特許第5797191号(P5797191)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5797191
(24)【登録日】2015年8月28日
(45)【発行日】2015年10月21日
(54)【発明の名称】免疫調節ペプチドおよびその使用
(51)【国際特許分類】
   C07K 7/06 20060101AFI20151001BHJP
   C07K 7/08 20060101ALI20151001BHJP
   A61K 38/00 20060101ALI20151001BHJP
   A61K 9/06 20060101ALI20151001BHJP
   A61K 9/08 20060101ALI20151001BHJP
   A61K 9/12 20060101ALI20151001BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20151001BHJP
   A61P 29/00 20060101ALI20151001BHJP
   A61P 27/16 20060101ALI20151001BHJP
   A61P 37/02 20060101ALI20151001BHJP
【FI】
   C07K7/06ZNA
   C07K7/08
   A61K37/02
   A61K9/06
   A61K9/08
   A61K9/12
   A61P43/00 105
   A61P29/00
   A61P27/16
   A61P37/02
【請求項の数】24
【全頁数】70
(21)【出願番号】特願2012-514183(P2012-514183)
(86)(22)【出願日】2010年6月4日
(65)【公表番号】特表2012-528891(P2012-528891A)
(43)【公表日】2012年11月15日
(86)【国際出願番号】US2010037443
(87)【国際公開番号】WO2010141845
(87)【国際公開日】20101209
【審査請求日】2013年5月29日
(31)【優先権主張番号】61/220,738
(32)【優先日】2009年6月26日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/184,438
(32)【優先日】2009年6月5日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/256,364
(32)【優先日】2009年10月30日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/220,745
(32)【優先日】2009年6月26日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/184,455
(32)【優先日】2009年6月5日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】511292448
【氏名又は名称】13セラピューティクス, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100062409
【弁理士】
【氏名又は名称】安村 高明
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(72)【発明者】
【氏名】マッコイ, シャロン エル.
(72)【発明者】
【氏名】ヘフェナイダー, スティーブン エイチ.
【審査官】 木原 啓一郎
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2006/0009391(US,A1)
【文献】 J Immunol.,2005年 3月 1日,Vol.174, No.5,p.3006-3014
【文献】 J Virol.,2006年 7月,Vol.80, No.13,p.6318-6323
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07K
C12N 15/00
A61K 38/00
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
C末端に伝達配列を有する配列番号319、C末端に伝達配列を有する配列番号327、C末端に伝達配列を有する配列番号337、C末端に伝達配列を有する配列番号352、C末端に伝達配列を有する配列番号353、C末端に伝達配列を有する配列番号367、またはC末端に伝達配列を有する配列番号368である、ペプチド。
【請求項2】
前記伝達配列が、ポリアルギニン配列である、請求項1に記載のペプチド。
【請求項3】
前記伝達配列が、連続した9個のアルギニン残基を含む、請求項1および2のいずれか一項に記載のペプチド。
【請求項4】
前記ペプチドの少なくとも1つのアミノ酸残基が、D−アミノ酸残基である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のペプチド。
【請求項5】
配列番号133である、請求項1に記載のペプチド。
【請求項6】
配列番号141である、請求項1に記載のペプチド。
【請求項7】
配列番号151である、請求項1に記載のペプチド。
【請求項8】
配列番号166である、請求項1に記載のペプチド。
【請求項9】
配列番号167である、請求項1に記載のペプチド。
【請求項10】
配列番号181である、請求項1に記載のペプチド。
【請求項11】
配列番号182である、請求項1に記載のペプチド。
【請求項12】
配列番号319、配列番号327、配列番号337、配列番号352、配列番号353、配列番号367、または配列番号368である、ペプチド。
【請求項13】
請求項1〜1のいずれか1項に記載のペプチド、および薬学的に受容可能な賦形剤を含む、単位剤形の薬学的組成物。
【請求項14】
前記薬学的組成物が、軟膏、クリーム、液体、ゲル、膏薬、滴剤、エアロゾル、蒸気、スプレーまたは噴霧の形態である、請求項1に記載の薬学的組成物。
【請求項15】
動物における炎症を処置するための組成物であって、請求項1〜1のいずれか1項に記載のペプチドを含む、組成物。
【請求項16】
前記炎症が、耳の炎症である、請求項1に記載の組成物。
【請求項17】
前記炎症が、中耳炎である、請求項1に記載の組成物。
【請求項18】
前記動物が、ヒトである、請求項15〜1のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項19】
前記動物が聴力損失を有し、前記組成物の投与の際に、該聴力が普通のレベルと変わらないレベルまで改善する、請求項1〜1のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項20】
細胞活性を制御するための組成物であって、請求項1〜1のいずれか1項に記載のペプチドを含む、組成物。
【請求項21】
前記細胞活性が、toll様レセプターによって媒介される、請求項2に記載の組成物。
【請求項22】
前記toll様レセプターによって媒介される前記細胞活性が、TNF−αの分泌である、請求項2に記載の組成物。
【請求項23】
局所適用のために製剤化されるものである、請求項1〜2のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項24】
前記局所適用が、皮膚、毛、外耳、鼓膜、頬腔、鼻腔または舌下腔への適用を含む、請求項2に記載の組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
本願は、2009年6月5日に出願された米国仮特許出願第61/184,438号、2009年6月5日に出願された米国仮特許出願第61/184,455号、2009年6月26日に出願された米国仮特許出願第61/220,738号、2009年6月26日に出願された米国仮特許出願第61/220,745号、および2009年10月30日に出願された米国仮特許出願第61/256,364号への優先権を主張し、これらの米国仮特許出願の各々は、それらの全体が本明細書中に参考として援用される。
【0002】
政府支援の研究に関する陳述
本発明に至る研究は、SBIR AI065000、「Bacterial−Induced Sepsis:A New Treatment Strategy」、および、SBIR DC005882、「New Treatment for Inflammation in Middle Ear Infections」に支援された。合衆国政府は、本発明に一定の権利を有し得る。
【背景技術】
【0003】
発明の背景
Toll様レセプター(TLR)は、病原体関連分子パターン(PAMP)と呼ばれる保存されたモチーフを認識し、それに応答する。TLRは、細胞外のロイシンリッチリピートモチーフおよび細胞内のToll/IL−1レセプター(TIR)ドメインを特徴とする。PAMPがTLRの引き金を引くことにより、病原体を囲んで排除するように仕組まれた炎症性の免疫応答をもたらす一連の細胞内シグナル伝達事象が惹起される。ウイルスは、細胞内のTIRシグナル伝達を効果的に阻害して炎症性の免疫応答を低減し得る、A52R(ワクシニアウイルスによって産生されるタンパク質)などの免疫調節タンパク質をコードする。
【0004】
小児と成人の両方が、慢性中耳炎(COM)に罹患する。COMに見られる慢性炎症は、内耳に影響を及ぼすことがあり、感音難聴に至ることがある。COMは、深刻な医学的問題であり、現在、COMを処置するために利用可能なステロイド以外の治療薬はない。COMを有する多くの患者が、鼓膜チューブ(ear tubes)の外科的留置を必要としている。急性中耳炎(AOM)と同様に、COMを有する患者は、中耳内での激しい炎症反応の発生(残留体液の存在を含む)に起因して聴力が低下する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
発明の要旨
いくつかの実施形態において、本発明は:
a)配列番号187〜368のうちのいずれか1つの配列;または
b)少なくとも1つのD−アミノ酸残基を含むP13の誘導体
を含むペプチドを含む薬学的組成物を企図する。
【0006】
いくつかの実施形態において、本発明は、配列番号1〜186のうちのいずれか1つの配列を含むペプチドを含む薬学的組成物を企図する。
【0007】
いくつかの実施形態において、本発明は、配列番号1〜368のうちのいずれか1つの配列を含むペプチドを企図する。
【0008】
いくつかの実施形態において、本発明は、配列番号1〜369のうちのいずれか1つの配列を含むペプチドの誘導体を企図し、ここで、その誘導体は、少なくとも1つのD−アミノ酸残基を含む。
【0009】
いくつかの実施形態において、本発明は、細胞活性を制御する方法を企図し、その方法は、この制御を必要とするかまたは欲している生物に:
a)配列番号187〜368のうちのいずれか1つの配列;または
b)少なくとも1つのD−アミノ酸残基を含むP13の誘導体
を含むペプチドを含む有効量の薬学的組成物を投与する工程を包含し、
ここで、そのペプチドは、必要に応じて、C末端に伝達配列(transducing sequence)をさらに含む。
【0010】
いくつかの実施形態において、本発明は、動物における炎症を処置する方法を企図し、その方法は、処置を必要とするかまたは欲している動物に:
a)配列番号187〜368のうちのいずれか1つの配列;または
b)少なくとも1つのD−アミノ酸残基を含むP13の誘導体
を含むペプチドを含む薬学的組成物を投与する工程を包含し、
ここで、そのペプチドは、必要に応じて、C末端に伝達配列をさらに含む。
【0011】
いくつかの実施形態において、本発明は、副鼻腔炎を処置する方法を企図し、その方法は、処置を必要とするかまたは欲している生物にエアロゾル組成物を投与する工程を包含し、そのエアロゾル組成物は:
a)配列番号187〜369のうちのいずれか1つの配列;または
b)少なくとも1つのD−アミノ酸残基を含むP13の誘導体
を含む治療有効量のペプチドを含み、
ここで、そのペプチドは、必要に応じて、C末端に伝達配列をさらに含む。
【0012】
いくつかの実施形態において、本発明は、動物の聴力を改善する方法を企図し、その方法は、中耳および/または内耳の炎症を有し、かつ聴力が低下した動物に:
a)配列番号187〜369のうちのいずれか1つの配列;または
b)少なくとも1つのD−アミノ酸残基を含むP13の誘導体
を含む治療有効量のペプチドを投与する工程を包含し、
ここで、そのペプチドは、必要に応じて、C末端に伝達配列をさらに含み、そのペプチドは、局所的に投与され、聴力は、普通レベルと変わらないレベルまで改善し、そして/または聴力は、そのペプチドの投与なしに聴力が改善するよりも速く改善する。
【0013】
いくつかの実施形態において、本発明は、中耳および/または内耳の炎症を処置する方法を企図し、その方法は、処置を必要とするかまたは欲している動物の鼓膜に:
a)配列番号187〜369のうちのいずれか1つの配列;または
b)少なくとも1つのD−アミノ酸残基を含むP13の誘導体
を含む治療有効量のペプチドを投与する工程を包含し、
ここで、そのペプチドは、必要に応じて、C末端に伝達配列をさらに含む。
【0014】
いくつかの実施形態において、本発明は、細胞活性を制御するための医薬の製造におけるペプチドの使用を企図し、そのペプチドは:
a)配列番号187〜368のうちのいずれか1つの配列;または
b)少なくとも1つのD−アミノ酸残基を含むP13の誘導体
を含み、ここで、そのペプチドは、必要に応じて、C末端に伝達配列をさらに含む。
【0015】
いくつかの実施形態において、本発明は、動物における炎症を処置するための医薬の製造におけるペプチドの使用を企図し、そのペプチドは:
a)配列番号187〜368のうちのいずれか1つの配列;または
b)少なくとも1つのD−アミノ酸残基を含むP13の誘導体
を含み、ここで、そのペプチドは、必要に応じて、C末端に伝達配列をさらに含む。
【0016】
いくつかの実施形態において、本発明は、副鼻腔炎を処置するための医薬の製造におけるペプチドの使用を企図し、その医薬は、エアロゾル組成物を含み、そのペプチドは:
a)配列番号187〜369のうちのいずれか1つの配列;または
b)少なくとも1つのD−アミノ酸残基を含むP13の誘導体
を含み、ここで、そのペプチドは、必要に応じて、C末端に伝達配列をさらに含む。
【0017】
いくつかの実施形態において、本発明は、動物の聴力を改善するための医薬の製造におけるペプチドの使用を企図し、ここで、その動物は、中耳および/または内耳の炎症を有し、かつ聴力が低下しており、そのペプチドは:
a)配列番号187〜369のうちのいずれか1つの配列;または
b)少なくとも1つのD−アミノ酸残基を含むP13の誘導体
を含み、ここで、そのペプチドは、必要に応じて、C末端に伝達配列をさらに含み、その医薬は、局所用の医薬である。
【0018】
いくつかの実施形態において、本発明は、中耳および/または内耳の炎症を処置するための医薬の製造におけるペプチドの使用を企図し、ここで、その医薬は、処置を必要とするかまたは欲している動物の鼓膜への投与に適しており、そのペプチドは:
a)配列番号187〜369のうちのいずれか1つの配列;または
b)少なくとも1つのD−アミノ酸残基を含むP13の誘導体
を含み、ここで、そのペプチドは、必要に応じて、C末端に伝達配列をさらに含む。
本発明は、例えば以下の項目を提供する。
(項目1)
a)配列番号187〜368のうちのいずれか1つの配列;または
b)少なくとも1つのD−アミノ酸残基を含むP13の誘導体
を含むペプチドを含む、薬学的組成物。
(項目2)
前記ペプチドが、C末端に伝達配列をさらに含む、項目1に記載の薬学的組成物。
(項目3)
前記伝達配列が、ポリアルギニン配列である、項目2に記載の薬学的組成物。
(項目4)
前記伝達配列が、連続した9個のアルギニン残基を含む、項目2または3に記載の薬学的組成物。
(項目5)
前記伝達配列が、連続した9個のアルギニン残基からなる、項目2または3に記載の薬学的組成物。
(項目6)
前記ペプチドが、少なくとも1つのD−アミノ酸残基を含む、P13の誘導体を含む、項目2〜5のいずれか1項に記載の薬学的組成物。
(項目7)
前記ペプチドのアミノ酸残基のすべてが、D−アミノ酸残基である、項目1〜6のいずれか1項に記載の薬学的組成物。
(項目8)
前記伝達配列の一部でないアミノ酸残基のすべてが、D−アミノ酸残基である、項目2〜6のいずれか1項に記載の薬学的組成物。
(項目9)
前記伝達配列の少なくとも1つのアミノ酸残基が、D−アミノ酸残基である、項目2〜6のいずれか1項に記載の薬学的組成物。
(項目10)
前記伝達配列のアミノ酸残基のすべてが、D−アミノ酸残基である、項目2〜6のいずれか1項に記載の薬学的組成物。
(項目11)
前記ペプチドが、配列番号42〜44、68〜77、79〜81、83、102〜106、133、141、151、166、167、181および182のうちのいずれか1つである、項目2〜5のいずれか1項に記載の薬学的組成物。
(項目12)
前記ペプチドが、配列番号228〜230、254〜263、265〜267、269、288〜292、319、327、337、352、353、367および368のうちのいずれか1つである、項目1に記載の薬学的組成物。
(項目13)
薬学的に許容され得る賦形剤をさらに含む、項目1〜12のいずれか1項に記載の薬学的組成物。
(項目14)
前記薬学的組成物が、滴剤の形態である、項目1〜13のいずれか1項に記載の薬学的組成物。
(項目15)
前記薬学的組成物が、エアロゾル、蒸気、スプレーまたは噴霧の形態である、項目1〜14のいずれか1項に記載の薬学的組成物。
(項目16)
配列番号1〜186のうちのいずれか1つの配列を含むペプチドを含む、薬学的組成物。
(項目17)
配列番号1〜368のうちのいずれか1つの配列を含む、ペプチド。
(項目18)
配列番号42〜44、68〜77、79〜81、83、102〜106、133、141、151、166、167、181、182、228〜230、254〜263、265〜267、269、288〜292、319、327、337、352、353、367および368のうちのいずれか1つの配列を含む、項目17に記載のペプチド。
(項目19)
配列番号1〜369のうちのいずれか1つの配列を含むペプチドの誘導体であって、ここで、該誘導体は、少なくとも1つのD−アミノ酸残基を含む、誘導体。
(項目20)
細胞活性を制御する方法であって、該方法は、該制御を必要とするかまたは欲している生物に:
a)配列番号187〜368のうちのいずれか1つの配列;または
b)少なくとも1つのD−アミノ酸残基を含むP13の誘導体
を含むペプチドを含む有効量の薬学的組成物を投与する工程を包含し、
ここで、該ペプチドは、必要に応じて、C末端に伝達配列をさらに含む、方法。
(項目21)
前記細胞活性が、toll様レセプターによって媒介される、項目20に記載の方法。
(項目22)
toll様レセプターによって媒介される前記細胞活性が、TNF−αの分泌である、項目21に記載の方法。
(項目23)
LPSおよび/またはCpG−ODNによる刺激後のTNF−α分泌の10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%または90%の阻害をもたらす、項目20〜22のいずれか1項に記載の方法。
(項目24)
前記投与工程が、サイトカイン分泌の阻害をもたらす、項目20〜23のいずれか1項に記載の方法。
(項目25)
動物における炎症を処置する方法であって、該方法は、該処置を必要とするかまたは欲している動物に:
