(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5797194
(24)【登録日】2015年8月28日
(45)【発行日】2015年10月21日
(54)【発明の名称】霧状液体口腔洗浄装置
(51)【国際特許分類】
A61C 17/02 20060101AFI20151001BHJP
A61C 17/022 20060101ALI20151001BHJP
【FI】
A61C17/02 B
A61C17/022
A61C17/02 G
【請求項の数】7
【全頁数】5
(21)【出願番号】特願2012-520126(P2012-520126)
(86)(22)【出願日】2010年6月18日
(65)【公表番号】特表2012-532730(P2012-532730A)
(43)【公表日】2012年12月20日
(86)【国際出願番号】IB2010052770
(87)【国際公開番号】WO2011007273
(87)【国際公開日】20110120
【審査請求日】2013年6月13日
(31)【優先権主張番号】61/225,245
(32)【優先日】2009年7月14日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】590000248
【氏名又は名称】コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ
(74)【代理人】
【識別番号】100087789
【弁理士】
【氏名又は名称】津軽 進
(74)【代理人】
【識別番号】100122769
【弁理士】
【氏名又は名称】笛田 秀仙
(72)【発明者】
【氏名】クロスター タイラー ジー
(72)【発明者】
【氏名】ヤンセン ヨゼフ ヨハンネス マリア
(72)【発明者】
【氏名】ジョンソン アーレン カール
【審査官】
石田 宏之
(56)【参考文献】
【文献】
国際公開第2009/077923(WO,A1)
【文献】
特表2011−506029(JP,A)
【文献】
特表2010−505458(JP,A)
【文献】
国際公開第2008/012707(WO,A2)
【文献】
特開平10−314189(JP,A)
【文献】
特表平07−508248(JP,A)
【文献】
特開平10−167943(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61C 17/02
A61C 17/022
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
液滴口腔洗浄装置であって、
混合室に導かれるガスの低圧バーストを生成するための、ユーザにより作動させられる作動アセンブリと、
前記混合室に液体のバースト又は或る量の液体を導くためのシステムと、
液体及びガスのバーストを受容するための、液体導入口とガス導入口とを持つ混合室であって、ノズルアセンブリに導かれる、前記室内で生成された液滴のための液滴出口を持つ、混合室と、
を有し、前記ガス導入口の直径は1乃至5mmの範囲内であり、前記ガス導入口の中心線は、前記液滴出口の中心線とは、1乃至5mmの範囲内の距離だけのオフセットを持つ、口腔洗浄装置。
【請求項2】
前記ガス導入口の直径は3乃至4mmの範囲内であり、前記オフセットは2.5乃至3mmの範囲内である、請求項1に記載の口腔洗浄装置。
【請求項3】
前記ガス導入口は、90°乃至135°の範囲内の角度で、前記混合室への液体導入線と交差する、請求項1に記載の口腔洗浄装置。
【請求項4】
前記ガス導入口は、約90°の角度で前記液体導入口と交差する、請求項2に記載の口腔洗浄装置。
【請求項5】
前記ガスの圧力は30乃至100psiの範囲内である、請求項1に記載の口腔洗浄装置。
【請求項6】
前記液体は0.02乃至0.2ml毎に連続して供給され、前記ガスは10乃至100ミリ秒のバーストで供給される、請求項1に記載の口腔洗浄装置。
【請求項7】
前記液体は水であり、前記ガスは空気である、請求項1に記載の口腔洗浄装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加圧ガスを用いて液滴を生成する、霧状液体/液滴口腔洗浄装置に関し、更に詳細には、斯かる装置のための低圧ガスアセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
液体噴霧/液滴口腔洗浄装置は、加圧ガス(一般には空気)の供給源及び液体(一般には水)の供給源を含み、ここで該ガス及び液体は、該装置の混合室部に導かれて霧状液体又は液滴の流れを生成する。液滴は次いで、ノズルアセンブリを通るように導かれ、該ノズルの出口端から出て、洗浄されるべき選択された歯の領域へと導かれる。一般には、該選択された領域は歯間領域であるが、該装置は、歯列矯正用固定具の周囲を含む、全ての歯の領域を洗浄するために用いられ得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
加圧ガスの供給源は、CO
2カートリッジ又は同様の高圧気体(一般には900psi)の供給源であっても良い。これら装置は斯くして、該カートリッジが定期的に交換される必要があるため、一般には使用の間に高価であり、高圧装置も幾分かの設計的/工学的な困難性を呈する。
【0004】
それ故、洗浄が効果的でありながら、低圧ガスを使用する、霧状液体/液滴口腔洗浄装置を得ることが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0005】
