スロットモード及びレースモードのゲームが実行される。制御ユニット31は、そのモードにおいてユーザの要求に応じて対応する獲得ポイントを消費する(ステップS18)。例えば、カード強化モードのゲームがプレイされていれば、ユーザの要求に応じて育成ポイントを消費する。ユーザは所有する育成ポイントに見合った範囲内でカード強化モードのゲームをプレイできる。スロットモード及びレースモードについても同様である。ステップS16又はS18の処理後、制御ユニット31は、ユーザのポイントの利用に応じてポイントを減算するようにプレイデータ26を更新し(ステップS19)、今回の処理を終了する。
【0042】
上述した処理によれば、ユーザが電子通貨を利用すると(ステップS11)、利用額に応じてスペシャルポイントを付与する(ステップS12)。さらに制御ユニット31は、利用額を口座データから引き落とすようにセンターサーバ2に要求しつつ(ステップS13)、プレイデータ26を更新する(ステップS14)。ユーザがスペシャルゲームをプレイしていると(ステップS15)、ゲームプレイに応じてスペシャルポイントを消費する(ステップS16)。一方、スペシャルゲームをプレイしていなければ、ユーザの要求に応じていずれかのモードのゲームを実行する(ステップS17)。ゲームプレイに応じてモードに対応するポイントが消費される(ステップS18)。消費したポイントは、プレイデータ26に記録される(ステップS19)。これによれば、競馬ゲームをプレイすると、ユーザはカードゲームをプレイすることができる。競馬ゲームで獲得した獲得ポイント以上の範囲でプレイを希望する場合、ユーザは、電子通貨を利用してスペシャルポイントを購入しなければならない。ユーザにカードゲームをプレイさせることで、ゲーム機の稼働率を高めるとともに、電子通貨の利用を促進させることができる。また、電子通貨でスペシャルポイントを購入させることにより、メダルMの購入に比べてより柔軟なプレイ単位の設定ができる。釣銭の必要がないので1円単位で細かいプレイ料金設定ができる。
【0043】
上述した処理において、制御ユニット31が、ステップS17及びS18の処理を実行することにより、連
携ゲーム提供手段として機能する。制御ユニット31は、ポイント消費管理処理を含むカードゲームに関連するゲーム制御処理を実行することにより、第2のゲーム提供手段として機能する。
【0044】
本発明は、上述した形態に限定されることなく、種々の形態にて実施することができる。例えば、本形態では、第2の遊技価値として、センターサーバ2で口座データ25が管理される電子通貨で説明したが、これに限られない。例えば、クレジットカードやプリペイドカードといった電子通貨であってもよい。また、カード19にチャージされた電子通貨を使用する形態であってもよい。また、第2の遊技価値としてのスペシャルポイントが電子通貨を利用した場合に限って購入可能として説明したが、これに限られない。例えば、現金をしてもよい。
【0045】
ゲーム機3として、競馬ゲームで説明したが、ゲーム機3で提供されるゲームのジャンルは適宜変更してもよい。ゲームジャンルの一例として、麻雀、将棋、クイズ、パズル、格闘ゲーム等があげられる。これに応じて、連携されるカードゲームも変更してもよい。例えば、麻雀ゲームにおいては、対戦相手として登場するキャラクタを対戦させたり、強化したりするカードゲームとしてもよい。第2のゲームとしてカードゲームとして説明したがこれに限られない。例えば、RPGゲーム、パズルゲーム、アクションゲーム等適宜のジャンルとしてよい。ゲーム機3でプレイすることにより獲得できる獲得ポイントでプレイ可能な範囲と、電子通貨との交換により付与されるスペシャルポイントでプレイ可能な範囲とが異なるように設定可能なゲームであれば適宜のジャンルとしてよい。
【0046】
また、スペシャルポイントの利用によりプレイ可能な範囲と、獲得ポイントの利用によりプレイ可能な範囲とが重ならない例で説明したが、これに限られない。例えば、獲得ポイントを利用することでスペシャルゲームを利用できるようにしてもよい。この場合に、獲得ポイント又はスペシャルポイントでプレイできるスペシャルゲームと、スペシャルポイントでしかプレイできないスペシャルゲームとを設けてもよい。また、反対に、スペシャルポイントで、獲得ポイントでプレイできる各モードのゲームをプレイ可能としてもよい。その場合に、例えばレースモードは獲得ポイントでしかプレイできないといったように、一部のゲームを獲得ポイントでしかプレイできないようにしてもよい。各ポイントでプレイ可能な範囲は適宜変更してよい。期間を限定して、これらの範囲を変更するようにしてもよい。
【0047】
上述した形態では、競馬ゲームとカードゲームとを独立したゲームとして説明したが、これに限られない。例えば、カードゲームのデジタルカードDCに記述された競走馬を競馬ゲームのレースに出走できるようにしてもよい。あるいは、競馬ゲームの育成馬をデジタルカードDCとして登録できるようにしてもよい。各ゲームの関連性が強まるので、両ゲームをプレイする動機付けをユーザに付与することができる。