a)配列番号187〜368のうちのいずれか1つの配列;または
b)少なくとも1つのD−アミノ酸残基を含むP13の誘導体
を含むペプチドを含む薬学的組成物を投与する工程を包含し、
ここで、該ペプチドは、必要に応じて、C末端に伝達配列をさらに含む、方法。
(項目26)
前記炎症が、ウイルス、細菌、真菌、抗原、自己抗原またはそれらの組み合わせによって引き起こされる、項目25に記載の方法。
(項目27)
前記炎症が、耳の炎症である、項目25または26に記載の方法。
(項目28)
前記炎症が、中耳炎である、項目25〜27のいずれか1項に記載の方法。
(項目29)
前記投与が、中耳炎の症状を低減させるかまたは除去する、項目25〜28のいずれか1項に記載の方法。
(項目30)
前記症状が、疼痛、耳漏、発熱、被刺激性、食欲不振、嘔吐または下痢である、項目29に記載の方法。
(項目31)
前記症状が、疼痛である、項目29または30に記載の方法。
(項目32)
前記炎症が、皮膚、関節、筋組織、脳または結合組織の炎症である、項目25または26に記載の方法。
(項目33)
前記炎症が、関節炎、皮膚炎、エリテマトーデス、髄膜炎または乾癬である、項目25、26および32のいずれか1項に記載の方法。
(項目34)
前記関節炎が、変形性関節症、関節リウマチ、化膿性関節炎、痛風、偽痛風、若年性特発性関節炎、スティル病または強直性脊椎炎である、項目33に記載の方法。
(項目35)
前記皮膚炎が、海綿状皮膚炎、小児湿疹、アレルギー性接触皮膚炎、脂漏性皮膚炎、汗疱状皮膚炎、じんま疹、小水疱性皮膚炎もしくは水疱性皮膚炎または丘疹状じんま疹である、項目33に記載の方法。
(項目36)
前記乾癬が、プラーク乾癬、屈側性乾癬、滴状乾癬、膿疱性乾癬、爪乾癬、乾癬性関節炎または乾癬性紅皮症である、項目33に記載の方法。
(項目37)
前記薬学的組成物が、局所適用によって投与される、項目25〜36のいずれか1項に記載の方法。
(項目38)
前記局所適用が、皮膚、毛、外耳、鼓膜、頬側前庭、鼻腔または舌下腔への適用を含む、項目37に記載の方法。
(項目39)
前記局所適用が、鼓膜への適用を含む、項目37または38に記載の方法。
(項目40)
前記鼓膜への適用が、鼓膜への滴剤の適用を含む、項目38または39に記載の方法。
(項目41)
前記動物が、ヒトである、項目25〜40のいずれか1項に記載の方法。
(項目42)
副鼻腔炎を処置する方法であって、該方法は、該処置を必要とするかまたは欲している生物にエアロゾル組成物を投与する工程を包含し、該エアロゾル組成物は:
a)配列番号187〜369のうちのいずれか1つの配列;または
b)少なくとも1つのD−アミノ酸残基を含むP13の誘導体
を含む治療有効量のペプチドを含み、
ここで、該ペプチドは、必要に応じて、C末端に伝達配列をさらに含む、方法。
(項目43)
動物における聴力を改善する方法であって、該方法は、中耳および/または内耳の炎症を有し、かつ聴力が低下した動物に:
a)配列番号187〜369のうちのいずれか1つの配列;または
b)少なくとも1つのD−アミノ酸残基を含むP13の誘導体
を含む治療有効量のペプチドを投与する工程を包含し、
ここで、該ペプチドは、必要に応じて、C末端に伝達配列をさらに含み、ここで、該ペプチドは、局所的に投与され、該聴力は、普通レベルと変わらないレベルまで改善し、そして/または該聴力は、該ペプチドの投与なしに該聴力が改善するよりも速く改善する、方法。
(項目44)
中耳および/または内耳の炎症を処置する方法であって、該方法は、該処置を必要とするかまたは欲している動物の鼓膜に:
a)配列番号187〜369のうちのいずれか1つの配列;または
b)少なくとも1つのD−アミノ酸残基を含むP13の誘導体を含む治療有効量のペプチドを投与する工程を包含し、
ここで、該ペプチドは、必要に応じて、C末端に伝達配列をさらに含む、方法。
(項目45)
細胞活性を制御するための医薬の製造におけるペプチドの使用であって、該ペプチドは:a)配列番号187〜368のうちのいずれか1つの配列;または
b)少なくとも1つのD−アミノ酸残基を含むP13の誘導体
を含み、ここで、該ペプチドは、必要に応じて、C末端に伝達配列をさらに含む、使用。
(項目46)
前記細胞活性が、toll様レセプターによって媒介される、項目45に記載の使用。
(項目47)
toll様レセプターによって媒介される前記細胞活性が、TNF−αの分泌である、項目46に記載の使用。
(項目48)
前記医薬が、LPSおよび/またはCpG−ODNによる刺激後のTNF−α分泌の10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%または90%の阻害をもたらす、項目45〜47のいずれか1項に記載の使用。
(項目49)
前記医薬が、サイトカイン分泌の阻害に適している、項目45〜48のいずれか1項に記載の使用。
(項目50)
動物における炎症を処置するための医薬の製造におけるペプチドの使用であって、該ペプチドは:
a)配列番号187〜368のうちのいずれか1つの配列;または
b)少なくとも1つのD−アミノ酸残基を含むP13の誘導体
を含み、ここで、該ペプチドは、必要に応じて、C末端に伝達配列をさらに含む、使用。
(項目51)
前記炎症が、ウイルス、細菌、真菌、抗原、自己抗原またはそれらの組み合わせによって引き起こされる、項目50に記載の使用。
(項目52)
前記炎症が、耳の炎症である、項目50または51に記載の使用。
(項目53)
前記炎症が、中耳炎である、項目50〜52のいずれか1項に記載の使用。
(項目54)
前記医薬が、中耳炎の症状を低減させるかまたは除去する、項目50〜53のいずれか1項に記載の使用。
(項目55)
前記症状が、疼痛、耳漏、発熱、被刺激性、食欲不振、嘔吐または下痢である、項目54に記載の使用。
(項目56)
前記症状が、疼痛である、項目54または55に記載の使用。
(項目57)
前記炎症が、皮膚、関節、筋組織、脳または結合組織の炎症である、項目50または51に記載の使用。
(項目58)
前記炎症が、関節炎、皮膚炎、エリテマトーデス、髄膜炎または乾癬である、項目50、51および57のいずれか1項に記載の使用。
(項目59)
前記関節炎が、変形性関節症、関節リウマチ、化膿性関節炎、痛風、偽痛風、若年性特発性関節炎、スティル病または強直性脊椎炎である、項目58に記載の使用。
(項目60)
前記皮膚炎が、海綿状皮膚炎、小児湿疹、アレルギー性接触皮膚炎、脂漏性皮膚炎、汗疱状皮膚炎、じんま疹、小水疱性皮膚炎もしくは水疱性皮膚炎または丘疹状じんま疹である、項目58に記載の使用。
(項目61)
前記乾癬が、プラーク乾癬、屈側性乾癬、滴状乾癬、膿疱性乾癬、爪乾癬、乾癬性関節炎または乾癬性紅皮症である、項目58に記載の使用。
(項目62)
前記医薬が、局所適用に適している、項目50〜61のいずれか1項に記載の使用。
(項目63)
前記局所適用が、皮膚、毛、外耳、鼓膜、頬腔、鼻腔または舌下腔への適用を含む、項目62に記載の使用。
(項目64)
前記局所適用が、鼓膜への適用を含む、項目62または63に記載の使用。
(項目65)
前記鼓膜への適用が、鼓膜への滴剤の適用を含む、項目63または64に記載の使用。
(項目66)
前記動物が、ヒトである、項目50〜65のいずれか1項に記載の使用。
(項目67)
副鼻腔炎を処置するための医薬の製造におけるペプチドの使用であって、該医薬は、エアロゾル組成物を含み、該ペプチドは:
a)配列番号187〜369のうちのいずれか1つの配列;または
b)少なくとも1つのD−アミノ酸残基を含むP13の誘導体
を含み、ここで、該ペプチドは、必要に応じて、C末端に伝達配列をさらに含む、使用。
(項目68)
動物において聴力を改善するための医薬の製造におけるペプチドの使用であって、ここで、該動物は、中耳および/または内耳の炎症を有し、かつ聴力が低下しており、該ペプチドは:
a)配列番号187〜369のうちのいずれか1つの配列;または
b)少なくとも1つのD−アミノ酸残基を含むP13の誘導体
を含み、ここで、該ペプチドは、必要に応じて、C末端に伝達配列をさらに含み、該医薬は、局所用の医薬である、使用。
(項目69)
中耳および/または内耳の炎症を処置するための医薬の製造におけるペプチドの使用であって、ここで、該医薬は、該処置を必要とするかまたは欲している動物の鼓膜への投与に適しており、該ペプチドは:
a)配列番号187〜369のうちのいずれか1つの配列;または
b)少なくとも1つのD−アミノ酸残基を含むP13の誘導体
を含み、ここで、該ペプチドは、必要に応じて、C末端に伝達配列をさらに含む、使用。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1図1:FITC標識されたP13による鼓膜の横断についてのアッセイ結果を表している。図1A。明視野顕微鏡検査法により、中耳液中の細胞が示されている。図1B。蛍光顕微鏡検査法により、中耳液中の細胞と会合したFITC標識P13が示されている。
図2図2:P13は、中耳の炎症を減少させる。BALB/cマウス(PBS群においてn=6およびP13群においてn=7)に、加熱殺菌されたS.pneumoniaを注射し、24時間後に、P13(1μg)の局所(点耳)投与によって処置し、細菌導入の72時間後に組織学検査した。パネルA:中耳内の細胞数;パネルB:中耳内の体液の面積。注意:P13処置群における細胞数が多い動物と体液の面積が広い動物は、同じ動物である。
図3図3:P13の局所投与は、聴力閾値を有意に改善する。BALB/cマウスに、加熱殺菌されたS.pneumoniaを投与し、24時間後にマウスをP13(1μg)またはPBSで局所(点耳)処置した。パネルA:細菌投与の5および13日後にABRによって4、8、16および32kHzにおける聴力閾値を定量化した。処置後のABRからバックグラウンドABRを減算し、周波数を合計することによって、聴力損失を計算した。パネルB:すべての周波数において>20DBの聴力を失った動物の数。動物の数は、括弧内の数字である。
図4図4:ペプチドT52、S5およびP13によるTNF−α分泌の阻害率。RAW264.7細胞を48ウェルプレートに3×10細胞/ウェルでプレーティングした。24時間後、その細胞を室温にて3つ組で様々な濃度のペプチドとともに15分間インキュベートし、次いで、1μg/ml CpG−ODNで刺激した。次いで、細胞を37℃で4時間インキュベートし、上清を回収し、TNF−αをELISAによって測定した。ペプチドとともにインキュベートされた細胞からのTNF−α分泌をペプチド処理していないコントロール細胞からのTNF−α分泌と比較することによって阻害率を計算した。
【発明を実施するための形態】
【0020】
参考としての援用
この明細書中で述べられるすべての刊行物、特許および特許出願は、個別の刊行物、特許または特許出願が、参考として援用されると明確かつ個別に示された場合と同程度に、本明細書中で参考として援用される。
【0021】
発明の詳細な説明
自然炎症および病原体によって誘導される炎症の処置および管理は、深刻な臨床的難題である。TLR/TIRシグナル伝達カスケードを標的にすることは、炎症を管理するアプローチの1つである;ゆえに、A52Rタンパク質またはA52R様タンパク質に由来するペプチドを同定することによって、治療に役立つ応用法が見出される。本明細書中に開示される本発明のペプチドおよび薬学的組成物ならびにその使用およびそれを使用する方法は、炎症の管理に関する問題および炎症に関連する細胞経路の制御に関する問題に対して解決策を与える。
【0022】
本開示全体を通じて、本発明のペプチドのアミノ酸残基は、当該分野で公知の標準的な省略形:a)一文字省略形(例えば、アルギニンに対するR、アスパラギン酸に対するD、バリンに対するVなど);およびb)3文字省略形(例えば、アルギニンに対するArg、アスパラギン酸に対するAsp、バリンに対するValなど)の一方または両方によって言及される。本発明は、L型とD型の両方のアミノ酸残基を企図する。省略形が、D配置のアミノ酸残基についてのみ言及している場合、その省略形は、用語「D−」の後に続く(例えば、D−アルギニンに対するD−Arg、D−アスパラギン酸に対するD−Asp、D−バリンに対するD−Valなど)。
【0023】
Toll様レセプターシグナル伝達
Toll様レセプター(「TLR」)は、細菌、真菌、原生生物およびウイルス由来の構造を認識する保存された分子レセプターである。TLRの活性化は、一連の細胞内の事象を惹起し、炎症促進性サイトカインの産生を特徴とする自然免疫応答をもたらす(参考文献2〜9)。TLRシグナル伝達は、すべてのTLRの間で保存されている細胞質のToll/インターロイキン−1レセプター(TIR)ドメインから起こる。いかなる理論にも限定されないが、ある特定の実施形態において、アダプター分子MyD88(TIRドメインとデスドメインの両方を備える)は、TLRおよびIRAKタンパク質のTIRドメインと会合し得る。次いで、IRAKのリン酸化(Phosporylation)によって、TRAF6と会合し得、その後、NF−κBの活性化および炎症促進性サイトカインの分泌がもたらされ得る(参考文献14、22〜25)。
【0024】
ペプチド
ポックスウイルスファミリーのメンバーであるワクシニアウイルスは、免疫調節性タンパク質をコードすると証明されているDNAウイルスである(参考文献15〜18)。これらのタンパク質の1つであるA52Rは、TIRシグナル伝達カスケードの開始後のNF−κBの活性化を阻害すると示されている(参考文献15および18)。最近の研究から、A52Rは、TRシグナル伝達を阻害し、ワクシニアウイルスのビルレンスに寄与すると証明された。ある特定の実施形態において、種々のPAMPに応答した細胞の活性化には、すべてのTLRに共通のいくつかの細胞内分子(MyD88、IL−1レセプター関連キナーゼ(IRAK)タンパク質のメンバー、TNFレセプター関連因子(TRAF6)およびNF−κBが挙げられるがこれらに限定されない)が関わる(参考文献1)。
【0025】
Harteおよびその共同研究者ら(参考文献18)は、A52Rタンパク質がIRAK2とTRAF6の両方に結合することによってTIRシグナル伝達を阻害することを証明した。ワクシニアウイルス由来のA52Rタンパク質の欠失によって、ウイルスのビルレンスが低下する。
【0026】
ペプチド13(「P13」)配列(DIVKLTVYDCI(配列番号369))は、ワクシニアウイルス由来のA52R配列から得られた。Blast検索解析から、ペプチドP13が、A52R以外のワクシニアウイルス由来のより大きいタンパク質、牛痘ウイルス由来の2つのタンパク質およびウサギポックスウイルス由来の1つのタンパク質に見られる配列と100%の相同性を有することが示された。ペプチド13は、異なる系統の天然痘(痘瘡)ウイルス由来の3つの別個のタンパク質:i)大痘瘡ウイルス(variola major virus)India系統由来のA46L;ii)小痘瘡ウイルス(variola minor virus)Garcia由来のA49L;およびiii)大痘瘡ウイルス系統由来のA44Lと著しい相同性を有すると示された。
【0027】
P13は、toll様レセプター依存性シグナル伝達を阻害する(全体が本明細書中で参考として援用されるUS7,192,930およびUS2008/0039395)。いくつかの実施形態において、活性増強のために置換され得るP13配列内のアミノ酸残基を同定するために構造活性試験が行われ得る。
【0028】
いくつかの実施形態において、本発明は、A52Rに由来するペプチドを含む薬学的組成物を提供する。いくつかの実施形態において、その薬学的組成物は、耳用の薬学的組成物である。
【0029】
いくつかの実施形態において、ペプチドは、P13である。いくつかの実施形態において、ペプチドは、P13に由来する。いくつかの実施形態において、ペプチドは、P13の変異体、誘導体、立体異性体またはアナログである。いくつかの実施形態において、ペプチドは、アミノ酸配列LEEYFMY(配列番号370)を含む。いくつかの実施形態において、ペプチドは、アミノ酸配列FTILEEYFMY(配列番号371)を含む。いくつかの実施形態において、ペプチドは、アミノ酸配列DIVKLTVYDCI(配列番号369)を含む。いくつかの実施形態において、ペプチドは、アミノ酸配列VYDCI(配列番号372)を含む。いくつかの実施形態において、ペプチドは、アミノ酸配列VYACI(配列番号373)を含む。いくつかの実施形態において、ペプチドは、アミノ酸配列KLTVY(配列番号374)を含む。いくつかの実施形態において、ペプチドは、アミノ酸配列KLYVY(配列番号375)を含む。いくつかの実施形態において、ペプチドは、アミノ酸配列KVYVY(配列番号376)を含む。いくつかの実施形態において、ペプチドは、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49または50残基を含む。いくつかの実施形態において、ペプチドは、7〜50残基を含む。
【0030】
いくつかの実施形態において、ペプチドは、伝達配列を含む。その伝達配列は、細胞の取り込みに関与し得る。伝達配列が存在することにより、細胞の取り込みが高まり得るか、または選択的な細胞の取り込みがもたらされ得る。いくつかの実施形態において、伝達配列は、ペプチドのN末端に存在する。いくつかの実施形態において、伝達配列は、ペプチドのC末端に存在する。
【0031】
伝達配列の非限定的な例は、ポリアルギニン配列である。いくつかの実施形態において、そのポリアルギニン配列は、アルギニン残基を含む。いくつかの実施形態において、そのポリアルギニン配列は、アルギニン残基からなる。特定の実施形態において、伝達配列は、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15または20個のアルギニン残基を含む。いくつかの実施形態において、伝達配列は、9個のアルギニン残基を含む。いくつかの実施形態において、伝達配列は、9個のアルギニン残基からなる。上記伝達配列のアルギニン残基は、L−アルギニン、D−アルギニン、またはL−アルギニンとD−アルギニンとの混合物であり得る。
【0032】
表1は、本発明のペプチドの非限定的な例を提供している。例示的なペプチド1〜130は、A52Rに由来するペプチドである。ペプチド1〜130のうち、あるサブセットが、さらにS1〜S22と命名される。他の例としては、P13に由来するペプチド(「Tペプチド」)が挙げられる。いくつかの実施形態において、本発明は、表1に列挙されている任意のアミノ酸配列を含むペプチドを含む薬学的組成物を提供する。いくつかの実施形態において、本発明は、表1に列挙されている任意のペプチドを含む薬学的組成物を提供する。いくつかの実施形態において、本発明は、S1〜S22のいずれかのアミノ酸配列を含むペプチドを含む薬学的組成物を提供する。いくつかの実施形態において、本発明は、S1〜S22のいずれかのペプチドを含む薬学的組成物を提供する。いくつかの実施形態において、本発明は、T1〜T56のいずれかのアミノ酸配列を含むペプチドを含む薬学的組成物を提供する。いくつかの実施形態において、本発明は、T1〜T56のいずれかのペプチドを含む薬学的組成物を提供する。いくつかの実施形態において、ペプチドは、伝達配列を有する。いくつかの実施形態において、その伝達配列は、ポリアルギニンである。いくつかの実施形態において、ペプチドは、配列番号42〜44、68〜77、79〜81、83、102〜106、133、141、151、166、167、181、182、228〜230、254〜263、265〜267、269、288〜292、319、327、337、352、353、367および368のうちのいずれか1つの配列を含む。いくつかの実施形態において、ペプチドは、T3、T11、T21、T36、T37、T51またはT52の配列を含む。いくつかの実施形態において、ペプチドは、T3−R、T11−R、T21−R、T36−R、T37−R、T51−RまたはT52−Rの配列を含む。