従って、液滴口腔洗浄装置であって、混合室に導かれるガスの低圧バーストを生成するための、ユーザにより作動させられる作動アセンブリと、前記混合室に液体のバースト又は或る量の液体を導くためのシステムと、液体及びガスのバーストを受容するための混合室であって、ノズルアセンブリに導かれる、前記室内で生成された液滴のための出口を持つ、混合室と、を有し、ガス導入口の直径は1乃至5mmの範囲内であり、前記ガス導入口の中心線は、液滴出口の中心線とは、1乃至5mmの範囲内の距離だけのオフセットを持つ、口腔洗浄装置が説明され示される。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】本発明を包含する口腔洗浄装置を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
図1は、低圧ガスシステムにより生成される洗浄用液滴を利用する、口腔洗浄装置を示す。該装置10は、ばねアセンブリ12を含む。ばねアセンブリ12は、前後移動のためのプランジャ16及びばね18を装着された中空体14を含む。プランジャ16は、該プランジャに係合する作動部又はボタン20に対するユーザ動作により、ばね18の作用に抗して、中空体14において後方へと動かされる。該プランジャの前端21は、中空体14の内壁23と気密に接触したヘッド部を含む。該前端は、溝部27に囲まれた隆起した中央部25を持つ。作動部の解放の後、該ヘッド部は、中空体14に存在する空気を混合
室22(以下に詳細に説明され
図2に示される)へと押し込み、ばね18の作用により推進されるプランジャの前方への移動に帰着する。各動作の後、空気が中空体14へと流れ、混合室へのガスの反復的なバーストを可能とする。
【0008】
混合室22へと入るガス(例えば空気)の各バーストに先立ち、水又はその他の液体が、
液体導入流線34を通って混合室22へと流れる。このことは、例えばポンプによって、又は吸入作用若しくは重力送り若しくはその他の何らかの手段によってのように、種々の方法で実行され得る。該ガスは、比較的低圧で、典型的には30乃至100psiで、該混合室へと流入させられる。該低圧ガスは、該混合室内の液体に作用し、直径が5乃至100ミクロンのオーダーのサイズを持つ霧状液体又は液滴を生成する。
【0009】
該低圧ガスの作用は、該液滴を細長いノズルアセンブリ26へと加速させ、洗浄のために効果的な速度で出口端28から押し出す。霧状液体は、ユーザによって所望の歯領域、特に歯間領域及び歯列矯正用固定具の周囲へと向けられる。
【0010】
ばねアセンブリ、水取入口及びノズルアセンブリの全体的な構成、構造及び配置は従来通りであり、従って特に詳細には説明されない。
【0011】
混合室は、入って来る液体に対して低圧ガスの独特の流路幾何を包含し、それにより必要な乱流を生じさせて、液体の所望の霧状化及び結果として得られる霧状液滴の加速を実現するため、該混合室の構成は重要である。高圧ガス装置又は連続流ガス装置は、乱流を確実に得るための独特の混合室構成を必要としない。なぜなら、高圧又は連続流はそれ自体で、サイズ及び速度の点で所望の液滴を生成するのに十分であるからである。バーストモードで動作する本混合室構成は、低圧ガス圧で所望の霧状化を達成する。
【0012】
ここで
図2を参照すると、混合室
22が更に詳細に示されており、該混合室
22は、ガス導入流線32、液体導入流線34及び液滴出口線36を含む。低いガス圧においても液滴を生成するのに十分な乱流を作り出すガス、液体及び液滴流線の幾つかの特性が見出されている。
【0013】
重要な特性の1つは、ガス導入線32の直径である。ガス導入線32は概ね円筒形であり、即ち円形の断面を持つ。一般に、該ガス導入線の直径は1乃至5mmの範囲内であり、好適には3乃至4mmの範囲内である。更なる重要な因子は、ガス導入線32と水導入線34との間の交差角度である。好適な角度は90°以上である。一般に90°が特に好適であるが、交差角度は90°乃至135°の範囲内であっても良く、依然として許容可能な結果をもたらす。
【0014】
第3の重要な因子は、ガス導入線32の中心線と、液滴出口線36の中心線40との間のオフセット37である。該オフセットは1乃至5mmの範囲内であることが望ましく、好適な/最適なオフセットは2.5乃至3mmの範囲内である。以上の3つの因子のうち、ガス導入線の内径が、霧状化を制御するための最も重要なパラメータであると考えられる。
【0015】
以上の構成の利点は、比較的低圧で効果的な霧状化液体が生成されることができ、CO2ガスカートリッジの費用及び不便さを取り除く点である。
【0016】
動作時には、ばねアセンブリからのガスの各バーストは、10乃至100ミリ秒の継続時間を持ち、液体の各供給量は0.02乃至0.2mlの範囲内である。このことは、歯の効果的な洗浄に適したサイズであることが分かっている5乃至100ミクロンの範囲内の液滴を生成する。典型的には、液滴の速度は、斯かる構成においては約5乃至80m/sとなる。
【0017】
噴霧化の量は、以上のパラメータの1つ以上を変更することにより制御され得る。該装置は、歯間洗浄のために効果的な、ハンドヘルド型装置における効果的な口腔洗浄を提供し、斯くして従来のハンドヘルド型フロス装置に対する代替を提供する。
【0018】
本発明の好適な実施例が説明の目的のために開示されたが、請求項により定義される本発明の精神から逸脱することなく、種々の変更、変形及び代替が実施例に組み込まれ得ることは、理解されるべきである。