【0033】
【表1-1】
【0034】
【表1-2】
【0035】
【表1-3】
【0036】
【表1-4】
【0037】
【表1-5】
【0038】
【表1-6】
【0039】
【表1-7】
【0040】
【表1-8】
【0041】
【表1-9】
【0042】
【表1-10】
【0043】
【表1-11】
表1の説明:
ペプチドT31およびT31−RにおけるXaaは、α−アミノ酪酸であり;
ペプチドT32およびT32−RにおけるXaaは、L−ノルバリンであり;
ペプチドT30およびT30−RにおけるXaaは、L−システイン(S−Acm)であり;
ペプチドT28およびT28−RにおけるXaaは、L−システイン(S−カルボキシメチル)であり;そして
ペプチドT29およびT29−RにおけるXaaは、L−システイン(S−カルバミドメチル)である。
【0044】
本発明のペプチドおよびそれを含む組成物は、細胞活性を調節するのに有効である。いくつかの実施形態において、細胞活性の調節は、細胞のシグナル伝達を調節することによって達成される。活性は、例えば、toll様レセプターによって制御され得る。いくつかの実施形態において、本発明のペプチドおよび組成物は、サイトカイン分泌を阻害する。いくつかの実施形態において、本発明のペプチドおよび組成物は、サイトカイン分泌を増強する。いくつかの実施形態において、サイトカイン分泌は、toll様レセプター依存性の刺激に応答する。
【0045】
いくつかの実施形態において、A52RまたはP13に由来するペプチドの投与は、サイトカイン分泌を少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%または90%阻害し得る。いくつかの実施形態において、A52RまたはP13に由来するペプチドの投与は、サイトカイン分泌を10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%または90%増強し得る。いくつかの実施形態において、サイトカイン分泌は、TLR依存性のシグナル伝達の結果である。
【0046】
いくつかの実施形態において、toll様レセプターによって媒介される活性は、TNF−αの分泌である。本発明のペプチドおよび組成物は、LPSによる刺激後のTNF−α分泌の10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%または90%の阻害を提供するのに有効である。本発明のペプチドおよび組成物は、CpG−ODNによる刺激後のTNF−α分泌の10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%または90%の阻害を提供するのに有効である。本発明のペプチドおよび組成物は、LPSおよび/またはCpG−ODNによる刺激後のTNF−α分泌の10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%または90%の阻害を提供するのに有効である。本発明のペプチドおよび組成物は、LPSによる刺激後のTNF−α分泌の10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%または90%の増強を提供するのに有効である。本発明のペプチドおよび組成物は、CpG−ODNによる刺激後のTNF−α分泌の10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%または90%の増強を提供するのに有効である。本発明のペプチドおよび組成物は、LPSおよび/またはCpG−ODNによる刺激後のTNF−α分泌の10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%または90%の増強を提供するのに有効である。
【0047】
本発明のいくつかの実施形態は、9−アルギニン細胞導入配列または他のタイプの細胞導入配列に連結されたアミノ酸配列DIVKLTVYDCI(配列番号369)を含むペプチドを企図する。ペプチドDIVKLTVYDCIRRRRRRRRR(配列番号378)は、TLR活性化に応答したサイトカイン分泌を効果的に阻害する。そのペプチドは、TLR刺激とは無関係に惹起される細胞の活性化に起因するサイトカイン分泌に対しては影響を有しなかった。滲出を伴う中耳炎(OME)のマウスモデルを用いたとき、BALB/cマウスの中耳に、加熱不活性化された肺炎球菌を投与することによって、著しい炎症反応がもたされ、その炎症反応は、ペプチド処置によって劇的に減少した。実験は、そのペプチドがLPS誘導性の敗血症性ショックのマウスモデルにおいて炎症促進性メディエーターを減少させるだろうということも証明した。そのペプチドは、細菌感染またはウイルス感染によって惹起される慢性炎症の処置において有効である。
【0048】
いくつかの実施形態において、本発明は:
a)中耳液の量を約30〜80%減少させる;
b)中耳液中の浸潤細胞数を約30〜80%減少させる;および
c)耳の炎症を有するマウスの鼓膜の厚さを約30〜80%減少させる
のに有効な薬学的組成物を企図し、ここで、その組成物は、そのマウスに約0.1μg〜60μgの量で投与される。いくつかの実施形態において、薬学的組成物は、耳用の薬学的組成物である。いくつかの実施形態において、薬学的組成物は、耳内投与用に製剤化される。いくつかの実施形態において、薬学的組成物は、滴剤として製剤化される。いくつかの実施形態において、薬学的組成物は、点耳薬として製剤化される。
【0049】
いくつかの実施形態において、本発明の薬学的組成物は、ペプチドを含む。いくつかの実施形態において、そのペプチドは、P13、またはその変異体、誘導体、立体異性体もしくはアナログである。いくつかの実施形態において、ペプチドは、P13、P13およびポリアルギニン(poly−argenine)ドメインを含むペプチド、または表1のペプチドである。いくつかの実施形態において、ペプチドは、P13である。いくつかの実施形態において、ペプチドは、A52Rに由来する。いくつかの実施形態において、ペプチドは、S1〜S22のペプチドである。本発明はまた、耳の炎症の処置を必要とするかまたは欲している動物における耳の炎症を処置する方法も企図し、その方法は、その動物に本発明の薬学的組成物を投与する工程を包含する。
【0050】
P13のインビボにおける有効性は、中耳炎(OM)のマウスモデルを用いて証明された。OMは、体液の蓄積を伴う中耳の炎症性疾患である。OMは、白血球、マクロファージおよびマスト細胞の浸潤、ならびに炎症性メディエーターおよび酵素の放出を特徴とする(参考文献21)。これらのメディエーターは、血管透過性および分泌活性を高め、炎症性事象のカスケードを惹起し、体液の蓄積およびムチンの分泌をもたらす(参考文献26および27)。OMにおける炎症の惹起は、種々の因子によるものとされており、それらの因子としては、細菌またはウイルスの感染、エウスタキオ管の機能不全およびアレルギーが挙げられる。しかしながら、証拠から、大抵の場合、サイトカインの活性化をもたらす細菌が原因であることが指摘される。滲出液の最大40%から細菌が培養され、研究によって、培養物中に生存可能な生物が存在しないことが多い滲出液のおよそ80%において細菌DNAの存在がPCRによって示された(参考文献28)。中耳に侵入する最も一般的な細菌は、肺炎球菌、H.influenzae(インフルエンザ菌)およびM.catarralisである。これらの3つの細菌は、急性中耳感染の85%を占め(参考文献27)、肺炎球菌が、最も多い原因である。はじめに、生細菌が急性の炎症を引き起こす(その炎症は、病原体を排除するように仕組まれている)。急性感染において、自然免疫応答の干渉は、潜在的に宿主にとって害になり得、さらに細菌が広がり得る。細菌の感染によって惹起された急性炎症は、自己回復する(self−resolve)か、または抗生物質によって処置可能である。慢性炎症は、生存不能な細菌の生成物によることが多い、免疫系の継続的な活性化を伴う。OMはしばしば、長引くか、または抗生物質抵抗性であることから、生細菌の非存在下におけるTLR刺激が示唆される。
【0051】
本明細書中に開示される実験においてP13でマウスを処置することにより、中耳内の細菌によって誘導される炎症が著しく減少した。中耳における体液の蓄積、浸潤細胞および鼓膜の厚さはすべて、ペプチドでの処置によって劇的に減少した。多くの潜在的なTLRリガンドを有する加熱不活性化された細菌の投与によって、複数のTLRの活性化におそらく起因する炎症反応を中耳に誘導した。加熱不活性化された細菌を使用することにより、生細菌によって惹起される急性感染において起き得る炎症のペプチド阻害について、細菌の拡散を招く可能性なく調査することが可能になった。ペプチドP13がインビボにおいてこの応答を著しく阻害する能力は、個別にまたは組み合わせて使用される複数のTLRリガンドに応答したサイトカイン分泌の阻害を示すインビトロデータと一致する。これらの研究では、単一用量のペプチドが、正常なBALB/cマウスの中耳に、加熱不活性化された肺炎球菌と同時に投与された。そのインビトロデータは、TLR活性化を惹起した数時間後にペプチドP13が加えられたとしても、サイトカイン分泌が阻害されることも示した。
【0052】
本明細書中に開示される本発明は、P13および表1のペプチドに加えて、本発明のいずれかのペプチドの変異体、誘導体、立体異性体またはアナログとしてより広く特徴づけられるペプチドも企図する。これらの用語は、排他的ではなく、それらの用語の1つ以上によって記載されるペプチドのことを記載すると一斉に企図され得る。多くのそのようなペプチド(それらのすべてが本明細書中にはっきりと開示されるとは限らない)は、ペプチドとして、製剤または薬学的組成物の構成要素として、ならびに本発明の方法および使用のエレメントとして、企図される。
【0053】
いくつかの実施形態において、本発明のペプチドの変異体、誘導体、立体異性体またはアナログは、本発明のペプチドおよびポリアルギニン配列を含むペプチドを含む。いくつかの実施形態において、本発明のペプチドの変異体、誘導体、立体異性体またはアナログは、1つ以上のD−アミノ酸残基を含む。いくつかの実施形態において、本発明のペプチドの変異体、誘導体、立体異性体またはアナログのアミノ酸残基のうちの1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49または50個が、D−配置を有する。いくつかの実施形態において、本発明のペプチドの変異体、誘導体、立体異性体またはアナログのアミノ酸残基のすべてが、D−配置を有する。
【0054】
いくつかの実施形態において、本発明のペプチドの変異体、誘導体、立体異性体またはアナログは、本発明のペプチドと類似であるかまたは本発明のペプチドに由来するペプチドの領域に1つ以上のD−アミノ酸残基を含む。いくつかの実施形態において、P13と類似であるかまたはP13に由来するペプチドの領域は、2つ以上のD−アミノ酸残基を含む。
【0055】
いくつかの実施形態において、本発明のペプチドと類似であるかまたは本発明のペプチドに由来するペプチドの領域は、D−アミノ酸残基を含む。いくつかの実施形態において、ポリアルギニン配列は、D−アミノ酸残基を含む。いくつかの実施形態において、ポリアルギニン配列は、2つ以上のD−アミノ酸残基を含む。いくつかの実施形態において、本発明のペプチドと類似であるかもしくは本発明のペプチドに由来するペプチドの領域またはポリアルギニン配列は、D−アミノ酸残基を含む。いくつかの実施形態において、本発明のペプチドと類似であるかもしくは本発明のペプチドに由来するペプチドの領域またはポリアルギニン配列は、2つ以上のD−アミノ酸残基を含む。いくつかの実施形態において、本発明のペプチドと類似であるかまたは本発明のペプチドに由来するペプチドの領域とポリアルギニン配列の両方が、独立してD−アミノ酸残基を含む。いくつかの実施形態において、本発明のペプチドと類似であるかまたは本発明のペプチドに由来するペプチドの領域とポリアルギニン配列の両方が、独立して2つ以上のD−アミノ酸残基を含む。
【0056】
ポリアルギニン配列を含む本発明のペプチドの変異体、誘導体、立体異性体またはアナログを含むペプチドを含むいくつかの実施形態において、P13と類似であるかまたはP13に由来するペプチドの領域は、D−アミノ酸残基からなる。いくつかの実施形態において、本発明のペプチドと類似であるかまたは本発明のペプチドに由来するペプチドの領域は、D−アミノ酸残基からなり、ポリアルギニン配列は、L−アミノ酸残基からなる。いくつかの実施形態において、本発明のペプチドと類似であるかまたは本発明のペプチドに由来するペプチドの領域は、D−アミノ酸残基からなり、ポリアルギニン配列は、1つ以上のD−アミノ酸残基を含む。
【0057】
いくつかの実施形態において、ポリアルギニン配列は、D−アミノ酸残基からなる。いくつかの実施形態において、ポリアルギニン配列は、D−アミノ酸残基からなり、本発明のペプチドと類似であるかまたは本発明のペプチドに由来するペプチドの領域は、L−アミノ酸残基からなる。いくつかの実施形態において、ポリアルギニン配列は、D−アミノ酸残基からなり、本発明のペプチドと類似であるかまたは本発明のペプチドに由来するペプチドの領域は、1つ以上のD−アミノ酸残基を含む。
【0058】
ポリアルギニン配列を含む本発明のペプチドの変異体、誘導体、立体異性体またはアナログを含むペプチドを含むいくつかの実施形態において、そのペプチドは、D−アミノ酸残基からなる。
【0059】
いくつかの実施形態において、ペプチドは、不斉側鎖を含むアミノ酸残基、例えば、トレオニン、アロ−トレオニン、イソロイシンまたはアロ−イソロイシンを含む。いくつかの実施形態において、ペプチドは、D−アロ−トレオニン残基またはD−アロ−イソロイシン残基を含む。
【0060】
疾患
病原体に対する炎症反応の惹起は、自然免疫応答の構成要素であり、感染を管理するように仕組まれている。しかしながら、炎症性メディエーター産生の持続は、慢性炎症、組織損傷および疾患発症に導き得る。PAMP/TLR相互作用によって惹起されて細胞の活性化に至るシグナル伝達カスケードは、多くの疾患状態(中耳炎、内耳の炎症、敗血症、自己免疫疾患、喘息、心臓疾患および癌を含む)と関連している(参考文献29)。OMは、中耳の炎症性疾患である。OMはしばしば、長引くか、または抗生物質抵抗性である;これらの特徴は、生細菌の非存在下におけるTLR刺激を示唆する。異常なTLRシグナル伝達応答は、敗血症の一因となる過度の細胞活性化応答をもたらし得る(参考文献30および31)。
【0061】
炎症は、自己免疫の局面でもあり、疾患(例えば、多発性硬化症、関節リウマチおよびインスリン依存性真性糖尿病)における組織破壊に何らかの役割を果たすと仮説が立てられている(参考文献32)。自然免疫系の細胞は、獲得/適応免疫において不可欠な役割を有する。TLRタンパク質は、獲得免疫の発生に最も関連性があると考えられている抗原提示細胞のタイプである樹状細胞の成熟および活性化に関わっている(参考文献33)。アレルギー性喘息は、適応免疫応答による慢性炎症性疾患の例であり、TLRシグナル伝達経路が、アレルギー性表現型の誘導期と関係付けられている(参考文献30)。炎症細胞の活性化を高める細菌感染およびウイルス感染は、喘息およびCOPD(慢性閉塞性肺疾患)などの疾患における増悪の主因である(参考文献30)。
【0062】
いくつかの実施形態において、炎症は、ウイルス、細菌、真菌、抗原、自己抗原またはそれらの組み合わせによって引き起こされる。いくつかの実施形態において、炎症は、ウイルス、細菌、真菌、抗原、自己抗原またはそれらの組み合わせに関連する。いくつかの実施形態において、炎症は、ウイルス、細菌、真菌、抗原、自己抗原またはそれらの組み合わせと相関する。いくつかの実施形態において、炎症は、ウイルス、細菌、真菌、抗原、自己抗原またはそれらの組み合わせを伴う。いくつかの実施形態において、炎症を有する生物は、ウイルス、細菌、真菌、抗原、自己抗原またはそれらの組み合わせも有する。
【0063】
いくつかの実施形態において、本明細書中に提供されるペプチドは、炎症を処置するために被験体に投与される。炎症の原因の非限定的な例としては、ウイルス、細菌または真菌の感染が挙げられる。いくつかの実施形態において、炎症は、自己抗原または他の任意の抗原に対する応答の結果である。いくつかの実施形態において、炎症は、抗自己抗原に対する応答の結果である。
【0064】
いくつかの実施形態において、炎症は、耳の炎症を含む。その耳の炎症は、内耳および/または中耳の炎症であり得る。いくつかの実施形態において、炎症は、中耳炎を含む。いくつかの実施形態において、本発明の薬学的組成物は、中耳炎の処置のために使用される。
【0065】
TLR4シグナル伝達に欠陥のあるC3H/HeJマウスは、慢性中耳炎(「COM」)を自然発症すると知られている。そのような内耳の炎症を有するマウスは、中耳性伝音難聴に加えて感音難聴を示し得る。COMを有するC3H/HeJマウスの中耳および内耳の組織学的検査は、中耳の粘膜面の肥厚、正円窓膜の肥厚、線維症、迷路炎およびエウスタキオ管の閉塞を実証した。これらの組織学的変化は、COMおよび迷路炎の病歴を有する患者由来のヒト側頭骨にみられる組織学と相関する。そのマウスの研究から、COMを有するC3H/HeJマウスは、中耳にグラム陰性Klebsiella細菌を有することが示された。マウス実験における観察結果とヒトCOMおよび迷路炎(labrinthitis)患者における観察結果との共通点から、本明細書中に開示される本発明のペプチドまたは薬学的組成物を用いたマウス実験は、ヒト被験体における治療効果がどのようなものであり得るかを予測する結果を提供することが示唆される。
【0066】
いくつかの実施形態において、中耳炎は、聴力損失または聴力低下に関連する。本発明のペプチドまたは(of)その薬学的組成物の投与は、発症している生物の聴力を普通の聴力レベルに改善し得る。いくつかの実施形態において、治療有効量の薬学的組成物を、それを必要とするかまたは欲している生物に投与することによって、その生物の聴力が改善する(ここで、その生物は、中耳炎を有し、かつ聴力が低下している)。いくつかの実施形態において、上記ペプチドまたは薬学的組成物は、局所的に投与される。いくつかの実施形態において、本発明のペプチドまたは(of)その薬学的組成物を投与する際、聴力を失った生物は、そのペプチドまたは薬学的組成物の投与なしに聴力が改善し得る速度よりも速く聴力を回復させる。
【0067】
いくつかの実施形態において、治療有効量の本発明のペプチドまたはそれを含む薬学的組成物の投与を必要とするかまたは欲している中耳炎を有する生物にそれを投与することにより、中耳炎の症状の治療的な軽減が提供される。中耳炎の症状の非限定的な例としては、耳痛(疼痛)、耳漏、発熱、被刺激性、食欲不振、嘔吐または下痢が挙げられる。いくつかの実施形態において、症状は、疼痛である。
【0068】
いくつかの実施形態において、炎症は、皮膚、関節、筋組織、脳または結合組織の炎症を含む。いくつかの実施形態において、本発明の薬学的組成物は、皮膚、関節、筋組織、脳または結合組織の炎症の処置のために使用される。
【0069】
いくつかの実施形態において、炎症は、関節炎、皮膚炎、エリテマトーデス、髄膜炎または乾癬を含む。いくつかの実施形態において、関節炎は、変形性関節症、関節リウマチ、化膿性関節炎、痛風、偽痛風、若年性特発性関節炎、スティル病または強直性脊椎炎を含む。いくつかの実施形態において、皮膚炎は、海綿状皮膚炎(spongiotic dermatitis)、小児湿疹(childhood eczema)、アレルギー性接触皮膚炎、脂漏性皮膚炎、汗疱状皮膚炎、じんま疹、小水疱性(vesicular)皮膚炎もしくは水疱性皮膚炎または丘疹状じんま疹を含む。いくつかの実施形態において、乾癬は、プラーク乾癬(plaque psoriasis)、屈側性乾癬(flexural psoriasis)、滴状乾癬、膿疱性乾癬、爪乾癬、乾癬性関節炎または乾癬性紅皮症を含む。
【0070】
いくつかの実施形態において、投与は、局所適用を含む。いくつかの実施形態において、投与は、皮膚、毛、外耳、鼓膜、鼻腔、頬側前庭または舌下腔(sublingual cavity)への局所適用を含む。
【0071】
いくつかの実施形態において、本発明のペプチドおよびそれを含む薬学的組成物は、副鼻腔炎の処置に有効である。いくつかの実施形態において、本発明の薬学的組成物の投与を必要とするかまたは欲している生物へのその投与は、副鼻腔炎またはその症状に対して治療効果を提供する。副鼻腔炎の症状の非限定的な例としては、鼻詰まりもしくは鼻水、鼻汁、血性鼻汁、くしゃみ、咳嗽、鼻痛、頭痛、後鼻漏、顔面掻痒(itchy face)、嗅覚もしくは味覚の低下、口臭、発熱、悪寒、歯痛または顔面痛が挙げられる。いくつかの実施形態において、本発明の薬学的組成物は、エアロゾル、蒸気、スプレーまたは噴霧として投与される。
【0072】
治療的な用途
本発明の薬学的組成物で処置される「患者」、「被験体」または「宿主」は、ヒトまたは非ヒト動物のことを意味し得る。いくつかの実施形態において、被験体は、ヒトである。本発明のペプチドは、上記のような疾患および障害(例えば、炎症を伴うものであるがこれに限定されない)の処置において有用である。1つの実施形態において、本発明のペプチドおよび薬学的組成物は、任意の数の用途(例えば、患者の任意の疾患または他の処置可能な状態の処置が挙げられる)のための医薬の製造において使用され得る。
【0073】
「治療効果」は、この用語が本明細書中で使用されるとき、治療的な利点および/または予防的な利点を包含する。治療的な利点とは、根底にある処置されている障害の根絶または回復のことを意味する。また、治療的な利点は、根底にある障害になおも患者が苦しめられているかもしれないが、その患者において改善が認められるような、その根底にある障害に関連する生理学的症状の1つ以上の根絶または回復によって達成される。予防的な利点のために、上記組成物は、たとえ特定の疾患の診断がなされていないかもしれないにしても、この疾患を発症するリスクのある患者またはある疾患の生理学的症状の1つ以上を報告している患者に投与され得る。予防効果には、ある疾患もしくは状態の出現を遅延させることもしくは無くすこと、ある疾患もしくは状態の症状の発生を遅延させることもしくは無くすこと、ある疾患もしくは状態の進行を遅くすること、停止することもしくは逆行させること、またはそれらの任意の組み合わせが含まれる。
【0074】
投与
ペプチドを含む薬学的組成物は、薬学的賦形剤または薬学的希釈剤とともに患者に投与され得る。適当な薬学的賦形剤または薬学的希釈剤の非限定的な例としては、デンプン、グルコース、ラクトース、スクロース、ゼラチン、麦芽、イネ、穀粉、胡粉、シリカゲル、炭酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸ナトリウム、モノステアリン酸グリセロール、タルク、塩化ナトリウム、脱脂粉乳、グリセロール、プロピレン、グリコール、水、エタノール、緩衝水、リン酸緩衝食塩水などが挙げられる。これらの組成物は、滴剤、溶液、懸濁液、錠剤、丸剤、カプセル、散剤、徐放製剤などの形態をとり得る。いくつかの実施形態において、上記組成物は、点耳薬である。別の好ましい実施形態において、任意の形態のペプチドを含む組成物は、ラクトース、デキストロース、スクロース、ソルビトール、マンニトール、デンプン、アラビアゴム、リン酸カルシウム、アルギネート、トラガカント、ゼラチン、ケイ酸カルシウム、微結晶性セルロース、ポリビニルピロリドン、セルロース、水、シロップ剤、メチルセルロース、ヒドロキシ安息香酸メチルおよびヒドロキシ安息香酸プロピル、タルク、ステアリン酸マグネシウムならびに鉱油をはじめとした適当な賦形剤および希釈剤を用いてさらに調節され得る。上記製剤は、さらに滑沢剤、湿潤剤、乳化剤および懸濁剤、保存剤、甘味剤または香味剤を含み得る。上記組成物は、単位剤形として製剤化され得る(各投薬量は例えば約1ng〜1000mgの上記ペプチドを含む)。いくつかの実施形態において、用量は、100〜1000mgの上記ペプチドを含む。いくつかの実施形態において、用量は、100〜500mgの上記ペプチドを含む。いくつかの実施形態において、用量は、200〜300mgの上記ペプチドを含む。用語「単位剤形」とは、ヒト被験体および他の哺乳動物に対する単位投薬量として適する物理的に分離した単位のことを指し、各単位は、適当な薬学的希釈剤または薬学的賦形剤とともに、所望の治療効果をもたらすように計算された所定量の活性な材料を含む。これらは、薬学的に許容され得る希釈剤または賦形剤とともにヒト、家庭内のペット、家畜または他の動物に単位剤形で投与され得る。投与は、局所的、耳内、非経口、静脈内、動脈内、皮下、筋肉内、頭蓋内、眼窩内、眼、脳室内、嚢内、脊髄内、槽内、腹腔内、鼻腔内、エアロゾル、坐剤によるもの、または経口投与であり得る。経口使用のための製剤としては、無毒性の薬学的に許容され得る賦形剤との混合物中に活性成分を含む錠剤が挙げられる。これらの賦形剤は、例えば、不活性な希釈剤または充填剤(例えば、スクロースおよびソルビトール)、滑沢剤、滑剤および接着防止剤(antiadhesive)(例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸、シリカ、硬化植物油またはタルク)であり得る。
【0075】
本発明の活性な治療用製剤は、非経口(parental)、皮下、皮内、筋肉内または静脈内投与用の、例えば、等張性緩衝液、水性緩衝液または食塩緩衝液において再構成することが意図された凍結乾燥形態で提供され得る。本発明の主題の組成物はまた、開口部用の、例えば、経口、耳内、経鼻または舌下投与用の液体調製物(例えば、懸濁液、シロップ剤またはエリキシル剤)によって、治療用ペプチドを必要とする患者に投与され得る。本発明の主題の組成物はまた、経口投与用の製剤のために調製され得る(例えば、カプセル、錠剤、丸剤など、ならびにチュアブル固体製剤)。本発明の主題の組成物はまた、経皮投与用のクリーム(例えば、液体、粘稠性液体、ペーストまたは粉末)として調製され得る。本発明の主題の組成物はまた、エアロゾル化成分を含むかまたは含まない、肺投与用の散剤として調製され得る。本発明の組成物は、滴剤、例えば、点耳薬として調製され得る。
【0076】
ここに開示されている組成物は、経口、耳内、鼻腔内、舌下、十二指腸内、皮下、頬側、結腸内、直腸、膣、粘膜、肺、経皮、皮内、非経口、静脈内、筋肉内および眼球への形態での送達、ならびに血液脳関門を越えることができる形態での送達のために使用され得る。
【0077】
投薬量
本発明の任意のペプチドの投薬量は、患者の症状、年齢および体重、処置されるかまたは予防される障害の性質および重症度、投与経路、ならびに組成物の形状に応じて変動し得る。主題の任意の製剤は、単一用量または分割量で投与され得る。本発明のペプチドに対する投薬量は、当業者に公知の手法または本明細書中で教示されるような手法によって容易に決定され得る。また、本発明は、2つ以上の主題のペプチドの混合物ならびに他の治療薬を企図する。
【0078】
ある特定の実施形態において、主題のペプチドの投薬量は、通常、体重1kgあたり約0.01ng〜約10gの範囲、詳細には、1kgあたり約1ng〜約0.1gの範囲、より詳細には、1kgあたり約100ng〜約10mgの範囲であり得る。
【0079】
有効な用量または有効量、および上記製剤の投与のタイミングに対して起こり得る任意の影響が、本発明の任意の特定のペプチドに対して特定される必要があり得る。これは、動物の1つ以上の群を用いるか、または適切な場合はヒトにおける治験において、本明細書中に記載されるような通例の実験によって達成され得る。任意のペプチドおよび方法の処置または予防に関する有効性は、サプリメントを投与して、そして目的の新生物に関連する1つ以上の指標を測定し、これらの指標の処置後の値を処置前の同じ指標の値と比較することによって、その投与の影響を評価することによって評価され得る。
【0080】
所与の患者に最も効果的な処置をもたらし得る任意の特定のペプチドの投与の正確な時間および量は、特定のペプチドの活性、薬物動態およびバイオアベイラビリティ、患者の生理学的状態(年齢、性別、疾患のタイプおよびステージ、全般的な身体的状態、所与の投薬量に対する応答性、ならびに投薬形態を含む)、投与経路などに依存し得る。本明細書中に示される指針、例えば、投与の最適な時間および/または量を決定することを用いることにより、処置が最適化され得る(この最適化には、被験体をモニタリングすることならびに投薬量および/またはタイミングを調整することからなる単なる通例の実験法が必要なだけである)。
【0081】
被験体が処置されながら、24時間のあいだの所定の時間に、関連性のある1つ以上の指標を測定することによってその被験体の健康状態がモニターされ得る。サプリメントを含む処置、投与の量、時間、および製剤は、そのようなモニタリングの結果に従って最適化され得る。患者は、同じパラメータを測定することによって改善の程度を判定するために定期的に再評価され得、1回目のそのような再評価は、典型的には、治療開始から4週間の終わりに行い、その後の再評価は、治療中の4〜8週間ごと、次いでその後は、3ヶ月ごとに行う。治療は、数ヶ月間または数年間にもわたって継続されることがあり、最低1ヶ月が、ヒトの場合の代表的な治療の長さである。投与されるペプチドの量の調整、および場合により、投与の時間の調整は、これらの再評価に基づいて行われ得る。
【0082】
処置は、上記ペプチドの最適な用量未満の、より少ない投薬量から開始され得る。その後、投薬量は、最適な治療効果に達するまで少量ずつ増加され得る。
【0083】
本発明のいくつかのペプチドまたは他のペプチドを組み合わせた使用は、種々の構成要素の作用の開始および持続時間が補完的(complimentary)であり得るので、任意の個別の構成要素に対する必要な投薬量を減少させ得る。そのような併用療法では、種々のペプチドが、一緒にまたは別個に、同時にまたはその日のうちの異なる時点において、送達され得る。
【0084】
主題のペプチドの毒性および治療効果は、細胞培養物または例えばLD50およびED50を測定するための実験動物において、標準的な薬学的手順によって測定され得る。毒性の副作用を示すペプチドを使用してもよいが、副作用を減少させるために、それらのペプチドが所望の部位を標的にする送達系を設計するように取り計らうべきである。
【0085】
細胞培養アッセイおよび動物試験から得られたデータは、ヒトにおいて使用するためのある範囲の投薬量を定める際に用いられ得る。任意のサプリメントの投薬量またはその中の任意の構成要素の投薬量は、好ましくは、毒性がほとんどないかまたはまったくなく、ED50を含む循環濃度の範囲内に置かれる。その投薬量は、使用される剤形および利用される投与経路に応じて、この範囲内で変動し得る。本発明のペプチドの場合、治療的に有効な用量は、はじめに細胞培養アッセイから推定され得る。細胞培養物において測定されたIC50(すなわち、症状の最大半量の阻害を達成する被験ペプチドの濃度)を含む循環血漿濃度の範囲を達成する用量が動物モデルにおいて製剤化され得る。そのような情報は、ヒトにおける有用な用量をより正確に決定するために使用され得る。血漿中のレベルは、例えば、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)によって測定され得る。
【0086】
製剤
本発明のペプチドに基づく組成物は、当該分野で周知であるようなそれらの意図される用途に応じて、様々な手段によって投与され得る。例えば、本発明の組成物が経口的に投与される場合、それらは、錠剤、カプセル、顆粒剤、散剤またはシロップ剤として製剤化され得る。あるいは、本発明の製剤は、注射(静脈内、筋肉内または皮下)、滴剤注入(drop infusion)調製物または坐剤として非経口的に投与され得る。上記ペプチドに基づく組成物はまた、エアロゾル化賦形剤を加えてまたは加えずに、当該分野で公知の標準的な手法を用いてその組成物を1〜5μmの粒子にエアロゾル化することによって肺の深くにまで投与され得る。眼の粘膜への経路による適用の場合、本発明の組成物は、点眼薬または眼軟膏として製剤化され得る。耳用の薬学的組成物は、内面的または外面的に耳に適用するために、点耳薬、軟膏、クリーム、液体、ゲルまたは膏薬として製剤化され得る。これらの製剤は、従来の手段によって調製され得、所望であれば、それらの組成物は、任意の従来の添加物(例えば、賦形剤、結合剤、崩壊剤、潤滑剤、可溶化剤、懸濁補助剤、乳化剤またはコーティング剤)と混合され得る。
【0087】
本発明の製剤では、湿潤剤、乳化剤および潤滑剤(例えば、ラウリル硫酸ナトリウムおよびステアリン酸マグネシウム)ならびに着色剤、離型剤、コーティング剤、甘味剤、香味剤および芳香剤、保存剤ならびに酸化防止剤が、製剤化された薬剤中に存在し得る。
【0088】
主題のペプチドに基づく組成物は、経口、耳内、経鼻、局所(頬側および舌下を含む)、直腸、膣、エアロゾルおよび/または非経口投与に適していることがある。上記ペプチドに基づく組成物の製剤は、単位剤形として都合良くもたらされ得、薬学分野で周知の任意の方法によって調製され得る。単一用量を生成する他の賦形剤と組み合わされ得る組成物の量は、処置される被験体および特定の投与様式に応じて変動し得る。
【0089】
経口投与に適している製剤は、カプセル、カシェ剤、丸剤、錠剤、舐剤(風味が付いた基剤、通常、スクロースおよびアカシアまたはトラガカントを用いる)、散剤、顆粒剤の形態、または水性もしくは非水性の液体における溶液もしくは懸濁液としての形態、または水中油型もしくは油中水型の液体エマルジョンとしての形態、またはエリキシル剤もしくはシロップ剤としての形態、またはトローチ剤(不活性な基剤(例えば、ゼラチンおよびグリセリン、またはスクロースおよびアカシア)を用いる)としての形態(各々、活性成分として所定量の主題の組成物を含む)であり得る。本発明の組成物は、ボーラス、糖剤またはペーストとしても投与され得る。
【0090】
経口投与用の固体剤形(カプセル、錠剤、丸剤、糖衣錠、散剤、顆粒剤など)において、主題のペプチド組成物は、1つ以上の薬学的に許容され得るキャリア(例えば、クエン酸ナトリウムまたはリン酸二カルシウム)および/または以下のもの:(1)充填剤または増量剤(例えば、デンプン、ラクトース、スクロース、グルコース、マンニトールおよび/またはケイ酸);(2)結合剤(例えば、カルボキシメチルセルロース、アルギネート、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、スクロースおよび/またはアカシア);(3)吸湿剤(例えば、グリセロール);(4)崩壊剤(例えば、寒天、炭酸カルシウム、ジャガイモまたはタピオカデンプン、アルギン酸、ある特定のケイ酸塩および炭酸ナトリウム);(5)溶解遅延剤(例えば、パラフィン);(6)吸収促進剤(例えば、四級アンモニウム化合物);(7)湿潤剤(例えば、アセチルアルコールおよびモノステアリン酸グリセロール);(8)吸収剤(例えば、カオリンおよびベントナイト粘土);(9)潤滑剤(例えば、タルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固体ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウムおよびそれらの混合物);および(10)着色剤のうちのいずれかと混合される。カプセル、錠剤および丸剤の場合、ペプチド組成物は、緩衝剤も含み得る。同様のタイプの固体組成物は、ラクトースまたは乳糖のような賦形剤、ならびに高分子量ポリエチレングリコールなどを用いる軟および硬ゼラチンカプセルにおける充填剤としても使用され得る。
【0091】
錠剤は、必要に応じて1つ以上の副成分とともに、圧縮または成形によって作製され得る。圧縮された錠剤は、結合剤(例えば、ゼラチンまたはヒドロキシプロピルメチルセルロース)、潤滑剤、不活性な希釈剤、保存剤、崩壊剤(例えば、デンプングリコール酸ナトリウムまたは架橋カルボキシルメチルセルロースナトリウム)、表面活性剤または分散剤を用いて調製され得る。成形された錠剤は、不活性な液体希釈剤で湿らされた主題の組成物の混合物を適当な機械において成形することによって作製され得る。錠剤および他の固体剤形(例えば、糖衣錠、カプセル、丸剤および顆粒剤)は、必要に応じて、溝がつけられ得るか、またはコーティングおよびシェル(例えば、腸溶コーティングおよび医薬品の製剤化の分野において周知の他のコーティング)とともに調製され得る。
【0092】
経口投与用の液体の剤形は、薬学的に許容され得るエマルジョン、マイクロエマルジョン、ゲル、溶液、懸濁液、シロップ剤およびエリキシル剤を含む。その液体投薬のペプチド製剤は、当該分野において一般に使用されている不活性な希釈剤(例えば、水または他の溶媒)、可溶化剤および乳化剤、例えば、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、油(特に、綿実油、ラッカセイ油、トウモロコシ油、胚芽油、オリーブ油、ヒマシ油およびゴマ油)、グリセロール、テトラヒドロフリルアルコール、ポリエチレングリコールおよびソルビタンの脂肪酸エステル、ならびにそれらの混合物を含み得る。
【0093】
上記ペプチド製剤の懸濁液の投薬量は、例えば、エトキシ化イソステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビトールおよびソルビタンエステル、微結晶性セルロース、メタ水酸化アルミニウム、ベントナイト、寒天およびトラガカント、ならびにそれらの混合物のような懸濁剤を含み得る。
【0094】
直腸投与用または膣投与用のペプチド製剤は、1つ以上の適当なキャリアおよび他の賦形剤(例えば、カカオバター、ポリエチレングリコール、坐剤用ろうまたはサリチレートを含む)とペプチドを混合することによって調製され得かつ室温では固体であるが体温では液体であるがゆえに体腔内で融解してペプチドを放出する、坐剤として提供され得る。膣投与に適した製剤としては、適切であると当該分野で公知である賦形剤を含む、ペッサリー、タンポン、クリーム、ゲル、ペースト、泡沫またはスプレー製剤が挙げられる。
【0095】
主題の組成物の経皮的投与用のペプチド投薬製剤としては、滴剤、散剤、スプレー、軟膏、ペースト、クリーム、ローション、ゲル、溶液、パッチおよび吸入剤が挙げられる。活性な成分は、滅菌条件下で、薬学的に許容され得るキャリアおよび必要とされ得る任意の保存剤、緩衝剤または噴射剤と混合され得る。
【0096】
軟膏、ペースト、クリームおよびゲルは、主題の組成物に加えて、賦形剤(例えば、動物性脂肪および植物性脂肪、油、ろう、パラフィン、デンプン、トラガカント、セルロース誘導体、ポリエチレングリコール、シリコーン、ベントナイト、ケイ酸、タルクおよび酸化亜鉛、またはそれらの混合物)を含み得る。本発明のペプチド組成物は、乳児用のウェットティシューの形態でもあり得る。
【0097】
散剤およびスプレーは、主題の組成物に加えて、賦形剤(例えば、ラクトース、タルク、ケイ酸、水酸化アルミニウム、ケイ酸カルシウムおよびポリアミド粉末、またはこれらの物質の混合物)を含み得る。スプレーは、さらに、慣例の噴射剤(例えば、クロロフルオロヒドロカーボン)および揮発性の非置換型炭化水素(例えば、ブタンおよびプロパン)を含み得る。
【0098】
あるいは、本発明のペプチド組成物は、エアロゾルによって投与され得る。これは、本化合物を含む水性エアロゾル、リポソーム調製物または固体粒子を調製することによって達成される。非水性(例えば、フルオロカーボン噴射剤)懸濁液も使用され得る。音波噴霧器は、主題の組成物中に含まれるペプチドを分解し得る剪断へのそのペプチドの曝露を最小にするので、音波噴霧器を使用してもよい。
【0099】
通常、主題の組成物の水性の溶液または懸濁液を従来の薬学的に許容され得るキャリアおよび安定剤とともに製剤化することによって、水性エアロゾルが生成される。それらのキャリアおよび安定剤は、特定の主題の組成物に関する必要条件によって変化するが、それらとしては、代表的には、非イオン性界面活性剤(Tweens、Pluronicsまたはポリエチレングリコール)、血清アルブミンのような無害のタンパク質、ソルビタンエステル、オレイン酸、レシチン、グリシンなどのアミノ酸、緩衝剤、塩、糖または糖アルコールが挙げられる。エアロゾルは、一般に、等張性の溶液から調製される。
【0100】
非経口投与に適した本発明の薬学的組成物は、1つ以上の薬学的に許容され得る滅菌された等張性の水性もしくは非水性の溶液、分散液、懸濁液もしくはエマルジョン、または、使用直前に、滅菌された注射可能な溶液もしくは分散液に再構成され得る滅菌された粉末とともに主題の組成物を含み、それらは、酸化防止剤、緩衝剤、静菌剤、その製剤を意図されるレシピエントの血液と等張性にする溶質、または懸濁剤もしくは増粘剤を含み得る。
【0101】
本発明の薬学的組成物において使用され得る適当な水性および非水性のキャリアの例としては、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコールなど)およびそれらの適当な混合物、オリーブ油などの植物油、ならびにオレイン酸エチルなどの注射可能な有機エステルが挙げられる。適切な流動性は、例えば、レシチンなどのコーティング材料を使用することによって、分散液の場合は必要な粒径を維持することによって、および界面活性剤を使用することによって、維持され得る。
【実施例】
【0102】
実施例1:材料および方法
天然の配置のペプチド:Mimotopesの独占所有権の独自の並列アレイ合成プラットフォームを用いてMimotopesがペプチドを合成した。各ペプチドは、本発明のアミノ酸配列、および必要に応じて、そのペプチドのC末端に位置する、細胞の取り込みを促進する9残基アルギニン細胞導入配列を含んでいる。それらのペプチドは、表1に示されている。
【0103】
L−アミノ酸残基を有するペプチドを合成するように、D−アミノ酸残基を有するペプチドを合成する。ペプチドを構築する自動システムにおいて使用するための、適切な保護基を有するD−アミノ酸は、商業的に入手可能である。本明細書中に記載されるペプチドは、すべてL−アミノ酸から作製され得るか、すべてD−アミノ酸から作製され得るか、またはその両方の任意の割合の混合物から作製され得る。ペプチドが、少なくとも1つのL−アミノ酸残基および少なくとも1つのD−アミノ酸残基を含む場合、そのペプチドは、立体化学的に混合されていると考えられる。同様に、導入タグも、すべてL−アミノ酸から作製され得るか、すべてD−アミノ酸から作製され得るか、またはその両方の任意の割合の混合物から作製され得る。立体化学だけが異なるペプチドは、同じレセプターまたは異なるレセプターにおいて、異なる特性、利点、特異性、親和性および活性を有し得る。一部の例では、立体化学だけが異なるペプチドは、似た特異性および活性を示し得る。
【0104】
各ペプチドは、FITC標識(フルオレセインイソチオシアネート)ありとなしの両方で構築される。FITC標識されたペプチドは、FACS解析のために使用される。FITC標識を欠くペプチドは、インビトロにおける阻害アッセイおよびインビボにおける処置研究のために使用される。
【0105】
試薬:ヌクレアーゼ抵抗性のリン酸化オリゴヌクレオチドは、Oligos Etc.,Inc.から購入した。その配列は、5’−TCCATGACGTTCCTGACGTT−3’(配列番号377)(CpG−オリゴデオキシヌクレオチド(ODN)だった。TNF−αアッセイは、R&D Systemsから購入したアッセイキットを用いて行った。マウスのIL−1αおよびTNF−αは、R&D Systemsから購入した。PMA(酢酸ミリスチン酸ホルボール)およびLPS(リポ多糖(Lipopolysaccaride))は、Sigmaから購入した。TLRリガンドであるフラジェリン、ザイモサンおよびPoly(I:C)は、Invivogenから購入した。サイトカインアッセイは、R&D Systemsから購入したアッセイキットを用いて行った(加熱不活性化された肺炎球菌は、Dr.Thomas DeMaria,The Ohio State University College of Medicine,Department of Otolaryngology,Columbus,Ohioからの厚意によって寄贈されたものである)。
【0106】
細胞株および細胞培養:RAW264.7(マウス単球/マクロファージ細胞(American Type Culture Collection)を37℃の5%CO加湿恒温器内で培養し、10%(v/v)加熱不活性化FCS、1.5mMのL−グルタミン、100U/mlのペニシリンおよび100μg/mlのストレプトマイシンが補充されたDMEM(Invitrogen Life Technologies)中で生育した。
【0107】
サイトカイン分泌:RAW264.7細胞を48ウェルプレートに1.5×10細胞/ウェル〜3×10細胞/ウェルでプレーティングした。24時間後、その細胞を、様々なPAMPによって18時間活性化する前、活性化と同時に、または活性化の後、室温にて3つ組で様々な濃度のペプチドとともにインキュベートした。無細胞上清をサイトカインについてELISAによって4つ組で解析した。RAW264.7細胞をCpG−ODN(1μg/mlまたは1.25μg/ml)、LPS(約1ng/ml)、Poly(I:C)(約10μg/ml)、フラジェリン(約5ng/ml)またはザイモサン(約10μg/ml)で刺激した。各PAMPを用いて用量反応曲線を得ることにより、最適な刺激濃度を決定した。CpG−ODN刺激については、細胞を37℃で4時間インキュベートし、上清を回収し、TNF−αをELISAによって測定した。類似のアッセイを用いて、tollレセプターシグナル伝達によって媒介される炎症性疾患に関与する任意のサイトカインを測定することができる。
【0108】
フローサイトメトリー:ペプチドの内部移行を定量するCellquestソフトウェアを使用するフローサイトメトリー(FACScan,Becton Dickinson)によって細胞を解析する。7−AAD(7−アミノ−アクチノマイシンD)染色に基づいて死細胞を排除するようにゲートを設定する。FITC標識ペプチドの細胞表面への結合に起因する蛍光(Flourescence)は、トリパンブルーを用いて消光される。得られたデータは、バックグラウンドの自己蛍光が差し引かれた幾何平均蛍光単位(geometric mean fluorescent units)(F)である。
【0109】
免疫ブロット法:RAW264.7細胞(6×10)を12ウェルプレートに一晩プレーティングする。細胞を、試験されるペプチドまたはコントロールスクランブルペプチドとともに室温で15分間インキュベートし、次いで、15または30分間、培地またはLPS(1ng/ml)で刺激する。細胞を溶解し、タンパク質をSDS/PAGE(ドデシル硫酸ナトリウム/ポリアクリルアミドゲル電気泳動)(12%)によって分画する。Phospho−IkB−α(Ser32)抗体(Cell Signaling)を用いて免疫ブロット法を行い、西洋ワサビペルオキシダーゼ結合体化二次抗体を用いて検出し、化学発光によって可視化する。Epson expression636スキャナーに連結されたNucleo Tech Gel Expertソフトウェアを用いてバンド強度を測定し、強度/面積として表現する。
【0110】
細胞生存率:CellTiter 96 Aqueous One Solution Cell Proliferation Assay(Promega)を製造者の指示書に従って使用して生存率について細胞をアッセイした。簡潔には、細胞を96ウェルプレートに播種し、37℃の加湿5%CO雰囲気内で一晩インキュベートした。サンプルをアッセイする準備が整ったら、20μlの試薬を各ウェルに加え、37℃の加湿5%CO雰囲気内で1.5時間インキュベートした。ELx800吸光度マイクロプレートリーダー(BioTek)を使用して490nmにおける吸光度を読み、データを、Gen5ソフトウェア(BioTek)を用いて解析した。いくつかのペプチドを、ある範囲の濃度にわたるトリパンブルー排除染色によって細胞生存率に対する効果について評価し、次いで、各ペプチドを、細胞生存率に対して効果が無かった最も高い濃度でサイトカイン阻害について試験した。
【0111】
実施例2:CpG−ODNによって誘導されるサイトカイン分泌に対するペプチドの効果
CpG−ODNによる刺激に応答したRAW264.7細胞からのTNF−αの分泌に対するいくつかのペプチドの効果を研究した。はじめに、各ペプチドを3つの濃度、37μM、22.2μMおよび11.1μMで試験した。3つすべての用量においてTNF−α分泌の50〜100%阻害を証明する17個のペプチドが、示される(表2)。次いで、これらのペプチドを11.1μM、7.4μMおよび3.7μMにおいて試験した(表3)。それらのペプチドは、続いて7.4μMでも阻害活性を証明し、それらのペプチドのうちの12個は、3.7μMでも阻害活性を有した。TNF−α阻害について試験された濃度において、各ペプチドに対する細胞生存率を調べた。細胞生存率の低下は証明されなかった。
【0112】
【表2-1】
【0113】
【表2-2】
【0114】
【表3-1】
【0115】
【表3-2】
実施例3:CpG−ODNによって誘導されるサイトカイン分泌に対するペプチドの効果
様々なT−ペプチドによるTNF−α分泌の阻害を調べた。RAW264.7細胞を48ウェルプレートに3×10細胞/ウェルでプレーティングした。24時間後、その細胞を、室温にて3つ組で15分間、様々な濃度のペプチドとともにインキュベートし、次いで、1.25μg/mlのCpG−ODNまたは1ng/mlのLPSで刺激した。次いで、細胞を37℃で4時間インキュベートし、上清を回収し、TNF−αをELISAによって測定した。ペプチドとともにインキュベートされた細胞からのTNF−α分泌をペプチド処理していないコントロール細胞からのTNF−α分泌と比較することによって阻害率を計算した。ペプチドT3、T11、T21、T36、T37、T51およびT52による阻害を、C末端に9個のアルギニン残基の配列を有するP13のアナログ(P13−R)による阻害と比較した。(表4)。
【0116】
【表4】
実施例4:P13に由来するペプチドの構造活性試験
P13内の残基の改変に対する許容度を測定するために、構造活性相関(SAR)を調査した。SARに使用したペプチドには、配列番号317〜368の活性を研究するために使用された配列番号131〜182が含まれる。以下の構造的改変を有するペプチドを作製し、活性について、P13に対して評価した:
1.N末端および/またはC末端の残基の欠失;
2.各残基におけるアラニンスキャン;
3.同じ位置における同様の電荷を有する残基(例えば、同じ位置におけるAspまたはGlu;同じ位置におけるLys、ArgまたはHis)の比較;
4.同じ位置におけるヒドロキシル化された側鎖(例えば、同じ位置におけるSerまたはThr)の比較;
5.同じ位置における芳香族側鎖(例えば、同じ位置におけるPhe、Tyr、HisまたはTrp)の比較;
6.硫黄含有側鎖(例えば、MetおよびCys)による側鎖の置き換え;
7.分枝状脂肪族側鎖(例えば、Leu、IleおよびVal)の保存的置き換え;
8.代替残基を含めることによる構造の破壊;
9.逆の配列およびスクランブル配列;ならびに
10.二量体化。
【0117】
上記のSARから、ある特定の置換によって、P13の活性よりも優れた活性を有するペプチドがもたらされることが明らかになった。少なくとも5つの異なる場合における単一アミノ酸の置換および少なくとも2つの場合における2つ以上のアミノ酸の置換によって、優れた活性が得られた。これらの7つのペプチドは、配列番号133、141、151、166、167、181および182である。この発見は、SAR誘導体の活性がP13の活性に匹敵するかまたはそれよりも低いと予想されるという点において予想外だった。活性は、CpGによってRAW264.7細胞を刺激した後のTNF−αの阻害と定義された。
【0118】
実施例5:中耳炎に対するペプチドの効果
中耳炎の誘導:約8〜12週齢のBALB/c(Baggアルビノ)マウスをキシラジンおよびケタミン(約0.1mg/30g体重)の皮下注射で麻酔し、感染または穿孔がないことを確かめるためにそのマウスの耳を手術用顕微鏡下で調べる。細菌を加えないときのペプチドの効果を測定するために、1つの群の動物の一方の耳にPBS(リン酸緩衝食塩水)および反対の耳に約10μMの表1のペプチドを注射する。第2の群の動物の一方の耳に約5.0μlのPBS+加熱不活性化された肺炎球菌(約10CFU/ml)および反対の耳に約5.0μlのペプチド(約10μM)+加熱不活性化された肺炎球菌(約10CFU/ml)を投与する。注射は、鼓膜を通り過ぎて行う。細菌注射の約3日後に動物を殺し、組織を組織学的に処理することにより中耳の疾患を評価する。1)中耳に存在する体液の面積;2)中耳液中の細胞の数;および3)注射部位から離れた点の鼓膜(TM)の厚さを測定することによって炎症を定量化する。コントロール群として役立てるために、測定された組織学的パラメータの各々について、PBS単独を注射されたマウス(n=18)からデータを得る。疾患の誘導は、ペプチドなしで肺炎球菌を注射された耳が、中耳の炎症について評価された3つのパラメータ:体液の面積、細胞数、鼓膜の厚さのうち少なくとも2つにおいてコントロールPBS処置マウスよりも少なくとも2標準偏差増加を示した場合、陽性と定義される。
【0119】
組織の回収:実験の処置の終わりに、組織学検査のためにマウスを殺し、組織を回収する。マウスに麻酔薬を過剰投与し、約1.0mlの食塩水に続いて約20mlの固定液(約0.1Mリン酸緩衝液中の約1.5%パラホルムアルデヒド、約3%グルタルアルデヒド)を心臓内に灌流させる。中耳は、頭蓋底によって互いにつながった状態で無傷のまま放置するので、組織学的検査および切断のために両耳が一緒に処理される。これにより、組織学的包埋、切断、染色および解析のすべてを両側同時に行うことができ、それにより、その後の定量的解析に対する処理の変動(processing variables)の任意の影響が減少する。中耳を脱灰し、グリコールメタアクリレートプラスチック内に包埋し、約5μmの薄片に切り、スライドガラス上に連続的に載せ、染色し、カバーガラスをかぶせる。
【0120】
組織病理学的解析:鼓膜臍部(umbo)および岬角(promontory)のレベルの連続した3つの切片を、1)中耳に存在する体液の面積;および2)中耳液中の細胞の数;および3)鼓膜の厚さの測定のために選択する。各測定は、1検体あたり3つの連続した切片において行う。
【0121】
統計解析:細菌を加えないときのペプチドの効果を測定するために、動物の一方の耳にPBS単独および他方の耳に約10μMペプチドを注射する。3つの組織学的パラメータ:1)中耳に存在する体液の面積;2)中耳液中の細胞の数;および3)鼓膜の厚さの各々についてのPBS単独の効果をペプチドの効果と比較する、対応のあるt検定を行う。これらの動物を用いて、上に記載した組織学的パラメータの各々について、一方の耳におけるペプチド+肺炎球菌の効果を、反対の耳における肺炎球菌単独の効果と比較する対応のあるt検定を行う。
【0122】
実施例6:敗血症性ショックに対するペプチドの効果
マウスの敗血症性ショックモデルにおける炎症性メディエーターの阻害。BALB/cマウスに、PBS、約100μg/マウス/250μlのLPS、または約100μgのLPS+様々な用量のペプチドを腹腔内注射する。処置の約2および約6時間後に血清を採取し、ELISAによって炎症促進性サイトカインMIP−2およびTNF−α、ならびに可溶性ICAM−1について評価する。
【0123】
実施例7:マウス中耳に対するP13の効果
細菌を加えないときにペプチドによって引き起こされる効果に関するアッセイ
5匹のマウスの一方の耳にPBSおよび反対の耳に10μMのペプチドP13を注射した。3日後、動物を殺し、中耳を包埋し、薄片に切り、染色し、体液の面積、浸潤細胞の数、および鼓膜の厚さについて評価した。対応のあるt検定(両側)を用いることにより、上記3つのパラメータの各々を分析した。細菌によって誘導された炎症が存在しないとき、PBSを注射された耳とP13を注射された耳との間に、1)体液の面積(p=0.104);2)細胞数(p=0.880);または3)鼓膜の厚さ(p=0.891)の差は見られなかった。
【0124】
細菌を加えたときのペプチドによって引き起こされる効果に関するアッセイ
インビボにおいて炎症に影響するペプチドの有効性を調べるために、20匹のBALB/cマウスの一方の中耳に加熱不活性化された肺炎球菌+PBS、および反対側の中耳に加熱不活性化された肺炎球菌+10μMペプチドP13を注射した。3日後、それらの動物を殺し、中耳液の面積、浸潤細胞の数および鼓膜の厚さについて評価した。疾患の発症は、定量化された3つのパラメータのうち2つにおいて、バックグラウンドコントロール(PBSを注射された耳、n=18)の少なくとも2標準偏差を越えた増加と定義した。20匹のマウスのうち、合計7匹が、疾患誘導についての基準を満たした。疾患を有するこれらの7匹のマウスからの対応のあるt検定による中耳の分析から、ペプチド処置が、体液の量(p=0.004)、浸潤細胞の数(p=0.02)および鼓膜の厚さ(p=0.002)を有意に減少させたことが示された。疾患を有する各個別のマウスの炎症に関するこれらの3つのパラメータの調査から、ペプチドP13の単回の処置によって見られる劇的な効果が例証された。興味深いことに、上記7匹のマウスのうち6匹が、炎症の全面積の減少を示したが、1匹の動物は、体液の面積および鼓膜の厚さについては中程度の減少を示しただけで、細胞数は減少を示さなかった。加熱殺菌された細菌の注射によって、3日後、中耳に顕著な炎症反応がもたらされた。これは、粘膜および鼓膜の腫脹、細胞浸潤、ならびに中耳腔を満たす著しい体液(滲出液)の分泌および蓄積を特徴とした。この炎症反応は、著しい粘膜の細胞の肥大、ならびにムチンおよび他の体液の活性な分泌をもたらした。ペプチドP13を上記細菌とともに注射したとき、中耳腔への体液の蓄積の著しい減少および粘膜肥大の減少が見られた。
【0125】
【表5】
中耳の炎症は、中耳内の体液の面積、中耳液中の細胞の数および注射部位から離れた点で測定される鼓膜の厚さについて、連続した3つの組織切片を測定することによって評価される。データは、中耳の炎症を有する動物における平均±SDを表している。対応のあるt検定を用いて統計学的評価を行う。
PBSで処置される動物には細菌またはペプチドを投与しない。
動物の一方の耳に肺炎球菌+PBSおよび反対の耳に肺炎球菌+ペプチド(約10μM)を注射する。
対応のあるt検定を用いる統計学的評価は、細菌を注射された罹患動物から回収されたデータを用い、ペプチドとペプチド処置なしとを比較して行う。
【0126】
実施例8:FITC標識されたP13−Rによる鼓膜の横断についてのアッセイ
以下のプロトコルによって耳嚢(bulla)を介してBALB/cマウスに注射した。
【0127】
8〜12週齢の3匹のBALB/cマウスを、ケタミン(100mg/kg)およびキシラジン(20mg/kg)で麻酔した後、細菌を投与した。首の腹側正中切開を行い、鈍的切開後、耳嚢を露出させた。細い針を用いておよそ3.5μlの細菌懸濁液(加熱不活性化された肺炎球菌の1010CFU/ml)を、骨壁を介して中耳に接種した。右耳と左耳の両方に耳嚢注射によって細菌を投与した。
【0128】
24時間後、手術用顕微鏡を用いて動物の耳鏡検査を行った。上に記載したようにマウスを麻酔し、急性中耳炎(AOM)についての以下の3つの基準の存在または非存在について鼓膜を調べた:1)鼓膜の後ろにおける中耳滲出液;2)透明から赤色または白色への鼓膜の色の変化(中耳の炎症および/または化膿を示唆する);3)平坦(neutral)から出っ張りまたは引っ込みへの鼓膜の位置の変化。これらの基準によってAOMを証明する動物だけを使用した。
【0129】
4つの耳が、AOMに対する基準を満たした。FITC標識されたペプチドP13−R(10μg/30μl)を中耳に滴下した。そのペプチドを10分間にわたって吸収させた。10分後、外耳道を2回洗い流し、吸い取ることにより、残留している任意のペプチドを除いた。次いで、30g針を備えた10μlのHamilton注射器を用いて中耳液を吸引し、その体液をスライド上に塗抹した。FITC標識されたペプチドを蛍光鏡(fluorescent scope)下で観察した。写真から、FITC標識されたP13−Rが鼓膜を通過し、中耳液中の細胞と会合していることが証明された。
【0130】
図1Aは、中耳液中の細胞の明視野の顕微鏡検査結果を表している。図1Bは、中耳液中の細胞と会合したFITC標識P13−Rの蛍光顕微鏡検査結果を表している。
【0131】
実施例9:P13の局所投与は中耳の炎症および中耳貯留液を減少させた
この実験では、前臨床AOMモデルにおいて炎症および貯留液を減少させるためにP13を点耳薬によって投与した。手術用顕微鏡を用いてBALB/cマウス(n=13)の耳鏡検査を行うことによりAOMの臨床症状を確かめた。マウスを麻酔し、AOMについての以下の3つの基準の存在または非存在について鼓膜(TM)を調べた:1)TMの後ろにおける中耳滲出液;2)中耳の炎症および/または化膿を示唆する、透明から赤色または白色へのTMの色の変化;および3)平坦から出っ張りまたは引っ込みへのTMの位置の変化。これらの変化のいずれかを示す動物を、炎症について陽性であるとスコア付けした。すべてのマウスが、プレスクリーニングにおいて陰性とスコア付けされ、両耳に5μlの加熱不活性化された肺炎球菌(10CFU/ml)を経鼓膜的に(transtympanically)注射された。細菌注射の24時間後、耳鏡検査によってマウスを調べ、上に記載した炎症の基準を満たす動物をこの研究に残した。陽性とスコア付けされた13個の耳のうち;7つの耳をP13(1μg/30μl)で局所的に処置し、6つの耳をPBS(30μl)で局所的に処置した。局所処置のために、動物を軽く麻酔し、P13またはPBSを鼓膜の外側に滴下した。それらの動物を15〜20分間鎮静させた。細菌注射の72時間後、動物を屠殺し、組織を組織学的に処理することにより、中耳疾患を評価した。以下のとおり、中耳に存在する体液の面積を測定し、測定された中耳液の面積内の細胞の数を測定することによって、炎症を定量化した。マウスに麻酔薬を過剰投与し、1.0mlの食塩水に続いて20mlの固定液(0.1Mリン酸緩衝液中の1.5%パラホルムアルデヒド−3%グルタルアルデヒド)を心臓内に灌流させた。中耳を脱灰し、グリコールメタアクリレートプラスチック内に包埋し、5μmの薄片に切り、スライドガラス上に連続的に載せ、染色し、カバーガラスをかぶせた。鼓膜臍部および岬角のレベルの連続した3つの切片を、1)中耳に存在する体液の面積;および2)中耳液中の細胞の数の測定のために選択した。各測定は、1検体あたり3つの連続した切片において行った。各パラメータについて与えられた値は、3つの切片の平均値である(図2)。この実験から、P13の点耳投与が、前臨床AOMモデルにおいて細胞浸潤と体液残留の両方を劇的に減少させることが確かめられた。興味深いことに、多い細胞数および広い体液面積を示すP13処置群の1匹の動物は、同じ動物である。
【0132】
実施例10:P13の局所投与は聴覚障害の重症度および継続時間を著しく減少させた
A.P13の局所投与はAOMのマウスモデルにおいて有効性を証明した。
【0133】
AOMを有する患者では、中耳貯留液が残留することが多く、その残留によって聴力が損なわれ得、感染が反復し得、そして極端な状態では鼓膜チューブの外科的留置が必要になり得る。AOMの前臨床モデルにおいてP13の局所投与が聴力に影響し得るか否かを判定するために、13週齢のBALB/cマウス(n=8)の両耳においてベースライン聴性脳幹反応(ABR)および耳鏡検査を行った。ABR刺激は、10dBずつ5つの強度レベルの4kHz、8kHz、16kHzおよび32kHzにおける20のトーンバーストトレイン(tone−burst trains)からなるものだった。各トーンバーストの持続時間は、2ミリ秒であり、トーンバーストの発生は、12ミリ秒隔てられた。5dBだけずれた2つの別個のトレインを刺激として与え、次いで、それらをデータ解析において組み合わせることにより、5dBずつ閾値を決定した。デジタルオシロスコープを使用して300回の反復刺激に対する応答を平均した。閾値は、応答を特定することができた最低強度に基づいた。閾値に存在する波の数は、いくらか変動したが、少なくとも2つの波の存在が、妥当な閾値であると考えられた。前に記載したように、手術用顕微鏡を使用して耳鏡検査を行うことによりAOMの臨床症状を確かめた。8匹すべての動物がこの研究に残り、その両耳に5μlの加熱不活性化された肺炎球菌(10CFU/ml)を経鼓膜的に注射した。細菌注射の24時間後、耳鏡検査によってマウスを調べ、炎症基準を満たす動物をこの研究に残した。24時間後、各動物の一方の耳をP13(1μg/30μl)で、他方の耳をPBS(30μl)で局所的に処置した。局所処置のために、動物を軽く麻酔し、P13またはPBSを鼓膜の外側に滴下した。それらの動物を15〜20分間鎮静させた。
【0134】
細菌注射の5および13日後、上に記載したようにすべての動物においてABR試験を行った。各周波数に対する細菌注射後のABRからベースラインABRを減算し、次いで、4つすべての周波数(4、8、16および32kHz)を合計することによって、ABRデータを計算した。5および13日目を用いて、反復測定2元配置分散分析をデータ解析のために行った。この実験から、P13の点耳投与が、コントロールで処置された動物において見られた聴覚障害を有意に限定したことが確認された。P13での処置は、聴覚障害の重症度を減少させ、正常なベースライン聴力レベルへの回復までの時間を短縮した(図3A)。P13処置は、PBS処置と比べて、聴力を失った動物の数を劇的に減少させた(図3B)。まとめると、これらのデータから、聴覚障害の重症度および継続時間の減少におけるP13の有効性が確認された。
【0135】
B.P13の局所投与は慢性中耳炎のマウスモデルにおいて有効性を証明した
8匹のC3H/HeJマウス(12月齢)において臨床的な耳の検査を行った。中耳の炎症を示す動物(6匹のマウス)において2回のベースラインABRを1週間間隔で行い、次いで、各耳をPBSまたは1μgのP13で局所的に処置した。P13/PBS処置の1および2週間後、再度耳鏡検査およびABR評価を行った。各周波数に対する処置後のABRからベースラインABRを減算し、次いで、4つすべての周波数を合計することによって、ABRデータを計算した。P13の局所処置によって、処置の1週間後と2週間後の両方において4つすべての周波数でのABR測定によって評価された聴力閾値が統計学的に有意に改善された。このデータは、両方の時点において聴力閾値の劇的な改善を示し、2週間後にはおよそ40db改善した。単一の周波数(4kHz)の検査から、聴力に対するP13処置の効果が証明された(処置の2週間後、P13処置動物では、コントロールと比べて聴力がおよそ12db改善した)。いずれの時点におけるペプチド処置後の耳鏡検査によって評価された中耳の炎症状態にも、変化は観察されなかった。
【0136】
C.COMを処置する際のP13のD−およびL−異性体の形態の比較
ペプチドの生物学的半減期は、L−異性体型の代わりにアミノ酸残基のD−異性体を使用することによって改善され得る。ゆえに、すべてD−アミノ酸残基を含むP13の立体異性体(D−P13)を、COMを有するC3H/HeJマウスを処置する際の有効性について試験し、その結果を、すべてL−アミノ酸残基を含む立体異性体(L−P13)によって得られた結果と比較した。標準的な方法によってD−P13ペプチドを作製し、>95%に精製した。COMを有する3匹のC3H/HeJマウスの両耳を、上に記載したようにD−P13で局所的に処置し、処置の1および2週間後にABRを評価した。L−P13による処置で見られたのと同様に、D−P13による処置は、臨床的に実証されている疾患を有するCOMマウスの聴力閾値の改善における有効性も証明した。処置の2週間後、L−P13では処置後およそ40db改善されたのに対して、D−P13は、すべての周波数において聴力閾値をおよそ20db改善した。P13のL−異性体は、聴力閾値のより著明な改善を示したが、P13のD−およびL−異性体型は、この実験において同様のレベルの統計的信頼度を示した。
【0137】
実施例11:P13の局所投与は聴器毒性を有しなかった
点耳薬による投与の際の正常マウスの聴力に対する悪影響の可能性についてP13を調査した。16週齢のBALB/cマウス(n=16)に、1週間空けて2回のベースライン聴性脳幹反応(ABR)試験を行い、両耳において耳鏡検査を行った。ABR刺激は、先に記載されたような、10dBずつ5つの強度レベルの4kHz、8kHz、16kHzおよび32kHzにおける20のトーンバーストトレインからなるものだった。前に記載したように、手術用顕微鏡を用いて耳鏡検査を行うことによりAOMの臨床症状を確かめた。プレスクリーニングにおいて異常なABRまたは検査結果を有するいずれの動物も、この研究に入れなかった。
【0138】
16匹すべての動物がこの研究に残り、以下のとおり5つの群に分けた:
群1:(n=6つの耳)1μg P13/30μl、局所、1回投与;
群2:(n=7つの耳)10μg P13/30μl、局所、1回投与;
群3:(n=7つの耳)10μg P13/30μl、局所、2回投与、24時間間隔;
群4:(n=6つの耳)60μg P13/30μl、局所、1回投与;および
群5:(n=6つの耳)無処置マウス。
【0139】
P13による処置の1、2、3および4週間後にABRを行った。2つのベースラインABRを平均し、それをP13処置後のABRと比較した。この実験から、P13の局所投与が、これらの正常マウスの聴力の閾値に悪影響を及ぼさないことが証明された。
【0140】
実施例12:ペプチドで処置されたマウスにおけるTNF−α分泌の評価
CpG−ODNおよびLPSによる刺激に応答したマウスにおけるTNF−α分泌に対するいくつかのペプチドの効果を研究する。各ペプチド−Rについて、3つの濃度、37μM、22.2μMおよび11.1μMのペプチド組成物を調製し、試験する。このアッセイにおいて活性を示すペプチドを、再アッセイのためにさらに11.1μM、7.4μMおよび3.7μMのペプチド組成物に製剤化する。
【0141】
約8〜12週齢のBALB/c(Baggアルビノ)マウスを、キシラジンおよびケタミン(約0.1mg/30g体重)の皮下注射で麻酔する。そのマウスの両耳に1.25μg/mlのCpG−ODNまたは1ng/mlのLPSを注射する。24時間後、そのマウスの一方の耳を1μgのペプチド/30μl、および他方の耳をPBS(30μl)で局所的に処置する(点耳薬)。ペプチド/PBS処置の24時間後、中耳液を採取し、ELISAによってTNF−α分泌について解析する。コントロール耳よりも少ないTNF−α分泌を示す耳が、生存マウスにおいてTNF−α分泌を効果的に阻害するペプチドを特定する。
【0142】
実施形態
以下の実施形態は、本発明の対象の非限定的な例を提供する。
【0143】
いくつかの実施形態において、本発明は:
a)配列番号187〜368のうちのいずれか1つの配列;または
b)少なくとも1つのD−アミノ酸残基を含むP13の誘導体
を含むペプチドを含む薬学的組成物を企図する。
【0144】
いくつかの実施形態において、上記ペプチドがC末端に伝達配列をさらに含む、請求項1に記載の薬学的組成物。
【0145】
いくつかの実施形態において、伝達配列は、ポリアルギニン配列である。
【0146】
いくつかの実施形態において、伝達配列は、連続した9個のアルギニン残基を含む。
【0147】
いくつかの実施形態において、伝達配列は、連続した9個のアルギニン残基からなる。
【0148】
いくつかの実施形態において、上記ペプチドは、少なくとも1つのD−アミノ酸残基を含むP13の誘導体を含む。
【0149】
いくつかの実施形態において、上記ペプチドのアミノ酸残基は、D−アミノ酸残基である。
【0150】
いくつかの実施形態において、伝達配列の一部でないアミノ酸残基は、D−アミノ酸残基である。
【0151】
いくつかの実施形態において、伝達配列の少なくとも1つのアミノ酸残基は、D−アミノ酸残基である。
【0152】
いくつかの実施形態において、伝達配列のアミノ酸残基のすべてが、D−アミノ酸残基である。
【0153】
いくつかの実施形態において、上記ペプチドは、配列番号42〜44、68〜77、79〜81、83、102〜106、133、141、151、166、167、181および182のうちのいずれか1つである。
【0154】
いくつかの実施形態において、上記ペプチドは、配列番号228〜230、254〜263、265〜267、269、288〜292、319、327、337、352、353、367および368のうちのいずれか1つである。
【0155】
いくつかの実施形態において、薬学的組成物は、薬学的に許容され得る賦形剤をさらに含む。
【0156】
いくつかの実施形態において、薬学的組成物は、滴剤の形態である。
【0157】
いくつかの実施形態において、薬学的組成物は、エアロゾル、蒸気、スプレーまたは噴霧の形態である。
【0158】
いくつかの実施形態において、本発明は、配列番号1〜186のうちのいずれか1つの配列を含むペプチドを含む薬学的組成物を企図する。
【0159】
いくつかの実施形態において、本発明は、配列番号1〜368のうちのいずれか1つの配列を含むペプチドを企図する。
【0160】
いくつかの実施形態において、上記ペプチドは、配列番号42〜44、68〜77、79〜81、83、102〜106、133、141、151、166、167、181、182、228〜230、254〜263、265〜267、269、288〜292、319、327、337、352、353、367および368のうちのいずれか1つの配列を含む。
【0161】
いくつかの実施形態において、本発明は、配列番号1〜369のうちのいずれか1つの配列を含むペプチドの誘導体を企図し、ここで、その誘導体は、少なくとも1つのD−アミノ酸残基を含む。
【0162】
いくつかの実施形態において、本発明は、細胞活性を制御する方法を企図し、その方法は、それを必要とするかまたは欲している生物に:
a)配列番号187〜368のうちのいずれか1つの配列;または
b)少なくとも1つのD−アミノ酸残基を含むP13の誘導体
を含むペプチドを含む有効量の薬学的組成物を投与する工程を包含し、
ここで、そのペプチドは、必要に応じて、C末端に伝達配列をさらに含む。
【0163】
いくつかの実施形態において、上記細胞活性は、toll様レセプターによって媒介される。
【0164】
いくつかの実施形態において、toll様レセプターによって媒介される細胞活性は、TNF−αの分泌である。
【0165】
いくつかの実施形態において、上記方法は、LPSおよび/またはCpG−ODNによる刺激後のTNF−α分泌の10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%または90%の阻害を提供する。
【0166】
いくつかの実施形態において、上記投与工程は、サイトカイン分泌の阻害をもたらす。
【0167】
いくつかの実施形態において、本発明は、動物における炎症を処置する方法を企図し、その方法は、それを必要とするかまたは欲している動物に:
a)配列番号187〜368のうちのいずれか1つの配列;または
b)少なくとも1つのD−アミノ酸残基を含むP13の誘導体
を含むペプチドを含む薬学的組成物を投与する工程を包含し、
ここで、そのペプチドは、必要に応じて、C末端に伝達配列をさらに含む。
【0168】
いくつかの実施形態において、上記炎症は、ウイルス、細菌、真菌、抗原、自己抗原またはそれらの組み合わせによって引き起こされる。
【0169】
いくつかの実施形態において、上記炎症は、耳の炎症である。
【0170】
いくつかの実施形態において、上記炎症は、中耳炎である。
【0171】
いくつかの実施形態において、上記投与は、中耳炎の症状を低減させるかまたは除去する。
【0172】
いくつかの実施形態において、上記症状は、疼痛、耳漏、発熱、被刺激性、食欲不振、嘔吐または下痢である。
【0173】
いくつかの実施形態において、上記症状は、疼痛である。
【0174】
いくつかの実施形態において、上記炎症は、皮膚、関節、筋組織、脳または結合組織の炎症である。
【0175】
いくつかの実施形態において、上記炎症は、関節炎、皮膚炎、エリテマトーデス、髄膜炎または乾癬である。
【0176】
いくつかの実施形態において、上記関節炎は、変形性関節症、関節リウマチ、化膿性関節炎、痛風、偽痛風、若年性特発性関節炎、スティル病または強直性脊椎炎である。
【0177】
いくつかの実施形態において、上記皮膚炎は、海綿状皮膚炎、小児湿疹、アレルギー性接触皮膚炎、脂漏性皮膚炎、汗疱状皮膚炎、じんま疹、小水疱性皮膚炎もしくは水疱性皮膚炎または丘疹状じんま疹である。
【0178】
いくつかの実施形態において、上記乾癬は、プラーク乾癬、屈側性乾癬、滴状乾癬、膿疱性乾癬、爪乾癬、乾癬性関節炎または乾癬性紅皮症である。
【0179】
いくつかの実施形態において、上記薬学的組成物は、局所適用を介して投与される。
【0180】
いくつかの実施形態において、上記局所適用は、皮膚、毛、外耳、鼓膜、頬側前庭、鼻腔または舌下腔への適用を含む。
【0181】
いくつかの実施形態において、上記局所適用は、鼓膜への適用を含む。
【0182】
いくつかの実施形態において、上記鼓膜への適用は、鼓膜への滴剤の適用を含む。
【0183】
いくつかの実施形態において、上記動物は、ヒトである。
【0184】
いくつかの実施形態において、本発明は、副鼻腔炎を処置する方法を企図し、その方法は、それを必要とするかまたは欲している生物にエアロゾル組成物を投与する工程を包含し、そのエアロゾル組成物は:
a)配列番号187〜369のうちのいずれか1つの配列;または
b)少なくとも1つのD−アミノ酸残基を含むP13の誘導体
を含む治療有効量のペプチドを含み、
ここで、そのペプチドは、必要に応じて、C末端に伝達配列をさらに含む。
【0185】
いくつかの実施形態において、本発明は、動物の聴力を改善する方法を企図し、その方法は、中耳および/または内耳の炎症を有し、かつ聴力が低下した動物に:
a)配列番号187〜369のうちのいずれか1つの配列;または
b)少なくとも1つのD−アミノ酸残基を含むP13の誘導体
を含む治療有効量のペプチドを投与する工程を包含し、
ここで、そのペプチドは、必要に応じて、C末端に伝達配列をさらに含み、そのペプチドは、局所的に投与され、聴力は、普通レベルと変わらないレベルまで改善し、そして/または聴力は、そのペプチドの投与なしに聴力が改善するよりも速く改善する。
【0186】
いくつかの実施形態において、本発明は、中耳および/または内耳の炎症を処置する方法を企図し、その方法は、それを必要とするかまたは欲している動物の鼓膜に:
a)配列番号187〜369のうちのいずれか1つの配列;または
b)少なくとも1つのD−アミノ酸残基を含むP13の誘導体
を含む治療有効量のペプチドを投与する工程を包含し、
ここで、そのペプチドは、必要に応じて、C末端に伝達配列をさらに含む。
【0187】
いくつかの実施形態において、本発明は、細胞活性を制御するための医薬の製造におけるペプチドの使用を企図し、そのペプチドは:
a)配列番号187〜368のうちのいずれか1つの配列;または
b)少なくとも1つのD−アミノ酸残基を含むP13の誘導体
を含み、ここで、そのペプチドは、必要に応じて、C末端に伝達配列をさらに含む。
【0188】
いくつかの実施形態において、上記細胞活性は、toll様レセプターによって媒介される。
【0189】
いくつかの実施形態において、toll様レセプターによって媒介される上記細胞活性は、TNF−αの分泌である。
【0190】
いくつかの実施形態において、上記医薬は、LPSおよび/またはCpG−ODNによる刺激後のTNF−α分泌の10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%または90%の阻害を提供する。
【0191】
いくつかの実施形態において、上記医薬は、サイトカイン分泌の阻害に適している。
【0192】
いくつかの実施形態において、本発明は、動物における炎症を処置するための医薬の製造におけるペプチドの使用を企図し、そのペプチドは:
a)配列番号187〜368のうちのいずれか1つの配列;または
b)少なくとも1つのD−アミノ酸残基を含むP13の誘導体
を含み、ここで、そのペプチドは、必要に応じて、C末端に伝達配列をさらに含む。
【0193】
いくつかの実施形態において、上記炎症は、ウイルス、細菌、真菌、抗原、自己抗原またはそれらの組み合わせによって引き起こされる。
【0194】
いくつかの実施形態において、上記炎症は、耳の炎症である。
【0195】
いくつかの実施形態において、上記炎症は、中耳炎である。
【0196】
いくつかの実施形態において、上記投与は、中耳炎の症状を低減させるかまたは除去する。
【0197】
いくつかの実施形態において、上記症状は、疼痛、耳漏、発熱、被刺激性、食欲不振、嘔吐または下痢である。
【0198】
いくつかの実施形態において、上記症状は、疼痛である。
【0199】
いくつかの実施形態において、上記炎症は、皮膚、関節、筋組織、脳または結合組織の炎症である。
【0200】
いくつかの実施形態において、上記炎症は、関節炎、皮膚炎、エリテマトーデス、髄膜炎または乾癬である。
【0201】
いくつかの実施形態において、上記関節炎は、変形性関節症、関節リウマチ、化膿性関節炎、痛風、偽痛風、若年性特発性関節炎、スティル病または強直性脊椎炎である。
【0202】
いくつかの実施形態において、上記皮膚炎は、海綿状皮膚炎、小児湿疹、アレルギー性接触皮膚炎、脂漏性皮膚炎、汗疱状皮膚炎、じんま疹、小水疱性皮膚炎もしくは水疱性皮膚炎または丘疹状じんま疹である。
【0203】
いくつかの実施形態において、上記乾癬は、プラーク乾癬、屈側性乾癬、滴状乾癬、膿疱性乾癬、爪乾癬、乾癬性関節炎または乾癬性紅皮症である。
【0204】
いくつかの実施形態において、上記医薬は、局所適用に適している。
【0205】
いくつかの実施形態において、上記局所適用は、皮膚、毛、外耳、鼓膜、頬側前庭、鼻腔または舌下腔への適用を含む。
【0206】
いくつかの実施形態において、上記局所適用は、鼓膜への適用を含む。
【0207】
いくつかの実施形態において、上記鼓膜への適用は、鼓膜への滴剤の適用を含む。いくつかの実施形態において、上記動物は、ヒトである。
【0208】
いくつかの実施形態において、本発明は、副鼻腔炎を処置するための医薬の製造におけるペプチドの使用を企図し、その医薬は、エアロゾル組成物を含み、そのペプチドは:
a)配列番号187〜369のうちのいずれか1つの配列;または
b)少なくとも1つのD−アミノ酸残基を含むP13の誘導体
を含み、ここで、そのペプチドは、必要に応じて、C末端に伝達配列をさらに含む。
【0209】
いくつかの実施形態において、本発明は、動物の聴力を改善するための医薬の製造におけるペプチドの使用を企図し、ここで、その動物は、中耳および/または内耳の炎症を有し、かつ聴力が低下しており、そのペプチドは:
a)配列番号187〜369のうちのいずれか1つの配列;または
b)少なくとも1つのD−アミノ酸残基を含むP13の誘導体
を含み、ここで、そのペプチドは、必要に応じて、C末端に伝達配列をさらに含み、その医薬は、局所用の医薬である。
【0210】
いくつかの実施形態において、本発明は、中耳および/または内耳の炎症を処置するための医薬の製造におけるペプチドの使用を企図し、ここで、その医薬は、それを必要とするかまたは欲している動物の鼓膜への投与に適しており、そのペプチドは:
a)配列番号187〜369のうちのいずれか1つの配列;または
b)少なくとも1つのD−アミノ酸残基を含むP13の誘導体
を含み、ここで、そのペプチドは、必要に応じて、C末端に伝達配列をさらに含む。
【0211】
実施形態101.アミノ酸配列FTILEEYFMY(配列番号371)を含むペプチドを含む組成物。
【0212】
実施形態102.上記ペプチドが、S1〜S17からなる群から選択される、実施形態101の組成物。
【0213】
実施形態103.ペプチドが、伝達配列をさらに含む、実施形態101の組成物。
【0214】
実施形態104.上記伝達配列が、C末端に位置する9−アルギニン配列を含む、実施形態103の組成物。
【0215】
実施形態105.細胞にペプチドを投与する工程を包含する、細胞活性を制御する方法であって、前記ペプチドは、アミノ酸配列FTILEEYFMY(配列番号371)を含む、方法。
【0216】
実施形態106.上記ペプチドが、S1〜S17からなる群から選択される、実施形態105の方法。
【0217】
実施形態107.上記ペプチドが、伝達配列をさらに含む、実施形態105の方法。
【0218】
実施形態108.上記伝達配列が、C末端に位置する9−アルギニン配列を含む、実施形態106の方法。
【0219】
実施形態109.上記活性が、toll様レセプターによって媒介される、実施形態105の方法。
【0220】
実施形態110.上記投与が、サイトカイン分泌の阻害をもたらす、実施形態105の方法。
【0221】
実施形態111.上記ペプチドが、炎症の処置において使用される、実施形態106の方法。
【0222】
実施形態112.上記炎症が、ウイルス、細菌、真菌、抗原、自己抗原またはそれらの組み合わせによって引き起こされる、実施形態111の方法。
【0223】
実施形態113.前記細胞への前記ペプチドの投与が、CpG−ODNによる刺激後のTNF−α分泌の10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%または90%の阻害をもたらす、実施形態105の方法。
【0224】
実施形態114.A52Rに由来する治療的に有効な用量のペプチドを投与する工程を包含する、toll様レセプターシグナル伝達に応答したTNF−αの分泌を減少させる方法。
【0225】
実施形態115.S1〜S17から選択されるペプチドのうちのいずれか1つに示されるアミノ酸配列を含むペプチド;
前記ペプチドのC末端に位置する9−アルギニン配列;および
薬学的に許容され得る賦形剤
を含む薬学的組成物であって、ここで、前記組成物は、炎症の処置のために使用される、薬学的組成物。
【0226】
実施形態201.アミノ酸配列LEEYFMY(配列番号370)を含むペプチドを含む組成物。
【0227】
実施形態202.上記ペプチドが、S1〜S22からなる群から選択される、実施形態201の組成物。
【0228】
実施形態203.ペプチドが、伝達配列をさらに含む、実施形態201または202の組成物。
【0229】
実施形態204.上記伝達配列が、C末端に位置する9−アルギニン配列を含む、実施形態203の組成物。
【0230】
実施形態205.上記ペプチドが、L−異性体アミノ酸もしくはD−異性体アミノ酸またはL−およびD−異性体アミノ酸を含む、実施形態201または202の組成物。
【0231】
実施形態206.上記ペプチドおよび/または伝達配列が、L−異性体アミノ酸もしくはD−異性体アミノ酸またはL−およびD−異性体アミノ酸を含む、実施形態203の組成物。
【0232】
実施形態207.ペプチドを細胞に投与する工程を包含し、前記ペプチドが、アミノ酸配列LEEYFMY(配列番号370)を含む、細胞活性を制御する方法。
【0233】
実施形態208.上記ペプチドが、S1〜S22からなる群から選択される、実施形態207の方法。
【0234】
実施形態209.上記ペプチドが、伝達配列をさらに含む、実施形態207または208の方法。
【0235】
実施形態210.上記伝達配列が、C末端に位置する9−アルギニン配列を含む、実施形態209の方法。
【0236】
実施形態211.上記ペプチドが、L−異性体アミノ酸もしくはD−異性体アミノ酸またはL−およびD−異性体アミノ酸を含む、実施形態207または208の方法。
【0237】
実施形態212.上記ペプチドおよび/または伝達配列が、L−異性体アミノ酸もしくはD−異性体アミノ酸またはL−およびD−異性体アミノ酸を含む、実施形態209の方法。
【0238】
実施形態213.上記活性が、toll様レセプターによって媒介される、実施形態207の方法。
【0239】
実施形態214.上記投与が、サイトカイン分泌の阻害をもたらす、実施形態207の方法。
【0240】
実施形態215.上記ペプチドが、炎症の処置において使用される、実施形態208の方法。
【0241】
実施形態216.上記炎症が、ウイルス、細菌、真菌、抗原、自己抗原またはそれらの組み合わせによって引き起こされる、実施形態215の方法。
【0242】
実施形態217.前記細胞への前記ペプチドの投与が、CpG−ODNによる刺激後のTNF−α分泌の10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%または90%の阻害をもたらす、実施形態207の方法。
【0243】
実施形態218.A52Rに由来する治療的に有効な用量のペプチドを投与する工程を包含する、toll様レセプターシグナル伝達に応答したTNF−αの分泌を減少させる方法。
【0244】
実施形態219.(a)S1〜S22から選択されるペプチドのうちのいずれか1つに示されるアミノ酸配列を含むペプチド;(b)前記ペプチドのC末端に位置する9−アルギニン配列;および薬学的に許容され得る賦形剤を含む薬学的組成物であって、ここで、前記組成物は、炎症の処置のために使用される、薬学的組成物。
【0245】
実施形態301.アミノ酸配列VYDCI(配列番号372)、VYACI(配列番号373)、KLTVY(配列番号374)、KLYVY(配列番号375)またはKVYVY(配列番号376)を含むペプチドを含む組成物。
【0246】
実施形態302.上記ペプチドが、表1に表されているペプチドからなる群から選択される、実施形態301の組成物。
【0247】
実施形態303.ペプチドが、伝達配列をさらに含む、実施形態301の組成物。
【0248】
実施形態304.上記伝達配列が、C末端に位置する9−アルギニン配列を含む、実施形態303の組成物。
【0249】
実施形態305.ペプチドを細胞に投与する工程を包含し、前記ペプチドが、アミノ酸配列VYDCI(配列番号372)、VYACI(配列番号373)、KLTVY(配列番号374)、KLYVY(配列番号375)またはKVYVY(配列番号376)を含む、細胞活性を制御する方法。
【0250】
実施形態306.上記ペプチドが、表1に表されているペプチドからなる群から選択される、実施形態305の方法。
【0251】
実施形態307.上記ペプチドが、伝達配列をさらに含む、実施形態305の方法。
【0252】
実施形態308.上記伝達配列が、C末端に位置する9−アルギニン配列を含む、実施形態306の方法。
【0253】
実施形態309.上記活性が、toll様レセプターによって媒介される、実施形態305の方法。
【0254】
実施形態310.上記投与が、サイトカイン分泌の阻害をもたらす、実施形態305の方法。
【0255】
実施形態311.上記ペプチドが、炎症の処置において使用される、実施形態306の方法。
【0256】
実施形態312.上記炎症が、ウイルス、細菌、真菌、抗原、自己抗原またはそれらの組み合わせによって引き起こされる、実施形態311の方法。
【0257】
実施形態313.前記細胞への前記ペプチドの投与が、CpG−ODNによる刺激後のTNF−α分泌の10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%または90%の阻害をもたらす、実施形態305の方法。
【0258】
実施形態314.前記細胞への前記ペプチドの投与が、LPSによる刺激後のTNF−α分泌の10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%または90%の阻害をもたらす、実施形態305の方法。
【0259】
実施形態315.P13に由来する治療的に有効な用量のペプチドを投与する工程を包含する、toll様レセプターシグナル伝達に応答したTNF−αの分泌を減少させる方法。
【0260】
実施形態316.表1に列挙されているペプチドから選択されるペプチドのうちのいずれか1つに示されるアミノ酸配列を含むペプチド;
前記ペプチドのC末端に位置する9−アルギニン配列;および
薬学的に許容され得る賦形剤
を含む薬学的組成物であって、ここで、前記組成物は、炎症の処置のために使用される、薬学的組成物。
【0261】
実施形態401.アミノ酸配列VYACI(配列番号373)、KLYVY(配列番号375)またはKVYVY(配列番号376)を含むペプチドを含む組成物。
【0262】
実施形態402.上記ペプチドが、表1に表されているペプチドからなる群から選択される、実施形態401の組成物。
【0263】
実施形態403.上記ペプチドが、伝達配列をさらに含む、実施形態401または402の組成物。
【0264】
実施形態404.上記伝達配列が、C末端に位置する9−アルギニン配列を含む、実施形態403の組成物。
【0265】
実施形態405.上記ペプチドが、L−異性体アミノ酸もしくはD−異性体アミノ酸またはL−およびD−異性体アミノ酸を含む、実施形態401または402の組成物。
【0266】
実施形態406.上記ペプチドおよび/または伝達配列が、L−異性体アミノ酸もしくはD−異性体アミノ酸またはL−およびD−異性体アミノ酸を含む、実施形態403の組成物。
【0267】
実施形態407.細胞にペプチドを投与する工程を包含し、前記ペプチドが、アミノ酸配列VYACI(配列番号373)、KLYVY(配列番号375)またはKVYVY(配列番号376)を含む、細胞活性を制御する方法。
【0268】
実施形態408.上記ペプチドが、表1に表されているペプチドからなる群から選択される、実施形態407の方法。
【0269】
実施形態409.上記ペプチドが、伝達配列をさらに含む、実施形態407または408の方法。
【0270】
実施形態410.上記伝達配列が、C末端に位置する9−アルギニン配列を含む、実施形態409の方法。
【0271】
実施形態411.上記ペプチドが、L−異性体アミノ酸もしくはD−異性体アミノ酸またはL−およびD−異性体アミノ酸を含む、実施形態407または408の方法。
【0272】
実施形態412.上記ペプチドおよび/または伝達配列が、L−異性体アミノ酸もしくはD−異性体アミノ酸またはL−およびD−異性体アミノ酸を含む、実施形態409の方法。
【0273】
実施形態413.上記活性が、toll様レセプターによって媒介される、実施形態407の方法。
【0274】
実施形態414.上記投与が、サイトカイン分泌の阻害をもたらす、実施形態407の方法。
【0275】
実施形態415.上記ペプチドが、炎症の処置において使用される、実施形態408の方法。
【0276】
実施形態416.上記炎症が、ウイルス、細菌、真菌、抗原、自己抗原またはそれらの組み合わせによって引き起こされる、実施形態415の方法。
【0277】
実施形態417.前記細胞への前記ペプチドの投与が、CpG−ODNによる刺激後のTNF−α分泌の10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%または90%の阻害をもたらす、実施形態407の方法。
【0278】
実施形態418.前記細胞への前記ペプチドの投与が、LPSによる刺激後のTNF−α分泌の10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%または90%の阻害をもたらす、実施形態407の方法。
【0279】
実施形態419.P13に由来する治療的に有効な用量のペプチドを投与する工程を包含する、toll様レセプターシグナル伝達に応答したTNF−αの分泌を減少させる方法。
【0280】
実施形態420.表1に列挙されているペプチドから選択されるペプチドのうちのいずれか1つに示されるアミノ酸配列を含むペプチド;
前記ペプチドのC末端に位置する9−アルギニン配列;および
薬学的に許容され得る賦形剤
を含む薬学的組成物であって、ここで、前記組成物は、炎症の処置のために使用される、薬学的組成物。
【0281】
実施形態501.P13、P13の変異体、誘導体、立体異性体もしくはアナログまたは表1のペプチドから選択されるペプチドのうちのいずれか1つに示されるアミノ酸配列を含むペプチド;
前記ペプチドのC末端に位置する9−アルギニン配列;および
薬学的に許容され得る賦形剤
を含む薬学的組成物であって、ここで、前記組成物は、炎症の処置のために使用される、薬学的組成物。
【0282】
実施形態502.上記炎症が、中耳炎を含む、実施形態501の薬学的組成物。
【0283】
実施形態503.さらに含む実施形態502の薬学的組成物であって、ここで、その薬学的組成物は、局所適用を介して適用される、薬学的組成物。
【0284】
実施形態504.上記局所適用が、皮膚、毛、外耳、鼓膜、頬側前庭または舌下腔への適用を含む、実施形態503の薬学的組成物。
【0285】
実施形態505.上記局所適用が、鼓膜への適用を含む、実施形態504の薬学的組成物。
【0286】
実施形態506.上記鼓膜への適用が、鼓膜への点耳薬の適用を含む、実施形態505の薬学的組成物。
【0287】
実施形態507.中耳液の量を約30〜80パーセント減少させる;
中耳液中の浸潤細胞数を約30〜80パーセント減少させる;および
耳の炎症を有するマウスの鼓膜の厚さを約30〜80パーセント減少させる
のに有効な薬学的組成物であって、ここで、その組成物は、そのマウスに約0.01μg〜60μgの量で投与される、薬学的組成物。
【0288】
実施形態508.ペプチドを含む、実施形態507の薬学的組成物。
【0289】
実施形態509.上記ペプチドが、P13、またはその変異体、誘導体、立体異性体もしくはアナログを含む、実施形態508の薬学的組成物。
【0290】
実施形態510.上記ペプチドが、P13、P13およびポリアルギニンドメインを含むペプチド、または表1のペプチドを含む、実施形態509の薬学的組成物。
【0291】
実施形態511.上記ペプチドが、P13を含む、実施形態509の薬学的組成物。
【0292】
実施形態512.上記ペプチドが、P13の立体異性体を含み、その立体異性体の1つ以上のアミノ酸残基が、D−配置を含む、実施形態509の薬学的組成物。
【0293】
実施形態513.上記ペプチドが、P13の立体異性体を含み、その立体異性体のアミノ酸残基のすべてが、D−配置を含む、実施形態512の薬学的組成物。
【0294】
実施形態514.上記炎症が、中耳炎を含む、実施形態507の薬学的組成物。
【0295】
実施形態515.ペプチドを含む、実施形態514の薬学的組成物。
【0296】
実施形態516.上記ペプチドが、P13、またはその変異体、誘導体、立体異性体もしくはアナログを含む、実施形態515の薬学的組成物。
【0297】
実施形態517.上記ペプチドが、P13、P13およびポリアルギニンドメインを含むペプチド、または表1のペプチドを含む、実施形態516の薬学的組成物。
【0298】
実施形態518.上記ペプチドが、P13を含む、実施形態516の薬学的組成物。
【0299】
実施形態519.上記ペプチドが、P13の立体異性体を含み、その立体異性体の1つ以上のアミノ酸残基が、D−配置を含む、実施形態516の薬学的組成物。
【0300】
実施形態520.上記ペプチドが、P13の立体異性体を含み、その立体異性体のアミノ酸残基のすべてが、D−配置を含む、実施形態519の薬学的組成物。
【0301】
実施形態521.さらに含む実施形態514の薬学的組成物であって、ここで、その薬学的組成物は、局所適用を介して適用される、薬学的組成物。
【0302】
実施形態522.ペプチドを含む、実施形態521の薬学的組成物。
【0303】
実施形態523.上記ペプチドが、P13、またはその変異体、誘導体、立体異性体もしくはアナログを含む、実施形態522の薬学的組成物。
【0304】
実施形態524.上記ペプチドが、P13、P13およびポリアルギニンドメインを含むペプチド、または表1のペプチドを含む、実施形態523の薬学的組成物。
【0305】
実施形態525.上記ペプチドが、P13を含む、実施形態523の薬学的組成物。
【0306】
実施形態526.上記ペプチドが、P13の立体異性体を含み、その立体異性体の1つ以上のアミノ酸残基が、D−配置を含む、実施形態523の薬学的組成物。
【0307】
実施形態527.上記ペプチドが、P13の立体異性体を含み、その立体異性体のアミノ酸残基のすべてが、D−配置を含む、実施形態526の薬学的組成物。
【0308】
実施形態528.上記局所適用が、皮膚、毛、外耳、鼓膜、頬側前庭または舌下腔への適用を含む、実施形態521の薬学的組成物。
【0309】
実施形態529.ペプチドを含む、実施形態528の薬学的組成物。
【0310】
実施形態530.上記ペプチドが、P13、またはその変異体、誘導体、立体異性体もしくはアナログを含む、実施形態529の薬学的組成物。
【0311】
実施形態531.上記ペプチドが、P13、P13およびポリアルギニンドメインを含むペプチド、または表1のペプチドを含む、実施形態530の薬学的組成物。
【0312】
実施形態532.上記ペプチドが、P13を含む、実施形態530の薬学的組成物。
【0313】
実施形態533.上記ペプチドが、P13の立体異性体を含み、その立体異性体の1つ以上のアミノ酸残基が、D−配置を含む、実施形態530の薬学的組成物。
【0314】
実施形態534.上記ペプチドが、P13の立体異性体を含み、その立体異性体のアミノ酸残基のすべてが、D−配置を含む、実施形態533の薬学的組成物。
【0315】
実施形態535.上記局所適用が、鼓膜への適用を含む、実施形態528の薬学的組成物。
【0316】
実施形態536.ペプチドを含む、実施形態535の薬学的組成物。
【0317】
実施形態537.上記ペプチドが、P13、またはその変異体、誘導体、立体異性体もしくはアナログを含む、実施形態536の薬学的組成物。
【0318】
実施形態538.上記ペプチドが、P13、P13およびポリアルギニンドメインを含むペプチド、または表1のペプチドを含む、実施形態537の薬学的組成物。
【0319】
実施形態539.上記ペプチドが、P13を含む、実施形態537の薬学的組成物。
【0320】
実施形態540.上記ペプチドが、P13の立体異性体を含み、その立体異性体の1つ以上のアミノ酸残基が、D−配置を含む、実施形態537の薬学的組成物。
【0321】
実施形態541.上記ペプチドが、P13の立体異性体を含み、その立体異性体のアミノ酸残基のすべてが、D−配置を含む、実施形態540の薬学的組成物。
【0322】
実施形態542.上記鼓膜への適用が、鼓膜への点耳薬の適用を含む、実施形態535の薬学的組成物。
【0323】
実施形態543.ペプチドを含む、実施形態542の薬学的組成物。
【0324】
実施形態544.上記ペプチドが、P13、またはその変異体、誘導体、立体異性体もしくはアナログを含む、実施形態543の薬学的組成物。
【0325】
実施形態545.上記ペプチドが、P13、P13およびポリアルギニンドメインを含むペプチド、または表1のペプチドを含む、実施形態544の薬学的組成物。
【0326】
実施形態546.上記ペプチドが、P13を含む、実施形態544の薬学的組成物。
【0327】
実施形態547.上記ペプチドが、P13の立体異性体を含み、その立体異性体の1つ以上のアミノ酸残基が、D−配置を含む、実施形態544の薬学的組成物。
【0328】
実施形態548.上記ペプチドが、P13の立体異性体を含み、その立体異性体のアミノ酸残基のすべてが、D−配置を含む、実施形態547の薬学的組成物。
【0329】
実施形態549.耳の炎症の処置を必要とするかまたはそれを欲している動物における耳の炎症を処置する方法であって、その方法は、その動物に実施形態507の薬学的組成物を投与する工程を包含する、方法。
【0330】
実施形態550.上記耳の炎症が、中耳炎を含む、実施形態549の方法。
【0331】
実施形態551.上記薬学的組成物が、局所適用を介して適用されることをさらに含む、実施形態550の方法。
【0332】
実施形態552.上記局所適用が、皮膚、毛、外耳、鼓膜、頬側前庭または舌下腔への適用を含む、実施形態551の方法。
【0333】
実施形態553.上記局所適用が、鼓膜への適用を含む、実施形態552の方法。
【0334】
実施形態554.上記鼓膜への適用が、鼓膜への点耳薬の適用を含む、実施形態553の方法。
【0335】
実施形態555.上記薬学的組成物が、P13、P13の変異体、誘導体、立体異性体もしくはアナログまたは表1のペプチドを含む、実施形態549、550、551、552、553または554の方法。
【0336】
実施形態556.上記P13の変異体、誘導体、立体異性体またはアナログが、P13およびポリアルギニンドメインを含む、実施形態555の方法。
【0337】
実施形態557.上記薬学的組成物が、P13を含む、実施形態555の方法。
【0338】
実施形態558.上記ペプチドが、P13の立体異性体を含み、その立体異性体の1つ以上のアミノ酸残基が、D−配置を含む、実施形態555の薬学的組成物。
【0339】
実施形態559.上記ペプチドが、P13の立体異性体を含み、その立体異性体のアミノ酸残基のすべてが、D−配置を含む、実施形態558の方法。
【0340】
実施形態560.動物における耳の炎症を処置する方法であって、その方法は、その動物にペプチドを投与する工程を包含し、ここで、そのペプチドは、P13、P13の変異体、誘導体、立体異性体もしくはアナログまたは表1のペプチドを含む、方法。
【0341】
実施形態561.上記耳の炎症が、中耳炎を含む、実施形態560の方法。
【0342】
実施形態562.上記ペプチドの投与工程が、皮膚、毛、外耳、鼓膜、頬側前庭または舌下腔への適用を含む、実施形態561の方法。
【0343】
実施形態563.上記局所適用が、鼓膜への必要に応じて点耳薬を介した適用を含む、実施形態562の方法。
【0344】
実施形態564.上記ペプチドが、P13を含む、実施形態563の方法。
【0345】
実施形態565.上記動物が、ヒトである、実施形態564の方法。
【0346】
実施形態566.上記ペプチドが、P13およびポリアルギニンドメインを含む、実施形態563の方法。
【0347】
実施形態567.上記動物が、ヒトである、実施形態566の方法。
【0348】
実施形態568.上記ペプチドが、DIVKLTVYDCIRRRRRRRRR(配列番号378)を含む、実施形態563の方法。
【0349】
実施形態569.上記動物が、ヒトである、実施形態568の方法。
【0350】
実施形態570.上記ペプチドが、P13の立体異性体を含み、その立体異性体の1つ以上のアミノ酸残基が、D−配置を含む、実施形態563の方法。
【0351】
実施形態571.上記ペプチドが、P13の立体異性体を含み、その立体異性体のアミノ酸残基のすべてが、D−配置を含む、実施形態570の方法。
【0352】
実施形態572.上記動物が、ヒトである、実施形態571の方法。
【0353】
実施形態573.上記ペプチドが、P13のアナログを含み、そのアナログの1つ以上のアミノ酸残基が、D−配置を含む、実施形態563の方法。
【0354】
実施形態574.上記ペプチドが、P13のアナログを含み、P13の残基に対応するそのアナログのアミノ酸残基のすべてが、D−配置およびポリアルギニンドメインを含む、実施形態573の方法。
【0355】
実施形態575.上記動物が、ヒトである、実施形態574の方法。
【0356】
実施形態576.上記ペプチドが:D−Asp−D−Ile−D−Val−D−Lys−D−Leu−D−Thr−D−Val−D−Tyr−D−Asp−D−Cys−D−Ile−Arg−Arg−Arg−Arg−Arg−Arg−Arg−Arg−Arg(配列番号183)を含む、実施形態563の方法。
【0357】
実施形態577.上記動物が、ヒトである、実施形態576の方法。
【0358】
実施形態578.上記ペプチドが、P13のアナログを含み、P13の残基に対応するそのアナログのアミノ酸残基のすべてが、D−配置、およびD−配置の少なくとも1つのアミノ酸残基を含むポリアルギニンドメインを含む、実施形態573の方法。
【0359】
実施形態579.上記動物が、ヒトである、実施形態578の方法。
【0360】
実施形態580.上記ペプチドが:D−Asp−D−Ile−D−Val−D−Lys−D−Leu−D−Thr−D−Val−D−Tyr−D−Asp−D−Cys−D−Ile−D−Arg−D−Arg−D−Arg−D−Arg−D−Arg−D−Arg−D−Arg−D−Arg−D−Arg(配列番号184)を含む、実施形態563の方法。
【0361】
実施形態581.上記動物が、ヒトである、実施形態580の方法。
【0362】
実施形態582.アミノ酸配列:D−Asp−D−Ile−D−Val−D−Lys−D−Leu−D−Thr−D−Val−D−Tyr−D−Asp−D−Cys−D−Ile−Arg−Arg−Arg−Arg−Arg−Arg−Arg−Arg−Arg(配列番号183)を含む、ペプチド。
【0363】
実施形態583.アミノ酸配列:D−Asp−D−Ile−D−Val−D−Lys−D−Leu−D−Thr−D−Val−D−Tyr−D−Asp−D−Cys−D−Ile−D−Arg−D−Arg−D−Arg−D−Arg−D−Arg−D−Arg−D−Arg−D−Arg−D−Arg(配列番号184)を含む、ペプチド。
【0364】
実施形態584.アミノ酸配列:D−Asp−D−Ile−D−Val−D−Lys−D−Leu−D−Thr−D−Val−D−Tyr−D−Asp−D−Cys−D−Ile(配列番号185)を含む、ペプチド。
【0365】
実施形態585.アミノ酸配列:Asp−Ile−Val−Lys−Leu−Thr−Val−Tyr−Asp−Cys−Ile−D−Arg−D−Arg−D−Arg−D−Arg−D−Arg−D−Arg−D−Arg−D−Arg−D−Arg(配列番号186)を含む、ペプチド。
【0366】
実施形態586.ペプチドを含む薬学的組成物であって、そのペプチドは:
P13、またはその変異体、誘導体、立体異性体もしくはアナログ;あるいは
表1のペプチド
を含み、ここで、その組成物は、被験体における皮膚、関節、筋組織または結合組織の炎症の処置のために使用される、薬学的組成物。
【0367】
実施形態587.上記炎症が、関節炎、皮膚炎、エリテマトーデスまたは乾癬を含む、実施形態586の薬学的組成物。
【0368】
実施形態588.上記関節炎が、変形性関節症、関節リウマチ、化膿性関節炎、痛風、偽痛風、若年性特発性関節炎、スティル病または強直性脊椎炎を含む、実施形態587の薬学的組成物。
【0369】
実施形態589.上記皮膚炎が、海綿状皮膚炎、小児湿疹、アレルギー性接触皮膚炎、脂漏性皮膚炎、汗疱状皮膚炎、じんま疹、小水疱性皮膚炎もしくは水疱性皮膚炎または丘疹状じんま疹を含む、実施形態587の薬学的組成物。
【0370】
実施形態590.上記乾癬が、プラーク乾癬、屈側性乾癬、滴状乾癬、膿疱性乾癬、爪乾癬、乾癬性関節炎または乾癬性紅皮症を含む、実施形態587の薬学的組成物。
【0371】
実施形態591.1つ以上の薬学的に許容され得る賦形剤をさらに含む、実施形態586の薬学的組成物。
【0372】
実施形態592.上記ペプチドが、P13またはその変異体、誘導体、立体異性体もしくはアナログを含む、実施形態586の薬学的組成物。
【0373】
実施形態593.上記ペプチドが、P13、またはP13およびポリアルギニンドメインを含むペプチドを含む、実施形態592の薬学的組成物。
【0374】
実施形態594.上記ペプチドが、P13を含む、実施形態592の薬学的組成物。
【0375】
実施形態595.上記ペプチドが、P13の立体異性体を含み、その立体異性体の1つ以上のアミノ酸残基が、D−配置を含む、実施形態592の薬学的組成物。
【0376】
実施形態596.上記ペプチドが、P13の立体異性体を含み、その立体異性体のアミノ酸残基のすべてが、D−配置を含む、実施形態595の薬学的組成物。
【0377】
実施形態597.上記ペプチドが、P13およびポリアルギニンドメインを含む、実施形態592の薬学的組成物。
【0378】
実施形態598.上記ペプチドが、DIVKLTVYDCIRRRRRRRRR(配列番号378)を含む、実施形態597の薬学的組成物。
【0379】
実施形態599.上記ペプチドが、P13のアナログを含み、そのアナログの1つ以上のアミノ酸残基が、D−配置を含む、実施形態592の薬学的組成物。
【0380】
実施形態600.上記ペプチドが、P13のアナログを含み、P13の残基に対応するそのアナログのアミノ酸残基のすべてが、D−配置およびポリアルギニンドメインを含む、実施形態599の薬学的組成物。
【0381】
実施形態601.上記ペプチドが:D−Asp−D−Ile−D−Val−D−Lys−D−Leu−D−Thr−D−Val−D−Tyr−D−Asp−D−Cys−D−Ile−Arg−Arg−Arg−Arg−Arg−Arg−Arg−Arg−Arg(配列番号183)を含む、実施形態599の薬学的組成物。
【0382】
実施形態602.上記ペプチドが:D−Asp−D−Ile−D−Val−D−Lys−D−Leu−D−Thr−D−Val−D−Tyr−D−Asp−D−Cys−D−Ile−D−Arg−D−Arg−D−Arg−D−Arg−D−Arg−D−Arg−D−Arg−D−Arg−D−Arg(配列番号184)を含む、実施形態599の薬学的組成物。
【0383】
実施形態603.動物における炎症を処置する方法であって、その方法は、その動物にペプチドを投与する工程を包含し、ここで、そのペプチドは、P13、P13の変異体、誘導体、立体異性体もしくはアナログまたは表1のペプチドを含む、方法。
【0384】
実施形態604.上記炎症が、関節炎、皮膚炎、エリテマトーデス、髄膜炎または乾癬を含む、実施形態603の方法。
【0385】
実施形態605.上記関節炎が、変形性関節症、関節リウマチ、化膿性関節炎、痛風、偽痛風、若年性特発性関節炎、スティル病または強直性脊椎炎を含む、実施形態604の方法。
【0386】
実施形態606.上記皮膚炎が、海綿状皮膚炎、小児湿疹、アレルギー性接触皮膚炎、脂漏性皮膚炎、汗疱状皮膚炎、じんま疹、小水疱性皮膚炎もしくは水疱性皮膚炎または丘疹状じんま疹を含む、実施形態604の方法。
【0387】
実施形態607.上記乾癬が、プラーク乾癬、屈側性乾癬、滴状乾癬、膿疱性乾癬、爪乾癬、乾癬性関節炎または乾癬性紅皮症を含む、実施形態604の方法。
【0388】
実施形態608.上記ペプチドが、P13またはその変異体、誘導体、立体異性体もしくはアナログを含む、実施形態603の方法。
【0389】
実施形態609.上記ペプチドが、P13、またはP13およびポリアルギニンドメインを含むペプチドを含む、実施形態608の方法。
【0390】
実施形態610.上記ペプチドが、P13を含む、実施形態608の方法。
【0391】
実施形態611.上記ペプチドが、P13の立体異性体を含み、その立体異性体の1つ以上のアミノ酸残基が、D−配置を含む、実施形態608の方法。
【0392】
実施形態612.上記ペプチドが、P13の立体異性体を含み、その立体異性体のアミノ酸残基のすべてが、D−配置を含む、実施形態611の方法。
【0393】
実施形態613.上記ペプチドが、P13およびポリアルギニンドメインを含む、実施形態608の方法。
【0394】
実施形態614.上記ペプチドが、DIVKLTVYDCIRRRRRRRRR(配列番号378)を含む、実施形態613の方法。
【0395】
実施形態615.上記ペプチドが、P13のアナログを含み、そのアナログの1つ以上のアミノ酸残基が、D−配置を含む、実施形態608の方法。
【0396】
実施形態616.上記ペプチドが、P13のアナログを含み、P13の残基に対応するそのアナログのアミノ酸残基のすべてが、D−配置およびポリアルギニンドメインを含む、実施形態615の方法。
【0397】
実施形態617.上記ペプチドが:D−Asp−D−Ile−D−Val−D−Lys−D−Leu−D−Thr−D−Val−D−Tyr−D−Asp−D−Cys−D−Ile−Arg−Arg−Arg−Arg−Arg−Arg−Arg−Arg−Arg(配列番号183)を含む、実施形態615の方法。
【0398】
実施形態618.上記ペプチドが:D−Asp−D−Ile−D−Val−D−Lys−D−Leu−D−Thr−D−Val−D−Tyr−D−Asp−D−Cys−D−Ile−D−Arg−D−Arg−D−Arg−D−Arg−D−Arg−D−Arg−D−Arg−D−Arg−D−Arg(配列番号184)を含む、実施形態615の方法。
【0399】
実施形態619.上記動物が、ヒトである、実施形態603〜618のうちのいずれかの方法。
【0400】
実施形態620.上記投与工程が、局所適用を含む、実施形態603〜618のうちのいずれかの方法。
【0401】
参考文献
以下の参考文献および本明細書中の開示において引用される参考文献は、本明細書によってそれらの全体が本明細書中で参考として援用される。
【0402】
【数1-1】
【0403】
【数1-2】
【0404】
【数1-3】
【0405】
【数1-4】
図1A
図1B
図2
図3
図4
【配列表】
[この文献には参照ファイルがあります.J-PlatPatにて入手可能です(IP Forceでは現在のところ参照ファイルは掲載していません)]